JP2022119716A - 電子制御装置 - Google Patents

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保彦 佐々木
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将也 服部
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Abstract

【課題】通信エラーが発生することを抑制できる電子制御装置を提供する。【解決手段】電子制御装置1は、差動信号が入出力される第1入出力端子11および第2入出力端子12と、差動信号の送受信を行うトランシーバIC50と、第1入出力端子11およびトランシーバIC50を結ぶ線路である第1線路21と、第2入出力端子12およびトランシーバIC50を結ぶ線路である第2線路22と、を備える。第1線路21とグランドGとの間の静電容量である第1静電容量CP1は、80pF以上220pF以下であり、第2線路22とグランドGとの間の静電容量である第2静電容量CP2は、80pF以上220pF以下である。【選択図】図2

Description

本開示は、差動伝送方式により通信を行う電子制御装置に関する。
車載通信規格であるCAN(Controller Area Network)を利用した電子制御装置が知られている。CANでは、2本の通信線間の電位差によりデータを伝送する差動伝送方式が採用されている。データの伝送を安全に行うためには、ノイズ対策および過電圧保護対策が必要となる。特許文献1には、ノイズ対策および過電圧保護対策を行うために、コモンモードノイズフィルタおよびツェナーダイオードを備えた電子制御装置が開示されている。
特許第6498096号公報
しかしながら、従来の電子制御装置では、通信線に大きな電圧が入力されると通信エラーが発生することがある。
本開示は、上記課題を解決するためのものであり、通信エラーが発生することを抑制できる電子制御装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る電子制御装置は、差動信号が入出力される第1入出力端子および第2入出力端子と、前記差動信号の送受信を行うトランシーバICと、前記第1入出力端子および前記トランシーバICを結ぶ線路である第1線路と、前記第2入出力端子および前記トランシーバICを結ぶ線路である第2線路と、を備え、前記第1線路とグランドとの間の静電容量である第1静電容量は、80pF以上220pF以下であり、前記第2線路と前記グランドとの間の静電容量である第2静電容量は、80pF以上220pF以下である。
本開示の電子制御装置によれば、通信エラーが発生することを抑制できる。
比較例1の電子制御装置を示す回路図である。 実施の形態1に係る電子制御装置を示す回路図である。 比較例2の電子制御装置を示す回路図である。 実施の形態1および比較例2の電子制御装置におけるコモンモード信号の通過特性を示す図である。 実施の形態1および比較例2の電子制御装置におけるディファレンシャルモード信号の通過特性を示す図である。 電子制御装置内の差動信号線とグランドとの間の静電容量、および、ディファレンシャルモード信号の挿入損失のカットオフ周波数を示す図である。 実施の形態1および比較例2の電子制御装置におけるコモン-ディファレンシャルモード変換信号の通過特性を示す図である。 実施の形態1および比較例2の電子制御装置におけるコモン-ディファレンシャルモード変換信号の通過特性の他の例を示す図である。 実施の形態1の変形例1に係る電子制御装置を示す図である。 実施の形態1の変形例2に係る電子制御装置を示す図である。 実施の形態2に係る電子制御装置を示す平面図である。 実施の形態2に係る電子制御装置の多層基板の一部を示す平面図である。 実施の形態2に係る電子制御装置の多層基板の一部を示す断面図である。 実施の形態2の一例である実施例の多層基板を示す平面図である。 実施例の多層基板を示す断面図である。 比較例3の多層基板を示す平面図である。 比較例3の多層基板を示す断面図である。 実施例および比較例3の多層基板におけるディファレンシャルモード信号の通過特性を示す図である。 実施例および比較例3の多層基板におけるコモンモード信号の通過特性を示す図である。 実施の形態2の変形例1に係る電子制御装置の多層基板の一部を示す断面図である。 実施の形態2の変形例2に係る電子制御装置の多層基板の一部を示す平面図である。
(本開示に至る経緯)
まず、差動伝送方式による通信を利用した比較例1の電子制御装置について説明する。
図1は、比較例1の電子制御装置101を示す回路図である。
比較例1の電子制御装置101は、差動信号線である第1線路121および第2線路122を介して通信信号の送受信を行うトランシーバIC150と、外乱サージからトランシーバIC150を保護するツェナーダイオード177と、コモンモードノイズを減衰するコモンモードチョークコイル176と、制御信号線125を介してトランシーバIC150へ制御信号を送信するマイクロプロセッサ160と、を備えている。また、比較例1の電子制御装置101は、コモンモードチョークコイル176に逆起電圧が発生した場合にトランシーバIC150を保護するツェナーダイオード179を備えている。
コモンモードチョークコイル176は、第1線路121および第2線路122に挿入され、信号電流を通過させ、コモンモードノイズ電流を減衰する。差動信号線に重畳されるノイズの多くはコモンモードノイズであり、コモンモードチョークコイル176は、コモンモードノイズを減衰することができる。
例えば、第1線路121に繋がる外部のバスラインがバッテリにショートし、第1線路121の電圧が高く持ち上げられると、コモンモードチョークコイル176に逆起電圧が発生する。比較例1の電子制御装置101では、逆起電圧が発生した場合であってもツェナーダイオード179が動作することで、トランシーバIC150を保護することができる。しかしながら、第1線路121の電位が元に戻るときにツェナーダイオード179に逆回復電流が流れ、トランシーバIC150の通信を阻害し、通信エラーが発生するという問題がある。
本実施の形態の電子制御装置は、通信エラーの発生を抑制するため、以下に示す構成を有している。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置、接続形態、ステップ及びステップの順序等は一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、本明細書において、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、各図は、本開示を示すために適宜強調、省略、又は比率の調整を行った模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではなく、実際の形状、位置関係及び比率とは異なる場合がある。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡素化される場合がある。
(実施の形態1)
[電子制御装置の構成]
実施の形態1に係る電子制御装置の構成について図2を参照しながら説明する。
図2は、実施の形態1に係る電子制御装置1を示す回路図である。図2に示すように、電子制御装置1は、コネクタ10と、トランシーバIC50と、マイクロプロセッサ60と、保護回路5と、を備えている。
また、電子制御装置1は、差動信号線である第1線路21および第2線路22と、制御信号線25と、を備えている。第1線路21は、コネクタ10の第1入出力端子11およびトランシーバIC50を結ぶ線路である。第2線路22は、コネクタ10の第2入出力端子12およびトランシーバIC50を結ぶ線路である。制御信号線25は、トランシーバIC50およびマイクロプロセッサ60を結ぶ線路である。
つまり、コネクタ10およびトランシーバIC50は、第1線路21および第2線路22を介して接続されている。トランシーバIC50およびマイクロプロセッサ60は、制御信号線25を介して接続されている。
電子制御装置1は、例えば、車両内に設置され、車両内の他の電子制御装置と車載ネットワークを介して通信する。電子制御装置1には、他の電子制御装置との通信を行うためのバスラインであるハーネス90が接続される。車載ネットワークとして、CAN(Controller Area Network)が採用される場合、ハーネス90としては、例えばSTP(Shielded Twisted Pair)ケーブルまたはUTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルが使用される。
マイクロプロセッサ60は、車載機器に応じた各種のアプリケーション処理を実行する。例えば、車載機器がインフォテイメント機器(例えば、カーナビゲーション装置、ディスプレイオーディオ)の場合、マイクロプロセッサ60は、画像信号処理または音声信号処理を実行する。
トランシーバIC50は、ハーネス90を介して受信した差動信号を、マイクロプロセッサ60で処理されるデジタル信号に変換する。また、トランシーバIC50は、マイクロプロセッサ60で処理したデジタル信号を差動信号に変換して、変換した差動信号を、ハーネス90を介して他の電子制御装置へ送信する。
コネクタ10は、第1入出力端子11および第2入出力端子12を有している。第1入出力端子11および第2入出力端子12には、ハーネス90が接続され、差動信号が入出力される。第1入出力端子11および第2入出力端子12の入力インピーダンスすなわちトランシーバIC50の入力インピーダンスは、例えば、12kΩ以上100kΩ以下である。
なお、差動信号線の間にはISO11898-2で定められる図示しない終端抵抗が設けられる。終端抵抗は、差動信号線の間に2つの60Ω抵抗を直列に接続し、2つの60Ω抵抗が接続されるノードとグランドGとの間に4.7nF~100nFのコンデンサを接続する回路であって、差動信号線である第1線路21および第2線路22の間もしくはハーネス90に設けられる。
本実施の形態の電子制御装置1では、第1入出力端子11および第2入出力端子12とトランシーバIC50との線路の間に、コモンモードチョークコイル(コモンモードノイズフィルタ)が設けられておらず、保護回路5が接続されている。保護回路5は、第1線路21および第2線路22に接続されている。
保護回路5は、第1バリスタ素子ZNR1、第2バリスタ素子ZNR2、第1コンデンサ素子C1および第2コンデンサ素子C2によって構成されている。
第1バリスタ素子ZNR1は、第1線路21およびグランドGを結ぶ第1グランド線31上に設けられている。具体的には、第1バリスタ素子ZNR1の一方の端子は、第1入出力端子11とトランシーバIC50との間の第1線路21上のノードn1に接続され、第1バリスタ素子ZNR1の他方の端子は、グランドGに接続されている。グランドGは、電子制御装置1の基準電位であって、例えば車両のボディアースに電気的に接続されることで実現される。
第2バリスタ素子ZNR2は、第2線路22およびグランドGを結ぶ第2グランド線32上に設けられている。具体的には、第2バリスタ素子ZNR2の一方の端子は、第2入出力端子12とトランシーバIC50との間の第2線路22上のノードn2に接続され、第2バリスタ素子ZNR2の他方の端子は、グランドGに接続されている。
第1コンデンサ素子C1は、第1線路21およびグランドGを結ぶ第3グランド線33上に設けられている。具体的には、第1コンデンサ素子C1の一方の端子は、第1入出力端子11とトランシーバIC50との間の第1線路21上のノードn3に接続され、第1コンデンサ素子C1の他方の端子は、グランドGに接続されている。すなわち、第1コンデンサ素子C1は、第1バリスタ素子ZNR1に並列接続されている。ノードn3は、ノードn1とトランシーバIC50との間の第1線路21に設けられているが、それに限られず、第1入出力端子11とノードn1との間の第1線路21に設けられていてもよい。なお、ノードn1とノードn3との間の線路には、他の電子部品が接続されていない。
第2コンデンサ素子C2は、第2線路22およびグランドGを結ぶ第4グランド線34上に設けられている。具体的には、第2コンデンサ素子C2の一方の端子は、第2入出力端子12とトランシーバIC50との間の第2線路22上のノードn4に接続され、第2コンデンサ素子C2の他方の端子は、グランドGに接続されている。すなわち、第2コンデンサ素子C2は、第2バリスタ素子ZNR2に並列接続されている。ノードn4は、ノードn2とトランシーバIC50との間の第2線路22に設けられているが、それに限られず、第2入出力端子12とノードn2との間の第2線路22に設けられていてもよい。なお、ノードn2とノードn4との間の線路には、他の電子部品が接続されていない。
第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2は、所定の電圧条件下で導通することにより、ノードn1およびノードn2から電流をグランドGに引き抜くことができる。そのため、第1線路21および第2線路22に大きな電流が流れた場合であっても、その電流がトランシーバIC50に流入することを抑制し、トランシーバIC50を保護することができる。
第1バリスタ素子ZNR1および第1コンデンサ素子C1の合計の静電容量である第1静電容量CP1は、80pF以上220pF以下である。第2バリスタ素子ZNR2および第2コンデンサ素子C2の合計の静電容量である第2静電容量CP2も、80pF以上220pF以下である。すなわち、第1線路21とグランドGとの間の静電容量は、80pF以上220pF以下であり、第2線路22とグランドGとの間の静電容量も、80pF以上220pF以下である。
このように、本実施の形態の電子制御装置1では、比較例1に示すようなコモンモードチョークコイルが設けられていない。そのため、コモンモードチョークコイルによる逆起電圧が発生することを抑制できる。これにより、電子制御装置1において、逆起電圧を起因とする通信エラーが発生することを抑制できる。
また、電子制御装置1では、第1線路21とグランドGとの間の静電容量および第2線路22とグランドGとの間の静電容量のそれぞれが、80pF以上220pF以下となっている。これにより、電子制御装置1に入出力されるコモンモード信号を減衰し、かつ、ディファレンシャルモード信号である差動信号の矩形波の歪みを抑制することができる。以下、この点について説明する。
[効果等]
上記構成を有する電子制御装置1の効果について、比較例2と対比しながら説明する。また、ここでは、前述した第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の数値範囲についても説明する。
図3は、比較例2の電子制御装置102を示す回路図である。
比較例2の電子制御装置102は、コネクタ10と、トランシーバIC50と、マイクロプロセッサ60と、保護回路105とを備え、さらに、コモンモードチョークコイル176を備えている。
比較例2のコモンモードチョークコイル176は、第1入出力端子11および第2入出力端子12とトランシーバIC50との間の線路に直列挿入されている。保護回路105は、第1入出力端子11および第2入出力端子12とコモンモードチョークコイル176との間の線路に接続されている。保護回路105は、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2によって構成されている。コモンモードチョークコイル176のインダクタンスは、例えば100μHである。実際のコモンモードチョークコイル176としては、TDK社製(品番:ACT1210-101-2P-TL00)の製品を用いた。
図4は、実施の形態1および比較例2の電子制御装置におけるコモンモード信号の通過特性を示す図である。同図の横軸は、コモンモード信号の周波数である。同図の縦軸は、コモンモード信号の減衰量Scc21であり、下側に向かうほど減衰量が大きくなることを示す。
また、同図には、電子制御装置1において、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2を変更した場合、すなわち差動信号線とグランドGとの間の静電容量を変更した場合の通過特性も示されている。第1静電容量CP1は、第1バリスタ素子ZNR1の静電容量を15pFとし、第1コンデンサ素子C1の静電容量を55pFから225pFに変えることで変更している。第2静電容量CP2は、第2バリスタ素子ZNR2の静電容量を15pFとし、第2コンデンサ素子C2の静電容量を第1コンデンサ素子C1と同様に変えることで変更している。
なお、同図における「xxpF」は、「第1静電容量CP1=第2静電容量CP2=xxpF」であることを意味する(xは数値)。以下の図においても同様である。
図4に示すように、実施の形態1における第1静電容量CP1および第2静電容量CP2がそれぞれ70pFである場合、減衰量Scc21が、周波数50MHz付近にて比較例2よりも小さくなっている。それに対し、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2がそれぞれ80pF以上である場合、減衰量Scc21が、図4に示した全帯域にわたって比較例2よりも大きくなっている。つまり、コモンモード信号の減衰量Scc21を比較例2よりも大きくするためには、実施の形態1の第1静電容量CP1および第2静電容量CP2を、それぞれ80pF以上にすることが望ましい。
図5は、実施の形態1および比較例2の電子制御装置におけるディファレンシャルモード信号の通過特性を示す図である。同図の横軸は、ディファレンシャルモード信号の周波数である。同図の縦軸は、ディファレンシャルモード信号の挿入損失Sdd21であり、下側に向かうほど損失が大きくなることを示す。また、同図には、電子制御装置1において、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2を変更した場合の通過特性も示されている。静電容量の変更のし方は、図4に示した例と同様である。
図5に示すように、実施の形態1における第1静電容量CP1および第2静電容量CP2がそれぞれ240pFである場合、周波数12.5MHzにて3dB以上の損失が発生している。それに対し、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2がそれぞれ220pF以下である場合、周波数12.5MHzにて3dB以上の損失が発生していない。なお、周波数12.5MHzは、ディファレンシャルモード信号を確実に送受信するために必要な周波数の上限値であり、ここでは、例えば、CAN FD(CAN with Flexible Data Rate)通信に準拠する5Mbpsの通信速度で通信を行う際に使用される周波数2.5MHzの5倍に設定されている。
図6は、電子制御装置1内の差動信号線とグランドGとの間の静電容量、および、ディファレンシャルモード信号の挿入損失Sdd21のカットオフ周波数fcを示す図である。カットオフ周波数fcは、3dBの損失が発生するときの周波数である。
図6に示すように、実施の形態1における第1静電容量CP1および第2静電容量CP2がそれぞれ240pFまたは230pFである場合、カットオフ周波数fcは、上記で設定された12.5MHz以下となっている。それに対し、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2がそれぞれ220pF以下である場合、カットオフ周波数fcは、12.5MHzよりも大きくなっている。つまり、カットオフ周波数fcを12.5MHzよりも大きくするには、実施の形態1の第1静電容量CP1および第2静電容量CP2を、それぞれ220pF以下にすることが望ましい。
すなわち、図4~図6の結果から、実施の形態1における第1静電容量CP1および第2静電容量CP2は、それぞれ80pF以上220pF以下にすることが望ましい。これによれば、電子制御装置1がコモンモードチョークコイルを備えていなくても、コモンモード信号を減衰させ、かつ、ディファレンシャルモード信号である差動信号の矩形波の歪みを抑制することができる。
次に、電子制御装置1のさらに望ましい構成について、比較例2と対比しながら説明する。また、ここでは、第1静電容量CP1と第2静電容量CP2との容量差についても説明する。
図7は、実施の形態1および比較例2の電子制御装置におけるコモン-ディファレンシャルモード変換信号の通過特性を示す図である。同図の横軸は、コモン-ディファレンシャルモード変換信号の周波数である。同図の縦軸は、コモン-ディファレンシャルモード変換信号の減衰量Sds21であり、下側に向かうほど減衰量が大きくなることを示す。
また、同図には、電子制御装置1において、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の容量差を変更した場合の通過特性も示されている。第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の容量差は、例えば第1静電容量CP1を220pFで固定し、第2静電容量CP2を変えることで変更している。容量差は、「容量差(%)=((第1静電容量CP1-第2静電容量CP2)/第1静電容量CP1)×100」の式によって求められる値である。この例では、第1静電容量CP1>第2静電容量CP2としている。
図7に示すように、容量差が20%または15%である場合、減衰量Sds21が、周波数1MHz~3MHzおよび10MHz~60MHzにて比較例2よりも小さくなっている。それに対し、容量差が10%以下である場合、減衰量Sds21が、図7に示した全帯域にわたって比較例2よりも大きくなっている。つまり、コモン-ディファレンシャルモード変換信号の減衰量Sds21を比較例2よりも大きくするためには、実施の形態1の第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の容量差を10%以下にすることが望ましい。
図8は、実施の形態1および比較例2の電子制御装置におけるコモン-ディファレンシャルモード変換信号の通過特性の他の例を示す図である。
また、同図には、電子制御装置1において、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の容量値の差を変更させた場合の通過特性も示されている。第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の容量値の差は、容量値の10%として、第1静電容量CP1を70pFから240pFに変えることで変更している。
例えば、第1静電容量CP1が80pFである場合、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の容量値の差は、Δ8pFとなる。例えば、第1静電容量CP1が220pFである場合、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の容量値の差は、Δ22pFとなる。なお、この例でも、第1静電容量CP1>第2静電容量CP2としている。
図8に示すように、容量値の差が10%である場合、実施の形態1の第1静電容量CP1および第2静電容量CP2を70pF以上240pF以下の減衰量Sds21は全帯域に渡って比較例2よりも大きくなっている。つまり、上述した実施の形態1の第1静電容量CP1および第2静電容量CP2を80pF以上220pF以下とし、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2の容量差を10%とすることにより、コモン-ディファレンシャルモード変換信号の減衰量Sds21を比較例2よりも大きくすることができる。
車載電子機器のノイズ耐性を評価する規格にBCI(Bulk Current Injection)試験法がある。この試験法は、電流注入プローブ(BCIプローブ)を用いてハーネスに高周波の妨害電流を注入し、電子機器のイミュニティ(電磁感受性)を評価するものであって、自動車メーカ各社およびISO11452-4が条件を定めている。ISO11452-4は、周波数範囲1MHz~400MHzの妨害電流注入を試験条件としている。
無線機器等の他の電子機器が輻射する電磁場によって電子機器のハーネスが励磁され、ハーネスに強い磁界ノイズが誘起する際に発生する機器の誤動作や不具合を確認する試験であり、電子制御装置1のハーネスに使用されるツイストペアケーブルにはコモンモードで大きな振幅の電流ノイズ/電圧ノイズが注入されるため、電子制御装置1に設けるバリスタ素子はコモンモードノイズを減衰させるとともに、コモン-ディファレンシャルモード変換量をより大きく抑制することが望ましい。
上記のように、静電容量の容量差を小さくすることで、例えば、強い磁界ノイズの誘起によって電子制御装置1に入力されるコモンモードのノイズ信号が、バリスタ素子によってディファレンシャルモードのノイズ信号に変換されてしまうことを抑制できる。これにより、電子制御装置1に通信エラーが発生することを抑制できる。
[実施の形態1の変形例1]
実施の形態1の変形例1に係る電子制御装置1Aについて説明する。変形例1では、保護回路5Aがバリスタ素子のみで構成されている例について説明する。
図9は、実施の形態1の変形例1に係る電子制御装置1Aを示す回路図である。変形例1の電子制御装置1Aは、コネクタ10と、トランシーバIC50と、マイクロプロセッサ60と、保護回路5Aと、を備えている。
電子制御装置1Aでは、第1入出力端子11および第2入出力端子12とトランシーバIC50との線路の間に、コモンモードチョークコイルが設けられておらず、保護回路5Aが接続されている。保護回路5Aは、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2によって構成されている。
第1バリスタ素子ZNR1は、第1線路21およびグランドGを結ぶ第1グランド線31上に設けられている。第2バリスタ素子ZNR2は、第2線路22およびグランドGを結ぶ第2グランド線32上に設けられている。
第1バリスタ素子ZNR1の静電容量である第1静電容量CP1は、80pF以上220pF以下である。第2バリスタ素子ZNR2の静電容量である第2静電容量CP2も、80pF以上220pF以下である。すなわち、第1線路21とグランドGとの間の静電容量は、80pF以上220pF以下であり、第2線路22とグランドGとの間の静電容量も、80pF以上220pF以下である。
変形例1の電子制御装置1Aでも、比較例2に示すようなコモンモードチョークコイルが設けられていない。そのため、コモンモードチョークコイルによる逆起電圧が発生することを抑制できる。これにより、電子制御装置1Aにおいて、逆起電圧を起因とする通信エラーが発生することを抑制できる。
また、電子制御装置1Aでは、第1線路21とグランドGとの間の静電容量および第2線路22とグランドGとの間の静電容量のそれぞれが、80pF以上220pF以下となっている。これにより、電子制御装置1Aに入出力されるコモンモード信号を減衰し、かつ、ディファレンシャルモード信号である差動信号の矩形波の歪みを抑制することができる。
[実施の形態1の変形例2]
実施の形態1の変形例2に係る電子制御装置1Bについて説明する。変形例2では、保護回路5Bの2つのバリスタ素子が1つの積層バリスタ部品に設けられている例について説明する。
図10は、実施の形態1の変形例2に係る電子制御装置1Bを示す回路図である。変形例2の電子制御装置1Bは、コネクタ10と、トランシーバIC50と、マイクロプロセッサ60と、保護回路5Bと、を備えている。
電子制御装置1Bでは、第1入出力端子11および第2入出力端子12とトランシーバIC50との線路の間に、コモンモードチョークコイルが設けられておらず、保護回路5Bが接続されている。保護回路5Bは、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2が設けられた積層バリスタ部品40によって構成されている。
積層バリスタ部品40は、第1バリスタ素子ZNR1の一方の端子である第1信号端子41と、第2バリスタ素子ZNR2の一方の端子である第2信号端子42と、第1バリスタ素子ZNR1の他方の端子および第2バリスタ素子ZNR2の他方の端子が共通化されたグランド端子43と、によって構成される。
第1信号端子41は、第1線路21のノードn1に接続され、第2信号端子42は、第2線路22のノードn2に接続される。グランド端子43は、第1バリスタ素子ZNR1の他方の端子および第2バリスタ素子ZNR2の他方の端子が共通化された共通端子であり、グランドGに接続される。第1バリスタ素子ZNR1の他方の端子および第2バリスタ素子ZNR2の他方の端子が共通化されているので、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2の静電容量の差を小さくすることが可能である。
また、積層バリスタ部品40は、複数のセラミック層および複数の内部電極付きのセラミック層が積層された後、外部端子が設けられることで形成される。内部電極は、印刷法等によってセラミック層上に精度よく形成され、内部電極付きのセラミック層は部品内で略均一の厚さになるので、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2の静電容量の差を例えば5%以下まで小さくすることが可能である。
変形例2の電子制御装置1Bでも、比較例2に示すようなコモンモードチョークコイルが設けられていない。そのため、コモンモードチョークコイルによる逆起電圧が発生することを抑制できる。これにより、電子制御装置1Bにおいて、逆起電圧を起因とする通信エラーが発生することを抑制できる。
また、電子制御装置1Bでは、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2の静電容量の差を小さくすることができる。そのため、第1線路21とグランドGとの間の静電容量および第2線路22とグランドGとの間の静電容量の差を小さくできる。これにより、例えば、強い磁界ノイズの誘起によって電子制御装置1Bに入力されるコモンモードのノイズ信号が、バリスタ素子によってディファレンシャルモードのノイズ信号に変換されてしまうことを抑制できる。これにより、電子制御装置1Bに通信エラーが発生することを抑制できる。
[実施の形態1のまとめ]
本実施の形態に係る電子制御装置1は、差動信号が入出力される第1入出力端子11および第2入出力端子12と、差動信号の送受信を行うトランシーバIC50と、第1入出力端子11およびトランシーバIC50を結ぶ線路である第1線路21と、第2入出力端子12およびトランシーバIC50を結ぶ線路である第2線路22と、を備える。第1線路21とグランドGとの間の静電容量である第1静電容量CP1は、80pF以上220pF以下であり、第2線路22とグランドGとの間の静電容量である第2静電容量CP2は、80pF以上220pF以下である。
このように、第1静電容量CP1および第2静電容量CP2のそれぞれを、80pF以上220pF以下とすることで、電子制御装置1に入出力されるコモンモード信号を減衰し、かつ、ディファレンシャルモード信号である差動信号の矩形波の歪みを抑制することができる。そのため、電子制御装置1に、コモンモードチョークコイルを設ける必要がなくなり、コモンモードチョークコイルによる逆起電圧の発生を抑制することができる。これにより、電子制御装置1において、通信エラーが発生することを抑制できる。また、コモンモードチョークコイルを設けないので、電子制御装置1を小型化することができる。
また、電子制御装置1は、さらに、第1線路21およびグランドGを結ぶ第1グランド線31上に設けられた第1バリスタ素子ZNR1と、第2線路22およびグランドGを結ぶ第2グランド線32上に設けられた第2バリスタ素子ZNR2と、第1バリスタ素子ZNR1に並列接続された第1コンデンサ素子C1と、第2バリスタ素子ZNR2に並列接続された第2コンデンサ素子C2と、を備え、第1静電容量CP1は、第1バリスタ素子ZNR1および第1コンデンサ素子C1の合計の静電容量であり、第2静電容量CP2は、第2バリスタ素子ZNR2および第2コンデンサ素子C2の合計の静電容量であってもよい。
このように、電子制御装置1が第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2を備えることで、例えば、第1線路21および第2線路22に大きな電流が流れた場合であっても、その電流がトランシーバIC50に流入することを抑制できる。これにより、トランシーバIC50を保護することができ、通信エラーが発生することを抑制できる。また、例えば、第1入出力端子11および第2入出力端子12に接続されるハーネス90に強い磁界ノイズが誘起し、電子制御装置1に大きな振幅の電流/電圧ノイズが入力される場合であっても、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2は、比較例1に示すツェナーダイオードのように逆回復電流を発生しないので、通信エラーが発生することを抑制できる。
また、電子制御装置1Aは、さらに、第1線路21およびグランドGを結ぶ第1グランド線31上に設けられた第1バリスタ素子ZNR1と、第2線路22およびグランドGを結ぶ第2グランド線32上に設けられた第2バリスタ素子ZNR2と、を備え、第1静電容量CP1は、第1バリスタ素子ZNR1の静電容量であり、第2静電容量CP2は、第2バリスタ素子ZNR2の静電容量であってもよい。
このように、電子制御装置1Aが第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2を備えることで、例えば、第1線路21および第2線路22に大きな電流が流れた場合であっても、その電流がトランシーバIC50に流入することを抑制できる。これにより、トランシーバIC50を保護することができ、通信エラーが発生することを抑制できる。また、例えば、第1入出力端子11および第2入出力端子12に接続されるハーネス90に強い磁界ノイズが誘起し、電子制御装置1に大きな振幅の電流/電圧ノイズが入力される場合であっても、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2は、比較例1に示すツェナーダイオードのように逆回復電流を発生しないので、通信エラーが発生することを抑制できる。また、コンデンサ素子を設けないので、電子制御装置1を小型化することができる。
また、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2は、1つの積層バリスタ部品40に設けられていてもよい。
これによれば、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2の静電容量の差を小さくすることが可能となる。そのため、第1線路21とグランドGとの間の静電容量および第2線路22とグランドGとの間の静電容量の差を小さくできる。そのため、電子制御装置1Bに入力されるコモンモードのノイズ信号が、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2にてディファレンシャルモードのノイズ信号に変換されてしまうことを抑制できる。これにより、電子制御装置1Bに通信エラーが発生することを抑制できる。
また、積層バリスタ部品40は、第1バリスタ素子ZNR1の一方の端子であり、第1線路21に接続される第1信号端子41と、第2バリスタ素子ZNR2の一方の端子であり、第2線路22に接続される第2信号端子42と、第1バリスタ素子ZNR1の他方の端子および第2バリスタ素子ZNR2の他方の端子が共通化された共通端子であり、グランドGに接続されるグランド端子43と、を備えていてもよい。
これによれば、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2のグランド電位を等しくし、静電容量の差を小さくすることが可能となる。そのため、第1線路21とグランドGとの間の静電容量および第2線路22とグランドGとの間の静電容量の差を小さくできる。そのため、電子制御装置1Bに入力されるコモンモードのノイズ信号が、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2にてディファレンシャルモードのノイズ信号に変換されてしまうことを抑制できる。これにより、電子制御装置1Bに通信エラーが発生することを抑制できる。
また、第1静電容量CP1と第2静電容量CP2との差は、10%以下であってもよい。
これにより、電子制御装置1に入力されるコモンモードのノイズ信号が、第1バリスタ素子ZNR1および第2バリスタ素子ZNR2にてディファレンシャルモードのノイズ信号に変換される量を少なくすることができる。これにより、電子制御装置1に通信エラーが発生することを抑制できる。
また、第1入出力端子11および第2入出力端子12とトランシーバIC50との間には、コモンモードノイズフィルタが設けられていない。
この構成によれば、コモンモードチョークコイルによって逆起電圧が発生することを抑制できる。これにより、電子制御装置1において、通信エラーが発生することを抑制できる。また、コモンモードチョークコイルを設けないので、電子制御装置1を小型化することができる。
(実施の形態2)
[電子制御装置の構成]
実施の形態2に係る電子制御装置1Cの構成について、図11~図13を参照しながら説明する。実施の形態2では、電子制御装置1Cを構成する多層基板500の一部に、コモンモードノイズ信号の通過を抑制する領域が設けられている例について説明する。
図11は、実施の形態2に係る電子制御装置1Cを示す平面図である。なお、図11では、信号線を線分で表している。
図11に示すように、電子制御装置1Cは、コネクタ10と、トランシーバIC50と、マイクロプロセッサ60と、保護回路5B(図10参照)と、を備えている。また、電子制御装置1Cは、差動信号線20である第1線路21および第2線路22と、制御信号線25と、を備えている。第1線路21は、コネクタ10の第1入出力端子11およびトランシーバIC50を結ぶ線路である。第2線路22は、コネクタ10の第2入出力端子12およびトランシーバIC50を結ぶ線路である。制御信号線25は、トランシーバIC50およびマイクロプロセッサ60を結ぶ線路である。
また、電子制御装置1Cは、多層基板500を備えている。差動信号線20は、多層基板500上に形成されている。コネクタ10、トランシーバIC50、マイクロプロセッサ60および保護回路5Bは、多層基板500上に実装されている。保護回路は、図9に示す保護回路5Aであってもよいし、図2に示す保護回路5であってもよい。
図12は、電子制御装置1Cの多層基板500の一部を示す平面図である。図13は、電子制御装置1Cの多層基板500の一部を示す断面図である。図12には、図11に示す多層基板500の一部であるC部が示されている。図13の(a)には、多層基板500を図12に示すXIIIa-XIIIa線で見た断面が示され、図13の(b)には、多層基板500を図12に示すXIIIb-XIIIb線で見た断面が示されている。
図12および図13に示す多層基板500は、複数の誘電体層510および複数の導体層530が積層された積層構造を有している。多層基板500には、差動信号線20である第1線路21および第2線路22が形成されている。図13には、多層基板500が、3層の誘電体層510および2層の導体層530を有する例を示したが、それに限られず、多層基板500は、4層以上の誘電体層510および3層以上の導体層530を有していてもよい。多層基板500には、第1線路21および第2線路22と異なる他の配線層535が形成されていてもよい。
ここで、第1線路21および第2線路22の線幅方向を第1方向d1とし、第1線路21および第2線路22のそれぞれが延びる方向を第2方向d2とし、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な方向を第3方向d3とする。第3方向d3は、多層基板500に対して垂直な方向である。
誘電体層510は、誘電体材料を含む層である。図13に示すように、複数の誘電体層510は、多層基板500の最上層である誘電体層511、中間層である誘電体層512、および、最下層である誘電体層513を有している。なお、多層基板500は、誘電体層511~513と異なる他の誘電体層を有していてもよい。多層基板500の誘電体層の層数は、3層に限られず、4層以上であってもよい。
導体層530は、金属などの導電性材料を含む層である。導体層530は、例えば、平面パターン状の形状を有する電極である。図13に示すように、複数の導体層530は、誘電体層511と誘電体層512との間に配置される導体層531と、誘電体層512と誘電体層513との間に配置される導体層532と、を有している。複数の導体層530のうち、導体層531は、差動信号線20に最近接する導体層であり、導体層532は、差動信号線20に2番目に近い導体層である。
導体層531は、グランド電位に設定されるグランド用の導体層である。導体層531は、例えば、誘電体層510に設けられたビア導体(図示省略)を介して、第1バリスタ素子ZNR1の他方の端子および第2バリスタ素子ZNR2の他方の端子に接続される。導体層532は、トランシーバIC50およびマイクロプロセッサ60に電力を供給する電力供給用の導体層である。導体層532は、例えば、誘電体層510に設けられた他のビア導体(図示省略)を介して、トランシーバIC50およびマイクロプロセッサ60に接続される。
ここで、誘電体層510の両主面から見て、差動信号線20側に位置する主面を誘電体層510の一方主面と呼び、差動信号線20とは反対側に位置する主面を誘電体層510の他方主面と呼ぶ。前述した導体層531は、誘電体層511の他方主面511bの一部、および、誘電体層512の一方主面512aの一部に設けられる。導体層532は、誘電体層512の他方主面512bの一部、および、誘電体層513の一方主面513aの一部に設けられる。
本実施の形態の多層基板500は、差動信号線20の一部の領域T1の直下において、導体層530が形成されていない領域T2およびT3を有している。差動信号線20の直下とは、少なくとも、誘電体層511の一方主面511aから誘電体層512の一方主面512aまでの範囲である。なお、差動信号線20の直下には、誘電体層512の一方主面512aから誘電体層513の一方主面513aまでの範囲が含まれていてもよい。
上記の差動信号線20の一部の領域T1は、トランシーバIC50の入力側、すなわち、コネクタ10とトランシーバIC50とを繋ぐ経路上に位置している。具体的には、差動信号線20の一部の領域T1は、第1バリスタ素子ZNR1の一端が接続される第1線路21のノードn1(図10参照)とトランシーバIC50との間、および、第2バリスタ素子ZNR2の一端が接続される第2線路22のノードn2とトランシーバIC50との間に設けられる。なお、差動信号線20の一部の領域T1において、第1線路21および第2線路22は、互いに平行に配置されている。
導体層530が形成されていない領域T2、T3は、例えば、エッチングによって形成される。導体層530が形成されていない領域T2、T3は、第3方向d3から見た場合に長方形状である。第1方向d1に沿う領域T2、T3の幅は、少なくとも、第1線路21の幅と、第2線路22の幅と、第1線路21および第2線路22の間隔(ギャップ)と、を包含する長さである。第2方向d2に沿う領域T2、T3の長さは、高周波信号の通過阻止帯域によって予め決められる。領域T2、T3の長さは、例えば、領域T2、T3の幅の0.5倍以上2倍以下である。第3方向d3から見た場合、導体層530が形成されていない領域T2、T3と、差動信号線20の一部の領域T1とは、互いに重なっている。
誘電体層511の他方主面511bのうち、領域T1に対応する領域T2には、導体層531が形成されておらず、領域T2の外周に位置する外周の領域o2には、導体層531が設けられている。領域T2には、誘電体層512が設けられている。なお、領域T2には、誘電体層512の一部および誘電体層511の一部が埋め込まれていてもよい。
誘電体層512の他方主面512bのうち、領域T1に対応する領域T3には、導体層532が設けられておらず、領域T3の外周に位置する外周の領域o3には、導体層532が設けられている。領域T3には、誘電体層512と異なる誘電体層513が設けられている。なお、領域T3には、誘電体層513の一部および誘電体層512の一部が埋め込まれていてもよい。
このように、本実施の形態の多層基板500では、差動信号線20の一部の領域T1の直下において、導体層530が形成されていない領域T2、T3が設けられている。この構成によれば、差動信号線20の一部の領域T1において、コモンモードインピーダンスを高くすることができ、コモンモードノイズ信号が通過することを抑制できる。以下、上記構成を有する多層基板500の効果について説明する。
[効果等]
実施の形態2の電子制御装置1Cが備える多層基板500の効果について、実施の形態2の一例である実施例と、比較例3とを対比しながら説明する。
図14は、実施の形態2の一例である実施例の多層基板500を示す平面図である。図15は、実施例の多層基板500を示す断面図である。図15の(a)には、多層基板500を図14に示すXVa-XVa線で見た断面が示され、図15の(b)には、多層基板500を図14に示すXVb-XVb線で見た断面が示されている。
実施例の多層基板500は、誘電体層511と、導体層530とを備えている。誘電体層511の一方主面511aには、第1線路21および第2線路22が設けられている。誘電体層511の他方主面511bの一部には、導体層530が設けられている。
誘電体層511の厚みは0.1mmである。誘電体層511の比誘電率は4.2であり、誘電正接は0.019である。第1線路21および第2線路22のそれぞれの厚みは18μmであり、それぞれの幅(第1方向d1の長さ)は0.1mmであり、それぞれの第2方向d2の長さは10mmである。第1線路21と第2線路22との間隔は、0.1mmである。
実施例の多層基板500は、導体層530が形成されていない領域T2を有している。領域T2は、長方形状であり、領域T2の幅(第1方向d1の長さ)は1.0mm、領域T2の第2方向d2の長さは2.0mmである。領域T2は、差動信号線20の一部の領域T1の直下に設けられている。領域T2の外周に位置する領域o2には、導体層530が設けられている。領域T2の誘電体層511の他方主面511bには、レジスト520が形成されている。図15では、領域T2のみにレジスト520が形成されている状態を図示しているが、実際には、多層基板500の全面にレジストが形成されている(図示省略)。例えば、レジストの厚みは20μmであり、比誘電率は4.2であり、誘電正接は0.019である。
次に、比較例3の電子制御装置が備える多層基板1500について説明する。
図16は、比較例3の多層基板1500を示す平面図である。図17は、比較例3の多層基板1500を示す断面図である。図17の(a)には、多層基板1500を図16に示すXVIIa-XVIIa線で見た断面が示され、図17の(b)には、多層基板1500を図16に示すXVIIb-XVIIb線で見た断面が示されている。
比較例3の多層基板1500は、誘電体層511と、導体層1530とを備えている。誘電体層511の一方主面511aには、第1線路21および第2線路22が設けられている。誘電体層511の他方主面511bには、導体層1530が設けられている。比較例3の多層基板1500は、導体層530が形成されていない領域T2を有していない。つまり比較例3では、導体層1530が、誘電体層511の他方主面511bの全面に形成されている。なお、比較例3でも、多層基板500の全面にレジストが形成されている(図示省略)。
図18は、実施例および比較例3の多層基板におけるディファレンシャルモード信号の通過特性を示す図である。同図の横軸は、ディファレンシャルモード信号の周波数である。同図の縦軸は、ディファレンシャルモード信号のSdd21であり、下側に向かうほど信号の通過が抑制されていることを示す。
図18に示すように、実施例では、ディファレンシャルモード信号の通過特性が比較例3と同等になっている。実施例のように、導体層530が形成されていない領域T2を多層基板500に設けた場合であっても、ディファレンシャルモード信号の通過特性はほとんど低下していない。なお,Sdd21を比較例3と同等以上とする場合には多層基板500に用いる誘電体層510の比誘電率や誘電正接と厚み、導体層の厚みにあわせて第1線路21と第2線路22の幅と間隔を調整する必要がある。
図19は、実施例および比較例3の多層基板におけるコモンモード信号の通過特性を示す図である。同図の横軸は、コモンモード信号の周波数である。同図の縦軸は、コモンモード信号のScc21であり、下側に向かうほど信号の通過が抑制されることを示している。
図19に示すように、実施例では、例えば2GHz~10GHz、および13GHz以上の周波数帯域において、比較例3に比べて信号の通過が抑制されている。この通過特性を利用することで、例えば、2GHz~10GHz、および13GHz以上の周波数帯域においてコモンモードノイズ信号の通過を阻止することが可能となる。なお、ノイズ信号の通過阻止帯域は、多層基板500に比誘電率や誘電正接が本実施の形態で用いた誘電体510とは異なる誘電体を用いる、もしくは、領域T2の長さを変えることで調整可能である。
実施例の多層基板500を備える電子制御装置1Cによれば、例えば保護回路5Bにてコモンモードノイズ信号を除去しきれない場合であっても、この多層基板500の一部の領域を用いてコモンモードノイズ信号の通過を抑制することができる。これにより、電子制御装置1Cにて通信エラーが発生することを抑制できる。
[実施の形態2の変形例1]
実施の形態2の変形例1に係る電子制御装置1Cの構成について説明する。この変形例1では、導体層530が、差動信号線20の直下に設けられず、差動信号線20から離れた位置に設けられている例について説明する。
図20は、実施の形態2の変形例1に係る電子制御装置1Cの多層基板500Aの一部を示す断面図である。
変形例1の多層基板500Aは、複数の誘電体層510および複数の導体層530が積層された積層構造を有している。多層基板500Aには、差動信号線20である第1線路21および第2線路22が形成されている。
変形例1の多層基板500Aも、差動信号線20の一部の領域T1の直下において、導体層530が形成されていない領域T2およびT3を有している。
また、変形例1の多層基板500Aは、差動信号線20の一部の領域T1の直下からさらに離れた領域に、導体層533が設けられている。差動信号線20の直下からさらに離れた領域とは、例えば、誘電体層513の他方主面513bからさらに遠ざかる位置である。導体層533は、多層基板500Aの最下層である誘電体層513の他方主面513bに設けられている。導体層533は、例えば、グランド用の導体層である。
変形例1の多層基板500Aでも、差動信号線20の一部の領域T1の直下において、導体層530が形成されていない領域T2、T3が設けられている。この構成によれば、差動信号線20において、コモンモードインピーダンスを高くすることができ、コモンモードノイズ信号の通過を抑制することができる。これにより、電子制御装置1Cにて通信エラーが発生することを抑制できる。
[実施の形態2の変形例2]
実施の形態2の変形例2に係る電子制御装置1Cの構成について説明する。この変形例2では、差動信号線20がミアンダ配線になっている例について説明する。
図21は、実施の形態2の変形例2に係る電子制御装置1Cの多層基板500Bの一部を示す平面図である。
変形例2の多層基板500Bも、複数の誘電体層510および複数の導体層530が積層された積層構造を有している。多層基板500Bには、差動信号線20である第1線路21および第2線路22が形成されている。第1線路21および第2線路22のそれぞれは、差動信号線20の一部の領域T1において、ミアンダ形状を有している。ミアンダ形状は、三角波状であってもよいし、方形波状であってもよいし、正弦波状であってもよい。
変形例2の多層基板500Bでも、差動信号線20の一部の領域T1の直下において、導体層530が形成されていない領域T2、T3が設けられている。また、変形例2では、第1線路21および第2線路22がミアンダ形状であるので、それぞれの線路長を長くすることができ、コモンモードインピーダンスを高くすることができる。これにより、コモンモードノイズ信号の通過を抑制することができ、電子制御装置1Cにて通信エラーが発生することを抑制できる。
[実施の形態2のまとめ]
実施の形態2に係る電子制御装置1Cは、さらに、複数の誘電体層510と、複数の導体層530とを有する多層基板500を備える。多層基板500には、第1線路21および第2線路22を含む差動信号線20が設けられる。多層基板500は、差動信号線20の一部の領域T1の直下において、導体層530が形成されていない領域T2を有する。
このように、差動信号線20の一部の領域T1の直下において、導体層530が形成されていない領域T2が設けられることで、差動信号線20の一部の領域T1において、コモンモードインピーダンスを高くすることができる。これにより、コモンモードノイズ信号が通過することを抑制でき、電子制御装置1Cにて通信エラーが発生することを抑制できる。また、コモンモードチョークコイルなどの追加部品を設けずに、コモンモードノイズ信号の通過を抑制することができるので、電子制御装置1Cを小型化することができる。
また、導体層530が形成されていない領域T2の外周の領域o2には、導体層530が形成されていてもよい。
これによれば、導体層530を用いて、例えば、多層基板500に実装されている電子部品に対してグランド電位を付与し、または、電力を供給することができる。
また、導体層530が形成されていない領域T2には、誘電体層510が設けられていてもよい。
このように、導体層530が形成されていない領域T2に誘電体層510を設けることで、差動信号線20の一部の領域T1におけるコモンモードインピーダンスを高くすることができる。これにより、コモンモードノイズ信号が通過することを抑制でき、電子制御装置1Cにて通信エラーが発生することを抑制できる。
また、外周の領域o2に設けられている導体層530は、グランド用の導体層または電力供給用の導体層であってもよい。
これによれば、例えば、多層基板500に実装されている電子部品に対してグランド電位を付与し、または、電力を供給することができる。
また、差動信号線20の一部の領域T1の直下からさらに離れた領域には、導体層533が設けられていてもよい。
これによれば、領域T1の直下からさらに離れた領域の導体層533を用いて、例えば、多層基板500Aに実装されている電子部品に対してグランド電位を付与したり、電力を供給したりすることができる。
また、第1線路21および第2線路22のそれぞれは、差動信号線20の一部の領域T1においてミアンダ形状を有していてもよい。
このように、第1線路21および第2線路22をミアンダ形状とすることで、第1線路21および第2線路22の線路長を長くすることができ、コモンモードインピーダンスを高くすることができる。これにより、コモンモードノイズ信号の通過を抑制することができ、電子制御装置1Cにて通信エラーが発生することを抑制できる。
(その他の実施の形態等)
以上、本開示の実施の形態及び各変形例に係る電子制御装置について説明したが、本開示は、上記実施の形態及び各変形例に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態及び各変形例に施したもの、並びに、実施の形態及び各変形例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
本開示に係る電子制御装置は、各種の電子機器および通信システムに用いられる電子制御装置として有用である。
1、1A、1B、1C 電子制御装置
5、5A、5B 保護回路
10 コネクタ
11 第1入出力端子
12 第2入出力端子
20 差動信号線
21 第1線路
22 第2線路
25 制御信号線
31 第1グランド線
32 第2グランド線
33 第3グランド線
34 第4グランド線
40 積層バリスタ部品
41 第1信号端子
42 第2信号端子
43 グランド端子
50 トランシーバIC
60 マイクロプロセッサ
90 ハーネス
500、500A、500B 多層基板
510、511、512、513 誘電体層
511a、512a、513a 一方主面
511b、512b、513b 他方主面
520 レジスト
530、531、532、533 導体層
535 配線層
C1 第1コンデンサ素子
C2 第2コンデンサ素子
CP1 第1静電容量
CP2 第2静電容量
d1 第1方向
d2 第2方向
d3 第3方向
G グランド
n1、n2、n3、n4 ノード
o2、o3 外周の領域
T1、T2、T3 領域
ZNR1 第1バリスタ素子
ZNR2 第2バリスタ素子

Claims (13)

  1. 差動信号が入出力される第1入出力端子および第2入出力端子と、
    前記差動信号の送受信を行うトランシーバICと、
    前記第1入出力端子および前記トランシーバICを結ぶ線路である第1線路と、
    前記第2入出力端子および前記トランシーバICを結ぶ線路である第2線路と、
    を備え、
    前記第1線路とグランドとの間の静電容量である第1静電容量は、80pF以上220pF以下であり、
    前記第2線路と前記グランドとの間の静電容量である第2静電容量は、80pF以上220pF以下である
    電子制御装置。
  2. さらに、
    前記第1線路および前記グランドを結ぶ第1グランド線上に設けられた第1バリスタ素子と、
    前記第2線路および前記グランドを結ぶ第2グランド線上に設けられた第2バリスタ素子と、
    前記第1バリスタ素子に並列接続された第1コンデンサ素子と、
    前記第2バリスタ素子に並列接続された第2コンデンサ素子と、
    を備え、
    前記第1静電容量は、前記第1バリスタ素子および前記第1コンデンサ素子の合計の静電容量であり、
    前記第2静電容量は、前記第2バリスタ素子および前記第2コンデンサ素子の合計の静電容量である
    請求項1に記載の電子制御装置。
  3. さらに、
    前記第1線路および前記グランドを結ぶ第1グランド線上に設けられた第1バリスタ素子と、
    前記第2線路および前記グランドを結ぶ第2グランド線上に設けられた第2バリスタ素子と、
    を備え、
    前記第1静電容量は、前記第1バリスタ素子の静電容量であり、
    前記第2静電容量は、前記第2バリスタ素子の静電容量である
    請求項1に記載の電子制御装置。
  4. 前記第1バリスタ素子および前記第2バリスタ素子は、1つの積層バリスタ部品に設けられている
    請求項2または3に記載の電子制御装置。
  5. 前記積層バリスタ部品は、
    前記第1バリスタ素子の一方の端子であり、前記第1線路に接続される第1信号端子と、
    前記第2バリスタ素子の一方の端子であり、前記第2線路に接続される第2信号端子と、
    前記第1バリスタ素子の他方の端子および前記第2バリスタ素子の他方の端子が共通化された共通端子であり、前記グランドに接続されるグランド端子と、
    を備える
    請求項4に記載の電子制御装置。
  6. 前記第1静電容量と前記第2静電容量との差は、10%以下である
    請求項1~5のいずれか1項に記載の電子制御装置。
  7. 前記第1入出力端子および前記第2入出力端子と前記トランシーバICとの間には、コモンモードノイズフィルタが設けられていない
    請求項1~6のいずれか1項に記載の電子制御装置。
  8. さらに、複数の誘電体層と、複数の導体層とを有する多層基板を備え、
    前記多層基板には、前記第1線路および前記第2線路を含む差動信号線が設けられ、
    前記多層基板は、前記差動信号線の一部の領域の直下において、前記導体層が形成されていない領域を有する
    請求項1~7のいずれか1項に記載の電子制御装置。
  9. 前記導体層が形成されていない領域の外周の領域には、前記導体層が形成されている
    請求項8に記載の電子制御装置。
  10. 前記導体層が形成されていない領域には、前記誘電体層が設けられている
    請求項9に記載の電子制御装置。
  11. 前記外周の領域に設けられている前記導体層は、グランド用の導体層または電力供給用の導体層である
    請求項9または10に記載の電子制御装置。
  12. 前記差動信号線の一部の領域の直下からさらに離れた領域には、前記導体層が設けられている
    請求項8~11のいずれか1項に記載の電子制御装置。
  13. 前記第1線路および前記第2線路のそれぞれは、前記差動信号線の一部の領域においてミアンダ形状を有している
    請求項8~12のいずれか1項に記載の電子制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023090028A1 (ja) * 2021-11-16 2023-05-25 日立Astemo株式会社 信号伝送システム

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