JP2023077252A - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023077252000001
【課題】センサへの漏れ磁束の影響を小さくすることができるリアクトルを提供する。
【解決手段】コイル及び磁性コアを備えるリアクトルと、リアクトルの物理量を測定するセンサとを備え、コイルは、筒状の巻回部を有し、磁性コアは、第一エンドコア部及び第二エンドコア部と、ミドルコア部と、第一サイドコア部及び第二サイドコア部とを有し、ミドルコア部は、巻回部の内側に配置される部分を有し、第一サイドコア部及び第二サイドコア部は、ミドルコア部を挟むように、巻回部の外側に並列され、ミドルコア部、第一サイドコア部及び第二サイドコア部は、第一エンドコア部と第二エンドコア部との間をつなぎ、第二エンドコア部の比透磁率が第一エンドコア部の比透磁率よりも大きく、センサは、第一エンドコア部と第二エンドコア部との間の中心線よりも第二エンドコア部側に配置されている、リアクトル。
【選択図】図2

Description

本開示は、リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置に関する。
ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータの構成部品にリアクトルがある。特許文献1、2は、車載用のリアクトルを開示する。
特許文献1は、コイルと、2つのコア片を組み合わせた磁性コアとを備えるリアクトルを開示する。特許文献1の図1、図2に記載されたリアクトルは、2つの巻回部を有するコイルと、2つのU字状のコア片を備える磁性コアとを備える。この磁性コアは、所謂U-U型コアである。U-U型コアは、U字状のコア片の端面同士が向かい合うように組み合わされることで環状に構成される。特許文献1の図5、図6に記載されたリアクトルは、1つの巻回部を有するコイルと、2つのE字状のコア片を備える磁性コアとを備える。この磁性コアは、所謂E-E型コアである。E-E型コアは、E字状のコア片の端面同士が向かい合うように組み合わされることでθ状に構成される。
特許文献2は、リアクトルの物理量を測定するセンサを備えるリアクトルを開示する。
特開2016-201509号公報 特開2016-082043号公報
リアクトルには、リアクトルの状態に応じた制御をするため、リアクトルの物理量を測定する各種センサが取り付けられることがある。センサとしては、例えば、コイルに流れる電流を測定する電流センサや、コイルの温度や磁性コアの温度を測定する温度センサがある。
センサは、リアクトルの動作時に磁性コアから漏れた磁束の影響を受けることがある。磁性コアからの漏れ磁束の影響によって、センサの動作が不安定になる場合がある。その場合、センサの測定精度が悪化することがある。したがって、リアクトルにセンサを配置する場合、センサに対する漏れ磁束の影響を抑えることが望まれる。
本開示は、センサへの漏れ磁束の影響を小さくすることができるリアクトルを提供することを目的の一つとする。また、本開示は、上記リアクトルを備えるコンバータを提供することを別の目的の一つとする。更に、本開示は、上記コンバータを備える電力変換装置を提供することを他の目的の一つとする。
本開示のリアクトルは、
コイル及び磁性コアを備えるリアクトルと、
前記リアクトルの物理量を測定するセンサとを備え、
前記コイルは、筒状の巻回部を有し、
前記磁性コアは、第一エンドコア部及び第二エンドコア部と、ミドルコア部と、第一サイドコア部及び第二サイドコア部とを有し、
前記ミドルコア部は、前記巻回部の内側に配置される部分を有し、
前記第一サイドコア部及び前記第二サイドコア部は、前記ミドルコア部を挟むように、前記巻回部の外側に並列され、
前記ミドルコア部、前記第一サイドコア部及び前記第二サイドコア部は、前記第一エンドコア部と前記第二エンドコア部との間をつなぎ、
前記第二エンドコア部の比透磁率が前記第一エンドコア部の比透磁率よりも大きく、
前記センサは、前記第一エンドコア部と前記第二エンドコア部との間の中心線よりも前記第二エンドコア部側に配置されている。
本開示のコンバータは、本開示のリアクトルを備える。
本開示の電力変換装置は、本開示のコンバータを備える。
本開示のリアクトルは、センサへの漏れ磁束の影響を小さくすることができる。また、本開示のコンバータ及び電力変換装置は、センサによってリアクトルの物理量を正確に測定し易い。
図1は、実施形態1に係るリアクトルを示す概略斜視図である。 図2は、実施形態1に係るリアクトルを示す概略平面図である。 図3は、実施形態1に係るリアクトルを第二エンドコア部側から見た概略正面図である。 図4は、実施形態2に係るリアクトルを示す概略平面図である。 図5は、実施形態3に係るリアクトルを示す概略平面図である。 図6は、ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す構成図である。 図7は、コンバータを備える電力変換装置の一例の概略を示す回路図である。 図8は、試験例1の解析例1における測定点を示す図である。 図9は、試験例1の解析例1で得られた磁束密度の時間的推移を示すグラフである。 図10は、試験例1の解析例2における測定点を示す図である。 図11は、試験例1の解析例2で得られた磁束密度の時間的推移を示すグラフである。
[本開示の実施形態の説明]
本発明者は、センサへの漏れ磁束の影響について鋭意検討した結果、以下の知見を得た。本発明者らが、磁性コアの漏れ磁束の分布を調べたところ、磁性コアの形状によって磁束の漏れ方に違いがあることが分かった。上記E-E型のように磁性コアがθ状に構成されている場合は、磁性コアのうち、コイルの外側に配置されるエンドコア部から磁束が漏れ易い。一方で、上記U-U型のように磁性コアが環状に構成されている場合は、磁束が比較的漏れ難い。よって、特にθ状の磁性コアを採用する場合は、センサが漏れ磁束の影響をできるだけ受けないように考慮することが必要である。
センサが漏れ磁束の影響を受けないようにするには、例えば、磁性コアからセンサを遠ざけたり、磁気シールドを備えたセンサを使用したりすることが考えられる。しかし、磁性コアからセンサを遠ざけた場合は、正確な測定ができなかったり、センサの配置箇所が制限されたりするという問題がある。つまり、センサのレイアウト上の自由度が低くなる。また、磁気シールドを備えたセンサは高価であるため、高コスト化を招くという問題がある。簡易な手段でセンサへの漏れ磁束を影響を小さくすることが望まれる。
本開示は上記の知見に基づくものである。最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の実施態様に係るリアクトルは、
コイル及び磁性コアを備えるリアクトルと、
前記リアクトルの物理量を測定するセンサとを備え、
前記コイルは、筒状の巻回部を有し、
前記磁性コアは、第一エンドコア部及び第二エンドコア部と、ミドルコア部と、第一サイドコア部及び第二サイドコア部とを有し、
前記ミドルコア部は、前記巻回部の内側に配置される部分を有し、
前記第一サイドコア部及び前記第二サイドコア部は、前記ミドルコア部を挟むように、前記巻回部の外側に並列され、
前記ミドルコア部、前記第一サイドコア部及び前記第二サイドコア部は、前記第一エンドコア部と前記第二エンドコア部との間をつなぎ、
前記第二エンドコア部の比透磁率が前記第一エンドコア部の比透磁率よりも大きく、
前記センサは、前記第一エンドコア部と前記第二エンドコア部との間の中心線よりも前記第二エンドコア部側に配置されている。
本開示のリアクトルは、センサへの漏れ磁束の影響を小さくすることができる。本開示のリアクトルでは、センサが第二エンドコア部側に配置されている。第二エンドコア部の比透磁率は第一エンドコア部の比透磁率よりも大きいため、第二エンドコア部から漏れる磁束は第一エンドコア部から漏れる磁束よりも少ない。本開示のリアクトルでは、センサが第二エンドコア部側に配置されていることで、センサが第一エンドコア部側に配置されている場合に比較して、センサに対する漏れ磁束の影響が小さくなる。よって、センサが漏れ磁束の影響を受け難いため、リアクトルの物理量を正確に測定し易い。
(2)本開示のリアクトルの一形態として、
前記第一エンドコア部の比透磁率が5以上50以下であることでもよい。
第一エンドコア部の比透磁率が小さいほど、第一エンドコア部からの漏れ磁束が増える。上記の形態では、センサを第二エンドコア部側に配置することのメリットが大きい。
(3)上記(2)に記載のリアクトルの一形態として、
前記第二エンドコア部の比透磁率が100以上500以下であることでもよい。
上記形態は、第二エンドコア部からの漏れ磁束を低減できるので、センサへの漏れ磁束の影響を抑制できる。
(4)本開示のリアクトルの一形態として、
前記第二エンドコア部から前記センサまでの距離が50mm以内であることでもよい。
上記の形態は、センサと第二エンドコア部との距離が近い。上記の形態は、センサをリアクトルに近づけて配置することができるので、センサのレイアウトの自由度を高めることができる。
(5)本開示のリアクトルの一形態として、
前記センサは、前記リアクトルを第一の動作条件で動作させたとき、前記磁性コアから漏れる磁束密度の変化幅が2.0mT以下となる位置に配置されていることでもよい。
前記第一の動作条件は、入力電圧が200V、昇圧後電圧が400V、スイッチング周波数が20kHz、重畳電流が100Aである。
漏れ磁束の変化が大きいほど、センサが漏れ磁束の影響を強く受ける。漏れ磁束の磁束密度の変化幅が2.0mT以下となる位置にセンサが配置されていれば、センサが漏れ磁束の影響を受け難い。
(6)上記(5)に記載のリアクトルの一形態として、
更に、前記磁束密度の最大値が6.0mT以下であることでもよい。
漏れ磁束の磁束密度が大きいほど、センサが漏れ磁束の影響を受け易い。漏れ磁束の磁束密度の最大値が6.0mT以下となる位置にセンサが配置されていれば、センサが漏れ磁束の影響をより受け難い。
(7)上記(5)又は(6)に記載のリアクトルの一形態として、
前記リアクトルを平面視したとき、前記センサが前記第二エンドコア部と重なる領域に配置されていることでもよい。
上記の形態は、センサのレイアウトの自由度が高い。
(8)上記(5)から(7)のいずれか1つに記載のリアクトルの一形態として、
前記リアクトルを平面視したとき、前記センサが前記ミドルコア部の延長線上の領域に配置されていることでもよい。
上記の形態は、センサのレイアウトの自由度が高い。
(9)本開示のリアクトルの一形態として、
前記コイルに流れる電流を制御する回路基板を備え、
前記センサは電流センサであり、
前記電流センサは、前記回路基板に設けられていることでもよい。
リアクトルの周辺に、コイルに流れる電流を制御する回路基板が設置されることがある。上記の形態は、回路基板に設けられた電流センサによって、コイルに流れる電流を測定できる。
(10)本開示のリアクトルの一形態として、
前記センサは温度センサであり、
前記温度センサは、前記第二エンドコア部に固定されていることでもよい。
上記の形態は、温度センサによって第二エンドコア部の温度を測定できる。
(11)本開示のリアクトルの一形態として、
前記第一エンドコア部は、樹脂中に軟磁性粉末が分散された複合材料の成形体で構成され、
前記第二エンドコア部は、軟磁性粉末を含む原料粉末の圧粉成形体で構成されていることでもよい。
一般的に、複合材料の成形体の比透磁率は、圧粉成形体の比透磁率に比較して小さい。上記の形態は、第一エンドコア部が複合材料の成形体で構成され、第二エンドコア部が圧粉成形体で構成されていることで、第二エンドコア部の比透磁率が第一エンドコア部の比透磁率よりも大きくなるように磁性コアを構成できる。
(12)本開示の実施形態に係るコンバータは、
上記(1)から(11)のいずれか1つに記載のリアクトルを備える。
本開示のコンバータは、本開示のリアクトルを備えることから、センサによってリアクトルの物理量を正確に測定し易い。
(13)本開示の実施形態に係る電力変換装置は、
上記(12)に記載のコンバータを備える。
本開示の電力変換装置は、本開示のコンバータを備えることから、センサによってリアクトルの物理量を正確に測定し易い。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
〔リアクトル〕
図1から図3を参照して、実施形態1のリアクトル1aを説明する。リアクトル1aは、コイル2と磁性コア3とを備える。コイル2は巻回部20を有する。磁性コア3は、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとを有する。更に、リアクトル1aはセンサ6(図2、図3参照)を備える。
実施形態1のリアクトル1aの特徴の一つは、以下の要件(a)、(b)を満たす点にある。
(a)第二エンドコア部35bの比透磁率が第一エンドコア部35aの比透磁率よりも大きい。
(b)図2に示すように、センサ6が第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとの間の中心線よりも第二エンドコア部35b側に配置されている。
リアクトル1aは、センサ6が第二エンドコア部35b側に配置されていることで、センサ6が第一エンドコア部35a側に配置されている場合に比較して、センサ6への漏れ磁束の影響を小さくすることができる。以下、リアクトル1aの構成を詳細に説明する。
<コイル>
コイル2は、図1、図2に示すように、筒状の巻回部20を有する。巻回部20は、巻線が螺旋状に巻回された部分である。巻線は公知の巻線を利用できる。巻線は、導体線と、導体線を覆う絶縁被覆とを有する被覆平角線である。導体線は銅製の平角線である。絶縁被覆はエナメルからなる。本実施形態における巻回部20の数は1つである。巻回部20のターン数は、例えば10ターン以上60ターン以下、更に20ターン以上50ターン以下である。本実施形態では、コイル2は被覆平角線をエッジワイズ巻きすることによって形成されたエッジワイズコイルである。
巻回部20の形状は筒状である。巻回部20の形状は多角筒状でもよいし、円筒状でもよい。多角筒状とは、巻回部20の軸方向から見た端面の輪郭形状が、多角形状であるものをいう。多角形状としては、例えば、四角形状、六角形状、八角形状などがある。四角形状には、矩形状が含まれる。矩形状には、正方形状が含まれる。円筒状とは、上記端面の輪郭形状が、円形状であるものをいう。円形状には、真円形状のみならず、楕円形状も含まれる。本実施形態では、巻回部20の形状が矩形筒状である。
巻回部20は、第一の端面22aと第二の端面22bとを有する。第一の端面22aは、巻回部20の軸方向の一方側の端面である。第二の端面22bは、巻回部20の軸方向の他方側の端面である。
コイル2は端末部21を有する。端末部21は、巻回部20の両端部から巻線が引き出された部分である。端末部21は第一端末部21aと第二端末部21bとを有する。第一端末部21aは、巻回部20の一方の端部から巻回部20の外周側に引き出されている。第二端末部21bは、巻回部20の他方の端部から巻回部20の外周側に引き出されている。第一端末部21a及び第二端末部21bでは、絶縁被覆が剥がされて導体線が露出している。第一端末部21a及び第二端末部21bには、例えば、図示しないバスバが接続される。コイル2は、バスバを介して図示しない外部機器と接続される。外部機器は、コイル2に電力を供給する電源などである。
<磁性コア>
磁性コア3は、図1、図2に示すように、ミドルコア部31と、サイドコア部33と、エンドコア部35とを有する。磁性コア3は、平面視において全体としてθ状に構成される。本実施形態では、磁性コア3は、第一コア3aと第二コア3bとを備える。磁性コア3は、第一コア3aと第二コア3bとが組み合わされて構成される。第一コア3aと第二コア3bとは、巻回部20の軸方向に組み合わされる。図2では、ミドルコア部31とエンドコア部35との境界、及びサイドコア部33とエンドコア部35との境界を二点鎖線で示している。第一コア3aと第二コア3bについては、後述する。
以下の説明では、巻回部20の軸方向に沿った方向をX方向とする。ミドルコア部31とサイドコア部33とが並列される方向をY方向とする。Y方向はX方向に直交する。X方向とY方向の双方に直交する方向をZ方向とする。Z方向において、コイル2の端末部21が位置する側を上側、その反対側を下側とする。上記した平面視とは、リアクトル1aを上側、即ちZ方向から見た状態のことをいう。
磁性コア3の形状は、図2に示すようにZ方向から見て、θ状である。コイル2を通電すると、磁性コア3にはθ状の閉磁路が形成される。この閉磁路は、コイル2によって発生した磁束が、ミドルコア部31から、一方のエンドコア部35、各サイドコア部33、他方のエンドコア部35を通り、ミドルコア部31に戻る閉磁路である。
(エンドコア部)
エンドコア部35は、巻回部20の外側に配置される部分である。エンドコア部35の数は2つである。エンドコア部35は第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとを有する。第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとは、X方向に間隔をあけて配置されている。第一エンドコア部35aはX方向の一方側に位置する。第一エンドコア部35aは、巻回部20の第一の端面22aと向かい合う。第二エンドコア部35bはX方向の他方側に位置する。第二エンドコア部35bは、巻回部20の第二の端面22bと向かい合う。
第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bの各々の形状は、所定の磁路が形成される形状であれば特に限定されない。本実施形態では、第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bの各々の形状が略直方体状である。
(ミドルコア部)
ミドルコア部31は、巻回部20の内側に配置される部分を有する。ミドルコア部31の数は1つである。ミドルコア部31は、磁性コア3のうち、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとの間に挟まれる部分である。ミドルコア部31はX方向に沿って延びている。ミドルコア部31の軸方向は巻回部20の軸方向と一致する。本実施形態では、ミドルコア部31の両端部が巻回部20の両端面から突出している。この突出する部分もミドルコア部31の一部である。
ミドルコア部31におけるX方向の一方側の端部は、第一エンドコア部35aに接続される。ミドルコア部31におけるX方向の他方側の端部は、第二エンドコア部35bに接続される。
ミドルコア部31の形状は、巻回部20の内側形状に対応した形状であれば特に限定されない。本実施形態では、ミドルコア部31の形状が略直方体状である。X方向から見て、ミドルコア部31の外周面の角部は、巻回部20の内周面に沿うように丸められていてもよい。
ミドルコア部31は、X方向に分割されていてもよいし、分割されていなくてもよい。本実施形態では、ミドルコア部31は、X方向に分割されており、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとを有する。第一ミドルコア部31aの端面と第二ミドルコア部31bの端面とは、X方向に向かい合う。第一ミドルコア部31aは、第一エンドコア部35aが配置されるX方向の一方側に位置する。X方向の一方側は、図2では紙面上側である。第一ミドルコア部31aの端部は第一エンドコア部35aに接続される。第二ミドルコア部31bは、第二エンドコア部35bが配置されるX方向の他方側に位置する。X方向の他方側は、図2では紙面下側である。第二ミドルコア部31bの端部は第二エンドコア部35bに接続される。
第一ミドルコア部31a及び第二ミドルコア部31bの各々の長さは、適宜設定すればよい。ここでいう長さは、X方向に沿った長さをいう。本実施形態では、第一ミドルコア部31aが第二ミドルコア部31bよりも長い。実施形態とは異なり、第一ミドルコア部31aが第二ミドルコア部31bよりも短くてもよい。第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとは同じ長さでもよい。
本実施形態では、ミドルコア部31がギャップ部3gを有する。ギャップ部3gは、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとの間に設けられている。ギャップ部3gは、巻回部20の内側に位置する。ギャップ部3gが巻回部20の内側に位置することで、ギャップ部3gが巻回部20の外側に位置する場合に比較して、ギャップ部3gからの漏れ磁束が減少する。そのため、ギャップ部3gからの漏れ磁束に起因する損失を低減することができる。ギャップ部3gのX方向に沿った長さは、所定のインダクタンスが得られるように適宜設定すればよい。ギャップ部3gの長さは、例えば0.1mm以上2mm以下、0.3mm以上1.5mm以下、更に0.5mm以上1mm以下である。ギャップ部3gは、エアギャップでもよい。ギャップ部3gには、樹脂やセラミックスなどの非磁性体が配置されていてもよい。本実施形態とは異なり、ギャップ部3gはなくてもよい。この場合、第一ミドルコア部31aの端面と第二ミドルコア部31bの端面とは互いに接触しており、第一ミドルコア部31aと第二ミドルコア部31bとの間に実質的に隙間がない。
(サイドコア部)
サイドコア部33は、巻回部20の外側に配置される部分である。サイドコア部33の数は2つである。サイドコア部33は第一サイドコア部33aと第二サイドコア部33bとを有する。第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bは、ミドルコア部31を挟むように、並列されている。つまり、第一サイドコア部33aと第二サイドコア部33bとの間に、ミドルコア部31が配置されている。第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々はX方向に延びている。第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々の軸方向は、ミドルコア部31の軸方向と平行である。第一サイドコア部33aと第二サイドコア部33bとは、Y方向に間隔をあけて配置されている。ミドルコア部31、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bは、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとの間をつなぐ。
第一サイドコア部33aは、Y方向の一方側に位置する。第一サイドコア部33aは、巻回部20の外周面のうち、Y方向の一方側の側面と向かい合う。Y方向の一方側は、図2では紙面右側である。第一サイドコア部33aにおけるX方向の一方側の端部は、第一エンドコア部35aに接続される。第一サイドコア部33aにおけるX方向の他方側の端部は、第二エンドコア部35bに接続される。
第二サイドコア部33bは、Y方向の他方側に位置する。第二サイドコア部33bは、巻回部20の外周面のうち、Y方向の他方側の側面と向かい合う。Y方向の他方側は、図2では紙面左側である。第二サイドコア部33bにおけるX方向の一方側の端部は、第一エンドコア部35aに接続される。第二サイドコア部33bにおけるX方向の他方側の端部は、第二エンドコア部35bに接続される。
第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々は、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとをつなぐ長さを有していればよい。第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々の形状は特に限定されない。本実施形態では、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々の形状が略直方体状である。第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々の断面積は、同じであってもよいし、異なってもよい。本実施形態では、第一サイドコア部33aの断面積と第二サイドコア部33bの断面積とが同じである。また、本実施形態では、第一サイドコア部33aの断面積と第二サイドコア部33bの断面積との合計の断面積がミドルコア部31の断面積と同等である。ここでいう断面積は、X方向に直交する断面での面積をいう。
第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの少なくとも一方は、X方向に分割されていてもよいし、分割されていなくてもよい。本実施形態では、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bは分割されていない。
〈第一コア・第二コア〉
第一コア3a及び第二コア3bの各々の形状は、種々の組み合わせから選択できる。本実施形態では、図1、図2に示すように、磁性コア3は、E字状の第一コア3aと、T字状の第二コア3bとを組み合わせたE-T型である。
〈第一コア〉
第一コア3aは、例えば、第一エンドコア部35aと、ミドルコア部31の少なくとも一部と、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々の少なくとも一部とを有する。本実施形態では、図2に示すように、第一コア3aは、第一エンドコア部35aと、ミドルコア部31の一部である第一ミドルコア部31aと、第一サイドコア部33aの全部と、第二サイドコア部33bの全部とを有する。第一エンドコア部35aと、第一ミドルコア部31aと、第一サイドコア部33aと、第二サイドコア部33bとは一体に成形されている。第一コア3aは一体の成形体であるので、第一コア3aを構成する各コア部は同じ材質である。即ち、第一コア3aを構成する各コア部の磁気特性及び機械的特性は実質的に同じである。第一ミドルコア部31aは、第一エンドコア部35aにおけるY方向の中間部から第二ミドルコア部31bに向かってX方向に延びている。第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々は、第一エンドコア部35aのY方向のそれぞれの端部から第二エンドコア部35bに向かってX方向に延びている。第一コア3aの形状は、Z方向から見て、E字状である。
〈第二コア〉
本実施形態では、第二コア3bは、第二エンドコア部35bと、ミドルコア部31の残部である第二ミドルコア部31bを有する。第二コア3bは、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bを含まない。第二エンドコア部35bと、第二ミドルコア部31bとは一体に成形されている。第二コア3bは一体の成形体であるので、第二コア3bを構成する各コア部は同じ材質である。即ち、第二コア3bを構成する各コア部の磁気特性及び機械的特性は実質的に同じである。第二ミドルコア部31bは、第二エンドコア部35bにおけるY方向の中間部から第一ミドルコア部31aに向かってX方向に延びている。第二コア3bの形状は、Z方向から見て、T字状である。
本実施形態では、磁性コア3は、第一コア3aと第二コア3bといった2つのピースで構成されている。つまり、磁性コア3の分割数が2である。磁性コア3の分割数や磁性コア3を分割する位置は特に限定されない。磁性コア3は、3つ以上のピースで構成されていてもよい。例えば、第一エンドコア部35a、第二エンドコア部35b、第一ミドルコア部31a、第二ミドルコア部31b、第一サイドコア部33a、及び第二サイドコア部33bを個別に構成し、これらを組み合わせて磁性コア3を構成してもよい。本実施形態のように、磁性コア3が第一コア3aと第二コア3bとで構成されている場合、組み合わせるコア片の数が2つしかないので、磁性コア3の組み立てが容易である。
(第一エンドコア部の比透磁率と第二エンドコア部の比透磁率との関係)
第二エンドコア部35bの比透磁率が第一エンドコア部35aの比透磁率よりも大きい。つまり、第二コア3bの比透磁率が第一コア3aの比透磁率よりも大きい。第一コア3a及び第二コア3bの各々の比透磁率は、上記関係を満たした上で、所定のインダクタンスが得られるように適宜設定すればよい。第一エンドコア部35aの比透磁率は、例えば5以上50以下である。第一エンドコア部35aの比透磁率は、10以上45以下、更に15以上40以下でもよい。第二エンドコア部35bの比透磁率は、例えば50以上500以下である。第二エンドコア部35bの比透磁率は、100以上500以下が好ましい。第二エンドコア部35bの比透磁率は、100以上450以下、更に150以上400以下でもよい。第二エンドコア部35bの比透磁率が第一エンドコア部35aの比透磁率よりも大きければ、他のコア部の比透磁率は特に問わない。
第二エンドコア部35bの比透磁率と第一エンドコア部35aの比透磁率との差は、例えば50以上である。上記比透磁率の差の上限は、実用上、例えば500程度である。上記比透磁率の差は、50以上500以下、更に100以上400以下でもよい。
比透磁率は、次のようにして求めることができる。第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bのそれぞれからリング状の測定試料を切り出す。各々の測定試料に、一次側:300巻き、二次側:20巻きの巻線を施す。B-H初磁化曲線をH=0(Oe)以上100(Oe)以下の範囲で測定し、このB-H初磁化曲線のB/Hの最大値を求める。この最大値を比透磁率とする。ここでいう磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線のことである。
(エンドコア部の材質)
第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bは、軟磁性材料の成形体で構成されている。成形体としては、例えば、圧粉成形体、複合材料の成形体などが挙げられる。第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとは、互いに異なる材質の成形体で構成されている。互いに異なる材質とは、第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bを構成する各々の成形体において、個々の構成要素の材質が異なる場合は勿論、個々の構成要素の材質が同じであっても、構成要素の含有量が異なる場合も含む。例えば、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとが圧粉成形体で構成されていても、圧粉成形体を構成する軟磁性粉末の材質及び含有量の少なくとも1つが異なれば、互いに異なる材質である。また、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとが複合材料の成形体で構成されていても、複合材料を構成する軟磁性粉末の材質及び含有量の少なくとも1つが異なれば、互いに異なる材質である。
圧粉成形体は、軟磁性粉末を含む原料粉末を圧縮成形してなる。圧粉成形体は、複合材料の成形体に比較して軟磁性粉末の含有量が多い。そのため、圧粉成形体は、複合材料の成形体に比較して磁気特性が高い。磁気特性としては、比透磁率や飽和磁束密度が挙げられる。圧粉成形体は、バインダ樹脂や成形助剤などを含有してもよい。圧粉成形体における軟磁性粉末の含有量は、圧粉成形体を100体積%とするとき、例えば85体積%以上99.99体積%以下である。
複合材料の成形体は、樹脂中に軟磁性粉末が分散されてなる。複合材料の成形体は、未固化の樹脂中に軟磁性粉末を分散させた流動性の素材を金型に充填し、樹脂を固化させることで得られる。複合材料の成形体は、軟磁性粉末の含有量を容易に調整できる。そのため、複合材料の成形体は、磁気特性を調整し易い。複合材料の成形体における軟磁性粉末の含有量は、複合材料を100体積%とするとき、例えば20体積%以上80体積%以下である。
軟磁性粉末を構成する粒子は、軟磁性金属の粒子や、軟磁性金属の粒子の外周に絶縁被覆を備える被覆粒子、軟磁性非金属の粒子などが挙げられる。軟磁性金属は、純鉄や鉄基合金などが挙げられる。鉄基合金としては、例えば、Fe(鉄)-Si(シリコン)合金、Fe-Ni(ニッケル)合金などが挙げられる。絶縁被覆は、リン酸塩などが挙げられる。軟磁性非金属は、フェライトなどが挙げられる。
複合材料の成形体の樹脂は、熱硬化性樹脂でもよいし、熱可塑性樹脂でもよい。熱硬化性樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、液晶ポリマー、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂などが挙げられる。ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9Tなどが挙げられる。その他、複合材料の成形体の樹脂には、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴムなども利用できる。
複合材料の成形体は、軟磁性粉末及び樹脂に加えて、フィラーを含有していてもよい。フィラーは、例えば、アルミナ、シリカなどのセラミックスフィラーが挙げられる。複合材料の成形体がフィラーを含有することで、放熱性を高めることができる。フィラーの含有量は、複合材料の成形体を100体積%とするとき、例えば0.2質量%以上20質量%以下、更に0.3質量%以上15質量%以下、0.5質量%以上10質量%以下が挙げられる。
圧粉成形体や複合材料の成形体における軟磁性粉末の含有量は、成形体の断面における軟磁性粉末の面積割合と等価とみなす。軟磁性粉末の含有量は、次のようにして求める。成形体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して観察画像を取得する。SEMの倍率は、例えば200倍以上500倍以下とする。観察画像の取得数は、10個以上とする。観察画像の総面積は0.1cm以上とする。一断面につき一つの観察画像を取得してもよいし、一断面につき複数の観察画像を取得してもよい。取得した各観察画像を画像処理して軟磁性粉末の粒子の輪郭を抽出する。画像処理としては、例えば二値化処理が挙げられる。各観察画像において軟磁性粉末の粒子の全面積を算出し、各観察画像に占める軟磁性粉末の粒子の面積割合を求める。全ての観察画像における面積割合の平均値を軟磁性粉末の含有量とみなす。
本実施形態では、第一エンドコア部35aを有する第一コア3aが複合材料の成形体であり、第二エンドコア部35bを有する第二コア3bが圧粉成形体である。第一コア3aが複合材料の成形体で構成され、第二コア3bが圧粉成形体で構成されていることで、磁性コア3全体の磁気特性を調整できる。また、第一エンドコア部35aが複合材料の成形体で構成され、第二エンドコア部35bが圧粉成形体で構成されていると、第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bの各々の比透磁率が上記関係を満たし易い。本実施形態では、第一エンドコア部35aの比透磁率が20以上30以下程度であり、第二エンドコア部35bの比透磁率が150以上250以下程度である。第二エンドコア部35bの比透磁率と第一エンドコア部35aの比透磁率との差が120以上230以下程度である。
<センサ>
センサ6は、リアクトル1aの物理量を測定する素子である。ここでいう物理量とは、リアクトル1aの動作時にリアクトル1aの構成部材及びその周囲に生じる各種物理量である。上記構成部材としては、コイル2、磁性コア3などが挙げられる。代表的な物理量としては、電流、温度などが挙げられる。
センサ6としては、例えば、電流センサ、温度センサなどが挙げられる。電流センサは、例えば、ホール素子を用いたホール式電流センサ、シャント抵抗を用いたシャント抵抗式電流センサ、磁気抵抗素子を用いた磁気抵抗式電流センサなどがある。温度センサは、熱電対、サーミスタ、測温抵抗体などがある。本実施形態において、センサ6は電流センサ6aである。電流センサ6aはホール式電流センサである。電流センサ6aは後述する回路基板60に設けられている。
〈回路基板〉
リアクトル1aは、図2に示すように、コイル2に流れる電流を制御する回路基板60を備える。回路基板60は電流センサ6aを備える。本実施形態では、図3に示すように、回路基板60は、リアクトル1aの上方に配置されている。回路基板60は、例えば、リアクトル1aを収納するケースに支持されている。ケースの図示は省略する。回路基板60は、図示しないバスバを介してコイル2の端末部21に接続されている。回路基板60には、図示しない電源からコイル2に供給される電流が流れる。電流センサ6aは、回路基板60に流れる電流を測定することで、コイル2に流れる電流を測定する。コイル2に流れる電流は、コイル2に電流センサを取り付けて、この電流センサによって測定することも可能である。
(センサの位置)
リアクトル1aを平面視したとき、センサ6は、図2に示すように、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとの間の中心線よりも第二エンドコア部35b側に配置されている。つまり、センサ6が第一エンドコア部35aよりも第二エンドコア部35bに近い位置に配置されている。第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとの間の中心線は、平面視において、第一エンドコア部35aと第二エンドコア部35bとの互いに向かい合う部分の間をX方向に二等分する線である。この二等分線は、ミドルコア部31におけるX方向の中心位置を通る。上記二等分線は、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々におけるX方向の中心位置を通る。
リアクトル1aの動作時に磁性コア3から漏れ磁束が発生する。センサ6は磁性コア3からの漏れ磁束の影響を受ける。後述する試験例から明らかなように、磁性コア3の形状がθ状である場合、エンドコア部35、特に、比透磁率が小さい第一エンドコア部35aからの漏れ磁束が多い。よって、比透磁率が大きい第二エンドコア部35bに近づけてセンサを配置することが好ましい。
第二エンドコア部35bからセンサ6までの距離Lsは、例えば50mm以内である。距離Lsは、第二エンドコア部35bとセンサ6との最短距離である。ここでいう最短距離は、三次元直交座標において、第二エンドコア部35bの表面からセンサ6の表面までの直線距離のうち、最も短い距離である。上記距離Lsは、45mm以内、更に40mm以内でもよい。
センサ6への漏れ磁束の影響を小さくする観点から、センサ6は、磁性コア3から漏れる磁束密度の変化幅ΔBが2.0mT以下となる位置に配置されていることが好ましい。ここでいう磁束密度の変化幅ΔBは、リアクトル1aを第一の動作条件で動作させたとき、センサ6の位置における磁束密度の変化幅である。変化幅ΔBは、磁束密度のZ方向成分の最大値と最小値との差とする。変化幅ΔBは1.9mT以下がより好ましい。変化幅ΔBの下限は、例えば0.1mTである。変化幅ΔBは、0.1mT以上2.0mT以下、更に0.2mT以上1.9mT以下でもよい。第一の動作条件は、入力電圧が200V、昇圧後電圧が400V、スイッチング周波数が20kHz、重畳電流が100Aである。
更に、上記磁束密度の最大値Bmaxは6.0mT以下が好ましい。ここでいう磁束密度の最大値Bmaxは、リアクトル1aを第一の動作条件で動作させたとき、センサ6の位置における磁束密度の最大値である。最大値Bmaxは、磁束密度のZ方向成分の最大値とする。最大値Bmaxは5.9mT以下がより好ましい。最大値Bmaxの下限は、例えば0.1mTである。は、最大値Bmaxは、0.1mT以上6.0mT以下、更に0.1mT以上5.9mT以下、0.2mT以上5.8mT以下でもよい。
リアクトル1aを平面視したとき、センサ6は、第二エンドコア部35bと重なる領域に配置されていてもよい。第二エンドコア部35bと重なる領域は、第二エンドコア部35bの上面、及び第二エンドコア部35bの上面の上方の空間を含む。センサ6は、第二エンドコア部35bの上面に配置されていてもよいし、第二エンドコア部35bの上面から離れた上方の空間に配置されていてもよい。また、センサ6は、ミドルコア部31の延長線上の領域に配置されていてもよい。ミドルコア部31の延長線上の領域に配置されているとは、平面視において、ミドルコア部31の両側縁をX方向に延長し、延長した両側縁で挟まれる領域に重なるようにセンサ6が配置されることを意味する。センサ6のZ方向の位置は、磁性コア3のZ方向の寸法の範囲内でもよいし、第二エンドコア部35bの上面よりも上方であってもよい。
<その他>
リアクトル1aは、その他の構成として、樹脂モールド部材4を備える。図1では、樹脂モールド部材4は二点鎖線で示している。図2、図3では、樹脂モールド部材4は省略している。
(樹脂モールド部材)
樹脂モールド部材4は、磁性コア3の外周面の少なくとも一部を覆う。樹脂モールド部材4は、組み合わされた第一コア3aと第二コア3bとを一体化する。また、樹脂モールド部材4は、コイル2と磁性コア3とを一体化する。本実施形態では、樹脂モールド部材4が、巻回部20の内周面とミドルコア部31との間にも充填されている。そのため、樹脂モールド部材4によって、磁性コア3に対してコイル2が位置決めされた状態で保持される。また、樹脂モールド部材4は、コイル2と磁性コア3との間の電気的絶縁を確保する。樹脂モールド部材4を構成する樹脂としては、例えば、上述した複合材料の成形体の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。樹脂モールド部材4は、巻回部20を外周面を覆っていてもよい。樹脂モールド部材4は、巻回部20の上側及び下側の少なくとも一方の面が露出するように形成されていてもよい。
本実施形態では、樹脂モールド部材4の樹脂が、巻回部20の内周面とミドルコア部31との間を通って、ギャップ部3gにも充填されている。ギャップ部3gは、樹脂モールド部材4の樹脂によって構成されている。
(保持部材)
リアクトル1aは、その他の構成として、図示しない保持部材を備えてもよい。保持部材は、巻回部20の第一の端面22aと第一エンドコア部35aとの間、及び、巻回部20の第二の端面22bと第二エンドコア部35bとの間にそれぞれ配置される。保持部材は、コイル2と磁性コア3との相対的な位置を決める。また、保持部材は、コイル2と磁性コア3との間の電気的絶縁を確保する。保持部材は、例えば、上述した複合材料の成形体の樹脂と同様の樹脂で構成することができる。
〔実施形態1の作用効果〕
実施形態1のリアクトル1aは、センサ6への漏れ磁束の影響を小さくすることができる。その理由は、センサ6が第二エンドコア部35b側に配置されているからである。リアクトル1aでは、第二エンドコア部35bの比透磁率が第一エンドコア部35aの比透磁率よりも大きいので、第二エンドコア部35bから漏れる磁束が第一エンドコア部35aから漏れる磁束よりも少ない。したがって、リアクトル1aでは、センサ6が第二エンドコア部35b側に配置されていることで、センサ6が第一エンドコア部35a側に配置されている場合に比較して、センサ6に対する漏れ磁束の影響が小さくなる。センサ6が漏れ磁束の影響を受け難いため、リアクトル1aの物理量を正確に測定し易い。
第一エンドコア部35aの比透磁率が小さいほど、第一エンドコア部35aからの漏れ磁束が増える。そのため、第一エンドコア部35aの比透磁率が5以上50以下である場合は、センサ6を第二エンドコア部35b側に配置するメリットが大きい。更に、第二エンドコア部35bの比透磁率が100以上500以下であれば、第二エンドコア部35bからの漏れ磁束が低減される。よって、センサ6に対する漏れ磁束の影響が効果的に抑えられる。
リアクトル1aを上記第一の動作条件で動作させたとき、漏れ磁束の磁束密度の変化幅ΔBが2.0mT以下となる位置にセンサ6が配置されていることで、センサ6が漏れ磁束の影響を受け難い。更に、漏れ磁束の磁束密度の最大値Bmaxが6.0mT以下となる位置にセンサ6が配置されていれば、センサ6が漏れ磁束の影響をより受け難い。
第二エンドコア部35bからセンサ6までの距離Lsが50mm以内である場合、センサ6をリアクトル1aに近づけて配置することができるので、センサ6のレイアウトの自由度を高めることができる。
センサ6は、第二エンドコア部35bと重なる領域に配置されていてもよい。センサ6が第二エンドコア部35bと重なる領域に配置されている場合、第二エンドコア部35bの上面の上方の空間を有効利用できる。センサ6が第二エンドコア部35bと重ならない領域に配置されている場合に比較して、センサ6を含むリアクトルの1aの平面的な設置スペースが小さくなる。センサ6は、ミドルコア部31の延長線上の領域に配置されていてもよい。この延長線上の領域は、後述する試験例から明らかなように、延長線上の領域よりもY方向にずれた位置に比べて漏れ磁束が生じ易い領域である。但し、延長線上の領域であっても第二エンドコア部35b側であれば、漏れ磁束の影響が比較的小さい。その上、リアクトル1aのY方向におけるバランスの良い位置にセンサ6を配置することができる。
[実施形態2]
図4を参照して、実施形態2のリアクトル1bを説明する。実施形態2のリアクトル1bは、磁性コア3がE-E型である点が、実施形態1のリアクトル1aと相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成は、同じ符号を付して説明を省略する。図4では、実施形態1で説明した樹脂モールド部材4は省略している。
<磁性コア>
磁性コア3は、実施形態1と同様に、第一コア3aと第二コア3bとがX方向に組み合わされることで構成される。磁性コア3の形状は、図4に示すようにZ方向から見て、θ状である。
実施形態2では、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々がX方向に分割されている。第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bはそれぞれ、第一部分331と、第二部分332とを有する。第一部分331はX方向の一方側に位置する。第一部分331の端部は第一エンドコア部35aに接続される。第二部分332はX方向の他方側に位置する。第二部分332の端部は第二エンドコア部35bに接続される。
第一部分331の端面と第二部分332の端面とは互いに接触している。第一部分331及び第二部分332の各々の長さは、適宜設定すればよい。ここでいう長さは、X方向に沿った長さをいう。図4では、第一部分331が第二部分332よりも長い。第一部分331は第二部分332よりも短くてもよい。第一部分331と第二部分332とは同じ長さでもよい。
第一コア3aは、第一エンドコア部35aと、第一ミドルコア部31aと、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々の一部である第一部分331とを有する。第一エンドコア部35aと、第一ミドルコア部31aと、2つの第一部分331とは一体に成形されている。第一部分331の各々は、第一エンドコア部35aのY方向の両端部から第二部分332に向かってX方向に延びている。第一コア3aの形状は、Z方向から見て、E字状である。
第二コア3bは、第二エンドコア部35bと、第二ミドルコア部31bと、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bの各々の残部である第二部分332とを有する。第二エンドコア部35bと、第二ミドルコア部31bと、2つの第二部分332とは一体に成形されている。第二部分332の各々は、第二エンドコア部35bのY方向の両端部から第一部分331に向かってX方向に延びている。第二コア3bの形状は、Z方向から見て、E字状である。
第一エンドコア部35aの比透磁率と第二エンドコア部35bの比透磁率との関係は、実施形態1と同様である。つまり、第二エンドコア部35bの比透磁率が第一エンドコア部35aの比透磁率よりも大きい。また、センサ6が第二エンドコア部35b側に配置されている点も、実施形態1と同様である。
〔実施形態2の作用効果〕
実施形態2のリアクトル1bは、実施形態1のリアクトル1aと同様に、センサ6への漏れ磁束の影響を小さくすることができる。
[実施形態3]
図5を参照して、実施形態3のリアクトル1cを説明する。実施形態3のリアクトル1cは、磁性コア3がE-I型である点が、実施形態1のリアクトル1aと相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成は、同じ符号を付して説明を省略する。図5では、実施形態1で説明した樹脂モールド部材4は省略している。
<磁性コア>
磁性コア3は、実施形態1と同様に、第一コア3aと第二コア3bとがX方向に組み合わされることで構成される。磁性コア3の形状は、図5に示すようにZ方向から見て、θ状である。実施形態3では、実施形態1と異なり、ミドルコア部31がX方向に分割されていない。
第一コア3aは、第一エンドコア部35aと、ミドルコア部31の全部と、第一サイドコア部33aの全部と、第二サイドコア部33bの全部とを有する。第一エンドコア部35aと、ミドルコア部31と、第一サイドコア部33aと、第二サイドコア部33bとは一体に成形されている。ミドルコア部31は、第一エンドコア部35aにおけるY方向の中間部から第二エンドコア部35bに向かってX方向に延びている。ミドルコア部31の端面は、第二エンドコア部35bと接していてもよいし、接していなくてもよい。本実施形態では、ミドルコア部31の端面が第二エンドコア部35bと接している。ミドルコア部31の端面が第二エンドコア部35bと接していない場合、ミドルコア部31と第二エンドコア部35bとの間にギャップ部が形成される。第一コア3aの形状は、Z方向から見て、E字状である。
第二コア3bは、第二エンドコア部35bのみを有する。第二コア3bは、ミドルコア部31、第一サイドコア部33a及び第二サイドコア部33bを含まない。第二コア3bの形状は、Z方向から見て、I字状である。
第一エンドコア部35aの比透磁率と第二エンドコア部35bの比透磁率との関係は、実施形態1と同様である。つまり、第二エンドコア部35bの比透磁率が第一エンドコア部35aの比透磁率よりも大きい。また、センサ6が第二エンドコア部35b側に配置されている点も、実施形態1と同様である。
〔実施形態3の作用効果〕
実施形態3のリアクトル1cは、実施形態1のリアクトル1aと同様に、センサ6への漏れ磁束の影響を小さくすることができる。
[変形例1]
上述した実施形態1から実施形態3のリアクトル1a、1b、1cにおいて、センサ6として温度センサを取り付ける場合、温度センサは、第二コア3bの第二エンドコア部35bに固定することが好ましい。温度センサは、例えば、第二エンドコア部35bの上面に固定することが挙げられる。温度センサが第二エンドコア部35bに固定されていることで、温度センサが第一コア3aの第一エンドコア部35aに固定されている場合に比較して、温度センサに対する漏れ磁束の影響が小さくなる。温度センサが第二エンドコア部35bに固定されている場合、温度センサによって第二エンドコア部35bの温度を測定できる。温度センサは、例えば、接着剤、粘着テープ、半田などによって第二エンドコア部35bに固定することが挙げられる。
[実施形態4]
〔コンバータ・電力変換装置〕
実施形態1から実施形態3のリアクトルは、以下の通電条件を満たす用途に利用できる。通電条件としては、例えば、最大直流電流が100A以上1000A以下程度であり、平均電圧が100V以上1000V以下程度であり、使用周波数が5kHz以上100kHz以下程度であることが挙げられる。実施形態1から実施形態3のリアクトル1a、1b、1cは、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車両などに搭載されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用できる。
ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両1200は、図6に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジン1300を備える。図6では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V以上300V以下程度のメインバッテリ1210の入力電圧を400V以上700V以下程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される入力電圧をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。入力電圧は、直流電圧である。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図7に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトル1115とを備え、ON/OFFの繰り返しにより入力電圧の変換を行う。入力電圧の変換とは、ここでは昇降圧を行う。スイッチング素子1111には、電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどのパワーデバイスが利用される。リアクトル1115は、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。リアクトル1115として、実施形態1から実施形態3のいずれかのリアクトルを備える。実施形態1から実施形態3のいずれかのリアクトルを備えることで、センサによってリアクトルの物理量を正確に測定し易い。
車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、実施形態1から実施形態3のいずれかのリアクトルと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用できる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、実施形態1から実施形態3のいずれかのリアクトルを利用することもできる。
[試験例1]
実施形態1のリアクトル1aについて、リアクトル1aの動作時に磁性コア3から漏れる磁束密度の分布を調べた。
試験例1では、第二エンドコア部35b側における磁束密度の分布と、第一エンドコア部35a側における磁束密度の分布のそれぞれを、CAE(Computer Aided Engineering)により解析した。第二エンドコア部35b側における磁束密度の分布を解析したものを解析例1とする。第一エンドコア部35a側における磁束密度の分布を解析したものを解析例2とする。磁束密度分布の解析には、市販の電磁界解析ソフトウェアである株式会社JSOL製のJMAG-Designer19.0を使用した。試験例1において、磁性コア3の構成は以下のように設定した。
第一コアの比透磁率:25
第二コアの比透磁率:200
第一コアの材質:複合材料の成形体
第二コアの材質:圧粉成形体
リアクトル1aの動作条件は、以下に示す第一の動作条件とした。
入力電圧:200V、
昇圧後電圧:400V
スイッチング周波数:20kHz、
重畳電流:100A
(解析例1)
図8を参照して、第二エンドコア部35b側における磁束密度分布の解析例1について説明する。解析例1では、図8に示す9つの測定点M1からM9の各測定点における磁束密度のZ方向成分を求めた。ここでは、各測定点の位置を、第二エンドコア部35bの基準点P2を基準とした3次元座標で表す。基準点P2のX座標は、第二エンドコア部35bとミドルコア部31との境界上に位置する。即ち、基準点P2のX座標は、第二エンドコア部35bにおける巻回部20の第二の端面22bと向かい合う面と平行な面上に位置する。基準点P2のY座標は、ミドルコア部31の中心を通る軸線上に位置する。基準点P2のZ座標は、第二エンドコア部35bの上面に位置する。第二コア3bの基準点P2の3次元座標を原点(0,0,0)とする。X方向において、基準点P2から第二エンドコア部35bに向かう方向をX座標の正の方向とする。Y方向において、基準点P2からサイドコア部33に向かう方向をY座標の正の方向とする。Z方向において、基準点P2から上方向をZ座標の正の方向とする。この上方向は、図8の紙面手前に向かう方向である。各測定点のX座標、Y座標、Z座標を表1に示す。表1に、各測定点の第二エンドコア部35bからの最短距離Lmも示す。
測定点M1からM9におけるそれぞれの磁束密度の最大値Bmax、及び磁束密度の変化幅ΔBを表2に示す。また、各測定点における磁束密度の時間的推移を図9に示す。図9のグラフにおいて、横軸は時間(s)、縦軸は磁束密度(mT)を示している。図9のグラフでは、測定点M1における磁束密度の値を実線で示す。測定点M2における磁束密度の値を破線で示す。測定点M3における磁束密度の値を一点鎖線で示す。測定点M4における磁束密度の値を細い実線で示す。測定点M5における磁束密度の値を細い破線で示す。測定点M6における磁束密度の値を細い一点鎖線で示す。測定点M7における磁束密度の値を太い実線で示す。測定点M8における磁束密度の値を太い破線で示す。測定点M9における磁束密度の値を太い一点鎖線で示す。
Figure 2023077252000002
Figure 2023077252000003
(解析例2)
図10を参照して、第一エンドコア部35a側における磁束密度分布の解析例2について説明する。解析例2では、図10に示す9つの測定点M11からM19の各測定点における磁束密度のZ方向成分を求めた。ここでは、各測定点の位置を、第一エンドコア部35aの基準点P1を基準とした3次元座標で表す。基準点P1のX座標は、第一エンドコア部35aとミドルコア部31との境界上に位置する。即ち、基準点P1のX座標は、第一エンドコア部35aにおける巻回部20の第一の端面22aと向かい合う面と平行な面上に位置する。基準点P1のY座標は、ミドルコア部31の中心を通る軸線上に位置する。基準点P1のZ座標は、第一エンドコア部35aの上面に位置する。第一コア3aの基準点P1の3次元座標を原点(0,0,0)とする。X方向において、基準点P1から第一エンドコア部35aに向かう方向をX座標の正の方向とする。Y方向において、基準点P1からサイドコア部33に向かう方向をY座標の正の方向とする。Z方向において、基準点P1から上方向をZ座標の正の方向とする。この上方向は、図10の紙面手前に向かう方向である。各測定点のX座標、Y座標、Z座標を表3に示す。表3に、各測定点の第一エンドコア部35aからの最短距離Lmも示す。
測定点M11からM19におけるそれぞれの磁束密度の最大値Bmax、及び磁束密度の変化幅ΔBを表4に示す。また、各測定点における磁束密度の時間的推移を図11に示す。図11のグラフにおいて、横軸は時間(s)、縦軸は磁束密度(mT)を示している。図11のグラフでは、測定点M11における磁束密度の値を実線で示す。測定点M12における磁束密度の値を破線で示す。測定点M13における磁束密度の値を一点鎖線で示す。測定点M14における磁束密度の値を細い実線で示す。測定点M15における磁束密度の値を細い破線で示す。測定点M16における磁束密度の値を細い一点鎖線で示す。測定点M17における磁束密度の値を太い実線で示す。測定点M18における磁束密度の値を太い破線で示す。測定点M19における磁束密度の値を太い一点鎖線で示す。
Figure 2023077252000004
Figure 2023077252000005
解析例1の表2に示すように、測定点M1からM3の各測定点における最大値Bmaxが、測定点M4からM6の各測定点における最大値Bmaxよりも大きい。また、解析例2の表4に示すように、測定点M11からM13の各測定点における最大値Bmaxが、測定点M14からM16の各測定点における最大値Bmaxよりも大きい。この結果から、第一エンドコア部35a及び第二エンドコア部35bのいずれにおいても、ミドルコア部31の延長線上の領域は、延長線上の領域から外れた位置よりも漏れ磁束が多いことが分かる。
解析例1の表2に示すように、測定点M1からM9の全測定点における最大値Bmaxの最大値は、測定点M2における5.86(mT)である。また、全測定点における変化幅ΔBの最大値は、測定点M2における1.79(mT)である。解析例2の表4に示すように、測定点M11からM19の全測定点における最大値Bmaxの最大値は、測定点M11における7.72(mT)である。また、全測定点における変化幅ΔBの最大値は、測定点M11における2.41(mT)である。よって、第二エンドコア部35b側における最大値Bmaxの最大値は、第一エンドコア部35a側における最大値Bmaxの最大値に対して約24%低減されている。また、第二エンドコア部35b側におけるΔBの最大値は、第一エンドコア部35a側におけるΔBの最大値に対して約26%低減されている。この結果から、第二エンドコア部35b側にセンサを配置した場合、第一エンドコア部35a側にセンサを配置する場合に比べて、センサへの漏れ磁束の影響を小さくできることが分かる。
解析例1において、全測定点における変化幅ΔBが2.0mT以下で、かつ、最大値Bmaxの最大値が6.0mT以下である。したがって、測定点M1、M2のように第二エンドコア部35bから近い位置にセンサを配置しても、センサが漏れ磁束の影響を受け難い。センサを第二エンドコア部35bから50mm以内、特に45mm以内の位置に配置することが可能である。第二エンドコア部35b側にセンサを配置した場合、センサをリアクトル1aに近づけて配置することができるので、センサのレイアウトの自由度が高い。これに対し、解析例2では、測定点M11、M12における変化幅ΔBが2.0mT超で、かつ、最大値Bmaxの最大値が6.0mT超である。よって、測定点M11、M12のように第一エンドコア部35aから近い位置にセンサを配置すると、センサが漏れ磁束の影響を受け易い。センサを第一エンドコア部35aから50mm以内、特に45mm以内の位置に配置することができない場合がある。第一エンドコア部35a側にセンサを配置した場合、センサをリアクトル1aに近づけて配置することができない場合があるので、センサのレイアウトの自由度が低い。
[解析例3]
解析例1における測定点M2のZ座標を+2mmずつ上方向に移動させた場合の磁束密度を求めた。測定点M2のZ座標を0mmから16mmまで移動させたときの磁束密度の最大値Bmax及び磁束密度の変化幅ΔBを表5に示す。また、解析例2における測定点M11のZ座標を+2mmずつ上方向に移動させた場合の磁束密度を求めた。測定点M11のZ座標を0mmから16mmまで移動させたときの磁束密度の最大値Bmax及び磁束密度の変化幅ΔBを表6に示す
Figure 2023077252000006
Figure 2023077252000007
表5、表6に示すように、いずれの場合においても、Z座標の移動量が大きくなるほど、最大値Bmax及び変化幅ΔBが減少することが分かる。
[試験例2]
実施形態1のリアクトル1aを実際に動作させたときの漏れ磁束密度を調べた。試験例2では、リアクトル1aを実際に動作させて、第二エンドコア部35b側における磁束密度の分布と、第一エンドコア部35a側における磁束密度の分布のそれぞれをガウスメータを用いて測定した。磁性コア3の構成は試験例1の設定と同じである。
試験例2では、試験例1の解析例1と同じ9つの測定点M1からM9の各測定点における磁束密度のZ方向成分を測定した。測定点M1からM9におけるそれぞれの磁束密度の変化幅ΔBを表7に示す。また、試験例1の解析例2と同じ9つの測定点M11からM19の各測定点における磁束密度のZ方向成分を測定した。測定点M11からM19におけるそれぞれの磁束密度の変化幅ΔBを表8に示す。
Figure 2023077252000008
Figure 2023077252000009
表7、表8に示すように、リアクトル1aを実際に動作させた場合であっても、試験例1の表2、表4に示す解析結果と同じように、第二エンドコア部35b側におけるΔBの最大値は、第一エンドコア部35a側におけるΔBの最大値に対して低減されることが分かる。
1a、1b、1c リアクトル
2 コイル
20 巻回部
21 端末部、21a 第一端末部、21b 第二端末部
22a 第一の端面、22b 第二の端面
3 磁性コア
3a 第一コア、3b 第二コア
31 ミドルコア部
31a 第一ミドルコア部、31b 第二ミドルコア部
33 サイドコア部
33a 第一サイドコア部、33b 第二サイドコア部
331 第一部分、332 第二部分
35 エンドコア部
35a 第一エンドコア部、35b 第二エンドコア部
3g ギャップ部
4 樹脂モールド部材
6 センサ、6a 電流センサ
60 回路基板
Ls 距離
P1、P2 基準点
M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9 測定点
M11、M12、M13、M14、M15、M16、M17、M18、M19 測定点
1100 電力変換装置
1110 コンバータ、1111 スイッチング素子、1112 駆動回路
1115 リアクトル、1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ、1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ、1220 モータ、1230 サブバッテリ
1240 補機類、1250 車輪
1300 エンジン

Claims (13)

  1. コイル及び磁性コアを備えるリアクトルと、
    前記リアクトルの物理量を測定するセンサとを備え、
    前記コイルは、筒状の巻回部を有し、
    前記磁性コアは、第一エンドコア部及び第二エンドコア部と、ミドルコア部と、第一サイドコア部及び第二サイドコア部とを有し、
    前記ミドルコア部は、前記巻回部の内側に配置される部分を有し、
    前記第一サイドコア部及び前記第二サイドコア部は、前記ミドルコア部を挟むように、前記巻回部の外側に並列され、
    前記ミドルコア部、前記第一サイドコア部及び前記第二サイドコア部は、前記第一エンドコア部と前記第二エンドコア部との間をつなぎ、
    前記第二エンドコア部の比透磁率が前記第一エンドコア部の比透磁率よりも大きく、
    前記センサは、前記第一エンドコア部と前記第二エンドコア部との間の中心線よりも前記第二エンドコア部側に配置されている、
    リアクトル。
  2. 前記第一エンドコア部の比透磁率が5以上50以下である、請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記第二エンドコア部の比透磁率が100以上500以下である、請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記第二エンドコア部から前記センサまでの距離が50mm以内である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記センサは、前記リアクトルを第一の動作条件で動作させたとき、前記磁性コアから漏れる磁束密度の変化幅が2.0mT以下となる位置に配置されており、
    前記第一の動作条件は、入力電圧が200V、昇圧後電圧が400V、スイッチング周波数が20kHz、重畳電流が100Aである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 更に、前記磁束密度の最大値が6.0mT以下である、請求項5に記載のリアクトル。
  7. 前記リアクトルを平面視したとき、前記センサが前記第二エンドコア部と重なる領域に配置されている、請求項5又は請求項6に記載のリアクトル。
  8. 前記リアクトルを平面視したとき、前記センサが前記ミドルコア部の延長線上の領域に配置されている、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
  9. 前記コイルに流れる電流を制御する回路基板を備え、
    前記センサは電流センサであり、
    前記電流センサは、前記回路基板に設けられている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のリアクトル。
  10. 前記センサは温度センサであり、
    前記温度センサは、前記第二エンドコア部に固定されている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のリアクトル。
  11. 前記第一エンドコア部は、樹脂中に軟磁性粉末が分散された複合材料の成形体で構成され、
    前記第二エンドコア部は、軟磁性粉末を含む原料粉末の圧粉成形体で構成されている、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のリアクトル。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のリアクトルを備える、
    コンバータ。
  13. 請求項12に記載のコンバータを備える、
    電力変換装置。
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