JP2023052712A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行用の油圧ポンプの容量を電子制御するための信号線が断線した場合であっても、急減速しにくい作業車両を提供する。【解決手段】HST式の走行駆動システムにより走行し、走行用油圧ポンプ31および走行用油圧モータ32を制御するコントローラ5と、コントローラ5から出力されたポンプ指令信号に基づいて走行用油圧ポンプ31のポンプ傾転角を制御するポンプ傾転制御装置310と、コントローラ5から出力されたモータ指令信号に基づいて走行用油圧モータ32のモータ傾転角を制御するモータ傾転制御装置320と、を備えたホイールローダ1において、コントローラ5は、コントローラ5からポンプ傾転制御装置310,310Aへポンプ指令信号が出力されていないことを検出すると、モータ傾転角を、コントローラ5からポンプ傾転制御装置310,310Aポンプ指令信号が出力されている場合におけるモータ傾転角よりも小さくする。【選択図】図4
Description
本発明は、HST式の走行駆動システムが搭載された作業車両に関する。
ホイールローダやフォークリフト等の作業車両の一般的な走行駆動システムとして、油圧ポンプと油圧モータとが閉回路状に接続され、エンジンで油圧ポンプを駆動させることによって発生した油圧を油圧モータで回転力に変換して走行駆動力とするHST式の走行駆動システムが知られている。
例えば、特許文献1には、閉回路である主油圧回路に、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される可変容量型の油圧モータと、を備え、油圧モータの駆動力を車輪に伝達することによって車両を走行させるフォークリフトが開示されている。このフォークリフトでは、制御装置から信号線を介して与えられた指令信号に従って動作する前進用の電磁比例バルブおよび後進用の電磁比例バルブでポンプ容量制御シリンダを動作させることにより、走行用油圧ポンプの容量(斜板傾転角)が変更される。
このように、制御装置から出力された指令信号によってポンプ容量制御シリンダを前進側と後進側とで独立して電子的に制御することができるため、絞りやバルブを用いて油圧的にポンプ容量制御シリンダを制御する場合と比べて、走行用油圧ポンプにおける傾転角の変化の応答性が向上する。
しかしながら、特許文献1に記載のフォークリフトでは、走行用油圧ポンプの傾転制御の応答性が良好な分だけ走行用油圧ポンプの傾転ピストンが素早く動作するため、車速が急変化しやすくなる。車両が正常な状態で稼働している場合には、制御装置から出力された指令信号通りに走行用油圧ポンプの傾転を制御することが可能であるが、例えば、前進走行中に制御装置と前進用の電磁比例バルブとの間の信号線が断線した場合には、走行用油圧ポンプの傾転を制御する圧油が作動油タンクに戻されて傾転ピストンが中立となり、走行用油圧ポンプの吐出流量が0(ゼロ)となる。これにより、フォークリフトは、急減速してバランスを崩しやすくなってしまう。
そこで、本発明の目的は、走行用の油圧ポンプの容量を電子制御するための信号線が断線した場合であっても、急減速しにくい作業車両を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、複数の車輪が設けられた車体と、前記車体に搭載されたエンジンと、前記エンジンにより駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプに対して閉回路接続され前記エンジンの駆動力を前記複数の車輪に伝達する可変容量型の走行用油圧モータと、前記走行用油圧ポンプおよび前記走行用油圧モータを制御するコントローラと、前記コントローラから出力されたポンプ指令信号に基づいて前記走行用油圧ポンプの押しのけ容積を制御するポンプ傾転制御装置と、前記コントローラから出力されたモータ指令信号に基づいて前記走行用油圧モータの押しのけ容積を制御するモータ傾転制御装置と、を備えた作業車両において、前記コントローラは、前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されていないことを検出すると、前記走行用油圧モータの押しのけ容積を、前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されている場合における前記走行用油圧モータの押しのけ容積よりも小さくすることを特徴とする。
本発明によれば、走行用の油圧ポンプの容量を電子制御するための信号線が断線した場合であっても、車体の急減速を回避することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の各実施形態に係る作業車両の一態様として、例えば土砂や鉱物といった作業対象物を掘削してダンプトラック等へ積み込む荷役作業を行うホイールローダについて説明する。
<ホイールローダ1の全体構成>
まず、本発明の各実施形態に係るホイールローダ1の全体構成について、図1を参照して説明する。
まず、本発明の各実施形態に係るホイールローダ1の全体構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るホイールローダ1の外観を示す側面図である。
ホイールローダ1は、車体が中心付近で中折れすることにより操舵するアーティキュレート式の作業車両である。具体的には、車体の前部となる前フレーム1Aと車体の後部となる後フレーム1Bとが、センタジョイント10によって左右方向に回動自在に連結されており、前フレーム1Aが後フレーム1Bに対して左右方向に屈曲する。
車体には4つの車輪11が設けられており、2つの車輪11が前輪11Aとして前フレーム1Aの左右両側に、残り2つの車輪11が後輪11Bとして後フレーム1Bの左右両側に、それぞれ設けられている。なお、図1では、左右一対の前輪11Aおよび後輪11Bのうち、左側の前輪11Aおよび後輪11Bのみを示している。また、車体に設けられる複数の車輪11の具体的な数については、特に制限はない。
前フレーム1Aの前部には、荷役作業に用いる油圧駆動式の荷役作業装置2が取り付けられている。荷役作業装置2は、前フレーム1Aに基端部が取り付けられたリフトアーム21と、リフトアーム21を駆動する2つのリフトアームシリンダ22と、リフトアーム21の先端部に取り付けられた作業具としてのバケット23と、バケット23を駆動するバケットシリンダ24と、リフトアーム21に回動可能に連結されてバケット23とバケットシリンダ24とのリンク機構を構成するベルクランク25と、を有している。なお、2つのリフトアームシリンダ22は車体の左右方向に並んで配置されているが、図1では、左側に配置されたリフトアームシリンダ22のみを破線で示している。
リフトアーム21は、2つのリフトアームシリンダ22それぞれのボトム室に作動油が供給されてロッド220が伸びることにより前フレーム1Aに対して上方向に回動し、2つのリフトアームシリンダ22それぞれのロッド室に作動油が供給されてロッド220が縮むことにより前フレーム1Aに対して下方向に回動する。
同様にして、バケット23は、バケットシリンダ24のボトム室に作動油が供給されてロッド240が伸びることによりチルト(リフトアーム21に対して上方向に回動)し、バケットシリンダ24のロッド室に作動油が供給されてロッド240が縮むことによりダンプ(リフトアーム21に対して下方向に回動)する。
なお、バケット23は、例えばブレード等の各種アタッチメントに交換することが可能であり、ホイールローダ1は、バケット23を用いた掘削作業の他に、押土作業や除雪作業等の各種作業を行うこともできる。
後フレーム1Bには、オペレータが搭乗する運転室12と、ホイールローダ1の駆動に必要な各機器を内部に収容する機械室13と、車体が傾倒しないように荷役作業装置2とのバランスを保つためのカウンタウェイト14と、が設けられている。後フレーム1Bにおいて、運転室12は前部に、カウンタウェイト14は後部に、機械室13は運転室12とカウンタウェイト14との間に、それぞれ配置されている。
以下、ホイールローダ1の走行駆動システムの構成について、実施形態ごとに説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るホイールローダ1の走行駆動システムについて、図2~4を参照して説明する。
本発明の第1実施形態に係るホイールローダ1の走行駆動システムについて、図2~4を参照して説明する。
(走行駆動システムの全体構成)
まず、ホイールローダ1の走行駆動システムの全体構成について、図2を参照して説明する。
まず、ホイールローダ1の走行駆動システムの全体構成について、図2を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係るホイールローダ1の駆動システムの一構成例を示す図である。
ホイールローダ1では、走行用油圧ポンプ31と走行用油圧モータ32とが一対の油圧管路301,302により閉回路をなして接続され、エンジン30で走行用油圧ポンプ31を駆動させることによって発生した油圧を走行用油圧モータ32で回転力に変換して走行駆動力とするHST式の走行駆動システムにより、車体が走行駆動する。
エンジン30には、走行用油圧ポンプ31の他に、走行用油圧ポンプ31を制御するための作動油を補給するチャージポンプ31Aと、荷役作業装置2を駆動するための荷役用油圧回路20に作動油を供給する荷役用油圧ポンプ33と、が連結されている。なお、図2では、荷役用油圧ポンプ33は可変容量型の油圧ポンプであるが、これに限らず、固定容量型の油圧ポンプであってもよい。
走行用油圧ポンプ31は、傾転角(傾転量)に応じて押しのけ容積が制御される斜板式あるいは斜軸式の可変容量型の油圧ポンプである。傾転角は、コントローラ5から出力されたポンプ指令信号に基づいてポンプ傾転制御装置310により制御される。
ポンプ傾転制御装置310は、チャージポンプ31Aから吐出された圧油が供給されることにより走行用油圧ポンプ31の傾転を動かすポンプ傾転シリンダ311と、車体の前進時においてポンプ傾転シリンダ311を制御する前進側ポンプ傾転制御弁312と、車体の後進時においてポンプ傾転シリンダ311を制御する後進側ポンプ傾転制御弁313と、を備える。
前進側ポンプ傾転制御弁312は、コントローラ5から出力されて前進側信号線41を介して伝達された前進側のポンプ指令信号(以下、単に「前進側ポンプ指令信号」とする)に基づいて、ポンプ傾転シリンダ311に作用する前進側の油圧(前進側の作用圧)を減圧する電磁比例減圧弁である。
同様にして、後進側ポンプ傾転制御弁313は、コントローラ5から出力されて後進側信号線42を介して伝達された後進側のポンプ指令信号(以下、単に「後進側ポンプ指令信号」とする)に基づいて、ポンプ傾転シリンダ311に作用する後進側の油圧(後進側の作用圧)を減圧する電磁比例減圧弁である。
なお、車体の前後進の切り換えは、運転室12(図1参照)内に設けられた前後進切換装置としての前後進切換スイッチ122により行う。また、ポンプ傾転シリンダ311に作用する油圧のバランスが取れている(前進側の作用圧=後進側の作用圧)ときは、ポンプ傾転シリンダ311は中立状態となり、走行用油圧ポンプ31から吐出される作動油の流量が0(ゼロ)となって車体は停車する。
走行用油圧モータ32は、傾転角(傾転量)に応じて押しのけ容積が制御される斜板式あるいは斜軸式の可変容量型の油圧モータである。傾転角は、コントローラ5から出力されたモータ指令信号に基づいてモータ傾転制御装置320により制御される。
モータ傾転制御装置320は、走行用油圧ポンプ31から吐出された作動油が供給されることにより走行用油圧モータ32の傾転を動かすモータ傾転シリンダ321と、モータ傾転シリンダ321を制御するモータ傾転制御弁322と、を備える。
モータ傾転制御弁322は、コントローラ5から出力されたモータ指令信号に基づいて、モータ傾転シリンダ321のロッド321Aを縮める第1切換位置322Aと、モータ傾転シリンダ321のロッド321Aを伸長させる第2切換位置322Bと、が切り換わる。
モータ傾転シリンダ321は、モータ傾転制御弁322が第1切換位置322Aに切り換わると(図2に示す状態)、ボトム室321Bから排出された作動油が作動油タンク34に流れ込むと共に、走行用油圧ポンプ31から吐出された作動油がロッド室321Cに流入する。これにより、ロッド321Aが縮んで、走行用油圧モータ32の傾転角は小さくなる方向に制御される。
他方、モータ傾転シリンダ321は、モータ傾転制御弁322が第2切換位置322Bに切り換わると、ロッド室321Cから排出された作動油および走行用油圧ポンプ31から吐出された作動油がボトム室321Bに流入する。これにより、ロッド321Aが伸長して、走行用油圧モータ32の傾転角は大きくなる方向に制御される。
HST式走行駆動システムでは、まず、運転室12内に設けられたアクセルペダル121をオペレータが踏み込むとエンジン30が回転し、エンジン30の駆動力により走行用油圧ポンプ31が駆動する。そして、走行用油圧ポンプ31から吐出した作動油によって走行用油圧モータ32が回転駆動し、走行用油圧モータ32からの出力トルクがトランスミッション15およびアクスル16を介して4つの車輪11に伝達されることにより、ホイールローダ1が走行する。
このとき、前後進切換スイッチ122により前進側に切り換わっている場合には、走行用油圧ポンプ31から吐出した作動油は、一対の油圧管路301,302のうち前進側の油圧管路301に導かれて走行用油圧モータ32に流入し、走行用油圧モータ32が正回転することで車体が前進走行する。他方、前後進切換スイッチ122により後進側に切り換わっている場合には、走行用油圧ポンプ31から吐出した作動油は、後進側の油圧管路302に導かれて走行用油圧モータ32に流入し、走行用油圧モータ32が逆回転することで車体が後進走行する。
なお、前進側の油圧管路301に発生する圧力(前進時におけるHSTメイン回路圧)は第1圧力センサ43Aで、後進側の油圧管路302に発生する圧力(後進時におけるHSTメイン回路圧)は第2圧力センサ43Bで、それぞれ検出される。また、一対の油圧管路301,302を接続する接続管路303上には一対の高圧リリーフ弁351,352が設けられている。接続管路303は、一対の高圧リリーフ弁351,352の間から分岐して作動油タンク34に接続されており、当該分岐管路上には低圧リリーフ弁353が設けられている。
このHST式走行駆動システムでは、エンジン30の回転数が減少すると、走行用油圧ポンプ31からの吐出流量が少なくなって走行用油圧モータ32に流入する作動油の流量が減るため、走行用油圧モータ32の回転数が減少してホイールローダ1の車速が制限される。さらに、この場合において、モータ傾転制御装置320により走行用油圧モータ32の傾転角を大きく制御すると、走行用油圧モータ32の出力トルクが小さくなるため、ホイールローダ1の車速をより制限することができる。
反対に、エンジン30の回転数が増加すると、走行用油圧ポンプ31からの吐出流量が増えて走行用油圧モータ32に流入する作動油の流量が増大するため、走行用油圧モータ32の回転数が増加してホイールローダ1の車速が速くなる。さらに、この場合において、モータ傾転制御装置320により走行用油圧モータ32の傾転角を小さく制御すると、走行用油圧モータ32の出力トルクが大きくなるため、ホイールローダ1の車速をより速くすることができる。
また、ホイールローダ1には、車体の速度段を選択する速度段選択装置としての速度段スイッチ123が運転室12内に設けられている。この速度段スイッチ123を操作することにより、トランスミッション15のギアの組み合わせが変更されて、4つの速度段から所望の速度段が選択される。なお、速度段スイッチ123は、ホイールローダ1の前進走行に対して主に使用される。
1速度段は、最も低い速度段(最低速度段)であり、例えば掘削作業や登坂作業等のけん引力を必要とする作業時に選択される。2速度段は、最低速度段である1速度段よりも1段階大きく設定された速度段であり、例えばダンプアプローチ動作時に選択される。これら1速度段および2速度段は「低速度段」に相当する。3速度段は、2速度段よりもさらに1段階大きく設定された速度段であり、4速度段は、3速度段よりもさらに1段階大きく設定された速度段であって最高速度段である。これら3速度段および4速度段は、例えば積荷の運搬時に選択され、「中~高速度段」に相当する。
ホイールローダ1では、走行用油圧ポンプ31の吐出流量を連続的に増減させることにより車速を制御(変速)し、さらにコントローラ5により走行用油圧ポンプ31および走行用油圧モータ32を電子制御することによって応答性を向上させ、滑らかな発進や減速、衝撃の少ない停止を可能としている。
ただし、例えば前進側信号線41や後進側信号線42が断線してしまうと、コントローラ5から出力されたポンプ指令信号が前進側ポンプ傾転制御弁312や後進側ポンプ傾転制御弁313に伝達されなくなり、ポンプ傾転シリンダ311に作用する作動油が作動油タンク34に戻される。これに伴い、ポンプ傾転シリンダ311が中立状態となって走行用油圧ポンプ31の吐出流量が0(ゼロ)となるため、ブレーキ力が発生し、車体が急減速して停車する。そこで、本実施形態では、このような事態が発生した場合に、コントローラ5が走行用油圧モータ32の傾転角を制御することで車体の急減速を回避している。
なお、以下では、コントローラ5からポンプ傾転制御装置310へポンプ指令信号が出力されない場合として、前進側信号線41や後進側信号線42の断線を例に挙げて説明するが、これに限らず、前進側ポンプ傾転制御弁312や後進側ポンプ傾転制御弁313の故障、コントローラ5の故障の場合などについても、コントローラ5からポンプ傾転制御装置310へポンプ指令信号が出力されない場合に含まれる。
また、「コントローラ5からポンプ傾転制御装置310へポンプ指令信号が出力されない場合」には、コントローラ5からのポンプ指令信号の出力が停止している場合、およびコントローラ5からポンプ指令信号は出力されているが、ポンプ指令信号の出力が途中で寸断されてポンプ傾転制御装置310へ伝達されていない場合の両方が含まれる。
(コントローラ5の構成)
次に、コントローラ5の構成について、図3を参照して説明する。
次に、コントローラ5の構成について、図3を参照して説明する。
図3は、第1実施形態に係るコントローラ5が有する機能を示す機能ブロック図である。
コントローラ5は、CPU、RAM、ROM、HDD、入力I/F、および出力I/Fがバスを介して互いに接続されて構成される。そして、アクセルペダル121や前後進切換スイッチ122といった各種の操作装置、および各種のセンサなどが入力I/Fに接続され、前進側ポンプ傾転制御弁312、後進側ポンプ傾転制御弁313、およびモータ傾転制御弁322などが出力I/Fに接続されている。
このようなハードウェア構成において、ROMやHDD若しくは光学ディスク等の記録媒体に格納された制御プログラム(ソフトウェア)をCPUが読み出してRAM上に展開し、展開された制御プログラムを実行することにより、制御プログラムとハードウェアとが協働して、コントローラ5の機能を実現する。
なお、本実施形態では、コントローラ5をソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成されるコンピュータとして説明しているが、これに限らず、例えば他のコンピュータの構成の一例として、ホイールローダ1の側で実行される制御プログラムの機能を実現する集積回路を用いてもよい。
コントローラ5は、データ取得部50と、ポンプ指令信号出力部51と、断線検出部52と、モータ指令信号出力部53と、時間計測部54と、経過時間判定部55と、記憶部56と、を含む。
データ取得部50は、アクセルペダル121の踏込量、前後進切換スイッチ122から出力された前後進切換信号、およびポンプ指令信号出力部51から出力されたポンプ指令信号の大きさに関するデータをそれぞれ取得する。
ポンプ指令信号出力部51は、データ取得部50で取得されたアクセルペダル121の踏込量や前後進切換信号に基づいて、前進側ポンプ傾転制御弁312に対して前進側ポンプ指令信号を、後進側ポンプ傾転制御弁313に対して後進側ポンプ指令信号を、それぞれ出力する。
断線検出部52は、データ取得部50で取得されたポンプ指令信号の大きさに基づいて、前進側信号線41の断線や後進側信号線42の断線を検出する。すなわち、断線検出部52は、ポンプ指令信号の大きさに基づいて、コントローラ5からポンプ傾転制御装置310へポンプ指令信号が出力されているか否かを検出する。
より具体的には、前進側信号線41および後進側信号線42にはそれぞれ、アクセルペダル121や前後進切換スイッチ122が操作されていない状態であっても一定の指令電流が印加されており、断線した場合にはその指令電流が遮断されて0(ゼロ)となる。したがって、断線検出部52は、前進側信号線41および後進側信号線42のそれぞれに印加されている指令電流が0となったことに基づいて断線を検出することができる。
モータ指令信号出力部53は、断線検出部52において前進側信号線41または後進側信号線42が断線したことが検出されると、走行用油圧モータ32の傾転角θを第1目標角θ1まで小さくする第1モータ指令信号をモータ傾転制御弁322に対して出力する。この「第1目標角θ1」は、前進側信号線41または後進側信号線42の断線時における走行用油圧モータ32の傾転角よりも小さい角度であり、例えば走行用油圧モータ32の最大傾転角の1/2の角度や断線時における傾転角の1/2の角度、あるいは走行用油圧モータ32の最小傾転角などに設定される。
すなわち、モータ指令信号出力部53は、断線検出部52において前進側信号線41または後進側信号線42が断線したことが検出されると、走行用油圧モータ32の傾転角θを、コントローラ5からポンプ傾転制御装置310へポンプ指令信号が出力されている場合における走行用油圧モータ32の傾転角よりも小さくする。
また、モータ指令信号出力部53は、第1目標角θ1まで小傾転化した走行用油圧モータ32の傾転角θを第2目標角θ2(>θ1)まで大きくする第2モータ指令信号をモータ傾転制御弁322に対して出力する。この「第2目標角θ2」は、第1目標角θ1よりも大きい角度であればよく、例えば走行用油圧モータ32の最大傾転角などに設定される。
時間計測部54は、モータ指令信号出力部53において第1モータ指令信号がモータ傾転制御弁322に対して出力されてからの経過時間tを計測する。
経過時間判定部55は、時間計測部54で計測された経過時間tが所定の設定時間T1(以下、単に「設定時間T1」とする)以上となったか否かを判定する。この「設定時間T1」とは、前進側信号線41または後進側信号線42が断線してから(すなわち、コントローラ5からポンプ傾転制御装置310へポンプ指令信号が出力されなくなってから)走行用油圧ポンプ31の吐出流量が0になるまでの時間として予め設定された時間である。設定時間T1は、メモリである記憶部56に記憶されている。
なお、モータ指令信号出力部53は、経過時間判定部55において経過時間tが設定時間T1以上となった場合(t≧T1)に、第2モータ指令信号をモータ傾転制御弁322に対して出力する。また、本実施形態では、第2モータ指令信号は、走行用油圧モータ32の傾転角θを所定の時間T2かけて第1目標角θ1から第2目標角θ2まで大きくする。この「所定の時間T2」は、第1モータ指令信号に基づいて走行用油圧モータ32の傾転角θを第1目標角θ1まで小さくする際にかかる時間よりも長い時間である。
(コントローラ5内での処理)
次に、コントローラ5内で実行される具体的な処理の流れについて、図4を参照して説明する。
次に、コントローラ5内で実行される具体的な処理の流れについて、図4を参照して説明する。
図4は、第1実施形態に係るコントローラ5で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
まず、データ取得部50は、ポンプ指令信号出力部51から出力されたポンプ指令信号を取得する(ステップS501)。続いて、断線検出部52は、ステップS501で取得されたポンプ指令信号に基づいて、前進側信号線41または後進側信号線42が断線しているか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502において前進側信号線41または後進側信号線42が断線していると判定される、すなわち断線検出部52が前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出すると(ステップS502/YES)、モータ指令信号出力部53は、モータ傾転角θを第1目標角θ1まで小傾転化させる第1モータ指令信号を出力する(ステップS503)。
これにより、ホイールローダ1は、断線時にポンプ傾転シリンダ311が中立状態になることによって発生するブレーキ力を抑制することができ、第1目標角θ1に応じたブレーキ力を得ることが可能となるため、急減速しにくくなる。したがって、ホイールローダ1は、前進側信号線41または後進側信号線42が断線してしまった場合であっても、コントローラ5によって車体の急減速を回避し、バランスを崩すことなく安定した状態で停車することが可能となる。
なお、本実施形態では、第1モータ指令信号は、断線検出部52が前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出すると、瞬時にモータ傾転角θを第1目標角θ1まで小傾転化させるように設定されているが、これに限らず、車体の急減速が発生しない程度の時間をかけてモータ傾転角θを第1目標角θ1まで小傾転化させてもよい。
ステップS502において前進側信号線41または後進側信号線42が断線していると判定されなかった場合、すなわち断線検出部52が前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出しなかった場合(ステップS502/NO)には、ステップS501に戻り、断線検出部52が前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出するまで(ステップS502/YES)ステップS503に進まない。
ステップS503においてモータ指令信号出力部53が第1モータ指令信号を出力すると、時間計測部54は、経過時間tの計測を開始する(ステップS504)。続いて、経過時間判定部55は、計測中の経過時間tが記憶部56に記憶された設定時間T1以上であるか否かを判定する(ステップS505)。
ステップS505において経過時間tが設定時間T1以上である(t≧T1)と判定された場合(ステップS505/YES)、モータ指令信号出力部53は、モータ傾転角θを所定時間T2かけて第2目標角θ2まで大傾転化させる第2モータ指令信号をモータ傾転制御弁322に対して出力し(ステップS506)、コントローラ5における処理が終了する。
なお、ステップS505において経過時間tが設定時間T1を経過していない(t<T1)と判定された場合(ステップS505/NO)には、経過時間tが設定時間T1を経過するまで(ステップS505/YES)ステップS506に進まない。
ステップS503において走行用油圧モータ32の傾転角θを小傾転化させると、第1目標角θ1の値によっては車体が停車するまでに逸走する可能性や、ホイールローダ1が坂道にいるような場合にはブレーキ力が不足して停車できなくなる可能性がある。そのため、本実施形態では、モータ指令信号出力部53が第1モータ指令信号を出力してから設定時間T1が経過した後に、モータ指令信号出力部53が第2指令信号を出力して走行用油圧モータ32の傾転角を第1モータ指令信号に対応した傾転角よりも大きくすることによってブレーキ力を上げている。これにより、ホイールローダ1は、確実に停車することが可能となる。
また、本実施形態では、第2モータ指令信号は、瞬時にモータ傾転角θを第2目標角θ2まで大傾転化させず、所定時間T2かけて第2目標角θ2まで大傾転化させるため、車体の急減速につながることがなく、また、モータ傾転角θが滑らかに大傾転化するため、設定時間T1を短くすることが可能となり、例えば、ホイールローダ1が降坂中であっても車体が逸走せずに停車しやすくなる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るコントローラ5Aについて、図5および図6を参照して説明する。図5および図6において、第1実施形態に係るホイールローダ1について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下、第3~第6実施形態においても同様とする。
次に、本発明の第2実施形態に係るコントローラ5Aについて、図5および図6を参照して説明する。図5および図6において、第1実施形態に係るホイールローダ1について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下、第3~第6実施形態においても同様とする。
図5は、第2実施形態に係るコントローラ5Aが有する機能を示す機能ブロック図である。図6は、第2実施形態に係るコントローラ5Aで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るコントローラ5Aは、第1実施形態に係るコントローラ5と異なり、走行用油圧モータ32のモータ傾転角θを第1目標角θ1まで小傾転化させた後、ホイールローダ1の車速Vを条件として、モータ傾転角θを第2目標角θ2まで大傾転化させる。
図5に示すように、コントローラ5Aは、データ取得部50A、ポンプ指令信号出力部51、断線検出部52、モータ指令信号出力部53、および記憶部56Aの他に、車速判定部57を含む。すなわち、コントローラ5Aは、第1実施形態における時間計測部54および経過時間判定部55に代わって、車速判定部57を含んでいる。
図6に示すように、ステップS503においてモータ指令信号出力部53が第1モータ指令信号を出力後、データ取得部50Aは、車速センサ44で検出された車速Vを取得する(ステップS504A)。
続いて、車速判定部57は、ステップS504Aにおいて取得された車速Vが所定の車速閾値Vth(以下、単に「車速閾値Vth」とする)以下であるか否かを判定する(ステップS505A)。ここで、「車速閾値Vth」は、前進側信号線41または後進側信号線42の断線時(すなわち、コントローラ5Aからポンプ傾転制御装置310へポンプ指令信号が出力されなくなった時)における車速よりも小さく設定された値であり、記憶部56Aに記憶されている。
ステップS505Aにおいて車速Vが車速閾値Vth以下である(V≦Vth)と判定された場合(ステップS505A/YES)には、ステップS506に進んでモータ指令信号出力部53は第2モータ指令信号を出力する。一方、ステップS505Aにおいて車速Vが車速閾値Vthよりも大きい(V>Vth)と判定された場合(ステップS505A/NO)には、ステップS504Aに戻って車速Vが車速閾値Vth以下となる(V≦Vth)までステップS506に進まない。
本実施形態においても、第1実施形態における作用および効果と同様の作用および効果を奏する。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るコントローラ5Bについて、図7および図8を参照して説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係るコントローラ5Bについて、図7および図8を参照して説明する。
図7は、第3実施形態に係るコントローラ5Bが有する機能を示す機能ブロック図である。図8は、第3実施形態に係るコントローラ5Bで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るコントローラ5Bは、第1実施形態に係るコントローラ5と異なり、前進側信号線41または後進側信号線42が断線し、かつ断線時におけるバケット23の位置が水平姿勢でのバケット23の位置よりも上方である場合に、モータ傾転角θを第1目標角θ1まで小傾転化させる。
図7に示すように、コントローラ5Bは、データ取得部50B、ポンプ指令信号出力部51、断線検出部52、モータ指令信号出力部53、時間計測部54、経過時間判定部55、および記憶部56Bの他に、姿勢判定部58を含む。
図8に示すように、ステップS502において断線検出部52が前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出すると(ステップS502/YES)、データ取得部50Bは、荷役作業装置2に取り付けられた姿勢センサ45(例えば、リフトアーム21およびバケット23の角度を検出する角度センサや、リフトアームシリンダ22およびバケットシリンダ24のボトム圧を検出する圧力センサなど)で検出された荷役作業装置2の姿勢を取得する(ステップS507)。
続いて、姿勢判定部58は、ステップS507で取得された荷役作業装置2の姿勢に基づいて、バケット23の位置が荷役作業装置2の水平姿勢におけるバケット23の位置よりも上方であるか否かを判定する(ステップS508)。荷役作業装置2の水平姿勢におけるバケット23の位置は、予め記憶部56Bに記憶されている。なお、「荷役作業装置2の水平姿勢」とは、積荷の運搬時や積荷がない状態での走行時など、ホイールローダ1が走行姿勢にある場合における荷役作業装置2の姿勢である。
ステップS508においてバケット23の位置が荷役作業装置2の水平姿勢におけるバケット23の位置よりも上方であると判定された場合(ステップS508/YES)、ステップS503に進んでモータ指令信号出力部53は第1モータ指令信号を出力する。一方、ステップS508においてバケット23の位置が荷役作業装置2の水平姿勢におけるバケット23の位置以下であると判定された場合(ステップS508/NO)には、コントローラ5B内における処理が終了する。
例えば、掘削した土砂や鉱物などの積荷をダンプトラックなどの積込み先に積み込む積込作業では、ホイールローダ1はリフトアーム21を上昇させながら積込み先に近づく(ダンプアプローチ)が、この状態で前進側信号線41が断線して車体が急減速してしまうと、後輪11Bが浮きやすく車体はよりバランスを崩しやすくなってしまう。したがって、このように車体のバランスが不安定な状態である場合のみ、モータ傾転角制御処理の対象としてもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係るコントローラ5Cについて、図9および図10を参照して説明する。
次に、第4実施形態に係るコントローラ5Cについて、図9および図10を参照して説明する。
図9は、第4実施形態に係るコントローラ5Cが有する機能を示す機能ブロック図である。図10は、第4実施形態に係るコントローラ5Cで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るコントローラ5Cは、第1実施形態に係るコントローラ5と異なり、前進側信号線41または後進側信号線42が断線し、かつ断線時における車体の速度段が低速度段である場合に、モータ傾転角θを第1目標角θ1まで小傾転化させる。
図9に示すように、コントローラ5Cは、データ取得部50C、ポンプ指令信号出力部51、断線検出部52、モータ指令信号出力部53、時間計測部54、経過時間判定部55、および記憶部56の他に、速度段判定部59を含む。すなわち、コントローラ5Cは、第3実施形態における姿勢判定部58に代わって、速度段判定部59を含んでいる。
図10に示すように、ステップS502において断線検出部52が前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出すると(ステップS502/YES)、データ取得部50Cは、速度段スイッチ123で選択された速度段を取得する(ステップS507C)。
続いて、速度段判定部59は、ステップS507Cで取得された速度段が低速度段であるか否かを判定する(ステップS508C)。ステップS508Cにおいて、ステップS507Cで取得された速度段が低速度段であると判定された場合(ステップS508C/YES)、ステップS503に進んでモータ指令信号出力部53は第1モータ指令信号を出力する。一方、ステップS508CにおいてステップS507Cで取得された速度段が低速度段でないと判定された場合(ステップS508C/NO)には、コントローラ5C内における処理が終了する。
ホイールローダ1は、車体の速度段が低速度段(1速度段や2速度段)のときほど、車速が低く、モータ傾転角θも大傾転になりやすいため、前進側信号線41や後進側信号線42が断線すると大きなブレーキ力が発生しやすい。一方、車体の速度段が中~高速度段(3速度段や4速度段)のときは、車速が高くなりやすく、また、モータ傾転角θを小傾転で使うことが多くこと、およびトランスミッション15のギア比の違いによって同じモータ傾転角θであっても牽引力が小さくなりやすいことから、低速度段の場合と比べてブレーキ力が発生しにくい。したがって、このように車体の速度段が低速度段である場合のみ、モータ傾転角制御処理の対象としてもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係るコントローラ5について、図11を参照して説明する。
次に、本発明の第5実施形態に係るコントローラ5について、図11を参照して説明する。
図11は、第5実施形態に係るコントローラ5で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るコントローラ5は、第1実施形態と同様に、データ取得部50、ポンプ指令信号出力部51、断線検出部52、モータ指令信号出力部53、時間計測部54、経過時間判定部55、および記憶部56を含む。
図11に示すように、ステップS502において断線検出部52が前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出すると(ステップS502/YES)、さらに、断線検出部52は、データ取得部50で取得された前後進切換信号に基づいて、車体の前進中に前進側信号線41が断線または車体の後進中に後進側信号線42が断線したか否かを判定する(ステップS509)。
ステップS509において車体の前進中に前進側信号線41が断線または車体の後進中に後進側信号線42が断線したと判定された場合(ステップS509/YES)、ステップS503に進んでモータ指令信号出力部53は第1モータ指令信号を出力する。一方、ステップS509において車体の前進中に前進側信号線41が断線または車体の後進中に後進側信号線42が断線したと判定されなかった場合、すなわち車体の前進中に後進側信号線42が断線または車体の後進中に前進側信号線41が断線した場合(ステップS509/NO)には、コントローラ5内における処理が終了する。
車体の前進中に後進側信号線42が断線した場合や、車体の後進中に前進側信号線41が断線した場合には、ポンプ指令信号出力部51から出力されるポンプ指令信号に影響がないため、車体の前進中に前進側信号線41が断線または車体の後進中に後進側信号線42が断線したときのみ、モータ傾転角制御処理の対象としてもよい。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係るホイールローダ1について、図12を参照して説明する。
次に、本発明の第6実施形態に係るホイールローダ1について、図12を参照して説明する。
図12は、第6実施形態に係るホイールローダ1の駆動システムの一構成例を示す図である。
本実施形態に係るポンプ傾転制御装置310Aでは、第1実施形態に係るポンプ傾転制御装置310の構成と異なり、ポンプ傾転シリンダ311に供給される作動油の流れ(流量および方向)が、1つの方向制御弁314によって制御されている。
具体的には、方向制御弁314は、コントローラ5から出力されて前進側信号線41を介して伝達された前進側ポンプ指令信号に基づいたポンプ傾転角とする第1切換位置Lと、コントローラ5から出力されて後進側信号線42を介して伝達された後進側ポンプ指令信号に基づいたポンプ傾転角を制御する第2切換位置Rと、ポンプ傾転シリンダ311の作動油を作動油タンク34に戻す中立位置Nと、を有する。
コントローラ5から前進側ポンプ指令信号が出力されると、方向制御弁314は第1切換位置Lに切り換わり、これによってポンプ傾転シリンダ311は前進側におけるポンプ傾転角を制御する。他方、コントローラ5から後進側ポンプ指令信号が出力されると、方向制御弁314は第2切換位置Rに切り換わり、これによってポンプ傾転シリンダ311は後進側におけるポンプ傾転角を制御する。
また、前進側信号線41または後進側信号線42が断線した場合には、方向制御弁314は中立位置Nに戻り(図12に示す状態)、ポンプ傾転シリンダ311内の作動油が作動油タンク34に排出されて、走行用油圧ポンプ31の吐出流量が0となる。
このように、ポンプ傾転シリンダ311は、必ずしも2つのポンプ傾転制御弁(前進側ポンプ傾転制御弁312および後進側ポンプ傾転制御弁313)によって制御される必要はなく、1つの方向制御弁314によって制御されてもよい。
以上、本発明の実施形態および変形例について説明した。なお、本発明は上記した実施形態や変形例に限定されるものではなく、様々な他の変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態および変形例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、本実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。またさらに、本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記実施形態では、作業車両の一態様としてホイールローダについて説明したが、これに限らず、HST式の走行駆動システムが搭載された他の作業車両についても本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、コントローラ5,5A,5B,5Cは、断線検出部52,52Aが前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出すると、モータ指令信号出力部53が第1モータ指令信号を出力し、その後に第2モータ指令信号を出力しているが、少なくとも断線検出部52,52Aが前進側信号線41または後進側信号線42の断線を検出した場合にモータ指令信号出力部53が第1モータ指令信号を出力すればよい。
1:ホイールローダ(作業車両)
2:荷役作業装置(作業装置)
5,5A,5B,5C:コントローラ
11A:前輪(車輪)
11B:後輪(車輪)
23:バケット(作業具)
30:エンジン
31:走行用油圧ポンプ
32:走行用油圧モータ
44:車速センサ
45:姿勢センサ
122:前後進切換スイッチ(前後進切換装置)
123:速度段スイッチ(速度段選択装置)
310,310A:ポンプ傾転制御装置
320:モータ傾転制御装置
2:荷役作業装置(作業装置)
5,5A,5B,5C:コントローラ
11A:前輪(車輪)
11B:後輪(車輪)
23:バケット(作業具)
30:エンジン
31:走行用油圧ポンプ
32:走行用油圧モータ
44:車速センサ
45:姿勢センサ
122:前後進切換スイッチ(前後進切換装置)
123:速度段スイッチ(速度段選択装置)
310,310A:ポンプ傾転制御装置
320:モータ傾転制御装置
Claims (7)
- 複数の車輪が設けられた車体と、前記車体に搭載されたエンジンと、前記エンジンにより駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプに対して閉回路接続され前記エンジンの駆動力を前記複数の車輪に伝達する可変容量型の走行用油圧モータと、前記走行用油圧ポンプおよび前記走行用油圧モータを制御するコントローラと、前記コントローラから出力されたポンプ指令信号に基づいて前記走行用油圧ポンプの押しのけ容積を制御するポンプ傾転制御装置と、前記コントローラから出力されたモータ指令信号に基づいて前記走行用油圧モータの押しのけ容積を制御するモータ傾転制御装置と、を備えた作業車両において、
前記コントローラは、
前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されていないことを検出すると、前記走行用油圧モータの押しのけ容積を、前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されている場合における前記走行用油圧モータの押しのけ容積よりも小さくする
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
前記コントローラは、
前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されていないことを検出して前記走行用油圧モータの押しのけ容積を小さくしてからの経過時間が、前記ポンプ指令信号が出力されなくなってから前記走行用油圧ポンプの吐出流量が0になるまでの時間として設定された設定時間以上となった場合に、前記走行用油圧モータの押しのけ容積を、小さくした前記走行用油圧モータの押しのけ容積よりも大きくする
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項2に記載の作業車両において、
前記コントローラは、
前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されていないことを検出して前記走行用油圧モータの押しのけ容積を小さくする場合にかかる時間よりも長い所定の時間をかけて、前記走行用油圧モータの押しのけ容積を、小さくした前記走行用油圧モータの押しのけ容積よりも大きくする
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
車速を検出する車速センサを備え、
前記コントローラは、
前記車速センサで検出された車速が、前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されなくなった時における車速よりも小さく設定された所定の車速以下となった場合に、前記走行用油圧モータの押しのけ容積を、小さくした前記走行用油圧モータの押しのけ容積よりも大きくする
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
作業具が先端部に取り付けられた作業装置と、
前記作業装置の姿勢を検出する姿勢センサと、を備え、
前記コントローラは、
前記姿勢センサで検出された前記作業装置の姿勢における前記作業具の位置が、前記作業装置の水平姿勢における前記作業具の位置よりも上方である場合に、前記走行用油圧モータの押しのけ容積を、前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されている場合における前記走行用油圧モータの押しのけ容積よりも小さくする
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
前記車体の速度段を選択する速度段選択装置を備え、
前記コントローラは、
前記速度段選択装置において最も低い速度段を含む低速度段が選択されている場合に、前記走行用油圧モータの押しのけ容積を、前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されている場合における前記走行用油圧モータの押しのけ容積よりも小さくする
ことを特徴とする作業車両。 - 請求項1に記載の作業車両において、
前記車体の前後進を切り換える前後進切換装置を備え、
前記コントローラは、
前記前後進切換装置が前進に切り換わっているときに前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前進に係る前記ポンプ指令信号が出力されていない場合、または前記前後進切換装置が後進に切り換わっているときに前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ後進に係る前記ポンプ指令信号が出力されていない場合に、前記走行用油圧モータの押しのけ容積を、前記コントローラから前記ポンプ傾転制御装置へ前記ポンプ指令信号が出力されている場合における前記走行用油圧モータの押しのけ容積よりも小さくする
ことを特徴とする作業車両。
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