JP2023084067A - めっき方法及びめっき装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン抵抗体の孔に付着した気泡を除去することができる技術を提供する。【解決手段】めっき方法は、アノード及びイオン抵抗体がめっき液に浸漬された状態でイオン抵抗体よりも上方に配置されたパドルを駆動することでめっき液を撹拌すること(ステップS20)、パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態でカソードとしての基板をめっき液に浸漬させること(ステップS40)、基板がめっき液に浸漬された状態でイオン抵抗体よりも上方且つ基板よりも下方に配置されたパドルによるめっき液の撹拌を再開させること(ステップS50)、及び、パドルによるめっき液の撹拌が再開された状態で基板とアノードとの間に電気を流すことで基板にめっき処理を施すこと(ステップS60)を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、めっき方法及びめっき装置に関する。
従来、基板にめっき処理を施すことが可能なめっき装置として、いわゆるカップ式のめっき装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなめっき装置は、めっき液を貯留するめっき槽と、カソードとしての基板を保持する基板ホルダと、基板ホルダを回転させる回転機構と、基板ホルダを昇降させる昇降機構と、を備えている。
また、従来、例えばめっき皮膜の膜厚の面内均一性を図るために、めっき槽の内部に、複数の孔を有するイオン抵抗体を配置する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008-19496号公報 特開2004-363422号公報
上述した特許文献1に例示されるようなカップ式のめっき装置のめっき槽の内部にイオン抵抗体を配置した場合において、仮に、めっき槽のめっき液に含まれる気泡がイオン抵抗体の孔に多量に付着した場合、この孔に付着した気泡に起因して基板のめっき品質が悪化するおそれがある。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、イオン抵抗体の孔に付着した気泡を除去することができる技術を提供することを目的の一つとする。
(態様1)
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係るめっき方法は、アノードと、前記アノードよりも上方に配置されて、複数の孔を有するイオン抵抗体と、が配置されためっき槽に、めっき液を供給して、前記アノード及び前記イオン抵抗体をめっき液に浸漬させること、前記アノード及び前記イオン抵抗体がめっき液に浸漬された状態で、前記イオン抵抗体よりも上方に配置されたパドルを駆動することでめっき液を撹拌すること、前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で、カソードとしての基板をめっき液に浸漬させること、前記基板がめっき液に浸漬された状態で、前記イオン抵抗体よりも上方且つ前記基板よりも下方に配置された前記パドルによるめっき液の撹拌を再開させること、及び、前記パドルによるめっき液の撹拌が再開された状態で、前記基板と前記アノードとの間に電気を流すことで、前記基板にめっき処理を施すこと、を含む。
この態様によれば、例えば、めっき槽へのめっき液の供給時に、めっき液に含まれる気泡がイオン抵抗体の孔に付着した場合であっても、パドルによるめっき液の撹拌によって、孔に付着した気泡の上方への移動を促進させることができる。これにより、イオン抵抗体の孔に付着した気泡を除去することができる。
また、この態様によれば、パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で基板がめっき液に浸漬されるので、基板のめっき液への浸漬時に、パドルによるめっき液の撹拌に起因してめっき液の液面が波打つことを抑制することもできる。これにより、基板のめっき液への浸漬時に基板に気泡が多量に付着することも抑制することができる。
また、この態様によれば、基板がめっき液に浸漬された状態でパドルによるめっき液の撹拌が再開されるので、基板にめっき液を効果的に供給することができる。これにより、例えば、基板の配線パターンの内部に残存したプリウェット処理液を、めっき液で効果的に置換することができる。
また、この態様によれば、パドルによるめっき液の撹拌が再開された状態でめっき処理が施されるので、めっき処理時において、めっき液を基板に効果的に供給することができる。これにより、基板にめっき皮膜を効果的に形成させることができる。
(態様2)
上記の態様1は、前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で、前記めっき槽からめっき液をオーバーフローさせることを、さらに含み、前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で前記基板をめっき液に浸漬させることは、前記めっき槽からめっき液をオーバーフローさせた後に実行されてもよい。
この態様によれば、イオン抵抗体よりも上方に浮上した気泡を、めっき槽からオーバーフローするめっき液とともにめっき槽の外部に排出させることができる。これにより、基板がめっき液に浸漬される際に、基板に気泡が付着することを効果的に抑制することができる。
(態様3)
上記の態様1又は2は、前記基板にめっき処理を施した後に、前記基板をめっき液から引き上げること、前記基板がめっき液から引き上げられた状態で、前記イオン抵抗体よりも上方に配置された前記パドルを駆動することでめっき液を撹拌すること、前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で、第2の基板をめっき液に浸漬させること、前記第2の基板がめっき液に浸漬された状態で、前記イオン抵抗体よりも上方且つ前記第2の基板よりも下方に配置された前記パドルによるめっき液の撹拌を再開させること、及び、前記パドルによるめっき液の撹拌が再開された状態で、前記第2の基板と前記アノードとの間に電気を流すことで、前記第2の基板にめっき処理を施すこと、をさらに含んでいてもよい。
(態様4)
上記の態様1~3のいずれか1態様において、前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で前記基板をめっき液に浸漬させることは、前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で、且つ、前記基板の被めっき面を水平方向に対して傾斜させた状態で、前記基板をめっき液に浸漬させることを含んでいてもよい。
(態様5)
上記の態様4において、前記めっき液に浸漬された状態の前記基板の被めっき面を水平方向に戻すこと、をさらに含み、前記基板がめっき液に浸漬された状態で前記パドルによるめっき液の撹拌を再開させることは、前記めっき液に浸漬された状態の前記基板の被めっき面を水平方向に戻した後に、実行されてもよい。
仮に、基板の被めっき面が水平方向に対して傾斜した状態でパドルによるめっき液の撹拌が再開される場合、傾斜した状態の基板の被めっき面の上端がめっき液の液面に近くなるため、パドルによるめっき液の撹拌の再開によってめっき液の液面が波打ったときに、基板の被めっき面に気泡が巻き込まれ易くなるおそれがある。これに対して、この態様によれば、めっき液に浸漬された状態の基板の被めっき面を水平方向に戻した後にパドルによるめっき液の撹拌が再開されるので、仮にパドルによるめっき液の撹拌の再開によってめっき液の液面が波打った場合であっても、基板の被めっき面に気泡が巻き込まれることを効果的に抑制することができる。
(態様6)
上記の態様1において、前記アノード及び前記イオン抵抗体がめっき液に浸漬された状態で前記パドルを駆動することでめっき液を撹拌する際における、前記イオン抵抗体の下面側から前記複数の孔を通過して前記イオン抵抗体の上面側に向かって流動するめっき液の流量は、前記基板にめっき処理を施す際における前記めっき液の流量よりも多くてもよい。
この態様によれば、イオン抵抗体の孔に付着した気泡を効果的に除去することができる。
(態様7)
上記の態様1~6のいずれか1態様において、前記パドルは、前記イオン抵抗体の上面に平行な第1方向及び前記第1方向とは反対の第2方向に交互に駆動されて、めっき液を撹拌してもよい。
(態様8)
上記の態様7において、前記パドルは、上下方向に延在する多角形の貫通孔を有する撹拌部材を複数備える、ハニカム構造を有し、複数の前記撹拌部材は、平面視で、四角形状の角形部位と、前記角形部位における前記第1方向の側の側面から前記第1方向の側に円弧状に突出する第1突出部位と、前記角形部位の前記第2方向の側の側面から前記第2方向の側に円弧状に突出する第2突出部位と、を有していてもよい。
この態様によれば、パドルがハニカム構造を有しているので、複数の撹拌部材の配置密度を多くすることが容易にできる。これにより、パドルによって、めっき液を効果的に撹拌することができるので、イオン抵抗体の孔に付着した気泡を効果的に除去することができる。
また、この態様によれば、パドルの複数の撹拌部材が、角形部位と第1突出部位と第2突出部位とを有しているので、例えば、複数の撹拌部材が、角形部位を有しているが第1突出部位及び第2突出部位を有していない場合に比較して、パドルが一定距離移動したときのパドルが撹拌可能なエリアを広くすることが容易にできる。これにより、パドルによって、めっき液を効果的に撹拌することができるので、イオン抵抗体の孔に付着した気泡をより効果的に除去することができる。
(態様9)
上記の態様8において、前記第1突出部位と前記第2突出部位との距離の最大値であるパドル幅は、めっき処理が施される前記基板の被めっき面の前記第1方向にある外縁と前記第2方向にある外縁との距離の最大値である基板幅よりも小さくてもよい。
この態様によれば、例えば、パドル幅が基板幅と同じ場合又は基板幅よりも大きい場合に比較して、パドルの第1方向及び第2方向への移動距離を大きくすることができる。これにより、パドルによってめっき液をより効果的に撹拌することができるので、イオン抵抗体の孔に付着した気泡を効果的に除去することができる。
(態様10)
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係るめっき装置は、アノードと、前記アノードよりも上方に配置されて、複数の孔を有するイオン抵抗体と、が配置されためっき槽と、カソードしての基板を保持する基板ホルダと、前記イオン抵抗体よりも上方且つ前記基板よりも下方に配置されるとともに、前記イオン抵抗体の上面に平行な第1方向及び前記第1方向とは反対の第2方向に交互に駆動されて、前記めっき槽に貯留されためっき液を撹拌するように構成されたパドルと、を備え、前記パドルは、上下方向に延在する多角形の貫通孔を有する撹拌部材を複数備える、ハニカム構造を有し、複数の前記撹拌部材は、平面視で、四角形状の角形部位と、前記角形部位における前記第1方向の側の側面から前記第1方向の側に円弧状に突出する第1突出部位と、前記角形部位の前記第2方向の側の側面から前記第2方向の側に円弧状に突出する第2突出部位と、を有する。
この態様によれば、気泡がイオン抵抗体の孔に付着した場合であっても、パドルによるめっき液の撹拌によって、孔に付着した気泡の上方への移動を促進させることができる。これにより、イオン抵抗体の孔に付着した気泡を除去することができる。
また、この態様によれば、パドルの複数の撹拌部材がハニカム構造を有しており、且つ、パドルの複数の撹拌部材が、角形部位と第1突出部位と第2突出部位とを有しているので、前述したように、パドルによってめっき液をより効果的に撹拌することができ、イオン抵抗体の孔に付着した気泡を効果的に除去することができる。
(態様11)
上記の態様10において、前記第1突出部位と前記第2突出部位との距離の最大値であるパドル幅は、めっき処理が施される前記基板の被めっき面の前記第1方向にある外縁と前記第2方向にある外縁との距離の最大値である基板幅よりも小さくてもよい。
実施形態に係るめっき装置の全体構成を示す斜視図である。 実施形態に係るめっき装置の全体構成を示す平面図である。 実施形態に係るめっき装置におけるめっきモジュールの構成を示す模式図である。 実施形態に係る基板がめっき液に浸漬された状態を示す模式図である。 実施形態に係るパドルの模式的な平面図である。 実施形態に係るめっき方法を説明するためのフロー図の一例である。 実施形態の変形例1に係るめっき方法を説明するためのフロー図の一例である。 実施形態の変形例2に係るめっき方法を説明するためのフロー図の一例である。 実施形態の変形例3に係るパドルの模式的な平面図である。 実施形態の変形例4に係るパドルの模式的な平面図である。 実施形態の変形例5に係るパドルの模式的な平面図である。 実施形態に係るめっき槽の内部に膜が配置された場合のめっき槽の内部構成の一例を示す模式的断面図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面は、構成要素の特徴の理解を容易にするために模式的に図示されており、各構成要素の寸法比率等は実際のものと同じであるとは限らない。また、いくつかの図面には、参考用として、X-Y-Zの直交座標が図示されている。この直交座標のうち、Z方向は上方に相当し、-Z方向は下方(重力が作用する方向)に相当する。
図1は、本実施形態のめっき装置1000の全体構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態のめっき装置1000の全体構成を示す平面図(上面図)である。図1及び図2に示すように、めっき装置1000は、ロードポート100、搬送ロボット110、アライナ120、プリウェットモジュール200、プリソークモジュール300、めっきモジュール400、洗浄モジュール500、スピンリンスドライヤ600、搬送装置700、及び、制御モジュール800を備える。
ロードポート100は、めっき装置1000に図示していないFOUPなどのカセットに収容された基板を搬入したり、めっき装置1000からカセットに基板を搬出するためのモジュールである。本実施形態では4台のロードポート100が水平方向に並べて配置されているが、ロードポート100の数及び配置は任意である。搬送ロボット110は、基板を搬送するためのロボットであり、ロードポート100、アライナ120、プリウェットモジュール200及びスピンリンスドライヤ600の間で基板を受け渡すように構成される。搬送ロボット110及び搬送装置700は、搬送ロボット110と搬送装置700との間で基板を受け渡す際には、仮置き台(図示せず)を介して基板の受け渡しを行うことができる。
アライナ120は、基板のオリエンテーションフラットやノッチなどの位置を所定の方向に合わせるためのモジュールである。本実施形態では2台のアライナ120が水平方向に並べて配置されているが、アライナ120の数及び配置は任意である。プリウェットモジュール200は、めっき処理前の基板の被めっき面を純水または脱気水などの処理液で濡らすことで、基板表面に形成されたパターン内部の空気を処理液に置換する。プリウェットモジュール200は、めっき時にパターン内部の処理液をめっき液に置換することでパターン内部にめっき液を供給しやすくするプリウェット処理を施すように構成される。本実施形態では2台のプリウェットモジュール200が上下方向に並べて配置されているが、プリウェットモジュール200の数及び配置は任意である。
プリソークモジュール300は、例えばめっき処理前の基板の被めっき面に形成したシード層表面等に存在する電気抵抗の大きい酸化膜を硫酸や塩酸等の処理液でエッチング除去してめっき下地表面を洗浄または活性化するプリソーク処理を施すように構成される。本実施形態では2台のプリソークモジュール300が上下方向に並べて配置されているが、プリソークモジュール300の数及び配置は任意である。めっきモジュール400は、基板にめっき処理を施す。本実施形態では、上下方向に3台かつ水平方向に4台並べて配置された12台のめっきモジュール400のセットが2つあり、合計24台のめっきモジュール400が設けられているが、めっきモジュール400の数及び配置は任意である。
洗浄モジュール500は、めっき処理後の基板に残るめっき液等を除去するために基板に洗浄処理を施すように構成される。本実施形態では2台の洗浄モジュール500が上下方向に並べて配置されているが、洗浄モジュール500の数及び配置は任意である。スピンリンスドライヤ600は、洗浄処理後の基板を高速回転させて乾燥させるためのモジュールである。本実施形態では2台のスピンリンスドライヤ600が上下方向に並べて配置されているが、スピンリンスドライヤ600の数及び配置は任意である。搬送装置700は、めっき装置1000内の複数のモジュール間で基板を搬送するための装置である。制御モジュール800は、めっき装置1000の複数のモジュールを制御するように構成され、例えばオペレータとの間の入出力インターフェースを備える一般的なコンピュータまたは専用コンピュータから構成することができる。
めっき装置1000による一連のめっき処理の一例を説明する。まず、ロードポート100にカセットに収容された基板が搬入される。続いて、搬送ロボット110は、ロードポート100のカセットから基板を取り出し、アライナ120に基板を搬送する。アライナ120は、基板のオリエンテーションフラットやノッチなどの位置を所定の方向に合わせる。搬送ロボット110は、アライナ120で方向を合わせた基板をプリウェットモジュール200へ受け渡す。
プリウェットモジュール200は、基板にプリウェット処理を施す。搬送装置700は、プリウェット処理が施された基板をプリソークモジュール300へ搬送する。プリソークモジュール300は、基板にプリソーク処理を施す。搬送装置700は、プリソーク処理が施された基板をめっきモジュール400へ搬送する。めっきモジュール400は、基板にめっき処理を施す。
搬送装置700は、めっき処理が施された基板を洗浄モジュール500へ搬送する。洗浄モジュール500は、基板に洗浄処理を施す。搬送装置700は、洗浄処理が施された基板をスピンリンスドライヤ600へ搬送する。スピンリンスドライヤ600は、基板に乾燥処理を施す。搬送ロボット110は、スピンリンスドライヤ600から基板を受け取り、乾燥処理を施した基板をロードポート100のカセットへ搬送する。最後に、ロードポート100から基板を収容したカセットが搬出される。
なお、図1や図2で説明しためっき装置1000の構成は、一例に過ぎず、めっき装置1000の構成は、図1や図2の構成に限定されるものではない。
続いて、めっきモジュール400について説明する。なお、本実施形態に係るめっき装置1000が有する複数のめっきモジュール400は同様の構成を有しているので、1つのめっきモジュール400について説明する。
図3は、本実施形態に係るめっき装置1000におけるめっきモジュール400の構成を示す模式図である。具体的には、図3は、基板Wfがめっき液Psに浸漬される前の状態におけるめっきモジュール400を模式的に図示している。図4は、基板Wfがめっき液Psに浸漬された状態を示す模式図である。なお、図4の一部には、A1部分の拡大図も併せて図示されているが、このA1部分の拡大図において、後述するパドル70の図示は省略されている。
本実施形態に係るめっき装置1000は、カップ式のめっき装置である。めっき装置1000のめっきモジュール400は、めっき槽10と、オーバーフロー槽20と、基板ホルダ30と、パドル70と、を備えている。また、めっきモジュール400は、図3に例示するように、回転機構40と、傾斜機構45と、昇降機構50と、を備えていてもよい。
本実施形態に係るめっき槽10は、上方に開口を有する有底の容器によって構成されている。具体的には、めっき槽10は、底壁10aと、この底壁10aの外周縁から上方に延在する外周壁10bとを有しており、この外周壁10bの上部が開口している。なお、めっき槽10の外周壁10bの形状は特に限定されるものではないが、本実施形態に係る外周壁10bは、一例として円筒形状を有している。めっき槽10の内部には、めっき液Psが貯留されている。また、めっき槽10には、めっき槽10にめっき液Psを供給するための供給口13が設けられている。
めっき液Psとしては、めっき皮膜を構成する金属元素のイオンを含む溶液であればよく、その具体例は特に限定されるものではない。本実施形態においては、めっき処理の一例として、銅めっき処理を用いており、めっき液Psの一例として、硫酸銅溶液を用いている。また、めっき液Psには所定の添加剤が含まれていてもよい。
めっき槽10の内部には、アノード11が配置されている。アノード11の具体的な種類は特に限定されるものではなく、不溶解アノードであってもよく、溶解アノードであってもよい。本実施形態では、アノード11の一例として、不溶解アノードを用いている。この不溶解アノードの具体的な種類は特に限定されるものではなく、白金や酸化イリジウム等を用いることができる。
めっき槽10の内部において、アノード11よりも上方には、イオン抵抗体12が配置されている。具体的には、図4(A1部分の拡大図)に示すように、イオン抵抗体12は、複数の孔12a(細孔)を有する多孔質の板部材によって構成されている。孔12aは、イオン抵抗体12の下面と上面とを連通するように設けられている。図3に示すように、イオン抵抗体12における複数の孔12aが形成された領域を「孔形成エリアPA」と称する。本実施形態に係る孔形成エリアPAは、平面視で円形状を有している。また、本実施形態に係る孔形成エリアPAの面積は、基板Wfの被めっき面Wfaの面積と同じか、又は、この被めっき面Wfaの面積よりも大きい。但し、この構成に限定されるものではなく、孔形成エリアPAの面積は、基板Wfの被めっき面Wfaの面積よりも小さくてもよい。
このイオン抵抗体12は、アノード11とカソードとしての基板Wf(符号は後述する図6に図示されている)との間に形成される電場の均一化を図るために設けられている。本実施形態のように、めっき槽10にイオン抵抗体12が配置されることで、基板Wfに形成されるめっき皮膜(めっき層)の膜厚の均一化を容易に図ることができる。
オーバーフロー槽20は、めっき槽10の外側に配置された、有底の容器によって構成されている。オーバーフロー槽20は、めっき槽10の外周壁10bの上端を超えためっき液Ps(すなわち、めっき槽10からオーバーフローしためっき液Ps)を一時的に貯留するために設けられている。オーバーフロー槽20に貯留されためっき液Psは、排出口14から排出された後に、流路15を通過して、リザーバータンク80(図4参照)に一時的に貯留される。このリザーバータンク80に貯留されためっき液Psは、その後、ポンプ81(図4参照)によって圧送されて、供給口13から再びめっき槽10に循環される。
めっきモジュール400は、めっき槽10のめっき液Psの液面の位置を検出するためのレベルセンサ60aを備えていてもよい。このレベルセンサ60aの検出結果は、制御モジュール800に伝えられる。
また、めっきモジュール400は、めっき槽10からオーバーフローしためっき液Psの流量(L/min)を検出するための流量センサ60bを備えていてもよい。この流量センサ60bの検出結果は、制御モジュール800に伝えられる。なお、流量センサ60bの具体的な配置箇所は、特に限定されるものではないが、本実施形態に係る流量センサ60bは、一例として、オーバーフロー槽20の排出口14とリザーバータンク80とを連通する流路15に配置されている。
基板ホルダ30は、カソードとしての基板Wfを、基板Wfの被めっき面Wfaがアノード11に対向するように保持している。本実施形態において、基板Wfの被めっき面Wfaは、具体的には、基板Wfの下方側を向いた面(下面)に設けられている。
図3に例示するように、基板ホルダ30は基板Wfの被めっき面Wfaの外周縁よりも下方に突出するように設けられたリング31を有していてもよい。具体的には、本実施形態に係るリング31は、下面視で、リング形状を有している。
基板ホルダ30は、回転機構40に接続されていている。回転機構40は、基板ホルダ30を回転させるための機構である。図3に例示されている「R1」は、基板ホルダ30の回転方向の一例である。回転機構40としては、公知の回転モータ等を用いることができる。傾斜機構45は、回転機構40及び基板ホルダ30を傾斜させるための機構である。昇降機構50は、上下方向に延在する支軸51によって支持されている。昇降機構50は、基板ホルダ30、回転機構40及び傾斜機構45を上下方向に昇降させるための機構である。昇降機構50としては、直動式のアクチュエータ等の公知の昇降機構を用いることができる。
なお、図12に例示するように、めっき槽10の内部において、アノード11よりも上方且つイオン抵抗体12よりも下方の箇所には、膜16が配置されていてもよい。この場合、めっき槽10の内部は、膜16によって、膜16よりも下方のアノード室17aと、膜16よりも上方のカソード室17bとに区画される。アノード11はアノード室17aに配置され、イオン抵抗体12はカソード室17bに配置される。膜16は、めっき液Psに含まれる金属イオンを含むイオン種が膜16を通過することを許容しつつ、めっき液Psに含まれる非イオン系のめっき添加剤が膜16を通過することを抑制するように構成されている。このような膜16として、例えばイオン交換膜を用いることができる。
また、めっき槽10の内部が膜16によってアノード室17aとカソード室17bとに区画される場合、供給口13は、アノード室17a及びカソード室17bにそれぞれ設けられることが好ましい。また、アノード室17aには、アノード室17aのめっき液Psを排出するための排出口14aが設けられることが好ましい。
図5は、パドル70の模式的な平面図である。図3、図4及び図5を参照して、パドル70は、イオン抵抗体12よりも上方、且つ、基板Wfよりも下方の箇所に配置されている。パドル70は、駆動装置77によって駆動される。パドル70が駆動されることで、めっき槽10のめっき液Psは撹拌される。
本実施形態に係るパドル70は、一例として、イオン抵抗体12の上面と平行な「第1方向(本実施形態では、一例として、X方向)」、及び、第1方向とは反対の「第2方向(本実施形態では、一例として、-X方向)」に交互に駆動される。すなわち、本実施形態に係るパドル70は、一例として、X軸の方向に往復移動する。このパドル70の駆動動作は、制御モジュール800が制御している。
図5に例示するように、本実施形態に係るパドル70は、一例として、パドル70の第1方向及び第2方向に対して垂直な方向(Y軸の方向)に延在する撹拌部材71aを、複数有している。隣接する撹拌部材71aの間には、隙間が設けられている。複数の撹拌部材71aの一端は連結部材72aに連結され、他端は連結部材72bに連結されている。
パドル70は、平面視で、めっき液Psの撹拌時におけるパドル70の移動領域MA(すなわち、パドル70が往復移動する範囲)がイオン抵抗体12の孔形成エリアPAの全面を覆うように構成されていることが、好ましい。この構成によれば、イオン抵抗体12の孔形成エリアPAよりも上方のめっき液Psを、パドル70によって効果的に撹拌することができる。
なお、パドル70は、少なくともめっき液Psを撹拌するときに、めっき槽10の内部に配置されていればよく、めっき槽10の内部に常に配置されている必要はない。例えば、パドル70の駆動が停止されてパドル70によるめっき液Psの撹拌が行われない場合には、パドル70はめっき槽10の内部に配置されていない構成とすることもできる。
制御モジュール800は、マイクロコンピュータを備えており、このマイクロコンピュータは、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)801や、非一時的な記憶媒体としての記憶装置802等を備えている。制御モジュール800は、記憶装置802に記憶されたプログラムの指令に基づいて、プロセッサとしてのCPU801が作動することで、めっきモジュール400の動作を制御する。
ところで、めっき槽10のめっき液Psに気泡Buが発生することがある。具体的には、例えばめっき槽10にめっき液Psを供給する際に、空気がめっき液Psとともにめっき槽10に流入した場合に、この空気が気泡Buになるおそれがある。
上述したように、めっき槽10のめっき液Psに気泡Buが発生した場合に、この気泡Buがイオン抵抗体12の孔12aに付着する場合がある。仮に、気泡Buが孔12aに多量に付着した状態で、基板Wfにめっき処理を施した場合、この気泡Buに起因して、基板Wfのめっき品質が悪化するおそれがある。そこで、本実施形態では、この問題に対処するために、以下に説明する技術を用いている。
図6は、本実施形態に係るめっき方法を説明するためのフロー図の一例である。本実施形態に係るめっき方法は、ステップS10~ステップS60を含んでいる。なお、本実施形態に係るめっき方法は、制御モジュール800が自動的に実行してもよい。また、本実施形態に係るステップS10の実行開始前において、めっき槽10の内部にめっき液Psは貯留されていないものとする、又は、めっき槽10の内部にめっき液Psが貯留されている場合であっても、このめっき槽10のめっき液Psの液面はイオン抵抗体12よりも下方に位置しているものとする。
ステップS10においては、めっき槽10にめっき液Psを供給することで、アノード11及びイオン抵抗体12をめっき液Psに浸漬させる。具体的には、本実施形態では、供給口13からめっき液Psをめっき槽10に供給して、アノード11及びイオン抵抗体12をめっき液Psに浸漬させる。
なお、ステップS10において、前述したレベルセンサ60aの検出結果に基づいて、めっき液Psの液面の位置を取得し、この取得されためっき液Psの液面の位置がアノード11及びイオン抵抗体12よりも上方の所定位置になったと判断されるまで、めっき液Psをめっき槽10に供給してもよい。
あるいは、ステップS10において、前述した流量センサ60bの検出結果に基づいて、めっき槽10からオーバーフローしためっき液Psの流量を取得し、この取得された流量がゼロよりも大きい所定流量になったと判断されるまで、めっき液Psをめっき槽10に供給してもよい。この場合においても、めっき槽10のめっき液Psの液面をアノード11及びイオン抵抗体12よりも上方に位置させて、アノード11及びイオン抵抗体12をめっき液Psに浸漬させることができる。
ステップS10の後に、ステップS20が実行される。具体的には、ステップS10に係るめっき槽10へのめっき液Psの供給開始後であって、めっき槽10のめっき液Psの液面がパドル70によってめっき液Psを撹拌できるような位置になっている場合(例えば、めっき液Psの液面がパドル70よりも上方に位置している場合)に、ステップS20が実行される。
ステップS20においては、イオン抵抗体12よりも上方且つ基板Wfよりも下方に配置されたパドル70を駆動することで、パドル70によってめっき液Psを撹拌する。すなわち、ステップS20において、パドル70によるめっき液Psの撹拌を開始させる。具体的には、本実施形態では、パドル70を、第1方向及び第2方向に交互に駆動することで、めっき液Psを撹拌する。
本実施形態によれば、例えば、めっき槽10へのめっき液Psの供給時にめっき液Psに含まれる気泡Buがイオン抵抗体12の孔12aに付着した場合であっても、ステップS20に係るパドル70によるめっき液Psの撹拌によって、気泡Buの上方への移動を促進させることができる。これにより、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを除去することができる。
なお、イオン抵抗体12の下面側から複数の孔12aを通過してイオン抵抗体12の上面側に向かって流動するめっき液Psの流量(L/min)が多い方が、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを効果的に除去することができる点において、好ましい。
そこで、例えば、ステップS20におけるイオン抵抗体12の下面側から複数の孔12aを通過してイオン抵抗体12の上面側に向かって流動するめっき液Psの流量を、後述するステップS60におけるイオン抵抗体12の下面側から複数の孔12aを通過してイオン抵抗体12の上面側に向かって流動するめっき液Psの流量よりも多くすることが好ましい。この構成によれば、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを効果的に除去することができる。
なお、例えば、ポンプ81(これは、リザーバータンク80のめっき液Psをめっき槽10に向けて圧送するためのポンプである)の回転数を上昇させることで、リザーバータンク80とめっき槽10との間を循環するめっき液Psの循環流量を多くすることができる。これにより、めっき槽10の内部を流動するめっき液Psの流量を多くすることができるので、イオン抵抗体12の下面側から複数の孔12aを通過してイオン抵抗体12の上面側に向かって流動するめっき液Psの流量を多くすることができる。
すなわち、本実施形態において、ステップS20におけるめっき液Psの循環流量(L/min)は、ステップS60におけるめっき液Psの循環流量(これを「基準流量(L/min)」と称する)よりも多いことが好ましい。これにより、ステップS20におけるイオン抵抗体12の下面側から複数の孔12aを通過してイオン抵抗体12の上面側に向かって流動するめっき液Psの流量は、ステップS60におけるイオン抵抗体12の下面側から複数の孔12aを通過してイオン抵抗体12の上面側に向かって流動するめっき液Psの流量よりも多くなる。この結果、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを効果的に除去することができる。
ステップS20の後に、ステップS30が実行される。ステップS30においては、パドル70の駆動を停止させて、パドル70によるめっき液Psの撹拌を停止させる。
なお、ステップS20でパドル70による撹拌が開始してからステップS30でパドル70による撹拌が停止するまでの時間(すなわち、パドル70による撹拌時間)の具体例は、特に限定されるものではないが、例えば、2秒以上10秒以下の中から選択された所定時間を用いることができる。このように、本実施形態によれば、パドル70によってめっき液Psを短時間撹拌するだけで、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを除去することができる。
ステップS30の後に、ステップS40が実行される。ステップS40においては、パドル70によるめっき液Psの撹拌が停止した状態で、基板Wfをめっき液Psに浸漬させる。具体的には、本実施形態においては、昇降機構50が基板ホルダ30を下降させることで、基板Wfの少なくとも被めっき面Wfaをめっき液Psに浸漬させる。
本実施形態のように、ステップS30においてパドル70によるめっき液Psの撹拌が停止した状態で、ステップS40において基板Wfがめっき液Psに浸漬されるので、基板Wfのめっき液Psへの浸漬時に、パドル70によるめっき液Psの撹拌に起因してめっき液Psの液面が波打つことを抑制できる。これにより、基板Wfのめっき液Psへの浸漬時に基板Wfの被めっき面Wfaに気泡Buが多量に付着することを抑制することができる。
なお、ステップS40において、傾斜機構45によって基板Wfの被めっき面Wfaが水平方向に対して傾斜するように(すなわち、被めっき面Wfaが水平面に対して傾斜するように)、基板ホルダ30を傾斜させた状態で、基板Wfの被めっき面Wfaをめっき液Psに接液させてもよい。この構成によれば、基板Wfの被めっき面Wfaが水平方向の状態で被めっき面Wfaがめっき液Psに接液する場合に比較して、被めっき面Wfaに気泡Buが付着することを効果的に抑制することができる。
ステップS40の後に、ステップS50が実行される。ステップS50においては、基板Wfがめっき液Psに浸漬された状態で、パドル70によるめっき液Psの撹拌を再開させる。具体的には、本実施形態では、基板Wfがめっき液Psに浸漬された状態で、イオン抵抗体12よりも上方且つ基板Wfよりも下方に配置されたパドル70を第1方向及び第2方向に交互に駆動することで、パドル70によるめっき液Psの撹拌を再開させる。
このように、基板Wfがめっき液Psに浸漬された状態でパドル70によるめっき液Psの撹拌が再開されることで、基板Wfの被めっき面Wfaにめっき液Psを効果的に供給することができる。これにより、例えば、基板Wfの被めっき面Wfaの配線パターンの内部に残存したプリウェット処理液を、めっき液Psで効果的に置換することができる。
また、前述したように、ステップS40において、基板Wfの被めっき面Wfaを傾斜させた状態で被めっき面Wfaをめっき液Psに接液させる場合、ステップS50に係るパドル70によるめっき液Psの撹拌の再開は、めっき液Psに浸漬された状態の基板Wfの被めっき面Wfaを水平方向に戻した後に、実行されることが好ましい。すなわち、この場合、ステップS40において基板Wfの被めっき面Wfaを傾斜させた状態で被めっき面Wfaをめっき液Psに接液し、次いで、基板Wfの被めっき面Wfaを水平方向に戻し(これを「ステップS45」と称する)、次いで、ステップS50に係るパドル70によるめっき液Psの撹拌を開始する。
ここで、仮に、基板Wfの被めっき面Wfaが水平方向に対して傾斜した状態でパドル70によるめっき液Psの撹拌が再開される場合、傾斜した状態の基板Wfの被めっき面Wfaの上端(被めっき面Wfaの外縁の上端)がめっき液Psの液面に近くなるため、パドル70によるめっき液Psの撹拌の再開によってめっき液Psの液面が波打ったときに、基板Wfの被めっき面Wfaに気泡Buが巻き込まれ易くなるおそれがある。これに対して、この構成によれば、めっき液Psに浸漬された状態の基板Wfの被めっき面Wfaを水平方向に戻した後にパドル70によるめっき液Psの撹拌が再開されるので、仮にパドル70によるめっき液Psの撹拌の再開によってめっき液Psの液面が波打った場合であっても、基板Wfの被めっき面Wfaに気泡Buが巻き込まれることを効果的に抑制することができる。
ステップS50の後に、ステップS60が実行される。ステップS60においては、パドル70によるめっき液Psの撹拌が再開した状態で(すなわち、パドル70によってめっき液Psを撹拌した状態で)、基板Wfとアノード11との間に電気を流すことで、基板Wfの被めっき面Wfaにめっき処理を施す。これにより、被めっき面Wfaに、金属からなるめっき皮膜が形成される。
ステップS60のように、基板Wfへのめっき処理時にパドル70によるめっき液Psの撹拌が行われることで、めっき処理時にめっき液Psを基板Wfの被めっき面Wfaに効果的に供給することができる。これにより、基板Wfにめっき皮膜を効果的に形成させることができる。
なお、ステップS50に係るパドル70によるめっき液Psの撹拌の再開と同時に、ステップS60に係る基板Wfへのめっき処理を開始してもよい。あるいは、ステップS50に係るめっき液Psの撹拌の再開から、所定時間経過後に、ステップS60に係る基板Wfへのめっき処理を開始してもよい。この所定時間の具体的な値は、特に限定されるものではないが、例えば、基板Wfの被めっき面Wfaに形成された配線パターンのビアやスルーホール等にめっき液Psを行き渡らせるのに十分な時間を用いることが好ましい。このような所定時間の一例を挙げると、例えば30秒以上、60秒以下の中から選択された時間を用いることができる。
なお、ステップS60において、回転機構40は、基板ホルダ30を回転させてもよい。また、ステップS60において、傾斜機構45は、基板Wfの被めっき面Wfaが水平方向に対して傾斜するように基板ホルダ30を傾斜させてもよい。
また、ステップS20におけるパドル70の往復移動速度(第1の往復移動速度)と、ステップS50及びステップS60におけるパドル70の往復移動速度(第2の往復移動速度)とは、同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。ステップS20におけるパドル70の往復移動速度と、ステップS50及びステップS60におけるパドル70の往復移動速度とが異なる場合、ステップS20の場合の方がステップS50及びステップS60の場合よりも速くてもよく、あるいは、遅くてもよい。
但し、パドル70に往復移動速度が速いほど、気泡Buの除去効果が高くなる傾向がある。また、一般に、ステップS20の実行開始前の場合の方が、ステップS50の実行開始前の場合よりも、イオン抵抗体12の孔12aに付着している気泡Buの量が多いと考えられる。そこで、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを効果的に除去するという観点においては、ステップS20におけるパドル70の移動速度を、ステップS50及びステップS60におけるパドル70の往復移動速度よりも速くすることが好ましい。
ステップS20、ステップS50、及び、ステップS60におけるパドル70の往復移動速度の具体的な数値は特に限定されるものではないが、一例を挙げると、25(rpm)以上、400(rpm)以下の範囲から選択された値を用いることができ、具体的には、100(rpm)以上、300(rpm)以下の範囲から選択された値を用いることができ、より具体的には、150(rpm)以上、250(rpm)以下の範囲から選択された値を用いることができる。ここで、「パドル70の往復移動速度がN(rpm)」とは、具体的には、パドル70が1往復すること(すなわち、パドル70が所定位置から出発して例えば第1方向に移動後に第2方向に移動して再び第1方向に移動して所定位置に戻るということ)を1分間にN回行う、ということを意味する。
なお、図6に係るフローは、例えば、めっき装置1000のメンテナンス時において新たなめっき液Ps(未使用のめっき液)をめっき槽10に供給する際に、実行してもよい。あるいは、図6に係るフローは、例えば、めっき装置1000の運転中において、何らかの原因で、めっき槽10のめっき液Psの貯留量が減少して、めっき液Psの液面がイオン抵抗体12よりも下方に位置したために、めっき槽10にめっき液Psを補給する際に、実行してもよい。
以上説明したような本実施形態によれば、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを除去することができる。これにより、この付着した気泡Buに起因して、基板Wfのめっき品質が悪化することを抑制することができる。
(変形例1)
図7は、実施形態の変形例1に係るめっき方法を説明するためのフロー図の一例である。図7に例示するような、本変形例に係るめっき方法は、ステップS30とステップS40との間に、ステップS35をさらに含んでいる点において、図6で説明しためっき方法と異なっている。
ステップS35においては、パドル70によるめっき液Psの撹拌が停止された状態で、めっき槽10からめっき液Psをオーバーフローさせる。
具体的には、本変形例においては、供給口13からめっき液Psを供給することで、めっき槽10からめっき液Psをオーバーフローさせる。めっき槽10からオーバーフローしためっき液Psはオーバーフロー槽20に流入する。なお、ステップS35は、予め設定された所定時間の間、実行されればよい。この所定時間の具体例は、特に限定されるものではないが、例えば、2秒以上120秒以下の中から選択された時間を用いることができる。
本変形例によれば、ステップS35が実行されるので、イオン抵抗体12よりも上方に浮上した気泡Buを、めっき槽10からオーバーフローするめっき液Psとともにめっき槽10の外部に排出させることができる。これにより、ステップS40において基板Wfがめっき液Psに浸漬される際に、基板Wfに気泡Buが付着することを効果的に抑制することができる。
なお、このステップS35においてめっき槽10に供給されるめっき液Psの流量は、ステップS60に係るめっき処理の実行中にめっき槽10に供給されるめっき液Psの流量である「基準流量(L/min)」よりも、多くてもよく、少なくてもよく、あるいは、同じであってもよい。
但し、ステップS35でめっき槽10に供給されるめっき液Psの流量が基準流量よりも多い場合の方が、そうでない場合に比較して、ステップS35においてめっき槽10のめっき液Psの気泡Buを早期にめっき槽10の外部に排出させることができる点で好ましい。
(変形例2)
図8は、実施形態の変形例2に係るめっき方法を説明するためのフロー図の一例である。図8のフローは、前述した図6のステップS60の実行後に実行される。本変形例に係るめっき方法は、ステップS60の実行後に、ステップS70、ステップS80、ステップS90、ステップS100、ステップS110、及び、ステップS120をさらに実行する点において、図6で前述しためっき方法と異なっている。
ステップS70においては、基板Wfにめっき処理を施した後に、基板Wfをめっき液Psから引き上げる。具体的には、本変形例においては、昇降機構50によって、基板ホルダ30を上方に移動させて、基板Wfをめっき液Psから引き上げる。
次いで、ステップS80において、基板Wfがめっき液Psから引き上げられた状態で、イオン抵抗体12よりも上方に配置されたパドル70を駆動することで、めっき液Psを撹拌する。なお、ステップS80に係るパドル70の駆動態様は、前述したステップS20に係るパドル70の駆動態様と同様であるため、ステップS80の詳細な説明は省略する。
本変形例によれば、後述する第2の基板Wf´がめっき液Psに浸漬される前の状態において、仮に、めっき液Psに含まれる気泡Buがイオン抵抗体12の孔12aに付着した場合であっても、ステップS80に係るパドル70によるめっき液Psの撹拌によって、気泡Buの上方への移動を促進させることができる。これにより、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを除去することができる。
次いで、ステップS90において、パドル70によるめっき液Psの撹拌を停止させる。次いで、ステップS100において、パドル70によるめっき液Psの撹拌が停止した状態で、「第2の基板Wf´」をめっき液Psに浸漬させる。なお、この第2の基板Wf´は、ステップS60でめっき処理が施された基板Wfの次にめっき処理が施される基板である。本変形例において、第2の基板Wf´の具体的な構成は、基板Wfと同様である。また、ステップS100は、基板Wfに代えて第2の基板Wf´を用いている点以外、前述したステップS40と同様である。このため、ステップS100の詳細な説明は省略する。
本変形例によれば、ステップS100においてパドル70によるめっき液Psの撹拌が停止した状態で第2の基板Wf´がめっき液Psに浸漬されるので、第2の基板Wf´のめっき液Psへの浸漬時に、めっき液Psの液面が波打つことを抑制できる。これにより、第2の基板Wf´の被めっき面Wfaに気泡Buが多量に付着することを抑制することができる。
次いで、ステップS110において、第2の基板Wf´がめっき液Psに浸漬された状態で、パドル70によるめっき液Psの撹拌を再開させる。具体的には、イオン抵抗体12よりも上方且つ第2の基板Wf´よりも下方に配置されたパドル70を第1方向及び第2方向に交互に駆動することで、パドル70によるめっき液Psの撹拌を再開させる。なお、ステップS110は、基板Wfに代えて第2の基板Wf´を用いている点以外、前述したステップS50と同様である。このため、ステップS110の詳細な説明は省略する。
次いで、ステップS120において、パドル70によるめっき液Psの撹拌が再開した状態で、第2の基板Wf´とアノード11との間に電気を流すことで、第2の基板Wf´の被めっき面Wfaにめっき処理を施す。これにより、第2の基板Wf´の被めっき面Wfaに、金属からなるめっき皮膜が形成される。なお、ステップS120は、基板Wfに代えて第2の基板Wf´を用いている点以外、前述したステップS60と同様である。このため、ステップS120の詳細な説明は省略する。ステップS120のように、第2の基板Wf´へのめっき処理時にパドル70によるめっき液Psの撹拌が行われることで、めっき処理時にめっき液Psを第2の基板Wf´の被めっき面Wfaに効果的に供給することができる。これにより、第2の基板Wf´にめっき皮膜を効果的に形成させることができる。
なお、第2の基板Wf´にめっき処理を施した後に、第3の基板にめっき処理を施す場合には、この第3の基板に対して、再び図8のフローと同様のフローを実行すればよい。
また、本変形例において、ステップS90とステップS100との間に、前述した図7のステップS35を実行してもよい。この場合、前述した変形例1に係る発明の作用効果をさらに奏することができる。
(変形例3)
図9は、実施形態の変形例3に係るパドル70Aの模式的な平面図である。本変形例に係るパドル70Aは、「複数の撹拌部材71a(すなわち、第1の撹拌部材群)」の他に、撹拌部材71aに比較して延在方向の長さの短い「複数の撹拌部材71b,71c,71d,71e(すなわち、第2の撹拌部材群)」をさらに備えている点において、前述した図5に例示するパドル70と異なっている。
具体的には、本変形例に係るパドル70Aは、複数の撹拌部材71aの第1方向の側及び第2方向の側に、それぞれ、撹拌部材71b,71c,71d,71eを備えている。
なお、図9に例示するように、撹拌部材71b,71c,71d,71eは、撹拌部材71aから離れるほど、その延在方向の長さが短くなっていてもよい。また、撹拌部材71b,71c,71d,71eの一端は、連結部材72cに連結されていてもよく、その他端は、連結部材72dに連結されていてもよい。
本変形例によれば、パドル70Aが撹拌部材71b,71c,71d,71eを備えているので、例えば、図5のパドル70に比較して、パドル70Aが一定距離移動したときのパドル70Aが撹拌可能なエリアを広くすることができる。
なお、本変形例に係るパドル70Aを有するめっき装置1000は、前述した図6で説明したフローを実行する。また、前述した変形例1や変形例2において、パドル70に代えて、本変形例に係るパドル70Aを用いてもよい。
(変形例4)
図10は、実施形態の変形例4に係るパドル70Bの模式的な平面図である。本変形例に係るパドル70Bは、所定方向に延在する複数の撹拌部材71fと、各々の撹拌部材71fの両端を連結する連結部材72eと、を備え、連結部材72eが平面視でリング形状を有する点において、図5に例示するパドル70と異なっている。
また、本変形例に係るパドル70Bは、駆動装置77a及び駆動装置77bによって、水平面内で回転するように駆動される点においても、図5に例示するパドル70と異なっている。具体的には、駆動装置77aは、パドル70Bの連結部材72eをY方向及び-Y方向に交互に駆動する。駆動装置77bは、連結部材72eを-Y方向及びY方向に交互に駆動する。これにより、パドル70Bは、リング形状の連結部材72eの中心を回転中心として、水平面内で、第1回転方向(例えば平面視で時計回りの方向)、及び、第1回転方向とは反対の第2回転方向(例えば平面視で反時計回りの方向)に、交互に回転する。
本変形例においても、パドル70Bによってめっき液Psを撹拌することができるので、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを除去することができる。
なお、本変形例に係るパドル70Bを有するめっき装置1000は、前述した図6で説明したフローを実行する。また、前述した変形例1や変形例2において、パドル70に代えて、本変形例に係るパドル70Bを用いてもよい。
(変形例5)
図11は、実施形態の変形例5に係るパドル70Cの模式的な平面図である。本変形例に係るパドル70Cは、ハニカム構造を有する複数の撹拌部材73を備えている点において、図5に例示するパドル70と異なっている。また、本変形例に係るパドル70Cは、図11に例示するように、被覆枠75と、外枠76a,76bと、をさらに備えていてもよい。
各々の撹拌部材73は、上下方向(鉛直方向)に延在する多角形の貫通孔73aを有している。貫通孔73aが有する多角形の具体的な形状は、特に限定されるものではなく、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等、種々のN角形(Nは3以上の自然数)を用いることができる。本変形例では、多角形の一例として、六角形が用いられている。
また、複数の撹拌部材73は、平面視で、四角形状を有する角形部位74aを有している。具体的には、本変形例に係る角形部位74aは、水平方向に延在するとともに第1方向及び第2方向に対して垂直な方向(Y軸の方向)を長手方向とする、長方形の形状を有している。但し、この構成に限定されるものではなく、角形部位74aは、第1方向及び第2方向を長手方向とする長方形の形状を有していてもよく、あるいは、正方形の形状を有していてもよい。
また、複数の撹拌部材73は、角形部位74aにおける第1方向の側の側面から第1方向の側に突出する第1突出部位74bと、角形部位74aにおける第2方向の側の側面から第2方向の側に突出する第2突出部位74cと、を有している。すなわち、本変形例に係る複数の撹拌部材73の外縁は、平面視で、角形部位74aと第1突出部位74bと第2突出部位74cとを有する外観形状を呈している。本変形例に係る第1突出部位74bは、第1方向の側に円弧状(換言すると、弓状)に突出している。また、本変形例に係る第2突出部位74cは、第2方向の側に円弧状(換言すると、弓状)に突出している。
被覆枠75は、複数の撹拌部材73の外縁を覆うように設けられている。外枠76aは、被覆枠75の一方の側(Y方向の側)の側面に接続されている。外枠76bは、被覆枠75の他方の側(-Y方向の側)の側面に接続されている。パドル70Cは、駆動装置77に接続されており、この駆動装置77によって、第1方向及び第2方向に交互に駆動させられる。具体的には、本変形例に係るパドル70Cは、パドル70Cの外枠76bが駆動装置77に接続されている。
本変形例においても、パドル70Cによってめっき液Psを撹拌することができるので、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを除去することができる。
また、本変形例によれば、パドル70Cがハニカム構造を有しているので、パドル70Cがハニカム構造を有さずに、例えばパドル70Cの駆動方向に垂直な方向に延在する棒状又は板状の部材によって構成されている場合(例えば、前述した図5のような場合)に比較して、複数の撹拌部材73の配置密度を多くすることができる。これにより、パドル70Cによって、めっき液Psを効果的に撹拌することができる。この結果、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを効果的に除去することができる。
また、本変形例によれば、パドル70Cの複数の撹拌部材73が、角形部位74aと第1突出部位74bと第2突出部位74cとを有しているので、例えば、複数の撹拌部材73が、角形部位74aを有しているが第1突出部位74b及び第2突出部位74cを有していない場合に比較して、パドル70Cが一定距離移動したときのパドル70Cが撹拌可能なエリアを広くすることができる。
なお、第1突出部位74bと第2突出部位74cとの距離の最大値である「パドル幅D2」は、基板Wfの被めっき面Wfaの第1方向にある外縁と第2方向にある外縁との距離の最大値である「基板幅D1(この符号は図3に例示されている)」よりも大きくてもよく、小さくてもよい。あるいは、パドル幅D2は基板幅D1と同じ値であってもよい。
但し、パドル幅D2が基板幅D1よりも小さい場合の方が、パドル幅D2が基板幅D1と同じ場合又は基板幅D1よりも大きい場合に比較して、パドル70Cとめっき槽10の外周壁10bとの間の隙間を大きく確保することができる。この結果、めっき槽10の内部におけるパドル70Cの第1方向及び第2方向への移動距離(すなわち、パドル70Cの往復移動時のストローク)を大きくすることができる。これにより、パドル70Cによってめっき液Psを効果的に撹拌することができるので、イオン抵抗体12の孔12aに付着した気泡Buを効果的に除去することができる。このような観点において、パドル幅D2は基板幅D1よりも小さいことが好ましい。
なお、基板Wfの被めっき面Wfaが円形の場合、基板幅D1は、被めっき面Wfaの直径に相当する。基板Wfの被めっき面Wfaが四角形の場合、基板幅D1は、被めっき面Wfaの第1方向にある辺と、この辺に対向する辺(第2方向にある辺)と、の間隔の最大値に相当する。
本変形例に係るパドル70Cを有するめっき装置1000は、前述した図6で説明したフローを実行する。但し、この構成に限定されるものではない。他の一例を挙げると、本変形例に係るめっき装置1000は、パドル70Cによるめっき液Psの撹拌を、めっき槽10へのめっき液Psの供給時(ステップS10、ステップS20)、及び、基板Wfへのめっき処理時(ステップS50、ステップS60)のいずれか一方の場合にのみ、実行してもよい。また、前述した変形例1(図7)や変形例2(図8)において、パドル70に代えて、本変形例に係るパドル70Cを用いてもよい。
以上、本発明の実施形態や変形例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態や変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、さらなる種々の変形・変更が可能である。
10 めっき槽
11 アノード
12 イオン抵抗体
12a 孔
30 基板ホルダ
70,70A,70B,70C パドル
73 撹拌部材
73a 貫通孔
74a 角形部位
74b 第1突出部位
74c 第2突出部位
1000 めっき装置
Wf 基板
Ps めっき液
Bu 気泡
(態様10)
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係るめっき装置は、アノードと、前記アノードよりも上方に配置されて、複数の孔を有するイオン抵抗体と、が配置されためっき槽と、カソードしての基板を保持する基板ホルダと、前記イオン抵抗体よりも上方且つ
前記基板よりも下方に配置されるとともに、前記イオン抵抗体の上面に平行な第1方向及び前記第1方向とは反対の第2方向に交互に駆動されて、前記めっき槽に貯留されためっき液を撹拌するように構成されたパドルと、を備え、前記パドルは、上下方向に延在する多角形の貫通孔を有する撹拌部材を複数備える、ハニカム構造を有し、複数の前記撹拌部材は、平面視で、四角形状の角形部位と、前記角形部位における前記第1方向の側の側面から前記第1方向の側に円弧状に突出する第1突出部位と、前記角形部位の前記第2方向の側の側面から前記第2方向の側に円弧状に突出する第2突出部位と、を有する。

Claims (11)

  1. アノードと、前記アノードよりも上方に配置されて、複数の孔を有するイオン抵抗体と、が配置されためっき槽に、めっき液を供給して、前記アノード及び前記イオン抵抗体をめっき液に浸漬させること、
    前記アノード及び前記イオン抵抗体がめっき液に浸漬された状態で、前記イオン抵抗体よりも上方に配置されたパドルを駆動することでめっき液を撹拌すること、
    前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で、カソードとしての基板をめっき液に浸漬させること、
    前記基板がめっき液に浸漬された状態で、前記イオン抵抗体よりも上方且つ前記基板よりも下方に配置された前記パドルによるめっき液の撹拌を再開させること、及び、
    前記パドルによるめっき液の撹拌が再開された状態で、前記基板と前記アノードとの間に電気を流すことで、前記基板にめっき処理を施すこと、を含む、めっき方法。
  2. 前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で、前記めっき槽からめっき液をオーバーフローさせることを、さらに含み、
    前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で前記基板をめっき液に浸漬させることは、前記めっき槽からめっき液をオーバーフローさせた後に実行される、請求項1に記載のめっき方法。
  3. 前記基板にめっき処理を施した後に、前記基板をめっき液から引き上げること、
    前記基板がめっき液から引き上げられた状態で、前記イオン抵抗体よりも上方に配置された前記パドルを駆動することでめっき液を撹拌すること、
    前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で、第2の基板をめっき液に浸漬させること、
    前記第2の基板がめっき液に浸漬された状態で、前記イオン抵抗体よりも上方且つ前記第2の基板よりも下方に配置された前記パドルによるめっき液の撹拌を再開させること、及び、
    前記パドルによるめっき液の撹拌が再開された状態で、前記第2の基板と前記アノードとの間に電気を流すことで、前記第2の基板にめっき処理を施すこと、をさらに含む、請求項1又は2に記載のめっき方法。
  4. 前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で前記基板をめっき液に浸漬させることは、前記パドルによるめっき液の撹拌が停止された状態で、且つ、前記基板の被めっき面を水平方向に対して傾斜させた状態で、前記基板をめっき液に浸漬させることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のめっき方法。
  5. 前記めっき液に浸漬された状態の前記基板の被めっき面を水平方向に戻すこと、をさらに含み、
    前記基板がめっき液に浸漬された状態で前記パドルによるめっき液の撹拌を再開させることは、前記めっき液に浸漬された状態の前記基板の被めっき面を水平方向に戻した後に、実行される、請求項4に記載のめっき方法。
  6. 前記アノード及び前記イオン抵抗体がめっき液に浸漬された状態で前記パドルを駆動することでめっき液を撹拌する際における、前記イオン抵抗体の下面側から前記複数の孔を通過して前記イオン抵抗体の上面側に向かって流動するめっき液の流量は、前記基板にめっき処理を施す際における前記めっき液の流量よりも多い、請求項1に記載のめっき方法。
  7. 前記パドルは、前記イオン抵抗体の上面に平行な第1方向及び前記第1方向とは反対の第2方向に交互に駆動されて、めっき液を撹拌する、請求項1~6のいずれか1項に記載のめっき方法。
  8. 前記パドルは、上下方向に延在する多角形の貫通孔を有する撹拌部材を複数備える、ハニカム構造を有し、
    複数の前記撹拌部材は、平面視で、四角形状の角形部位と、前記角形部位における前記第1方向の側の側面から前記第1方向の側に円弧状に突出する第1突出部位と、前記角形部位の前記第2方向の側の側面から前記第2方向の側に円弧状に突出する第2突出部位と、を有する、請求項7に記載のめっき方法。
  9. 前記第1突出部位と前記第2突出部位との距離の最大値であるパドル幅は、めっき処理が施される前記基板の被めっき面の前記第1方向にある外縁と前記第2方向にある外縁との距離の最大値である基板幅よりも小さい、請求項8に記載のめっき方法。
  10. アノードと、前記アノードよりも上方に配置されて、複数の孔を有するイオン抵抗体と、が配置されためっき槽と、
    カソードしての基板を保持する基板ホルダと、
    前記イオン抵抗体よりも上方且つ前記基板よりも下方に配置されるとともに、前記イオン抵抗体の上面に平行な第1方向及び前記第1方向とは反対の第2方向に交互に駆動されて、前記めっき槽に貯留されためっき液を撹拌するように構成されたパドルと、を備え、
    前記パドルは、上下方向に延在する多角形の貫通孔を有する撹拌部材を複数備える、ハニカム構造を有し、
    複数の前記撹拌部材は、平面視で、四角形状の角形部位と、前記角形部位における前記第1方向の側の側面から前記第1方向の側に円弧状に突出する第1突出部位と、前記角形部位の前記第2方向の側の側面から前記第2方向の側に円弧状に突出する第2突出部位と、を有する、めっき装置。
  11. 前記第1突出部位と前記第2突出部位との距離の最大値であるパドル幅は、めっき処理が施される前記基板の被めっき面の前記第1方向にある外縁と前記第2方向にある外縁との距離の最大値である基板幅よりも小さい、請求項10に記載のめっき装置。
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