JP2023088747A - 水中油型固形化粧料 - Google Patents

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卓 太丸
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Abstract

【課題】みずみずしさおよび保湿効果を有し、かつ優れた「取れ」と使用感を実現した水中油型乳化固形化粧料の提供。【解決手段】(A)硫黄含有多糖類、(B)キシログルカン、および(C)ワックスを含む、水中油型固形化粧料と、その化粧料が保持され、肌に直接適用できる、容器入り化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は水中油型乳化固形化粧料に関する。さらに詳しくは、水中油型乳化物により得られる、みずみずしさや保湿効果を有し、かつ優れた使用感も実現した水中油型固形化粧料に関する。
従来、ファンデーション等の固形化粧料は、その形態を保持するためにワックス等を含む油中水型乳化物とするのが一般的であった。しかし、このような油中水型乳化化粧料は、塗布した際のみずみずしさ、保湿効果、うるおい感が不足することがあり、またべたつきなどを生じることがあった。
このような観点から、水中油型乳化物を増粘または固化し、半固形又は固形の、みずみずしい感触が得られ保湿効果にも優れた水中油型乳化化粧料の検討がなされている(特許文献1)。しかしながら、このような化粧料を皮膚に直接適用した場合の、皮膚への付着性などに改良の余地があった。すなわち、肌に直接適用する場合には肌に適切な量が付着し、またパフなどを利用して肌に適用する場合にはパフに適切な量が付着すること、そして、肌やパフに化粧料を付着させるときに、化粧料基材も崩れないこと、すなわち適切な「取れ」が実現できることが望まれる。また肌に適用する際に、肌の上で不適当な塊が形成されること、すなわちカスの形成などを防ぐことも望まれている。
国際公開特許2019/088056号明細書
本発明は、みずみずしさおよび保湿効果を高いレベルで維持しながら、優れた「取れ」を実現し、さらには優れた使用感をも実現できる、水中油型乳化固形化粧料を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] (A)硫黄含有多糖類、
(B)キシログルカン、および
(C)ワックス
を含む、水中油型固形化粧料。
[2] (A)成分が寒天またはカラギーナンである、[1]に記載の化粧料。
[3] (B)成分が植物由来である、[1]または[2]に記載の化粧料。
[4] (B)成分がタマリンドガムである、[1]~[3]のいずれかに記載の化粧料。
[5] (C)成分が、炭化水素系ワックスである、[1]~[4]のいずれかに記載の化粧料。
[6] 前記化粧料の総質量を基準とした(A)成分の含有率が(B)成分の含有率よりも低い、[1]~[5]のいずれかに記載の化粧料。
[7] (D)水溶性増粘剤をさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の化粧料。
[8] (E)(e1)親水性界面活性剤および(e2)高級アルコールの組み合わせをさらに含む、[1]~[7]のいずれかに記載の化粧料。
[9] (F)グリセリンをさらに含む、[1]~[8]のいずれかに記載の化粧料。
[10] 前記化粧料の総質量を基準として、(F)成分の含有率が10%以上である、[9]に記載の化粧料。
[11] (G)色材または光輝性粉体をさらに含む、[1]~[10]のいずれかに記載の化粧料。
[12] 25℃において、5.6mmφの針を用い、針入速度20mm/分、針入距離3mmの条件で測定したレオメーター硬度が10~80である、[1]~[11]のいずれかに記載の化粧料。
[13] 容器本体と、蓋材と、[1]~[12]のいずれか1項に記載の水中油型固形化粧料と、を有し、前記容器本体のひとつの面上に前記水中油型固形化粧料が、突出するように成型されて配置され、前記蓋材が前記本体に取り付けられることによって、前記水中油型固形化粧料が前記容器本体および前記蓋材によって画成される空間に保持される容器入り化粧料であって、突出するように成型された前記水中油型化粧料を、肌に直接接触させることによって塗布することができる、容器入り化粧料。
本発明によれば、水中油型乳化物が一般的に有している、みずみずしさ、冷感(清涼感)、保湿効果およびうるおい感を高いレベルで維持しながら、「取れ」が改良され、カスの形成が抑制された、優れた使用性を有する水中油型固形化粧料が提供される。
本発明による水中油型固形化粧料は、内相(油相)として、ラメラ状の液晶構造を持つ油滴を含み、外相(水相)に特定の親水性増粘剤を含んでいる。そして、この固形化粧料は、パフ等の塗布具で化粧料表面をこすったり、肌に直接接触させて塗布することによって、液晶構造が崩れてジェルに変化するため、水中油型乳化物でありながら、油中水型乳化固形化粧料と同様の「取れ」を実現することができると考えられる。
発明の具体的説明
本発明による水中油型固形化粧料(以下、簡単に化粧料ということがある)は、(A)硫黄含有多糖類、(B)キシログルカン、および(C)ワックスを含んでなるものである。本発明による化粧料に含まれる各成分について説明すると以下のとおりである。
[硫黄含有多糖類]
本発明による化粧料は、特定の多糖類の組み合わせを含んでいる。そのひとつが硫黄含有多糖類(以下、(A)成分ということがある)である。多糖類とは、単糖が複数、例えば10個以上結合した炭化水素化合物である。
本発明に用いることができる硫黄含有多糖類は、これらのうち、硫酸基やスルホン酸基などの硫黄含有基を有する単糖構造を含むものである。このような硫黄含有多糖類は、海藻由来の多糖類に多く見受けられ、具体的には、寒天、カラギーナンなどが挙げられる。
寒天は、単糖単位としてガラクトースを多く含む基本構造を有している。そして、中性のアガロースと、イオン性基を有するアガロペクチンとを含み、アガロペクチンの一部に硫酸基を含んでいる。
カラギーナンも単糖単位としてガラクトースを多く含む基本構造を有しているものである。カラギーナンは、カッパ-カラギーナン、ラムダ-カラギーナン、およびイオタ-カラギーナンの3つに分類されるが、いずれも硫酸基を有するものである。一般にカラギーナンは寒天に比べて硫酸基の含有率が高い。
寒天は、水性溶媒に溶解させ、冷却することで寒天分子が三次元構造を形成するのでゲル化するので、化粧料の固形化に寄与する。また、カラギーナンは金属イオンの存在下でゲル化しやすい。これらの硫黄含有多糖類は、種類によってゲル化する際に形成されるネットワークの構造が異なり、形成されるゲルの弾力性などが異なるので、これらの配合率を調整することで、固形化粧料の硬度などを調整することができる。
これらの硫黄含有多糖類は、一般に海藻から熱水で抽出されることで製造される。また、これらの硫黄含有多糖類は一般的に離水が多いため、化粧料を使用したときのみずみずしさの付与にも寄与する。
本発明による化粧料において、(A)成分の含有率は、化粧料の総質量を基準として、0.01~3質量%であることが好ましく、0.1~0.75質量%であることがより好ましい。
[キシログルカン]
本発明による化粧料は、上記した(A)成分とは別の多糖類として、キシログルカン(以下、(B)成分ということがある)を含んでなる。キシログルカンの基本構造は、β-1,4-グルカンを主鎖とし、その主鎖にキシロース側鎖が、α-1,6結合した構造である。側鎖として、ガラクトースやフコースが結合していてもよい。キシログルカンは、一般的に植物由来であり、硫黄を含有していない。
キシログルカンの代表的なものとして、タマリンド種子に由来するタマリンドガムが挙げられる。本発明においては、このタマリンドガムを用いることが好ましい。タマリンドガムは、天然物由来のキシログルカンであるが、不純物が少なく、それを用いた場合に安定した製品を得ることができる。タマリンドガムは、タマリンド種子を粉砕、分離、精製をすることにより製造される。
本発明による化粧料において、(B)成分の含有率は、化粧料の総質量を基準として、0.1~3質量%であることが好ましく、0.1~3質量%であることがより好ましい。
また、本発明においては、(A)成分と(B)成分との配合比率によって、発現する効果が変化する。本発明による効果を強く発現させるためには、(A)成分の含有率(MA)が(B)成分の含有率(MB)よりも低いことが好ましく、(A)成分の含有率に対する(B)成分の含有率の比(MB/MA)が1~12の範囲にあることが好ましい。
[ワックス]
本発明による化粧料は、ワックス(以下、(C)成分ということがある)を含んでなる。このワックスは非液状である油性材料である。本発明において、ワックスは、通常の化粧料において用いられるものから必要に応じて選択して用いることができる。ワックスは、合成ワックスと天然ワックスとに大別でき、いずれを用いることもできる。そして、合成ワックスには、炭化水素系合成ワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ケトン、アミン、水素硬化油などがある。また、天然ワックスには、動物由来、植物由来、石油由来、鉱物由来などのワックスがある。本発明においては、これらの各種ワックスのうち、炭化水素系ワックスが好ましく用いられる。炭化水素系ワックスとしては、炭化水素系合成ワックス、例えばフィッシャー・トロプスワックス、ポリエチレンワックスなど、と石油または鉱物由来の天然炭化水素系ワックス、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックスなど、が挙げられる。
また、本発明において、ワックスとして、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、ミツロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ライスロウ、カポックロウ、モクロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ビーズワックス、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸グリセリド、硬化ヒマシ油、ワセリン、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等を用いることもできる。
なお、本発明において、ワックスは、上記したワックスあるいはその他のワックスを2種類以上組み合わせて用いることもできる。
本発明による化粧料において、(C)成分の含有率は、化粧料の総質量を基準として、0.01~5質量%であることが好ましく、0.1~2質量%であることがより好ましい。
[水]
本発明による化粧料は、水相の成分として、更に水を含む。水としては、一般的に化粧料に使用される水を使用することができ、例えば、精製水、イオン交換水、水道水等を使用することができる。
[その他の成分]
本発明による化粧料は、上記した(A)~(C)成分を含むことを必須とするが、必要に応じてその他の成分を含んでなることもできる。
そのような成分のひとつとして、水溶性増粘剤(以下、(D)成分ということがある)が挙げられる。水溶性増粘剤としては、各種のものが知られており、前記(A)成分または(B)成分以外の多糖類や、各種のポリマーなどが挙げられる。このような水溶性増粘剤としては、例えば、天然又は半合成の水性高分子、合成の水性高分子、水膨潤性粘土鉱物等を挙げることができる。具体例としては以下の通りである。
天然又は半合成の水性高分子には、(A)成分以外の多糖類及びその誘導体(水溶性アルキル置換多糖誘導体を含む)が含まれる。例えば、
アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン等の植物系高分子;
キサンタンガム、デキストラン、サクシノグリカン、ブルラン等の微生物系高分子等;
カルボキシメチルデンプン等のデンプン系高分子;
メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系高分子;および
アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子
等が挙げられる。
合成の水性高分子はイオン性又はノニオン性の水溶性高分子を含み、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子;
ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン系高分子;
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子;
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド化合物(例えば、ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリメタクリロイルオキシトリメチルアンモニウム、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー等)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等のアクリル系高分子;
ポリエチレンイミン、
カチオンポリマー
等が挙げられる。
無機の水膨潤性粘土鉱物としては、例えばベントナイト、ケイ酸AlMg(商品名「ビーガム」)、ラポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。
本発明による化粧料に(D)成分を用いる場合には、上記の水性増粘剤の中で、アクリル系高分子を用いることが好ましく、セルロースナノファイバー、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマーを用いるのが特に好ましい。
本発明による化粧料が(D)成分を含む場合、その含有率は、化粧料の総質量を基準として、5.0質量%以下であることが好ましく、0.1~1.0質量%であることがより好ましい。
また、本発明による化粧料は、特定の高級アルコールと特定の界面活性剤とを組み合わせることによって得られる、ラメラ液晶構造を有する会合体を含んでなることが好ましい。この会合体は、(e1)親水性界面活性剤および(e2)高級アルコールの組み合わせ(以下、この組み合わせを(E)成分ということがある)である。
(E)成分を構成する(e1)親水性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤から選択される少なくとも1種である。親水性界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
本発明による化粧料に用いることができる非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、などから選択することができる。これらの非イオン性界面活性剤のうち、HLB値が10以上であるものが好ましく用いられる。
HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤の好ましい例としては、
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(ステアリン酸PEG-40等)、
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート60等)、および
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(ベヘネス-20)
等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの非イオン性界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
(E)成分を構成する親水性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤であってもよい。
本発明による化粧料において、親水性界面活性剤の配合率は、水中油型乳化化粧料総質量に対して、0.05~10質量%であることが好ましく、0.05~5質量%であることがより好ましい。親水性界面活性剤の配合率が過少または過多であると十分な乳化安定性が得られない場合がある。
本発明による化粧料に用いることができる高級アルコールとしては、化粧品、医薬品、医薬部外品等の分野において使用できる高級アルコール、好ましくは炭素数6以上のアルコール、であれば特に限定されない。この高級アルコールは直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和の一価アルコールを包含する。直鎖状のアルコールとしては、ラウリルアルコールミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セリルアルコール、およびセトステアリルアルコール等の飽和アルコール、およびエライジルアルコール等の不飽和アルコールが挙げられる。分岐鎖状アルコールとしては、バチルアルコール、2-デシルテトラデシノール等が挙げられる。これらの高級アルコールは2種類以上を組み合わせて用いることができる。本発明による化粧料は、経時安定性の観点から飽和直鎖状の一価アルコール、例えば、ベヘニルアルコールまたはステアリルアルコールが好ましく、さらにこれらを組み合わせて用いることが好ましい。さらにこれらの飽和直鎖状の一価アルコール、またはその組み合わせに、分岐鎖状アルコール、例えばバチルアルコールを併用することが好ましい。最も好ましくは、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、およびバチルアルコールの組み合わせが好ましい。
また、高級アルコールとして、融点が60℃以上のもの、例えば、ベヘニルアルコール、またはステアリルアルコール等を用いるのが好ましい。
本発明による化粧料において、高級アルコールの配合率は、水中油型乳化化粧料総質量に対して、0.1~10質量%であることが好ましく、0.1~5質量%であることがより好ましい。高級アルコールの配合率が過少または過多であると、十分な乳化安定性が得られない場合があるので注意が必要である。
なお、(e1)成分と(e2)成分との組み合わせによって形成される会合体は本発明による化粧料の特性を顕著に改善するが、(e1)成分または(e2)成分のいずれかだけを配合することもできる。
また、本発明による化粧料は、(F)グリセリンをさらに含んでいてもよい。グリセリンは、化粧料等に保湿剤として一般的に用いられるものであり、本発明においても好ましく用いられる。
そして、本発明における化粧料は、その保湿剤を比較的多量に含むことができる。従来の水中油型固形化粧料において、グリセリンを多量に配合した場合、べたつきが強くなったり、硬度が高くなりすぎたりして、使用感が悪くなる場合が多かった。ところが、本発明における化粧料においては、グリセリンを多量に配合してもそのような問題が発生しにくく、具体的には、化粧料の総質量を基準として10質量%以上のグリセリンを配合することができる。グリセリンの配合率を高くすることで、優れた保湿性を実現することができる。
また、本発明による化粧料は、(G)色材または光輝性粉体(以下、(G)成分ということがある)をさらに含むことができる。(G)成分としては、化粧料に通常用いられる色材または光輝性粉体から任意に選択して用いることができる。本発明による化粧料に(G)成分を配合した場合、化粧料を適用した肌の美観を改良できる。
色材としては、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、マイカ、タルクの無機顔料、天然色素などの有機顔料が挙げられる。これらの顔料はフッ素化合物やシリコーン系化合物、脂肪酸等により表面処理がなされていてもよい。
光輝性粉体としては、干渉色、真珠光沢、あるいは金属光沢を有し、光沢を呈する板状又は球状の粉末であって、化粧料に通常用いられるものが使用できる。例えば、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン処理雲母チタン、コンジョウ処理雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ処理雲母チタン、酸化クロム処理雲母チタン、黒酸化チタン処理雲母チタン、アクリル樹脂被覆アルミニウム末、シリカ被覆アルミニウム末、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆アルミナ、酸化チタン被覆ガラスフレーク、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等が挙げられる。
本発明による化粧料が、(G)成分を含む場合、その含有率は、一般的に0.01~20質量%、好ましくは0.1~10質量%である。
本発明による化粧料は、上記した成分以外の任意成分を含んでいてもよい。そのような成分として、常温で液状である液状油分が挙げられる。本発明による化粧料に組み合わせることができる液状油分は特に限定されず、一般的に化粧品に用いられている炭化水素油、エステル油、シリコーン油、油脂、香料、油溶性紫外線吸収剤等から選択することができる。
また、本発明による化粧料は、水溶性紫外線吸収剤、(G)成分以外の保湿剤、親油性増粘剤、低級アルコール(炭素数6未満)、酸化防止剤、消炎剤、美白剤、各種抽出物、賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、 抗炎症剤、油溶性皮膜形成剤、水溶性皮膜形成剤、およびアミノ酸またはペプチド等を含んでいてもよい。
本発明による化粧料は、上記した成分を含むものであるが、本発明による油中水型固形化粧料は、ジェリー状の柔軟で弾力に富む形状を有しており、肌に直接適用したときに適当量の化粧料が均一に広がりやすいという特徴がある。また、コンパクトなどに収容された化粧料をパフなどでとる場合にも適切な「取れ」が実現できる。そして、化粧料を肌に直接適用した場合でも、パフなどを用いて適用する場合でも、カスが形成されにくく、優れた使用感を実現できる。
本発明による化粧料の硬度が特定の範囲内にある場合、特に優れた使用感を実現できる。具体的には、25℃において、5.6mmφの針を用い、針入速度20mm/分、針入距離3mmの条件で測定したレオメーター硬度が10~80であることが好ましい。より具体的には、レオメーター硬度γは、上記した条件で測定された測定応力から、以下の式によって算出される。
γ=(G*L)/(l*a) (dyn/cm
(式中、
G: 測定応力(gr)×980dyn
L: サンプルの厚み(mm)
l: 圧縮距離(mm)
a: 針の断面積(cm))
本発明による水中油型乳化固形化粧料は、良好な取れや、みずみずしい感触、優れた保湿効果等の特徴を生かし、ファンデーション等のメーキャップ化粧料、サンスクリーン等のUVケア化粧料、あるいはスキンケア化粧料として提供することができる。
本発明による化粧料の形態は特に限定されず、例えば化粧下地、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、マスカラ、アイシャドー、アイライナー等の形態を採り得る。特に、成形された化粧料を頬や唇など、肌に直接適用できる形態とすることが好ましい。
本発明による化粧料は、容器中に収容された形態の製品とされることがある。このとき、肌に直接適用することが容易な形態の製品とすることが好ましい。
例えば、スティック状口紅などのように筒状の容器に化粧料の一部が突出するように収容することができる。突出した部分の形状は、特に限定されず、円柱状や角柱状であってもよいが、肌に直接適用する場合に、肌への刺激を低減するためにドーム状に成型されていることが好ましい。
収容されている化粧料は使用することで容器本体から突出している部分の体積が減っていくので、容器本体に化粧料を繰り出すための機構を設けることもできる。
このような容器入り化粧料は、それ自体で肌への適用が可能であるため、化粧料を簡単に使用することができるうえ、パフなどの間接的な塗布部材を用いないために化粧料の損失が少ないという利点もある。そして、本発明による化粧料は、従来無かった柔軟性を有し、優れた「取れ」を実現し、さらにカスの形成も抑制されているので、肌への付着性を維持するために一般的に必要とされていたメッシュによる被覆も必要としない。なお、このような容器は、従来知られているものから任意に選択して用いることができる。
[実施例]
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、配合量は化粧料の総質量に対する質量%を表す。
[実施例1~5、比較例1~4]
下記の表1に示された組成の水中油型固形化粧料を製造し、以下の項目について評価した。それらの結果も表1に併せて示す。
(1)取れ
化粧料を図1に示すような容器に組み合わせ、肌に直接塗布をしたときの「取れ」を評価した。
C- : 取れが少なすぎる
C : 取れがやや少ない
A : 取れが最適
B : 取れがやや多い
B-: 取れが多すぎる
(2)弾力
化粧料の表面を指で押圧して、その感触を評価した。
C-: 柔ら過ぎる
C : やや柔らかい
A : 適切かつ独特な弾力がある
B : やや固い
B-: 固い
(3) カスの形成
化粧料を肌上に塗布し、塗り伸ばしたときにカスが形成されるか、評価した。
C : ポロポロとカスが形成される
B : 少しだけカスが発生する
A : カスが形成されない
(4)硬度
化粧料を調製してから24時間後にレオメーター(株式会社サン科学製)を用いて、25℃において、感圧軸5.6φ、針入度3mm、針入速度20mm/minの条件により硬度を測定した。
Figure 2023088747000001
この結果より、(A)~(B)成分のいずれかが欠落すると、取れや弾力が適切では無くなることがわかる。
[実施例6~8]
実施例1に対して、(A)成分と(B)成分との配合比を変化させて化粧料を調製した。これらの化粧料について、実施例1と同様に評価した。
Figure 2023088747000002
この結果より、MB/MAを小さくすると、弾力が劣化する傾向にあるが、MB/MA=1~12の範囲で優れた弾力が得られることがわかる。

Claims (13)

  1. (A)硫黄含有多糖類、
    (B)キシログルカン、および
    (C)ワックス
    を含む、水中油型固形化粧料。
  2. (A)成分が寒天またはカラギーナンである、請求項1に記載の化粧料。
  3. (B)成分が植物由来である、請求項1または2に記載の化粧料。
  4. (B)成分がタマリンドガムである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧料。
  5. (C)成分が、炭化水素系ワックスである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化粧料。
  6. 前記化粧料の総質量を基準とした(A)成分の含有率が(B)成分の含有率よりも低い、請求項1~5のいずれか1項に記載の化粧料。
  7. (D)水溶性増粘剤をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の化粧料。
  8. (E)(e1)親水性界面活性剤および(e2)高級アルコールの組み合わせをさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の化粧料。
  9. (F)グリセリンをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の化粧料。
  10. 前記化粧料の総質量を基準として、(F)成分の含有率が10%以上である、請求項9に記載の化粧料。
  11. (G)色材または光輝性粉体をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の化粧料。
  12. 25℃において、5.6mmφの針を用い、針入速度20mm/分、針入距離3mmの条件で測定したレオメーター硬度が10~80である、請求項1~11のいずれか1項に記載の化粧料。
  13. 容器本体と、蓋材と、請求項1~12のいずれか1項に記載の水中油型固形化粧料と、を有し、前記容器本体のひとつの面上に前記水中油型固形化粧料が、突出するように成型されて配置され、前記蓋材が前記本体に取り付けられることによって、前記水中油型固形化粧料が前記容器本体および前記蓋材によって画成される空間に保持される容器入り化粧料であって、突出するように成型された前記水中油型化粧料を、肌に直接接触させることによって塗布することができる、容器入り化粧料。
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