JP2023079876A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の疲労をより低減するとともに消費電力を抑制することができる車両用シートを得る。【解決手段】車両用シートヒータ10は、乗員の少なくとも大腿部及び臀部を支持するシートクッション12と、シートクッション12を、シートクッション12の前後方向において前端部12A、中間部12B、及び後端部12Cに区画し、乗員の下半身の所定の部位に対応する中間部12Bは加熱せず、乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前端部12A及び後端部12Cを加熱する加熱部20と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、車両のシートクッションに加熱部が設けられた車両用シートに関する。
例えば、下記特許文献1、2に記載された車両用シートにおいては、シートバック及びシートクッションの双方において、着座する乗員を温めることにより、乗員の疲労を軽減しようとする技術が開示されている。上記特許文献1に記載の技術では、シートクッションの前後方向の後端部を除く領域が加熱されており、上記特許文献2に記載の技術では、シートクッションの前後方向の前端部を除く領域が加熱されている。
特開2008-183209号公報 特開2021-069928号公報
上記特許文献1及び上記特許文献2に記載の技術では、加熱する領域を複数に区画した場合に、領域毎の加熱することによる効果は記載されているが、加熱する領域の組み合わせによる効果については言及されていない。そのため、シートクッションにおいて、加熱する領域を検討することにより、疲労低減及び消費電力の双方において改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮し、乗員の疲労をより低減するとともに消費電力を抑制することができる車両用シートを提供することが目的である。
本発明の第1の態様の車両用シートは、乗員の少なくとも大腿部及び臀部を支持するシートクッションと、前記シートクッションを、該シートクッションの前後方向において前端部、中間部、及び後端部に区画し、前記乗員の下半身の所定の部位に対応する前記中間部は加熱せず、前記乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前記前端部及び前記後端部を加熱する加熱部と、を備える。
本発明の第1の態様の車両用シートでは、加熱部が、乗員の下半身に所定の部位に対応する中間部は加熱せず、乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前端部及び後端部を加熱している。ここで、本願発明者らは、乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前端部及び後端部を加熱した場合に、前端部、中間部及び後端部を全て加熱する場合、前端部と中間部を加熱した場合、及び中間部と後端部を加熱した場合のそれぞれと比較して、十分な疲労低減効果があることを発見した。従って、中間部は加熱せず、前端部及び後端部を加熱することにより、前端部、中間部及び後端部を全て加熱する場合、すなわちシートクッション全面を加熱する場合と比較して、中間部の加熱に要する分の消費電力を低減することができるので、消費電力を抑制しつつ、乗員の疲労をより低減することができる。
また、本発明の第2の態様の車両用シートは、第1の態様において、前記加熱部が、前記前端部をさらに、前記シートクッションの左右方向において左前端部、中間前端部、及び右前端部に区画し、前記乗員の下半身の所定の部位に対応する前記中間前端部は加熱せず、前記乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前記左前端部及び前記右前端部を加熱する。
本発明の第2の態様の車両用シートは、加熱部が、中間前端部は加熱せず、左前端部及び右前端部を加熱している。これにより、左前端部、中間前端部及び右前端部を全て加熱する場合と比較して、中間前端部の加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
また、本発明の第3の態様の車両用シートは、第1の態様において、前記加熱部が、前記後端部をさらに、前記シートクッションの左右方向において左後端部、中間後端部、及び右後端部に区画し、前記乗員の下半身の所定の部位に対応する前記中間後端部は加熱せず、前記乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前記左後端部及び前記右後端部を加熱する
本発明の第3の態様の車両用シートは、加熱部が、中間後端部は加熱せず、左後端部及び右後端部を加熱している。これにより、左後端部、中間後端部及び右後端部を全て加熱する場合と比較して、中間後端部の加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
また、本発明の第4の態様の車両用シートは、第1の態様において、前記加熱部が、前記前端部をさらに、前記シートクッションの左右方向において左前端部、中間前端部、及び右前端部に区画すると共に、前記後端部をさらに、前記シートクッションの左右方向において左後端部、中間後端部、及び右後端部に区画し、前記乗員の下半身の所定の部位に対応する前記中間前端部及び前記中間後端部は加熱せず、前記乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前記左前端部、前記右前端部、前記左後端部、及び前記右後端部を加熱する。
本発明の第4の態様の車両用シートは、加熱部が、中間前端部及び中間後端部は加熱せず、左前端部、右前端部、左後端部、及び右後端部を加熱している。これにより、左前端部、中間前端部、右前端部、左後端部、中間後端部、及び右後端部を全て加熱する場合と比較して、中間前端部及び中間後端部の加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
また、本発明の第5の態様の車両用シートは、第4の態様において、前記加熱部は、略50mm四方に形成された4つのヒータを備え、該4つのヒータは、各々前記左前端部、前記右前端部、前記左後端部、及び前記右後端部を加熱する。
本発明の第5の態様の車両用シートは、略50mm四方に形成された4つのヒータにより各々左前端部、右前端部、左後端部、及び右後端部が加熱される。これにより、加熱される領域は、略50mm四方の4つの領域となり、この4つの略50mm四方の領域はシートクッション全面を加熱する場合と比較して消費電力を抑制しつつ乗員に対する疲労低減効果を得られる最小面積である。そのため、消費電力を最も抑制しつつ、乗員の疲労を低減することができる。
また、本発明の第6の態様の車両用シートは、第4の態様において、前記加熱部は、略100mm四方に形成された4つのヒータを備え、該4つのヒータは、各々前記左前端部、前記右前端部、前記左後端部、及び前記右後端部を加熱する。
本発明の第6の態様の車両用シートは、略100mm四方に形成された4つのヒータにより各々左前端部、右前端部、左後端部、及び右後端部が加熱される。これにより、加熱される領域は、略100mm四方の4つの領域となり、この4つの略100mm四方の領域は、シートクッション全面を加熱する場合と比較して消費電力を抑制しつつ乗員に対する疲労低減効果を最も多く得られる面積のうちの最小面積である。そのため、乗員の疲労を最も低減しつつ、消費電力もより抑制することができる。
また、本発明の第7の態様の車両用シートは、第2の態様において、前記加熱部は、前後方向が略100mm、左右方向が略251mmの四角形状に形成された第1のヒータと、前後方向が略180mm、左右方向が略160mmの四角形状に形成された2つの第2のヒータとを備え、前記第1のヒータは、前記後端部を加熱し、2つの前記第2のヒータは、各々前記左前端部及び前記右前端部を加熱する。
本発明の第7の態様の車両用シートは、前後方向が略100mm、左右方向が略251mmの四角形状に形成された第1のヒータにより後端部が加熱され、前後方向が略180mm、左右方向が略160mmの四角形状に形成された2つの第2のヒータにより左前端部及び右前端部が加熱される。これにより、加熱される領域は、前後方向が略100mm、左右方向が略251mmの四角形領域と、前後方向が略180mm、左右方向が略160mmの2つの四角形領域である。これらの四角形領域は、シートクッション全面を加熱する場合と比較して消費電力を抑制しつつ乗員に対する疲労低減効果を最も得られる面積のうちの最大面積である。そのため、乗員の疲労を最も低減しつつ、消費電力も抑制することができる。
また、本発明の第8の態様の車両用シートは、第1の態様~第7の態様の何れかの態様において、前記加熱部が、前記後端部よりも前記前端部の温度が高くなるように加熱する。
本発明の第8の態様の車両用シートは、加熱部が、後端部よりも前端部の温度が高くなるように加熱している。このため、後端部に対応する乗員の下半身の部位よりも、血液促進効果の高いとされる前端部に対応する乗員の下半身の部位をより温めることができるので、より効果的な血流促進を実現することができる。
また、本発明の第9の態様の車両用シートは、第1の態様~第8の態様の何れかの態様において、前記前端部に対応する部位は前記乗員の膝裏から大腿前部、前記中間部に対応する部位は前記乗員の大腿後部及び臀部、前記後端部に対応する部位は前記乗員の仙骨部である。
本発明の第9の態様の車両用シートは、前端部に対応する部位は乗員の膝裏から大腿前部、中間部に対応する部位は乗員の大腿後部及び臀部、後端部に対応する部位は乗員の仙骨部である。そのため、中間部は加熱せず、前端部及び後端部を加熱することにより、血液促進効果がより高いとされる乗員の膝裏から大腿前部、及び仙骨部を温めることができる。これにより、血液促進効果のより低い部位は温めず、血液促進効果のより高い部位が温められるので、血液促進効果により乗員の疲労を低減しつつ、血液促進への寄与が低い部位を温めることによる消費電力を抑制することができる。
また、本発明の第10の態様の車両用シートは、第1の態様~第9の態様の何れかの態様において、前記加熱部が、通電により発熱する面状ヒータから構成される。
本発明の第10の態様の車両用シートは、加熱部が、通電により発熱する面状ヒータから構成されるので、簡素な構成でシートクッションを加熱することができる。
また、本発明の第11の態様の車両用シートは、第10の態様において、前記面状ヒータが、電熱線を有し、前記電熱線の線密度に応じて発熱量が変化することにより、前記面状ヒータにおける温度が調整される。
本発明の第11の態様の車両用シートは、面状ヒータが、電熱線を有し、電熱線の線密度に応じて発熱量が変化することにより、面状ヒータにおける温度が調整される。そのため、簡素な構成で加熱部における温度の設定を実現することができる。また、複数のヒータを組み合わせて、各ヒータに対して温度制御を行う場合と比較して、温度の設定を容易に行うことができる。
以上、説明したように、第1の態様の車両用シートによれば、中間部は加熱せず、前端部及び後端部を加熱することにより、前端部、中間部及び後端部を全て加熱する場合と比較して、中間部の加熱に要する分の消費電力を低減することができるので、消費電力を抑制しつつ、乗員の疲労をより低減することができる。
第2の態様の車両用シートによれば、左前端部、中間前端部及び右前端部を全て加熱する場合と比較して、中間前端部の加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
第3の態様の車両用シートによれば、左後端部、中間後端部及び右後端部を全て加熱する場合と比較して、中間後端部の加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
第4の態様の車両用シートによれば、左前端部、中間前端部、右前端部、左後端部、中間後端部、及び右後端部を全て加熱する場合と比較して、中間前端部及び中間後端部の加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
第5の態様の車両用シートによれば、消費電力を最も抑制しつつ、乗員の疲労を低減することができる。
第6の態様の車両用シートによれば、乗員の疲労を最も低減しつつ、消費電力もより抑制することができる。
第7の態様の車両用シートによれば、乗員の疲労を最も低減しつつ、消費電力も抑制することができる。
第8の態様の車両用シートによれば、後端部に対応する乗員の下半身の部位よりも、血液促進効果の高いとされる前端部に対応する乗員の下半身の部位をより温めることができるので、より効果的な血流促進を実現することができる。
第9の態様の車両用シートによれば、血液促進効果により乗員の疲労を低減しつつ、血液促進への寄与が低い部位を温めることによる消費電力を抑制することができる。
第10の態様の車両用シートによれば、簡素な構成でシートクッションを加熱することができる。
第11の態様の車両用シートによれば、簡素な構成で加熱部における温度の設定を実現することができ、複数のヒータを組み合わせて各ヒータに対して温度制御を行う場合と比較して、温度の設定を容易に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る車両用シートの側面図である。 本発明の一実施形態に係るシートクッションを示す外観斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る加熱部の最小の配策面積を示す平面図である。 むくみ増加率の試験結果を示すグラフである。 加熱面積毎のむくみ増加率を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る加熱部の最良の配策面積を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る加熱部の最大の配策面積を示す平面図である。 消費電力と疲労低減効果の関係を示す分布図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、各図において適宜示す矢印UP、矢印FR、矢印LH及び矢印RHは、車両に搭載された車両用シート10の上方向、前方向、左右方向(車幅方向)の左側方向及び右側方向をそれぞれ示しており、矢印Wはシート幅方向を示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両に搭載された車両用シート10の前後方向の前後、車両左右方向(車幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(第1実施形態)
<車両用シートの構成>
第1実施形態の車両用シート10は、車両(例えば、自動車、又は電車等)に設置される。図1に示されるように、車両用シート10は、着座した乗員Pの臀部及び大腿部を支持するシートクッション12と、乗員Pの背部を支持するシートバック14と、乗員Pの頭部を支持するヘッドレスト16と、を備えている。
シートクッション12は、車両用シート10の座面部分を構成しており、乗員Pは、シートクッション12のシート上側(シート表面)に着座する。シートクッション12は、シートクッションフレーム(図示省略)、クッションパッド(図示省略)、及びトリム18を備えている。
シートクッションフレーム(図示省略)は、シートクッション12の骨格を構成する。クッションパッド(図示省略)は、例えば、ポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)等の弾性を有する合成樹脂材等によって形成されている。トリム18は、布系、皮革、及び合成皮革等の可撓性を有するシート部材で形成されている。シートクッション12は、シートクッションフレーム(図示省略)にクッションパッド(図示省略)を取り付け、更にその表面をトリム18で覆うことにより構成されている。このシートクッション12の内部には、加熱部20が設けられている。
図2に示されるように、加熱部20は、シートクッション12の内部に設けられ、特に、シートクッション12の内部において、座面(上面)側に設けられる。詳細は後述するが、加熱部20は、通電により発熱する面状ヒータであり、当該面状ヒータの面内方向が座面に沿うように設けられる。加熱部20は、乗員Pの下半身の所定の部位に対応するシートクッション12を加熱可能に構成されている。
<加熱部の構成及び加熱範囲>
以下に、図1~図3を参照しながら、加熱部20の構成及び加熱部による加熱範囲について説明する。シートクッション12に乗員Pが着座すると、乗員Pの下半身において仙骨、臀部、大腿部、及び膝関節の部位がシートクッション12に接触し得る。本実施形態においては、一例として、図2に示されるように、シートクッション12を前後方向において、前方側から順に、前端部12A、中間部12B、後端部12Cに区画する。この場合、前端部12Aに対応する部位は乗員Pの膝裏から大腿前部、中間部12Bに対応する部位は乗員Pの大腿後部及び臀部、後端部12Cに対応する部位は乗員の仙骨部となる。
一般的に、人体が温められる効果として、血流循環の促進に伴う疲労低減効果が知られている。すなわち、温熱による血管拡張等によって、体内に蓄積した疲労物質を血中へ排出することで、疲労感の低減効果が得られる。そのため、シートクッション12を加熱することにより、乗員Pの下半身を温めて疲労低減効果を得ることが考えられるが、本発明者らが鋭意検討したところ、シートクッション12において全面を加熱しなくても、十分な疲労低減効果が得られることを発見した。具体的には、本発明者らは、上記のように前端部12A、中間部12B、後端部12Cに区画された領域において、中間部12Bは加熱せず、前端部12A及び後端部12Cを加熱することにより十分な疲労低減効果が得られることを発見した。
すなわち、加熱部20によって前端部12Aを加熱することにより、前端部12Aに対応する部位である乗員Pの膝裏から大腿前部が温められる。膝裏は、動脈及び静脈が皮膚から近い場所にあるので、前端部12Aを加熱部20によって温めることによる疲労低減効果が得られ易い。また、加熱部20によって後端部12Cを加熱することにより、後端部12Cに対応する部位である乗員Pの仙骨部が温められる。これにより、仙骨神経や座骨神経等の副交感神経を主として効果的に車両乗員Pの下半身を温めることができる。
図3に示されるように、前端部12A及び後端部12Cを加熱する加熱部20は、一例として、4つのヒータ、すなわち第1ヒータ20A、第2ヒータ20B、第3ヒータ20C、及び第4ヒータ20Dを備えている。本実施形態においては、一例として、第1ヒータ20A~第4ヒータ20Dは、各々、略50mm四方に形成され、通電により発熱する面状ヒータから構成されている。
ここで、本実施形態においては、一例として、図3に示されるように、前端部12A及び後端部12Cをさらに、左右方向において各々右方側から順に、右前端部12AR、中間前端部12AC、左前端部12AL、並びに、右後端部12CR、中間後端部12CC、及び左後端部12CLに区画する。そして、第1ヒータ20Aは右前端部12ARに、第2ヒータ20Bは左前端部12ALに、第3ヒータ20Cは右後端部12CRに、第4ヒータ20Dは及び左後端部12CLに各々配設される。
本実施形態においては、一例として、第1ヒータ20Aの中心と第2ヒータ20Bの中心との幅方向の間隔は160mm程度に設定されている。また、一例として、第3ヒータ20Cの中心と第4ヒータ20Dの中心との幅方向の間隔は140mm程度に設定されている。また、一例として、第1ヒータ20A及び第2ヒータ20Bの中心と第3ヒータ20C及び第4ヒータ20Dの中心との間隔は290mm程度に設定されている。
第1ヒータ20A~第4ヒータ20Dは、電熱線20A1を含んで形成され、通電に伴い電熱線20A1に生じるジュール熱を利用して発熱する、いわゆる抵抗加熱方式のヒータである。電熱線20A1は、図示しない電源に接続され、この電源から電力の供給を受けて発熱する。電熱線20A1は、第1ヒータ20A~第4ヒータ20D内に各々連続して配策されている。また、電熱線20A1は、平面視したときの単位面積当たりの本数(線密度)がシートクッション12の領域ごとに変化するように、配策されている。なお、図3においては、シートクッション12内部に配策される電熱線20A1の図示は省略されている。
本実施形態においては、具体的に、シートクッション12において、前端部12Aに配設される第1ヒータ20A及び第2ヒータ20Bでは、線密度が多くなるように電熱線20A1が配設されている。一方、シートクッション12において、後端部12Cに配設される第3ヒータ20C及び第4ヒータ20Dでは、第1ヒータ20A及び第2ヒータ20Bよりも線密度が少なくなるように電熱線20A1が配設されている。ここで、加熱部20における加熱温度は、各ヒータ20A~20Dを形成する電熱線20A1の線密度によって設定される。これにより、加熱部20は、後端部12Cよりも前端部12Aの温度が高くなるように加熱することができる。
本実施形態においては、一例として、第1ヒータ20A及び第2ヒータ20Bは、第3ヒータ20C及び第4ヒータ20Dよりも高い温度である摂氏40度から摂氏42度、好ましくは摂氏41度から摂氏42度(本実施形態では、摂氏41度)で発熱される。また、第3ヒータ20C及び第4ヒータ20Dは、第1ヒータ20A及び第2ヒータ20Bよりも低い温度である摂氏38度から摂氏40度、好ましくは摂氏39度から摂氏40度(本実施の形態では、摂氏39度)で発熱される。
上記のように構成された第1ヒータ20A~第4ヒータ20Dは、図1及び図3に示されるように車載用ECU40(ECU;Electronic Control Unit、以下単に「ECU」と称する)に電気的に接続されて制御される。ECU40は、CPU、ROM、RAM、ストレージ及び通信インタフェースを有し、これらの各構成部は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、ECU40は、機能構成として、制御部41(図1中ではブロック化して図示)を有する。制御部41の機能構成は、CPUがROM又はストレージに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。制御部41は、シートクッション12に乗員が着座している状態において、第1ヒータ20A~第4ヒータ20Dに供給する電力を制御する。これにより、加熱部20としての第1ヒータ20A~第4ヒータ20Dの発熱量が制御され、この結果、加熱部20における温度制御が実現される。また、制御部41は、コントローラ42から受け付けた信号に基づいて、第1ヒータ20A~第4ヒータ20Dを制御する。
<第1実施形態の作用、効果>
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る車両用シート10は、シートクッション12の中間部12Bは加熱せず、シートクッション12の前端部12Aを摂氏41度に加熱する第1ヒータ20A及び第2ヒータ20B、及び、後端部12Cを摂氏39度に加熱する第3ヒータ20C及び第4ヒータ20Dを有する加熱部20を備える。このため、シートクッション12において、乗員Pの下半身の部位に応じた位置に第1ヒータ20A及び第2ヒータ20B、並びに第3ヒータ20C及び第4ヒータ20Dを配置されることで、乗員Pの身体内の血流の循環が促進されて、疲労の蓄積が低減され、着座時の乗員Pの快適性が向上する。
特に、車両用シート10が自動運転機能を有する車両に設置される場合、乗員Pは、途中の休憩等を挟まず、長時間乗車することが想定される。この場合、乗員Pの身体には、長時間の着座に伴う疲労が多く蓄積することが考えられる。第1実施形態に係る車両用シート10では、かかる状況においても、加熱部20からの温熱によって血流が促進され、疲労蓄積の低減効果が実現される。
さらに、加熱部20が、中間部12Bを加熱せずに、前端部12A及び後端部12Cを加熱することにより、前端部12A、中間部12B及び後端部12Cを全て加熱する場合、すなわちシートクッション12の全面を加熱する場合と比較して、中間部12Bの加熱に要する分の消費電力を低減することができるので、消費電力を抑制しつつ、乗員Pの疲労を低減することができる。
さらに、第1実施形態に係る車両用シート10では、乗員Pの下半身の部位の内、血流促進への寄与が少ないとされる大腿後部及び臀部に対応したシートクッション12の中間部12Bにはヒータを設けていない。一方、乗員Pの下半身の部位の内、血流促進に大きく寄与する膝裏部分に対応したシートクッション12の前端部12Aに第1ヒータ20A及び第2ヒータ20Bが設けられ、さらに、血流促進に寄与する仙骨部に対応したシートクッション12の後端部12Cに第3ヒータ20C及び第4ヒータ20Dが設けられている。これにより、血液促進効果のより低い部位は温めず、血液促進効果のより高い部位が温められるので、血液促進効果により乗員Pの疲労を低減しつつ、血液促進への寄与が低い部位を温めることによる消費電力を抑制することができる。
さらに、第1実施形態に係る車両用シート10では、加熱部20が、後端部12Cよりも前端部12Aの温度が高くなるように加熱している。このため、後端部12Cに対応する仙骨部よりも、前端部12Aに対応する血液促進効果の高いとされる膝裏部分をより温めることができるので、より効果的な血流促進を実現することができる。
さらに、第1実施形態に係る車両用シート10では、第1ヒータ20Aは右前端部12ARに、第2ヒータ20Bは左前端部12ALに、第3ヒータ20Cは右後端部12CRに、第4ヒータ20Dは左後端部12CLに各々配設されている。すなわち、加熱部20は、中間前端部12AC及び中間後端部12CCを加熱せず、左前端部12AL、右前端部12AR、左後端部12CL、及び右後端部12CRを加熱している。これにより、左前端部12AL、中間前端部12AC、右前端部12AR、左後端部12CL、中間後端部12CC、及び右後端部12CRを全て加熱する場合と比較して、中間前端部12AC及び中間後端部12CCの加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
また、第1実施形態に係る車両用シート10では、加熱部20の第1~第4ヒータ20A~20Dが、通電により発熱する面状ヒータで構成されているので、簡素な構成でシートクッション12を加熱することができる。
また、第1実施形態に係る車両用シート10では、加熱部20の第1~第4ヒータ20A~20Dが、電熱線20A1を有し、電熱線20A1の線密度に応じて発熱量が変化することにより、各ヒータにおける温度が調整される。そのため、簡素な構成で加熱部20における温度の設定を実現することができる。なお、連続した電熱線20A1を使用する場合には、複数のヒータを組み合わせて、各ヒータに対して温度制御を行う場合と比較して、温度の設定を容易に行うことができる。
<第1実施形態の疲労感評価試験>
ここで、第1実施形態に係る車両用シート10について性能を評価するため、疲労感評価を行った。疲労感評価試験としては、着座した状態で60分経過後の乗員Pのむくみ増加率を測定して評価した。むくみ増加率の測定は、乗員Pのインピーダンスの変化を測定することにより行った。ここで、インピーダンスの変化が大きい程、むくみ増加率は高くなる。なお、むくみ増加率の数値が大きい程、血液循環のバランスが悪く、乗員Pの下肢に疲労が発生していることを意味する。
図4において、実施例は上述した第1実施形態の態様であり、この試験においては、前端部12A及び後端部12Cを一定の温度で加熱し、中間部12Bは加熱しない状態とした。また、比較例1は、前端部12A、中間部12B、及び後端部12Cの全てを一定の温度で加熱した態様である。比較例2は、前端部12A及び中間部12Bを一定の温度で加熱し、後端部12Cは加熱しない態様である。比較例3は、中間部12B及び後端部12Cを一定の温度で加熱し、前端部12Aは加熱しない態様である。なお、実施例は、比較例1~比較例3の中で最も加熱領域が小さくなっている。
図4に示されるように、加熱領域が最も小さい実施例の態様が、最もむくみ増加率が低かった。すなわち、実施例の態様が最も疲労低減効果が高かった。これにより、上述した第1実施形態の態様は、比較例1~3と比較して乗員Pの疲労をより低減するとともに消費電力を抑制することができることが示された。
本発明者らは、さらに、加熱領域と疲労低減効果との関係を調べるために、加熱部20による加熱領域を変えて疲労感評価を行った。疲労感評価試験としては、環境温度を摂氏15度とし、加熱領域の異なるヒータを使用して、前端部12Aを一定の温度で加熱し、着座した状態で60分経過後の乗員Pのむくみ増加率を測定して評価した。加熱領域の異なるヒータとしては、略30mm四方の四角形状から前後方向が略180mm、左右方向が略160mmの四角形状の間で形成された四角形状のヒータを2つ使用した。すなわち略同面積に形成された2つのヒータを前端部12Aにおいて幅方向に間隔を空けて配置して使用した。
図5において、比較例は加熱部がない車両用シートを使用した。実施例1は略50mm四方に形成されたヒータであり、第1実施形態の第1~第4ヒータ20A~20Dと同様のヒータを有する車両用シートを使用した。また、実施例2は略100mm四方に形成されたヒータを有する車両用シートを使用した。図5に示されるように、比較例と比較して、実施例1すなわち50mm四方に形成されたヒータから加熱による疲労低減効果があることが確認できた。また、実施例1よりも実施例2すなわち100mm四方に形成されたヒータの方が、より加熱による疲労低減効果があることが確認できた。
(第2実施形態)
以下、図6を用いて、第2実施形態に係る車両用シート10Aについて説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態と同様の構成については同符号で示して説明を省略し、異なる箇所についてのみ詳細に説明する。
第2実施形態の車両用シート10Aにおいては、上述した第1実施形態に対して第1~第4ヒータ20A~20Dの形状が異なっている。図6に示されるように、第2実施形態の車両用シート10Aの第1~第4ヒータ20A~20Dは、一例として、各々、略100mm四方に形成されている。すなわち、第2実施形態の車両用シート10Aの第1~第4ヒータ20A~20Dは、図5で示される実施例2で使用したヒータと同様の形状とされる。
ここで、第2実施形態においては、図6に示されるように、第1実施形態と同様に、第1ヒータ20Aは右前端部12ARに、第2ヒータ20Bは左前端部12ALに、第3ヒータ20Cは右後端部12CRに、第4ヒータ20Dは及び左後端部12CLに各々配設される。第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1ヒータ20Aの中心と第2ヒータ20Bの中心との幅方向の間隔は160mm程度に設定されている。また、一例として、第3ヒータ20Cの中心と第4ヒータ20Dの中心との幅方向の間隔は140mm程度に設定されている。また、一例として、第1ヒータ20A及び第2ヒータ20Bの中心と第3ヒータ20C及び第4ヒータ20Dの中心との間隔は290mm程度に設定されている。
<第2実施形態の作用、効果>
次に、第2実施形態の作用及び効果について説明する。
第2実施形態の車両用シート10Aにおいても、第1実施形態の車両用シート10Aと同様の作用及び効果を得ることができる。また、第2実施形態の車両用シート10Aによれば、第1~第4ヒータ20A~20Dは、各々略100mm四方に形成されている。そのため、図5に示される疲労感評価試験の結果から、略50mm四方に形成されたヒータを使用する第1実施形態よりも消費電力は消費されるものの、第1実施形態よりも疲労低減効果を得ることができる。
(第3実施形態)
以下、図7を用いて、第3実施形態に係る車両用シート10Bについて説明する。なお、第3実施形態においては、第1実施形態と同様の構成については同符号で示して説明を省略し、異なる箇所についてのみ詳細に説明する。
第3実施形態の車両用シート10Bにおいては、加熱部20は、上述した第1実施形態及び第2実施形態の第1~第4ヒータ20A~20Dを備えずに、第5~第7ヒータ20E~20Gを備えている。図7に示されるように、第5ヒータ20E及び第6ヒータ20Fは、本発明の第2のヒータに対応し、一例として、各々、前後方向が略180mm、左右方向が略160mmの四角形状に形成されている。また、第7ヒータ20Gは、本発明の第1のヒータに対応し、一例として、前後方向が略100mm、左右方向が略251mmの四角形状に形成されている。本実施形態において第7ヒータ20Gは矩形状に形成されている。なお、第3実施形態の第5~第7ヒータ20E~20Gは、上述した第1実施形態及び第2実施形態の第1~第4ヒータ20A~20Dと形状は異なるものの、ヒータとしての構成は同様とされる。
第3実施形態においては、図7に示されるように、第5ヒータ20Eは右前端部12ARに、第6ヒータ20Fは左前端部12ALに、第7ヒータ20Gは後端部12Cに各々配設される。第3実施形態においては、第5ヒータ20Eの前端の左端と第6ヒータ20Fの前端の右端との幅方向の間隔は60mm程度に設定されている。
また、第3実施形態においては、一例として、第5ヒータ20E及び第6ヒータ20Fは、第7ヒータ20Gよりも高い温度である摂氏40度から摂氏42度、好ましくは摂氏41度から摂氏42度(本実施形態では、摂氏41度)で発熱される。また、第7ヒータ20Gは、第5ヒータ20E及び第6ヒータ20Fよりも低い温度である摂氏38度から摂氏40度、好ましくは摂氏39度から摂氏40度(本実施の形態では、摂氏39度)で発熱される。
<第3実施形態の作用、効果>
次に、第3実施形態の作用及び効果について説明する。
第3実施形態の車両用シート10Bにおいても、第1実施形態の車両用シート10Aと略同様の作用及び効果を得ることができる。なお、第3実施形態の車両用シート10Bでは、上述した第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、後端部12Cの中間後端部12CCが加熱されている。そのため、第3実施形態の車両用シート10Bでは、上述した第1実施形態及び第2実施形態よりも消費電力は低減されていないが、左前端部12AL、中間前端部12AC及び右前端部12ARを全て加熱する場合と比較して、中間前端部12ACの加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
<第1~第3実施形態の疲労感評価試験>
次に上述した第1~第3実施形態の車両用シート10、10A、10Bについて性能を評価するため、疲労低減効果と消費電力との関係を調べた。疲労低減効果は、着座した状態で60分経過後に測定された乗員Pのむくみ増加率に基づいて評価した。すなわち、むくみ増加率の数値が大きい程、疲労低減効果は低くなる。また、消費電力は、加熱部20により消費される電力であり、加熱される領域が大きい程、消費電力は多くなる。
図8において、正方形で示される「従来」は、シートクッションの全面を摂氏40度で加熱した従来の車両用シートを使用した態様の結果であり、加熱領域が全面であるため最も電力が消費される。また、白丸で示される「MIN」は、上述した第1実施形態の車両用シート10を使用した態様の結果であり、加熱領域が最小とされる態様である。また、三角形で示される「BEST」は上述した第2実施形態の車両用シート10Aを使用した態様の結果であり、加熱領域が「MIN」よりも大きい態様である。すなわち、「MIN」よりも電力が消費される。
また、黒丸で示される「MAX」は、上述した第3実施形態の車両用シート10Bを使用した態様の結果であり、加熱領域が「MIN」及び「BEST」よりも大きい最大とされる態様である。すなわち、「MIN」及び「BEST」よりも電力が消費される。白丸で示される「MIN」、三角形で示される「BEST」、及び黒丸で示される「MAX」においては、前端部12Aを摂氏41度で加熱し、後端部12Cを摂氏39度で加熱している。
図8に示されるように、第1実施形態の車両用シート10(「MIN」)、第2実施形態の車両用シート10A(「BEST」)、及び第3実施形態の車両用シート10B(「MAX」)の何れにおいても、従来の車両用シートと比較して疲労低減効果が高く、かつ消費電力を低減することができた。すなわち、乗員Pの疲労をより低減するとともに消費電力を抑制することができた。
また、図8に示されるように、第1実施形態の車両用シート10(「MIN」)において加熱される領域は、略50mm四方の4つの領域となり、この略50mm四方の4つの領域はシートクッション12全面を加熱する従来の車両用シートと比較して消費電力を抑制しつつ乗員に対する疲労低減効果を得られる最小面積となる。そのため、第1実施形態の車両用シート10(「MIN」)では、消費電力を最も抑制しつつ、乗員Pの疲労を低減することができた。
また、図8に示されるように、第2実施形態の車両用シート10A(「BEST」)において加熱される領域は、略100mm四方の4つの領域となり、この略100mm四方の4つの領域はシートクッション12全面を加熱する従来の車両用シートと比較して消費電力を抑制しつつ乗員に対する疲労低減効果を最も多く得られる面積のうちの最小面積となる。そのため、第2実施形態の車両用シート10A(「BEST」)では、乗員Pの疲労を最も低減しつつ、消費電力もより抑制することができた。
また、図8に示されるように、第3実施形態の車両用シート10B(「MAX」)において加熱される領域は、前後方向が略100mm、左右方向が略251mmの四角形領域と、前後方向が略180mm、左右方向が略160mmの2つの四角形領域となり、これらの四角形領域はシートクッション12全面を加熱する従来の車両用シートと比較して消費電力を抑制しつつ乗員に対する疲労低減効果を最も多く得られる面積のうちの最大面積となる。そのため、第3実施形態の車両用シート10B(「MAX」)では、乗員Pの疲労を最も低減しつつ、消費電力も抑制することができた。
(実施形態の補足説明)
以上の実施形態では、加熱部20は中間前端部12ACを加熱していないが、本発明はこれに限られず、中間前端部12ACを加熱する構成としてもよい。この場合であっても、乗員Pの下半身の部位の内、血流促進に大きく寄与する膝裏部分に対応したシートクッション12の前端部12Aがより温められるので、中間前端部12ACを加熱していない態様と比較して消費電力は低減されないが、血液促進効果により乗員Pの疲労を低減することができる。
また、加熱部20が、中間前端部12ACを加熱する構成とした場合に、中間後端部12CCは加熱しない構成としてもよい。この場合、左後端部12CL、中間後端部12CC及び右後端部12CRを全て加熱する場合と比較して、中間後端部12CCの加熱に要する分の消費電力を低減することができる。
また、上述した実施形態においては、加熱部20は面状ヒータを使用しているが、本発明はこれに限られない。例えば、いわゆる電熱効果を奏するペルチェ素子を用いた電熱ヒータであってもよい。また、シートクッション12内に設けられたダクト、及びこのダクトを介して乗員Pの下半身に向かって温風を送風するブロアを備えた加熱装置であってもよい。
また、上述した実施形態において、面状ヒータの電熱線20A1の線密度を変化させて、温度を変化させる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。電熱線20A1の線径、及び/又は断面形状を変化させることで、温度を変化させるように構成されてもよい。
また、上記実施形態において、加熱部20としての面状ヒータが、ECUにより制御される例を挙げて説明したが、本発明は、かかる例に限定されない。例えば、面状ヒータが、サーモスタットを有するサーミスタとしての構成を備え、既定の温度条件に達したときに電源のON/OFFを行うことで加熱部20における温度が制御されてもよい。
また、上記実施形態においては、前端部12Aが後端部12Cよりも高い温度となるような構成としたが、本発明はこれに限られない。例えば同じ温度となるような構成であってもよいし、後端部12Cが前端部12Aよりも高い温度となるような構成であってもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態と各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 車両用シート
12 シートクッション
12A 前端部
12B 中間部
12C 後端部
12AL 左前端部
12AC 中間前端部
12AR 右前端部
12CL 左後端部
12CC 中間後端部
12CR 右後端部
12F 前面部
20 加熱部
20A 第1ヒータ(ヒータ)
20B 第2ヒータ(ヒータ)
20C 第3ヒータ(ヒータ)
20D 第4ヒータ(ヒータ)
20E 第5ヒータ(第2のヒータ)
20F 第6ヒータ(第2のヒータ)
20G 第7ヒータ(第1のヒータ)
20A1 電熱線

Claims (11)

  1. 乗員の少なくとも大腿部及び臀部を支持するシートクッションと、
    前記シートクッションを、該シートクッションの前後方向において前端部、中間部、及び後端部に区画し、前記乗員の下半身の所定の部位に対応する前記中間部は加熱せず、前記乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前記前端部及び前記後端部を加熱する加熱部と、
    を備える車両用シート。
  2. 前記加熱部は、前記前端部をさらに、前記シートクッションの左右方向において左前端部、中間前端部、及び右前端部に区画し、前記乗員の下半身の所定の部位に対応する前記中間前端部は加熱せず、前記乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前記左前端部及び前記右前端部を加熱する請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記加熱部は、前記後端部をさらに、前記シートクッションの左右方向において左後端部、中間後端部、及び右後端部に区画し、前記乗員の下半身の所定の部位に対応する前記中間後端部は加熱せず、前記乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前記左後端部及び前記右後端部を加熱する請求項1に記載の車両用シート。
  4. 前記加熱部は、前記前端部をさらに、前記シートクッションの左右方向において左前端部、中間前端部、及び右前端部に区画すると共に、前記後端部をさらに、前記シートクッションの左右方向において左後端部、中間後端部、及び右後端部に区画し、前記乗員の下半身の所定の部位に対応する前記中間前端部及び前記中間後端部は加熱せず、前記乗員の下半身の所定の部位にそれぞれ対応する前記左前端部、前記右前端部、前記左後端部、及び前記右後端部を加熱する請求項1に記載の車両用シート。
  5. 前記加熱部は、略50mm四方に形成された4つのヒータを備え、
    該4つのヒータは、各々前記左前端部、前記右前端部、前記左後端部、及び前記右後端部を加熱する請求項4に記載の車両用シート。
  6. 前記加熱部は、略100mm四方に形成された4つのヒータを備え、
    該4つのヒータは、各々前記左前端部、前記右前端部、前記左後端部、及び前記右後端部を加熱する請求項4に記載の車両用シート。
  7. 前記加熱部は、前後方向が略100mm、左右方向が略251mmの四角形状に形成された第1のヒータと、前後方向が略180mm、左右方向が略160mmの四角形状に形成された2つの第2のヒータとを備え、
    前記第1のヒータは、前記後端部を加熱し、2つの前記第2のヒータは、各々前記左前端部及び前記右前端部を加熱する請求項2に記載の車両用シート。
  8. 前記加熱部は、前記後端部よりも前記前端部の温度が高くなるように加熱する請求項1~請求項7の何れか1項に記載の車両用シート。
  9. 前記前端部に対応する部位は前記乗員の膝裏から大腿前部、前記中間部に対応する部位は前記乗員の大腿後部及び臀部、前記後端部に対応する部位は前記乗員の仙骨部である請求項1~請求項8の何れか1項に記載の車両用シート。
  10. 前記加熱部は、通電により発熱する面状ヒータから構成される請求項1~請求項9の何れか1項に記載の車両用シート。
  11. 前記面状ヒータは、電熱線を有し、
    前記電熱線の線密度に応じて発熱量が変化することにより、前記面状ヒータにおける温度が調整される請求項10に記載の車両用シート。
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