JP2023085747A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動モータの回転速度が急変したとしても電動モータの消費動力の変化幅を小さく留めて、電動駆動式の走行駆動システム内におけるシステムトリップの発生を回避することが可能な作業車両を提供する。【解決手段】電動駆動式の走行駆動システムが搭載されたホイールローダ1において、コントローラ5は、アクセルペダル121の踏込量および操作レバー122の操作量に基づいて、エンジン31の出力可能動力のうち電動モータ34で消費させる消費動力を演算し、演算した消費動力または消費動力を基に演算したトルクを指令信号として電動モータ用インバータ4に対して出力し、電動モータ用インバータ4は、コントローラ5から出力された指令信号および電動モータ34の補正回転速度Fcに基づいて、電動モータ34の補正トルクTrcに係る指令電流値を演算し、演算した指令電流値を有する電流を電動モータ34に対して出力する。【選択図】図4
Description
本発明は、電動駆動式の走行駆動システムが搭載された作業車両に関する。
近年、燃費低減を図ることを目的として、電動駆動式の走行システムが採用された作業車両が登場している。一般的に、電動駆動式の走行システムは、エンジンと、エンジンにより駆動される発電機と、発電機で発生した電力を回転力に変換する電動モータと、電動モータで発生するトルクを制御するインバータと、インバータを制御するコントローラと、を含んで構成される。
例えば、作業車両の一態様であるホイールローダは、車体の前部に取り付けられた作業装置を用いて、土砂や砕石などを含む地山を掘削する掘削作業を行う。この掘削作業では、ホイールローダが掘削対象である地山にバケットを貫入させる際に、車輪および電動モータが急減速する。さらに、ホイールローダがバケットを地山に押し込んでいく際には車輪がスリップしやすい。車輪がスリップすると電動モータの回転速度が急増速する。電動モータの回転速度が急減速したり急増速したりすると、電動モータの消費動力が急変してバス電圧が低電圧または高電圧になることから、走行駆動システム内でシステムトリップが発生する場合がある。
電動モータの消費動力の急変は、電動モータの回転速度が急変した場合に一定のトルクを出力し続けようとすることで発生する。そこで、例えば、特許文献1に開示されたホイールローダでは、バス電圧の低下を検知し、検知したバス電圧の低下に応じて電動モータの出力トルクが減少するように電動モータを制御することにより、電動モータの消費動力の急増を抑制して走行駆動システム内におけるシステムトリップの発生を回避している。
特許文献1に記載のホイールローダでは、例えば車体がスリップしたとき、電動モータの消費動力が急増することを防ぐべく、コントローラからインバータに対して出力するトルク指令を、電動モータの出力トルクが減少するように制御している。そして、電動モータの出力トルクが減少し電動モータの回転速度が減少した後に車体がグリップすると、コントローラは、電動モータの出力トルクを復帰させる。この一連の流れにおいて、コントローラの更新周期がインバータの更新周期よりも遅いことや、コントローラとインバータとの間の通信遅延などがあると、電動モータの出力トルクの変化幅が大きくなる。さらにこの状況において、車体のスリップやグリップ動作の繰り返し、すなわち電動モータの出力トルクの急変が繰り返されると、ドライバビリティが悪化する。
そこで、本発明の目的は、電動モータの回転速度が急変したとしても電動モータの消費動力の変化幅を小さく留めて、電動駆動式の走行駆動システム内におけるシステムトリップの発生を回避することが可能な作業車両を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、複数の車輪が設けられた車体と、前記車体を構成するフレームに取り付けられた作業装置と、前記車体に搭載されたエンジンと、前記作業装置を操作するための操作装置と、前記操作装置の操作量に基づいて前記作業装置を駆動する油圧シリンダと、前記エンジンにより駆動されて前記油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプと、前記車体の駆動力を制御するためのアクセルペダルと、前記エンジンにより駆動される発電機と、前記発電機で発生した電力を回転力に変換して前記複数の車輪に伝達する電動モータと、前記電動モータで発生させるトルクを演算し、電流を制御する電動モータ用インバータと、前記電動モータで消費させる消費動力に係る指令信号を前記電動モータ用インバータに対して出力するコントローラと、前記アクセルペダルの踏込量を検出する踏込量検出装置と、前記電動モータの回転速度を検出する回転速度検出装置と、前記操作装置の操作量を検出する操作量検出装置と、を備えた作業車両において、前記コントローラは、前記踏込量検出装置で検出された前記アクセルペダルの踏込量と、前記操作量検出装置で検出された前記操作装置の操作量と、に基づいて、前記エンジンの出力可能動力のうち前記電動モータで消費させる前記消費動力を演算し、演算した前記消費動力に基づいた前記指令信号を前記電動モータ用インバータに対して出力し、前記電動モータ用インバータは、前記コントローラから出力された前記指令信号と、前記回転速度センサで検出された前記電動モータの回転速度に基づいた補正回転速度と、に基づいて、前記電動モータで発生するトルクに係る指令電流値を演算し、演算した前記指令電流値を有する電流を前記電動モータに対して出力することを特徴とする。
本発明によれば、電動モータの回転速度が急変したとしても電動モータの消費動力の変化幅を小さく留めて、電動駆動式の走行駆動システム内におけるシステムトリップの発生を回避することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の各実施形態に係る作業車両の一態様として、例えば土砂や鉱物といった作業対象物を掘削してダンプトラックなどの積込み先へ積み込む荷役作業を行うホイールローダについて説明する。
<ホイールローダ1の全体構成>
まず、ホイールローダ1の全体構成について、図1を参照して説明する。
まず、ホイールローダ1の全体構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の各実施形態に係るホイールローダ1の一構成例を示す外観側面図である。
ホイールローダ1は、車体が中心付近で中折れすることにより操舵されるアーティキュレート式の作業車両である。具体的には、車体の前部となる前フレーム1Aと車体の後部となる後フレーム1Bとが、センタジョイント10によって左右方向に回動自在に連結されており、前フレーム1Aが後フレーム1Bに対して左右方向に屈曲する。
車体には4つの車輪11が設けられており、2つの車輪11が前輪11Aとして前フレーム1Aの左右両側に、残り2つの車輪11が後輪11Bとして後フレーム1Bの左右両側に、それぞれ設けられている。なお、図1では、左右一対の前輪11Aおよび後輪11Bのうち、左側の前輪11Aおよび後輪11Bのみを示している。また、車体に設けられる複数の車輪11の具体的な数については、特に制限はない。
前フレーム1Aの前部には、荷役作業に用いる油圧駆動式の作業装置2が取り付けられている。作業装置2は、前フレーム1Aに基端部が取り付けられたリフトアーム21と、リフトアーム21を駆動する2つのリフトアームシリンダ22と、リフトアーム21の先端部に取り付けられたバケット23と、バケット23を駆動するバケットシリンダ24と、リフトアーム21に回動可能に連結されてバケット23とバケットシリンダ24とのリンク機構を構成するベルクランク25と、を有している。
なお、2つのリフトアームシリンダ22およびバケットシリンダ24はいずれも、作業装置2を駆動する油圧シリンダの一態様である。また、2つのリフトアームシリンダ22は車体の左右方向に並んで配置されているが、図1では、左側に配置されたリフトアームシリンダ22のみを破線で示している。
リフトアーム21は、2つのリフトアームシリンダ22に作動油が供給されて各ロッド220が伸縮することにより、前フレーム1Aに対して上下方向に回動する。より具体的には、リフトアーム21は、2つのリフトアームシリンダ22の各ロッド220が伸びることにより前フレーム1Aに対して上方向に回動し、各ロッド220が縮むことにより前フレーム1Aに対して下方向に回動する。
バケット23は、バケットシリンダ24に作動油が供給されてロッド240が伸縮することにより、リフトアーム21に対して上下方向に回動する。より具体的には、バケット23は、バケットシリンダ24のロッド240が伸びることによりチルト(リフトアーム21に対して上方向に回動)し、ロッド240が縮むことによりダンプ(リフトアーム21に対して下方向に回動)する。
なお、バケット23は、例えばブレードなどの各種アタッチメントに交換することが可能であり、ホイールローダ1は、バケット23を用いた掘削作業の他に、押土作業や除雪作業などの各種作業を行うこともできる。
後フレーム1Bには、オペレータが搭乗する運転室12と、ホイールローダ1を駆動するために必要な各機器を内部に収容する機械室13と、車体が傾倒しないように作業装置2とのバランスを保つためのカウンタウェイト14と、が設けられている。後フレーム1Bにおいて、運転室12は前部に、カウンタウェイト14は後部に、機械室13は運転室12とカウンタウェイト14との間に、それぞれ配置されている。
<ホイールローダ1の駆動システム>
次に、ホイールローダ1の駆動システムについて、図2を参照して説明する。
次に、ホイールローダ1の駆動システムについて、図2を参照して説明する。
図2は、ホイールローダ1の駆動システムの一構成例を示すシステム構成図である。
ホイールローダ1は、電動駆動システムにより車体の走行が制御され、油圧駆動システムにより作業装置2およびステアリングの動作が制御される。電動駆動システムおよび油圧駆動システムの駆動源であるエンジン31は、例えばディーゼルエンジンなどの内燃機関を含んで構成され、電動駆動システムおよび油圧駆動システムで消費させる動力を確保できるように回転数(回転速度)が制御される。
電動駆動システムは、エンジン31により駆動される発電機32と、発電機32で発生するトルクを制御する発電機用インバータ33と、発電機32で発生した電力を回転力に変換する電動モータ34と、電動モータ34で発生するトルクを制御する電動モータ用インバータ4と、電動モータ34の出力側に接続されたトランスミッション35と、を含んで構成される。
発電機32は、ギア31Aを介してエンジン31に接続されると共に、発電機用インバータ33および電動モータ用インバータ4を介して電動モータ34に接続されておりエンジン31の出力トルクを基に発電し、発電した電力を電動モータ34に供給する。
発電機用インバータ33は、コントローラ5に電気的に接続されており、コントローラ5から出力された指令信号に基づいて、発電機32で発生するトルクに係る電流を発電機32に対して出力する。
電動モータ34は、発電機32から供給された電力を回転力に変換し、変換した回転力(トルク)をトランスミッション35に伝達する。電動モータ34の回転速度は、電動モータ34に取り付けられた回転速度検出装置としての回転速度センサ34Aで検出される。
電動モータ用インバータ4は、発電機用インバータ33と同様に、コントローラ5に電気的に接続されており、コントローラ5から出力された指令信号に基づいて、電動モータ34で発生するトルクに係る指令電流を電動モータ34に対して出力する。
なお、コントローラ5が出力する指令信号は、運転室12(図1参照)内に設けられて車体の駆動力を制御するアクセルペダル121の踏込量に基づいて演算される。また、アクセルペダル121の踏込量は、アクセルペダル121に取り付けられた踏込量検出装置としての踏込量センサ121Aによって検出される。
トランスミッション35は、内部に設けられた複数の係合クラッチを切り換えることにより、入力軸と出力軸との間の変速比を切り替える。これにより、電動モータ34からトランスミッション35に伝達されたトルク(電動モータ34で発生したトルク)は、変速比が乗算された上でトランスミッション35の出力軸から出力される。そして、トランスミッション35から出力されたトルクは、プロペラシャフトおよび前後のデファレンシャル機構を介して4つの車輪11に伝達され、これにより、4つの車輪11が回転駆動してホイールローダ1が走行する。
油圧駆動システムは、エンジン31により駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプ61と、左右一対のステアリングシリンダ10L,10Rと、2つのリフトアームシリンダ22と、バケットシリンダ24と、油圧ポンプ61から吐出されて各油圧シリンダ10L,10R,22,24に供給される作動油の流れ(方向および流量)を制御する方向制御弁装置62と、を含んで構成される。
油圧ポンプ61は、発電機32と同様に、ギア31Aを介してエンジン31に接続されている。すなわち、発電機32と油圧ポンプ61とは、エンジン31およびギア31Aに対して並列に接続されており、エンジン31の出力動力は、発電機32(電動駆動システム側)と油圧ポンプ61(油圧駆動システム側)とに分配される。
方向制御弁装置62は、油圧ポンプ61と各油圧シリンダ10L,10R,22,24との間に設けられ、コントローラ5から出力された指令信号に基づいて制御される。運転室12(図1参照)内には、作業装置2(リフトアーム21およびバケット23)を操作するための操作装置として操作レバー122および車体の操舵装置としてのハンドル123がそれぞれ設けられており、操作レバー122の操作量およびハンドル123の操作量のそれぞれに応じた操作信号がコントローラ5に入力される。そして、コントローラ5は、操作レバー122から出力された操作信号およびハンドル123から出力された操作信号のそれぞれに基づいた指令信号を方向制御弁装置62に対して出力する。
なお、操作レバー122の操作量は、例えば、操作レバー122に取り付けられた操作量センサ122Aにより検出される。操作レバー122の操作量を検出する操作量検出装置の態様としては、操作量センサ122Aの他に、油圧ポンプ61の吐出圧や作業装置2の角速度や各油圧シリンダ22,24の長さや圧力を検出し当該操作量を推定するものとしてもよい。また、ハンドル123の操作量は、ハンドル123に取り付けられた角度センサ(不図示)などにより検出される。
このように、電動駆動システムおよび油圧駆動システムはいずれも、コントローラ5からの指令信号に基づいて制御されている。コントローラ5は、回転速度センサ34Aで検出された電動モータ34の回転速度や踏込量センサ121Aで検出されたアクセルペダル121の踏込量、操作レバー122およびハンドル123からの操作信号などが入力され、入力された各データや信号に基づいて、方向制御弁装置62や発電機用インバータ33および電動モータ用インバータ4などに指令信号が出力される。
<ホイールローダ1の掘削作業>
次に、ホイールローダ1の掘削作業について、図3を参照して説明する。
次に、ホイールローダ1の掘削作業について、図3を参照して説明する。
図3は、ホイールローダ1の掘削作業時の様子を示す図である。
ホイールローダ1は、まず、掘削対象である地山Xに向かって前進し、バケット23を地山Xに突入させる。なお、このとき、地山Xを構成する鉱物の種類や地山Xの状態(固さ)などによっては、ホイールローダ1は大きなけん引力を必要とし、車体がストール状態になる場合がある。
次に、ホイールローダ1は、バケット23を地山Xに押し込みながらバケット23をチルトさせて土砂や鉱物などの荷を掬い上げる。なお、このとき、地面の状態などによっては、車輪11が滑って車体がスリップしてしまう場合がある。
車体がストール状態になると電動モータ34の回転速度が急減速し、反対に、車体がスリップすると電動モータ34の回転速度が急増速してしまう。このように、電動モータの回転速度が急減速あるいは急増速すると、電動モータ34の消費動力が急変してバス電圧が低電圧または高電圧になり、電動駆動システムがシステムトリップを起こす場合がある。そこで、ホイールローダ1では、電動駆動システムがシステムトリップを起こさないように、コントローラ5および電動モータ用インバータ4で制御を行っている。以下、コントローラ5および電動モータ用インバータ4それぞれの具体的な機能構成について、実施形態ごとに説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4について、図4~8を参照して説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4について、図4~8を参照して説明する。
図4は、第1実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4のそれぞれが有する機能を示す機能ブロック図である。
コントローラ5は、CPU、RAM、ROM、HDD、入力I/F、および出力I/Fがバスを介して互いに接続されて構成される。そして、踏込量センサ121A、操作量センサ122A、および回転速度センサ34Aといった各種のセンサなどが入力I/Fに接続され、電動モータ用インバータ4などが出力I/Fに接続されている。
同様にして、電動モータ用インバータ4についても、CPU、RAM、ROM、HDD、入力I/F、および出力I/Fがバスを介して互いに接続されて構成される。そして、回転速度センサ34Aといった各種のセンサなどが入力I/Fに接続され、電動モータ34などが出力I/Fに接続されている。
このようなハードウェア構成において、ROMやHDD若しくは光学ディスク等の記録媒体に格納された制御プログラム(ソフトウェア)をCPUが読み出してRAM上に展開し、展開された制御プログラムを実行することにより、制御プログラムとハードウェアとが協働して、コントローラ5の機能および電動モータ用インバータ4の機能を実現する。
なお、本実施形態では、コントローラ5および電動モータ用インバータ4をそれぞれソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成されるコンピュータとして説明しているが、これに限らず、例えば他のコンピュータの構成の一例として、ホイールローダ1の側で実行される制御プログラムの機能を実現する集積回路を用いてもよい。
コントローラ5は、データ取得部51と、エンジン動力配分部52と、基準トルク指令部53と、を含む。
データ取得部51は、踏込量センサ121Aで検出されたアクセルペダル121の踏込量、操作量センサ122Aで検出された操作レバー122の操作量、および回転速度センサ34Aで検出された電動モータ34の回転速度に関するデータをそれぞれ取得する。
なお、後述する電動モータ用インバータ4のデータ取得部41においても電動モータ34の回転速度が取得されるが、電動モータ用インバータ4の更新周期がコントローラ5の更新周期よりも短いことから、コントローラ5のデータ取得部51で取得される電動モータ34の回転速度は、電動モータ用インバータ4のデータ取得部41で取得される電動モータ34の回転速度よりも過去のデータとなる。そこで、コントローラ5のデータ取得部51で取得される電動モータ34の回転速度を、基準となる電動モータ34の回転速度データとし、以下では「基準回転速度Fs」とする。
エンジン動力配分部52は、データ取得部51で取得されたアクセルペダル121の踏込量および操作レバー122の操作量に基づいて、エンジン31の出力可能動力のうち電動モータ34で消費させる消費動力を演算する。すなわち、エンジン動力配分部52は、車体の動作状態に応じて、電動駆動システム側と油圧駆動システム側とにそれぞれ分配すべきエンジン31の動力を演算する。
基準トルク指令部53は、エンジン動力配分部52で演算された電動モータ34の消費動力およびデータ取得部51で取得された基準回転速度Fsに基づいた電動モータ34の基準トルクTrsに係る基準トルク指令信号を生成して、電動モータ用インバータ4に出力する。なお、電動モータ34の消費動力は、電動モータ34の回転速度と電動モータで発生するトルクとの積で求められるため、コントローラ5は、電動モータ34の消費動力と基準回転速度Fsとに基づいて、基準となるトルク(基準トルクTrs)を演算して基準トルク指令信号を生成することができる。
電動モータ用インバータ4は、データ取得部41と、消費動力演算部42と、補正トルク指令部43と、電流指令部44と、記憶部45と、を含む。
データ取得部41は、回転速度センサ34Aで検出された電動モータ34の回転速度に関するデータを取得する。なお、前述したように、電動モータ用インバータ4の更新周期は、コントローラ5の更新周期よりも短いことから、電動モータ用インバータ4のデータ取得部41で取得される電動モータ34の回転速度は、電動モータ34の実際の回転速度に合ったデータとなる。そこで、以下では、電動モータ用インバータ4のデータ取得部41で取得される電動モータ34の回転速度を、「基準回転速度Fs」と区別して「実回転速度Fr」とする。
消費動力演算部42は、コントローラ5の基準トルク指令部53から出力された基準トルク指令信号およびコントローラ5のデータ取得部51で取得された基準回転速度Fsに基づいて、電動モータ34で消費させる消費動力を演算する。なお、消費動力演算部42で演算される電動モータ34の消費動力は、コントローラ5のエンジン動力配分部52で演算された電動モータ34の消費動力と同じ値となる。
また、消費動力演算部42は、電動モータ用インバータ4がコントローラ5から基準トルク指令信号および基準回転速度Fsを取得した場合には、その取得した信号およびデータに基づいて電動モータ34の消費動力を演算し、電動モータ用インバータ4がコントローラ5から基準トルク指令信号および基準回転速度Fsを取得しなかった場合には、記憶部45に記憶されている前回の基準トルク指令信号および基準回転速度Fsに基づいて電動モータ34の消費動力を演算する。
補正トルク指令部43は、消費動力演算部42で演算された電動モータ34の消費動力と、データ取得部41で取得された実回転速度Frと、に基づいて、電動モータ34で発生するトルクを演算する。この補正トルク指令部43で演算される電動モータ34のトルクは、コントローラ5で演算された基準トルクに対して実回転速度Frに基づいた補正を施したトルク(以下、「補正トルクTrc」とする)となる。したがって、電動モータ用インバータ4で取得される実回転速度Frは、コントローラ5で演算された基準トルクTrsの補正値である補正トルクTrcを演算するために用いる「補正回転速度Fc」に相当する(Fr=Fc)。補正トルク指令部43は、演算した補正トルクTrcに係る補正トルク指令信号を電流指令部44に出力する。
電流指令部44は、補正トルク指令部43で生成された補正トルク指令信号に対応する指令電流値を演算し、演算した指令電流値を有する指令電流を電動モータ34に対して出力する。すなわち、電流指令部44は、補正トルク指令信号を指令電流に変換して電動モータ34に出力する。
次に、コントローラ5内で実行される具体的な処理の流れについて、図5を参照して説明する。
図5は、第1実施形態に係るコントローラ5で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
コントローラ5では、まず、データ取得部51が、踏込量センサ121Aから出力されたアクセルペダル121の踏込量および操作量センサ122Aで検出された操作レバー122の操作量をそれぞれ取得する(ステップS501)。
続いて、エンジン動力配分部52は、ステップS501で取得されたアクセルペダル121の踏込量および操作レバー122の操作量に基づいて電動モータ34の消費動力を演算する(ステップS502)。次に、データ取得部51は、回転速度センサ34Aから出力された電動モータ34の回転速度を基準回転速度Fsとして取得する(ステップS503)。
そして、基準トルク指令部53は、ステップS502で演算された電動モータ34の消費動力と、ステップS503で取得された基準回転速度Fsと、に基づいて、電動モータ34の基準トルクTrsに係る基準トルク指令信号を電動モータ用インバータ4に対して出力する(ステップS504)。
また、コントローラ5は、ステップS504の処理を実行すると共に、ステップS503で取得された基準回転速度Fsを電動モータ用インバータ4に出力する(ステップS505)。コントローラ5は、ステップS504の処理およびステップS505の処理が終了すると、ステップS501の処理に戻って繰り返す。
続いて、電動モータ用インバータ4内で実行される具体的な処理の流れについて、図6を参照して説明する。
図6は、第1実施形態に係る電動モータ用インバータ4で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
まず、電動モータ用インバータ4は、コントローラ5におけるステップS504で出力された基準トルク指令信号およびステップS505で出力された基準回転速度Fsをそれぞれ取得した場合には(ステップS401/YES)、基準トルク指令信号および基準回転速度Fsをそれぞれ今回値として更新する(ステップS402)。
他方で、電動モータ用インバータ4は、コントローラ5から基準トルク指令信号および基準回転速度Fsを取得しなかった場合には(ステップS401/NO)、前回取得した基準トルク指令信号および基準回転速度Fsをそれぞれ記憶部45から読み込む(ステップS403)。
続いて、消費動力演算部42は、ステップS402において更新あるいはステップS403において読み込まれた基準トルク指令信号および基準回転速度Fsに基づいて、電動モータ34の消費動力を演算する(ステップS404)。
次に、データ取得部41は、回転速度センサ34Aから出力された電動モータ34の回転速度を実回転速度Fr(補正回転速度Fcに相当)として取得する(ステップS405)。そして、補正トルク指令部43は、ステップS404において演算された電動モータ34の消費動力と、ステップS405において取得された実回転速度Frと、に基づいて、補正トルクTrcを演算し(ステップS406)、補正トルクTrcに係る補正トルク指令信号を電流指令部44に出力する(ステップS407)。
電流指令部44は、ステップS407において出力された補正トルク指令信号を対応する指令電流に変換して電動モータ34に対して出力する(ステップS408)。電動モータ用インバータ4は、ステップS408の処理が終了すると、ステップS401の処理に戻って繰り返す。
次に、コントローラ5内の処理および電動モータ用インバータ4内の処理によって奏する作用および効果について、図7および図8を参照して説明する。
図7は、電動モータ34が急減速した場合におけるコントローラ5と電動モータ用インバータ4との間の指令信号のやり取りを時系列で示すグラフである。図8は、電動モータ34が急加速した場合におけるコントローラ5と電動モータ用インバータ4との間の指令信号のやり取りを時系列で示すグラフである。
なお、図7および図8において、電動モータ用インバータ4の更新周期の長さ、およびコントローラ5と電動モータ用インバータ4との間における通信遅延の長さは、コントローラ5の更新周期よりも十分短いものとする。
電動モータ34が急減速した場合、図7に示すように、コントローラ5および電動モータ用インバータ4は、電動モータ34で発生するトルクが回転速度に応じて増大するように、電動モータ34に対して指令を行う。
まず、コントローラ5は、時間t01において回転速度センサ34Aからの電動モータ34の回転速度を取得し(O1)、その回転速度の値を基準回転速度Fs(図7の上側において実線で示すステップ状グラフ)として基準トルク指令信号を生成する。次に、生成された基準トルク指令信号は、時間t02においてコントローラ5から出力される(O2)。
そして、コントローラ5と電動モータ用インバータ4との間における通信遅延を経て、時間t03においてコントローラ5から出力された基準トルク指令信号が電動モータ用インバータ4に届く(R3)。したがって、コントローラ5から出力されて電動モータ用インバータ4で取得される基準トルクTrsは、図7の下側において実線で示されるグラフq01のようにステップ状に上昇することになる。
一方、電動モータ用インバータ4では、前述したように更新周期が短いことから、電動モータ34の実際の回転速度に合わせてトルク指令信号(補正トルク指令信号)を生成することができ、電動モータ用インバータ4内で演算される補正トルクTrcは、図7の下側において一点鎖線で示されるグラフq02のように線形で上昇することになる。
本実施形態では、電動モータ用インバータ4は、コントローラ5から出力された基準トルク指令信号に対して実回転速度Fr(図7の上側において一点鎖線で示す線形グラフ)に基づいた補正を施した補正トルクに係る指令電流を電動モータ34に出力するため、図7に示すグラフq02のように、滑らかに電動モータ34のトルクを変化させることができると共に、電動モータ34は出力可能な最大トルクを出力することができる。
次に、電動モータ34が急増速した場合、図8に示すように、コントローラ5および電動モータ用インバータ4は、電動モータ34で発生するトルクが回転速度に応じて減少するように、電動モータ34に対して指令を行う。
電動モータ34が急減速した場合と同様にして、まず、コントローラ5は、時間t11において回転速度センサ34Aから電動モータ34の回転速度を取得し(O1)、その回転速度の値を基準回転速度Fs(図8の上側において実線で示すステップ状グラフ)として基準トルク指令信号を生成する。次に、生成された基準トルク指令信号は、時間t12においてコントローラ5から出力される(O2)。
そして、コントローラ5と電動モータ用インバータ4との間における通信遅延を経て、時間t13においてコントローラ5から出力された基準トルク指令信号が電動モータ用インバータ4に届く(R3)。したがって、コントローラ5から出力されて電動モータ用インバータ4で取得される基準トルクTrsは、図8の下側において実線で示されるグラフq11のようにステップ状に下降することになる。
一方、電動モータ用インバータ4では、電動モータ34の実際の回転速度に合わせてトルク指令信号(補正トルク指令信号)を生成することができることから、電動モータ用インバータ4内で演算される補正トルクTrcは、図8の下側において一点鎖線で示されるグラフq12のように線形で下降することになる。
よって、電動モータ34が急増速した場合においても、電動モータ用インバータ4は、コントローラ5から出力された基準トルク指令信号に対して実回転速度Fr(図8の上側において一点鎖線で示す線形グラフ)に基づいた補正を施した補正トルクに係る指令電流を電動モータ34に出力することで、図8に示すグラフq12のように、滑らかに電動モータ34のトルクを変化させることができると共に、電動モータ34は出力可能な最大トルクを出力することができる。
以上のように、電動モータ用インバータ4が、電動モータ34に対するトルク指令を回転速度の急減増速に応じて滑らかに変化させることで、電動モータの回転速度が急変したとしても電動モータの消費動力の変化幅を小さく留めて、電動駆動システム(走行駆動システム)内におけるシステムトリップの発生を回避することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るコントローラ5Aおよび電動モータ用インバータ4Aについて、図9~11を参照して説明する。図9~11において、第1実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4の構成について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、後述する第3~第6実施形態においても同様とする。
次に、本発明の第2実施形態に係るコントローラ5Aおよび電動モータ用インバータ4Aについて、図9~11を参照して説明する。図9~11において、第1実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4の構成について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、後述する第3~第6実施形態においても同様とする。
図9は、第2実施形態に係るコントローラ5Aおよび電動モータ用インバータ4Aのそれぞれが有する機能を示す機能ブロック図である。図10は、第2実施形態に係るコントローラ5Aで実行される処理の流れを示すフローチャートである。図11は、第2実施形態に係る電動モータ用インバータ4Aで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、本実施形態に係るコントローラ5Aは、データ取得部51Aと、エンジン動力配分部52Aと、を含む。すなわち、コントローラ5Aは、第1実施形態に係るコントローラ5と異なり、「基準トルク指令部」を含まない。
データ取得部51Aは、踏込量センサ121Aで検出されたアクセルペダル121の踏込量、および操作量センサ122Aで検出された操作レバー122の操作量に関するデータをそれぞれ取得する。すなわち、本実施形態では、データ取得部51Aは、第1実施形態におけるデータ取得部51と異なり、回転速度センサ34Aで検出される電動モータ34の回転速度は取得しない。
エンジン動力配分部52Aは、データ取得部51Aで取得されたアクセルペダル121の踏込量および操作レバー122の操作量に基づいて、電動モータ34で消費させる消費動力を演算する。そして、エンジン動力配分部52Aは、演算した電動モータ34の消費動力に基づく指令信号である消費動力指令信号を生成して、電動モータ用インバータ4Aに出力する。すなわち、本実施形態では、コントローラ5Aは、第1実施形態に係るコントローラ5と異なり、基準トルク指令信号ではなく消費動力指令信号を電動モータ用インバータ4Aに対して出力する。
また、本実施形態に係る電動モータ用インバータ4Aは、データ取得部41と、補正トルク指令部43Aと、電流指令部44と、記憶部45Aと、を含む。すなわち、電動モータ用インバータ4Aは、第1実施形態に係る電動モータ用インバータ4と異なり、「消費動力演算部」を含まない。
データ取得部41は、第1実施形態におけるデータ取得部41と同様に、回転速度センサ34Aで検出された電動モータ34の回転速度に関するデータを実回転速度Frとして取得する。
補正トルク指令部43Aは、コントローラ5Aのエンジン動力配分部52Aから出力された消費動力指令信号およびデータ取得部41Aで取得された実回転速度Frに基づいて、電動モータ34の補正トルクTrcを演算する。そして、補正トルク指令部43Aは、演算した補正トルクTrcに係る補正トルク指令信号を電流指令部44に出力する。
なお、補正トルク指令部43Aは、電動モータ用インバータ4Aがコントローラ5Aから消費動力指令信号を取得した場合には、その取得した信号に基づいて補正トルクTrcを演算し、電動モータ用インバータ4Aがコントローラ5Aから消費動力指令信号を取得しなかった場合には、記憶部45Aに記憶されている前回の消費動力指令信号に基づいて補正トルクTrcを演算する。
電流指令部44は、第1実施形態における電流指令部44と同様に、補正トルク指令部43Aから出力された補正トルク指令信号を指令電流に変換して電動モータ34に出力する。
図10に示すように、コントローラ5Aでは、まず、データ取得部51Aが、踏込量センサ121Aで検出されたアクセルペダル121の踏込量、および操作量センサ122Aで検出された操作レバー122の操作量をそれぞれ取得する(ステップS501)。
次に、エンジン動力配分部52Aは、ステップS501で取得されたアクセルペダル121の踏込量および操作レバー122の操作量に基づいて、電動モータ34の消費動力を演算する(ステップS502)。続いて、エンジン動力配分部52Aは、ステップS502で演算した電動モータ34の消費動力に基づく消費動力指令信号を生成して、電動モータ用インバータ4Aに対して出力する(ステップS506)。コントローラ5Aは、ステップS506の処理が終了するとステップS501の処理に戻って繰り返す。
そして、図11に示すように、電動モータ用インバータ4Aでは、まず、コントローラ5AにおけるステップS506で出力された消費動力指令信号を取得した場合には(ステップS401A/YES)、消費動力指令信号を更新する(ステップS402A)。
他方、電動モータ用インバータ4Aは、コントローラ5Aからの消費動力指令信号を取得しなかった場合には(ステップS401A/NO)、前回取得した消費動力指令信号を記憶部45Aから読み込む(ステップS403A)。
次に、データ取得部41は、回転速度センサ34Aから出力された電動モータ34の回転速度を実回転速度Fr(補正回転速度Fcに相当)として取得する(ステップS405)。
続いて、補正トルク指令部43Aは、ステップS402Aにおいて更新あるいはステップS403Aにおいて読み込まれた消費動力指令信号と、ステップS405において取得された実回転速度Frと、に基づいて、電動モータ34の補正トルクTrcを演算する(ステップS406A)。そして、補正トルク指令部43Aは、ステップS406Aにおいて演算された補正トルクTrcに係る補正トルク指令信号を電流指令部44に対して出力する(ステップS407)。
電流指令部44は、ステップS407において出力された補正トルク指令信号を対応する指令電流に変換して電動モータ34に対して出力する(ステップS408)。電動モータ用インバータ4Aは、ステップS408の処理が終了すると、ステップS401Aの処理に戻って繰り返す。
本実施形態に係るコントローラ5Aによれば、電動モータ34の消費動力を基準トルクTrsに換算する処理を踏むことなく、電動モータ34の消費動力をそのまま指令信号として電動モータ用インバータ4Aに出力するため、コントローラ5A内での処理および電動モータ用インバータ4A内での処理を簡素化し、各CPUの負荷を軽減することができる。また、本実施形態においても、第1実施形態における作用および効果と同様の作用および効果を奏する。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4Bについて、図12および図13を参照して説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4Bについて、図12および図13を参照して説明する。
図12は、第3実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4Bのそれぞれが有する機能を示す機能ブロック図である。図13は、第3実施形態に係る電動モータ用インバータ4Bで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るコントローラ5は、第1実施形態に係るコントローラ5と同様の機能を有しているため、コントローラ5についての説明は割愛し、以下では、主に電動モータ用インバータ4Bについて説明する。
図12に示すように、電動モータ用インバータ4Bは、データ取得部41と、消費動力演算部42と、補正トルク指令部43Bと、電流指令部44と、記憶部45と、に加えて、回転速度急変判定部46を含む。
本実施形態に係る電動モータ用インバータ4Bに含まれる回転速度急変判定部46は、回転速度センサ34Aで検出された電動モータ34の回転速度に基づいて、電動モータ34の回転速度が急変動したか否かを判定する。具体的には、回転速度急変判定部46は、コントローラ5から出力された基準回転速度Fsとデータ取得部41において取得された実回転速度Frとの差の絶対値|Fs-Fr|を演算し、演算した絶対値|Fs-Fr|が所定の閾値Fth以上であるか否かを比較する。
ここで、「所定の閾値Fth」とは、例えば、電動モータ34の最大トルクと慣性モーメントとに基づいて導出された最大加速度に対して、コントローラ5の更新周期を乗算して求めた値に相当するものである。
回転速度急変判定部46において電動モータ34の回転速度が急変動した、すなわち絶対値|Fs-Fr|が所定の閾値Fth以上である(|Fs-Fr|≧Fth)と判定された場合、補正トルク指令部43Bは、消費動力演算部42で演算された電動モータ34の消費動力と、データ取得部41で取得された実回転速度Frと、に基づいて補正トルクTrcを演算し、補正トルク指令信号を電流指令部44に出力する。
一方、回転速度急変判定部46において電動モータ34の回転速度が急変動していない、すなわち絶対値|Fs-Fr|が所定の閾値Fth未満である(|Fs-Fr|<Fth)と判定された場合、補正トルク指令部43Bは、コントローラ5から出力された基準トルク指令信号を電流指令部44に出力する。
図13に示すように、電動モータ用インバータ4Bでは、ステップS401、ステップS402、ステップS403、ステップS404、およびステップS405の処理は、第1実施形態に係る電動モータ用インバータ4における処理と同様である。
ステップS405においてデータ取得部41が実回転速度Frを取得した後、回転速度急変判定部46は、ステップS402で更新あるいはステップS403で読み込まれた基準回転速度FsとステップS405で取得された実回転速度Frとの差の絶対値|Fs-Fr|が所定の閾値Fth以上であるか否かを判定する(ステップS409)。
ステップS409において絶対値|Fs-Fr|が所定の閾値Fth以上である(|Fs-Fr|≧Fth)と判定された場合(ステップS409/YES)、補正トルク指令部43Bは、ステップS404で演算された電動モータ34の消費動力およびステップS405で取得された実回転速度Frに基づいて、電動モータ34の補正トルクTrcを演算する(ステップS406)。
そして、電動モータ用インバータ4Bは、第1実施形態に係る電動モータ用インバータ4と同様に、ステップS407、ステップS408と進み、電流指令部44は、補正トルク指令信号を対応する指令電流に変換して電動モータ34に対して出力する。
一方、ステップS409において絶対値|Fs-Fr|が所定の閾値Fth未満である(|Fs-Fr|<Fth)と判定された場合(ステップS409/NO)、補正トルク指令部43Bは、コントローラ5からの基準トルク指令信号をそのまま電流指令部44に出力する(ステップS410)。
続いて、電流指令部44は、基準トルク指令信号を指令電流に変換して電動モータ34に出力する(ステップS411)。電動モータ用インバータ4Bは、ステップS408の処理あるいはステップS411の処理が終了すると、ステップS401に戻って繰り返す。
本実施形態に係る電動モータ用インバータ4Bによれば、電動モータ34の回転速度が急変動した場合に限り、電動モータ34に対して補正トルクTrcに基づいた制御を行い、電動モータ34の回転速度が急変動していない場合には、補正トルクTrcを演算する処理を省略することができるため、CPUの負荷が軽減される。また、本実施形態においても、第1実施形態における作用および効果と同様の作用および効果を奏する。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係るコントローラ5Cおよび電動モータ用インバータ4Cについて、図14および図15を参照して説明する。
次に、本発明の第4実施形態に係るコントローラ5Cおよび電動モータ用インバータ4Cについて、図14および図15を参照して説明する。
図14は、第4実施形態に係るコントローラ5Cおよび電動モータ用インバータ4Cのそれぞれが有する機能を示す機能ブロック図である。図15は、第4実施形態に係る電動モータ用インバータ4Cで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るコントローラ5Cは、データ取得部51と、エンジン動力配分部52と、基準トルク指令部53と、に加えて、急変フラグ取得部54を含む。この急変フラグ取得部54は、後述する電動モータ用インバータ4Cの回転速度急変判定部46Cから出力された回転速度急変フラグを取得する。
また、本実施形態に係る電動モータ用インバータ4Cは、第3実施形態に係る電動モータ用インバータ4Bと同様に、データ取得部41と、消費動力演算部42と、回転速度急変判定部46Cと、補正トルク指令部43Bと、電流指令部44と、記憶部45と、を含む。
電動モータ用インバータ4Cでは、第3実施形態に係る電動モータ用インバータ4Bと異なり、回転速度急変判定部46Cが、電動モータ34の回転速度が急変動したと判定した場合にコントローラ5Cに対して回転速度急変フラグをONとするフラグON信号を出力し(回転速度急変フラグ=ON)、電動モータ34の回転速度が急変動したと判定しなかった場合にコントローラ5Cに対して回転速度急変フラグをOFFとするフラグOFF信号を出力する(回転速度急変フラグ=OFF)。
図15に示すように、電動モータ用インバータ4Cでは、ステップS401、ステップS402、ステップS403、ステップS404、ステップS405、およびステップS409の処理は、第3実施形態に係る電動モータ用インバータ4Bにおける処理と同様である。
ステップS409において絶対値|Fs-Fr|が所定の閾値Fth以上である(|Fs-Fr|≧Fth)と判定された場合(ステップS409/YES)、回転速度急変判定部46Cは、フラグON信号をコントローラ5Cに対して出力する(ステップS412)。そして、電動モータ用インバータ4Cは、第3実施形態に係る電動モータ用インバータ4Bにおける処理と同様に、ステップS406、ステップS407、ステップS408と進む。
一方、ステップS409において絶対値|Fs-Fr|が所定の閾値Fth未満である(|Fs-Fr|<Fth)と判定された場合(ステップS409/NO)、回転速度急変判定部46Cは、フラグOFF信号をコントローラ5Cに対して出力する(ステップS413)。そして、電動モータ用インバータ4Cは、第3実施形態に係る電動モータ用インバータ4Bにおける処理と同様に、ステップS410、ステップS411と進む。
本実施形態に係るコントローラ5Cおよび電動モータ用インバータ4Cによれば、電動モータ34の回転速度が急変動した場合に、電動モータ用インバータ4Cがコントローラ5Cに対して回転速度急変フラグに係るON信号を出力するため、コントローラ5Cは、電動モータ34の回転速度の急変動に伴って必要となる処理を実行することができると共に、生成した基準トルク指令信号が有効か否かを判定して現状を把握しやすくなる。また、本実施形態においても、第1実施形態における作用および効果と同様の作用および効果を奏する。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係るコントローラ5Dおよび電動モータ用インバータ4Dについて、図16および図17を参照して説明する。
次に、本発明の第5実施形態に係るコントローラ5Dおよび電動モータ用インバータ4Dについて、図16および図17を参照して説明する。
図16は、第5実施形態に係るコントローラ5Dおよび電動モータ用インバータ4Dのそれぞれが有する機能を示す機能ブロック図である。図17は、第5実施形態に係るコントローラ5Dで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るコントローラ5Dは、データ取得部51と、エンジン動力配分部52と、に加えて、到達時間推定部55と、回転速度推定部56と、推定トルク指令部57と、記憶部58と、を含む。
到達時間推定部55は、コントローラ5Dおよび電動モータ用インバータ4Dのそれぞれの更新周期や、コントローラ5Dと電動モータ用インバータ4Dとの間の通信遅延時間などに基づいて、コントローラ5Dが出力したトルク指令信号が電動モータ用インバータ4Dに届く(電動モータ用インバータ4Dが受信する)までにかかる時間、すなわちコントローラ5Dが出力した指令信号の電動モータ用インバータ4Dへの到達時間の推定値を演算する。
なお、コントローラ5Dおよび電動モータ用インバータ4Dのそれぞれの更新周期や、コントローラ5Dと電動モータ用インバータ4Dとの間の通信遅延時間については、記憶部58に記憶されている。
回転速度推定部56は、データ取得部51で今回取得された基準回転速度Fs(今回基準回転速度Fs1)と、記憶部58に記憶されている前回取得分の基準回転速度Fs(前回基準回転速度Fs0)と、に基づいて、電動モータ34の回転加速度(回転速度の変化率/勾配)を演算する。そして、回転速度推定部56は、演算した回転加速度と、到達時間推定部55で推定されたトルク指令信号到達時間と、に基づいて、コントローラ5Dが出力したトルク指令信号が電動モータ用インバータ4Dに届く時点における電動モータ34の回転速度の推定値(推定回転速度)を演算する。
すなわち、本実施形態では、電動モータ用インバータ4Dが取得した実回転速度Frを補正回転速度Fcとするのではなく、コントローラ5Dの回転速度推定部56にて演算により推定された推定回転速度を補正回転速度Fcとしている。
推定トルク指令部57は、回転速度推定部56で推定された推定回転速度に基づいて、補正トルク指令信号を生成し、電動モータ用インバータ4Dに出力する。
また、本実施形態に係る電動モータ用インバータ4Dは、電流指令部44Dのみを含む。電流指令部44Dは、コントローラ5Dから出力された補正トルク指令信号を指令電流に変換して電動モータ34に対して出力する。
図17に示すように、コントローラ5Dでは、ステップS501およびステップS502の処理と並行して、電動モータ34の推定回転速度を演算している。具体的には、コントローラ5Dは、ステップS501と並行して、データ取得部51で今回基準回転速度Fs1を取得すると共に、記憶部58から前回取得した前回基準回転速度Fs0を読み込む(ステップS507)。
次に、回転速度推定部56は、ステップS507において取得した今回基準回転速度Fs1と、ステップS507において読み込んだ前回基準回転速度Fs0と、に基づいて、電動モータ34の回転加速度を演算する(ステップS508)。
また、到達時間推定部55は、ステップS501やステップS507の処理と並行して、コントローラ5Dおよび電動モータ用インバータ4Dのそれぞれの更新周期およびコントローラ5Dと電動モータ用インバータ4Dとの間の通信遅延時間を、記憶部58からそれぞれ読み込む(ステップS509)。
続いて、到達時間推定部55は、ステップS509において読み込んだ各更新周期および通信遅延時間に基づいて、トルク指令信号の到達時間を推定する(ステップS510)。
次に、回転速度推定部56は、ステップS508で演算された電動モータ34の回転加速度と、ステップS510において推定されたトルク指令信号到達時間と、に基づいて、電動モータ34の推定回転速度を演算する(ステップS511)。
そして、推定トルク指令部57は、回転速度推定部56で推定された推定回転速度に基づいて、補正トルク指令信号を生成して(ステップS512)、電動モータ用インバータ4Dに出力する(ステップS513)。コントローラ5Dは、ステップS513の処理が終了すると、ステップS501、ステップS507、およびステップS509に戻って繰り返す。
本実施形態に係るコントローラ5Dおよび電動モータ用インバータ4Dによれば、コントローラ5D側において補正回転速度Fcに相当する推定回転速度を演算し、その推定回転速度に基づいて補正トルク指令信号を生成して電動モータ用インバータ4Dに出力されるため、電動モータ用インバータ4D側において補正トルクTrcを再計算する必要がなく、電動モータ用インバータ4DのCPUの負荷を軽減することができる。また、本実施形態においても、第1実施形態における作用および効果と同様の作用および効果を奏する。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4Eについて、図18および図19を参照して説明する。
次に、本発明の第6実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4Eについて、図18および図19を参照して説明する。
図18は、第6実施形態に係るコントローラ5および電動モータ用インバータ4Eのそれぞれが有する機能を示す機能ブロック図である。図19は、第6実施形態に係る電動モータ用インバータ4Eで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るコントローラ5についても、第1実施形態に係るコントローラ5と同様の機能を有しているため、コントローラ5についての説明は割愛し、以下では、主に電動モータ用インバータ4Eについて説明する。
図18に示すように、電動モータ用インバータ4Eは、データ取得部41Eと、消費動力演算部42と、補正トルク指令部43Eと、電流指令部44と、記憶部45と、に加えて、掘削判定部47を含む。
本実施形態に係る電動モータ用インバータ4Eに含まれる掘削判定部47は、データ取得部41Eで取得された操作レバー122の操作量に基づいて、作業装置2が掘削を行っているか否かを判定する。なお、作業装置2が掘削を行っている場合には、リフトアーム21が水平姿勢よりも低い位置にあり、バケット23の角度が水平になっている。
掘削判定部47において作業装置2が掘削を行っていると判定された場合、補正トルク指令部43Eは、消費動力演算部42で演算された電動モータ34の消費動力と、データ取得部41で取得された実回転速度Frと、に基づいて補正トルクTrcを演算し、補正トルク指令信号を電流指令部44に出力する。
一方、掘削判定部47において作業装置2が掘削を行っていないと判定された場合、補正トルク指令部43Eは、コントローラ5から出力された基準トルク指令信号を電流指令部44に出力する。
図19に示すように、電動モータ用インバータ4Eについても、ステップS401、ステップS402、ステップS403、およびステップS404の処理は、第1実施形態に係る電動モータ用インバータ4における処理と同様である。
ステップS404において電動モータ34の消費動力を演算した後、データ取得部41Eは、操作量センサ122Aで検出された操作レバー122の操作量を取得する(ステップS414)。
次に、掘削判定部47は、ステップS414において取得された操作レバー122の操作量に基づいて、作業装置2が掘削を行っているか否かを判定する(ステップS415)。ステップS415において作業装置2が掘削を行っていると判定された場合(ステップS415/YES)、ステップS405、ステップS406、ステップS407、ステップS408の順に進み、電流指令部44は、補正トルク指令信号を指令電流に変換して電動モータ34に出力する。
一方、ステップS415において作業装置2が掘削を行っていると判定されなかった場合(ステップS415/NO)、ステップS410、ステップS411と進み、電流指令部44は、基準トルク指令信号を指令電流に変換して電動モータ34に出力する。
本実施形態に係る電動モータ用インバータ4Eによれば、特にエンジン31のストールや車輪のスリップが発生しやすい掘削作業を行っている場合に電動モータ34に対して補正トルクTrcに基づいた制御を行い、掘削作業を行っていない場合には、補正トルクTrcを演算する処理を省略することができるため、必要以上にコントローラ5および電動モータ用インバータ4EそれぞれのCPUに負荷をかけることがなくなる。また、本実施形態においても、第1実施形態における作用および効果と同様の作用および効果を奏する。
以上、本発明の各実施形態について説明した。なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、本実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。またさらに、本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記実施形態では、作業車両の一態様としてホイールローダ1について説明したが、これに限らず、車体に作業装置2が取り付けられた車両であれば、ホイールローダ1以外の作業車両であってもよい。
1:ホイールローダ(作業車両)
2:作業装置
4,4A,4B,4C,4D,4E:電動モータ用インバータ
5,5A,5C,5D:コントローラ
10L,10R:ステアリングシリンダ(油圧シリンダ)
11:車輪
22:リフトアームシリンダ(油圧シリンダ)
24:バケットシリンダ(油圧シリンダ)
31:エンジン
32:発電機
34:電動モータ
34A:回転速度センサ(回転速度検出装置)
61:油圧ポンプ
121:アクセルペダル
121A:踏込量センサ(踏込量検出装置)
122:操作レバー(操作装置)
122A:操作量センサ(操作量検出装置)
Fc:補正回転速度
Fr:実回転速度
Fs:基準回転速度
2:作業装置
4,4A,4B,4C,4D,4E:電動モータ用インバータ
5,5A,5C,5D:コントローラ
10L,10R:ステアリングシリンダ(油圧シリンダ)
11:車輪
22:リフトアームシリンダ(油圧シリンダ)
24:バケットシリンダ(油圧シリンダ)
31:エンジン
32:発電機
34:電動モータ
34A:回転速度センサ(回転速度検出装置)
61:油圧ポンプ
121:アクセルペダル
121A:踏込量センサ(踏込量検出装置)
122:操作レバー(操作装置)
122A:操作量センサ(操作量検出装置)
Fc:補正回転速度
Fr:実回転速度
Fs:基準回転速度
Claims (7)
- 複数の車輪が設けられた車体と、
前記車体を構成するフレームに取り付けられた作業装置と、
前記車体に搭載されたエンジンと、
前記作業装置を操作するための操作装置と、
前記操作装置の操作量に基づいて前記作業装置を駆動する油圧シリンダと、
前記エンジンにより駆動されて前記油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプと、
前記車体の駆動力を制御するためのアクセルペダルと、
前記エンジンにより駆動される発電機と、
前記発電機で発生した電力を回転力に変換して前記複数の車輪に伝達する電動モータと、
前記電動モータで発生させるトルクを演算し、電流を制御する電動モータ用インバータと、
前記電動モータで消費させる消費動力に係る指令信号を前記電動モータ用インバータに対して出力するコントローラと、
前記アクセルペダルの踏込量を検出する踏込量検出装置と、
前記電動モータの回転速度を検出する回転速度検出装置と、
前記操作装置の操作量を検出する操作量検出装置と、
を備えた作業車両において、
前記コントローラは、
前記踏込量検出装置で検出された前記アクセルペダルの踏込量と、前記操作量検出装置で検出された前記操作装置の操作量と、に基づいて、前記エンジンの出力可能動力のうち前記電動モータで消費させる前記消費動力を演算し、
演算した前記消費動力に基づいた前記指令信号を前記電動モータ用インバータに対して出力し、
前記電動モータ用インバータは、
前記コントローラから出力された前記指令信号と、前記回転速度検出装置で検出された前記電動モータの回転速度に基づいた補正回転速度と、に基づいて、前記電動モータで発生するトルクに係る指令電流値を演算し、
演算した前記指令電流値を有する電流を前記電動モータに対して出力する
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
前記電動モータ用インバータは、前記回転速度検出装置で検出された前記電動モータの回転速度を実回転速度として取得し、
前記補正回転速度は、前記電動モータ用インバータで取得された前記実回転速度である
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項2に記載の作業車両において、
前記コントローラは、
前記回転速度検出装置で検出された前記電動モータの回転速度を基準回転速度として取得し、
演算した前記消費動力および取得した前記基準回転速度に基づいた前記電動モータの基準トルクに係る基準トルク指令信号を前記指令信号として生成し、
生成した前記基準トルク指令信号と、取得した前記基準回転速度と、を前記電動モータ用インバータに対して出力し、
前記電動モータ用インバータは、
前記コントローラから出力された前記基準トルク指令信号および前記基準回転速度に基づいて、前記電動モータで消費させる前記消費動力を演算し、
演算した前記消費動力と、取得した前記実回転速度と、に基づいて、前記指令電流値を演算する
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
前記電動モータ用インバータは、
前記回転速度検出装置で検出された前記電動モータの回転速度に基づいて、前記電動モータの回転速度が急変動したか否かを判定し、
前記電動モータの回転速度が急変動したと判定した場合には、前記コントローラから出力された前記指令信号と、前記補正回転速度と、に基づいて、前記指令電流値を演算し、
前記電動モータの回転速度が急変動したと判定しなかった場合には、前記コントローラから出力された前記指令信号に基づいて、前記指令電流値を演算する
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項4に記載の作業車両において、
前記電動モータ用インバータは、
前記電動モータの回転速度が急変動したと判定した場合には、前記電動モータの回転速度の急変動に係るフラグを前記コントローラに対して出力する
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
前記コントローラは、
前記回転速度検出装置で検出された前記電動モータの回転速度を基準回転速度として取得かつ記憶し、
取得した今回の前記基準回転速度と、記憶されている前回の前記基準回転速度と、に基づいて、前記基準回転速度の変化率を演算し、
演算した前記変化率と、前記コントローラの更新周期と、前記コントローラと前記電動モータ用インバータとの間の通信の遅延時間と、に基づいて、前記コントローラから出力された前記指令信号が前記電動モータ用インバータに入力される時の前記電動モータの回転速度としての推定回転速度を演算し、
前記補正回転速度は、前記コントローラで演算された前記推定回転速度である
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
前記電動モータ用インバータは、
前記操作量検出装置で検出された前記操作装置の操作量に基づいて、前記作業装置が掘削を行っているか否かを判定し、
前記作業装置が掘削を行っていると判定した場合に、前記コントローラから出力された前記指令信号と、前記補正回転速度と、に基づいて、前記指令電流値を演算する
ことを特徴とする作業車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021199954A JP2023085747A (ja) | 2021-12-09 | 2021-12-09 | 作業車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021199954A JP2023085747A (ja) | 2021-12-09 | 2021-12-09 | 作業車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023085747A true JP2023085747A (ja) | 2023-06-21 |
Family
ID=86775917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021199954A Pending JP2023085747A (ja) | 2021-12-09 | 2021-12-09 | 作業車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023085747A (ja) |
-
2021
- 2021-12-09 JP JP2021199954A patent/JP2023085747A/ja active Pending
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