JP2023083253A - トリミング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去できるトリミング装置を提供すること。【解決手段】トリミング装置1は、支持位置に停止されたタイヤTを回転可能に支持すると共に処理位置に配置する支持機構400と、その支持機構400によって処理位置に配置されたタイヤTに回転駆動力を付与して回転させる駆動機構500と、その駆動機構500により回転されたタイヤTの外形に沿ってバリカン装置660を変位させるバリカン変位機構600と、これら各機構200~600の動作を制御する制御装置700と、を備える。支持機構400は、タイヤTのビード部を回転可能に支持する内周側ローラー431と、タイヤTのサイドウォール部を回転可能に支持する下面側ローラー432とを備えるので、タイヤTの支持姿勢を安定させ、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリを精度よく除去できる。【選択図】図1

Description

本発明は、トリミング装置に関し、特に、タイヤのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去できるトリミング装置に関するものである。
タイヤのスピュー(ひげ)やバリを除去するトリミング装置が知られている(特許文献1)。このトリミング装置によれば、チャックによりタイヤのビード部が径方向内側から支持され、チャックの上昇に伴いタイヤが持ち上げられると共に、タイヤのトレッド面に当接された摩擦車が回転される。これにより、タイヤが回転され、そのタイヤの外面にカッターが近づけられて、タイヤのスピュー(ひげ)やバリが除去される。
特公平8-9207号公報
しかしながら、上述した従来の技術では、ビード部をチャックにより径方向内側から支持した状態でタイヤを持ち上げるので、タイヤの姿勢が安定せず、タイヤを回転させた際にタイヤの外面の軌道に変動が生じ易い。そのため、タイヤの外面とカッターとの距離が変動し、タイヤのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去することが困難であるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、タイヤのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去できるトリミング装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明のトリミング装置は、タイヤを回転可能に支持する支持機構と、その支持機構により回転可能に支持されたタイヤに回転駆動力を付与して回転させる駆動機構と、その駆動機構により付与された回転駆動力により回転されるタイヤに対しバリカン装置を変位させるバリカン変位機構と、を備え、タイヤは、両側のサイドウォール部の内の一方のサイドウォール部を下方へ向けた横姿勢で前記支持機構に支持され、前記支持機構は、タイヤのビード部に径方向内側から当接されると共に回転可能に構成される複数の内周側ローラーと、タイヤの一方のサイドウォール部に下方から当接されると共に回転可能に構成される複数の下面側ローラーと、を備える。
請求項1記載のトリミング装置によれば、支持機構により回転可能に支持されたタイヤに駆動機構から回転駆動力が付与されることでタイヤが回転され、その回転されるタイヤに対しバリカン装置がバリカン変位機構により変位されることで、タイヤのスピュー等が除去される。
タイヤは、両側のサイドウォール部の内の一方のサイドウォール部を下方へ向けた横姿勢で支持機構に支持され、支持機構は、タイヤのビード部に径方向内側から当接されると共に回転可能に構成される複数の内周側ローラーと、タイヤの一方のサイドウォール部に下方から当接されると共に回転可能に構成される複数の下面側ローラーと、を備えるので、タイヤを回転させた際にタイヤの外面の軌道に変動が生じることを低減できる。よって、タイヤの外面とバリカン装置との距離に変動が生じることを低減して、タイヤのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去することができる。
請求項2記載のトリミング装置によれば、請求項1記載のトリミング装置の奏する効果に加え、支持機構は、内周側ローラーと、下面側ローラーと、内周側ローラー及び下面側ローラーが回転可能に配設されるローラーベースとを有する複数のローラーユニットと、複数のローラーユニットを上下方向に変位させる昇降手段と、複数のローラーユニットを径方向に変位させる拡縮手段と、を備えるので、昇降手段により複数のローラーユニットが上昇されると、タイヤのサイドウォール部に下方から下面側ローラーが当接されてタイヤが持ち上げられ、拡縮手段により複数のローラーユニットが拡径されると、タイヤのサイドウォール部に下方から下面側ローラーが当接された状態が維持されつつ、タイヤのビード部に径方向内側から内周側ローラーが当接されて芯出しされつつタイヤが回転可能に支持される。
即ち、タイヤのサイドウォール部が下面側ローラーにより常に支持されているので、支持機構によりタイヤを支持する支持動作において、タイヤの傾きを低減した状態で支持できると共に、駆動機構によりタイヤを回転させる回転動作において、タイヤを安定した姿勢で回転させることができる。その結果、タイヤを回転させた際にタイヤの外面の軌道に変動が生じることを低減できる。よって、タイヤの外面とバリカン装置との距離に変動が生じることを低減して、タイヤのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去することができる。
請求項3記載のトリミング装置によれば、請求項2記載のトリミング装置の奏する効果に加え、昇降手段は、複数のローラーユニットを同期させて上下方向に変位させることが可能に構成されるので、複数のローラーユニットを上昇させてタイヤを持ち上げる際に各ローラーユニット(下面側ローラー)の上昇態様を一致させることができる。よって、持ち上げたタイヤが傾くことを低減できる。また、拡縮手段は、複数のローラーユニットを同期させて径方向に変位させることが可能に構成されるので、複数のローラーユニットを拡径させる際にタイヤのビード部に対する各ローラーユニット(内周側ローラー)の当接態様を一致させることができる。よって、タイヤが偏心した状態で支持されることを低減できる。
請求項4記載のトリミング装置によれば、請求項3記載のトリミング装置の奏する効果に加え、拡縮手段は、第1ベースと、第1ベースに配設され、上下方向に沿って形成される第1ガイドと、第1ガイドに案内されて上下方向に変位される第2ベースと、第1ベースに配設されると共に、径方向に沿って形成され、ローラーベースの径方向への変位を案内する複数の径方向ガイドと、第2ベースに駆動力を付与して第2ベースを第1ベースに対して変位させる拡縮用アクチュエータと、第2ベースの変位を複数のローラーベースに伝達する伝達手段と、を備えるので、拡縮用アクチュエータの駆動力により第2ベースが第1ベースに対して変位されると、その第2ベースの変位が伝達手段により複数のローラーベースのそれぞれに伝達され、各ローラーベースがそれぞれ径方向に変位(拡縮)される。よって、複数のローラーユニットの径方向への変位を同期させることができる。
昇降手段は、設置面に配設されると共に、上下方向に沿って形成され、第1ベースの上下方向への変位を案内する上下方向ガイドと、第1ベースに駆動力を付与して第1ベースを設置面に対して変位させる昇降用アクチュエータと、を備えるので、昇降用アクチュエータの駆動力により第1ベースが設置面に対して変位されると、その第1ベースの変位と共に複数のローラーユニットもそれぞれ上下方向に変位(昇降)される。よって、複数のローラーユニットの上下方向への変位を同期させることができる。
また、拡縮手段は、第2ベースを第1ベースに対して変位させることで、複数のローラーユニットを径方向に変位(拡縮)させ、昇降手段は、第1ベースを設置面に対して変位させることで、複数のローラーユニットを上下方向に変位(昇降)させるので、これら拡縮と昇降との動作において、同期を維持しつつ、それぞれ独立したタイミングで実行することができる。例えば、昇降動作と拡縮動作とを同時に実行する態様では、タイヤの支持やその支持の解除に要する時間を短縮することができる。また、例えば、昇降動作が完了してから拡縮動作を実行する態様では、支持する際のタイヤの揺れや振動を低減して、タイヤを安定した姿勢で支持することができる。
請求項5記載のトリミング装置によれば、請求項4記載のトリミング装置の奏する効果に加え、設置面に配設される設置台を備え、拡縮用アクチュエータは、設置台に配設されるので、かかる拡縮用アクチュエータが第1ベース又は第2ベースに配設される場合と比較して、昇降用アクチュエータに必要とされる出力を低減することができる。
請求項6記載のトリミング装置によれば、請求項5記載のトリミング装置の奏する効果に加え、下面側ローラーは、球体により構成され、ローラーベースに転動自在に保持されるので、当接されたタイヤのサイドウォール部に対し、径方向および周方向のどちらの方向への移動も許容することができる。
よって、内周側ローラーによりタイヤのビード部を支持するために、ローラーユニットを径方向外側へ変位させる際には、タイヤのサイドウォール部と下面側ローラーとの間の抵抗を低減して、サイドウォール部が損傷することを低減できる。また、タイヤのサイドウォール部と下面側ローラーとの間の抵抗によるタイヤの揺れや振動を低減して、傾斜した状態でタイヤが支持されることを低減できる。
また、駆動機構の駆動力によりタイヤを回転させる際には、タイヤを円滑に回転させることができるので、タイヤの外面の軌道に変動が生じることを低減できる。その結果、タイヤのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去することができる。
請求項7記載のトリミング装置によれば、請求項4から6のいずれかに記載のトリミング装置の奏する効果に加え、タイヤの搬送経路を形成する複数の搬送装置を備え、支持機構は、対向して配設される一対を一組とするローラーユニットが位相を90度異ならせて二組配設され、一方の組が前記搬送経路の搬送方向に沿って配設され、他方の組が前記搬送経路の搬送方向に直交する方向に沿って配設されるので、支持機構を配設するための空間を複数の搬送装置の隣接空間を利用して確保することができる。
即ち、搬送方向に沿って並ぶ搬送装置の列を搬送方向と直交する方向に並設して2列とすることで、搬送方向に沿って並ぶ搬送装置どうしの間の隣接空間と、搬送方向と直交する方向に並設される搬送装置どうしの間の隣接空間とを利用して、支持機構のローラーユニットを配設するための空間(ローラーユニットが昇降および拡縮するための空間)を確保することができる。
請求項8記載のトリミング装置によれば、請求項7記載のトリミング装置の奏する効果に加え、駆動機構は、タイヤのトレッド面に当接され、タイヤに回転駆動力を付与する摩擦車を備え、他方の組におけるローラーユニットの内周側ローラーのそれぞれの軸心を結ぶ仮想線上に摩擦車の軸心が位置するので、タイヤのトレッド面に押し付けられた摩擦車の外力を内周側ローラーにより受け止めることができる。よって、タイヤの変形を低減できるので、タイヤの外面の軌道に変動が生じることを低減できる。その結果、タイヤのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去することができる。
また、他方の組におけるローラーユニットの内周側ローラーのそれぞれの軸心を結ぶ仮想線上に摩擦車の軸心が位置するように構成されるので、搬送装置の側方(搬送方向と直交する方向側)に駆動機構を配設できる。よって、駆動機構を配設するためのスペースを確保し易くできる。
請求項9記載のトリミング装置によれば、請求項8記載のトリミング装置の奏する効果に加え、搬送装置は、処理が必要とされるタイヤの搬送経路および処理が不要とされるタイヤの搬送経路を形成する上流側搬送装置と、上流側搬送装置から分岐され、処理が必要とされるタイヤの搬送経路を形成する第1搬送装置と、上流側搬送装置から分岐され、処理が不要とされるタイヤの搬送経路を形成する第2搬送装置と、を備えるので、処理が不要とされるタイヤは支持機構に搬送されず、処理が必要とされるタイヤのみが支持機構へ搬送されるように構成することができる。よって、処理が不要とされるタイヤの支持機構の通過を待機する必要がないので、その分、能率を高めることができる。
第1搬送装置により形成される搬送経路と第2搬送装置により形成される搬送経路とは、下流側において合流され、第1搬送装置と第2搬送装置とに囲まれた領域にバリカン変位機構が配設されるので、作業者の侵入を規制するための柵をバリカン変位機構の周囲に別途設けることを不要とできる。即ち、第1搬送装置および第2搬送装置に、タイヤの搬送経路を形成する搬送装置としての役割と、作業者の侵入を規制するための柵としての役割とを兼用させることができる。
また、この場合、第1搬送装置により形成される搬送経路と第2搬送装置により形成される搬送経路とは、下流側において合流されるので、バリカン変位機構の周囲を連続的に囲むことができる。併せて、第1搬送装置により形成される搬送経路と第2搬送装置により形成される搬送経路とが下流側において並設される場合と比較して、搬送装置の数を低減できる。
請求項10記載のトリミング装置によれば、請求項9記載のトリミング装置の奏する効果に加え、第1搬送装置により形成される搬送経路が第2搬送装置により形成される搬送経路よりも長くされるので、第1搬送装置により形成される搬送経路に保留できるタイヤの本数を多くできる。
よって、例えば、処理が必要とされるタイヤの前工程からの供給が滞った場合でも、第1搬送装置(搬送経路)に保留されているタイヤの分、処理を継続することができる。
また、例えば、第1搬送装置(搬送経路)に保留できるタイヤの本数を多くできることで、その分、かかる第1搬送装置(搬送経路)に保留されているタイヤが上流側搬送装置(搬送経路)の分岐部分まで到達し難くできる。よって、上流側搬送装置(搬送経路)から第2搬送装置(搬送経路)へのタイヤの搬送を一時的に停止する必要が生じることを低減できる。
第1実施形態におけるトリミング装置の斜視図である。 トリミング装置の平面図である。 トリミング装置の電気的構成を示すブロック図である。 支持機構の斜視図である。 (a)は、下降状態における支持機構の正面図であり、(b)は、上昇状態における支持機構の正面図である。 (a)は、縮径状態における支持機構の平面図であり、(b)は、拡径状態における支持機構の平面図である。 (a)は、駆動機構の斜視図であり、(b)は、駆動機構の正面図である。 (a)は、バリカン変位機構の斜視図であり、(b)は、バリカン変位機構の正面図であり、(c)は、バリカン変位機構の側面図である。 (a)及び(b)は、トリミング装置の平面図である。 (a)は、トリミング装置の平面図であり、(b)は、矢印Xb方向視におけるトリミング装置の背面図である。 (a)は、トリミング装置の平面図であり、(b)は、矢印XIb方向視におけるトリミング装置の背面図である。 (a)は、トリミング装置の平面図であり、(b)は、矢印XIIb方向視におけるトリミング装置の背面図である。 第2実施形態におけるトリミング装置の斜視図である。 トリミング装置の平面図である。 支持機構の斜視図である。 支持機構の部分正面図である。 図14のXVII-XVII線における下降状態の支持機構の断面図である。 図14のXVII-XVII線における上昇状態の支持機構の断面図である。 図14のXIX-XIX線における拡径状態の支持機構の断面図である。 (a)は、駆動機構の斜視図であり、(b)は、バリカン変位機構の正面図である。 図14における矢印XXI方向視におけるトリミング装置の背面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態におけるトリミング装置1の概略構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態におけるトリミング装置1の斜視図であり、図2は、トリミング装置1の平面図である。なお、図1及び図2において、矢印F―B、矢印U-D及び矢印L-Rは、トリミング装置1の前後方向、上下方向および左右方向を示す。図4~図12においても同様である。本実施形態では、上下方向は鉛直方向に沿った方向とされ、前後方向および左右方向は、鉛直方向に直交する方向とされる(第2実施形態(図13以降)においても同様)。
図1及び図2に示すように、トリミング装置1は、床BPに設置され、以下に説明する各構成を動作させることで、上流から供給されたタイヤTのスピュー(ひげ)やバリを除去し、下流へ搬送する。
トリミング装置1は、タイヤTの搬送経路を構成する搬送装置100と、その搬送装置100で搬送されるタイヤTを保留位置に保留する保留機構200と、その保留機構200による保留が解除され搬送装置100で搬送されるタイヤTを支持位置に停止させるストッパ機構300と、そのストッパ機構300により支持位置に停止されたタイヤTを回転可能に支持すると共に処理位置に配置する支持機構400と、その支持機構400によって処理位置に配置されたタイヤTに回転駆動力を付与して回転させる駆動機構500と、その駆動機構500により回転されたタイヤTの外形に沿ってバリカン装置660(図8参照)を変位させるバリカン変位機構600と、これら各機構200~600の動作を制御する制御装置700(図3参照)と、を備える。
次に、図3を参照して、トリミング装置1の電気的構成について説明する。図3は、トリミング装置1の電気的構成を示すブロック図である。制御装置700は、CPU710と、フラッシュROM711と、RAM712と、入出力装置713と、を備え、これらはバスライン714を介して、入出力ポート715にそれぞれ接続されている。入出力ポート715には、保留機構200、ストッパ機構300、支持機構400、駆動機構500及びバリカン変位機構600がそれぞれ接続される。
なお、保留機構200、ストッパ機構300及び支持機構400は、トリミング装置1に対してそれぞれ複数個が配設されるが、図3においては、それぞれまとめて1つの保留機構200、ストッパ機構300及び支持機構400として表している。
CPU710は、バスライン714及び入出力ポート715に接続された各部を制御する演算装置である。フラッシュROM711は、書き換え可能な不揮発性のメモリであり、制御プログラム711aが記憶される。制御プログラム711aは、各機構200~600を動作させる処理をCPU710に実行させるプログラムである。
RAM712は、CPU710が制御プログラム711a等の実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであり、動作情報メモリ712aが設けられる。動作情報メモリ712aには、各機構200~600の動作情報がタイヤTの種類(品番)に対応付けて記憶される。即ち、動作情報メモリ712aには、タイヤTの種類(品番)と、その種類(品番)のタイヤTのスピュー(ひげ)及びバリを除去するための各機構200~600の動作条件(動作速度、動作距離、動作方向、動作タイミングなど)が記憶される。
入出力装置713は、作業者からの指示や各種情報(処理するタイヤTを特定するための情報(品番))を入力する入力装置と、各機構200~600の動作状態などを表示する表示装置とを備える。なお、入力装置としては、タッチパネル、キーボード、バーコードリーダーなどが例示される。表示装置としては、LCDが例示される。
図1及び図2に戻って、トリミング装置1の詳細構成について説明する。搬送装置100は、複数のローラーコンベア110,120,130を備え、それら複数のローラーコンベア110~130を組み合わせることで、タイヤTの搬送経路を形成する。ローラーコンベア110,120,130は、床BPに設置されるフレームと、そのフレームに両端が回転可能に軸支される複数のローラーとを備える。ローラーの回転軸は、トリミング装置1の左右方向(矢印L-R方向)に平行な向きで配設される。なお、各図において、フレームの脚の図示は省略される。
なお、ローラーコンベア120は、4箇所に並設され、それら各ローラーコンベア120は、隣接するものとの間に所定の間隔を隔てて配設される。よって、4箇所のローラーコンベア120の隣接するものどうしの間には、前後方向(矢印F-B方向)及び左右方向(矢印L-R方向)に延びる空間が形成される。この空間は、支持機構400が変位(昇降動作および拡縮動作)するための空間として利用される。
本実施形態では、搬送経路(複数のローラーにより形成される搬送面)は、後方側(矢印B方向側)から前方側(矢印F方向側)へ向かうに従って床BPからの高さ位置が低くなるように下降傾斜して形成される。よって、搬送装置100(ローラーコンベア110~130)に載せられたタイヤTは、その自重によりローラー上を前方(矢印F方向)へ向けて搬送される。
但し、搬送装置100(ローラーコンベア110~130)は、ローラーをアクチュエータ(例えば、電動モーター)により回転駆動し、そのローラーの回転駆動力によりタイヤTを搬送する駆動ローラーコンベアにより構成されていても良い。この場合には、搬送装置100(駆動ローラーコンベア)の動作も制御装置700により制御される。
保留機構200は、床BPに設置されるベース210と、単軸ロボット220と、長尺板状の揺動板230と、単軸ロボット220のロボットボディ221をベース210に回転可能に軸支する軸支機構240と、揺動板230の基端側をベース210に回転可能に軸支する軸支機構250と、単軸ロボット220のロッド222の先端側を揺動板230の先端側に回転可能に軸支する軸支機構260と、を備える。
なお、本実施形態では、単軸ロボット220として、ロボットボディ221の長手方向に沿って配設されるボールねじをステッピングモータにより回転させ、そのボールねじの回転によりロッド222を伸縮させる構造が採用される。
軸支機構240,250,260の回転軸は、上下方向(矢印U-D方向)に平行な向きで配設される。よって、単軸ロボット220のロッド222が伸長または短縮されると、その伸縮動作に伴って、単軸ロボット220がベース210に対して軸支機構240の回転軸を回転中心として揺動(回転)されつつ、揺動板230がベース210に対して軸支機構250の回転軸を回転中心として揺動(回転)される。
本実施形態では、単軸ロボット220のロッド222が短縮された状態では、搬送装置100(搬送経路)の外側となる退避位置に揺動板230が配設され(図2参照)、単軸ロボット220のロッド222が伸長された状態では、搬送装置100(搬送経路)上に張り出した張出位置に揺動板230が配設される(図9(a)参照)。
保留機構200は、搬送装置100(ローラーコンベア110)を左右方向(矢印L-R方向)から挟んだ位置に一対が向い合せに配設され、一方の保留機構200に対して他方の保留機構200が同期制御される。詳細には、一対の保留機構200は、平面視において、搬送経路の中心線CLを対称軸として線対称に配設される。なお、中心線CLは、トリミング装置1の前後方向(矢印F-B方向)に沿う仮想線であって、タイヤTの中心を通過させる目標経路である。
一対の揺動板230が張出位置に配置されると、一対の揺動板230により略V字が形成される。これにより、一対の揺動板230によりタイヤTの通過が規制され、タイヤTが保留位置に保留される(図9(a)参照)。また、一対の揺動板230は、平面視において、搬送経路の中心線CLを対称軸として線対称に配置されるので、タイヤTは、その中心が搬送経路の中心線CLに位置するようにセンタリングされる。
一方、一対の揺動板230が退避位置に配置されると、タイヤTの通過が許容され、保留位置から支持位置へ向けてタイヤTが自重により搬送される。
ストッパ機構300は、床BPに設置されるベース310と、そのベース310にロボットボディ321が配設される単軸ロボット320と、板状の停止板330とを備える。
なお、本実施形態では、単軸ロボット320として、ロボットボディ321の長手方向に沿って配設されるボールねじをステッピングモータにより回転させ、そのボールねじの回転によりロッド322を伸縮させる構造が採用される。
単軸ロボット320のロッド322が短縮された状態では、搬送装置100(搬送経路)の外側となる退避位置に停止板330が配置され(図2参照)、単軸ロボット320のロッド322が伸長された状態では、搬送装置100(搬送経路)上に張り出した張出位置に停止板330が配置される(図9(b)参照)。
ストッパ機構300は、搬送装置100(ローラーコンベア130)を左右方向(矢印L-R方向)から挟んだ位置に一対が向い合せに配設され、一方のストッパ機構300に対して他方のストッパ機構300が同期制御される。詳細には、一対のストッパ機構300は、平面視において、搬送経路の中心線CLを対称軸として線対称に配置される。
一対の停止板330が張出位置に配置されると、一対の揺動板230により略V字が形成される。これにより、一対の停止板330によりタイヤTの通過が規制され、タイヤTが支持位置に停止される(図2参照)。また、一対の停止板330は、平面視において、搬送経路の中心線CLを対称軸として線対称に配置されるので、タイヤTは、その中心が搬送経路の中心線CLに位置するようにセンタリングされる。
なお、一対の停止板330の張出位置は、タイヤTの種類(外径)に応じて制御される。即ち、タイヤTの外径の大小に応じてロッド322の伸長量が変更され、支持位置に停止されたタイヤTは、その外径の大小によらず、タイヤTの中心が全て同一の位置に配置される。但し、タイヤTの外径の大小によらず、ロッド322の伸長量を一定(停止板330の張出位置を同一の位置)としても良い。
一方、一対の停止板330が退避位置に配置されると、タイヤTの通過が許容され、タイヤTが自重により下流へ向けて搬送される。
支持機構400は、ローラーコンベア120の下側(矢印D方向側)に配設される。ここで、支持機構400について、図4から図6を参照して説明する。図4は、支持機構400の斜視図である。図5(a)は、下降状態における支持機構400の正面図であり、図5(b)は、上昇状態における支持機構400の正面図である。図6(a)は、縮径状態における支持機構400の平面図であり、図6(b)は、拡径状態における支持機構400の平面図である。
図4から図6に示すように、支持機構400は、床BPに配設される単軸ロボット410と、その単軸ロボット410のスライダ412に配設されるエアシリンダ420と、そのエアシリンダ420のピストンロッド422の先端側に配設されるローラーユニット430と、を備える。
単軸ロボット410は、床BPに配設されるロボットボディ411と、そのロボットボディ411の長手方向に沿ってスライド移動(直線移動)するスライダ412とを備える。なお、本実施形態では、単軸ロボット410として、ロボットボディ411の長手方向に沿って配設されるボールねじをステッピングモータにより回転させ、そのボールねじの回転によりスライダ412をスライド移動させる構造が採用される。
エアシリンダ420は、そのシリンダチューブ421が単軸ロボット410のスライダ412に配設され、ピストンロッド422が上下方向(矢印U-D方向)に伸縮される。なお、本実施形態では、エアシリンダ420として、ガイドとシリンダーとが一体化されたガイド付きシリンダーが採用される。即ち、エアシリンダ420は、ピストンロッド422の両側に一対のガイドロッド423を備える。
ローラーユニット430は、平面視矩形の支持体433と、その支持体433に回転可能に軸支される複数本(本実施形態では2本)の内周側ローラー431と、支持体433に回転可能に軸支される1本の下面側ローラー432とを備える。内周側ローラー431は、タイヤTのビード部の内周側を支持する円柱状のローラーであり、下面側ローラー432は、タイヤTのサイドウォール部を支持する円柱状のローラーである。
内周側ローラー431の回転軸は、トリミング装置1の上下方向(矢印U-D方向)に平行な向きで配設され、下面側ローラー432の回転軸は、単軸ロボット410(スライダ412)のスライド方向に平行な向きで配設される。また、2本の内周側ローラー431は、所定間隔を隔てて配設されると共に、平面視において、下面側ローラー432の回転軸を対称軸として線対称となる位置に配設される。
支持機構400は、単軸ロボット410(スライダ412)のスライド方向をトリミング装置1の前後方向(矢印F-B方向)に平行とする一対と、単軸ロボット410(スライダ412)のスライド方向をトリミング装置1の左右方向(矢印L-R方向)に平行とする一対とが、それぞれ同距離を隔てて向い合せに配設され、一の支持機構400に対して他の支持機構400が同期制御される。
詳細には、単軸ロボット410(スライダ412)のスライド方向をトリミング装置1の前後方向(矢印F-B方向)に平行とする一対は、平面視において、下面側ローラー432の回転軸が搬送経路の中心線CLと一致する位置に配設され、単軸ロボット410(スライダ412)のスライド方向をトリミング装置1の左右方向(矢印L-R方向)に平行とする一対は、平面視において、搬送経路の中心線CLを対称軸として線対称に配設される。
支持機構400は、ローラーコンベア120の間に形成される上述した空間に対応する位置に配設されており、上記空間を利用して(即ち、ローラーコンベア120と干渉させることなく)、ピストンロッド422の伸縮による内周側ローラー431及び下面側ローラー432の昇降と、スライダ412のスライド移動よる内周側ローラー431及び下面側ローラー432の水平移動(拡径および縮径)とを行うことができる。
即ち、支持機構400は、ピストンロッド422を伸縮させることで(図5参照)、内周側ローラー431及び下面側ローラー432をローラーコンベア120(各ローラーにより形成される搬送面)に対して出没させることができると共に、スライダ412をスライド移動させることで(図6参照)、内周側ローラー431及び下面側ローラー432をローラーコンベア120(搬送経路)上に突出させた状態で、単軸ロボット410(スライダ412)をスライド移動させることができる。
なお、ピストンロッド422が短縮された状態では、上述したように、内周側ローラー431の上端がローラーコンベア120(各ローラーにより形成される搬送面)よりも下方に没入(配置)されるので、支持機構400の上方(矢印D方向側)の搬送経路(ローラーコンベア120)でタイヤTを搬送できる。
図1及び図2に戻って説明する。駆動機構500は、搬送装置100(ローラーコンベア120)の側方(矢印L方向側)に配設される。ここで、図7(a)及び図7(b)を参照して、駆動機構500について説明する。図7(a)は、駆動機構500の斜視図であり、図7(b)は、駆動機構500の正面図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、駆動機構500は、床BPに設置されるベース510と、そのベース510にロボットボディ521が配設される単軸ロボット520と、その単軸ロボット520のスライダ522に配設される支持体530と、その支持体530に回転可能に軸支される摩擦車540と、その摩擦車540に回転駆動力を付与して回転させる駆動モーター550と、を備える。
単軸ロボット520は、スライダ522のスライド移動(直線移動)の方向がトリミング装置1の左右方向(矢印L-R方向)に平行となる向きでベース510に配設される。なお、本実施形態では、単軸ロボット520として、ロボットボディ521の長手方向に沿って配設されるボールねじをステッピングモータにより回転させ、そのボールねじの回転によりスライダ522をスライド移動させる構造が採用される。
支持体530には、スライダ522に固定される部分から水平方向(矢印F方向)に張り出す張出部531が形成され、その張出部531のスライド方向の先端側(矢印R方向側)に摩擦車540が吊り下げられた状態で軸支される。即ち、摩擦車540の回転軸は、トリミング装置1の上下方向(矢印U-D方向)に平行な向きで配設される。
摩擦車540は、タイヤTの外周面(トレッド部)に接触して接触面の摩擦により回転駆動力をタイヤTに伝達する部材であり、外周面に弾性体(例えば、ゴム、ウレタン、樹脂)が配設される。
駆動モーター550は、支持体530の張出部531の下方に配設され、その駆動モーター550の回転駆動力は、減速器(図示せず)及びベルト560を介して、摩擦車540に伝達される。
単軸ロボット520のスライダ522がタイヤTから遠ざかる方向(矢印L方向)へスライド移動された状態では、搬送装置100(搬送経路)の外側となる退避位置に摩擦車540が配置され(図9(a)参照)、単軸ロボット520のスライダ522がタイヤTに近づく方向(矢印R方向)へスライド移動された状態では、搬送装置100(搬送経路)上に張り出した張出位置に摩擦車540が配置される(図12(a)参照)。
摩擦車540が張出位置に配置されると、摩擦車540がタイヤTに接触され、摩擦車540の回転駆動力をタイヤTに伝達可能とされる。なお、摩擦車540の張出位置は、タイヤTの種類(外径)に応じて制御される。即ち、タイヤTの外径の大小に応じてスライダ522の変位量が変更され、摩擦車540とタイヤTとが略一定の接触圧で接触される。
図1及び図2に戻って説明する。バリカン変位機構600は、搬送装置100(ローラーコンベア120)を挟んで駆動機構500の反対側となる搬送装置100(ローラーコンベア120)の側方(矢印R方向側)に配設される。ここで、図8を参照して、バリカン変位機構600について説明する。図8(a)は、バリカン変位機構600の斜視図であり、図8(b)は、バリカン変位機構600の正面図であり、図8(c)は、バリカン変位機構600の側面図である。
図8(a)から図8(c)に示すように、バリカン変位機構600は、床BPに設置されるベース610と、そのベース610に配設される3軸直交型ロボットと、その3軸直交型ロボットに配設されるロータリーアクチュエータ650と、そのロータリーアクチュエータ650に配設されるバリカン装置660及びセンサ装置670と、を備える。
3軸直交型ロボットは、3軸方向に動作可能なロボット(アクチュエータ)であり、前後方向(矢印F-B方向)のスライド移動(直線移動)を担う単軸ロボット620と、その単軸ロボット620に配設され、上下方向(矢印U-D方向)のスライド移動(直線移動)を担う単軸ロボット630と、その単軸ロボット630に配設され、左右方向(矢印L-R方向)のスライド移動(直線移動)を担う単軸ロボット640と、を備える。
単軸ロボット620は、スライダ622のスライド移動(直線移動)の方向がトリミング装置1の前後方向(矢印F-B方向)に平行となる向きでロボットボディ621がベース610に配設される。単軸ロボット630は、スライダ632のスライド移動(直線移動)の方向がトリミング装置1の上下方向(矢印U-D方向)に平行となる向きでロボットボディ631が単軸ロボット620のスライダ622に配設される。
単軸ロボット640は、スライダ642のスライド移動(直線移動)の方向がトリミング装置1の左右方向(矢印L-R方向)に平行となる向きでスライダ642が単軸ロボット630のスライダ632に配設される。即ち、単軸ロボット640は、処理位置に配置されたタイヤTに対してロボットボディ641が近接または離間される。
なお、本実施形態では、単軸ロボット620~640として、ロボットボディ621~641の長手方向に沿って配設されるボールねじをステッピングモータにより回転させ、そのボールねじの回転によりスライダ622~642をスライド移動させる構造が採用される。
ロータリーアクチュエータ650は、単軸ロボット640におけるロボットボディ641の長手方向端部(矢印L方向側の端部)に配設され、ロータリーアクチュエータ650の回転軸は、トリミング装置1の左右方向(矢印L-R方向)に平行となる向きで配設される。
バリカン装置660は、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリを除去(切断)可能に構成された刃部を備え、ロータリーアクチュエータ650の回転軸に配設される。センサ装置670は、タイヤTとの間の距離を検出する非接触式のセンサであり、バリカン装置660に配設される。よって、ロータリーアクチュエータ650が動作(回転)されると、バリカン装置660及びセンサ装置670が回転される。
バリカン変位機構600によれば、3軸直交型ロボット及びロータリーアクチュエータ650を動作させることで、処理位置に配置されたタイヤTの外形(サイドウォール部、ショルダー部およびトレッド部の外面)に沿ってバリカン装置660の刃部を変位させることができる。
トリミング装置1(制御装置700)は、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、そのタイヤTの外形に対応した軌跡(タイヤTの種類毎に予め規定され動作情報メモリ712aに記憶されている軌跡)でバリカン装置660を変位させる。
この場合、トリミング装置1(制御装置700)は、センサ装置670の検出結果を監視し、その検出結果に応じてバリカン装置660の変位(軌跡)を調整する。これにより、タイヤTの寸法ばらつきを吸収して、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリの除去精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、センサ装置670として、センサヘッドからレーザー光をタイヤTへ当て、受光素子で反射光を受けることでタイヤTの位置を非接触で検出する反射型のセンサが採用される。センサ装置670に他の構造のセンサを採用しても良い。他の構造としては、例えば、超音波式の非接触センサ、接触式のセンサが例示される。
次いで、図9から図12を参照して、タイヤTのスピュー(ヒゲ)やバリをトリミング装置1により除去(トリミング)するスピュー等の除去方法について説明する。
図9(a)、図9(b)、図10(a)、図11(a)及び図12(a)は、トリミング装置1の平面図であり、図10(b)、図11(b)及び図12(b)は、図10(a)、図11(a)及び図12(a)の矢印Xb,XIb,XIIb方向視におけるトリミング装置1の背面図である。
なお、図面を簡素化して、理解を容易とするために、図9から図12の各図では主要な符号のみが図示され、また、図10(b)、図11(b)及び図12(b)では保留機構200の図示が省略される。
図9(a)には、スピュー等の除去が完了した処理済みのタイヤTが搬送装置100により後工程に搬送されると共に、次の処理対象であるタイヤTが保留機構200により搬送装置100上の保留位置に保留された状態が図示される。
なお、この状態では、支持機構400の内周側ローラー431及び下面側ローラー432は下降かつ縮径された位置に配置され(図5(a)及び図6(a)参照)、駆動機構500の摩擦車540及びバリカン変位機構600のバリカン装置660は退避位置に配置される。
トリミング装置1(制御装置700)は、処理済みのタイヤTが搬送装置100の所定位置(少なくともストッパ機構300の停止板330の移動軌跡と干渉しない位置)まで搬送されたことがセンサ(図示せず)により検出されると、次いで、図9(b)に示すように、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、ストッパ機構300を動作させ停止板330を張出位置に配置する。
トリミング装置1(制御装置700)は、次いで、保留機構200を動作させ揺動板230を退避位置に配置することで、タイヤTの保留を解除する。これにより、保留されていたタイヤTが保留位置から下流(矢印F方向)に搬送され、停止板330に受け止められる。その結果、図10(a)及び図10(b)に示すように、タイヤTが支持位置で停止される。
トリミング装置1(制御装置700)は、次いで、支持機構400を動作させ、内周側ローラー431及び下面側ローラー432を上昇させることで、支持位置に配置されているタイヤTの内周側に内周側ローラー431を挿通すると共に、タイヤTの下面(サイドウォール部)を下面側ローラー432により支持する。そして、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、内周側ローラー431及び下面側ローラー432を拡径させ、タイヤTをセンタリングすると共に、内周側ローラー431及び下面側ローラー432を更に上昇させることで、図11(a)及び図11(b)に示すように、タイヤTを処理位置に配置する。
トリミング装置1によれば、支持機構400(エアシリンダ420及び単軸ロボット410)の上昇動作および拡径動作を並行させることで、タイヤTのセンタリングと処理位置への配置とを同時に行うことができ、その分、タクトタイムを短縮できる。
また、支持機構400は、下面側ローラー432によりタイヤTを横向きの姿勢で支持すると共に、タイヤTの幅方向(矢印U-D方向)両側のビード部に内周側ローラー431を押し当てて支持するので、回転駆動される際のタイヤTの姿勢を安定させる(変形を抑制する)ことができる。
なお、トリミング装置1(制御装置700)は、保留位置から下流(矢印F方向)へ搬送されるタイヤTが搬送装置100の所定位置(少なくとも保留機構200の揺動板230の移動軌跡と干渉しない位置)まで搬送されたことがセンサ(図示せず)により検出されると、保留機構200を動作させ揺動板230を張出位置に配置する(図11(a)参照)。
これにより、支持機構400にタイヤTを支持させ、そのタイヤTの処理(スピュー等の除去)を行っている間に、次のタイヤTを受け取り保留機構200(揺動板230)に保留させておくことができる(図12(a)参照)。
トリミング装置1(制御装置700)は、次いで、図12(a)及び図12(b)に示すように、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、駆動機構500を動作させ、摩擦車540を張出位置に配置して回転駆動力をタイヤTに伝達することで、処理位置に配置されたタイヤTを回転させると共に、バリカン変位機構600を動作させ、処理位置に配置されたタイヤTの外形(サイドウォール部、ショルダー部およびトレッド部の外面)に沿ってバリカン装置660の刃部を変位させる。これにより、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリが除去される。
トリミング装置1によれば、一の支持機構400とそれに隣接する支持機構400とにおける下面側ローラー432どうしの間には空間が形成されるので(図6(a)参照)、その空間を利用して、タイヤTの下面(サイドウォール部)の奥側(ビード部側)までバリカン装置660を差し入れることができる。よって、タイヤTの下面(サイドウォール部)から外周面(ショルダー部、トレッド部)を経て上面(サイドウォール部)までバリカン装置660を1パスで変位させることができる。
トリミング装置1(制御装置700)は、次いで、駆動機構500及びバリカン変位機構600を動作させ、摩擦車540及びバリカン装置660をそれぞれ退避位置に配置すると共に、支持機構400を動作させ、内周側ローラー431及び下面側ローラー432を縮径させると共に下降させる。内周側ローラー431の上端が搬送装置100の搬送面よりも下方に没入(配置)されることで、図9(a)に示すように、スピュー等の除去が完了した処理済みのタイヤTが搬送装置100により後工程に搬送される。
トリミング装置1によれば、支持機構400(エアシリンダ420及び単軸ロボット410)の縮径動作および下降動作を並行させることで、タイヤTの支持の解除と搬送装置100へのタイヤTの載置とを同時に行うことができ、その分、タクトタイムを短縮できる。
以降は、上述した各動作(図9から図12参照)を順に繰り返すことで、タイヤTのスピュー等を除去する処理をトリミング装置1により自動で連続的に実行できる。
次に、図13から図21を参照して、第2実施形態におけるトリミング装置1001について説明する。
図13は、第2実施形態におけるトリミング装置1001の斜視図であり、図14は、トリミング装置1001の平面図である。図13及び図14において、矢印F―B、矢印U-D及び矢印L-Rは、トリミング装置1001の前後方向、上下方向および左右方向を示す。図15以降においても同様である。
図13及び図14に示すように、トリミング装置1001は、床BPに設置され、以下に説明する各構成を動作させることで、上流から供給されたタイヤTのスピュー(ひげ)やバリを除去し、下流へ搬送する。
トリミング装置1001は、タイヤTの搬送経路を構成する搬送装置1100と、その搬送装置1100で搬送されるタイヤTを保留位置に保留する保留機構1200と、その保留機構1200による保留が解除され搬送装置1100で搬送されるタイヤTを支持位置に停止させるストッパ機構300(図示せず)と、そのストッパ機構300により支持位置に停止されたタイヤTを回転可能に支持すると共に処理位置に配置する支持機構1400と、その支持機構1400によって処理位置に配置されたタイヤTに回転駆動力を付与して回転させる駆動機構1500と、その駆動機構1500により回転されたタイヤTの外形に沿ってバリカン装置1660(図20(b)参照)を変位させるバリカン変位機構1600と、これら各機構1200~1600の動作を制御する制御装置700(図3参照)と、を備える。
本実施形態では、ストッパ機構300は、搬送経路上にタイヤTの支持位置を有する搬送装置1100(後述する第1搬送装置1100b)の左右方向(矢印L-R方向)の両側に配置され、搬送装置1100の左右方向のそれぞれに配置される駆動機構1500及びバリカン変位機構1600よりも前方側(矢印F方向側)に配置される。
ここで、第2実施形態におけるトリミング装置1001の電気的構成は、第1実施形態におけるトリミング装置1における電気的構成と共通であるので、その説明を省略する。なお、第2実施形態では、第1実施形態のトリミング装置1における図3及び図3の説明のうちの、保留機構200は保留機構1200、支持機構400は支持機構1400、駆動機構500は駆動機構1500、バリカン変位機構600はバリカン変位機構1600と読み替えるものとする。
搬送装置1100は、前工程から搬送されてきたタイヤTを下流側に搬送する上流側搬送装置1100aと、上流側搬送装置1100aよりも下流側に配置される第2搬送装置1100cと、第2搬送装置1100cの上流側から分岐し、さらに第2搬送装置1100cの下流側と合流する搬送経路を形成する第1搬送装置1100bと、を備える。さらに、搬送装置1100には、タイヤTの搬送経路中の位置情報を取得する複数のセンサ(図示せず)が配設される。
第1搬送装置1100bは、平面視矩形の複数のローラーコンベア1110,1120を備え、第2搬送装置1100cは、平面視矩形のローラーコンベア1110を備える。ローラーコンベア1110,1120は、床BPに設置されるフレームと、そのフレームに両端が回転可能に軸支される複数のローラーと、を備える。
第2搬送装置1100cのローラーの回転軸は、トリミング装置1001の前後方向(矢印F-B方向)に平行な向きで配設される。第1搬送装置1100bのうちの前後方向に延びる部分のローラーの回転軸は、トリミング装置1001の左右方向(矢印L-R方向)に平行な向きで配設され、第1搬送装置1100bのうちの左右方向に延びる部分のローラーの回転軸は、トリミング装置1001の前後方向に平行な向きで配設される。なお、図21において、フレームの脚の図示は省略される。
なお、ローラーコンベア1120は、4箇所に並設され、それら各ローラーコンベア1120は、隣接するものとの間に所定の間隔を隔てて配設される。よって、4箇所のローラーコンベア1120の隣接するものどうしの間には、前後方向(矢印F-B方向)及び左右方向(矢印L-R方向)に延びる空間が形成される。この空間は、支持機構1400が変位(昇降動作および拡縮動作)するための空間として利用される。
本実施形態では、搬送経路(複数のローラーにより形成される搬送面)は、上流側から下流側へ向かうに従って床BPからの高さ位置が低くなるように下降傾斜して形成される。よって、搬送装置1100(ローラーコンベア1110,1120)に載せられたタイヤTは、その自重によりローラー上を下流側へ向けて搬送される。
但し、搬送装置1100(ローラーコンベア1110,1120)は、ローラーをアクチュエータ(例えば、電動モーター)により回転駆動し、そのローラーの回転駆動力によりタイヤTを搬送する駆動ローラーコンベアにより構成されても良い。この場合には、搬送装置1100(駆動ローラーコンベア)の動作も制御装置700により制御される。
第1搬送装置1100bは、分岐位置から後方側(矢印B方向側)に延びるローラーコンベア1110と、そのローラーコンベア1110の後方側の端に接続され、左右方向(矢印L-R方向)に延びるローラーコンベア1110と、そのローラーコンベア1110の左側(矢印L方向側)の端の前方側(矢印F方向側)の側面に接続され、前方側に延びるローラーコンベア1110と、そのローラーコンベア1110の前方側の端に接続され、前方側に延びる複数のローラーコンベア1120と、によりバリ取り経路を形成する。
第2搬送装置1100cは、上流側搬送装置1100aに接続され、左右方向(矢印L-R方向)に延びるローラーコンベア1110によりスルー経路を形成する。即ち、第1搬送装置1100b及び第2搬送装置1100cは、バリ取り経路が平面視コ字状に形成され、スルー経路がバリ取り経路の平面視で開口する部分を閉じることにより、平面視ロ字状の搬送経路を形成する。
バリ取り経路は、タイヤTが判定手段1140(後述する)によってバリ取りが必要であると判定された場合に、タイヤTが支持機構1400によって支持される支持位置を通過する経路である。スルー経路は、タイヤTが判定手段1140によってバリ取りが不要であると判定された場合に、下流(次の工程)に向かってタイヤTを搬送する経路である。バリ取り経路の支持位置には、ストッパ機構300、支持機構1400、駆動機構1500及びバリカン変位機構1600が配置される。バリ取り経路の長さは、スルー経路よりも長く設定される。
本実施形態では、第1搬送装置1100bにより形成されるバリ取り経路は、判定手段1140によって、バリ取りが必要であると判定されタイヤTがスルー経路から搬送され、支持位置でタイヤTのバリ取り動作を行った後、第2搬送装置1100cにより形成されるスルー経路に下流側で合流される。
第2搬送装置1100cは、上流側(矢印R方向側)において、上流側搬送装置1100aから搬送されたタイヤTを、第2搬送装置1100cにそのまま搬送させるか、第1搬送装置1100bに移動させるかを判定する判定手段1140と、第1搬送装置1100b又は第2搬送装置1100cによってそれぞれ形成される搬送経路に、判定手段1140の判定した結果に基づいて、タイヤTを振り分ける振分手段(図示せず)とを、さらに備える。
本実施形態では、判定手段1140は、タイヤTの画像を撮影するカメラを備える。判定手段1140は、カメラによって撮影した画像を処理し、処理した結果に基づいて判定を行い、その判定結果(振分信号)を振分手段に送信する。さらに、判定手段1140は、カメラによって撮影した画像を処理し、タイヤTの種類(品番)の情報を制御装置700に送信する。タイヤTの種類(品番)の情報を受信した制御装置700は、搬送装置1100に配設された複数のセンサ(図示せず)から送信されるタイヤTの位置情報を受信し、そのタイヤTが保留位置、支持位置および処理位置にそれぞれ搬送されたときに、そのタイヤTの種類(品番)に対応した制御プログラム711aが実行される。
振分手段は、判定手段1140から受信した判定結果(振分信号)に従って、タイヤTを第2搬送装置1100cにそのまま搬送させる、又は、タイヤTを第2搬送装置1100cから第1搬送装置1100bに移動させる振分動作を行う。振分動作は、判定手段1140よりも第2搬送装置1100cの下流側(矢印L方向側)の位置であって、第2搬送装置1100c(スルー経路)から第1搬送装置1100b(バリ取り経路)に搬送経路が分岐する分岐位置において行われる。
本実施形態では、振分手段は、判定手段1140によってバリ取りが必要であると判定されたタイヤTを第2搬送装置1100cから第1搬送装置1100bに向けて押し出すプッシャーによって構成される。判定手段1140によってタイヤTのバリ取りが不要であると判定された場合は、プッシャーが動作せず、タイヤTはそのまま第2搬送装置1100cに搬送される。
保留機構1200は、ローラーコンベア1110のフレーム両端から下方に懸架されるベース1210と、そのベース1210に配設される単軸ロボット1220と、その単軸ロボット1220の先端側に配設される板状の昇降板1230と、を備える(図21参照)。昇降板1230は、平面視において、第1搬送装置1100bのローラーコンベア1110の所定の2つのローラーどうしの隙間に配置される。
なお、本実施形態では、単軸ロボット1220として、ロボットボディ1221の長手方向に沿って配設されるボールねじをステッピングモータにより回転させ、そのボールねじの回転によりロッド1222を伸縮させる構造が採用される。
本実施形態では、単軸ロボット1220のロッド1222が短縮された状態では、第1搬送装置1100b(バリ取り経路)のローラーコンベア1110の下方となる退避位置に昇降板1230が配設され、単軸ロボット1220のロッド1222が伸長された状態では、第1搬送装置1100bのローラーコンベア1110の所定の2つのローラーどうしの隙間を通りローラーコンベア1110上に上昇した張出位置に昇降板1230が配設される(図13、図14及び図21参照)。
昇降板1230が張出位置に配置されると、昇降板1230によりタイヤTの通過が規制され、タイヤTが保留位置に保留される(図13参照)。
一方、昇降板1230が退避位置に配置されると、タイヤTの通過が許容され、保留位置から支持位置へ向けてタイヤTが自重により搬送される。
支持機構1400は、ローラーコンベア1120の下側(矢印D方向側)に配設される。ここで、支持機構1400について、図15から図19を参照して説明する。図15は、支持機構1400の斜視図である。
図15に示すように、支持機構1400は、床BPに配設される設置台1470と、内周側ローラー1431及び下面側ローラー1432を有する複数のローラーユニット1430(本実施形態では4個)と、その複数のローラーユニット1430を径方向に拡縮させる拡縮手段1440と、複数のローラーユニット1430を昇降させる昇降手段1450と、を備える。径方向とは、鉛直方向に直交する方向であって、駆動機構1500によって回転されるタイヤTの回転軸を中心する方向である。
支持機構1400は、平面視において、4個のローラーユニット1430の内の、ローラーユニット1430が径方向にスライドするスライド方向(後述する径方向ガイド1444が延びる方向)を第1搬送装置1100bの搬送方向(前後方向(矢印F-B方向))に平行とする一対のローラーユニット1430と、ローラーユニット1430が径方向にスライドするスライド方向を第1搬送装置1100bの搬送方向と直交する方向(左右方向(矢印L-R方向))に平行とする一対のローラーユニット1430とが、それぞれ同距離を隔てて向い合せに配設される。
詳細には、ローラーユニット1430のスライド方向(径方向ガイド1444が延びる方向)をトリミング装置1001の前後方向(矢印F-B方向)に平行とする一対は、平面視において、内周側ローラー1431の軸心が搬送経路の中心線CLと一致する位置に配設され、ローラーユニット1430のスライド方向をトリミング装置1001の左右方向(矢印L-R方向)に平行とする一対は、平面視において、搬送経路の中心線CLを対称軸として線対称に配設される(図14参照)。
ローラーユニット1430は、平面視矩形の支持体1433と、その支持体1433に軸支される内周側ローラー1431(本実施形態では1本)と、支持体1433に配設される下面側ローラー1432(本実施形態では4個)とを備える。内周側ローラー1431は、タイヤTのビード部の内周側を支持する上下方向(矢印U-D方向)に延びる円柱状のローラーであり、下面側ローラー1432は、タイヤTのサイドウォール部を支持する球状(球体)のローラーである。
内周側ローラー1431の回転軸は、トリミング装置1001の上下方向(矢印U-D方向)に平行な向きで配設され、下面側ローラー1432は、支持体1433に転動可能に配設される。
下面側ローラー1432は、凹みを有し支持体1433に固定される受けと、凹みに配置される複数の小径球と、その複数の小径球に載置されると共に凹みに配置され、自身の一部が受けから露出される大径球とから構成される。そのため、下面側ローラー1432は、受け(支持体1433)に対して、大径球を任意の方向に360度回転可能に動作(転動)させることができる。よって、下面側ローラー1432によって、タイヤTの下面(サイドウォール部)を支持しつつ、ローラーユニット1430ごと拡縮動作を行ったとしても、タイヤTの下面が下面側ローラー1432によって擦れることを抑制できる。その結果、タイヤTと下面側ローラー1432との擦れによる振動の発生やタイヤTの下面が傷つくことを抑制できる。
タイヤTは、サイドウォール部の内の一方のサイドウォール部を下方(矢印D方向)へ向けた姿勢(横姿勢)で、拡径した内周側ローラー1431の外周面がビード部の内周面に当接され、上昇した下面側ローラー1432がサイドウォール部に当接されることによって支持機構1400に支持される。即ち、タイヤTが支持機構1400によって支持される横姿勢は、タイヤTの回転軸が鉛直方向(本実施形態では、上下方向(矢印U-D方向))を向く姿勢である。
タイヤTを支持する際に、タイヤTの内周側から拡径させたチャックにより、支持し、そのままタイヤTを持ち上げて回転させる場合(例えば、特許文献1)では、タイヤTは、内周側からしか支持されていないので、回転速度を上昇させると、タイヤTのブレ(タイヤ外周面の軌道のばらつき)や振動が大きくなる。その状態でタイヤTのバリ取りを行うと、スピュー(ひげ)やバリの除去精度が低下する。反対に、除去精度を上げるため、回転速度を下げるとタイヤTのバリ取りにかかる時間が長くなり、処理効率が低下する。
これに対して、本実施形態では、タイヤTの内周面と下面とを同時に支持しながらタイヤTを回転させることができるので、回転速度を上昇させても、タイヤTを安定した姿勢で支持できる。そのため、回転速度を上昇させたことによるタイヤTのブレ、振動を抑制し、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリを精度よく除去できる。また、回転速度を上昇させてもタイヤTのスピュー(ひげ)やバリを精度よく除去できるので、タイヤTのバリ取りにかかる時間を短縮し、処理効率を向上することができる。
拡縮手段1440は、平面視略矩形の板状の第1ベース1441と、第1ベース1441の上面から上方(矢印U方向)に垂直に延びる柱状の複数の第1ガイド1442と、その複数の第1ガイド1442が挿通される板状の第2ベース1443と、第1ベース1441に配設されると共に、径方向に沿って形成され、支持体1433(ローラーユニット1430)の径方向への変位を案内する複数の径方向ガイド1444(本実施形態では4個)と、第2ベース1443に駆動力を付与して第2ベース1443を第1ベース1441に対して変位させる拡縮用アクチュエータ1445(図16参照)と、第2ベース1443の変位を複数の支持体1433に伝達する複数の伝達手段1460(本実施形態では4個)とを備える。
拡縮手段1440は、4個の伝達手段1460の内の、第1搬送装置1100bの搬送方向(前後方向(矢印F-B方向))に平行とする一対の伝達手段1460と、第1搬送装置1100bの搬送方向に直交する方向(左右方向(矢印L-R方向))に平行とする一対の伝達手段1460とが、それぞれ同距離を隔てて略向い合せに配設される。
詳細には、トリミング装置1001の前後方向(矢印F-B方向)に平行とする一対の伝達手段1460は、平面視において、バリ取り経路の中心線CLと平行に配設され、トリミング装置1001の左右方向(矢印L-R方向)に平行とする一対の伝達手段1460は、平面視において、バリ取り経路の中心線CLに直交する線と平行に配設される(図14参照)。
拡縮用アクチュエータ1445には、ラックピニオン機構が採用される。拡縮用アクチュエータ1445は、上下方向(矢印U-D方向)に延設されると共に上方側(矢印U方向側)が第2ベース1443に接続されるラック1445aと、そのラック1445aを上下方向に伸縮させるピニオンギアが収容されると共にラック1445aが挿通されるラックケース1445bとを備える(図16参照)。ラックケース1445bは、第1ベース1441の下面に固定される。ピニオンギア及びラック1445aは噛み合っており、ピニオンギアを駆動モーターにより回転させることにより、ラック1445aが直動方向に移動する。本実施形態では、ラック1445aの直動方向は、上下方向(矢印U-D方向)に設定される。ラック1445aが上下方向に変位すると、ラック1445aに接続される第2ベース1443も上下方向に変位する。
昇降手段1450は、設置台1470に配設されると共に上下方向(矢印U-D方向)に沿って形成される共に第1ベース1441の上下方向への変位が案内される上下方向ガイド1451と、第1ベース1441に駆動力を付与して第1ベース1441を床BPに対して変位させる昇降用アクチュエータ1452とを備える。
昇降用アクチュエータ1452は、シリンダチューブ1452aを挿通するピストンロッド1452bが上下方向(矢印U-D方向)に伸縮されるエアシリンダとして構成される。ピストンロッド1452bには、第1ベース1441が配設されるので、ピストンロッド1452bが上下方向に伸縮することで、第1ベース1441が上下方向ガイド1451によって上下方向に案内されつつ、上下方向に変位される。
図16及び図19を参照して、拡縮手段1440によって、複数の支持体1433(ローラーユニット1430)が径方向に拡縮する動作を説明する。図16は、支持機構1400の部分正面図である。なお、図16では、複数のローラーユニット1430及び複数の伝達手段1460の内の1つのローラーユニット1430及び1つの伝達手段1460を図示し、そのほかのローラーユニット1430及び伝達手段1460の図示が省略されている。図19は、図14のXIX-XIX線における拡径状態の支持機構1400の断面図である。
図16及び図19に示すように、伝達手段1460は、径方向外側に向かって屈曲する形状に形成される揺動体1461と、その揺動体1461の上方側(矢印U方向側)の一端部1461aが上下方向(矢印U-D方向)にスライド可能に接続される調整部1462と、その他端部1461bが径方向にスライド可能に接続される調整部1463と、揺動体1461が径方向外側に向かって屈曲する部分である屈曲部1461cを回転可能に軸支する軸支部1464とを備える。
調整部1462は、支持体1433に接続され、調整部1463は、第2ベース1443に接続され、軸支部1464は、第1ベース1441に接続される。また、調整部1462には、上下方向に延びる溝が形成され、調整部1463には、径方向に延びる溝が形成される。
揺動体1461の一端部1461a及び他端部1461bは、軸状のピンを備える。一端部1461aのピンは、調整部1462の溝にスライド可能かつ回転可能に嵌挿され、他端部1461bのピンは、調整部1463の溝にスライド可能かつ回転可能に嵌挿される。
前後方向(矢印F-B方向)に対向する一対の揺動体1461(伝達手段1460)の一端部1461aのピンは、左右方向(矢印L-R方向)に平行な回転軸を中心として調整部1462によって回転可能に軸支され、前後方向に対向する一対の揺動体1461の他端部1461bのピンも、左右方向に平行な回転軸を中心として調整部1463によって回転可能に軸支される。
また、左右方向(矢印L-R方向)に対向する一対の揺動体1461(伝達手段1460)の一端部1461aのピンは、前後方向(矢印F-B方向)に平行な回転軸を中心として調整部1462によって回転可能に軸支され、左右方向に対向する一対の揺動体1461の他端部1461bのピンも、前後方向に平行な回転軸を中心として調整部1463によって回転可能に軸支される。
さらに、前後方向(矢印F-B方向)に対向する一対の揺動体1461(伝達手段1460)の屈曲部1461cは、左右方向(矢印L-R方向)に平行な回転軸を中心として軸支部1464によって回転可能に軸支され、左右方向に対向する一対の揺動体1461の屈曲部1461cは、前後方向に平行な回転軸を中心として軸支部1464によって回転可能に軸支される。
これらの構成により、拡縮用アクチュエータ1445により、第1ガイド1442が第1ベース1441に案内されつつ、第2ベース1443が上方(矢印U方向)に変位されると、第2ベース1443の上方への変位に伴って、他端部1461bが上方に変位される。屈曲部1461cが軸支部1464によって軸支されるので、他端部1461bが上方に変位されると、軸支部1464を中心に揺動体1461が回転する。このとき、揺動体1461は、一端部1461aのピンが調整部1462の溝に案内されて、一端部1461aを上方にスライドしながら、他端部1461bのピンが調整部1463の溝に案内されて他端部1461bを径方向内側にスライドする。
反対に、拡縮用アクチュエータ1445により第2ベース1443が下方(矢印D方向)に変位されると、第2ベース1443の下方への変位に伴って、他端部1461bが下方に変位される。屈曲部1461cが軸支部1464によって軸支されるので、他端部1461bが下方に変位されると、軸支部1464を中心に、揺動体1461が回転する。このとき、揺動体1461は、一端部1461aのピンが調整部1462の溝に案内されて、一端部1461aを下方にスライドしながら、他端部1461bのピンが調整部1463の溝に案内されて他端部1461bを径方向外側にスライドする。
揺動体1461の一端部1461aが支持体1433(ローラーユニット1430)に接続されるので、一端部1461aが変位されることによって、支持体1433が変位される。支持体1433は、径方向ガイド1444に配設されるので、径方向ガイド1444によって支持体1433が変位する向きが径方向に沿った方向に案内される。その結果、支持体1433は、径方向に沿って変位される。
このとき、複数のローラーユニット1430は、複数の伝達手段1460に接続され、複数の伝達手段1460は、1つの第2ベース1443に接続されるので、第2ベース1443の上下方向(矢印U-D方向)の変位を複数のローラーユニット1430に同時に伝達できる。その結果、複数のローラーユニット1430の径方向の変位は複数の伝達手段1460によって同期される。よって、複数のローラーユニット1430の拡径タイミングがそれぞれずれることによるタイヤTの芯ずれを発生し難くできる。
ここで、支持機構1400の昇降動作において、ローラーユニット1430が別々に上下方向(矢印U-D方向)に変位される場合は、各ローラーユニット1430ごとの上昇タイミング及び下降タイミング、上昇量および下降量、並びに、上昇停止位置および下降停止位置がそれぞれ異なる虞がある。そのため、上昇動作をする際に、タイヤTが非水平となった状態で支持される虞がある。
これに対して、本実施形態では、支持機構1400が昇降手段1450によって第1ベース1441と一緒に各ローラーユニット1430を上下方向(矢印U-D方向)に変位させることができるので、上昇動作において、各ローラーユニット1430の上昇するタイミング、上昇する距離(上昇するストローク、上昇端の停止位置)を合わせることができ、タイヤTを水平な姿勢で支持し易くできる。
また、搬送装置1100の搬送面は、上流側から下流側に向けて下降するように傾斜されているので、複数のローラーユニット1430がタイヤTの下面に当接される面(タイヤTの下面が複数の下面側ローラー1432と当接される各点を通る平面)に対して傾斜している。そのため、搬送装置1100に搬送されるタイヤTもローラーユニット1430に対して傾斜するので、上昇動作をする際に、タイヤTが非水平となった状態で支持される虞がある。
これに対して、本実施形態では、支持機構1400が昇降手段1450によって第1ベース1441と一緒に各ローラーユニット1430を上下方向(矢印U-D方向)に変位させることができるので、上昇動作において、各ローラーユニット1430の上昇するタイミング、上昇する距離(上昇するストローク、上昇端の停止位置)を合わせることができ、タイヤTを水平な姿勢で支持し易くできる。
次に、図17及び図18を参照して、昇降手段1450によって、複数の支持体1433(ローラーユニット1430)が上下方向(矢印U-D方向)に昇降する動作を説明する。図17は、図14のXVII-XVII線における下降状態の支持機構1400の断面図であり、図18は、図14のXVII-XVII線における上昇状態の支持機構1400の断面図である。
上述したように、昇降用アクチュエータ1452のピストンロッド1452bには、第1ベース1441が接続されるので、ピストンロッド1452bを伸縮させると、上下方向ガイド1451が設置台1470に案内されつつ、第1ベース1441が上下方向(矢印U-D方向)に変位する。第1ベース1441には、拡縮手段1440(第1ガイド1442、第2ベース1443、拡縮用アクチュエータ1445及び伝達手段1460)が接続されるので、第1ベース1441が上下方向に変位すると、第1ベース1441の変位に伴って、拡縮手段1440全体が上下方向に変位される。拡縮手段1440には、ローラーユニット1430が接続されるので、拡縮手段1440の上下方向の変位に伴って、ローラーユニット1430も上下方向に変位される。
支持機構1400は、バリ取り経路1160の一部を構成するローラーコンベア1120の間に形成される上述した空間に対応する位置に配設されており、上記空間を利用して(即ち、ローラーコンベア1120と干渉させることなく)、昇降手段1450によるローラーユニット1430の昇降(図17及び図18参照)と、拡縮手段1440によるローラーユニット1430の水平移動(拡径および縮径(図16及び図19参照))とを行うことができる。
即ち、支持機構1400は、昇降用アクチュエータ1452のピストンロッド1452bを伸縮させることで(図17及び図18参照)、ローラーユニット1430をローラーコンベア1120(各ローラーにより形成される搬送面)に対して出没させることができると共に、拡縮用アクチュエータ1445のラック1445aをスライド移動させることで(図16及び図19参照)、ローラーユニット1430をローラーコンベア1120(バリ取り経路)上に突出させた状態で、ローラーユニット1430を水平方向にスライド移動させることができる。
なお、ピストンロッド1452bが短縮された状態では、上述したように、内周側ローラー1431の上端がローラーコンベア1120(各ローラーにより形成される搬送面)よりも下方(矢印D方向)に没入(配置)されるので(図17参照)、支持機構1400の上方(矢印U方向側)の搬送経路(ローラーコンベア1120)でタイヤTを支持位置まで搬送できる。
図13及び図14に戻って説明する。駆動機構1500は、搬送装置1100(第1搬送装置1100bのローラーコンベア1120)の側方(矢印L方向側)に配設される。ここで、図20(a)を参照して、駆動機構1500について説明する。図20(a)は、駆動機構1500の斜視図である。
図20(a)に示すように、駆動機構1500は、床BPに設置されるベース1510と、そのベース1510にロボットボディ1521が配設される単軸ロボット1520と、その単軸ロボット1520のスライダ1522に配設される支持体1530と、その支持体1530に回転可能に軸支される摩擦車1540と、その摩擦車1540に回転駆動力を付与して回転させる駆動モーター1550と、を備える。
単軸ロボット1520は、スライダ1522のスライド移動(直線移動)の方向がトリミング装置1001の左右方向(矢印L-R方向)に平行となる向きでベース1510に配設される。なお、本実施形態では、単軸ロボット1520として、ロボットボディ1521の長手方向に沿って配設されるボールねじをステッピングモータにより回転させ、そのボールねじの回転によりスライダ1522をスライド移動させる構造が採用される。
支持体1530は、スライダ1522に配設される底面部1532と、その底面部1532から上方(矢印U方向)に立設される複数の立設部1533と、その複数の立設部1533の上方の端面に接続され、水平方向(矢印R方向)に張り出す張出部1531とを備える。張出部1531のスライド方向の先端側(矢印R方向側)には、摩擦車1540が吊り下げられた状態で軸支される。即ち、摩擦車1540の回転軸(軸心)は、トリミング装置1001の上下方向(矢印U-D方向)に平行な向きで配設される。
摩擦車1540は、タイヤTの外周面(トレッド部)に接触して接触面の摩擦により回転駆動力をタイヤTに伝達する部材であり、外周面に弾性体(例えば、ゴム、ウレタン、樹脂)が配設される。図14に示すように、摩擦車1540の軸心Oaは、平面視において、第1搬送装置1100bの搬送方向に直交する方向(矢印L-R方向)に対向する一対の内周側ローラー1431の軸心Ob1,Ob2を結ぶ仮想線上に配置される(図14参照)。
駆動モーター1550は、支持体1530の張出部1531の上方(矢印U方向)に配設され、その駆動モーター1550の回転駆動力は、減速器(図示せず)及びベルト(図示せず)を介して、摩擦車1540に伝達される。
単軸ロボット1520のスライダ1522がタイヤTから遠ざかる方向(矢印L方向)へスライド移動された状態では、搬送装置1100(バリ取り経路1160)の外方となる退避位置に摩擦車1540が配置され(図21参照)、単軸ロボット1520のスライダ1522がタイヤTに近づく方向(矢印R方向)へスライド移動された状態では、第1搬送装置1100b(バリ取り経路)上に張り出した張出位置に摩擦車1540が配置される。
摩擦車1540が張出位置に配置されると、摩擦車1540がタイヤTに接触され、摩擦車1540の回転駆動力をタイヤTに伝達可能とされる。なお、摩擦車1540の張出位置は、タイヤTの種類(外径)に応じて制御される。即ち、タイヤTの外径の大小に応じてスライダ1522の変位量が変更され、摩擦車1540とタイヤTとが略一定の接触圧で接触される。
図13及び図14に戻って説明する。バリカン変位機構1600は、第1搬送装置1100b及び第2搬送装置1100cに囲まれた領域に配設される。ここで、図20(b)を参照して、バリカン変位機構1600について説明する。図20(b)は、バリカン変位機構1600の正面図である。
図20(b)に示すように、バリカン変位機構1600は、床BPに設置されるベース1610と、そのベース1610に配設される多関節ロボットと、その多関節ロボットに配設されるロータリーアクチュエータ1650と、そのロータリーアクチュエータ1650に配設されるバリカン装置1660及びセンサ装置(図示せず)とを備える。
多関節ロボットは、多数の軸(本実施形態では、旋回軸O1、回転軸O2,O4,O6,O7の5軸)のそれぞれを中心として回転する回転方向に動作可能なロボットであり、ベース1610に固定される固定部1620と、その固定部1620に接続される第1アーム1630と、その第1アーム1630が固定部1620に接続される側とは反対側に接続される第2アーム1640とを備える。
第1アーム1630は、旋回部1630a、第1軸部1630b及び軸線O3方向に延びるアーム部1630cを備え、旋回軸O1、回転軸O2まわりに回転可能に構成される。第2アーム1640は、第2軸部1640a、軸線O5方向に延びる第2アーム部1640b、第3軸部1640c及び第4軸部1640dを備え、回転軸O4,O6及びO7まわりに回転可能に構成される。第4軸部1640dの端面には、ロータリーアクチュエータ1650が配設される。ロータリーアクチュエータ1650は、回転軸O7に直交する回転軸O8を中心として回転可能に構成される。ロータリーアクチュエータ1650には、バリカン装置1660が配設される。
バリカン変位機構1600は、これらの構成により、処理位置に配置されたタイヤTに対してバリカン装置1660が近接または離間される。
バリカン装置1660は、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリを除去(切断)可能に構成された刃部を備え、ロータリーアクチュエータ1650の外周面に配設される。センサ装置(図示せず)は、タイヤTとの間の距離を検出する非接触式のセンサであり、バリカン装置1660に配設される。よって、ロータリーアクチュエータ1650が動作(回転)されると、バリカン装置1660及びセンサ装置が回転される。
バリカン変位機構1600によれば、多関節ロボット及びロータリーアクチュエータ1650を動作させることで、処理位置に配置されたタイヤTの外形(サイドウォール部、ショルダー部およびトレッド部の外面)に沿ってバリカン装置1660の刃部を変位させることができる。
バリカン変位機構1600は、多関節ロボットを備えるので、その可動範囲が広範囲である。そのため、作業者の安全を確保する目的で、バリカン変位機構1600の周囲には柵が必要とされる。本実施形態では、バリカン変位機構1600が第1搬送装置1100b及び第2搬送装置1100cに囲まれた領域に配設されるので、第1搬送装置1100b及び第2搬送装置1100cを柵の代わりとすることができる。よって、作業者の安全性を確保できる。また、柵を別途設けることを不要にできる。
トリミング装置1001(制御装置700)は、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、そのタイヤTの外形に対応した軌跡(タイヤTの種類毎に予め規定され動作情報メモリ712aに記憶されている軌跡)でバリカン装置1660を変位させる。
この場合、トリミング装置1001(制御装置700)は、センサ装置の検出結果を監視し、その検出結果に応じてバリカン装置1660の変位(軌跡)を調整する。これにより、タイヤTの寸法ばらつきを吸収して、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリの除去精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、センサ装置として、センサヘッドからレーザー光をタイヤTへ当て、受光素子で反射光を受けることでタイヤTの位置を非接触で検出する反射型のセンサが採用される。センサ装置に他の構造のセンサを採用しても良い。他の構造としては、例えば、超音波式の非接触センサ、接触式のセンサが例示される。
次いで、図13、図14及び図21を参照して、タイヤTのスピュー(ヒゲ)やバリをトリミング装置1001により除去(トリミング)するスピュー等の除去方法について説明する。図21は、図14における矢印XXI方向視におけるトリミング装置1001の背面図である。
なお、図面を簡素化して、理解を容易とするために、図21では主要な符号のみが図示され、搬送装置1100の第2搬送装置1100cのローラーコンベア1110のローラー及びフレーム以外の部分、並びに、ストッパ機構300が省略されて図示される。
図13には、次の処理対象であるタイヤTが保留機構1200により第1搬送装置1100b上の保留位置に保留された状態が図示される。
トリミング装置1001(制御装置700)は、処理済みのタイヤTが搬送装置1100の所定位置(少なくともストッパ機構300の停止板330の移動軌跡と干渉しない位置)まで搬送されたことがセンサ(図示せず)により検出されると、次いで、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、ストッパ機構300を動作させ停止板330を張出位置に配置する。
トリミング装置1001(制御装置700)は、次いで、保留機構1200を動作させ昇降板1230を退避位置に配置することで、タイヤTの保留を解除する。これにより、保留されていたタイヤTが保留位置から下流(矢印F方向)に搬送され、停止板330に受け止められる。その結果、タイヤTが支持位置で停止される。
トリミング装置1001(制御装置700)は、次いで、支持機構1400を動作させ、ローラーユニット1430を上昇させることで、支持位置に配置されているタイヤTの内周側に内周側ローラー1431を挿通すると共に、タイヤTの下面(サイドウォール部)を下面側ローラー1432により支持する。そして、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、内周側ローラー1431及び下面側ローラー1432を拡径させ、タイヤTをセンタリングすると共に、内周側ローラー1431及び下面側ローラー1432を更に上昇させることで、図21に示すように、タイヤTを処理位置に配置する。
本実施形態では、支持機構1400は、下面側ローラー1432がタイヤTの下面(サイドウォール部)に当接し、少なくともタイヤTの下面全体が第1搬送装置1100bよりも上方(矢印U方向)に持ち上がった状態となった後に、内周側ローラー1431によってタイヤTの内周面(ビード部)を支持する。
トリミング装置1001によれば、支持機構1400の上昇動作および拡径動作を並行させることで、タイヤTのセンタリングと処理位置への配置とを同時に行うことができ、その分、タクトタイムを短縮できる。
このとき、タイヤTの下面に下面側ローラー1432(大径球)が当接された状態で拡径動作が行われる。下面側ローラー1432は、受け(支持体1433)に対して、大径球を任意の方向に360度回転可能に動作(転動)させることができるので、タイヤTの下面に下面側ローラー1432が当接された状態で拡径動作が行われても、拡径動作による受けとタイヤTとの相対変位に対応して、下面側ローラー1432の大径球を転動できる。その結果、タイヤTの下面が下面側ローラー1432と擦れてキズが付いたり、擦れることによりタイヤTが振動したりすることを抑制できる。タイヤTの振動を抑制できるので、タイヤTが傾いて支持されることを抑制できる。
また、支持機構1400は、下面側ローラー1432によりタイヤTを横向きの姿勢で支持すると共に、タイヤTの幅方向(矢印U-D方向)両側のビード部に内周側ローラー1431を押し当てて支持するので、回転駆動される際のタイヤTの姿勢を安定させる(変形を抑制する)ことができる。
なお、トリミング装置1001(制御装置700)は、保留位置から下流(矢印F方向)へ搬送されるタイヤTが搬送装置1100の所定位置(少なくとも保留機構1200の昇降板1230の移動軌跡と干渉しない位置)まで搬送されたことがセンサ(図示せず)により検出されると、保留機構1200を動作させ昇降板1230を張出位置に配置する(図13参照)。
これにより、支持機構1400にタイヤTを支持させ、そのタイヤTの処理(スピュー等の除去)を行っている間に、次のタイヤTを受け取り保留機構1200(昇降板1230)に保留させておくことができる(図13参照)。このとき、第1搬送装置1100bにより形成される搬送経路(バリ取り経路)が第2搬送装置1100cにより形成される搬送経路(スルー経路)よりも長くされるので、バリ取り経路に保留できるタイヤTの本数を多くできる。
トリミング装置1001(制御装置700)は、次いで、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、駆動機構1500を動作させ、摩擦車1540を張出位置に配置して回転駆動力をタイヤTに伝達することで、処理位置に配置されたタイヤTを回転させると共に、バリカン変位機構1600を動作させ、処理位置に配置されたタイヤTの外形(サイドウォール部、ショルダー部およびトレッド部の外面)に沿ってバリカン装置1660の刃部を変位させる。これにより、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリが除去される。
トリミング装置1001によれば、複数の支持機構1400における下面側ローラー1432どうしの間には空間が形成されるので(図15参照)、その空間を利用して、タイヤTの下面(サイドウォール部)の奥側(ビード部側)までバリカン装置1660を差し入れることができる。よって、タイヤTの下面から外周面(ショルダー部、トレッド部)を経て上面(サイドウォール部)までバリカン装置1660を1パスで変位させることができる。
トリミング装置1001(制御装置700)は、次いで、駆動機構1500及びバリカン変位機構1600を動作させ、摩擦車1540及びバリカン装置1660をそれぞれ退避位置に配置すると共に、支持機構1400を動作させ、内周側ローラー1431及び下面側ローラー1432を縮径させると共に下降させる。内周側ローラー1431の上端が搬送装置1100の搬送面よりも下方に没入(配置)されることで、図17に示すように、スピュー等の除去が完了した処理済みのタイヤTが搬送装置1100のバリ取り経路1160の下流側に搬送され、その後、その下流側で合流するスルー経路に搬送され、スルー経路よりも下流側の後工程に搬送される。
トリミング装置1001によれば、支持機構1400(拡縮手段1440及び昇降手段1450)の縮径動作および下降動作を並行させることで、タイヤTの支持の解除と搬送装置1100へのタイヤTの載置とを同時に行うことができ、その分、タクトタイムを短縮できる。
以降は、上述した各動作(図13、図14及び図21参照)を順に繰り返すことで、タイヤTのスピュー等を除去する処理をトリミング装置1001により自動で連続的に実行できる。
トリミング装置1001によれば、判定手段1140により処理(バリ取り)が必要であると判定されたタイヤTのみが第1搬送装置1100b上の保留位置に保留されるので、保留位置から支持位置(ストッパ機構300で停止される位置)、支持位置から搬送装置1100の所定位置(処理済みのタイヤTが少なくともストッパ機構300の停止板330の移動軌跡と干渉しない位置)まで処理が不要なタイヤTを通過させる必要がなくなる。即ち、その処理が不要なタイヤTを通過させる時間を短縮できるので、効率よく処理(バリ取り)を行うことができる。
トリミング装置1001によれば、支持機構1400は、内周側ローラー1431と、下面側ローラー1432と、内周側ローラー1431及び下面側ローラー1432が回転可能に配設される支持体1433とを有する複数のローラーユニット1430と、複数のローラーユニット1430を上下方向(矢印U-D方向)に変位させる昇降手段1450と、複数のローラーユニット1430を径方向に変位させる拡縮手段1440と、を備えるので、昇降手段1450により複数のローラーユニット1430が上昇されると、タイヤTの下面(サイドウォール部)に下方(矢印D方向)から下面側ローラー1432が当接されてタイヤTが持ち上げられ、拡縮手段1440により複数のローラーユニット1430が拡径されると、タイヤTのサイドウォール部に下方から下面側ローラー1432が当接された状態が維持されつつ、タイヤTの内周面(ビード部)に径方向内側から内周側ローラー1431が当接されて芯出しされつつタイヤTが回転可能に支持される。
即ち、タイヤTの下面(サイドウォール部)が下面側ローラー1432により常に支持されているので、支持機構1400によりタイヤTを支持する支持動作において、タイヤTの傾きを低減した状態で支持できると共に、駆動機構1500によりタイヤTを回転させる回転動作において、タイヤTを安定した姿勢で回転させることができる。その結果、タイヤTを回転させた際にタイヤTの外面の軌道に変動が生じることを低減できる。よって、タイヤTの外面とバリカン装置1660との距離に変動が生じることを低減して、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去することができる。
トリミング装置1001によれば、昇降手段1450は、複数のローラーユニット1430を同期させて上下方向(矢印U-D方向)に変位させることが可能に構成されるので、複数のローラーユニット1430を上昇させてタイヤTを持ち上げる際に各ローラーユニット1430(下面側ローラー1432)の上昇態様を一致させることができる。よって、持ち上げたタイヤTが傾くことを低減できる。また、拡縮手段1440は、複数のローラーユニット1430を同期させて径方向に変位させることが可能に構成されるので、複数のローラーユニット1430を拡径させる際にタイヤTの内周面(ビード部)に対する各ローラーユニット1430(内周側ローラー1431)の当接態様を一致させることができる。よって、タイヤTが偏心した状態で支持されることを低減できる。
トリミング装置1001によれば、拡縮手段1440は、第1ベース1441と、第1ベース1441に配設され、上下方向(矢印U-D方向)に沿って形成される第1ガイド1442と、第1ガイド1442に案内されて上下方向に変位される第2ベース1443と、第1ベース1441に配設されると共に、径方向に沿って形成され、支持体1433の径方向への変位を案内する複数の径方向ガイド1444と、第2ベース1443に駆動力を付与して第2ベース1443を第1ベース1441に対して変位させる拡縮用アクチュエータ1445と、第2ベース1443の変位を複数の支持体1433に伝達する伝達手段1460と、を備えるので、拡縮用アクチュエータ1445の駆動力により第2ベース1443が第1ベース1441に対して変位されると、その第2ベース1443の変位が伝達手段1460により複数の支持体1433のそれぞれに伝達され、各支持体1433がそれぞれ径方向に変位(拡縮)される。よって、複数のローラーユニット1430の径方向への変位を同期させることができる。
昇降手段1450は、上下方向(矢印U-D方向)に沿って形成され第1ベース1441の上下方向への変位を案内する上下方向ガイド1451と、第1ベース1441に駆動力を付与して第1ベース1441を床BPに対して変位させる昇降用アクチュエータ1452と、を備えるので、昇降用アクチュエータ1452の駆動力により第1ベース1441が床BPに対して変位されると、その第1ベース1441の変位と共に複数のローラーユニット1430もそれぞれ上下方向に変位(昇降)される。よって、複数のローラーユニット1430の上下方向への変位を同期させることができる。
また、拡縮手段1440は、第2ベース1443を第1ベース1441に対して変位させることで、複数のローラーユニット1430を径方向に変位(拡縮)させ、昇降手段1450は、第1ベース1441を床BP(設置台1470)に対して変位させることで、複数のローラーユニット1430を上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)させるので、これら拡縮と昇降との動作において、同期を維持しつつ、それぞれ独立したタイミングで実行することができる。例えば、昇降動作と拡縮動作とを同時に実行する態様では、タイヤTの支持やその支持の解除に要する時間を短縮することができる。また、例えば、昇降動作が完了してから拡縮動作を実行する態様では、支持する際のタイヤTの揺れや振動を低減して、タイヤを安定した姿勢で支持することができる。
トリミング装置1001によれば、下面側ローラー1432は、球体により構成され、支持体1433に転動自在に保持されるので、当接されたタイヤTの下面(サイドウォール部)に対し、径方向および周方向のどちらの方向への移動も許容することができる。
よって、内周側ローラー1431によりタイヤTの内周面(ビード部)を支持するために、ローラーユニット1430を径方向外側へ変位させる際には、タイヤTの下面(サイドウォール部)と下面側ローラー1432との間の抵抗を低減して、サイドウォール部が損傷することを低減できる。また、タイヤTの下面(サイドウォール部)と下面側ローラー1432との間の抵抗によるタイヤの揺れや振動を低減して、傾斜した状態でタイヤTが支持されることを低減できる。
また、駆動機構1500の駆動力によりタイヤTを回転させる際には、タイヤTを円滑に回転させることができるので、タイヤTの外面の軌道に変動が生じることを低減できる。その結果、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去することができる。
トリミング装置1001によれば、タイヤTの搬送経路を形成する複数の搬送装置1100を備え、支持機構1400は、対向して配設される一対を一組とするローラーユニット1430が位相を90度異ならせて二組配設され、一方の組が搬送経路の搬送方向(前後方向(矢印F―B方向))に沿って配設され、他方の組が搬送経路の搬送方向に直交する方向(左右方向(矢印L-R方向)に沿って配設されるので、支持機構1400を配設するための空間を複数の第1搬送装置1100b(ローラーコンベア1120)の隣接空間を利用して確保することができる。
即ち、搬送方向(前後方向(矢印F―B方向))に沿って並ぶ第1搬送装置1100b(ローラーコンベア1120)の列を搬送方向と直交する方向(左右方向(矢印L-R方向)に並設して2列とすることで、搬送方向に沿って並ぶ第1搬送装置1100bどうしの間の隣接空間と、搬送方向と直交する方向に並設される第1搬送装置1100bどうしの間の隣接空間とを利用して、支持機構1400のローラーユニット1430を配設するための空間(ローラーユニット1430が昇降および拡縮するための空間)を確保することができる。
トリミング装置1001によれば、駆動機構1500は、タイヤTのトレッド面に当接され、タイヤTに回転駆動力を付与する摩擦車1540を備え、摩擦車1540の軸心Oaが、第1搬送装置1100bの搬送方向に直交する方向(左右方向(矢印L-R方向))に対向する一対の内周側ローラー1431のそれぞれの軸心Ob1,Ob2を結ぶ仮想線上に摩擦車1540の軸心Oaが位置するので、タイヤTのトレッド面に押し付けられた摩擦車1540の外力を内周側ローラー1431により受け止めることができる。よって、タイヤTの変形を低減できるので、タイヤTの外面の軌道に変動が生じることを低減できる。その結果、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリを精度良く除去できる。
また、第1搬送装置1100bの搬送方向に直交する方向(左右方向(矢印L-R方向))に対向する一対の内周側ローラー1431のそれぞれの軸心Ob1,Ob2を結ぶ仮想線上に摩擦車1540の軸心Oaが位置するように構成されるので、第1搬送装置1100bの側方(搬送方向と直交する方向側)に駆動機構1500を配設できる。よって、駆動機構1500を配設するためのスペースを確保し易くできる。
トリミング装置1001によれば、搬送装置1100は、処理が必要とされるタイヤTの搬送経路(バリ取り経路)および処理が不要とされるタイヤTの搬送経路(スルー経路)を形成する上流側搬送装置1100aと、上流側搬送装置1100aから分岐され、バリ取り経路を形成する第1搬送装置1100bと、上流側搬送装置1100aから分岐され、スルー経路を形成する第2搬送装置1100cと、を備えるので、処理が不要とされるタイヤTは支持機構1400に搬送されず、処理が必要とされるタイヤTのみが支持機構1400へ搬送されるように構成することができる。よって、処理が不要とされるタイヤTの支持機構1400の通過を待機する必要がないので、その分、能率を高めることができる。
第1搬送装置1100bにより形成される搬送経路(バリ取り経路)と第2搬送装置1100cにより形成される搬送経路(スルー経路)とは、下流側において合流され、第1搬送装置1100bと第2搬送装置1100cとに囲まれた領域にバリカン変位機構1600が配設されるので、作業者の侵入を規制するための柵をバリカン変位機構1600の周囲に別途設けることを不要とできる。即ち、第1搬送装置1100b及び第2搬送装置1100cに、タイヤTの搬送経路を形成する搬送装置としての役割と、作業者の侵入を規制するための柵としての役割とを兼用させることができる。
また、この場合、第1搬送装置1100bにより形成される搬送経路(バリ取り経路)と第2搬送装置1100cにより形成される搬送経路(スルー経路)とは、下流側において合流されるので、バリカン変位機構1600の周囲を連続的に囲むことができる。併せて、第1搬送装置1100bにより形成されるバリ取り経路と第2搬送装置1100cにより形成されるスルー経路とが下流側において並設される場合と比較して、搬送装置の数を低減できる。
トリミング装置1001によれば、第1搬送装置1100bにより形成される搬送経路(バリ取り経路)が第2搬送装置1100cにより形成される搬送経路(スルー経路)よりも長くされるので、第1搬送装置1100bにより形成される搬送経路に保留できるタイヤTの本数を多くできる。
よって、例えば、処理が必要とされるタイヤTの前工程からの供給が滞った場合でも、第1搬送装置1100b(バリ取り経路)に保留されているタイヤTの分、処理を継続することができる。
また、例えば、第1搬送装置1100b(バリ取り経路)に保留できるタイヤTの本数を多くできることで、その分、かかる第1搬送装置1100b(バリ取り経路)に保留されているタイヤTが第2搬送装置1100c(スルー経路)の分岐部分まで到達し難くできる。よって、上流側搬送装置1100a(搬送経路)から第2搬送装置1100c(スルー経路)へのタイヤTの搬送を一時的に停止する必要が生じることを低減できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。同様に、各構成の配設数は任意である。例えば、1の支持機構400,1400において、内周側ローラー431,1431の配設数は、1個でも良く、複数(2個以上)でも良い。同様に、下面側ローラー432,1432の配設数は、1個でも良く、複数(2個以上)でも良い。
上記各実施形態では、支持機構400,1400のアクチュエータとしてエアシリンダを使用する場合を説明したが、他のアクチュエータを使用しても良い。他のアクチュエータとしては、例えば、油圧シリンダー、単軸ロボットなどが例示される。
上記各実施形態では、支持機構400,1400は、各ローラーユニット430,1430ごとに内周側ローラー431,1431及び下面側ローラー432,1432が一体に動作される場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。内周側ローラー431,1431及び下面側ローラー432,1432のそれぞれが別々に動作するものでも良い。この場合、内周側ローラー431,1431が配設される支持体と、その支持体とは別の下面側ローラー432,1432が配設される支持体とを設ける。その別々の支持体には、さらに別々の昇降動作を行うアクチュエータが設ける。これらの構成により、内周側ローラー431,1431が昇降するタイミングと、下面側ローラー432,1432が昇降するタイミングとを別々にできる。
第1実施形態では、複数の支持機構400の動作(昇降動作および拡縮動作)が同期される場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。複数の支持機構400の動作が別々に行われるものでも良い。
上記各実施形態では、摩擦車540,1540の張出位置は、タイヤTの種類に応じて(即ち、動作情報メモリ712aの内容に基づいて)、制御されたが、これに加えて又はこれに代えて、摩擦車540,1540のタイヤTとの接触圧を検出するセンサを設け、接触圧が一定となるように、摩擦車540,1540の張出位置を調整(制御)しても良い。摩擦車540,1540の接触によるタイヤTの変形量のばらつきを抑制して、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリの除去精度を高めることができる。
上記各実施形態では、摩擦車540,1540の回転方向についての説明を省略したが、その回転方向は任意に設定できる。なお、上記各実施形態では、図2又は図14の平面視において、摩擦車540,1540が反時計回りに回転され、タイヤTが時計回りに回転される。この場合には、タイヤTの摩擦車540,1540が接触されていた部分がバリカン装置660,1660に到達するまでの時間(周方向距離)を長くできるので、バリカン装置660,1660に到達するまでの間に、摩擦車540,1540が接触されていた部分の変形を収束させて、タイヤTのスピュー(ひげ)やバリの除去精度を高めることができる。
上記各実施形態では、駆動機構500,1500及びバリカン変位機構600,1600が搬送装置100,1100を挟んで向い合せに配設される場合を説明したが、これら駆動機構500,1500及びバリカン変位機構600,1600を搬送装置100,1100の同じ側(矢印L方向側または矢印R方向側)に並設させても良い。
第2実施形態では、第1搬送装置1100bにより形成される搬送経路(バリ取り経路)が第2搬送装置1100cにより形成される搬送経路(スルー経路)から分岐して、支持位置でタイヤTのバリ取り動作を行った後、下流側で合流する場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。第1搬送装置1100bにより形成される搬送経路(バリ取り経路)と第2搬送装置1100cにより形成される搬送経路(スルー経路)とが合流しないものでも良い。この場合、第1搬送装置1100bにより形成される搬送経路(バリ取り経路)に搬送されたタイヤTと、第2搬送装置1100cにより形成される搬送経路(スルー経路)に搬送されたタイヤTとをそれぞれ異なる工程に流すことができる。
第2実施形態では、第1搬送装置1100b及び第2搬送装置1100cに囲まれた領域にバリカン変位機構1600が配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。バリカン変位機構1600と駆動機構1500とが配設される位置を変えても良い。また、第1搬送装置1100b及び第2搬送装置1100cに囲まれた領域にバリカン変位機構1600に加え、駆動機構1500を配設しても良い。この場合、駆動機構1500及びバリカン変位機構1600が第1搬送装置1100b及び第2搬送装置1100cの外側に存在しないから、トリミング装置1001に使用するスペースを小さくできる。
第2実施形態では、判定手段1140がカメラを備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。判定手段1140は、非接触式のセンサ、又は、接触式のセンサを備えるものでも良い。この場合、判定手段1140の処理手段は、カメラによって撮影される画像の代わりに、非接触式のセンサ、又は、接触式のセンサによって取得されるデータを処理し、振分判定を行う。
第2実施形態では、昇降板1230は、平面視において、昇降板1230が配置されるローラーコンベア1110のローラーの回転軸に平行な回転軸方向(左右方向(矢印L-R方向))に延びる板である場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。昇降板1230は、バリ取り経路の中心線CLを対称軸として線対称の形状であって、平面視において、回転軸方向の両端から中央に向かうにつれ、タイヤTが処理(バリ取り)される処理位置(支持位置)に向かって屈曲する、略V字状に形成されても良い。この場合、昇降板1230によって保留されるタイヤTは、その中心が搬送経路の中心線CLに位置するようにセンタリングされる。
第2実施形態では、支持機構1400の拡縮手段1440と昇降手段1450とによって、上昇動作(昇降動作)および拡径動作(拡縮動作)が同時に行われる場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。拡縮動作および昇降動作が別々、又は、一部同時かつ一部別々に行われても良い。例えば、タイヤTが支持位置まで搬送されると、上昇動作のみが先に行われ、タイヤTのバリ取りを行う処理位置まで上昇した後、拡径動作が行われても良い。この場合、上昇動作によるタイヤTの振動が低減され、タイヤTの姿勢を水平に保った状態で内周側ローラー1431をタイヤTの内周面に当接させることができる。よって、タイヤTの傾きが発生し難くできる。
また、例えば、昇降手段1450によってローラーユニット1430を上昇させ、タイヤTを所定量(少なくともタイヤTの下面全体が搬送面から離れるまでの量)上昇させた後、拡縮手段1440によってローラーユニット1430の拡径を開始させても良い。この場合、先に処理位置まで上昇動作を行い、その後に拡径動作を行う場合と比較して、タクトタイムを短くできる。
第2実施形態では、拡縮用アクチュエータ1445が、第1ベース1441に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。拡縮用アクチュエータ1445は、設置台1470に配設されても良い。拡縮用アクチュエータ1445は設置台1470によって支持されるので、第1ベース1441によって拡縮用アクチュエータ1445の重量を支持する必要をなくすことができる。よって、拡縮用アクチュエータ1445が第1ベース1441に配設される場合と比較して、第1ベース1441を昇降させる昇降用アクチュエータ1452に必要とされる出力を低減できる。
また、この場合、拡縮用アクチュエータ1445のラック1445aの長さは、第2ベース1443を昇降させるストローク分に加え、昇降用アクチュエータ1452が第1ベース1441を昇降させるストローク分だけ長くされる。さらに、昇降用アクチュエータ1452によって、支持機構1400の昇降動作を行う間は、拡縮用アクチュエータ1445のラック1445aがピニオンギアにかみ合わないように構成されるか、ピニオンギアを回転駆動させるモーターを非通電状態とされるように構成される。
第2実施形態では、伝達手段1460の揺動体1461は、第1ベース1441に軸支される場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。伝達手段1460の揺動体1461は、径方向ガイド1444に軸支されても良い。
第2実施形態では、平面視において、駆動機構1500の摩擦車1540の軸心Oaが、第1搬送装置1100bの搬送方向に直交する方向(左右方向(矢印L-R方向))に対向する一対の内周側ローラー1431の軸心Ob1,Ob2を結ぶ仮想線上に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。摩擦車1540の軸心Oaは、第1搬送装置1100bの搬送方向(矢印F-B方向)に対向する一対の内周側ローラー1431の軸心を結ぶ仮想線上に配置されても良い。この場合、タイヤTを駆動させるときの摩擦車1540は、上流側(後方側(矢印B方向側))に位置することが好ましい。タイヤTのバリ取り動作が完了後、タイヤTを下流側(前方側(矢印F方向側))に搬送する際に、摩擦車1540が退避するまでの時間を短縮できるからである。
1,1001 トリミング装置
100,1100 搬送装置
400,1400 支持機構
430,1430 ローラーユニット
431,1431 内周側ローラー
432,1432 下面側ローラー
433,1433 支持体(ローラーベース)
500,1500 駆動機構
540,1540 摩擦車
600,1600 バリカン変位機構
660,1660 バリカン装置
1100a 上流側搬送装置
1100b 第1搬送装置
1100c 第2搬送装置
1440 拡縮手段
1441 第1ベース
1442 第1ガイド
1443 第2ベース
1444 径方向ガイド
1445 拡縮用アクチュエータ
1450 昇降手段
1451 上下方向ガイド
1452 昇降用アクチュエータ
1460 伝達手段
BP 床(設置面)

Claims (10)

  1. タイヤを回転可能に支持する支持機構と、
    その支持機構により回転可能に支持されたタイヤに回転駆動力を付与して回転させる駆動機構と、
    その駆動機構により付与された回転駆動力により回転されるタイヤに対しバリカン装置を変位させるバリカン変位機構と、を備え、
    タイヤは、両側のサイドウォール部の内の一方のサイドウォール部を下方へ向けた横姿勢で前記支持機構に支持され、
    前記支持機構は、
    タイヤのビード部に径方向内側から当接されると共に回転可能に構成される複数の内周側ローラーと、
    タイヤの一方のサイドウォール部に下方から当接されると共に回転可能に構成される複数の下面側ローラーと、を備えることを特徴とするトリミング装置。
  2. 前記支持機構は、
    前記内周側ローラーと、前記下面側ローラーと、前記内周側ローラー及び前記下面側ローラーが回転可能に配設されるローラーベースとを有する複数のローラーユニットと、
    複数の前記ローラーユニットを上下方向に変位させる昇降手段と、
    複数の前記ローラーユニットを径方向に変位させる拡縮手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載のトリミング装置。
  3. 前記昇降手段は、複数の前記ローラーユニットを同期させて上下方向に変位させることが可能に構成され、
    前記拡縮手段は、複数の前記ローラーユニットを同期させて径方向に変位させることが可能に構成されることを特徴とする請求項2記載のトリミング装置。
  4. 前記拡縮手段は、
    第1ベースと、
    前記第1ベースに配設され、上下方向に沿って形成される第1ガイドと、
    前記第1ガイドに案内されて上下方向に変位される第2ベースと、
    前記第1ベースに配設されると共に、径方向に沿って形成され、前記ローラーベースの径方向への変位を案内する複数の径方向ガイドと、
    前記第2ベースに駆動力を付与して前記第2ベースを前記第1ベースに対して変位させる拡縮用アクチュエータと、
    前記第2ベースの変位を複数の前記ローラーベースに伝達する伝達手段と、を備え、
    前記昇降手段は、
    設置面に配設されると共に、上下方向に沿って形成され、前記第1ベースの上下方向への変位を案内する上下方向ガイドと、
    前記第1ベースに駆動力を付与して前記第1ベースを前記設置面に対して変位させる昇降用アクチュエータと、を備えることを特徴とする請求項3記載のトリミング装置。
  5. 設置面に配設される設置台を備え、
    前記拡縮用アクチュエータは、前記設置台に配設されることを特徴とする請求項4記載のトリミング装置。
  6. 前記下面側ローラーは、球体により構成され、前記ローラーベースに転動自在に保持されることを特徴とする請求項5記載のトリミング装置。
  7. タイヤの搬送経路を形成する複数の搬送装置を備え、
    前記支持機構は、対向して配設される一対を一組とする前記ローラーユニットが位相を90度異ならせて二組配設され、一方の組が前記搬送経路の搬送方向に沿って配設され、他方の組が前記搬送経路の搬送方向に直交する方向に沿って配設されることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のトリミング装置。
  8. 前記駆動機構は、タイヤのトレッド面に当接され、タイヤに回転駆動力を付与する摩擦車を備え、前記他方の組における前記ローラーユニットの前記内周側ローラーのそれぞれの軸心を結ぶ仮想線上に前記摩擦車の軸心が位置することを特徴とする請求項7記載のトリミング装置。
  9. 前記搬送装置は、
    処理が必要とされるタイヤの搬送経路および処理が不要とされるタイヤの搬送経路を形成する上流側搬送装置と、
    前記上流側搬送装置から分岐され、前記処理が必要とされるタイヤの搬送経路を形成する第1搬送装置と、
    前記上流側搬送装置から分岐され、前記処理が不要とされるタイヤの搬送経路を形成する第2搬送装置と、を備え、
    前記第1搬送装置により形成される搬送経路と前記第2搬送装置により形成される搬送経路とは、下流側において合流され、
    前記第1搬送装置と前記第2搬送装置とに囲まれた領域に前記バリカン変位機構が配設されることを特徴とする請求項8記載のトリミング装置。
  10. 前記第1搬送装置により形成される搬送経路が前記第2搬送装置により形成される搬送経路よりも長くされることを特徴とする請求項9記載のトリミング装置。

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