JP2023073899A - 信号伝送システム - Google Patents

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Yutaka Uematsu
俊明 高井
Toshiaki Takai
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Masashi Saito
昌義 高橋
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Abstract

【課題】部品バラツキによるモード変換ロスの増加を抑制する。【解決手段】信号伝送システムとして、それぞれ差動配線を構成する第1の信号配線6及び第2の信号配線7と、第1の信号配線6にかかる第1の領域に配置され、第1の容量値の第1の容量負荷機構部18Pと、第2の信号配線からグランド電位の配線にかかる第2の領域に配置され、第1の容量値とは非対称の容量値の第2の容量負荷機構部18Nと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、信号伝送システムに関する。
近年、車両に搭載される装置間での信号伝送において、ツイストペアケーブルを用いた信号伝送の高速化が進んでいる。例えば、車載イーサネットでは、これまでの中心であった100Mbpsを伝送する100BASE-T1から、1Gbps以上の伝送を可能とする1000BASE-T1や、マルチギガから25G BASE-T1まで規格化が進みつつある。
このような車載ケーブル伝送の高速化により課題となるのは、高周波化に伴うEMC性能の維持である。信号伝送に用いられる電流スペクトルがGHz帯を超える領域まで大きいレベルで存在するため,この高周波帯の放射を抑制する必要がある。また、それと同時に、通信LSIがGHz帯まで信号を授受する感度を有するため、GHz帯のノイズの回り込みも抑制する必要がある。
しかしながら、差動伝送路を構成する一対(Positive、Negative)の信号配線において、様々な要因により生じる電気特性バラツキにより差動バランスが乱れることで、この差動伝送のメリットを享受できなくなり、EMC性能が悪化する。この差動ラインのばらつきの度合いはモード変換ロスで定義され、特に100MHz以上の高周波領域において、EMC性能の判断基準として用いられる。
これは、差動配線において、差動モードがコモンモードに変換される量、あるいはコモンモードが差動モードに変換される量を表すものである。このモード変換ロスが大きいと、意図しないコモンモード成分の発生による放射ノイズの増加や、コモンモード成分が差動成分に変換されることによるノイズ耐性の劣化が発生してしまう。なお、以下の説明では、差動伝送路を構成するPositive(P)側の伝送路をP、Negative(N)側の伝送路をNと称する。
特許文献1には、電子装置間をツイストペアケーブルで接続し、ツイストペアケーブルに差動信号と電源とを重畳させて伝送するシステムが開示されている。このシステムでは、信号ライン上に直流カット用のコンデンサを配置し、また電源ライン上にはコモンモードチョークコイルやインダクタ等のフィルタ素子をPoDLフィルタとして挿入している。これにより、フィルタ素子の周波数範囲に応じて信号と電源の分離を行っている。
差動方式による信号伝送では、理想的には差動伝送路を構成するP側の伝送路とN側の伝送路が対称となっているため、逆相の電流により各配線に電流が流れるときに生じる磁界をキャンセルでき、放射を抑制することができる。また、両者の信号配線に共通のノイズ(コモンモードノイズ)が重畳した場合には、差動レシーバでキャンセルすることができ、外来ノイズに対する耐性を向上させることができる。
米国特許第10594519号明細書
特許文献1に記載された技術は、通信回路とツイストペアケーブルとの間にフィルタ素子を配置することで、配線基板上の回路からツイストペアケーブルへのコモンモードノイズの漏洩を低減することができる。さらに、特許文献1に記載された技術によると、ツイストペアケーブルが拾ったコモンモードノイズが配線基板上の回路まで伝搬されることを抑制することができる。
ところが、このような差動伝送路では、伝送系を構成する部品の特性にばらつきが発生し、P・N間で電気特性のアンバランスが生じた場合に、伝送路のモード変換ロスが大きくなり、EMC性能を悪化させてしまう問題があった。特に高周波では、部品の寄生容量のばらつきが、モード変換ロスの増加に寄与し、EMC性能をより悪化させていた。なお、モード変換ロスは、Mixed Mode S-Parameter のScdの項で表現される。
本発明は、部品バラツキによるモード変換ロスの増加を抑制できる信号伝送システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、本発明の信号伝送システムは、それぞれ差動配線を構成する第1の信号配線及び第2の信号配線と、第1の信号配線にかかる第1の領域に配置され、第1の容量値の第1の容量負荷機構部と、第2の信号配線にかかる第2の領域に配置され、第1の容量値とは非対称の第2の容量値の第2の容量負荷機構部と、を備える。
本発明によれば、部品のバラツキによるモード変換ロスの増加を抑制することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態例による信号伝送システムの電子装置を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態例による効果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態による信号伝送システム全体の例を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態による実装パターンの例を示す上面図である。 本発明の第2の実施の形態による回路図ある。 本発明の第2の実施の形態による実装パターンを示す上面図である。 本発明の第2の実施の形態によるバランスを調整する例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態の効果を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態による実装パターンを示す上面図(a)及び断面図(b)である。 本発明の第4の実施の形態による実装パターンとその製造法を示す図である。 本発明の第4の実施の形態による実装パターンの別の例を示す上面図である。 本発明の第5の実施の形態による実装パターンを示す上面図である。
以下、本発明の実施の形態例の信号伝送システムを、図面を参照して説明する。以下の説明及び図面は、本発明のそれぞれの実施の形態例を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。また、本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。さらに、特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
なお、図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の実施の形態例の理解を容易にするため簡易化しており、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。また、それぞれの実施の形態例の同一箇所には、同一符号を付し、各実施の形態例での重複説明を省略する。
[第1の実施の形態例]
図1は、本発明の第1の実施の形態例に係る信号伝送システムを備えた電子装置1の構成を示す。
図1に示す電子装置1は、外部の他の電子装置と通信を行うための通信LSI2を内蔵している。
電子装置1は、ケーブルコネクタ16に不図示のケーブル(不図示)が繋がれ、そのケーブルを介して外部の他の電子装置と接続される。そして、通信LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)2と外部の他の電子装置との信号伝送が行われる。
通信LSI2とケーブルコネクタ16との間は、プリント回路基板上にレイアウトされた差動配線5により接続される。差動配線5は、P側の信号配線6とN側の信号配線7の対で構成される。また、通信LSI2とケーブルコネクタ16の間には、DC電位をカットするためのAC結合キャパシタ14P,14Nと、通信LSI2に流入するコモンモードノイズを低減するためのコモンモードチョークコイル(CMCC)15と、静電破壊を回避するための静電保護素子17P,17Nとが配置される。静電保護素子17P,17Nは、P側及びN側の信号配線6,7とグランド電位(以下「GND」と称する)の箇所との間に接続される。各符号の末尾にP又はNを付加したものは、それぞれP側の信号配線6又はN側の信号配線7に接続されることを示す。
なお、通信LSI2とケーブルコネクタ16との間に接続される図1に示す構成要素は、一般的な回路構成であり、それ以外の構成要素が追加されてもよく、またここに記載されている部品の一部が構成要素に含まれない場合もある。図1に示す構成要素以外の部品としては、例えば、コモンモード終端部品、フィルタ部品、電源重畳フィルタ部品などが挙げられる。
そして、本実施の形態例における電子装置1は、ケーブルコネクタ16とCMCC15を繋ぐ差動伝送路5において、P側信号配線6とN側信号配線7に、それぞれ容量負荷機構部18P,18Nを、GNDとの間に有する。但し、容量負荷機構部18P,18NがGNDに接続されるのは一例であり、後述する図4の例のように、P側信号配線6及びN側信号配線7だけに容量負荷機構部18P,18Nを接続する場合もある。
また、それぞれの容量負荷機構部18P,18Nは、非対称の容量、すなわち相違する容量を持つ。容量負荷機構部18P,18Nの具体的な例については後述する。
電子装置1のEMC性能を示す代表値として、モード変換ロスがある。ケーブルコネクタ16から、ネットワークアナライザを活用して測定したScdの値が目標値よりも小さいかを確認することで、EMC性能の合否を判定することができる。このような電子装置の例としては、自動車の自動運転電子制御装置(AD-ECU)がある。
図2は、モード変換ロス性能の例を示す。図2の横軸は周波数[MHz]、縦軸はモード変換ロス[dB]を示す。このモード変換ロスには、周波数ごとの目標値Xaが決められており、ここでは、ある電子装置の設計上のモード変換ロスが、部品ばらつき無しの場合の特性Xdが、どの周波数帯でも目標値Xa以下となる設定とされている。
ここで、例えば、差動伝送路に接続された部品のうち、静電保護素子17P,17Nの寄生容量にばらつきが発生した場合を考える。このような部品ばらつきが発生した場合、モード変換ロスが増加してしまい、部品ばらつき有りの特性Xcが、特定の周波数α以上で目標値Xaを上回ってしまうことがある。
そこで、本実施の形態例では、P側信号配線6とN側信号配線7に、接続された容量負荷機構部18P,18Nを用いてモード変換ロスを低減している。例えば、静電保護素子17Pの寄生容量が静電保護素子17Nの寄生容量よりも大きい場合、その差分に相当する寄生容量差を打ち消すように18P,18Nの容量を非対称に付与する。これにより、図2に示すように、部品ばらつき有の特性Xcが、調整済みの特性Xbに修正され、モード変換ロスが抑制された状態になって、目標値Xaの特性を満たすことが可能となる。
図3は、図1に示す電子装置1を含む信号伝送システム全体の例の構成を示す。
図3に示す伝送システムは、右側の電子装置1-2が、図1に示す電子装置1に相当し、この電子装置1-2が、ツイストペアケーブル8で、外部の他の電子装置1-1と接続された伝送システムである。
各電子装置1-1,1-2は、ケーブルコネクタ16-1,16-2にツイストペアケーブル8が接続される。
また、各電子装置1-1,1-2は、内部に通信LSI2-1,2-2を備え、AC結合キャパシタ14P-1,14P-2,14N-1,14N-2と、コモンモードチョークコイル(CMCC)15-1,15-2と、静電保護素子17P-1,17P-2,17N-1,17N-2とを備える。
さらに、電子装置1-2については、図1で説明した容量負荷機構部18P,18Nを有する。
この図3に示す構成によると、電子装置1-2を起点とするケーブル伝送時の放射や、電子装置1-2における外来のコモンモードノイズに対するノイズ耐性の向上が、容量負荷機構部18P,18Nによる調整で、実現できることが特徴である。なお、図3に示す構成では、電子装置1-2のみに容量負荷機構を設けているが、電子装置1-1にも容量負荷機構部18P,18Nを設けることで、システム全体のEMC性能をより向上させることができる。
図4は、容量負荷機構部18P,18Nの実装例を示す上面図である。
この図4に示す例では、プリント回路基板上の差動配線5を構成するP側信号配線6とN側信号配線Nのそれぞれに、部分的に幅の広い配線領域を設けて、この幅の広い配線領域を容量負荷機構部18P・18Nとしている。
図4の例では、P側の容量負荷機構部18Pを、N側の容量負荷機構部18Nよりも大きくしており、非対称な構造となっている。この非対象構造は、電子装置のモード変換ロスを小さくするように調整されたものである。この図4に示すように、P側信号配線6とN側信号配線7の配線上に設けた簡単な構成の容量負荷機構部18P,18Nにより、外来のコモンモードノイズに対するノイズ耐性の向上が実現できる。なお、この容量負荷機構部のサイズ比やP・Nの大小関係は、必ずしもこれに従う必然性はなく、実際の伝送系のモード変換ロス量に合わせて調整されるものである。
[第2の実施の形態例]
図5は、本発明の第2の実施の形態例に係る信号伝送システムを備えた電子装置1の構成を示す。
図5に示す電子装置1は、図1に示す電子装置1と同様に、ケーブルコネクタ16を介してケーブルに繋がれ、外部の他の電子装置と接続されて、信号伝送が行われる。通信を行うための通信LSI2とケーブルコネクタ16の間は、プリント回路基板上にレイアウトされた差動配線5で接続され、差動配線5は、P側の信号配線6とN側の信号配線7の対で構成される点も、図1に示す電子装置1と同様である。
さらに、通信LSI2とケーブルコネクタ16の間に、DC電位をカットするためのAC結合キャパシタ14P,14N、通信LSIに流入するコモンモードノイズを低減するためのコモンモードチョークコイル15、静電破壊を回避するための静電保護素子17P,17Nを有する点も、図1に示す電子装置1と同様である。
そして、図5に示す静電保護素子17P,17Nは、信号配線側の部品実装電極19P,19NとGND側の部品実装電極20P,20Nの上に実装される。
この構成において、ケーブルコネクタ16から観測されるモード変換ロスの中で影響度の大きいものの一つが静電保護素子17P,17Nの寄生容量のバラツキである。
そこで、本実施の形態例では、差動配線5の信号配線6,7の近傍である、静電保護素子17P,17Nの部品電極に、容量負荷機構部18P,18Nを併設する構成とした。
ここでの容量負荷機構部18P,18Nは、静電保護素子17P,17Nの信号配線側電極から配線を引き出してグランドとの間に接続されている。
信号の周波数が高くなるほど、伝送路のバランス調整箇所を近接させることが重要になる。このため、図5に示すように、部品電極に容量負荷機構部18P,18Nを配置することは高周波帯の性能向上に対して効果が高い。なお、近接させるときの距離の目安は、信号の波長の1/20程度とすることが適当である。例えば、10GHzの信号周波数成分を持つ場合、プリント基板における波長は約15mmのため、その1/20は0.75mmとなる。そのため、容量負荷機構部18P,18Nを部品電極に併設することの必然性が高まることになる。
図6は、本実施の形態例の容量負荷機構部18P、18Nの実装パターンを示すプリント回路基板の上面図である。
本実施の形態例の場合、静電保護素子17P、17Nの電極に容量負荷機構部を併設する構成になっており、図6に示すように、差動配線5を構成するP側信号配線6とN側信号配線7に、それぞれ部品実装電極19P,19Nが接続される。また、グランド側の部品実装電極20P,20Nが設けられ、それぞれGND接続用のVIAである21P,21Nを介してグランド配線層に接続される。
この構成では、信号側電極から引き出し配線22P,22Nを介して配線を引き出して、グランド接続VIAから引き出される配線23P,23Nとの間で部分的に平行平板容量を形成することで、容量負荷機構部18P,18Nを構成している。この場合、平行平板を形成する部分の引き出し配線22P,22Nの一部またはすべてを削除することで、バランスを調整する方式をとる。したがって、調整前の容量負荷機構部18P,18Nの容量は、非対称である必要はない。
図7及び図8は、図6に示す構成で調整した場合の、モード変換ロスの低減効果の例を示す。図7は、容量負荷機構部18P,18Nの調整状態の例を、基板パターンを拡大して示している。図7(a)は、容量負荷機構部がない状態を示し、図7(b)は、容量負荷機構部18P,18Nが形成されたままの状態を示す。また、図7(c)は、調整作業を行って、N側の容量負荷機構部18Nを削除し、P側の容量負荷機構部18Pを残した状態を示す。
図8は、このような調整を行った場合の効果を示す。図8の縦軸はモード変換ロス、横軸は周波数である。
例えば、静電保護素子17Pの寄生容量が標準値の+5%であり、静電保護素子17Nの寄生容量が標準値の-5%にばらつきが発生した場合を考える。このとき、静電保護素子のばらつきによりモード変換ロスが増加してしまい、調整前の特性Xが、特定の周波数以上で目標値Xaを上回ってしまうことがある。この調整前の特性Xは、図7(a)に示す容量負荷機構部がない状態の特性に相当する。
今、部品の寄生容量はP側の方が+5%と大きい状態であるため、P/NのバランスをとるためにはP側の容量を減らせばよい。そこで、図7(c)に示すように、N側の容量負荷機構部18Nに相当する箇所Zを基板から削り取り、基板パターンとしては非対称性を持たせるようにしている。なお、ここでは削り取る箇所Zとして、N側の容量負荷機構部18Nに相当する箇所全てを削り取るようにしたが、削り取る箇所Zの面積の調整で、容量を調整して、より詳細な調整を行うようにしてもよい。
図8に、図7(c)に示す調整を行う前と後のモード変換ロスの特性を示す。
容量調整前(図7(b)の状態)でのモード変換ロスの特性Xは、図7(a)の容量負荷機構部がない状態のオリジナルの特性Xと同程度の特性値を示す。
一方、図7(c)に示すように容量調整した後のモード変換ロスの特性Xは、特性Xに比べて、約6dBのモード変換ロス改善Daを達成し、目標値Xaを満たしていることが分かる。
なお、この図8の特性は、基板パターンを電磁界解析によりモデル化したものであり、実際の部品電極相当のパターンサイズで本効果が得られることを検証したものである。
[第3の実施の形態例]
図9は、本発明の第3の実施の形態例に係る信号伝送システムを備えた電子装置1のプリント回路基板の実装パターンを示す上面図(a)及び断面図(b)である。
第3の実施の形態例も、第2の実施の形態例と同様に、静電保護素子の電極に容量負荷機構部を併設する構成を有しているが、第2の実施の形態例とは異なる構成になっている。
図9では、説明を簡便化するためにN側配線における容量負荷機構部の構成を示すが、P側にも同様な構成の容量負荷機構部を設けるものとする。また、図9では、プリント回路基板のL1層の配線パターンとL2層の配線パターンとの間の平行平板で容量を形成しているが、平行平板を構成する配線の配線層は任意である。
本実施の形態例の場合には、図9(a)に示すように、N側信号配線7に、部品実装電極19Nが接続されている。また、グランド側の部品実装電極20Nが設けられており、GND接続用のVIA21Nを介してグランド配線層に接続されている。この構成では、L1層の信号配線18N-L1と、グランド接続VIA21Nから引き出される配線23Nとの間で部分的に平行平板容量を形成することで、容量負荷機構部18Nを構成する。
この図9に示す構成の場合、実装電極19Nと平行平板を形成する容量負荷機構部18NのL1層の配線18N-L1は最初からは繋がっていない。そして、図9(b)の断面に示すように、電極19Nからの突起部22Nと容量負荷機構部18NのL1層配線部18N-L1との間を、半田等の金属接続部25で接続することで、容量を追加可能とすることで容量の調整を行う方式をとる。
このため、図9(a)に示すように、電極19Nの突起部と容量負荷機構部18NのL1層の配線18N-L1の表層のレジストは、開口部24を有している。そして、この開口部24を介して、図9(b)に示す金属接続部25により、電極19Nの突起部と容量負荷機構部18NのL1層を電気的に接続できるようにする。この手法の利点は、初期状態では容量負荷機構を接続する必要がないので、余分な負荷容量を接続することによる高周波性能の劣化を防ぐことができる。
[第4の実施の形態例]
図10は、本発明の第4の実施の形態例に係る信号伝送システムを備えた電子装置1のプリント回路基板の実装パターンを示す上面図(a)及びその製造工程を示す断面図(b)である。
本実施の形態例の実装パターンは、第4の実施の形態例(図9)の実装パターンで説明した、静電保護素子の電極に容量負荷機構を併設する構成であるが、第4の実施の形態例の実装パターンの発展形である。
図10(a)に示す本実施の態例の実装パターンは、容量負荷機構部18Nを櫛歯状で形成し、容量調整量を櫛歯の接続数や接続箇所で微調整可能とする構成としている。具体的には、図10(a)の構成の場合、櫛歯の接続数を3箇所とし、その3箇所の接続、非接続を選択する調整を行うことで、配線パターンの面積の増減を行って、容量調整量を微調整可能とする構成である。接続箇所が同じ数でも、接続位置の選択で容量調整量の微調整が可能になる。櫛歯の接続数を3箇所としたのは一例であり、2箇所や4箇所以上にしてもよい。
本実施の形態例の実装パターンは、伝送路の測定などでアンバランスの度合いを測定した上で、そのアンバランスを解消するための微調整量を決定し、パターン接続数と接続箇所を決定する方式である。
図10(a)に示す実装パターンのその他の箇所は、図9に示す実装パターンと同様に構成される。
図10(b)は、接続/非接続のパターンを変更する製造工程を、基板の断面で示す。
図10(b)の上側は、容量負荷機構部18Nの接続箇所の製造状態を示す。接続を行う場合には、L1層である基板の表面配線層Topの導電パターン3-1がない箇所に半田転写を行い、半田25で導通させる。
この場合、半田転写位置のマスク11に、半田を転写するための開口部を設ける。
図10(b)の下側は、容量負荷機構部18Nの非接続箇所の製造状態を示す。非接続の場合には、L1層である基板の表面配線層Topの導電パターン3-1がない箇所に半田転写を行わないように、マスク12に開口部を設けない。
このような製造工程により、容量調整量を微調整することができる。
図11は、本実施の形態例に係る信号伝送システムを備えた電子装置1のプリント回路基板の実装パターンの別の例を示す上面図である。
図11の例の場合にも、N側信号配線7に、部品実装電極19Nが接続されている。グランド側にも、部品実装電極20NがGND接続用のVIA21Nを介してグランド配線層に接続されており、静電保護素子17Nが、部品実装電極19Nとグランド側の部品実装電極20Nとに接続されている点は、図10(a)の例と同じである。
そして、グランド接続VIA21Nから引き出される配線23Nが、基板のL2層に比較的大きな面積で形成され、その大きな面積のグランドの配線23Nと重なる基板のL1層に、容量負荷機構部18Nが構成される。図11の例の容量負荷機構部18Nは、L1層に配置された多数の独立した導電パターン27-1~27-6を備え、その内の一つの導電パターン27-1が、電極19Nからの突起部22Nと接続されている。
導電パターン27-2~27-6は、直接的には電極19Nと接続されていない。それぞれの導電パターン27-1~27-6は、サイズを変えてあると共に、電極19Nに接続された導電パターン27-1の周囲に、他の導電パターン27-2~27-6が並ぶようにしてある。そして、各導電パターン27-1~27-6は、少なくとも1つの開口部24を有し、電極19Nに接続された導電パターン27-1は、複数の開口部24を有する。
このような構成としたことで、容量負荷機構部18Nの容量調整を行う際には、いずれかの開口部24に半田25(図10)の転写を行い、所望の容量調整値が得られるようにする。
この図11に示すように容量負荷機構部18Nとして多数の導電パターン27-1~27-6を有する形状とすることで、より適切な容量調整値が得られるようになる。
なお、容量負荷機構部18Nは、半田などの作業で容量値の調整が可能な形状であれば、図10(a)や図11に示す容量負荷機構部18Nの形状に限定されない。
[第5の実施の形態例]
図12は、本発明の第5の実施の形態例に係る信号伝送システムを備えた電子装置1のプリント回路基板の実装パターンを示す上面図である。
本実施の形態例の実装パターンは、第2の実施の形態例で説明した静電保護素子の電極に容量負荷機構部を併設する構成に加えて、ケーブルコネクタ部16におけるP・Nの特性差を微調整可能とする構成としている。
すなわち、図6で説明したように、差動配線5を構成するP側信号配線6とN側信号配線7に、それぞれ部品実装電極19P,19Nが接続され、グランド側にも部品実装電極20P,20Nが用意される。そして、信号側電極19P,19Nから引き出し配線22P,22Nを引き出して、グランド接続VIA21P,21Nから引き出される配線23P,23Nとの間で、部分的に平行平板容量を形成した容量負荷機構部18P,18Nを構成する。ここまでは図6で説明した構成である。
そして、本実施の形態例の場合には、図12に示すように、ケーブルコネクタ16(図1)が接続される基板の接続穴26P,26Nの電極部に近接して容量負荷機構部18P,18Nを併設する構成としている。ここでは、ケーブルコネクタのプリント基板への実装方法が、プレスフィットコネクタタイプである。プレスフィットコネクタの場合、P側信号端子とN側端子を、それぞれ基板の接続穴26P,26Nに差し込むことで、電気的な接続をとるようにしている。これにより、P側信号配線6とN側信号配線7の途中に設けた容量負荷機構部18P,18Nで、外来のコモンモードノイズに対する特性の向上が図れると共に、ケーブルコネクタ16の接続箇所の容量負荷機構部18P,18Nでも、外来のコモンモードノイズに対する特性の向上が図れ、より良好な特性とすることができる。
接続穴26P,26Nの電極部には、引き出し配線22P,22Nが接続され、グランド接続VIA21P,21Nから引き出される配線23P,23Nとの間で、部分的に平行平板容量を形成した容量負荷機構部18P,18Nが構成される。この場合、平行平板を形成する部分の引き出し配線22P,22Nの一部またはすべてを削除することで、バランスを調整している。2つの容量負荷機構部18P,18Nを構成する2つの引き出し配線22P,22Nは、独立に調整可能であり、独立に調整することで、適切な非対称を持った容量値に調整することができる。
なお、図12の例では、P側信号配線6とN側信号配線7の途中に、容量負荷機構部18P,18Nを設けると共に、ケーブルコネクタ16の接続箇所に容量負荷機構部18P,18Nを設けるようにした。これに対して、ケーブルコネクタ16の接続箇所に容量負荷機構部18P,18Nを設け、P側信号配線6とN側信号配線7の途中の容量負荷機構部18P,18Nは省略してもよい。P側信号配線6とN側信号配線7の途中の容量負荷機構部18P,18Nは省略した場合でも、ケーブルコネクタ16接続用の接続穴26P,26Nの電極部に近接した容量負荷機構部18P,18Nで独立に調整して、適切な非対称を持った容量値とすることで、外来のコモンモードノイズに対するノイズ耐性の向上が実現できる。
[各実施の形態例での容量負荷機構部の容量値の範囲について]
ここで、ここまで説明した容量負荷機構部18P,18Nの容量値の範囲の例について説明する。
まず、高速伝送系では、負荷容量は高周波信号の減衰の元になるため、その容量値は小さいことが望ましい。例えば、1Gbps以上の信号伝送に用いられる部品の寄生容量は3pF以下であることが多く、また波形評価用のオシロスコープの寄生容量も同様に1~3pF以下に抑えられる。
また、10Gbps超の信号伝送では、寄生容量の制限値は0.1pF~0.05pF程度となる。モード変換ロスの原因となる容量バラツキを想定すると、部品の寄生成分の±10%程度が想定される。これにより、1Gbps超の信号伝送用の部品の寄生容量バラツキは、3pF×+/-10%=+/-0.3pF程度となるため、今回問題となる伝送系では、最大で+/-0.3pFの容量調整が可能であればよい。また、10Gbps級の信号伝送を想定すると0.05pF×+/-10%=+/-0.005pF程度となるため、微調整量としては+/-0.005pFまでカバーできると効果が高い。これらをまとめると、容量負荷機構部18N,18Pの容量調整範囲は、0.005pF~0.3pFの範囲であることが好ましい。
1-1,1-2…電子装置、2,2-1,2-2…通信LSI、5…差動配線、6…P側信号配線、7…N側信号配線、8…ツイストペアケーブル、11,12…マスク、14N,14P,14N-1,14N-2,14P-1,14P-2…AC結合キャパシタ、15…コモンモードチョークコイル、15-1…コモンモードチョークコイル、16,16-1,16-2…ケーブルコネクタ、17N,17P,17N-1,17N-2,17P-1,17P-2…静電保護素子、18N,18P…容量負荷機構部、19N,19P…電極、20N,20P…部品実装電極、21N,21P…グランド接続VIA、22N…突起部、23N,22P…配線、23P…配線、24…開口部、25…金属接続部(半田)、26P…接続穴、27-1~27-6…導電パターン

Claims (13)

  1. それぞれ差動配線を構成する第1の信号配線及び第2の信号配線と、
    前記第1の信号配線にかかる第1の領域に配置され、第1の容量値の第1の容量負荷機構部と、
    前記第2の信号配線にかかる第2の領域に配置され、前記第1の容量値とは非対称の第2の容量値の第2の容量負荷機構部と、を備えた
    信号伝送システム。
  2. 前記第1の容量負荷機構部は、前記第1の信号配線上に設けられ、
    前記第2の容量負荷機構部は、前記第2の信号配線上に設けられる
    請求項1に記載の信号伝送システム。
  3. 前記第1の容量値及び前記第2の容量値は、前記第1の信号配線及び前記第2の信号配線の一部に設けられた局所的な幅広配線部の幅の調整により決定される
    請求項2に記載の信号伝送システム。
  4. 前記第1の容量負荷機構部は、前記第1の信号配線の近傍に配置され、
    前記第2の容量負荷機構部は、前記第2の信号配線の近傍に配置される
    請求項1に記載の信号伝送システム。
  5. 前記第1の容量負荷機構部は、前記第1の信号配線と電気的に接続され、プリント基板上に配線パターンで形成された第1の電極部であり、
    前記第2の容量負荷機構部は、前記第2の信号配線と電気的に接続され、プリント基板上の配線パターンで形成された第2の電極部である
    請求項1に記載の信号伝送システム。
  6. 前記第1の電極部は、前記第1の信号配線とグランド電位の配線との間に接続された第1の部品の実装電極に追加で形成された第1の電極パターンであり、
    前記第2の電極部は、前記第2の信号配線とグランド電位の配線との間に接続された第2の部品の実装電極に追加で形成された第2の電極パターンである
    請求項5に記載の信号伝送システム。
  7. 前記第1の容量値及び前記第2の容量値は、前記配線パターンの面積の増減により調整可能である
    請求項6に記載の信号伝送システム。
  8. 前記容量負荷機構部の容量調整範囲は0.005pF~0.3pFである
    請求項1に記載の信号伝送システム。
  9. 前記第1の電極パターンと前記第1の電極部との接続部には開口部を有する
    請求項6に記載の信号伝送システム。
  10. 前記第1の電極パターン及び/又は前記第2の電極パターンは、櫛歯形状である
    請求項6に記載の信号伝送システム。
  11. 前記第1の信号配線は第1のケーブルコネクタ用電極に接続され、
    前記第2の信号配線は第2のケーブルコネクタ用電極に接続され、
    前記第1の容量負荷機構部は、前記第1のケーブルコネクタ用電極とグランド電位の配線との間に接続され、
    前記第2の容量負荷機構部は、前記第2のケーブルコネクタ用電極とグランド電位の配線との間に接続される
    請求項1に記載の信号伝送システム。
  12. 前記第1の信号配線は第1のケーブルコネクタ用電極に接続され、
    前記第2の信号配線は第2のケーブルコネクタ用電極に接続され、
    前記第1のケーブルコネクタ用電極とグランド電位の配線との間に、第3の容量負荷機構部を備え、
    前記第2のケーブルコネクタ用電極とグランド電位の配線との間に、第4の容量負荷機構部を備える
    請求項1に記載の信号伝送システム。
  13. 前記第3の容量負荷機構部及び前記第4の容量負荷機構部は、独立に調整可能である
    請求項12に記載の信号伝送システム。
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