JP2023087816A - 過給装置 - Google Patents

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Tetsuya Matsuo
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Abstract

【課題】過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とを両立しつつスラスト軸受と過給機の大型化を抑制することができる過給装置を提供する。【解決手段】過給機を備える過給装置であって、過給機は、コンプレッサディスクを含むコンプレッサインペラと、タービンディスクと、コンプレッサインペラとタービンディスクとを連結する回転軸と、回転軸の軸方向の移動を規制するスラスト軸受と、を含み、過給装置は、コンプレッサディスクの背面又はタービンディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成された圧縮空気供給ラインと、圧縮空気供給ラインに設けられたバルブと、回転軸からスラスト軸受へのスラスト荷重に基づいてバルブの開度を制御するように構成された制御装置と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、過給装置に関する。
過給機では、エンジンから供給される排ガスの圧力によってスラスト軸受にかかるスラスト荷重が大きくなると、スラスト軸受で生じる機械損失の増大による過給機の効率低下や、スラスト軸受の信頼性の低下(スラスト軸受の損傷リスクの増大)を招く。
特許文献1には、過給機のコンプレッサの圧縮空気をタービンの背面に供給することで、スラスト荷重を低減する旨が記載されている。
特許文献2には、過給機において、タービンの入口圧力及び出口圧力並びにコンプレッサの入口圧力及び出口圧力に基づいてスラスト荷重を算出し、スラスト荷重に応じて電磁石に付与する電流値を制御することによってスラスト荷重を低減する旨が記載されている。
特開平11-117753号公報 特開2018-159300号公報
特許文献1に記載の構成では、タービンの背面に供給する圧縮空気の量は、過給機の設計時の仕様によって定まる量であり、エンジンの負荷変動によってスラスト荷重が増減した場合にスラスト荷重を適切に低減することができないため、過給機の効率及びスラスト軸受の信頼性の観点で改善の余地がある。
特許文献2に記載の構成では、エンジンの負荷が変動しても電磁石に付与する電流値の制御によってスラスト荷重を低減することができるが、電磁石及びその設置スペース等を過給機の内部に設ける必要があり、過給機の大型化及びそれに伴う重量増大を招きやすい。
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とを両立しつつスラスト軸受と過給機の大型化を抑制することができる過給装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係る過給装置は、
過給機を備える過給装置であって、
前記過給機は、
コンプレッサディスクを含むコンプレッサインペラと、
タービンディスクと、
前記コンプレッサインペラと前記タービンディスクとを連結する回転軸と、
前記回転軸の軸方向の移動を規制するスラスト軸受と、
を含み、
前記過給装置は、
前記コンプレッサディスクの背面又は前記タービンディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成された圧縮空気供給ラインと、
前記圧縮空気供給ラインに設けられたバルブと、
前記回転軸から前記スラスト軸受へのスラスト荷重に基づいて前記バルブの開度を制御するように構成された制御装置と、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とを両立しつつスラスト軸受と過給機の大型化を抑制することができる過給装置が提供される。
一実施形態に係る過給装置2の概略構成図である。 制御装置34のハードウェア構成の一例を示す図である。 制御装置34の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 図3に示した制御装置34を用いた電動バルブ32の開度制御の一例を示すフロー図である。 スラスト荷重相関情報R1の一例を示す図である。 スラスト荷重相関情報R1の他の一例を示す図である。 閾値Lthの設定方法を説明するための図である。 背面圧力相関情報R2の一例を示す図である。 他の実施形態に係る過給装置2の概略構成図である。 比較形態に係る過給装置02の概略構成図である。 図9に示す実施形態と図10に示す比較形態について、過給機の作動条件に応じたスラスト荷重等の比較を示す図である。 図11に示した2つの作動条件を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る過給装置2の概略構成図である。
図1に示すように、過給装置2は、過給機3を備える。過給機3は、コンプレッサ4と、タービン5と、コンプレッサ4とタービン5とを連結する回転軸6と、回転軸6を支持する軸受装置7とを含む。図示する例では、コンプレッサ4は遠心コンプレッサであり、タービン5は軸流タービンである。以下、回転軸6の径方向を単に「径方向」と記載し、回転軸6の軸方向を単に「軸方向」と記載し、回転軸6の周方向を単に「周方向」と記載する。
コンプレッサ4は、コンプレッサインペラ8を備えており、コンプレッサインペラ8は、略円錐台状のコンプレッサディスク10と、コンプレッサディスク10の外周面に周方向に間隔を空けて設けられた複数のコンプレッサ翼12とを含む。
タービン5は、略円板状のタービンディスク18と、タービンディスク18の外周面に周方向に間隔を空けて設けられた複数のタービン翼20を含む。コンプレッサインペラ8とタービンディスク18とは回転軸6によって連結されて同軸上に配置される。
軸受装置7は、回転軸6を回転可能に支持する一対のジャーナル軸受22と、回転軸6の軸方向の移動を規制するスラスト軸受24とを含む。一対のジャーナル軸受22及びスラスト軸受24は、過給機3の不図示のケーシング(静止壁)に支持される。
一対のジャーナル軸受22は、軸方向に間隔を空けて配置される。図示する例示的形態では、スラスト軸受24は、回転軸6の外周面に固定された円環状のスラストカラー26を介して回転軸6から軸方向のスラスト荷重Lを受けるように構成されており、スラストカラー26を挟むように配置された一対の静止ディスク28(スラスト軸受)を含む。一対の静止ディスク28の一方は、スラストカラー26に対して軸方向における一方側に配置され、一対の静止ディスク28の他方は、スラストカラー26に対して軸方向における他方側に配置される。
また、図1に示すように、過給装置2は、タービンディスク18の背面18aに圧縮空気を供給するように構成された圧縮空気供給ライン30と、圧縮空気供給ライン30に設けられた電動バルブ32と、回転軸6からスラスト軸受24へのスラスト荷重Lに基づいて電動バルブ32の開度を制御するように構成された制御装置34とを備える。図示する例示的形態では、過給装置2は、過給機3の外部に設けられた圧縮空気供給源36を備えており、圧縮空気供給ライン30は圧縮空気供給源36からタービンディスク18の背面18aに圧縮空気を供給するように、圧縮空気供給源36からタービンディスク18の背面18aまで延在する外部圧縮空気供給路30Aを含む。この場合、外部圧縮空気供給路30Aの一部を過給機3の不図示のケーシングの外部に設けられた管路により構成し、外部圧縮空気供給路30Aの残部を過給機3のケーシングの内部に形成された内部流路により構成してもよい。なお、図示する例では、電動バルブ32は外部圧縮空気供給路30Aに設けられており、外部圧縮空気供給路30Aにおける電動バルブ32の下流側に逆流防止のための逆止弁33が設けられている。電動バルブ32は、圧縮空気供給ライン30からタービンディスク18の背面18aに供給する圧縮空気の流量を調整可能に構成されており、例えば流量制御弁であってもよい。
また、図1に示すように、過給装置2は、スラスト軸受24が回転軸6から受けるスラスト荷重Lに関する第1パラメータA1を計測する第1計測装置35と、タービンディスク18の背面圧力Pb0に関する第2パラメータA2を計測する第2計測装置37とを備える。以下、「スラスト荷重」とは、回転軸6からスラスト軸受24へのスラスト荷重(スラスト軸受24が回転軸6から受けるスラスト荷重)を意味し、タービンディスク18の「背面圧力」とは、タービンディスク18の背面18a(タービンディスク18におけるコンプレッサ4側を向く端面)に作用する気体の圧力を意味する。
第1パラメータA1は、例えば、スラスト軸受24の温度であってもよいし、過給機3の潤滑油入口温度(スラスト軸受24に供給される潤滑油における過給機3の入口の温度)と過給機3の潤滑油出口温度(スラスト軸受24に供給された潤滑油における過給機3の出口の温度)との温度差、すなわち過給機3の潤滑油出口温度から過給機3の潤滑油入口温度を減じた値であってもよい。第1パラメータA1がスラスト軸受24の軸受温度である場合には、第1計測装置35は、スラスト軸受24の温度を計測する温度センサであってもよい。第1パラメータA1が過給機3の潤滑油入口温度と潤滑油出口温度との温度差である場合には、第1計測装置35は、該温度差を計測する温度センサ(例えば熱電対等)であってもよい。
第2パラメータA2は、例えば過給機3におけるタービ入口圧力(タービン5における排ガスの入口の圧力)であってもよい。この場合、第2計測装置37は、タービンの入口圧力を計測する圧力センサであってもよい。
次に、制御装置34による電動バルブ32の制御方法について説明する。
図2は、制御装置34のハードウェア構成の一例を示す図である。図3は、制御装置34の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図4は、図3に示した制御装置34を用いた電動バルブ32の開度制御の一例を示すフロー図である。
図2に示すように、制御装置34は、例えばプロセッサ72、RAM(Random Access Memory)74、ROM(Read Only Memory)76、HDD (Hard Disk Drive)78、入力I/F80、及び出力I/F82を含み、これらがバス84を介して互いに接続されたコンピュータを用いて構成される。なお、制御装置34のハードウェア構成は上記に限定されず、制御回路と記憶装置との組み合わせにより構成されてもよい。また制御装置34は、制御装置34の各機能を実現するプログラムをコンピュータが実行することにより構成される。以下で説明する制御装置34における各部の機能は、例えばROM76に保持されるプログラムをRAM74にロードしてプロセッサ72で実行するとともに、RAM74やROM76におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
図3に示すように、制御装置34は、スラスト荷重推定部40、スラスト荷重低減量算出部42、背面圧力推定部44、目標背面圧力算出部46、供給空気量算出部48及びバルブ開度制御部50及び記憶部52を含む。
図4に示すように、S101において、スラスト荷重推定部40は、第1計測装置35によって計測した第1パラメータA1の計測値と、第1パラメータA1とスラスト荷重Lとの相関を示すスラスト荷重相関情報R1(図5及び図6参照)と、に基づいて、スラスト荷重Lを推定する。スラスト荷重相関情報R1は、記憶部52に記憶されており、S101でスラスト荷重Lを推定する際に記憶部52から読み出されて参照される。図5に示す例では、スラスト荷重相関情報R1は、第1パラメータA1がスラスト軸受24の温度である場合について、スラスト軸受24の温度とスラスト荷重Lとの相関を示しており、スラスト軸受24の温度とスラスト荷重Lとは正の相関を有している。図6に示す例では、スラスト荷重相関情報R1は、第1パラメータA1が過給機3の潤滑油入口温度と潤滑油出口温度との温度差である場合について、該温度差とスラスト荷重Lとの相関を示しており、該温度差とスラスト荷重Lとは正の相関を有している。
S102において、スラスト荷重低減量算出部42は、スラスト荷重推定部40によって推定されたスラスト荷重Lに基づいて、スラスト荷重Lを低減する量の目標値であるスラスト荷重低減量ΔLを算出する。例えば、スラスト荷重低減量算出部42は、スラスト荷重推定部40によって推定されたスラスト荷重Lが予め定められた閾値Lthを超えた場合に、スラスト荷重推定部40によって推定したスラスト荷重Lからスラスト荷重の閾値Lthを減じることによってスラスト荷重低減量ΔLを算出する(ΔL=L-Lthを算出する。)。ここで、閾値Lthは、スラスト軸受24の温度がスラスト軸受24の許容温度TL以下となるような値に予め設定される。例えば図7に示すように、過給機3の効率はスラスト荷重Lが小さくなるほど高くなり、スラスト軸受24の温度はスラスト荷重Lが小さくなるほど低くなる。このため、スラスト軸受24の温度がスラスト軸受24の信頼性の観点(スラスト軸受24の損傷リスクの観点)から許容される許容温度TL以下となるように、許容温度TLに対してマージンを考慮して設定される基準温度Tthに対応するスラスト荷重を閾値Lthに設定してもよい。
S103において、背面圧力推定部44は、第2計測装置37によって計測した第2パラメータA2の計測値と、第2パラメータA2とタービンディスク18の背面圧力Pb0との相関を示す背面圧力相関情報R2(図8参照)と、に基づいて、タービンディスク18の背面圧力Pb0を推定する。背面圧力相関情報R2は、記憶部52に記憶されており、S103でタービンディスク18の背面圧力Pb0を推定する際に記憶部52から読み出されて参照される。図8に示す例では、背面圧力相関情報R2は、第2パラメータA2がタービン入口圧力である場合について、タービン入口圧力とタービンディスク18の背面圧力Pb0との相関を示しており、タービン入口圧力とタービンディスク18の背面圧力Pb0とは正の相関を有している。なお、図8に示す背面圧力相関情報R2において、縦軸のタービン背面圧力に代えてタービン背面圧力とタービン入口圧力との比率が用いられてもよい。
S104において、目標背面圧力算出部46は、スラスト荷重低減量算出部42によって算出したスラスト荷重低減量ΔLと、背面圧力推定部44によって推定したタービンディスク18の背面圧力Pb0とに基づいて、スラスト荷重低減量ΔLを実現するためのタービンディスク18の背面圧力の目標値である目標背面圧力Pb1を算出する。
S105において、供給空気量算出部48は、目標背面圧力算出部46によって算出した目標背面圧力Pb1と、背面圧力推定部44によって推定したタービンディスク18の背面圧力Pb0との差圧(Pb1-Pb0)に基づいて、圧縮空気供給ライン30からタービンディスク18の背面18aに供給する圧縮空気の流量(圧縮空気供給ライン30の流量)である供給空気量Qを算出する。ここで算出される供給空気量Qは、上記差圧(Pb1-Pb0)に比例する値であってもよい。そして、バルブ開度制御部50が、供給空気量算出部によって算出した供給空気量Qを実現するように電動バルブ32の開度を制御する。
ここで、上記過給装置2が奏する効果について説明する。
上記過給装置2では、回転軸6からスラスト軸受24へのスラスト荷重に基づいて電動バルブ32の開度が制御されるため、圧縮空気供給ライン30からタービンディスク18の背面18aに供給する圧縮空気の流量をスラスト荷重に応じて調節することができる。これにより、スラスト荷重に応じてタービンディスク18の背面圧力を調節して、スラスト荷重を低減することができるため、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性(スラスト軸受24の損傷リスクの低下又は損傷リスクの増大抑制)とを両立することができる。また、特許文献2に記載される構成と比較して、過給機3の内部に電磁石及びその設置スペース等を設ける必要がないため、スラスト軸受24と過給機3の大型化を抑制することができる。また、過給機の内部に永久磁石と電磁石を設ける必要がある特許文献2の構成と比較して、過給機3の構成の複雑化を抑制することができる。
また、上記過給装置2では、過給機3の外部に設けられた圧縮空気供給源36からの圧縮空気を利用してタービンディスク18の背面圧力を調節するため、コンプレッサ4から不図示のエンジンに供給する圧縮空気量を減らさずにすみ、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。
また、上記過給装置2では、過給機3のタービン5が軸流タービンであるため、回転軸6からスラスト軸受24に作用するスラスト荷重は、タービン5側からコンプレッサ4側に向かう方向となる。このため、上記のように、圧縮空気供給ライン30からタービンディスク18の背面18aに圧縮空気を供給することにより、タービン5側からコンプレッサ4側に向かう方向を有するスラスト荷重を低減することができる。
また、上記過給装置2では、スラスト荷重を計測する荷重センサを過給機3に設けなくても、スラスト荷重に関する第1パラメータA1の計測値とスラスト荷重相関情報R1とに基づいてスラスト荷重を推定することができる。このため、上記荷重センサを過給機3に設けなくても、スラスト荷重推定部40によって推定したスラスト荷重に基づいて電動バルブ32の開度を制御することにより、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。
また、上記過給装置2では、スラスト荷重が大きくなるにつれて、スラスト軸受24の温度は高くなるとともに上記潤滑油の入口の温度と出口の温度との温度差は大きくなる。このため、上記のように、スラスト軸受24の温度、又は、過給機3におけるスラスト軸受24に供給する潤滑油の入口の温度と出口の温度との温度差、を第1パラメータA1として用いることにより、第1パラメータA1の計測値とスラスト荷重相関情報R1とに基づいてスラスト荷重を精度良く推定することができる。したがって、上記荷重センサを過給機3に設けなくても、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。
また、上記過給装置2では、スラスト軸受24の温度が許容温度(スラスト軸受24の温度の上限値)を超えないようにスラスト荷重の上記閾値Lthを設定しているため、スラスト軸受24の信頼性を確保することができる。
また、上記過給装置2では、制御装置34は、スラスト荷重低減量算出部42によって算出したスラスト荷重低減量ΔLと、背面圧力推定部44によって推定したタービンディスク18の背面圧力Pb1と、に基づいて電動バルブ32の開度を制御する。このため、スラスト荷重低減量ΔLを実現するための電動バルブ32の開度をタービンディスク18の背面圧力Pb1を考慮して設定することができるため、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。
また、上記過給装置2では、タービンディスク18の背面圧力を計測する圧力センサを過給機3に設けなくても、タービンディスク18の背面圧力に関する第2パラメータA2の計測値と背面圧力相関情報R2とに基づいてタービンディスク18の背面圧力を推定することができる。このため、タービンディスク18の背面圧力を計測する圧力センサを過給機に設けなくても、スラスト荷重低減量ΔLを実現するための電動バルブ32の開度を背面圧力推定部44によって推定した背面圧力を考慮して設定することにより、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。なお、仮にタービンディスクの背面圧力を直接計測する圧力センサを過給機に設ける場合、過給機に圧力センサを挿す孔をあける必要があり、その加工は困難である。また、タービンディスクの背面は比較的高温の箇所のため、その高温に耐えるセンサが必要であり、コストの増加を招いてしまう。このような理由から、タービンディスクの背面圧力を直接計測する圧力センサを設けることは容易ではない。
また、上記過給装置2では、タービン入口圧力が大きくなるにつれてタービンディスク18の背面圧力は大きくなる。このため、上記に記載のように、タービン入口圧力を第2パラメータA2として用いることにより、第2パラメータA2の計測値と背面圧力相関情報R2とに基づいてタービンディスク18の背面圧力を精度良く推定することができる。したがって、上記圧力センサを過給機に設けなくても、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。
また、上記過給装置2では、スラスト荷重低減量ΔLを実現するための目標背面圧力Pb1を現在の背面圧力Pb0を考慮して算出し、目標背面圧力Pb1と現在の背面圧力Pb0との差圧に応じた供給空気量Qを算出することができる。したがって、算出した供給空気量Qを実現するように電動バルブ32の開度を制御することにより、スラストフォース低減量ΔLを実現することができ、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。
図9は、他の実施形態に係る過給装置2の概略構成図である。
図9に示す過給装置2において、図1~図8を用いて説明した過給装置2の各構成と共通の符号は、特記しない限り図1~図8を用いて説明した過給装置2の各構成と同様の構成を示すものとし、説明を省略する。
図9に示す過給装置2は、上述した圧縮空気供給源36の圧縮空気の代わりに、コンプレッサ4で生成された圧縮空気(コンプレッサインペラ8を通過して生成された圧縮空気)がタービンディスク18の背面18aに供給される点が、図1に示した過給装置2とは異なる。図9に示す過給装置2における圧縮空気供給ライン30は、上記外部圧縮空気供給路30Aの代わりに、コンプレッサ4で生成された圧縮空気をタービンディスク18の背面18aに供給するように構成されたコンプレッサ圧縮空気供給路30Bを含む。
図9に示す例示的形態では、コンプレッサ圧縮空気供給路30Bは、コンプレッサ4におけるコンプレッサインペラ8の外周側に形成されるスクロール流路19(渦室)から圧縮空気を抽気してタービンディスク18の背面18aに供給するように、スクロール流路19からタービンディスク18の背面18aまで延在する。この場合、コンプレッサ圧縮空気供給路30Bの全部が過給機3の不図示のケーシングの内部に形成された内部流路であってもよいし、コンプレッサ圧縮空気供給路30Bの一部を過給機3のケーシングの外部に設けられた管路により構成し、コンプレッサ圧縮空気供給路30Bの残部を過給機3のケーシングの内部に形成された内部流路により構成してもよい。なお、図示する例では、電動バルブ32はコンプレッサ圧縮空気供給路30B(圧縮空気供給ライン30)に設けられており、コンプレッサ圧縮空気供給路30Bにおける電動バルブ32の下流側に逆流防止のための逆止弁33が設けられている。
なお、図9に示す過給装置2において、制御装置34による電動バルブ32の制御の方法は、図1~図8を用いて説明した過給装置2における制御装置34による電動バルブ32の制御の方法と同一であるため、説明を省略する。
図9に示した過給装置2によれば、コンプレッサインペラ8を通過して生成された圧縮空気を利用してタービンディスク18の背面圧力を調節し、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。このため、図1等に示した過給装置2の構成と比較して、過給機3の外部に設ける圧縮空気供給源36の容量を低減し、又は圧縮空気供給源36を不要とすることができる。
ここで、図9に示す実施形態と図10に示す比較形態について、過給機3の作動条件に応じたスラスト荷重等の比較を図11に示す。図10に示す比較形態における過給装置02は、電動バルブ32及び電動バルブ32を制御するための制御装置34等を備えていない点が図9に示す過給装置2とは異なる。
図11における条件1及び条件2は、図12に示すように、コンプレッサ4の作動線上の互いに異なる作動点を示している。条件1は、条件2よりも低負荷の条件であり、条件1におけるコンプレッサ4の流量は条件2におけるコンプレッサ4の流量よりも小さく、条件1におけるコンプレッサ4の圧力比は条件2におけるコンプレッサ4の圧力比よりも小さい。
図11に示すように、比較形態では、条件1よりも条件2の方がスラスト荷重が大きくなるのに対して、実施形態では、条件1よりも条件2の方が電動バルブ32の開度を大きくすることにより、タービンディスク18の背面18aへの供給空気量Qも相対的に多くなり、スラスト荷重は相対的に低くなる。このように、過給機3の低負荷時には電動バルブ32の開度を比較的小さくしてコンプレッサ圧縮空気供給路30Bの抽気量を減らすことによって過給機3の効率向上を図ることができる。また過給機3の低負荷時にはスラスト荷重の絶対値が小さいため、タービンディスク18の背面への供給空気量Qを減らしてもスラスト荷重が許容値を超えることはなく、スラスト軸受24の損傷リスクは低い。一方、過給機3の高負荷時にはスラスト荷重が大きくなるため、電動バルブ32の開度を過給機3の低負荷時よりも大きくして供給空気量Qを増やすことでスラスト荷重を低減し、スラスト軸受24の損傷リスクを低減することができる。したがって、過給機3の効率向上とスラスト軸受24の信頼性とを両立することができる。また、特許文献2に記載される構成と比較して、過給機3の内部に電磁石及びその設置スペース等を設ける必要がないため、過給機3の大型化を抑制することができる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した実施形態では、圧縮空気供給ラインは、タービンディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成されていたが、過給機のタービンがラジアルタービンである場合には、コンプレッサからタービンに向かう方向のスラスト荷重がスラスト軸受に作用する場合があるため、圧縮空気供給ライン(外部圧縮空気供給路又はコンプレッサ圧縮空気供給路)は、コンプレッサディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成されていてもよい。
また、過給機のタービンがラジアルタービンである場合には、タービンからコンプレッサに向かう方向のスラスト荷重が作用する場合もあるため、その場合には、圧縮空気供給ライン(外部圧縮空気供給路又はコンプレッサ圧縮空気供給路)は、タービンディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成されていてもよい。
また、幾つかの実施形態では、タービンディスクの背面に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給ラインは、図1を用いて説明した外部圧縮空気供給路と、図9を用いて説明したコンプレッサ圧縮空気供給路30Bとの両方を備えていてもよい。
また、上述した実施形態では、電動バルブは、圧縮空気供給ラインからタービンディスクの背面に供給する圧縮空気の流量を調整可能な流量制御弁(可変バルブ)により構成されたが、電動バルブはオンオフバルブであってもよい。
また、図9に示した実施形態では、スクロール流路(渦室)から圧縮空気を抽気してタービンディスクの背面に供給するコンプレッサ圧縮空気供給路を例示したが、コンプレッサ圧縮空気供給路は、スクロール流路の下流(例えばスクロール流路と不図示のエアクーラとの間や、エアクーラと不図示のエンジンとの間)から圧縮空気を抽気してタービンディスクの背面に供給するように構成されてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る過給装置は、
過給機(例えば上述の過給機3)を備える過給装置(例えば上述の過給装置2)であって、
前記過給機は、
コンプレッサディスク(例えば上述のコンプレッサディスク10)を含むコンプレッサインペラ(例えば上述のコンプレッサインペラ8)と、
タービンディスク(例えば上述のタービンディスク18)と、
前記コンプレッサインペラと前記タービンディスクとを連結する回転軸(例えば上述の回転軸6)と、
前記回転軸の軸方向の移動を規制するスラスト軸受(例えば上述のスラスト軸受24)と、
を含み、
前記過給装置は、
前記コンプレッサディスクの背面又は前記タービンディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成された圧縮空気供給ライン(例えば上述の圧縮空気供給ライン30)と、
前記圧縮空気供給ラインに設けられたバルブ(例えば上述のバルブ32)と、
前記回転軸から前記スラスト軸受へのスラスト荷重に基づいて前記バルブの開度を制御するように構成された制御装置(例えば上述の制御装置34)と、
を備える。
上記(1)に記載の過給装置によれば、回転軸からスラスト軸受へのスラスト荷重に基づいてバルブの開度が制御されるため、圧縮空気供給ラインからタービンディスクの背面に供給する圧縮空気の流量をスラスト荷重に応じて調節することができる。これにより、スラスト荷重に応じてタービンディスクの背面圧力を調節して、スラスト荷重を低減することができるため、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とを両立することができる。また、特許文献2に記載される構成と比較して、過給機の内部に電磁石及びその設置スペース等を設ける必要がないため、スラスト軸受と過給機の大型化を抑制することができる。また、過給機の内部に永久磁石と電磁石を設ける必要がある特許文献2の構成と比較して、過給機の構成の複雑化を抑制することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の過給装置において、
前記圧縮空気供給ラインは、前記過給機の外部に設けられた圧縮空気の供給源から圧縮空気を前記コンプレッサディスクの背面又は前記タービンディスクの背面に供給するように構成された外部圧縮空気供給路(例えば上述の外部圧縮空気供給路30A)を含む。
上記(2)に記載の過給装置によれば、過給機の外部に設けられた圧縮空気の供給源からの圧縮空気を利用してコンプレッサディスクの背面圧力又はタービンディスクの背面圧力を調節するため、下記(3)の構成と比較して、コンプレッサからエンジンに供給する圧縮空気量を減らさずにすむ。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の過給装置において、
前記圧縮空気供給ラインは、前記コンプレッサインペラを通過して生成された圧縮空気を前記コンプレッサディスクの背面又は前記タービンディスクの背面に供給するように構成されたコンプレッサ圧縮空気供給路(例えば上述のコンプレッサ圧縮空気供給路30B)を含む。
上記(3)に記載の過給装置によれば、コンプレッサインペラを通過して生成された圧縮空気を利用してコンプレッサディスクの背面圧又はタービンディスクの背面圧力を調節するため、上記(2)の構成と比較して、過給機の外部に設ける圧縮空気の供給源の容量を低減し、又は該供給源を不要とすることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の過給装置において、
前記過給機のタービン(例えば上述のタービン5)は軸流タービンであり、
前記圧縮空気供給ラインは、前記タービンディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成される。
上記(4)に記載の過給装置では、過給機のタービンが軸流タービンであるため、回転軸からスラスト軸受に作用するスラスト力は、タービン側からコンプレッサ側に向かう方向となる。このため、上記(4)に記載のように、圧縮空気供給ラインからタービンディスクの背面に圧縮空気を供給することにより、タービン側からコンプレッサ側に向かう方向を有するスラスト荷重を低減することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載の過給装置において、
前記制御装置は、前記スラスト荷重に関する第1パラメータ(例えば上述の第1パラメータA1)の計測値と、前記第1パラメータと前記スラスト荷重との相関を示すスラスト荷重相関情報(例えば上述のスラスト荷重相関情報R1)と、に基づいて、前記スラスト荷重(例えば上述のスラスト荷重L)を推定するように構成されたスラスト荷重推定部(例えば上述のスラスト荷重推定部40)を含み、前記スラスト荷重推定部によって推定した前記スラスト荷重に基づいて前記バルブの開度を制御するように構成される。
上記(5)に記載の過給装置によれば、スラスト荷重を計測する荷重センサを過給機に設けなくても、スラスト荷重に関する第1パラメータの計測値とスラスト荷重相関情報とに基づいてスラスト荷重を推定することができる。このため、上記荷重センサを過給機に設けなくても、スラスト荷重推定部によって推定したスラスト荷重に基づいてバルブの開度を制御することにより、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とを両立することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)に記載の過給装置において、
前記第1パラメータは、前記スラスト軸受の温度、又は、前記過給機の潤滑油入口温度と潤滑油出口温度との温度差である。
スラスト荷重が大きくなるにつれて、スラスト軸受の温度は高くなるとともに上記潤滑油の入口の温度と出口の温度との温度差は大きくなる。このため、上記(6)に記載の過給装置によれば、これらの何れかを第1パラメータとして用いることにより、第1パラメータの計測値とスラスト荷重相関情報とに基づいてスラスト荷重を精度良く推定することができる。したがって、上記荷重センサを過給機に設けなくても、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とを両立することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)に記載の過給装置において、
前記制御装置は、前記スラスト荷重が閾値(例えば上述の閾値Lth)を超えた場合に、前記バルブの開度を大きくするように構成される。
スラスト軸受の温度が過度に高くなるとスラスト軸受の損傷リスクが増大するため、上記(7)に記載の過給装置では、スラスト軸受の温度が許容温度(スラスト軸受の温度の上限値)を超えないようにスラスト荷重の上記閾値を設定することにより、スラスト軸受の信頼性を確保することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(5)乃至(7)の何れかに記載の過給装置において、
前記制御装置は、前記スラスト荷重を低減する量の目標値であるスラスト荷重低減量(例えば上述のスラスト荷重低減量ΔL)を前記スラスト荷重に基づいて算出するスラスト荷重低減量算出部(例えば上述のスラスト荷重低減量算出部42)を含み、前記スラスト荷重低減量算出部によって算出した前記スラスト荷重低減量と、前記タービンディスクの背面圧力(例えば上述の背面圧力Pb0)と、に基づいて前記バルブの開度を制御するように構成される。
上記(8)に記載の過給装置によれば、スラスト荷重低減量を実現するためのバルブの開度をタービンディスクの背面圧力を考慮して設定することができるため、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とをより効果的に両立することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)に記載の過給装置において、
前記スラスト荷重低減量算出部は、前記スラスト軸受の温度が許容温度(例えば上述の許容温度TL)以下となるように前記スラスト荷重低減量を算出する。
上記(9)に記載の過給装置によれば、スラスト軸受の損傷リスクを考慮してスラスト軸受の温度が過度に高くならないようにスラスト荷重低減量が決定されるため、スラスト軸受の信頼性を効果的に高めることができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(8)又は(9)に記載の過給装置において、
前記スラスト荷重低減量算出部は、前記スラスト荷重が閾値(例えば上述の閾値Lth)を超えた場合に、前記スラスト荷重推定部によって推定した前記スラスト荷重から前記スラスト荷重の前記閾値を減じることによって前記スラスト荷重低減量を算出するように構成される。
上記(10)に記載の過給装置によれば、スラスト軸受の損傷リスクを考慮して閾値を設定することにより、スラスト荷重が過度に大きくならないようにスラスト荷重低減量が決定されるため、スラスト軸受の信頼性を効果的に高めることができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(10)の何れかに記載の過給装置において、
前記制御装置は、前記背面圧力に関する第2パラメータ(例えば上述の第2パラメータA2)の計測値と、前記第2パラメータと前記背面圧力との相関を示す背面圧力相関情報(例えば上述の背面圧力相関情報R2)と、に基づいて、前記背面圧力を推定するように構成された背面圧力推定部(例えば上述の背面圧力推定部44)を含み、前記スラスト荷重低減量算出部によって算出した前記スラスト荷重低減量と、前記背面圧力推定部によって推定した前記背面圧力とに基づいて前記バルブの開度を制御するように構成される。
上記(11)に記載の過給装置によれば、タービンディスクの背面圧力を計測する圧力センサを過給機に設けなくても、背面圧力に関する第2パラメータの計測値と背面圧力相関情報とに基づいて背面圧力を推定することができる。このため、背面圧力を計測する圧力センサを過給機に設けなくても、スラスト荷重低減量を実現するためのバルブの開度を背面圧力推定部によって推定した背面圧力を考慮して設定することにより、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とをより効果的に両立することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)に記載の過給装置において、
前記第2パラメータは、前記過給機におけるタービン入口圧力である。
タービン入口圧力が大きくなるにつれてタービンディスクの背面圧力は大きくなる。このため、上記(12)に記載のように、タービン入口圧力を第2パラメータとして用いることにより、第2パラメータの計測値と背面圧力相関情報とに基づいてタービンディスクの背面圧力を精度良く推定することができる。したがって、上記圧力センサを過給機に設けなくても、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とを両立することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(12)の何れかに記載の過給装置において、
前記制御装置は、
前記スラスト荷重低減量算出部によって算出した前記スラスト荷重低減量と、前記背面圧力とに基づいて、前記スラスト荷重低減量を実現するための前記背面圧力の目標値である目標背面圧力(例えば上述の目標背面圧力Pb1)を算出するように構成された目標背面圧力算出部(例えば上述の目標背面圧力算出部46)と、
前記目標背面圧力算出部によって算出した前記目標背面圧力に基づいて、前記圧縮空気供給ラインから前記タービンディスクの背面に供給する前記圧縮空気の流量である供給空気量(例えば上述の供給空気量Q)を算出する供給空気量算出部(例えば上述の供給空気量算出部48)と、
を備え、前記供給空気量算出部によって算出した前記供給空気量を実現するように前記バルブの開度を制御するように構成される。
上記(13)に記載の過給装置によれば、スラスト荷重低減量を実現するための目標背面圧力を現在の背面圧力を考慮して算出し、目標背面圧力に基づいて算出した供給空気量を実現するようにバルブの開度を制御することにより、スラスト荷重を効果的に低減することができ、過給機の効率向上とスラスト軸受の信頼性とを両立することができる。
2,02 過給装置
3 過給機
4 コンプレッサ
5 タービン
6 回転軸
7 軸受装置
8 コンプレッサインペラ
10 コンプレッサディスク
12 コンプレッサ翼
18 タービンディスク
18a 背面
19 スクロール流路
20 タービン翼
22 ジャーナル軸受
24 スラスト軸受
26 スラストカラー
28 静止ディスク
30 圧縮空気供給ライン
30A 外部圧縮空気供給路
30B コンプレッサ圧縮空気供給路
32 電動バルブ
33 逆止弁
34 制御装置
35 第1計測装置
36 圧縮空気供給源
37 第2計測装置
40 スラスト荷重推定部
42 スラスト荷重低減量算出部
44 背面圧力推定部
46 目標背面圧力算出部
48 供給空気量算出部
50 バルブ開度制御部
52 記憶部
72 プロセッサ
74 RAM
76 ROM
78 HDD
80 入力I/F
82 出力I/F
84 バス
A1 第1パラメータ
A2 第2パラメータ
L スラスト荷重
Lth 閾値
Pb0 背面圧力
Pb1 目標背面圧力
Q 供給空気量
R1 スラスト荷重相関情報
R2 背面圧力相関情報
TL 許容温度
Tth 基準温度

Claims (13)

  1. 過給機を備える過給装置であって、
    前記過給機は、
    コンプレッサディスクを含むコンプレッサインペラと、
    タービンディスクと、
    前記コンプレッサインペラと前記タービンディスクとを連結する回転軸と、
    前記回転軸の軸方向の移動を規制するスラスト軸受と、
    を含み、
    前記過給装置は、
    前記コンプレッサディスクの背面又は前記タービンディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成された圧縮空気供給ラインと、
    前記圧縮空気供給ラインに設けられたバルブと、
    前記回転軸から前記スラスト軸受へのスラスト荷重に基づいて前記バルブの開度を制御するように構成された制御装置と、
    を備える、過給装置。
  2. 前記圧縮空気供給ラインは、前記過給機の外部に設けられた圧縮空気の供給源から圧縮空気を前記コンプレッサディスクの背面又は前記タービンディスクの背面に供給するように構成された外部圧縮空気供給路を含む、請求項1に記載の過給装置。
  3. 前記圧縮空気供給ラインは、前記コンプレッサインペラを通過して生成された圧縮空気を前記コンプレッサディスクの背面又は前記タービンディスクの背面に供給するように構成されたコンプレッサ圧縮空気供給路を含む、請求項1に記載の過給装置。
  4. 前記過給機のタービンは軸流タービンであり、
    前記圧縮空気供給ラインは、前記タービンディスクの背面に圧縮空気を供給するように構成された、請求項1に記載の過給装置。
  5. 前記制御装置は、前記スラスト荷重に関する第1パラメータの計測値と、前記第1パラメータと前記スラスト荷重との相関を示すスラスト荷重相関情報と、に基づいて、前記スラスト荷重を推定するように構成されたスラスト荷重推定部を含み、前記スラスト荷重推定部によって推定した前記スラスト荷重に基づいて前記バルブの開度を制御するように構成された、請求項4に記載の過給装置。
  6. 前記第1パラメータは、前記スラスト軸受の温度、又は、前記過給機の潤滑油入口温度と潤滑油出口温度との温度差である、請求項5に記載の過給装置。
  7. 前記制御装置は、前記スラスト荷重が閾値を超えた場合に、前記バルブの開度を大きくするように構成された、請求項5に記載の過給装置。
  8. 前記制御装置は、前記スラスト荷重を低減する量の目標値であるスラスト荷重低減量を前記スラスト荷重に基づいて算出するスラスト荷重低減量算出部を含み、前記スラスト荷重低減量算出部によって算出した前記スラスト荷重低減量と、前記タービンディスクの背面圧力と、に基づいて前記バルブの開度を制御するように構成された、請求項5に記載の過給装置。
  9. 前記スラスト荷重低減量算出部は、前記スラスト軸受の温度が許容温度以下となるように前記スラスト荷重低減量を算出する、請求項8に記載の過給装置。
  10. 前記スラスト荷重低減量算出部は、前記スラスト荷重が閾値を超えた場合に、前記スラスト荷重推定部によって推定した前記スラスト荷重から前記スラスト荷重の前記閾値を減じることによって前記スラスト荷重低減量を算出するように構成された、請求項8に記載の過給装置。
  11. 前記制御装置は、前記背面圧力に関する第2パラメータの計測値と、前記第2パラメータと前記背面圧力との相関を示す背面圧力相関情報と、に基づいて、前記背面圧力を推定するように構成された背面圧力推定部を含み、前記スラスト荷重低減量算出部によって算出した前記スラスト荷重低減量と、前記背面圧力推定部によって推定した前記背面圧力とに基づいて前記バルブの開度を制御するように構成された、請求項8に記載の過給装置。
  12. 前記第2パラメータは、前記過給機におけるタービン入口圧力である、請求項11に記載の過給装置。
  13. 前記制御装置は、
    前記スラスト荷重低減量算出部によって算出した前記スラスト荷重低減量と、前記背面圧力とに基づいて、前記スラスト荷重低減量を実現するための前記背面圧力の目標値である目標背面圧力を算出するように構成された目標背面圧力算出部と、
    前記目標背面圧力算出部によって算出した前記目標背面圧力に基づいて、前記圧縮空気供給ラインから前記タービンディスクの背面に供給する前記圧縮空気の流量である供給空気量を算出する供給空気量算出部と、
    を備え、前記供給空気量算出部によって算出した前記供給空気量を実現するように前記バルブの開度を制御するように構成された、請求項8に記載の過給装置。
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