JP2023082914A - タイヤ - Google Patents

タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2023082914A
JP2023082914A JP2021196923A JP2021196923A JP2023082914A JP 2023082914 A JP2023082914 A JP 2023082914A JP 2021196923 A JP2021196923 A JP 2021196923A JP 2021196923 A JP2021196923 A JP 2021196923A JP 2023082914 A JP2023082914 A JP 2023082914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
tread
carcass
less
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021196923A
Other languages
English (en)
Inventor
純 上郡
Jun Kamigori
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2021196923A priority Critical patent/JP2023082914A/ja
Publication of JP2023082914A publication Critical patent/JP2023082914A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

Figure 2023082914000001
【課題】耐ピンチカット性能の向上を達成できるタイヤの提供。
【解決手段】タイヤ2は、110mm以下の断面高さの呼びを有する。このタイヤ2は、トレッドと、一対のサイドウォールと、一対のビードと、カーカスと、ベルトと、バンドとを備える。ビードはコアとエイペックスとを備える。ベルトは内側層と外側層とを備える。外側層の端は内側層の端の軸方向内側に位置する。外側層の軸方向幅の、タイヤ2の断面幅に対する比率は80%以下である。タイヤ2の軸方向外端PWに対応する位置BWから外側層の端に対応する位置BSまでのカーカス12の長さLCaの、タイヤ2の断面高さに対する比率は50%以上60%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤに関する。
タイヤが段差を通過するとき、タイヤには衝撃が加えられる。タイヤに作用する荷重が大きい場合、タイヤのサイド部が大きく撓み、リムに嵌め合わされたビード部がベルトの端の部分においてトレッド部と接触する。このとき、カーカスにせん断力がかかる。カーカスにはカーカスコードが含まれる。高いせん断力がカーカスにかかると、カーカスコードが破断する恐れがある。カーカスコードの破断を伴う損傷は、ピンチカットとも称される。ピンチカットの発生防止のために様々な検討が行われている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2018-069901号公報
環境への影響が考慮され、車両の駆動手段としてモーターを採用するケースが増加している。この車両にはバッテリーが搭載される。車重が従来車両に比べて増加する。タイヤに作用する荷重が増加する。耐ピンチカット性能の向上がタイヤには求められる。
耐ピンチカット性能の向上のために、通常、カーカスを構成するカーカスプライの枚数を増やす、より高い剛性を有するコードにカーカスコードを置き換える等の対策が取られる。110mm以下の断面高さの呼びを有する低偏平タイヤでは、段差通過時の衝撃緩和に貢献するサイド部が短い。バッテリーを搭載した車両に用いられる低偏平タイヤでは、前述の対策を施しても、必要な耐ピンチカット性能が得られない恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、耐ピンチカット性能の向上を達成できるタイヤの提供にある。
本発明の一態様に係るタイヤは、110mm以下の断面高さの呼びを有する。このタイヤは、トレッド面を有するトレッドと、前記トレッドの端に連なり、前記トレッドの径方向内側に位置する一対のサイドウォールと、前記サイドウォールの径方向内側に位置する一対のビードと、前記トレッド及び前記一対のサイドウォールの内側に位置し、前記一対のビードのうちの第一ビードと第二ビードとの間を架け渡すカーカスと、前記トレッドの内側において前記カーカスに積層されるベルトと、前記トレッドと前記ベルトとの間に位置するバンドとを備える。前記ビードはコアと前記コアの径方向外側に位置するエイペックスとを備える。前記ベルトは内側層と前記内側層の径方向外側に位置する外側層とを備える。前記外側層の端は前記内側層の端の軸方向内側に位置する。前記外側層の軸方向幅の、前記タイヤの断面幅に対する比率は80%以下である。前記タイヤの軸方向外端に対応する位置から前記外側層の端に対応する位置までの前記カーカスの長さの、前記タイヤの断面高さに対する比率は50%以上60%以下である。
好ましくは、このタイヤでは、前記タイヤの軸方向外端に対応する位置から前記エイペックスの外端に対応する位置までの前記カーカスの長さの、前記タイヤの断面高さに対する比率は18%以上23%以下である。
好ましくは、このタイヤでは、その子午線断面において、前記トレッド面のうち、前記タイヤの赤道を含む領域がクラウン領域である。前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を230kPaに調整した状態における、前記タイヤの外径が基準外径であり、前記クラウン領域の輪郭を表す円弧の半径が基準半径である。前記基準半径の前記基準外径に対する比率は55%以上70%以下である。
好ましくは、このタイヤでは、前記外側層の端における前記トレッドの厚さの、前記タイヤの赤道における前記トレッドの厚さに対する比率は55%以上75%以下である。
好ましくは、このタイヤでは、前記トレッドに周方向溝を刻むことで、軸方向に並列した複数の陸部が構成され、前記複数の陸部のうち、軸方向において外側に位置する陸部がショルダー陸部である。前記ショルダー陸部に周方向に並ぶ複数の横溝が刻まれ、前記複数の横溝それぞれの内端が前記ショルダー陸部内に位置し、前記横溝が前記内端から前記トレッド面の端に向かってのびる。前記バンドは、前記ベルトを覆うフルバンドと、軸方向に離して配置され前記フルバンドの端を覆う一対のエッジバンドとを備える。前記エッジバンドの内端は前記横溝の内端の軸方向内側に位置する。
本発明によれば、耐ピンチカット性能の向上を達成できるタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部を示す断面図である。 図2は、カーカスの輪郭を示す断面図である。 図3は、トレッド面の輪郭を示す断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本開示においては、タイヤを正規リムに組み、タイヤの内圧を正規内圧に調整し、このタイヤに荷重をかけていない状態は、正規状態と称される。
タイヤを正規リムに組み、タイヤの内圧を180kPaに調整し、このタイヤに荷重をかけていない状態は、標準状態と称される。
タイヤを正規リムに組み、タイヤの内圧を230kPaに調整し、このタイヤに荷重をかけていない状態は、基準状態と称される。
本開示においては、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、標準状態で測定される。
正規リムにタイヤを組んだ状態で測定できない、タイヤの子午線断面における各部の寸法及び角度は、回転軸を含む平面に沿ってタイヤを切断することにより得られる、タイヤの断面において、左右のビード間の距離を、正規リムに組んだタイヤにおけるビード間の距離に一致させて、測定される。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
本開示において、「断面高さの呼び」とは、「断面幅の呼び」と「偏平比の呼び」の積を100で除した値をミリメートル単位で表した値を意味する。「断面幅の呼び」及び「偏平比の呼び」は、JIS D4202「自動車用タイヤ-呼び方及び諸元」に規定された「タイヤの呼び」に含まれる「断面幅の呼び」及び「偏平比の呼び」である。
本開示において、ロードインデックス(LI)とは、例えば、JATMA規格において規定され、規定の条件下でタイヤに負荷することが許される最大の質量、すなわち最大負荷能力を指数で表す指標である。
本開示において、タイヤを構成する要素のうち、架橋ゴムからなる要素の温度70℃での複素弾性率は、JIS K6394の規定に準拠し、粘弾性スペクトロメータ((株)岩本製作所製の「VES」)を用いて下記の条件にて測定される。
初期歪み=10%
動歪み=2%
周波数=10Hz
変形モード=引張
この測定では、試験片はタイヤからサンプリングされる。タイヤから試験片をサンプリングできない場合には、測定対象の要素の形成に用いられるゴム組成物を170℃の温度で12分間加圧及び加熱して得られる、シート状の架橋ゴム(以下、ゴムシートとも称される。)から試験片がサンプリングされる。
本開示において、並列したコードを含む、タイヤの要素の、5cm幅あたりに含まれるコードの本数が要素のコード密度(単位はエンズ)として表される。例えば、タイヤの要素の5cm幅あたりに含まれるコードの本数が30本であれば、この要素のコード密度は30エンズとして表される。コード密度は、特に言及がない限り、コードの長さ方向に対して垂直な面で切断することにより得られる要素の断面において得られる。
本開示において、タイヤのトレッド部とは、路面と接地する、タイヤの部位である。ビード部とは、リムに嵌め合わされる、タイヤの部位である。サイド部とは、トレッド部とビード部との間を架け渡す、タイヤの部位である。タイヤは、部位として、トレッド部、一対のビード部及び一対のサイド部を備える。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ2の一部を示す。このタイヤ2は、乗用車用空気入りタイヤである。このタイヤ2は110mm以下の断面高さの呼びを有する。このタイヤ2は低偏平タイヤである。
図1は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面(以下、子午線断面)の一部を示す。図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。
タイヤ2はリムRに組まれる。リムRは正規リムである。タイヤ2の内部には空気が充填され、タイヤ2の内圧が調整される。リムRに組まれたタイヤ2は、タイヤ-リム組立体とも称される。タイヤ-リム組立体は、リムRと、このリムRに組まれたタイヤ2とを備える。
リムRは、シートRSとフランジRFとを備える。タイヤ2をリムRに組むことで、径方向内側からシートRSがビード部と接触し、軸方向外側からフランジRFがビード部と接触する。
図1において、軸方向に延びる実線BBLはビードベースラインである。このビードベースラインは、リムRのリム径(JATMA等参照)を規定する線である。
図1において符号PCで示される位置は、タイヤ2の外面と赤道面との交点である。交点PCはタイヤ2の赤道とも称される。赤道面上に溝が位置する場合は、溝がないと仮定して得られる仮想外面に基づいて赤道PCは特定される。赤道PCはタイヤ2の径方向外端でもある。
図1において符号SHで示される長さはビードベースラインから赤道PCまでの径方向距離である。本開示において赤道PCは、標準状態のタイヤ2において特定される。径方向距離SHはタイヤ2の断面高さ(JATMA等参照)である。
図1において符号ODで示される長さは第一の赤道PCから、回転軸を挟んで反対側に配置される、図示されない第二の赤道PCまでの径方向距離である。径方向距離ODはタイヤ2の外径である。本開示において基準状態のタイヤ2において特定される外径ODが基準外径RODである。
図1において符号PWで示される位置はタイヤ2の軸方向外端である。模様や文字等の装飾が外面にある場合、外端PWは、装飾がないと仮定して得られる仮想外面に基づいて特定される。
図1において符号WAで示される長さはタイヤ2の軸方向幅である。軸方向WAは、第一外端PWから第二外端PWまでの軸方向距離である。軸方向幅WAはタイヤ2の最大幅であり、外端PWはこのタイヤ2が最大幅WAを示す位置(以下、最大幅位置)である。
本開示において外端PWは、標準状態のタイヤ2において特定される。軸方向幅WAは、タイヤ2の断面幅(JATMA等参照)である。
図1において符号HWで示される長さはビードベースラインから最大幅位置PWまでの径方向距離である。径方向距離HWは最大幅高さとも称される。
このタイヤ2では、最大幅高さHWの、タイヤ2の断面高さSHに対する比(HW/SH)は0.45以上0.55以下である。
このタイヤ2は、要素として、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、一対のチェーファー18及びインナーライナー20を備える。
トレッド4は、トレッド面22において路面と接地する。トレッド4は路面と接地するトレッド面22を有する。トレッド面22はタイヤ2の外面SSの一部をなす。トレッド面22は前述の赤道PCを含む。
このタイヤ2のトレッド4には溝24が刻まれる。これにより、トレッドパターンが構成される。
トレッド4はトレッド本体26と一対のウィング28とを備える。それぞれのウィング28はトレッド本体26の軸方向外側に位置する。ウィング28はトレッド本体26とサイドウォール6とを接合する。ウィング28は接着性が考慮された架橋ゴムからなる。
トレッド本体26はベース部30及びキャップ部32を備える。ベース部30はバンド16を覆う。ベース部30は発熱性が考慮された架橋ゴムからなる。キャップ部32はベース部30の径方向外側に位置する。キャップ部32はベース部30を覆う。キャップ部32は耐摩耗性及びグリップ性能が考慮された架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端に連なる。サイドウォール6は、トレッド4の径方向内側に位置する。サイドウォール6は、耐カット性を考慮した架橋ゴムからなる。
それぞれのクリンチ8はサイドウォール6の径方向内側に位置する。クリンチ8はリムRのフランジRFと接触する。クリンチ8は耐摩耗性が考慮された架橋ゴムからなる。
それぞれのビード10はクリンチ8の軸方向内側に位置する。ビード10はサイドウォール6の径方向内側に位置する。
ビード10は、コア34と、エイペックス36とを備える。コア34は周方向にのびる。図示されないが、コア34はスチール製のワイヤーを含む。コア34はワイヤーを周方向に複数回巻き回すことで構成される。エイペックス36はコア34の径方向外側に位置する。エイペックス36は径方向外向きに先細りである。エイペックス36は高い剛性を有する架橋ゴムからなる。
図1において符号HAで示される長さは、ビードベースラインからエイペックス36の外端までの径方向距離である。径方向距離HAはエイペックス高さである。
このタイヤ2では、エイペックス高さHAの、タイヤ2の断面高さSHに対する比率(HA/SH)は25%以上40%以下である。
このタイヤ2では、エイペックス36の複素弾性率は20MPa以上80MPa以下であることが好ましい。
複素弾性率が20MPa以上に設定されることにより、エイペックス36がタイヤ2の横剛性を効果的に高める。このタイヤ2では、限界走行性能の向上が図れる。この観点から、複素弾性率は30MPa以上がより好ましく、40MPa以上がさらに好ましい。
複素弾性率が80MPa以下に設定されることにより、エイペックス36による乗り心地への影響が抑えられる。この観点から、複素弾性率は70MPa以下がより好ましく、60MPa以下がさらに好ましい。
カーカス12は、トレッド4、一対のサイドウォール6及び一対のクリンチ8の内側に位置する。カーカス12は、一対のビード10のうちの第一ビード10と第二ビード10との間を架け渡す。カーカス12は少なくとも1枚のカーカスプライ38を含む。
このタイヤ2のカーカス12は2枚のカーカスプライ38で構成される。図示されないが、それぞれカーカスプライ38は並列された多数のカーカスコードを含む。これらカーカスコードは赤道面と交差する。このタイヤ2のカーカス12はラジアル構造を有する。このタイヤ2では、有機繊維からなるコードがカーカスコードとして用いられる。有機繊維としては、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が例示される。
2枚のカーカスプライ38のうち、トレッド4の内側において径方向内側に位置するカーカスプライ38が第一カーカスプライ40である。トレッド4の内側において第一カーカスプライ40の径方向外側に位置するカーカスプライ38が第二カーカスプライ42である。
第一カーカスプライ40は、第一プライ本体40aと、一対の第一折り返し部40bとを含む。第一プライ本体40aは、第一ビード10と第二ビード10との間を架け渡す。それぞれの第一折り返し部40bは、第一プライ本体40aに連なりそれぞれのビード10で軸方向内側から外側に向かって折り返される。
第二カーカスプライ42は、第二プライ本体42aと、一対の第二折り返し部42bとを含む。第二プライ本体42aは、第一ビード10と第二ビード10との間を架け渡す。それぞれの第二折り返し部42bは、第二プライ本体42aに連なりそれぞれのビード10で軸方向内側から外側に向かって折り返される。
このタイヤ2では、第一折り返し部40bの端は外端PWの径方向外側に位置する。第一折り返し部40bの端から外端PWまでの径方向距離は3mm以上15mm以下である。第二折り返し部42bの端は外端PWの径方向内側に位置する。第二折り返し部42bの端は径方向においてエイペックス36の外端とコア34との間に位置する。
第二折り返し部42bは第一折り返し部40bの軸方向内側に位置する。第二折り返し部42bの端はエイペックス36と第一折り返し部40bとの間に位置する。
このタイヤ2では、カーカス12を構成する各カーカスプライ38の強度は7000以上15000以下であることが好ましい。この強度が7000以上に設定されることにより、カーカス12がタイヤ2の剛性をバランスよく整える。このタイヤ2では、良好な乗り心地が得られる。この観点から、カーカスプライ38の強度は8000以上がより好ましく、9000以上がさらに好ましい。このカーカスプライ38の強度が15000以下に設定されることにより、カーカス12によるタイヤ2の質量への影響が抑えられる。この観点から、このカーカスプライ38の強度は14000以下がより好ましく、13000以下がさらに好ましい。
本開示において、カーカスプライ38の強度は、コード密度とカーカスコードの切断時の強さとの積で表される。カーカスコードの切断時の強さは、JIS L1017の規定に準拠して測定され、その単位はニュートン(N)である。
ベルト14は、トレッド4の径方向内側において、カーカス12に積層される。前述の赤道面は、ベルト14の軸方向幅の中心においてこのベルト14と交差する。
ベルト14は径方向に積層された2つの層44で構成される。このベルト14は、内側層46と外側層48とを備える。外側層48は内側層46の径方向外側に位置する。内側層46と外側層48との間に、1又は2以上の層44がさらに設けられてもよい。
図示されないが、ベルト14を構成する各層44は並列された多数のベルトコードを含む。これらベルトコードは赤道面に対して傾斜する。このタイヤ2では、内側層46に含まれるベルトコードの傾斜の向きは外側層48に含まれるベルトコードの傾斜の向きと逆向きである。ベルトコードの材質はスチールである。
図1に示されるように、内側層46は外側層48よりも幅広い。外側層48の端は内側層46の端の軸方向内側に位置する。このタイヤ2では、外側層48の端から内側層46の端までの長さは3mm以上10mm以下である。
このタイヤ2では、ベルト14を構成する各層44の強度は13000以上28000以下であることが好ましい。この強度が13000以上に設定されることにより、ベルト14がトレッド部の剛性を高める。このタイヤ2では、良好な操縦安定性が得られるとともに、耐偏摩耗性が向上する。この観点から、層44の強度は14000以上がより好ましく、15000以上がさらに好ましい。この層44の強度が28000以下に設定されることにより、ベルト14によるタイヤ2の質量への影響が抑えられる。この観点から、この層44の強度は27000以下がより好ましく、26000以下がさらに好ましい。
本開示において、層44の強度は、コード密度とベルトコードの切断荷重との積で表される。ベルトコードの切断荷重は、JIS G3510の規定に準拠して測定され、その単位はニュートン(N)である。
バンド16は、径方向において、トレッド4とベルト14との間に位置する。バンド16は、トレッド4の内側においてベルト14に積層される。バンド16はベルト14全体を覆う。バンド16はベルト14よりも幅広い。ベルト14の端からバンド16の端までの長さは3mm以上7mm以下である。
図示されないが、バンド16は、らせん状に巻かれたバンドコードを含む。バンドコードは実質的に周方向に延びる。詳細には、バンドコードが周方向に対してなす角度は、5°以下である。バンド16はジョイントレス構造を有する。このタイヤ2では、有機繊維からなるコードがバンドコードとして用いられる。有機繊維としては、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が例示される。
バンド16は、フルバンド50と、一対のエッジバンド52とを備える。
フルバンド50は赤道面を挟んで相対する両端を有する。フルバンド50の端はベルト14の端の軸方向外側に位置する。フルバンド50はベルト14に積層される。
一対のエッジバンド52は、赤道面を挟んで軸方向に離間して配置される。エッジバンド52はフルバンド50に積層される。エッジバンド52はフルバンド50の端の部分を覆う。このタイヤ2では、エッジバンド52の外端の位置は、軸方向において、フルバンド50の端の位置と一致する。エッジバンド52の外端はフルバンド50の端の軸方向外側に位置していてもよく、フルバンド50の端の軸方向内側に位置していてもよい。この場合、フルバンド50の端とエッジバンド52の外端との間の距離は10mm以下に設定される。
それぞれのチェーファー18は、ビード10の径方向内側に位置する。チェーファー18は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。チェーファー18はリムRのシートRSと接触する。
インナーライナー20は、カーカス12の内側に位置する。インナーライナー20はタイヤ2の内面を構成する。インナーライナー20は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する。
図1において符号WSで示される長さは外側層48の幅である。この外側層48の幅WSは、外側層48の第一の端から第二の端までの軸方向距離である。
図2は、図1に示された子午線断面における、カーカス12並びにベルト14の内側層46及び外側層48の輪郭を示す。本開示においてカーカス12の輪郭は、トレッド4の内側に位置するカーカス12を構成するカーカスプライ38のうち、最も外側に位置するカーカスプライ38のプライ本体の輪郭で表される。このタイヤ2では、カーカス12の輪郭は第二プライ本体42aの輪郭で表される。この輪郭は、第二プライ本体42aに含まれるカーカスコードの中心を特定することによって表される。カーカス12の輪郭はカーカスライン54とも称される。内側層46の輪郭は、内側層46に含まれるベルトコードの中心を特定することによって表される。内側層46の輪郭は、内側ベルトライン56とも称される。外側層48の輪郭は、外側層48に含まれるベルトコードの中心を特定することによって表される。外側層48の輪郭は、外側ベルトライン58とも称される。
図2において、符号SLWで示される実線はタイヤ2の最大幅位置PWを通り、軸方向にのびる直線である。符号BWは直線SLWとカーカスライン54との交点である。本開示においては、この交点BWが、カーカスライン54における、タイヤ2の軸方向外端PWに対応する位置である。
図2において、符号SLSで示される実線は外側層48の端(具体的には、外側ベルトライン58の端)を通る、タイヤ2の内面の法線である。符号BSは法線SLSとカーカスライン54との交点である。本開示においては、この交点BSが、カーカスライン54における、外側層48の端に対応する位置である。
図2において符号LCaで示される長さは、位置BWから位置BSまでのカーカスライン54の長さである。本開示においては、この長さLCaが、タイヤ2の軸方向外端PWに対応する位置BWから外側層48の端に対応する位置BSまでのカーカス12の長さである。
図2において、符号SLAで示される実線はエイペックス36の外端を通る、タイヤ2の内面の法線である。符号BAは法線SLAとカーカスライン54との交点である。本開示においては、この交点BAが、カーカスライン54における、エイペックス36の外端に対応する位置である。
図2において符号LCbで示される長さは、位置BWから位置BAまでのカーカスライン54の長さである。本開示においては、この長さLCbが、タイヤ2の軸方向外端PWに対応する位置BWからエイペックス36の外端に対応する位置BAまでのカーカス12の長さである。
前述したように、このタイヤ2は、110mm以下の断面高さの呼びを有する、低偏平タイヤである。高偏平タイヤのサイド部に比べて低偏平タイヤのサイド部は短い。
環境への配慮から、駆動手段にモーターを採用する車両が増加している。この車両はバッテリーを搭載する。駆動手段にエンジンを採用する車両に比べて、この車両は重い。段差通過時にタイヤが受ける衝撃は大きい。このタイヤ2のように、例えばカーカスを2枚のカーカスプライで構成しても、段差通過時の衝撃でカーカスコードが破断する恐れがある。
このタイヤ2では、外側層48の幅WSの、断面幅WAに対する比率(WS/WA)は80%以下である。
従来タイヤでは、この比率(WS/WA)は80%を超える。このタイヤ2の外側層48は従来タイヤのそれよりも幅狭である。このタイヤ2のトレッド4の端の部分(以下、ショルダー部)は、従来タイヤのそれよりも軟質である。このショルダー部は、段差通過時の衝撃の緩和に貢献する。
このタイヤ2では、外側層48の端は従来タイヤのそれに比べて軸方向内側に位置する。タイヤ2の軸方向外端PWに対応する位置BWから外側層48の端に対応する位置BSまでのカーカス12の長さLCaは従来タイヤのそれよりも長い。
特にこのタイヤ2では、その軸方向外端PWに対応する位置BWから外側層48の端に対応する位置BSまでのカーカス12の長さLCaの、断面高さSHに対する比率(LCa/SH)は50%以上である。
このタイヤ2では、段差通過時にタイヤ2が大きな衝撃を受けた際にビード部が接触するトレッド部のベルト14の端の部分が従来タイヤのそれに比べて動きやすい。カーカス12にかかるせん断力が弱まる。このタイヤ2では、サイド部が短いにもかかわらず、段差通過時の衝撃によるカーカスコードの破断の発生が抑制される。このタイヤ2では、耐ピンチカット性能が向上する。この観点から、この比率(LCa/SH)は53%以上であることが好ましい。
外側層48の端が赤道面により近い位置に配置されると、ベルト14の端の部分が径方向外向きに張り出すことが懸念される。この場合、接地形状が変化し、タイヤ2の耐偏摩耗性が低下する恐れがある。
このタイヤ2では、比率(LCa/SH)は60%以下である。このタイヤ2では、赤道面に対して外側層48の端が適正な位置に配置される。このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が維持される。この観点から、この比率(LCa/SH)は57%以下であることが好ましい。
このタイヤ2では、耐偏摩耗性への影響を抑えながら、耐ピンチカット性能の向上が達成される。このタイヤ2は、良好な耐偏摩耗性を維持しながら、耐ピンチカット性能の向上を達成できる。
このタイヤ2では、その軸方向外端PWに対応する位置BWからエイペックス36の外端に対応する位置BAまでのカーカス12の長さLSbの、タイヤ2の断面高さSHに対する比率(LSb/SH)は18%以上23%以下であることが好ましい。
比率(LSb/SH)が18%以上に設定されることにより、タイヤ2の、最大幅位置PWからエイペックス36の外端までの部分が、段差通過時にカーカス12にかかるせん断力の低減に貢献できる。このタイヤ2では、サイド部が短いにもかかわらず、段差通過時の衝撃によるカーカスコードの破断の発生が抑制される。この観点から、この比率(LSb/SH)は19%以上がより好ましい。
比率(LSb/SH)が23%以下に設定されることにより、ビード部の剛性低下が抑えられる。このタイヤ2は、限界走行性能に優れる。この観点から、この比率(LSb/SH)は22%以下であることがより好ましい。
図3は、図1に示されたタイヤ2の子午線断面における、タイヤ2の外面の輪郭の一部を示す。この輪郭は、タイヤ2をリムRに組み、タイヤ2の内圧を所定の圧力に調整し、このタイヤ2に荷重をかけていない状態にある、タイヤ2の外面形状を変位センサーで計測することで得られる。
タイヤ2の外面の輪郭は、計測した外面形状において、溝24や装飾等がないと仮定し、直線又は円弧からなる複数の輪郭線をつないで構成される。本開示において、直線又は円弧からなる輪郭線は単に輪郭線と称される。直線からなる輪郭線は直線輪郭線と称され、円弧からなる輪郭線は曲線輪郭線と称される。曲線輪郭線の半径は、該当する領域における外面の曲率半径を表す。
図3に示された外面の輪郭には、トレッド面22の輪郭が含まれる。トレッド面22の輪郭は、異なる半径を有する複数の曲線輪郭線を含む。トレッド面22の輪郭に含まれる複数の曲線輪郭線のうち、最小の半径を有する曲線輪郭線が、トレッド面22の端の部分に位置し、サイド面60に繋がる。このタイヤ2では、トレッド面22の輪郭に含まれる複数の曲線輪郭線のうち、最小の半径を有する円弧からなり、サイド面60に繋がる曲線輪郭線がショルダー輪郭線である。図3において、符号Rhで示される矢印はこのショルダー輪郭線の半径である。輪郭がこのショルダー輪郭線で表される領域は、ショルダー領域とも称される。符号TEで示される位置はショルダー領域とサイド面60との境界である。このタイヤ2では、この境界TEがトレッド面22の端である。
このタイヤ2では、トレッド面22の輪郭のうち、ショルダー輪郭線で表される部分以外は、軸方向に並列した5つの領域、具体的には、クラウン領域Cr、一対のミドル領域Mi及び一対のサイド領域Sdに区分される。クラウン領域Crは軸方向において中央に位置する。クラウン領域Crは赤道PCを含む。それぞれのミドル領域Miは、軸方向においてクラウン領域Crの外側に位置する。それぞれのサイド領域Sdは、軸方向においてミドル領域Miの外側に位置する。
図3において、符号CMで示される位置は、クラウン領域Crとミドル領域Miとの境界である。符号MSで示される位置は、ミドル領域Miとサイド領域Sdとの境界である。符号SEは、サイド領域Sdの外端である。外端SEは、前述のショルダー領域との境界でもある。
前述したように、トレッド面Tの輪郭は、異なる半径を有する複数の曲線輪郭線を含む。それぞれの領域の輪郭は曲線輪郭線で表される。このタイヤ2では、クラウン領域Crの輪郭を表す曲線輪郭線がクラウン輪郭線である。ミドル領域Miの輪郭を表す曲線輪郭線はミドル輪郭線である。サイド領域Sdの輪郭を表す曲線輪郭線はサイド輪郭線である。トレッド面22の輪郭に含まれる複数の曲線輪郭線は、クラウン輪郭線、一対のミドル輪郭線及び一対のサイド輪郭線を含む。クラウン輪郭線が、トレッド面22の輪郭を表す複数の曲線輪郭線のうち中央に位置する曲線輪郭線である。
図示されないが、クラウン輪郭線の中心は赤道面上に位置する。図3において、符号Rcで示される矢印はクラウン輪郭線の半径である。ミドル輪郭線は、クラウン輪郭線と境界CMにおいて接する。図3において、符号Rmで示される矢印はミドル輪郭線の半径である。サイド輪郭線は、境界MSにおいてミドル輪郭線と接する。図3において、符号Rsで示される矢印はサイド輪郭線の半径である。
本開示においては、赤道面上に中心を有し、赤道PCを含む円弧のうち、トレッド面22の輪郭との重複長さが最大となる円弧がクラウン輪郭線として特定され、この円弧の端が境界CMとして特定され、この円弧の半径がクラウン輪郭線の半径Rcとして用いられる。この境界CMとクラウン輪郭線の中心とを通る直線上に中心を有し、境界CMを含む円弧のうち、トレッド面22の輪郭との重複長さが最大となる円弧がミドル輪郭線として特定され、この円弧の外端が境界MSとして特定され、この円弧の半径がミドル輪郭線の半径Rmとして用いられる。この境界MSとミドル輪郭線の中心とを通る直線上に中心を有し、境界MSと境界SEを通る円弧がサイド輪郭線として特定され、この円弧の半径がサイド輪郭線の半径Rsとして用いられる。
本開示においては、基準状態及び標準状態のそれぞれにおいてトレッド面22の輪郭が特定される。
基準状態におけるクラウン輪郭線の半径Rc、ミドル輪郭線の半径Rm及びサイド輪郭線の半径Rsのうち、クラウン輪郭線の半径Rcがこのタイヤ2の基準半径RRとして用いられる。
標準状態におけるクラウン輪郭線の半径Rcは標準半径SRcとして表され、ミドル輪郭線の半径Rmは標準半径SRmとして表され、サイド輪郭線の半径Rsは標準半径SRsとして表される。
このタイヤ2では、基準状態におけるクラウン領域の輪郭を表す円弧の半径Rc、すなわち基準半径RRの、基準状態におけるタイヤ2の外径OD、すなわち基準外径RODに対する比率(RR/ROD)は55%以上70%以下であることが好ましい。
比率(RR/ROD)が55%以上に設定されることにより、タイヤ2の、最大幅位置PWからエイペックス36の外端までの部分が、段差通過時にカーカス12にかかるせん断力の低減に貢献できる。このタイヤ2では、サイド部が短いにもかかわらず、段差通過時の衝撃によるカーカスコードの破断の発生が抑制される。この観点から、この比率(RR/ROD)は60%以上がより好ましい。
比率(RR/ROD)が70%以下に設定されることにより、トレッド面22の輪郭が適正な形状で構成される。接地形状の安定化が図れるので、このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が維持される。この観点から、この比率(RR/ROD)は65%以下がより好ましい。
このタイヤ2では、標準状態におけるミドル領域の輪郭を表す円弧の半径Rm、すなわち標準半径SRmの、標準状態におけるクラウン領域の輪郭を表す円弧の半径Rc、すなわち標準半径SRcに対する比(SRm/SRc)は、0.47以上0.57以下が好ましい。これにより、トレッド面22の輪郭が適正な形状で構成される。接地形状の安定化が図れるので、このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が維持される。この観点から、この比(SRm/SRc)は0.49以上がより好ましく、0.51以上がさらに好ましい。この比(SRm/SRc)は0.55以下がより好ましく、0.53以下がさらに好ましい。
このタイヤ2では、標準状態におけるサイド領域の輪郭を表す円弧の半径Rs、すなわち標準半径SRsの、標準半径SRcに対する比(SRs/SRc)は、0.17以上0.27以下が好ましい。これにより、トレッド面22の輪郭が適正な形状で構成される。接地形状の安定化が図れるので、このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が維持される。この観点から、この比(SRs/SRc)は0.19以上がより好ましく、0.21以上がさらに好ましい。この比(SRs/SRc)は0.25以下がより好ましく、0.23以下がさらに好ましい。
このタイヤ2では、標準半径SRcの、タイヤ2の断面高さSHに対する比(SRc/SH)は、6.0以上8.0以下が好ましい。
比(SRc/SH)が6.0以上に設定されることにより、タイヤ2の、最大幅位置PWからエイペックス36の外端までの部分が、段差通過時にカーカス12にかかるせん断力の低減に貢献できる。このタイヤ2では、サイド部が短いにもかかわらず、段差通過時の衝撃によるカーカスコードの破断の発生が抑制される。この観点から、この「比(SRc/SH)は6.5以上がより好ましい。
比(SRc/SH)が8.0以下に設定されることにより、トレッド面22の輪郭が適正な形状で構成される。接地形状の安定化が図れるので、このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が維持される。この観点から、この比(SRc/SH)は7.5以下がより好ましい。
図1において、符号TCで示される長さは、このタイヤ2の赤道PCにおけるトレッド4の厚さである。この厚さTCは赤道面に沿って計測される。この図1において、符号LTSで示される実線は、外側層48の端を通る、このタイヤ2の内面の法線である。符号TCで示される長さは、この法線LTSに沿って計測されるトレッド4の厚さである。本開示においては、この厚さTCが、外側層48の端におけるトレッド4の厚さである。
このタイヤ2では、外側層48の端におけるトレッド4の厚さTSの、タイヤ2の赤道PCにおけるトレッド4の厚さTCに対する比率(TS/TC)は55%以上75%以下であることが好ましい。これにより、トレッド面22の輪郭が適正な形状で構成される。接地形状の安定化が図れるので、このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が維持される。この観点から、この比率(TS/TC)は58%以上がより好ましく、61%以上がさらに好ましい。この比率(TS/TC)は72%以下がより好ましく、69%以下がさらに好ましい。
このタイヤ2では、トレッドパターンを構成する溝24は、周方向に連続して延びる周方向溝62を含む。このタイヤ2では、軸方向に並列した複数本の周方向溝62がトレッド4に刻まれる。図1に示されたタイヤ2では、3本の周方向溝62がトレッド4に刻まれる。3本の周方向溝62のうち、軸方向において外側に位置する周方向溝62がショルダー周方向溝62sである。ショルダー周方向溝62sの軸方向内側に位置する周方向溝62がミドル周方向溝62mである。
このタイヤ2では、トレッド4に刻まれる周方向溝62の配置、溝深さ及び溝幅に特に制限はない。タイヤ2の周方向溝62の配置、溝深さ及び溝幅として一般的な配置、溝深さ及び溝幅がこのトレッド4に適用される。
このタイヤ2では、トレッド4に周方向溝62が刻まれることで、このトレッド4に複数本の陸部64が構成される。前述したように、図1に示されたタイヤ2では、4本の周方向溝62が刻まれる。これにより5本の陸部64が構成される。これら陸部64のうち、軸方向において外側に位置する陸部64がショルダー陸部64sである。ショルダー陸部64sの軸方向内側に位置する陸部64がミドル陸部64mである。ミドル陸部64mの軸方向内側に位置する陸部64がセンター陸部64cである。このタイヤ2では、センター陸部64cが、5つの陸部64のうち中央に位置する陸部64であり、赤道面上に位置する。
このタイヤ2では、ショルダー陸部64sに、周方向に並ぶ複数の横溝66が刻まれる。これら横溝66は周方向に間隔をあけて配置される。それぞれの横溝66の内端66eはショルダー陸部64s内に位置する。横溝66は、その内端66eからトレッド面22の端TEに向かってのびる。
横溝66はショルダー陸部64sの剛性を低める。前述したように、このタイヤ2では外側層48の端は赤道面により近い位置に配置される。このタイヤ2では、ベルト14の端の部分が径方向外向きに張り出しやすい状況にある。ベルト14の端の部分が径方向外向きに張り出すと、接地面の端の部分において局所的に接地圧が高まることが懸念される。この場合、タイヤ2の耐偏摩耗性が低下する恐れがある。
前述したようにこのタイヤ2では、フルバンドの50の端部を覆うエッジバンド52が設けられる。エッジバンド52はらせん状に巻かれたバンドコードを含む。しかもこのエッジバンド52の内端は、横溝66の内端66eの軸方向内側に位置する。エッジバンド52は径方向において横溝66と重複するように配置される。このタイヤ2では、エッジバンド52が、ベルト14の端の部分の径方向外向きへの張り出しを効果的に抑制する。このタイヤ2では、接地形状の安定化が図れるので、良好な耐偏摩耗性が維持される。
図1において符号DEで示される長さは、エッジバンド52の内端から横溝66の内端66eまでの軸方向距離である。エッジバンド52が耐偏摩耗性の向上に効果的に貢献できる観点から、軸方向距離DEは3mm以上が好ましく、7mm以下が好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、耐偏摩耗性への影響を小さく抑えながら、耐ピンチカット性能の向上を達成できるタイヤ2が得られる。特に、本発明は、110mm以下の断面高さの呼びを有し、ロードインデックスが85以上105以下であるタイヤ2において、顕著な効果を奏する。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた乗用車用の空気入りタイヤ(タイヤの呼び=215/50R17 91V)を得た。この実施例1の仕様は、後述する比較例2の仕様をベースにトレッド面の輪郭、そして外側層の幅を主に調整して構成された。
この実施例1では、断面高さの呼びは108mmである。
外側層の軸方向幅WSの、タイヤの断面幅WAに対する比率(WS/WA)は76%であった。外端PWに対応する位置BWから外側層の端に対応する位置BSまでのカーカスの長さLCaの、タイヤの断面高さSHに対する比率(LCa/SH)は53%であった。外端PWに対応する位置BWからエイペックスの外端に対応する位置BAまでのカーカスの長さLCbの、タイヤの断面高さSHに対する比率(LCb/SH)は21%であった。基準半径RRの基準外径RODに対する比率(RR/ROD)は62%であった。外側層の端におけるトレッドの厚さTSの、タイヤの赤道PCにおけるトレッドの厚さTCに対する比率(TS/TC)は63%であった。
エイペックスの高さHAの、タイヤの断面高さSHに対する比率(HA/SH)は32%であった。
エッジバンドの内端は横溝の内端の軸方向内側に位置し、エッジバンドの内端から横溝の内端までの軸方向距離DEは4mmであった。
標準半径SRcの、タイヤ2の断面高さSHに対する比(SRc/SH)は7.1であった。
[比較例1]
比較例1は従来のタイヤ(タイヤの呼び=215/55R17 94V)である。
比較例1の仕様は下記の表1に示される通りである。
赤道におけるトレッドの厚さTCは実施例1のそれと同じである。
エッジバンドの内端は横溝の内端の軸方向外側に位置し、エッジバンドの内端と横溝の内端との間の軸方向距離DEは13mmであった。
標準半径SRcの、タイヤ2の断面高さSHに対する比(SRc/SH)は7.4であった。
[比較例2]
タイヤの呼びを「215/50R17 91V」とし、断面高さSHを変えた他は比較例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
エッジバンドの内端は横溝の内端の軸方向外側に位置し、エッジバンドの内端と横溝の内端との間の軸方向距離DEは13mmであった。
標準半径SRcの、タイヤ2の断面高さSHに対する比(SRc/SH)は8.1であった。
[耐ピンチカット性能]
試作タイヤをリム(17×7.0J)に組み、空気を充填して内圧を230kPaに調整した。このタイヤを試験車両(排気量2500ccの国産FR自動車)に装着した。試験車両にはドライバーが1名乗車した。テストコースの路面上に高さ200mmの突起を設け、試験車両を走行させて前輪でこの突起を乗り越えさせた。このタイヤを目視で観察して、ピンチカットによる損傷の発生の有無を確認した。車両の速度は40km/hから開始し、速度を0.5km/hずつ段階的に上昇させて、タイヤに損傷が生じた速度を測定した。その結果が比較例1を100とした指数で下記の表1に示されている。数値が大きいほど耐ピンチカット性能に優れる。
[耐偏摩耗性能]
試作タイヤをリム(17×7.0J)に組み、空気を充填して内圧を240kPaに調整した。このタイヤを摩耗エネルギー測定装置に装着した。キャンバー角を0°、スリップ角を0°に設定して、タイヤの摩耗エネルギーを測定した。センター陸部の後着側の摩耗エネルギーEcと、ショルダー陸部の後着側の摩耗エネルギーEsとから、耐偏摩耗性能の指標としての比(Ec/Es)を求めた。その結果が比較例1を100とした指数で下記の表1に示されている。数値が大きいほど耐偏摩耗性能に優れる。
Figure 2023082914000002
表1に示されているように、実施例では、耐偏摩耗性への影響を小さく抑えながら、耐ピンチカット性能の向上が達成されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された、耐ピンチカット性能の向上を達成できる技術は種々のタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・バンド
22・・・トレッド面
34・・・コア
36・・・エイペックス
40・・・第一カーカスプライ
42・・・第二カスプライ
40a・・・第一プライ本体
40b・・・第一折り返し部
42・・・第二カーカスプライ
42a・・・第二プライ本体
42b・・・第二折り返し部
46・・・内側層
48・・・外側層
50・・・フルバンド
52・・・エッジバンド
54・・・カーカスライン
60・・・サイド面
62、62s、64m・・・周方向溝
64、64s、64m、64c・・・陸部
66・・・横溝
66e・・・横溝66の内端

Claims (5)

  1. 110mm以下の断面高さの呼びを有する、タイヤであって、
    トレッド面を有するトレッドと、
    前記トレッドの端に連なり、前記トレッドの径方向内側に位置する一対のサイドウォールと、
    前記サイドウォールの径方向内側に位置する一対のビードと、
    前記トレッド及び前記一対のサイドウォールの内側に位置し、前記一対のビードのうちの第一ビードと第二ビードとの間を架け渡すカーカスと、
    前記トレッドの内側において前記カーカスに積層されるベルトと、
    前記トレッドと前記ベルトとの間に位置するバンドと
    を備え、
    前記ビードがコアと前記コアの径方向外側に位置するエイペックスとを備え、
    前記ベルトが内側層と前記内側層の径方向外側に位置する外側層とを備え、
    前記外側層の端が前記内側層の端の軸方向内側に位置し、
    前記外側層の軸方向幅の、前記タイヤの断面幅に対する比率が80%以下であり、
    前記タイヤの軸方向外端に対応する位置から前記外側層の端に対応する位置までの前記カーカスの長さの、前記タイヤの断面高さに対する比率が50%以上60%以下である、
    タイヤ。
  2. 前記タイヤの軸方向外端に対応する位置から前記エイペックスの外端に対応する位置までの前記カーカスの長さの、前記タイヤの断面高さに対する比率が18%以上23%以下である、
    請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記タイヤの子午線断面において、前記トレッド面のうち、前記タイヤの赤道を含む領域がクラウン領域であり、
    前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を230kPaに調整した状態における、前記タイヤの外径が基準外径であり、前記クラウン領域の輪郭を表す円弧の半径が基準半径であり、
    前記基準半径の前記基準外径に対する比率が55%以上70%以下である、
    請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記外側層の端における前記トレッドの厚さの、前記タイヤの赤道における前記トレッドの厚さに対する比率が55%以上75%以下である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記トレッドに周方向溝を刻むことで、軸方向に並列した複数の陸部が構成され、
    前記複数の陸部のうち、軸方向において外側に位置する陸部がショルダー陸部であり、
    前記ショルダー陸部に周方向に並ぶ複数の横溝が刻まれ、
    前記複数の横溝それぞれの内端が前記ショルダー陸部内に位置し、前記横溝が前記内端から前記トレッド面の端に向かってのび、
    前記バンドが、前記ベルトを覆うフルバンドと、軸方向に離して配置され前記フルバンドの端を覆う一対のエッジバンドとを備え、
    前記エッジバンドの内端が前記横溝の内端の軸方向内側に位置する、
    請求項1から4のいすれか一項に記載のタイヤ。
JP2021196923A 2021-12-03 2021-12-03 タイヤ Pending JP2023082914A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021196923A JP2023082914A (ja) 2021-12-03 2021-12-03 タイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021196923A JP2023082914A (ja) 2021-12-03 2021-12-03 タイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023082914A true JP2023082914A (ja) 2023-06-15

Family

ID=86728635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021196923A Pending JP2023082914A (ja) 2021-12-03 2021-12-03 タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023082914A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4170821B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4728304B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP7298622B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4723198B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3325004B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP3666556B1 (en) Pneumatic tyre
JP6816543B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP3366495B1 (en) Tire for two-wheeled automotive vehicle
CN114179568A (zh) 重载用充气轮胎
JP2017121908A (ja) 空気入りタイヤ
KR102590070B1 (ko) 공기 타이어
CN108473005B (zh) 充气轮胎
JP5069029B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6457735B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2023082914A (ja) タイヤ
JP7172215B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP6772682B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6790606B2 (ja) 空気入りタイヤ
US20230014133A1 (en) Heavy duty tire
EP4116112A1 (en) Heavy duty tire
EP4079545B1 (en) Tire
JP2014201079A (ja) 空気入りタイヤ
US20230382162A1 (en) Tire
JP7131726B1 (ja) 重荷重用タイヤ
US20230256779A1 (en) Tire