JP2023080444A - ポリフェニレンスルフィド樹脂モノフィラメント - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂モノフィラメント Download PDF

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【課題】3Dプリンタ用製造材料として吐出安定性に優れた熱収縮特性を持つポリフェニレンスルフィドモノフィラメントを提供すること。【解決手段】ポリフェニレンスルフィド樹脂からなり、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて熱収縮応力を経時的に測定した際の0から60秒における最大値が、15cN以下であることを特徴とする、モノフィラメント。【選択図】図1

Description

本発明は、3Dプリンティング法に用いる造形材料として好適に利用し得るポリフェニレンスルフィド樹脂モノフィラメントに関するものである。
近年、航空機、自動車用途を中心に、軽量化に対する需要の高まりにより、金属部品から樹脂部品への代替や、部品の小型化・モジュール化が進みつつあることから、成形加工性に優れ、かつ、耐熱性に優れる材料開発が求められている。さらに、成形方法として3Dプリンティング法などの熱可塑性樹脂を熱溶融積層する成形方法が注目されている。
熱溶融積層による3Dプリンティング法に用いる造形材料としては、一般に、フィラメント状の形態のものを用い、フィラメント状の造形材料を造形ヘッド内のプーリーで押し出し、その先のヒーターでフィラメント状の造形材料を溶融しながら押し出された溶融物を造形テーブルに押し付けるように積層し、所望の形状の造形物を得る。
3Dプリンティング法に使用可能なフィラメントを構成する樹脂としては、ポリアセタール(特許文献1、2)やポリプロピレン(特許文献3)が提案されている。しかし、ポリアセタールは、融点が約175℃また、ポリプロピレンは、融点が約160℃と低く、いずれの樹脂とも耐熱性に劣るため、航空機、自動車用途の金属部品の代替樹脂部品として求められる、高温環境下で使用する金属代替樹脂部品としてその適応には課題がある。
一方で、高温環境下で使用可能な樹脂として、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSという)樹脂がある。
PPS樹脂を主成分としたフィラメント状の材料は、耐熱性および耐薬品性に優れ、高温・高湿度環境下においても高い耐久性能を長時間発現できることから工業織物用途において、すでに提案されている(特許文献4)。
特開2019-131762号公報 特開2020-128469号公報 特開2018-35461号公報 特開2010-126838号公報
しかし、PPSモノフィラメントを3Dプリンティング法において造形材料として用いる場合、所望とする形状の造形物が得ることが難いという問題があった。
本発明の課題は、3Dプリンタ用造形材料として所望とする形状の造形物が得ることが容易なポリフェニレンスルフィドモノフィラメントを提供することである。
発明者は、PPSモノフィラメントを3Dプリンティング法における造形材料に用いた場合、所望とする形状の造形物が得ることが難いことの原因を検討したところ、PPSモノフィラメントが融点まで加熱され溶融する過程において、PPSモノフィラメントが熱収縮変形してしまい、PPSモノフィラメントの断面あたりの寸法変化や収縮により、プーリー押し出しにおける搬送性に悪影響を及ぼしているためであろうとの考えの下に、特定の熱的特性を有するPPSモノフィラメントを用いたところ、吐出安定性に優れ所望とする形状の造形物が得ることが容易となることを見いだした。
すなわち、本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂からなり、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて熱収縮応力を経時的に測定した際の0から60秒における最大値が、15cN以下であるモノフィラメントである。
本発明によれば、3Dプリンタ用造形材料として用いた場合、吐出安定性に優れ所望とする形状の造形物が得ることが容易となる。
本発明において熱収縮応力の最大値と熱収縮応力が0cN以下となるまでの時間を説明するための図である。 本発明において収縮率の最大値と収縮率が0.0%以下となるまでの時間を説明するための図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリフェニレンスルフィドモノフィラメント(以下、PPSモノフィラメントという)は、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて熱収縮応力を経時的に測定した際の0から60秒における最大値が、15cN以下である。
本発明のPPSモノフィラメントに使用されるPPS樹脂とは、ポリマーの繰り返し単位がp-フェニレンサルファイド単位やm-フェニレンサルファイド単位からなるフェニレンサルファイド単位を含有するポリマーを意味する。これらのポリマー中でも、繰り返し単位の90%以上がp-フェニレンサルファイド単位からなるポリマーが好ましく用いられる。
本発明のPPS樹脂は、p-ジクロルベンゼンに硫化ナトリウムを重縮合反応させることにより製造できるが、p-ジクロルベンゼンに10モル%未満のトリクロルベンゼンを分岐成分として共重縮合させることによって製造したものであってもよい。
また、本発明で用いるPPS樹脂は、JIS K 7210(2014年度版)によって測定されたポリマーのメルトフローレート(以下、MFRと呼ぶ)が150以下であり、好ましくは50~110の範囲である。これらMFRの範囲のPPS樹脂を使用したPPSモノフィラメントを3Dプリンタ用造形材料に適応することによって、安定した熱溶融積層性を得ることができる。
本発明のPPSモノフィラメントは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、窒化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジリコニウム酸など各種無機粒子や架橋高分子粒子のほか、従来公知の酸化防止剤、耐熱剤、耐蒸熱剤、耐光材、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤、各種強化繊維類、フッ素樹脂類、ポリエステル類、ポリアミド類、およびポリオレフィン類などを含むことができる。
本発明のPPSモノフィラメントは、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて熱収縮応力を経時的に測定した際の0から60秒における最大値が、15cN以下であることが好ましく、より好ましくは10cN以下であり、さらに好ましくは5cN以下である。ここで、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて熱収縮応力を経時的に測定した際の0から60秒における最大値は、次のようにして得た値とする。0.011cN/dtexの荷重を負荷した状態の試料を、200℃の乾熱雰囲気中に設置し、応力変化を60秒間記録したグラフを得、0から60秒の範囲における熱収縮応力の最大値を採る。最大収縮応力の最大値は、小さければ小さいほど好ましく、0(0である場合、熱収縮応力が生じていないことを表す)cNであっても構わない。なお、熱収縮応力が、0cN付近は測定誤差に埋もれる場合があることから、測定上仮に負の値となっても、-0.5cNまでは0cNと見なすものとする。
一方、PPSモノフィラメントを0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて熱収縮応力を経時的に測定した際の0から60秒における最大値が、15cNを上回るPPSモノフィラメントを、3Dプリンティング法の造形材料として用いた場合PPSモノフィラメントが融点まで加熱され溶融する前の過程において、PPSモノフィラメントが熱収縮変形してしまい、PPSモノフィラメントの断面あたりの寸法変化や収縮により、プーリー押し出しにおける搬送性に悪影響を及ぼし、溶融物の押し出し量が不安定となり、所望とする形状の造形物が得られないなどの好ましくない結果に繋がる。
本発明のPPSモノフィラメントは、繊度が800~65000dtexであることが好ましく、より好ましくは24000~38000dtexであり、さらには28000~35000dtexであることが好ましい。繊度が800~55000dtexであれば3Dプリンティング法に用いる造形材料として好適に利用することができる。
本発明のPPSモノフィラメントは、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて、熱収縮応力が0cN以下となるまでの処理時間が20秒以内であることが好ましく、より好ましくは処理時間が18秒以内である。熱収縮応力が0cN以下となるまでの処理時間が20秒以内であれば、PPSモノフィラメントの熱収縮変形による溶融物の押し出し量変化の影響を受けにくく、熱収縮応力が0cN以下となるまでの処理時間を本発明の範囲とすることで押し出し量精度を安定化させ、より精密に造形物を造形することができる。
本発明のPPSモノフィラメントは、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて収縮率を経時的に測定した際の0から60秒における最大値が、0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.0%以下である。収縮率の最大値が1.0%以下であれば、融点まで加熱され溶解する過程での、熱収縮変形を抑制することができ安定した押し出しが可能となる。
本発明のPPSモノフィラメントは、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて、収縮率が0.0%以下となるまでの処理時間が20秒以内であることが好ましく、より好ましくは処理時間が10秒以内であり、さらに好ましい処理時間は5秒以内である。収縮率が0.0%以下となるまでの処理時間が20秒以内であれば、熱収縮変形による溶融物の押し出し量変化の影響を受けにくく、溶融量精度を安定化させ、より精密に造形物を造形することができる。
本発明のPPSモノフィラメントの直径は特に限定されないが0.5mm以上であることが好ましく、より好ましくは1.0mm以上であり、さらに好ましくは1.5mm以上である。PPSモノフィラメントの直径が0.5mm未満であると、細すぎるため造形ヘッド内のプーリーでの押し出し搬送性が悪化する結果に繋がる。なお、3Dプリンティング法に適したモノフィラメントの直径は、3mm以下であれば良いが、より好ましくは1.5mmから2.0mmである。
なお、PPSモノフィラメントの直径とは、長手方向に対して垂直に切断した断面における長径を測定したものである。
なお、長径と短径の比が1に近いほど、真円度が高いことを示す。
本発明のPPSモノフィラメントは、200℃における乾熱収縮率が1.0%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下である。乾熱収縮率が1.0%以下であれば、PPSモノフィラメントの熱収縮変形を抑制することが可能となり、溶融量精度を安定化させ、より精密に造形物を造形することができる。
なお、PPSモノフィラメントの乾熱収縮率とは、200℃に温調されている熱風循環乾燥機中で30分間熱処理した後に寸法を測定し、収縮した長さを収縮率としてパーセントで表したものである。
本発明のPPSモノフィラメントは、以下に説明する溶融紡糸法により効率的に製造することができる。樹脂を溶融するに際しては、エクストルーダー型紡糸機を用いる通常の条件を採用することができ、溶融温度はポリマーの融点プラス50~110℃の範囲に設定すると良い。ポリマーの流動性確保と熱劣化抑制の両立を図る上で、融点プラス50~90℃の範囲が特に好ましい溶融温度である。エクストルーダーの押出圧力は、スクリューによるせん断発熱から影響を受けるポリマー溶融粘度を調整する上で3~20MPaが好ましい。ポリマー溶融粘度は、最終的に得られるモノフィラメントの溶融粘度に影響し、モノフィラメントの溶融粘度を所要の粘度することで、3Dプリンタ使用時の熱収縮変形による溶融物の押し出し量変化の影響を受けにくく、押し出し量精度を安定化させ、より精密に造形物を造形することができることから、エクストルーダーの押出圧力が5~15MPaであることがより好ましい。口金孔径は0.1~20mm、紡糸速度は0.3~100m/分など、目的とするモノフィラメントの太さに応じて適宜、条件を選択することができる。
次に、口金から紡出されたモノフィラメントは、短い気体ゾーンを通過した後、冷却浴内で冷却される。ここでの冷却媒体としては、ポリマーに不活性な液体、通常は水、グリセリンおよびポリエチレングリコールなどが用いられる。このとき、冷却媒体はポリマーの融点マイナス100℃以上低温であることが好ましい。更には、口金下端から冷却媒体液面までの間の室温環境となる糸条走行距離は15cm以上かつ30cm以下であることが望ましい。これら範囲とすることで、吐出ポリマーの高熱を維持したまま冷却媒体へ導くことができ、このようにして製造したモノフィラメントは、3Dプリンタ使用時の熱収縮変形による溶融物の押し出し量変化の影響を受けにくく、押し出し量精度を安定化させ、より精密に造形物を造形することができる。またこのようにして製造すると、長手方向に繊維直径が均一なモノフィラメントを得やすい。
冷却固化されたモノフィラメントは、引き続き延伸部に送られるが、延伸および熱固定の雰囲気(浴)としては、温水、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒体浴、熱気体浴および水蒸気浴などが好ましく用いられる。
延伸部の熱媒体はポリマーの融点マイナス130℃以上低温であることが好ましい。これら範囲とすることで、延伸時の分子配向度を安定的に調整することができ、3Dプリンタ使用時の熱収縮変形による溶融物の押し出し量変化の影響を受けにくく、押し出し量精度を安定化させ、より精密に造形物を造形することができる。
延伸工程は1段で延伸しても複数段に分けて延伸しても良いが、全延伸倍率は1.0~2.0倍であることが好ましく、1.0~1.5倍であることがより好ましい。全延伸倍率を高くすることで分子配向度を高く、延伸倍率を低くすることで分子配向度を低くすることができる。これら範囲とすることで、延伸時の分子配向度を調整することができ、配向度の低いモノフィラメントが得られやすい。配向度の低いモノフィラメントは、3Dプリンタ使用時の熱収縮変形による溶融物の押し出し量変化の影響を受けにくく、押し出し量精度を安定化させ、より精密に造形物を造形することができる。
延伸後には、必要に応じて延伸歪みを除去することなどを目的として、適度な定長および/または弛緩熱処理を行うこともできる。
また、モノフィラメントの断面形状については、必ずしも円形断面だけに限定されるものではなく、扁平、三角、中空、星型等の異型断面や中空部を有するものとしても、芯鞘複合や海島型等の複合断面などの任意の断面形状としてもよい。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。各特性の測定は、以下の様に行った。
(1)熱収縮応力の経時測定
Lenzing Instruments製TST2装置を用い、ASTM D5591-04(2016)の規定に準じて0.011cN/dtexの荷重を掛けたPPSモノフィラメントを200℃の乾熱雰囲気中にて60秒間測定した。
(2)熱収縮応力が0cN以下となるまでの時間
Lenzing Instruments製TST2装置を用い、ASTM D5591-04(2016)の規定に準じて0.011cN/dtexの荷重を掛けたPPSモノフィラメントを200℃の乾熱雰囲気中にて60秒間処理した際に、熱収縮応力が0cNとなるまでの時間を測定した。
(3)収縮率の経時測定
Lenzing Instruments製TST2装置を用い、ASTM D4974-04(2016)の規定に準じて0.011cN/dtexの荷重を掛けたPPSモノフィラメントを200℃の乾熱雰囲気中にて60秒間測定した。
(4)収縮率が0.0%以下となるまでの時間
Lenzing Instruments製TST2装置を用い、ASTM D4974-04(2016)の規定に準じて0.011cN/dtexの荷重を掛けたPPSモノフィラメントを200℃の乾熱雰囲気中にて60秒間処理した際に、収縮率が0.0%となるまでの時間を測定した。
(4)乾熱収縮率
JIS L 1013(1999年度版)の乾熱収縮率項目のB法の規定に準じて測定した。
(5)繊度
JIS L 1013(2010年度版)に従い測定した。
(6)糸直径
MITUTOYO社製デジタルマイクロメータを使用し、モノフィラメントの直径をその長さ方向に沿って5箇所無作為に測定し、その平均値を求めた。
[実施例1]
乾燥したPPS樹脂(東レ(株)製、E2080)を、Φ40mmの1軸エクストルーダー型溶融紡糸機に供給して紡糸温度320℃で溶融した。溶融した樹脂は延伸後の直径が1.75mmとなるようにギヤポンプで計量した後、押出圧力10MPaにて孔径4.0mmの口金から紡出した。次いで、溶融状態の紡出糸を冷却距離25cmとし、80℃の冷却浴中に導いて冷却固化せしめた後、所望とする直径となるように引き取り速度を調整したローラーにより引き取った後、120℃の温度下で全延伸倍率1.0倍となるよう延伸を行った後、巻取り機に巻き取った。かくして得られたPPSモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例2~3]
押出圧力が表1記載となるように、エクストルーダーの押出圧力を調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。かくして得られたPPSモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例4~5]
冷却距離を表1記載となるように調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。かくして得られたPPSモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例6~7]
延伸温度を表1記載となるように調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。かくして得られたPPSモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例8~9]
全延伸倍率を表1記載となるように調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。かくして得られたPPSモノフィラメントの評価結果を表1に示す。

[比較例1~2]
押出圧力が表2記載となるように、エクストルーダーの押出圧力を調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。しかし、ポリマーの吐出不良により、フィラメントが得られず評価はできなかった。
[比較例3]
冷却距離を表2記載となるように調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。かくして得られたPPSモノフィラメントの評価結果を表2に示す。
[比較例4]
冷却距離を表2記載となるように調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。しかし、ポリマーが冷却浴に到達するまでの重力加速に、引き取りローラーの速度が追従できず、冷却浴中の糸走行が不安定となり、フィラメントが得られず評価はできなかった。
[比較例5~6]
延伸温度を表2記載となるように調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。かくして得られたPPSモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[比較例7]
全延伸倍率を表2記載となるように調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。しかし、計量され溶出されたポリマー量に対し、引き取りローラーの速度が追従できず、冷却浴中の糸走行が不安定となり、フィラメントが得られず評価はできなかった。
[比較例8~9]
全延伸倍率を表2記載となるように調整させた以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸した。かくして得られたPPSモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
Figure 2023080444000002
Figure 2023080444000003
本発明によれば、上記の通り、3Dプリンタ用製造材料として吐出安定性に優れた熱収縮特性を持つポリフェニレンスルフィドモノフィラメントを提供することができる。また、本発明によれば耐熱性に優れた造形物を得ることができる。このため、航空機、自動車用途等の金属部品の代替樹脂部品として求められる、高温環境下で好適に用いることができる。
1:実施例1の熱収縮応力グラフ
2:比較例1の熱収縮応力グラフ
3:実施例1の収縮率グラフ
4:比較例1の収縮率グラフ

Claims (4)

  1. ポリフェニレンスルフィド樹脂からなり、0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて熱収縮応力を経時的に測定した際の0から60秒における最大値が、15cN以下であるモノフィラメント。
  2. 0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて、熱収縮応力が0cN以下となるまでの処理時間が20秒以内である請求項1に記載のモノフィラメント。
  3. 0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて収縮率を経時的に測定した際の0から60秒における最大値が、0.5%以下である請求項1又は2に記載のモノフィラメント。
  4. 0.011cN/dtexの荷重下で200℃の乾熱雰囲気中にて、収縮率が0.0%以下となるまでの処理時間が20秒以内である請求項1~3のいずれかに記載のモノフィラメント。
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