JP2023077881A - 掘削ビットおよび鋼管杭 - Google Patents

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和秀 戸田
Kazuhide Toda
大輝 後藤
Daiki Goto
悦孝 柳
Etsutaka Yanagi
裕貴 日下
Hirotaka Kusaka
正道 澤石
Masamichi Sawaishi
智之 東海林
Tomoyuki Shoji
将一 田邊
Masakazu Tanabe
崇晃 長浦
Takaaki Nagaura
健吾 鈴木
Kengo Suzuki
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Abstract

【課題】鋼管杭の先端に掘削ビットを個別に取り付けるにあたり、施工を煩雑化することなく取り付け精度を向上させる。【解決手段】鋼管杭の軸方向の端面に接合され、上記軸方向に見た場合に上記端面から上記鋼管杭の内周面側または外周面側に突出した部分を含む板状の本体部と、上記本体部の上記鋼管杭の内周面側または外周面側に突出した部分に連続して形成され、上記内周面または上記外周面に沿って延び、上記内周面または上記外周面に直接的または間接的に接合される延長部とを備える掘削ビットが提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、掘削ビットおよび鋼管杭に関する。
鋼管杭の先端に取り付ける掘削ビットは、地盤を掘削する従来の効果のみならず、杭の回転方向に応じて土砂の動きを制御し、管内土の閉塞を抑制または促進する効果が期待される。このような掘削ビットの鋼管杭への取り付け方法として、特許文献1では、鋼管杭の先端に円筒体を連接固定し、円筒体の先端面から掘削ビットを突設する構成が記載されている。特許文献2でも、鋼管杭の先端にリングを介してカッタービットを取り付ける構成が示されている。より具体的に、特許文献2では、カッタービットが地盤に接触させられるチップ部材と、チップ部材を支持するシャンク部材とを含み、チップ部材がシャンク部材に形成されたインサート溝部に挿入固定される構成が示されている。
特開2014-77274号公報 特開2017-133328号公報
上記の特許文献1および特許文献2のように、掘削ビットが取り付けられたリングなどの部材を鋼管杭の先端に取り付ける構成にすれば、リングに予め掘削ビットやその支持部材を接合しておけるため、掘削ビットの取り付け角度や鋼管杭からの突出長さを設定することは比較的容易である。その一方で、複数の掘削ビットを鋼管杭の先端に溶接などによって個別に取り付ける場合もある。このような取付方法は、例えば現場施工で掘削ビットを取り付けるのに適している。しかしながら、この場合、角度計や治具などを用いて個々の掘削ビットの取り付け角度や突出長さを確認しながら取り付ける必要があるため、施工手順が煩雑になったり、取り付け精度の確保が難しかったりする場合があった。
そこで、本発明は、鋼管杭の先端に掘削ビットを個別に取り付けるにあたり、施工を煩雑化することなく取り付け精度を向上させることが可能な掘削ビットおよび鋼管杭を提供することを目的とする。
[1]鋼管杭の軸方向の端面に接合され、上記軸方向に見た場合に上記端面から上記鋼管杭の内周面側または外周面側に突出した部分を含む板状の本体部と、上記本体部の上記鋼管杭の内周面側または外周面側に突出した部分に連続して形成され、上記内周面または上記外周面に沿って延び、上記内周面または上記外周面に直接的または間接的に接合される延長部とを備える掘削ビット。
[2]上記延長部は、上記内周面または上記外周面との間の隙間に介挿されるくさび状部材を介して上記内周面または上記外周面に接合される、[1]に記載の掘削ビット。
[3]上記掘削ビットは、上記延長部と上記内周面または上記外周面との間の隙間に介挿されるくさび状部分をさらに備え、上記延長部は、上記くさび状部分を介して上記内周面または上記外周面に接合される、[1]に記載の掘削ビット。
[4]上記延長部は、板状であり、上記内周面または上記外周面とは反対側の側面が傾斜面である、[1]から[3]のいずれか1項に記載の掘削ビット。
[5]上記本体部は、上記軸方向に見た場合に上記端面から上記鋼管杭の内周面側に突出した第1の部分と、上記軸方向に見た場合に上記端面から上記鋼管杭の外周面側に突出した第2の部分とを含み、上記延長部は、上記第1の部分に連続して形成され、上記第2の部分に連続して形成されない、[1]から[4]のいずれか1項に記載の掘削ビット。
[6][1]から[5]のいずれか1項に記載の掘削ビットが軸方向の端面に接合された鋼管杭であって、上記端面では、上記鋼管杭の周方向に複数の上記掘削ビットが配列される鋼管杭。
上記の構成によれば、延長部の側面を鋼管杭の内周面または外周面に当接させることによって鋼管杭に対する掘削ビットの位置決めができるため、本体部が鋼管杭の内周面または外周面から突出する突出長さを容易かつ正確に設定することができる。また、延長部を別体のくさび状部材に当接させるか、または延長部に接してくさび状部分を形成することによって、掘削ビットの取り付け角度も容易かつ正確に設定することができる。従って、上記の構成によれば、施工を煩雑化することなく掘削ビットの取り付け精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る掘削ビットの六面図である。 図1に示された掘削ビットを鋼管杭に取り付けた状態を示す図であり、図3のII-II線に沿った矢視図である。 図1に示された掘削ビットを鋼管杭に取り付けた状態を示す図であり、図2のIII-III線に沿った矢視図である。 図1に示された掘削ビットが取り付けられた鋼管杭の構成例を示す図である。 掘削ビットの変形例の六面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る掘削ビットの六面図である。以下、図1について、(a)上面図、(b)正面図、(c)底面図、(d)左側面図、(e)右側面図、(f)背面図として説明するが、これらの名称に含まれる方向は掘削ビットの配置される方向を限定しない。図示されるように、掘削ビット1は、板状の本体部2と、同じく板状の延長部3とを含む。図中の上方が鋼管杭の位置する側であり、下方が地盤側である。
本体部2は、掘削ビット1が鋼管杭に取り付けられたときに鋼管杭の軸方向について鋼管杭の端面よりも突出する部分である。また、本体部2は、後述するように鋼管杭に取り付けられたときに鋼管杭の内周面側に突出する突出部分2Aを含む。延長部3が形成されない部分において、本体部2の上面には開先4,5が形成され、本体部2は開先4,5を用いた溶接によって鋼管杭の端面に接合される。
延長部3は、本体部2の上側で、突出部分2Aに連続して形成され、鋼管杭に取り付けられたときに鋼管杭の内周面に沿って延びる。なお、ここで、連続して形成されることは、互いに応力を伝達して一体的に挙動することを意味し、必ずしも本体部2と延長部3とが一体成形されることを意味しない。具体的には、本体部2と延長部3とは、一体成形されていてもよいし、別体で成形されて溶接やボルト接合などによって互いに接合されていてもよい。上述のように本体部2および延長部3はいずれも板状であるが、それらの厚さは必ずしも同じでなくてもよい。本体部2および延長部3が別体で成形される場合だけではなく、一体成形される場合も、例えば延長部3の板厚が本体部2よりも薄く形成されていてもよい。
延長部3の左側の側面6は、本体部2が開先4,5を用いた溶接によって鋼管杭の端面に接合されたときに、本体部2と同様に鋼管杭の内周面に溶接されてもよい。この場合、延長部3は鋼管杭の内周面に直接的に接合される。あるいは、延長部3は、後述するようにくさび状部材、または掘削ビットの一部を形成するくさび状部分を介して鋼管杭の内周面に間接的に接合されてもよく、溶接による直接的な接合とくさび状部材またはくさび状部分を介した間接的な接合との両方が形成されてもよい。延長部3を鋼管杭の内周面に接合することによって、例えば本体部2の上面のみを鋼管杭の端面に接合する場合に比べて、掘削ビット1を鋼管杭に強固に接合することができる。また、延長部3の右側の側面7は、図示されたように傾斜面であってもよい。側面7は鋼管杭の内周面とは反対側に位置して地盤中に露出されるため、側面7を傾斜面にすることによって掘削時に土砂から受ける抵抗を低減することができる。
上記のような本実施形態に係る掘削ビット1の構成によれば、延長部3の側面6を鋼管杭の内周面に当接させることによって鋼管杭に対する掘削ビット1の位置決めができるため、本体部2の突出部分2Aが鋼管杭の内周面から突出する突出長さを容易かつ正確に設定することができる。また、延長部3を後述するくさび状部材に当接させるか、または延長部3に接してくさび状部分を形成することによって、掘削ビット1の取り付け角度も容易かつ正確に設定することができる。従って、本実施形態では、施工を煩雑化することなく掘削ビット1の取り付け精度を向上させることができる。
図2および図3は、図1に示された掘削ビットを鋼管杭に取り付けた状態を示す図である。各図の視点の関係が、II-II線およびIII-III線で示されている。また、図1との関係では、図2が(b)正面図に対応し、図3が(a)上面図に対応する。図示されるように、掘削ビット1のうち、延長部3が形成されていない本体部2の上面は、図1に示した開先4,5を用いて形成される溶接部11によって、鋼管杭10の軸方向の端面12に接合される。
上述のように、本体部2の上面が鋼管杭10の端面12に接合された状態において、延長部3は鋼管杭10の内周面13に沿って延びる。図3に示されるように、内周面13と延長部3との間にはくさび状部材14が介挿される。くさび状部材14を内周面13および延長部3の両方に当接させることによって、掘削ビット1の取り付け角度をくさび状部材14の先端角度θに対応する角度に設定することができる。ここで、取り付け角度は、掘削ビット1の取り付け位置において掘削ビット1の板厚中心線と鋼管杭10の周方向接線とがなす角度である。くさび状部材14は、例えば隅肉溶接によって内周面13もしくは延長部3、またはその両方に接合される。あるいは、くさび状部材14の代わりに、同様の形状のくさび状部分が、掘削ビット1の一部として延長部3と一体的に形成されてもよい。この場合、くさび状部分は、例えば隅肉溶接によって内周面13に接合される。例えば掘削ビット1の取り付け角度が小さいような場合は、くさび状部材14を介挿せず、また掘削ビット1にくさび状部分を設けない構成も可能である。
掘削ビット1が取り付けられた鋼管杭10を軸回りに、具体的には図3に示される矢印15,16のいずれかの方向に回転させることによって、地盤が掘削される。鋼管杭10が矢印15の方向に回転させられる場合、鋼管杭10の内側の土砂が掘削ビット1によって鋼管杭10の外側に押し出され、鋼管杭10の内部が土砂で閉塞されることによる掘進抵抗の増大を防ぎながら鋼管杭10の打設を進めることができる。図2に矢印17で示すように、このとき掘削の前縁に位置することになる延長部3の側面7を傾斜面にすることによって、土砂を上方に逃がし、掘削ビット1が土砂から受ける抵抗を低減することができる。
一方、鋼管杭10が矢印16の方向に回転させられる場合、鋼管杭の外側の土砂が掘削ビット1によって鋼管杭10の内側に取り込まれる。例えば鋼管杭10が所定の深度まで打設された後に、このような方向の回転によって鋼管杭10の内部を土砂で閉塞し、鋼管杭10の支持力を高めることができる。なお、鋼管杭10の回転方向は特に限定されず、逆回転の工程も必ずしも採用されなくてもよい。具体的には、鋼管杭10は矢印15の方向にのみ回転させられてもよいし、矢印16の方向にのみ回転させられてもよいし、矢印15の方向および矢印16の方向の両方に順に、または交互に回転させられてもよい。
図4は、図1に示された掘削ビットが取り付けられた鋼管杭の構成例を示す図である。図4の視点は、図1の(c)底面図、および図3に対応する。図示された例では、鋼管杭10に、図1に示された掘削ビット1と、それとは異なる掘削ビット21とが取り付けられている。掘削ビット1,21は、いずれも鋼管杭10の軸方向の端面12に接合され、かつ鋼管杭10の周方向に配列されている。掘削ビット21は、掘削ビット1に比べて取り付け角度が小さく、鋼管杭10の内側への突出長さも小さい。従って、掘削ビット21には掘削ビット1について上記説明したような延長部は形成されない。
このように、鋼管杭10には本発明の実施形態に係る掘削ビット1と、そうではない掘削ビット21とが混在して取り付けられてもよい。図示された例において、掘削ビット1と掘削ビット21とは、鋼管杭10を周方向に8等分した位置に4つずつ交互に配置されるが、鋼管杭10の周方向に配列される掘削ビットの数はこの例には限定されず、例えば鋼管杭10を周方向に4等分または6等分する位置に掘削ビットが配置されてもよい。また、他の例では、鋼管杭に取り付けられる掘削ビットの全てが本発明の実施形態に係る掘削ビットであってもよい。この場合も、掘削ビットの長さ、くさび状部材またはくさび状部分の先端角度、およびくさび状部材の有無を変更することによって、取り付け角度や突出長さがそれぞれの掘削ビットの間で異なっていてもよい。例えば、掘削ビットの取り付け角度が大きい場合や突出長さが長い場合には延長部の板厚を厚くし、掘削ビットの取り付け角度が小さい場合や突出長さが短い場合には延長部の板厚を薄くしてもよい。この場合において、掘削ビットの本体部の厚さと延長部の厚さとは異なっていてもよい。また、鋼管杭の軸方向への突出高さについても、それぞれの掘削ビットの間で異なっていてもよい。
なお、上記の実施形態では、掘削ビットが鋼管杭の内周面側に突出する例について説明したが、掘削ビットは同様にして鋼管杭の外周面側に突出していてもよい。つまり、例えば、上記の図1に示した例において、本体部2の突出部分2Aが鋼管杭の外周面側に突出するように掘削ビット1が鋼管杭に取り付けられてもよい。この場合、延長部3は鋼管杭の外周面に沿って延び、鋼管杭の外周面に直接的または間接的に接合される。あるいは、掘削ビットは、鋼管杭の内周面側および外周面側の両方に突出していてもよい。この場合、掘削ビットの本体部は鋼管杭の内周面側に突出した第1の突出部分と、鋼管杭の外周面側に突出した第2の突出部分とを含む。また、この場合、例えば第1の突出部分および第2の突出部分のそれぞれに連続して、鋼管杭の内周面に沿って延びる第1の延長部と、鋼管杭の外周面に沿って延びる第2の延長部とが形成されてもよい。あるいは、鋼管杭の内周面側に突出した第1の突出部分に連続して鋼管杭の内周面に沿って延びる延長部だけが形成され、第2の突出部分に連続する延長部は形成されなくてもよい。
上記の実施形態では、掘削ビット1の本体部2や延長部3がほぼ均一な厚みの板状である例について説明したが、本体部2や延長部3は厚みが変化する板状であってもよい。例えば、図5に示す変形例のように、鋼管杭に取り付けられたときに鋼管杭の外周側に張り出す部分で、本体部2に切り落とし面2Bが形成されてもよい。あるいは、図5の例とは反対側の、鋼管杭の内周側に張り出す部分に切り落とし面が形成されてもよい。切り落とし面を形成する以外にも、本体部2や延長部3の厚みが全体的に変化していてもよい。例えば本体部2や延長部3の厚みが鋼管杭の外周側に向かって全体としてテーパー状に厚く、または薄くなっていてもよい。
また、上記の実施形態では、本体部2の下側の端面が鋼管杭の外周側に向かって高くなる(本体部2の高さ方向寸法が次第に大きくなる)ように傾斜しているが、他の例では本体部2の下側の端面が逆に鋼管杭の内周側に向かって高くなる(本体部2の高さ方向寸法が次第に大きくなる)ように傾斜していてもよい。また、本体部2の下側の端面が傾斜しておらず、鋼管杭の内周側と外周側とで本体部2の高さ方向寸法が同じであってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…掘削ビット、2…本体部、2A…突出部分、2B…切り落とし面、3…延長部、4,5…開先、6,7…延長部の側面、10…鋼管杭、11…溶接部、12…端面、13…内周面、14…くさび状部材、15,16…回転方向を示す矢印、17…土砂の流れを示す矢印、21…掘削ビット、θ…先端角度。

Claims (6)

  1. 鋼管杭の軸方向の端面に接合され、前記軸方向に見た場合に前記端面から前記鋼管杭の内周面側または外周面側に突出した部分を含む板状の本体部と、
    前記本体部の前記鋼管杭の内周面側または外周面側に突出した部分に連続して形成され、前記内周面または前記外周面に沿って延び、前記内周面または前記外周面に直接的または間接的に接合される延長部と
    を備える掘削ビット。
  2. 前記延長部は、前記内周面または前記外周面との間の隙間に介挿されるくさび状部材を介して前記内周面または前記外周面に接合される、請求項1に記載の掘削ビット。
  3. 前記掘削ビットは、前記延長部と前記内周面または前記外周面との間の隙間に介挿されるくさび状部分をさらに備え、
    前記延長部は、前記くさび状部分を介して前記内周面または前記外周面に接合される、請求項1に記載の掘削ビット。
  4. 前記延長部は、板状であり、前記内周面または前記外周面とは反対側の側面が傾斜面である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の掘削ビット。
  5. 前記本体部は、前記軸方向に見た場合に前記端面から前記鋼管杭の内周面側に突出した第1の部分と、前記軸方向に見た場合に前記端面から前記鋼管杭の外周面側に突出した第2の部分とを含み、
    前記延長部は、前記第1の部分に連続して形成され、前記第2の部分に連続して形成されない、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の掘削ビット。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の掘削ビットが軸方向の端面に接合された鋼管杭であって、
    前記端面では、前記鋼管杭の周方向に複数の前記掘削ビットが配列される鋼管杭。
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