JP2023074950A - 振動低減装置及び車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】錘とスプリングとの係合作業を容易にできると共に、一方向の振動だけでなく他の方向の振動も吸収できる振動低減装置及び車両用シートを得る。【解決手段】振動低減装置10は、軸方向に圧縮される一対のスプリング24と、錘22と、を備えている。錘22は、定められた質量に設定された錘本体44と、錘本体44における軸方向の一方側及び他方側にそれぞれ設けられかつ錘本体44と一体に形成された一対の係止部50と、を有している。錘22は、一対の係止部50が一対のスプリング24にそれぞれ係止された状態で、軸方向及び軸方向と交差する方向に変位可能に支持されている。【選択図】図3
Description
本発明は、振動低減装置及び車両用シートに関する。
下記特許文献1には、振動低減装置(振動減衰装置)及びこの振動低減装置が設けられた車両用シートが開示されている。この文献に記載された振動低減装置では、錘部材がスプリング(コイルバネ)の付勢力に抗して取付ボルトに沿って往復移動することで、車両用シートの振動を抑制することが可能となっている。
ところで、錘をスプリングによって支持させる構成の振動低減装置では、錘とスプリングとの係合作業を容易にできることが望ましい。また、錘をスプリングによって支持させる構成の振動低減装置では、一方向の振動だけでなく他の方向の振動も吸収できることが望ましい。
本発明は上記事実を考慮し、錘とスプリングとの係合作業を容易にできると共に、一方向の振動だけでなく他の方向の振動も吸収できる振動低減装置及び車両用シートを得ることが目的である。
第1の態様の振動低減装置は、軸方向に圧縮される又は引張られる一対のスプリングと、定められた質量に設定された錘本体と、前記錘本体における前記軸方向の一方側及び他方側にそれぞれ設けられかつ前記錘本体と一体に形成された一対の係止部と、を有し、一対の前記係止部が一対の前記スプリングにそれぞれ係止された状態で、前記軸方向及び前記軸方向と交差する方向に変位可能に支持された錘と、を備えている。
第1の態様の振動低減装置によれば、一対の係止部が錘本体と一体に形成されている。これにより、一対の係止部が錘本体と別体の構成と比べて、一対の係止部を一対のスプリングに容易に係止(係合)させることができる。すなわち、錘を一対のスプリングに容易に支持させることができる。また、錘が一対のスプリングに支持されている状態では、錘が軸方向及び軸方向と交差する方向に変位可能となっている。これにより、軸方向の振動だけでなく軸方向と交差する方向の振動も吸収できる。
第2の態様の振動低減装置は、第1の態様の振動低減装置において、一対の前記スプリングにおいて前記係止部に係止される側とは反対側がそれぞれ係止されるブラケットをさらに備え、一対の前記スプリングは、前記錘本体と前記ブラケットとの間で圧縮される圧縮コイルスプリングであり、一対の前記係止部は、前記錘本体から突出する凸状に形成されていると共に一対の前記スプリングの内周部に挿入されている。
第2の態様の振動低減装置によれば、ブラケットを取付け対象物に取付けることにより、振動低減装置を取付け対象物に容易に取付けることができる。また、一対の係止部を一対のスプリングの内周部に挿入することにより、錘を一対のスプリングに容易に支持させることができる。
第3の態様の振動低減装置は、第2の態様の振動低減装置において、一対の前記係止部は、前記スプリングの内周部に挿入される挿入部と、前記挿入部から前記軸方向と直交する方向に突出する抜止部と、を含んで構成されている。
第3の態様の振動低減装置によれば、一対の係止部の挿入部を一対のスプリングの内周部に挿入することにより、錘を一対のスプリングに容易に支持させることができる。また、一対の係止部が抜止部を有していることにより、一対の係止部の挿入部が一対のスプリングの内周部から抜出すことを抑制することができる。
第4の態様の振動低減装置は、第1の態様~第3の態様のいずれか1つの態様の振動低減装置において、前記錘本体は、粘弾性を有する材料を用いて形成された被覆部材によって覆われており、前記被覆部材の一部分が、一対の前記係止部となっている。
第4の態様の振動低減装置によれば、錘本体が粘弾性を有する材料を用いて形成された被覆部材によって覆われており、被覆部材の一部分が一対の係止部となっている。これにより、一対のスプリングと錘本体との間を伝わる振動を被覆部材によって吸収することができる。
第5の態様の車両用シートは、着座乗員の臀部を支持するシートクッションと、着座乗員の背部を支持するシートバックと、前記シートクッション及び前記シートバックの少なくとも一方に設けられた第1の態様~第4の態様のいずれか1つの態様の振動低減装置と、を備えている。
第5の態様の車両用シートによれば、第1の態様~第4の態様のいずれか1つの態様の振動低減装置がシートクッション及びシートバックの少なくとも一方に設けられている。これにより、シートの各方向への振動を抑制することができる。
本発明に係る振動低減装置及び車両用シートは、錘とスプリングとの係合作業を容易にできると共に、シートの一方向の振動だけでなく、シートの他の方向の振動も吸収できる、という優れた効果を有する。
図1~図3を用いて、第1実施形態の振動低減装置10を備えた車両用シート12について説明する。
図1には、第1実施形態の振動低減装置10を備えた車両用シート12をシート左側から見た側面図が示されている。なお、図中における矢印FRはシート前方側、矢印UPはシート上方側、矢印RHはシート幅方向右側、矢印LHはシート幅方向左側をそれぞれ示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート幅方向の左右を示すものとする。
図1に示されるように、車両用シート12は、着座乗員の臀部を下方側から支持するシートクッション14と、着座乗員の背部をシート後方側から支持するシートバック16と、着座乗員の頭部をシート後方側から支持するヘッドレスト18と、を備えている。シートバック16は、シートクッション14の後端部に取付けられており、前後方向に傾動させることが可能となっている。また、ヘッドレスト18は、シートバック16の上端部に取付けられている。ここで、振動低減装置10は、シートバック16の上方側の部位の内部に設けられており、シートバック16の骨格を形成するシートバックフレームに固定されている。なお、振動低減装置10は、シートクッション14及びシートバック16のどちらか一方に設けられていてもよいし、シートクッション14及びシートバック16の両方に設けられていてもよい。
図2に示されるように、振動低減装置10は、シートバックフレームに固定されるブラケット20と、ブラケット20内に配置された錘22と、ブラケット20と錘22との間に配置された一対のスプリング24と、を含んで構成されている。なお、以下の説明では、振動低減装置10がシートバック16に取付けられた状態における各方向を示して、ブラケット20、スプリング24及び錘22等の構成について説明する。
ブラケット20は、所定の形状に切断された鋼鈑が折曲げられること等により形成されている。このブラケット20は、前後方向を厚み方向として上下方向及び左右方向に延在する矩形状の第1延在部26を備えている。また、ブラケット20は、第1延在部26の上端及び下端からそれぞれ前方側へ向けて屈曲して延びると共に互いに略平行に配置された一対の第2延在部28を備えている。一対の第2延在部28における前後方向及び左右方向の中央部には、一対の係止ピン32がそれぞれ固定されている。さらに、ブラケット20は、一対の第2延在部28の前端からそれぞれ上方側及び下方側へ向けて屈曲して延びる一対の第3延在部30を備えている。また、ブラケット20は、一対の第3延在部30の左右方向の中央部からそれぞれ上方側及び下方側へ向けて延びる舌片状の一対の固定部34を備えている。この一対の固定部34には、図示しないボルト等が挿通される挿通孔36がそれぞれ形成されている。そして、ブラケット20は、挿通孔36に挿通されたボルトを介してシートバック16のシーバックフレームに固定されるようになっている。また、ブラケット20において第1延在部26及び一対の第2延在部28によって囲まれた空間は、後述する錘22が配置される錘配置スペース38となっている。なお、本実施形態の錘配置スペース38は、前方側、右側及び左側が開放された構成となっていると共に後方側が第1延在部26によって閉止された構成となっている。
図2及び図3に示されるように、一対のスプリング24は、互いに同一の形状及び寸法に設定された圧縮コイルスプリングであり、軸方向に圧縮可能となっている。なお、本実施形態では、軸方向と上下方向とが一致している。一対のコイルスプリング24の一方側の端部は、後述する錘22の係止部50が挿入されることで当該係止部50に係止される錘係止部40となっている。一対のコイルスプリング24の他方側の端部は、ブラケット20の第2延在部28に固定された係止ピン32が挿入されることで当該係止ピン32を介してブラケット20に係止されるブラケット係止部42となっている。そして、一対のスプリング24は、錘22とブラケット20の第2延在部28との間において自然長L1から圧縮された状態で配置されている。
図3に示されるように、錘22は、定められた質量に設定された錘本体44と、錘本体44を覆う被覆部材46と、を含んで構成されている。錘本体44は、鉄や鉛等の金属材料を用いて上下方向を長手方向とする長球状(長楕円体状)に形成されている。被覆部材46は、ゴム等の粘弾性を有する材料を用いて形成されている。この被覆部材46は、錘本体44を覆う錘本体被覆部48と、錘本体被覆部48の上端及び下端からそれぞれ上方側及び下方側へ向けて突出する一対の係止部50と、を備えている。係止部50における錘本体44側の部位50Aは、外径がD1に設定された円柱状に形成されている。また、係止部50における錘本体44とは反対側の部位50Bは、錘本体44とは反対側へ向かうにつれて次第に窄まっている。ここで、係止部50における錘本体44側の部位50Aの外径D1は、当該係止部50をスプリング24の錘係止部40に挿入可能な寸法に設定されている。なお、係止部50はスプリング24の錘係止部40にクリアランスを有している状態で挿入されてもよいし、軽圧入されるように挿入されてもよい。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1、図2及び図3に示されるように、以上説明した第1実施形態の振動低減装置10では、一対の係止部50が錘本体44と一体に形成された構成となっている。これにより、一対の係止部50が錘本体44と別体の構成と比べて、一対の係止部50を一対のスプリング24に容易に係止(係合)させることができる。すなわち、錘22を一対のスプリング24に容易に支持させることができる。特に、本実施形態では、錘22の一対の係止部50を一対のスプリング24の錘係止部40の内周部に挿入することにより、錘22を一対のスプリング24に容易に支持させることができる。また、錘22が一対のスプリング24に支持されている状態では、錘22が上下方向、前後方向及び左右方向に変位可能となっている。これにより、車両用シート12に入力される各方向への振動に応じて錘22を変位させることができる。その結果、第1実施形態の振動低減装置10では、車両用シート12に入力された上下方向の振動だけでなく、前後方向及び左右方向の振動も吸収することができる。
また、本実施形態の振動低減装置10は、ブラケット20を有する構成となっている。これにより、ブラケット20を取付け対象物(本実施形態ではシートバックフレーム)に取付けることにより、振動低減装置10を取付け対象物に容易に取付けることができる。なお、ブラケット20を設けずに、一対のスプリング24において錘22に係止される側とは反対側を取付け対象物に直接取付けた構成とすることもできる。
さらに、本実施形態の振動低減装置10では、錘本体44が粘弾性を有する材料を用いて形成された被覆部材46によって覆われており、被覆部材46の一部分が一対の係止部50となっている。これにより、一対のスプリング24と錘本体44との間を伝わる振動を被覆部材46(特に一対の係止部50及びその周辺部分)によって吸収することができる。
(第2実施形態の振動低減装置52)
次に、第2実施形態の振動低減装置52について説明する。なお、第2実施形態の振動低減装置52において前述の第1実施形態の振動低減装置10と対応する部材及び部分には、第1実施形態の振動低減装置10と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
次に、第2実施形態の振動低減装置52について説明する。なお、第2実施形態の振動低減装置52において前述の第1実施形態の振動低減装置10と対応する部材及び部分には、第1実施形態の振動低減装置10と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
図4に示されるように、本実施形態の振動低減装置52では、錘22の係止部50が、スプリング24の錘係止部40の内周部に挿入される挿入部54と、挿入部54における錘本体44側の部位54Aから上下方向(軸方向)と直交する方向に突出する抜止部56と、を含んで構成されている。
詳述すると、抜止部56は、挿入部54における錘本体44側の部位54Aの上下方向の中間部から当該部位54Aの径方向外側へ向けて突出している。また、抜止部56は、挿入部54における錘本体44側の部位54Aの周方向の全周にわたって設けられている。さらに、抜止部56の外径D2は、スプリング24の錘係止部40の内径D3よりも大きな寸法に設定されている。そして、挿入部54をスプリング24の錘係止部40に挿入した際に、抜止部56が変形されながらスプリング24の錘係止部40に押込まれて、スプリング24の上下方向の隙間58内に配置されるようになっている。
以上説明した本実施形態の振動低減装置52では、係止部50が抜止部56を有していることにより、係止部50の挿入部54がスプリング24の錘係止部40の内周部から抜出すことを抑制することができる。
(第3実施形態の振動低減装置60)
次に、第3実施形態の振動低減装置60について説明する。なお、第3実施形態の振動低減装置60において前述の第1実施形態の振動低減装置10等と対応する部材及び部分には、第1実施形態の振動低減装置10等と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
次に、第3実施形態の振動低減装置60について説明する。なお、第3実施形態の振動低減装置60において前述の第1実施形態の振動低減装置10等と対応する部材及び部分には、第1実施形態の振動低減装置10等と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
図5に示されるように、本実施形態の振動低減装置60では、一対のスプリング24が引張コイルスプリングとなっている。一対のスプリング24は、互いに同一の形状及び寸法に設定されており、軸方向に引張られて伸びるようになっている。一対のコイルスプリング24の一方側の端部は、錘22の係止部50に形成された係止孔62に挿入されることで当該係止部50に係止される錘係止部40となっている。一対のコイルスプリング24の他方側の端部は、ブラケット20に係止されるブラケット係止部42となっている。そして、一対のスプリング24は、錘22とブラケット20の第2延在部28との間において自然長L1から伸ばされた状態で配置されている。
以上説明した本実施形態の振動低減装置60においても、一対のスプリング24が圧縮コイルスプリングとなっている第1実施形態の振動低減装置10と同様に、振動低減装置60が取付けられた車両用シート12等に入力された振動を吸収することができる。
(第4実施形態の振動低減装置64)
次に、第4実施形態の振動低減装置64について説明する。なお、第4実施形態の振動低減装置64において前述の第1実施形態の振動低減装置10等と対応する部材及び部分には、第1実施形態の振動低減装置10等と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
次に、第4実施形態の振動低減装置64について説明する。なお、第4実施形態の振動低減装置64において前述の第1実施形態の振動低減装置10等と対応する部材及び部分には、第1実施形態の振動低減装置10等と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
図6に示されるように、本実施形態の振動低減装置64では、錘本体44が一対の係止部50を上下方向に通過する軸中心線66に対して当該軸中心線66と直交する方向にオフセットして配置されている。
以上説明した本実施形態の振動低減装置64においても、第1実施形態の振動低減装置10と同様に、振動低減装置64が取付けられた車両用シート12等に入力された振動を吸収することができる。なお、錘本体44を軸中心線66に対して当該軸中心線66と直交する方向にオフセットさせるか否かについては、車両用シート12等の振動特性等を考慮して適宜設定すればよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 振動低減装置
12 車両用シート
14 シートクッション
16 シートバック
20 ブラケット
22 錘
24 スプリング
44 錘本体
46 被覆部材
50 係止部
52 振動低減装置
54 挿入部
56 抜止部
60 振動低減装置
64 振動低減装置
12 車両用シート
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52 振動低減装置
54 挿入部
56 抜止部
60 振動低減装置
64 振動低減装置
Claims (5)
- 軸方向に圧縮される又は引張られる一対のスプリングと、
定められた質量に設定された錘本体と、前記錘本体における前記軸方向の一方側及び他方側にそれぞれ設けられかつ前記錘本体と一体に形成された一対の係止部と、を有し、一対の前記係止部が一対の前記スプリングにそれぞれ係止された状態で、前記軸方向及び前記軸方向と交差する方向に変位可能に支持された錘と、
を備えた振動低減装置。 - 一対の前記スプリングにおいて前記係止部に係止される側とは反対側がそれぞれ係止されるブラケットをさらに備え、
一対の前記スプリングは、前記錘本体と前記ブラケットとの間で圧縮される圧縮コイルスプリングであり、
一対の前記係止部は、前記錘本体から突出する凸状に形成されていると共に一対の前記スプリングの内周部に挿入されている請求項1に記載の振動低減装置。 - 一対の前記係止部は、前記スプリングの内周部に挿入される挿入部と、前記挿入部から前記軸方向と直交する方向に突出する抜止部と、を含んで構成されている請求項2に記載の振動低減装置。
- 前記錘本体は、粘弾性を有する材料を用いて形成された被覆部材によって覆われており、
前記被覆部材の一部分が、一対の前記係止部となっている請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の振動低減装置。 - 着座乗員の臀部を支持するシートクッションと、
着座乗員の背部を支持するシートバックと、
前記シートクッション及び前記シートバックの少なくとも一方に設けられた請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の振動低減装置と、
を備えた車両用シート。
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2021
- 2021-11-18 JP JP2021188167A patent/JP2023074950A/ja active Pending
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