JP2023081270A - 一体型タッチモジュール及びそれを備えたタッチディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一体型タッチモジュール及びタッチディスプレイ装置を提供する。【解決手段】一体型タッチモジュール100は、高分子フィルム20上に形成されたタッチ感知構造体30を有する。高分子フィルム、液晶位相差層23及び直線偏光層10は、円偏光素子を構成する。円偏光素子の可視光領域における反射率の平均は5%未満であり、反射率の標準偏差は0.2%未満である。タッチディスプレイ装置は、一体型タッチモジュールを含む。【選択図】図5
Description
本開示は、一体型タッチモジュール及びこの一体型タッチモジュールを含むタッチディスプレイ装置に関し、特に、折り曲げ可能で広帯域の光学性能を有する超薄型の一体型タッチコントロールモジュール及びこの一体型タッチモジュールを含むタッチディスプレイ装置に関する。
現在、円偏光子(CPOL)は、主に位相差板と直線偏光子とを有しており、外部環境からの入射光の反射によるディスプレイ問題を解決するためにディスプレイ分野で反射防止フィルムとしてよく用いられ、位相差板は1/4波長板(QWP)とすることができる。図1は、外部環境からの入射光を受光する反射防止シートを示す模式図である。図1に示すように、理論的には、外部からの入射光Lが最外側の直線偏光層10aを通過する際に、直線偏光層10aが入射光Lを直線偏光の入射光L1に変換し、直線偏光の入射光L1の偏光方向が垂直である場合には、直線偏光の入射光L1が位相差板20aとして用いられる1/4波長板に入射することにより、直線偏光の入射光L1は位相差を生じ、直線偏光の入射光L1は左回り偏光Lclに変換される。そして、ディスプレイパネル200で反射された光は、逆の右回り偏光Lcrを形成した後、位相差板20aとして用いられる1/4波長板を通過するので、最終的には、直線偏光の入射光L2の偏光方向と直線偏光の入射光L1の偏光方向とが直交し、外部環境からの入射光は、直線偏光層10aを通過することができず、円偏光板で遮断される。以上の原理から、外部環境光を円偏光させる反射防止シートは、上述した反射防止機構の第1段階であり、外部環境光を円偏光させることは反射防止効果の重要な要因の一つであるが、実際には、全ての可視光領域で反射防止機構が発生するわけではない。内部の全ての入射光は理想的には円偏光されておらず、ある波長の周囲光は依然としてディスプレイパネル200によって反射され、ユーザが画面を見るときに干渉を生じる。
特許文献1には、キラル1/2波長位相補償フィルム及びキラル1/4波長位相補償フィルムを含む広帯域補償積層体が開示されている。キラル1/4波長位相補償フィルムとキラル1/2波長位相補償フィルムとは直接接触する。特許文献1に開示されている広帯域補償積層体は、上述の反射光の問題を解決するために提案された技術的解決策である。例えば、それはパラグラフで言及されている。特許文献1の[0014]には、「補償フィルムの円偏光変換能力は広帯域補償フィルムである」と記載されている。
しかしながら、特許文献1の広帯域補償フィルムの可視光領域における反射率は、依然として、周囲光の反射を効果的に除去するには高すぎる。例えば、特許文献1の表3に示すように、特許文献1の補償フィルムの波長450nm、550nm、650nmにおける反射率は約8%である。円偏光子は主に環境光の反射防止に使用されるため、反射率が高いと環境光の反射防止効果が悪くなり、端末のディスプレイ効果に影響を与え、強い外光での反射となり読み取りに支障をきたす場合がある。出願人は、特許文献1の可視光領域における広帯域補償フィルムの反射率(8%)は、ますます高度化するディスプレイ要件、特に、ユーザによって好まれてきた4K及び8Kビデオのような現在の高解像度及び高品質ビデオを満たすことができないと考えている。特許文献1の表4が、約4~5%の反射率を有する広帯域補償フィルムを開示していることは注目に値する。しかしながら、表3の実施例と比較して、特許文献1は、どのような要因が反射率の差を引き起こすかを明確に規定していないので、当業者は、それをどのように実施するかについて考えていない。
一方、特許文献1のキラル1/2波長位相補償フィルム及びキラル1/4波長位相補償フィルムの材料は、いずれも異方性液晶(液晶位相差層とも呼ばれる)からなる。現在、タッチディスプレイ画面としてのディスプレイ上のタッチ感知電極の組立は重要なヒューマンマシンインタフェースの一つである。製品をより薄くする目的のために、タッチ感知電極は、可能な限り他の構成要素上に一体化されて製造され、特許文献1は、製造プロセス中にタッチ感知構造体を支持するための基板として直接使用することができない異方性液晶を使用する。言い換えれば、機構の強度を提供するためには、接着剤層及び/又は支持基材をキャリア材料として使用しなければならない。このため、タッチ感知電極と反射防止フィルムとを一体的に組み合わせた厚さを薄くすることができず、現在の薄型化・軽量化の流れに沿ったものではない。
また、光学フィルム業界では、製造の効率化や材料の適合性を考慮するために、1/2波長位相補償層(又は1/2波長板(HWP))と1/4波長位相補償層(又は1/4波長板(QWP))が同じ材料で形成されている。例えば、特許文献1は、同じ液晶材料を使用して、キラル1/2波長位相補償層及びキラル1/4波長位相補償層を形成する。本出願以前には、光学効果及び電気信号機能を有する素子をどのように一体化するか、及び2つの構成要素が一体化されたものをどのように製造するかという問題を解決する観点から、異なる材料と光学フィルムの組み合わせの使用を教示又は推奨する文献は存在しない。
そこで、本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。
本開示の目的は、電気信号処理素子(タッチ感知構造体)と光学素子(位相差層/偏光層)とで一体化された一体型タッチモジュールを提供することにある。特性・機能の異なる2つの部品を組み合わせることで、それぞれの特性を損なうことなく、2つの部品を同時に薄型化することで、一体化の要求に応え、折り曲げ可能な超薄型の一体型タッチモジュールを実現することができる。
本開示の他の目的は、可視光領域における円偏光素子の反射率の平均が5%未満であり、かつ、反射率の標準偏差が0.2%未満である一体型タッチモジュールを提供することにより、高く均一な広帯域の反射率を備えた一体型タッチモジュールを実現することである。広帯域領域とは、可視光領域(450nm~675nm)をカバーすることを意味し、すなわち、本開示の一体型タッチモジュールは、全可視光領域にわたって均一で一貫した位相差特性及び低反射特性を有する。
本開示の他の目的は、一体型タッチモジュールを提供することであり、一体型タッチモジュールの高分子フィルムは、高分子フィルム上にタッチ感知構造体を形成するための基板として直接使用することができる。基板を追加する必要がなく、タッチ感知構造体の製造プロセス後に、高分子フィルムは元の光学特性を保持することができる。
本開示の一体型タッチモジュールは、高分子フィルム上に形成された銀ナノワイヤタッチ感知構造体を含み、高分子フィルムは550nmの波長に対して100nm~160nmの位相差値を有する。前記高分子フィルム、液晶位相差層、及び直線偏光層は円偏光素子を構成し、前記円偏光素子の可視光領域における反射率の平均は5%未満であり、前記反射率の標準偏差は0.2%未満である。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、可視光領域における一体型タッチモジュールの反射率の平均は6%未満であり、反射率の標準偏差は0.4%未満である。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、波長領域450nm~500nmにおける円偏光素子の反射率の平均は6%未満であり、波長領域450nm~500nmにおける円偏光素子の反射率の平均と波長550nmにおける反射率との反射率差が5%未満である。又は、波長領域450nm~500nmにおける円偏光素子の反射率の平均は6%未満であり、波長領域450nm~500nmにおける円偏光素子の反射率の平均と波長550nmにおける反射率との反射率差は4.5%未満又は3.5%未満である。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、波長領域450nm~500nmにおける円偏光素子の反射率の平均と、波長領域525nm~675nmにおける反射率の平均と、の反射率差は10%未満である。又は、波長領域450nm~500nmにおける円偏光素子の反射率の平均と、波長領域525nm~675nmの反射率の平均と、の反射率差が7%未満又は5.5%未満である。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、高分子フィルムは、銀ナノワイヤタッチ感知構造体のプロセス温度に耐えるように構成される。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、高分子フィルムのガラス転移温度は、高分子フィルム上に銀ナノワイヤタッチ感知構造体を形成する最高プロセス温度以上である。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、高分子フィルムは、厚さ約25μmの正分散型位相差層であり、前記液晶位相差層は、厚さ約2μmの正分散型位相差層であり、前記高分子フィルムと前記液晶位相差層との光軸差が約60度である。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、銀ナノワイヤタッチ感知構造体の最高プロセス温度は135~140℃であり、高分子フィルムの主成分はポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、無色ポリイミド(CPI)又はそれらの誘導体であり、高分子フィルムのガラス転移温度は135~140℃以上である。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、銀ナノワイヤタッチ感知構造体は、高分子フィルム上に直接配置された銀ナノワイヤ電極層を含む。
好ましくは、本開示の一体型タッチモジュールによれば、銀ナノワイヤタッチ感知構造体は、2つの銀ナノワイヤ電極層を含み、2つの銀ナノワイヤ電極層は、高分子フィルムの上面及び下面にそれぞれ配置される。
好ましくは、本開示による一体型タッチモジュールは、直線偏光層が液晶位相差層の上に配置される。
さらに、本開示は、表示領域を有するディスプレイパネルを含むタッチディスプレイ装置をさらに提供する。前記一体型タッチモジュールの銀ナノワイヤタッチ感知構造体は、前記表示領域に対応して重なっている。
好ましくは、本開示のタッチディスプレイパネルは、液晶表示パネル、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、有機発光ダイオード表示パネル又はマイクロ発光ダイオード表示パネルである。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
当業者が本開示の目的、特徴及び効果を理解できるようにするために、本開示は、添付図面とともに以下の特定の実施形態を用いて詳細に説明される。
以下、添付図面を参照して、本開示に係る例示的な実施形態をより詳細に説明するが、本開示を達成するための利点、特徴及び方法は明らかである。しかしながら、本開示は、以下の例示的な実施形態に限定されず、種々の形態で実施可能であることに留意されたい。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、本開示を限定することを意図していない。文脈が明確に別のことを示さない限り、本明細書で使用される単数形の用語「a」及び「the」は、複数形も含む。
さらに、要素が別の要素上にあると呼ばれる場合、その要素は別の要素上に直接存在してもよく、又は介在要素が存在してもよいことを理解されたい。さらに、本開示で参照される厚さの値は絶対値ではない。当業者は、参照される厚さが製造公差、測定誤差などを含み得ることを理解することができ、好ましくは、本開示に列挙される厚さは、10%又は20%の範囲を有し得る。
また、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では様々な要素を記述するために使用することができるが、これらの要素はこれらの用語に限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、各要素を区別するためにのみ使用される。したがって、いくつかの実施形態における第1の要素は、本開示の教示から逸脱することなく、他の実施形態における第2の要素と呼ばれ得る。本明細書において、同一の参照番号は、同一の要素を示す。さらに、光学素子は、特に指定されない限り、本明細書において「板」、「層」、「フィルム」、又は他の類似の用語と同じ意味で使用され、名称のみが異なる。
なお、本開示は位相差材料の位相差値に関するものであるので、まず測定方法について説明する。本開示の実施形態では、物体の厚さ方向に垂直な面で測定された位相差値、すなわち面内位相差/位相差(R0)を測定する。本開示の実施形態は、市販の装置モデルであるAxoScan(Axometrics社製)を使用して、可視光波長領域における物体の面内位相差値を測定する。データを簡潔にするために、450nmからの特定の波長が、例えば、675nmの面内位相差値になるまで25nmごとに一回記録される。すなわち、ここでいう可視光の波長領域は450nm~675nmであり、本開示におけるいわゆる広帯域の領域は、450nm~675nmの波長領域としても理解できる。
本開示は、一体型タッチモジュールの第1の比較例を提供する。一体型タッチモジュールは、高分子位相差層と、高分子位相差層上に配置されたタッチ感知構造体とを含む。上述したように、電気信号処理素子(タッチ感知構造体)と光学素子(高分子位相差層)とを一体化するために、タッチ感知構造体が実装される追加の基板を必要とせずに、タッチ感知構造体が高分子位相差層上に直接形成される。高分子位相差層と直線偏光層/偏光層との組み合わせは、円偏光子(又は円偏光素子)と呼ぶことができる反射防止光学素子を構成することができる。上記の一体化及び製品薄肉化の目的を達成するために、高分子位相差層は、1/4位相補償層として使用することができる厚さ45μmのシクロオレフィンポリマー(COP)を使用する。市販されている高分子ストレッチ型の1/4位相補償層と比較して、厚さ45μmのシクロオレフィンポリマー(COP)の厚さは50%減少した。
また、本開示の一実施形態において、直線偏光層/偏光層は、98%を超える偏光度(DOP)を有する一般に市販されている偏光板であってもよいが、これに限定されるものではない。直線偏光層/偏光層は、ポリビニルアルコール(PVA)を中間に固定した2枚の保護フィルム(セルローストリアセテート(TAC)など)(A型偏光層と称する)であってもよいし、1枚の保護フィルム(TACなど)とポリビニルアルコール(PVA)とを組み合わせたもの(B型偏光層の偏光層と略称する)であってもよい。なお、上記2つの偏光層や他の任意の偏光層を本開示に適用することができ、本開示は実施形態に限定されるものではない。
本開示の実験方法によれば、使用される入射光は、被測定物(例えば、上記高分子位相差層と、タッチ感知構造体と、直線偏光層との組み合わせ)に入射し、次いで、例えば、反射率が約55%のパーシャルミラー(3D Lens製)などの反射面を通過し、次いで、対象物を通過して光を反射し、次いで、可視光領域における反射率(R%)を測定することができる。一般に、光学測定に関する国際規格としては、ASTM D1003、CIE 130 1998、ISO 13468などがある。本開示は、測定のためにASTM D1003の構造を使用する。
表1及び図2を参照されたい。図2は、第1の比較例で用いた厚さ45μmのシクロオレフィンポリマー(COP)と、全波長用のB型偏光層(すなわち、450nm~675nm)と、の組み合わせの反射率の反射スペクトル曲線を示す。表1の反射率は、特定の波長における図2の曲線から得られる。表1に示すように、第1の比較例の可視光波長領域における反射率の平均は、5%~6%である。反射率の標準偏差は約1.21%である。第1の比較例の可視光波長領域における反射率は、波長によって大きく変化することは明らかである。観察の観点からは、特定の波長の反射率は特に高く、ディスプレイ画面に色ずれがあることが容易に観察される。図2から明らかなように、第1の比較例では可視光の短波長領域で高反射率が消失することが多い。例えば、450nm~500nmの波長領域では、反射率の平均は7%(表1の450nm、475nm及び500nmの反射率から計算した平均率は約6.9%である。本開示に別段の定めがない限り、以下のデータは同様の方法で計算される)に近く、第1の比較例では、450nm~500nmの波長の入射光を反射して観察することができることを意味する。第1の比較例によれば、同一高分子材料の位相差層はより薄い厚さを有することが分かった(本例で選択した厚さ45μmのシクロオレフィンポリマーを他のより厚い市販品と比較して)。波長領域では高反射率(例えば:>6%)の問題が生じる。また、波長550nmを可視光領域の中心領域とすると、波長550nmの反射率と短波長領域の反射率の平均を比較することで、反射率に急激な変化があるか否かを把握することができる。計算によると、波長領域450nm~500nmでの第1の比較例の反射率の平均は波長550nmでの反射率と全く異なり、その差は約55%(計算式:(6.9-4.47)/4.47=54.4%)であった。第1の比較例では、短波長領域(すなわち、450nm~500nm)の反射率が急激に変化し、人間の目が短波長領域における大量の反射光を急激に受けることは明らかであり、視認性の低下や表示性能の不均一化を招く。また、可視光を短波長領域と中長波長領域とに分けると、短波長領域と中長波長領域との平均反射率差(反射率の平均の差)からも反射率の変化を解析することができる。この計算によれば、比較例の波長領域450nm~500nm(短波長領域)の反射率の平均と波長領域525nm~675nm(中長波長領域)の反射率の平均との差は、約33%(計算式:(6.9)-4.63)/6.9=32.9%)である。第1の比較例の反射率は、可視光の2つの波長領域において大きなばらつきがあることは明らかである。
表2に、厚さ45μmの45μmシクロオレフィンポリマー(COP)上に形成され、B型偏光層と組み合わせた銀ナノワイヤタッチ感知構造体の反射率を示し、これは特定の可視光下で上記の試験方法/装置により測定した反射率の平均値と標準偏差を示している。表2に示すように、可視光領域の反射率の平均は5.91%であり、可視光領域の反射率の標準偏差は0.81%である。換言すれば、光学フィルム(すなわち、COP材料の1/4波長位相補償層)と銀ナノワイヤタッチ感知構造体とを一体化した後、反射率は波長によって大きく変化する。特に短波長領域では、反射率の平均が7%に近く、表示品位のばらつき(カラーシフトなど)の問題がある。すなわち、一体化されたタッチ感知構造体であっても、第1の比較例で見られた短波長領域での高反射率の問題を解決する必要がある。
図3は、本開示の第1の実施形態に係る一体型タッチモジュール100の概略図である。本開示に係る一体型タッチモジュール100は、高分子フィルム20と、高分子フィルム20上に配置されたタッチ感知構造体30と、液晶位相差層23と、直線偏光層10とを含む。高分子フィルム20及び液晶位相差層23は位相差素子を構成する。高分子フィルム20の550nmにおける位相差値R0(550)は、100nm~160nm、好ましくは130nm以上である。液晶位相差層23の550nmにおける位相差値R0(550)は、230nm~310nm、好ましくは250nm以上である。具体的には、高分子フィルム20は、厚さ25μmのポリカーボネート(PC)材料(供給元:LONGHUA)であり、550nmにおける位相差値は131nmである。入射光波長が550nmのときに測定された高分子フィルム20の位相差の測定値は、理想的な1/4波長位相差値(138.75nm)に極めて近い。このようにして、本開示の第1の実施形態に係る高分子フィルム20は、1/4位相差層として使用することができ、タッチ感知構造体30を支持する基板として使用することができることが分かる。一実施形態において、高分子フィルム20の低速軸は約75度である。液晶位相差層23は、例えば、約2μmの厚さ、約15度の低速軸を備えた市販品である反応性メソゲン(RM)反応性液晶からなる単層の液晶コーティングであり、550nmにおける位相差は260nmである。本開示の第1の実施形態に係る液晶位相差層23の入射光波長を550nmとしたときの位相差値は、理想的な1/2位相差値(275nm)に極めて近い。このように、本開示の第1の実施形態に係る液晶位相差層23は、1/2位相差層として用いることができると判断することができる。本実施形態では、高分子フィルム20と液晶位相差層23との光軸(例えば、上述した低速軸)が約60度異なる。直線偏光層10は、上述したB型の市販品SPN32-1805M(供給元:SAPO)の偏光層であり、液晶位相差層23は、ポリビニルアルコール(PVA)水糊を用いて直線偏光層10に貼り付けられている。
また、高分子フィルム20及び液晶位相差層23は、いずれも正分散の特性を有する。ここで、正分散とは、材料の面内位相差値をいう。波長が大きくなると、材料の位相差値は小さくなる。また、長波長面における材料の位相差値(例えば、650nm)は、短波長面における材料の位相差値(例えば、400nm)よりも小さい値であるとも言える。すなわち、R0(650)/R0(400)<1である。高分子フィルム20と液晶位相差層23とを組み合わせることにより、負の分散特性を得ることができ、負の分散特性が示す光学効果は理論により近いものとなる。ここで、負の分散とは、波長が大きくなるにつれて、材料の位相差値が大きくなることを意味する。本実施形態における順方向及び逆方向の分散は、近似的な傾向にすぎず、完全な線形変化ではないことは言及するに値する。なお、上述した直線偏光層10の説明は、ここでは繰り返さない。
表3及び図4を参照されたい。図4は、上述した高分子フィルム20、液晶位相差層23、直線偏光層10(タッチ感知構造体30を除く)を有する位相差素子を上記の方法/装置で測定して得られる本開示の第1の実施形態の反射率及び波長のスペクトル曲線を示している。表3は、特定の可視光下での図4の反射率に基づいて計算された平均値及び標準偏差である。表3に示すように、本開示の第1の実施形態の反射率は、入射光の波長が550nmの場合に4.54%であり、可視光領域における反射率の平均が4.51%であり、可視光領域における反射率の標準偏差が0.17%である。平均反射率が低く、反射率の標準偏差が小さいことから、本開示が低反射率で均一な反射防止シートを提供できることは明らかである。図4と上記第1の比較例(すなわち、図2)のスペクトルとの比較から、本開示の第1の実施形態は、可視光の中~低波長領域、例えば450nm~500nmの波長領域において反射率が低く、反射率の平均が4.7%(表3のデータから算出)であることが分かるので、本開示の第1の実施形態は、良好な光学特性を有し、かつ、実際の応用要件を満たす広帯域の低反射性能を有することを示すことができる。上記の比較例と比較すると、本実施形態の光学層(タッチ感知構造体30を除く)の波長領域450nm~500nmにおける反射率の平均と波長550nmにおける反射率との差は極めて小さい(計算式:(4.7-4.54)/4.54=3.5%)。第1の比較例と比較すると、算出された差分値は10倍もある。この例の短波長領域における反射率は極めて均一であり、観察者にとって非常に良好であることは明らかである。換言すれば、明らかな反射光が突然大量に生じることはない。本実施形態における450nm~500nmの波長領域(短波長領域)の反射率の平均と、525nm~675nmの波長領域(中長波長領域)の反射率の平均との差を算出すると、約5.5%(計算式:(4.7-4.44)/4.7=5.5%)となる。第1の比較例と比較すると、2つの定義された領域の2つの反射率の平均値の差も大幅に小さくなり、表示品質も効果的に向上する。
また、本開示の第1の実施形態によれば、高分子フィルム20を直接基板として用いることができる。図3に示すように、本開示の第1の実施形態のタッチ感知構造体30は、タッチ電極層の単層を含むことができる。単層のタッチ電極層は、追加の基板なしで高分子フィルム20上に配置することができ、これにより、一体型タッチモジュール100の厚さを大幅に減少させることができ、折り曲げ可能な超薄型の一体型タッチモジュール及び製品を実現することができる。具体的には、本実施形態では、銀ナノワイヤ(SNW)及び/又はオーバーコート(OC)樹脂(供給元:Cambrios)を含有するスラリーが高分子フィルム20上に直接コーティングされ、次いで、銀ナノワイヤ電極が焼成、硬化、及びパターニング(図示せず)の後に形成され、特定の方法は、参照により本明細書に援用する米国特許第20190227650号明細書、中国特許出願公開第101292362号明細書などで参照及び導入することができる。銀ナノワイヤ電極は、高い透過率を有し、例えば、可視光領域における透過率は、約88%、90%、91%、92%、93%以上である。形成された銀ナノワイヤ電極は、タッチを感知するために主に可視領域に位置し、信号伝送用の外部回路(フレキシブルプリント回路(FPC)など)との接続を容易にするために、銀ナノワイヤ電極は周囲領域の配線に接続されなければならない。これは、ここでは繰り返さない一般的な技術を使用することによって達成することができる。銀ナノワイヤ電極は、高分子フィルム20上に実装されており、したがって、高分子フィルム20は、周辺領域の配線とFPC上の配線とが、通常、ホットプレスプロセス(すなわち、結合プロセス)によって接続されるので、高い強度を有することが好ましい。高分子フィルム20は、FPC上の配線と配線とが良好に固定されるように、ホットプレスの圧力を接続部(すなわち、結合領域)に伝える支持力を提供しなければならない。一実施形態では、高分子フィルム20の強度は、約2~72GPaの弾性モジュールによって表される。
一実施形態では、高分子フィルム20は、上記の銀ナノワイヤ電極を形成するためのプロセス温度、すなわち上記の銀ナノワイヤ電極を形成するためのプロセスにおける最高温度に耐えることができなければならない。具体的には、本実施形態における銀ナノワイヤ電極を形成するプロセスで使用される最高温度は、約135~140℃(設備の逸脱や周辺環境への影響などを考慮して)であり、高分子フィルム20は、材料の光学特性を維持するために、135~140℃のプロセス温度に耐えることができるように選択される必要がある。より具体的には、高分子フィルム20のガラス転移温度(Tg)は、通常、適切な材料を選択するために用いられる因子である。一実施形態では、高分子フィルム20のガラス転移温度は、光学特性を維持するために、135~140℃のプロセス温度以上であってもよい。本実施形態で用いられるポリカーボネート(PC)材料の高分子フィルム20のガラス転移温度は、137~140℃である。本実施形態の高分子フィルム20のガラス転移温度は、銀ナノワイヤ電極を形成するためのプロセス温度と基本的にほぼ等しいと考えることができる。上記のプロセス温度は、一例としてのみ使用され、本開示を制限することを意図していないことに留意されたい。
上記の方法を用いて、高分子フィルム20の両面に銀ナノワイヤ電極(すなわち、タッチ感知構造体30)を形成した後、図示しない光学透明接着剤(OCA)を用いて液晶位相差層23を形成する。図3に示すように、直線偏光層10は、高分子フィルム20に付着されて一体型タッチモジュール100を形成する。表4は、高分子フィルム20の両側に銀ナノワイヤタッチ感知構造体30を形成するための本開示の第1の実施形態であり、液晶位相差層23及び直線偏光層10が特定の可視光下での反射率を得て平均値及び標準偏差を計算する上記の試験方法/装置と組み合わされている。表4に示すように、本開示の第1の実施形態の反射率は、入射光の波長が550nmの場合に5.87%であり、可視光領域における反射率の平均が5.85%であり、可視光領域における反射率の標準偏差が0.39%である。本実施形態の一体型タッチモジュール100の波長領域450nm~500nmにおける反射率の平均と、一体型タッチモジュール100の波長領域550nmにおける反射率との差は極めて小さい(約2.2%)。本実施形態の反射率は、短波長領域において極めて均一であることは明らかである。本開示は、低い均一な反射率を有する一体型タッチモジュール100を提供することができることが分かる。銀ナノワイヤタッチ感知構造体30は反射率を増大させるので、反射率の平均及び標準偏差は両方とも、銀ナノワイヤタッチ感知構造体30のないものよりも高いが(すなわち、表3)、その差は大きくなく、最終製品に対する要求は依然として達成できることに留意されたい。上述したように、特許文献1に開示されている1/2位相補償フィルム及び光学的1/4位相補償フィルムの材料は全て液晶材料であり、製造プロセス中にタッチ感知構造体30を形成するための基板として液晶を直接使用することはできない。したがって、特許文献1と比較して、本開示は、タッチ感知構造体30と、周囲光のより良好な反射防止効果を有する高分子位相差層と、の実現可能な一体型ソリューションを提案する。この構成により、タッチ感知構造体30と高分子位相差層とを互いに一致させることができ、タッチ感知構造体30のプロセス条件は高分子位相差層の光学特性に影響を及ぼさない。さらに、高分子位相差層は、基板及びホットプレスプロセスの強度要件を満たすこともできる。
次に、本開示の第2の比較例について説明する。高分子フィルム20は、厚さ15μmの材料(供給元:LONGHUA)である。フィルムの組成、厚さ、延伸条件が第1の実施形態と異なるため、第2の比較例の高分子フィルム20のガラス転移温度は、上記の銀ナノワイヤ電極の処理温度(135~140℃)よりも低い128~130℃であり、その他の条件は上記の実施形態と同様である。測定後、本比較例の高分子フィルム20は銀ナノワイヤ電極のプロセス温度に耐えられないため、本開示の第2の比較例の高分子フィルム20は、図3の構造に加工した後の反射率が21%である。Tgが128~130℃の高分子フィルム20は、本来の光学特性を失っていることがわかる。本開示の第2の比較例の高分子フィルム20を140℃の温度で1時間放置し、銀ナノワイヤ電極の製造プロセスを模擬した後、光学位相差値を測定したところ、実験結果では、光学位相差値は2.05(波長550nm)であった。このことからも、本開示の第2の比較例の高分子フィルム20は、高温(つまり、試験温度が材料のガラス転移温度を超える)にさらされた後には、光学位相差効果がないことがわかる。
なお、本開示の第1の実施形態と第2の比較例とでは、主材料は同一であるが、ガラス転移温度が異なる高分子フィルムを用いている。本開示の説明は以下の通りである:本実施形態において使用される高分子の原料の供給源は異なり、フィルムは異なる供給元からのものであり、異なる組成を有する。第1の実施形態と第2の比較例の型材料の主成分は同じであってもよいが、その他の微量成分・添加剤は異なる。さらに、延伸条件によっても、高分子フィルムの特性に差が生じる。
上述の第1の実施形態で使用されたポリカーボネート(PC)に加えて、本開示は、高分子のガラス転移温度から高分子フィルム20に使用される材料を予測することができ、例えば、高分子フィルム20の主成分(すなわち、重量パーセントが少なくとも>50%である)は、参照により本明細書に援用する論文「Optical Poly(methyl methacrylate) copolymers Material with High Thermal Resistance」(2017)に記載されているTg>146℃のポリメチルメタクリレート(PMMA)であってもよく、Tg=165℃の市販のシクロオレフィンポリマー(COP)製品(供給元:コニカミノタ);Tg>180℃の市販の無色ポリイミド(CPI)製品;Tgが150~155℃のポリエチレンテレフタレートジエステル(PET)製品又はこれらの誘導体を主成分とする市販品であって、波長550nmで測定した位相差値が100nm~200nm、又は130nm以上、又は127nm~134nm、135nm~145nm、129nm~132nm、130nm~131nmであり、高分子フィルム20の光軸が0~180度、好ましくは75度であるものである。一方、本開示に係る液晶位相差層23の位相差値は、可視光領域で測定した場合、200nm~300nmであってもよく、200nm~288nm、237nm~279nm、259nm~271nmであってもよく、液晶タイプの液晶位相差層23の光軸は、0度~180度、好ましくは15度である。上述した実施形態では、測定器のずれが生じてもよいことは理解できる。したがって、位相差値は整数のみである。必要に応じて、誤差範囲の小さい測定器を選択して位相差値を測定できる。ここでの説明は、本開示を限定するためのものではなく、一例である。
本開示の第1の実施形態に用いられる高分子フィルム20の厚さは約25μmであり、液晶位相差層23の厚さは約2μmであり、位相差素子全体の厚さは27μmである。銀ナノワイヤ電極には、高分子フィルム20の両面に駆動電極/検出電極を形成し、駆動電極/検出電極が8.5μmのものと、高分子フィルム20の同一面に駆動電極/検出電極を形成したものとがある。駆動電極/検出電極の厚さは10μmである。このような厚さであれば、折り曲げ可能な超薄型タッチモジュールを実現することができる。したがって、本開示の実施形態のタッチモジュール及び製品は、さらに薄くすることができる。
次に、本開示の第2の実施形態に係る一体型タッチモジュールについて説明する。第1の実施形態と異なる点は、高分子フィルム20が、温度Tgが151℃、波長550nmで測定した位相差値が132nmのポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする厚さ28μmの材料(供給元:大阪ガス)であることである。
前述の比較例と比較すると、本実施形態の波長領域450nm~500nmの反射率の平均(実験データの計算では約5.6%)と波長550nmの反射率との差は4.5%であり、本実施形態の短波長領域の反射率は極めて均一であり、明らかな反射光が大量に観察されることはない。また、本実施形態における波長領域450nm~500nmの反射率の平均(すなわち、短波長領域)と、算出された波長領域525nm~675nmの反射率の平均(すなわち、中波長領域及び長波長領域)との差は、約7.0%である。本実施形態の450nm~500nmの波長領域における平均反射率によれば、第2の実施形態及び第1の実施形態の一体型タッチモジュールは、いずれも、円偏光素子の可視光域における反射率の平均が5%未満であり、反射率の標準偏差が0.2%未満であることを満足することができ、一体型タッチモジュールの可視光域における反射率の平均が6%未満であり、反射率の標準偏差が0.4%未満であることを満足することができると考えられる。
さらに、本開示のタッチ感知構造体30と液晶位相差層23との一体化スキームは、位相差値変化率が5%未満の高温(85℃)環境への長期間(500時間)の曝露を有し、耐候性が良好である。
以下に、タッチコントロールモジュールの他の例を示し、本開示の技術分野における通常の知識を有する者が、可能な変更をより明確に理解できるようにする。なお、上述した実施形態と同一の構成要素符号で表される構成要素は、図3、図4、図7を参照して説明した構成要素と実質的に同一であり、一体型タッチモジュール100と同等の構成要素、特徴、及び利点は繰り返さない。
本開示の第3の実施形態は、本実施形態の一体型タッチモジュール100のタッチ感知構造体30が、第1のタッチ電極層(例えば、駆動層)及び第2のタッチ電極層(感知層など)を含むことができるという点で、図4と異なる。第1のタッチ電極層及び第2のタッチ電極層は、高分子フィルム20の同じ側、例えばディスプレイモジュールから遠い側に配置されるが、本開示はこれに限定されない。なお、本実施形態の関連する説明は、ここでは繰り返さない。
タッチ感知構造体30の位置は、可視光領域における一体型タッチモジュール100の反射率の平均に大きな影響を与えないことが理解でき、当業者は、ここに列挙されない上記の実施形態に基づいて変更及び調整を行うことができる。
以下、本開示に係るタッチモジュールをディスプレイ装置に適用した実施形態について説明する。
本開示の好ましい実施形態に係るディスプレイ装置の構造図である図5を参照されたい。ディスプレイ装置300は、ディスプレイパネル200と一体型タッチモジュール100とを含む。ディスプレイパネル200は、可視領域を有する。一体型タッチモジュール100は、ディスプレイパネル200上に配置される。一体型タッチモジュール100のタッチ感知構造体30は、可視領域に対応して実質的に重なる。具体的には、ディスプレイパネル200は、液晶表示パネル(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、有機発光ダイオード(OLED)表示パネル、又はマイクロ発光ダイオード表示パネル(μLEDディスプレイ)であってもよいが、これらに限定されない。また、直線偏光層10は、さらに、カバー400に、図示しない光学接着剤により接着されている。一体型タッチモジュール100について上記した説明は、ここでは繰り返さない。
最後に、本開示の技術的特徴及びその達成可能な技術的効果は、以下のように要約される。
1.本開示の一体型タッチモジュール100によれば、一体型タッチモジュール100の可視光領域における反射率の平均は6%未満であり、標準偏差は0.4%未満であり、それによって、実用的な要件に対する均一な光学特性が達成される。
2.本開示に係る一体型タッチモジュール100の高分子フィルム20は、追加の基板なしで基板として直接使用することができ、本開示の高分子フィルム20の厚さは、好ましくはわずか17μm以下である。すなわち、折り曲げ可能な超薄型の一体型タッチモジュールを実現することができる。また、本開示の高分子フィルム20は、液晶位相差層23と組み合わせたものであり、光学特性が良好であり、かつ、広帯域領域位相差特性を有しており、実用上の要件を満たしている。
本開示の実施形態は、具体例を用いて上述される。当業者は、本明細書に開示された内容から本開示の技術的特徴、利点及び効果を容易に理解することができる。
上記の説明は、本開示の好ましい実施形態にすぎず、本開示の範囲を限定することを意図していない。本開示の精神から逸脱することなくなされる他の全ての等価な変更又は修正は、以下の特許出願の範囲に含まれるべきである。
Claims (8)
- 高分子フィルム上に形成された銀ナノワイヤタッチ感知構造体を含み、前記高分子フィルムは波長550nmに対して100nm~160nmの位相差値を有し、
前記高分子フィルム、液晶位相差層、及び直線偏光層は円偏光素子を構成し、前記円偏光素子の可視光領域における反射率の平均は5%未満であり、前記反射率の標準偏差は0.2%未満である一体型タッチモジュール。 - 前記可視光領域における前記一体型タッチモジュールの前記反射率の平均は6%未満であり、前記反射率の前記標準偏差は0.4%未満である請求項1に記載の一体型タッチモジュール。
- 波長領域450nm~500nmにおける前記円偏光素子の前記反射率の平均は6%未満であり、前記円偏光素子の前記波長領域450nm~500nmにおける前記反射率の平均と前記波長550nmにおける前記反射率との反射率差は5%未満である請求項1又は2に記載の一体型タッチモジュール。
- 前記高分子フィルムは、前記銀ナノワイヤタッチ感知構造体のプロセス温度に耐えるように構成される請求項1又は2に記載の一体型タッチモジュール。
- 前記高分子フィルムのガラス転移温度は、前記高分子フィルム上に前記銀ナノワイヤタッチ感知構造体を形成する最高プロセス温度以上である請求項4に記載の一体型タッチモジュール。
- 前記銀ナノワイヤタッチ感知構造体の前記最高プロセス温度は135~140℃であり、前記高分子フィルムの主成分はポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、無色ポリイミド(CPI)又はそれらの誘導体であり、前記高分子フィルムの前記ガラス転移温度は135~140℃以上である請求項5に記載の一体型タッチモジュール。
- 波長領域450nm~500nmにおける前記円偏光素子の前記反射率の平均と波長領域525nm~675nmにおける前記反射率の平均との反射率差は10%未満である請求項1又は2に記載の一体型タッチモジュール。
- 表示領域を有するディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネル上に配置された請求項1に記載の一体型タッチモジュールと、を含み、
前記一体型タッチモジュールの前記銀ナノワイヤタッチ感知構造体は、前記表示領域に対応して重なるタッチディスプレイ装置。
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