JP2023084753A - 感光性フレキソ印刷版原版 - Google Patents

感光性フレキソ印刷版原版 Download PDF

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奨 杉浦
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Abstract

【課題】水現像速度が速い感光性フレキソ印刷版原版を提供すること。【解決手段】支持体上に感光層を有する感光性フレキソ印刷版原版であって、感光層が、非水溶性のブロック共重合体、水溶性ポリマーおよびエチレン性二重結合を有する化合物を含有する感光性フレキソ印刷版原版。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性フレキソ印刷版原版に関する。
フレキソ印刷は、その柔軟性を活かして、紙器、ラベル、軟包装用途やエレクトロニクス用途などに広く使用されている。フレキソ印刷に用いられるフレキソ印刷版のレリーフを形成する方法として、フレキソ印刷版原版の感光層に、画像マスクや原画フィルムを介して紫外線を照射して画像部を選択的に光硬化させ、未硬化部分を現像液により除去する方法が、一般的に用いられている。
環境への配慮から、水系の現像液により現像可能なフレキソ印刷版原版として、例えば、親水性共重合体、エラストマー、重合性不飽和単量体、及び光重合開始材を含有するフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物を含む感光層を有するフレキソ印刷版原版が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかるフレキソ印刷版原版の現像には、水系現像液として、水に界面活性剤などのアルカリを含む現像液を用いるが、環境に対するより高い配慮や現像液の管理の観点から、アルカリなどの添加剤を要しない完全水現像可能なフレキソ印刷版原版が求められている。
そこで、実質的に中性水により現像可能なフレキソ印刷版原版として、例えば、親水性ポリマー、分子量4万以上のゴム、分子中にエチレン性二重結合を有する光重合性不飽和化合物、光重合開始剤を含有する印刷版用感光性樹脂組成物を支持体上に塗設してなる感光性樹脂版材(例えば、特許文献2参照)、ポリアミドおよび/またはポリアミドブロック共重合体、1つ以上の不飽和基を有する架橋剤、光重合開始剤、及び脂肪酸エステルを含有する水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物から構成される感光性樹脂層、支持体、及びそれらを接着するための接着層を含むフレキソ印刷用感光性樹脂原版(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
特開2018-180048号公報 特開平7-333830号公報 国際公開第2019/49786号
しかしながら、特許文献2~3に記載されたフレキソ版印刷版原版は、水現像可能ではあるものの、現像速度が遅いという課題があった。本発明は、上記課題に鑑み、水現像速度が速い感光性フレキソ印刷版原版を提供することを目的とする。
本発明は、支持体上に感光層を有する感光性水現像フレキソ印刷版原版であって、感光層が、非水溶性のブロック共重合体、水溶性ポリマーおよびエチレン性二重結合を有する化合物を含有する感光性水現像フレキソ印刷版原版である。
本発明により、水現像速度が速い感光性フレキソ印刷版原版を得ることができる。
本発明に係る感光性フレキソ印刷版原版(以下、「印刷版原版」と記載する場合がある)は、フレキソ印刷に用いられるフレキソ印刷版の前駆体であり、支持体上に感光層を有する。支持体は、感光層を保持する作用を有する。感光層は、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより、硬化する層である。感光層を有することにより、例えば紫外線を画像様に照射することにより、所望のレリーフを形成することができる。支持体と感光層の間に、両層を接着する接着層を有してもよいし、感光層上に、カバーフィルムや、画像マスクを形成可能な感熱マスク層を有してもよい。
支持体は、可撓性を有し、寸法安定性に優れる材料から形成されることが好ましい。具体的には、ポリエステルなどのプラスチックシートや、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属板などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
支持体の厚さは、取扱性および柔軟性の観点から、100~350μmの範囲が好ましい。
支持体と感光層との接着性を向上させる目的で、支持体は易接着処理されていてもよい。易接着処理としては、例えば、サンドブラストなどの機械的処理、コロナ放電などの物理的処理、コーティングなどによる化学的処理などが挙げられる。これらの中でも、接着性の観点から、コーティングにより易接着層を設けることが好ましい。
感光層は、非水溶性のブロック共重合体、水溶性ポリマーおよびエチレン性二重結合を有する化合物を含有する。非水溶性のブロック共重合体は、感光層の形態を保持し、印刷版原版における感光層や印刷版におけるレリーフの柔軟性や、レリーフの水性インキ耐性を向上させる作用を有する。さらに、非水溶性共重合体の中でもブロック共重合体は熱可塑性を有するため、ブロック共重合体を選択することにより、加熱により水溶性ポリマーと混合しやすくなり、水現像性に寄与する水溶性ポリマーを細かく分散することができることから、水現像速度を高めることができる。
本発明において、「非水溶性」とは、ブロック共重合体を99倍(重量比)の水中に50℃で24時間浸漬した前後の重量変化率が±5%以内であることを言う。
非水溶性のブロック共重合体としては、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマー/共役ジエンモノマー共重合体が好ましい。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン等が挙げられる。共役ジエンモノマーとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらのなかでも、両末端にハードセグメントであるモノビニル置換芳香族モノマーのブロックを有し、ハードセグメントの間にソフトセグメントである共役ジエンモノマーのブロックを有するブロック共重合体が好ましい。
非水溶性のブロック共重合体は、固形でもよいし、水分散性ラテックスでもよい。水分散性ラテックスとは、水分散ラテックスからその大部分を占める水を除いて得られる重合体そのものをいい、連続皮膜を形成する性質を有するものである。水分散ラテックスは、重合体粒子を分散質として、粒子の電気的反発力により、水中に分散したものを言う。水分散ラテックスは非水溶性であり、ポリマー粒子の表面を親水化処理することにより、水分散が可能となる。
非水溶性のブロック共重合体として、より具体的には、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン/イソプレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SIBS)等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。また、これらの一部に、スチレン/ブタジエン共重合体やスチレン/イソプレン共重合体等のジブロック体を有してもよい。また、これらの一部に、スチレンとブタジエンおよび/またはイソプレンとがランダム共重合した部位を有してもよい。
感光層における非水溶性のブロック共重合体の含有量は、感光層の柔軟性を向上させ、印刷品質を向上させる観点から、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。一方、感光層における非水溶性のブロック共重合体の含有量は、水現像速度をより高める観点から、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。
本発明において、「水溶性」とは、99倍(重量比)の水中に50℃で24時間浸漬した前後の重量変化率が±5%より大きいことを言う。水溶性ポリマーとしては、親水性部位を有するポリマーが好ましく、親水性部位としては、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボシキル基、リン酸基、スルホン酸基、スルホネート基、エチレングリコール骨格が好ましい。これらを2種以上有してもよい。
水溶性ポリマーとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリエーテル樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、水溶性や柔軟性の観点から、ポリアミド樹脂がより好ましい。
ポリアミド樹脂は、エチレングリコール骨格やピペラジン骨格、アミノ基などを有することが好ましい。ピペラジン骨格の窒素原子をアクリル酸等により四級化されていてもよい。
水溶性ポリマーの軟化点は、110℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。前述のとおり、非水溶性のブロック共重合体は、加熱により水溶性ポリマーと混合しやすくなり、水現像性に寄与する水溶性ポリマーを、非水溶性のブロック共重合体中に細かく分散することができることから、水現像速度を高めることができる。水溶性ポリマーの軟化点が110℃以下であれば、一般的なブロック共重合体の可塑化温度において完全に軟化するため、水溶性ポリマーと非水溶性のブロック共重合体の混合性がより向上し、水現像速度をより高めることができる。
軟化点は、JIS K7206:2016に記載の方法により測定することができる。水溶性ポリマーの軟化点は、例えば、ポリマー中に柔軟な繰り返し単位を導入することにより、前記範囲にすることができる。例えば、ポリアミド樹脂の場合、柔軟な繰り返し単位であるポリエチレングリコール骨格を導入することが好ましい。ポリエチレングリコール骨格の導入量が多いほど、軟化点は低くなる傾向にある。
感光層中における水溶性ポリマーの含有量は、水現像速度をより高める観点から、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましい。一方、感光層中における水溶性ポリマーの含有量は、印刷版原版から得られる印刷版の水性インキに対する耐刷性を向上させる観点から、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
感光層中における非水溶性の熱可塑性ブロック共重合体と水溶性ポリマーの合計含有量は、感光層の形態保持性を向上させる観点から、20重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。一方、感光層中における非水溶性の熱可塑性ブロック共重合体と水溶性ポリマーの合計含有量は、高精細なレリーフ形成の観点から、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。
エチレン性二重結合を有する化合物とは、エチレン性二重結合を有し、分子量が10,000未満であるものを指す。エチレン性二重結合を有する化合物の分子量は、2,000以下が好ましい。エチレン性二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸とアルコール化合物のエステル化物や(メタ)アクリル酸とグリシジル化合物の付加反応物である(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とアミン基含有化合物のアミド化物である(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの総称であり、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。
感光層中におけるエチレン性二重結合を有する化合物の含有量は、高精細なレリーフ形成の観点や、印刷版原版から得られる印刷版の水性インキに対する耐刷性を向上させる観点から、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。一方、感光層中におけるエチレン性二重結合を有する化合物の含有量は、感光層の柔軟性を向上させ、印刷品質を向上させる観点から、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
感光層は、さらに、ブロック共重合体ではない水分散性ラテックスを含有してもよい。ブロック共重合体ではない水分散ラテックスとしては、例えば、ポリブタジエン、天然ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体のラテックスなどが挙げられる。
ブロック共重合体ではない水分散性ラテックスを含有する場合、感光層中におけるブロック共重合体ではない水分散性ラテックスの含有量は、水現像速度をより向上させ、感光層のゴム弾性を向上させる観点から、5重量%以上が好ましい。一方、感光層中におけるブロック共重合体ではない水分散性ラテックスの含有量は、感光層の形態保持性を向上させる観点から、50重量%以下が好ましい。ここで、感光層中におけるブロック共重合体ではない水分散性ラテックスの含有量とは、水分散性ラテックスの固形分含有量を言う。
感光層は、さらに、光重合開始剤を含有することが好ましい。感光層中における光重合開始剤の含有量は、0.5~10質量%が好ましい。
感光層には、さらに、必要に応じて、撥インキ剤、相溶助剤、重合禁止剤、染料、顔料、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料などを含有してもよい。
感光層の厚さは、0.3mm以上が好ましく、十分なレリーフ深度を有し、印刷適性を向上させることができる。感光層の厚さは、0.5mm以上がより好ましい。一方、感光層の厚さは、5mm以下が好ましく、露光時の活性光線を底部まで十分に到達させて画像再現性を向上させることができる。感光層の厚さは、3mm以下がより好ましい。
本発明の印刷版原版は、感光層上に、カバーフィルムを有することが好ましく、表面を保護し、異物等の付着を抑制することができる。感光層はカバーフィルムと直接接していてもよいし、感光層とカバーフィルムの間に1層または複数の層を有していてもよい。感光層とカバーフィルムの間の層としては、例えば、感光性樹脂層表面の粘着を防止する粘着防止層などが挙げられる。
カバーフィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリエチレンなどのプラスチックシートが好ましく使用される。カバーフィルムの厚さは、10~150μmの範囲が好ましい。また、カバーフィルム表面は、粗面化されていてもよく、原画フィルムの密着性を向上させることができる。
本発明の版印刷版原版は、感光層上に、さらに感熱マスク層を有してもよい。感熱マスク層は、紫外光を実質的に遮断し、描画時には赤外レーザー光を吸収し、その熱により瞬間的に一部または全部が昇華または融除するものが好ましい。これによりレーザーの照射部分と未照射部分の光学濃度に差が生じ、従来の原画フィルムと同様の機能を効果的に果たすことができる。
次に、本発明の印刷版原版を製造する方法について説明する。例えば、感光層を形成する組成物を予め作製し、支持体上に、組成物から感光性を形成する方法などが挙げられる。以下に、カバーフィルムを有する印刷版原版の製造方法の一例を示す。
まず、非水溶性のブロック共重合体を、ニーダーなどの混練機を用いて練りながら加熱し、熱溶融させた後、親水性ポリマー、エチレン性二重結合を有する化合物および必要に応じてブロック共重合体ではない水分散性ラテックスやその他添加剤を添加し、混練することにより、感光層を形成する組成物を得ることができる。
得られた感光層を形成する組成物を、支持体とカバーフィルムでプレスする方法や、支持体とカバーフィルムで挟んでカレンダリングロールを通過させる方法などにより、支持体/感光層/カバーフィルムで構成される印刷版原版を得ることができる。
次に、本発明に係る印刷版原版を用いたフレキソ印刷版の製造方法について説明する。本発明におけるフレキソ印刷版は、本発明に係る印刷版原版の感光層を部分的に光硬化させる露光工程、および、感光層の未硬化部分を、水を含む現像液により除去する現像工程を有する方法により得ることができる。
まず、露光工程について説明する。印刷版原版が感熱マスク層を有するいわゆるCTP版の場合、カバーフィルムを有する場合にはこれを剥離し、レーザー描画機を用いて原画フィルムに相当する像の描画を実施した後、紫外線照射することによって、感光層を光硬化させる。印刷版原版が感熱マスク層を有しない場合は、原画フィルムを介して紫外線照射することによって、感光層を光硬化させる。紫外線としては、波長300~400nmの光が好ましく、紫外線照射に用いるランプとしては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯などが挙げられる。特に微細な細線、独立点の再現性が要求される場合は、カバーフィルムの剥離前に支持体側から短時間露光(裏露光)することも可能である。
次に、現像工程について説明する。露光した印刷版原版を現像液に浸漬し、ブラシ式現像装置またはスプレー式現像装置を用いて、感光層の未硬化部分を、現像液により除去することにより、基板上にレリーフ像を形成することができる。現像液は、中性水が好ましい。必要に応じて界面活性剤などの添加剤を含有してもよいが、その含有量は5重量%以下が好ましい。現像時の現像液温は15~40℃が好ましい。
現像後、50~70℃において10分間程度乾燥することが好ましい。また、必要に応じてさらに大気中または真空中において、活性光線を照射する後露光を行ってもよい。
次に、フレキソ印刷版を用いた印刷物の製造方法について説明する。前述の方法により得られたフレキソ印刷版表面にインキを付着させる工程、および、前記インキを被印刷体に転写する工程を含むことが好ましい。フレキソ印刷機としては、例えば、インラインタイプ、センタードラムタイプ、スタックタイプなどが挙げられる。
インキとしては、水性インキ、紫外線硬化型インキが好ましい。水性インキとしては、例えば、市販の“アクワ”(登録商標)ELが挙げられる。紫外線硬化型インキとしては、例えば、顔料、アクリルオリゴマー等の樹脂、アクリレートモノマー、重合開始剤などを含有するものが好ましい。より具体的には、例えば、市販のPHA((株)T&K TOKA製)、“FLASH DRY”(登録商標、東洋インキ(株)製)、“UVAFLEX”(登録商標)Y77(Zeller+Gmelin社製)などのフレキソ印刷用インキが挙げられる。
各実施例および比較例における評価方法を以下に示す。
[水現像速度]
各実施例および比較例により得られた印刷版原版について、バッチ式露光現像機トミフレックス(富博産業(株)製)を用いて、支持体側から積算光量が1,000mJ/cm2になるように露光(裏露光)した後、カバーフィルムを剥離し、無作為に選択した12箇所の版厚を測定し、その平均値を現像前版厚とした。続いて、40℃に温度調整した水道水を現像液として3分間現像した後、オーブンを用いて、60℃で10分間乾燥した。この現像版から無作為に選択した12箇所の版厚を測定し、その平均値を現像後版厚とした。現像前後の版厚との差である現像深さを算出し、現像時間で除することにより、現像速度を算出した。
[水溶性/非水溶性]
合成例1~3により得られた水溶性ポリマー、各実施例および比較例に用いたブロック共重合体のそれぞれ5.0gを採取し、重量を測定した後、50℃に温度調整した恒温槽の水495g中に24時間浸漬した。24時間後、試料を水から取り出し、100℃で60分間乾燥した後、重量を測定し、下記式から重量変化率を算出した。
重量変化率[%]={(浸漬後重量-浸漬前重量)/浸漬前重量}×100
試料が全て溶解して残存しない場合には、重量変化率を-100%とした。
[軟化点]
合成例1~3により得られた水溶性ポリマーのそれぞれについて、JIS K7206:2016に記載の方法により軟化点を測定した。
各実施例および比較例に用いた材料を以下に示す。
[製造例1:粘着防止層を有するカバーフィルムの作製]
“ゴーセノール”(登録商標)KH-17(鹸化度78~82モル%の部分鹸化ポリ酢酸ビニル、日本合成化学(株)製、)を水/エタノール=40/60(重量比)の混合溶剤に固形分濃度10重量%となるように80℃で溶解し、塗工原液1を調製した。EC-776(アクリロニトリル-ブタジエン共重合体/フェノール樹脂=1/1(重量比)の混合液、固形分濃度:30重量%、住友スリーエム(株)製)をメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=50/50(重量比)の混合溶剤に固形分濃度5重量%となるように30℃で溶解し、塗工原液2を調製した。膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、グラビアコーターを用いて、塗工原液1を乾燥後の厚みが1.0μmとなるように塗布し、120℃のオーブンで30秒間加熱して溶媒を除去した。この上に、グラビアコーターを用いて、塗工原液2を乾燥後の厚みが0.2μmとなるように塗布し、120℃のオーブンで30秒間加熱して溶媒を除去し、粘着防止層を有するカバーフィルムを得た。
[製造例2:易接着層を有する支持体の作製]
“バイロン”(登録商標)31SS(飽和ポリエステル樹脂のトルエン溶液、東洋紡(株)製)260重量部およびPS-8A(ベンゾインエチルエーテル、和光純薬工業(株)製)2重量部の混合物を、70℃で2時間加熱した後、30℃に冷却し、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート7重量部を加えて、2時間混合した。さらに、“コロネート”(登録商標)3015E(多価イソシアネート樹脂の酢酸エチル溶液、東ソー(株)製)25重量部を添加して混合し、プライマー層組成物溶液を得た。
厚さ188μmの“ルミラー”(登録商標)T60(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)上に、バーコーターを用いて、易接着層組成物溶液を、乾燥後の厚みが40μmになるように塗布し、180℃のオーブンで3分間加熱して溶媒を除去し、易接着層を有する支持体を得た。
[合成例1:水溶性ポリマー1の合成]
N,N’-ジ(γ-アミノプロピル)ピペラジンアジペート50重量部、ε-カプロラクタム30重量部および水20重量部をオートクレーブ中に仕込み、窒素置換後、密閉して徐々に加熱した。内圧が0.10MPaに達した時点から、2時間かけて、その圧力を保持できなくなるまで水を留出させて常圧にもどし、その後1時間常圧で撹拌した。得られたポリマーはピペラジン由来のアミノ基を有するポリアミド樹脂で、軟化点は90~105℃であり、50℃の水中に24時間浸漬した結果、完全に溶解した(重量変化率:-100%)。
[合成例2:水溶性ポリマー2の合成]
数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα,ω-ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との等モル塩80重量部、ε-カプロラクタム20重量部を溶融重合した。得られたポリマーはエチレングリコール骨格を有するポリアミド樹脂で、軟化点は85℃であり、50℃の水中に24時間浸漬した結果、完全に溶解した(重量変化率:-100%)。
[合成例3:水溶性ポリマー3の合成]
数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα,ω-ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との等モル塩60重量部、ε-カプロラクタム20重量部およびヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩20重量部を溶融重合した。得られたポリマーはエチレングリコール骨格を有するポリアミド樹脂で、軟化点は140~105℃であり、50℃の水中に24時間浸漬した結果、完全に溶解した(重量変化率:-100%)。
<実施例1>
合成例1により得られた水溶性ポリマー1:5重量部と、非水溶性のブロック共重合体として、D-KX405(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、クレイトン社製、重量変化率:-0.1%):50重量部を、150℃に加熱した容量200mlのラボニーダーミル((株)トーシン社製)で5分間混練した。ブロック共重合体ではない水分散ラテックスとして、“ラックスター”(登録商標)DM811(固形分濃度50.5重量%のカルボキシ変性ブタジエンラテックス、DIC(株)製):49.5重量部(固形分で25重量部)をラボニーダーミルで10分間混練し、水分散ラテックスから完全に水分を蒸発させた。その後、エチレン性二重結合を有する化合物として、1,9-ノナンジオールジアクリレート:10重量部および1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート:7重量部、光重合開始剤として、ジメチルベンジルケタール:2重量部、安定剤としてジブチルヒドロキシトルエン:1重量部の混合物を15分間かけて少しずつ加えて、20分間混練し、感光層組成物1を得た。
得られた感光層組成物1を、製造例2により得られた易接着層を有する支持体と、製造例1により得られた粘着防止層を有するカバーフィルムとの間に挟み、110℃に加熱したプレス機を用いて、感光層の厚みが1.14mmになるようにプレスし、感光性フレキソ印刷版原版1(以下、印刷版原版1)を得た。
印刷版原版1について前述の方法により水現像速度を測定したところ、107μm/分であった。
<比較例1>
水溶性ポリマー1を添加せず、非水溶性のブロック共重合体であるD-KX405の添加量を50重量部から55重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、感光層組成物2を得た。感光層組成物1の代わりに感光層組成物2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版2を得た。
印刷版原版2について前述の方法により水現像速度を測定したところ、17μm/分であった。
<実施例2>
水溶性ポリマー1の代わりに合成例2により得られた水溶性ポリマー2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光層組成物3を得た。感光層組成物1の代わりに感光層組成物3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版3を得た。
印刷版原版3について前述の方法により水現像速度を測定したところ、134μm/分であった。
<実施例3>
水溶性ポリマー1の代わりに合成例3により得られた水溶性ポリマー3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光層組成物4を得た。感光層組成物1の代わりに感光層組成物4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版4を得た。
印刷版原版4について前述の方法により水現像速度を測定したところ、97μm/分であった。
<比較例2>
非水溶性のブロック共重合体であるD-KX405:50重量部の代わりに“Nipol”(登録商標)DN401(結合アクリロニトリル量:18重量%のニトリルゴム、日本ゼオン(株)製):20重量部、および“Nipol”1220L(ブタジエンゴム、日本ゼオン(株)製):30重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光層組成物5を得た。感光層組成物1の代わりに感光層組成物5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版5を得た。
印刷版原版5について前述の方法により水現像速度を測定したところ、34μm/分であった。
<比較例3>
非水溶性のブロック共重合体であるD-KX405:50重量部の代わりに、“Nipol”(登録商標)1507(スチレン/ブタジエンランダム共重合体、日本ゼオン(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光層組成物6を得た。感光層組成物1の代わりに感光層組成物6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版6を得た。
印刷版原版6について前述の方法により水現像速度を測定したところ、45μm/分であった。

Claims (4)

  1. 支持体上に感光層を有する感光性フレキソ印刷版原版であって、感光層が、非水溶性のブロック共重合体、水溶性ポリマーおよびエチレン性二重結合を有する化合物を含有する感光性フレキソ印刷版原版。
  2. 前記水溶性ポリマーの軟化点が90℃以下である、請求項1に記載の感光性フレキソ印刷版原版。
  3. 前記水溶性ポリマーが、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボシキル基、リン酸基、スルホン酸基、スルホネート基および/またはエチレングリコール骨格を有する、請求項1または2に記載の感光性フレキソ印刷版原版。
  4. 前記水溶性ポリマーが、ポリアミド樹脂を含む、請求項1~3のいずれかに記載の感光性フレキソ印刷版原版。
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