JP2023079340A - 食品の処理装置、および食品の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で食品に処理ムラが生ずるのを抑制することができる食品の処理装置、および食品の処理方法を提供することである。【解決手段】実施形態に係る食品の処理装置は、食品に、少なくとも紫外線領域の波長を有する処理光を照射する。前記食品の処理装置は、前記食品を載置する載置部を有し、前記載置部を所定の方向に移動する移動部と;発光素子、または放電ランプを有し、前記載置部に載置された前記食品に前記処理光を照射する照射部と;を具備している。前記載置部は、前記食品に入射しなかった前記処理光の一部を、前記食品に向けて反射する。【選択図】図8

Description

本発明の実施形態は、食品の処理装置、および食品の処理方法に関する。
食品市場においては、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)などへの対応により食品に対する安全意識が高まっている。また、食品市場には、腐敗などによるフードロスなどの問題もある。
この場合、食品に保存料を添加したり、食品を加熱殺菌したり、塩素や次亜塩素酸などの薬剤を用いて食品を殺菌したりすれば、食品の消費期限を延ばすことができる。しかしながら、これらの様にすると、健康に対するリスクが生じたり、食品の旨味や風味が損なわれたりするという新たな問題が生じる。
ここで、農作物が搬送されるコンベアと、コンベアの上方に設けられ、農作物に向けて可視光とともに近赤外線を照射する光源と、を備えた食品の処理装置が提案されている。この食品の処理装置によれば、農作物の表面に近赤外線を照射することができるので、農作物の鮮度を保持することができる。
ところが、光源はコンベアの上方に設けられているので、農作物の上側部分に近赤外線が入射するとしても、農作物の下側部分に近赤外線が入射し難い領域が生ずる。そのため、農作物の表面に処理ムラが生ずるおそれがある。この場合、コンベアの上方と下方のそれぞれに光源を設ければ、農作物の表面に処理ムラが生ずるのを抑制することができる。しかしながら、この様にすると、食品の処理装置の構成が複雑となるので、食品の処理装置の小型化および低コスト化を図るのが困難となる。
そこで、簡易な構成で食品に処理ムラが生ずるのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
特開2014-194331号公報
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成で食品に処理ムラが生ずるのを抑制することができる食品の処理装置、および食品の処理方法を提供することである。
実施形態に係る食品の処理装置は、食品に、少なくとも紫外線領域の波長を有する処理光を照射する。前記食品の処理装置は、前記食品を載置する載置部を有し、前記載置部を所定の方向に移動する移動部と;発光素子、または放電ランプを有し、前記載置部に載置された前記食品に前記処理光を照射する照射部と;を具備している。前記載置部は、前記食品に入射しなかった前記処理光の一部を、前記食品に向けて反射する。
本発明の実施形態によれば、簡易な構成で食品に処理ムラが生ずるのを抑制することができる食品の処理装置、および食品の処理方法を提供することができる。
処理装置を例示するための模式図である。 照射部を例示するための模式断面図である。 図2における照射部をA-A線方向から見た模式平面図である。 発光素子を備えた照射部の分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。 他の実施形態に係る照射部を例示するための模式図である。 放電ランプを例示するための模式図である。 放電ランプを備えた照射部の分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。 載置部における処理光の反射を例示するための模式断面図である。 他の実施形態に係る載置部における処理光の反射を例示するための模式断面図である。
(食品の処理装置)
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。また、各図中の矢印X、Y、Zは、互いに直交する三方向を表している。例えば、X方向とY方向は水平方向とし、X方向は食品100の搬送方向としている。例えば、Z方向は鉛直方向としている。
本実施の形態に係る食品の処理装置1(以下、単に、処理装置1と称する)は、食品100に、少なくとも紫外線領域の波長を有する処理光を照射する。
図1は、処理装置1を例示するための模式図である。
図1に示すように、処理装置1は、例えば、供給部10、移動部20、照射部30、収容部40、およびコントローラ50を有する。
供給部10は、例えば、移動部20の搬入側の端部の近傍に設けられている。例えば、供給部10は、処理対象となる食品100を内部に複数収容し、収容されている食品100を移動部20に1つずつ供給する。
例えば、供給部10は、複数の食品100を積層状に収納するホッパと、ホッパに収納されている食品100を取り出して移動部20に供給する供給装置と、を有する。また、例えば、供給部10は、複数の食品100をランダムに収納するホッパと、ホッパに接続され、振動装置などが設けられたシュートと、を有するようにしてもよい。なお、供給部10の構成は例示をしたものに限定されるわけではない。供給部10は、食品100同士が重ならないようにして、食品100を移動部20に供給することができるものであればよい。
また、供給部10は、必ずしも必要ではなく省くこともできる。供給部10を省く場合には、例えば、作業者が、食品100を移動部20に供給すればよい。
食品100は、例えば、収納容器の内部に収納されていない食品(単体の食品)、または、収納容器の内部に収納された食品とすることができる。
食品100は、例えば、農産物、精肉素材、鮮魚素材、加工食品などである。
なお、「農産物」は、例えば、人為的に栽培され収穫される植物、あるいは、自然界において生育し収穫される植物とすることができる。「農産物」は、栽培植物を計画的に栽培し収穫する農耕、自然界で自生している植物の採取(野生植物の採取)、栽培と野生の中間的な状態で生育し収穫するいわゆる半栽培などにより得られたものであってもよい。「農産物」の用途には特に限定がなく、例えば、食用、薬用などの様々な用途が考えられる。
「加工食品」は、例えば、総菜、弁当、サラダなどである。
また、食品100は、例示をしたものに限定されるわけではなく、例えば、消費期限を有するものであればよい。
「食品が収納される収納容器」は、後述する処理光を透過可能な材料から形成されている。収納容器は、例えば、処理光を透過可能なフィルム、袋、トレー、箱などとすることができる。収納容器は、例えば、ポリ塩化ビニリデンやポリ塩化ビニルなどから形成することができる。
移動部20は、食品100を載置する載置部20a(20b)を有し、食品100が載置された載置部20a(20b)を所定の方向に移動する。図1に例示をした移動部20は、食品100が載置された載置部20a(20b)をX方向に移動する。例えば、移動部20は、処理前の食品100の供給位置(供給部10の位置)から、処理済みの食品100aの排出位置(収容部40の位置)まで食品100を移動する。
図1に例示をした様に、移動部20は、例えば、コンベアとすることができる。移動部20がコンベアの場合には、載置部20a(20b)は、例えば、ベルトとすることができる。なお、図1においては、移動部20が、食品100を水平方向に移動する場合を例示したが、移動部20は、食品100を水平に対して傾斜した方向、あるいは鉛直方向に移動するものであってもよい。
また、図1においては、移動部20がコンベアの場合を例示したが、移動部20は、食品100を載置するテーブルなど有し、食品100が載置されたテーブルを所定の方向に回転、または旋回するものとしてもよい。この場合、テーブルが載置部となる。
後述するように、照射部30(30a)から照射された処理光は、移動部20により移動する食品100に入射する。この際、食品100に入射しなかった処理光の一部が、載置部20a(20b)に入射し、載置部20a(20b)で反射された処理光の一部が、食品100に入射する。すなわち、載置部20a(20b)は、食品100に入射しなかった処理光の一部を、食品100に向けて反射する。
なお、載置部20a(20b)における処理光の反射に関する詳細は後述する。
照射部30は、載置部20a(20b)に載置され、所定の方向(例えば、X方向)に移動する食品100に処理光を照射する。
図2は、照射部30を例示するための模式断面図である。
図3は、図2における照射部30をA-A線方向から見た模式平面図である。
図2に示すように、照射部30は、例えば、発光モジュール31、冷却部32、回路基板33、および筐体34を有する。
図2および図3に示すように、発光モジュール31は、複数設けることができる。複数の発光モジュール31は、例えば、Y方向に並べて設けることができる。複数の発光モジュール31は、筐体34の内部に設けることができる。なお、発光モジュール31の数は、食品100の大きさに応じて適宜変更することができる。すなわち、発光モジュール31は、少なくとも1つ設けられていればよい。
発光モジュール31は、例えば、基板31a、および複数の発光素子31bを有する。 基板31aは、板状を呈している。基板31aの平面形状は、例えば、四角形である。基板31aの材料は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料、金属板の表面を絶縁材料で被覆したメタルコア基板などとすることができる。この場合、発光素子31bにおいて発生した熱の放熱を考慮すると、基板31aは、熱伝導率の高い材料を用いて形成することが好ましい。例えば、基板31aは、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などから形成することができる。なお、高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)やナイロンなどの樹脂に、酸化アルミニウムなどを含むフィラーを混合させたものである。
図3に示すように、基板31aは、例えば、ネジなどの締結部材を用いて、放熱部32aに取り付けられる。この場合、基板31aと放熱部32aとの間に、弾性を有する伝熱シートを設けたり、シリコーングリスからなる層などを設けたりすることができる。この様にすれば、発光素子31bにおいて発生した熱が放熱部32aに伝わり易くなるので、発光素子31bの温度が最大ジャンクション温度を超えるのを抑制することができる。
また、基板31aは、例えば、熱伝導率の高い接着剤などを用いて、放熱部32aに接着することもできる。熱伝導率の高い接着剤を用いて、基板31aが放熱部32aに接着されていれば、基板31aと放熱部32aとの間に隙間が生じるのを抑制することができるので、発光素子31bにおいて発生した熱が放熱部32aに伝わり易くなる。また、発光モジュール31の構成が簡易なものとなる。
複数の発光素子31bは、基板31aの、放熱部32a側とは反対側の面に設けられている。複数の発光素子31bの光の出射面は、筐体34に設けられた窓34eに向けられている。複数の発光素子31bから照射された処理光は、窓34eを介して照射部30の外部に照射される。
複数の発光素子31bは、並べて設けられている。例えば、図3に示すように、複数の発光素子31bは、マトリクス状に並べて設けられる。複数の発光素子31bの配設形態や数は、図3に例示をしたものに限定されるわけではなく、食品100の種類、大きさ、および平面形状などに応じて適宜変更することができる。
発光素子31bは、ピーク波長が、200nm以上、300nm以下の紫外線を照射可能なものであれば特に限定はない。例えば、発光素子31bは、ピーク波長が、200nm以上、300nm以下の紫外線を照射可能な発光ダイオードや、レーザダイオードなどである。複数の発光素子31bは、チップ状の発光素子であってもよいし、表面実装型の発光素子であってもよいし、砲弾型などのリード線を有する発光素子であってもよい。
また、紫外線を照射可能な発光素子31bとともに、近赤外線領域(例えば、波長帯域が、700nm以上、960nm以下)の光(近赤外線)を照射可能な発光素子をさらに設けることもできる。この場合、紫外線は、食品100の表面に付着した細菌やウィルスの殺菌や不活性化に用いることができる。また、例えば、食品100が農産物である場合に、近赤外線が、農産物の表面に照射されると、後述する放電ランプ132と同様に、農産物の表面からの液体成分の蒸散を抑制することができる。そのため、農産物の鮮度維持を図ることができる。
すなわち、照射部30は、所定の方向に移動する食品100に、少なくとも紫外線領域の波長を有する処理光を照射する。
冷却部32は、例えば、放熱部32a、および送風部32bを有する。
図3に示す様に、放熱部32aは、例えば、複数設けることができる。複数の放熱部32aを設ける場合には、例えば、複数の放熱部32aをY方向に並べて設けることができる。なお、1つの放熱部32aを設けるようにしてもよい。すなわち、放熱部32aは、少なくとも1つ設けることができる。
放熱部32aは、例えば、発光モジュール31が取り付けられるブロック状のベースと、複数のフィンを有する。放熱部32aは、例えば、アルミニウム合金などの熱伝導率の高い材料から形成される。
送風部32bは、放熱部32aに設けられた複数のフィンに気体Gを供給する。気体Gは、例えば、処理装置1が設置された雰囲気に含まれている空気である。送風部32bは、筐体34の内部に設けられている。送風部32bは、例えば、筐体34の内壁に取り付けられる。送風部32bは、例えば、放熱部32aの、発光モジュール31側とは反対側に設けられる。送風部32bは、例えば、軸流ファンとすることができる。
図2に示すように、回路基板33は、筐体34の内部に設けられている。回路基板33は、例えば、筐体34の内部の、発光モジュール31が設けられる側とは反対側の端部の近傍に設けられる。回路基板33は、例えば、複数の発光素子31bの点灯と消灯とを切り替えたり、複数の発光素子31bに印加する電力を制御したり、送風部32bによる気体Gの供給と供給の停止とを切り替えたりする。
筐体34は、箱状を呈し、内部に、例えば、発光モジュール31、冷却部32、および回路基板33を収納する空間を有する。筐体34の側面には、複数の排気口34aを設けることができる。また、筐体34には、電力用のコネクタ34b、通信用のコネクタ34c、およびフィルタ34dなどを設けることができる。
窓34eは、筐体34の、発光モジュール31が設けられる側の端部に設けられている。窓34eは、発光モジュール31(発光素子31b)から照射された処理光を透過する。窓34eは、例えば、紫外線透過ガラス(ultraviolet transmitting glass)、アクリル樹脂などから形成される。
図4は、発光素子31bを備えた照射部30の分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。
発光素子31bは、紫外線を照射する発光ダイオードとした。分光分布のデータは、例えば、浜松ホトニクス株式会社製の分光測定器(型番:C7473-36)を用い、周囲温度が25℃の雰囲気で測定した。
図4から分かるように、紫外線を照射する発光素子31bを備えた照射部30とすれば、紫外線領域(例えば、ピーク波長が300nm以下、波長帯域が200nm以上、400nm以下)における分光特性がナローになる。そのため、食品100の表面に付着した細菌やウィルスの殺菌や不活性化を効率よく行うことができる。
次に、他の実施形態に係る照射部30aについて説明する。
照射部30aは、載置部20a(20b)に載置され、所定の方向(例えば、X方向)に移動する食品100に、紫外線領域から近赤外線領域までの波長を含む処理光を照射する。
図5は、他の実施形態に係る照射部30aを例示するための模式図である。
図5に示すように、照射部30aは、例えば、リフレクタ131、および放電ランプ132を有する。
リフレクタ131は、放電ランプ132から照射され、食品100の側とは反対側に向かう処理光を反射して、食品100の側に向かうようにする。リフレクタ131は、例えば、凹面鏡などである。
放電ランプ132は、リフレクタ131の内側に設けられる。例えば、放電ランプ132は、紫外線領域から近赤外線領域までの波長を含む処理光を照射する。放電ランプ132は、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、エキシマ蛍光ランプ、フラッシュランプなどとすることができる。
以下においては、一例として、放電ランプ132がキセノンフラッシュランプである場合を説明する。
図6は、放電ランプ132を例示するための模式図である。
図6に示すように、放電ランプ132は、例えば、発光管132a、電極132b、およびトリガー電極132cを有する。
発光管132aは、筒状を呈し、管外径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。発光管132aは、例えば、円筒状を呈している。発光管132aの管軸方向の長さ、および管外径は、食品100の大きさなどに応じて適宜変更することができる。例えば、食品100が一般的な農産物の場合には、発光管132aの管軸方向の長さは、40cm~200cm程度とすることができる。発光管132aの管外径は、6mm~30mm程度とすることができる。この場合、管外径が小さくなると(発光管132aの内部空間の、軸方向に直交する方向の断面積が小さくなると)、放電の際に流れる電流の電流密度(ランプ電流密度)が大きくなる。そのため、管外径を小さくすれば、処理光の発光強度を大きくすることができる。発光管132aは、例えば、石英ガラスなどの透光性を有する材料から形成される。
発光管132aの内部空間には、放電媒体が封入される。放電媒体は、例えば、キセノンの単体ガス、または、キセノンに、その他の希ガス(例えば、アルゴン、ネオン、クリプトン等)を1種類以上混合させた混合ガスとすることができる。放電媒体の封入圧力を高くすれば、紫外線の発光強度が大きくなる。例えば、放電媒体の封入圧力を10kPa以上、200kPa以下にすれば、紫外線の発光強度を大きくすることができる。放電媒体の封入圧力は、気体の標準状態(SATP(Standard Ambient Temperature and Pressure):温度25℃、1bar)により求めることができる。
電極132bは、発光管132aの内部空間に一対設けられている。電極132bは、発光管132aの、管軸方向における両側の端部に1つずつ設けられる。一対の電極132bは、互いに対向している。電極132bの一方の端部は発光管132aの内部空間に設けられ、電極132bの他方の端部は発光管132aの端部から露出している。電極132bは、例えば、いわゆる冷陰極形の電極とすることができる。電極132bは、例えば、ニッケル、タングステン、モリブデン、タンタル、チタンなどから形成される。
ここで、前述した様に、放電媒体の封入圧力を10kPa以上、200kPa以下にすると紫外線の発光強度を大きくすることができる。しかしながら、放電媒体の封入圧力が高くなれば、一対の電極132b同士の間で放電が生じにくくなる。そのため、放電ランプ132にはトリガー電極132cが設けられている。
トリガー電極132cが設けられていれば、少なくとも一方の電極132bとの間に大きな電位傾度を形成することができる。そのため、発光管132aの内部空間において絶縁破壊が生じ易くなるので、一対の電極132b同士の間で放電が生じ易くなる。
トリガー電極132cは、発光管132aの外部に設けられている。トリガー電極132cは、例えば、発光管132aの外面に線状部材を巻き付けることで形成することができる。トリガー電極132cを形成するのに用いる線状部材の太さは、0.1mm~2.0mm程度である。トリガー電極132cの材料は、例えば、電極132bの材料と同じとすることができる。
図7は、放電ランプ132を備えた照射部30aの分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。
分光分布のデータは、例えば、浜松ホトニクス株式会社製の分光測定器(型番:C7473-36)を用い、周囲温度が25℃の雰囲気で測定した。
図7は、発光管132aの管軸方向の長さが300mm、発光管132aの管外径が12mm、発光管132aの管内径が10mmの場合である。キセノンが100%の放電媒体の場合である。25℃における放電媒体の封入圧力は、40kPaである。
図7から分かるように、放電ランプ132を備えた照射部30aとすれば、紫外線領域(例えば、波長帯域が、200nm以上、400nm以下)から近赤外線領域(例えば、波長帯域が、700nm以上、960nm以下)までの波長を含む処理光を照射することができる。この場合、紫外線領域の光(紫外線)は、食品100の表面に付着した細菌やウィルスの殺菌や不活性化に用いることができる。また、例えば、食品100が農産物である場合に、近赤外線領域の光(近赤外線)が、農産物の表面に照射されると、農産物の表面からの液体成分の蒸散を抑制することができる。そのため、農産物の鮮度維持を図ることができる。
すなわち、放電ランプ132を備えた照射部30aとすれば、食品100の表面に付着した細菌やウィルスの殺菌や不活性化を行うことができ、且つ、例えば、農産物の鮮度維持を図ることができる。
以上に説明した様に、照射部30を用いれば、細菌やウィルスの殺菌や不活性化を効率よく行うことができる。照射部30aを用いれば、細菌やウィルスの殺菌や不活性化を行うことに加えて、例えば、農産物の鮮度維持を図ることができる。
そのため、例えば、処理の目的や食品100の種類に応じて、照射部30または照射部30aを選択することができる。この場合、例えば、処理の目的や食品100の種類などに応じて、照射部30または照射部30aを予め選択して、処理装置1に設けることができる。この様にすれば、処理装置1の小型化や低コスト化を図ることができる。
なお、図1は、照射部30のみが設けられた処理装置1の場合である。
一方、照射部30および照射部30aを備えた処理装置1として、処理の目的や食品100の種類などに応じて、照射部30または照射部30aを選択して用いたり、照射部30および照射部30aを同時に用いたりすることもできる。この様にすれば、処理装置1の汎用性を高めることができる。
また、照射部30(30a)が1つ設けられる場合を例示したが、複数の照射部30(30a)が設けられていてもよい。
ここで、食品100が収納容器に収納されていない食品、例えば、農産物などの場合には、食品100にゴミなどが付着している場合がある。また、食品100に含まれていた成分が食品100から放出される場合がある。食品100に付着していたゴミや、食品100から放出された成分が照射部30の窓34eや、照射部30aの放電ランプ132の発光管132aに付着すると、照射部30(30a)から照射される処理光の光量が、経時的に少なくなるおそれがある。
そのため、照射部30(30a)と載置部20a(20b)との間の空間、照射部30の窓34e、照射部30aの放電ランプ132の発光管132aなどに気体を供給する気体供給部60をさらに設けることができる。気体供給部60による気体の供給は、載置部20a(20b)に対して行うこともできる。
気体供給部60は、気体を噴射するブロー装置、ブロアなどの送風装置などとすることができる。気体は、食品100の品質に対する影響が少ないものであれば特に限定はない。気体は、例えば、空気、窒素ガスなどとすることができる。
気体供給部60による気体の供給は、常時行うこともできるし、所定の時間間隔で行うこともできるし、センサなどでゴミが検出された場合に行うこともできるし、作業者の判断で行うこともできる。また、気体供給部60に代えて、あるいは、気体供給部60と共に、ゴミなどを吸引する装置を設けることもできる。
また、図1に示すように、食品100の位置を検出するセンサ70をさらに設けることもできる。センサ70は、例えば、照射部30(30a)による照射のタイミングを求めたり、照射の開始と照射の停止の切り替えを行ったり、気体供給部60による気体の供給のタイミングを求めたりするために設けられる。例えば、センサ70は、照射部30(30a)の上流側であって、照射部30(30a)の近傍に設けることができる。センサ70の形式には特に限定がない。センサ70は、例えば、光センサ、超音波センサ、近接センサなどとすることができる。
次に、図1に戻って、収容部40、およびコントローラ50について説明する。
収容部40は、処理済みの食品100aを収容する。収容部40は、例えば、移動部20の排出側の端部の近傍に設けられたコンテナなどとすることができる。また、収容部40には、移動部20からの食品100aの排出を促進させるためのシュートや振動装置などを設けることもできる。
コントローラ50は、処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。コントローラ50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、半導体メモリなどの記憶部を有する。コントローラ50は、例えば、コンピュータである。記憶部には、例えば、処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する制御プログラムを格納することができる。
例えば、コントローラ50は、センサ70により、照射部30(30a)の照射領域に食品100が搬入されたことが検出された場合には、照射部30(30a)を制御して、照射部30(30a)に処理光を照射させる。
例えば、コントローラ50は、照射部30(30a)から照射される処理光の光量、および、移動部20による食品100の移動速度を制御して、食品100の表面における処理光の照射量が所定の値となるようにすることもできる。
次に、載置部20aにおける処理光の反射についてさらに説明する。
図8は、載置部20aにおける処理光の反射を例示するための模式断面図である。
図8に示すように、照射部30(30a)から照射された処理光の一部は、食品100に直接入射する(処理光101a)。前述した様に、照射部30(30a)は、食品100の一方の側に設けられているので、食品100の、照射部30(30a)と対向する側には、処理光101aが入射し易い。しかしながら、食品100の、照射部30(30a)と対向する側とは反対側(載置部20aの側)には、処理光101aが入射し難い領域が生ずる。
この場合、食品100に入射しなかった処理光101bは、載置部20aに入射する。そのため、載置部20aに入射した処理光101bを反射させれば、反射光101b1の一部を、食品100の、照射部30(30a)と対向する側とは反対側(載置部20aの側)に入射させることができる。すなわち、照射部30(30a)から照射され食品100に直接入射した処理光101a、および、載置部20aにより反射された反射光101b1により、食品100の処理を行うことができる。この様にすれば、食品100のより広い領域に処理光を入射させることができるので、処理ムラが生ずるのを抑制することができる。
この場合、食品100に入射しなかった処理光101bの反射は、主に、載置部20aの、食品100が載置される側で生ずる。そのため、載置部20aは、処理光に対する反射率が高い材料から形成されていたり、処理光の乱反射が生じ易くなっていたりすることが好ましい。
処理光に対する反射率が高い材料は、例えば、アルミニウムや白色の樹脂(例えば、フッ素樹脂)などである。この場合、載置部20aの、食品100が載置される側の反射率が高くなっていればよい。そのため、例えば、樹脂などから形成されたベルトなどの表面に、アルミニウムの膜や白色の樹脂の膜を形成してもよい。例えば、アルミニウムの膜は、スパッタリングやメッキなどにより形成することができる。例えば、白色の樹脂の膜は、溶剤などで軟化させた樹脂を塗布することで形成することができる。また、これらの膜をベルトなどの表面に貼り付けることもできる。
また、載置部20aの、食品100が載置される面に、複数の凹凸を設ければ、処理光101bの乱反射が生じ易くなる。
すなわち、載置部20aの、食品100が載置される面は、処理光に対する反射率が高い材料を含む、および、複数の凹凸を有する、の少なくともいずれかである。
また、前述したように、気体供給部60により、載置部20aの、食品100が載置される面に、気体を供給すれば、ゴミなどにより処理光101bの反射が妨げられるのを抑制することができる。
図9は、他の実施形態に係る載置部20bにおける処理光の反射を例示するための模式断面図である。
図9に示すように、載置部20bは、第1の部分20b1、および第2の部分20b2を有する。
第1の部分20b1は、載置部20bの、食品100が載置される側に設けられている。第1の部分20b1は、処理光101bの一部を透過させることができる。第1の部分20b1は、例えば、アクリル樹脂などから形成される。また、第1の部分20b1の、第2の部分20b2が設けられる側の面には、複数の凹凸を設けることができる。
第2の部分20b2は、載置部20bの、食品100が載置される側とは反対側に設けられている。第2の部分20b2は、処理光101bに対する反射率が高い材料から形成されている。処理光101bに対する反射率が高い材料は、例えば、アルミニウムや白色の樹脂(例えば、フッ素樹脂)などである。
例えば、第2の部分20b2は、第1の部分20b1の一方の面に形成することができる。例えば、第2の部分20b2は、スパッタリングやメッキなどにより、第1の部分20b1の一方の面に形成されたアルミニウムを含む膜とすることができる。例えば、第2の部分20b2は、溶剤などで軟化させた白色の樹脂を、第1の部分20b1の一方の面に塗布することで形成された膜とすることができる。また、第2の部分20b2を、第1の部分20b1の一方の面に貼り付けることもできる。
すなわち、載置部20bは、食品100が載置され、入射した処理光の一部が導入される第1の部分20b1と、第1の部分20b1の、食品100が載置される側とは反対側に設けられ、第1の部分20b1に導入された処理光を反射させる第2の部分20b2と、を有する。
図9に示すように、照射部30(30a)から照射された処理光の一部は、食品100に直接入射する(処理光101a)。食品100に入射しなかった処理光101bは、載置部20bの第1の部分20b1に入射する。処理光101bの一部は、第1の部分20b1の、食品100が載置される面で反射されて反射光101b2となる。反射光101b2の一部は、食品100の、照射部30(30a)と対向する側とは反対側(載置部20bの側)に入射させることができる。また、処理光101bの一部は、第1の部分20b1の内部に導入される。そのため、第1の部分20b1の内部において、第1の部分20b1の、食品100が載置される面と、第2の部分20b2との間に反射光101b3が形成される。反射光101b3の一部は、食品100の、照射部30(30a)と対向する側とは反対側(載置部20bの側)に入射させることができる。
すなわち、照射部30(30a)から照射され食品100に直接入射した処理光101a、第1の部分20b1の、食品100が載置される面で反射された反射光101b2、および、第1の部分20b1の内部で形成された反射光101b3により、食品100の処理を行うことができる。この様にすれば、食品100のさらに広い領域に処理光を入射させることができるので、処理ムラが生ずるのをさらに抑制することができる。
この場合、前述した様に、第1の部分20b1の、第2の部分20b2が設けられる側の面には、複数の凹凸を設けることができる。複数の凹凸が設けられていれば、反射光101b3の一部を乱反射させることができるので、食品100の広い領域に処理光を入射させるのが容易となる。また、第1の部分20b1と第2の部分20b2の接合強度を大きくすることができる。
また、前述したように、気体供給部60により、載置部20b(第1の部分20b1)の、食品100が載置される面に、気体を供給すれば、ゴミなどにより、処理光101bの反射と、第1の部分20b1への処理光101bの導入とが妨げられるのを抑制することができる。
ここで、互いに対向する2つの照射部30(30a)を設け、2つの照射部30(30a)から食品100に処理光を照射することもできる。この様にしても食品100のより広い領域に処理光を入射させることができるので、処理ムラが生じるのを抑制することができる。しかしながら、互いに対向する2つの照射部30(30a)を設けると、処理装置の構成が複雑となるので、処理装置の小型化および低コスト化を図るのが困難となる。
本実施の形態に係る処理装置1には、処理光を反射させる載置部20a(20b)が設けられているので、互いに対向する2つの照射部30(30a)を設ける場合に比べて、処理装置1の構成を簡易なものとすることができ、且つ、食品100に処理ムラが生ずるのを抑制することができる。
(食品の処理方法)
次に、本実施の形態に係る食品の処理方法について説明する。
本実施の形態に係る食品の処理方法は、例えば、前述した処理装置1を用いて実施することができる。
本実施の形態に係る食品の処理方法は、食品100に、少なくとも紫外線領域の波長を有する処理光を照射する。
この食品の処理方法は、以下の工程を有することができる。
所定の方向に移動可能な載置部20a(20b)に、食品100を載置する工程。
所定の方向に移動する食品100に、処理光を照射する工程。
そして、処理光を照射する工程において、処理光を食品100に直接入射させるとともに、載置部20a(20b)により、食品100に入射しなかった処理光101bの一部を、食品100に向けて反射させる。
なお、これらの手順の内容は、処理装置1において説明したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 処理装置、20 移動部、20a 載置部、20b 載置部、20b1 第1の部分、20b2 第2の部分、30 照射部、31 発光モジュール、31b 発光素子、30a 照射部、132 放電ランプ、100 食品、101a 処理光、101b 処理光、101b1 反射光、101b2 反射光、101b3 反射光

Claims (4)

  1. 食品に、少なくとも紫外線領域の波長を有する処理光を照射する食品の処理装置であって、
    前記食品を載置する載置部を有し、前記載置部を所定の方向に移動する移動部と;
    発光素子、または放電ランプを有し、前記載置部に載置された前記食品に前記処理光を照射する照射部と;
    を具備し、
    前記載置部は、前記食品に入射しなかった前記処理光の一部を、前記食品に向けて反射する食品の処理装置。
  2. 前記載置部の、前記食品が載置される面は、前記処理光に対する反射率が高い材料を含む、および、複数の凹凸を有する、の少なくともいずれかである請求項1記載の食品の処理装置。
  3. 前記載置部は、
    前記食品が載置され、入射した前記処理光の一部が導入される第1の部分と;
    前記第1の部分の、前記食品が載置される側とは反対側に設けられ、前記第1の部分に導入された前記処理光を反射させる第2の部分と;
    を有する請求項1記載の食品の処理装置。
  4. 食品に、少なくとも紫外線領域の波長を有する処理光を照射する食品の処理方法であって、
    所定の方向に移動可能な載置部に、前記食品を載置する工程と;
    前記所定の方向に移動する前記食品に、前記処理光を照射する工程と;
    を具備し、
    前記処理光を照射する工程において、前記処理光を前記食品に直接入射させるとともに、前記載置部により、前記食品に入射しなかった前記処理光の一部を、前記食品に向けて反射させる食品の処理方法。
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