JP2023085464A - 毛髪処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘアトリートメント効果を有する成分を毛髪に均一かつ適量付着させることができ、適宜加熱処理をすることによって、ダメージを受けた毛髪の疎水性や櫛通り、なめらかさを回復させ、その効果を長期間保持することのできる効果持続性に優れる毛髪処理方法の提供。【解決手段】(1)主鎖にポリシロキサン構造及びポリオキシアルキレン構造を含み、トリアルコキシシラン基又はシラノール基を有する側鎖を持つコポリマーを含有する毛髪処理剤を毛髪に適用する工程;(2)毛髪を40℃~230℃で加熱処理する工程;及び(3)毛髪を洗い流す工程、を含むことを特徴とする毛髪処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は毛髪処理方法に関する。より詳しくは、毛髪をなめらかに櫛通りよくし、撥水性等を付与することができ、なおかつ当該効果を長期間にわたって持続させることができる毛髪処理方法に関する。
シャンプーやリンス等の洗髪用化粧料、ヘアスタイリング剤やヘアトリートメント等の毛髪仕上げ用化粧料にはシリコーン等の各種ヘアケア成分が配合されている。これらのヘアケア成分は、毛髪のダメージ部分に吸着して修復し、毛髪を被覆して櫛通りを改善することができる。
前記のようなヘアトリートメントを目的とする毛髪処理方法は、特にヘアサロン等において実施される場合には、その効果が長期間持続することが求められる。
しかし、従来の毛髪化粧料にヘアケア成分として配合されていたポリマーでは、使用直後は毛髪の櫛通りなどを修復できても、洗髪によって洗い流され易く、効果を長時間持続させる点あるいは使用感触の点で不十分なものが多かった。
特許文献1には、反応性のアルコキシシラン基を有するビニルモノマー、アルキル基等を有する親油性ビニルモノマー、及びアクリル酸系の親水性モノマーをカチオン性乳化剤で乳化重合して得られるカチオン性ポリマーエマルションを配合した毛髪化粧料が開示されている。このカチオン性ポリマーは、アルコキシシラン基が加水分解されてシラノール基となり、脱水縮合反応を経て架橋構造を形成して強固な皮膜を形成するとされている。しかし、このポリマーの主鎖はポリビニル構造のビニルポリマーであって、樹脂感が強く、毛髪が硬くごわついた感触になり使用性が十分ではなかった。
特許文献2には、末端にアルコキシ-(アミノメチル)-シリル基を有するシリコーンポリマーを配合した組成物を使用するヘアトリートメント方法が記載されている。ここで使用されるシリコーンポリマーは、毛髪の形状を長く維持するとともに良好な美容的性質を発揮するとされている。アルコキシシラン成分を配合した処理剤で施術した場合、毛髪への不均一な付着や過剰な付着により、使用性を劣化させることがあった。
特許第4805482号公報 特表2016-525534号公報
よって本発明における課題は、ヘアトリートメント効果を有する成分を毛髪に均一かつ適量付着させることができ、適宜加熱処理をすることによって、ダメージを受けた毛髪の疎水性や櫛通り、なめらかさを回復させることができ、その効果を長期間保持することのできる効果持続性に優れる毛髪処理方法を提供することである。
本発明者等は、主鎖にポリシロキサン構造及びポリオキシアルキレン構造を含み、トリアルコキシシラン基又はシラノール基を有する側鎖を持つコポリマーを所定量含有する毛髪処理剤を用い、適時の洗い流し工程及び加熱工程を設けることにより、効果持続性に優れ、高い撥水効果と滑らかな使用性を発揮する毛髪処理が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)主鎖にポリシロキサン構造及びポリオキシアルキレン構造を含み、トリアルコキシシラン基又はシラノール基を有する側鎖を持つコポリマーを含有する毛髪処理剤を毛髪に適用する工程;
(2)毛髪を40℃~230℃で加熱処理する工程;及び
(3)毛髪を洗い流す工程、を含むことを特徴とする毛髪処理方法を提供する。
本発明の毛髪処理方法は、特定構造のコポリマーを所定濃度で含有する毛髪処理剤を用い、加熱前または加熱後に洗い流す工程を設けたことにより、毛髪処理成分が毛髪表面に過剰に残ることが無い。また、本発明の毛髪処理による効果は持続効果に優れたものである。本発明の毛髪処理方法において、パーマネントウェーブ形成、縮毛矯正、染色又は脱色といった化学的処理工程、前記毛髪処理剤を塗布する工程の前に組み入れることで、化学的処理で傷んだ毛髪を即座に修復してなめらかさ等を回復させることができる。
さらに、本発明で使用される特定構造のコポリマーは、毛髪表面に疎水性(撥水性)を付与し、速乾性でさらさらした感触にし、毛髪をまとまりやすくし、耐熱性、耐薬品性及び耐汚染物質(花粉など)を向上させ、それらの効果が長期間持続する。
以下、本発明の毛髪処理方法は、(1)毛髪処理剤を適用する工程、(2)加熱処理工程、及び(3)洗い流す工程を有する。以下に各工程について詳述する。
(1)毛髪処理剤を適用する工程
本発明に係る毛髪処理方法では、まず毛髪処理剤を毛髪に適用する。
本発明で用いる毛髪処理剤は、主鎖にポリシロキサン構造及びポリオキシアルキレン構造を含み、トリアルコキシシラン基又はシラノール基を有する側鎖を持つコポリマー(以下「架橋型シリコーンPOAコポリマー」と略称する)を含有する。
前記の架橋型シリコーンPOAコポリマーは、主鎖に存在するポリオキシアルキレン構造の親水性に基づいて毛髪への吸着性に優れ、主鎖に存在するポリシロキサン構造が毛髪表面に疎水性(撥水性)を付与し、側鎖に存在するアルコキシシラン基又はシラノール基が比較的低温で架橋して皮膜を強固にするため、効果の持続性に優れる。
前記の架橋型シリコーンPOAコポリマーの主鎖を構成するポリシロキサン構造は、ポリジアルキルシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサンからなり、前記アルキル基(好ましくはメチル基)の一部がフェニル基で置換されていてもよい。
本発明の架橋型シリコーンPOAコポリマーの主鎖を構成するポリオキシアルキレン構造は、繰り返し単位として、オキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)、及びオキシブチレン基(BO)からなる群から選択される少なくとも1つを含むものが好ましい。
本発明における架橋型シリコーンPOAコポリマーは、有機基からなる側鎖を更に有するのが好ましい。側鎖となる有機基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等で任意に置換されていてもよい炭化水素基(好ましくはアルキル基、例えば、炭素数1~30程度の直鎖状または分岐状のアルキル基、あるいはフェニル基など)が例示される。炭化水素基はアミノ基を有するのが好ましく、当該アミノ基の水素原子はアルキル基等で更に置換されていてもよい。
本発明の架橋型シリコーンPOAコポリマーは、その主鎖に窒素原子を更に含むのが好ましく、前記の側鎖が当該窒素原子に結合しているのが好ましい。
架橋型シリコーンPOAコポリマーの更に具体的な例としては、ポリシリコーン-29(INCI名)が挙げられる。ポリシリコーン-29は、末端にグリシドプロピル基を有するジメチルシロキサン重合体とPEG-13ジグリシジルエーテル、ジエチルアミノプロピルアミン及びアミノプロピルトリイソプロポキシシランとの反応によって得られる複合シリコーン化合物と定義される。
本発明における架橋型シリコーンPOAコポリマーとしては市販品を用いてもよい。例えば、Momentive Performance Materials社から「Silsoft CLX-E」という商品名で販売されているヘアコンディショニング剤に含まれるコポリマーが特に好ましく用いられる。このコポリマーは「ポリシリコーン-29」に属する化合物である。当該コポリマーは、主鎖にポリシロキサン構造とポリオキシアルキレン構造と窒素原子を含み、トリアルコキシシラン基を有する側鎖及び有機基からなる側鎖を持ち、ポリシロキサン構造がポリジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン構造がポリオキシエチレン及びポリオキシイソプロピレンを含み、側鎖が主鎖の窒素原子に結合した構造を有する。「Silsoft CLX-E」は、前記コポリマーとジプロピレングリコールと水を含む商品である。
本発明で使用する毛髪処理剤における架橋型シリコーンPOAコポリマーの配合量は0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上の濃度とするのが好ましい。例えば、0.5質量%以上あるいは1質量%以上とすることもできる。当該コポリマーが有する毛髪への親和性により、前記コポリマーが毛髪全体を不足なく被覆することができ、下記の洗い流し工程を実施することで余分なコポリマーを除去すれば毛髪がゴワツクこともない。架橋型シリコーンPOAコポリマーの配合量の上限値は、通常は5.0質量%以下、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下である。配合量が0.05質量%未満であると意図したような効果が得られず、5.0質量%を超えて配合すると使用性が低下する場合がある。
本発明における毛髪処理剤は、クリーム、ミスト、ムース、ジェル、又はスプレー等の形態で調製することができ、特に限定されない。毛髪処理剤は、各形態に応じた他の成分を任意に配合していてもよい。好ましくは、クリーム、ミスト、又はジェルの形態で提供される。
例えば、クリームとする場合には、架橋型シリコーンPOAコポリマー、水、高級アルコール、及び界面活性剤を配合するのが好ましい。当該界面活性剤として第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤を含めるのが好ましい。カチオン性界面活性剤の配合量範囲は、毛髪処理剤の0.1~2.0質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.2~1.5質量%である。また、カチオン性界面活性剤に加えて、非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含んでもよい。非イオン性界面活性剤または両性界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、通常は、0.1~3.0質量%であり、より好ましくは0.3~1.5質量%である。一方、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤のみを用いると所望の効果が得られない場合があるため、アニオン性界面活性剤の単独配合は避けるのが好ましい。高級アルコールの配合量は、通常は0.1~20質量%、好ましくは1.0~10質量%である。水は、特に限定されないが、化粧料の5質量%以上配合するのが好ましく、通常は50~90質量%程度である。
ミストとする場合には、架橋型シリコーンPOAコポリマー、低級アルコール、及び界面活性剤を配合するのが好ましい。ミストにおける界面活性剤は第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤とするのが好ましい。カチオン性界面活性剤の配合量は、安定性及び使用感触の点から、毛髪処理剤に対して0.01~1.0質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.03~0.5質量%、さらに好ましくは0.05~0.5質量%である。低級アルコールは、エタノール等の炭素数5以下のアルコールを意味する、低級アルコールの配合量は、安定性及び効果の点から、10~60質量%とするのが好ましく、より好ましくは20~50質量%である。
本発明の毛髪処理剤に配合される他の任意成分としては、化粧品や医薬品等に通常用いられる成分から適宜選択できる。ただし、その配合量は本発明の効果を損なわない範囲内とする。このような任意成分としては、限定されないが、例えば、油分、粉末成分、天然高分子、合成高分子、増粘剤、紫外線吸収剤、保湿剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等が挙げられる。
この工程では、上記したような毛髪処理剤を、その形態に適した方法で毛髪に適用する。毛髪処理剤がクリーム、ムース、又はジェルである場合は、当該毛髪処理剤を任意に手に取って、毛髪に塗布し、毛髪全体に塗り伸ばす。毛髪処理剤がミスト又はスプレーである場合は、各形態に適合した容器に充填した後、毛髪に噴霧(スプレー)し、任意に手で毛髪全体に塗り伸ばす。
(2)加熱処理工程
加熱処理工程においては、前記毛髪処理剤を塗布された毛髪を所定温度に加熱する。
加熱処理温度は、40℃~230℃、好ましくは60℃~200℃、より好ましくは60℃~180℃、さらに好ましくは80℃~150℃、最も好ましくは80℃~120℃である。40℃未満では効果の持続効果が不十分になる。230℃を超えると、熱によって毛髪を傷めてしまう場合があり、特に染色(カラーリング)を施した毛髪に顕著な色調変化(褪色)を起こしやすい。
加熱手段は特に限定されないが、ヘアアイロン又はヘアドライヤーを使用するのが好ましい。
(3)洗い流す工程
本発明の毛髪処理方法における(3)洗い流す工程では、前記毛髪処理剤が塗布された毛髪を洗い流す。洗い流しは、水を用いるのが好ましいが、界面活性剤等の洗浄成分を含有する水で洗い流してもよい。
洗い流すことにより、毛髪表面に過剰に塗布された毛髪処理剤を除去して、仕上がりを良好にすることができる。
本発明の毛髪処理方法では、工程(1)において毛髪処理剤が塗布された毛髪に対して、(2)加熱処理工程を施した後に(3)洗い流し工程を施してもよく、(3)洗い流し工程を施した後に(2)加熱処理工程を施してもよい。しかし、(2)加熱処理工程又は(3)洗い流し工程のいずれか一方を欠くと、処理後の毛髪にべたつきがあるといった使用性の問題を生じる。特に、加熱処理を実施しないと効果持続性が格段に低下する。
また、加熱工程の前には毛髪を乾燥させるのが好ましい。
(4)化学的処理工程
本発明の毛髪処理方法には、染毛(カラーリング)、パーマネントウェーブ形成、あるいは縮毛矯正(直毛化)といった化学的処理工程を組み入れることができる。これらの化学的処理は、下記の染毛(カラーリング)処理、パーマネントウェーブ形成処理、及び縮毛矯正(直毛化)処理から選択される少なくとも1種の処理を含むのが好ましく、例えば、染毛処理とパーマネントウェーブ形成処理又は縮毛矯正処理を組み合わせて実施してもよい。
・染毛(カラーリング)
本発明における染毛(カラーリング)処理は、酸化染料を含む第1剤と過酸化水素等の酸化剤を含む第2剤を用いる酸化染色を代表例とする永久染毛処理、アルカリ剤を含む第1剤と過酸化水素を含む第2剤を用いるヘアブリーチ(脱色)処理を含むものとする。また、顔料などの色剤や酸性染料を用いた一時的染毛処理であってもよい。
・パーマネントウェーブ形成
本発明におけるパーマテントウェーブ形成処理は、チオグリコール酸やシステインを代表例とする還元剤を含む第1剤と酸化剤を含む第2剤を用いてパーマネントウェーブを形成する処理を含む。また、前記の還元剤と酸化剤を用いたストレートパーマ処理も含む。
・縮毛矯正(直毛化)
本発明における縮毛矯正(直毛化)処理は、例えば、グリオキシル酸を主成分とする処理剤を用いた処理を意味し、上記の還元剤と酸化剤とを用いたストレートパーマ処理は含まない。グリオキシル酸を用いた縮毛矯正処理剤は、グアニジン塩及び/又は尿素を更に配合して矯正効果を向上させたものでもよい(特許第5947340号公報参照)。
本発明の毛髪処理方法では、上記したような化学処理工程は、(1)毛髪処理剤を適用する工程の前に実施するのが好ましい。(1)毛髪処理剤の適用、(2)加熱処理及び(3)洗い流しの後に(4)化学的処理を施すと、化学的処理剤の毛髪への浸透が抑制され、十分な効果が得られない傾向がある。
一方、化学処理工程に続けて本発明の毛髪処理方法(工程(1)~(3))を実施することにより、化学処理剤によって損傷を受けた毛髪を良好に修復することができる。本発明の毛髪処理方法の工程(1)は、(4)化学的処理工程が終了した直後(例えば、30分以内、10分以内、あるいは5分以内)に実施することができ、間に任意の洗浄工程を挟んでもよい。
なお、染毛(カラーリング)処理の後に本発明の毛髪処理方法(工程(1)~(3))を実施する場合には、(2)加熱処理工程における加熱温度を低温(例えば、180℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下)とするのが、褪色抑制の点で好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明は実施例により限定されるものではない。なお、配合量は特記しない限り質量%で示す。
下記の表1及び表2に示す処方で各例の毛髪処理剤を常法に従って調製した。
Figure 2023085464000001
Figure 2023085464000002
次いで、以下の方法で毛髪サンプルに対して各処理工程を施した。各工程の適用順序は表3及び表4に示す通りである。
評価に使用した毛髪サンプルは次の通りである。
・染色(カラーリング処理):長さ8cm、重さ1gのヒト白髪毛髪ストランド
・パーマネントウェーブ形成処理:長さ30cm、重さ2gのヒト毛髪ストランド
・染色又はパーマネントウェーブ処理を行わない場合:長さ15cm、重さ0.5gのダメージ毛髪ストランド
各工程の詳細は次の通りである。
(1)毛髪処理剤を適用する工程(塗布工程)
毛髪サンプルに毛髪処理剤を塗布する。
(2)加熱処理工程(加熱工程)
毛髪サンプルを所定温度で加熱する。加熱温度及び加熱手段は表3及び表4に記載する。
(3)洗い流す工程(水洗工程)
毛髪サンプルを水で洗い流す。
(4)化学的処理工程
・染色(カラーリング)処理:酸性染毛料(ヘアプリミエンス 資生堂プロフェッショナル製)を用いて染毛する。
・パーマネントウェーブ形成処理:パーマ処理液(CREATOR 資生堂プロフェッショナル製)を用いてパーマネントウェーブ形成する。
・縮毛矯正(直毛化)処理:グリオキシル酸含有処理液を用いて縮毛矯正処理する。
Figure 2023085464000003
Figure 2023085464000004
上記の表3及び表4に記載した順序で各工程を施した毛髪サンプルを以下の観点から評価した。評価結果を表3及び表4に掲げる。評価Cであれば実用上問題は生じず、Bは良好、Aは更に良好(優秀)である。
<使用性>
毛髪サンプルを訓練した研究員が触診し、以下の評価基準で判定した。
評価基準:
A:毛髪にごわつきやべたつきがなく、非常になめらかな手触りである。
B:毛髪にごわつきやべたつきがなく、なめらかな手触りである。
C:やや毛髪にごわつきやべたつきがあるが、なめらかな手触りである。
D:毛髪にごわつきやべたつきがあり、なめらかな手触りでない。
<持続効果>
毛髪サンプルの表面に2μLの水を滴下し、水滴をマイクロスコープで撮影した。撮影した画像から、毛髪上の水滴の左右の角度を測定し、それらの平均値を1回の測定値とした。同じ測定を3回繰り返し、その平均値を接触角の値とした。
次いで、コンディショニング成分無配合10%SLES溶液シャンプーで洗浄を繰り返した、上記と同様の測定を行って接触角変化率(下記式)を算出した。
接触角変化率(%)=100×(洗浄後の接触角/洗浄前の接触角)
上記式で算出された接触角変化率を基準として、持続効果を以下のように評価した。
A:接触角変化率が90%以上である。
B:接触角変化率が80%以上90%未満である。
C:接触角変化率が70%以上80%未満である。
D:接触角変化率が70%未満である。
<化学的処理に対する影響>
・染色(カラーリング)に対する影響<カラー影響>
化学的処理として染色のみを実施した比較例5(表4)を基準として、各例で処理した毛髪サンプルの色調を目視で比較し、色調変化を以下の基準で評価した。
A:比較例5と比較して色の変化が全くない。
B:比較例5と比較して色の変化が殆どない。
C:比較例5と比較して色の変化が若干認められる。
D:比較例5と比較して大きな色の変化がある。
・パーマネントウェーブ形成処理に対する影響<パーマ影響>
化学的処理としてパーマ処理のみを実施した比較例5(表4)を基準として、各例で処理した毛髪サンプルのパーマネントウェーブのかかり具合を目視で比較し、その変化を以下の基準で評価した。
A:比較例5と比較してパーマかかり方に変化が全くない。
B:比較例5と比較してパーマかかり方に変化が殆どない。
C:比較例5と比較してパーマかかり方が若干劣る。
D:比較例5と比較してパーマかかり方が顕著に劣る。
表3及び表4に示されるように、(1)毛髪処理剤の適用に続けて、(2)加熱処理及び(3)水洗処理を施した毛髪サンプルは、表面が疎水化されてなめらかな手触りの使用性に優れたものとなった。また、その効果持続性にも優れていることが確認された。前記の効果は、加熱処理の後に水洗処理しても、水洗処理の後に加熱処理しても得られることがわかった(実施例1及び2)。
一方、加熱処理を施さない比較例2は、毛髪にべたつきやごわつきがあり、持続効果も不十分であった。水洗処理を施さない比較例3は、毛髪がなめらかにならず、べたつく感触が残った。
本発明の処理方法の後に化学的処理を実施した比較例4では、特にパーマネントウェーブ形成に悪影響が生じた。また、化学的処理として染色(カラーリング)を実施したときには、加熱処理工程の温度が230℃を超えると顕著な褪色(色調変化)を生じたが(比較例1)、加熱温度を200℃にした場合は褪色が許容範囲まで抑制され(実施例3)、180℃以下では殆ど褪色を生じなかった(実施例1及び4~6)。
さらに、毛髪処理剤として表2に掲げた処方の毛髪処理剤2を使用しても上記と同等の結果が得られた。化学的処理として、染毛(カラーリング)又はパーマネントウェーブ形成に続けて、グリオキシル酸を用いた縮毛矯正処理を実施しても同様であった。
本発明は、以下の態様を包含する。
[第1項](1)主鎖にポリシロキサン構造及びポリオキシアルキレン構造を含み、トリアルコキシシラン基又はシラノール基を有する側鎖を持つコポリマーを含有する毛髪処理剤を毛髪に適用する工程;
(2)毛髪を40℃~230℃で加熱処理する工程;及び
(3)毛髪を洗い流す工程、を含むことを特徴とする毛髪処理方法。
[第2項]前記工程(1)、次いで工程(2)、次いで工程(3)の順序で実施される、第1項に記載の毛髪処理方法。
[第3項]前記工程(1)、次いで工程(3)、次いで工程(2)の順序で実施される、第1項に記載の毛髪処理方法。
[第4項]前記工程(2)の前に毛髪を乾燥させる工程を含む、第1項から第3項のいずれか一項に記載の毛髪処理方法。
[第5項]前記工程(1)の前に、染毛処理、パーマネントウェーブ形成処理、及び縮毛矯正処理からなる群から選択される少なくとも1つの化学的処理工程を含む、第1項から第4項のいずれか一項に記載の毛髪処理方法。
[第6項]前記化学処理工程が染毛処理を含み、(2)加熱処理工程における加熱温度が180℃以下である、第5項に記載の毛髪処理方法。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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