JP2023073723A - 口腔内湿潤剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔内に水分を保持する機能に優れる口腔内湿潤剤を提供することを課題とする。【解決手段】キシログルカンを含有する口腔内湿潤剤。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内湿潤剤に関する。
口腔や鼻腔には、内表面を形成する粘膜が存在する。粘膜は、皮膚と同様に、上皮と深部結合組織なら構成され、主にムチン質(糖蛋白質)と水とからなる分泌液で覆われている。粘膜は、分泌液の量が乾燥などによって低下することに起因し、直接外部環境に曝されるおそれがある。このことは、体の不調や機能低下の原因となるために問題視されている。よって、粘膜における分泌液の量を維持する手段の提供が望まれる。
特に、口腔における粘膜の乾燥は、ドライマウスと呼ばれており、喉の渇き、渇きに伴う喉の痛みやべとべととした不快感、口臭、延いては、う蝕、歯周疾患、感染症等の原因になり得る。よって、口腔内のケアは、口腔内粘膜を適切に保護するために重要であり、効果的な手段の提供が望まれる。
ドライマウスの対症療法としては、人工唾液、口腔保湿・湿潤剤、洗口液等により口腔内を保湿することが挙げられる。例えば、ポリグルタミン酸塩を有効成分として含有する唾液分泌促進剤が知られている(特許文献1)。この他、キサンタンガムやグアーガムなどの増粘多糖類を用いて口腔内に水分を保持することが提案されている。増粘多糖類は、一般的に天然由来であるため好ましい。
国際公開第2016/195089号
しかしながら、従来技術では、口腔内に水分を適切に保持する機能が十分であるとは言い難い。
上記事情に鑑み、本発明は、口腔内に水分を適切に保持する機能に優れる口腔内湿潤剤を提供することを課題とする。
本発明に係る口腔内湿潤剤は、キシログルカンを含有する。また、前記キシログルカンは、タマリンド種子由来であることが好ましい。
斯かる構成によれば、キシログルカン、特にタマリンド種子由来のキシログルカンを含有することによって、口腔内に水分を適切に保持する機能に優れたものとなる。詳しくは、水分を取り込んだキシログルカンは、他の増粘多糖類と異なるニュートン流動性を示すため、口腔内での咀嚼や運動によって粘度が低下し難く、口腔内における滞留性や付着性に優れる。よって、キシログルカンを含有する口腔内湿潤剤は、水分を口腔内に長時間滞留させることができる。
また、本発明に係る口腔内湿潤剤においては、好ましくは、前記キシログルカンは、25℃における回転数30rpmでの粘度が4~120mPa・sを示し、且つ、回転数30rpmの粘度に対する回転数60rpmの粘度の比が0.9~1.0を示す。
斯かる構成によれば、キシログルカンが上記粘度の下限値以上を示すものであり、且つ、上記のような粘度比を示すことによって、口腔内に水分を保持する機能により優れたものとなる。また、キシログルカンが上記粘度の上限値以下を示すものであることによって、口腔内のねばつきを抑制することができる。
また、本発明に係る口腔内湿潤剤は、水を含む液剤であってもよい。
斯かる構成によれば、液剤に含まれる水をキシログルカンによって口腔内に適切に保持させることができる。
また、本発明に係る口腔内湿潤剤は、固形剤であってもよく、この場合、前記キシログルカンの含有量が9質量%以上であることが好ましい。
斯かる構成によれば、キシログルカンの含有量が9質量%以上であることによって、口腔内に水分を適切に保持する機能に優れる固形剤を提供することができる。
以上の通り、本発明によれば、口腔内に水分を適切に保持する機能に優れる口腔内湿潤剤を提供することができる。
実施例における低濃度の試料(液剤)の粘度測定結果を示す。 実施例における中濃度の試料(液剤)の粘度測定結果を示す。 実施例における高濃度の試料(液剤)の粘度測定結果を示す。
以下、一実施形態に係る口腔内湿潤剤について説明する。
本実施形態に係る口腔内湿潤剤は、有効成分としてのキシログルカンと、水とを含有する。言い換えれば、本実施形態の口腔内湿潤剤は、水に前記キシログルカンが溶解した液剤である。
前記キシログルカンは、β-グルコースにより構成される主鎖と、α-キシロース及びガラクトースにより構成される側鎖とを有する。前記キシログルカンの主鎖は、1,4-グリコシド結合によってつながったβ-グルコースにより構成されている。また、前記キシログルカンの側鎖は、前記主鎖を構成するβ-グルコースの6位水酸基に1,6-グリコシド結合によってつながったα-キシロースと、α-キシロースの2位水酸基に1,2-グリコシド結合によってつながったガラクトースとにより構成されている。
前記キシログルカンは、7~9糖からなる繰り返し単位が1以上結合した分子構造を有することが好ましい。前記繰り返し単位は、前記主鎖の4つのβ-グルコースのうちの3つのβ-グルコースの6位水酸基に1,6-グリコシド結合によってつながった3つのα-キシロースと、1つ又は2つのα-キシロースの2位水酸基に1,2-グリコシド結合によってつながった1つ又は2つのガラクトースと、を有する(8~9糖)。また、前記繰り返し単位は、ガラクトースを有していなくてもよい(7糖)。
前記キシログルカンは、タマリンド種子から抽出されるタマリンドシードガムであることが好ましい。なお、前記キシログルカンは、タマリンド種子由来のものに限定されない。前記キシログルカンは、高等植物の細胞の一次壁に存在しており、例えば、大豆、緑豆、インゲンマメ、イネ、オオムギ、リンゴなどの種子に存在しており、これらから抽出されたものも使用可能である。
前記キシログルカンは、分子量が100,000より大きい高分子(天然)キシログルカンであってもよく、例えば、分子量が580,000のものが使用できる(例えば市販品のグリロイド(登録商標)6C、グリロイド(登録商標)3S)。また、前記キシログルカンは、分子量が5,000~100,000の中分子量のキシログルカンであってもよい(例えば市販品のグリエイト)。また、前記キシログルカンは、分子量が5,000未満の低分子キシログルカン(例えばキシログルカン7、8、9糖オリゴ糖)であってもよい。なお、分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィーによって測定することができる。
前記高分子キシログルカンは、高等植物、例えば、エンドウ、ダイズ、ポプラ、イネ、タケノコ、タマリンド種子などの細胞壁から抽出して得られる。また、前記高分子キシログルカンは、一般にはアルカリ水溶液によって抽出されるが、冷水によって抽出可能なものもある。
抽出された高分子キシログルカンは、必要に応じて、アルコール沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性やアフィニテイーなどの差を利用した各種クロマトグラフィーによって精製されてもよい。かかる精製品は、市販品としても入手可能である。また、市販品がさらに精製されてもよい。
前記低分子キシログルカン及び前記中分子量のキシログルカンは、前記高分子キシログルカンの部分分解によって得られる。部分分解する方法としては、物理的方法(例えばホモジナイザーによる低分子化など)、化学的方法(例えば酸加水分解などによる低分子化)、酵素分解などの公知の方法が挙げられる。例えば,酵素分解の場合には、β-1,4-グルカナーゼ活性を有する植物組織崩壊酵素が用いられ、その酵素の添加量、pH、温度、時間を調整することによって、分解の程度を調整することができる。より具体的には、酵素としてセルラーゼを用いる場合、0.01~2.0質量%の酵素を添加して、pH3~7、35~60℃で3~96時間反応させて部分分解を行ってもよい。これによって、前記中分子量のキシログルカン、又は、前記低分子キシログルカンを得ることができる。
前記キシログルカンは、25℃における回転数30rpmでの粘度が4~120mPa・sを示すものであることが好ましい。すなわち、前記キシログルカンは、該キシログルカンと蒸留水などの精製水とを用いて任意の濃度の水溶液を調製したときに、該水溶液が上記粘度を示すものであることが好ましい。例えば、前記キシログルカンが前記高分子量キシログルカンの場合には0.2~1.2質量%水溶液、前記キシログルカンが前記中分子量のキシログルカンの場合には0.4~3.0質量%水溶液、前記キシログルカンが前記低分子量キシログルカンの場合には10~45質量%水溶液が、上記粘度を示す。
また、前記キシログルカンは、1質量%水溶液(キシログルカン:水=1:99の質量比で調製した水容液)の25℃、30rpmにおける粘度η1と、25℃、60rpmにおける粘度η2とを測定したときに、η2/η1が、1.0以下を示すことが好ましく、0.9~1.0であることがより好ましく、0.90~1.0であることがさらに好ましい。また、30rpmにおける粘度η1は、4~120mPa・sであることが好ましい。なお、粘度η1及びη2は、JIS K 5101-6-2:2004(顔料試験方法-第6部:流動性-第2節:回転粘度計法)に規定の方法に準拠して測定することができる。
前記水は、蒸留水やイオン交換水などの精製水であることが好ましい。
前記口腔内湿潤剤の総質量に対する前記キシログルカンの含有量は、前記高分子量キシログルカンの場合、0.2質量%以上であることが好ましい。また、前記中分子量のキシログルカンの場合、0.4質量%以上であることが好ましい。これによって、水分を保持する機能がより優れたものとなる。一方、前記口腔内湿潤剤の総質量に対する前記キシログルカンの含有量は、前記高分子量キシログルカンの場合、1.2質量%以下であることが好ましい。また、前記中分子量のキシログルカンの場合、2.5質量%以下であることが好ましい。これによって、口腔内におけるねばつきが抑制される。
前記口腔内湿潤剤は、温度25℃、剪断速度200(1/s)の測定条件により測定される粘度が、4mPa・s以上であることが好ましく、15mPa・s以上であることがより好ましい。これによって、口腔内において嚥下などによる剪断力が加わった場合であっても、水分を口腔内に十分に保持させることができる。例えば、口腔の奥側の咽頭内では嚥下による剪断力が加わり易いが、このような箇所にも水分を十分に保持させることが可能となる。一方で、前記粘度は、120mPa・s以下であることが好ましく、80mPa・s以下であることがより好ましく、30mPa・s以下であることがさらに好ましく、20mPa・s以下であることがとりわけ好ましい。これによって、口腔内におけるねばつきが抑制される。また、水分が口腔内にわたって自然と広がり易くなる。
前記口腔内湿潤剤は、温度25℃、剪断速度8(1/s)の測定条件により測定される粘度を低剪断粘度VL、剪断速度200(1/s)の測定条件により測定される粘度を高剪断粘度VHとしたときに、VH/VLの値が0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましく、0.4以上であることがさらに好ましい。これによって、口腔内に長期にわたって水分を保持することが可能になる。
また、低剪断粘度VLは、40mPa・s以下であることが好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。これによって、口腔内湿潤剤が、口腔内に広がり易くなり、舌圧の弱い高齢者などに好適なものとなる。
前記口腔内湿潤剤は、上記のような粘度を有するように、前記キシログルカン以外の増粘剤の含有量が所定値以下であることが好ましい。具体的には、前記口腔内湿潤剤の総質量に対するキシログルカン以外の増粘剤の含有量は、0.05質量%未満であることが好ましく、0.02質量%未満であることがより好ましく、0.01質量%未満であることがさらに好ましく、前記口腔内湿潤剤は実質的にキシログルカン以外の増粘剤を含有していないことがより一層好ましい。キシログルカン以外の増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、グアーガム、グアーガム分解物、ジェランガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、スクシノグリカン、ペクチン、カシアガムなどの増粘多糖類が挙げられる。前記口腔内湿潤剤は、前記キシログルカンと他の増粘剤とが併用されなくとも、水分を口腔内に十分に保持させることができる。
前記口腔内湿潤剤は、pH3~6.5に調整されていることが好ましく、pH3~4に調整されていることがより好ましい。酸性であることによって、唾液の分泌が促進され得る。
前記口腔内湿潤剤は、その他の添加剤を含有していてもよい。かかる添加剤としては、例えば、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味料、矯味剤、溶解補助剤などが挙げられる。
本実施形態の口腔内湿潤剤の摂取(投与)方法は、特に限定されず、経口摂取が好ましく、飲料としての摂取、スプレー状としての摂取、ポンプフォーマーによる摂取などが挙げられる。
本実施形態の口腔内湿潤剤は,キシログルカンの他、任意成分を本発明の効果を損なわれない範囲で含有してもよい。かかる任意成分としては、例えば、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、香料、着色剤、消泡剤、コーティング剤、甘味料、矯味剤、結合剤、界面活性剤、保湿剤、粘稠剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、滑択剤、懸濁剤、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、研磨剤、粘結剤、pH調整剤、光沢剤等が挙げられ、これらは1種単独で又は2 種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、本実施形態の口腔内湿潤剤は、キシログルカンとの併用で液剤に相乗的にゲル化を生じさせる成分を含まないことが好ましい。かかる観点から、エピガロカテキンガレート、テアフラビン類及びウーロンホモビスフラバン類、及びグリセロールを含有しないことが好ましい。これによって、口腔内湿潤剤は、ゲル化し難くなり、自然な粘性が付与されたものとなる。
以上のように、例示として一実施形態を示したが、本発明に係る口腔内湿潤剤は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係る口腔内湿潤剤は、上記作用効果により限定されるものでもない。本発明に係る口腔内湿潤剤は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、液剤の口腔内湿潤剤を例示したが、口腔内湿潤剤は、固形剤であってもよい。前記固形剤としては、例えば、粉末剤、粒剤、ドロップ剤などが挙げられる。前記粉末剤は、顆粒状と呼ばれるような状態のものであってもよい。前記粒剤は、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル剤であってもよく、タブレットや糖衣錠のようなものであってもよい。前記ドロップ剤は、口腔内での溶解性を早めるために、形状をドーナッツ形状などとして表面積を大きくしたり、唾液による崩壊性を持たせたりしてもよい。
上記のような固形剤の場合、前記口腔内湿潤剤の総質量に対する前記キシログルカンの含有量は、9質量%以上であることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本実施例では、第1に、液剤としての口腔内湿潤剤についての評価を行った。液剤の評価では、有効成分として、キシログルカン、キサンタンガム、及びグアーガム(以上の3種は増粘多糖類)、並びに、ポリグルタミン酸を用い、これらを含む口腔内湿潤剤について官能評価を行った。以下、具体的な評価方法及び評価結果について説明する。
[使用原料]
(有効成分)
キシログルカン:グリロイド(登録商標)6C(タマリンドシードガム、DSP五協フード&ケミカル社)、分子量470,000
キサンタンガム:エコーガムT(DSP五協フード&ケミカル社)
グアーガム:グァーパックPF-20(DSP五協フード&ケミカル社)
ポリグルタミン酸:明治ポリグルタミン酸(明治フードマテリア社)
(希釈水)
清涼飲料水:ほっとレモン(アサヒ飲料社)
[キシログルカンの粘度測定]
上記の分子量470,000の高分子量キシログルカン(グリロイド(登録商標)6C)及び蒸留水を用い、0.5質量%、1質量%、1.5質量%、及び2.0質量%水溶液を調製し、25℃、30rpmでの粘度を測定した。
また、参考に、分子量580,000の高分子量キシログルカン(グリロイド(登録商標)3S)及び、分子量90,000の中分子量のキシログルカン(グリエイト(登録商標))を用い、上記と同様の濃度の水溶液を調製し、25℃、30rpmでの粘度を、B型粘度計(デジタル粘度計(東京計器、型名:TV-20))を用い、ローターは粘度に応じて適切なローター(アダプター、No1-4)を選択して、粘度ビーカーに水溶液を入れて測定した。結果は、表1に示したとおりである。
Figure 2023073723000001
[評価用試料の調製]
下記表2に示したように、各有効成分を上記希釈水に溶解し、低剪断速度(8.18712(1/s))における粘度が同程度となるように、低濃度、中濃度、及び高濃度の試料(液剤としての口腔内湿潤剤)を調製した。なお、ポリグルタミン酸に関しては、増粘剤ではないことから、メーカー推奨の0.1質量%の試料と、これよりも高い濃度の0.25質量%の試料とを調製した。
[粘度測定]
上記で調製した各試料につき、ストレスレオメータ(DHR HR2、プレート:CP40)を用いて粘度測定を行った。具体的には、予め25℃にステージを調温し、均一に混合した試料をステージにセットして、フローカーブ測定(1~300(1/s)を60秒かけて測定)を実施した。また、低剪断粘度(VL)に対する高剪断粘度(VH)の比(VH/VL)を求めた。高剪断粘度は、200(1/s)前後の2つの測定値(198.2(1/s)及び203.2(1/s)における粘度値)の平均値を採用した。低剪断粘度は、8(1/s)における粘度値を採用した。さらに、より高い剪断速度280(1/s)での粘度を測定し、高剪断粘度(VH)に対する比を求めた。剪断速度280(1/s)での粘度は、280(1/s)前後の2つの測定値(278.2(1/s)及び283.1(1/s)における粘度値)の平均値を採用した。結果は、表2及び図1~図3に示したとおりである。
Figure 2023073723000002
[η2/η1の測定]
キシログルカン(分子量470,000の高分子量キシログルカン)について、上記の方法に従って、25℃、30rpmにおける粘度η1と、25℃、60rpmにおける粘度η2とを測定し、η2/η1を求めた。本実施例で用いたキシログルカンは、1質量%水溶液のη2/η1が1.0であった。
一方、比較例のキサンタンガムは、0.15質量%水溶液のη2/η1が0.5であり、グアーガムは、0.40質量%水溶液のη2/η1が0.75であった。
この結果から、1質量%水溶液のη2/η1が1.0のニュートン流動性を示すキシログルカンを用いることによって、実施例1~実施例3の試料のように、比較的高いVH/VL値を有する液剤を調製できることがわかった。
[官能評価方法]
14名の被験者を対象として、下記のセットごとに口腔湿潤感(口の中が潤っていると感じる度合い)に関して、次に示す手順でスコア評価を実施した。なお、各試料にはランダムに選択した3桁の整数を付し、各試料をランダムに被験者に提示した。また、被験者の疲労を鑑み、1セットごとに日を変えてスコア評価を実施した。結果は、表3及び表4に示したとおりである。
1セット目(低濃度):実施例1、比較例1、比較例4、及び比較例7
2セット目(中濃度):実施例2、比較例2、比較例5、及び比較例7
(官能評価の手順)
1.カップ一目盛分(15mL)の試料を口に含ませ、口の中にまんべんなく広げた後(目安5秒)飲み込む。
2.嚥下と同時にタイマー測定を開始する。なお、口腔内(唇の内側から咽頭)は極力静置状態とする。
3.嚥下30秒後、口腔内の湿潤の程度を1から7まで0.5間隔の14段階で評価する。
Figure 2023073723000003
Figure 2023073723000004
表3及び表4に示したように、キシログルカンを含有する実施例1及び実施例2は、官能評価におけるスコアが高く、口腔内に水分を保持する機能に優れることがわかった。
詳しくは、実施例1の試料(キシログルカンの含有量が0.50質量%)は、VH/VLが0.24であり、比較例1(VH/VL=0.16)及び比較例4(VH/VL=0.18)と比較してVH/VLの値が大きく、これによって、口腔内に長期にわたって水分を保持することが可能になったと考えられる。また、キシログルカンの含有量が0.50質量%の実施例2は、VH/VLの値(0.49)がより大きく、これによって、さらに、口腔内に水分を保持する機能に優れることがわかった。
また、これらの結果から、有効成分としてキシログルカンのみを含有しさえすれば、口腔内に水分を保持する機能に十分に優れることが示唆された。
さらに、実施例1及び実施例2は、低剪断粘度がそれぞれ20.6mPa・s、32.1mPa・sであり、口腔内に広がり易いものであった。
これらを総合すると、実施例1及び実施例2の試料は、口腔内に長期にわたって水分を保持可能であり、且つ、口腔内に広がり易いものと評価することができる。
次に、固形剤としての口腔内湿潤剤についての評価を行った。固形剤の評価では、有効成分として、上記のキシログルカン、キサンタンガムを用い、これらを含む口腔内湿潤剤について官能評価を行った。以下、具体的な評価方法及び評価結果について説明する。
[試料の調製]
下記表5に示す配合割合で各成分を混合し、打錠機によって1錠あたり1gのタブレットを形成した。なお、実施例4及び比較例9のキシログルカン又はキサンタンガムの量は、それぞれを所定量の水に溶解した水溶液の粘度が同程度となるように調整した。
Figure 2023073723000005
[官能評価方法]
12名の被験者を対象として、下記のセットごとに口腔湿潤感(口の中が潤っていると感じる度合い)に関して、次に示す手順でスコア評価を実施した。なお、各試料にはランダムに選択した3桁の整数を付し、各試料をランダムに被験者に提示した。結果は、表6に示したとおりである。
(官能評価の手順)
1.タブレットを口に含み、噛まずに30秒味わう。
2.タブレットを舌で崩し、飲み込む。
3.飲み込んだ後1分後、口腔内の湿潤の程度を1から7の7段階で評価する。なお、ブランクの評価を1とする。
Figure 2023073723000006
表6の結果から、固形剤でも液剤と同様に、キシログルカンを含有する実施例4は、官能評価におけるスコアが高く、口腔内に水分を保持する機能に優れることがわかった。

Claims (6)

  1. キシログルカンを含有する、口腔内湿潤剤。
  2. 前記キシログルカンがタマリンド種子由来である、請求項1に記載の口腔内湿潤剤。
  3. 前記キシログルカンは、25℃における回転数30rpmでの粘度が4~120mPa・sを示し、且つ、回転数30rpmの粘度に対する回転数60rpmの粘度の比が0.9~1.0を示す、請求項1又は2に記載の口腔内湿潤剤。
  4. 水を含む液剤である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の口腔内湿潤剤。
  5. 固形剤である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の口腔内湿潤剤。
  6. 前記キシログルカンの含有量が9質量%以上である、請求項5に記載の口腔内湿潤剤。
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