JP2023087262A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブル長が極めて長いケーブルを介して電源供給する場合であっても、負荷に適正な電圧の電源供給を行うことが可能となる技術を提供する。【解決手段】CPU41は、レーザドライバ37が送信した電圧値を受信し、その電圧値に基づいてケーブル3bの抵抗値に関するパラメータを決定する抵抗値決定処理と、抵抗値決定処理により決定された抵抗値に関するパラメータとユーザデータとに基づいて、レーザ加工中にケーブル3bにより生ずる電圧降下の値を算出する電圧降下算出処理と、レーザ発振器21によりレーザ光が出力される前に、電圧降下算出処理により算出された電圧降下の値分をPSU5が供給する所定の出力電圧に上乗せして出力するように制御する電源電圧制御処理と、を実行する。【選択図】 図3
Description
本願は、対象物にレーザ加工する技術に関するものである。
特許文献1には、ACアダプタなどのケーブルを介して電源供給する電源装置において、電源供給の配線抵抗やコネクタの接触抵抗があっても正確な電圧供給を行うことができる電源装置が記載されている。具体的には、この電源装置では、ケーブルの先端側(あるいはコネクタ内)に出力電圧の検出を行う検出回路を配置しておき、検出回路により検出された出力電圧を制御回路にフィードバックさせ、制御回路は、このフィードバックされた出力電圧に基づいて、SW電源回路のスイッチング周波数やスイッチング素子のオン期間を変化させて出力制御するようにしている。
しかし、特許文献1に記載の電源装置では、ケーブル長が極めて長いケーブルを介して電源供給する場合については考慮していないので、この場合に起こり得る問題に対処することができない。例えば、負荷に電源電圧の供給を開始すると、一時的に電源電圧が低下するが、上記電源装置では、電源電圧が低下してからその低下を検出し、低下分を回復させる制御を行うので、供給電圧が負荷の要求する規格電圧を下回ってしまう虞がある。さらに、検出回路が出力電圧を検出してから制御回路がSW電源回路の出力制御を行うまでに生ずる遅延が、極めて長いケーブル長により増大するので、供給電圧が負荷の要求する規格電圧を下回る時間が増大することになる。また、出力電圧の細かい変動に追従させようとしてフィードバック制御を行うと、SW電源回路を発振させてしまう虞もある。そして、発振させる虞は、極めて長いケーブル長により増大する上記遅延によりさらに増大する。
本願は、ケーブル長が極めて長いケーブルを介して電源供給する場合であっても、負荷に適正な電圧の電源供給を行うことが可能となる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願のレーザ加工装置は、レーザ光をワークに照射するレーザヘッドと、レーザヘッドに電力を供給するとともにレーザヘッドを制御するコントローラと、レーザヘッドとコントローラとをつなぐケーブルと、を備えたレーザ加工装置であって、レーザヘッドは、レーザ光を発振するレーザ発振器と、レーザヘッドを動作させるドライバ回路と、を有し、コントローラは、ケーブルを介してレーザヘッドに電力を供給する電源と、ワークに対する加工内容を指示する加工指令を受け付け、加工指令に基づいて、レーザヘッド及び電源を制御する制御部と、を有し、ドライバ回路は、レーザ発振器の励起開始時において、ケーブルを介して供給される電力の電圧値を計測し、その電圧値を、ケーブルを介して制御部に送信し、制御部は、ドライバ回路が送信した電圧値を受信し、その電圧値に基づいてケーブルの抵抗値に関するパラメータを決定する抵抗値決定処理と、抵抗値決定処理により決定された抵抗値に関するパラメータと加工指令とに基づいて、レーザ加工中にケーブルにより生ずる電圧降下の値を算出する電圧降下算出処理と、レーザ発振器によりレーザ光が出力される前に、電圧降下算出処理により算出された電圧
降下の値分を電源が供給する所定の出力電圧に上乗せして出力するように制御する電源電圧制御処理と、を実行することを特徴とする。
降下の値分を電源が供給する所定の出力電圧に上乗せして出力するように制御する電源電圧制御処理と、を実行することを特徴とする。
本願によれば、ケーブル長が極めて長いケーブルを介して電源供給する場合であっても、負荷に適正な電圧の電源供給を行うことが可能となる。
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本願の一実施形態に係るレーザ加工装置1に含まれるレーザ加工部3のヘッド部3cの概略構成を示し、図2は、レーザ加工装置1の制御構成を示している。なお、図1及び図2では、基本的構成の一部が省略されて描かれており、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。また、図1において、上下方向は、図に示された通りである。
レーザ加工装置1は、図2に示すように、PC2及びレーザ加工部3で構成されている。PC2は、一般的なPCであるので、その構成の説明は省略する。
レーザ加工部3は、加工レーザ光Pを加工対象物7の加工面8上で2次元走査してマーキング(印字)加工を行うものである。レーザ加工部3は、コントローラ部3aとレーザヘッド部3cとがケーブル3bを介して接続された構成となっている。なお、ケーブル3bとしては、本実施形態では、例えば、20m長の長尺ケーブルと、3m又は5m長の短尺ケーブルとが用意されており、ユーザはいずれかのケーブルを選択して使用する。
コントローラ部3aは、コントローラ6及びPSU5で構成されている。なお、PSUは、「Power Supply Unit」の略語である。コントローラ6は、コンピュータで構成され、例えば、USBやイーサネット、無線LAN、RS-232Cなどを介してPC2と双方向通信可能に接続されている。コントローラ6は、PC2から送信された印字情報、パラメータ、各種指示情報等に基づいてレーザヘッド部3cを駆動制御する。PSU5としては、本実施形態では、出力電圧を可変制御可能な可変電源を採用している。PSU5は、コントローラ6からの指示に応じて、出力電圧値を現在値から増加又は低下させる。コントローラ6からの指示の仕方は、PSU5の機種により異なるが、本実施形態では、出力電圧値そのものを指示することとする。つまり、コントローラ6がPSU5に出力電圧値を指示すると、PSU5は、出力電圧を指示された出力電圧値に到達するように制御して出力する。その際、現時点の出力電圧から指示された出力電圧値に到達する変化分の時間が、遅延として発生する。
ヘッド部3cは、図1に示すように、レーザ発振ユニット12、ガイド光部15、ダイクロイックミラー101、光学系70、カメラ103、ガルバノスキャナ18、及びfθレンズ19等を備えており、不図示の略直方体形状の筐体カバーで覆われている。
レーザ発振ユニット12は、レーザ発振器21等で構成されている。レーザ発振器21は、CO2レーザ、YAGレーザ等で構成されており、加工レーザ光Pを出射する。なお、加工レーザ光Pの光径は、不図示のビームエキスパンダで調整(例えば、拡大)される。
ガイド光部15は、可視半導体レーザ28等で構成されている。可視半導体レーザ28は、可視可干渉光であるガイド光Q、例えば、赤色レーザ光を出射する。ガイド光Qは、不図示のレンズ群で平行光にされ、さらに、2次元走査されることによって、例えば、加工レーザ光Pでマーキング(印字)加工すべき印字パターンの像(以下、「オブジェクト」という。)、そのオブジェクトを取り囲んだ矩形の像等を、加工対象物7の加工面8上に軌跡(散乱反射光の時間残像)として描画するものである。つまり、ガイド光Qには、マーキング(印字)加工能力がない。
ガイド光Qの波長は、加工レーザ光Pの波長とは異なる。本実施形態では、例えば、加工レーザ光Pの波長は1064nmであり、ガイド光Qの波長は、650nmである。
ダイクロイックミラー101では、入射された加工レーザ光Pのほぼ全部が透過する。また、ダイクロイックミラー101では、加工レーザ光Pが透過する略中央位置にて、ガイド光Qが45度の入射角で入射され、45度の反射角で加工レーザ光Pの光路上に反射される。ダイクロイックミラー101の反射率は、波長依存性を持っている。具体的には、ダイクロイックミラー101は、誘電体層と金属層との多層膜構造の表面処理がなされており、ガイド光Qの波長に対して高い反射率を有し、それ以外の波長の光をほとんど(99%)透過するように構成されている。
なお、図1の一点鎖線は、加工レーザ光Pとガイド光Qの光軸10を示している。また、光軸10の方向は、加工レーザ光Pとガイド光Qの経路方向を示している。
光学系70は、第1のレンズ72、第2のレンズ74、及び移動機構76を備えている。光学系70では、ダイクロイックミラー101を経た加工レーザ光Pとガイド光Qが、第1のレンズ72に入射し通過する。その際、第1のレンズ72によって、加工レーザ光Pとガイド光Qの各光径が縮小される。また、第1のレンズ72を通過した加工レーザ光Pとガイド光Qは、第2のレンズ74に入射し通過する。その際、第2のレンズ74によって、加工レーザ光Pとガイド光Qが平行光にされる。移動機構76は、光学系モータ80と、光学系モータ80の回転運動を直線運動に変換するラック・アンド・ピニオン(不図示)等を備えており、光学系モータ80の回転制御によって、第2のレンズ74を加工レーザ光Pとガイド光Qの経路方向に移動させる。
なお、移動機構76は、第2のレンズ74に代えて第1のレンズ72を移動させる構成であってもよいし、第1のレンズ72と第2のレンズ74との間の距離が変わるように第1のレンズ72と第2のレンズ74の双方を移動させる構成であってもよい。
ガルバノスキャナ18は、光学系70を経た加工レーザ光Pとガイド光Qとを2次元走査するものである。ガルバノスキャナ18では、ガルバノX軸モータ31とガルバノY軸モータ32とが、それぞれのモータ軸が互いに直交するように取り付けられ、各モータ軸の先端部に取り付けられた走査ミラー18X、18Yが内側で互いに対向している。そして、各モータ31、32の回転制御で、各走査ミラー18X、18Yを回転させることによって、加工レーザ光Pとガイド光Qとを2次元走査する。この2次元走査方向は、X方向とY方向である。
fθレンズ19は、ガルバノスキャナ18によって2次元走査された加工レーザ光Pとガイド光Qとを加工対象物7の加工面8上に集光するものである。したがって、加工レーザ光Pとガイド光Qは、各モータ31、32の回転制御によって、加工対象物7の加工面8上でX方向とY方向に2次元走査される。
加工レーザ光Pとガイド光Qとでは、波長が異なる。そのため、光学系70における第1のレンズ72と第2のレンズ74との間の距離が一定の場合、加工レーザ光Pとガイド光Qが集光する位置(以下、「焦点位置F」という。)は、上下方向で異なってしまう。そこで、加工レーザ光Pとガイド光Qの焦点位置Fは、光学系70における第1のレンズ72と第2のレンズ74との間の距離が調整されることによって、加工対象物7の加工面8上に合わせられる。
また、加工対象物7の加工面8の位置が上下方向で異なる場合も、同様にして、加工レーザ光Pとガイド光Qの焦点位置Fは、光学系70における第1のレンズ72と第2のレンズ74との間の距離が調整されることによって、加工対象物7の加工面8上に合わせられる。
カメラ103は、加工対象物7の加工面8に向けられた状態で、fθレンズ19付近に設けられている。これにより、カメラ103は、例えば、加工対象物7の加工面8上に照射されるガイド光Qを撮像して上記PC2に含まれる液晶ディスプレイ(図示せず)に表示し、これから行う加工画像と加工対象物7との位置合わせが適切であるかをユーザが確認できるようにするものであって良い。
次に、レーザ加工装置1を構成するレーザ加工部3の制御構成について図2に基づいて説明する。
レーザ加工部3は、上述のように、コントローラ部3aとレーザヘッド部3cとがケーブル3bを介して接続された構成となっている。コントローラ部3aを構成するコントローラ6は、レーザヘッド部3cの全体を制御する。コントローラ6には、レーザヘッド部3cを構成するガルバノドライバ36、レーザドライバ37、半導体レーザドライバ38及び光学系ドライバ78等からなるドライバ回路33が電気的に接続されている。さらにコントローラ6には、上述のようにPSU5も電気的に接続されている。また、コントローラ6及びカメラ103には、外部のPC2が双方向通信可能に接続されている。コントローラ6は、PC2から送信された各情報(例えば、印字情報、レーザ加工部3に対するパラメータ、ユーザからの各種指示情報等)を受信可能に構成されている。カメラ103は、PC2から送信された各情報(例えば、撮像指示情報等)を受信可能に構成され、また、撮像した画像をPC2に送信可能に構成されている。
コントローラ6は、CPU41、RAM42、ROM43、ガルバノコントローラ35及びレーザコントローラ34等を備えている。CPU41は、レーザヘッド部3cの全体の制御を行う演算装置及び制御装置である。CPU41、RAM42、及びROM43等は、不図示のバスにより相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。
RAM42は、CPU41により演算された各種の演算結果や印字パターンの(XY座標)データ等を一時的に記憶させておくためのものである。
ROM43は、各種のプログラムを記憶させておくものであり、例えば、図3及び図4を用いて後述する制御処理のプログラム等が記憶されている。なお、各種プログラムには、上述したプログラムに加えて、例えば、各種のディレイ値、PC2から入力された印字情報等に対応する印字パターンの太さ、深さ及び本数、レーザ発振器21のレーザ出力、
加工レーザ光Pのレーザパルス幅、ガルバノスキャナ18による加工レーザ光Pを走査する速度、及びガルバノスキャナ18によるガイド光Qを走査する速度等を示す各種パラメータをRAM42に記憶するプログラム等がある。さらに、ROM43には、歪補正のためのパラメータや、ガルバノスキャナ18、レーザ加工装置1のステータス情報(エラー情報、加工回数、加工時間等)、ケーブルの長さ(長尺ケーブル、短尺ケーブル)に対応する抵抗値などを含むケーブルの特性値のテーブルデータや計算式などが記憶されている。
加工レーザ光Pのレーザパルス幅、ガルバノスキャナ18による加工レーザ光Pを走査する速度、及びガルバノスキャナ18によるガイド光Qを走査する速度等を示す各種パラメータをRAM42に記憶するプログラム等がある。さらに、ROM43には、歪補正のためのパラメータや、ガルバノスキャナ18、レーザ加工装置1のステータス情報(エラー情報、加工回数、加工時間等)、ケーブルの長さ(長尺ケーブル、短尺ケーブル)に対応する抵抗値などを含むケーブルの特性値のテーブルデータや計算式などが記憶されている。
CPU41は、ROM43に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算及び制御を行う。
CPU41は、加工データ、ガルバノスキャナ18によるガイド光Qを走査する速度、及びガルバノスキャナ18による加工レーザ光Pを走査する速度等を示すガルバノ走査速度情報等を、ガルバノコントローラ35に出力する。また、CPU41は、加工データに基づいて設定したレーザ発振器21のレーザ出力、及び加工レーザ光Pのレーザパルス幅等を示すレーザ駆動情報を、レーザドライバ37に出力する。
CPU41は、可視半導体レーザ28の点灯開始を指示するオン信号又は消灯を指示するオフ信号を半導体レーザドライバ38に出力する。
ガルバノコントローラ35は、CPU41から入力された各情報(例えば、加工データ、ガルバノ走査速度情報等)に基づいて、ガルバノX軸モータ31とガルバノY軸モータ32の駆動角度、回転速度等を算出して、駆動角度及び回転速度を示すモータ駆動情報をガルバノドライバ36に出力する。ガルバノドライバ36は、ガルバノコントローラ35から入力されたモータ駆動情報に基づいて、ガルバノX軸モータ31とガルバノY軸モータ32を駆動制御して、加工レーザ光Pとガイド光Qを2次元走査する。
レーザドライバ37は、コントローラ6から入力されたレーザ発振器21のレーザ出力、及び加工レーザ光Pのレーザパルス幅等を示すレーザ駆動情報等に基づいて、レーザ発振器21を駆動させる。本実施形態のレーザドライバ37は、レーザ発振器21の温度や動作状態(エラー)、レーザ発振器21に印加される電圧値などを検知するセンサや計測器を備え、それらの検知された情報を、ケーブル3bを介してコントローラ6側へ送信可能である。半導体レーザドライバ38は、コントローラ6から入力されたオン信号又はオフ信号に基づいて、可視半導体レーザ28を駆動させる。
光学系ドライバ78は、コントローラ6から入力された情報に基づいて、光学系モータ80を駆動制御して、第2のレンズ74を移動させる。
以上のように構成されたレーザ加工装置1が実行する制御処理を、図3~図5に基づいて詳細に説明する。図3及び図4は、コントローラ6、特にCPU41が実行するPSU電圧制御処理の手順を示している。このPSU電圧制御処理は、例えば、レーザ加工部3を作動させるためのレーザイネーブル信号をCPU41が受け付けたときに開始される。以降、各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。
図3において、まずCPU41は、PSU5からレーザ発振器21への電源供給を開始させ、レーザ発振器21を励起させる(S10)。これにより、レーザ発振器21はアイドリング状態となり、レーザ発振器21には、例えば、1A程度の電流が流れる。
次にCPU41は、PSU5の出力電圧値とレーザ発振器21に印加されている電圧値を取得する(S12)。レーザ発振器21に印加されている電圧値は、本実施形態では、
レーザドライバ37から取得する。
レーザドライバ37から取得する。
次にCPU41は、取得した両電圧値の差分を算出し、その差分が所定の閾値Xを超えているか否かを判断する(S14)。閾値Xは、ケーブル3bとして、上記長尺ケーブルと短尺ケーブルのいずれが使用されているかを判断するための値である。つまり、レーザ発振器21がアイドリング状態になっているとき、ケーブル3bにも1A程度の電流が流れている。ケーブル3bに電流が流れると、ケーブル3bの抵抗値により電圧降下が生ずるが、ケーブル3bの長さが長ければ長いほどケーブル3bの抵抗値はより大きくなるので、電圧降下もより大きくなる。1A程度の電流を長尺ケーブルに流した場合と短尺ケーブルに流した場合の各電圧降下の値を事前に調べておき、長尺ケーブルと短尺ケーブルとを区別可能な電圧降下の値を閾値Xとする。これにより、上記差分、つまり、ケーブル3bによる電圧降下の値が閾値Xを超えているときには長尺ケーブルが使用され、閾値Xを超えていないときには短尺ケーブルが使用されていることを判断することができる。
上記S14の判断において、差分が閾値Xを超えている場合(S14:YES)、ケーブル3bとして長尺ケーブルが使用されているので、CPU41は、長尺ケーブル用のテーブルデータ及び計算式を選択した(S16)後、処理をS20に進める。一方、差分が閾値Xを超えていない場合(S14:NO)、ケーブル3bとして短尺ケーブルが使用されているので、CPU41は、短尺ケーブル用のテーブルデータ及び計算式を選択した(S18)後、処理をS20に進める。
S20では、CPU41は、ユーザデータを受け付ける。ユーザデータとは、例えば、ユーザが上記PC2を用いて作成した印字情報やパラメータを含むデータであり、S20では、CPU41は、PC2から送信されたユーザデータを受け付ける。
次にCPU41は、次式によりレーザ平均出力を算出する(S22)。
レーザ平均出力=レーザパワー[%]×レーザON時間/ユーザデータの印字時間
ここで、レーザパワー[%]は、レーザ発振器21に対する0~100%の出力設定のうち、ユーザが選択した出力設定を示している。レーザON時間は、ユーザデータを印字しているときに、レーザ発振器21から加工レーザ光Pが出射されている時間を示している。ユーザデータの印字時間は、ユーザデータに基づいて印字を開始してから終了するまでの時間を示している。なお、レーザパワー[%]は、ユーザにより指示されて、ユーザデータに含まれているデータであり、レーザON時間及びユーザデータの印字時間は、ユーザデータから算出できる。
レーザ平均出力=レーザパワー[%]×レーザON時間/ユーザデータの印字時間
ここで、レーザパワー[%]は、レーザ発振器21に対する0~100%の出力設定のうち、ユーザが選択した出力設定を示している。レーザON時間は、ユーザデータを印字しているときに、レーザ発振器21から加工レーザ光Pが出射されている時間を示している。ユーザデータの印字時間は、ユーザデータに基づいて印字を開始してから終了するまでの時間を示している。なお、レーザパワー[%]は、ユーザにより指示されて、ユーザデータに含まれているデータであり、レーザON時間及びユーザデータの印字時間は、ユーザデータから算出できる。
次にCPU41は、電圧降下分と電圧上昇タイミングを算出する(S24)。電圧降下分とは、レーザ加工装置1がレーザ加工を行っているときに、ケーブル3bに電流が流れることにより生ずる電圧降下分であり、その電圧降下分だけPSU5が定常時に出力する電源電圧に上乗せして出力することにより、レーザ発振器21が要求する規格電圧を下回らないようにするために算出する。
電圧降下分を算出するために、まずCPU41は、上記S22で算出したレーザ平均出力を平均電流に換算する。例えば、レーザパワーが100%のときにレーザ発振器21に流れている電流値I(A)が既知であるとすると、レーザパワーと電流値との関係はほぼ線形性を有しているので、平均電流は、
平均電流=レーザ平均出力×I/レーザ最大出力
により算出される。そして、ケーブル3bによる電圧降下分は、
電圧降下分=長尺ケーブルの抵抗値×平均電流
により算出される。ここで、電流値Iと長尺ケーブルの抵抗値は、上記S16で選択されたテーブルデータから取得される。
平均電流=レーザ平均出力×I/レーザ最大出力
により算出される。そして、ケーブル3bによる電圧降下分は、
電圧降下分=長尺ケーブルの抵抗値×平均電流
により算出される。ここで、電流値Iと長尺ケーブルの抵抗値は、上記S16で選択されたテーブルデータから取得される。
電圧降下分が算出されると、次にCPU41は、電圧上昇タイミングを算出する。図5(a)は、PSU5が48Vの電源電圧を固定的に出力している場合に、レーザ発振器21をONしたときのレーザ発振器21の印加電圧の推移の一例を示している。図5(a)に示すように、レーザ発振器21の印加電圧は、レーザ発振器21をONした直後に下降しているので、レーザ発振器21をONすると同時に電圧降下分を上乗せしたとしても、PSU5が上乗せした電圧降下分を上昇させるための時間がかかるため、レーザ発振器21が要求する規格電圧を下回る時間が一時的に生ずる。このため、CPU41は、電圧上昇タイミングを算出し、この電圧上昇タイミングでPSU5に電圧降下分の電圧上昇を指示することにより、レーザ発振器21の印加電圧がレーザ発振器21をONした直後に下降したとしても、その時点では電圧降下分が上昇しているので、レーザ発振器21が要求する規格電圧を下回る時間は生じない。
電圧上昇タイミングを算出するための算出基礎となる要因としては、まず、PSU5に電圧上昇を指示してからPSU5が指示された電圧値を出力するようになるまでの遅延時間を挙げることができる。この時間は、PSU5に設けられているコンデンサの時定数によって変わるので、PSU5として採用した製品に基づいて算出する。さらに、上昇幅の大きさによっても変わることがあるので、それも考慮して算出する。また、本実施形態では、加工対象物7が製造ライン上を順次流れ、レーザ加工装置1は、順次流れてきた各加工対象物7に印字するように構成されているので、各加工対象物7を検出するためにプロダクトセンサ(図示せず)が設けられる。そして、プロダクトセンサは、加工対象物7に印字を行う印字地点より上流に取り付けられている。したがって、電圧上昇タイミングは、プロダクトセンサが加工対象物7を検出してから印字地点に到達するまでの時間も考慮して算出する。このように、電圧上昇タイミングの算出基礎となる要因は様々であるので、特定のタイミングに固定的に決定することはできないが、要因が特定できれば、その要因に基づいてタイミングを算出することはできるので、CPU41は、算出されたタイミングでPSU5に電圧降下分の電圧上昇を指示する。なお、実際の指示は、後述する図4のS36又はS54でなされる。
上記S22とS24の各処理の説明は、ケーブル3bとして長尺ケーブルが使用されている場合について行ったが、処理がS18を経由してS22とS24に進んだときには、S22とS24の各処理は、短尺ケーブルが使用されている場合の処理になる。しかし、短尺ケーブルが使用されている場合のS22とS24の各処理は、長尺ケーブルが使用されている場合のS22とS24の各処理とほぼ同様であるので、短尺ケーブルが使用されている場合のS22とS24の各処理の説明は省略する。
次にCPU41は、上記製造ライン上で順次流れる隣り合う加工対象物7同士の印字時間間隔が時間Tを上回っているか否かを判断する(図4のS30)。この判断において、隣り合う加工対象物7同士の印字時間間隔が時間Tを上回っていない場合(S30:NO)、CPU41は、印字休止区間に電圧を下げない制御を選択する(S32)。図5(b)は、PSU5が48Vの電源電圧を固定的に出力している場合に、レーザ発振器21をOFFしたときのレーザ発振器21の印加電圧の推移の一例を示している。図5(b)に示すように、レーザ発振器21の印加電圧は、レーザ発振器21をOFFした直後に上昇しているので、上述のようにPSU5が電圧降下分を上乗せして出力している場合、上乗せした電圧降下分にさらにレーザ発振器21をOFFした直後の上昇分が上乗せされるので、レーザ発振器21が要求する規格電圧を上回る時間が一時的に生ずる。このため、CPU41は、上乗せした電圧降下分のうちの一部または全部を、レーザ発振器21をOFFする前に下げる制御を行うようにしている。本実施形態では、この制御を隣り合う加工対象物7同士の印字時間間隔が大きい場合にも適用し、小さい場合には適用しないように構成されているが、S32では、隣り合う加工対象物7同士の印字時間間隔が小さいので
適用しないことを選択している。
適用しないことを選択している。
次にCPU41は、印字開始指令を受け付けたか否かを判断する(S34)。印字開始指令は、本実施形態では、上記プロダクトセンサが加工対象物7を検知したときに出力する。したがって、S34ではCPU41は、プロダクトセンサが出力した印字開始指令を受信して受け付けたか否かを判断している。
S34の判断において、印字開始指令を受け付けていない場合には(S34:NO)、CPU41は、受け付けるまで待機し、印字開始指令を受け付けた場合には(S34:YES)、CPU41は、電圧上昇をPSU5に指示する(S36)。この指示するタイミングと上乗せする電圧降下分は、上記S24(図3)で算出したタイミングと電圧降下分である。
次にCPU41は、上記S20で受け付けたユーザデータに基づいて加工対象物7に印字を行う(S38)。そして、CPU41は、次の印字開始指令を受け付けたか否かを判断する(S40)。この判断において、印字開始指令を受け付けなかった場合(S40:NO)、CPU41は、印字停止指令を受け付けたか否かを判断する(S42)。印字停止指令は、印字開始指令と同様に、プロダクトセンサが出力する。つまり、プロダクトセンサは、加工対象物7を検知したときに印字開始指令を出力し、加工対象物7を、例えば所定時間検知しなかったときに印字停止指令を出力する。なお、S42で、印字停止指令を受け付けたか否かの判断に代えて、加工対象物7がライン上を流れる速度が所定の下限値を下回ったか否かの判断を採用してもよい。この事情は、後述するS62についても同様である。
S42の判断において、印字停止指令を受け付けなかった場合(S42:NO)、CPU41は、処理を上記S40に戻して、次の印字開始指令若しくは印字停止指令を受け付けるまで、S40,S42の処理を繰り返す。次の印字開始指令を受け付けた場合(S40:YES)、CPU41は、処理をS38に戻して次の加工対象物7に印字を実行する。一方、印字停止指令を受け付けた場合(S42:YES)、CPU41は、PSU5に電圧降下を指示した(S44)後、PSU電圧制御処理を終了する。PSU5への電圧降下の指示後、PSU5からの出力電圧が指示された電圧に低下するまでの時間には、上記電圧上昇と同様に遅延がある。しかし、印字品質に影響が出ない範囲で、完全に印字が停止する前にPSU5に電圧降下の指示を出すようにして、遅延による悪影響が生じないようにしている。したがって、実際にレーザ発振器21をOFFする時点では、PSU5からの出力電圧は指示された電圧に低下しているので、レーザ発振器21が要求する規格電圧を上回る時間は生じない。
一方、S30の判断において、隣り合う加工対象物7同士の印字時間間隔が時間Tを上回っている場合(S30:YES)、CPU41は、印字休止区間に電圧を下げる制御を選択する(S50)。次にCPU41は、印字開始指令を受け付けたか否かを判断する(S52)。S52の判断において、印字開始指令を受け付けていない場合には(S52:NO)、CPU41は、受け付けるまで待機し、印字開始指令を受け付けた場合には(S52:YES)、CPU41は、電圧上昇をPSU5に指示する(S54)。この指示するタイミングと上乗せする電圧降下分は、上記S36の処理と同様である。次にCPU41は、上記S20(図3)で受け付けたユーザデータに基づいて加工対象物7に印字を行う(S56)。そして、加工対象物7への印字が完了するタイミングに合わせて、CPU41は、電圧下降をPSU5に指示する(S58)。その後、CPU41は、次の印字開始指令を受け付けたか否かを判断する(S60)。この判断において、印字開始指令を受け付けなかった場合(S60:NO)、CPU41は、印字停止指令を受け付けたか否かを判断する(S62)。この判断において、印字停止指令を受け付けなかった場合(S6
2:NO)、CPU41は、処理をS60に戻して、次の印字開始指令若しくは印字停止指令を受け付けるまで、S60,S62の処理を繰り返す。次の印字開始指令を受け付けた場合(S60:YES)、CPU41は、処理をS54に戻して、PSU5に電圧上昇を指示し、次の加工対象物7に印字を実行する(S56)。一方、印字停止指令を受け付けた場合(S62:YES)、CPU41は、PSU電圧制御処理を終了する。S52~S62の処理は、上記S34~S44の処理と基本的には同じである。ただし、S34~S44の処理では、電圧降下を指示するS44の処理がS42の判断処理の後に位置しているのに対して、S52~S62の処理では、電圧降下を指示するS58の処理がS56の印字処理の後に位置している点が異なっている。これは、印字休止区間に電圧を下げる制御を行っているからである。また、次の加工対象物7への印字を実行する前には、PSU5へ再度電圧上昇の指示(S54)を出すようにしている。
2:NO)、CPU41は、処理をS60に戻して、次の印字開始指令若しくは印字停止指令を受け付けるまで、S60,S62の処理を繰り返す。次の印字開始指令を受け付けた場合(S60:YES)、CPU41は、処理をS54に戻して、PSU5に電圧上昇を指示し、次の加工対象物7に印字を実行する(S56)。一方、印字停止指令を受け付けた場合(S62:YES)、CPU41は、PSU電圧制御処理を終了する。S52~S62の処理は、上記S34~S44の処理と基本的には同じである。ただし、S34~S44の処理では、電圧降下を指示するS44の処理がS42の判断処理の後に位置しているのに対して、S52~S62の処理では、電圧降下を指示するS58の処理がS56の印字処理の後に位置している点が異なっている。これは、印字休止区間に電圧を下げる制御を行っているからである。また、次の加工対象物7への印字を実行する前には、PSU5へ再度電圧上昇の指示(S54)を出すようにしている。
以上説明したように、本実施形態のレーザ加工装置1は、レーザ光を加工対象物7に照射するレーザヘッド部3cと、レーザヘッド部3cに電力を供給するとともにレーザヘッド部3cを制御するコントローラ部3aと、レーザヘッド部3cとコントローラ部3aとをつなぐケーブル3bと、を備えている。そして、レーザヘッド部3cは、レーザ光を発振するレーザ発振器21と、レーザ発振器21を動作させるレーザドライバ37と、を有している。さらに、コントローラ部3aは、ケーブル3bを介してレーザヘッド部3cに電力を供給するPSU5と、加工対象物7に対する加工内容を指示するユーザデータを受け付けるCPU41と、ユーザデータに基づいて、レーザヘッド部3c及びPSU5を制御するCPU41と、を有している。レーザドライバ37は、レーザ発振器21の励起開始時において、ケーブル3bを介して供給される電力の電圧値を計測し、その電圧値を、ケーブル3bを介してCPU41に送信する。
CPU41は、レーザドライバ37が送信した電圧値を受信し、その電圧値に基づいてケーブル3bの抵抗値に関するパラメータを決定する抵抗値決定処理と(S12~S18)、抵抗値決定処理により決定された抵抗値に関するパラメータとユーザデータとに基づいて、レーザ加工中にケーブル3bにより生ずる電圧降下の値を算出する電圧降下算出処理と(S24)、レーザ発振器21によりレーザ光が出力される前に、電圧降下算出処理により算出された電圧降下の値分をPSU5が供給する所定の出力電圧に上乗せして出力するように制御する電源電圧制御処理と(S36,S54)、を実行する。
このように、本実施形態のレーザ加工装置1では、レーザ発振器21によりレーザ光が出力される前に、電圧降下算出処理により算出された電圧降下の値分をPSU5が供給する所定の出力電圧に上乗せして出力するようにしたので、レーザ光が出力される時点では、PSU5は所定の出力電圧に電圧降下の値分を上乗せした電圧を出力している。したがって、レーザ発振器21が要求する規格電圧を下回る時間は生じないので、負荷に適正な電圧の電源供給を行うことが可能となる。また、本実施形態のレーザ加工装置1では、PSU5の出力電圧制御にフィードバック制御を採用していないので、レーザ発振器21の印加電圧をレーザドライバ37が検出してからCPU41が受け取るまでの通信時間やPSU5が指示された電圧を出力するまでの時間を考慮した制御を行うことができる。また、PSU5へ電圧上昇あるいは電圧降下を指示する回数は、フィードバック制御と比較して格段に少ないので、PSU5に対する負荷がより低下する。
ちなみに、本実施形態において、ドライバ回路33は、「ドライバ回路」の一例である。レーザヘッド部3cは、「レーザヘッド」の一例である。コントローラ部3aは、「コントローラ」の一例である。PSU5は、「電源」の一例である。CPU41は、「制御部」の一例である。加工対象物7は、「ワーク」の一例である。ユーザデータは、「加工指令」の一例である。
また、電圧降下算出処理では、ユーザデータに基づいてレーザ加工時にケーブル3bに流れる電流の平均値を特定し、その電流の平均値にケーブル3bの抵抗値に関するパラメータを乗算することで電圧降下の値を算出する。
また、電流の平均値の特定は、ユーザデータに含まれる使用するレーザパワーの値、レーザの総照射時間、及び加工にかかる時間に基づいて平均出力を求め、その平均出力に対応する電流値を特定することにより行う。
また、電源電圧制御処理では、電圧降下算出処理により算出された電圧低下の値分をPSU5の所定の出力電圧に上乗せして出力した後は、ユーザデータに基づいたレーザ加工の実行中に電圧変動が生じても、PSU5の出力電圧を上乗せした電圧のまま一定に維持し、値を都度変更しない(S34~S44,S56)。
これにより、CPU41の演算負荷の上昇を抑制することができる。また、従来のようにPSU5内のSW電源回路を発振させて壊すようなリスクが無い。
また、電源電圧制御処理では、ユーザデータに基づいたレーザ加工が終了する前に、所定の出力電圧に上乗せされているPSU5の出力電圧を降下させる(S44,S58)。
これにより、レーザ光の出力が停止される時点では、PSU5は所定の出力電圧に上乗せされている電圧を降下した電圧を出力している。したがって、レーザ発振器21が要求する規格電圧を上回る時間は生じないので、負荷に適正な電圧の電源供給を行うことが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
(1)上記実施形態では、レーザ発振器21に印加された電圧値をフィードバックして、PSU5の電源電圧制御に用いることはしていないが、上記平均電流を算出するときに使用したレーザパワーと電流値との線形性を、フィードバックされた電圧値に基づいて補正するようにして、PSU5の電源電圧制御に用いるようにしてもよい。これにより、平均電流をより正確に算出できるようになる。
(2)上記実施形態では、長尺ケーブルとして20m長のケーブルを採用し、短尺ケーブルとして3m又は5m長のケーブルを採用したが、そのケーブル長は例示に過ぎず、これ以外のケーブル長のケーブルを採用してもよい。
(3)上記実施形態では、電源電圧の降下処理(S44,S58)において、上乗せされている分の電圧を“0”に下げて初期電圧にする処理を行っているが、印字休止時や印字停止時であってもケーブルによる電圧降下は若干生じるので、上乗せ分を完全に無くすのではなく、レーザ発振器21の規格電圧を上回らない範囲で低下させるものであってもよい。
(4)上記実施形態では、PSU5の出力電圧値とレーザドライバ37が送信するレーザ発振器21に印加される電圧値との差分に基づいて、使用されているケーブルが長尺ケーブルか短尺ケーブルかを判断していたが、これに限定されない。レーザヘッド部3c内のレーザ発振器21以外の構成や内部回路に印加される電圧値を計測する計測器をドライバ回路33に備えて、その値を送信してPSU5の出力電圧値との差分からケーブル長を判断してもよい。
1…レーザ加工装置、2…PC、3a…コントローラ部、3b…ケーブル、3c…レーザヘッド部、5…PSU、6…コントローラ、21…レーザ発振器、33…ドライバ回路、37…レーザドライバ。
Claims (6)
- レーザ光をワークに照射するレーザヘッドと、前記レーザヘッドに電力を供給するとともに前記レーザヘッドを制御するコントローラと、前記レーザヘッドと前記コントローラとをつなぐケーブルと、を備えたレーザ加工装置であって、
前記レーザヘッドは、
前記レーザ光を発振するレーザ発振器と、
前記レーザヘッドを動作させるドライバ回路と、
を有し、
前記コントローラは、
前記ケーブルを介して前記レーザヘッドに電力を供給する電源と、
前記ワークに対する加工内容を指示する加工指令を受け付け、前記加工指令に基づいて、前記レーザヘッド及び前記電源を制御する制御部と、
を有し、
前記ドライバ回路は、前記レーザ発振器の励起開始時において、前記ケーブルを介して供給される電力の電圧値を計測し、その電圧値を、前記ケーブルを介して前記制御部に送信し、
前記制御部は、
前記ドライバ回路が送信した電圧値を受信し、その電圧値に基づいて前記ケーブルの抵抗値に関するパラメータを決定する抵抗値決定処理と、
前記抵抗値決定処理により決定された抵抗値に関するパラメータと前記加工指令とに基づいて、レーザ加工中に前記ケーブルにより生ずる電圧降下の値を算出する電圧降下算出処理と、
前記レーザ発振器によりレーザ光が出力される前に、前記電圧降下算出処理により算出された電圧降下の値分を前記電源が供給する所定の出力電圧に上乗せして出力するように制御する電源電圧制御処理と、
を実行する
ことを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記電圧降下算出処理では、前記加工指令に基づいてレーザ加工時に前記ケーブルに流れる電流の平均値を特定し、その電流の平均値に前記ケーブルの抵抗値に関するパラメータを乗算することで前記電圧降下の値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記電流の平均値の特定は、前記加工指令に含まれる使用するレーザパワーの値、レーザの総照射時間、及び加工にかかる時間に基づいて平均出力を求め、その平均出力に対応する電流値を特定することにより行う
ことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。 - 前記電源電圧制御処理では、前記電圧降下算出処理により算出された電圧低下の値分を前記電源の前記所定の出力電圧に上乗せして出力した後は、前記加工指令に基づいたレーザ加工の実行中に電圧変動が生じても、前記電源の出力電圧を変更しない
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。 - 前記電源電圧制御処理では、前記加工指令に基づいたレーザ加工が終了する前に、前記所定の出力電圧に上乗せされている前記電源の出力電圧を降下させる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。 - レーザ光をワークに照射するレーザヘッドと、前記レーザヘッドに電力を供給するとともに前記レーザヘッドを制御するコントローラと、前記レーザヘッドと前記コントローラ
とをつなぐケーブルと、を備えたレーザ加工装置であって、前記レーザヘッドは、前記レーザ光を発振するレーザ発振器と、前記レーザヘッドを動作させるドライバ回路と、を有し、前記コントローラは、前記ケーブルを介して前記レーザヘッドに電力を供給する電源と、前記ワークに対する加工内容を指示する加工指令を受け付け、前記加工指令に基づいて、前記レーザヘッド及び前記電源を制御する制御部と、を有し、前記ドライバ回路は、前記レーザ発振器の励起開始時において、前記ケーブルを介して供給される電力の電圧値を計測し、その電圧値を、前記ケーブルを介して前記制御部に送信する、レーザ加工装置を用いたレーザ加工方法であって、前記制御部に対して、
前記ドライバ回路が送信した電圧値を受信し、その電圧値に基づいて前記ケーブルの抵抗値に関するパラメータを決定する抵抗値決定処理と、
前記抵抗値決定処理により決定された抵抗値に関するパラメータと前記加工指令とに基づいて、レーザ加工中に前記ケーブルにより生ずる電圧降下の値を算出する電圧降下算出処理と、
前記レーザ発振器によりレーザ光が出力される前に、前記電圧降下算出処理により算出された電圧降下の値分を前記電源が供給する所定の出力電圧に上乗せして出力するように制御する電源電圧制御処理と、
を実行させる
ことを特徴とするレーザ加工方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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