JP2023083701A - 地盤改良方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌と水硬性粉体とを混合する地盤改良方法において、土壌と水硬性粉体との混合性が向上し、土壌と水硬性粉体との混合物の硬化体の強度が向上する地盤改良方法を提供する。【解決手段】(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤、水硬性粉体及び水を含む水硬性スラリーを、粘土を含む土壌と混合し、硬化させる、地盤改良方法。【選択図】なし

Description

本発明は、地盤改良方法及び地盤改良用水硬性スラリーに関する。
地盤を改良する方法として、セメント系スラリーと地盤改良する原位置の土壌とを混合し、セメント系スラリーと土壌との混合物が硬化することで、地盤を強化する工法がある。この工法としては、例えば、DCS工法やCDM工法などが挙げられる。
DCS工法は、水硬性スラリー(セメント系スラリー)を地盤に注入し、土壌と撹拌することによりDCSコラム(ソイルセメントコラム)を築造するセメント系深層混合地盤改良工法である。
また、CDM工法は、スラリー化したセメント系硬化材を軟弱地盤に注入し、軟弱地盤とともに撹拌混合し、化学的に固化する機械撹拌式の深層混合処理工法である。
特許文献1には、土壌に、水硬性粉体と、トリエタノールアミン又はその塩とを混合する地盤の改良工法であって、土壌への凝結遅延剤の混合量が、土壌への水硬性粉体の混合量に対して0.5質量%未満である、地盤の改良工法が開示されている。そして、実施例では、トリエタノールアミンを含む添加剤とセメントを含む粉体混合物を調製し、粉体混合物と水を混合してセメントミルクを調製し、セメントミルクを模擬粘性土に注入及び混合することが開示されている。
また、特許文献2には、掘削孔を形成し、発生残土を地上へ掘り出す掘削工程と、掘削工程で掘り出した発生残土に粉末状のセメント組成物を散布し、攪拌するセメント混合工程と、セメント混合工程により得られたセメント混合土に、シロキサン結合形成性側鎖を有するビニルアルコール系ポリマーと、少なくとも塩化コバルト(II)とアンモニウム塩とを含む塩と、ノニオン性界面活性剤とを含む硬化補助組成物の水溶液を散布し、攪拌する硬化補助組成物混合工程と、硬化補助組成物混合工程で得られた改良混合土を、掘削孔に埋め戻す埋戻工程を備える、地盤改良工法が開示されている。そして実施例では、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタンオレートを用いたことが開示されている。
特許文献3には、水溶性重合体と界面活性剤を構成要素に含む含水土壌処理剤を製造する方法であって、水溶性重合体を1種以上の単量体の溶液重合により合成する際に、前記界面活性剤を共存させておく、含水土壌処理剤の製造方法が開示されている。そして、実施例では、評価土壌に土壌処理剤と水硬性物質とを混合すること、界面活性剤として、ソルビタン脂肪酸エステルであるレオドールSP-S10(商品名)を用いたことが開示されている。
特開2018-178062号公報 特開2004-211382号公報 特開2005-154653号公報
土壌中に含まれる粘土塊は崩れにくく、土壌と水硬性粉体とを含む混合物中に粘土塊が残存すると土壌と水硬性粉体とを含む混合物の硬化体の構成が不均一となり、強度が低下する。
したがって、土壌と水硬性粉体とを含む混合物中の粘土塊の残留を少なくし、土壌と水硬性粉体との混合性を向上させ、土壌と水硬性粉体とを含む混合物の硬化体の強度を向上でき、安定した地盤強化を行うことが望まれる。
本発明は、土壌、特に粘土を含む土壌と、水硬性粉体及び水を含む水硬性スラリーとを混合する地盤改良方法において、土壌と水硬性粉体との混合性が向上し、土壌と水硬性粉体とを含む混合物の硬化体の強度が向上する地盤改良方法を提供する。
本発明は、(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕、水硬性粉体及び水を含む水硬性スラリーを、粘土を含む土壌と混合し、硬化させる、地盤改良方法に関する。
また、本発明は、(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤、水硬性粉体、及び水を含有し、地中の土壌と混合され、該土壌を硬化する、地盤改良用水硬性スラリーに関する。
本発明によれば、土壌と、水硬性粉体及び水を含む水硬性スラリーとを混合する地盤改良方法において、土壌と水硬性粉体との混合性が向上し、土壌と水硬性粉体とを含む混合物の硬化体の強度が向上する地盤改良方法を提供できる。
本発明の地盤改良方法は、例えば、(A)成分、水硬性粉体及び水を含有する水硬性スラリーを、粘土を含む土壌と混合することで、土壌と水硬性粉体との混合性や土壌と水硬性スラリーとの混合性が向上し、土壌と水硬性スラリーとの混合物中の粘土塊の残留が少なくなる。その結果として、当該混合物の硬化体も均一性に優れたものとなり、該硬化体の強度が向上する。本発明の地盤改良方法は、安定した地盤の強化が図れるものである。
<水硬性スラリー>
本発明の地盤改良方法で用いられる水硬性スラリーは、(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕、水硬性粉体、及び水を含有する。本発明の水硬性スラリーは、地盤改良用水硬性スラリーであってよい。
(A)成分は、(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤である。(A)成分は、1種以上用いることができる。
(A)成分の疎水基は、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、スチレン基が置換されたフェニル基、ベンジル基が置換されたフェニル基が挙げられ、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、ステアリル基、オレイル基及びベンジル基が置換されたフェニル基が好ましい。
(A)成分の疎水基の炭素数は、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、15以上、好ましくは17以上、そして、製品安定性の観点から、55以下、好ましくは37以下、より好ましくは27以下である。
(A)成分は、(A1)ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル〔以下、(A1)成分という〕、及び(A2)置換基を有するポリオキシアルキレンフェニルエーテル〔以下、(A2)成分という〕から選択される1種以上のノニオン界面活性剤が挙げられる。(A1)成分の脂肪酸は、炭素数12以上22以下の脂肪酸であってよい。また、(A2)成分の置換基は、1以上4以下であってよい。
(A)成分の疎水基は、(A)成分が(A1)成分の場合、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選択される1種以上が挙げられ、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、ステアリル基及びオレイル基から選択される1種以上が好ましい。
また、(A)成分の疎水基は、(A)成分が(A2)成分の場合、スチレン基が置換されたフェニル基、ベンジル基が置換されたフェニル基が挙げられ、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、スチレン基が2以上置換されたフェニル基、ベンジル基が2以上置換されたフェニル基が好ましく、スチレン基が2つ置換されたフェニル基、ベンジル基が3つ置換されたフェニル基がより好ましく、ベンジル基が3つ置換されたフェニル基がより好ましい。
(A)成分の疎水基の炭素数は、(A)成分が(A1)成分の場合、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、15以上、好ましくは17以上、そして、製品安定性の観点から、55以下、好ましくは37以下、より好ましくは27以下である。
なお、(A)成分が(A1)成分の場合、疎水基の炭素数は、ソルビタン1分子に結合する脂肪酸の炭素数の合計である。
また、(A)成分の疎水基の炭素数は、(A)成分が(A2)成分の場合、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、15以上、好ましくは17以上、そして、製品安定性の観点から、55以下、好ましくは37以下、より好ましくは27以下である。
なお、(A)成分が(A2)成分の場合、疎水基の炭素数は、置換されたフェニル基の炭素数と、これに修飾される修飾基の炭素数の合計値である。
(A)成分のオキシアルキレン基は、炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基から選択される1種以上あってよく、製品安定性の観点から、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選択される1種以上が好ましい。(A)成分のオキシアルキレン基が2種以上のオキシアルキレン基を含む場合は、ランダム結合であってもブロック結合であってもよい。
(A)成分のオキシアルキレン基の平均付加モル数は、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、8以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、そして、30以下、好ましくは26以下、より好ましくは22以下である。
(A)成分は、(A3)ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(炭素数13以上60以下)エステルから選ばれる1種以上のノニオン界面活性剤〔以下、(A3)成分という〕が好ましく、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(炭素数17以上21以下)エステルがより好ましい。
水硬性粉体は、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、例えば、セメント、石膏等が挙げられる。
水硬性粉体は、セメントが好ましい。セメントは、例えば、普通ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントである。水硬性粉体は、セメント、更にポルトランドセメントを、好ましくは25質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは92質量%以下、更に好ましくは90質量%以下、より更に好ましくは85質量%以下含有することができる。
また、水硬性粉体は、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポゾラン作用及び/又は潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)を含有することができる。セメントに、これらが添加された高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等でもよい。水硬性粉体は、水和生成物であるエトリンガイトのアルミニウムイオン供給源の観点から、高炉スラグを含有することが好ましい。水硬性粉体が高炉スラグを含有する場合、その含有量は、水硬性粉体中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%未満である。
なお、本発明では、水硬性粉体の量は、水和反応により硬化する物性を有する粉体の量、例えばセメントや石膏の量であるが、水硬性粉体が、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量も水硬性粉体の量に算入する。
水は、水道水、湖沼水、河川水、地下水などを用いることができる。
<水硬性スラリーの組成及びその他成分>
本発明の水硬性スラリーは、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、(A)成分を、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、そして、地盤への注入性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下含有することができる。
本発明の水硬性スラリーは、土壌と水硬性スラリーとの混合物の硬化体〔以下、地盤改良体ともいう〕の強度向上の観点から、水硬性粉体を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、そして、水硬性スラリーの流動性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下含有することができる。
本発明の水硬性スラリー中、水硬性粉体の含有量に対する(A)成分の含有量の割合〔(A)成分/水硬性粉体〕は、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上、そして、コスト及び発泡を抑制する観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以下である。
本発明の水硬性スラリー中、水硬性粉体(C)の含有量に対する水(W)の含有量の比率〔(W)/(C)〕は、水硬性スラリーの地盤への注入性の観点から、質量比で、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上、そして、地盤改良体の強度と廃棄物量抑制の観点から、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下である。
本発明の水硬性スラリーは、(A)成分以外のノニオン界面活性剤を含むことができる。本発明の水硬性スラリーに含まれる全ノニオン界面活性剤中、(A)成分の割合は、例えば、30質量%以上、更には50質量%以上、更には80質量%以上、そして、100質量%以下であってよい。本発明の水硬性スラリーは、ノニオン界面活性剤として、(A)成分を100質量%含む水硬性スラリーであってよい。
また、本発明の水硬性スラリーに含まれる全ノニオン界面活性剤中、(A3)成分の割合は、例えば、10質量%以上、更には20質量%以上、更には30質量%以上、そして、100質量%以下であってよい。本発明の水硬性スラリーは、ノニオン界面活性剤として、(A3)成分を100質量%含む水硬性スラリーであってよい。
本発明の水硬性スラリーは、任意に、消泡剤、増粘剤、分散剤及び防腐剤を含有することができる。
<水硬性スラリー用添加剤>
本発明は、粘土を含む土壌に、水硬性粉体と水を含む水硬性スラリーを混合し、硬化させる土壌改良工法において、前記水硬性スラリーに混合される水硬性スラリー用添加剤であって、(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤を含有する水硬性スラリー用添加剤を提供する。
前記ノニオン界面活性剤は、本発明の水硬性スラリーで説明した(A)成分と同様である。
<水硬性プレミックス>
本発明は、(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤、及び水硬性粉体を含有し、地中の土壌と混合され、該土壌を硬化する、地盤改良用水硬性プレミックスを提供する。
本発明の地盤改良用水硬性プレミックスの(A)成分や、水硬性粉体の好ましい態様は、本発明の水硬性スラリーで説明した、(A)成分や、水硬性粉体の好ましい態様と同じである。
<地盤改良方法>
本発明は、(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕、水硬性粉体及び水を含む水硬性スラリーを、粘土を含む土壌と混合し、硬化させる、地盤改良方法を提供する。該地盤改良方法は、原位置で、粘土を含む土壌と、水硬性スラリーとを混合する地盤改良方法であってよい。
また、本発明は、原位置で、粘土を含む土壌に、(A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕、水硬性粉体、及び水を混合し、硬化させる、地盤改良方法を提供する。該地盤改良方法は、水硬性粉体及び水を含む水硬性スラリーを、土壌と混合する地盤改良方法であってよい。
これら地盤改良は、地盤の強化であってよい。
本発明の地盤改良方法では、上記本発明の水硬性スラリーを好ましく用いることができる。したがって、本発明の地盤改良方法では、本発明の水硬性スラリーで述べた(A)成分、水硬性粉体等を好ましく用いることができる。
以下、本発明の地盤改良方法について、具体的な実施形態を挙げて説明するが、本発明の地盤改良方法は、以下の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の水硬性プレミックスを用いる場合は、水硬性プレミックスと水とを混合した水硬性スラリーを用いることができ、また、土壌と水硬性プレミックスとを混合した後に土壌を硬化させることができる。
本発明の地盤改良方法は、(A)成分と水硬性粉体と水とを混合して水硬性スラリーを得る工程1と、前記水硬性スラリーと粘土を含む土壌とを混合し、土壌と水硬性スラリーの混合物を得る工程2と、土壌と水硬性スラリーの混合物を硬化させる工程3とを有する。
工程1では、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、水硬性スラリーの混合成分全量に対して、(A)成分を、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、そして、地盤への注入性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下混合することができる。
また、地盤改良体の強度と廃棄物量抑制の観点から、水硬性スラリーの混合成分全量に対して、水硬性粉体を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、そして、水硬性スラリーの地盤への注入性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下混合することができる。
水硬性スラリーの混合成分全量中、水硬性粉体の混合量に対する(A)成分の混合量の割合〔(A)成分/水硬性粉体〕は、土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上、そして、コスト及び発泡を抑制する観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以下である。
水硬性スラリーの混合成分全量中、水(W)の混合量と水硬性粉体(C)の混合量の比率〔(W)/(C)〕は、地盤への注入性の観点から、質量比で、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上、そして、地盤改良体の強度と廃棄物量抑制の観点から、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下である。
工程2では、水硬性スラリーと粘土を含む土壌とを混合する。
このとき土壌と水硬性スラリーとの混合物の均一性の観点から、土壌に対する(A)成分の混合量〔(A)成分/土壌〕が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、そして、コスト抑制及び消泡性の観点から、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下となるように水硬性スラリーと土壌とを混合する。
土壌に含まれる粘土は、例えば、層状構造をもった含水珪酸塩鉱物(以降、粘土鉱物と呼ぶ)を主体としたものであり、この粘土中に微粒の鉱物として含まれる粘土鉱物としては、カオリン(カオリナイト、ディッカイト、ナクライトなど)、蛇紋石(リザーダイト、アンチゴライト、クリソタイルなど)、雲母粘土鉱物(イライト、セリサイト、海緑石、セラドナイトなど)、クロライト、バーミキュライト、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなど)などが挙げられる。土壌が含む粘土の種類、量などは多様であるが、本発明では、例えば、カオリン及びスメクタイトから選ばれる粘土鉱物を含む土壌を対象とすることができる。
粘土を含む土壌は、粘土を、例えば、30質量%以上、更に40質量%以上、更に50質量%以上、そして、100質量%以下、更に95質量%以下、更に90質量%以下含有するものであってよい。
粘土を含む土壌は、火山灰を起源とする土壌であってよい。該土壌は、火山灰質の粘性土、例えば、凝灰質粘土であってよい。凝灰質粘土は、火山灰が風化、水成などを経て粘土化した土壌である。一般に凝灰質粘土は、砂の混入が少なく、乳白色ないし乳灰白色の外観を呈している。凝灰質粘土は、ソイルセメントの製造時に粘土塊が混入、形成しやすい一方でその粘土塊の解膠がしにくい土壌であるが、本発明では、このような凝灰質粘土からの粘土塊であっても容易に解膠できる。
本発明の地盤改良方法は、土壌と水硬性粉体とを含む混合物中の粘土塊の残留を少なくできる観点から、水硬性スラリーと原位置の土壌とを混合する工法に適用することが好ましい。
本発明の地盤改良方法は、具体的には、深層混合処理工法、中層混合処理工法、浅層混合処理工法などに適用することができる。
深層混合処理工法としては、例えば、DCS工法、JST工法、CDM-LODIC工法、CDM-コラム工法、CDM工法、CDM-SSC工法、CDM-Mega工法、CDM-Land4工法、CDM-レムニ2/3工法、CDM-FLOAT工法、DCS工法、テノコラム工法、MR-IIC工法、ツイン・ブレードミキシング工法、オープンウィング工法、ダブルミキシング工法、USP工法、MT-CMC工法、エスミコラム工法、スリーエスG工法、ソイルマスター工法、PROP工法、CI-CMC工法、アスコラム工法、DJM工法、TRD工法、エポコラム工法、NCコラム工法、RASコラム工法、KS-B・MIX工法、DCM-L工法、拡縮コラム工法、HEMS工法、MITS工法が挙げられる。
中層混合処理工法としては、例えば、ARM工法、LVM工法、FAM工法、SCM工法、ISM工法、アイマーク工法II、VMS工法、STコラム工法、三次元攪拌工法、MMB工法、WILL工法が挙げられる。
浅層混合処理工法としては、例えば、マッドスタビ工法、パワーブレンダー工法、マッドミキサーM-II工法、ケミコライザー工法、ソイルライマー工法、STB工法、RM工法BH-RM工法、VM工法、FSM工法が挙げられる。
<実施例1、2及び比較例1、2>
(1)水硬性スラリーの調製
表1、2に示す割合で、表1、2に示す(A)成分と水とを混合し、更に水硬性粉体を混合して水硬性スラリーを調製した。(A)成分と水は、目視で均一透明になるまでガラス棒にて攪拌した。また、(A)成分を含む水と水硬性粉体との混合物は、ハンドミキサーで30秒攪拌した。水硬性スラリーは、(A)成分/水硬性粉体(C)の質量比((A)/(C))、水(W)/水硬性粉体(C)の質量比(W/C)などが、表1、2に示す割合となるように調製した。水硬性粉体は、特殊土用地盤改良用固化材「ユースタビラー50」(宇部興産株式会社)を用いた。
(2)粘土残存面積率の測定
粘土を含む土壌(千葉県柏市の施工現場より採取した凝灰質粘土、粘土含有量90質量%)に、水硬性スラリーを混合し、ソイルセメントを作製した。ソイルセメントの混合は、水硬性スラリーと原位置の土壌とを混合する工法の混合条件を想定し、モルタルホバートミキサーを使用し30秒の条件で行った。その際、水硬性スラリーは土壌に対する水硬性粉体(C)の割合((C)/土壌)が表に示す割合となるように用いた。
ソイルセメントを、直径10cm×高さ5cmの容器(軟質プラスチック製カップ)に充填し、10回タッピング行うことで粗な空隙を除いた。
ソイルセメントが未硬化の状態で、容器の底部から2.5cmの位置で、容器の外側から容器ごと充填したソイルセメントを上下に割断し、下部分の断面に、1%フェノールフタレイン(90%エタノール)を吹きかけた。セメントを含む部分は染色されるが、セメントを含まない箇所は染色されない。セメントを含まない箇所は、粘土塊が残存する非染色の箇所である。
染色処理後の断面に、5mm方眼のメッシュの透明版を合わせ、非染色のセル数を計数し、以下の式で粘土塊残存率を算出し、混合性の指標とした。粘土塊残存率を表1、2に示す。この計算式は、セルの一部が非染色であるものは、非染色のセル0.5個に相当するとして計算するものである。粘土塊残存率の値が小さいほど、土壌と水硬性スラリーが均一に混合されていることを意味する。
粘土塊残存率(%)={(5mm方眼全てが非染色のセル数)×1+(5mm方眼の一部が非染色のセル数)×0.5}/(計測に使用した全てのセル数)
また、下記式に基づいて、各実施例のソイルセメントについてセメント均一性を求めた。セメント均一性が高いほど、ソイルセメントの均一性が高いといえる。
セメント均一性(%)=[1-〔(実施例のソイルセメントで算出された粘土塊残存率(%)/比較例1-1のソイルセメントで算出された粘土塊残存率(%))〕]×100
(3)圧縮強度の測定
(3-1)供試体の作製
粘土残存面積率の測定と同様に、モルタルホバートミキサーを使用して作製した表2に示すソイルセメントを、直ちに型枠(直径50mm×高さ100mm)に充填した。充填は、テーブルバイブレータで15秒の2層詰めとした。供試体は4本作製した。
(3-2)硬化体の強度の測定
ソイルセメントを充填した型枠を、20±2℃で静置し、28日後に脱型し、得られた硬化体(地盤改良体)の強度を、JIS A1216 土の一軸圧縮試験方法に準じて測定した。強度の測定結果を表2に示す。なお、表1のソイルセメントの硬化体に対して、同様に硬化体の強度を測定した場合、表2のソイルセメントの硬化体と同様の傾向となる。
Figure 2023083701000001
Figure 2023083701000002

Claims (9)

  1. (A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕、水硬性粉体及び水を含む水硬性スラリーを、粘土を含む土壌と混合し、硬化させる、地盤改良方法。
  2. (A)成分が、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の地盤改良方法。
  3. 水硬性スラリーと原位置の前記土壌とを混合する工法に用いられる、請求項1又は2に記載の地盤改良方法。
  4. (A)成分の水硬性粉体に対する混合量が、0.05質量%以上1質量%以下である、請求項1~3のいずれかに記載の地盤改良方法。
  5. (A)成分の土壌に対する混合量が、0.001質量%以上0.5質量%以下である、請求項1~4のいずれかに記載の地盤改良方法。
  6. 水(W)の混合量と水硬性粉体(C)の混合量の比率(W/C)は、質量比で0.4以上2.0以下である、請求項1~5のいずれかに記載の地盤改良方法。
  7. 原位置で、前記水硬性スラリーを、粘土を含む土壌と混合する、請求項1~6のいずれかに記載の地盤改良方法。
  8. 地中に、前記水硬性スラリーを注入して、該水硬性スラリーと土壌とを混合する、請求項1~7のいずれかに記載の地盤改良方法。
  9. (A)炭素数が15以上55以下の疎水基と、平均付加モル数が8以上30以下のオキシアルキレン基とを有するノニオン界面活性剤、水硬性粉体、及び水を含有し、地中の土壌と混合され、該土壌を硬化する、地盤改良用水硬性スラリー。
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