JP2023083121A - 樹脂組成物、及び、これを用いたカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、金属張積層板またはプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、及び、これを用いたカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、金属張積層板またはプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】2次加工時のレジンフロー特性に優れたカバーレイ、接着剤シート及びそれを用いた回路基板を提供する。【解決手段】積層基板の接着層に用いられる樹脂組成物であって、完全に硬化した状態であって25μm厚のシート状にしたものを、その両面から同形状の125μm厚のポリイミドフィルムで挟み込んで積層体を形成し、この積層体を打ち抜いて円盤状の試験体を作成し、該試験体に160℃、2MPa、30分の条件下で厚み方向から加熱プレスをした場合における、前記試験体の外周から外側へ流出した樹脂の最大長さ(すなわち、2次レジンフロー量)の平均値が0.15mm未満であることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、及び、これを用いたカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、金属張積層板またはプリント配線板に関する。
近年、電子機器の小型化及び高密度化に伴い、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板(FPC)が多用されている。通常、FPCはポリイミドなどの絶縁性フィルムと銅箔を積層したフレキシブル銅張積層板(FCCL)を材料として用いる。FCCLの銅箔をエッチングして回路や配線を形成し、可撓性を有する絶縁性フィルムと接着剤層を積層したカバーレイフィルム(CL)により被覆保護することで製造されている。また、回路形成したFCCLに対し可撓性を有する接着剤シート(BS)と別のFCCLを積層することで多層構造とする場合もある。
CLやBSに用いられる接着剤には、絶縁層や銅箔に対する密着性や実装工程に耐えうる耐熱性、長期的な絶縁信頼性の他、製造時の加工性にも優れた材料である必要がある。特に、加熱プレスにより接着および硬化を行う際の接着剤の流れ出し(レジンフロー)特性は、端子やランド・パット部などの開口部分の接続信頼性に関わるため、非常に重要な特性である。
これらの特性を満足するために、様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1では、エラストマーとして、カルボキシ化エチレン-アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド-カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合量を制御することが提案されている。特許文献2では、リン含有フェノキシ樹脂の使用が提案されている。特許文献3では、ポリイミドシロキサン樹脂の使用が提案されている。特許文献4では、イミドオリゴマーの使用が提案されている。また、特許文献5では、レジンフロー特性の異なる2層以上の接着剤を積層することが提案されている。
特許第4738859号公報 特開2011-219590号公報 特開2013-224428号公報 特開2019-81893号公報 特許第4855291号公報
しかしながら、特許文献1~5に記載の手法では、CLやBSの加熱プレス(1次加工)時のレジンフローは制御できるものの、その後に続く補強板加工やシールドフィルム加工などの加熱プレス(2次加工)時のレジンフローに関しては、何ら検討されていない。
2次加工時に既に積層されているCLやBSのレジンフローが生じた場合、端子やランド・パット部などの開口部分が接着剤で被覆されることで絶縁される、基板端部から流れ出した接着剤が脱離し、工程汚染するなどの問題が生じる。
そこで、本特許は、2次加工時のレジンフロー特性に優れたカバーレイ、接着剤シート及びそれを用いた回路基板を提供することが目的である。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は、樹脂組成物の硬化物が特定の粘弾性特性を満たすことにより、2次加工時のレジンフロー特性に優れた接着剤層とすることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]積層基板の接着層に用いられる樹脂組成物であって、完全に硬化した状態であって25μm厚のシート状にしたものを、その両面から同形状の125μm厚のポリイミドフィルムで挟み込んで積層体を形成し、この積層体を打ち抜いて円盤状の試験体を作成し、該試験体に160℃、2MPa、30分の条件下で厚み方向から加熱プレスをした場合における、前記試験体の外周から外側へ流出した樹脂の最大長さ(すなわち、2次レジンフロー量)の平均値が0.15mm未満であることを特徴とする樹脂組成物。
[2]積層基板の接着剤層に用いられる樹脂組成物であって、完全に硬化した状態での180℃での動的粘弾性測定において、測定開始5分後の損失正接(tanδ)の値をT1、測定開始10分後の損失正接の値をT2、測定開始15分後の損失正接の値をT3としたとき、T1、T2、T3の何れも0.2以下である樹脂組成物。
[3]変性ポリプロピレン系樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有し、
前記変性ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量が50質量%以上であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]完全に硬化した状態での測定周波数10GHzにおける誘電率が3.0以下、誘電正接が0.01以下である[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記エポキシ樹脂(B)の含有量が1質量部以上20質量%以下である[3]に記載の樹脂組成物。
[6]前記変性ポリプロピレン系樹脂(A)が、カルボン酸化合物またはその誘導体の少なくとも1種により変性された樹脂であり、その酸価が5mgKOH/g以上である[3]に記載の樹脂組成物。
[7]第三級アミン系硬化促進剤、第三級アミン塩系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤から選択される1種以上の硬化促進剤が非添加である、[1]~[6]の何れかに記載の樹脂組成物。
[8]有機樹脂基材同士、金属基材同士又は有機樹脂基材と金属基材との接着に用いられる[1]~[7]の何れかに記載の樹脂組成物。
[9]半硬化した状態のものであって、25μm厚のシート状にしたものを、50μm厚のポリイミドシートと積層させ、その厚み方向に1.0mmφの開口部を設けた積層体を試験体とし、該試験体を35μm厚の電解銅箔上に前記ポリイミドシートが外側を向くように積層した状態で、180℃、2.7MPaの条件で、60分間加熱プレスした後に、前記開口部の内側に流出した樹脂の最大長さの平均値が0.2mm未満である[1]~[8]の何れかに記載の樹脂組成物。
[10]上記[1]~[9]の何れか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された接着剤層と、該接着剤層の少なくとも一方の面に接する基材とを備え、該基材が樹脂基材、離型樹脂基材、紙基材、離型紙基材、金属基材の何れかである積層体。
[11][10]に記載の積層体を含むカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、または金属張積層板。
[12][10]に記載の積層体または[11]に記載のカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、または金属張積層板を備えたプリント配線板。
[13][12]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
本発明によれば、補強板加工やシールドフィルム加工などの加熱プレス(2次加工)時のレジンフロー特性に優れたカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、金属張積層板、またはプリント配線板、並びに前記のプリント配線板を備える半導体装置を提供できる。
以下、本発明について、実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
1.樹脂組成物
本実施形態に係る樹脂組成物は変性ポリプロピレン系樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)からなるものである。以下、樹脂組成物の構成成分に関して説明する。なお、本実施形態において樹脂組成物とは、前述した成分を有機溶剤等の溶媒に溶解又は懸濁させたスラリーを、離型紙等の基材上に塗布して乾燥させた状態(加熱前)のものである。
<変性ポリプロピレン系樹脂(A)>
本発明で用いる、変性ポリプロピレン系樹脂とは、ポリプロピレン系樹脂が有機官能基またはその誘導体を含む化合物の少なくとも1種によって変性された樹脂である。有機官能基の具体例としては、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリル基などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシ基が好ましい。ポリプロピレン系樹脂とは、モノマーとしてプロピレンを含む重合体であり、プロピレンの単独重合体、もしくは、その他モノマーとの共重合体、および得られた重合体の水素化物やハロゲン化物などを含む。特にオレフィン系モノマーとの共重合体、及びその水素化物であることが好ましい。
カルボキシ基またはその誘導体を含む化合物としては、例えば、α,β-不飽和カルボン酸である、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。変性の方法としては、変性ポリプロピレン系樹脂の重合時に、カルボン酸化合物またはその誘導体をモノマーとして添加し、共重合体とする方法、未変性のポリプロピレン系樹脂に対し、カルボン酸化合物またはその誘導体をグラフト化させる方法などが挙げられる。
変性ポリプロピレン系樹脂の酸価は、耐熱性および有機樹脂基材や金属基材との接着性、及びレジンフロー特性の観点から、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがより好ましい。
変性ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、20,000以上180,000以下の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が20,000以上であると、凝集力が強くなり接着性に優れるため好ましい。また、接着剤を被着体に接着・硬化させる加熱プレス(1次加工)時のレジンフロー特性についても向上させることができる。また、重量平均分子量が180,000以下とすることで、流動性を高め、加熱プレス時の回路埋め込み性の向上や、濡れ性向上による接着性の向上が望めるため好ましい。また、有機溶剤への溶解性が向上するため、ワニス化時の作業性の悪化を抑えることができる。
このような変性ポリプロピレン系樹脂は市販されており、中でも酸変性ポリプロピレン系樹脂として、三井化学(株)製「アドマー(登録商標)」シリーズ、「ユニストール(登録商標)」シリーズ、日本製紙(株)製「アウローレン(登録商標)」シリーズの「150A」、「200S」、「200T」、「350S」、「AE201」、「AE301」、ダウ・ケミカル(株)製「フサボンド(登録商標)」シリーズの「P353」、「P613」、「E226」、「A560」、三洋化成工業(株)製「ユーメックス(登録商標)」シリーズ、三菱ケミカル(株)製「モディック(登録商標)」シリーズのPタイプ、東洋紡(株)製「トーヨータック(登録商標)」シリーズの「M-100」、「M-300」、「M-310」、「PMA H1000A」、「PMA H1100A」、「PMA H3000A」、「PMA-T」、「PMA-F2」、「PMA-L」;「ハードレン(登録商標)」シリーズの「TD-15B」、「NS-2002」、「NS-2104」;「MS-003K」、「MS-003JD」、「SW-2420」、星光PMC(株)製「ハイロス-X(登録商標)」シリーズの「PL-2051」、「PL-2291」、「QL-2251」、「RL-2027」、「RL-2047」、理研ビタミン(株)製「リケエイド(登録商標)」シリーズの「MG-250P」、「MG-400P」、「MG-670P」等を使用することができる。
本発明の樹脂組成物における変性ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量は、樹脂組成物から溶媒を完全に揮発させた場合に残留する固形物(固形分)100質量部に対して、好ましくは50質量部以上(本実施形態に係る樹脂組成物は溶媒を実質的に含まないために、樹脂組成物中の含有量が50質量%以上とも言える。)である。より好ましくは前記固形分100質量部に対して65質量部以上である。変性ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量が前記固形分100質量部に対して50質量部以上であることによって、補強板加工やシールドフィルム加工などの加熱プレス(2次加工)時のレジンフロー特性を向上させて、開口部分や基板端部から樹脂の流れ出しをできるだけ小さく抑えることができるため好ましい。樹脂組成物の前記固形物100質量部に対して、変性ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量の上限値は、好ましくは99質量部以下であり、95質量部以下であってもよいし、90質量部以下であるものとしても良い。
<エポキシ樹脂(B)>
エポキシ樹脂は、変性ポリプロピレン系樹脂(A)中のカルボキシ基や酸無水物基と反応し、三次元的な架橋構造を形成することで、被着体に対する優れた密着性や実装工程に耐えうる高い耐熱性、長期的な絶縁信頼性を発現可能とする。
本発明で用いるエポキシ樹脂(B)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する物であれば、特に限定されない。具体的には、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステス型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなエポキシ樹脂は市販されており、DIC(株)製「HP-4032」、「HP-4032H」、「HP-4032D」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4770」(ナフタレン型2官能エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「HP-5000」、「HP-9900」(ナフタレン骨格変性多官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200L」、「HP-7200H」、「HP-7200HH」、「HP-7200HHH」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA-1514」(ビスフェノールS型エポキシ樹脂)、「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP-6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC-7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC-3000H」、「NC-3000」、「NC-3000L」、「NC-3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製「ESN4 75V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製「PG-100」、「CG-500」、三菱化学(株)製「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)、ダイセル(株)製「エポリードPB-3600」、「エポリードPB-4700」(エポキシ化ポリブタジエン)、三菱ケミカル(株)製「jER YX7760」(フッ素含有エポキシ樹脂)等を使用することができる。
エポキシ樹脂(B)は、誘電特性の観点から飽和炭化水素骨格を有するエポキシ樹脂が好ましく、具体的には、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ化ポリオレフィン等の非脂環式エポキシ樹脂を用いることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(B)の含有量は、好ましくは前記固形分100質量部に対して1質量部以上20質量部以下である。より好ましくは前記固形分100質量部に対して5質量部以上20質量部以下である。エポキシ樹脂(B)の含有量をこの範囲とすることによって、十分な架橋密度を維持し、密着性や耐熱性の低下を抑えることができるため好ましい。また、誘電特性への影響を抑えることもできる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、前述した変性ポリプロピレン系樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とからなるものであるため、以下に述べる各成分については必須の構成要素ではないが、用途などに応じて適宜添加することもできる。
<硬化促進剤>
硬化促進剤とは、変性ポリプロピレン系樹脂とエポキシ樹脂との反応を触媒・促進する作用を有する化合物のことである。具体的には、第三級アミン系硬化促進剤、第三級アミン塩系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤などが挙げられる。これらの化合物は、エポキシ基に対して求核剤として働き、双性イオン型の活性種を生成することにより、硬化反応を促進する。エポキシ樹脂組成物においては、古くから反応性制御に用いられ、接着性や耐熱性などの硬化物性が向上する例も多く報告されている。
しかしながら、変性ポリプロピレン系樹脂とエポキシ樹脂との反応においては、硬化促進剤が存在せずとも十分な反応速度が得られる。そのため、硬化促進剤は必須の構成要素ではないが、反応速度をさらに向上させる必要がある場合には添加するものとしてもよい。ただし、硬化促進剤を所定量以上添加した場合、ワニス化又はスラリー化した際のポットライフ低下や本実施形態記載の樹脂組成物を用いてカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔などの形態における半硬化(Bステージ)状の接着剤層を形成した際の製品ライフ低下を引き起こす場合がある。したがって、本発明においては、硬化促進剤の含有量をポットライフや製品ライフの低下を引き起こす量以下とすることが好ましく、硬化促進剤を非添加とすることがより好ましい。
<(ポリ)カルボジイミド樹脂>
(ポリ)カルボジイミド樹脂とは、カルボジイミド結合を有するポリマーの総称である。(ポリ)カルボジイミド樹脂は、カルボジイミド基がベース樹脂のヒドロキシ基やアミノ基、カルボキシ基などの官能基と反応し、樹脂組成物と基材間の相互作用を高めることで、接着性が向上することが知られている。
このような(ポリ)カルボジイミド樹脂は市販されており、日清紡ケミカル(株)製「カルボジライト(登録商標)」シリーズが挙げられる。
(ポリ)カルボジイミド樹脂の製造法としては、ジイソシアネート化合物、もしくは、多官能イソシアネート化合物を触媒存在下、重縮合して製造する方法が一般的である。この製造法の都合上、未反応のイソシアネート基が数%残る場合が多い。イソシアネート基は非常に反応性が高く、変性ポリプロピレン系樹脂やエポキシ樹脂と反応しうるため、硬化促進剤と同様にライフ特性の低下を生じる場合がある。したがって、本実施形態においては、(ポリ)カルボジイミド樹脂の含有量は製品ライフ低下を引き起こす量以下とすることが好ましく、(ポリ)カルボジイミド樹脂を非添加とすることがより好ましい。
製品ライフ低下を引き起こす量以下とは、前記固形分100質量部に対して、0質量部を超えて0.4質量部以下であることが好ましく、0.3質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以下であることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前述した以外にも、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、難燃剤、硬化剤、カップリング剤、熱老化防止剤、レベリング剤、消泡剤、充填剤、顔料、及び有機溶剤等を、樹脂組成物の機能に影響を与えない範囲、例えば、変性ポリプロピレン系樹脂とエポキシ樹脂を除く他の成分の合計が樹脂組成物100質量部に対して49質量部以下、40質量部以下、30質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、5質量部以下、1質量部以下の範囲で含有することができる。
<熱可塑性樹脂>
変性ポリプロピレン系樹脂(A)以外の他の熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、未変性のものでも、官能基変性されたものでもよい。また、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、ポリオレフィン系樹脂は、低誘電特性、かつ、基材への密着性に優れるため、本発明の樹脂組成物への添加に好適である。
このようなポリオレフィン系樹脂は市販されており、旭化成(株)製「タフプレン(登録商標)」シリーズ、「アサプレン(登録商標)T」シリーズ、クレイトンポリマージャパン(株)製「クレイトン(登録商標)D SBS」シリーズ(SBS樹脂)、旭化成(株)製「タフテック(登録商標)H」シリーズ、「タフテック(登録商標)P」シリーズ、クレイトンポリマージャパン(株)製「クレイトン(登録商標)A」シリーズ、製「クレイトン(登録商標)E」シリーズ、「クレイトン(登録商標)G」シリーズ(SEBS樹脂)、旭化成(株)製「タフテック(登録商標)M」シリーズ、クレイトンポリマージャパン(株)製「クレイトン(登録商標)FG」シリーズ(酸変性SEBS樹脂)等が挙げられる。
<粘着付与剤>
上記粘着付与剤としては、例えば、クマロン-インデン樹脂、テルペン樹脂、テルペン-フェノール樹脂、ロジン樹脂、p-t-ブチルフェノール-アセチレン樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、キシレン-ホルムアルデヒド樹脂、石油系炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂、テレピン系樹脂等を挙げることができる。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<難燃剤>
上記難燃剤は、有機系難燃剤及び無機系難燃剤のいずれでもよい。有機系難燃剤としては、例えば、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸グアニジン、ポリリン酸グアニジン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アミドアンモニウム、ポリリン酸アミドアンモニウム、リン酸カルバメート、ポリリン酸カルバメート、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタン等のリン系難燃剤;メラミン、メラム、メラミンシアヌレート等のトリアジン系化合物や、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール化合物、ジアゾ化合物、尿素等の窒素系難燃剤;シリコーン化合物、シラン化合物等のケイ素系難燃剤等が挙げられる。また、無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ニッケル等の金属酸化物;炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ホウ酸亜鉛、水和ガラス等が挙げられる。これらの難燃剤は、2種以上を併用することができる。
<硬化剤>
上記硬化剤としては、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アミン系硬化剤としては、例えば、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のメラミン樹脂、ジシアンジアミド、4,4’-ジフェニルジアミノスルホン等が挙げられる。また、酸無水物としては、芳香族系酸無水物、及び脂肪族系酸無水物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<カップリング剤>
上記カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトシキシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イミダゾールシラン等のシラン系カップリング剤;チタネート系カップリング剤;アルミネート系カップリング剤;ジルコニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<老化防止剤>
上記熱老化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノ-ル系酸化防止剤;ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-ジチオプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤;トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<充填剤>
上記充填剤としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカ、タルク、銅、及び銀等の無機化合物からなる粒子;フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシアルカンなど)、及び各種エラストマー等の有機化合物からなる粒子等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<有機溶剤>
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに有機溶剤を含有することができる。本発明で用いる有機溶剤は、変性ポリプロピレン系樹脂(A)、及びエポキシ樹脂(B)を均一に溶解、もしくは分散させるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロへキサン等の脂環族炭化水素、トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のセルソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノiso-ブチルエーテル、エチレングリコールモノtert-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノiso-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノn-ブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。通常は、作業性の観点より、有機溶剤が使用される。溶解性の観点より、芳香族炭化水素や、脂肪族系炭化水素などの低極性溶剤が特に好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物を形成する場合には、前述した各成分を均一に溶解させた溶液(ワニス)又は分散させたスラリーを調整して、この溶液(ワニス)またはスラリーを基材上に均一に塗布することが好ましい。
そのため、前記溶液(ワニス)またはスラリーは、作業性の観点から、前記固形分100質量部に対して、有機溶媒の含有量が3質量部以上80質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、10質量部以上50質量部以下である。前記固形分100質量部に対する有機溶剤の含有量が80質量%以下であれば、前記溶液(ワニス)またはスラリーの粘度が適度なものとなり、溶液(ワニス)またはスラリーを均一に塗工し易い。前述したように、本実施形態に係る樹脂組成物は、前記溶液(ワニス)またはスラリーを塗布、乾燥して得られるものであるため、乾燥時に有機溶剤がほとんど全て揮発する。その結果、樹脂組成物は実施的に有機溶媒を含有しないものとすることができるが、樹脂組成物が前記溶液(ワニス)またはスラリーに含まれる有機溶剤をわずかに含有するものであってもよい。
2.硬化物
本発明の樹脂組成物を熱硬化させることで、例えば、積層基板の絶縁層又は接着層となる硬化物が得られる。本実施形態においては、前記熱硬化には以下の2段階が含まれる。
樹脂組成物を加熱すると、まず樹脂組成物中の変性ポリプロピレンとエポキシ樹脂との2次元架橋(分子鎖伸長)を形成する共有結合が起こり、半硬化(Bステージ)状態の硬化物が得られる。
この半硬化状態の硬化物をさらに加熱することによって、変性ポリプロピレンとエポキシ樹脂との間、エポキシ樹脂同士の間において3次元架橋(分子鎖間架橋)を形成する共有結合がさらに起こり、架橋構造が形成されて完全に硬化した状態(Cステージ)の硬化物が得られる。
これらBステージとCステージとは、例えば、有機溶媒に浸漬した場合の溶解度等によって見分けることができる。
この熱硬化の条件は特に限定されず、例えば、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物の硬化条件は、硬化温度は80℃~240℃の範囲、好ましくは、120℃~220℃の範囲、より好ましくは、150℃~200℃の範囲、硬化時間は、1分間~240分間、好ましくは、1分間~180分間、より好ましくは、1分間~120分間とすることができる。
また、通常、プリント配線板の絶縁層を形成する方法として加熱プレスが用いられる。プレス圧力条件も特に限定されず、通常採用される条件を使用してよく、例えば、0.5MPa以上5.0MPa以下等の範囲を採用することができる。
本実施形態に係る樹脂組成物を熱硬化させて得られるCステージの硬化物は、180℃での動的粘弾性測定において、測定開始5分後の損失正接(tanδ)の値をT1、測定開始10分後の損失正接の値をT2、測定開始15分後の損失正接の値をT3としたとき、T1、T2、T3の何れも0.2以下の特性を有する。
動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)は、損失係数とも呼ばれ、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の比(G”/G’)で表される。測定時、物体に外力とひずみにより生じたエネルギーのうち物体内部に保存される成分が貯蔵弾性率であり、物体の弾性の指標となる。また、外部へ拡散する成分が損失弾性率であり、物体の粘性の指標となる。すなわち、損失弾性率が大きくなるにしたがって損失正接が大きくなり、逆に、損失弾性率が小さくなるにしたがって損失正接が小さくなる。
損失正接が小さいほど、物体は完全弾性体に近くなる。つまり、外力が与えられた際に流動しづらくなる。本実施形態に係る樹脂組成物によれば、その硬化物が上述のような特定の損失正接を満たすことで、CLやBSの加熱プレス(1次加工)の後に続く補強板加工やシールドフィルム加工などの加熱プレス(2次加工)時のレジンフローを0.15mm未満の範囲に抑制することができる。
また、実施形態に係る樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物は、測定周波数10GHzにおける誘電率が3.0以下、誘電正接が0.01以下の特性を有するものであることが好ましい。従来、基板の伝送信号が高周波化するにつれて、誘電損失による信号劣化(減衰や遅延など)の影響が大きくなることが知られている。すなわち、本実施形態によれば、樹脂組成物の硬化物が上述のような特定の誘電率・誘電正接を満たすことで、高周波基板においても優れた信号伝送特性を発現することができる。
3.積層体
本発明にかかる積層体は、上記に記載の樹脂組成物の硬化物である接着剤層と、該接着剤層の少なくとも一方の面に接する基材とを備え、該基材が有機フィルム、離型処理付き有機フィルム、離型紙、金属箔の何れかであることを特徴とする。本発明の樹脂組成物を定法に従い、溶剤に均一に溶解・分散(ワニス化)した後、基材に塗布し、乾燥させることで接着剤層を有する積層体を得ることができる。通常は、一部分のみ硬化している半硬化(Bステージ)状態で製造されることが多い。得られた積層体に対し、別の基材と貼り合わせることで、接着剤層の両面に基材を備える積層体を得ることができる。積層体は、加熱により完全硬化(Cステージ化)させた状態でもよい。
本発明にかかる積層体に用いられる基材は、本発明の樹脂組成物を塗布、乾燥し接着剤層を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、樹脂基材、離型樹脂基材、紙基材、離型紙基材、金属基材等を挙げることができる。
<樹脂基材>
電気絶縁性、及び、機械強度向上などを目的として、樹脂基材を使用することができる。樹脂基材としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂、及びフッ素系樹脂等を例示することができる。好ましくはフィルム状樹脂である。
<離型樹脂基材>
接着剤層を他の基材に転写して使用するために、離型樹脂基材を使用することができる。離型樹脂基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-α-オレフィン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体等の各種オレフィンフィルム単独、及びポリエチレンテレフタレート等のフィルム上にシリコーン系、フッ素系、アルキド系などの離型剤が塗布されたものが挙げられる。
<紙基材>
電気絶縁性、及び、機械強度向上などを目的として、紙基材を使用することができる。紙基材として上質紙、クラフト紙、ロール紙、グラシン紙等を例示することができる。また複合素材として、ガラスエポキシ等を例示することができる。
<離型紙基材>
接着剤層を他の基材に転写して使用するために、離型紙基材を使用することができる。離型紙基材としては、上記紙基材などの両面に、クレー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの目止剤の塗布層を設け、さらにその各塗布層の上にシリコーン系、フッ素系、アルキド系などの離型剤が塗布されたものが挙げられる。
<金属基材>
金属基材としては、回路基板に使用可能な任意の従来公知の導電性材料が使用可能である。素材としては、SUS、銅、アルミニウム、鉄、スチール、亜鉛、ニッケル等の各種金属、及びそれぞれの合金、めっき品、亜鉛やクロム化合物など他の金属で処理した金属等を例示することができる。好ましくは金属箔であり、より好ましくは銅箔である。金属箔の厚みについては特に限定はないが、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは、3μm以上であり、さらに好ましくは10μm以上である。また、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下ある。厚さが薄すぎる場合には、回路の充分な電気的性能が得られにくい場合があり、一方、厚さが厚すぎる場合には回路作製時の加工能率等が低下する場合がある。金属箔は、通常、ロール状の形態で提供されている。本発明のプリント配線板を製造する際に使用される金属箔の形態は特に限定されない。リボン状の形態の金属箔を用いる場合、その長さは特に限定されない。また、その幅も特に限定されないが、250mm~1000mm程度であるのが好ましい。
4.カバーレイフィルム
本発明におけるカバーレイフィルム(CL)とは、絶縁性に優れる基材上に前述した樹脂組成物で形成されたBステージ状態の接着剤層を有し、基材と接着剤層の解体が困難な積層体である。絶縁性に優れる基材としては、前記樹脂基材を用いることができる。また、接着剤層の保護のために、接着剤層の絶縁性に優れる基材と接していない面上に保護層を積層することができる。保護層としては、離型基材(前記離型樹脂基材または前記離型紙基材)を用いることができる。接着剤層に保護層を積層すると、基材への裏移りを起こすことなく巻き取りが可能になり操業性に優れるとともに、接着剤層が保護されることから保存性に優れ、使用も容易である。
本発明により得られたカバーレイフィルムは保護層を剥離した後、接着剤層を任意の回路基板に面接触させ、加熱プレスすることで絶縁被覆材として機能する。
5.接着剤シート
本発明における接着剤シート(ボンディングシート、BS)とは、離型基材上に前述した樹脂組成物で形成されたBステージ状態の接着剤層を有し、接着剤層の単離が可能な積層体である。接着剤層の保護のために、接着剤層の両面に離型基材を積層することができる。離型基材は接着剤層の保護層として働き、基材への裏移りを起こすことなく巻き取りが可能になり操業性に優れるとともに、接着剤層が保護されることから保存性に優れ、使用も容易である。
本発明により得られた接着剤シートは、一方の離型基材を剥離した後、任意の基材へ接着剤層を転写させた後、他方の離型基材を剥離、任意の基材へ面接着させて、加熱プレスすることで、層間接着剤として機能する。
6.樹脂付き金属箔
本発明における樹脂付き金属箔とは、前記金属基材上に前述した樹脂組成物で形成されたBステージ状態の接着剤層を有し、基材と接着剤層の解体が困難な積層体である。また、接着剤層の保護のために、金属基材と接していない面上に保護層を積層することができる。保護層としては、離型基材を用いることができる。接着剤層に保護層を積層すると、基材への裏移りを起こすことなく巻き取りが可能になり操業性に優れるとともに、接着剤層が保護されることから保存性に優れ、使用も容易である。
本発明により得られた樹脂付き金属箔は、保護層を剥離した後、接着剤層を任意の基材もしくは回路基板に面接触させ、加熱プレスすることで回路形成材として機能する。
7.金属張積層板
本発明における金属張積層板とは、前述した樹脂組成物で形成された接着剤層を介して、金属基材と樹脂基材とが貼り合わされ、一体化している積層体である。接着剤層は一方の基材に塗布、乾燥し、他方の基材と貼り合わせた後、オーブンなどを用いて完全硬化させる。また、樹脂基材の両面に接着剤層と金属基材を積層してもよい。
本発明により得られた金属張積層板は、例えば、プリント配線板用回路形成材として機能する。
8.プリント配線板
本発明におけるプリント配線板とは、導体回路を形成する金属箔と樹脂基材とから形成された積層体を構成要素として含むものである。プリント配線板は、例えば、前述した金属張積層体を用いてサブトラクティブ法などの従来公知の方法により製造される。必要に応じて、金属箔によって形成された導体回路を部分的、或いは全面的にカバーフィルムやスクリーン印刷インキ等を用いて被覆した、いわゆるフレキシブル回路板(FPC)、フラットケーブル、テープオートメーティッドボンディング(TAB)用の回路板などを総称している。
本発明のプリント配線板は、プリント配線板として採用され得る任意の積層構成とすることができる。例えば、樹脂基材層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層の4層から構成されるプリント配線板とすることができる。また例えば、樹脂基材層、接着剤層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層の5層から構成されるプリント配線板とすることができる。
さらに、必要に応じて、上記のプリント配線板を2つもしくは3つ以上積層した構成とすることもできる。
本発明の樹脂組成物を用いて形成された接着剤層は、カバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、金属張積層板はプリント配線板用材料、特に高周波信号伝送用プリント配線板の材料として好適に使用することが可能である。
9.半導体装置
本発明の半導体装置は、前述した本発明に係るプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
[物性評価方法]
(1)ワニスポットライフ
本発明におけるワニスポットライフとは、各材料を配合した後、溶剤を添加、撹拌溶解させた溶液(ワニス)の常温における保管性を指す。表1に示す成分を、表1に示す質量割合で配合した後、固形分20%となるようにトルエンを添加、撹拌溶解させて、実施例1~9、比較例1、2の樹脂組成物(ワニス)を調整した。その後このワニスを密閉容器に移した後、30℃の恒温槽で3日間貯蔵し、貯蔵前と3日貯蔵後のゲル化の程度を判定した。判定はワニス内に薬さじを投入しワニスをすくい上げた際の挙動を下記評価基準に基づいて実施した。
<ワニスポットライフの評価基準>
〇:流動性あり
△:流動性あるものの、粘着性状があり、薬さじに樹脂組成物が付着する
×:固化、流動性なし
(2)1次加工時レジンフロー量
本発明における1次加工時レジンフローとは、接着剤層が半硬化(Bステージ)状態のカバーレイフィルムや接着剤シートと任意の被着体を接着する際の加熱プレス(1次加工)時のレジンフローを指す。後述する厚さ25μm厚の接着剤シートから第一離型基材を剥離し、厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン)と120℃、0.3MPa、1.0m/minの条件でロールラミネートした。この積層体に対し、目視抜きハンドパンチ(株式会社野上技研製)を用いてポリイミドフィルム側から打ち抜き、1.0mmφの開口部を3箇所設けた。この開口部付き積層体から第二離型基材を剥離し、厚さ35μmの電解銅箔(古川電気工業株式会社製、GTS-MP)の光沢面側にレイアップし、180℃、2.7MPa、60分加熱プレスし、接着・完全硬化させることで1次加工時レジンフロー量評価用サンプルを得た。1次加工時レジンフロー量は各開口部の上下左右4カ所ずつについて、開口部の内側に流出した樹脂の最大長さを測長し、平均値を算出した。
<1次加工時レジンフロー量の評価基準>
〇:0.15mm未満
△:0.15mm以上、0.20mm未満
×:0.20mm以上
(3)2次加工時レジンフロー量
本発明における2次加工時レジンフローとは、1次加熱プレス加工を経て完全硬化した接着剤層に対し、補強板加工やシールドフィルム加工などの2次加熱プレス加工時のレジンフローを指す。後述する厚さ25μm厚の接着剤シートから第一離型基材を剥離し、厚さ125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン)と120℃、0.3MPa、1.0m/minの条件でロールラミネートした。この積層体から第二離型基材を剥離し、厚さ125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン)にレイアップ後、180℃、2.7MPa、60分の条件で加熱プレスし、完全硬化積層体を得た。目視抜きハンドパンチ(株式会社野上技研製)を用いて前記完全硬化積層体を打ち抜き、1.0mmφの円盤状サンプルを8枚得た。この円盤状サンプルを用いて、厚さ1.5mmのSUS板/厚さ60μmのOPPフィルム(東レ株式会社製、トレファン)/厚さ38μmのシリコーン系離型PETフィルム(三井化学東セロ株式会社製、SP-PET-O3-BU)/1.0mmφ円盤状サンプル1枚/厚さ38μmのシリコーン系離型PETフィルム(三井化学東セロ株式会社製、SP-PET-O3-BU)/厚さ60μmのOPPフィルム(東レ株式会社製、トレファン)/厚さ1.5mmのSUS板の構成で2次加工想定の加熱プレスを行った。加熱プレスの条件は、160℃、2MPa、30分とした。2次加工時レジンフロー量は2次加工想定の加熱プレス済み円盤状サンプル8枚について、サンプル外周部から流出した樹脂の最大長さを測定し、平均値を算出した。
<2次加工時レジンフロー量の評価基準>
〇:0.10mm未満
△:0.10mm以上、0.15mm未満
×:0.15mm以上
(4)剥離強度(密着性)
後述する厚さ25μm厚の接着剤シートから第一離型基材を剥離し、厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン)と120℃、0.3MPa、1.0m/minの条件でロールラミネートした。この積層体から第二離型基材を剥離し、厚さ35μmの電解銅箔(古川電気工業株式会社製、GTS-MP)の光沢面側にレイアップし、180℃、2.7MPa、60分加熱プレスし、接着・完全硬化させることで剥離強度評価用サンプルを得た。剥離強度は、23℃において、フィルム引き、引張速度50mm/minで90°剥離試験を行ない、剥離強度を測定した。この試験は常温での接着強度を示すものである。
<剥離強度の評価基準>
◎:0.7N/mm以上
○:0.5N/mm以上、0.7N/mm未満
△:0.3N/mm以上、0.5N/mm未満
×:0.3N/mm未満
(5)はんだ耐熱性
後述する厚さ25μm厚の接着剤シートから第一離型基材を剥離し、厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン)もしくは片面フレキシブル銅張積層板(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、エスパネックス、銅箔厚18μm、ポリイミド厚25μm)のポリイミド面側と120℃、0.3MPa、1.0m/minの条件でロールラミネートした。この積層体から第二離型基材を剥離し、厚さ35μmの電解銅箔(古川電気工業株式会社製、GTS-MP)の光沢面側もしくは両面フレキシブル銅張積層板(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、エスパネックス、銅箔厚18μm、ポリイミド厚25μm)にレイアップし、180℃、2.7MPa、60分加熱プレスし、接着・完全硬化させることではんだ耐熱性評価用サンプルを得た。この評価用サンプルから25mm×25mmのサンプル片を作成し、105℃で1時間乾燥処理後、各温度で溶融したはんだ浴に30秒間フロートし、膨れ等の外観不良を生じない温度を測定した。
<はんだ耐熱性の評価基準>
〇:290℃以上
△:260℃以上、290℃未満
×:260℃未満
(6)誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)
後述する厚さ25μm厚の接着剤シート2枚を用いて、それぞれ第一離型基材を剥離し、接着剤層同士を120℃、0.3MPa、1.0m/minの条件でロールラミネートした。この積層体を180℃、2.7MPa、60分加熱プレスし、接着・完全硬化させることで誘電率及び誘電正接評価用サンプルを得た。誘電率及び誘電正接の測定は第二離型基材を剥離し、接着剤シートの硬化物単体で評価した。ベクトルネットワークアナライザ(Rohde & Schwarz GmbH & Co.KG製、ZVB20)と空洞共振器治具(キーコム株式会社製、TMR-10A)を用いて、摂動方式空洞共振器法により周波数10GHzの誘電率及び誘電正接を測定した。
<誘電率の評価基準>
〇:2.5以下
△:2.5を超える、3.0以下
×:3.0を超える
<誘電正接の評価基準>
〇:0.005以下
△:0.005を超える、0.010以下
×:0.010を超える
(7)180℃での動的粘弾性測定
後述する厚さ25μm厚の接着剤シートを用いて、接着剤層の厚さが1.2mmになるように、接着剤層同士を120℃、0.3MPa、1.0m/minの条件でロールラミネートした。この積層体を180℃、2.7MPa、60分加熱プレスし、接着・完全硬化させることで、180℃での動的粘弾性測定評価用サンプルを得た。180℃での動的粘弾性の測定は第二離型基材を剥離し、接着剤シートの硬化物単体で評価した。レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、ARES-G2)を用いて、サンプルを180℃、2分間予熱後、トーションモード、180℃、周波数1Hz、歪み20%にて、時間依存性を20分間測定した。測定開始5分後の損失正接(tanδ)の値をT1、測定開始10分後の損失正接の値をT2、測定開始15分後の損失正接の値をT3とし、3サンプル測定した各値の平均値を算出した。
<180℃での動的粘弾性測定の評価基準>
〇:損失正接が0.1以下
△:損失正接が0.1を超える、0.2以下
×:損失正接が0.2を超える
[樹脂組成物の調整、接着剤シートの作成]
表1に示す成分を、表1に示す質量割合で配合した後、固形分20%となるようにトルエンを添加、撹拌溶解させて、実施例1~9、比較例1、2の樹脂組成物を調整した。
各樹脂組成物を厚さ38μmのシリコーン系離型PETフィルム(三井化学東セロ株式会社製、SP-PET-O3-BU)上に塗布し、120℃で5分間乾燥させて、厚さ25μmの接着剤層(Bステージ状態)を作成した。
接着剤層の乾燥面側に、厚さ50μmのシリコーン系離型PETフィルム(三井化学東セロ株式会社製、SP-PET-O3-BU)を100℃、0.3MPa、1.0m/minの条件でロールラミネートし、接着剤シートを作成した。
ここで、第一離型基材はラミネート基材(厚さ50μmのシリコーン系離型PETフィルム)、第二離型基材は塗工基材(厚さ38μmのシリコーン系離型PETフィルム)である。
Figure 2023083121000001
表1に示す各成分は下記の通りである。
(1)変性ポリプロピレン系樹脂A:酸変性ポリプロピレン系樹脂
(2)エポキシ樹脂B
・エポキシ樹脂B1:エポキシ化ポリブタジエン
・エポキシ樹脂B2:ナフタレン骨格変性多官能エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂B3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂B4:フッ素含有エポキシ樹脂
(3)熱可塑性樹脂C:酸変性SEBS樹脂
(4)カルボジイミド樹脂D
表1の実施例1~9および比較例1、2の比較からわかるように、変性ポリプロピレン系樹脂の含有量が50質量部を下回る場合、1次加工時レジンフロー量、剥離強度、はんだ耐熱性、誘電率、及び、誘電正接は十分な物性が発現するものの、180℃での動的粘弾性測定における損失正接が0.2を上回っているため、2次加工時レジンフロー特性が満足できない。従って、2次加工時レジンフロー特性の観点より、変性ポリプロピレン系樹脂の含有量は50質量部以上であることが好ましいことが分かる。
また、表1の実施例1、5~7からわかるように、エポキシ樹脂の含有量が20質量部を上回る場合、1次加工時レジンフロー量、2次加工時レジンフロー量、剥離強度、はんだ耐熱性、及び、誘電率は十分な物性が発現するものの、誘電正接が悪化する。従って、誘電正接の観点よりエポキシ樹脂の含有量は固形分100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることがより好ましいことが分かる。
さらに、エポキシ樹脂の種類としては、いずれのエポキシ樹脂も使用できるものの、エポキシ樹脂B1を使用した場合が最も損失正接が小さくなっていることから、エポキシ樹脂としては、エポキシ化ポリオレフィン等の非脂環式エポキシ樹脂を用いることがより好ましいことが分かる。
カルボジイミド樹脂の添加量について、カルボジイミド樹脂を添加することによるワニスのポットライフについて0.4質量部であれば十分なポットライフを確保できることが確認されているために、ポットライフの観点からカルボジイミド樹脂の含有量は0.4質量部以下とすることが好ましい。
硬化促進剤の添加について、硬化促進剤を添加しなくても十分な物性が発現することが確認できているために、硬化促進剤の添加は不要であり、コスト削減という観点からも硬化促進剤を非添加とすることが好ましいといえる。
本発明の樹脂組成物は、優れた密着性、耐熱性、絶縁信頼性に加え、補強板加工やシールドフィルム加工などの加熱プレス(2次加工)時のレジンフロー特性が良好である。本発明の樹脂組成物を用いて作成されるカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、金属張積層板は、特に低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)が要求される高周波信号伝送用フレキシブルプリント配線板の製造に有用である。

Claims (13)

  1. 積層基板の接着層に用いられる樹脂組成物であって、
    完全に硬化した状態であって25μm厚のシート状にしたものを、その両面から同形状の125μm厚のポリイミドフィルムで挟み込んで積層体を形成し、この積層体を打ち抜いて円盤状の試験体を作成し、該試験体に160℃、2MPa、30分の条件下で厚み方向から加熱プレスをした場合における、前記試験体の外周から外側へ流出した樹脂の最大長さ(すなわち、2次レジンフロー量)の平均値が0.15mm未満であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 積層基板の接着剤層に用いられる樹脂組成物であって、
    完全に硬化した状態での180℃での動的粘弾性測定において、測定開始5分後の損失正接(tanδ)の値をT1、測定開始10分後の損失正接の値をT2、測定開始15分後の損失正接の値をT3としたとき、T1、T2、T3の何れも0.2以下である樹脂組成物。
  3. 変性ポリプロピレン系樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有し、
    前記変性ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量が50質量%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 完全に硬化した状態での測定周波数10GHzにおける誘電率が3.0以下、誘電正接が0.01以下である請求項1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂(B)の含有量が1質量部以上20質量%以下である請求項3に記載の樹脂組成物。
  6. 前記変性ポリプロピレン系樹脂(A)が、カルボン酸化合物またはその誘導体の少なくとも1種により変性された樹脂であり、その酸価が5mgKOH/g以上である請求項3に記載の樹脂組成物。
  7. 第三級アミン系硬化促進剤、第三級アミン塩系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤から選択される1種以上の硬化促進剤が非添加である、請求項1~6の何れかに記載の樹脂組成物。
  8. 有機樹脂基材同士、金属基材同士又は有機樹脂基材と金属基材との接着に用いられる請求項1~7の何れかに記載の樹脂組成物。
  9. 半硬化した状態のものであって25μm厚のシート状にしたものを、50μm厚のポリイミドシートと積層させ、厚み方向に1.0mmφの開口部を設けた積層体を試験体とし、該試験体を35μm厚の電解銅箔上に前記ポリイミドシートが外側を向くように積層した状態で、180℃、2.7MPaの条件で、60分間加熱プレスした後に、前記開口部の内側に流出した樹脂の最大長さの平均値が0.2mm未満である請求項1~8の何れかに記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1~9の何れか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された接着剤層と、
    該接着剤層の少なくとも一方の面に接する基材とを備え、
    該基材が樹脂基材、離型樹脂基材、紙基材、離型紙基材、金属基材の何れかである積層体。
  11. 請求項10に記載の積層体を含むカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、または金属張積層板。
  12. 請求項10に記載の積層体または請求項11に記載のカバーレイフィルム、接着剤シート、樹脂付き金属箔、または金属張積層板を備えたプリント配線板。
  13. 請求項12に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。


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