JP2023086031A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部材の目標温度を異なる温度に切り替え可能な構成において、どの目標温度でも定着部材の過昇温の検出を適切に行える画像形成装置を提供すること。【解決手段】定着部材の目標温度が低いモノクロモードのときの過昇温を検出するための第1過昇温検出回路121と、モノクロモードよりも高いカラーモードのときの過昇温を検出するための第2過昇温検出回路122とを備える保護回路105において、ベルト接離検出センサー69からカラーモードとモノクロモードのいずれのプリントを実行しているのかを示すベルト位置検出信号を、信号保持回路107を通じて入力すると、2つの過昇温検出回路121、122のうち、そのモードに対応する過昇温検出回路を選択して、定着部の過昇温を検出する。【選択図】図12

Description

本開示は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
電子写真方式のプリンターなどの画像形成装置は、シート上の画像を定着させる定着装置を備えている(例えば、特許文献1)。
定着装置は、例えば、ヒーターなどにより加熱された定着ローラーや定着ベルトなどの定着部材(被加熱部材)と、定着部材に圧接して定着部材との間に定着ニップを形成する加圧部材とを備え、画像が形成されたシートを定着ニップに通過させることで、シート上の画像を加熱、加圧して定着させる。
このような定着装置は、CPU(Central Processing Unit)やマイコンなどの制御素子(プロセッサー)によるソフトウエア制御により、定着部材の温度をセンサーで監視して、定着部材が目標温度、例えば160℃程度に維持されるように発熱体への電力供給を制御する構成が多い。
この制御により通常、定着部材は目標温度に維持されるが、部品故障やCPUなどの制御素子でいわゆる暴走が発生すると、定着部材が目標温度であるにも関わらず、発熱体への電力供給が継続されてしまい、定着部材が目標温度よりもかなり高い温度まで上昇する過昇温に至るおそれがある。過昇温の状態が続くと、定着部材や加圧部材、その周辺の部材が異常高温になって、各部材の変形や発煙が生じることがある。
そこで、このような過昇温を防止するため、従来では、次のような2系統の保護回路を備えることが一般的である。
第1の保護回路は、センサーなどによる定着部材の検出温度を元にソフトウエアによる温度監視を行い、過昇温に相当する閾値温度に至ると、発熱体への電力供給を遮断するソフトウエアプロテクトと称される回路である。ソフトウエアによる温度監視は、CPUなどの制御素子が温度監視用のプログラムの内容として、定着部材の検出温度と閾値温度との比較から過昇温であるか否かの判断を行う処理により実行される。
第2の保護回路は、定着部材の検出温度を元にハードウエアによる温度監視を行い、過昇温に相当する閾値温度に至ると、発熱体への電力供給を遮断するハードウエアプロテクトと称される回路である。ハードウエアによる温度監視は、例えばオペアンプなどの能動素子からなるセレクターの第1入力端子に定着部材の検出温度を示す電圧を入力し、第2入力端子に閾値温度を示す基準電圧を入力し、入力された電圧と基準電圧とを比較して、その比較結果を示す信号を出力端子から出力することにより実行される。基準電圧は、定電圧電源の電圧を抵抗で分圧することで得る構成が一般的である。
特開2011-95692号公報
ところで、画像形成装置には、例えばカラーでプリントするカラーモードのときには、モノクロでプリントするモノクロモードよりも定着部材の目標温度を高くすることで、定着性を向上しようとするものがある。また、大サイズ(A3など)のシートを通紙するときには、小サイズ(A4など)のシートよりも定着部材の目標温度を高くすることで、大サイズのシートの定着性を向上しようとするものもある。
このような目標温度を異なる温度に切り替える構成では、目標温度ごとに過昇温を検出するための閾値温度も別々にすることが望ましいが、上記のハードウエアプロテクトでは行えないという問題がある。
具体的にハードウエアプロテクトは、オペアンプなどのセレクターの第2入力端子に基準電圧を入力する構成をとるが、基準電圧は、上記のようにプリント基板上に実装された分圧用の抵抗などの回路部品の定数で一つに固定される。このため、異なる目標温度ごとに過昇温を検出するための閾値温度を設定することができない。
従来では、安全を考慮して、目標温度の高い方に応じた閾値温度が設定されていることが多いが、必ずしも適切とはいえない。以下、具体的に説明する。
例えば、モノクロモードは、カラーモードよりも目標温度が低い分、過昇温を検出するための閾値温度もカラーモードよりも低い温度に設定することが望ましい。
なぜなら、閾値温度をカラーモードの目標温度に適した高い温度に設定すると、目標温度が低いモノクロモードの実行中に過昇温が発生した場合には、その低い目標温度から、カラーモードに適した高い閾値温度に達するまでの間、過昇温を検出できず、過昇温の検出が遅れてしまう。過昇温の検出時点では既に過昇温による熱が定着部材の周辺の各部材に伝わって、各部材の変形等が生じ始めるおそれがある。
これを防止するために、閾値温度をモノクロモードの目標温度に適した低い温度に設定すれば、次のような問題が生じ易い。
例えば、目標温度が高いカラーモードの実行中に紙詰まりが発生して定着部材の回転が停止したときに、それまでのプリント時に用紙に奪われていた熱の移動が突然なくなるために、定着部材の温度が、その高い目標温度からオーバーシュートにより一時的に上昇することがある。この一時的な昇温で定着部材の温度がモノクロモードに適した低い閾値温度に直ぐに達してしまい、実際には過昇温の状態にまで至っていなくても、過昇温であると誤検出されてしまうおそれがある。
このようにカラーモードとモノクロモードのうち、一方に適した閾値温度にすると、他方に適した閾値温度になっているとはいえないことが生じてしまう。
異なる目標温度に切り替える構成において、閾値電圧を一つに固定することにより生じる上記の問題は、例えば、小サイズと大サイズのシートのいずれを通紙するかによって定着部材の目標温度を異なる温度に切り替える場合でも同様に発生する。
また、例えば、ハードウエアプロテクトが実装されている一つのプリント基板を、プリント速度が低速のために定着部材の目標温度を低い温度に設定している低速機と、プリント速度が高速のために定着部材の目標温度を低速機よりも高い温度に設定している高速機とで共用する場合、つまり低速機にも高速機にも同じプリント基板を配置して定着部材の温度制御や監視を行うような場合にも、定着部材の目標温度を切り替える点で上記の構成と共通していることから、上記同様の問題が生じ得る。
さらに、定着部材に限られず、例えば装置筐体の底壁の上に配置された給紙トレイに収容されている用紙の湿気をとるために、ヒーターにより装置筐体の底壁を被加熱部材として加熱して給紙トレイ内の用紙の周辺温度を調整する構成において、その底壁の温度を装置周辺環境やジョブの有無などに応じて異なる目標温度に切り替えるような場合にも同様に生じ得る。
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、定着部材などの被加熱部材の目標温度を異なる温度に切り替え可能な構成において、どの目標温度でも被加熱部材の過昇温の検出を適切に行うことができる画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本開示に係る画像形成装置は、熱源により加熱される被加熱部材の目標温度を異なる温度に切り替え可能であり、被加熱部材を切り替え後の目標温度になるように制御する画像形成装置であって、被加熱部材の温度を検出する検出部と、現在の目標温度を指標する信号を出力するハードウエア要素と、前記目標温度ごとに当該目標温度よりも高い温度に設定された閾値のうち、ハードウエア要素の出力信号が指標する現在の目標温度に対応する閾値と、前記検出部の検出温度との比較から、被加熱部材の過昇温を検出するハードウエア回路と、を備えることを特徴とする。
また、被加熱部材の過昇温が検出されると、被加熱部材への加熱を停止させる制御回路をさらに備えるとしても良い。
また、前記検出部により検出された被加熱部材の温度と閾値との比較から被加熱部材の過昇温の判断をプログラムの内容に従って行うソフトウエア制御要素を、さらに備えるとしても良い。
また、前記目標温度ごとに異なる位置に移動する移動部材を備え、前記ハードウエア要素は、前記移動部材の位置を検出するセンサーであり、前記移動部材の位置を示す信号を、前記指標する信号として出力するとしても良い。
ここで、複数の感光体と、中間転写体と、カラー画像形成を行うカラーモードのときには複数の感光体が中間転写体に接触し、モノクロ画像形成を行うモノクロモードのときには一つの感光体が中間転写体に接触し、他の感光体が中間転写体から離隔するように、中間転写体と前記他の感光体を相対移動させる駆動部と、を備え、カラーモードとモノクロモードでは、前記被加熱部材の目標温度が異なり、前記移動部材は、前記相対移動する中間転写体または前記他の感光体であるとしても良い。
また、前記被加熱部材は、シート上の画像を定着させる定着部材であり、前記定着部材の目標温度は、シートのサイズごとに異なり、前記ハードウエア要素は、シートのサイズを検出するセンサーであり、検出したシートのサイズを示す信号を、前記指標する信号として出力するとしても良い。
さらに、前記目標温度は、装置周辺の環境に応じて異なり、前記ハードウエア要素は、装置周辺の環境を検出するセンサーであり、検出した環境を示す信号を、前記指標する信号として出力するとしても良い。
また、前記被加熱部材は、搬送されるシート上の画像を定着させる定着部材であり、前記定着部材の目標温度は、シートが搬送されている状態のときよりも搬送されていない状態のときの方が低く、前記ハードウエア要素は、搬送されるシートの有無を検出するセンサーであり、シートが搬送されている状態か否かを示す信号を、前記指標する信号として出力するとしても良い。
さらに、前記ハードウエア要素は、前記目標温度ごとに対応して、回転速度が異なるモーターまたはファンであり、回転速度を示す回転速度信号を、前記指標する信号として出力するとしても良い。
また、前記ハードウエア要素は、前記異なる目標温度のうち、第1の目標温度のときには動作するが、第2の目標温度のときには動作しないアクチュエーターであり、その動作の有無を示す信号を、前記指標する信号として出力するとしても良い。
ここで、前記アクチュエーターは、ソレノイドまたはクラッチであり、前記アクチュエーターの動作の有無を示す信号は、前記ソレノイドまたはクラッチのオンまたはオフを示す信号であるとしても良い。
また、前記目標温度ごとに異なる位置に移動する移動部材と、前記移動部材の位置を検出するセンサーと、を備え、前記ハードウエア要素は、プリント基板上に実装された回路であり、前記センサーの検出信号を前記指標する信号として保持しつつ出力するとしても良い。
また、前記ハードウエア要素は、操作者による所定の操作によって前記目標温度ごとに対応する異なる信号を、前記指標する信号として出力する電気部品であるとしても良い。
また、前記目標温度ごとに画像形成速度が異なる構成であり、前記ハードウエア要素は、画像形成速度を示す信号を、前記指標する信号として出力するとしても良い。
さらに、前記熱源への供給電力の大きさにより前記目標温度が異なる構成であり、前記ハードウエア要素は、前記供給電力の大きさを示す信号を、前記指標する信号として出力するとしても良い。
また、前記ハードウエア回路は、前記目標温度ごとに対応するコンパレーターと、マルチプレクサとを含み、各コンパレーターは、前記検出部の検出温度を示す電圧と、当該コンパレーターに対応する目標温度に対してこれよりも高い値に設定された閾値を示す電圧とを比較して、その比較した結果を、被加熱部材の過昇温の検出結果として出力し、マルチプレクサは、各コンパレーターの出力信号を入力するともにハードウエア要素の出力信号を選択制御信号として入力し、各コンパレーターのうち、ハードウエア要素の出力信号が指標する現在の目標温度に対応する閾値を用いるコンパレーターの出力信号を選択出力するとしても良い。
さらに、前記ハードウエア回路は、コンパレーターと、分圧回路とを含み、前記分圧回路は、前記ハードウエア要素の出力信号が入力されると、当該出力信号が指標する現在の目標温度に対応する閾値を示す電圧を出力可能であり、前記コンパレーターは、前記検出部の検出温度を示す電圧と、前記ハードウエア要素の出力信号が入力されたときに前記分圧回路から出力される電圧とを比較して、その比較した結果を、被加熱部材の過昇温の検出結果として出力するとしても良い。
上記の構成により、ハードウエア回路が、ハードウエア要素の出力信号が指標する現在の目標温度に対応する閾値と、検出部の検出温度との比較から、被加熱部材の過昇温を検出するので、ソフトウエア制御によらずに、どの目標温度でも被加熱部材の過昇温の検出を適切に行うことができる。
プリンターの全体構成を示す概略図である。 定着部の構成を示す概略断面図である。 定着部を図2の矢印H方向から見たときの概略図である。 制御基板の主要な構成を示すブロック図である。 プリントモードフラグの内容例を示す図である。 温度管理テーブルの内容例を示す図である。 ヒーターの制御に関係する各部材にどのような信号が入出力するのかを示したブロック図である。 温調プログラムの内容に従って実行される定着ベルト温調制御の内容を示すフローチャートである。 過昇温判断プログラムの内容に従って実行される過昇温発生判断処理の内容を示すフローチャートである。 ヒーター制御回路の構成を概略して示す図である。 マルチプレクサの論理表を示す図である。 保護回路の回路構成の例を示す図である。 (a)は、信号保持回路の回路構成の例を示す図であり、(b)は、信号保持回路のRSフリップフロップの論理表を示す図である。 変形例に係る温度管理テーブルの内容例を示す図である。 別の変形例に係る温度管理テーブルの内容例を示す図である。 さらに別の変形例に係る温度管理テーブルの内容例を示す図である。 さらに別の変形例に係る温度管理テーブルの内容例を示す図である。 (a)は、変形例に係る保護回路の構成例を示す図であり、(b)は、当該変形例においてカラーモードとモノクロモード、小サイズと大サイズの組み合わせに応じて3つのスイッチのオンとオフがどのように変わるのを示す図である。 (a)と(b)は、変形例においてカラーモードまたはモノクロモードのときに駆動モーターから出力された回転速度信号が保護回路のマルチプレクサに入力される流れを説明するためのブロック図である。 (a)は、変形例に係る短絡コネクターを接続可能な出力回路の回路構成の例を示す図であり、(b)は、変形例で用いる機種判別テーブルの内容例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態に係る画像形成装置について、タンデム型のカラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例に、図面を参照して説明する。
〔1〕プリンターの全体構成
図1は、プリンター1の全体構成を示す概略図である。
同図に示すようにプリンター1は、画像形成部10と、給紙部20と、定着部30と、制御基板40と、操作部50を備え、カラーとモノクロのそれぞれのプリントジョブを実行可能である。カラープリントを実行するプリントモードをカラーモード、モノクロプリントを実行するプリントモードをモノクロモードという。
画像形成部10は、プリントジョブの画像データに基づいて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のトナーによる画像を形成するための作像部11Y、11M、11C、11K、中間転写部12等を備える。カラーのプリントジョブを実行する場合、作像部11Y~11Kが駆動され、モノクロのプリントジョブを実行する場合、作像部11Kのみが駆動される。
作像部11Y~11Kは、同様の構成を有する。ここでは、作像部11Kの構成要素についてのみ符号を付し、その他の作像部11Y、11M、11Cの構成要素については、感光体ドラム61Y、61M、61C以外のものについては符号を省略している。以下、作像部11Kについて構成を説明し、作像部11Y~11Cについては説明を省略する。
作像部11Kは、感光体ドラム61Kと、感光体ドラム61Kの周方向に沿って配置された帯電部62K、露光部63K、現像部64K及びクリーナー65Kを備える。
感光体ドラム61Kは、不図示のモーターにより矢印A方向に一定速度で回転する。
帯電部62Kは、感光体ドラム61Kの表面を一様に帯電させる。
露光部63Kは、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム61Kに対してK色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。レーザー光の照射により、感光体ドラム61Kの表面には、K色成分の静電潜像が形成される。
現像部64Kは、例えば二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム61Kの表面にK色のトナーを付着させることで静電潜像を可視化してK色のトナー像を形成する。
クリーナー65Kは、一次転写後に感光体ドラム61Kの表面に残存するトナーや紙粉などの残留物を除去する。
中間転写部12は、中間転写ベルト71と、駆動ローラー72と、従動ローラー73と、支持ローラー74と、各色に対応する一次転写ローラー75Y、75M、75C、75Kと、補助ローラー76と、二次転写ローラー77と、クリーニング部78等を備える。
中間転写ベルト71は、無端状ベルトであり、一次転写ローラー75Y~75Kを含む複数のローラー72~76により張架され、駆動ローラー72の回転により、矢印B方向に一定速度で周回走行する。一次転写ローラー75Y~75Kは、対応する色成分の感光体ドラム61Y~61Kに対向して、中間転写ベルト71の内周面側に配置される。
中間転写ベルト71は、各ローラーに張架されている状態で、実線で示す位置と破線で示す位置とに変位可能になっている、具体的には、中間転写ベルト71における破線で示すベルト部分が、従動ローラー73と、支持ローラー74と、一次転写ローラー75Y、75M、75Cと一体で、補助ローラー76の位置を支点に矢印C方向または矢印D方向に上下に揺動自在になっている。ここでは、モーターなどを含む揺動駆動部70の駆動力により、中間転写ベルト71は、カラーモードのときには実線の位置に、モノクロモードのときには破線の位置に移動されるようになっている。
中間転写ベルト71が実線で示す位置にあるときには、中間転写ベルト71が感光体ドラム61Y~61Kの全てに接触する。この実線で示す位置を接触位置という。一方、中間転写ベルト71が破線で示す位置にあるときには、中間転写ベルト71が感光体ドラム61Kのみに接触し、感光体ドラム61Y~61Cからは離隔する。この破線で示す位置を離隔位置という。モノクロモードのときに駆動されない感光体ドラム61Y~61Cから中間転写ベルト71を離隔することで、感光体ドラム61Y~61Cと中間転写ベルト71間に接触摩擦が生じないようにして、それぞれの周面が摩耗するのを防止できる。
カラーモードのときには、中間転写ベルト71が接触位置に位置して、感光体ドラム61Y~61K上のY~K色のカラートナー像が、周回走行する中間転写ベルト71に順次重ねて一次転写される。モノクロモードのときには、中間転写ベルト71が離隔位置に位置して、感光体ドラム61K上のK色のみのモノクロトナー像が、周回走行する中間転写ベルト71に一次転写される。
中間転写ベルト71が接触位置と離隔位置のいずれにあるかは、ベルト接離検出センサー69により検出される。ベルト接離検出センサー69は、中間転写ベルト71が接触位置に位置しているときには、Lレベル(=0)を示す信号を出力し、中間転写ベルト71が離隔位置に位置しているときには、Hレベル(=1)を示す信号を出力する。
ベルト接離検出センサー69としては、例えば反射型の光学センサーやマイクロスイッチなどを用いることができる。反射型の光学センサーを用いる場合、光学センサーを中間転写ベルト71よりも少し上の位置に配置する。そして、中間転写ベルト71が離隔位置(破線)に位置しているときには、光学センサーと中間転写ベルト71間の距離が近いことから、光学センサーが自身で発した光の、中間転写ベルト71からの反射光を受光して、Hレベルの信号を出力する。一方で、中間転写ベルト71が接触位置(実線)に位置しているときには、光学センサーと中間転写ベルト71間の距離が遠くなることから、光学センサーが自身で発した光の、中間転写ベルト71からの反射光を受光できずに、Lレベルの信号を出力するように構成することができる。
また、マイクロスイッチを用いる場合には、中間転写ベルト71が離隔位置に位置したときに、中間転写ベルト71とともに上下に揺動する従動ローラー73の軸がマイクロスイッチのレバーを押してオン(Hレベル出力)になり、中間転写ベルト71が接触位置に位置したときに従動ローラー73の軸がマイクロスイッチのレバーから離れてオフ(Lレベル出力)になるような位置にマイクロスイッチを配置する。これにより、中間転写ベルト71が接触位置と離隔位置のいずれに位置しているかを検出して、その検出信号(HまたはL)を出力することができる。
この検出信号は、中間転写ベルト71の位置を示す信号であるが、カラーモードのときに中間転写ベルト71が接触位置に位置し、モノクロモードのときに中間転写ベルト71が離隔位置に位置することから、カラーとモノクロのいずれのプリントモードにあるかを示す信号でもあるともいえる。すなわち、ベルト接離検出センサー69の出力信号がLレベルのときには、カラーモードが選択されており、ベルト接離検出センサー69の出力信号がHLレベルのときには、モノクロモードが選択されていることが、ベルト接離検出センサー69の出力信号から分かることになる。このベルト接離検出センサー69の出力信号は、後述するハードプロテクトによる定着部材の過昇温の検出(発熱体の異常の判断)に用いられる。
二次転写ローラー77は、中間転写ベルト71の内周面側に配置される駆動ローラー72に対向して、中間転写ベルト71の外周面側に配置される。二次転写ローラー77が中間転写ベルト71を挟んで駆動ローラー72に圧接されることにより二次転写ニップ77aが形成される。
給紙部20から搬送されて来た用紙Sが二次転写ニップ77aを通過する際、中間転写ベルト71上のカラートナー像またはモノクロトナー像がその用紙S上に二次転写される。トナー像が二次転写された用紙Sは、定着部30に向けて搬送される。
クリーニング部78は、二次転写後に中間転写ベルト71の表面に残留するトナーや紙粉などの残留物を除去する。
給紙部20は、記録シートとしての用紙Sを積載収容する給紙トレイ21を備え、給紙トレイ21上の用紙Sを一枚ずつ繰り出しローラー22で搬送路25に繰り出す。そして、繰り出した用紙Sを搬送ローラー23により、さらに下流側で一時停止しているレジストローラー24まで搬送する。レジストローラー24は、二次転写ニップ77aへの用紙Sの搬送タイミングを調整するローラーであり、その搬送タイミングになると、レジストローラー24が回転を開始して、用紙Sを二次転写ニップ77aに向けて搬送する。
定着部30は、給紙部20から給紙されて、中間転写部12の二次転写ローラー77を通じて矢印E方向(シート搬送方向)に搬送されて来た用紙Sが定着ニップ3を通過する際、その用紙S上のカラートナー像またはモノクロトナー像(未定着画像)を加熱、加圧により用紙Sに定着する。定着部30を通過した用紙Sは、排出ローラー26により機外に排出され、排紙トレイ27に収容される。
操作部50は、ユーザーからのプリントジョブの実行指示を受け付けるボタンや、カラーとモノクロのプリントモードを選択指示するボタンなどに加えて、プリントジョブの実行状況を示す画面や用紙Sのジャムが発生した旨のメッセージなどを表示するディスプレイを含む。
給紙部20には、給紙トレイ21に収容されている用紙Sのサイズ、例えばA4やA3などを検出する用紙サイズ検出センサー28が設けられている。また、搬送路25の周辺には、搬送路25を搬送される用紙Sを検出する用紙有無検出センサー29が配置されている。用紙有無検出センサー29は、ジャム検出に用いられる。具体的には、給紙トレイ21から繰り出された用紙Sが一定時間経過しても用紙有無検出センサー29で検出されなかった場合、その用紙Sが繰り出しローラー22や搬送ローラー23の付近で詰まって搬送できない状態になったこと、つまりジャムを検出することができる。
また、搬送中の用紙Sの搬送方向先端が用紙有無検出センサー29で検出されてから所定時間を経過しても、その用紙Sの搬送方向後端が用紙有無検出センサー29で検出されない、つまり用紙有無検出センサー29がその用紙Sを検出したままになっている場合、レジストローラー24のところで詰まったとしてジャムを検出することもできる。
〔2〕定着部の構成
図2は、定着部30の構成を示す概略断面図であり、図3は、定着部30を図2の矢印H方向から見たときの概略図である。ここで、図2と図3においてX軸方向、Y軸方向は、プリンター1を正面側から見たときの左右方向、上下方向を表し、Z軸方向は、X軸とY軸の双方に直交する方向であり、プリンター1の奥行方向に相当する。図2は、Z軸に直交するX-Y平面で定着部30を切断した場合の横断面図である。
図2に示すように定着部30は、無端状の定着ベルト31と、定着ベルト31の内周面31bに接する固定パッド32と、定着ベルト31の内周面31bに接して定着ベルト31を案内するガイド部材33と、固定パッド32とガイド部材33とを固定支持する支持部材34と、定着ベルト31を加熱する加熱ローラー35と、加熱ローラー35に熱を付与するヒーター36と、定着ベルト31の内周面31bに潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材37と、定着ベルト31の外周面31aを押圧する加圧ローラー38と、定着温度検出センサー39と、駆動モーター380を備える。固定パッド32とガイド部材33は、例えばポリフェニレンスルファイド、ポリイミド等の樹脂が用いられるが、アルミ、鉄等の金属製でも良い。
定着ベルト31(被加熱部材)は、ポリイミドやSUS(ステンレス鋼)等からなる基層の上に弾性層と離型層とがこの順に積層されてなる。
加圧ローラー38は、アルミ、鉄等からなる中実の芯金381に、シリコーンゴム等の耐熱性の高い材料からなる弾性層382と、フッ素チューブ等の離型性を付与した離型層383とがこの順に積層されてなる。
加圧ローラー38は、バネなどの弾性部材(不図示)による付勢力を受けて、加圧ローラー38の外周面38aが定着ベルト31に押圧されることで、定着ベルト31と加圧ローラー38間に定着ニップ3が形成される。加圧ローラー38は、駆動モーター380から付与された回転駆動力により矢印G方向に所定の回転速度で回転駆動される。
加熱ローラー35は、アルミやSUS等の金属製の円筒からなる。
ヒーター36は、加熱ローラー35の軸方向に沿って長尺のハロゲンヒーターであり、筒状の加熱ローラー35の内空間に挿通され、ヒーター制御回路106によりオンオフ制御されて、発熱した熱を加熱ローラー35に付与する。
定着温度検出センサー39は、定着ベルト31の外周面31aの温度を検出して、検出した定着ベルト検出温度をアナログの電圧に変換してなる検出信号を出力するサーミスターなどのセンサーである。ここでは、定着ベルト検出温度が高くなるに連れて定着温度検出センサー39の検出信号の電圧が高くなるという関係を有している。
定着温度検出センサー39は、定着ベルト31の外周面31aから、ここでは一定の距離(例えば1~2mm)を開けた位置であり、図3に示すように定着ベルト31に対してZ軸方向の略中央の位置に配されている。なお、定着温度検出センサー39がベルト31に接触する構成であっても良い。
このような構成において、加圧ローラー38が矢印G方向に回転駆動されると、定着ベルト31が矢印F方向に従動して走行する。加圧ローラー38の回転駆動中にヒーター36が通電されると、ヒーター36から発せられた熱が加熱ローラー35から定着ベルト31に伝わり、定着ベルト31の周回走行により定着ニップ3に至る。これにより、ヒーター36の熱が定着ニップ3に供給される。
〔3〕制御基板の構成
図4は、制御基板40の主要な構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御基板40は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記憶回路104、保護回路105、ヒーター制御回路106、信号保持回路107が基板本体40a上に実装されてなり、定着温度検出センサー39とベルト接離検出センサー69と用紙サイズ検出センサー28と用紙有無検出センサー29のそれぞれの検出信号が入力される。
保護回路105は、定着部30が過昇温により異常高温になるのを防止するための回路であり、ヒーター制御回路106は、ヒーター36をオンオフ制御する回路であり、信号保持回路107は、ベルト接離検出センサー69の出力信号を保持して保護回路105に出力する回路である。これらの回路について、後述する。
ROM102には、プリントなどのジョブを実行させるための制御プログラム等が格納されている。この制御プログラムには、定着ベルト31の温度を目標温度に維持するための温調プログラムと、定着ベルト31の過昇温を判断するための過昇温判断プログラムが含まれる。なお、制御プログラムが記憶回路104に格納されるとしても良い。定着ベルト31が過昇温になると、定着ベルト31を含む定着部30全体も過昇温といえることから、以下では定着部30の過昇温という。
RAM103は、各種の制御変数および操作部50を通じてユーザーが指示したプリント枚数等のデータを一時的に記憶すると共に、CPU101によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
CPU101は、ROM102に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
CPU101、ROM102およびRAM103は、主制御部110を構成している。
〔4〕主制御部
主制御部110は、CPU101が制御プログラムの内容に従った処理を実行することにより、統括制御部111、定着ベルト温度制御部112および過昇温判断部113としての機能を果たす。
統括制御部111は、画像形成部10、給紙部20、定着部30などを統一的に制御して、カラーやモノクロなどのプリントジョブを円滑に実行させる。また、統括制御部111は、通信インターフェース(I/F)60、ネットワークを介して、外部の端末装置(不図示)からプリントジョブを受信して、受信したプリントジョブの画像データに基づいて画像形成部10、給紙部20、定着部30にプリント(シートへの画像形成)を実行させる。
定着ベルト温度制御部112は、ROM102に記憶されている温調プログラムの内容に従って、ヒーター36のオンオフを制御する。この制御の内容については、後述する。
過昇温判断部113は、ROM102に記憶されている過昇温判断プログラムの内容に従って、定着部30が過昇温の状態になっているか否かを判断する。この過昇温判断の内容については、後述する。この意味で、CPU101は、プログラムの内容に従って過昇温の判断を行うソフトウエア制御要素といえる。
〔5〕記憶回路
記憶回路104(記憶手段)は、不揮発性の半導体メモリから構成されている。なお、記憶回路104は、ハードディスクから構成されているとしても良い。
記憶回路104は、プリントモードフラグ81と温度管理テーブル82等を記憶するための領域を備えている。
図5は、プリントモードフラグ81の内容例を示す図である。同図に示すようにプリントモードフラグ81は、ユーザーが操作部50からカラーとモノクロのいずれのプリントモードを選択入力したのかを示すフラグであり、統括制御部111として機能するCPU101により、プリントジョブごとに、ユーザーが操作部50からカラーモードを選択した場合には1が書き込まれ、モノクロモードを選択した場合には0が書き込まれるようになっている。同図は、カラーモードを示す1が書き込まれている例を示している。
図6は、温度管理テーブル82の内容例を示す図である。同図に示すように温度管理テーブル82には、ベルト目標温度Ta欄と過昇温検知温度Tb欄が設けられている。
ベルト目標温度Ta欄は、モノクロモードとカラーモードの2つに分けられており、それぞれのプリントモードにおける定着ベルト31の目標温度が記憶されている。同図の例では、モノクロモードのときの目標温度TaがT1、例えば160℃であり、カラーモードのときの目標温度TaがT2(>T1)、例えば170℃になっている。
過昇温検知温度Tb欄も、モノクロモードとカラーモードの2つに分けられており、それぞれのプリントモードにおける過昇温検知温度が記憶されている。同図の例では、モノクロモードのときの過昇温検知温度TbがT11(>T2)、例えば240℃であり、カラーモードのときの過昇温検知温度TbがT12(>T11)、例えば250℃になっている。各欄の温度Ta、Tbは、予め実験などにより装置構成に適した値が決められて、温度管理テーブル82に書き込まれる。
〔6〕ヒーター制御の説明
図7は、ヒーター36の制御に関係する各部材にどのような信号が入出力するのかを示したブロック図である。
同図に示すように定着温度検出センサー39から出力される現在のベルト検出温度を示す検出信号(アナログの電圧信号)がCPU101の入力端子190に入力されるとともに保護回路105に入力される。
CPU101は、上記の温調プログラムに従って、入力された検出信号が示すベルト検出温度Taと定着ベルト31の目標温度Taとに基づき、ヒーター36をオンさせるかオフさせるかを判断して、判断した結果を示すヒーターオン/オフ信号を出力端子191から出力する定着ベルト温調制御を実行する。
また、CPU101は、上記の過昇温判断プログラムに従って、入力された検出信号が示すベルト検出温度Taと、現在のプリントモードに対応する過昇温検知温度Tbとに基づき、定着部30が過昇温の状態であるか否かを判断して、判断した結果を示す過昇温判断結果信号、ここでは通常時(過昇温ではないとき)にはLレベル(=0)の信号を、過昇温のときにはHレベル(=1)の信号を出力端子192から出力する過昇温判断処理を実行する。この過昇温判断処理は、CPU101が過昇温判断プログラムの内容として行う処理であり、上記のソフトウエアプロテクトに相当する。
保護回路105は、カラーとモノクロのプリントモードの目標温度(上記例ではT1、T2)ごとに対応して設けられた後述の第1、第2過昇温検出回路121、122(図12)のうち、現在のプリントモードに対応する過昇温検出回路を選択して、選択した過昇温検出回路に入力した検出信号の電圧と、当該過昇温検出回路における基準電圧との比較から、定着部30が通常時であればLレベルの信号を過昇温判断結果信号として出力し、過昇温であればHレベルの信号を過昇温判断結果信号として出力する回路である。保護回路105は、ソフトウエアが介在しないハードウエア回路であり、上記のハードウエアプロテクトに相当する。
以下、ソフトウエアプロテクトであるCPU101による定着ベルト温調制御と過昇温発生判断処理の内容と、ハードウエアプロテクトであるヒーター制御回路106と保護回路105と信号保持回路107の構成を順に説明する。
〔7〕定着ベルト温調制御
図8は、CPU101が定着ベルト温度制御部112として機能したときに温調プログラムの内容に従って実行する定着ベルト温調制御の内容を示すフローチャートである。この定着ベルト温調制御は、プリントジョブごとにその実行開始から終了までの間において一定周期、例えば1秒間隔ごとに繰り返し実行される。
同図に示すようにプリントモードフラグ81を参照する(ステップS1)。プリントモードフラグ81が1の場合にはカラーモードであり、0の場合にはモノクロモードであることが分かる。
プリントモードがモノクロモードと判断すると(ステップS2で「Yes」)、定着ベルト31の目標温度TaをT1に設定して(ステップS3)、ステップS5に進む。プリントモードがカラーモードと判断すると(ステップS2で「No」)、定着ベルト31の目標温度TaをT2に設定して(ステップS4)、ステップS5に進む。
ステップS5では、定着温度検出センサー39による定着ベルト31の現在の温度(ベルト検出温度)Tを取得する。
ベルト検出温度T≧ベルト目標温度Taであるか否かを判断する(ステップS6)。T≧Taの関係であることを判断すると(ステップS6で「Yes」)、出力端子191からLレベルの信号(ヒーターオフ)を出力させて(ステップS7)、ステップS9に進む。一方、T<Taの関係であることを判断すると(ステップS6で「No」)、出力端子191からHレベルの信号(ヒーターオン)を出力させて(ステップS8)、ステップS9に進む。出力端子191から出力された信号は、ヒーター制御回路106に送られる。
ステップS9では、プリントジョブ終了か否かを判断する。ジョブ終了ではない、すなわちプリント実行中であることを判断すると(ステップS9で「No」)、ステップS5に戻って、ステップS5以降の処理を実行する。ジョブ終了と判断されるまでの間、ステップS5~S9の処理を繰り返す。
これにより、ベルト検出温度Tがベルト目標温度Taよりも少し高くなると、ヒーター36がオフになって、定着ベルト31の温度が低下し始め、逆に、ベルト検出温度Tがベルト目標温度Taよりも少し低くなると、ヒーター36がオンになって、定着ベルト31の温度が上昇に転じることが繰り返されて、定着ベルト31の温度がベルト目標温度Taに維持されるようになる。このようにプリントモードが変わる度にベルト目標温度Taをプリントモードに応じた温度に切り替え、切り替え後のベルト目標温度Taに定着ベルト31の温度が維持されるように制御される。
ジョブ終了と判断すると(ステップS9で「Yes)、当該制御を終了する。
〔8〕過昇温発生判断処理
図9は、CPU101が過昇温判断部113として機能したときに過昇温判断プログラムの内容に従って実行する過昇温発生判断処理の内容を示すフローチャートである。この過昇温発生判断処理は、プリントジョブの実行開始から終了までの間において一定周期、例えば5秒間隔ごとに繰り返し実行される。
同図に示すようにプリントモードフラグ81を参照する(ステップS21)。プリントモードフラグ81からモノクロモードと判断すると(ステップS22で「Yes」)、定着部30の過昇温検知温度TbをT11に設定して(ステップS23)、ステップS25に進む。プリントモードがカラーモードと判断すると(ステップS22で「No」)、過昇温検知温度TbをT12に設定して(ステップS24)、ステップS25に進む。
ステップS25では、現在のベルト検出温度Tを取得する。
ベルト検出温度T<過昇温検知温度Tbであることを判断すると(ステップS26で「Yes」)、出力端子192から過昇温判断結果信号としてLレベルの信号(通常時)を出力させて(ステップS27)、ステップS28に進む。出力端子192から出力された過昇温判断結果信号は、ヒーター制御回路106に送られる。
ステップS28では、プリントジョブ終了か否かを判断する。ジョブ終了ではない、すなわちプリント実行中であることを判断すると(ステップS28で「No」)、ステップS25に戻って、ステップS25以降の処理を実行する。ジョブ終了と判断されるまでの間、ステップS25~S30の処理を繰り返し、ジョブ終了と判断すると(ステップS28で「Yes」)、当該処理を終了する。
一方、T≧Tbの関係であることを判断すると(ステップS26で「No」)、出力端子192からHレベルの信号(過昇温)を出力させる(ステップS29)。出力端子192からHレベルの信号が出力されると、ヒーター制御回路106においてヒーター36への電力供給が遮断される。そして、定着部30が過昇温であることを警告して(ステップS30)、当該処理を終了する。この警告は、例えば操作部50にその警告メッセージを表示させることにより行われる。
これにより、ベルト検出温度Tが過昇温検知温度Tb未満であれば、ステップS30の警告が行われず、仮にベルト検出温度Tが過昇温検知温度Tb以上になると、ヒーター36への電力供給が遮断されて、定着部30の温度が低下に転じ、さらにステップS30の警告が行われるようになる。
〔9〕ヒーター制御回路
図10は、ヒーター制御回路106の構成を概略して示す図である。
同図に示すようにヒーター制御回路106は、ディジタルICであるマルチプレクサ161およびインバーター162と、フォトトライアックカプラー163とを含むハードウエア回路である。
マルチプレクサ161の入力B端子には、CPU101の出力端子191から出力されたヒーターオン/オフ信号が入力され、選択制御S端子には、CPU101の出力端子192から出力される過昇温判断結果信号が入力されるとともに、保護回路105から出力される過昇温判断結果信号も入力される。なお、CPU101からの過昇温判断結果信号と保護回路105からの過昇温判断結果信号の両方がHレベル(=1)になったときだけではなく、一方がHレベル、他方がLレベル(=0)になったとき、具体的にはCPU101からの信号がLレベル、保護回路105からの信号がHレベルになったときでも、Hレベルの信号が選択制御S端子に入力されるように、CPU101から選択制御S端子までの信号ラインと保護回路105から選択制御S端子までの信号ライン上に例えば不図示のダイオードなどが配置される。マルチプレクサ161の入力A端子には、過昇温判断結果信号のレベルがインバーター162で反転された信号が入力される。
入力A、B、選択制御Sの各レベル(HまたはL)に応じてマルチプレクサ161の出力Y端子から出力される信号のレベルが切り替わる。
図11は、マルチプレクサ161の論理表を示す図である。同図に示すように選択制御S信号が0(Lレベル)のとき、つまり過昇温ではない通常時には、入力B端子が選択される。これにより通常時には、入力B端子に入力されたCPU101からのヒーターオン/オフ信号がそのまま出力Y端子から出力されることになる。
一方、選択制御S信号が1(Hレベル)に遷移したとき、つまり過昇温が判断されたときには、入力子A端子が選択される。入力A端子には、インバーター162により選択制御S信号(Hレベル)とは逆のLレベルが入力されるので、出力Y端子からはLレベルの信号が出力される。
フォトトライアックカプラー163は、LEDなどからなる発光部164と、トライアック165を含む。トライアック165は、AC電源169とヒーター36の間に介在し、発光部164が発光してその光を受けると導通状態(オン)になって、AC電源169からの電力をヒーター36に電力し、発光部164が消灯すると、非導通状態(オフ)になって、AC電源169からの電力のヒーター36への供給を遮断する。
発光部164は、マルチプレクサ161の出力Y端子から出力される信号がLレベルのときに消灯し(オフ)、Hレベルのときに発光(オン)する。従って、マルチプレクサ161の出力Y端子がLレベルのときには、トライアック165がオフになってヒーター36がオフ(消灯)し、出力Y端子がHレベルになると、トライアック165がオンになってヒーター36がオン(点灯)することになる。
このような構成において、過昇温ではない通常時には、マルチプレクサ161への選択制御SがLレベルになって、CPU101の出力端子191から出力されるヒーターオン/オフ信号がそのままマルチプレクサ161を通じてフォトトライアックカプラー163の発光部164に出力される。
従って、図8に示す定着ベルト温調制御において、ヒーターオン/オフ信号がHレベルになったときには、ヒーター36が点灯して、定着ベルト31が熱せられて、定着ベルト31の温度が上昇する。また、ヒーターオン/オフ信号がLレベルになったときには、ヒーター36が消灯して、定着ベルト31への熱の供給が停止して、定着ベルト31の温度が下降に転じる。
一方、図9に示す過昇温発生判断処理において過昇温が判断されると、CPU101の出力端子192からHレベル(=1)の信号が出力されて、マルチプレクサ161への選択制御SがHレベルに切り替わる。これにより、マルチプレクサ161の出力Y端子からLレベル(=0)の信号が出力されて、フォトトライアックカプラー163の発光部164が消灯し、ヒーター36への電力供給が遮断される(ヒーター36のオフ)。
以降、選択制御SがHからLレベルに切り替わるまでの間、ヒーター36のオフが継続されて、定着部30の温度が、過昇温が判断された時点からの時間経過に連れて、下降していくことになる。
〔10〕保護回路
図12は、保護回路105の回路構成の例を示す図である。
同図に示すように保護回路105は、第1過昇温検出回路121と、第2過昇温検出回路122と、マルチプレクサ123とを含むハードウエア回路である。
ここで、第1過昇温検出回路121は、モノクロモード実行中に定着部30が過昇温に至ったことを当該モードに対応するベルト目標温度T1から決まる閾値温度(例えば240℃)を用いて検出するために設けられた回路である。
一方、第2過昇温検出回路122は、カラーモード実行中に定着部30が過昇温に至ったことを当該モードに対応するベルト目標温度T2から決まる閾値温度(例えば250℃)を用いて検出するために設けられた回路である。カラーモードの方がモノクロモードよりもベルト目標温度Taが高い分(T1<T2)、閾値温度もカラーモードの方がモノクロモードよりも高い温度が設定されている。
このようにプリントモード別に過昇温検出回路が個別に設けられるのは、プリントモードごとにベルト目標温度Taを異ならせる構成において、ベルト目標温度Taごとに過昇温を検出するための閾値温度を別々にすることで、いずれのベルト目標温度Taでも適した過昇温検出を行えるようにするためである。
第1過昇温検出回路121は、オペアンプからなるコンパレーター211と、分圧回路212とを含む。
分圧回路212は、定電圧源Vccの電圧(例えば5VDC)を、直列接続された抵抗R1とR2で分圧する回路であり、分圧された電圧V1が過昇温を検出するための閾値電圧になる。ここでは、モノクロモードに対応する過昇温検知温度T11として、定着ベルト31が、モノクロモードに対応するベルト目標温度T1よりも高い温度値に設定された閾値温度である240℃に達したときに定着温度検出センサー39の検出信号が示すアナログの電圧に相当する電圧が予め実験などから求められ、その求められた電圧とV1が同じ値になるように、抵抗R1とR2の分圧比が設定されている。
コンパレーター211は、入力端子2(-)に入力される電圧の方が入力端子3(+)に入力される電圧よりも高い場合には、出力端子1からLレベルの信号を出力し、これとは電圧の大小関係が逆の場合には、出力端子1からHレベルの信号を出力する。
コンパレーター211の入力端子2(-)には、分圧回路212による閾値電圧V1(240℃相当)が入力され、コンパレーター211の入力端子3(+)には、定着温度検出センサー39の検出信号が入力されている。
この検出信号は、上記のようにアナログの電圧信号であり、ベルト検出温度が高くなるに連れて信号電圧が高くなる。モノクロモードにおいて過昇温が生じていない通常時では、ベルト検出温度がモノクロモードにおけるベルト目標温度T1付近の温度であり、検出信号の電圧が閾値電圧であるV1よりもかなり低くなるはずであるから、入力端子2(-)の電圧V1>入力端子3(+)の電圧の関係になり、コンパレーター211の出力端子1からはLレベルの信号が出力される。
一方、モノクロモードにおいて過昇温の状態になると、ベルト検出温度がベルト目標温度T1を超えてかなり高くなる。ベルト検出温度が上がってモノクロモードに対応する過昇温検知温度T11を超えると、入力端子2(-)の電圧V1<入力端子3(+)の電圧の関係になり、コンパレーター211の出力端子1からはHレベルの信号が出力される。
第2過昇温検出回路122は、オペアンプからなるコンパレーター221と、分圧回路222とを含む。
分圧回路222は、定電圧源Vccの電圧(例えば5VDC)を、直列接続された抵抗R3とR4で分圧する回路であり、分圧された電圧V2が過昇温を検出するための閾値電圧になる。ここでは、カラーモードに対応する過昇温検知温度T12(>T11)として、定着ベルト31が、カラーモードに対応するベルト目標温度T2よりも高い温度値に設定された閾値温度である250℃に達したときに定着温度検出センサー39の検出信号が示すアナログの電圧に相当する電圧が予め実験などから求められ、その求められた電圧とV2が同じ値になるように、抵抗R3とR4の分圧比が設定されている。
コンパレーター221は、入力端子2(-)に入力される電圧の方が入力端子3(+)に入力される電圧よりも高い場合には、出力端子1からLレベルの信号を出力し、これとは電圧の大小関係が逆の場合には、出力端子1からHレベルの信号を出力する。
入力端子2(-)には、分圧回路222による閾値電圧V2(250℃相当)が入力され、入力端子3(+)には、定着温度検出センサー39の検出信号が入力されている。
カラーモードにおいて過昇温が生じていない通常時では、ベルト検出温度がカラーモードにおけるベルト目標温度T2(>T1)付近の温度であり、検出信号の電圧が閾値電圧であるV2よりもかなり低くなっているので、入力端子2(-)の電圧V1>入力端子3(+)の電圧の関係になり、コンパレーター221の出力端子1からはLレベルの信号が出力される。
一方、カラーモードにおいて過昇温の状態になると、ベルト検出温度がベルト目標温度T2を超えてかなり高くなる。ベルト検出温度が上がってカラーモードに対応する過昇温検知温度T12を超えると、入力端子2(-)の電圧V1<入力端子3(+)の電圧の関係になり、コンパレーター221の出力端子1からはHレベルの信号が出力される。
マルチプレクサ123は、上記のマルチプレクサ161と基本的に同じ構成であり、論理表も上記のものと同じになっている。
マルチプレクサ123の入力A端子には、コンパレーター211の出力端子1から出力された信号が入力され、入力B端子には、コンパレーター221の出力端子1から出力された信号が入力される。
選択制御S信号は、信号保持回路107で保持されているベルト位置検出信号であり、この保持されているベルト位置検出信号は、ベルト接離検出センサー69の検出結果、つまり中間転写ベルト71が接触位置と離隔位置のいずれにあるかを示す信号に等しい。
上記のようにカラーモードのときには、中間転写ベルト71が接触位置に位置するので、ベルト位置検出信号が接触位置を示すものであれば、この接触位置を示すベルト位置検出信号から、現在のプリントモードがカラーモードであることが分かる。
カラーモードであることが分かるということは、ベルト目標温度がカラーモードに対応するT2であることも分かることになる。この意味で、ベルト位置検出信号は、現在のプリントにおいてベルト目標温度がどの温度であるかを指標する信号といえる。そして、中間転写ベルト71は、異なる目標温度ごとに異なる位置に移動する移動部材といえる。なお、中間転写ベルト71とともに一次転写ローラー75Y~75Cや支持ローラー74も移動することから、これらローラーも当該移動部材の一つと捉えることもできる。
ベルト位置検出信号を入力することで、現在のプリントモードがベルト目標温度T2であるカラーモードであることが分かり、モノクロモードよりも高いベルト目標温度T2に応じて閾値温度も高くなっている第2過昇温検出回路122を選択すべきであることが、記憶回路104に記憶されているプリントモードフラグ81を参照せずに分かる。
そして、ベルト接離検出センサー69は、中間転写ベルト71の位置を検出して信号を出力するものであり、CPU101によりソフトウエア制御されるものではなく、ソフトウエア制御とは電気的に切り離されたハードウエア部品(ハードウエア要素)である。
つまり、CPU101の暴走などにより、プリントモードフラグ81を参照できなくなったり誤ったプリントモードを判断したりする処理をCPU101が実行したとしても、ベルト接離検出センサー69は、CPU101によるソフトウエア制御によらずに、現在のプリントモードを示す信号を出力することができる。
従って、保護回路105は、ベルト接離検出センサー69の検出信号を受け付けることで、CPU101の暴走の影響を全く受けずに、現在のプリントモードがカラーであるのかモノクロであるのかの正確な情報を取得できる。
マルチプレクサ123の論理表(図11)を見ると、選択制御S信号が0(Lレベル)のとき、つまり現に実行中のプリントモードがカラーモードの場合には、入力B端子が選択される。マルチプレクサ123の入力B端子には、カラーモードの過昇温検知温度T12(例えば250℃)を検出するための第2過昇温検出回路122におけるコンパレーター221の出力端子1の出力信号が入力されており、出力端子1の出力信号が過昇温判断結果信号として、マルチプレクサ123の出力Y端子から出力される。
マルチプレクサ123の出力Y端子から出力された過昇温判断結果信号は、図10に示すヒーター制御回路106のマルチプレクサ161の選択制御S信号として、マルチプレクサ161に入力される。
例えば、現に実行中のカラーモードにおいて過昇温の状態になった場合には、保護回路105におけるコンパレーター221の出力端子1からHレベルの信号が出力され、このHレベルの信号がヒーター制御回路106のマルチプレクサ161の選択制御S信号としてマルチプレクサ161に入力される。
マルチプレクサ161は、上記のように選択制御S信号がHレベルになると、マルチプレクサ161の出力Y端子からLレベルの信号を出力する。このLレベルの信号出力がフォトトライアックカプラー163に対してヒーター36をオフさせる指示になるので、これ以降、ヒーター36がオフになって、過昇温の状態が継続することが防止される。
一方、保護回路108のマルチプレクサ123の選択制御S信号が1(Hレベル)のとき、つまり現に実行中のプリントモードがモノクロモードの場合には、入力A端子が選択される。マルチプレクサ123の入力A端子には、モノクロモードの過昇温検知温度T11(例えば240℃)を検出するための第1過昇温検出回路121におけるコンパレーター211の出力端子1の出力信号が入力されており、出力端子1の出力信号が過昇温判断結果信号として、マルチプレクサ123の出力Y端子から出力される。
例えば、現に実行中のモノクロモードにおいて過昇温の状態になった場合には、保護回路105におけるコンパレーター211の出力端子1からHレベルの信号が出力され、このHレベルの信号がヒーター制御回路106のマルチプレクサ161の選択制御S信号としてマルチプレクサ161に入力されて、ヒーター36がオフになるので、これ以降、過昇温の状態が継続することが防止される。
〔11〕信号保持回路
図13(a)は、信号保持回路107の回路構成の例を示す図である。
同図に示すように信号保持回路107は、RSフリップフロップ171とインバーター172とを含むハードウエア回路である。RSフリップフロップ171は、入力信号(2値)の立ち上がりでセット、リセットするものであり、セット端子Sには、ベルト接離検出センサー69の検出結果を示すベルト位置検出信号が入力されており、リセット端子Rには、インバーター172を介してベルト位置検出信号が入力されている。
ベルト位置検出信号は、上記のようにカラーモードのときに中間転写ベルト71が接触位置に位置していることを示すLレベル(=0)であり、モノクロモードのときに中間転写ベルト71が離隔位置に位置していることを示すHレベル(=1)である。
図13(b)は、RSフリップフロップ171の論理表を示す図である。
同図に示すようにカラーモードのときには、ベルト位置検出信号がLレベル(=0)になり、セット端子Sに0が入力され、リセット端子Rに1が入力される。これにより、出力端子Qから0つまりLレベルの信号がベルト位置検出信号として、保護回路105のマルチプレクサ123の選択制御S端子に出力される。以降、セット端子Sに1が入力され、リセット端子Rに0が入力されるまで、出力端子Qの出力がLレベルに保持される。
一方、モノクロモードのときには、ベルト位置検出信号がHレベル(=1)になり、セット端子Sに1が入力され、リセット端子Rに0が入力されるので、出力端子Qから1つまりHレベルの信号がベルト位置検出信号として、保護回路105のマルチプレクサ123の選択制御S端子に出力される。以降、セット端子Sに0が入力され、リセット端子Rに1が入力されるまで、出力端子Qの出力がHレベルに保持される。
信号保持回路107を設けることにより、定着部30が過昇温の状態になったときに、何らかの原因でベルト接離検出センサー69からの検出信号の出力が途絶えたとしても、現在のプリントモード、つまりベルト目標温度の情報を保護回路105に出力することができる。なお、信号保持回路107がなくても、ベルト接離検出センサー69の出力信号が常時、保護回路105に入力されるのであれば、信号保持回路107を設けずに、ベルト接離検出センサー69の出力信号が直に保護回路105に入力されるように構成することもできる。
以上説明したように、モノクロモードに対応する第1過昇温検出回路121とカラーモードに対応する第2過昇温検出回路122のうち、現に実行しているプリントジョブにおけるプリントモードのベルト目標温度Taに対応する回路を、定着部30の過昇温、例えばつまりヒーター36(発熱体)の異常などの検出に用いる回路に選択することで、いずれのプリントモード(いずれのベルト目標温度によるプリント)でも、そのプリントモード(目標温度)に適した過昇温の検出を行えるようになる。
そして、図10に示すようにCPU101から過昇温判断結果信号が出力された場合でも保護回路105から過昇温判断結果信号が出力された場合でも、ヒーター制御回路106のマルチプレクサ161の選択制御S端子に入力される構成になっている。
従って、定着部30が過昇温の状態にあり、かつCPU101の暴走によりCPU101から過昇温判断結果信号が出力されないような状態になっていたとしても、ソフトウエアを介さないハードウエアである保護回路105から過昇温を示す過昇温判断結果信号(1:Hレベル)が出力される。これにより、定着部30の過昇温が長時間継続することで、定着部30の構成部品、例えばベルト31、固定パッド32、ガイド部材33や加圧ローラー38などがその熱の影響を受けて変形などに至る事態を防止できる。
本開示は、画像形成装置に限られず、被加熱部材の過昇温の検出方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本開示に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD-ROM、DVD-RAM、CD-ROM、CD-R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
〔12〕変形例
以上、本開示を実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、ベルト目標温度Taの異なるカラーとモノクロのプリントモードのいずれが選択されるかによって、出力信号のレベルがHとLレベルのいずれかに切り替わるベルト接離検出センサー69によるベルト位置検出信号を、異なるベルト目標温度Taのうち、現在の目標温度を指標する信号として用いて、保護回路105のマルチプレクサ123の選択制御S信号とする構成例を説明したが、これに限られない。
例えば、用紙サイズを検出する用紙サイズ検出センサー28の出力信号を選択制御S信号とすることもできる。具体的には、A3やB4などの大サイズの用紙に対するベルト目標温度Taを高くし、A4やB5などの小サイズの用紙に対するベルト目標温度Taを低くする構成をとる。なぜなら、大サイズの方が小サイズよりも面積が大きい分、定着ベルト31から奪う熱量が多くなるので、ベルト目標温度Taを高くすることで、用紙Sに熱を奪われても定着ニップ3の温度を維持して定着性を向上できるからである。
この構成の場合、プリントジョブごとに用紙サイズ検出センサー28による用紙サイズ検出信号を現在のベルト目標温度を指標する信号と捉えることで、プリントジョブ実行中に第1、第2過昇温検出回路121、122のうち、現在のベルト目標温度Taに対応する回路を適切に選択することができる。
図14は、本変形例に係る温度管理テーブル820の内容例を示す図である。
同図に示すように温度管理テーブル820のベルト目標温度Ta欄と過昇温検知温度Tb欄は、図6に示すカラーモードとモノクロモードに代えて、小サイズと大サイズの2つに分けられている。ここでは、小サイズとはA4以下のサイズ、例えばA4やB5の用紙Sをいい、大サイズとはA4よりも大きいサイズ、例えばB4やA3の用紙Sをいう。大サイズの場合のベルト目標温度T2と過昇温検知温度T12が小サイズの場合のベルト目標温度T1と過昇温検知温度T11よりも大きくなっている。温度管理テーブル820の内容に従ってCPU101による定着ベルト温調制御が行われることは、上記の実施の形態と同じある。以降で説明する温度管理テーブル821などについても同様である。
用紙サイズ検出センサー28は、大サイズを検出したときにLレベル(=0)を出力し、小サイズを検出したときにHレベル(=1)を出力する構成になっており、上記のベルト接離検出センサー69と同様にハードウエア要素である。
そして、プリント実行の際に給紙される用紙Sのサイズが用紙サイズ検出センサー28により大サイズと検出された場合には、用紙サイズ検出センサー28からLレベル(=0)の検出信号が出力される。用紙サイズ検出センサー28から出力されたLレベル(=0)の検出信号が信号保持回路107を通じて、保護回路105のマルチプレクサ123の選択制御S信号として選択制御S端子に入力される。これにより、第1、第2過昇温検出回路121、122のうち、大サイズの用紙S、つまり現在のベルト目標温度T2に対応する第2過昇温検出回路122を選択することができる。
プリント実行の際に給紙される用紙Sのサイズが小サイズと検出された場合には、用紙サイズ検出センサー28からHレベル(=1)の検出信号が出力される。用紙サイズ検出センサー28から出力されたHレベル(=1)の検出信号が信号保持回路107を通じてマルチプレクサ123の選択制御S端子に入力される。これにより、小サイズの用紙S、つまり現在のベルト目標温度T1に対応する第1過昇温検出回路121を選択することができる。
このように用紙サイズ検出センサー28の出力信号を用いることでも、上記のカラーとモノクロのプリントモードの切り替えと同様に、ベルト目標温度に適した過昇温検出回路を選択することができる。
(2)上記実施の形態では、プリント実行中に定着部30が過昇温の状態に至った場合の過昇温検出の例を説明したが、これに限られない。例えば、プリントジョブの指示の待機中にプリント時よりもベルト目標温度Taを少し下げて温調制御を行うような場合に、プリント中と待機中とでベルト目標温度Taが異なるモードになる。プリント中と待機中とでベルト目標温度を切り替える構成でも、そのベルト目標温度に応じた過昇温検出回路の選択を行うことができる。
図15は、本変形例に係る温度管理テーブル821の内容例を示す図である。
同図に示すように温度管理テーブル821のベルト目標温度Ta欄と過昇温検知温度Tb欄は、待機中とプリント中の2つに分けられている。プリント中のベルト目標温度T6の方が待機中のベルト目標温度T5よりも高く、プリント中の過昇温検知温度T16の方が待機中の過昇温検知温度T15よりも高いという関係になっている。
プリント中には、搬送路25上を用紙Sが搬送される。一方で待機中には、用紙Sが搬送されない。このことから、用紙有無検出センサー29の検出信号が搬送路25上の用紙Sを検出していることを示す信号と検出していないことを示す信号のいずれであるかによって、現在がプリント中、つまりベルト目標温度がT6であるか、待機中、つまりベルト目標温度がT5であるかを判断できる。用紙有無検出センサー29の検出信号が現在のベルト目標温度を指標する信号になる。
用紙有無検出センサー29としては、上記のベルト接離検出センサー69と同様のハードウエア要素、例えば反射型または透過型の光学センサーが用いられ、用紙Sを検出しているときにLレベル(=0)を出力し、用紙Sを検出していないときにHレベル(=1)を出力する構成とする。
この用紙有無検出センサー29の検出信号を、信号保持回路107を通じてマルチプレクサ123の選択制御S端子に入力するように構成すれば、プリント中には、現在のベルト目標温度T6に対応する第2過昇温検出回路122が選択され、待機中には、現在のベルト目標温度T5に対応する第1過昇温検出回路121が選択される。用紙有無検出センサー29は、ハードウエア要素からなるものであれば、光学センサー以外の種類のものでも良い。
(3)また、プリンター1の周辺環境に応じて、プリント時のベルト目標温度Taを変更する構成をとる場合、装置周辺環境を検出する環境センサーの出力信号から過昇温検出回路を選択する構成をとることもできる。
図16は、本変形例に係る温度管理テーブル822の内容例を示す図である。
同図に示すように温度管理テーブル822のベルト目標温度Ta欄と過昇温検知温度Tb欄は、低温環境と通常環境の2つに分けられている。低温環境とは、装置周辺温度が例えば15℃以下の場合をいい、通常環境とは、装置周辺温度が例えば15℃を超える場合をいう。低温環境のベルト目標温度T7の方が通常環境のベルト目標温度T8よりも高く、低温環境の過昇温検知温度T17の方が通常環境の過昇温検知温度T18よりも高いという関係になっている。低温環境の方が通常環境よりも定着部30の熱が周囲に放熱し易いので、その分、ベルト目標温度Taを高くすることで、放熱しても定着ニップ3の温度を維持して定着性を向上できるからである。
環境センサーは、ここでは温度センサーであり、低温環境を検出したときにLレベル(=0)を出力し、通常環境を検出したときにHレベル(=1)を出力する構成とし、さらに、環境センサーの出力信号が信号保持回路107を通じてマルチプレクサ123の選択制御S端子に入力されるように構成する。
これにより、例えばプリント実行に際して環境センサーにより低温環境が検出された場合には、マルチプレクサ123により、低温環境、つまり現在のベルト目標温度T7に対応する第2過昇温検出回路122が選択され、通常環境が検出された場合には、通常環境、つまり現在のベルト目標温度T8に対応する第1過昇温検出回路121が選択される。
このように環境センサーの出力信号を用いることでも、上記のカラーとモノクロのプリントモードの切り替えと同様に、ベルト目標温度に適した回路を選択することができる。環境センサーの出力信号が現在のベルト目標温度を指標する信号になる。また、環境センサーが上記のベルト接離検出センサー69と同様のハードウエア要素になる。
上記では、低温環境と通常環境の2つについてベルト目標温度を切り替えるとしたが、これに代えて、例えば低温環境と通常環境と高温環境(例えば30℃以上)の3つについてこの順にベルト目標温度を下げて行く構成とすることもできる。
この構成をとる場合、異なる3つのベルト目標温度Taとこれに対応する閾値温度を比較することができる3つの過昇温検出回路を設ける。そして、環境センサーが2ビットの信号を出力可能にして、その2ビットの信号で3つの環境(低温環境、通常環境、高温環境)を区別して示し、保護回路105のマルチプレクサ123では、3つの過昇温検出回路のうち、環境センサーの2ビットの出力信号で示される一つの環境、つまりベルト目標温度に対応する回路を選択できるように構成することで実現できる。
また、装置周辺環境を周辺温度とした場合の例を説明したが、これに限られず、例えば湿度や気圧を周辺環境とすることもできる。装置構成によっては、湿度や気圧の変化に応じてベルト目標温度を変更することで定着性を向上できる構成もあるからである。
(4)上記実施の形態では、カラーとモノクロのプリントモードに応じて過昇温検出回路を選択する構成例を説明し、変形例(1)では、用紙サイズに応じて過昇温検出回路を選択する例を説明したが、これらを組み合わせることもできる。
図17は、本変形例に係る温度管理テーブル823の内容例を示す図である。
同図に示すように温度管理テーブル823は、プリントモードと用紙サイズの2つを組み合わせた場合(具体的には図6と図14)におけるベルト目標温度Taと過昇温検知温度Tbが記憶されてなるテーブルである。
カラーモードにおいてベルト目標温度Taと過昇温検知温度Tbを小サイズと大サイズとで異ならせている点が、図6に示す実施例から変更されている部分になる。カラーモードかつ大サイズの場合のベルト目標温度T3の方が、カラーモードかつ小サイズの場合のベルト目標温度T2よりも高くなっている。同じカラーモードでも、大サイズの用紙Sの方が小サイズよりも上記のようにベルト目標温度を高くした方が定着性の向上に繋がるからである。過昇温検知温度Tbについても同様の大小関係を有する。
プリントモードと用紙サイズの2つを組み合わせた場合の保護回路の例として、図18(a)に示す保護回路205を用いることができる。
図18(a)に示すように保護回路205は、コンパレーター251と、抵抗R11とスイッチ回路SW3と抵抗R12とスイッチ回路SW2とが直列接続された直列回路252と、スイッチ回路SW1と抵抗R13とが直接接続された直列回路253とを含むハードウエア回路である。直列回路252と253は、定電圧源Vccの電圧を分圧する分圧回路を構成している。
直列回路252の一端は、定電圧源Vccに接続されており、直列回路252の他端は接地されている。直列回路252における抵抗R11とスイッチ回路SW3の間の部位257がコンパレーター251の入力端子2(-)に接続されている。
直列回路253の一端は、直列回路252における抵抗R11とスイッチ回路SW3の間の部位259に接続されており、直列回路253の他端は接地されている。
コンパレーター251の入力端子3(+)には、定着温度検出センサー39の検出信号(アナログ電圧)が入力されている。
スイッチ回路SW1は、ベルト接離検出センサー69の出力信号がLレベルのとき(カラーモードのとき)にオフ(非導通)になり、Hレベルのとき(モノクロモードのとき)にオン(導通)になるように切り替えられる。
スイッチ回路SW2は、用紙サイズ検出センサー28の出力信号がLレベルのとき(大サイズのとき)にオフ(非導通)になり、Hレベルのとき(小サイズのとき)にオン(導通)になるように切り替えられる。
スイッチ回路SW3は、ベルト接離検出センサー69の出力信号がLレベルのとき(カラーモードのとき)にオン(導通)になり、Hレベルのとき(モノクロモードのとき)にオフ(非導通)になるように切り替えられる。なお、スイッチ回路SW1とSW3は、ベルト接離検出センサー69の出力信号が同時に入力されたときに、一方がオンになると他方がオフになる関係を有する。仮に、スイッチ回路SW1とSW3を同じ部材とする場合、ベルト接離検出センサー69からスイッチ回路SW1までの信号ラインと、ベルト接離検出センサー69からスイッチ回路SW3までの信号ラインの一方のみに、そのライン上にインバーター(不図示)を介在させることで、一方がオン、他方がオフを実現できる。
図18(b)は、カラーモードとモノクロモード、小サイズと大サイズの組み合わせに応じてスイッチ回路SW1~SW3のオンとオフがどのように変わるのを示す図である。
例えば、カラーモードかつ小サイズの用紙Sの場合、スイッチ回路SW1がオフ、スイッチ回路SW2とSW3がオンになるので、図18(a)においてコンパレーター251の入力端子2(-)には、抵抗R11とR12で定電圧源Vccの電圧が分圧された電圧(例えばV11)が入力される。この電圧V11は、カラーモードかつ小サイズの用紙Sの場合のプリント時における過昇温を検出するための閾値電圧になる。
カラーモードかつ小サイズの用紙Sの場合のプリント中に、コンパレーター251の入力端子3(+)に入力される定着温度検出センサー39の検出電圧が入力端子2(-)に入力されている閾値電圧V11を超えると、コンパレーター251の出力端子1から過昇温の発生を示すHレベルの信号がヒーター制御回路106に出力される。
また、カラーモードかつ大サイズの用紙Sの場合、スイッチ回路SW1とSW2の両方がオフになり、スイッチ回路SW3はオンになるので、図18(a)においてコンパレーター251の入力端子2(-)には、定電圧源Vccの電圧(例えばV12)が入力される。電圧V12とV11は、V11<V12の関係を有する。電圧V12は、カラーモードかつ大サイズの用紙Sの場合のプリント時における過昇温を検出するための閾値電圧になる。
カラーモードかつ大サイズの用紙Sの場合のプリント中に、コンパレーター251の入力端子3(+)に入力される定着温度検出センサー39の検出電圧が入力端子2(-)に入力されている閾値電圧V12(=Vcc)を超えると、コンパレーター251の出力端子1から過昇温の発生を示すHレベルの信号がヒーター制御回路106に出力される。
さらに、モノクロモードの場合、スイッチ回路SW1がオン、SW3がオフになるので、スイッチ回路SW2のオンとオフに関係なく、図18(a)においてコンパレーター251の入力端子2(-)には、抵抗R11とR13で定電圧源Vccの電圧が分圧された電圧(例えばV13)が入力される。この電圧V13は、モノクロモードの場合のプリント時における過昇温を検出するための閾値電圧になる。電圧V13は、電圧V11とV12とは異なる。
モノクロモードのプリント中に、コンパレーター251の入力端子3(+)に入力される定着温度検出センサー39の検出電圧が入力端子2(-)に入力されている閾値電圧V13を超えると、コンパレーター251の出力端子1から過昇温の発生を示すHレベルの信号がヒーター制御回路106に出力される。
このようにハードウエア要素としてのベルト接離検出センサー69と用紙サイズ検出センサー28の出力信号により切り替わるスイッチ回路SW1~SW3により、カラーモードかつ大サイズの用紙Sの場合でも小サイズの用紙Sの場合でモノクロモードの場合でも、それぞれベルト目標温度T3、T2、T1に対応する閾値電圧V11、V12、V13を用いて、過昇温発生の検出を適切に行うことができる。
(5)上記実施の形態では、ベルト接離検出センサー69や用紙サイズ検出センサー28の出力信号を、現在のベルト目標温度を指標する信号とする例を説明したが、これに限られない。ソフトウエア制御を介さずに、ベルト目標温度を指標する信号を出力可能な電気要素(ハードウエア要素)であれば良い。
例えば、加圧ローラー38を通じて定着ベルト31をモノクロモードでは高速回転させて用紙Sを高速で搬送させ、モノクロモードよりもベルト目標温度が高いカラーモードでは低速回転させて用紙Sを低速で搬送させる駆動モーター380が、現在の速度を示す信号、具体的にはカラーモードでの低速回転時にLレベルの信号を出力し、モノクロモードでの高速回転時にHレベルの信号を出力する構成の場合、駆動モーター380をハードウエア要素の一つとすることができる。
図19(a)は、本変形例においてカラーモードのときに駆動モーター380から出力された回転速度を示す回転速度信号が信号保持回路107を経て保護回路105のマルチプレクサ123に選択制御S信号として入力される流れを説明するためのブロック図である。
カラーモードのときに選択制御S信号がLレベルになることにより、上記実施の形態と同様に、高いベルト目標温度に対応する第2過昇温検出回路122が選択される。
図19(b)は、本変形例においてモノクロモードのときに駆動モーター380から出力された回転速度信号が信号保持回路107を経て保護回路105のマルチプレクサ123に選択制御S信号として入力される流れを説明するためのブロック図である。
モノクロモードのときに選択制御S信号がHレベルになることにより、上記実施の形態と同様に、低いベルト目標温度に対応する第1過昇温検出回路121が選択される。駆動モーター380の回転速度が速いということは、用紙Sの搬送速度が高速になることであり、用紙Sの搬送速度が高速ということは、プリント速度(画像形成速度)が速いといえるので、駆動モーター380の回転速度信号は、プリント速度を示す信号と捉えることもできる。
また、駆動モーター380に代えて、例えばモノクロモードでは低速回転し、カラーモードでは高速回転するファンモーター(不図示)が、現在の回転速度を示す回転速度信号、具体的にはカラーモードでの高速回転時にLレベルの信号を出力し、モノクロモードでの低速回転時にHレベルの信号を出力する構成の場合、このファンモーターをハードウエア要素の一つとすることができる。ファンモーターの出力信号が選択制御S信号としてマルチプレクサ123に入力される。
さらに、例えば給紙部20における搬送ローラー23を駆動する駆動モーター(不図示)を有し、その駆動モーターの駆動力を搬送ローラー23に伝える駆動伝達経路(不図示)の途中に、駆動力の伝達と遮断(非伝達)を切り替える電磁クラッチなどのクラッチが介在されている構成では、そのクラッチを上記のハードウエア要素とすることもできる。
具体的には、クラッチがオン(駆動力の伝達)しているときにはプリント中であり、クラッチがオフ(駆動力の遮断)しているときには、プリントジョブの待機中であることを判別できる。つまり、上記の変形例(2)に係る用紙有無検出センサー29の出力信号と同様に、クラッチが現在、オン(動作)とオフ(動作しない)のいずれであるかを示す信号(HまたはLレベル)を出力し、その出力信号が選択制御S信号としてマルチプレクサ123に入力されるように構成することで、異なる目標温度に適した過昇温検出回路を選択できる。
また、クラッチに代えて、例えば中間転写ベルト71を接触位置と離隔位置に切り替える揺動駆動部70にソレノイド(不図示)が含まれ、ソレノイドのプランジャーがソレノイド本体に対して進退する直線運動を、中間転写ベルト71を揺動させる力に変換する機構の場合、そのソレノイドをハードウエア要素とすることもできる。
具体的には、カラーモードのときには、ソレノイドがオフして(動作しない)、中間転写ベルト71が接触位置に位置し、モノクロモードのときには、ソレノイドがオンして(動作して)、中間転写ベルト71が離隔位置に位置する構成の場合、カラーモードのときにLレベルの信号を出力し、モノクロモードのときにHレベルの信号を出力する機能を有するソレノイドを用いる。
カラーモードのときには、ソレノイド自身から出力されたLレベルの信号が選択制御S信号としてマルチプレクサ123に入力されることで、第2過昇温検出回路122が選択される。一方、モノクロモードのときには、ソレノイド自身から出力されたHレベルの信号が選択制御S信号としてマルチプレクサ123に入力されることで、第1過昇温検出回路121が選択される。
このように第1の目標温度のときは動作して、第2の目標温度のときは動作しないクラッチやソレノイドなどのアクチュエーターをハードウエア要素とすることでも、ベルト目標温度に適した過昇温検出回路を選択できるようになる。
また、制御基板40に実装された信号保持回路107を、ベルト目標温度を指標する信号を出力するハードウエア要素と捉えることもできる。
(6)上記実施の形態および変形例では、センサーやモーター、クラッチなどをハードウエア要素とする例を説明したが、これらに限られない。
例えば、図20(a)に示すような雄型の短絡コネクター200が雌型のコネクター182に接続されるか接続されないかによって出力信号(HまたはLレベル)を切り替える出力回路180をハードウエア要素として用いる構成をとることもできる。
この構成は、上記の「発明が解決しようとする課題」の項で説明した一つの制御基板を画像形成速度(プリント速度)が異なる低速機と高速機で共用する場合に好適である。以下、具体的に説明する。
出力回路180は、フォトカプラー181と雌型のコネクター182を含む。
フォトカプラー181は、発光ダイオード185とフォトトランジスター186を含む。発光ダイオード185のアノードは、抵抗Raを介して定電圧源Vcc1に接続されており、カソードは、雌型のコネクター182の第1の雌ピン281に接続されている。雌型のコネクター182の第2の雌ピン282は、接地されている。
フォトトランジスター186のコレクタ端子は、抵抗Rbを介して定電圧源Vcc2に接続されているとともに出力端子189に接続されている。フォトトランジスター186のエミッタ端子は、接地されている。
雄型の短絡コネクター200は、第1の雄ピン201と第2の雄ピン202を有し、第1と第2の雄ピン201、202が短絡ワイヤー203で短絡(接続)されている。
短絡コネクター200が雌型のコネクター182から取り外された状態(同図の状態)では、第1、第2の雌ピン281、282が電気的に絶縁状態になって、抵抗Raと発光ダイオード185からなる直列回路188に電流が流れず、発光ダイオード185が発光しない。発光ダイオード185が発光しないことから、フォトトランジスター186がオンにならず、出力端子189が定電圧源Vcc2と同電位の状態になる。この状態を出力端子189からHレベルの信号が出力される状態という。
短絡コネクター200が雌型のコネクター182に装着されると、第1の雄ピン201が第1の雌ピン281に電気的に接続されるとともに第2の雄ピン202が第2の雌ピン282に電気的に接続されて、第1、第2の雌ピン281、282が短絡して導通状態になる。これにより、直列回路188に電流が流れて、発光ダイオード185が発光することで、フォトトランジスター186がオンになって、出力端子189の電圧が略0ボルトになる。この状態を出力端子189からLレベルの信号が出力される状態という。
出力回路180の出力信号は、CPU101の機種判別用入力ポートに入力されるとともに、保護回路105のマルチプレクサ123の選択制御S端子に入力される。なお、本変形例では、選択制御S端子に入力されるのは、出力回路180の出力信号だけとする。
CPU101は、図20(b)に示す機種判別テーブル199を参照して、機種判別用入力ポートにHレベルの信号が入力されると、現在、制御基板40が組み込まれているプリンター1が低速機であることを認識し、Lレベルの信号が入力されると、現在、制御基板40が組み込まれているプリンター1が高速機であることを認識して、認識した機種に応じた制御を行う。
この制御は具体的には、低速機と認識した場合、予め決められた低速機用のシステム速度で感光体ドラム61Y~61Kや中間転写ベルト71、搬送ローラー23などの給紙搬送用の各ローラー、加圧ローラーなどの回転部材を回転させる速度制御とともに、定着ベルト31のベルト目標温度Taを低速機用の温度(例えばT51)に設定しつつ定着ベルト31の温度が目標温度T51に維持されるようにヒーター36による温調制御を行う。
一方、高速機と認識した場合、予め決められた高速機用のシステム速度で感光体ドラム61Y~61Kなどの回転部材を回転させる速度制御とともに、ベルト目標温度Taを高速機用の温度(例えばT52>T51)に設定しつつ定着ベルト31の温度が目標温度T52に維持されるようにヒーター36による温調制御を行う。
プリンター1は、工場で低速機として製造される際には、短絡コネクター200が未装着の状態にされ、高速機として製造される際には、短絡コネクター200が装着した状態にされる。製造されたプリンター1が工場から出荷後、顧客のオフィス等に設置されてプリンター1に電源投入されると、CPU101は、自己の機種判別用入力ポートの入力信号から、プリンター1が低速機であるか高速機であるかを認識して、その認識した機種に応じた上記の速度制御や温調制御を行う。
低速機の場合、短絡コネクター200が未装着状態になるので、出力回路180の出力信号(画像形成速度を示す信号)がHレベルになり、このHレベルの出力信号が信号保持回路107を通じて選択制御S信号としてマルチプレクサ123に入力される。
これにより、保護回路105において第1、第2過昇温検出回路121、122のうち、低速機、つまり低いベルト目標温度T51に対応する第1過昇温検出回路121が選択されて、定着部30の過昇温が検出される。
一方、高速機の場合、短絡コネクター200が装着状態になるので、出力回路180の出力信号(画像形成速度を示す信号)がLレベルになり、このLレベルの出力信号が信号保持回路107を通じて選択制御S信号としてマルチプレクサ123に入力される。これにより、保護回路105において、高速機、つまり高いベルト目標温度T52に対応する第2過昇温検出回路122が選択されて、定着部30の過昇温が検出される。
出力回路180は、上記のベルト接離検出センサー69などと同様に、CPU101によるプログラムの内容に従ったソフトウエア制御とは電気的に切り離されており、CPU101の暴走の影響を受けないハードウエア回路である。
このような出力回路180を制御基板40に実装することで、低速機でも高速機でも一つの制御基板40を共用しつつ、プリント速度が遅いために低いベルト目標温度が設定された低速機でも、プリント速度が速いために高いベルト目標温度が設定された高速機でも、短絡コネクター200を装着するか装着しないかの操作者(人)による簡単な操作で、ベルト目標温度に応じた過昇温検出回路を選択することが可能になる。
上記では、操作者による所定の操作(装着または未装着)が施されることによって目標温度ごとに対応する異なる信号を出力する電気部品として、短絡コネクター200を用いるとしたが、これに限られない。短絡コネクター200に代えて、例えば直列回路188上にディップスイッチ(不図示)を設けるとともに発光ダイオード185のカソードを接地させる構成に変更して、低速機の場合にはディップスイッチをオフ(非通電)に、高速機の場合にはディップスイッチをオン(通電)に工場などで切り替える所定の操作を操作者が行うことで、上記同様の出力信号を得られる。
なお、上記では、低速機と高速機というプリント速度の違いを判別するために短絡コネクター200を用いるとしたが、これに限られない。
例えば、機種ごとに異なるワット数のヒーター36(発熱体)が配置されている場合に、そのワット数、具体的には1300Wや800Wなどを判別するために用いることもできる。ヒーター36(熱源)への供給電力の大きさ(ワット数)が大きいものの方が小さいものよりもベルト目標温度を高く設定している場合に、そのワット数の大きさから、ベルト目標温度に対応する出力信号を出力することで、プリント速度信号の判別と同様に、ベルト目標温度に応じた過昇温検出回路を選択することが可能になる。
例えば、図20(b)に示す機種判別テーブル199の低速機を800W、高速機を1300Wに書き替えたテーブルを有する構成とすれば、800Wなどの低ワット数の場合、短絡コネクター200が未装着状態になり、出力回路180からHレベルの出力信号(発熱体のワット数の大きさを示す信号)が信号保持回路107を通じて選択制御S信号としてマルチプレクサ123に入力される。
一方、1300Wなどの高ワット数の場合、短絡コネクター200が装着状態になり、出力回路180からLレベルの出力信号(発熱体のワット数の大きさを示す信号)が信号保持回路107を通じて選択制御S信号としてマルチプレクサ123に入力される。
これにより、低ワット数のヒーター36が装着されたプリンター1では、CPU101が低ワット数、ここでは800Wのヒーター36に対する温調制御を行うとともに、保護回路105では、低いベルト目標温度に対応する第1過昇温検出回路121を用いて過昇温の検出を行うことができる。
一方、高ワット数のヒーター36が装着された別のプリンター1では、CPU101が高ワット数、ここでは1300Wのヒーター36に対する温調制御を行うとともに、保護回路105では、高いベルト目標温度に対応する第2過昇温検出回路122を用いて過昇温の検出を行うことができる。
(7)上記実施の形態では、中間転写ベルト71の一部を感光体ドラム61Y~61Cに対して接触、離隔させる構成例を説明したが、これに限られない。中間転写ベルト71と感光体ドラム61Y~61Cとが接離する方向(遠近方向)に相対移動する構成であれば良く、例えば、感光体ドラム61Y~61Cが中間転写ベルト71に対して上下方向に接離する方向に移動する構成をとることもできる。
(8)上記実施の形態では、定着部材を定着ベルト31とする構成例を説明したが、これに限られず、定着ベルト31に代えて、例えば定着ローラーを用いる構成とすることもできる。また、熱源としてのヒーター36をハロゲンヒーターとする構成例を説明したが、これに限られず、例えばニクロム線ヒーターを用いることもできる。
また、熱源により加熱される被加熱部材としての定着部材は、上記の定着ベルト31に限られず、例えば、通電により発熱する材料を含む抵抗発熱体からなる定着ベルトや、電磁誘導により発熱する材料を含む電磁誘導加熱方式における定着ベルトなどの定着部材とすることもできる。通電などにより発熱する材料が熱源になる。
また、被加熱体を定着部材とする例を説明したが、これに限られない。例えば、給紙トレイ21に収容されている用紙Sの湿気をとるために、給紙トレイ21よりも下方の装置筐体の底壁に配された不図示のヒーター(熱源)で装置筐体の底壁(被加熱部材)に熱を供給するとともに、給紙トレイ21内の用紙Sの周辺温度をセンサーで検出して、その検出温度が目標温度になるようにヒーターを制御する構成において、装置周辺環境(特に湿度の高低)やジョブ実行の有無などに応じて目標温度を変更する制御にも、上記のハードウエアプロテクトを適用できる。また、装置筐体の底壁に代えて、例えば装置筐体の側壁や給紙トレイ21の底板や側板などを小電力のヒーターにより加熱して装置筐体内の温度を上げることで用紙の湿気をとるような構成にも適用できる。
(9)上記実施の形態では、本開示に係る画像形成装置をタンデム型のカラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。定着ベルトなどの被加熱部材を有する画像形成装置に適用できる。画像形成装置としては、カラー画像形成を実行可能なものやモノクロ画像形成のみが実行可能なものに適用でき、またプリンターに限られず、例えば複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等の画像形成装置に適用できる。
上記の各部材の大きさや形状、各回路の構成などは一例であり、装置構成に応じて適した大きさや形状、回路構成等が予め決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしてもよい。
本開示は、被加熱部材を有する画像形成装置に広く適用することができる。
1 プリンター
28 用紙サイズ検出センサー
30 定着部
36 ヒーター
39 定着温度検出センサー
40 制御基板
69 ベルト接離検出センサー
101 CPU
105 保護回路
106 ヒーター制御回路
107 信号保持回路
112 定着ベルト温度制御部
113 過昇温判断部
121、122 過昇温検出回路
123 マルチプレクサ
180 出力回路
199 機種判別テーブル
200 短絡コネクター
211、221、251 コンパレーター
380 駆動モーター

Claims (17)

  1. 熱源により加熱される被加熱部材の目標温度を異なる温度に切り替え可能であり、被加熱部材を切り替え後の目標温度になるように制御する画像形成装置であって、
    被加熱部材の温度を検出する検出部と、
    現在の目標温度を指標する信号を出力するハードウエア要素と、
    前記目標温度ごとに当該目標温度よりも高い温度に設定された閾値のうち、ハードウエア要素の出力信号が指標する現在の目標温度に対応する閾値と、前記検出部の検出温度との比較から、被加熱部材の過昇温を検出するハードウエア回路と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 被加熱部材の過昇温が検出されると、被加熱部材への加熱を停止させる制御回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記検出部により検出された被加熱部材の温度と閾値との比較から被加熱部材の過昇温の判断をプログラムの内容に従って行うソフトウエア制御要素を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記目標温度ごとに異なる位置に移動する移動部材を備え、
    前記ハードウエア要素は、前記移動部材の位置を検出するセンサーであり、前記移動部材の位置を示す信号を、前記指標する信号として出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 複数の感光体と、中間転写体と、カラー画像形成を行うカラーモードのときには複数の感光体が中間転写体に接触し、モノクロ画像形成を行うモノクロモードのときには一つの感光体が中間転写体に接触し、他の感光体が中間転写体から離隔するように、中間転写体と前記他の感光体を相対移動させる駆動部と、を備え、
    カラーモードとモノクロモードでは、前記被加熱部材の目標温度が異なり、
    前記移動部材は、前記相対移動する中間転写体または前記他の感光体であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記被加熱部材は、シート上の画像を定着させる定着部材であり、
    前記定着部材の目標温度は、シートのサイズごとに異なり、
    前記ハードウエア要素は、シートのサイズを検出するセンサーであり、検出したシートのサイズを示す信号を、前記指標する信号として出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記目標温度は、装置周辺の環境に応じて異なり、
    前記ハードウエア要素は、装置周辺の環境を検出するセンサーであり、検出した環境を示す信号を、前記指標する信号として出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記被加熱部材は、搬送されるシート上の画像を定着させる定着部材であり、
    前記定着部材の目標温度は、シートが搬送されている状態のときよりも搬送されていない状態のときの方が低く、
    前記ハードウエア要素は、搬送されるシートの有無を検出するセンサーであり、シートが搬送されている状態か否かを示す信号を、前記指標する信号として出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記ハードウエア要素は、前記目標温度ごとに対応して、回転速度が異なるモーターまたはファンであり、回転速度を示す回転速度信号を、前記指標する信号として出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記ハードウエア要素は、前記異なる目標温度のうち、第1の目標温度のときには動作するが、第2の目標温度のときには動作しないアクチュエーターであり、その動作の有無を示す信号を、前記指標する信号として出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記アクチュエーターは、ソレノイドまたはクラッチであり、前記アクチュエーターの動作の有無を示す信号は、前記ソレノイドまたはクラッチのオンまたはオフを示す信号であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記目標温度ごとに異なる位置に移動する移動部材と、
    前記移動部材の位置を検出するセンサーと、を備え、
    前記ハードウエア要素は、プリント基板上に実装された回路であり、前記センサーの検出信号を前記指標する信号として保持しつつ出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記ハードウエア要素は、操作者による所定の操作によって前記目標温度ごとに対応する異なる信号を、前記指標する信号として出力する電気部品であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記目標温度ごとに画像形成速度が異なる構成であり、
    前記ハードウエア要素は、画像形成速度を示す信号を、前記指標する信号として出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記熱源への供給電力の大きさにより前記目標温度が異なる構成であり、
    前記ハードウエア要素は、前記供給電力の大きさを示す信号を、前記指標する信号として出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記ハードウエア回路は、前記目標温度ごとに対応するコンパレーターと、マルチプレクサとを含み、
    各コンパレーターは、前記検出部の検出温度を示す電圧と、当該コンパレーターに対応する目標温度に対してこれよりも高い値に設定された閾値を示す電圧とを比較して、その比較した結果を、被加熱部材の過昇温の検出結果として出力し、
    マルチプレクサは、各コンパレーターの出力信号を入力するともにハードウエア要素の出力信号を選択制御信号として入力し、各コンパレーターのうち、ハードウエア要素の出力信号が指標する現在の目標温度に対応する閾値を用いるコンパレーターの出力信号を選択出力することを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  17. 前記ハードウエア回路は、コンパレーターと、分圧回路とを含み、
    前記分圧回路は、前記ハードウエア要素の出力信号が入力されると、当該出力信号が指標する現在の目標温度に対応する閾値を示す電圧を出力可能であり、
    前記コンパレーターは、前記検出部の検出温度を示す電圧と、前記ハードウエア要素の出力信号が入力されたときに前記分圧回路から出力される電圧とを比較して、その比較した結果を、被加熱部材の過昇温の検出結果として出力することを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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