JP2023073654A - 純水製造装置およびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】さらなる節水を実現する。【解決手段】純水製造装置1は、逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段11を備え、被処理水を処理して処理水を生成する膜ろ過装置3と、純水製造装置1の運転を、純水製造装置1で製造された純水をユースポイントに供給する通常運転と、膜ろ過装置3で生成された処理水または純水製造装置1で製造された純水を膜ろ過装置3の上流側に還流させる循環運転とに切り替える制御部5と、を有し、制御部5は、通常運転と循環運転において、透過水ラインL2を流れる透過水の流量と排水ラインL4を流れる濃縮水の流量との和に対する透過水ラインL2を流れる透過水の流量の割合である回収率の目標値に基づいて排水ラインを流れる濃縮水の流量を調整する排水流量制御を実行し、通常運転では、回収率の目標値を第1の目標値に設定し、循環運転では、回収率の目標値を第1の目標値を上回る第2の目標値に設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、純水製造装置およびその運転方法に関する。
純水製造装置は、工業用水、井水、市水などの原水を順次処理して純水を製造するものであり、一般に、原水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜(RO膜)またはナノろ過膜(NF膜)を有する膜ろ過装置を備えている。また、純水製造装置は、処理水質のさらなる向上のために、膜ろ過装置で生成された透過水を処理して脱イオン水(純水)を製造する電気式脱イオン水製造装置を備えていることも多い。
RO膜またはNF膜を有する膜ろ過装置では、多くの場合、水の有効利用(節水)の観点から、不純物を含む濃縮水の一部を濃縮排水として外部に排出し、残りを濃縮還流水としてRO膜またはNF膜の上流側に還流させる構成が採用されている。これにより、すべての濃縮水を濃縮排水として排出する場合に比べて、回収率(透過水の流量と濃縮排水の流量との和に対する透過水の流量の割合)を向上させ、節水を実現することができる。それと同時に、このような膜ろ過装置では、水温の変化(すなわち、水の粘性の変化)による透過水の流量変化に対応するために、加圧ポンプの回転数を制御することでRO膜またはNF膜への原水の供給圧力を調整して、透過水の流量を一定に維持する流量制御が行われている。透過水の流量制御では、透過水の流量が一定になるように原水の供給圧力を調整すると、それに応じて濃縮水の流量も変化する。このような濃縮水の流量変化は、ファウリングやスケーリングによる膜の詰まりの発生や、圧力損失の増大による膜の破損につながるため、透過水の流量制御を行う場合には、濃縮水(濃縮還流水または濃縮排水)の流量制御も行うことが望ましい。例えば、特許文献1には、濃縮排水の流量を設定流量に調整する流量制御を行うことが記載されており、回収率の目標値に基づいて濃縮排水の設定流量を算出することが記載されている。
ところで、このような純水製造装置では、原水の水質悪化やRO膜またはNF膜の劣化などにより、膜ろ過装置からの透過水の水質が低下し、電気式脱イオン水製造装置に対する給水の水質基準を満たさなくなることがある。このような場合には、特許文献1に記載されているように、膜ろ過装置からの透過水の水質が一定以上に回復するまでの間、膜ろ過装置から電気式脱イオン水製造装置への給水を停止し、膜ろ過装置からの透過水をその上流側に還流させる循環運転を行うことが知られている。こうした循環運転は、装置起動時や運転再開時、ユースポイントで純水の需要がないときなどにも行われ、電気式脱イオン水製造装置からの脱イオン水(純水)の水質が低下した場合にも、それを膜ろ過装置の上流側に還流させる循環運転が行われている。
特開2018-176033号公報
特許文献1に記載の純水製造装置では、回収率の目標値を設定するにあたり、上述した循環運転と通常運転との切り替えについては何も考慮されておらず、さらなる節水を実現するには改善の余地が残されている。
そこで、本発明の目的は、さらなる節水を実現する純水製造装置およびその運転方法を提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明の純水製造装置は、被処理水を順次処理して純水を製造する純水製造装置であって、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段を備え、被処理水を処理して処理水を生成する膜ろ過装置と、純水製造装置の運転を、純水製造装置で製造された純水をユースポイントに供給する通常運転と、膜ろ過装置で生成された処理水または純水製造装置で製造された純水を膜ろ過装置の上流側に還流させる循環運転とに切り替える制御部と、を有し、膜ろ過装置は、ろ過手段に被処理水を供給する供給ラインと、ろ過手段から透過水を流通させる透過水ラインと、ろ過手段からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、濃縮水ラインから分岐し、濃縮水ラインを流れる濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインと、濃縮水ラインから分岐し、濃縮水ラインを流れる濃縮水の残りを膜ろ過装置の上流側に還流させる還流水ラインと、排水ラインを流れる濃縮水の流量を調整する流量調整手段とを有し、制御部は、通常運転と循環運転において、透過水ラインを流れる透過水の流量と排水ラインを流れる濃縮水の流量との和に対する透過水ラインを流れる透過水の流量の割合である回収率の目標値に基づいて排水ラインを流れる濃縮水の目標流量を算出し、排水ラインを流れる濃縮水の流量が目標流量になるように流量調整手段を制御する排水流量制御を実行し、通常運転では、回収率の目標値を第1の目標値に設定し、循環運転では、回収率の目標値を第1の目標値を上回る第2の目標値に設定する。
また、本発明の純水製造装置の運転方法は、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段と、ろ過手段に被処理水を供給する供給ラインと、ろ過手段からの透過水を流通させる透過水ラインと、ろ過手段からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、濃縮水ラインから分岐し、濃縮水ラインを流れる濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインと、濃縮水ラインから分岐し、濃縮水ラインを流れる濃縮水の残りを膜ろ過装置の上流側に還流させる還流水ラインとを有する膜ろ過装置を有し、被処理水を順次処理して純水を製造する純水製造装置の運転方法であって、純水製造装置で製造された純水をユースポイントに供給する工程と、膜ろ過装置で生成された処理水または純水製造装置で製造された純水を膜ろ過装置の上流側に還流させる工程と、純水をユースポイントに供給する際、および、処理水または純水を膜ろ過装置の上流側に還流させる際に、透過水ラインを流れる透過水の流量と排水ラインを流れる濃縮水の流量との和に対する透過水ラインを流れる透過水の流量の割合である回収率の目標値に基づいて前記排水ラインを流れる濃縮水の目標流量を算出し、前記排水ラインを流れる濃縮水の流量が前記目標流量になるように、排水ラインを流れる濃縮水の流量を調整する工程と、を含み、純水をユースポイントに供給する際には、回収率の目標値が第1の目標値に設定され、処理水または純水を膜ろ過装置の上流側に還流させる際には、回収率の目標値が第1の目標値を上回る第2の目標値に設定される。
このような純水製造装置およびその運転方法によれば、循環運転により処理水質が向上し、それにより膜ろ過装置への供給水の水質も向上するため、スケール発生のリスクを高めることなく、通常運転時に比べて、膜ろ過装置から外部に排出される濃縮水の流量を減らすことができる。
以上、本発明によれば、さらなる節水を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置の概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る膜ろ過装置の概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。図2は、本実施形態の純水製造装置を構成する電気式脱イオン水製造装置の概略構成図である。なお、図示した純水製造装置および電気式脱イオン水製造装置の構成は、それぞれ単なる一例であり、本発明を制限するものではなく、装置の使用目的や用途、要求性能に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。
純水製造装置1は、原水タンク2と、膜ろ過装置3と、電気式脱イオン水製造装置(以下、「EDI装置」ともいう)4とを有し、被処理水(原水)を順次処理して純水を製造し、その純水をユースポイントに供給するものである。さらに、純水製造装置1は、膜ろ過装置3とEDI装置4の運転を制御する制御部5を有している。
膜ろ過装置3は、ろ過手段11を有し、原水タンク2に貯留された原水をろ過手段11で処理することで、原水に含まれる不純物を除去して処理水(透過水)を生成する装置である。ろ過手段11は、原水タンク2から供給される原水を、不純物を含む濃縮水と不純物が除去された透過水とに分離するものであり、逆浸透膜(RO膜)またはナノろ過膜(NF膜)を有している。
また、膜ろ過装置3は、ろ過手段11に接続された複数のライン、すなわち、ろ過手段11に原水を供給する供給ラインL1と、ろ過手段11からの透過水を流通させる処理水ラインL2と、ろ過手段11からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインL3とを有している。加えて、膜ろ過装置3は、濃縮水ラインL3から分岐した2つのライン、すなわち、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインL4と、その残りを原水タンク2に還流させる還流水ラインL5とを有している。供給ラインL1は、その上流側で原水タンク2に接続され、処理水ラインL2は、その下流側でEDI装置4に接続されている。また、処理水ラインL2には、三方弁TV1を介して処理水返送ラインL6が接続され、処理水返送ラインL6は、その下流側で原水タンク2に接続されている。原水タンク2には、原水補給ラインL7ラインが接続され、必要に応じて原水が補給されるようになっている。なお、原水タンク2は必ずしも設けられている必要はなく、還流水ラインL5および処理水返送ラインL6は、供給ラインL1に直接接続されていてもよい。
さらに、膜ろ過装置3は、後述する3つの流量制御を実行するための構成として、供給ラインL1に設けられた加圧ポンプ12と、処理水ラインL2に設けられた処理水流量計13と、濃縮水ラインL3に設けられた定流量弁14と、排水ラインL4に設けられた流量調整弁CV1および排水流量計15と、還流水ラインL5に設けられた手動弁MV1とを有している。加えて、膜ろ過装置3は、純水製造装置1の通常運転と後述する循環運転を切り替えるタイミングを判定するための構成として、処理水ラインL2に設けられた処理水導電率計16を有している。
加圧ポンプ12は、インバータ(図示せず)によって回転数が制御されるようになっており、供給ラインL1を流れる原水の圧力(ろ過手段11への原水の供給圧力)を調整する圧力調整手段として機能する。処理水流量計13は、処理水ラインL2を流れる透過水の流量を検出する流量検出手段として機能する。定流量弁14は、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流量を一定に保持する機能を有している。流量調整弁CV1は、排水ラインL4を流れる濃縮水(以下、「濃縮排水」ともいう)の流量を調整する流量調整手段として機能し、排水流量計15は、濃縮排水の流量を検出する流量検出手段として機能する。手動弁MV1は、排水ラインL4を流れる濃縮水と還流水ラインL5を流れる濃縮水の圧力バランスを調整する圧力調整弁として機能する。処理水導電率計16は、処理水ラインL2を流れる透過水の水質(導電率)を検出する水質検出手段として機能する。
EDI装置4は、膜ろ過装置3の下流側に接続され、処理水ラインL2を通じて膜ろ過装置3から供給される透過水を処理して脱イオン水(純水)を製造するものである。EDI装置4は、EDI装置4からの純水を流通させてユースポイントに供給する純水ラインL8と、EDI装置4からの濃縮水(以下、「EDI濃縮水」ともいう)を外部に排出する濃縮水排出ラインL9と、EDI装置4からの電極水を外部に排出する電極水排出ラインL10とを有している。純水ラインL8には、三方弁TV2を介して純水返送ラインL11が接続され、純水返送ラインL11は、その下流側で原水タンク2に接続されている。また、濃縮水排出ラインL9には、開閉弁MV2が設けられているとともに、開閉弁MV3を介して濃縮水返送ラインL12が接続され、濃縮水返送ラインL12は、その下流側で原水タンク2に接続されている。なお、EDI濃縮水は、全てが濃縮水返送ラインL12を通じて原水タンク2に返送されるが、その水質によっては、その一部または全てが濃縮水排出ラインL9を通じて外部に排出されてもよい。また、EDI装置4からの電極水は、後述する循環運転時を含め常時、その全てが電極水排出ラインL10を通じて外部に排出される。原水タンク2が設けられていない場合、純水返送ラインL11と濃縮水返送ラインL12は供給ラインL1に直接接続されている。
EDI装置4は、電気泳動と電気透析とを組み合わせた装置であり、イオン交換体による被処理水の脱イオン化(脱塩)処理と、イオン交換体の再生処理とを同時に行う装置である。一例として、EDI装置4は、図2に示すように、陽極21を備えた陽極室E1と、陰極22を備えた陰極室E2と、陽極室E1と陰極室E2との間に設けられた脱塩室Dと、脱塩室Dの両側に配置された一対の濃縮室C1,C2とを有している。一対の濃縮室C1,C2は、脱塩室Dの陽極21側でアニオン交換膜a1を介して脱塩室Dと隣接する陽極側濃縮室C1と、脱塩室Dの陰極22側でカチオン交換膜c1を介して脱塩室Dと隣接する陰極側濃縮室C2とを含んでいる。陽極側濃縮室C1は、カチオン交換膜c2を介して陽極室E1と隣接し、陰極側濃縮室C2は、アニオン交換膜a2を介して陰極室E2と隣接している。
脱塩室Dには、カチオン交換体とアニオン交換体との少なくとも一方が充填され、好ましくは、カチオン交換体とアニオン交換体との混合物が充填されている。すなわち、カチオン交換体とアニオン交換体とがいわゆる混床形態で充填されていることが好ましい。カチオン交換体としては、カチオン交換樹脂、カチオン交換繊維、モノリス状多孔質カチオン交換体等が挙げられ、最も汎用的なカチオン交換樹脂が好適に用いられる。カチオン交換体の種類としては、弱酸性カチオン交換体、強酸性カチオン交換体等が挙げられる。アニオン交換体としては、アニオン交換樹脂、アニオン交換繊維、モノリス状多孔質アニオン交換体等が挙げられ、最も汎用的なアニオン交換樹脂が好適に用いられる。アニオン交換体の種類としては、弱塩基性アニオン交換体、強塩基性アニオン交換体等が挙げられる。
陽極側濃縮室C1および陰極側濃縮室C2は、脱塩室Dから排出されるアニオン成分およびカチオン成分をそれぞれ取り込み、それらを濃縮水によって外部に排出するために設けられている。各濃縮室C1,C2には、EDI装置4の電気抵抗を抑えるために、イオン交換体が充填されていることが好ましい。また、陽極室E1および陰極室E2にも、EDI装置4の電気抵抗を抑えるために、それぞれイオン交換体などの導電性物質が充填されていることが好ましい。陽極室E1内に収容された陽極21は、金属の網状体あるいは板状体からなり、陰極室E2内に収容された陰極22も、金属の網状体あるいは板状体からなる。
膜ろ過装置3から延びる処理水ラインL2は3つに分岐して、それぞれ脱塩室D、陽極側濃縮室C1、および陰極室E2に接続されている。脱塩室Dは、その下流側で純水ラインL8に接続され、陽極側濃縮室C1は、陰極側濃縮室C2と直列流路を形成し、陰極側濃縮室C2は、その下流側で濃縮水排出ラインL9に接続されている。こうして、膜ろ過装置3からの透過水が、被処理水として脱塩室Dに供給され、濃縮室流入水として陽極側濃縮室C1から陰極側濃縮室C2に供給される。また、陰極室E2は、陽極室E1と直列流路を形成し、陽極室E1は、その下流側で電極水排出ラインL10に接続されている。したがって、膜ろ過装置3からの透過水は、電極室流入水として陰極室E2から陽極室E1にも供給され、電極水として外部に排出される。
純水ラインL8には、純水流量計23と純水導電率計24とが設けられている。純水流量計23は、後述する3つの流量制御を実行するために用いられ、純水ラインL8を流れる純水の流量を検出する流量検出手段として機能する。純水導電率計24は、純水製造装置1の通常運転と後述する循環運転を切り替えるタイミングを判定するために用いられ、純水ラインL8を流れる透過水の水質(導電率)を検出する水質検出手段として機能する。また、図示しないが、処理水ラインL2から分岐した3つのラインには、EDI装置4内を流れる処理水、濃縮水、および電極水の流量バランス(流量比)を調整するために、それぞれ必要に応じて手動弁が設けられていてもよい。同様に、図示しないが、純水ラインL8、電極水排出ラインL10、および濃縮水排出ラインL9には、EDI装置4内を流れる処理水、濃縮水、および電極水の圧力バランスを調整するために、それぞれ必要に応じて手動弁が設けられていてもよい。
上述したように、脱塩室Dには、処理水ラインL2を通じて膜ろ過装置3から透過水(被処理水)が供給され、透過水中のイオン成分は、脱塩室Dを通過する際にイオン交換体に吸着されて除去される。イオン成分が除去された透過水は、脱イオン水(純水)として、純水ラインL8を通じてユースポイントに供給される。このとき、脱塩室Dで除去されたイオン成分は、両極21,22間に直流電圧が印加されることで発生する電位差により、イオン交換体から遊離して脱塩室Dに隣接する濃縮室C1,C2に移動する。具体的には、カチオン成分は、陰極22側に引き寄せられ、カチオン交換膜c1を通過して陰極側濃縮室C2に移動し、アニオン成分は、陽極21側に引き寄せられ、アニオン交換膜a1を通過して陽極側濃縮室C1に移動する。こうして濃縮室C1,C2に移動したイオン成分は、濃縮室流入水に取り込まれ、濃縮水排出ラインL9を介して外部に排出される。一方で、脱塩室Dでは、水解離反応(水が水素イオンと水酸化物イオンとに解離する反応)が連続的に進行している。水素イオンは、カチオン交換体に吸着したカチオン成分と交換され、水酸化物イオンは、アニオン交換体に吸着したアニオン成分と交換される。こうして、脱塩室Dに充填されたカチオン交換体およびアニオン交換体がそれぞれ再生される。
なお、冒頭でも述べたように、EDI装置4の図示した構成は、あくまで一例であり、装置の使用目的や用途、要求性能に応じて、各室の構成(数、配置など)や流路構成を変更したり、バルブや計測器などを追加したりするなどの変更が可能である。例えば、脱塩室は2つ以上設けられていてもよい。この場合、脱塩室と濃縮室とは、カチオン交換膜またはアニオン交換膜を介して交互に設けられ、最も陽極側に位置する濃縮室が陽極室と隣接し、最も陰極側に位置する濃縮室が陰極室と隣接することになる。一方で、電極室(陽極室または陰極室)に隣接する濃縮室を省略することで、電極室が濃縮室を兼ねていてもよい。このような電極室が濃縮室を兼ねる構成は、脱塩室の数にかかわらず適用可能である。また、脱塩室は、中間イオン交換膜(例えば、バイポーラ膜など)によって、直列流路を形成する2つの小脱塩室に分割されていてもよい。濃縮室流入水は先に陰極側濃縮室に供給されてもよく、電極室流入水は先に陽極室に供給されてもよい。あるいは、一対の濃縮室は並列流路を形成していてもよく、電極室も並列流路を形成していてよい。また、濃縮室流入水と電極室流入水はそれぞれ、脱イオン水の一部であってもよく、脱塩室が2つの小脱塩室に区画されている場合には、被処理水を一方の小脱塩室に通水して得られた処理水の一部であってもよい。
制御部5は、純水製造装置1の通常運転時に、2つの流量制御、すなわち、EDI装置4で製造される脱イオン水(純水)の流量制御である純水流量制御と、膜ろ過装置3から外部に排出される濃縮排水の流量制御である排水流量制御とを並行して実行する。具体的には、純水流量制御では、純水ラインL8を流れる純水の流量が設定流量になるように加圧ポンプ12が制御される。排水流量制御では、処理水ラインL2を流れる透過水の流量から濃縮排水(排水ラインL4を流れる濃縮水)の目標流量が算出され、濃縮排水の流量がその目標流量になるように流量調整弁CV1の開度が制御される。以下、これら2つの流量制御の詳細について説明する。
純水流量制御では、EDI装置4の純水流量計23による処理水の検出流量(検出値)が一定(予め定められた設定流量)になるように、膜ろ過装置3の加圧ポンプ12が制御される。例えば、水温が変化すると、水の粘性の変化により、ろ過手段11で分離される透過水の流量が変化し、その結果、EDI装置4で製造される純水の流量も変化する。この変化に応じて、制御部5は、インバータを通じて加圧ポンプ12の回転数を制御する。すなわち、水温が低くなると、水の粘性は高くなり、その結果、ろ過手段11で分離される透過水の流量が減少して、EDI装置4で製造される純水の流量も減少する。そのため、制御部5は、この減少分を補うように、加圧ポンプ12の回転数を上げることで、原水の供給圧力を増加させる。また、水温が高くなると、水の粘性は低くなり、その結果、ろ過手段11で分離される透過水の流量が増加して、EDI装置4で製造される純水の流量も増加する。そのため、制御部5は、この増加分を打ち消すように、加圧ポンプ12の回転数を下げることで、原水の供給圧力を低下させる。こうして、加圧ポンプ12の回転数、すなわち原水の供給圧力が調整され、純水ラインL8を流れる純水の流量が一定に維持される。
なお、ろ過手段11への原水の供給圧力の変化(加圧ポンプ12の回転数の変化)に応じて、ろ過手段11で分離される濃縮水の流量も変化するが、濃縮水ラインL3には、上述したように定流量弁14が設けられている。そのため、純水流量制御により、加圧ポンプ12の回転数が変化して原水の供給圧力が変化した場合にも、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流量を一定に保持することができる。その結果、純水流量制御が排水ラインL4や還流水ラインL5を流れる濃縮水の流量に影響を及ぼすことがなくなり、後述する排水流量制御は、純水流量制御と干渉することなく独立して行われることになる。
ここで、定流量弁14の規定流量は、一方では、ファウリングやスケーリングによる膜の詰まりが発生しない程度であればよく、他方では、圧力損失の増大によって膜を破損させない程度であればよい。ただし、定流量弁14の規定流量を必要以上に大きくすることは、加圧ポンプ12に要求される流量が必要以上に大きくなり、結果的に加圧ポンプ12のサイズが大きくなるため、エネルギー消費の点で好ましくない。そのため、定流量弁14の規定流量は、ろ過手段11の透過流束とろ過手段11に要求される濃縮水の最低流量も考慮して設定され、例えば、ろ過手段11として直径が約20.32cm(8インチ)のRO膜を用いる場合、1~15m/hの範囲である。なお、ろ過手段11に要求される濃縮水の最低流量とは、ファウリングやスケーリングによる膜の詰まりが発生しないための濃縮水ラインL3に流すべき濃縮水の最低流量を意味する。
ところで、定流量弁14には、定流量弁14を正常に作動させるための作動差圧範囲(定流量弁の一次側と二次側の圧力差の許容範囲)が規定されている。そのため、例えば、ろ過手段11として中高圧用のRO膜を使用する場合や、水温が極端に低下した場合など、条件によっては、原水の供給圧力が著しく上昇して濃縮水の圧力が上昇し、定流量弁14の一次側と二次側の圧力差が作動差圧範囲を超えてしまうことがある。その場合、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流量が一定に保持されないおそれがある。
そこで、定流量弁14の上流側の濃縮水ラインL3に、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の圧力を減圧する(すなわち、二次側の圧力を一次側の圧力よりも低くすることができる)減圧弁が設けられていてもよい。これにより、ろ過手段11への原水の供給圧力が著しく上昇する場合であっても、定流量弁14の一次側と二次側の圧力差を作動差圧範囲内に収めて定流量弁14を正常に作動させることができ、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流量を一定に保持することができる。また、減圧弁が設けられていると、定流量弁14が正常に作動して濃縮水の流量が増加することがないため、後述する排水流量制御によって濃縮排水の流量が目標流量に調整される際に還流水ラインL5を流れる濃縮水の流量が増加することがなく、加圧ポンプ12の吐出流量が増加することがない。そのため、加圧ポンプ12の揚程が低くなることで必要な透過水の流量が得られなくなるおそれもなくなる。さらに、減圧弁を設けることは、それよりも下流側の周辺部材(配管など)にそれほどの耐圧性能が要求されなくなるため、安全面で有利であるだけでなく、耐圧性能がそれほど高くない安価な汎用品が利用可能になることで、コスト面でも有利である。なお、減圧弁の種類は、濃縮水の圧力を定流量弁14の作動差圧範囲内に減圧することができるものであれば特に限定されるものではないが、定流量弁14の規定流量以上の流量が流れるものや、二次側の圧力が排水ラインL4や還流水ラインL5の通水差圧と排水側の背圧との合計よりも大きくなるものを選定する必要がある。
排水流量制御では、膜ろ過装置3のろ過手段11の回収率(透過水の流量と濃縮排水の流量との和に対する透過水の流量の割合)を考慮して濃縮排水の目標流量が算出され、排水流量計15による濃縮排水の検出流量(検出値)がその目標流量になるように、流量調整弁CV1の開度が調整される。このときの回収率は、水の有効利用(節水)の観点から、できるだけ高いことが好ましい。すなわち、濃縮排水の流量はできるだけ少ないことが好ましい。しかしながら、定流量弁14により濃縮水の流量が一定に保持されているため、濃縮排水の流量が少なくなると、当然のことながら、還流水ラインL5から供給ラインL1に還流する濃縮水の流量が増加する。それにより、原水の不純物濃度が高まると、ろ過手段11のRO膜またはNF膜の膜面に不純物(特に、シリカまたはカルシウム)が析出するスケーリングが起こりやすくなってしまう。したがって、濃縮排水の流量は、濃縮水の不純物濃度が溶解度以上の濃度にならない範囲で回収率が最大になるように、すなわち、不純物であるシリカまたはカルシウムが析出しない範囲で回収率が最大になるように設定される。
ただし、不純物の溶解度は、水温に応じて変化する。例えば、シリカの場合、その溶解度は温度に比例して増加し、カルシウム(炭酸カルシウム)の場合、温度が上昇するにつれてその溶解度は減少する。そのため、水温が低い場合には、シリカの溶解度が相対的に低く、シリカが析出しやすい(シリカスケールが発生しやすい)が、水温が高くなると、カルシウムの溶解度が相対的に低くなるため、カルシウムが析出しやすく(カルシウムスケールが発生しやすく)なる。そこで、膜ろ過装置3には、図示していないが、原水と透過水と濃縮水とのいずれかの水温を検出する温度センサ(水温検出手段)が設けられている。この温度センサにより検出された水温に基づいて、濃縮排水の最適な目標流量が算出される。
具体的には、まず、検出された水温でシリカが析出する理論上の回収率(以下、「シリカの析出回収率」という)と、検出された水温でカルシウム(炭酸カルシウム)が析出する理論上の回収率(以下「カルシウムの析出回収率」という)が算出される。なお、シリカの析出回収率とカルシウムの析出回収率のそれぞれの算出方法については後述する。次に、シリカの析出回収率とカルシウムの析出回収率とが比較され、目標回収率として、より小さい方の析出回収率が設定される。そして、この目標回収率と、処理水流量計13による透過水の検出流量とに基づいて、以下の式(1)により、濃縮排水の目標流量が算出されて設定される。
(濃縮排水の目標流量)=
(透過水の検出流量/目標回収率)-(透過水の検出流量) (1)
スケーリングの発生を確実に抑制するという観点からは、上記式(1)で算出された目標流量を上回る流量を濃縮排水の設定流量として設定することもできるが、節水の観点からは、算出された目標流量を濃縮排水の設定流量として設定することが好ましい。なお、回収率(目標回収率)として、通常は、パーセントで表した値が用いられるが、上記式(1)では、小数で表した値が用いられることは言うまでもない。
ここで、シリカの析出回収率とカルシウムの析出回収率の算出方法についてそれぞれ説明する。
(シリカの析出回収率の算出方法)
シリカの析出回収率Yは、検出された水温でのシリカの溶解度(mg/L)をCとし、予め測定された原水のシリカ濃度(mg/L)をFとしたとき、以下の式(2)から算出される。
=(C-F)/C (2)
なお、シリカの溶解度の算出方法としては、ASTM(American Society for Testing and Materials)D4993-89などに規定された方法を用いることができる。
(カルシウムの析出回収率の算出方法)
カルシウムの析出回収率は、濃縮水のランゲリア指数を算出する方法を利用して算出される。ここで、ランゲリア指数(飽和指数)とは、カルシウム(炭酸カルシウム)の析出の可能性を示す指標であり、水の実際のpHと、理論pH(pHs:水中の炭酸カルシウムが溶解も析出もしない平衡状態にあるときのpH)との差(pH-pHs)を意味する。すなわち、ランゲリア指数が正の値で絶対値が大きいほど炭酸カルシウムが析出しやすくなり、負の値では炭酸カルシウムは析出されない。そのため、カルシウムの析出回収率は、濃縮水のランゲリア指数がゼロになるときの回収率として算出される。なお、より安全側の値として設定するために、カルシウムの析出回収率は、濃縮水のランゲリア指数が負の値になるときの回収率であってもよい。
濃縮水のランゲリア指数は、濃縮水のpHと、濃縮水の不純物濃度(カルシウム濃度、総アルカリ度、および蒸発残留物濃度)と、検出された水温とから算出される。ランゲリア指数の算出方法としては、例えば、特開平11-267687号公報(段落[0025]~[0027])などに記載された方法を用いることができる。また、濃縮水の不純物濃度(カルシウム濃度、総アルカリ度、および蒸発残留物濃度)は、予め測定された原水の不純物濃度(カルシウム濃度、総アルカリ度、および蒸発残留物濃度)と、回収率とから算出される。したがって、カルシウムの析出回収率Yは、濃縮水のランゲリア指数がゼロになるときの濃縮水の不純物濃度(mg/L)をCとし、予め測定された原水の不純物濃度(mg/L)をFとしたとき、以下の式(3)の関係で表されることになる。
=(C-F)/C (3)
シリカおよびカルシウムの析出回収率の算出方法や濃縮排水の目標流量の算出方法は、例えば加圧ポンプの容量や原水の流量などの装置設計上の制約によって、予め回収率や流量に制約がある場合には、上述した限りではない。また、純水流量制御によって純水ラインL6を流れる純水の流量が一定に調整され、処理水ラインL2を流れる透過水の流量も実質的に一定に調整されるため、濃縮排水の目標流量の算出には、そのような透過水の実質的な設定流量を用いることもできる。ただし、この方法は、透過水の実質的な設定流量と実際の流量が一致していない場合に、実際の回収率が目標回収率からずれる可能性があるため好ましくない。すなわち、透過水の実際の流量が実質的な設定流量よりも大きい場合には、実際の回収率が目標回収率を上回ることでスケーリングが発生したり、透過水の実際の流量が実質的な設定流量よりも小さい場合には、実際の回収率が目標回収率を下回ることで節水を図ることができなくなったりする。
したがって、濃縮排水の目標流量の算出には、上述したように、処理水流量計13による検出流量を用いることが好ましい。これにより、純水流量制御において純水の流量制御が適切に実施されず、それにより、透過水の流量が実質的に一定に調整されない事態が発生しても、実際の回収率が目標の回収率からずれることを抑制することができる。なお、実際の算出には、透過水の検出流量のばらつきなどによる影響を最小限に抑えるために、所定検出時間や所定検出回数における平均流量を用いることが好ましい。
ただし、装置起動時や運転再開時など、透過水の流量が安定せず、検出流量のばらつきが非常に大きい場合には、透過水の流量が安定するまでの一定期間、上述した透過水の実質的な設定流量を用いて、濃縮排水の目標流量を算出するようになっていてもよい。また、透過水の実質的な設定流量と実際の流量との差に応じて、濃縮排水の目標流量の算出に用いる透過水の流量を切り替えるようになっていてもよい。すなわち、その差が所定範囲内にある場合には、実質的な設定流量を用いて算出し、その差が所定範囲を外れた場合には、実際の流量を用いて算出するようになっていてもよい。
上述のように回収率制御を行う場合、流量調整弁CV1としては、電動比例制御弁を用いることが好ましい。これにより、電動比例制御弁の分解能に応じて開度調整を細かく行うことができ、電磁弁の組み合わせなどによる段階式での開度調整に比べて、回収率を滑らかに調整することができる。例えば、50~70%の範囲の回収率を5段階(50%、55%、60%、65%、70%)にしか制御できない段階式では、目標回収率が64%に設定された場合、回収率を60%にしか調整することができず、無駄な濃縮排水が発生してしまう。したがって、流量調整弁CV1として電動比例制御弁を用いることは、このような濃縮排水の無駄も削減することができるため、節水の観点からも有利である。
ただし、流量調整弁CV1として電動比例制御弁を用いる場合には、その開閉速度と、濃縮排水の設定流量の算出速度(演算速度)との関係に注意が必要である。例えば、2つの速度が大きく異なっている場合、電動比例制御弁の開閉が完了して濃縮排水の流量が安定する前にその設定流量が変更されると、ハンチングが発生する可能性がある。また、濃縮排水の目標流量が処理水流量計13による透過水の検出流量に基づいて決定されるため、濃縮排水の流量制御は、加圧ポンプ12の回転数を制御するインバータの応答速度にも影響を受ける可能性がある。したがって、濃縮排水の目標流量の演算速度を決定する際には、電動比例制御弁の開閉速度とインバータの応答速度とを考慮することが好ましい。すなわち、電動比例制御弁の開閉速度が遅い場合は、インバータの応答速度を遅くし、電動比例制御弁の開閉速度が速い場合は、インバータの応答速度を速くすることが好ましい。
上述したように、本実施形態では、定流量弁14により濃縮水の流量が一定に維持されるため、排水ラインL4および還流水ラインL5の一方を流れる濃縮水の流量を規定するだけで、他方を流れる濃縮水の流量も規定することができる。そのため、図示した実施形態では、排水ラインL4に流量制御手段としての流量調整弁CV1と排水流量計15が設けられ、還流水ラインL5に圧力バランス調整のための手動弁MV1が設けられているが、その逆であってもよい。すなわち、還流水ラインL5に、流量調整弁(比例制御弁)と流量計が設けられ、排水ラインL4に、圧力バランス調整のための手動弁が設けられていてもよい。あるいは、排水ラインL4および還流水ラインL5の両方に、流量調整弁(比例制御弁)と流量計を設けることもできる。なお、この場合には、排水ラインL4および還流水ラインL5を流れる濃縮水の流量をいずれも調整することができ、それにより、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流量を一定に維持することも可能になるため、定流量弁14は必ずしも設けられていなくてもよい。一方で、本実施形態のように排水ラインL4のみに流量制御手段が設けられている場合にも、例えば、サイズの大きい加圧ポンプ12を用いるなどして、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流量として、ろ過手段11に要求される濃縮水の最低流量以上が常に確保できれば、定流量弁14は必ずしも設けられていなくてもよい。
ところで、原水の水質悪化やろ過手段11(RO膜またはNF膜)の劣化などが発生すると、膜ろ過装置3からの透過水の水質が低下して、EDI装置4に対する給水の水質基準を満たさなくなることがある。その結果、EDI装置4では、処理水質が低下し、要求水質を満たす脱イオン水(純水)が得られなくなるおそれがあるため、そのような水質低下が発生した場合、それを短期間で回復させることが好ましい。そのために、制御部5は、処理水ラインL2を流れる透過水の水質を監視し、その監視結果に基づいて、膜ろ過装置3からの透過水の水質を回復させるための運転制御を実行するか否かを判断する。すなわち、制御部5は、処理水ラインL2を流れる透過水の水質が所定の水質を満たしているか否かを判断し、満たしていないと判断した場合に、膜ろ過装置3からEDI装置4への給水を停止し、膜ろ過装置3からの透過水をその上流側に還流させる循環運転を実行する。具体的には、三方弁TV1を切り替えることで、ろ過手段11で分離された透過水を、処理水ラインL2から処理水返送ラインL6を通じて原水タンク2に返送し、供給ラインL1に還流させる。こうして透過水の循環運転が実行され、膜ろ過装置3からの処理水の水質を回復させることができる。
このような透過水の循環運転は、装置起動時や運転再開時などにも行われ、膜ろ過装置3からの透過水の水質が一定以上になるまで、すなわち、EDI装置4に対する給水の水質基準を満たすようになるまで行われ、その後、膜ろ過装置3からのEDI装置4への給水が開始または再開されることで、EDI装置4の運転が開始または再開される。ここで、膜ろ過装置3からの透過水の水質が所定の水質を満たしているか否かは、処理水導電率計16により検出された透過水の導電率が所定値以下であるか否かに基づいて判定することができる。すなわち、処理水導電率計16による検出値が所定値以下である場合に、透過水の水質が所定の水質を満たしていると判定され、所定値を上回る場合に、透過水の水質が所定の水質を満たしていないと判定される。なお、導電率計の代わりに比抵抗計を設置し、透過水の比抵抗を検出することでその水質を監視してもよい。
一方で、EDI装置4においても、シリカなどのイオンの蓄積や内部部材の劣化などにより処理性能が低下し、それにより、要求水質を満たす純水が得られなくなることがある。そのため、制御部5は、純水ラインL8を流れる純水の水質も監視しており、その水質が所定の水質を満たしていないと判断した場合に、透過水の循環運転と同様に、EDI装置4からユースポイントへの純水の供給を停止し、EDI装置4からの純水を膜ろ過装置3の上流側に還流させる循環運転を実行する。すなわち、制御部5は、三方弁TV2を切り替えることで、EDI装置4で製造された純水を、純水ラインL8から純水返送ラインL11を通じて原水タンク2に返送し、供給ラインL1に還流させる。こうして純水の循環運転が実行され、EDI装置4からの純水の水質を回復させることができる。特にEDI装置4では、脱塩室Dに純水が通水されることでイオン交換体の再生処理が促進されるため、EDI装置4からの純水の水質をより回復させることができる。なお、純水の循環運転時には、開閉弁MV2が閉鎖されるとともに開閉弁MV3が開放されることで、EDI濃縮水も、濃縮水返送ラインL12を通じて原水タンク2に返送される。
このような純水の循環運転は、透過水の循環運転と同様に、装置起動時や運転再開時などにも行われる。すなわち、透過水の循環運転の終了後、膜ろ過装置3からのEDI装置4への給水が開始または再開されると、純水の循環運転は開始され、EDI装置4で製造される純水の水質が所定の水質を満たすようになるまで行われる。ここで、EDI装置4からの純水の水質が所定の水質を満たしているか否かは、純水導電率計23により検出された純水の導電率が所定値以下であるか否かに基づいて判定することができる。すなわち、純水導電率計23による検出値が所定値以下である場合に、純水の水質が所定の水質を満たしていると判定され、所定値を上回る場合に、純水の水質が所定の水質を満たしていないと判定される。なお、導電率計の代わりに比抵抗計を設置し、純水の比抵抗を検出することでその水質を監視してもよい。
透過水の循環運転時には、EDI装置4で脱イオン水(純水)が製造されず、純水ラインL8を純水が流れないため、制御部5は、純水の流量に応じた加圧ポンプ12の制御、すなわち、純水流量制御を実行することができない。したがって、この場合、制御部5は、純水流量制御の代わりに、処理水ラインL2から処理水返送ラインL6を流れる透過水の流量、具体的には、処理水流量計13による透過水の検出流量が設定流量になるように加圧ポンプ12を制御する処理水流量制御を実行することができる。あるいは、制御部5は、透過水の循環運転時、加圧ポンプ12の回転数を一定にすることもできる。
これに対し、透過水および純水のいずれの循環運転時にも、膜ろ過装置3による膜分離処理は行われるため、制御部5は、排水ラインL4を流れる濃縮水(濃縮排水)の流量制御である排水流量制御を実行することができる。排水流量制御では、上述したように、水温に基づいて目標回収率が算出されることで、スケール発生のリスクを可能な限り低減しつつ、濃縮排水の流量をできるだけ少なくして節水を実現することができる。しかしながら、通常運転時には、このような節水効果は期待できるものの、ユースポイントに純水が供給されない透過水および純水の循環運転時には、濃縮排水は単に外部に排出されるだけになるため、水温に基づいて濃縮排水の最適な目標流量を算出しても、結果的に水を無駄に消費することになる。したがって、さらなる節水を実現するためには、透過水および純水の循環運転時に目標回収率(濃縮排水の目標流量)を設定するにあたって改善の余地が残されている。
そこで、本実施形態では、透過水および純水の循環運転時に、通常運転時とは異なる方法でろ過手段11の目標回収率が設定される。具体的には、ろ過手段11の目標回収率は、通常運転時には、上述したように水温に基づいて算出される第1の目標値(可変値)に設定される一方、循環運転時には、第1の目標値を上回る予め定められた第2の目標値(固定値)に設定される。これにより、通常運転時に比べて、透過水および純水の循環運転時の濃縮排水の流量を少なくすることができ、水の無駄な消費を抑制して、さらなる節水を実現することができる。なお、透過水および純水の循環運転時には、上述したように循環する透過水および純水の水質が向上するため、第1のろ過手段11への供給水(第1のろ過手段11に実際に供給される被処理水)の不純物濃度は、予め測定された原水の不純物濃度よりも低くなる。その結果、循環運転時の目標回収率として、水温に基づいて算出した第1の目標値よりも高い第2の目標値を設定し、それにより濃縮排水の流量を少なくしても、スケール発生のリスクが高まることを抑制することができる。このときの第2の目標値は、特に限定されず、例えば、排水ラインL4に設けられた排水流量計15が正常に作動する流量範囲に基づいて決定することができる。あるいは、第2の目標値は、原水のシリカ濃度やカルシウム濃度から想定される回収率の制御範囲の上限値に設定されてもよい。
節水を実現することだけを考慮すれば、ろ過手段11で分離された濃縮水の全てを原水タンク2に還流させることも考えられる。しかしながら、この場合、透過水の循環運転時には、原水タンク2への原水の補給が行われなくなるため、循環する透過水の水質向上が見込まれず、循環運転の趣旨からは外れてしまう。そのため、透過水の循環運転時には、ろ過手段11からの濃縮水はわずかでも排水ラインL4を通じて外部に排出されることが好ましい。一方、純水の循環運転時には、上述したように電極水が電極水排出ラインL10を通じて外部に排出されるため、これよりも濃縮排水の流量が少ないと、系内でイオン成分の濃縮が進行してしまう。そのため、純水の循環運転時の濃縮排水の流量は、外部に排出される電極水の流量以上であることが好ましい。
上述した実施形態では、1つの制御部5により2つの流量制御が実行されるが、それぞれの流量制御が別個に設けられた制御部によって実行されてもよい。なお、本実施形態では、ろ過手段11が1つであるため、ろ過手段11で分離された透過水が膜ろ過装置3で生成された処理水に相当する。そのため、本実施形態の処理水ラインL2が本発明の透過水ラインに相当する。
また、上述したように、図示した純水製造装置1の構成はあくまで一例であり、装置の使用目的や用途、要求性能に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。特に、膜ろ過装置3が設けられている限り、電気式脱イオン水製造装置4は省略されてもよい。この場合、膜ろ過装置3で生成された処理水、すなわち、ろ過手段11で分離された透過水が純水製造装置1で製造された純水に相当する。そのため、本実施形態の処理水ラインL2が本発明の純水ラインに相当し、同じく処理水返送ラインL6が本発明の純水返送ラインに相当する。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る膜ろ過装置の概略構成図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、膜ろ過装置の構成が変更されている点で第1の実施形態と異なっている。したがって、本実施形態の純水製造装置は、膜ろ過装置の構成以外、第1の実施形態と同様の構成を有している。以下、第1の実施形態と同様の構成については、図面に同じ符号を付してその説明を省略し、第1の実施形態と異なる構成のみ説明する。
本実施形態では、第1の実施形態のろ過手段(第1のろ過手段)11に加えて、その下流側にさらに別のろ過手段(第2のろ過手段)17が設けられている。第2のろ過手段17は、第1のろ過手段11で分離された透過水を被処理水として処理するように、第1のろ過手段11に直列に接続されている。これにより、本実施形態の膜ろ過装置3は、第1の実施形態と比べて、より良好な水質の処理水を生成することができる。以下、第1のろ過手段11で分離された透過水および濃縮水をそれぞれ「一次透過水」および「一次濃縮水」ともいい、第2のろ過手段17で分離された透過水および濃縮水をそれぞれ「二次透過水」および「二次濃縮水」ともいう。
これに伴い、本実施形態では、第1の実施形態におけるいくつかの構成が変更され、新たな構成もいくつか追加されている。すなわち、本実施形態では、処理水ラインL2が第2のろ過手段17に接続され、第1のろ過手段11と第2のろ過手段17との間に、第1のろ過手段11からの一次透過水を流通させて第2のろ過手段17に供給する透過水ラインL13が接続されている。したがって、本実施形態では、膜ろ過装置3で生成される処理水として、第2のろ過手段17からの二次透過水がEDI装置4に供給され、必要に応じて、その二次透過水を膜ろ過装置3の上流側に還流させる循環運転が実行される。そして、このとき、純水流量制御の代わりに、処理水流量計13による二次透過水の検出流量が設定流量になるように加圧ポンプ12を制御する処理水流量制御が実行される。加えて、第2のろ過手段17には、第2のろ過手段17からの二次濃縮水を流通させる二次濃縮水ラインL14が接続されている。第2のろ過手段17では、第1のろ過手段11からの一次透過水がさらに二次透過水と二次濃縮水に分離されるため、水質の観点からは、二次濃縮水を必ずしも外部に排出する必要はない。そのため、二次濃縮水ラインL14は、節水の観点から、二次濃縮水の全てを原水タンク2に返送するために原水タンク2に接続されている。ただし、場合によっては、二次濃縮水の一部または全部が外部に排出されてもよく、そのための排水ラインが二次濃縮水ラインL14に接続されていてもよい。
二次濃縮水ラインL8には、二次濃縮水ラインL8を流れる二次濃縮水の流量を調整するための手動弁MV4と濃縮水流量計18が設けられている。これにより、第2のろ過手段17の返流率(二次透過水の流量と二次濃縮水の流量との和に対する二次濃縮水の流量の割合)を任意に調整することができる。なお、返流率の手動調整の煩雑さを解消するために、手動弁MV4の代わりに、濃縮水流量計18による二次濃縮水の検出流量に基づいて開度を調整可能な比例制御弁が設けられていてもよい。あるいは、返流率を一定範囲に保持するために、手動弁MV4と濃縮水流量計18の代わりに、定流量弁が設けられていてもよい。この場合、条件によっては、定流量弁の一次側と二次側の圧力差が作動差圧範囲(定流量弁を正常に作動させるための上記圧力差の許容範囲)を超えてしまうことがあるが、それを回避するために、定流量弁の上流側に減圧弁が設けられていてもよい。第2のろ過手段17には、上述したように、不純物濃度が低い第1のろ過手段11からの一次透過水が供給されるため、節水の観点から、第2のろ過手段17の返流率は低く設定されることが好ましい。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、通常運転時と純水の循環運転時には、純水流量制御と排水流量制御とが並行して実行され、二次透過水の循環運転時には、処理水流量制御と排水流量制御とが並行して実行される。なお、本実施形態では、透過水ラインL13に流量計が設けられていないため、排水流量制御において目標回収率に基づいて濃縮水の目標流量を算出するにあたり、透過水ラインL13を流れる一次透過水の流量は、処理水流量計13と濃縮水流量計18を用いて間接的に検出される。すなわち、処理水流量計13により検出された二次透過水の流量と、濃縮水流量計18により検出された二次濃縮水の流量との和として、一次透過水の検出流量が算出(取得)される。ただし、透過水ラインL13に図示しない流量計が設けられ、それにより、一次透過水の流量を直接検出するようになっていてもよい。また、上述したように、手動弁MV4と濃縮水流量計18の代わりに定流量弁が設けられている場合には、濃縮水流量計18による検出値の代わりに、定流量弁の規定流量を用いて、一次透過水の流量を間接的に検出してもよい。あるいは、二次透過水の循環運転時には、処理水流量制御によって二次透過水の流量が一定に調整され、予め定められた第2のろ過手段17の返流率の目標値に基づいて二次濃縮水の流量も一定に調整されると、一次透過水も実質的に一定に調整されるため、そのような一次透過水の実質的な目標流量を用いて、濃縮排水の目標流量を算出してもよい。
なお、本実施形態では、1つの加圧ポンプ12で2つのろ過手段11,17に原水を供給する必要があるため、加圧ポンプ12による第1のろ過手段11への原水の供給圧力は、第1の実施形態に比べて大きくなる。そのため、定流量弁14の規定流量は、この点も考慮して設定する必要がある。例えば、2つのろ過手段11,17としてそれぞれ直径が約20.32cm(8インチ)のRO膜を用いる場合、第1のろ過手段11の適用温度範囲が5~35℃で、原水のシリカ濃度やカルシウム濃度から回収率の制御範囲が50~85%と想定される場合、例えば、定流量弁14としては、株式会社ケイヒン製(品番:NSPW-25、設定流量:55L/min)の定流量弁を用いることができる。
本実施形態では、2つのろ過手段11,17が直列に接続されているが、ろ過手段の数はこれに限定されるものではなく、3つ以上のろ過手段が直列に接続されて設けられていてもよい。その場合、本実施形態の透過水ラインL2は、3つ以上のろ過手段のうち最も下流側のろ過手段に接続され、3つ以上のろ過手段のうち最も上流側のろ過手段が、本発明のろ過手段に相当する。なお、最も上流側のろ過手段からの濃縮排水の設定流量の算出には、最も下流側のろ過手段で分離された透過水ではなく、最も上流側のろ過手段で分離された透過水の流量が用いられることに留意されたい。また、ここでいう「直列に接続される」とは、被処理水が複数のろ過手段で順次処理されることを意味し、隣接する2つのろ過手段において、上流側のろ過手段で分離された透過水が下流側のろ過手段に被処理水として供給されることを意味する。また、各ろ過手段は、複数のRO膜またはNF膜から構成されていてもよい。この場合、複数のRO膜またはNF膜は、一次側(原水および濃縮水の流通側)が直列に接続されて最終的に濃縮水ラインに接続され、二次側(透過水の流通側)が並列に接続されて最終的に透過水ラインに接続されることになる。
1 純水製造装置
2 原水タンク
3 膜ろ過装置
4 EDI装置(電気式脱イオン水製造装置)
5 制御部
11 ろ過手段(第1のろ過手段)
12 加圧ポンプ
13 処理水流量計
14 定流量弁
15 排水流量計
16 処理水導電率計
17 第2のろ過手段
21 陽極
22 陰極
23 純水流量計
24 純水導電率計
D 脱塩室
C1,C2 濃縮室
E1,E2 電極室
a1,a2 アニオン交換膜
c1,c2 カチオン交換膜
L1 供給ライン
L2 処理水ライン
L3 濃縮水ライン(一次濃縮水ライン)
L4 排水ライン
L5 還流水ライン
L6 処理水返送ライン
L7 原水補給ライン
L8 純水ライン
L9 濃縮水排出ライン
L10 電極水排出ライン
L11 純水返送ライン
L12 濃縮水返送ライン
L13 透過水ライン
L14 二次濃縮水ライン
CV1 流量調整弁
MV1,MV4 手動弁
MV2,MV3 開閉弁
TV1,TV2 三方弁

Claims (10)

  1. 被処理水を順次処理して純水を製造する純水製造装置であって、
    被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段を備え、被処理水を処理して処理水を生成する膜ろ過装置と、
    前記純水製造装置の運転を、該純水製造装置で製造された純水をユースポイントに供給する通常運転と、前記膜ろ過装置で生成された処理水または前記純水製造装置で製造された純水を前記膜ろ過装置の上流側に還流させる循環運転とに切り替える制御部と、を有し、
    前記膜ろ過装置は、前記ろ過手段に被処理水を供給する供給ラインと、前記ろ過手段から透過水を流通させる透過水ラインと、前記ろ過手段からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、前記濃縮水ラインから分岐し、前記濃縮水ラインを流れる濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインと、前記濃縮水ラインから分岐し、前記濃縮水ラインを流れる濃縮水の残りを前記膜ろ過装置の上流側に還流させる還流水ラインと、前記排水ラインを流れる濃縮水の流量を調整する流量調整手段とを有し、
    前記制御部は、前記通常運転と前記循環運転において、前記透過水ラインを流れる透過水の流量と前記排水ラインを流れる濃縮水の流量との和に対する前記透過水ラインを流れる透過水の流量の割合である回収率の目標値に基づいて前記排水ラインを流れる濃縮水の目標流量を算出し、前記排水ラインを流れる濃縮水の流量が前記目標流量になるように前記流量調整手段を制御する排水流量制御を実行し、前記通常運転では、前記回収率の目標値を第1の目標値に設定し、前記循環運転では、前記回収率の目標値を前記第1の目標値を上回る第2の目標値に設定する、純水製造装置。
  2. 前記膜ろ過装置が、前記ろ過手段に供給される被処理水と前記ろ過手段からの透過水と前記ろ過手段からの濃縮水とのいずれかの水温を検出する水温検出手段を有し、
    前記制御部は、前記通常運転では、前記水温検出手段による検出値に基づいて、前記ろ過手段の前記逆浸透膜またはナノろ過膜の膜面にシリカまたはカルシウムが析出しない最大の回収率を算出し、該算出した値を前記第1の目標値として設定し、前記循環運転では、予め定められた値を前記第2の目標値として設定する、請求項1に記載の純水製造装置。
  3. 前記膜ろ過装置の下流側に接続され、前記膜ろ過装置で生成された処理水から脱イオン水を製造し、該製造した脱イオン水を前記純水としてユースポイントに供給する電気式脱イオン水製造装置と、前記電気式脱イオン水製造装置で製造された脱イオン水を流通させる純水ラインと、前記純水ラインから分岐して前記膜ろ過装置の上流側に接続された純水返送ラインと、を有し、
    前記制御部は、前記電気式脱イオン水製造装置で製造された脱イオン水の水質が所定の水質を満たしている場合に、前記純水ラインを通じて前記製造された脱イオン水を前記ユースポイントに供給する前記通常運転を行い、所定の水質を満たしていない場合に、前記純水ラインから前記純水返送ラインを通じて前記製造された脱イオン水を前記膜ろ過装置の上流側に還流させる前記循環運転を行う、請求項2に記載の純水製造装置。
  4. 前記膜ろ過装置が、前記供給ラインを流れる被処理水の圧力を調整する圧力調整手段を有し、
    前記制御部は、前記排水流量制御と並行して、前記通常運転では、前記純水ラインを流れる脱イオン水の流量が設定流量になるように、前記循環運転では、前記純水ラインから前記純水返送ラインを流れる脱イオン水の流量が前記設定流量になるように前記圧力調整手段を制御する純水流量制御を実行する、請求項3に記載の純水製造装置。
  5. 前記電気式脱イオン水製造装置が、陽極室と陰極室とからなり、前記膜ろ過装置で生成された処理水の一部が電極水として通水される電極室を有し、
    前記予め定められた値は、前記排水ラインを流れる濃縮水の前記目標流量が前記電極室に通水されて外部に排出される前記電極水の流量以上になるように設定される、請求項3または4に記載の純水製造装置。
  6. 前記膜ろ過装置が、該膜ろ過装置で生成された処理水を流通させる処理水ラインと、前記処理水ラインから分岐して前記膜ろ過装置の上流側に接続された処理水返送ラインとを有し、
    前記制御部は、前記膜ろ過装置で生成された処理水の水質が所定の水質を満たしていない場合に、前記処理水ラインから前記処理水返送ラインを通じて前記生成された処理水を前記膜ろ過装置の上流側に還流させる前記循環運転を行う、請求項3に記載の純水製造装置。
  7. 前記膜ろ過装置が、前記供給ラインを流れる被処理水の圧力を調整する圧力調整手段を有し、
    前記制御部は、前記排水流量制御と並行して、前記通常運転では、前記純水ラインを流れる脱イオン水の流量が設定流量になるように前記圧力調整手段を制御する純水流量制御を実行し、前記循環運転では、前記処理水ラインから前記処理水返送ラインを流れる処理水の流量が設定流量になるように前記圧力調整手段を制御する処理水流量制御を実行する、請求項6に記載の純水製造装置。
  8. 前記膜ろ過装置で生成された処理水を前記純水としてユースポイントに供給するように構成され、前記膜ろ過装置で生成された処理水を流通させる純水ラインと、前記純水ラインから分岐して前記膜ろ過装置の上流側に接続された純水返送ラインと、を有し、
    前記制御部は、前記膜ろ過装置で生成された処理水の水質が所定の水質を満たしている場合に、前記純水ラインを通じて前記生成された処理水を前記ユースポイントに供給する前記通常運転を行い、所定の水質を満たしていない場合に、前記純水ラインから前記純水返送ラインを通じて前記生成された処理水を前記膜ろ過装置の上流側に還流させる前記循環運転を行う、請求項2に記載の純水製造装置。
  9. 前記膜ろ過装置が、前記ろ過手段の下流側に前記透過水ラインを介して直列に接続された少なくとも1つの別のろ過手段を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の純水製造装置。
  10. 被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段と、前記ろ過手段に被処理水を供給する供給ラインと、前記ろ過手段からの透過水を流通させる透過水ラインと、前記ろ過手段からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、前記濃縮水ラインから分岐し、前記濃縮水ラインを流れる濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインと、前記濃縮水ラインから分岐し、前記濃縮水ラインを流れる濃縮水の残りを前記膜ろ過装置の上流側に還流させる還流水ラインとを有する膜ろ過装置を有し、被処理水を順次処理して純水を製造する純水製造装置の運転方法であって、
    前記純水製造装置で製造された純水をユースポイントに供給する工程と、
    前記膜ろ過装置で生成された処理水または前記純水製造装置で製造された純水を前記膜ろ過装置の上流側に還流させる工程と、
    前記純水を前記ユースポイントに供給する際、および、前記処理水または純水を前記膜ろ過装置の上流側に還流させる際に、前記透過水ラインを流れる透過水の流量と前記排水ラインを流れる濃縮水の流量との和に対する前記透過水ラインを流れる透過水の流量の割合である回収率の目標値に基づいて前記排水ラインを流れる濃縮水の目標流量を算出し、前記排水ラインを流れる濃縮水の流量が前記目標流量になるように、前記排水ラインを流れる濃縮水の流量を調整する工程と、を含み、
    前記純水を前記ユースポイントに供給する際には、前記回収率の目標値が第1の目標値に設定され、前記処理水または純水を前記膜ろ過装置の上流側に還流させる際には、前記回収率の目標値が前記第1の目標値を上回る第2の目標値に設定される、純水製造装置の運転方法。
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