JP2023084055A - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐震機能と耐風機能とを備え、しかも低コスト化を実現する免震装置を提供すること。【解決手段】免震装置1は、戸建住宅の四角木材100に設置され、略円錐形の凹部10aを有する受け具10と、コンクリート基礎101に設置され、凹部10aに当接する略円錐形の摺動部12bを有し、受け具10を支持する支え具12と、を備え、凹部10aは、頂部の面が球状に形成された球面領域A1とこの球面領域A1から延びる斜面領域A2とを有し、摺動部12bは、頂部の面が球状に形成された球面領域B1とこの球面領域B1から延びる斜面領域B2とを有し、球面領域A1と球面領域B1とが同じ形状であり、斜面領域A2の斜面と斜面領域B2の斜面とが同じ角度であり、斜面領域A2の斜面が、斜面領域B2の斜面より長く、支え具12に受け具10を載置したとき、球面領域A1及び斜面領域A2に球面領域B1及び斜面領域B2の全面が当接する。【選択図】図1

Description

本発明は、建物、特に一般の戸建住宅に適用可能な免震装置に関する。
従来におけるこの種の技術としては、特許文献1に記載された技術が提案されている。特許文献1には、免震対象の上部構造体を下部構造体に対して水平各方向に滑動自在に支持するための滑り免震機構であって、上部構造体の底部に固定される上部案内部材と、上部案内部材及び下部案内部材の間に介在される摺動子からなり、摺動子は、上部案内部材に対して水平一方向にのみ摺動可能に保持されているとともに、下部案内部材に対して水平方向と直交する水平他方向にのみ摺動可能に保持され、摺動子と上部案内部材との摺動面は、いずれも水平一方向に沿いかつ水平面に対して互いに逆方向に同角度ずつ第1傾斜面と第2傾斜面とが水平他方向に並設配置されて構成されている免震機構について開示されている。
特許第5967440号公報
ところで、現在、免震装置はマンション等の比較的大きな構造物に応用されている。しかし、戸建住宅において免震装置を使用した場合、戸建住宅の重量不足が原因で、強風によって揺れが発生するおそれがある。そこで、強風対策用の装置を新たに追加することも考えられるが、その分コスト高になる。このように、コストの問題が、戸建住宅に対する免震装置の普及を困難にする要因となっている。
また、従来、減震装置も市場に出てきている。しかし、減震装置を適用した建物の場合、建物と大地との相互運動距離が少ないことから、巨大地震における建物の揺れが依然として大きいことが予想される。このため、建物は損壊まではしないものの、ある程度の損傷を受けることが予想される。
本発明は、このような問題点を解決し、地震から建物を保護する耐震機能と、強風から建物を保護する耐風機能とを備え、しかも低コスト化を実現する免震装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次の構成を備えている。
(1) 免震対象の上部構造体(例えば、四角木材100)に設置され、略円錐形の凹部(例えば、凹部10a)を有する受け具(例えば、受け具10)と、
免震対象の下部構造体(例えば、コンクリート基礎101)に設置され、前記凹部に当接する略円錐形の摺動部(例えば、摺動部12b)を有し、前記受け具を支持する支え具(例えば、支え具12)と、を備え、
前記支え具に前記受け具を載置して、前記上部構造体を前記下部構造体に対して水平方向に移動自在に支持する免震装置(例えば、免震装置1)であって、
前記凹部は、頂部の面が球状に形成された受け側球面部(例えば、球面領域A1)と当該受け側球面部から延びる受け側斜面部(例えば、斜面領域A2)とを有し、
前記摺動部は、頂部の面が球状に形成された支え側球面部(例えば、球面領域B1)と当該支え側球面部から延びる支え側斜面部(例えば、斜面領域B2)とを有し、
前記受け側球面部と前記支え側球面部とが同じ形状であり、
前記受け側斜面部の斜面と前記支え側斜面部の斜面とが同じ角度であり、前記受け側斜面部の斜面が、前記支え側斜面部の斜面より長いことを特徴とする免震装置。
(1)の発明によれば、支え具に受け具を載置したときに、支え具の中心軸とに受け具の凹部の中心軸とが一致して、受け側球面部に支え側球面部の全面が当接し、受け側斜面部に支え側斜面部の全面が当接する。このため、戸建住宅の重量によって支え具と受け具との間に強い摩擦力が発生するようになり、戸建住宅に風圧が加わった場合に、受け具が支え具に対して移動することが低減され、戸建住宅が強風によって揺れることを低減可能になる。このように、耐風機能を向上させることが可能になる。また、強い地震が発生した場合に、受け具と支え具とが相互移動して基本位置に戻る運動を行うことにより、地震による揺れを吸収することが可能になり、耐震機能を向上させることができる。また、これらの機能を支え具及び受け具の形状によって持たせることが可能になるため、低コスト化を図ることが可能になる。
(2) (1)において、前記凹部は、前記受け側斜面部の外周に連続して前記凹部の中心軸側に円弧状に延びる受け側円弧面部(例えば、面取り領域A3)を更に有し、
前記摺動部は、前記支え側斜面部の外周に連続して前記摺動部の中心軸側に円弧状に延びる支え側円弧面部(例えば、面取り領域B3)を更に有し、
前記支え側円弧面部の円弧面の曲率は前記受け側円弧面部の円弧面の曲率より大きいことを特徴とする免震装置。
(2)の発明によれば、受け具と支え具との相互移動が大きい場合に、支え側円弧面部が受け側円弧面部に当接し、支え具が受け具の中心軸から離間するごとに、支え具を基本位置に戻そうとする力が強くなる。その一方で支え側円弧面部が受け側円弧面部に当接する領域が小さいため摩擦力が小さく、支え具の位置を保とうとする力が小さくなる。このため、受け具と支え具との相互移動が大きい場合でも受け具と支え具とが基本位置に戻りやすくなる。これにより、地震による揺れを吸収することが可能になり、耐震機能を向上させることができる。
(3) (1)又は(2)において、前記受け側斜面部の斜面と前記凹部の中心軸との角度の正接の値は、前記凹部と前記摺動部との静止摩擦係数の値より大きいことを特徴とする免震装置。
(3)の発明によれば、受け側斜面部の斜面と凹部の中心軸との角度(α)の正接の値(tanα)は、凹部と摺動部との静止摩擦係数の値(μ)より大きいため、受け具と支え具とが相互移動した場合に、斜面による基本位置に戻る力が摩擦による抵抗力よりも大きくなる。これにより、受け具と支え具とが基本位置に戻りやすくなり、耐震機能を向上させることができる。
(4) (1)~(3)において、前記上部構造体と前記下部構造体と連結し、前記下部構造体に対する前記上部構造体の所定幅以上の上方への移動を規制する規制部材(例えば、位置規制部3)を更に設けたことを特徴とする免震装置。
(4)の発明によれば、規制部材が、下部構造体に対する上部構造体の所定幅以上の上方への移動を規制するため、支え具から受け具が外れることが低減され、耐風機能及び耐震機能を維持することができる。
本発明によれば、地震から建物を保護する耐震機能と、強風から建物を保護する耐風機能とを備え、しかも低コスト化を実現する免震装置を提供することが可能になる。
本発明の一実施形態における免震装置1の概略構成を模式的に示す側面図である。 図1の平面図である。 免震部2における受け具10及び支え具12の基本位置を示す説明図である。 免震部2における受け具10及び支え具12が相互移動した状態を示す説明図である。 戸建住宅の耐風性能に関する値の一例を示す図である。
本発明の一実施形態における免震装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における免震装置1の概略構成を模式的に示す側面図、図2は、図1の平面図、図3は、免震部2における受け具10及び支え具12の基本位置を示す説明図である。
[免震装置1]
図1、図2に示すように、免震装置1は、戸建住宅の基礎となる四角木材100と、地面に一部を埋設させたコンクリート基礎101との間に介装され、四角木材100をコンクリート基礎101に対して水平方向に移動自在に支持するものである。本実施形態においては、四角木材100として、太さが120mm×120mmの標準四角木材を使用する。また、免震装置1は、戸建住宅の揺れを吸収する免震部2と、四角木材100とコンクリート基礎101との間が所定間隔以上広がることを規制する位置規制部3と、を備える。
[免震部2]
免震部2は、四角木材100に固定される受け具10と、コンクリート基礎101に固定され、受け具10を支持する支え具12と、受け具10に固定される段差付きボルト14と、段差付きボルト14に挿入されるワッシャ16と、段差付きボルト14に螺合するナット18と、支え具12を支持する支持軸20と、を備える。なお、以下の説明の便宜上、免震装置1において四角木材100側を上方、コンクリート基礎101側を下方と称することにする。
受け具10は、略円柱形状の部材からなり、上面部の中心から段差付きボルト14に連結する円筒状の連結部が延びており、下面部はすり鉢形状の凹部10aが形成されている。受け具10に段差付きボルト14を連結した場合、段差付きボルト14の中心軸と凹部10aの中心軸とが一致する。図3に示すように、凹部10aは、中心部に形成された球面領域A1と、この球面領域A1の外周に連続して形成された直線状に傾斜する斜面領域A2と、この斜面領域A2の外周に連続して形成され、球面領域A1の曲率よりも大きい曲率の円弧面からなる面取り領域A3と、この面取り領域A3の外周に連続して形成され、受け具10の中心軸に沿って延びる垂直面領域A4と、を有する。つまり、受け具10の凹部10aは、円柱体に、頂部が球形に形成された円錐体を載せた形状であり、緩やかな凹面を備えている。
図1に示すように、支え具12は、略釣り鐘形状に形成されており、円柱部12aと、円柱部12aの上面を上方に膨出させてなる摺動部12bと、円柱部12aの下部を側方に延在させてなる環状の補強部12cと、を有する。つまり、支え具12は、円柱体に、頂部が球形に形成された円錐体を載せた形状であり、緩やかな凸面を備えている。
摺動部12bの上面は、図3に示すように、頂上及びその周囲に形成された球面領域B1と、この球面領域B1の外周に連続して形成された直線状に傾斜する斜面領域B2と、この斜面領域B2の外周に連続して形成され、球面領域B1の曲率よりも大きい曲率の円弧面からなる面取り領域B3と、を有する。
球面領域B1は、凹部10aの中心部に形成された球面領域A1と同じ曲率の凸状に形成されている。また、球面領域B1における最外周半径は、球面領域A1における最外周の球半径と同じに設定されている。つまり、球面領域A1の形状と球面領域B1の形状とは同一である。支え具12の斜面領域B2と受け具10の斜面領域A2とは、中心軸に対して同じ角度で傾斜しており、斜面領域A2の斜面の方が斜面領域B2の斜面よりも長く設定されている。支え具12の面取り領域B3の曲率半径は、受け具10の面取り領域A3の曲率半径の約1/4に設定されている。すなわち、受け具10の面取り領域A3よりも支え具12の面取り領域B3の方がきつい曲がりになっている。
また、支え具12の下面の中心には、円柱状の孔部12dが形成されている。孔部12dの中心軸は支え具12の中心軸とは一致する。孔部12dにおける上方の端部は円錐状に形成されている。
面取り領域B3は、支え具12の摺動部12bと、円柱部12aとの境界部分に形成されている。また、支え具12の下部における円柱部12aと補強部12cとの段差部分にも面取りが施されており、この段差部分が円弧状に形成されている。
段差付きボルト14は、円柱状の棒状部材の両端部にねじ山が形成された部材である。ねじ山が形成された部分の径は、中央の円柱部分の径よりも短く設定されている。このため、段差付きボルト14の両端部には段差が形成されている。段差付きボルト14の一端部は受け具10の上面の中心に螺合、固定される。
ワッシャ16は、段差付きボルト14の他端部に挿入可能であるが、段差部分に当接するためそれ以上の移動が規制される。ナット18は段差付きボルト14の他端部に螺合される。
支持軸20は、先端部が支え具12の孔部12dに嵌挿可能な円柱状に形成されている。
[免震部2の設置]
次に、免震部2の設置について説明する。受け具10は四角木材100に固定され、支え具12はコンクリート基礎101に固定される。受け具10を四角木材100に固定する際には、受け具10に連結した段差付きボルト14を、四角木材100に形成された上下方向に延びる貫通孔に下方から挿入し、貫通孔から突出した段差付きボルト14の他端部にワッシャ16を挿入してナット18を締結する。これにより、四角木材100の下方に受け具10が固定される。
支え具12をコンクリート基礎101に固定する際には、予め、支持軸20をコンクリート基礎101に埋設する。このとき、支持軸20の先端部以外の部位をコンクリート基礎101に埋設し、先端部を外部に鉛直上方に向かって突出させる。そして、支持軸20の先端部を支え具12の孔部12dに嵌挿することにより、支え具12がコンクリート基礎101に固定される。
受け具10及び支え具12は、四角木材100及びコンクリート基礎101における複数箇所に固定される。四角木材100上がコンクリート基礎101に載せられた場合に、受け具10の凹部10aの中心と支え具12の上部の中心とが当接するように、受け具10及び支え具12の位置を予め設定する。
そして、四角木材100をコンクリート基礎101に載せたときに、球面領域A1に球面領域B1の全面が当接し、斜面領域A2に斜面領域B2の全面が当接するとともに、支え具12の中心軸と受け具10との中心軸とが一致し、この中心軸上において受け具10の凹部10aの中心と支え具12の上部の中心とが当接する。言い換えれば、支え具12の頂点に受け具10の凹部10aの最底部位が当接する。この状態における受け具10及び支え具12の位置を基本位置と称することにする。
受け具10及び支え具12が基本位置にある状態では、受け具10の凹部10aの面と支え具12の摺動部12bの面とには摩擦力が発生するため、受け具10あるいは支え具12に大きな外力(例えば、地震)が加わらない限り、受け具10の凹部10aの中心と支え具12の上部の中心とが当接した状態が維持される。つまり、戸建住宅が揺れにくくなる。
受け具10の斜面領域A2及び支え具12の斜面領域B2における傾斜面の角度(α)は、傾斜率(tanα)が、静止摩擦係数(μ)を越える値に設定されている。これにより、例えば、地震により支え具12と受け具10とにおいて相互運動が発生して、受け具10と支え具12との位置にずれが生じた場合、戸建住宅の重量により、傾斜面によって元の位置に戻ろうとする力とそれに抗する摩擦力が発生する。このとき、傾斜面によって元の位置に戻ろうとする力の方が大きくなるため、受け具10及び支え具12が自然に基本位置に戻ることができる。更に、基本位置に戻る際に摩擦力が作用するため、受け具10と支え具12との揺れ幅を小さくしていくことが可能になる。
[免震部2の動作]
次に、免震部2の動作について説明する。
図3に示すように、受け具10及び支え具12の基本位置は、受け具10の中心軸と支え具12の中心軸とが一致する位置であり、受け具10の凹部10aの中心と支え具12の上部の中心とが当接した状態が維持される。
受け具10及び支え具12が基本位置にあるとき、受け具10の凹部10aに対して支え具12の球面領域B1全体が当接しており、かつ斜面領域A2の一部に斜面領域B2の全体が当接している。本実施形態においては、受け具10の凹部10aの面と支え具12の摺動部12bの面とのB1静止摩擦係数(μ)は約0.2に設定されている。また、受け具10の垂直面領域A4の面と支え具12の円柱部12aの表面との距離は約45mmである。このため、凹部10aの内部における支え具12の最大偏心距離は90mm(45mm×2)となる。
地震が発生して、地震加速度により支え具12と受け具10とにおいて相互運動が発生すると、受け具10に対して支え具12が偏心する場合がある。支え具12が偏心したとき、球面領域A1と球面領域B1とが離間し、斜面領域A2の一部と斜面領域B2の一部とが直線状に接するようになる。
更に支え具12が偏心すると、斜面領域B2が斜面領域A2を摺動して、図4に示すように、面取り領域A3に面取り領域B3が当接する。この時、斜面領域A2と斜面領域B2とが離間する。
更に大きく支え具12が偏心すると、最終的に円柱部12aが垂直面領域A4に当接し、それ以上の支え具12の相互移動は規制される。
このように、支え具12と受け具10とにおいて相互運動が発生すると、受け具10と支え具12との接触面積が段階的に小さくなり、受け具10と支え具12とが基本位置に戻ろうとする際の摩擦による抵抗力を小さくすることができる。このため、受け具10と支え具12とが基本位置に戻り易くなる。
本実施形態によれば、面取り領域A3に面取り領域B3が当接するようになると、戸建住宅の重量によって発生する支え具12が基本位置に戻ろうとする力が増大する。本実施形態において実質的な支え具12の最大偏心距離は、80mm(40mm×2)となる。
このように、地震が発生して、地震加速度により受け具10と支え具12とにおいて相互運動が発生した場合に、受け具10と支え具12との間に発生する摩擦によって揺れを吸収することにより、戸建住宅の揺れを抑えることができる。
また、受け具10と支え具12とにおける相互運動が生じた場合には、斜面領域A2と斜面領域B2との摩擦力が作用するため、戸建住宅の揺れを安定して抑えることができる。ここで、斜面領域A2と斜面領域B2との当接部分は、相互運動を水平運動と垂直運動に分解することができる。水平運動は戸建住宅の揺れを抑え、垂直運動は地震からのエネルギーを吸収することができる。
また、面取り領域A3は、支え具12が受け具10側に移動しようとする力を低減することができるため、支え具12と受け具10のとの相互運動時の衝撃をなくすことができる。更に、支え具12が受け具10側に極端に移動した場合でも、垂直面領域A4に支え具12が当接してそれ以上の支え具12の移動が規制されるため、支え具12を受け具10の内部に抑えることができる。
なお、支え具12において戸建住宅の揺れを吸収する部分は摺動部12bであるが、他に円柱部12aと補強部12cとを備えることにより、支え具12に強度を持たせることが可能になる。
また、受け具10及び支え具12が基本位置にあるとき、受け具10と支え具12とは同軸であり、同じ曲率の凹状の球面領域A1と凸状の球面領域B1とが当接しており、しかも、戸建住宅の重量が当接部位に加重される。このため、例えば、戸建住宅が強風を受けて受け具10が支え具12からずれようとしても、大きな摩擦力が受け具10と支え具12との間に作用することにより、受け具10が支え具12からずれ難くなる。このため、免震装置1は、耐震機能ばかりでなく耐風機能を備えるようになる。
図5は戸建住宅の耐風性能に関する値の一例を示す図である。例えば、図5(a)に示す条件の戸建住宅の壁面に風速60.0m/sの風が当たる場合、戸建住宅が受ける力は112.5kNとなる。また、図5(a)に示す条件の戸建住宅の質量を40tとした場合、静止抵抗力は図5(b)に示す値となる。図5(b)に示すように、149.0kNの力が戸建住宅に加わった場合に、受け具10が支え具12から水平方向にずれることになる。したがって、本実施形態の免震装置1を適用した図5(a)に示す条件の戸建住宅は、風速60.0m/sの風に十分に耐えることができる。なお、猛烈な台風に区分される台風の風速は54.1m/sであるため、本実施形態の免震装置1には高い耐風性能が期待できる。
[位置規制部3]
図1に戻って、位置規制部3は、縦揺れの地震が発生した場合に、免震部2において受け具10から支え具12が外れることを防止するものである。
図1に示すように、位置規制部3は、四角木材100に固定されるボルト50と、コンクリート基礎101に埋設されるアンカーボルト52と、ボルト50とアンカーボルト52とを繋ぐチェーンスリング54と、を備える。
ボルト50は、四角木材100に形成された上下方向に延びる貫通孔に挿入され、ボルト50の上部には、段差付きボルト14と同様にワッシャを介在させてナットが締結される。ボルト50の下端部には、チェーンスリング54と連結するための連結部材56が固定されている。
アンカーボルト52は、コンクリート基礎101における通気口を形成するための凹み部分のように、四角木材100に対して上面が離間している部位に埋設される。アンカーボルト52の先端部にはチェーンスリング54と連結するための連結部材58が固定されている。
なお、四角木材100におけるボルト50の固定位置は、四角木材100をコンクリート基礎101に載置した場合に、ボルト50の下端部がアンカーボルト52の先端部に対向するように予め設計する。そして、四角木材100をコンクリート基礎101に載置した後、連結部材56と連結部材58とをチェーンスリング54によって連結する。この際、チェーンスリング54に若干の弛みを持たせることが望ましい。具体的に、チェーンスリング54は、コンクリート基礎101がスライド移動した場合に、受け具10が支え具12から抜けてしまうことがない程度の長さであることが望ましい。
このように構成された位置規制部3を備えることにより、縦揺れの地震が発生した場合に、チェーンスリング54によって四角木材100とコンクリート基礎101とが大きく離間することが防止され、免震部2において受け具10から支え具12が外れ難くなる。
[作用効果]
以上、説明したように構成された本実施形態によれば、支え具12に受け具10を載置したときに、球面領域A1に球面領域B1の全面が当接し、斜面領域A2に斜面領域B2の全面が当接するため、戸建住宅の重量によって支え具12と受け具10との間に強い摩擦力が発生する。このため、戸建住宅に風圧が加わった場合に、受け具10が支え具12に対して移動することが低減され、耐風機能を向上させることが可能になる。また、強い地震が発生した場合に、受け具10と支え具12とが相互移動して基本位置に戻る運動を行うことにより、地震による揺れを吸収することが可能になり、耐震機能を向上させることができる。また、これらの機能を支え具12及び受け具10の形状によって持たせることが可能になるため、低コスト化を図ることが可能になる。
また本実施形態によれば、面取り領域B3の円弧面の曲率は面取り領域A3の円弧面の曲率より大きいため、受け具10と支え具12との相互移動が大きい場合に、支え具12が受け具10の中心軸から離間するごとに、支え具を基本位置に戻そうとする力が強くなる。その一方で面取り領域B3が面取り領域A3に当接する領域が小さいため、両者の摩擦力が小さくなり、支え具12の位置を維持する抵抗力が小さくなる。このため、受け具10と支え具12との相互移動が大きい場合でも受け具10と支え具12とが基本位置に戻りやすくなり、その際の、球面領域A1と球面領域B1及び斜面領域A2と斜面領域B2との摩擦によって揺れが吸収される。これにより、地震による揺れを吸収することが可能になり、耐震機能を向上させることができる。
また本実施形態によれば、斜面領域A2及び斜面領域B2の斜面と凹部10aの中心軸との角度(α)の正接の値(tanα)は、凹部と摺動部との静止摩擦係数の値(μ)より大きいため、受け具10と支え具12とが相互移動した場合に、斜面による基本位置に戻る力が摩擦による抵抗力よりも大きくなる。これにより、受け具10と支え具12とが基本位置に戻りやすくなり、その際の、球面領域A1と球面領域B1及び斜面領域A2と斜面領域B2との摩擦によって揺れが吸収される。これにより、地震による揺れを吸収することが可能になり、耐震機能を向上させることができる。
また本実施形態によれば、位置規制部3が、コンクリート基礎101に対する四角木材100の所定幅以上の上方への移動を規制するため、支え具12から受け具10が外れることが低減され、耐風機能及び耐震機能を維持することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述したものに限るものではなく、適用する戸建住宅に応じて受け具10や支え具12の大きさを適宜変更することは可能である。
1 免震装置
2 免震部
3 位置規制部
10 受け具
10a 凹部
A1 球面領域
A2 斜面領域
A3 面取り領域
A4 垂直面領域
12 支え具
12a 円柱部
12b 上部
B1 球面領域
B2 斜面領域
B3 面取り領域
12c 補強部
12d 孔部
14 段差付きボルト
16 ワッシャ
18 ナット
20 支持軸
50 ボルト
52 アンカーボルト
54 チェーンスリング
56、58 連結部材
100 四角木材
101 コンクリート基礎

Claims (4)

  1. 免震対象の上部構造体に設置され、略円錐形の凹部を有する受け具と、
    免震対象の下部構造体に設置され、前記凹部に当接する略円錐形の摺動部を有し、前記受け具を支持する支え具と、を備え、
    前記支え具に前記受け具を載置して、前記上部構造体を前記下部構造体に対して水平方向に移動自在に支持する免震装置であって、
    前記凹部は、頂部の面が球状に形成された受け側球面部と当該受け側球面部から延びる受け側斜面部とを有し、
    前記摺動部は、頂部の面が球状に形成された支え側球面部と当該支え側球面部から延びる支え側斜面部とを有し、
    前記受け側球面部と前記支え側球面部とが同じ形状であり、
    前記受け側斜面部の斜面と前記支え側斜面部の斜面とが同じ角度であり、前記受け側斜面部の斜面が、前記支え側斜面部の斜面より長いことを特徴とする免震装置。
  2. 前記凹部は、前記受け側斜面部の外周に連続して前記凹部の中心軸側に円弧状に延びる受け側円弧面部を更に有し、
    前記摺動部は、前記支え側斜面部の外周に連続して前記摺動部の中心軸側に円弧状に延びる支え側円弧面部を更に有し、
    前記支え側円弧面部の円弧面の曲率は前記受け側円弧面部の円弧面の曲率より大きいことを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  3. 前記受け側斜面部の斜面と前記凹部の中心軸との角度の正接の値は、前記凹部と前記摺動部との静止摩擦係数の値より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の免震装置。
  4. 前記上部構造体と前記下部構造体と連結し、前記下部構造体に対する前記上部構造体の所定幅以上の上方への移動を規制する規制部材を更に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の免震装置。
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