JP2023087759A - ガス燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス燃焼装置において、構造の簡素化、低コスト化等を図りつつ、余剰空気を加味してリアルタイムで燃焼状態を把握でき、良好な燃焼状態を維持できるようにする。【解決手段】ガスバーナ20、ガスバーナの炎に曝されてフレーム電流を生じるフレームロッド25、燃焼を制御する制御ユニット110を備え、制御ユニットは、ガスバーナの燃焼炎数をn及び全燃焼炎数をN、燃料ガスのガス単位発熱量をH及びガス必要空気率をm、ガス量をQg、空気量をQa、フレーム電流に寄与する炎数に比例する定数をk1、フレームロッドの印加電圧及び抵抗値に寄与する定数をk2とするとき、燃焼特性式If=[k1ln(HQg/n)+k2]exp[-(nQa/NmQg-1)2]により算出される算出フレーム電流値Ifと、フレームロッドの実測フレーム電流値とに基づいて、ガスバーナに供給されるガス量及び/又は空気量を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ガスに空気を混合して燃焼させるガス燃焼装置に関し、特に、フレーム
ロッド等の炎センサを利用して燃焼を制御しつつ要求される出力火力を提供するガス燃焼装置に関する。
従来において、ガス燃焼装置におけるバーナの燃焼状態を検出する手法としては、炎の導電作用を用いたフレームロッドのフレーム電流を用いる手法が知られている。
そこで、燃焼モードを多段に切り替えることのできる多段切替式のバーナを備えた燃焼装置において、一つのフレームロッドを用いて燃焼状態を検出する場合、未燃焼のバーナからの余剰空気の発生により、空気が多く含まれた燃焼状態のフレーム電流を検出することになり、正確な燃焼状態を検出することができない。
そこで、複数のフレームロッドや他の燃焼センサを用いると、構造の複雑化、高コスト化等を招くことになる。
ところで、従来のガス燃焼装置としては、バーナで生成した炎の燃焼状態を検出するフレームロッドが設置された第1バーナ部及びフレームロッドが設置されていない第2バーナ部を備えた燃焼部と、給湯要求に応じて設定される燃焼部の燃焼モードを監視し、第1バーナ部を燃焼させない第2燃焼モードが一定時間に亘って継続している場合に第1バーナ部を燃焼させる第1燃焼モードに変更する燃焼制御部と、フレームロッドで検出した第1バーナ部の燃焼状態の情報を取り込んで燃焼部の燃焼調整処理を実行する燃焼調整制御部と、を備えた給湯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この給湯装置においては、フレームロッドで検出できない燃焼モードが一定時間に亘って継続した場合に、フレームロッドで検出できる燃焼モードに切り替えるという制御手法を採用するものである。したがって、フレームロッドで検出できない一定時間の燃焼モードにおいては、リアルタイムで燃焼状態を検出できるものではなく、COやNOの排出量を抑制できる良好な燃焼状態となるように燃焼を制御することができない。
また、他のガス燃焼装置としては、バーナに対する燃料ガスの供給圧を制御するガス比例弁、回転数に応じた空気量で空気を供給するためのファン、バーナで目標発生熱量を発生する目標ガス圧及び所定の空燃比となる空気量を供給する目標回転数を設定する制御手段、目標回転数に応じてファンの回転数を制御するファン制御部、ファンの回転数を検出する回転数検出器を備えた、ガス燃焼式の給湯装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この給湯装置においては、ファンの目標回転数が変更された過渡時において空燃比を維持するべく、回転数検出器によるセンシング遅れを考慮して燃料ガスの供給圧(ガス量)を決定するものである。
このように、従来のガス燃焼装置においては、空気と燃料ガスとの空燃比制御を行う過渡状態において、供給されるガス量の応答に対して供給される空気量の応答が遅いため、両者の応答性を考慮した制御が必要であり、それ故に、制御が複雑である。また、ファン及びファンモータの動特性が、システムの応答性に影響を及ぼす構造となっている。
特開2020-143862号公報 特開2014-122763号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、低コスト化等を図りつつ、余剰空気を加味してリアルタイムで燃焼状態を把握でき、良好な燃焼状態を維持することができ、又、供給されるべき空気量の応答性が向上する、ガス燃焼装置を提供することにある。
本発明のガス燃焼装置は、出力火力に応じて燃料ガスを空気と混合して燃焼させるガスバーナと、ガスバーナの炎に曝されてフレーム電流を生じるフレームロッドと、燃焼を制御する制御ユニットとを備え、制御ユニットは、ガスバーナの燃焼炎数をn及び全燃焼炎数をN、燃料ガスのガス単位発熱量をH及びガス必要空気率をm、ガス量をQ、空気量をQ、フレーム電流に寄与する炎数に比例する定数をk、フレームロッドの印加電圧及び抵抗値に寄与する定数をkとするとき、下記の燃焼特性式、
=[kln(HQ/n)+k]exp[-(nQ/NmQ-1)
により算出される算出フレーム電流値Iと、フレームロッドの実測フレーム電流値とに基づいて、ガスバーナに供給されるガス量及び/又は空気量を制御する、構成となっている。
上記ガス燃焼装置において、制御ユニットは、実測フレーム電流値が算出フレーム電流値から逸脱しているとき、実測フレーム電流値を算出フレーム電流値に一致させるべく、ガス量及び/又は空気量を減少又は増加させるように制御する、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、ガスバーナは、出力火力の大きさに対応して供給されるガス量が異なる複数の能力を発生する多段切替式ガスバーナであり、制御ユニットは、複数の能力に対応して上記燃焼特性式に基づき算出された特性情報を記憶する記憶部を含む、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、記憶部に記憶された特性情報は、燃料ガスのガス量と算出フレーム電流値の関係を示す特性情報を含む、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、ガスバーナに対する燃料ガスのガス量を調整するガス量調整弁と、燃料ガスに混合させる空気量を調整する空気量調整ユニットを備え、制御ユニットは、ガス量調整弁及び空気量調整ユニットを制御する、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、制御ユニットは、出力火力を算出する出力火力算出部と、出力火力算出部の出力火力情報に基づいて必要な能力に切り替える判定を行う能力切替部と、実測フレーム電流値を算出フレーム電流値と比較してその偏差に基づく補正量を算出する補正量算出部を含み、出力火力情報、能力切替部の能力番号情報、及び補正量算出部の補正量情報に基づいて、ガス量調整弁を制御する、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、制御ユニットは、出力火力情報及び能力番号情報に基づいて、空気量調整ユニットを制御する、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、空気量調整ユニットは、ガスバーナに向かう空気の流れを発生させるべく一定回転数で回転駆動されるファンと、ガスバーナに供給する空気量を調整する空気量調整弁を含み、制御ユニットは、出力火力情報と能力切替部の能力番号情報に基づいて空気量調整弁の目標開度を算出する目標開度算出部と、目標開度算出部の目標開度情報に基づいて空気量調整弁の開度を制御する開度制御部を含む、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、制御ユニットは、複数の能力ごとに設定された一定の回転数でファンを回転駆動する、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、空気量調整ユニットは、ガスバーナに向かう空気の流れを発生させるべく一定回転数で回転駆動されるファンと、ガスバーナに供給する空気量を調整する空気量調整弁を含み、制御ユニットは、出力火力情報と能力切替部の能力番号情報に基づいて空気量調整弁の目標開度を算出する目標開度算出部と、目標開度算出部の目標開度情報に基づいて空気量調整弁の開度を制御する開度制御部と、出力火力情報と能力番号情報に基づいてファンの目標回転数を算出する目標回転数算出部と、目標回転数算出部の目標回転数情報に基づいてファンを一定の回転数にて回転駆動する回転制御部を含む、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、空気量調整弁は、駆動源と、駆動源により開閉駆動されるバタフライ弁を含む、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、駆動源は、ステッピングモータである、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、ファンは、回転駆動力を生じるモータを含み、モータは、ACモータである、構成を採用してもよい。
上記ガス燃焼装置において、ガスバーナに隣接して配置された熱交換器を含む、構成を採用してもよい。
上記構成をなすガス燃焼装置によれば、構造の簡素化、低コスト化等を達成しつつ、燃焼状態を把握して良好な燃焼状態を維持することができ、又、供給されるべき空気量の応答性が向上し、所望される出力火力を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係るガス燃焼装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るガス燃焼装置の部分図である。 第1実施形態に係るガス燃焼装置において、多段切替式ガスバーナの能力(能力1~能力4)に応じた燃焼状態(燃焼炎数とフレームロッドとの関係)を示す模式図である。 第1実施形態に係るガス燃焼装置において、制御ユニットの構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るガス燃焼装置に含まれる空気量調整弁において、弁開度と空気量の関係を示すグラフである。 本発明のガス燃焼装置において、能力(能力1~能力4)毎に実測した空気比λとフレーム電流との関係を示すグラフである。 本発明のガス燃焼装置において、能力(能力1~能力4)毎に実測した燃料ガスのガス量とフレーム電流との関係を示すグラフである。 本発明のガス燃焼装置において、燃焼特性式を用いて能力(能力1~能力4)毎に算出された燃料ガスのガス量とフレーム電流との関係を示すグラフである。 本発明のガス燃焼装置において、実測フレーム電流値と燃焼特性式に基づく算出フレーム電流値との偏差と燃料ガスのガス量との関係を示すグラフである。 本発明のガス燃焼装置において、制御ユニットにおける動作全体の制御を示すフローチャートである。 本発明のガス燃焼装置において、制御ユニットにおける燃焼制御を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るガス燃焼装置において、制御ユニットの構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
第1実施形態に係るガス燃焼装置は、図1及び図2に示すように、筐体10、ガスバーナ20、イグナイタ24、フレームロッド25、ガス供給配管30、ガス量調整弁40、ガス切替弁51,52,53、空気量調整弁60、ファン70、熱交換器80、給水配管90、給湯配管100、制御ユニット110を備えている。
ここで、ガス燃焼装置は、ガス給湯器として構成されている。また、空気量調整弁60及びファン70により、空気量調整ユニットが構成されている。
筐体10は、耐熱性の金属板等により形成され、図2に示すように、ガスバーナ20及び熱交換器80を囲繞する内部空間11、内部空間11に空気を吸入する吸入口12、内部空間11から燃焼ガスを排出する排出口13を備えている。
ガスバーナ20は、図2及び図3に示すように、複数のガス噴出口を備え、第1分岐供給管32により供給された燃料ガスを噴出する複数(4つ)の第1噴出口21、第2分岐供給管33により供給された燃料ガスを噴出する複数(2つ)の第2噴出口22、第3分岐供給管34により供給された燃料ガスを噴出する複数(9つ)の第3噴出口23を備えている。
第1噴出口21は、ガス量調整弁40及びガス切替弁51の開弁により供給される燃料ガスを噴出するバーナ1として機能する。そして、第1噴出口21から噴出する燃料ガスが燃焼するとき、燃焼炎数は4つである。
第2噴出口22は、ガス量調整弁40及びガス切替弁52の開弁により供給される燃料ガスを噴出するバーナ2として機能する。そして、第2噴出口22から噴出する燃料ガスが燃焼するとき、燃焼炎数は2つである。
第3噴出口23は、ガス量調整弁40及びガス切替弁53の開弁により供給される燃料ガスを噴出するバーナ3として機能する。そして、第3噴出口23から噴出する燃料ガスが燃焼するとき、燃焼炎数は9つである。
また、ガスバーナ20は、出力火力の大きさに応じて供給される燃料ガスのガス量が異なる複数の能力、すなわち、能力1、能力2、能力3、及び能力4を発生する。
能力1においては、ガス量調整弁40及びガス切替弁51の開弁によりバーナ1のみが燃焼し、バーナ2及びバーナ3は燃料ガスが供給されず空気のみが供給される。
能力2においては、ガス量調整弁40及びガス切替弁51,52の開弁によりバーナ1及びバーナ2が燃焼し、バーナ3は燃料ガスが供給されず空気のみが供給される。
能力3においては、ガス量調整弁40及びガス切替弁52,53の開弁によりバーナ2及びバーナ3が燃焼し、バーナ1は燃料ガスが供給されず空気のみが供給される。
能力4においては、ガス量調整弁40及びガス切替弁51,52,53の開弁によりバーナ1、バーナ2、及びバーナ3が燃焼する。
すなわち、能力1の燃焼モードのとき燃焼炎数nは4であり、能力2の燃焼モードのとき燃焼炎数nは6であり、能力3の燃焼モードのとき燃焼炎数nは11であり、能力4の燃焼モードのとき燃焼炎数nは15である。
したがって、第1噴出口21、第2噴出口22、及び第3噴出口23から噴出する燃料ガスが全て燃焼するとき、燃焼可能な全炎数、すなわち、全燃焼炎数Nは15である。
イグナイタ24は、燃料ガスに点火するものであり、制御ユニット110の指令に基づいて作動する。
フレームロッド25は、図2及び図3に示すように、ガスバーナ20の炎に曝されるように配置され、ガスバーナ20との間に電圧が印加された状態で炎が存在するか否かを監視する、すなわち、炎に曝されるとフレーム電流を生じるものである。そして、フレームロッド25から出力されるフレーム電流の情報は、制御ユニット110に入力される。
ここで、フレームロッド25は、図3に示すように、能力1の燃焼モードにおいてバーナ1の1つの炎に曝され、能力2の燃焼モードにおいてバーナ1の1つの炎及びバーナ2の2つの炎に曝され、能力3の燃焼モードにおいてバーナ2の2つの炎に曝され、能力4の燃焼モードにおいてバーナ1の1つの炎及びバーナ2の2つの炎に曝されるように配置されている。
すなわち、フレームロッド25は、出力火力の大きさに対応した炎数に曝される配置とはなっていない。そこで、これを補完するべく、フレームロッド25の実測フレーム電流値Iは、以下に述べる燃焼特性式(2)により算出される算出フレーム電流値Iに基づいて補正処理される。
ガス供給配管30は、図1及び図2に示すように、上流側配管31、第1分岐供給管32、第2分岐供給管33、及び第3分岐供給管34を備えている。
上流側配管31は、第1分岐供給管32、第2分岐供給管33、及び第3分岐供給管34の上流側に位置し、その途中にガス量調整弁40が配置されている。
第1分岐供給管32は、ガス切替弁51を介してガスバーナ20の第1噴出口21(バーナ1)に連通している。
第2分岐供給管33は、ガス切替弁52を介してガスバーナ20の第2噴出口22(バーナ2)に連通している。
第3分岐供給管34は、ガス切替弁53を介してガスバーナ20の第3噴出口23(バーナ3)に連通している。
ガス量調整弁40は、図1に示すように、ガス供給配管30において、上流側配管31の途中に配置され、通電する電流がPWM制御により適宜制御される比例電磁弁であり、燃料ガスを通す通路を全閉する位置から全開する位置までの間で開度が調整されて、ガスバーナ20に対する燃料ガスの供給量を調整する。
すなわち、ガス量調整弁40は、要求される出力火力に対して所定の空気比λを維持するべく、制御ユニット110からの指令に基づく通電電流により開度が制御され、ガスバーナ20への燃料ガスの供給量を調整する。
ここで、空気比λは、燃料ガスを完全燃焼させるのに必要な理論空気量に対し、実際に供給される空気量の割合(質量比)である。
ガス切替弁51は、燃料ガスを供給するガス供給配管30において、第1分岐供給管32の途中に配置され、燃料ガスを通す通路を全閉又は全開するように開閉駆動され、ガスバーナ20の第1噴出口21に対する燃料ガスの供給量を調整する電磁弁である。
ガス切替弁52は、燃料ガスを供給するガス供給配管30において、第2分岐供給管33の途中に配置され、燃料ガスを通す通路を全閉又は全開するように開閉駆動され、ガスバーナ20の第2噴出口22に対する燃料ガスの供給量を調整する電磁弁である。
ガス切替弁53は、燃料ガスを供給するガス供給配管30において、第3分岐供給管34の途中に配置され、燃料ガスを通す通路を全閉又は全開するように開閉駆動され、ガスバーナ20の第3噴出口23に対する燃料ガスの供給量を調整する電磁弁である。
すなわち、ガス切替弁51,52,53は、要求される出力火力に応じて制御ユニット110からの指令に基づきそれぞれ開閉制御され、ガスバーナ20に対する燃料ガスの供給量を調整する。
空気量調整弁60は、図2に示すように、筐体10の吸入口12に配置されて、筐体10内に流入する空気量を調整するものであり、バタフライ弁61と、バタフライ弁61を開閉駆動する駆動源62を備えている。
バタフライ弁61は、停止状態において、空気を通す通路を所定の開度に開放した休止位置に設定され、作動時に休止位置から消火開度及び着火開度を経て全開位置までの範囲を開閉駆動される。尚、休止位置は消火位置と同じであってもよい。
駆動源62は、パルス電圧を印加して駆動するステッピングモータであり、制御ユニット110からの指令に基づき駆動制御される。
ここで、空気量調整弁60は、図5に示すように、バタフライ弁61の開度に対して、通過する空気量が一定の割合で増加する比例関係を示す特性を有し、出力火力の増加に伴って開度が大きくなるように制御される。
すなわち、空気量調整弁60は、要求される出力火力に対して所定の空気比λを維持するべく、制御ユニット110からの指令に基づき開閉制御され、ガスバーナ20に供給する空気量を調整する。
ファン70は、図2に示すように、筐体10の排出口13の近傍に配置されて、筐体10内の空気又は燃焼ガスを送出するものであり、複数の羽根を含む回転翼71と、回転翼71を回転駆動するモータ72を備えている。
モータ72は、周波数に応じた一定の回転速度を維持するACモータである。また、モータ72は、回転数を検出するセンサを備えており、センサの検出情報は制御ユニット110に入力される。
すなわち、ファン70は、吸入口12からガスバーナ20に向かう空気の流れを発生させるように配置されて、要求される出力火力に対して所定の空気比λを維持するべく、制御ユニット110からの指令に基づき一定の回転数にて回転駆動される。
熱交換器80は、図2に示すように、筐体10内においてガスバーナ20の直上に隣接して配置され、ガスバーナ20が発生する熱量を、給水配管90を通して供給された給水(常温水)に伝達する役割をなす。
すなわち、熱交換器80は、給水配管90から供給される水道水等の常温水を加熱し、給湯配管100に向けて温水として供給する。
給水配管90は、図1に示すように、熱交換器80の上流側に接続されて、水道水等の常温水を通すものであり、途中において、水流量センサ91、入口温度センサ92を備えている。
水流量センサ91は、給水配管90を流れる給水の流量を検出する。そして、水流量センサ91の検出情報は、制御ユニット110に入力される。
入口温度センサ92は、給水配管90を流れる給水の温度を検出する。そして、入口温度センサ92の検出情報は、制御ユニット110に入力される。
給湯配管100は、図1に示すように、熱交換器80の下流側に接続されて、熱交換器80により加熱された温水を通すものであり、途中において、出口温度センサ101、給湯栓102を備えている。
出口温度センサ101は、給湯配管100を流れる温水の温度を検出する。そして、出口温度センサ101の検出情報は、制御ユニット110に入力される。
給湯栓102は、操作者が操作する開閉弁である。
制御ユニット110は、プロセッサ、表示部、タイマー、外部リモコン110aと通信する通信部、入出力のインターフェース等を形成する電子部品及び電子回路を備えたコントローラとして構成されている。
タイマーは、制御シーケンスにおいて経過時間を計時するものである。
外部リモコン110aは、制御ユニット110に対して有線又は無線により接続されており、操作者が温水の選定温度等を設定する操作部、燃焼状態や警告等を表示する表示部等を備えている。
制御ユニット110は、図4に示すように、目標火力算出部111、出口温度F/B制御部112、出力火力算出部113、能力切替部114、空気量調整弁60の目標開度算出部115及び開度制御部116、ガス量調整弁40の目標電流算出部117及び電流制御部118、ファン70の回転制御部119、種々の制御情報等を記憶する記憶部120、補正量算出部121を備えている。
目標火力算出部111は、水流量センサ91の検出信号(水流量Q)、入口温度センサ92の検出信号(Tin)、及び外部リモコン110aにより設定された設定温度(T)の情報に基づいて、目標火力をフィードフォワード量として算出する。
ここで、目標火力は、以下の式(1)により算出される。
目標火力=水流量(Q)×(設定温度(T)-入口温度(Tin))/25 (1)
出口温度F/B制御部112は、出口温度センサ101の検出信号(Tout)、及び外部リモコン110aにより設定された設定温度(T)の情報に基づいて、補正火力をフィードバック量として算出する。
出力火力算出部113は、目標火力算出部111により出力されたフィードフォワード量である目標火力と、出口温度F/B制御部112により出力されたフィードバック量である補正火力の情報に基づいて、出力火力を算出する。
能力切替部114は、出力火力算出部113により出力された出力火力情報に基づいて、必要な能力に切り替える判定を行うと共にその指令信号を発する。
ここでは、出力火力の大きさに対応して供給されるガス量が異なる複数の能力として、前述の能力1、能力2、能力3、能力4が設定されている。
すなわち、能力切替部114は、能力1においてガス切替弁51だけを開弁させる指令信号を発し、能力2においてガス切替弁51,52だけを開弁させる指令信号を発し、能力3においてガス切替弁52,53だけを開弁させる指令信号を発し、能力4においてガス切替弁51,52,53を開弁させる指令信号を発する。
また、能力切替部114は、能力1、能力2、能力3、及び能力4にそれぞれ対応した能力番号を能力番号情報として出力する。
目標開度算出部115は、出力火力算出部113により出力された出力火力情報と、能力切替部114により出力された能力番号情報に基づいて、記憶部120に格納されたマップ(テーブル)情報から、空気量調整弁60の目標開度を算出する。ここで、マップ情報としては、所定の空気比λを維持しつつ能力番号に応じた熱量を発生するのに必要な空気量を供給するために設定される開度に関する情報である。
開度制御部116は、目標開度算出部115により出力された目標開度情報に基づいて、空気量調整弁60の駆動源62(ステッピングモータ)にパルス電圧を印加して、目標開度となるように駆動する。
目標電流算出部117は、能力切替部114により出力された能力番号情報と、目標開度算出部115により出力された目標開度情報と、記憶部120に格納されたマップ(テーブル)情報と、補正量算出部121により出力された補正量情報に基づいて、ガス量調整弁40の開度に対応する目標電流を算出する。ここで、マップ情報としては、所定の空気比λを維持しつつ能力番号に応じた熱量を発生するのに必要なガス量を供給するために設定される電流に関する情報である。
電流制御部118は、目標電流算出部117により出力された目標電流情報及び実際の電流のフィードバック情報に基づいて、ガス量調整弁40(比例電磁弁)に通電する電流をPWM制御する。これにより、ガス量調整弁40を通して供給される燃料ガスの供給量が調整される。
回転制御部119は、水流量センサ91の出力信号に基づいてプロセッサから発せられる指令信号により、予め記憶された目標回転数に係る情報及び実際の回転数のフィードバック情報に基づいて、一定の回転数となるべくファン70のモータ72を回転駆動する。
記憶部120は、動作全体の制御、燃焼制御、及び燃焼状態の監視処理を行うプログラム、燃焼状態に係るマップ(テーブル)情報、所定の空気比λ(例えば、能力1においてλ1、能力2においてλ2、能力3においてλ3、能力4においてλ4)を維持するための空気量及び燃料ガスに関するマップ情報、燃焼特性式(2)に基づく特性情報、その他の情報を格納するものであり、ROM、RAM等の記憶素子により構成される。
ここで、燃焼特性式(2)は、発明者が鋭意研究の結果として導き出した実験式であり、ガスバーナ20の燃焼炎数をn及び全燃焼炎数をN、燃料ガスのガス単位発熱量をH(kw/Nm)及びガス必要空気率をm、ガス量をQ(m/h)、空気量をQ(m/h)、フレーム電流に寄与する炎数に比例する定数をk、フレームロッド25の印加電圧及び抵抗値に寄与する定数をkとするとき、算出フレーム電流値I(μA)が、
=[kln(HQ/n)+k]exp[-(nQ/NmQ-1)] (2)
として表されるものである。
ここで、燃料ガスとしては、例えば、メタン、プロパン等が使用される。
メタンは、燃焼式がCH+2O→CO+2HOであり、ガス単位発熱量Hが11.04kw/Nmであり、ガス必要空気率mが9.52(2/0.21)である。
プロパンは、燃焼式がC+5O→3CO+4HOであり、ガス単位発熱量Hが27.64kw/Nmであり、ガス必要空気率mが23.81(5/0.21)である。
上記燃焼特性式(2)を導くに際して、ガス燃焼装置において能力1~能力4毎に燃焼実験を行った。その結果、空気比λとフレーム電流との関係は、図6に示すような結果が得られた。また、ガス量とフレーム電流との関係は、図7に示すような結果が得られた。
これらの結果から解るように、フレーム電流値は、燃焼火力(出力火力)とフレームロッド25に接触している炎の数に略比例している。換言すれば、能力3のように燃焼火力が大きくなっても、フレームロッド25に接触している炎の数が少なければフレーム電流値は小さくなり、能力4のように燃焼火力が大きくかつ隣接する炎同士の間で電流が伝わるような燃焼状態ではフレーム電流値は大きくなっている。
また、燃焼を制御するに際して、能力1~能力4のそれぞれの燃焼モードにおいて、COやNOxの排出量が少なくなる最適な燃焼状態となる空気比λが選定される。
実際には、全ての空気が燃焼に使われることはないため、理論空気量よりも過剰に空気が供給される。すなわち、λ>1の過剰空気の状態に設定される。
具体的には、空気比λは、例えば2.8~12の範囲で選定される。図6に示すように、能力1において空気比λ=λ1、能力2において空気比λ=λ2、能力3において空気比λ=λ3、能力4において空気比λ=λ4(λ1<λ2<λ3<λ4)が選定される。
これらの結果及び条件を前提として、図7に示す実験結果を近似する燃焼特性式として、上記の燃焼特性式(2)が見出された。そして、燃焼特性式(2)に基づき、能力1~能力4毎にガス量とフレーム電流との関係をグラフで示すと、図8に示すような結果が得られた。
図8に示す結果は、燃料ガスのガス量と算出フレーム電流値の関係を示す特性情報として、記憶部120に格納されている。
燃焼制御においては、燃焼特性式(2)により算出された算出フレーム電流値Iとフレームロッド25の実測フレーム電流値Iとに基づいて、ガスバーナ20に供給されるガス量及び/又は空気量が制御される。
例えば、図9に示すように、実測フレーム電流値Iが、算出フレーム電流値Iよりも大きいとき、すなわち、空気比λの値が所定のλ値(能力1のときλ1、能力2のときλ2、能力3のときλ3、能力4のときλ4)よりも小さいとき、実測フレーム電流値Iを算出フレーム電流値Iに一致させるべく、供給される燃料ガスのガス量を減少させるように制御される。実測フレーム電流値Iが、算出フレーム電流値Iよりも小さいとき、すなわち、空気比λの値が所定のλ値よりも大きいとき、実測フレーム電流値Iを算出フレーム電流値Iに一致させるべく、供給される燃料ガスのガス量を増加させるように制御される。
補正量算出部121は、フレームロッド25により出力された実測フレーム電流値Iと、能力切替部114により出力された能力番号情報と、記憶部120に格納された燃焼特性式(2)に関する特性情報(能力番号情報に対応してガス量とフレーム電流との関係を示す特性情報)に基づいて、実測フレーム電流値Iを算出フレーム電流値Iと比較して偏差を零にする、すなわち、実測フレーム電流値Iを算出フレーム電流値Iに一致させるべく補正量を算出すると共に、その補正量情報を目標電流算出部117に向けて出力する。
次に、上記ガス燃焼装置の制御動作について、図10及び図11に示すフローチャートに基づいて説明する。制御動作は、上述の各種センサの検出情報及び記憶部120に予め記憶された特性情報及びマップ情報等に基づいて、制御ユニット110が司る。
先ず、操作者が給湯栓102を開くと、ステップS1において、水流量センサ91により検出される給水の流量(Q)が規定水流量以上か否か判断される。ここで、流量(Q)が規定水流量未満であると判断された場合、ステップS1に戻る。一方、流量(Q)が規定水流量以上と判断された場合、ステップS2に進む。
ステップS2においては、空気量調整弁60が着火のために規定された着火開度にセットされる。尚、着火開度は、休止状態において予め設定された開度であってもよい。
続いて、ステップS3において、ファン70が起動し、予め設定された一定の回転数(回転速度)で回転する。
続いて、ステップS4において、イグナイタ24が作動し、ステップS5において、ガス量調整弁40及びガス切替弁51が着火に必要な流量を供給する着火開度に開弁する。
そして、ステップS6において、フレームロッド25の検出信号に基づき、ガスバーナ20に炎が存在するか否か(フレーム電流が流れているか否か)判断される。ここで、炎が存在しない(フレーム電流が流れていない)と判断された場合、ステップS7において、タイマーの計時により規定時間経過したか否かが判断される。ここで、規定時間経過していないと判断された場合、ステップS6に戻って再び炎が存在するか否か判断される。一方、規定時間経過したと判断された場合、ステップS8においてガス量調整弁40及びガス切替弁51が閉弁する。続いて、ステップS9において、空気量調整弁60が消火開度にセットされる。続いて、ステップS10において、タイマーの計時により規定時間経過したか否かが判断される。ここで、規定時間経過していないと判断された場合、ステップS10に戻る。一方、規定時間経過したと判断された場合、ステップS11においてファン70が回転を停止する。
ステップS6において、炎が存在する(フレーム電流が流れている)と判断された場合、ステップS12においてイグナイタ24の作動が停止する。
続いて、ステップS13において、燃焼制御が開始される。燃焼制御は、能力1ないし4に応じた所定の空気比λ(λ1、λ2、λ3、λ4)を維持しつつ要求される出力火力となるように、ファン70を一定回転数にて回転駆動すると共に、燃焼特性式(2)から得られた算出フレーム電流値Iと実測フレーム電流値Iとに基づいてガスバーナ20に供給されるガス量及び空気量を制御するべく、ガス量調整弁40及び空気量調整弁60の開度を適宜調整するものである。
ここで、ステップS13における燃焼制御について説明すると、図11に示すように、ステップS131において、要求される出力火力が算出される。出力火力は、制御ユニット110において、目標火力算出部111により出力されたフィードフォワード量である目標火力と、出口温度F/B制御部112により出力されたフィードバック量である補正火力の情報に基づいて算出される。
続いて、ステップS132において、ガス切替弁51,52,53のON/OFFが制御される。ガス切替弁51,52,53をON(開弁)にするか又はOFF(閉弁)にするかは、能力切替部114において、出力火力算出部113により出力された出力火力情報に基づいて能力1,能力2,能力3,及び能力4のいずれを選択するか判定される。
すなわち、能力1が選択されたときガス切替弁51がONとされ、能力2が選択されたときガス切替弁51,52がONとされ、能力3が選択されたときガス切替弁52,53がONとされ、能力4が選択されたときガス切替弁51,52,53がONとされる。
続いて、ステップS133において、選択された能力に応じて燃焼特性式(2)のパラメータである燃焼炎数n,全燃焼炎数N,ガス単位発熱量H,ガス必要空気率m,ガス量Q,空気量Qの値がセットされる。
続いて、ステップS134において、空気量調整弁60のバタフライ弁61の開度が制御される。バタフライ弁61の開度制御は、空気量Qに基づき、目標開度算出部115により出力された目標開度に関する指令により、空気量調整弁60の駆動源62(ステッピングモータ)にパルス電圧が印加されて目標開度となるように駆動制御される。
続いて、ステップS135において、ガス量調整弁40に通電する電流が制御される。この電流制御は、電流制御部118において、ガス量Qに基づき目標電流算出部117により出力された目標電流及び電流のフィードバック情報に基づいて、ガス量調整弁40(比例電磁弁)に通電する電流がPWM制御されて、ガス量調整弁40を通して供給される燃料ガスの供給量が調整される。
続いて、ステップS136において、フレームロッド25の実測フレーム電流値Iと記憶部120の燃焼特性式(2)により得られる算出フレーム電流値Iとが補正量算出部121で比較されて両者の偏差に応じた補正量が算出される。
続いて、ステップ137において、上記補正量に基づいて、目標電流算出部117により補正された目標電流が算出され、電流制御部118により、補正された目標電流に基づきガス量調整弁40の開度が調整されて、供給されるガス量が調整される。
上述のように、ステップ131~137を含むステップS13において、燃焼特性式(2)に基づいて燃焼状態をリアルタイムで監視する燃焼制御が行われる。
続いて、ステップS14において、水流量センサ91により検出される給水の流量(Q)が規定水流量以下か否か判断される。ここで、流量(Q)が規定水流量以下であると判断された場合、ステップS8に移行する。一方、流量(Q)が規定水流量以下ではないと判断された場合、ステップS15に進む。
ステップS15においては、フレームロッド25の検出信号に基づき、ガスバーナ20に炎が存在するか否か判断される。ここで、炎が存在しないと判断された場合、ステップS8に移行する。一方、炎が存在すると判断された場合、ステップS16に進む。
ステップS16においては、燃焼状態に異常があるか否か判断される。ここで、異常ありと判断された場合、ステップS8に移行する。一方、異常なしと判断された場合、ステップS13に戻り、燃焼制御が続行される。
ここで、異常があるか否かの判断は、各種のセンサにより検出された検出情報、記憶部120に予め記憶されたマップ情報、制御ユニット110により算出された情報を照らし合わせて、予想される範囲を逸脱した場合は、異常ありと判断され、予想される範囲の場合は異常なしと判断される。
上記構成をなすガス燃焼装置によれば、制御ユニット110が、燃焼特性式(2)により算出される算出フレーム電流値Iと、フレームロッド25の実測フレーム電流値Iとに基づいて、ガスバーナ20に供給されるガス量を制御するため、余剰空気が存在する燃焼状態であっても、一つのフレームロッド25から得られる実測フレーム電流値Iの情報だけで、リアルタイムで燃焼状態を把握することができる。
これにより、構造の簡素化、低コスト化を達成でき、リアルタイムでCO及びNOxの排出量が少ない良好な燃焼状態を持続しつつ、所望される出力火力を得ることができる。
特に、ガスバーナ20が、出力火力の大きさに対応して供給されるガス量が異なる複数の能力1~能力4を発生する多段切替式ガスバーナであり、記憶部120が、複数の能力に対応して燃焼特性式(2)に基づき算出された特性情報を含むため、能力1~能力4毎に適した空気比λ(λ1、λ2、λ3、λ4)となる燃焼制御が可能になり、出力火力の大きさに応じてそれぞれ最適な燃焼制御を行うことができる。
また、上記構成をなすガス燃焼装置によれば、空気量調整ユニットとして、ガスバーナ20に向かう空気の流れを発生させるべく一定回転数で回転駆動されるファン70と、ガスバーナ20に供給する空気量を調整する空気量調整弁60を含むため、従来のようにファンの回転数を制御して空気量を調整する場合に比べて過渡状態における空気量の応答性が向上し、制御を簡略化できる。また、ファン70が一定の回転数で回転するため、回転の変動に伴う騒音や振動等を抑制ないし防止することができる。
特に、空気量調整弁60が、駆動源62と、駆動源62により開閉駆動されるバタフライ弁61を含むものであるため、空気の通路面積を大きく設定することができ、又、バタフライ弁61の回動動作だけで空気の通路面積を素早く調整でき、それ故に、空気量を要求される供給量に素早く調整することができる。駆動源62として、ステッピングモータを採用することにより、フィードバック制御が不要であり、バタフライ弁61の開度を高精度に制御することができる。
さらに、ファン70の回転駆動力を生じるモータ72を含み、モータ72としてACモータを採用することにより、周波数に応じて一定の回転数(回転速度)を維持することが容易であり、回転速度(回転トルク)のムラも少なく、さらに、長寿命化に適している。
図12は、本発明の第2実施形態に係るガス燃焼装置の動作全体の制御及び燃焼制御を司る制御ユニットを示すものであり、前述の実施形態に係る制御ユニット110と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係る制御ユニット210は、目標火力算出部111、出口温度F/B制御部112、出力火力算出部113、能力切替部114、空気量調整弁60の目標開度算出部115及び開度制御部116、ガス量調整弁40の目標電流算出部117及び電流制御部118、種々の制御情報等を記憶する記憶部120、補正量算出部121、ファン70の回転数を算出する目標回転数算出部211、ファン70の回転を制御する回転制御部212を備えている。
目標回転数算出部211は、出力火力算出部113により出力された出力火力情報と、能力切替部114により出力された能力番号情報に基づいて、記憶部120に格納されたマップ情報から、ファン70の目標回転数を算出する。
具体的には、マップ情報として、出力火力が能力1の場合は一定の回転数N1が設定され、出力火力が能力2の場合は一定の回転数N2(N2>N1)が設定され、出力火力が能力3の場合は一定の回転数N3(N3>N2>N1)が設定され、出力火力が能力4の場合は一定の回転数N4(N4>N3>N2>N1)が設定されている。したがって、目標回転数算出部211は、能力に応じて回転数N1,N2,N3,N4のいずれを選択するかを決定する。
回転制御部212は、目標回転数算出部211により出力された回転数に係る情報及び実際の回転数のフィードバック情報に基づいて、一定の回転数(N1,N2,N3,N4)となるべくファン70のモータ72を回転駆動する。
すなわち、制御ユニット210は、複数の能力(能力1,能力2,能力3,能力4)ごとに設定された一定の回転数(N1,N2,N3,N4)でファン70を回転駆動する。
尚、設定される回転数は、上記4つの回転数に限らず、2つ又は3つの回転数であってもよい。
上記第2実施形態に係る制御ユニット210の制御手法によれば、要求される出力火力が小さい燃焼モードでは必要とされる空気量も少なくなるため、ファン70の回転数を小さくすることで、空気量調整弁60の開閉に伴う絞り抵抗及び絞り抵抗による騒音等を抑制ないし防止することができる。一方、要求される出力火力が大きい燃焼モードでは必要とされる空気量も多くなるため、ファン70の回転数を大きくすることで、所定の空気比λを維持しつつ所望される出力火力を得ることができる。
上記実施形態においては、出力火力の大きさを選択できる構成において、本発明の燃焼特性式に基づき燃焼を制御する制御ユニット110,210を示したが、これに限定されるものではなく、単一の出力火力を発生するガス燃焼装置においても、本発明の燃焼特性式に基づき燃焼を制御することで、CO及びNOxの排出量が少ない良好な燃焼状態を維持するべくリアルタイムで燃焼を制御することができる。
また、上記実施形態においては、出力火力の大きさに対応して供給されるガス量が異なる複数の能力として、4つの能力(能力1ないし能力4)を有する構成を示したが、これに限定されるものではなく、2つの能力、5つの能力、又はそれ以上の能力が設定されていてもよい。
上記実施形態においては、ガスバーナ20が、4つの第1噴出口21を有するバーナ1、2つの第2噴出口22を有するバーナ2、9つの第3噴出口23を有するバーナ3を備える構成を示したが、これに限定されるものではなく、その他の個数の噴出口及びバーナを備えるガスバーナを備える構成において、本発明を採用してもよい。
上記実施形態においては、制御ユニット110,210が、算出フレーム電流値Iと実測フレーム電流値に基づいて、ガスバーナ20に供給されるガス量を制御する手法を示したが、これに限定されるものではなく、ガスバーナ20に供給される空気量を制御する手法を採用してもよい。この場合、記憶部120には、供給される空気量と算出フレーム電流値の関係を示す特性情報を格納してもよい。
上記実施形態においては、制御ユニット110,210が、算出フレーム電流値Ifから実測フレーム電流値が逸脱しているとき、実測フレーム電流値を算出フレーム電流値Iに一致させる手法を示したが、これに限定されるものではなく、偏差量に基づいて他のパラメータを調整することで結果的にガス量及び/又は空気量を減少又は増加させるように制御する手法を採用してもよい。
上記実施形態においては、空気量調整弁として、バタフライ弁61及び駆動源62(ステッピングモータ)を含む空気量調整弁60を示したが、これに限定されるものではなく、空気の流れる通路を開閉して空気量を調整できるものであれば、その他の形態をなす空気量調整弁を採用してもよい。
また、空気量調整弁60の駆動源62として、ステッピングモータを示したが、開度センサを備えたDCモータ等を駆動源として採用してもよい。
上記実施形態においては、ファン70のモータ72として、ACモータを採用する構成を示したが、これに限定されるものではなく、DCモータを駆動源とするファンを採用してもよい。
上記実施形態においては、ガス燃焼装置として、熱交換器80を含むガス給湯器を示したが、これに限定されるものではなく、燃料ガスの燃焼により生じる熱量を利用するものであれば、暖房用のガス燃焼装置、その他の形態をなすガス燃焼装置であってもよい。
上記実施形態においては、燃料ガスと空気が別々に供給されるガス燃焼装置において、本発明を採用した形態を示したが、これに限定されるものではなく、燃料ガスと空気が予め混合されてガスバーナに供給されるガス燃焼装置において、本発明を適用することもできる。
以上述べたように、本発明のガス燃焼装置は、構造の簡素化、低コスト化等を達成しつつ、燃焼状態を把握して良好な燃焼状態を維持することができ、又、供給されるべき空気量の応答性が向上し、所望される出力火力を得ることができるため、上述のような常温水を加熱して温水を提供するガス給湯器として適用できるのは勿論のこと、風呂給湯器、その他の流体を加熱する加熱機器においても有用である。
20 ガスバーナ
25 フレームロッド
30 ガス供給配管
40 ガス量調整弁
51,52,53 ガス切替弁
60 空気量調整弁(空気量調整ユニット)
61 バタフライ弁
62 駆動源(ステッピングモータ)
70 ファン(空気量調整ユニット)
72 モータ(ACモータ)
80 熱交換器
100 給湯配管
n 燃焼炎数
N 全燃焼炎数
H ガス単位発熱量
m ガス必要空気率
ガス量
空気量
算出フレーム電流値
実測フレーム電流値
フレーム電流に寄与する炎数に比例する定数
フレームロッドの印加電圧及び抵抗値に寄与する定数
110 制御ユニット
113 出力火力算出部
114 能力切替部
115 目標開度算出部
116 開度制御部
120 記憶部
121 補正量算出部
210 制御ユニット
211 目標回転数算出部
212 回転制御部

Claims (14)

  1. 出力火力に応じて燃料ガスを空気と混合して燃焼させるガスバーナと、
    前記ガスバーナの炎に曝されてフレーム電流を生じるフレームロッドと、
    燃焼を制御する制御ユニットと、を備え、
    前記制御ユニットは、
    前記ガスバーナの燃焼炎数をn及び全燃焼炎数をN、前記燃料ガスのガス単位発熱量をH及びガス必要空気率をm、ガス量をQ、空気量をQ、前記フレーム電流に寄与する炎数に比例する定数をk、前記フレームロッドの印加電圧及び抵抗値に寄与する定数をkとするとき、下記の燃焼特性式、
    =[kln(HQ/n)+k]exp[-(nQ/NmQ-1)
    により算出される算出フレーム電流値Iと、前記フレームロッドの実測フレーム電流値とに基づいて、前記ガスバーナに供給されるガス量及び/又は空気量を制御する、
    ことを特徴とするガス燃焼装置。
  2. 前記制御ユニットは、前記実測フレーム電流値が前記算出フレーム電流値から逸脱しているとき、前記実測フレーム電流値を前記算出フレーム電流値に一致させるべく、ガス量及び/又は空気量を減少又は増加させるように制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス燃焼装置。
  3. 前記ガスバーナは、前記出力火力の大きさに対応して供給されるガス量が異なる複数の能力を発生する多段切替式ガスバーナであり、
    前記制御ユニットは、前記複数の能力に対応して前記燃焼特性式に基づき算出された特性情報を記憶する記憶部を含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス燃焼装置。
  4. 前記記憶部に記憶された特性情報は、前記燃料ガスのガス量と前記算出フレーム電流値の関係を示す特性情報を含む、
    ことを特徴とする請求項3に記載のガス燃焼装置。
  5. 前記ガスバーナに対する前記燃料ガスのガス量を調整するガス量調整弁と、
    前記燃料ガスに混合させる空気量を調整する空気量調整ユニットと、を備え、
    前記制御ユニットは、前記ガス量調整弁及び前記空気量調整ユニットを制御する、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のガス燃焼装置。
  6. 前記制御ユニットは、前記出力火力を算出する出力火力算出部と、前記出力火力算出部の出力火力情報に基づいて必要な能力に切り替える判定を行う能力切替部と、前記実測フレーム電流値を前記算出フレーム電流値と比較してその偏差に基づく補正量を算出する補正量算出部を含み、前記出力火力情報、前記能力切替部の能力番号情報、及び前記補正量算出部の補正量情報に基づいて、前記ガス量調整弁を制御する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のガス燃焼装置。
  7. 前記制御ユニットは、前記出力火力情報及び前記能力番号情報に基づいて、前記空気量調整ユニットを制御する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のガス燃焼装置。
  8. 前記空気量調整ユニットは、前記ガスバーナに向かう空気の流れを発生させるべく一定回転数で回転駆動されるファンと、前記ガスバーナに供給する空気量を調整する空気量調整弁を含み、
    前記制御ユニットは、前記出力火力情報と前記能力切替部の能力番号情報に基づいて前記空気量調整弁の目標開度を算出する目標開度算出部と、前記目標開度算出部の目標開度情報に基づいて前記空気量調整弁の開度を制御する開度制御部と、を含む、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のガス燃焼装置。
  9. 前記制御ユニットは、前記複数の能力ごとに設定された一定の回転数で前記ファンを回転駆動する、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のガス燃焼装置。
  10. 前記空気量調整ユニットは、前記ガスバーナに向かう空気の流れを発生させるべく一定回転数で回転駆動されるファンと、前記ガスバーナに供給する空気量を調整する空気量調整弁を含み、
    前記制御ユニットは、前記出力火力情報と前記能力切替部の能力番号情報に基づいて前記空気量調整弁の目標開度を算出する目標開度算出部と、前記目標開度算出部の目標開度情報に基づいて前記空気量調整弁の開度を制御する開度制御部と、前記出力火力情報と前記能力番号情報に基づいて前記ファンの目標回転数を算出する目標回転数算出部と、前記目標回転数算出部の目標回転数情報に基づいて前記ファンを一定の回転数にて回転駆動する回転制御部と、を含む、
    ことを特徴とする請求項9に記載のガス燃焼装置。
  11. 前記空気量調整弁は、駆動源と、前記駆動源により開閉駆動されるバタフライ弁を含む、
    ことを特徴とする請求項8又は10記載のガス燃焼装置。
  12. 前記駆動源は、ステッピングモータである、
    ことを特徴とする請求項11に記載のガス燃焼装置。
  13. 前記ファンは、回転駆動力を生じるモータを含み、
    前記モータは、ACモータである、
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載のガス燃焼装置。
  14. 前記ガスバーナに隣接して配置された熱交換器を含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし13いずれか一つに記載のガス燃焼装置。

JP2021202227A 2021-12-14 2021-12-14 ガス燃焼装置 Pending JP2023087759A (ja)

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