JP2023080581A - 積層電池及び積層電池の設計方法 - Google Patents

積層電池及び積層電池の設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部短絡発生時の安全性の高い積層電池を提供する。【解決手段】積層電池10は、内部集電体20を介して単電池30を直列に多段に積層した単電池積層体40と、単電池積層体40の一端及び他端の電極層に接続された一対の外部集電体50と、を備えている。積層電池10では、内部集電体20の体積抵抗率をρv[Ω・m]、内部集電体20の厚さをt[m]とし、内部短絡した場合に熱暴走が開始しないときの短絡部の最大の熱流量をWx[W]、満充電時の単電池30の電圧をVmax[V]としたときに、ρv/(π×t)で表される値が熱流量Wx及び電圧Vmaxに基づいて定められた安全基準値以上である。【選択図】図1

Description

本明細書は、積層電池及び積層電池の設計方法を開示する。
従来、内部集電体を介して単電池を直列に多段に積層した単電池積層体と、単電池積層体の一端及び他端の電極層に接続された一対の外部集電体と、を備えた積層電池が知られている。こうした積層電池は、バイポーラ電池とも呼ばれ、例えば内部集電体の表裏で異なる極の電極層が形成されたバイポーラ電極を利用して組み立てられる。こうした積層電池において、単電池積層体の末端に接続する外部集電体の面方向の電気抵抗を、単電池積層体の積層方向の電気抵抗よりも小さくすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、単電池積層体における電流密度のばらつきが抑制され、電流密度のばらつきに起因して生じることのある単電池積層体の劣化を抑制できるとされている。
特開2008-159570号公報
しかしながら、特許文献1では、単電池積層体の劣化を抑制できるものの、内部短絡発生時の安全性については検討されていなかった。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、内部短絡発生時の安全性の高い積層電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究した。そして、内部集電体の面方向の抵抗を調整することで、積層電池に内部短絡が発生したとしても、内部短絡部に流れる電流が抑制され、内部短絡部での発熱を熱暴走に至らないレベルに抑えられることを見出し、本開示の発明を完成するに至った。
即ち、本開示の積層電池は、
内部集電体を介して単電池が直列に多段に積層された単電池積層体と、前記単電池積層体の一端及び他端の電極層に接続された一対の外部集電体と、を備え、
前記内部集電体の体積抵抗率をρv[Ω・m]、前記内部集電体の厚さをt[m]とし、内部短絡した場合に熱暴走が開始しないときの短絡部の最大の熱流量をWx[W]、満充電時の前記単電池の電圧をVmax[V]としたときに、ρv/(π×t)で表される値が前記熱流量Wx及び前記電圧Vmaxに基づいて定められた安全基準値以上であるものである。
本開示の積層電池の設計方法は、
内部集電体を介して単電池が直列に多段に積層された単電池積層体と、前記単電池積層体の一端及び他端の電極層に接続された一対の外部集電体と、を備えた積層電池の設計方法であって、
前記内部集電体の体積抵抗率をρv[Ω・m]、前記内部集電体の厚さをt[m]とし、内部短絡した場合に熱暴走が開始しないときの短絡部の最大の熱流量をWx[W]、満充電時の前記単電池の電圧をVmax[V]としたときに、ρv/(π×t)で表される値が前記熱流量Wx及び前記電圧Vmaxに基づいて定められた安全基準値以上である部材を前記内部集電体として採用するものである。
この積層電池及び積層電池の設計方法では、内部短絡発生時の安全性を高めることができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、ρv/(π×t)で表される値は内部集電体の面方向(積層方向に垂直な方向)の抵抗に相当するが、この値が適切で、内部短絡が発生したとしても短絡部に流れる電流が抑制されるため、短絡部での発熱が熱暴走に至らないレベルに抑えられる。そのため、内部短絡発生時の安全性を高めることができる。
積層電池10の構成の概略を表す断面図。 通常時の積層電池10における電流の流れを示す説明図。 内部短絡発生時の積層電池10における電流の流れを示す説明図。 内部短絡発生時の内部集電体20における電流の流れを示す説明図。 仮想円の外周から短絡部に電流が流れるときの抵抗を示す説明図。 短絡抵抗を変えたときの熱流量の変化を示すグラフ。
[積層電池]
実施形態の積層電池を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本開示の一例である積層電池10の構成の概略を表す断面図である。図2は、通常時の積層電池10における電流の流れを示す説明図である。図3は、内部短絡発生時の積層電池10における電流の流れを示す説明図である。図4は、内部短絡発生時の内部集電体20における電流の流れを示す説明図(但し、短絡部を中心とする直径Dの仮想円から短絡部に電流が流れる様子を示すもの)である。図5は、仮想円の外周から短絡部に電流が流れるときの抵抗を示す説明図である。図6は、短絡抵抗を変えたときの熱流量の変化を示すグラフである。
積層電池10は、単電池30が多段に積層された単電池積層体40と、一対の外部集電体50と、を備えている。単電池30は、正極層32と、負極層34と、正極層32と負極層34との間に介在するイオン伝導媒体36と、を備えている。ここでは、イオン伝導媒体36は、正極層32と負極層34との間に介在するセパレータ38に含浸されている。単電池積層体40は、内部集電体20を介して単電池30が直列になるように、つまり正極層32と負極層34とが交互になるように、多段に積層されている。この単電池積層体40は、内部集電体20の一方の面には正極層32を備え他方の面には負極層34を備えたバイポーラ電極BPが積層された構造を有している。単電池積層体40及び外部集電体50は、外装ケース60に収容されている。
積層電池10は、正極層32及び負極層34においてキャリアイオンが吸蔵放出(挿入脱離)される、イオン二次電池であるものとしてもよい。キャリアイオンとしては、リチウムイオンやナトリウムイオン、カリウムイオンなどの第1族(アルカリ金属)イオンや、マグネシウムイオンやストロンチウムイオン、カルシウムイオンなどの第2族イオンなどが挙げられる。ここでは、積層電池10が、リチウムイオンをキャリアイオンとする、リチウムイオン二次電池である場合を主として説明する。
積層電池10は、内部集電体20の体積抵抗率をρv[Ω・m]、内部集電体20の厚さをt[m]とし、内部短絡した場合に熱暴走が開始しないときの短絡部の最大の熱流量(発熱量)をWx[W]、満充電時の単電池30の電圧をVmax[V]としたときに、ρv/(π×t)で表される値が熱流量Wx及び電圧Vmaxに基づいて定められた安全基準値以上を満たす。なお、本明細書において、体積抵抗率ρvは、100℃における体積抵抗率とする。
満充電時の単電池30の電圧Vmaxは、積層電池10に設定される定格電圧を単電池30の数で除した値とすることができる。例えば、リチウムイオン電池では、電圧Vmaxは、4.1Vに設定されることが多い。
内部短絡した場合に熱暴走が開始しないときの短絡部の最大の熱流量(以下では安全熱流量とも称する)Wxは、例えば実験で求めることができる。ここでは、安全熱流量Wxを求める実験の一例として、電圧Vmaxが4.1Vで単電池30あたりの容量が1Ahのリチウムイオン電池の安全熱流量Wxを求めた例を説明する。この実験では、4.1Vまで満充電した電圧Vmaxが4.1Vで単電池30あたりの容量が1Ahのリチウムイオン電池(ただし単電池30を1つだけ備えたもの)を用い、短絡部の抵抗(短絡抵抗Rs[Ω])を変化させて、釘差し試験を常温下で複数回行い、熱暴走に伴う猛烈な発煙あるいは発火の有無を調べた。短絡部の抵抗は、予め調べた未充電状態でのリチウムイオン電池への釘差し深さと端子間直流抵抗との関係に基づき、釘差し深さを調整することで変化させた。その結果を表1に示す。表1において、熱流量Wcは、満充電時の電圧Vmax(4.1V)と短絡直後の短絡抵抗RsからWc=Vmax2/Rsの式を用いて求めた値である。
Figure 2023080581000002
表1に示すように、実験に用いたリチウムイオン電池では、短絡部の熱流量Wcが50Wまでは熱暴走の兆候が現れず、短絡部の熱流量Wcが50Wを超えると熱暴走の兆候が現れることがわかった。この結果より、安全熱流量Wxは50Wと求められる。なお、リチウムイオン電池であれば、概ね同様の結果が得られる。
安全基準値は、上述した安全熱流量Wx及び電圧Vmaxを用いて計算で定めることができる。その際、安全熱流量Wx及び電圧Vmax以外の要素(例えば短絡部の抵抗の影響など、詳しくは後述する)を加味してもよい。安全基準値は、例えばVmax2/8Wxで表される値としてもよい。すなわち、積層電池10は、下記式(1)を満たすものとしてもよい。
Figure 2023080581000003
安全基準値は、例えばVmax2/400で表される値としてもよい。すなわち、積層電池10は、下記式(2)を満たすものとしてもよい。上述のように求めた安全熱流量Wx(50W)を式(1)にあてはめると、式(2)のようになる。
Figure 2023080581000004
安全基準値は、42mΩであるものとしてもよい。上述したVmax=4.1Vを式(2)に当てはめると、安全基準値は42mΩとなる。これに、例えば短絡部の抵抗の影響などを加味して、安全基準値を40mΩとしてもよいし、安全基準値を39mΩとしてもよい。
ρv/(π×t)の値の上限値は、特に限定されるものではないが、例えば1Ω以下としてもよい。
内部集電体20は、シート状の導電性材料で構成されている。内部集電体20としては、ρv/(π×t)で表される値が安全熱流量Wx及び電圧Vmaxに基づいて定められた安全基準値以上を満たす部材を採用する。
内部集電体20の体積抵抗率ρvは、例えば40×10-8Ω・m以上としてもよく、50×10-8Ω・m以上としてもよく、60×10-8Ω・m以上としてもよい。こうすれば、内部集電体20の厚みを極端に薄くすることなく式(1)を満たすものとすることができる。また、内部集電体20の体積抵抗率ρvは、例えば100×10-8Ω・m以下としてもよく、90×10-8Ω・m以下としてもよく、80×10-8Ω・m以下としてもよい。こうすれば、通常の充放電時における内部抵抗を小さくできる。集電体の材質としては、SUS316、SUS304などのステンレス鋼や、チタン、カーボンなどを好適に用いることができる。集電体は、例えば円形としてもよく、正極層32、負極層34及びセパレータ38よりも大径であるものとしてもよい。
内部集電体20の厚さtは、例えば10μm以下としてもよく、8μm以下としてもよい。内部集電体20の厚さtは、6.3μm以下とすることが好ましく、5.9μm以下とすることがより好ましい。内部集電体20の厚さtは、例えば0.1μm以上としてもよく、1μm以上としてもよく、5μm以上としてもよい。
正極層32は、正極活物質を含むものである。正極層32は、例えば、正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものとしてもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。前者としては、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、後者としては、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、リチウムバナジウム複合酸化物、リチウム鉄リン酸化合物などを用いることができる。導電材としては、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。溶剤としては、例えばN-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。
負極層34は、負極活物質を含むものである。負極層34は、例えば、負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合材としたものを乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものとしてもよい。負極活物質としては、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。導電材や結着材、溶剤については、正極層32と同様のものを使用することができる。
イオン伝導媒体36は、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などとしてもよい。非水系電解液の溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート、エチル-n-ブチルカーボネート、メチル-t-ブチルカーボネート、ジ-i-プロピルカーボネート、t-ブチル-i-プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ-ブチルラクトン、γ-バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3-ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。支持塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。この支持塩は、電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。
セパレータ38は、キャリアイオンのイオン伝導を阻害せず正極層32と負極層34とを絶縁するものである。言い換えると、セパレータ38は、キャリアイオンを通し電子を通さないように構成されたものである。セパレータ38としては、積層電池10の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。このセパレータ38の厚さは、例えば、5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、10μm以上であるものとしてもよい。この厚さが5μm以上では、絶縁性を確保する上で好ましい。また、セパレータ38の厚さは、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。この厚さが15μm以下では、イオン伝導性の低下を抑制できる点や、セルに占める体積をより低減する上で好ましい。
外部集電体50は、単電池積層体40の両端に位置する2つの単電池30の各々の外側の電極層と接するように、一対設けられている。外部集電体50は、例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al-Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。外部集電体50は内部集電体20と同じ材質としてもよいし異なる材質としてもよい。また、外部集電体50は、内部集電体20と同様の集電体を複数重ね合わせたものとしてもよいし、内部集電体20と同様の集電体と他の集電体とを重ね合わせたものとしてもよい。外部集電体50の形状は、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。外部集電体50の厚さは、内部集電体20と同じかそれよりも厚いことが好ましい。外部集電体50の厚さは、例えば500μm以下としてもよい。外部集電体50の一方と他方とは、材質及び形状が同じものとしてもよいし、材質及び形状の少なくとも一方が異なるものとしてもよい。
外装ケース60は、単電池積層体40及び外部集電体50を収容するものであり、各外部集電体50の一部を露出させる開口を有している。外装ケース60は、例えば円筒形状に形成されている。外装ケース60の材質は、例えば、ラミネートフィルムとしてもよく、例えば、熱融着性樹脂フィルムと金属箔と剛性を有する樹脂フィルムとが内側から外側へこの順に積層された高分子金属複合フィルムとしてもよい。熱融着性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、アイオノマー、エチレンビニルアセテートなどを用いることができる。金属箔としては、例えば、アルミ箔、ニッケル箔などを用いることができる。剛性を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどを用いることができる。この外装ケース60には、内部集電体20が、熱融着性樹脂フィルムの熱融着などによって固定されていてもよい。
以上説明した積層電池10では、通常の充放電時には、図2に示すように内部集電体20の厚さ方向に電流が流れる(白抜き矢印参照)。一方、内部短絡発生時には、図3及び図4に示すように内部集電体20の面方向に電流が流れる(白抜き矢印参照)。ここで、内部集電体20において、短絡部(ここでは点と仮定)を中心とする直径Dの仮想円内での面方向の抵抗をRx[Ω]とすると、Rxの値は以下の計算で求めることができる。まず、直径Dの仮想円を径方向の微小区間に分割すると、図5Aに示すように、底辺の長さが△πD[m]で残りの2辺の長さがD/2[m]の二等辺三角形(厚さはt)に近似できる。この二等辺三角形における平均的な抵抗は、図5Bに示すように、幅がπ×D/2[m]で長さ(電流が流れる方向)がD/2[m]の矩形(厚さはt)における抵抗に近似できる。これを利用すると、抵抗Rxは、Rx={ρv×(D/2)}/{π×(D/2)×t}=ρv/(π×t)のように計算される。
上述の計算結果から分かるように、抵抗Rxには直径Dは関与しない。このことから、内部短絡発生時に外周部から短絡部に向けて(あるいは短絡部から外周部に向けて)内部集電体20の面方向に流れる電流の抵抗Rxは、電極の大きさや短絡部の位置にかかわらず、内部集電体20の体積抵抗率ρvと内部集電体20の厚さtのみで決まることがわかる。したがって、内部集電体20の面方向の抵抗は、上述した抵抗Rx=ρv/(π×t)と等しい。つまり、ρv/(π×t)は、内部集電体20における面方向の抵抗に相当する。
ところで、電池に内部短絡が発生すると、短絡部で局所発熱が生じ、短絡部(局所発熱)の熱流量Ws[W]が所定値(上述した安全熱流量Wx[W])を超えると熱暴走が生じるおそれがある。短絡部の熱流量Wsは短絡抵抗(短絡部の抵抗)Rs[Ω]によって変化する。図6は、短絡抵抗Rsを変化させたときの、短絡部の熱流量Ws、電池内部の熱流量(電池の内部抵抗Ri[Ω]による熱流量)Wi、及び、これらの合計であるWi+Wsの変化を、計算し、グラフ化したものであり、本開示の積層電池10に限らず一般的な電池にも当てはまる。図6では、説明を簡便にするため、電池電圧を1V、内部抵抗Riを1Ωとして規格化した。なお、図6において、熱流量Wiは、Wi=1/(1+Rs)2 で表され、熱流量WsはWs=Rs/(1+Rs)2 で表される。
図6に示すように、短絡部の熱流量Wsは、短絡抵抗Rsが電池の内部抵抗Riと等しいときに最大となり、その値は、電池が抵抗ゼロで短絡したとき(短絡抵抗Rsをゼロに近づけたとき)の全発熱量であるWi+Ws(≒Wi)の25%と計算される。このことから、抵抗ゼロで短絡したときの熱流量Wiが上述した安全熱流量Wxの4倍以下、つまりWi≦4Wxを満たすように構成された電池では、短絡部の熱流量Wsが安全熱流量Wx以下となり、熱暴走が生じないことがわかる。
これを積層電池10に当てはめると、抵抗ゼロで短絡したときの熱流量Wiは、短絡した単電池30を挟む2枚の内部集電体20が抵抗ゼロで短絡したときの熱流量と同等と仮定できる。各内部集電体20における面方向の抵抗は、上述の通りρv/(π×t)で表される。また、短絡した単電池30を挟む2枚の内部集電体20の間の電圧は最大でVmaxであるため、各内部集電体20にかかる電圧は最大でVmax/2である。以上より、積層電池10が抵抗ゼロで短絡したときの熱流量Wiは、最大でWi={2×(Vmax/2)2}/{ρv/(π×t)}=Vmax2×π×t/2ρvと求められる。したがって、こうして求めた熱流量WiがWi≦4Wxを満たせば、つまり上述した式(1)を満たせば、内部短絡が発生したとしても熱暴走が生じない。このため、式(1)を満たす積層電池10では、内部短絡発生時の安全性を高めることができる。この式(1)によれば、安全熱流量Wxが50Wの場合、式(2)を満たせば、内部短絡発生時の安全性を高めることができる。また、安全熱流量Wxが50Wで電圧Vmaxが4.1Vの場合、ρv/(π×t)の値が42mΩ以上を満たせば、内部短絡発生時の安全性を高めることができる。したがって、安全基準値は、例えば42mΩとすることができる。
なお、実際の電池では、抵抗ゼロで短絡が発生することなく、短絡部にも数mΩの抵抗が発生する。その点を加味すると、例えば、安全熱流量Wxが50Wで電圧Vmaxが4.1Vの場合、ρv/(π×t)の値が39mΩ以上(好ましくは40mΩ以上)を満たせば、熱暴走が生じず、内部短絡発生時の安全性を高めることができる。したがって、安全基準値は、例えば40mΩとしてもよいし、39mΩとしてもよい。内部集電体20の材質を、100℃での体積抵抗率が78×10-8Ω・mのSUS304とした場合、内部集電体20の厚さを6.3μm以下とすればρv/(π×t)の値を39mΩ以上にでき、内部集電体20の厚さを6.2μm以下とすればρv/(π×t)の値を40mΩ以上にでき、内部集電体20の厚さを5.9μm以下とすればρv/(π×t)の値を42mΩ以上にできる。
以上説明したように、積層電池10では、ρv/(π×t)で表される値が安全熱流量Wx及び電圧Vmaxに基づいて定められた所定値(安全基準値)以上であるため、内部短絡が発生したとしても熱暴走が生じない。このため、内部短絡発生時の安全性を高めることができる。
[積層電池の設計方法]
積層電池の設計方法は、上述した積層電池10を設計する方法である。この設計方法では、ρv/(π×t)で表される値が安全熱流量Wx及び電圧Vmaxに基づいて定められた安全基準値以上である部材を前記内部集電体として採用する。安全熱流量Wxや電圧Vmaxは、正極活物質、負極活物質、イオン伝導媒体等の材質や使用量など(電池構成とも称する)の違いに応じて変わり、安全基準値もこうした電池構成の違いに応じて変わる。このため、ρv/(π×t)で表される値が電池構成に応じた安全基準値以上となるように、内部集電体20の材質(体積抵抗率ρv)や厚さtを設計することで、内部短絡発生時の安全性の高い積層電池を実現できる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。例えば、上述した実施形態では、イオン伝導媒体36として電解液を用いたが、電解液に代えて固体電解質を用いてもよく、積層電池10を全固体電池としてもよい。また、セパレータ38を省略してもよい。固体電解質としては、無機固体電解質や有機固体電解質などが挙げられる。無機固体電解質としては、例えば、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩、硫化リン化合物などが挙げられる。より具体的には、Li4SiO4、Li4SiO4-LiI-LiOH、xLi3PO4-(1-x)Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4-Li2S-SiS2などが挙げられる。有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリホスファゼン、ポリエチレンスルフィド、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本開示は、電池産業の分野に利用可能である。
10 積層電池、20 内部集電体、30 単電池、32 正極層、34 負極層、36 イオン伝導媒体、38 セパレータ、40 単電池積層体、50 外部集電体、60 外装ケース、BP バイポーラ電極。

Claims (7)

  1. 内部集電体を介して単電池が直列に多段に積層された単電池積層体と、前記単電池積層体の一端及び他端の電極層に接続された一対の外部集電体と、を備え、
    前記内部集電体の体積抵抗率をρv[Ω・m]、前記内部集電体の厚さをt[m]とし、内部短絡した場合に熱暴走が開始しないときの短絡部の最大の熱流量をWx[W]、満充電時の前記単電池の電圧をVmax[V]としたときに、ρv/(π×t)で表される値が前記熱流量Wx及び前記電圧Vmaxに基づいて定められた安全基準値以上である、
    積層電池。
  2. 前記単電池積層体は、前記内部集電体の表裏で異なる極の電極層を備えたバイポーラ電極が積層された構造を有している、
    請求項1に記載の積層電池。
  3. 下記式(1)を満たす、請求項1又は2に記載の積層電池。
    Figure 2023080581000005
  4. 下記式(2)を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層電池。
    Figure 2023080581000006
  5. 前記安全基準値は40mΩである、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層電池。
  6. 前記内部集電体は、ステンレス製であり、厚さが6.3μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層電池。
  7. 内部集電体を介して単電池が直列に多段に積層された単電池積層体と、前記単電池積層体の一端及び他端の電極層に接続された一対の外部集電体と、を備えた積層電池の設計方法であって、
    前記内部集電体の体積抵抗率をρv[Ω・m]、前記内部集電体の厚さをt[m]とし、内部短絡した場合に熱暴走が開始しないときの短絡部の最大の熱流量をWx[W]、満充電時の前記単電池の電圧をVmax[V]としたときに、ρv/(π×t)で表される値が前記熱流量Wx及び前記電圧Vmaxに基づいて定められた安全基準値以上である部材を前記内部集電体として採用する、
    積層電池の設計方法。
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