JP5969829B2 - 架台 - Google Patents

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Description

この発明は、設備機器を床面に固定するための架台に関するものである。
従来から、例えば自動販売機や変圧器、空調機、発電設備および切替遮断器室等の機器(以下、「設備機器」という。)を地震動等の振動による転倒から保護しつつ、床スラブ等の床面に固定するための架台が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、床面に粘着部材を介して固定される第1の固定部および第2の固定部と、該第1の固定部と該第2の固定部とに跨って設けられ機器のブラケット金具を締結するブリッジ部を備えた転倒防止金具が記載されている。
この転倒防止金具によれば、地震等の揺れが起こった場合、ブラケット金具の透孔の内周面に係合用ボルトのねじ部が当たって係合することにより機器の傾斜が規制され、転倒防止が図られる。また、床面からの振動は転倒防止金具からボルトに伝わるが、ボルトのねじ部は透孔に遊嵌状態でブラケット金具に接触していないので、床面の振動は転倒防止金具を介して機器に伝わらない。したがってこの転倒防止金具は、床面の振動の影響を大きく受けたくない機器に好適とされている。
ところで、設備機器の中には、床面に設置したときの水平レベルを調整可能なように、設置機器の底部から床面に向かって立設され、突出量が調整可能な複数本(例えば4本)の調整ボルト脚を介して床面に設置するものが知られている。調整ボルト脚は、例えば設備機器に螺着された機器ボルトであり、機器ボルトをボルト軸回りに回転させることで設備機器の底部からの突出量が調整され、設備機器の水平レベルを調整できるようになっている。
また、振動エネルギーが設備機器に入力されると、設備機器にはいわゆるロッキング振動が発生することが知られている。ここで、ロッキング振動とは、床面が変位する軸と直交する方向の軸回りの回動運動をいう。
ロッキング振動が発生すると、設備機器の水平振動の振動方向における一方側が床面に対して接近し、他方側が離反するように移動する。これにより、設備機器の一方側には、設備機器が下方に沈み込もうとして押し込み方向の荷重(以下、「押し込み荷重」という。)が発生し、設備機器の他方側には、設備機器が上方に浮き上がろうとして引き抜き方向の荷重(以下、「引き抜き荷重」という。)が発生する。
特許第4860496号公報
しかし、特許文献1に記載の転倒防止金具にあっては、以下の問題がある。
設備機器のブラケットは、転倒防止金具のブリッジ部と床面との間のトンネル状の空間に挿入配置される。このため、水平レベルを調整可能な設備機器に、従来技術の転倒防止金具を適用した場合、調整ボルト脚の突出量の調整可能な範囲は、設備機器のブラケットと転倒防止金具のブリッジ部との離間距離以下に制限される。したがって、従来技術では、設備機器の水平レベルを広いレンジで調整できず、設備機器の水平レベルを確保できないおそれがある。
また、床面に固定された転倒防止金具と設備機器のブラケット金具との間には、地震動等の振動エネルギーを吸収する機構が設けられていない。このため、大規模な地震によって大きな振動振幅で床面が振動した場合には、振動が転倒防止金具からボルトに伝達し、遊嵌状態だったボルトとブラケット金具とが互いに接触した後、設備機器に伝達する。したがって、設備機器を地震動等の振動から保護できないおそれがある。
特に、ロッキング振動が発生した場合には、振動エネルギーを吸収する機構が設けられていないため、大きな押し込み荷重および引き抜き荷重が発生する。これにより、ボルトやブラケット金具、転倒防止金具等に破損が生じたり、転倒防止金具を床面に貼付している粘着部材が剥離したりするなどして、設備機器が転倒するおそれがある。したがって、従来技術では、設備機器を安定に床面に固定して保護することが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、広いレンジで設備機器の水平レベルを調整できるとともに、入力された振動エネルギーを効率良く吸収して低減でき、設備機器の転倒を防止して安定に床面に固定できる架台を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明の架台は、底面に設けられた長さ調整可能な複数の調整ボルト脚を介して、床面上に水平状態で設置される設備機器と、前記床面と、の間に配設されて、前記設備機器を下方から支える架台であって、複数の前記調整ボルト脚のうち少なくとも二本の調整ボルト脚を結ぶ方向に沿って延在し、前記床面に接する土台プレートと、前記土台プレートにおける延在方向の両端部から、前記設備機器の前記底面に向けて折り曲げられるとともに、該底面に上方付勢状態で接する変形可能な折曲ばね片と、を備え、前記折曲ばね片には、それぞれ前記調整ボルト脚を挿通させる挿通孔が形成され、前記折曲ばね片は、上方に向けて凸の曲面状となるように湾曲形成された湾曲部と、前記設備機器の底面に上方付勢状態で接している平坦部と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、折曲ばね片には、それぞれ調整ボルト脚を挿通させる挿通孔が形成されているので、挿通孔に挿通された調整ボルト脚の長さを調整したときに、設備機器の底面に上方付勢状態で接する折曲ばね片が弾性変形する。これにより、調整ボルト脚の長さ調整が折曲ばね片により制限されないので、広いレンジで設備機器の水平レベルを調整できる。
また、地震発生等により振動が発生すると、床面から架台を介して設備機器に振動が伝達しようとするが、架台の折曲ばね片が弾性変形し、さらに変形が大きくなると架台の折曲ばね片が塑性変形することによりその振動の振動エネルギーを消費する。これにより、振動の総エネルギー量のうち設備機器に作用する振動エネルギー量は、折曲ばね片の変形により消費された分だけ低減できる。
このように、本発明の架台は、広いレンジで設備機器の水平レベルを調整できるとともに、入力された振動エネルギーを効率良く吸収して低減でき、設備機器の転倒を防止して安定に床面に固定できる。
また、前記土台プレートは、前記延在方向の両端部が前記設備機器よりも外側に位置するように延在し、前記折曲ばね片の前記湾曲部は、上方に向けて凸の曲面状となるように、前記設備機器の外側から内側に向けて折り曲げられていることを特徴としている。
本発明によれば、土台プレートの延在方向の両端部が設備機器よりも外側に位置することにより、土台プレートの延在方向における長さが、設備機器の前記延在方向における長さよりも長くなる。これにより、入力された振動エネルギーによってロッキング振動が発生し、土台プレートの延在方向の一方端部が回転軸となり、反対側の他方端部が作用点となって土台プレートが設備機器ごと回動運動しようとしても、土台プレートの延在方向の他方端部が床面から離反し難くなる。しかも、入力された振動エネルギーは、折曲ばね片の変形により吸収して低減される。したがって、設備機器の転倒を確実に防止して安定に床面に固定できる。
また、前記調整ボルト脚の受座部と前記折曲ばね片との間には、振動低減部材が設けられ、前記折曲ばね片は、前記振動低減部材と前記設備機器の前記底面とに挟持されていることを特徴としている。
本発明によれば、地震発生等により振動が発生すると、折曲ばね片が変形することによりその振動の振動エネルギーを消費するのに加えて、調整ボルト脚の受座部と折曲ばね片との間に設けられた振動低減部材がその振動の振動エネルギーを例えば減衰、吸収によって消費する。これにより、振動の総エネルギー量のうち設備機器に作用する振動エネルギー量は、折曲ばね片の変形および振動低減部材により消費された分だけ低減できる。
また、ロッキング振動による押し込み荷重が発生した場合には、折曲ばね片が下方に移動し、調整ボルト脚の受座部と折曲ばね片との間で振動低減部材が圧縮されて振動エネルギーを消費する。また、ロッキング振動による引き抜き荷重が発生した場合には、調整ボルト脚の受座部が上方に移動し、調整ボルト脚の受座部と折曲ばね片との間で振動低減部材が圧縮されて振動エネルギーを消費する。これにより、設備機器へのロッキング振動による振動負荷を特に効果的に低減させることができる。つまり、減震させることができる。
このように、特に、ロッキング振動に起因する振動エネルギーを効率良く吸収して低減でき、設備機器の転倒を防止して安定に床面に固定できる。
また、前記調整ボルト脚と、前記折曲ばね片の前記挿通孔との間には、筒状の第二振動低減部材が前記調整ボルト脚のボルト軸と同軸に配置され、前記第二振動低減部材は、内層と、前記内層を径方向外側から囲繞し、前記折曲ばね片の前記挿通孔の内周面に摺接するとともに、前記内層よりも高硬度に形成された外層と、を有していることを特徴としている。
本発明によれば、第二振動低減部材は、内層よりも高硬度な外層を有しているので、水平方向の振動により設備機器と床面とが水平方向に相対移動したとき、第二振動低減部材の外層と折曲ばね片の挿通孔の内周面とが摺接する。これにより、第二振動低減部材と折曲ばね片との衝撃力を緩和しつつ、内層によって振動エネルギーを例えば減衰、吸収によって消費するとともに、第二振動低減部材の外層と折曲ばね片の挿通孔の内周面との摩擦によって振動エネルギーを消費できる。したがって、ロッキング振動による押し込み方向および引き抜き方向の振動に加えて、水平方向の振動に対しても、設備機器への振動負荷を低減させることができる。
本発明によれば、折曲ばね片には、それぞれ調整ボルト脚を挿通させる挿通孔が形成されているので、挿通孔に挿通された調整ボルト脚の長さを調整したときに、設備機器の底面に上方付勢状態で接する折曲ばね片が弾性変形する。これにより、調整ボルト脚の長さ調整が折曲ばね片により制限されないので、広いレンジで設備機器の水平レベルを調整できる。
また、地震発生等により振動が発生すると、床面から架台を介して設備機器に振動が伝達しようとするが、架台の折曲ばね片が弾性変形し、さらに変形が大きくなると架台の折曲ばね片が塑性変形することによりその振動の振動エネルギーを消費する。これにより、振動の総エネルギー量のうち設備機器に作用する振動エネルギー量は、折曲ばね片の変形により消費された分だけ低減できる。
このように、本発明の架台は、広いレンジで設備機器の水平レベルを調整できるとともに、入力された振動エネルギーを効率良く吸収して低減でき、設備機器の転倒を防止して安定に床面に固定できる。
設備機器および第一実施形態の架台の上面概略説明図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 ロッキング振動時の架台の説明図である。 第一実施形態の変形例に係る架台の説明図である。 第一実施形態の変形例に係る架台の斜視図である。 第二実施形態の架台の説明図である。 第二振動低減部材の説明図である。
(第一実施形態)
以下に、図面に基づいて第一実施形態の架台について説明する。
図1は、設備機器および第一実施形態の架台の上面概略説明図である。
図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。
図1に示すように、本実施形態の架台1は、略直方体形状の設備機器5をコンクリートの床スラブF(請求項の「床面」に相当。)に固定支持するユニットである。
なお、以下の説明では、床スラブFの鉛直方向上方を上方といい、その逆向きを下方という。また、上面視で設備機器5の短手方向を第一方向L1といい、長手方向を第二方向L2とする。
(床スラブ)
設備機器5は、一対の架台1により床スラブFに固定されている。ここで、床スラブFとは、屋内および屋外を問わず、設備機器5を設置可能な床面をいう。
図2に示すように、床スラブFには、インサートナット51が埋設されている。インサートナット51は、略円筒状に形成された金属部材であり、インサートナット51の中心軸に沿って形成された雌ネジ孔53と、インサートナット51の下方に設けられたスリーブ54と、を備えている。雌ネジ孔53は、インサートナット51を中心軸に沿って貫通するように形成されており、架台1を床スラブFに固定するための固定ボルト65が螺着可能に形成されている。
スリーブ54は、インサートナット51の径方向外側に拡開可能に形成されている。インサートナット51の下方には、スリーブ54の拡開角度に対応したテーパ面を有する略円錐台形状のプラグ56(図2における二点鎖線参照)が配置されている。インサートナット51は、床スラブFに形成された挿入孔に挿入した後、ハンマー等で打ち込むことにより、スリーブ54がプラグ56の傾斜面に沿って拡開するとともに、床スラブFを形成するコンクリートに食い込むように構成されている。これにより、インサートナット51は、床スラブFに強固に埋設される。
(設備機器)
設備機器5は、床スラブFに固定される機器であり、特に限定されるものではないが、例えば自動販売機や変圧器、精密機器、配管、空調機、発電設備および切替遮断器室等が挙げられる。
設備機器5の底面5aには、複数本(本実施形態では四本)の調整ボルト脚3が設けられている。各調整ボルト脚3は、第一方向L1および第二方向L2に沿って、設備機器5所定の間隔を空けて設備機器5の角部近傍に設けられており、設備機器5の底面5aから下方に立設されている。
調整ボルト脚3は、例えば設備機器5の内部に設けられたナット31に螺着された棒状の機器ボルト35と、機器ボルト35の下端に螺着された受座ナット33(請求項の「受座部」に相当。)と、により形成されている。
調整ボルト脚3は、ボルト軸O回りに回転させることで、ボルト軸Oに沿って上下方向に移動するようになっており、調整ボルト脚3の底面5aからの突出量が調整可能となっている。これにより、後述する架台1の土台プレート11の上面11aに調整ボルト脚3の受座ナット33の座面33aを当接させ、調整ボルト脚3および架台1を介して床スラブF上に設備機器5を設置する際、設備機器5の水平レベルを容易に調整でき、設備機器5を水平状態で設置できる。
(架台)
設備機器5の下方には、設備機器5を下方から支える架台1が設けられている。架台1は、例えば鉄やステンレス等の金属からなる部材であり、例えば、プレス加工により形成される。本実施形態の架台1は、設備機器5の下方における第二方向L2の両側において、略平行に一対設けられている。
架台1は、床スラブFに接する土台プレート11と、土台プレート11の第一方向L1における両端部に設けられた一対の折曲ばね片15と、を備えている。
(土台プレート)
土台プレート11は、地震等による振動が発生したときに、設備機器5が転倒しやすい第一方向L1(すなわち設備機器5の短手方向)であって、二本の調整ボルト脚3を結ぶ方向に沿って延在している。土台プレート11は、平板状に形成されており、下面11bの全面が床スラブFに接するように形成されている。
土台プレート11には、二個の土台プレート貫通孔12が形成されている。各土台プレート貫通孔12は、土台プレート11の第二方向L2における略中央において(図1参照)、調整ボルト脚3よりも第一方向L1における内側に形成されている。土台プレート貫通孔12には、後述するように固定ボルト65が挿通されてインサートナット51に螺着される。これにより、土台プレート11は、床スラブFに固定される。
土台プレート11は、延在方向である第一方向L1の両端部が設備機器5の第一方向側面5bよりも外側に位置している。これにより、後述するように、入力された振動エネルギーによってロッキング振動が発生し、土台プレート11の第一方向L1の一方端部が回転軸となり、反対側の他方端部が作用点となって土台プレート11が設備機器5ごと回動運動しようとしても、回転軸と作用点の距離が設備機器5の第一方向L1の幅以上に十分離間する。したがって、土台プレート11の第一方向L1の他方端部が床スラブFから離反し難くなる。
(折曲ばね片)
折曲ばね片15は、土台プレート11の両端部から、設備機器5の底面5aに向かって、上方に折り曲げられて形成されている。具体的に折曲ばね片15は、第二方向L2から見て、上方に向けて凸の曲面状となるように湾曲形成された湾曲部15aと、設備機器5の底面5aに上方付勢状態で接している平坦部15bと、により形成されている。
湾曲部15aは、第二方向L2から見て、所定の曲率半径を有する略円弧形状をしており、弾性変形可能に形成されているとともに、平坦部15bを上方に付勢している。
平坦部15bは、設備機器5の底面5aに沿うように平坦に形成されており、設備機器5の底面5aに対して面接触している。平坦部15bには、上下方向に貫通し、機器ボルト35を挿通可能な挿通孔15cが形成されている。挿通孔15cの直径は、調整ボルト脚3の機器ボルト35の直径よりも若干大きくなるように形成されている。設備機器5は、挿通孔15cに機器ボルト35が挿通された後、受座ナット33が螺着されることで平坦部15bに締結固定される。
(振動低減部材)
調整ボルト脚3の受座ナット33と折曲ばね片15との間には、振動低減部材63が設けられており、折曲ばね片15は、振動低減部材63と設備機器5の底面5aとに挟持されている。振動低減部材63は、内径が例えば機器ボルト35の直径よりも若干大きくなるように形成され、外径が例えば受座ナット33の頭部の外径と略同一に形成された略円筒状の部材であり、機器ボルト35のボルト軸Oと同軸に配置されている。振動低減部材63の軸方向の厚さは、例えば受座ナット33の三倍程度の厚さを有しており、上下方向に十分厚く形成されている。これにより、振動低減部材63は、ロッキング振動により押し込み荷重および引き抜き荷重が発生した場合に、軸方向に十分に収縮可能となっている。
振動低減部材63は、弾性と減衰とを合わせ持つ材料、例えば硬度30〜40度で且つtanδが0.5以上となるブチルゴム等の損失係数の大きな高減衰ゴムや、高減衰性スチレン系エラストマー等の材料によって形成された高減衰部材とされている。
受座ナット33の頭部と折曲ばね片15との間に振動低減部材63を配置することで、地震発生等により振動が発生すると、折曲ばね片15が弾性変形もしくは塑性変形することによりその振動の振動エネルギーを消費するのに加えて、振動低減部材63がその振動の振動エネルギーを例えば減衰、吸収によって消費する。これにより、振動の総エネルギー量のうち設備機器5に作用する振動エネルギー量は、折曲ばね片15の変形および振動低減部材63により消費された分だけ低減される。
上述のように形成された架台1は、土台プレート11の土台プレート貫通孔12に固定ボルト65を挿通した後、インサートナット51に螺着することにより、設備機器5ごと床スラブFに締結固定されている。
ここで、固定ボルト65の座面65aと土台プレート11の上面11aとの間に、振動低減ワッシャ61を配置した状態で、架台1を締結固定してもよい。振動低減ワッシャ61は、外径が例えば固定ボルト65の座面65aと略同一に形成された略円盤状の部材であり、固定ボルト65のボルト軸Oと同軸に配置されている。
振動低減ワッシャ61は、振動低減部材63と同様に、弾性と減衰とを合わせ持つ材料、例えば硬度60〜70度で且つtanδが0.5以上となるブチルゴム等の高減衰ゴムや高減衰性スチレン系エラストマー等の材料によって形成された高減衰部材とされている。固定ボルト65の座面65aと土台プレート11の上面11aとの間に振動低減ワッシャ61を設けることで、振動低減部材63と同様に振動低減ワッシャ61が振動エネルギーを例えば減衰、吸収によって消費するので、設備機器5に作用する振動エネルギー量を低減できる。
(ロッキング振動時の架台および振動低減部材の作用)
続いて、地震発生等によりロッキング振動が発生したときの架台1および振動低減部材63の作用について、図面を用いて説明をする。
図3は、ロッキング振動時の架台1の説明図である。なお、図3では、架台1にロッキング振動が発生し、土台プレート11の第一方向L1における一方端部(図3における右側端部)が回転軸となり、反対側の土台プレート11の他方端部(図3における左側端部)が作用点となって、土台プレート11が設備機器5ごと回動運動している状態を図示している。
図3に示すように、地震発生等により振動が発生すると、折曲ばね片15のうち、主に湾曲部15aが弾性変形する。特に、ロッキング振動が発生した場合には、土台プレート11の一方端部側(図3における右側)に設けられた折曲ばね片15に押し込み荷重が発生する。これにより、一方端部側の折曲ばね片15は、圧縮されるように弾性変形して振動エネルギーを消費する。さらに大きな振動が発生した場合には、折曲ばね片15のうち、主に湾曲部15aが塑性変形して振動エネルギーを消費する。これに加えて、一方端部側の振動低減部材63は、調整ボルト脚3の受座ナット33と折曲ばね片15との間で圧縮されて振動エネルギーを消費する。
また、このとき、土台プレート11の他方端部側(図3における左側)に設けられた折曲ばね片15に引き抜き荷重が発生する。これにより、他方端部側の折曲ばね片15は、伸長されるように弾性変形して振動エネルギーを消費する。さらに大きな振動が発生した場合には、折曲ばね片15のうち、主に湾曲部15aが塑性変形して振動エネルギーを消費する。これに加えて、他方端部側の振動低減部材63は、調整ボルト脚3の受座ナット33と折曲ばね片15との間で圧縮されて振動エネルギーを消費する。これにより、振動の総エネルギー量のうち設備機器5に作用する振動エネルギー量は、折曲ばね片15の変形および振動低減部材63により消費された分だけ低減でき、設備機器へのロッキング振動による振動負荷を特に効果的に低減させることができる。つまり、減震させることができる。
(第一実施形態の効果)
本実施形態によれば、折曲ばね片15には、それぞれ調整ボルト脚3を挿通させる挿通孔15cが形成されているので、挿通孔15cに挿通された調整ボルト脚3の長さを調整したときに、設備機器5の底面5aに上方付勢状態で接する折曲ばね片15が弾性変形する。これにより、調整ボルト脚3の長さ調整が折曲ばね片15により制限されないので、広いレンジで設備機器5の水平レベルを調整できる。
また、地震発生等により振動が発生すると、床スラブFから架台1を介して設備機器5に振動が伝達しようとするが、架台1の折曲ばね片15が変形することにより、その振動の振動エネルギーを消費する。これにより、振動の総エネルギー量のうち設備機器5に作用する振動エネルギー量は、折曲ばね片15の変形により消費された分だけ低減できる。
このように、本発明の架台1は、広いレンジで設備機器5の水平レベルを調整できるとともに、入力された振動エネルギーを効率良く吸収して低減でき、設備機器5の転倒を防止して安定に床スラブFに固定できる。
(第一実施形態の変形例)
図4は、第一実施形態の変形例に係る架台1の説明図である。
図5は、第一実施形態の変形例に係る架台1の斜視図である。
第一実施形態の架台1は、設備機器5の下方における第二方向L2の両側において、略平行に一対設けられていた(図1参照)。これに対して、第一実施形態の変形例に係る架台1は、図4に示すように、設備機器5の下方において一個設けられている点で、第一実施形態の架台1とは異なっている。なお、第一実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
(架台)
図4に示すように、土台プレート11(図5参照)は、地震等による振動が発生したときに設備機器5が転倒しやすい第一方向L1(すなわち短手方向)に沿って延在するとともに、第二方向L2に設けられた二本の調整ボルト脚3を接続するように、第二方向L2に幅広に形成されている。
図5に示すように、土台プレート11には、4個の土台プレート貫通孔12が形成されている。各土台プレート貫通孔12は、調整ボルト脚3よりも第一方向L1における内側に形成されている。土台プレート貫通孔12には、四本の固定ボルト65が挿通されてインサートナット51に螺着される。これにより、土台プレート11は、床スラブFに固定される。
土台プレート11は、第一実施形態と同様に、延在方向である第一方向L1の両端部が設備機器5の第一方向側面5bよりも外側に位置している。これにより、ロッキング振動が発生し、土台プレート11の第一方向L1の一方端部が回転軸となり、反対側の他方端部が作用点となって回動運動しようとしても、土台プレート11の第一方向L1の他方端部が床スラブFから離反し難くなる。
(折曲ばね片)
折曲ばね片15は、第二方向L2から見て上方に向けて凸の曲面状となるように湾曲形成された湾曲部15aと、設備機器5の底面5a(図2参照)に上方付勢状態で接している平坦部15bと、により形成されている。
平坦部15bは、上面視で第二方向L2の両側に設けられた二本の調整ボルト脚3を接続するように第二方向L2に延在しており、機器ボルト35を挿通可能な挿通孔15cが第二方向L2の両側に形成されている。
図5に示す第一実施形態の変形例のように、第一方向L1に延在するとともに、第二方向L2に設けられた二本の調整ボルト脚3を接続するように形成された幅広の架台1であっても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、広いレンジで設備機器5の水平レベルを調整できるとともに、入力された振動エネルギーを効率良く吸収して低減でき、設備機器5の転倒を防止して安定に床スラブFに固定できる。
(第二実施形態)
図6は、第二実施形態の架台1の説明図である。なお、図6では、設備機器5を二点鎖線で図示している。第一実施形態の架台1は、折曲ばね片15の挿通孔15cに、調整ボルト脚3の機器ボルト35が挿通されていた(図2参照)。これに対して、第二実施形態の架台1は、図6に示すように、調整ボルト脚3の機器ボルト35に第二振動低減部材263が挿通されている点で、第一実施形態の架台1とは異なっている。なお、第一実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
(第二振動低減部材)
調整ボルト脚3の機器ボルト35と、折曲ばね片15の挿通孔15cとの間には、略円筒状の第二振動低減部材263がボルト軸Oと同軸に配置されている。
第二振動低減部材263の内径は、機器ボルト35の直径よりも大きく形成されている。これにより、第二振動低減部材263は、機器ボルト35に挿通可能となっている。また、第二振動低減部材263の外径は、折曲ばね片15の挿通孔15cの直径よりも小さく形成されている。これにより、第二振動低減部材263は、折曲ばね片15の挿通孔15c内に配置可能となっている。
第二振動低減部材263は、折曲ばね片15の平坦部15bの厚さよりも厚く形成されている。第二振動低減部材263は、機器ボルト35に受座ナット33が螺着されることにより、設備機器5の内部のナット31と振動低減部材63とに挟持されて保持される。
図7は、第二振動低減部材263の説明図であり、第二振動低減部材263の中心軸を含む側面断面図である。
図7に示すように、第二振動低減部材263は、径方向に所定の幅を有する内層263aと、内層263aを径方向外側から囲繞する外層263bとを有している。
内層263aは、径方向に例えば5mm程度の幅を有する部材であり、弾性と減衰とを合わせ持つ材料、例えば硬度30〜40度で且つtanδが0.5以上となるブチルゴム等の高減衰ゴムや高減衰性スチレン系エラストマー等の材料によって形成されている。
外層263bは、径方向に例えば2mm程度の幅を有する部材であり、例えば硬度60〜70度で且つ摩擦係数μ=0.4程度の材料により形成されている。外層263bを形成する材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン (Polytetrafluoroethylene、PTFE)等のフッ素系樹脂材料が好適である。
(第二実施形態の効果)
第二実施形態によれば、第二振動低減部材263は、内層263aよりも高硬度な外層263bを有しているので、水平方向の振動により設備機器5と床スラブFとが水平方向に相対移動したとき、第二振動低減部材263の外層263bと折曲ばね片15の挿通孔15cの内周面とが摺接する。これにより、第二振動低減部材263と折曲ばね片15との衝撃力を緩和しつつ、第二振動低減部材263の内層263aによって振動エネルギーを例えば減衰、吸収によって消費するとともに、第二振動低減部材263の外層263bと折曲ばね片15の挿通孔15cの内周面との摩擦によって振動エネルギーを消費できる。したがって、ロッキング振動による押し込み方向および引き抜き方向に加えて、水平方向の振動に対しても、設備機器5への振動負荷を低減させることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第一実施形態、第一実施形態の変形例および第二実施形態を適宜組み合わせても構わない。したがって、例えば、第一実施形態の変形例に係る架台1に、第二実施形態の第二振動低減部材263を適用してもよい。
架台1の形状は、第一実施形態、第一実施形態の変形例および第二実施形態の形状に限定されない。例えば、土台プレート11の第一方向L1の両端部が設備機器5の第一方向側面5bよりも外側に位置していたが、土台プレート11の第一方向L1の両端部が設備機器5の第一方向側面5bよりも内側に位置していてもよい。ただし、ロッキング振動が発生したときに、回転軸と作用点との距離が設備機器5の第一方向L1の幅以上に十分離間し、設備機器5の転倒が抑制できる点で、第一実施形態、第一実施形態の変形例および第二実施形態に優位性がある。
第二実施形態の架台1では、調整ボルト脚3の機器ボルト35と、折曲ばね片15の挿通孔15cとの間に第二振動低減部材263が配置されていたが、これに加えて固定ボルト65と土台プレート11の土台プレート貫通孔12との間にも第二振動低減部材263が配置されていてもよい。
第一実施形態、第一実施形態の変形例および第二実施形態の調整ボルト脚3は、棒状の機器ボルト35と、機器ボルト35の下端に螺着された受座ナット33とにより形成されていた。これに対して、調整ボルト脚3は、例えば受座となる平板状の部材と機器ボルト35とが一体的に形成された、いわゆるアジャスターボルトであってもよい。
1・・・架台
3・・・調整ボルト脚
5・・・設備機器
5a・・・底面
11・・・土台プレート
15・・・折曲ばね片
15c・・・折曲ばね片の挿通孔
33・・・受座ナット(受座部)
63・・・振動低減部材
263・・・第二振動低減部材
263a・・・内層
263b・・・外層
F・・・床スラブ(床面)
O・・・ボルト軸

Claims (4)

  1. 底面に設けられた長さ調整可能な複数の調整ボルト脚を介して、床面上に水平状態で設置される設備機器と、前記床面と、の間に配設されて、前記設備機器を下方から支える架台であって、
    複数の前記調整ボルト脚のうち少なくとも二本の調整ボルト脚を結ぶ方向に沿って延在し、前記床面に接する土台プレートと、
    前記土台プレートにおける延在方向の両端部から、前記設備機器の前記底面に向けて折り曲げられるとともに、該底面に上方付勢状態で接する変形可能な折曲ばね片と、を備え、
    前記折曲ばね片には、それぞれ前記調整ボルト脚を挿通させる挿通孔が形成され
    前記折曲ばね片は、上方に向けて凸の曲面状となるように湾曲形成された湾曲部と、前記設備機器の底面に上方付勢状態で接している平坦部と、を備えていることを特徴とする架台。
  2. 請求項1に記載の架台であって、
    前記土台プレートは、前記延在方向の両端部が前記設備機器よりも外側に位置するように延在し、
    前記折曲ばね片の前記湾曲部は、上方に向けて凸の曲面状となるように、前記設備機器の外側から内側に向けて折り曲げられていることを特徴とする架台。
  3. 請求項1または2に記載の架台であって、
    前記調整ボルト脚の受座部と前記折曲ばね片との間には、振動低減部材が設けられ、
    前記折曲ばね片は、前記振動低減部材と前記設備機器の前記底面とに挟持されていることを特徴とする架台。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の架台であって、
    前記調整ボルト脚と、前記折曲ばね片の前記挿通孔との間には、筒状の第二振動低減部材が前記調整ボルト脚のボルト軸と同軸に配置され、
    前記第二振動低減部材は、
    内層と、
    前記内層を径方向外側から囲繞し、前記折曲ばね片の前記挿通孔の内周面に摺接するとともに、前記内層よりも高硬度に形成された外層と、
    を有していることを特徴とする架台。
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