JP2023078620A - 電子制御装置及び通信診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子制御装置におけるプログラム書き換えに伴って通信異常が誤って判定されることを抑止できる、電子制御装置及び通信診断方法を提供する。【解決手段】本発明に係る電子制御装置及び通信診断方法は、車載ネットワークに接続される他の電子制御装置からのデータ受信の正常・異常を判定し、データ受信の異常を判定したときに、車載ネットワークの通信線へのデータ送信の正常・異常を判定し、データ送信の正常を判定したときに、他の電子制御装置がプログラムの書き換え中であると判定して、データ受信の異常の判定結果を無効とする。【選択図】図4

Description

本発明は、電子制御装置及び通信診断方法に関し、車載ネットワークにおける通信の異常を診断する技術に関する。
特許文献1に開示される車載制御システムは、車両用自動変速機の電子制御装置(ATCU)に実装されているCANなどのネットワーク通信路を利用することにより、他の電子制御装置をATCUの監視装置とし、監視側である他の電子制御装置がATCUの電源リレーを制御する。
ここで、監視側の他の電子制御装置は、ATCUの遮断回路を一定期間遮断し、ATCUからの通信途絶を検知することで、ATCUの電源リレーの機能故障を診断する。
特許第6364486号公報
ところで、車載ネットワークに接続される電子制御装置においてプログラムの書き換えが行われていると、他の電子制御装置は、プログラム書き換え中の電子制御装置からのデータ受信が途絶えることで誤って通信異常を判定し、フェールセーフ処置を実施したり通信異常の診断履歴を保存したりするという問題があった。
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子制御装置におけるプログラム書き換えに伴って、通信異常が誤って判定されることを抑止できる、電子制御装置及び通信診断方法を提供することにある。
そのため、本発明に係る電子制御装置は、その一態様として、車載ネットワークに接続される電子制御装置であって、前記車載ネットワークに接続される他の電子制御装置からのデータ受信の正常・異常を判定する受信診断部と、前記車載ネットワークの通信線へのデータ送信の正常・異常を判定する送信診断部と、前記受信診断部の判定結果と前記送信診断部の判定結果とに基づき通信の正常・異常を最終的に判定する判定部と、を備える。
また、本発明に係る通信診断方法は、その一態様として、車載ネットワークに接続される電子制御装置が、通信の正常・異常を判定する通信診断方法であって、前記車載ネットワークに接続される他の電子制御装置からのデータ受信の正常・異常を判定する工程と、前記データ受信の異常を判定したときに、前記車載ネットワークの通信線へのデータ送信の正常・異常を判定する工程と、前記データ送信の正常を判定したときに、前記他の電子制御装置がプログラムの書き換え中であると判定して、前記データ受信の異常の判定結果を無効とする工程と、を備える。
上記発明によると、電子制御装置におけるプログラム書き換えに伴って通信異常が誤って診断されることを抑止できる。
車両用のエンジンのシステム図である。 VTCコントロールモジュール及びエンジンコントロールモジュール(ECM)のブロック図である。 車載ネットワークのブロック図である。 VTCコントロールモジュールによる通信診断の各工程を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、車両に搭載されるエンジン(内燃機関)の一態様を示す。
エンジン100は、吸気ダクト102を備え、更に吸気ダクト102に、エンジン100の吸入空気流量QAを検出する吸入空気流量センサ104を備える。
吸気バルブ106は、吸気ポート102aを開閉する。
燃料噴射弁110は、吸気バルブ106の上流側の吸気ポート102aに配され、吸気ポート102a内に燃料を噴射する。
燃料噴射弁110が噴射した燃料は、吸気バルブ106を介して燃焼室108内に空気とともに吸引され、点火プラグ112による火花点火によって着火燃焼する。
そして、燃焼による圧力がピストン114をクランクシャフト116に向けて押し下げることで、クランクシャフト116を回転駆動する。
また、排気バルブ118は、排気ポート120aを開閉する。
そして、排気バルブ118が開くと、燃焼室108内の燃焼ガスは排気管120に排出される。
三元触媒を内蔵する触媒コンバータ122は、排気管120に設置され、排気管120を流れる排気を浄化する。
クランクシャフト116によって回転駆動される吸気カムシャフト124は、吸気バルブ106の開閉時期及びリフトを制御し、クランクシャフト116によって回転駆動される排気カムシャフト126は、排気バルブ118の開閉時期及びリフトを制御する。
バルブタイミングコントロールシステム(以下、VTCと称する。)128は、アクチュエータとしての電動モータ130によってクランクシャフト116に対する吸気カムシャフト124の相対回転位相角を変化させることで、吸気バルブ106のバルブ作動角の位相を変化させる装置である。
点火モジュール132は、点火コイルと、点火コイルへの通電を制御するパワートランジスタとを有し、点火プラグ112に点火エネルギーを供給する。
VTCコントロールモジュール200は、VTC128(電動モータ130)を制御し、エンジンコントロールモジュール(以下、ECMと称する。)202は、燃料噴射弁110や点火モジュール132などを制御する。
VTCコントロールモジュール200及びECM202は、それぞれ、MPU(Microprocessor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含むマイクロコンピュータを備えた電子制御装置である。
VTCコントロールモジュール200及びECM202は、CAN(Controller Area Network)などによる車載ネットワーク204に接続され、車載ネットワーク204を通じで相互にデータの送受信を行う。
但し、車載ネットワーク204は、CANに限るものではなく、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRay(登録商標)、MOST(Media Oriented System Transport)(登録商標)などによる車載ネットワークとすることができる。
エンジン100は、エンジン100の運転状態を検出する各種のセンサを備える。
係る各種のセンサとして、エンジン100は、吸入空気流量センサ104の他、クランク角センサ206、カム角センサ208、モータ回転角センサ210、アクセル開度センサ212、水温センサ214、空燃比センサ216などを備える。
クランク角センサ206は、クランクシャフト116の回転角信号POSを出力する。
カム角センサ208は、吸気カムシャフト124の回転角信号CAMを出力する。
モータ回転角センサ210は、VTC128のアクチュエータである電動モータ130の回転角信号MASを出力する。
アクセル開度センサ212は、アクセルペダル218の踏み込み量、換言すればアクセル開度ACCを検出する。
水温センサ214は、エンジン100の冷却水の温度TWを検出する。
空燃比センサ216は、触媒コンバータ122の上流側の排気管120に設置され、排気中の酸素濃度に基づいて、エンジン100の混合気の空燃比AFを検出する。
VTCコントロールモジュール200及びECM202は、上記の各種センサの検出信号やエンジン100の運転及び停止のメインスイッチであるイグニッションスイッチ(IGNSW)220のオン/オフ信号などに基づき、各種制御処理を実施する。
IGNSW220は、車両の運転者によってオン・オフが操作されるスイッチであり、エンジンスイッチ或いはスタートスイッチと読み替えることができる。
図2は、VTCコントロールモジュール200及びECM202の構成の一態様を示すブロック図である。
VTCコントロールモジュール200は、不揮発性メモリであるEEPROM200A1を含むマイクロコンピュータ200Aと、CAN通信回路200Bと、入力回路200Cと、電源回路200Dと、指令信号出力回路200Eと、電圧変換回路200Fと、モータ駆動回路200Gと、を含む。
CAN通信回路200Bは、車載ネットワーク204の通信線204A(CANバス)に接続され、VTCコントロールモジュール200は、CAN通信回路200Bを介して主にECM202と通信する。
入力回路200Cは、各種センサからの検出信号、詳細には、回転角信号POS、回転角信号CAM、及び回転角信号MASに処理を施して、マイクロコンピュータ200Aに出力する回路である。
電源回路200Dは、車載バッテリ224から第1のダイオード222を介して電源電圧VBATT(例えば、12V)の供給を常時受ける。
また、IGNSW220がオンされると、IGNSW220及び第2のダイオード226を介して、車載バッテリ224から電源電圧VBATTが電源回路200Dに供給される。
電源回路200Dは、電源電圧VBATTをマイクロコンピュータ200A用の電源電圧VCC(例えば、5V)に変換し、電源電圧VCCをマイクロコンピュータ200Aに供給する。
指令信号出力回路200Eは、IGNSW220を経由した電源電圧VBATTの供給を受けると、換言すれば、IGNSW220がオフからオンに切り換わると、電源回路200Dに対して電源電圧VBATTを電源電圧VCCに変換する処理の開始、換言すれば、マイクロコンピュータ200Aへの電源電圧VCCの供給開始を指示する。
また、指令信号出力回路200Eは、マイクロコンピュータ200Aからセルフシャットオフ指示信号S-SHUTを入力すると、電源回路200Dに対して電源電圧VBATTを電源電圧VCCに変換する処理の停止、換言すれば、マイクロコンピュータ200Aへの電源電圧VCCの供給停止を指示する。
電圧変換回路200Fは、IGNSW220を経由して供給される電源電圧VBATTを所定電圧(例えば、約2V)の信号Vmに変換してCPU200Aに出力する回路である。
マイクロコンピュータ200Aは、電圧変換回路200Fの出力に基づきIGNSW220のオン・オフを検知し、IGNSW220がオフからオンに切り換わると、VTC128の電動モータ130の制御を開始し、IGNSW220がオンからオフに切り換わると、所定の処理を実行した後にセルフシャットオフ指示信号S-SHUTを指令信号出力回路200Eに出力することで、電源供給を自己遮断する。
モータ駆動回路200Gは、電動モータ130を駆動するためのインバータを含み、マイクロコンピュータ200Aが出力するPWM制御信号に基づき、電動モータ130への通電を制御する。
一方、ECM202は、マイクロコンピュータ202A、CAN通信回路202Bなどを備える。
CAN通信回路202Bは、車載ネットワーク204の通信線204A(CANバス)に接続され、ECM202は、車載ネットワーク204に接続されているVTCコントロールモジュール200を含む外部機器(換言すれば、他のノード)とCAN通信回路202Bを介して通信する。
ECM202は、電源リレー221を介して車載バッテリ224から電源電圧VBATTが供給されるとともに、IGNSW220を介して車載バッテリ224から電源電圧VBATTが供給される。
電源リレー221は、ECM202が出力するリレー制御信号によってオン・オフが切り換えられる。
ECM202は、IGNSW220がオンされ、車載バッテリ224から電源電圧VBATTがIGNSW220を介して供給されると、起動する。
起動したECM202は、電源リレー221をオンするリレー制御信号を出力して電源リレー221をオンさせ、IGNSW220がオフされても電源リレー221を介して電源電圧VBATTが供給されるようにする。
そして、ECM202は、IGNSW220がオフされた後、電源リレー221をオフするリレー制御信号を出力して、電源リレー221を介した電源供給を自己遮断する。
図3は、車載ネットワーク204の全体構成を示す図である。
車載ネットワーク204の通信線204A1には、ECM202とともに、例えば、自動変速機を制御するATコントローラ250や、電動パワーステアリングを制御するPSコントローラ260などの車両に搭載される他の電子制御装置がノードとして接続されている。
また、車載ネットワーク204の通信線204A2には、ECM202とVTCコントロールモジュール200とが接続されている。
なお、車載ネットワーク204は、1つの通信線204A1に、ECM202、ATコントローラ250、PSコントローラ260、及びVTCコントロールモジュール200などの全てのノードを接続したシステムとすることができる。
また、車両整備工場などで、例えばECM202の不揮発性メモリに保存されているプログラムを書き換える場合、作業者は、車載ネットワーク204の通信線204Aに、プログラム書き換え装置300を着脱可能に接続する。
そして、プログラム書き換え装置300は、新たなプログラムのデータを、通信線204Aを介してECM202に送り、ECM202のプログラムの書き換え(以下、リプログラミング処理と称する。)を行わせる。
IGNSW220がオンされて、ECM202及びVTCコントロールモジュール200が起動している状態では、ECM202とVTCコントロールモジュール200とは常に車載ネットワーク204によって相互に通信を行う。
例えば、ECM202は、吸気バルブ106のバルブ作動角の目標位相(換言すれば、目標バルブタイミング)を周期的に演算し、演算した目標位相のデータなどを通信線204Aに送信する。
VTCコントロールモジュール200は、ECM202が送信した目標位相のデータなどを受信し、目標位相のデータに基づき電動モータ130の通電を制御する。
また、VTCコントロールモジュール200は、VTC128について行った故障診断の結果を示すデータや、吸気バルブ106のバルブ作動角の検出結果のデータなどを、通信線204Aに送信し、ECM202は、これらのデータを受信する。
また、VTCコントロールモジュール200は、ECM202との間における通信機能が正常であるか否かを判定する通信診断(受信診断及び送信診断)を実施する。
そして、VTCコントロールモジュール200は、上記の通信診断において通信機能の異常を判定すると、通信異常への対応措置を実施する。
通信異常への対応措置とは、たとえば、VTC128をデフォルトに制御するなどのフェールセーフモードへの移行や、通信機能の異常を判定した履歴や通信機能が異常になったときの状況を示す情報などをEEPROM200A1に記録保存する処理などである。
しかし、ECM202のリプログラミング処理中であるときは、ECM202は、VTCコントロールモジュール200へのデータ送信を中断する。
このため、VTCコントロールモジュール200は、ECM202においてリプログラミング処理が実施されると、車載ネットワーク204による通信(送信及び受信)は正常に行える状態、換言すれば、通信機能は正常であるのに、ECM202からのデータ受信が途絶えることで通信機能の異常を誤って判定し、フェールセーフ処理や異常診断履歴の保存などの対応措置を無用に実施してしまう。
そこで、VTCコントロールモジュール200は、ECM202のリプログラミング処理に伴う通信異常の誤判定を抑止するため、ECM202からのデータ受信の正常・異常を判定する受信診断部、通信線204Aへのデータ送信の正常・異常を判定する送信診断部、及び、受信診断部の判定結果と送信診断部の判定結果とに基づき通信の正常・異常を最終的に判定する判定部としての機能をソフトウェアとして備える。
つまり、VTCコントロールモジュール200は、ECM202のリプログラミング処理に伴ってECM202からのデータ受信の異常を判定することになるが、通信線204Aなどが正常な状態であれば、通信線204Aへのデータ送信は正常に行われる。
このため、VTCコントロールモジュール200は、ECM202からのデータ受信は異常であってもデータ送信が正常であれば、データ受信の異常は、ECM202のリプログラミング処理に伴ってECM202がデータ送信を中断しているためであると判定して、データ受信の異常の判定結果を無効とする。
なお、異常の判定結果の無効化は、たとえば、異常判定の取り消しや、異常判定に基づき行われる措置のキャンセルなどによって実現される。
これにより、ECM202のリプログラミング処理に伴って通信異常(データ受信異常)が誤って判定されても、フェールセーフ処理や異常診断履歴の保存などの通信異常への対応措置が無用に実施されることが抑止される。
図4は、VTCコントロールモジュール200による通信診断処理の各工程を示すフローチャートである。
VTCコントロールモジュール200は、ステップS501で、IGNSW220のオン・オフを判定する。
VTCコントロールモジュール200は、IGNSW220のオン状態であるときはステップS502以降に進んで通信診断を実施し、IGNSW220のオフ状態であるときは本ルーチンをそのまま終了させ、通信診断をキャンセルする。
IGNSW220のオン状態は、ECM202とVTCコントロールモジュール200との間で通信が常時行われる状態であり、逆に、IGNSW220のオフ状態は、ECM202とVTCコントロールモジュール200との間での通信が途絶える状態である。
VTCコントロールモジュール200は、ステップS502(受信診断部)で、ECM202からのデータ受信の正常・異常を判定する。
VTCコントロールモジュール200は、ECM202からのデータ受信が途絶えている状態が設定時間を超えているとき、データ受信の異常を判定する。
なお、ステップS502の受信診断における設定時間は、VTCコントロールモジュール200がECM202と正常に通信しているときに、ECM202からのデータ受信の間隔時間が達することのない時間に適合される。
一方、VTCコントロールモジュール200は、ECM202からのデータ受信が正常な間隔時間内で定期的に行われていて、ECM202からのデータ受信の間隔時間が設定時間に達していない場合、ECM202が送信したデータを正常に受信できているデータ受信の正常状態であると判定する。
VTCコントロールモジュール200は、ステップS502で、ECM202からのデータ受信の異常を判定すると、ステップS503に進む。
VTCコントロールモジュール200は、ステップS503(送信診断部)で、自身による通信線204Aへのデータ送信の正常・異常を判定する。
そして、通信線204Aにデータを正常に送信できている送信正常状態であるとき、VTCコントロールモジュール200は、ステップS504-ステップS507(判定部)に進み、通信の正常・異常を最終的に判定する。
VTCコントロールモジュール200は、ステップS504で、エンジン100が停止状態(エンスト状態)であるか運転状態であるかを判定する。
VTCコントロールモジュール200は、エンジン100が運転中であるか停止中であるかに関するエンジン情報として、クランクシャフト116の回転角信号POS及び吸気カムシャフト124の回転角信号CAMを各センサから取得する。
そこで、VTCコントロールモジュール200は、ステップS504で、回転角信号POS及び/又は回転角信号CAMに基づき、エンジン100が停止状態であるか運転状態であるかを判定する。
つまり、VTCコントロールモジュール200は、回転角信号POSや回転角信号CAMが振動していれば、エンジン100が運転状態であると判定し、回転角信号POSや回転角信号CAMの振動が停止していれば、エンジン100が停止状態であると判定する。
但し、エンジン100の停止・運転の判定に用いるエンジン情報を、回転角信号POSや回転角信号CAMなどの回転信号に限定するものではない。
例えば、VTCコントロールモジュール200は、吸入空気流量、吸気管負圧、空燃比、エンジン振動などのエンジン情報に基づき、エンジン100の停止・運転の判定を行うことができる。
VTCコントロールモジュール200は、ステップS504でエンジン100が停止状態であると判定すると、ステップS505に進む。
VTCコントロールモジュール200は、ステップS505で、データ受信の異常を判定し、かつ、データ送信の正常を判定し、かつ、エンジン100の停止中であると判定している状態が、設定時間を超えて継続しているか否かを判定する。
ステップS505における設定時間は、ECM202のリプログラミング処理に要する平均的な時間に基づく時間であって、ECM202のリプログラミング処理が行われるときに超える時間に適合される。
そして、VTCコントロールモジュール200は、ステップS505で、継続時間が設定時間を超えていると判定すると、ステップS506に進み、ECM202がリプログラミング処理中であると判定する。
ECM202のリプログラミング処理が行われているとき、ECM202はVTCコントロールモジュール200などに向けたデータ送信を停止し、VTCコントロールモジュール200は、ECM202からのデータ受信が途絶えることで、データ受信の異常を判定することになる。
但し、係るデータ受信の異常は、通信線204Aの断線などの通信機能の故障に因るものではないため、VTCコントロールモジュール200による通信線204Aへのデータ送信は正常に行われることになる。
したがって、VTCコントロールモジュール200は、ECM202からのデータ受信の異常を判定しても、通信線204Aへのデータ送信の正常を判定したときは、ECM202のリプログラミング処理中であるためにECM202からのデータ受信の異常を判定したと推定できる。
また、ECM202のリプログラミング処理中であれば、ECM202によるエンジン100の制御(燃料噴射制御、点火制御など)が停止することで、エンジン100は運転を停止することになる。
このため、VTCコントロールモジュール200は、データ受信の異常を判定し、かつ、データ送信の正常を判定し、更に、エンジン100が停止状態であると判定したことを条件に、ECM202のリプログラミング処理中であると判定することで、ECM202がリプログラミング処理中であるか否かの判定精度が向上する。
更に、ECM202のリプログラミング処理には通常数分を要する。
したがって、VTCコントロールモジュール200が、データ受信の異常を判定し、かつ、データ送信の正常を判定し、更に、エンジン100が停止状態であると判定する状況は、実際にECM202のリプログラミング処理が行われていれば、リプログラミング処理の通常所要時間だけ継続することになる。
このため、VTCコントロールモジュール200は、リプログラミング処理の所要時間に見合う時間の継続を条件として、ECM202のリプログラミング処理中であると判定することで、ECM202がリプログラミング処理中であるか否かの判定精度が向上する。
VTCコントロールモジュール200は、ステップS506に進んで、ECM202がリプログラミング処理中であると判定したとき、ECM202からのデータ受信の異常判定は、通信線204Aの断線などの通信機能の故障に因るものではないため、データ受信の異常の判定結果を無効とする。
VTCコントロールモジュール200は、通常、ECM202からのデータ受信の異常などの車載ネットワーク204における通信異常を判定すると、異常判定の履歴をEEPROM200A1に保存する処理を実施したり、VTC128の制御モードをフェールセーフモードに切り換えるフェールセーフ処置を実施したりするなど、通信異常(データ受信の異常)に対処する措置を行う。
しかし、ECM202のリプログラミング処理中は、車載ネットワーク204の通信機能が正常であっても、VTCコントロールモジュール200がECM202からのデータ受信の異常を判定することになり、データ受信の異常に対処する措置の実施は、誤った診断結果に基づく無用な措置になってしまう可能性がある。
そこで、VTCコントロールモジュール200は、ECM202のリプログラミング処理中であると判定したときは、ECM202からのデータ受信の異常の判定結果を無効化し、異常判定履歴の保存やフェールセーフモードへの移行などを行わないようにする。
したがって、VTCコントロールモジュール200は、ECM202のリプログラミング処理に伴ってデータ受信の異常を判定しても、誤った診断履歴を保存したり、誤ってフェールセーフ処置を実施したりすることが抑止され、通信診断処理の信頼性を向上させることができる。
なお、データ受信の異常の判定結果の無効化は、異常判定の取り消しや、異常判定の履歴の保存などの措置のキャンセルなどによって実現される。
また、VTCコントロールモジュール200は、ECM202がリプログラミング処理中であることを判定したときに、ECM202においてリプログラミング処理が行われた履歴の情報をEEPROM200A1に記録することができる。
一方、VTCコントロールモジュール200は、ステップS502で、ECM202からのデータ受信が正常であると判定した場合、ステップS507に進み、ECM202はリプログラミング処理中ではなく、エンジン100の制御中であると判定する。
つまり、ECM202からのデータ受信が正常である場合、ECM202がVTCコントロールモジュール200に向けたデータ送信を通常に行っていて、かつ、通信線204Aの断線なども発生していないと判断される。
また、VTCコントロールモジュール200は、ステップS503で、データ送信の異常を判定したとき、つまり、ECM202からのデータ受信の異常を判定し、かつ、通信線204Aへのデータ送信の異常を判定したときは、ステップS507に進む。
ここでも、VTCコントロールモジュール200は、ECM202はリプログラミング処理中ではなく、エンジン100の制御中であると判定する。
また、このときの通信異常(データ受信及びデータ送信の異常)の判定は、ECM202のリプログラミング処理に影響されたものではなく、実際に通信線204Aの断線などの故障が車載ネットワーク204において発生していると推定される。
このため、VTCコントロールモジュール200は、ステップS503からステップS507に進んだ場合、通信異常の判定結果を無効化することなく、車載ネットワーク204の通信機能に異常が生じていると最終的に判定し、異常判定履歴の保存やフェールセーフモードへの移行などの異常判定に対処する措置を実施する。
また、VTCコントロールモジュール200は、ステップS504でエンジン100が運転中であると判定した場合も、ステップS507に進んで、ECM202はリプログラミング処理中ではなく、エンジン100の制御中であると判定する。
ステップS504からステップS507に進む場合、データ受信の異常はECM202のリプログラミング処理に影響されたものではなく、データ送信は正常であることから、通信線204Aの断線などの送受信が不能になる状態ではないものの、ECM202のデータ送信機能に異常が発生している可能性がある。
そこで、VTCコントロールモジュール200は、ステップS504からステップS507に進んだ場合、データ受信の異常の判定結果を無効化することなく、データ受信の異常を判定した履歴をEEPROM200A1に保存する処理や、データ受信の異常の判定結果に基づきVTC128の制御モードをフェールセーフモードに切り換えるフェールセーフ処置などを実施する。
更に、VTCコントロールモジュール200は、ステップS505で、継続時間が設定時間を超えていないと判定したときは、ステップS507に進んで、ECM202のリプログラミング処理中ではではなくエンジン100の制御中であると判定し、継続時間が設定時間を超えた時点で初めてECM202はリプログラミング処理中であると判定する。
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
上記実施形態では、VTCコントロールモジュール200とECM202との間での通信を示したが、電子制御装置の組み合わせをVTCコントロールモジュール200とECM202とに限定するものではなく、車載ネットワーク204に接続される電子制御装置の種々の組み合わせに、同様な通信診断方法を適用できる。
例えば、ECM202と、エンジンの機械圧縮比を可変する可変圧縮比機構を制御する電子制御装置との組み合わせにおいて、可変圧縮比機構を制御する電子制御装置は、図4のフローチャートに示した工程にしたがって通信診断を行うことができる。
また、図4のフローチャートに示したステップS504とステップS505との少なくとも一方の工程を省略することができる。
また、通信異常の判定結果に基づき実施される措置は、診断履歴の保存やフェールセーフモードへの移行に限定されず、例えば、警告灯の点灯制御などの警告手段の作動などであってもよい。
また、ECM202(第2電子制御装置)がリプログラミング処理中であることを判定したVTCコントロールモジュール200(第1電子制御装置)は、車載ネットワークを構成する他の電子制御装置(第3電子制御装置)に対し、ECM202がリプログラミング処理中であることを示すデータを送信することができる。
100…エンジン、200…VTCコントロールモジュール(電子制御装置)、202…ECM(他の電子制御装置)、204…車載ネットワーク、204A…通信線

Claims (7)

  1. 車載ネットワークに接続される電子制御装置であって、
    前記車載ネットワークに接続される他の電子制御装置からのデータ受信の正常・異常を判定する受信診断部と、
    前記車載ネットワークの通信線へのデータ送信の正常・異常を判定する送信診断部と、
    前記受信診断部の判定結果と前記送信診断部の判定結果とに基づき通信の正常・異常を最終的に判定する判定部と、
    を備える、電子制御装置。
  2. 前記判定部は、
    前記受信診断部がデータ受信の異常を判定し、前記送信診断部がデータ送信の正常を判定したときに、前記受信診断部によるデータ受信の異常の判定結果を無効とする、
    請求項1記載の電子制御装置。
  3. 前記判定部は、
    前記受信診断部の判定結果と前記送信診断部の判定結果とに基づき前記他の電子制御装置がプログラムの書き換え中であるか否かを判定した結果に応じて、通信の正常・異常を最終的に判定する、
    請求項1記載の電子制御装置。
  4. 前記判定部は、
    前記受信診断部がデータ受信の異常を判定し、前記送信診断部がデータ送信の正常を判定したときに、前記他の電子制御装置がプログラムの書き換え中であると判定して、前記データ受信の異常の判定結果を無効とする、
    請求項3記載の電子制御装置。
  5. 前記他の電子制御装置は、車両に搭載されるエンジンを制御するエンジンコントロールモジュールであって、
    前記判定部は、
    前記エンジンが運転中であるか停止中であるかに関するエンジン情報を取得し、
    前記エンジン情報に基づき前記エンジンが停止中であると判定し、前記受信診断部がデータ受信の異常を判定し、前記送信診断部がデータ送信の正常を判定したときに、前記エンジンコントロールモジュールがプログラムの書き換え中であると判定する、
    請求項3記載の電子制御装置。
  6. 前記判定部は、
    前記エンジン情報に基づき前記エンジンが停止中であると判定し、前記受信診断部がデータ受信の異常を判定し、前記送信診断部がデータ送信の正常を判定している状態が設定時間を超えて継続したときに、前記エンジンコントロールモジュールがプログラムの書き換え中であると判定する、
    請求項5記載の電子制御装置。
  7. 車載ネットワークに接続される電子制御装置が、通信の正常・異常を判定する通信診断方法であって、
    前記車載ネットワークに接続される他の電子制御装置からのデータ受信の正常・異常を判定する工程と、
    前記データ受信の異常を判定したときに、前記車載ネットワークの通信線へのデータ送信の正常・異常を判定する工程と、
    前記データ送信の正常を判定したときに、前記他の電子制御装置がプログラムの書き換え中であると判定して、前記データ受信の異常の判定結果を無効とする工程と、
    を備える、通信診断方法。
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