JP2023079610A - ハイブリッド車 - Google Patents

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Abstract

【課題】EV走行モードで走行する一連の区間について、所要走行エネルギーを精度よく特定する。【解決手段】ハイブリッド車の制御装置は、予測走行経路を取得する処理と、予測走行経路を構成する複数の区間のなかからEV走行モードで走行する一連の区間をEV区間として決定する処理と、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーを特定する処理と、特定した所要走行エネルギーに基づいてバッテリの残充電量に対する目標値を設定する処理と、ハイブリッド車がEV区間に進入する時点でバッテリの残充電量が目標値以上となるように複数の走行モードを選択的に実行する処理とを実行可能である。所要走行エネルギーを特定する処理では、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーを、ハイブリッド車の走行順序で順次積算して得られる積算値の最大値を、所要走行エネルギーとして特定する。【選択図】図3

Description

本明細書が開示する技術は、ハイブリッド車に関する。
特許文献1に、車両に搭載される発電システムが記載されている。この発電システムは、エンジンによって駆動される発電機と、発電機によって充電可能なバッテリと、制御装置とを備える。制御装置は、車両の予測走行経路の内容(例えば、市街地や郊外、走行時間帯等)に基づいて、発電機によるバッテリの充電を制御する。
特開2003-095042号公報
走行用のモータ及びエンジンを備えるハイブリッド車が知られている。ハイブリッド車は、EV走行モードやHV走行モードといった、複数の走行モードを選択的に実行することができる。ここでいうEV走行モードとは、エンジンを休止しながらモータで走行する走行モードであり、HV走行モードとは、エンジンを運転しながらエンジン及び/又はモータで走行するモードである。
近年、例えば市街地といった特定区域において、エンジンの運転を伴う車両の走行を制限する動きがある。このような特定区域を走行する場合、ハイブリッド車は、EV走行モードで走行することが強く求められる。EV走行モードの航続距離は、バッテリの残充電量に依存し、特定区域内を走行中はバッテリの充電を行うことができない。従って、ハイブリッド車が特定区域を走行する予定があるときは、ハイブリッド車が特定区域へ進行するのに先立って、バッテリの残充電量を事前に高めておく必要がある。
上記の点に関して、ハイブリッド車の予測走行経路が予め判明していれば、ハイブリッド車が特定区域を走行することを事前に把握することができる。そして、予測走行経路から特定区域内に含まれる一連の区間を決定し、その一連の区間をEV走行モードで走行するのに要する所要走行エネルギーを予め特定することで、バッテリの残充電量を所要走行エネルギーに応じて事前に高めておくことができる。
しかしながら、EV走行モードで走行する一連の区間(以下、「EV区間」と称することがある)には、力行区間だけでなく、回生区間も含まれることがある。ここでいう力行区間とは、モータによる消費電力が、モータによる回生電力を上回る区間を意味する。一方、回生区間とは、例えば、長い下り坂のように、モータによる回生電力が、モータによる消費電力を上回る区間を意味する。EV区間に回生区間が含まれる場合、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーをそのまま合算しても、EV区間を走行するのに要する実際の所要走行エネルギーを求めることはできない。
例えば、EV区間に力行区間と回生区間とがその順で含まれるとする。この場合、力行区間の所要走行エネルギーは正の値となる一方で、回生区間の所要走行エネルギーは負の値となるため、それらの合算値がゼロ又は負となることも起こり得る。しかしながら、ハイブリッド車がEV区間へ進行する段階では、最初の力行区間を走行するのに要する所要走行エネルギーをバッテリに確保しておく必要があり、その値は、その後に存在する回生区間の所要走行エネルギー(即ち、充電量)とは無関係である。即ち、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーをそのまま合算すると、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーが、実際に必要とされるエネルギーよりも低く見積もられてしまう。
上記の実情を鑑み、本明細書は、EV走行モードで走行する一連の区間について、所要走行エネルギーを精度よく特定するための技術を提供する。
本明細書が開示する技術は、ハイブリッド車に具現化される。ハイブリッド車は、走行用のモータ及びエンジンと、前記モータへ駆動電力を供給するとともに、前記モータによる発電電力で充電されるバッテリと、前記モータ及び前記エンジンを制御可能に構成されており、複数の走行モードを選択的に実行する制御装置と、を備える。前記複数の走行モードは、少なくとも、前記エンジンを休止しながら前記モータで走行するEV走行モードと、前記エンジンを運転しながら前記エンジン及び/又は前記モータで走行するHV走行モードとを含む。前記制御装置は、予測走行経路を取得する処理と、前記予測走行経路を構成する複数の区間のなかから、前記EV走行モードで走行する一連の区間をEV区間として決定する処理と、前記EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーを特定する処理と、特定した前記所要走行エネルギーに基づいて、前記バッテリの残充電量に対する目標値を設定する処理と、前記ハイブリッド車が前記EV区間に進入する時点で、前記バッテリの前記残充電量が前記目標値以上となるように、前記複数の走行モードを選択的に実行する処理と、を実行可能である。前記所要走行エネルギーを特定する処理では、前記EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーを、前記ハイブリッド車の走行順序で順次積算して得られる積算値の最大値を、前記所要走行エネルギーとして特定する。
上記の構成では、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーを、ハイブリッド車の走行順序で順次積算し、その積算値の取り得る最大値が、所要走行エネルギーとして特定される。このような構成によると、EV区間に回生区間が含まれる場合でも、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーを、精度よく特定することができる。その結果、ハイブリッド車がEV区間へ進入するのに先立って、予めバッテリに十分な充電量を確保することができ、ハイブリッド車はEV区間をEV走行モードで走破することができる。
車両10の外観を模式的に示す図。 車両10の主たる構成を示すブロック図。 ハイブリッドECU22が実行する一連の制御動作の一例を示すフロー図。 EV区間について特定される所要走行エネルギーESの一例を示す図。図4では、予測走行経路PRに含まれるEV区間のみが記載されており、力行区間DSは「DS」で表記されており、回生区間RSは「RS」で表記されている。また、各区間の所要走行エネルギーEを併せて示す。さらに、EV区間を走行したときのバッテリ20の残充電量Bの変化も示す。なお、地点Qは、EV区間内でバッテリ20の残充電量が最小となる地点を示す。 EV区間について特定される所要走行エネルギーESの一例を示す図。図5では、予測走行経路PRからEV区間のみが抽出して記載されており、力行区間DSは「DS」で表記されており、回生区間RSは「RS」で表記されている。また、各区間の所要走行エネルギーEを併せて示す。さらに、EV区間を走行したときのバッテリ20の残充電量Bの変化も示す。なお、地点Qは、EV区間内でバッテリ20の残充電量Bが最小となる地点を示す。 EV区間について特定される所要走行エネルギーESの一例を示す図。図6では、予測走行経路PRからEV区間のみが抽出して記載されており、力行区間DSは「DS」で表記されており、回生区間RSは「RS」で表記されている。また、各区間の所要走行エネルギーEを併せて示す。さらに、EV区間を走行したときのバッテリ20の残充電量Bの変化も示す。なお、地点Qは、EV区間内でバッテリ20の残充電量Bが最小となる地点を示す。 EV区間について特定される所要走行エネルギーESの一例を示す図。図7では、予測走行経路PRからEV区間のみが抽出して記載されており、力行区間DSは「DS」で表記されており、回生区間RSは「RS」で表記されている。また、各区間の所要走行エネルギーEを併せて示す。さらに、EV区間を走行したときのバッテリ20の残充電量Bの変化も示す。なお、地点Qは、EV区間内でバッテリ20の残充電量Bが最小となる地点を示す。 EV区間について特定される所要走行エネルギーESの一例を示す図。図8では、予測走行経路PRからEV区間のみが抽出して記載されており、力行区間DSは「DS」で表記されており、回生区間RSは「RS」で表記されている。また、各区間の所要走行エネルギーEを併せて示す。さらに、EV区間を走行したときのバッテリ20の残充電量Bの変化も示す。 ハイブリッドECU22が実行する一連の制御動作の変形例を示すフロー図。 図9に示す制御動作のフロー図に従って、図4と同一のEV区間について、特定される所要走行エネルギーESを示す図。 図9に示す制御動作のフロー図に従って、図5と同一のEV区間について、特定される所要走行エネルギーESを示す図。 図9に示す制御動作のフロー図に従って、図6と同一のEV区間について、特定される所要走行エネルギーESを示す図。
本技術の一実施形態において、EV区間を決定する処理では、モータによる回生電力がモータによる消費電力を上回る回生区間が含まれるように、EV区間が決定されてもよい。このような構成によると、ハイブリッド車は、回生区間をEV走行モードで走行することができる。当該回生区間では、モータによるバッテリの充電が可能であることから、回生区間をEV走行モードで走行することにより、バッテリの充電を効率的に行うことができる。
本技術の一実施形態において、EV区間を決定する処理では、エンジンの運転が制限される特定区域内に位置する特定区間が含まれるように、EV区間が決定されてもよい。このような構成によると、ハイブリッド車は、エンジンの運転が制限される特定区間をEV走行モードで走行することができる。なお、特定区域は、環境負荷の低減を目的として、特定の市街化区域に定められていたり、時間帯や交通状況等に応じて一時的に定められたりすることがある。
本技術の一実施形態において、所要走行エネルギーを特定する処理では、積算値の最大値が負の値となる場合に、所要走行エネルギーがゼロとして特定されてもよい。このような構成によると、バッテリの残充電量が顕著に低下することを回避することができる。
本技術の一実施形態において、複数の走行モードを選択的に実行する処理では、バッテリの実際の残充電量が少なくとも目標値を上回るときに、EV走行モードが実行されてもよい。このような構成によると、制御装置は、ハイブリッド車がEV区間に進入したタイミングにおいて、目標値に応じた充電量をバッテリに確保することができる。加えて、制御装置は、当該EV区間よりも手前の区間において、バッテリの残充電量に十分な余裕があるときには、EV走行モードを実行することができる。これにより、ハイブリッド車のエネルギー効率を高めることができる。
本技術の一実施形態において、複数の走行モードを選択的に実行する処理では、バッテリの実際の残充電量が目標値に所定のマージンを加算した閾値を上回るときにEV走行モードが実行され、バッテリの実際の残充電量が閾値を下回るときに、HV走行モードが実行されてもよい。このような構成によると、ハイブリッド車がEV区間に進入することに先立って、バッテリの残充電量が減少することを抑制又は回避することができる。
上記した実施形態において、HV走行モードは、HV走行モードと、通常HV走行モードよりもバッテリへの充電量が大きい充電HV走行モードとを含んでもよい。この場合、複数の走行モードを選択的に実行する処理では、バッテリの実際の残充電量が目標値を上回るときに、通常HV走行モードが実行され、バッテリの実際の残充電量が目標値を下回るときは、通常HV走行モードに代えて、充電HV走行モードが実行されてもよい。このような構成によると、バッテリの実際の残充電量が目標値に所定のマージンを加算した閾値を下回るとともに、当該目標値を上回るときには、バッテリの残充電量が減少することを抑制又は回避することができる。加えて、バッテリの実際の残充電量が目標値を下回るときには、バッテリの残充電量を増加させることができる。そのため、バッテリの残充電量が比較的に少ない場合であっても、ハイブリッド車がEV区間に進入するタイミングで、所要走行エネルギーに応じた充電量をバッテリに確保することができる。
本明細書が開示する技術は、以下のハイブリッド車にも具現化される。このハイブリッド車は、走行用のモータ及びエンジンと、前記モータへ駆動電力を供給するとともに、前記モータによる発電電力で充電されるバッテリと、前記モータ及び前記エンジンを制御可能に構成されており、複数の走行モードを選択的に実行する制御装置と、を備える。前記複数の走行モードは、少なくとも、前記エンジンを休止しながら前記モータで走行するEV走行モードと、前記エンジンを運転しながら前記エンジン及び/又は前記モータで走行するHV走行モードとを含む。前記制御装置は、予測走行経路を取得する処理と、前記予測走行経路を構成する複数の区間のなかから、前記EV走行モードで走行する一連の区間をEV区間として決定する処理と、前記EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーを特定する処理と、特定した前記所要走行エネルギーに基づいて、前記バッテリの残充電量に対する目標値を設定する処理と、前記ハイブリッド車が前記EV区間に進入する時点で、前記バッテリの前記残充電量が前記目標値以上となるように、前記複数の走行モードを選択的に実行する処理と、を実行可能である。前記所要走行エネルギーを特定する処理では、前記EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーのうち、負の値となるものを除外した上で、各区間の前記所要走行エネルギーを合算した値を、前記所要走行エネルギーとして特定する。
上記の構成では、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーのうち、負の値となるものを除外した上で、各区間の所要走行エネルギーを合算した値が、所要走行エネルギーとして特定される。このような構成によると、EV区間に回生区間が含まれる場合でも、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーが、実際よりも低く見積られることを避けることができる。その結果、ハイブリッド車がEV区間へ進入するのに先立って、予めバッテリに十分な充電量を確保することができ、ハイブリッド車はEV区間をEV走行モードで走破することができる。なお、所要走行エネルギーの具体的な算出手順は、特に限定されない。算出される所要走行エネルギーが、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーのうち、負の値となるものを除外した上で、各区間の所要走行エネルギーを合算した値に等しくなる限りにおいて、その算出手順は適宜変更されてもよい。
図面を参照して、本実施例のハイブリッド車10(以下、「車両10」と称する)について説明する。本実施例の車両10は、車輪14f、14rを駆動するモータ18を有する電動車に属するものであり、典型的には路面を走行する電動車(いわゆる自動車)である。但し、本実施例で説明する技術の一部又は全部は、軌道を走行する電動車にも同様に採用することができる。また、車両10は、ユーザによって運転操作されるものに限られず、外部装置によって遠隔操作されるものや、自律走行するものであってもよい。
ここで、図面における方向FRは、車両10の前後方向における前方を示し、方向RRは車両10の前後方向における後方を示す。また、方向LHは車両10の左右方向における左方を示し、方向RHは車両10の左右方向における右方を示す。また、方向UPは車両10の上下方向における上方を示し、方向DWは車両10の上下方向における下方を示す。なお、本明細書では、車両10の前後方向、車両10の左右方向、車両10の上下方向を、それぞれ単に前後方向、左右方向、上下方向と称することがある。
図1に示すように、車両10は、ボディ12と、複数の車輪14f、14rとを備える。ボディ12は、乗員を乗せる空間である車室12cを有する。複数の車輪14f、14rは、ボディ12に対して回転可能に取り付けられている。複数の車輪14f、14rには、ボディ12の前部に位置する一対の前輪14fと、ボディ12の後部に位置する一対の後輪14rとが含まれる。一対の前輪14fは互いに同軸に配置されており、一対の後輪14rも互いに同軸に配置されている。なお、車輪14f、14rの数は、四つに限定されない。また、特に限定されないが、ボディ12は、スチール材又はアルミニウム合金といった金属で構成されている。
図1、2に示すように、車両10は、エンジン16と、モータ18とをさらに備える。エンジン16は、ガソリンエンジンや、ディーゼルエンジンといった、燃料を燃焼して動力を発生する熱機関である。エンジン16は、一対の前輪14fに接続されており、一対の前輪14fを駆動することができる。モータ18は、動力伝達経路を介して、エンジン16に接続されている。モータ18は、エンジン16と一対の前輪14fとの間に位置しており、エンジン16と共に一対の前輪14fを駆動する原動機として機能することができる。また、モータ18は、原動機としてだけでなく、発電機としても機能することができる。即ち、車両10は、エンジン16によってモータ18を駆動することで、モータ18による発電を行うことができる。あるいは、車両10は、例えば下り坂等で減速する必要があるときに、モータ18を発電機として機能させることで、一対の前輪14fの回生制動を行うことができる。なお、エンジン16と一対の前輪14fとの間の動力伝達経路には、必要に応じて減速機やクラッチが設けられてもよい。また、エンジン16及びモータ18は、一対の前輪14fに限られず、複数の車輪14f、14rの少なくとも一つを駆動するように構成されていればよい。
図1に示すように、車両10は、バッテリ20をさらに備える。バッテリ20は、複数の二次電池セルを内蔵しており、外部の電力によって繰り返し充電可能に構成されている。バッテリ20は、電力変換装置(不図示)を介して、モータ18に接続されており、モータ18へ駆動電力を供給することができ、モータ18による発電電力によって充電されることもできる。なお、特に限定されないが、バッテリ20は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等である。
図1、2に示すように、車両10は、ハイブリッドECU(Electronic Control Unit)22をさらに備える。ハイブリッドECU22は、プロセッサやメモリ等を有するコンピュータ装置である。ハイブリッドECU22は、エンジン16及びモータ18と通信可能に接続されており、これらの動作を制御可能に構成されている。ハイブリッドECU22には、例えばユーザによる操作情報や、車両10の状態を示す車両情報が入力される。操作情報とは、例えば、ユーザによるアクセルペダルの操作量を示すアクセル開度情報や、ユーザによるブレーキ操作量を示すブレーキ踏力情報である。車両情報とは、例えば、車両10の速度を示す車速情報や、バッテリ20の残充電量を示すバッテリ情報である。ハイブリッドECU22は、入力された操作情報や車両情報に応じて、上述した車両10の各部の動作を制御する。
ハイブリッドECU22は、EV走行モードと、HV走行モードとを含む、複数の走行モードを選択的に実行可能である。EV走行モードとは、エンジン16を休止しながらモータ18で走行する走行モードである。一方、HV走行モードとは、エンジン16を運転しながらエンジン16及び/又はモータ18で走行する走行モードである。特に限定されないが、HV走行モードには、通常HV走行モードと、充電HV走行モードとが含まれる。充電HV走行モードでは、通常HV走行モードよりもバッテリ20への充電量が大きくなるように、エンジン16やモータ18の動作が制御される。例えば、充電HV走行モードでは、エンジン16の出力する動力が一対の前輪14fに供給されることで車両10が走行するとともに、エンジン16の出力する動力がモータ18にも供給されることで、モータ18による発電電力によりバッテリ20が充電される。
図1、2に示すように、車両10は、ナビゲーションシステムECU(Electronic Control Unit)24(以下、「ナビECU24」と称する)をさらに備える。ナビECU24は、プロセッサやメモリ等を有するコンピュータ装置である。ナビECU24は、インターネット等を介して、外部システムと互いに通信可能に構成されており、外部システムから様々な情報を取得することができる。例えば、ナビECU24は、GPS(Global Positioning System)から、車両10の現在位置を取得することができる。さらに、ナビECU24は、外部のサーバ等から地図情報を取得することで、地図情報上における車両10の現在位置を特定することができる。ここでいう地図情報には、エンジン16の運転を伴う車両10の走行が制限される特定区域IAに関する情報、及び、地理的情報(例えば、速度制限、距離、道路種別、勾配)が含まれる。特に限定されないが、特定区域IAは、環境負荷の低減を目的として、特定の市街化区域に定められていたり、時間帯や交通状況等に応じて一時的に定められたりすることがある。ナビECU24は、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)センタのような交通情報センタから、渋滞情報、規制情報、交通事故情報等を取得することもできる。このような様々な情報を、ナビECU24は、車室12c内に設けられたナビゲーションシステムのディスプレイ26に表示することができる。
上記に加えて、ナビECU24は、ディスプレイ26を介してユーザによる操作を受け付けることができる。例えば、ユーザがディスプレイ26に目的地を入力すると、ナビECU24は、車両10の現在位置から目的地までの予測走行経路PRを作成し、ディスプレイ26に予測走行経路PRを表示する。なお、ナビECU24は、必ずしもユーザによって入力された目的地に基づいて予測走行経路PRを作成する必要はない。一例ではあるが、ナビECU24は、過去の走行データに基づいて車両10が走行すると推定される予測走行経路PRを作成してもよい。また、ナビECU24は、過去の走行データ、及び/又は地図情報に含まれる路面の種類や勾配等に基づいて、予測走行経路PRの各地点を走行するのに要する所要走行パワーPを算出することができる。このように、所要走行パワーPは、過去の走行データ、及び/又は地図情報に基づいて推定される値である。加えて、ナビECU24は、例えば予測走行経路PRにおける各地点の所要走行パワーPを積算することによって、予測走行経路PRを構成する複数の区間の各々について、各区間を走行するのに要する所要走行エネルギーEを算出することもできる。詳しくは後述するが、ナビECU24は、EV走行モードで走行する一連の区間(即ち、EV区間)を走行するのに要する所要走行エネルギーESを特定することもできる。
ナビECU24は、CAN(Controller Area Network)通信によって、ハイブリッドECU22と通信可能に接続されている。これにより、ハイブリッドECU22は、前述した予測走行経路PR、特定区域IA、及び、各区間を走行するのに要する所要走行エネルギーE等を含む様々な情報をナビECU24から取得することができる。ハイブリッドECU22は、ナビECU24から取得した様々な情報に基づいて、複数の走行モードを選択的に実行するように構成されている。
図3を参照して、車両10の動作であって、ハイブリッドECU22が実行する制御動作の具体的な一例を説明する。この制御動作において、ハイブリッドECU22は、ナビECU24によって作成された予測走行経路PRに対し、走行モードを自動的に切り替えることによって、ユーザによる車両10の高燃費な運転を支援する。ハイブリッドECU22は、例えばユーザによる指示又は操作に応じて、図3に示す制御動作を実行するように構成されている。
先ず、ステップS10において、ハイブリッドECU22は、予測走行経路PRが作成されたのか否かを判断する。前述したように、予測走行経路PRは、ユーザが指定した目的地や、過去の走行データに基づいて、ナビECU24によって作成される。この予測走行経路PRには、ナビECU24が外部のサーバや交通情報センタから取得した、特定区域IAに関する情報、地理的情報、渋滞情報、規制情報、及び交通事故情報といった予測走行経路PRに関する様々な情報がさらに含まれる。ナビECU24は、例えばユーザの指示又は操作に応じて、予測走行経路PRを新たに作成したときに、所定の通知をハイブリッドECU22に送信する。ハイブリッドECU22は、ナビECU24から当該通知を受けると(ステップS10でYES)、ステップS12の処理へ移行する。
ステップS12において、ハイブリッドECU22は、ナビECU24から予測走行経路PRを取得する。加えて、ハイブリッドECU22は、前述した特定区域IA、予測走行経路PRを構成する各区間の所要走行エネルギーEといった、様々な情報も併せて取得する。ここで、所要走行エネルギーEが正の値となる区間は、いわゆる力行区間であり、モータ18による消費電力がモータ18による回生電力を上回る区間である。一方、所要走行エネルギーEが負の値となる区間は、いわゆる回生区間であり、モータ18による回生電力がモータ18による消費電力を上回る区間である。従って、ハイブリッドECU22は、所要走行エネルギーEを参照することにより、予測走行経路PRを構成する各区間が力行区間に該当するのか、あるいは回生区間に該当するのかを判断することができる。
ステップS14において、ハイブリッドECU22は、予測走行経路PRを構成する複数の区間のなかから、EV走行モードで走行する一連の区間をEV区間として決定する。詳しくは、ハイブリッドECU22は、予測走行経路PRを複数の区間に区分した上で、ステップS12で取得した様々な情報に基づいて、EV走行モードで走行する一連の区間を決定し、当該一連の区間をEV区間として決定する。そのため、本明細書における「EV区間」とは、「EV走行モードで走行する一連の区間」を意味する。一例ではあるが、ここでいうEV走行モードで走行する一連の区間には、モータ18による回生電力がモータ18による消費電力を上回る回生区間が含まれる。これに加えて、又は代えて、EV走行モードで走行する一連の区間には、エンジン16の運転が制限される特定区域IA内に位置する特定区間が含まれてもよい。
以下、ステップS16以降で実施されるEV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESを特定する処理について説明する。この処理によって、EV区間について特定される所要走行エネルギーESの具体な数値の一例は、図4-8を参照して後で詳細に説明する。先ず、ステップS16において、ハイブリッドECU22は、区間カウントNを「1」とする。ここで、区間カウントNは、予測走行経路PRを構成する複数の区間について、車両10が走行する順序に基づいた第N番目の区間SN(以下、「第N区間SN」と称する)に対応する。そのため、区間カウントNが「1」であるとは、予測走行経路PRを構成する第1番目の区間となる第1区間S1に対応する。
次に、ステップS18において、ハイブリッドECU22は、第N区間SNがEV区間であるのか否かを判定する。ステップS18でYESの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS20に移行して、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーEを、車両10の走行順序で順次積算する。これにより、EV区間に含まれる最初の区間から第N区間SNまでについて、各区間の所要走行エネルギーEが積算された積算値Aが得られる。第N区間SNが力行区間であり、その所要走行エネルギーEが正の値である場合には、ステップS20の処理により積算値Aは増加する。これに対して、第N区間SNが回生区間であり、その所要走行エネルギーEが負の値である場合には、ステップS20の処理により積算値Aは減少する。一方、ステップS18でNOの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS26の処理へ移行する。即ち、第N区間SNがEV区間でない場合には、当該第N区間SNの所要走行エネルギーEは、ステップS20における積算の対象から除外される。
ステップS22において、ハイブリッドECU22は、ステップS20で得られた積算値Aが、当該積算値Aの最大値AMを下回るのか否かを判定する。ステップS22でNOの場合、ハイブリッドECU22は、積算値Aの最大値AMをステップS20で得られた積算値Aに変更する。一方、ステップS22でYESの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS26の処理へ移行する。即ち、ステップS20で得られた積算値Aが、その積算値Aの最大値AMを下回る場合、当該最大値AMは変更されない。
ステップS26において、ハイブリッドECU22は、区間カウントNを「N+1」とする。これにより、ステップS18からステップS24の処理において検討対象とされていた区間の後に位置する区間が、検討対象に変更される。例えば、ステップS16で区間カウントNが「1」とされた場合、ステップS26で区間カウントNが「2」となる。これにより、ステップS26では、第1区間S1の次に位置する第2区間S2が検討対象に変更される。
ステップS28において、ハイブリッドECU22は、第N区間SNでEV区間を退出するのか否かを判定する。ここで、第N区間SNでEV区間を退出するとは、前述のステップS18でYESとなってEV区間が開始した後に、第N区間SNが初めてEV区間ではないと判定されることを意味する。また、第N区間SNでEV区間を退出するとは、第N区間SNが予測走行経路PRに含まれないことも含む。ステップS28でNOの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS18の処理へ戻る。これにより、ハイブリッドECU22は、ステップS28でYESとなるまで、ステップS18からステップS28までの処理を繰り返す。従って、予測走行経路PRにEV区間となる一連の区間が含まれる場合は、当該EV区間について、ステップS18からステップS28までの処理が繰り返される。予測走行経路PRにEV区間となる一連の区間が含まれない場合は、予測走行経路PRを構成する全ての区間について、ステップS18からステップS28までの処理が繰り返される。
例えば、第1区間S1がEV区間でない場合、EV区間は開始していないため、第2区間S2がEV区間であるのか否かにかかわらず、第2区間S2でEV区間を退出することは有り得ない。このように、車両10の走行順序で、最初のEV区間が検討対象とされるまでは、第N区間SNがEV区間であるのか否かにかかわらず、ステップS28でNOとされる。
これに対して、例えば、第1区間S1がEV区間ではなく、第2区間S2から第4区間S4までの一連の区間がEV区間であり、第5区間S5がEV区間でないとする。このとき、第2区間S2でEV区間が開始していることから(ステップS18でYES)、第3区間S3については、EV区間を退出するのか否かが判定される(ステップS28)。第3区間S3ではEV区間が継続しているため、ステップS28でNOとなり、ステップS18からステップS28までの処理が繰り返される。第4区間S4についても、第3区間S3と同様に、ステップS28でNOとなり、ステップS18からステップS28までの処理が繰り返される。そして、第5区間S5についてEV区間を退出するのか否かが判定されると、第5区間S5はEV区間でないことから、ステップS28でYESとなる。このように、EV区間が開始した後に初めてEV区間ではないと判定される区間は、第5区間S5である。
ステップS28でYESの場合、ハイブリッドECU22は、前述した積算値Aの最大値AMを、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESとして特定する(ステップS30)。このように、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーEを、車両10の走行順序で順次積算して得られる積算値Aの最大値AMが、EV区間の所要走行エネルギーESとして特定される。
ステップS32において、ハイブリッドECU22は、ステップS30で特定した所要走行エネルギーESに基づいて、バッテリ20の残充電量に対する目標値を設定する。一例ではあるが、ハイブリッドECU22は、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESを、バッテリ20の残充電量に対する目標値として設定する。なお、他の実施形態として、ハイブリッドECU22は、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESに、想定される誤差等を考慮した修正を加えた値を、バッテリ20の残充電量に対する目標値として設定してもよい。
ステップS34において、ハイブリッドECU22は、予測走行経路PRにEV区間が存在するのか否かを判定する。ステップS34でNOの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS48の処理に移行する。ステップS34でYESの場合、ハイブリッドECU22は、車両10がEV区間に進入したのか否かを判定する(ステップS36)。ステップS36でYESの場合、ハイブリッドECU22は、EV走行モードを実行する(ステップS38)。これにより、車両10は、EV区間をEV走行モードで走行する。ステップS36でNOの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS40の処理に移行する。
ステップS40において、ハイブリッドECU22は、バッテリ20の実際の残充電量が、目標値(ここでは、EV区間の所要走行エネルギーES)に所定のマージンαを加えた閾値を上回るのか否かを判定する。このマージンαは、固定された値に限られず、所定の手順や計算式によって一義的に定義される値であってもよく、例えば、モータ18の消費電力に想定される変動を考慮して設定されることができる。ステップS40でYESの場合、ハイブリッドECU22は、EV走行モードを実行する(ステップS38)。これにより、車両10は、EV区間よりも手前の区間において、バッテリ20の残充電量に十分な余裕があるときは、EV走行モードで走行することができる。ステップS40でNOの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS42の処理に移行する。
ステップS42において、ハイブリッドECU22は、バッテリ20の実際の残充電量が、目標値(即ち、EV区間の所要走行エネルギーES)を上回るのか否か判定する。ステップS42でYESの場合、ハイブリッドECU22は、通常HV走行モードを実行する(ステップS44)。即ち、バッテリ20の実際の残充電量が目標値(ここでは、所要走行エネルギーES)に所定のマージンαを加えた閾値を下回るとともに、当該目標値を上回るときには、通常HV走行モードが実行される。これにより、バッテリ20の残充電量が目標値を下回ることを回避することができる。
一方、ステップS42でNOの場合、ハイブリッドECU22は、充電HV走行モードを実行する(ステップS46)。即ち、バッテリ20の実際の残充電量が目標値(ここでは、所要走行エネルギーES)を下回るときには、充電HV走行モードが実行される。前述したように、充電HV走行モードは、通常HV走行モードよりもバッテリ20への充電量が大きいことから、充電HV走行モードを実行することで、バッテリ20の残充電量をより増加させることができる。以上のように、ハイブリッドECU22は、車両10がEV区間に進入する時点で、バッテリ20の残充電量を目標値以上となるように、複数の走行モードを選択的に実行することができる。
ステップS48において、ハイブリッドECU22は、支援終了条件が成立したのか否かを判定する。支援終了条件は、例えば、ユーザによる指示又は操作や、車両10が停車したこと等を含む。ステップS48でYESの場合、ハイブリッドECU22は、図3に示す一連の制御動作を終了する。ステップS48でNOの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS12の処理に戻り、一連の制御動作を繰り返し実行する。
上記した構成では、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーEを、車両10の走行順序で順次積算し、その積算値Aの取り得る最大値AMが、EV区間の所要走行エネルギーESとして特定される。この点に関して、図4-8は、様々なEV区間について、そこに含まれる各区間の所要走行エネルギーEと、そのEV区間で特定される所要走行エネルギーESの具体的な数値例を示す。なお、図4-8では、説明の便宜上、予測走行経路PRからEV区間のみが抽出して記載されている。また、EV区間に含まれる区間を、車両10の走行順序に従って、第1EV区間EV1、第2EV区間EV2、第3EV区間EV3のように称する。また、図4-8中のグラフは、車両10がEV区間を走行したときのバッテリ20の残充電量Bの変化を示す。
図3、4を参照して、EV区間について特定される所要走行エネルギーESの一例を説明する。図4におけるEV区間は、第1EV区間EV1及び第2EV区間EV2が力行区間DSであり、第3EV区間EV3が回生区間RSである三つの区間で構成されている。第1EV区間EV1については、図3のステップS18でYESとなり、第1EV区間EV1の所要走行エネルギーEの積算値Aが算出される(ステップS20)。このとき、第1EV区間EV1の所要走行エネルギーEは50Whであるため、積算値Aは50Whとなる。積算値Aの最大値AMは初期値として0Whが設定されていることから、当該最大値AMは50Whに変更される(ステップS24)。
その後、ステップS26で検討対象が第2EV区間EV2に変更されると、ステップS28でNOとなり、再度ステップS18の処理へ戻る。これにより、ステップS20では、第1EV区間EV1から第2EV区間EV2までの各区間の所要走行エネルギーEが積算された積算値Aが算出される。このとき、第1EV区間EV1の所要走行エネルギーEは50Whであり、第2EV区間EV2の所要走行エネルギーEは20Whであるため、これらの積算値Aは70Whとなる。この積算値A(即ち、70Wh)は、上記した最大値AM(即ち、50Wh)を上回ることから、ステップS22でNOとなり、当該最大値AMが50Whから70Whに変更される(ステップS24)。
同様に、ステップS26で検討対象が第3EV区間EV3に変更されると、ステップS28でNOとなり、再度ステップS18の処理へ戻る。これにより、ステップS20では、第1EV区間EV1から第3EV区間EV3までの各区間の所要走行エネルギーEが積算された積算値Aが算出される。このとき、第3EV区間EV3は回生区間RSであることから、その所要走行エネルギーEは負の値となっている。第3EV区間EV3の所要走行エネルギーEは-50Whであることから、第1EV区間EV1から第3EV区間EV3について、各区間の所要走行エネルギーEを積算して得られる積算値Aは、20Whとなる。この積算値A(即ち、20Wh)は、上記した最大値AM(即ち、70Wh)を下回ることから、ステップS22でYESとなり、当該最大値AMは70Whから変更されない。
さらに、ステップS26で検討対象が第3EV区間EV3の直後の区間に変更されると、ステップS28でYESとなり、上記した最大値AM(即ち、70Wh)が、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESとして特定される(ステップS30)。ここで、図4に示すように、当該最大値AMは、EV区間に含まれる最初の区間から、バッテリ20の残充電量Bが最小となる地点Qが終点となる区間までについて、所要走行エネルギーEを積算して得られる積算値Aと一致する。従って、ステップS30では、EV区間内の地点Qを走破するのに必要な充電量に基づいて、EV区間の所要走行エネルギーESを精度よく特定することができる。
以上のように、EV区間に回生区間RSが含まれる場合でも、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESを精度よく特定することができる。その結果、車両10がEV区間へ進入するのに先立って、予めバッテリ20に十分な充電量を確保することができ、車両10はEV区間をEV走行モードで走破することができる。
図5-7に示すように、回生区間RSを含む様々なEV区間についても、EV区間に含まれる最初の区間から、バッテリ20の残充電量Bが最小となる地点Qが終点となる区間までについて、所要走行エネルギーEを積算して得られる積算値Aがその積算値Aの最大値AMとなる。従って、EV区間に回生区間RSが含まれる場合でも、EV区間内の地点Qを走破するのに必要な充電量に基づいて、EV区間の所要走行エネルギーESを精度よく特定することができる。
図8に示すように、各区間の所要走行エネルギーEを順次積算して得られる積算値Aが常に負の値となる場合が想定される。その結果、当該積算値Aの最大値AMも負の値となる。この場合、特に限定されないが、EV区間の所要走行エネルギーESは、ゼロとして特定されてもよい。このような構成によると、バッテリ20の残充電量Bが顕著に低下することを回避することができる。
一例ではあるが、ハイブリッドECU22は、図3の制御動作に代えて、図9に示す制御動作を実行するように構成されてもよい。図9の制御動作は、図3の制御動作の一部を変更したものである。詳しくは、図9のステップS100からステップS108までの処理は、図3のステップS10からステップS18までの処理と同様である。加えて、図9のステップS120からステップS136までの処理は、図3のステップS32からステップS48までの処理と同様である。従って、以下では変更点であるステップS110からステップS118までの処理について、主に説明する。
図9に示すように、第N区間SNがEV区間である場合(ステップS108でYES)、ハイブリッドECU22は、第N区間SNが回生区間であるのか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110でNOの場合、ハイブリッドECU22は、第N区間SNを合算の対象に加えて、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーEを合算した値A’を算出する(ステップS112)。これにより、EV区間に含まれるとともに回生区間ではない区間、即ち、EV区間に含まれるとともに力行区間である区間について、所要走行エネルギーEを合算した値A’が算出される。
ステップS110でYESの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS114の処理に移行する。これにより、第N区間SNの所要走行エネルギーEは、ステップS112における合算の対象から除外される。なお、他の実施形態として、ステップS110でYESの場合に、ハイブリッドECU22は、第N区間SNの所要走行エネルギーEをゼロとみなした上で、ステップS112の合算の対象としてもよい。この場合、ステップS112で得られる値は、各区間の所要走行エネルギーEを合算した値A’に等しくなる。
ステップS114において、ハイブリッドECU22は、区間カウントNを「N+1」とする。これにより、ステップS108からステップS112の処理において検討対象とされていた区間の後に位置する区間が、検討対象に変更される。
ステップS116において、ハイブリッドECU22は、第N区間SNでEV区間を退出するのか否かを判定する。ステップS116でNOの場合、ハイブリッドECU22は、ステップS108の処理へ戻る。これにより、ハイブリッドECU22は、ステップS116でYESとなるまで、ステップS108からステップS116までの処理を繰り返す。ステップS116でYESの場合、ハイブリッドECU22は、前述の合算した値A’を、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESとして特定する(ステップS118)。
上記の構成では、EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーEのうち、回生区間RSの所要走行エネルギーE(即ち、所要走行エネルギーEが負となるもの)を除外した上で、各区間の所要走行エネルギーEを合算した値A’を算出する。そして、その合算した値A’がEV区間の所要走行エネルギーESとして特定される。この点に関して、図10-12は、様々なEV区間について、そこに含まれる各区間の所要走行エネルギーEと、そのEV区間で特定される所要走行エネルギーESの具体的な数値例を示す。ここで、図10-12の各々は、図4-6の各々に記載したEV区間と同一である。なお、説明の便宜上、予測走行経路PRからEV区間のみが抽出して記載されている。また、EV区間に含まれる区間を、車両10の走行順序に従って、第1EV区間EV1、第2EV区間EV2、第3EV区間EV3のように称する。
図9、10を参照して、EV区間について特定される所要走行エネルギーESの一例を説明する。図10に示すように、第1EV区間EV1はEV区間であるため、図9のステップS108でYESとなり、第1EV区間EV1は力行区間DSであるため、ステップS110でNOとなる。これにより、第1EV区間EV1の所要走行エネルギーEは、ステップS112の合算の対象とされる。第1EV区間EV1の所要走行エネルギーEは50Whであるため、ステップS112で得られる合算した値A’は50Whとなる。
その後、ステップS114で検討対象が第2EV区間EV2に変更されると、ステップS116でNOとなり、再度ステップS108の処理へ戻る。第2EV区間EV2はEV区間であるため、ステップS108でYESとなり、第2EV区間EV2は力行区間DSであるため、ステップS110でNOとなる。これにより、第2区間S2の所要走行エネルギーEは、ステップS112の合算の対象に加えられる。その結果、ステップS112では、第1EV区間EV1の所要走行エネルギーE(50Wh)と、第2EV区間EV2の所要走行エネルギーE(20Wh)とを合算した値A’として、70Whが得られる。
同様に、ステップS114で検討対象が第3EV区間EV3に変更されると、ステップS116でNOとなり、再度ステップS108の処理へ戻る。第3EV区間EV3はEV区間であるため、ステップS108ではYESとなり、第3EV区間EV3は回生区間RSであるため、ステップS110でもYESとなる。その結果、第3区間S3は、ステップS112の合算の対象から除外される。
さらに、ステップS114で検討対象が第3EV区間EV3の直後の区間に変更されると、ステップS116でYESとなり、上記の合算した値A’(即ち、70Wh)が、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESとして特定される(ステップS118)。
このような構成によると、EV区間に回生区間RSが含まれる場合でも、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESが、実際よりも低く見積られることを避けることができる。その結果、車両10がEV区間へ進入するのに先立って、予めバッテリ20に十分な充電量を確保することができ、車両10はEV区間をEV走行モードで走破することができる。同様に、図11-12に示すように、回生区間RSを含む様々なEV区間についても、EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーESが、実際よりも低く見積られることを避けることができる。
以上、いくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは組み合わせによって技術的有用性を発揮するものである。
10 :ハイブリッド車
12 :ボディ
12c :車室
14f :前輪
14r :後輪
16 :エンジン
18 :モータ
20 :バッテリ
22 :ハイブリッドECU
24 :ナビECU
26 :ディスプレイ
A :積算値
AM :最大値
B :残充電量
DS :力行区間
ES :所要走行エネルギー
IA :特定区域
N :区間カウント
P :所要走行パワー
PR :予測走行経路
RS :回生区間
α :マージン

Claims (8)

  1. ハイブリッド車であって、
    走行用のモータ及びエンジンと、
    前記モータへ駆動電力を供給するとともに、前記モータによる発電電力で充電されるバッテリと、
    前記モータ及び前記エンジンを制御可能に構成されており、複数の走行モードを選択的に実行する制御装置と、
    を備え、
    前記複数の走行モードは、少なくとも、前記エンジンを休止しながら前記モータで走行するEV走行モードと、前記エンジンを運転しながら前記エンジン及び/又は前記モータで走行するHV走行モードとを含み、
    前記制御装置は、
    予測走行経路を取得する処理と、
    前記予測走行経路を構成する複数の区間のなかから、前記EV走行モードで走行する一連の区間をEV区間として決定する処理と、
    前記EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーを特定する処理と、
    特定した前記所要走行エネルギーに基づいて、前記バッテリの残充電量に対する目標値を設定する処理と、
    前記ハイブリッド車が前記EV区間に進入する時点で、前記バッテリの前記残充電量が前記目標値以上となるように、前記複数の走行モードを選択的に実行する処理と、
    を実行可能であり、
    前記所要走行エネルギーを特定する処理では、前記EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーを、前記ハイブリッド車の走行順序で順次積算して得られる積算値の最大値を、前記所要走行エネルギーとして特定する、
    ハイブリッド車。
  2. 前記EV区間を決定する処理では、前記モータによる回生電力が前記モータによる消費電力を上回る回生区間が含まれるように、前記EV区間が決定される、請求項1に記載のハイブリッド車。
  3. 前記EV区間を決定する処理では、前記エンジンの運転が制限される特定区域内に位置する特定区間が含まれるように、前記EV区間が決定される、請求項1又は2に記載のハイブリッド車。
  4. 前記所要走行エネルギーを特定する処理では、前記最大値が負の値となる場合に、前記所要走行エネルギーがゼロとして特定される、請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車。
  5. 前記複数の走行モードを選択的に実行する処理では、前記バッテリの実際の残充電量が少なくとも前記目標値を上回るときに、前記EV走行モードが実行される、請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車。
  6. 前記複数の走行モードを選択的に実行する処理では、
    前記バッテリの実際の残充電量が前記目標値に所定のマージンを加算した閾値を上回るときに前記EV走行モードが実行され、
    前記バッテリの実際の残充電量が前記閾値を下回るときに、前記HV走行モードが実行される、請求項5に記載のハイブリッド車。
  7. 前記HV走行モードは、通常HV走行モードと、前記通常HV走行モードよりも前記バッテリへの充電量が大きい充電HV走行モードとを含み、
    前記複数の走行モードを選択的に実行する処理では、
    前記バッテリの実際の残充電量が前記目標値を上回るときに、前記通常HV走行モードが実行され、
    前記バッテリの実際の残充電量が前記目標値を下回るときは、前記通常HV走行モードに代えて、前記充電HV走行モードが実行される、請求項6に記載のハイブリッド車。
  8. ハイブリッド車であって、
    走行用のモータ及びエンジンと、
    前記モータへ駆動電力を供給するとともに、前記モータによる発電電力で充電されるバッテリと、
    前記モータ及び前記エンジンを制御可能に構成されており、複数の走行モードを選択的に実行する制御装置と、
    を備え、
    前記複数の走行モードは、少なくとも、前記エンジンを休止しながら前記モータで走行するEV走行モードと、前記エンジンを運転しながら前記エンジン及び/又は前記モータで走行するHV走行モードとを含み、
    前記制御装置は、
    予測走行経路を取得する処理と、
    前記予測走行経路を構成する複数の区間のなかから、前記EV走行モードで走行する一連の区間をEV区間として決定する処理と、
    前記EV区間を走行するのに要する所要走行エネルギーを特定する処理と、
    特定した前記所要走行エネルギーに基づいて、前記バッテリの残充電量に対する目標値を設定する処理と、
    前記ハイブリッド車が前記EV区間に進入する時点で、前記バッテリの前記残充電量が前記目標値以上となるように、前記複数の走行モードを選択的に実行する処理と、
    を実行可能であり、
    前記所要走行エネルギーを特定する処理では、前記EV区間に含まれる各区間の所要走行エネルギーのうち、負の値となるものを除外した上で、各区間の前記所要走行エネルギーを合算した値を、前記所要走行エネルギーとして特定する、
    ハイブリッド車。
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