JP2023082929A - タイヤ - Google Patents

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JP2023082929A JP2021196950A JP2021196950A JP2023082929A JP 2023082929 A JP2023082929 A JP 2023082929A JP 2021196950 A JP2021196950 A JP 2021196950A JP 2021196950 A JP2021196950 A JP 2021196950A JP 2023082929 A JP2023082929 A JP 2023082929A
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竹美 山根
Takemi YAMANE
勲 桑山
Isao Kuwayama
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Abstract

【課題】重量増加を抑制しつつ、操縦安定性及び耐久性を向上し得るタイヤを提供する。【解決手段】空気入りタイヤ10は、交錯ベルト51, 交錯ベルト52よりもタイヤ径方向外側に設けられ、樹脂材料を用いて形成された補強層54を備える。補強層54は、タイヤ幅方向に沿って設けられた複数の貫通孔54aによって形成されるパンチング部有する。パンチング部は、タイヤ周方向において所定距離を隔てて複数形成される。【選択図】図3

Description

本開示は、樹脂材料を用いて形成された補強層を備えるタイヤに関する。
従来、路面と接するトレッドのタイヤ径方向内側にコードが交錯する一対の交錯ベルトを備える空気入りタイヤ(以下、タイヤと適宜省略する)において、タイヤ周方向に延びるコードを有するスパイラルベルト(ベルト強化層)と、タイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って延びるコードを有するベルト(保護層)とを備える構造がされている(特許文献1参照)。
このような補強ベルトを備えるタイヤによれば、保護層によってベルト強化層のコードの引張歪が抑制されるため、特に、タイヤの摩耗末期における車両の操縦安定性の維持と、タイヤの耐久性の向上とを両立できる。
特許第5084834号公報
一方、上述したような補強ベルトを備えるタイヤは、重量が増えるため、転がり抵抗など、環境性能の面では不利になり易い問題がある。
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、重量増加を抑制しつつ、操縦安定性及び耐久性を向上し得るタイヤの提供を目的とする。
本開示の一態様は、路面と接するトレッド(トレッド20)と、タイヤ骨格を形成するカーカス(カーカス40)と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に設けられ、コード(ベルトコード51a, ベルトコード52a)が交錯する一対の交錯ベルト(交錯ベルト51, 交錯ベルト52)とを備えるタイヤ(例えば、空気入りタイヤ10)であって、前記交錯ベルトよりもタイヤ径方向外側に設けられ、樹脂材料を用いて形成された補強層(例えば、補強層54)を備え、前記補強層は、タイヤ幅方向に沿って設けられた複数の貫通孔(例えば、貫通孔54a)によって形成されるパンチング部(パンチング部54b, パンチング部54c)を有し、前記パンチング部は、タイヤ周方向において所定距離を隔てて複数形成される。
上述したタイヤによれば、重量増加を抑制しつつ、操縦安定性及び耐久性を向上し得る。
図1は、空気入りタイヤ10の断面図である。 図2は、空気入りタイヤ10の一部拡大断面図である。 図3は、カーカス40及びベルト層50の一部分解平面図である。 図4は、補強層54の一部拡大平面図である。 図5は、変更例1に係る補強層55の一部拡大平面図である。 図6は、変更例2に係る補強層56の一部拡大平面図である。 図7は、変更例3に係る補強層57の一部拡大平面図である。 図8は、他の変更例に係る空気入りタイヤ10Aの一部拡大断面図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
(1)タイヤの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の断面図である。具体的には、図1は、空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。なお、図1では、断面ハッチングの図示は省略されている(以下同)。タイヤ赤道線CLは、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向における空気入りタイヤ10の中心を示す。
空気入りタイヤ10は、主に乗用自動車などの四輪自動車(車両)に用いられる。四輪自動車には、軽自動車やSUV(Sport Utility Vehicle)なども含まれてよく、また、スポーツドライビングに好適なスポーツカーが含まれてもよい。
図1に示すように、空気入りタイヤ10は、トレッド20、タイヤサイド部30、カーカス40、ベルト層50及びビード部60を備える。
トレッド20は、路面と接する部分である。トレッド20には、空気入りタイヤ10の使用環境や装着される車両の種別に応じたパターン(不図示)が形成される。トレッド20には、少なくともウェット路面での排水性を確保するため、タイヤ周方向に延びる周方向溝21が形成されてよい。
タイヤサイド部30は、トレッド20に連なり、トレッド20のタイヤ径方向内側に位置する。タイヤサイド部30は、トレッド20のタイヤ幅方向外側端からビード部60の上端までの領域である。タイヤサイド部30は、サイドウォールなどと呼ばれてもよい。
カーカス40は、空気入りタイヤ10の骨格(タイヤ骨格)を形成する。カーカス40は、ベルト層50のタイヤ径方向内側に設けられる。実施形態では、カーカス40は、2枚構成である。
カーカス40は、タイヤ径方向に沿って放射状に配置されたカーカスコード40a(図1において不図示、図3参照)がゴム材料によって被覆されたラジアル構造である。但し、ラジアル構造に限定されず、カーカスコード40aがタイヤ径方向に交錯するように配置されたバイアス構造でも構わない。
ベルト層50は、トレッド20のタイヤ径方向内側に設けられる。ベルト層50は、複数のベルトによって構成されてよい。具体的には、ベルト層50は、一対の交錯ベルト、具体的には、交錯ベルト51と、交錯ベルト52とを含む。
交錯ベルト51及び交錯ベルト52は、カーカス40のタイヤ径方向外側に設けられる。交錯ベルト52は、交錯ベルト51のタイヤ径方向外側に設けられる。なお、交錯ベルト51の幅は、交錯ベルト52の幅よりも広くてもよいし、短くてもよい。
交錯ベルト51及び交錯ベルト52は、ベルトコードを有する。具体的には、トレッド面視において、交錯ベルト51のベルトコード51a(図1において不図示、図3参照)は、交錯ベルト52のベルトコード52a(図3参照)と交錯する。
ベルト層50は、交錯ベルト51及び交錯ベルト52に加え、空気入りタイヤ10の構造を補強する補強層を含んでよい。本実施形態では、ベルト層50は、キャップベルト53及び補強層54を含む。補強層には、ポリエチレンテレフタレートからなるコードをタイヤ周方向に連続して螺旋状に巻回した構造が適用されてもよく、当該コードは、6.9×10-2N/tex以上の張力をかけて接着剤処理を施して形成され、160℃において測定した29.4N荷重時の弾性率が2.5 mN/dtex・%以上であることが好ましい。
キャップベルト53は、交錯ベルト52と補強層54との間に設けられる。キャップベルト53は、タイヤ周方向に延びる周方向コード53a(図1おいて不図示、図3参照)を有する。
キャップベルト53は、図1に示すように、交錯ベルト51及び交錯ベルト52のタイヤ幅方向外側端を覆うレイヤー部53bを有することが好ましい。
本実施形態では、レイヤー部53bは、キャップベルト53と別体として構成されているが、キャップベルト53を折り返すことによって、レイヤー部が形成されてもよい。また、キャップベルト53(及びレイヤー部53b)は、必ずしも設けられていなくても構わない。
補強層54は、交錯ベルト51及び交錯ベルト52よりもタイヤ径方向外側に設けられる。補強層54は、樹脂材料を用いて形成される。本実施形態では、補強層54は、キャップベルト53のタイヤ径方向外側に設けられる。
本実施形態では、補強層54の幅(タイヤ幅方向に沿った幅)は、交錯ベルト51及び交錯ベルト52の幅よりも狭い。なお、補強層54の幅は、交錯ベルト52の幅よりも狭く、交錯ベルト51の幅よりは広くてもよい。
補強層54は、樹脂製のシートによって形成できる。補強層54の厚みは、1mm~2mm程度である。なお、補強層54として必要な特性を考慮すると、補強層54の厚みは、1mm以下とすることが好ましい。
補強層54は、トレッド20、タイヤサイド部30、交錯ベルト51及び交錯ベルト52などを形成するゴム材料よりも引張弾性率の高い樹脂材料が用いられてよい。樹脂材料としては、弾性を有する熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)、及び熱硬化性樹脂等を用いることができる。走行時の弾性と製造時の成形性を考慮すると、熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)などが挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。さらに、熱可塑性樹脂材料としては、例えば、ISO75-2またはASTM D648に規定されている荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78°C以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さ(便宜上、硬度と呼ばれてもよい)が10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸びが50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130°C以上であるものを用いることができる。なお、硬度は、1GPa以上であることが好ましい。
或いは、補強層54を形成する樹脂としては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が用いられてもよい。CFRPは、軽量であり、かつ、上述したような条件を満足し易い。
ビード部60は、タイヤサイド部30に連なり、タイヤサイド部30のタイヤ径方向内側に位置する。ビード部60は、リムホイール(不図示)に係止される。
(2)ベルト層50の構成
図2は、空気入りタイヤ10の一部拡大断面図である。具体的には、図2は、タイヤ赤道線CLを基準とした一方側の空気入りタイヤ10の断面を示す。図3は、カーカス40及びベルト層50の一部分解平面図である。
図2及び図3に示すように、カーカス40は、本体部41及び折り返し部42を有する。本体部41は、トレッド20、タイヤサイド部30及びビード部60に亘って設けられ、ビード部60において折り返されるまでの部分である。
折り返し部42は、本体部41に連なり、ビード部60を介してタイヤ幅方向外側に折り返された部分である。本実施形態では、折り返し部42のタイヤ幅方向外側端である折り返し端42eは、交錯ベルト51と接するように設けられる。このようなカーカス40の構造は、エンベロープ構造などと呼ばれてもよい。なお、折り返し端42eは、必ずしも交錯ベルト51の位置まで延びていなくてもよく、タイヤサイド部30のタイヤ径方向における中央部分で終端する構造(ハイターンナップ構造)でもよい。
カーカス40は、カーカスコード40aをゴム材料で被覆するによって構成される。カーカスコード40aの材料は、特に限定されないが、例えば、カーカスコード40aは、有機繊維またはスチールを用いて形成できる。
交錯ベルト51は、ベルトコード51aを有する。ベルトコード51aは、タイヤ幅方向(及びタイヤ周方向)に対して傾斜して設けられる。本実施形態では、ベルトコード51aがタイヤ幅方向と成す角度α(鋭角側)、具体的には、角度α1は、約45度である。
交錯ベルト52は、ベルトコード52aを有する。ベルトコード52aは、タイヤ幅方向(及びタイヤ周方向)に対して傾斜して設けられる。本実施形態では、ベルトコード52aがタイヤ幅方向と成す角度α(鋭角側)、具体的には、角度α2は、約45度である。
本実施形態では、ベルトコード51a及びベルトコード52aは、スチールを用いて形成される。このように、ベルトコード51aとベルトコード52aとは、トレッド面視において互いに交錯するように設けられる。交錯ベルト51(交錯ベルト52)は、ベルトコード51a(ベルトコード52a)をゴム材料によって被覆することによって構成される。
キャップベルト53は、タイヤ幅方向におけるトレッド20の端部を覆う。キャップベルト53キャップベルトは、一対の交錯ベルト51及び交錯ベルト52のタイヤ径方向外側に設けられる。具体的には、キャップベルト53は、交錯ベルト52と補強層54との間に設けられる。
キャップベルト53は、タイヤ周方向に沿って巻き回された周方向コード53aを有する。周方向コード53aは、タイヤ周方向に沿って延びる。つまり、周方向コード53aは、タイヤ周方向とほぼ平行となる、言い換えれば、タイヤ幅方向と直交するように設けられる。具体的には、周方向コード53aがタイヤ幅方向と成す角度βは、約90度である。
キャップベルト53は、周方向コード53aをゴム材料によって被覆したストリップ状の部材をタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けることによって構成できる。キャップベルト53は、スパイラルベルトと呼ばれてもよい。
周方向コード53aは、所定値以上の強度を有する有機繊維を用いて形成されることが好ましい。具体的には、周方向コード53aは、ポリアミド系合成繊維(具体的には、ナイロン)またはアラミド繊維(具体的には、ケブラー)、或いは両繊維のハイブリッドでもよい。
本実施形態では、キャップベルト53のタイヤ幅方向外側端は、キャップベルト53と別体のレイヤー部53bが設けられる。具体的には、レイヤー部53bは、交錯ベルト51及び交錯ベルト52のタイヤ幅方向外側端を覆うように設けられる。なお、レイヤー部53bは、カーカス40の折り返し端42eを覆うように設けられてもよい。
補強層54は、複数の貫通孔54aを有する。貫通孔54aは、樹脂製のシートを穿孔することによって、シートの厚み方向に貫通した孔である。但し、貫通孔54aの形成方法は、特に限定されず、樹脂製のシートを穿孔することではなく、貫通孔54aが設けられた樹脂製のシートが一体的に形成されてもよい。
本実施形態では、貫通孔54aの平面形状は円形である。つまり、貫通孔54aは、円孔である。貫通孔54aは、タイヤ幅方向において所定距離を隔てて複数形成される。
また、キャップベルト53と補強層54との間には、タイヤ幅方向において所定の空隙G
が設けられてよい。
(3)補強層の構成
図4は、補強層54の一部拡大平面図である。具体的には、図4は、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向に沿った補強層54(つまり、トレッド面視)の一部を拡大して模式的に示す。
図4に示すように、補強層54は、タイヤ幅方向に沿って設けられた複数の貫通孔54aによって形成されるパンチング部54b及びパンチング部54cを有する。パンチング部54b及びパンチング部54cは、タイヤ周方向において所定距離(W)を隔てて複数形成される。
パンチング部54b及びパンチング部54cは、タイヤ幅方向に沿って延び、タイヤ周方向における所定の幅を有する。パンチング部54b及びパンチング部54cには、タイヤ周方向において概ね同じ位置に形成され、タイヤ幅方向に並んだ複数の貫通孔54aが含まれてよい。
タイヤ周方向において隣接するパンチング部54bとパンチング部54cとに含まれる貫通孔54aの位置は、タイヤ幅方向においてオフセットしている。
具体的には、パンチング部54bに含まれる貫通孔54aのタイヤ幅方向における位置と、パンチング部54cに含まれる貫通孔54aのタイヤ幅方向における位置とは、重ならないようにオフセットしている。
本実施形態では、タイヤ周方向において、パンチング部54bとパンチング部54cとが交互に繰り返される。つまり、パンチング部に含まれる貫通孔54aのタイヤ幅方向における位置は、パンチング部の一つ置きに同一となっている。
なお、複数の貫通孔54aは、必ずしもこのような配置に限定されなくてよいが、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向において隣接する貫通孔54aの中心を結ぶことによって三角形を形成できるような位置に形成されることが好ましい。タイヤ幅方向及びタイヤ周方向において隣接する貫通孔54aが、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向において整列して形成されていると、ベルト層50の様々な方向へのせん断変形に対する追従性が悪い。
また、本実施形態では、貫通孔54aは、タイヤ幅方向に沿った直線上に複数形成される。具体的には、貫通孔54aは、タイヤ幅方向と平行な直線(L1)上に複数形成される。なお、貫通孔54aは、必ずしもタイヤ幅方向と平行な直線ではなく、タイヤ幅方向に対して多少傾斜した直線上に複数形成されてもよいし、必ずしも直線上に形成されてなくてもよい。
上述したように、貫通孔54aの平面形状は円形である。つまり、貫通孔54aは、トレッド面視において円形である。但し、後述するように、貫通孔54aは、必ずしも円形に限定されず、円形以外の形状でもよい。
貫通孔54aの直径は、5mm以上、10mm以下であることが好ましい。また、貫通孔54aのタイヤ幅方向における間隔は、5mm以上、20mm以下であることが好ましく、5mm以上、10mm以下であることがより好ましい。
貫通孔54aは、タイヤ周方向において所定距離(W)を隔てて複数形成される。所定距離は、10mm以上、20mm以下であることが好ましい。或いは、所定距離は、トレッド20に形成される陸部(ブロック)のタイヤ周方向におけるサイズと合わせるようにしてもよい。
また、貫通孔54aは、補強層54のタイヤ幅方向端には形成されないことが望ましい。つまり、パンチング部54b及びパンチング部54cは、補強層54のタイヤ幅方向端までは延在しないことが好ましい。
パンチング部54b及びパンチング部54cのタイヤ幅方向に沿った長さは、トレッド20の接地幅よりも長いことが好ましい。接地幅は、空気入りタイヤ10が正規内圧に設定され、正規荷重が負荷された状態を基準としてよい。
なお、正規内圧とは、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYearBookにおける最大負荷能力に対応する空気圧であり、正規荷重とは、JATMA YearBookにおける最大負荷能力に対応する最大負荷能力(最大荷重)である。また欧州ではETRTO、米国ではTRA、その他各国のタイヤ規格が対応する。
また、パンチング部54bとパンチング部54cとのタイヤ周方向における間隔、つまり、所定距離(W)は、補強層54として必要な伸び率を考慮して決定されてもよい。補強層54は、樹脂製のシートによって形成されるため、ゴム材料によって形成される交錯ベルトなどよりも剛性が高い(硬い)が、タイヤ周方向においてパンチング部54bとパンチング部54cとが適切な間隔で形成されることによって、適切な伸び率を付与することができる。
(4)補強層の変更例
次に、補強層の変更例について説明する。具体的には、図5~7を参照して、補強層の変更例1~3について説明する。以下、補強層54と異なる部分について主に説明する。
(4.1)変更例1
図5は、変更例1に係る補強層55の一部拡大平面図である。図5に示すように、補強層55は、複数の貫通孔55aを有する。貫通孔55aは、タイヤ赤道線CL(図1参照)を基準とした補強層55の一方側、具体的には、車両装着時内側の領域のみに形成される。
このように、貫通孔55aが車両装着時内側の領域のみに形成されることによって、空気入りタイヤ10に要求される性能に応じたチューニングを容易に実現し得る。例えば、耐偏摩耗性を確保したり、相対的に車両装着時外側の領域の剛性を高めたりすることができる。
相対的に車両装着時外側の領域の剛性を高めるような要求は、比較的低速域で走行し、高い燃費性能(転がり抵抗)が必要となる低燃費タイヤ(エコタイヤ)、MaaS(Mobility as a Service)用として提供される車両用のタイヤなどが想定される。
(4.2)変更例2
図6は、変更例2に係る補強層56の一部拡大平面図である。図6に示すように、補強層56は、複数の貫通孔56aを有する。貫通孔56aは、タイヤ赤道線CL(図1参照)を基準とした補強層55の一方側、具体的には、車両装着時外側の領域のみに形成される。
このように、貫通孔56aが車両装着時外側の領域のみに形成されることによって、相対的に車両装着時外側の領域の剛性を低くできる。例えば、特に運動性能が高い高性能な自動車に装着される空気入りタイヤの場合、コーナリング時にコーナー外側になるトレッド20のバックリング(浮き上がり)が発生し易いが、相対的に車両装着時外側の領域の剛性を低くすることによって、このようなバックリングを低減するようなチューニングを容易に実現できる。
また、例えば、車両装着時外側の領域における貫通孔の数を、車両装着時内側の領域における貫通孔の数を多くしてもよいし、或いは逆にしてもよい。
(4.3)変更例3
図7は、変更例3に係る補強層57の一部拡大平面図である。図7に示すように、補強層57は、複数の貫通孔57aを有する。貫通孔57aは、横長の楕円孔である。つまり、貫通孔57aは、タイヤ幅方向に長い楕円孔である。なお、タイヤ周方向に長い縦長の楕円孔の場合、空気入りタイヤ10への横力によって補強層が座屈し易くなるため、あまり好ましくない。
なお、貫通孔の形状は、円形や楕円形でなく、多角形でもよいし、より複雑な形状でもよいが、異方性が出ないような形状が好ましい。
(5)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、空気入りタイヤ10には、樹脂材料を用いて形成された補強層(例えば、補強層54)が備えられる。補強層のパンチング部54b及びパンチング部54cは、タイヤ幅方向に延びるとともに、タイヤ周方向において所定距離(W)を隔てて複数形成される。
このため、補強層は、タイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って延びるコードを有する補強ベルト(特許第5084834号公報など参照)と同様の性能を発揮し得る。また、補強層は、樹脂製のシートによって形成されるため、当該補強ベルトよりも軽量である。
これにより、空気入りタイヤ10の重量増加を抑制でき、転がり抵抗など、環境性能の面での不利も解消できる。すなわち、空気入りタイヤ10によれば、当該補強ベルトを備える空気入りタイヤと同様の性能を発揮でき、重量増加を抑制しつつ、操縦安定性及び耐久性を向上し得る。
本実施形態では、タイヤ周方向において隣接するパンチング部54b及びパンチング部54cに含まれる貫通孔54aの位置は、タイヤ幅方向においてオフセットしている。また、貫通孔54aは、タイヤ幅方向に沿った直線(L1)上に複数形成される。このため、ベルト層50の様々な方向へのせん断変形に対する追従性を確保でき、当該補強ベルトを備える空気入りタイヤと同様の性能をより確実に発揮し得る。
本実施形態では、貫通孔54aは、トレッド面視において円形である。また、貫通孔54aの直径は、5mm以上、10mm以下であることが好ましく、貫通孔54aのタイヤ幅方向における間隔は、5mm以上、20mm以下であることが好ましい。このような貫通孔54aの構成によれば、ベルト層50の様々な方向へのせん断変形に対する追従性と、必要な剛性の確保とを高い次元で両立し得る。
本実施形態では、パンチング部54bのタイヤ幅方向に沿った長さは、トレッド20の接地幅よりも長い。このため、補強層54は、当該補強ベルトと同様の性能をより確実に発揮し得る。
また、パンチング部54bとパンチング部54cの所定距離(W)は、10mm以上、20mm以下であることが好ましい。このため、補強層は、当該補強ベルトと同様の性能をより確実に発揮し得る。
(6)その他の実施形態
以上、実施形態について説明したが、当該実施形態の記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
図8は、他の変更例に係る空気入りタイヤ10Aの一部拡大断面図である。具体的には、図8は、タイヤ赤道線CLを基準とした一方側の空気入りタイヤ10Aの断面を示す。
図8に示すように、空気入りタイヤ10Aは、補強層54に加え、補強層58を備える。補強層58は、カーカス40と交錯ベルトとの間に設けられる。具体的には、補強層58は、カーカス40と、タイヤ径方向内側に設けられる交錯ベルト51との間に設けられる。
補強層58は、補強層54と同様の構成としてよい。或いは、補強層58は、上述した従来の補強ベルトと同様の構成でもよい。
また、補強層58には、パンチング部54bに代えて、タイヤ幅方向に沿って設けられた複数のスリットが形成されてもよい。
空気入りタイヤ10は、キャップベルト53(スパイラルベルト)を備えていたが、キャップベルト53は必須ではない。或いは、キャップベルト53に代えて、コードの配置角度が異なる補強ベルトを備えてもよい。
また、キャップベルト53のタイヤ幅方向外側端は、タイヤ径方向外側に折り返されていてもよい。或いは、レイヤー部53bは、設けられていなくても構わない。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
10, 10A 空気入りタイヤ
20 トレッド
21 周方向溝
30 タイヤサイド部
40 カーカス
40a カーカスコード
41 本体部
42 折り返し部
42e 折り返し端
50 ベルト層
51 交錯ベルト
51a ベルトコード
52 交錯ベルト
52a ベルトコード
53 キャップベルト
53a 周方向コード
53b レイヤー部
54, 55, 56, 57,58 補強層
54a, 55a, 56a, 57a 貫通孔
54b, 54c パンチング部
60 ビード部

Claims (7)

  1. 路面と接するトレッドと、
    タイヤ骨格を形成するカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ径方向外側に設けられ、コードが交錯する一対の交錯ベルトと
    を備えるタイヤであって、
    前記交錯ベルトよりもタイヤ径方向外側に設けられ、樹脂材料を用いて形成された補強層を備え、
    前記補強層は、タイヤ幅方向に沿って設けられた複数の貫通孔によって形成されるパンチング部を有し、
    前記パンチング部は、タイヤ周方向において所定距離を隔てて複数形成されるタイヤ。
  2. タイヤ周方向において隣接する前記パンチング部に含まれる前記貫通孔の位置は、タイヤ幅方向においてオフセットしている請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記貫通孔は、タイヤ幅方向に沿った直線上に複数形成される請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. 前記貫通孔は、トレッド面視において円形である請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記貫通孔の直径は、5mm以上、10mm以下である請求項4に記載のタイヤ。
  6. 前記貫通孔のタイヤ幅方向における間隔は、5mm以上、20mm以下である請求項1乃至5の何れか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記所定距離は、10mm以上、20mm以下である請求項1乃至6の何れか一項に記載のタイヤ。
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