JP2023075950A - 電池用包装材料、その製造方法、電池用包装材料の巻取体、電池 - Google Patents

電池用包装材料、その製造方法、電池用包装材料の巻取体、電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電池内への水分透過を効果的に抑制することができ、かつ、電池の製造コストの増大を効果的に抑制することが可能な電池用包装材料を提供する。【解決手段】少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成されており、前記金属箔層は、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有しており、前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含む、電池用包装材料。【選択図】なし

Description

本発明は、電池用包装材料、その製造方法、電池用包装材料の巻取体、電池に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていたが、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/金属箔層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなフィルム状の電池用包装材料では、熱融着性樹脂層同士を対向させて周縁部をヒートシールにて熱融着させることにより電池素子を封止できるように形成されている。
このような電池用包装材料は、生産ラインにおいて、一般に、帯状の積層フィルムとして製造され、これをロール状に巻き取った巻取体として保管、輸送などがされる。そして、電池の製造時に、巻取体から電池用包装材料を巻き出し、電池の製品仕様に従った所定の形状となるように裁断して使用される。
特開2008-287971号公報
このような積層フィルムからなる電池用包装材料を用いた電池の安全性向上と長寿命化のためには、電池用包装材料を介した水分透過を極力抑制する必要がある。したがって、一般に、電池用包装材料の製造工程においては、金属箔層のピンホールについて、特に重点を置いて管理・生産されており、金属箔層に所定サイズのピンホールが存在する電池用包装材料については、当該ピンホールが存在する周辺領域を一律に除去して製品化されている。
ところが、金属箔層のピンホール部分の除去により、電池用包装材料の製造の歩留まりが低下し、電池の製造コストが増大するという問題がある。また、例えば固体電解質のように電池の水分管理が厳しくなると、ピンホール検査もより煩雑になり、検査コストがかかるという問題もある。
また、金属箔の製造工程の工夫により、ピンホールを極力排除した金属箔も生産されているが、そのような金属箔は高価であるため、この場合も、電池の製造コストが増大するという問題を解消できていない。
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明は、電池内への水分透過を効果的に抑制することができ、かつ、電池の製造コストの増大を効果的に抑制することができる、電池用包装材料を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成された電池用包装材料であって、1つの電池に使用される電池用包装材料の面積当たり、金属箔層は、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有しており、前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含む電池用包装材料は、電池内への水分透過を効果的に抑制することができ、かつ、電池の製造コストの増大を効果的に抑制することができることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成された電池用包装材料であって、
1つの電池に使用される前記電池用包装材料の面積当たり、前記金属箔層は、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有しており、
前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、
前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含む、電池用包装材料。
項2. 前記ガスバリア層が、樹脂フィルム層をさらに含む、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記薄膜層が、アルミニウムまたはシリカにより構成されている、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成された電池用包装材料の巻取体であって、
前記巻取体の前記金属箔層は、面積2500mm2の区画を設定した場合に、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールが存在する区画が少なくとも1つ存在しており、
前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、
前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含む、電池用包装材料の巻取体。
項5. 少なくとも正極、負極、及び電解質が、項1~3のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
項6. 少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とがこの順となるように積層する工程を備える電池用包装材料の製造方法であって、
前記金属箔層として、1つの電池に使用される前記電池用包装材料の面積当たり、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有するものを用い、
前記積層体の前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに積層する工程を備えており、
前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含む、電池用包装材料の製造方法。
項7. 電池用包装材料の金属箔層に用いるためのアルミニウム合金箔であって、
前記電池用包装材料は、少なくとも、基材層と、前記金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成されており、
前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、
前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含み、
前記アルミニウム合金箔は、1つの電池に使用される前記電池用包装材料の面積当たり、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有している、電池用包装材料用アルミニウム合金箔。
本発明によれば、電池内への水分透過を効果的に抑制することができ、かつ、電池の製造コストの増大を効果的に抑制することが可能な電池用包装材料を提供することができる。また、本発明によれば、当該電池用包装材料の製造方法、当該電池用包装材料の巻取体、電池用包装材料を用いた電池を提供することもできる。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成された電池用包装材料であって、1つの電池に使用される電池用包装材料の面積当たり、金属箔層は、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有しており、前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含むことを特徴とする。本発明の電池用包装材料においては、このような構成を備えていることにより、電池内への水分透過を効果的に抑制することができ、かつ、金属箔層としてピンホールのない高価な金属箔を用いる必要がないため、電池の製造コストの増大を効果的に抑制することができる。さらに、本発明の電池用包装材料は、内側からの電解液の拡散、漏洩を防止し得る。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
なお、本明細書において、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
1.電池用包装材料の積層構造
本発明の電池用包装材料10は、例えば図1に示すように、少なくとも、基材層1、金属箔層3、及び熱融着性樹脂層4をこの順に備える積層体から構成されている。本発明の電池用包装材料10において、基材層1が最外層側になり、熱融着性樹脂層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置する熱融着性樹脂層4同士が熱融着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
図1~図6に示されるように、本発明の電池用包装材料10を構成する積層体は、熱融着性樹脂層4の基材層1側に、少なくとも1層のガスバリア層6をさらに備えている。後述の通り、ガスバリア層6は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された薄膜層61を含んでいる。ガスバリア層6は、薄膜層61のみにより構成されていてもよいし、樹脂フィルム層62をさらに含んでいてもよい。図1~図3には、ガスバリア層6が薄膜層61のみより構成されている例を示している。また、図4~図6には、ガスバリア層6が薄膜層61と樹脂フィルム層62との積層体により構成されている例を示している。
本発明の電池用包装材料10において、ガスバリア層6が積層されている位置は、熱融着性樹脂層4の表面側(すなわち、積層体の基材層1とは反対側の表面)でなければ、特に制限されない。ガスバリア層6は、例えば、基材層1と金属箔層3との間、金属箔層3と熱融着性樹脂層4との間、基材層1と接着剤層2との間、接着剤層2と金属箔層3との間、金属箔層3と接着層5との間、接着層5と熱融着性樹脂層4との間、表面被覆層と基材層1との間、積層体の基材層1側の表面などのうち、少なくとも1箇所以上に設けることができる。ガスバリア層6は、複数積層されていてもよい。ガスバリア層6を複数積層する場合、複数のガスバリア層6は、互いに隣接するように積層(例えば、基材層1と金属箔層3との間にガスバリア層6を2層積層)してもよいし、異なる位置に積層(例えば、基材層1と金属箔層3との間にガスバリア層6を備え、さらに金属箔層3と熱融着性樹脂層4との間にガスバリア層6を備える)してもよい。
図1,4,6には、ガスバリア層6が基材層1と金属箔層3との間に設けられている態様を示している。より具体的には、図1には、基材層1と接着剤層2との間に、薄膜層61からなるガスバリア層6が設けられている態様を例示している。また、図4には、基材層1と接着剤層2との間に、薄膜層61及び樹脂フィルム層62からなるガスバリア層6が設けられている態様を示している。また、図6には、基材層1と金属箔層3との間に、薄膜層61及び樹脂フィルム層62からなるガスバリア層6が設けられている態様を示している。なお、本発明の電池用包装材料10においては、ガスバリア層6が各層間を接着する接着層5を兼ねていてもよい。
また、例えば、図2,5には、ガスバリア層6が金属箔層3と熱融着性樹脂層4との間に設けられている態様を例示している。より具体的には、図2には、接着層5と熱融着性樹脂層4との間に、薄膜層61からなるガスバリア層6が設けられている態様を示している。また、図5には、接着層5と熱融着性樹脂層4との間に、薄膜層61及び樹脂フィルム層62からなるガスバリア層6が設けられている態様を示している。
さらに、例えば、図3には、ガスバリア層6が、電池用包装材料10を構成する積層体の基材層1側の表面に設けられている態様を示している。より具体的には、図3には、基材層1の表面に、薄膜層61からなるガスバリア層6が設けられている態様を示している。
本発明の電池用包装材料10は、例えば図1~図5に示すように、基材層1と金属箔層3との間に、接着剤層2を備えていてもよい。また、図2,5に示すように、金属箔層3と熱融着性樹脂層4との間に、接着層5を備えていてもよい。さらに、図示を省略するが、基材層1の外側(熱融着性樹脂層4とは反対側)には、必要に応じて表面被覆層を備えていてもよい。また、図示を省略するが、例えば図4の基材層1と樹脂フィルム層62との間や、例えば図6の基材層1と薄膜層61との間には、必要に応じて、それぞれ接着剤層2を設けてもよい。
本発明の電池用包装材料10を構成する積層体の厚さとしては、特に制限されないが、電池用包装材料10の厚さを薄くして電池のエネルギー密度を高めつつ、成形性に優れた電池用包装材料10とする観点からは、例えば約180μm以下、好ましくは約150μm以下、より好ましくは60~180μm程度、さらに好ましくは60~150μm程度が挙げられる。
後述の通り、本発明の電池用包装材料10は、例えば巻取体の形態として、保管・流通させ、電池の製造時に所望のサイズに裁断して利用することができる。
本発明の電池用包装材料の1m2当たりの水蒸気透過率としては、好ましくは約1.1×10-3g/m2/24h以下、より好ましくは約8.0×10-4g/m2/24h以下、さらに好ましくは約5.2×10-4g/m2/24h以下が挙げられる。なお、当該合計水蒸気透過量の下限は、例えば、約9.7×10-6g/m2/24h、約9.7×10-7g/m2/24h、約9.7×10-8g/m2/24hなどが挙げられる。当該水蒸気透過率の測定方法は、以下の通りである。
<1m2当たりの水蒸気透過率の測定>
電池用包装材料の1m2(片面の面積)当たりの水蒸気透過率(g/m2/24h)を以下の方法で測定する。ISO15106-5 2008年の規定に準拠した方法を採用し、温度40℃、相対湿度90%、測定期間24時間、測定面積8cmφの測定条件において、アルミニウム合金箔の測定面積内にピンホールが存在するようにサンプルを設置し、差圧法による水蒸気透過率測定装置を用いて測定する。1m2当たりの水蒸気透過率は、ISOの水蒸気透過率測定方法によりm2換算された数値である。
本発明の電池用包装材料のピンホール箇所の1日(24時間)当たりの合計水蒸気透過量としては、好ましくは約5.5×10-6g/24h以下、より好ましくは約4.1×10-6g/24h以下、さらに好ましくは約2.7×10-6g/24h以下が挙げられる。なお、当該合計水蒸気透過量の下限は、例えば、約5.0×10-8g/24h、約5.0×10-9g/24h、約5.0×10-10g/24hなどが挙げられる。当該合計水蒸気透過量の測定方法は、以下の通りである。
<ピンホール箇所の合計水蒸気透過量>
後述の実施例の方法で測定される電池用包装材料の1m2当たりの水蒸気透過率の値を用いて、ピンホール箇所の1日(24時間)の合計水蒸気透過量を算出する。ピンホール箇所の合計水蒸気透過量は、ピンホールが存在する箇所の合計水蒸気透過量(ただし、ピンホール箇所以外はゼロとする)である。より具体的には、実施例に記載の方法を採用する。
2.電池用包装材料を形成する各層
[ガスバリア層6]
ガスバリア層6は、所定の大きさのピンホールを金属箔層に備える本発明の電池用包装材料10において、電池内への水分透過を抑制するために、設けられる層である。本発明の電池用包装材料10において、ガスバリア層6が積層されている位置は、熱融着性樹脂層4の表面側(すなわち、積層体の基材層1とは反対側の表面)でなければ、特に制限されず、ガスバリア層6が設けられる位置の具体例は、前述のとおりである。
また、前述の通り、ガスバリア層6は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された薄膜層61を含む。薄膜層61は、単層であってもよいし、多層であってもよい。例えば、薄膜層61は、有機材料により構成された層と、無機材料により構成された層との積層体であってもよい。また、ガスバリア層6は、薄膜層61のみにより構成されていてもよいし、樹脂フィルム層62をさらに含んでいてもよい。
薄膜層61において、無機材料としては、水分透過を抑制する機能を発揮するものであれば、特に制限されず、例えば、アルミニウム、ステンレス、チタンなどの金属;酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マンガンなどの無機酸化物などの炭素含有無機酸化物が挙げられる。薄膜層61は、これら金属、無機酸化物、または炭素含有無機酸化物の蒸着膜であることが好ましく、特に、アルミニウムの蒸着膜であることが好ましい。蒸着膜を構成する成分は、1種類のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
また、薄膜層61において、有機材料としては、水分透過を抑制する機能を発揮するものであれば、特に制限されず、例えば、ポリアクリル酸、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。薄膜層61を構成する有機材料は、1種類のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
また、薄膜層61において、有機と無機の複合材料としては、水分透過を抑制する機能を発揮するものであれば、特に制限されず、例えば、無機成分としてのシリカと、有機成分としての樹脂との複合材料などが挙げられる。無機成分と有機成分の複合材料としては、例えば、ゾルゲル法を採用して形成されるものが公知であり、具体例としては、シリカとポリビニルアルコールとの複合材料(ポリビニルアルコール(PVA)中にシリカが均一に分散したもの)が挙げられる。ゾルゲル法において、有機成分としては、PVAの他、カルボキシル基、アセトアセチル基などで変性したPVAを用いることができ、無機成分としては、ケイ素アルコキシド(テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシランなど)を用いることができる。有機と無機の複合材料においては、有機材料中に無機材料が均一に分散して薄膜層61を構成している。薄膜層61を構成する有機と無機の複合材料は、1種類のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
本発明においては、例えば基材層1と接着剤層2との間に、薄膜層61を含むガスバリア層6が設けられていることにより、基材層1と金属箔層3との接着強度を向上させることができ、基材層1と金属箔層3とを接着している接着剤層2の選定も容易となる。すなわち、一般に、樹脂により構成されている基材層1と、金属により構成されている金属箔層3との接着は、異種素材間の接着であるため、これらの層間の接着強度を高める接着剤層2の選択には制約がある。これに対して、例えば金属などの無機材料により構成された薄膜層61が基材層1と接着剤層2との間に設けられている場合、接着剤層2は、無機材料により構成された薄膜層61と、金属箔層3との間を接着することになり、同種素材間の接着となるため、接着強度が向上し、接着剤層2を形成する接着剤の選定も容易となる。
薄膜層61の厚さとしては、5μm以下であることが好ましく、水分透過を抑制する機能を発揮する観点から、下限値としては、好ましくは約0.01μm以上、より好ましくは約0.02μm以上が挙げられ、上限値としては、好ましくは約3μm以下、より好ましくは約1μm以下が挙げられる。薄膜層61の厚さの好ましい範囲としては、0.01~5μm程度、0.01~3μm程度、0.01~1μm程度、0.02~5μm程度、0.03~5μm程度、0.02~1μm程度が挙げられる。薄膜層61の厚さを5μm以下とすることにより、電池用包装材料10のガスバリア性を維持しつつ、電池用包装材料10の厚みが増大することを抑制することができ、また、コストを削減でき、成形をする場合には厚膜化によるクラックの可能性も削減できる。
樹脂フィルム層62は、必要に応じて薄膜層61と共にガスバリア層6を形成するために設けられる層である。樹脂フィルム層62は、基材層1と熱融着性樹脂層4との間に設けられる。例えば、薄膜層61は、厚みが5μm以下である場合には、それ単体では取り扱うことが困難であるが、樹脂フィルム層62の表面に薄膜層61を積層した積層フィルムをガスバリア層6として予め準備しておき、後述の基材層1、金属箔層3、及び熱融着性樹脂層4などと積層することにより、簡便に本発明の電池用包装材料10を製造することができる。
また、例えば、薄膜層61を基材層1の表面に形成する場合であれば、基材層1の表面に薄膜層61を積層したものを予め準備しておき、これを後述の金属箔層3、及び熱融着性樹脂層4などと積層することによっても、簡便に本発明の電池用包装材料10を製造することができる。このような場合であれば樹脂フィルム層62は特に不要である。
樹脂フィルム層62を形成する素材としては、特に制限されず、例えば、後述の基材層1で例示した樹脂フィルムが挙げられ、好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステルなどが挙げられる。また、ポリアミド樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6とナイロン66との共重合体、ナイロン6,10、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などが挙げられる。
ガスバリア層6において、薄膜層61は単層であってもよいし、複層であってもよい。薄膜層61が複層である場合、ガスバリア層6の構成としては、例えば、薄膜層61/薄膜層61/樹脂フィルム層62が順に積層された積層構成、薄膜層61/樹脂フィルム層62/薄膜層61/樹脂フィルム層62が順に積層された積層構成などが挙げられる。
樹脂フィルム層62の厚みとしては、特に制限されないが、薄膜層61を樹脂フィルム層62の上に積層した積層フィルムをガスバリア層6として、他の層と好適に積層する観点からは、好ましくは5~50μm程度、より好ましくは10~30μm程度が挙げられる。
ガスバリア層6の全体の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは0.01~50μm程度、より好ましくは0.02~30μm程度が挙げられる。
ガスバリア層6の水蒸気透過率としては、好ましくは約10g/m2・24h以下、より好ましくは約5g/m2・24h以下、さらに好ましくは約2g/m2・24h以下が挙げられる。なお、ガスバリア層6の水蒸気透過率の好ましい下限値は、1.0×10-10g/m2・24hである。さらに具体的には、本発明の電池用包装材料10においては、電池用包装材料10の1m2に存在するピンホール面積が1万μm2以下である場合には、ガスバリア層6の水蒸気透過率としては、好ましくは約10g/m2・24h以下、より好ましくは約5g/m2・24h以下、さらに好ましくは約2g/m2・24h以下が挙げられる。また、電池用包装材料10の1m2に存在するピンホール面積が1万μm2超10万μm2以下である場合には、ガスバリア層6の水蒸気透過率としては、好ましくは約2g/m2・24h以下、より好ましくは約1.5g/m2・24h以下、さらに好ましくは約1g/m2・24h以下が挙げられる。また、電池用包装材料10の1m2に存在するピンホール面積が10万μm2超50万μm2以下である場合には、ガスバリア層6の水蒸気透過率としては、好ましくは約0.5g/m2・24h以下、より好ましくは約0.3g/m2・24h以下、さらに好ましくは約0.2g/m2・24h以下が挙げられる。さらに、電池用包装材料10の1m2に存在するピンホール面積が50万μm2超100万μm2以下である場合には、ガスバリア層6の水蒸気透過率としては、好ましくは約0.2g/m2・24h以下、より好ましくは約0.1g/m2・24h以下、さらに好ましくは約0.08g/m2・24h以下が挙げられる。なお、ガスバリア層6の水蒸気透過率の好ましい下限値は、1.0×10-10g/m2・24hである。電池用包装材料10の水蒸気透過率は、以下の方法により測定された値である。ガスバリア層6の水蒸気透過率は、以下の方法により測定された値である。
<ガスバリア層の1m2当たりの水蒸気透過率の測定>
ガスバリア層の1m2(片面の面積)当たりの水蒸気透過率(g/m2/24h)は、ISO15106-5 2008年の規定に準拠した方法を採用し、温度40℃、相対湿度90%、測定期間24時間、測定面積8cmφの測定条件において、差圧法による水蒸気透過率測定装置(株式会社テクノ・アイ製の商品名DELTAPERM)を用いて測定する。1m2当たりの水蒸気透過率は、ISOの水蒸気透過率測定方法によりm2換算された数値である。
[基材層1]
本発明の電池用包装材料10において、基材層1は最外層側に位置する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート及びこれらの混合物や共重合物などの樹脂フィルムが挙げられる。これらの中でも、好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられ、より好ましくは2軸延伸ポリエステル樹脂、2軸延伸ポリアミド樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステルなどが挙げられる。また、ポリアミド樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6とナイロン66との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などが挙げられる。
基材層1は、1層の樹脂フィルムから形成されていてもよいが、耐ピンホール性や絶縁性を向上させるために、2層以上の樹脂フィルムで形成されていてもよい。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造、ナイロンフィルムを複数積層させた多層構造、ポリエステルフィルムを複数積層させた多層構造などが挙げられる。基材層1が多層構造である場合、2軸延伸ナイロンフィルムと2軸延伸ポリエステルフィルムの積層体、2軸延伸ナイロンフィルムを複数積層させた積層体、2軸延伸ポリエステルフィルムを複数積層させた積層体が好ましい。例えば、基材層1を2層の樹脂フィルムから形成する場合、ポリエステル樹脂とポリエステル樹脂を積層する構成、ポリアミド樹脂とポリアミド樹脂を積層する構成、又はポリエステル樹脂とポリアミド樹脂を積層する構成にすることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを積層する構成、ナイロンとナイロンを積層する構成、又はポリエチレンテレフタレートとナイロンを積層する構成にすることがより好ましい。また、ポリエステル樹脂は、例えば電解液が表面に付着した際に変色し難いことなどから、当該積層構成においては、ポリエステル樹脂が最外層に位置するように基材層1を積層することが好ましい。基材層1を多層構造とする場合、各層の厚さとして、好ましくは2~25μm程度が挙げられる。
基材層1を多層の樹脂フィルムで形成する場合、2以上の樹脂フィルムは、接着剤又は接着性樹脂などの接着成分を介して積層させればよく、使用される接着成分の種類や量などについては、後述する接着剤層2の場合と同様である。なお、2層以上の樹脂フィルムを積層させる方法としては、特に制限されず、公知方法が採用でき、例えばドライラミネート法、サンドイッチラミネート法などが挙げられ、好ましくはドライラミネート法が挙げられる。ドライラミネート法により積層させる場合には、接着層としてウレタン系接着剤を用いることが好ましい。このとき、接着層の厚さとしては、例えば1~5μm程度が挙げられる。
本発明において、電池用包装材料10の成形性を高める観点からは、基材層1の表面には、滑剤が付着していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。アミド系滑剤の具体例としては、後述の熱融着性樹脂層4で例示したものと同じものが挙げられる。
基材層1の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、温度24℃、相対湿度60%の環境において、好ましくは約3mg/m2以上、より好ましくは4~15mg/m2程度、さらに好ましくは5~14mg/m2程度が挙げられる。
基材層1の中には、滑剤が含まれていてもよい。また、基材層1の表面に存在する滑剤は、基材層1を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、基材層1の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
基材層1の厚さについては、基材としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、3~50μm程度、好ましくは10~35μm程度が挙げられる。
[接着剤層2]
本発明の電池用包装材料10において、接着剤層2は、基材層1と金属箔層3、基材層1とガスバリア層6、ガスバリア層6と金属箔層3、又はガスバリア層6と熱融着性樹脂層4を強固に接着させるために、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。
接着剤層2は、基材層1と金属箔層3、基材層1とガスバリア層6、又はガスバリア層6と金属箔層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。さらに、接着剤層2の形成に使用される接着剤についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型などのいずれであってもよい。
接着剤層2の形成に使用できる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエーテル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴムなどのゴム;シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの接着成分となる樹脂は適切な硬化剤を併用して接着強度を高めることができる。前記硬化剤は、接着成分の持つ官能基に応じて、ポリイソシアネート、多官能エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有ポリマー、ポリアミン樹脂、酸無水物などから適切なものを選択することができる。これらの接着成分と硬化剤として、好ましくは各種ポリオールとポリイソシアネートから成るポリウレタン系接着剤が挙げられる。さらに好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを主剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型のポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着剤層2には、顔料などの着色剤が含まれていてもよい。
接着剤層2の厚さについては、接着する層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、1~10μm程度、好ましくは2~5μm程度が挙げられる。
[金属箔層3]
電池用包装材料10において、金属箔層3は、電池用包装材料10の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止する機能を有する層である。金属箔層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン鋼などが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。電池用包装材料10の製造時に、金属箔層3にしわやピンホールが発生することを抑制する観点からは、金属箔層3は、アルミニウム合金箔又はステンレス鋼箔により形成することがさらに好ましい。
アルミニウム合金箔としては、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、JIS H4160:1994 A8079H-O、JIS H4000:2014 A8021P-O、JIS H4000:2014 A8079P-O)など軟質アルミニウム合金箔により形成することがより好ましい。
また、ステンレス鋼箔としては、オーステナイト系のステンレス鋼箔、フェライト系のステンレス鋼箔などが挙げられる。ステンレス鋼箔は、オーステナイト系のステンレス鋼により構成されていることが好ましい。
ステンレス鋼箔を構成するオーステナイト系のステンレス鋼の具体例としては、SUS304、SUS301、SUS316Lなどが挙げられ、これら中でも、SUS304が特に好ましい。
前述の通り、電池用包装材料10を用いた電池の安全性向上と長寿命化のためには、電池用包装材料10を介した水分透過を極力抑制する必要があるため、一般に、電池用包装材料10の製造工程においては、金属箔層3のピンホールについて、特に重点を置いて管理・生産されており、金属箔層3に所定サイズのピンホールが存在する電池用包装材料10については、当該ピンホールが存在する周辺領域を一律に除去して製品化されている。
これに対して、本発明の電池用包装材料10において、1つの電池に使用される電池用包装材料10の面積当たり、金属箔層3は、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有していることを特徴としている。すなわち、本発明の電池用包装材料10においては、厚み5μm以下の前述の薄膜層61を含むガスバリア層6が設けられているため、上記の合計面積のピンホールの周囲を金属箔層3から一律に除去しなくても、電池内への水分透過を抑制しつつ、電池の製造コストの増大を効果的に抑制することができる。
本発明の電池用包装材料10において、1つの電池に使用される電池用包装材料10の面積としては、特に制限されず、電池の用途に応じて適宜設計される。例えば、車載用電池とモバイル用電池とを比較すると、車載用電池は、モバイル用電池に比して、電池のサイズが大きいため、電池用包装材料10の当該面積も大きくなる。当該面積の下限としては、例えば、10cm2以上、30cm2以上、100cm2以上、500cm2以上、800cm2以上などが挙げられ、上限としては、2000cm2以下、1500cm2以下、1200cm2以下などが挙げられる。また、当該面積の範囲としては、例えば、10~2000cm2程度、10~1500cm2程度、10~1200cm2程度、30~2000cm2程度、30~1500cm2程度、30~1200cm2程度、100~2000cm2程度、100~1500cm2程度、100~1200cm2程度、500~2000cm2程度、500~1500cm2程度、500~1200cm2程度、800~2000cm2程度、800~1500cm2程度、800~1200cm2程度が挙げられる。なお、本発明の電池用包装材料10が用いられる電池は、少なくとも正極、負極、及び電解質が、本発明の電池用包装材料10により形成された包装体中に収容されたものであり、電池の両面を本発明の電池用包装材料10で形成することができる。
また、電池の典型的なサイズ(縦×横)としては、例えば、50mm×50mm、50mm×70mm、100mm×150mm、200mm×250mm、250mm×250mm等が挙げられる。
金属箔層3のピンホールの合計面積の下限値は、電池の製造コストを低減できれば特に制限されず、例えば80μm2以上であってもよく、100μm2以上であってもよく、1000μm2以上であってもよい。また、金属箔層3のピンホールの合計面積の上限値は、電池内への水分透過を効果的に抑制することができれば特に制限されず、好ましくは5.0×105μm2以下、より好ましくは3.0×105μm2以下、さらに好ましくは1.0×105μm2以下が挙げられる。電池内への水分透過の抑制と、電池の製造コスト増大を好適に両立する観点からは、金属箔層3のピンホールの合計面積の好ましい範囲としては、好ましくは、80~5.0×105μm2程度、80~3.0×105μm2程度、80~1.0×105μm2程度、100~5.0×105μm2程度、100~3.0×105μm2程度、100~1.0×105μm2程度、1000~5.0×105μm2程度、1000~3.0×105μm2程度、1000~1.0×105μm2程度が挙げられる。
ピンホールの数は、合計面積が1.0×106μm2以下であれば、特に限定されず、1個でも2個以上でもよい。電池内への水分透過は、ピンホールの数ではなく、ピンホールの合計面積によって変化するためである。ピンホールの数は、例えば、1個から5個が挙げられる。
なお、本発明において、金属箔層3のピンホールの位置及び面積は、光学式ピンホール検査装置を用いて測定されるものであり、例えば浜松ホトニクス社製の光学式ピンホール検査ユニットC12190を用いて測定することができる。また、所定範囲(すなわち、前述の1つの電池に使用される電池用包装材料10の面積)におけるピンホールの合計面積は、光学式ピンホール検査装置を用いて、所定範囲のピンホールを検査し、当該所定範囲に含まれるピンホールの面積を合算して得られる値である。
金属箔層3の厚さは、水蒸気などのバリア層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、電池用包装材料10の厚さを薄くする観点からは、上限としては、好ましくは約100μm以下、より好ましくは約80μm以下が挙げられ、下限としては、好ましくは約10μm以上が挙げられ、当該厚みの範囲としては、好ましくは、10~100μm程度、10~80μm程度が挙げられる。この厚さは、バリア層がアルミニウム合金箔により構成されている場合に、特に適している。なお、金属箔層3がステンレス鋼箔により構成されている場合、ステンレス鋼箔の厚みとしては、好ましくは約85μm以下、より好ましくは約50μm以下、さらに好ましくは約40μm以下、さらに好ましくは約30μm以下、特に好ましくは約25μm以下が挙げられ、下限としては、約10μm以上が挙げられ、好ましい厚みの範囲としては、10~85μm程度、10~50μm程度、より好ましくは10~40μm程度、より好ましくは10~30μm程度、さらに好ましくは15~25μm程度が挙げられる。
また、金属箔層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属箔層3の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。本発明の金属箔層3の表面に耐酸性皮膜が形成されている場合、金属箔層3には耐酸性皮膜が含まれる。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム化合物を用いたクロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸処理;下記一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。なお、当該アミノ化フェノール重合体において、下記一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の任意の組み合わせであってもよい。
Figure 2023075950000001
Figure 2023075950000002
Figure 2023075950000003
Figure 2023075950000004
一般式(1)~(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基又はベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一又は異なって、ヒドロキシ基、アルキル基、又はヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)~(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などの炭素数1~4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1~4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)~(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)~(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシ基又はヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500~100万程度であることが好ましく、1000~2万程度であることがより好ましい。
また、金属箔層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属箔層3の表面に耐酸性皮膜を形成する方法が挙げられる。また、耐酸性皮膜の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミン又はその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、耐酸性皮膜を具体的に設ける方法としては、たとえば、一つの例として、少なくともアルミニウム合金箔の内層側の面を、まず、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法などの周知の処理方法で脱脂処理を行い、その後脱脂処理面にリン酸クロム塩、リン酸チタン塩、リン酸ジルコニウム塩、リン酸亜鉛塩などのリン酸金属塩及びこれらの金属塩の混合体を主成分とする処理液(水溶液)、あるいは、リン酸非金属塩及びこれらの非金属塩の混合体を主成分とする処理液(水溶液)、あるいは、これらとアクリル系樹脂ないしフェノール系樹脂ないしウレタン系樹脂などの水系合成樹脂との混合物からなる処理液(水溶液)をロールコート法、グラビア印刷法、浸漬法などの周知の塗工法で塗工することにより、耐酸性皮膜を形成することができる。たとえば、リン酸クロム塩系処理液で処理した場合は、リン酸クロム、リン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、フッ化アルミニウムなどからなる耐酸性皮膜となり、リン酸亜鉛塩系処理液で処理した場合は、リン酸亜鉛水和物、リン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、フッ化アルミニウムなどからなる耐酸性皮膜となる。
また、耐酸性皮膜を設ける具体的方法の他の例としては、たとえば、少なくともアルミニウム合金箔の内層側の面を、まず、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法などの周知の処理方法で脱脂処理を行い、その後脱脂処理面に周知の陽極酸化処理を施すことにより、耐酸性皮膜を形成することができる。
また、耐酸性皮膜の他の一例としては、リン酸塩系、クロム酸系の皮膜が挙げられる。リン酸塩系としては、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸マンガン、リン酸カルシウム、リン酸クロムなどが挙げられ、クロム酸系としては、クロム酸クロムなどが挙げられる。
また、耐酸性皮膜の他の一例としては、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物などの耐酸性皮膜を形成することによって、エンボス成形時のアルミニウムと基材層1との間のデラミネーション防止、電解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、特にアルミニウムの表面に存在する酸化アルミニウムが溶解、腐食することを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着性(濡れ性)を向上させ、ヒートシール時の基材層1とアルミニウムとのデラミネーション防止、エンボスタイプにおいてはプレス成形時の基材層1とアルミニウムとのデラミネーション防止の効果を示す。耐酸性皮膜を形成する物質のなかでも、フェノール樹脂、フッ化クロム(III)化合物、リン酸の3成分から構成された水溶液をアルミニウム表面に塗布し、乾燥焼付けの処理が良好である。
また、耐酸性皮膜は、酸化セリウムと、リン酸又はリン酸塩と、アニオン性ポリマーと、該アニオン性ポリマーを架橋させる架橋剤とを有する層を含み、前記リン酸又はリン酸塩が、前記酸化セリウム100質量部に対して、1~100質量部程度配合されていてもよい。耐酸性皮膜が、カチオン性ポリマー及び該カチオン性ポリマーを架橋させる架橋剤を有する層をさらに含む多層構造であることが好ましい。
さらに、前記アニオン性ポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、あるいは(メタ)アクリル酸又はその塩を主成分とする共重合体であることが好ましい。また、前記架橋剤が、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基のいずれかの官能基を有する化合物とシランカップリング剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記リン酸又はリン酸塩が、縮合リン酸又は縮合リン酸塩であることが好ましい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロメート処理や、クロム化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせた化成処理などが好ましい。クロム化合物の中でも、クロム酸化合物が好ましい。
耐酸性皮膜の具体例としては、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、及びトリアジンチオールのうち少なくとも1種を含むものが挙げられる。また、セリウム化合物を含む耐酸性皮膜も好ましい。セリウム化合物としては、酸化セリウムが好ましい。
また、耐酸性皮膜の具体例としては、リン酸塩系皮膜、クロム酸塩系皮膜、フッ化物系皮膜、トリアジンチオール化合物皮膜なども挙げられる。耐酸性皮膜としては、これらのうち1種類であってもよいし、複数種類の組み合わせであってもよい。さらに、耐酸性皮膜としては、アルミニウム合金箔の化成処理面を脱脂処理した後に、リン酸金属塩と水系合成樹脂との混合物からなる処理液、又はリン酸非金属塩と水系合成樹脂との混合物からなる処理液で形成されたものであってもよい。
なお、耐酸性皮膜の組成の分析は、例えば、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて行うことができる。飛行時間型2次イオン質量分析法を用いた耐酸性皮膜の組成の分析により、例えば、Ce+及びCr+の少なくとも一方に由来するピークが検出される。
アルミニウム合金箔の表面に、リン、クロム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む耐酸性皮膜を備えていることが好ましい。なお、電池用包装材料10のアルミニウム合金箔の表面の耐酸性皮膜中に、リン、クロム及びセリウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素が含まれることは、X線光電子分光を用いて確認することができる。具体的には、まず、電池用包装材料10において、アルミニウム合金箔に積層されている熱融着性樹脂層4、接着剤層などを物理的に剥離する。次に、アルミニウム合金箔を電気炉に入れ、約300℃、約30分間で、アルミニウム合金箔の表面に存在している有機成分を除去する。その後、アルミニウム合金箔の表面のX線光電子分光を用いて、これら元素が含まれることを確認する。
化成処理において金属箔層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、金属箔層3の表面1m2当たり、クロム化合物がクロム換算で0.5~50mg程度、好ましくは1.0~40mg程度、リン化合物がリン換算で0.5~50mg程度、好ましくは1.0~40mg程度、及びアミノ化フェノール重合体が1~200mg程度、好ましくは5.0~150mg程度の割合で含有されていることが望ましい。
耐酸性皮膜の厚さとしては、特に制限されないが、皮膜の凝集力や、金属箔層3や熱融着性樹脂層との密着力の観点から、好ましくは1nm~10μm程度、より好ましくは1~100nm程度、さらに好ましくは1~50nm程度が挙げられる。なお、耐酸性皮膜の厚さは、透過電子顕微鏡による観察、又は、透過電子顕微鏡による観察と、エネルギー分散型X線分光法もしくは電子線エネルギー損失分光法との組み合わせによって測定することができる。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属箔層3の表面に塗布した後に、金属箔層3の温度が70~200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属箔層3に化成処理を施す前に、予め金属箔層3を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属箔層3の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[熱融着性樹脂層4]
本発明の電池用包装材料10において、熱融着性樹脂層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時に熱融着性樹脂層4同士が熱融着して電池素子を密封する層である。
熱融着性樹脂層4に使用される樹脂成分については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。すなわち、熱融着性樹脂層4を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を含んでいても含んでいなくてもよく、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましい。熱融着性樹脂層4を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)などのポリプロピレン;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマーなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネンなどの環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエンなどの環状ジエンなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸などの酸成分でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用される酸成分としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
前記酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β-不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β-不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記ポリオレフィンの変性に使用される酸成分と同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくはポリプロピレンなどのポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン;さらに好ましくはポリプロピレン、酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
熱融着性樹脂層4は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、熱融着性樹脂層4は、1層のみで成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
本発明において、電池用包装材料10の成形性を高める観点からは、熱融着性樹脂層4の表面には、滑剤が付着していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。アミド系滑剤の具体例としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。置換アミドの具体例としては、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。また、メチロールアミドの具体例としては、メチロールステアリン酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。脂肪酸エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレートなどが挙げられる。また、芳香族系ビスアミドの具体例としては、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱融着性樹脂層4の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、温度24℃、相対湿度60%の環境において、好ましくは約3mg/m2以上、より好ましくは4~15mg/m2程度、さらに好ましくは5~14mg/m2程度が挙げられる。
熱融着性樹脂層4の中には、滑剤が含まれていてもよい。また、熱融着性樹脂層4の表面に存在する滑剤は、熱融着性樹脂層4を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、熱融着性樹脂層4の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
また、熱融着性樹脂層4の厚さとしては、熱融着性樹脂層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、好ましくは約60μm以下、より好ましくは15~60μm程度、さらに好ましくは15~40μm程度が挙げられる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料10において、接着層5は、金属箔層3と熱融着性樹脂層4を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、金属箔層3と熱融着性樹脂層4とを接着可能である樹脂によって形成される。接着層5の形成に使用される樹脂としては、その接着機構、接着剤成分の種類などは、接着剤層2で例示した接着剤と同様のものが使用できる。また、接着層5の形成に使用される樹脂としては、前述の熱融着性樹脂層4で例示したポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂も使用できる。金属箔層3と熱融着性樹脂層4との密着性に優れる観点から、ポリオレフィンとしては、カルボン酸変性ポリオレフィンが好ましく、カルボン酸変性ポリプロピレンが特に好ましい。すなわち、接着層5を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を含んでいても含んでいなくてもよく、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましい。接着層5を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
さらに、電池用包装材料10の厚さを薄くしつつ、成形後の形状安定性に優れた電池用包装材料10とする観点からは、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であってもよい。酸変性ポリオレフィンとしては、好ましくは、熱融着性樹脂層4で例示したカルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンと同じものが例示できる。
また、硬化剤としては、酸変性ポリオレフィンを硬化させるものであれば、特に限定されない。硬化剤としては、例えば、エポキシ系硬化剤、多官能イソシアネート系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤などが挙げられる。
エポキシ系硬化剤は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。エポキシ系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。
多官能イソシアネート系硬化剤は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート系硬化剤の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤は、カルボジイミド基(-N=C=N-)を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に限定されない。カルボジイミド系硬化剤としては、カルボジイミド基を少なくとも2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が好ましい。
オキサゾリン系硬化剤は、オキサゾリン骨格を有する化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン系硬化剤としては、具体的には、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
接着層5による金属箔層3と熱融着性樹脂層4との密着性を高めるなどの観点から、硬化剤は、2種類以上の化合物により構成されていてもよい。
接着層5を形成する樹脂組成物における硬化剤の含有量は、0.1~50質量%程度の範囲にあることが好ましく、0.1~30質量%程度の範囲にあることがより好ましく、0.1~10質量%程度の範囲にあることがさらに好ましい。
接着層5の厚さについては、接着する層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、接着剤層2で例示した接着剤を用いる場合であれば、好ましくは1~10μm程度、より好ましくは1~5μm程度が挙げられる。また、熱融着性樹脂層4で例示した樹脂を用いる場合であれば、好ましくは2~50μm程度、より好ましくは10~40μm程度が挙げられる。また、酸変性ポリオレフィンと硬化剤との硬化物である場合であれば、好ましくは約30μm以下、より好ましくは0.1~20μm程度、さらに好ましくは0.5~5μm程度が挙げられる。なお、接着層5が酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である場合、当該樹脂組成物を塗布し、加熱などにより硬化させることにより、接着層5を形成することができる。
[表面被覆層]
本発明の電池用包装材料10においては、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性の向上などを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1の金属箔層3とは反対側)に、必要に応じて、表面被覆層を設けてもよい。表面被覆層は、電池を組み立てた時に、最外層に位置する層である。
表面被覆層は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などにより形成することができる。表面被覆層は、これらの中でも、2液硬化型樹脂により形成することが好ましい。表面被覆層を形成する2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ポリエステル樹脂、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、表面被覆層には、添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、例えば、粒径が0.5nm~5μm程度の微粒子が挙げられる。添加剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物などが挙げられる。また、添加剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状などが挙げられる。添加剤として、具体的には、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の中でも、分散安定性やコストなどの観点から、好ましくはシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、添加剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理などの各種表面処理を施しておいてもよい。
表面被覆層中の添加剤の含有量としては、特に制限されないが、好ましくは0.05~1.0質量%程度、より好ましくは0.1~0.5質量%程度が挙げられる。
表面被覆層を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、表面被覆層を形成する2液硬化型樹脂を基材層1の一方の表面に塗布する方法が挙げられる。添加剤を配合する場合には、2液硬化型樹脂に添加剤を添加して混合した後、塗布すればよい。
表面被覆層の厚さとしては、表面被覆層としての付与すべき機能に応じて設定すれば、特に制限されないが、例えば、0.5~10μm程度、好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料10の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されない。すなわち、本発明の電池用包装材料10の製造方法においては、少なくとも、基材層1と、金属箔層3と、熱融着性樹脂層4とがこの順となるように積層する工程を備えており、金属箔層3として、合計面積が80μm2以上、2×105μm2以下のピンホールを有するものを用い、熱融着性樹脂層4の基材層1側に、少なくとも1層のガスバリア層6をさらに積層する工程を備えており、ガスバリア層6は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層61を含む。
本発明の電池用包装材料10の製造方法の一例としては、以下の通りである。まず、基材層1、接着剤層2、金属箔層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。このとき、積層体Aにガスバリア層6を設ける場合には、少なくとも1層のガスバリア層6を積層して、積層体Aとする。積層体Aの形成は、基材層1又は必要に応じて表面が化成処理された金属箔層3に、接着剤層2の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該金属箔層3又は基材層1を積層させて接着剤層2を硬化させるドライラミネート法によって行うことができる。前述の通り、例えば、薄膜層61からなるガスバリア層6を基材層1と接着剤層2との間に設ける場合であれば、基材層1の上に薄膜層61が積層された積層フィルムを用意し、薄膜層61の上に金属箔層3をドライラミネート法により積層することにより、基材層1/薄膜層61(ガスバリア層6)/接着剤層2/金属箔層3が順に積層された積層体Aが好適に得られる。また、ガスバリア層6として、樹脂フィルム層62に薄膜層61が積層されたものを用いる場合には、樹脂フィルム層62と薄膜層61との積層体をガスバリア層6として予め準備しておき、例えば基材層1と金属箔層3との間にガスバリア層6を積層する。
なお、基材層1の表面にガスバリア層6を積層する方法としては、例えば薄膜層61がガスバリア層6を構成しており、かつ、薄膜層61が金属、無機酸化物、または炭素含有無機酸化物の蒸着膜である場合には、基材層1の表面に、蒸着法などを用いて蒸着膜を形成してガスバリア層6とすることができる。また、前述の通り、薄膜層61が有機と無機との複合材料である場合には、基材層1の表面にゾルゲル法によって薄膜層61を形成することができる。さらに、薄膜層61と樹脂フィルム層62とがガスバリア層6を構成する場合には、蒸着法やゾルゲル法などによって樹脂フィルム層62の表面に薄膜層61を形成してガスバリア層6を予め準備し、これを基材層1、金属箔層3などと積層することができる。
次いで、積層体Aの金属箔層3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4をこの順になるように積層させる。金属箔層3と熱融着性樹脂層4との間にガスバリア層6を設ける場合には、少なくとも1層のガスバリア層6を積層する。例えば、(1)積層体Aの金属箔層3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネート法)、(2)別途、接着層5と熱融着性樹脂層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aの金属箔層3上にサーマルラミネート法により積層する方法、(3)積層体Aの金属箔層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングし、高温で乾燥さらには焼き付ける方法などにより積層させ、この接着層5上に予めフィルム状に製膜した熱融着性樹脂層4をサーマルラミネート法により積層する方法、(4)積層体Aの金属箔層3と、予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aと熱融着性樹脂層4を貼り合せる方法(サンドイッチラミネート法)などが挙げられる。前述の通り、金属箔層3と熱融着性樹脂層4との間、金属箔層3と接着層5との間、接着層5と熱融着性樹脂層4との間には、これらの層を積層する際に、これらの層間にガスバリア層6を積層してもよい。
表面被覆層を設ける場合には、基材層1の金属箔層3とは反対側の表面に、表面被覆層を積層する。表面被覆層は、例えば表面被覆層を形成する上記の樹脂を基材層1の表面に塗布することに形成することができる。なお、基材層1の表面に金属箔層3を積層する工程と、基材層1の表面に表面被覆層を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、基材層1の表面に表面被覆層を形成した後、基材層1の表面被覆層とは反対側の表面に金属箔層3を形成してもよい。また、表面被覆層と基材層1との間、又は表面被覆層のさらに外側にガスバリア層6を形成してもよい。
上記のようにして、必要に応じて設けられる表面被覆層/基材層1/必要に応じて設けられる接着剤層2/必要に応じて表面が化成処理された金属箔層3/必要に応じて設けられる接着層5/熱融着性樹脂層4からなる積層体において、熱融着性樹脂層4の基材層1側の少なくとも1箇所にガスバリア層6が設けられた電池用包装材料10が形成される。接着剤層2又は接着層5の接着性を強固にするために、さらに、熱ロール接触式、熱風式、近赤外線式又は遠赤外線式などの加熱処理に供してもよい。
本発明の電池用包装材料10において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性などを向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施していてもよい。
4.巻取体の構成
本発明の巻取体は、上記の電池用包装材料10がロール状に巻き取られることにより構成されている。
すなわち、本発明の電池用包装材料10の巻取体は、少なくとも、基材層1と、金属箔層3と、熱融着性樹脂層4とをこの順に備える積層体から構成された電池用包装材料10の巻取体であって、巻取体の前記金属箔層3は、面積2500mm2の区画を設定した場合に、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールが存在する区画が少なくとも1つ存在しており、積層体は、前記熱融着性樹脂層4よりも前記基材層1側に、少なくとも1層のガスバリア層6をさらに備えており、ガスバリア層6は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層61を含む。電池用包装材料10の構成の詳細については、前述の通りである。
本発明の電池用包装材料10の巻取体においては、金属箔層3が、面積2500mm2の区画を設定した場合に、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールが存在する区画が少なくとも1つ存在していることを特徴としている。すなわち、本発明の電池用包装材料10の巻取体においては、例えば金属箔層3の表面を面積2500mm2の範囲の検査区画に無作為に設定(区画の位置はランダムである)して、金属箔層3の全面についてピンホールの検査を行った場合を想定すると、少なくとも1つの区画には、上記合計面積を有するピンホールが存在することになる。すなわち、本発明の電池用包装材料10の巻取体においては、上記合計面積を有するピンホールが存在する区画を少なくとも1つ設定することができる。例えばモバイル機器等の個々の電池に使用される電池用包装材料10の表面積(基材層1側の表面積)は、2500mm2以内であることが多いため、巻取体から電池用包装材料10を巻き出し、電池用包装材料10を個々の電池の製造に必要なサイズに裁断した場合、少なくとも1つの電池の製造に使用される電池用包装材料10に、上記ピンホールが存在することになる。このようなピンホールを有する電池用包装材料10が電池の製造に使用される場合にも、本発明の電池用包装材料10の巻取体においては、前述のガスバリア層6を備えているため、電池内への水分透過を効果的に抑制することができる。そして、金属箔層3にピンホールが存在している箇所の周囲を一律に除去する必要がないため、電池の製造コストの増大を効果的に抑制することができる。
本発明の電池用包装材料10の巻取体は、電池用包装材料10の熱融着性樹脂層4が内側になるように巻き取られたものであってもよいし、基材層1側が内側になるように巻き取られたものであってもよい。
本発明の巻取体において、電池用包装材料10を構成する積層体の長さは、特に制限されないが、例えば200m以上、好ましくは200~4000m程度が挙げられる。また、当該積層体の幅は、例えば0.01~1m程度、好ましくは0.1~1m程度が挙げられる。ロール状の巻取体において、積層フィルムの幅方向とは垂直方向における断面の直径としては、好ましくは150mm以上、より好ましくは220mm以上が挙げられる。なお、当該円形断面の直径の上限値は、通常、1000mm程度である。ただし、巻取体円形断面の直径は、電池用包装材料10が樹脂や紙などにより形成されたコア管の周囲に巻き取られた場合の直径であり、コア管の外径は、通常70~180mm程度である。
5.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料10は、正極、負極、電解質などの電池素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本発明の電池用包装材料10によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を収容して、電池とすることができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料10で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層4同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部の熱融着性樹脂層4同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料10を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料10により形成された包装体中に電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料10の熱融着性樹脂部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして、包装体を形成する。
本発明の電池用包装材料10は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料10が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシターなどが挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料10の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
6.アルミニウム合金箔
本発明のアルミニウム合金箔は、電池用包装材料10の金属箔層3に用いるためのアルミニウム合金箔である。電池用包装材料10は、少なくとも、基材層1と、金属箔層3と、熱融着性樹脂層4とをこの順に備える積層体から構成されている。当該積層体は、前記熱融着性樹脂層4よりも前記基材層1側に、少なくとも1層のガスバリア層6をさらに備えている。また、ガスバリア層6は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層61を含んでいる。本発明のアルミニウム合金箔は、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有している。
本発明のアルミニウム合金箔は、本発明の電池用包装材料10の金属箔層3として例示したアルミニウム合金箔と同じである。本発明のアルミニウム合金箔が用いられる電池用包装材料10の構成についても、本発明の電池用包装材料10と同じである。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1-4及び比較例1)
<電池用包装材料の製造>
基材層とガスバリア層(薄膜層)との積層体として、PETフィルムにアルミニウムの蒸着層(蒸着Al、厚さ0.05μm以下)が形成されたガスバリアフィルム(サイチ工業株式会社製の「VM-PET MWR2」 厚さ12μm、水蒸気透過率0.7g/m2・24h)を用意した。次に、蒸着Alの上に、アルミニウム合金箔(Al箔、それぞれ、表1に記載の厚さ)により構成された金属箔層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が両面に形成されたアルミニウム合金箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(AD、ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム合金箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、アルミニウム合金箔表面の接着剤層と、基材層の蒸着Al側とを、ドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層/ガスバリア層(蒸着Al)/接着剤層/アルミニウム合金箔層の積層体を作製した。
実施例1-4及び比較例1で使用した各アルミニウム合金箔層には、表1に記載の1辺の長さを有する正方形(アルミニウム合金箔層の表面に対して垂直方向から観察した形状)のピンホールが1つ設けられている。例えば、実施例1では、正方形のピンホールの1辺の長さが266μmであり、ピンホールの面積は70756μm2である。なお、金属箔層3のピンホールの位置及び面積は、浜松ホトニクス社製の光学式ピンホール検査ユニットC12190を用いて測定した。また、表1に記載の「ピンホールサイズ(μmφ)は、当該検査ユニットによって円形状として検出されるピンホールの直径である。
なお、アルミニウム合金箔の耐酸性皮膜は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けする化成処理により行った。
次に、得られた積層体のアルミニウム合金箔の表面に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa、厚さ15μm、金属箔層側)とランダムポリプロピレン(PP、厚さ20μm、最内層)を共押出ラミネート法で積層することにより、基材層/ガスバリア層(蒸着Al)/接着剤層/アルミニウム合金箔層/接着層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された電池用包装材料を得た。
(実施例5)
実施例1-4及び比較例1で用いたガスバリアフィルム(サイチ工業株式会社製の「VM-PET MWR2」 厚さ12μm、水蒸気透過率0.7g/m2・24h)のPETフィルム側の表面に、2液型ウレタン接着剤(AD、ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、PETフィルム(厚さ12μm)を積層した。次に、蒸着Alの上に、アルミニウム合金箔(Al箔、35μm)により構成された金属箔層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が両面に形成されたアルミニウム合金箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(AD、ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム合金箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、アルミニウム合金箔表面の接着剤層と、基材層の蒸着Al側とを、ドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(2枚のPETフィルムの積層体)/ガスバリア層(蒸着Al)/接着剤層/アルミニウム合金箔層の積層体を作製した。
実施例5で使用した各アルミニウム合金箔層には、表1に記載の1辺の長さを有する正方形(アルミニウム合金箔層の表面に対して垂直方向から観察した形状)のピンホールが1つ設けられている。また、アルミニウム合金箔の耐酸性皮膜は、実施例1-4及び比較例1と同様である。
次に、得られた積層体のアルミニウム合金箔の表面に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa、厚さ15μm、金属箔層側)とランダムポリプロピレン(PP、厚さ20μm、最内層)を共押出ラミネート法で積層することにより、基材層(2枚のPETフィルムの積層体)/ガスバリア層(蒸着Al)/接着剤層/アルミニウム合金箔層/接着層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された電池用包装材料を得た。
(比較例2-3及び参考例1-5)
<電池用包装材料の製造>
実施例1-4及び比較例1で基材層として用いた、厚さ12μmの両面コロナ処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の片面側に、アルミニウム合金箔(Al箔、それぞれ、表1に記載の厚さ)により構成された金属箔層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が両面に形成されたアルミニウム合金箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(AD、ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム合金箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、アルミニウム合金箔表面の接着剤層と、基材層とを、ドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層/接着剤層/アルミニウム合金箔層の積層体を作製した。
比較例2-3及び参考例1-5で使用した各アルミニウム合金箔層には、表1に記載の1辺の長さを有する正方形(アルミニウム合金箔層の表面に対して垂直方向から観察した形状)のピンホールが1つ設けられている。なお、アルミニウム合金箔の耐酸性皮膜は、実施例1-4及び比較例1と同様の化成処理により形成した。
次に、得られた積層体のアルミニウム合金箔の表面に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa、厚さ15μm、金属箔層側)とランダムポリプロピレン(PP、厚さ20μm、最内層)を共押出ラミネート法で積層することにより、基材層/接着剤層/アルミニウム合金箔層/接着層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された電池用包装材料を得た。
<1m2当たりの水蒸気透過率の測定>
上記で得られた各電池用包装材料の1m2(片面の面積)当たりの水蒸気透過率(g/m2/24h)を以下の方法で測定した。ISO15106-5 2008年の規定に準拠した方法を採用し、温度40℃、相対湿度90%、測定期間24時間、測定面積8cmφの測定条件において、アルミニウム合金箔の測定面積内にピンホールが存在するようにサンプルを設置し、差圧法による水蒸気透過率測定装置(株式会社テクノ・アイ製の商品名DELTAPERM)を用いて測定した。1m2当たりの水蒸気透過率は、ISOの水蒸気透過率測定方法によりm2換算された数値である。結果を表1に示す。
<ピンホール箇所の合計水蒸気透過量>
上記で得られた各電池用包装材料の1m2当たりの水蒸気透過率の値を測定面積(8cmφ)で換算することにより、ピンホール箇所の1日(24時間)の合計水蒸気透過量を算出した。前述の通り、各電池用包装材料のアルミニウム合金箔には、表1に記載のピンホールサイズ(μmΦ)を想定して、ピンホールの1辺の長さ(μm)が表1に示す値の四角形状のピンホールを設けてある。ピンホール箇所の合計水蒸気透過量は、ピンホールが存在する箇所の合計水蒸気透過量(ただし、ピンホール箇所以外はゼロとする)である。結果を表1に示す。なお、実施例1-5、比較例1-3、及び参考例1-5では、ピンホールの数を1つとして実験を行っているが、複数のピンホールの合計面積が表1に記載の各値になる場合についても、同様の水蒸気透過率となるため、ここでは、ピンホール箇所の合計水蒸気透過量と表現している。
また、ピンホール箇所の1日の合計水蒸気透過量(g/24h)の値から、ピンホール箇所の10年間の合計水蒸気透過量(mg/10years)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2023075950000005
実施例1-5の電池用包装材料は、参考例1-5よりもピンホール面積が格段と大きいにも拘わらず、同等以上の水分透過抑制性能を有している。このため、実施例1-5の電池用包装材料は、水分管理の厳しい全固体型リチウムイオン電池にも好適に使用できる。一方、比較例1-3の電池用包装材料は、水分透過抑制性能が非常に大きく実用には耐えられない。
(実施例6-8)
<電池用包装材料の製造>
基材層とガスバリア層(薄膜層)との積層体として、PETフィルムに蒸着シリカ層が形成されたガスバリアフィルム(大日本印刷株式会社製のIB-PET-PXB 厚さ12μm、水蒸気透過率0.05g/m2・24h)を用意した。次に、蒸着シリカ層の上に、アルミニウム合金箔(Al箔、厚さ35μm)により構成された金属箔層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が両面に形成されたアルミニウム合金箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(AD、ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム合金箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、アルミニウム合金箔表面の接着剤層と、基材層の蒸着シリカ層側とを、ドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層/ガスバリア層(蒸着シリカ)/接着剤層/アルミニウム合金箔層の積層体を作製した。
実施例6-8で使用した各アルミニウム合金箔層には、表2に記載の1辺の長さを有する正方形(アルミニウム合金箔層の表面に対して垂直方向から観察した形状)のピンホールが1つ設けられている。例えば、実施例6では、正方形のピンホールの1辺の長さが89μmであり、ピンホールの面積は7921μm2である。なお、金属箔層3のピンホールの位置及び面積は、浜松ホトニクス社製の光学式ピンホール検査ユニットC12190を用いて測定した。また、表2に記載の「ピンホールサイズ(μmφ)は、当該検査ユニットによって円形状として検出されるピンホールの直径である。
なお、アルミニウム合金箔の耐酸性皮膜は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けする化成処理により行った。
次に、得られた積層体のアルミニウム合金箔の表面に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa、厚さ15μm、金属箔層側)とランダムポリプロピレン(PP、厚さ20μm、最内層)を共押出ラミネート法で積層することにより、基材層/ガスバリア層(蒸着シリカ)/接着剤層/アルミニウム合金箔層/接着層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された電池用包装材料を得た。
Figure 2023075950000006
実施例6-8の電池用包装材料についても、高い水分透過抑制性能を有しており、水分管理の厳しい全固体型リチウムイオン電池にも好適に使用できることが分かる。
1…基材層
2…接着剤層
3…金属箔層
4…熱融着性樹脂層
5…接着層
6…ガスバリア層
61…薄膜層
62…樹脂フィルム層
10…電池用包装材料

Claims (7)

  1. 少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成された電池用包装材料であって、
    1つの電池に使用される前記電池用包装材料の面積当たり、前記金属箔層は、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有しており、
    前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、
    前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含む、電池用包装材料。
  2. 前記ガスバリア層が、樹脂フィルム層をさらに含む、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記薄膜層が、アルミニウムまたはシリカにより構成されている、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
  4. 少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成された電池用包装材料の巻取体であって、
    前記巻取体の前記金属箔層は、面積2500mm2の区画を設定した場合に、合計面積
    が1.0×106μm2以下のピンホールが存在する区画が少なくとも1つ存在しており、
    前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、
    前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含む、電池用包装材料の巻取体。
  5. 少なくとも正極、負極、及び電解質が、請求項1~3のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
  6. 少なくとも、基材層と、金属箔層と、熱融着性樹脂層とがこの順となるように積層する工程を備える電池用包装材料の製造方法であって、
    前記金属箔層として、1つの電池に使用される前記電池用包装材料の面積当たり、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有するものを用い、
    前記積層体の前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに積層する工程を備えており、
    前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含む、電池用包装材料の製造方法。
  7. 電池用包装材料の金属箔層に用いるためのアルミニウム合金箔であって、
    前記電池用包装材料は、少なくとも、基材層と、前記金属箔層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成されており、
    前記積層体は、前記熱融着性樹脂層よりも前記基材層側に、少なくとも1層のガスバリア層をさらに備えており、
    前記ガスバリア層は、無機材料、有機材料、及び有機と無機の複合材料からなる群より選択される少なくとも1種により構成された5μm以下の薄膜層を含み、
    前記アルミニウム合金箔は、1つの電池に使用される前記電池用包装材料の面積当たり、合計面積が1.0×106μm2以下のピンホールを有している、電池用包装材料用アルミニウム合金箔。
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