JP2023073534A - ダイカストマシンの射出装置 - Google Patents

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祐一郎 釼
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Abstract

【課題】高速射出工程から増圧工程への切換応答性が高い、油圧駆動式のダイカストマシンの射出装置を提供することを目的とする。【解決手段】射出工程を操作する射出速度用油圧回路および、増圧工程を操作する射出圧力用油圧回路とからの油圧の供給により動作する射出駆動部と、を備え、射出駆動部は、ピストンロッドと増圧ピストン菅で構成され、ピストンロッド側の第1油圧室と射出速度用油圧回路が接続され、増圧ピストン菅の先端部がピストンロッドに設けた第2油圧室に接続され、増圧ピストン菅の後端部が射出圧力用油圧回路に接続さることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、射出スリーブ内に配置されたプランジャの前進速度を調整して、前記射出スリーブ内に供給された溶湯を、金型キャビティ内に溶湯を射出充填する射出工程と、前記プランジャの前進圧力を調整して、充填された溶湯の密度を高める増圧工程を操作する、ダイカストマシンの射出装置に関する。
ダイカストマシンを用いた鋳造成形は、以下の手順で行われる。先ず、射出スリーブ内に所定量のアルミニウム合金等の溶湯を供給する。次いで、射出スリーブ内に進退自在に配置されたプランジャの前進動作により、射出スリーブ内の溶湯を金型キャビティ内に射出充填する(射出工程)。その後、充填された溶湯の密度を高める増圧工程と、溶湯の凝固収縮を補う保圧力を作用させる保圧工程と、溶湯の冷却固化の冷却工程を経て、金型キャビティ内から鋳造品を取り出す。その後、金型キャビティの清掃や離型剤の塗布、射出スリーブやプランジャへの潤滑剤の塗布等の準備工程を経て、次ショットの鋳造に進む。計画された鋳造品の個数を得るまで、この鋳造工程を繰り返す。
射出工程は、射出スリーブ内の溶湯を低速で押圧し、射出スリーブ内の空気やガスの排出と、射出スリーブ内の溶湯の充填率を高める低速射出工程と、射出スリーブ内の溶湯を高速で押圧して、金型キャビティ内へ溶湯を高速で射出充填する高速射出工程とに分けられる。また、増圧工程は、射出スリーブ内の溶湯を高圧で押圧して、金型キャビティ内の溶湯の圧力を高めて、金型キャビティ内を溶湯で完全に満たして、溶湯の充填密度を高める役割を担う。この高速射出工程から増圧工程への切り替え(増圧切替え)に際して、応答性が低い場合は、溶湯の流動が一時停止する、または溶湯の流動の流速が大きく変化する、あるいは溶湯流動への加圧作用が遅れる等によって、湯ジワ、湯廻り不良、鋳バリ、鋳巣等の溶湯流動に起因する鋳造不良が生じる。
ここで、射出工程において、金型キャビティのゲート部を通過する溶湯の流速(ゲート速度)は、例えば、低速射出工程では1m/秒前後の遅い射出速度とし、高速射出工程では40~50m/秒の速い射出速度が設定される。また、増圧工程において、金型キャビティ内の溶湯圧力は、50~100Mpaの高い射出圧力が設定される。そのため、電動駆動式の射出装置では大容量の電動駆動部を必要とし、設備の大幅なコストアップとなるので、例えば、図4に示すような、油圧駆動式の射出装置が広く用いられている。
図4に示す射出装置は、油圧源として射出油圧回路Z1と増圧油圧回路Z2を備え、流路切換弁Z3を経由して、ロッドZ4が一体化されたピストンZ5を内蔵する油圧ピストンZ6のヘッド側油圧室ZHに接続される。ロッドZ4の先端はプランジャに接続されている。射出工程は、射出油圧回路Z1からヘッド側油圧室ZHに油圧を供給し、ピストンZ5を押圧して、ピストンZ5とロッドZ4およびプランジャが一体で前進動作する。この時、調整弁Z7を操作して、ロッド側油圧室ZRの油圧の排出量を調整し、低速射出工程および高速射出工程の射出速度が制御される(メータアウト制御という)。ロッドZ4の移動量が増圧切換位置に到達したことをセンサZ8で検知すると、制御装置Z9は流路切換弁Z3を操作して、ヘッド側油圧室ZHへの油圧の供給を、射出油圧回路Z1から増圧油圧回路Z2に切換える。この操作によって、高速射出工程から増圧工程への切換が行われる。なお、ここでいう油圧とは、例えば、油圧ポンプやアキュムレータ等の油圧装置から吐出される圧力および流量が調整された作動油のことを示す。
ここで、センサZ8で増圧切換位置を検知して制御装置Z9へデータ転送する。制御装置Z9は、操作指令を発信し、流路切換弁Z3を操作して、その後、油圧の供給の切換が開始される。つまり、高速射出工程から増圧工程の切換時には、必ずタイムラグが生じる。さらに、流路切換弁Z3の操作時の油圧のショックを低減させるために、必ず以下の手順をとる。先ず、射出油圧回路Z1からヘッド側油圧室ZHへの油圧の供給を停止する。次に、流路切換弁Z3を操作して、増圧油圧回路Z2とヘッド側油圧室ZHを接続する。その後、増圧油圧回路Z2からヘッド側油圧室ZHへの油圧の供給を再開させる。そのため、油圧ピストンZ6への油圧の供給が瞬間的に停止し、高速射出工程から増圧工程への切換時に、ロッドZ4およびプランジャの前進動作が瞬間的に停止する、あるいは、溶湯の充填圧に押されて瞬間的に後退する等の動作の乱れが生じる。その結果、金型キャビティへの溶湯の流動が乱れ、あるいは、金型キャビティから射出装置へ溶湯が逆流して、湯ジワ、鋳バリ、空気や溶湯酸化物の混入、鋳巣、未充填等の鋳造不良が心配される。
そこで、高速射出工程から増圧工程への切換応答性の高い油圧駆動式の射出装置として、例えば、特許文献1に示すような、増圧シリンダと射出シリンダピストンを一体構造とした射出シリンダを備える射出装置が提案されている。また、特許文献2に示すような、射出ピストンの背面に増圧ピストンを配置した射出シリンダを備える射出装置が提案されている。
特開2010-172899号公報 特開2016-128174号公報
ここで、特許文献1において、射出シリンダピストンと増圧シリンダへの油圧の供給の切換は、射出シリンダ内部に収納された増圧ピストンの動作位置によって行われるようになっている。射出工程では、増圧ピストンは開放位置にあり、射出シリンダへ供給された油圧は射出シリンダピストン側に流入し、射出シリンダピストンを押圧して、射出シリンダピストンと連結されたプランジャの射出前進により、金型キャビティ内へ溶湯が射出充填される。射出充填の完了により射出シリンダピストンの射出前進は停止する。そうすると、継続される油圧の供給によって、増圧シリンダが押圧され射出シリンダ内を前進し、増圧ピストンと増圧シリンダが当接して閉鎖位置となる。さらに油圧の供給が継続され、増圧シリンダの押圧が継続され、増圧シリンダと射出シリンダピストンで囲まれた油圧を介して、射出シリンダピストンを押圧して増圧工程に移行する。つまり、特許文献1においては、増圧ピストンが開放位置から閉鎖位置に切換るまでは、高速射出工程から増圧工程に切換っておらず、切換応答性は改善されているものではない。
また、特許文献2において、射出シリンダに供給された油圧は射出ピストン側に流入し、射出ピストンを押圧して、射出ピストンと連結したプランジャを操作して射出工程を行う。プランジャの位置が増圧発信位置に到達したことを位置センサで検知すると、増圧バルブを開いて、増圧ピストン側に油圧の供給を開始する。油圧の供給により、増圧ピストンは射出ピストン側に押圧され、射出ピストン側の油圧が増圧する。そのため、射出ピストン側の油圧の増圧までには遅れがあり、増圧工程の開始も遅れが生じることになる。つまり、特許文献2においては、増圧バルブを操作して増圧ピストン側の油圧が上昇し、増圧ピストンの押圧により射出ピストン側の油圧が上昇するまでは、高速射出工程から増圧工程には切換っておらず、切換応答性は改善されているとは言えない。
そこで本発明は、高速射出工程から増圧工程への切換応答性が高い、油圧駆動式のダイカストマシンの射出装置を提供することを目的とする。
本発明のダイカストマシンの射出装置は、
射出スリーブ内に配置されたプランジャの前進速度を調整して、前記射出スリーブ内に供給された溶湯を、金型キャビティ内に射出充填する射出工程と、前記プランジャの前進圧力を調整して、充填された溶湯の密度を高める増圧工程を操作する、ダイカストマシンの射出装置において、
前記射出工程を操作する射出速度用油圧回路および、前記増圧工程を操作する射出圧力用油圧回路からの油圧の供給により動作する射出駆動部と、を備え、
前記射出駆動部は、ピストンロッドと増圧ピストン菅で構成され、前記ピストンロッド側の第1油圧室と前記射出速度用油圧回路が接続され、前記増圧ピストン菅の先端部が前記ピストンロッドに設けた第2油圧室に接続され、前記増圧ピストン菅の後端部が前記射出圧力用油圧回路に接続さる、ことを特徴とする。
本発明のダイカストマシンの射出装置において、
前記増圧ピストン菅と前記第2油圧室の接続位置を調整することによって、前記射出工程から前記増圧工程への増圧切換位置を制御する、ことが好ましい。
また、本発明のダイカストマシンの射出装置において、
前記射出工程においては、前記増圧ピストン菅と前記第2油圧室が接続状態であり、前記射出速度用油圧回路から前記第1油圧室への油圧の供給と、前記射出圧力用油圧回路から第2油圧室への油圧の供給が同時に行われ、前記増圧工程においては、前記増圧ピストン菅と前記第2油圧室の接続が解除され、前記射出圧力用油圧回路から前記第1油圧室へ油圧が供給される、ことが好ましい。
さらに、本発明のダイカストマシンの射出装置において、
前記射出速度用油圧回路に対して前記射出圧力用油圧回路の油圧が高圧に設定される、ことが好ましい。
本発明によれば、高速射出工程から増圧工程への切換応答性が高い、油圧駆動式のダイカストマシンの射出装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るダイカストマシンの射出装置の概念図である。 図1に示す射出装置の詳細図である。 図2に示す射出装置を用いた射出充填工程を示す図である。 従来の射出装置を説明する図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが、各請求項に係る発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の尺度や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
(射出装置)
本発明の実施形態に係るダイカストマシンの射出装置について、図1を用いて説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態に係る射出装置として、横型のダイカストマシンをベースとしたが、これに限定されるものではない。
図1に示す射出装置100は、射出部20と、射出駆動部30と、射出制御部60と、油圧供給源と、を備える。射出制御部60は、油圧供給源と射出駆動部30を操作して、射出部20から鋳造金型10に向けて溶湯の射出充填を行う。鋳造金型10は、固定金型11と可動金型12が図示しない型締装置に支持され、固定金型11と可動金型12を型締することで金型キャビティ13が形成される。射出部20からゲート14を経由して金型キャビティ13内へ溶湯が射出充填される。
射出部20は、円筒状の射出スリーブ21と、射出スリーブ21内を進退可能に配置されるプランジャ22と、プランジャ22と射出駆動部30を連結するプランジャロッド23と、を備える。図示しない溶湯供給装置等を用いて、注湯口24から射出スリーブ21内に溶湯が供給される。また、射出スリーブ21及びプランジャ22には、必要に応じて、冷却水等の冷却媒体が流れる流路を含む図示しない冷却機構が設けられている。また、プランジャ22の摩耗損傷の防止や摺動状態の安定化及び溶湯残渣物の付着抑制等のため、射出スリーブ21とプランジャ22との摺動面に潤滑剤を塗布することが好ましい。また、射出スリーブ21に図示しない真空吸引経路等を設けて、射出スリーブ21および金型キャビティ13内の真空吸引と溶湯の射出充填を組み合わせる形態としても良い。
ここで、プランジャ22の動作に関し、金型キャビティ13に近い方向を前方F、前方F方向への動作を前進動作、金型キャビティ13から遠い方向を後方B、後方B方向への動作を後退動作と定義する。プランジャ22の前進動作により、注湯口24から射出スリーブ21内に供給された溶湯は、ゲート14を経由して金型キャビティ13内に射出充填される。プランジャ22が後退動作し、注湯口24より後方B側にプランジャ22が待機している間に、射出スリーブ21内に溶湯が供給される。また、図示しない位置センサ等によりプランジャ22の動作位置を計測し、射出制御部60にデータ転送して、高速射出工程から増圧工程の切換制御以外の、溶湯の射出充填の制御に利用される。なお、プランジャロッド23の動作位置を計測することで、プランジャ22の動作位置としても良く、射出駆動部30の動作位置からプランジャ22の動作位置を求めても良い。
油圧供給源として、射出速度用油圧回路40と射出圧力用油圧回路50とを備え、射出駆動部30とは個別に接続され、射出駆動部30へ油圧が個別に供給される。射出速度用油圧回路40は、油圧装置41および逆流防止機能を備えた第1開閉弁42とで構成される。射出圧力用油圧回路50は、油圧装置51および流路開閉機能を備えた流量調整弁52とで構成される。また、射出速度用油圧回路40と射出圧力油圧回路50は、流量調整弁52と射出駆動部30の中間位置の油圧供給ラインに、逆流防止機能を備えた第2開閉弁53を経由して接続される。これは、射出圧力用油圧回路50側の油圧の流量を補完するためである。なお、ここでいう油圧装置(41、51)とは、油圧シリンダや油圧モータ等の油圧駆動装置を除く、油圧ポンプ等の油圧発生装置、圧力制御弁や方向制御弁等の油圧制御装置、作動油タンクや配管類等の付帯機器から構成されたものを示す。その中で、例えば、高圧の窒素ガスの圧縮性を利用して油圧の供給を行うアキュムレータを備えた油圧装置が、ダイカストマシンの油圧装置に好適とされている。本発明においても、油圧装置(41、51)は、このアキュムレータを備えた油圧装置として説明を続ける。
射出駆動部30は、円筒状の射出シリンダ31と、射出シリンダ31内で進退自在に摺動する、ピストンとロッドが一体化されたピストンロッド32と、を備える。ピストンロッド32のロッド先端とプランジャロッド23は、連結治具33により連結される。射出駆動部30のピストンロッド32の前後進動作を制御することで、プランジャ22の前後進動作が制御される。ここで、ピストンロッド32の動作に関して、プランジャ22に近づく方向を前方F、前方F方向への動作を前進動作、プランジャ22から離れる方向を後方B、後方B方向への動作を後退動作と定義する。これによって、ピストンロッド32とプランジャ22の動作方向を合わすことができる。
ここで、射出駆動部30については、図2を用いて詳細に説明する。図2は図1に示す射出駆動部30を拡大したものである。射出駆動部30は、ピストンロッド32と増圧ピストン菅37を備える。ピストンロッド32の後方B側の第1油圧室U1は、第1開閉弁42と油圧装置41の射出速度用油圧回路40に接続される。増圧ピストン菅37の前方F側の先端部は、ピストンロッド32に設けた第2油圧室U2に接続される。また、増圧ピストン菅37の後方B側の後端部は、流量調整弁52と油圧装置51の射出圧力用油圧回路50に接続される。ここで、ピストンロッド32の前進速度の制御は、排出調整弁34を操作して、ピストンロッド32の前方F側の第3油圧室U3の油圧の排出量を調整することで行われる(メータアウト制御)。なお、これに限定されず、例えば、流量調整手段等を用いて、射出速度用油圧回路40から第1油圧室U1への油圧の供給量を調整する手段(メータイン制御)であっても良く、メータアウト制御とメータイン制御を組合せる手段であっても良い。ピストンロッド32の後退動作は、例えば、流路調整弁35を操作して、油圧ポンプ36から第3油圧室U3に油圧を供給することで行われる。
また、位置調整機構38により、増圧ピストン菅37と第2油圧室U2の接続位置を調整可能としている。この接続位置とは、後述する、高速射出工程から増圧工程へ切替える増圧切換位置である。位置調整機構38としては、例えば、ACサーボモータ等の電動モータの回転運動を、ボールネジ機構やラックとピニオンの組合せ等の直線運動に変換する変換装置と組み合わせたものとする。また、増圧ピストン菅37の移動量は、例えば、エンコーダ等の回転計測機器を用いて電動モータの回転量を検知し、変換装置の変換効率を加算して演算する間接的な計測手段でも良く、あるいは、位置センサ等を増圧ピストン菅37に取付けて直接的に計測する手段であっても良い。また、増圧ピストン菅37の位置調整後は、供給する油圧によって動かないように、ロックする機構を設けることが好ましい。なお、増圧ピストン菅37の移動量を精度良く調整でき、位置調整後に増圧ピストン菅37をロックする機構を備えているのであれば、上記に限定することなく、例えば、油圧サーボバルブと油圧シリンダを組み合わせた油圧駆動装置を用いても良い。
(高速射出工程から増圧工程の切換)
次に、図1に示す射出装置100を用いた鋳造工程において、射出充填工程から増圧工程への切替え(増圧切換)について、図3を用いて説明する。図3(a)は、射出駆動部30の停止状態を示し、図3(b)は、射出充填工程中の射出駆動部30の動作を示す。また、図3(c)は、高速射出工程から増圧工程への増圧切換の状態を示し、図3(d)は、増圧工程の射出駆動部30の動作を示す。
先ず、図3(a)に示すように、第1開閉弁42および流量調整弁52は閉鎖状態で、射出シリンダ31の第1油圧室U1への油圧の供給は停止されている。また、排出調整弁34も閉鎖状態であり、第3油圧室U3からの油圧の排出は停止となっている。これによりピストンロッド32は射出シリンダ31の後方B側の後退位置に停止する。
次に、図3(b)に示すように、第1開閉弁42を開放状態として、射出速度用油圧回路40の油圧装置41から第1油圧室U1へ油圧P1を供給する。同時に、流量調整弁52を開放状態とし、射出圧力用油圧回路50の油圧装置51から第2油圧室U2へ油圧P2を供給する。第1油圧室U1と第2油圧室U2への油圧(P1+P2)の供給により、ピストンロッド32は前方F側に押圧され前進動作し、ピストンロッド32に連結されたプランジャ22が前進動作し、射出スリーブ21内に注湯された溶湯を金型キャビティ13内に向けて射出充填する(射出工程)。この時、排出調整弁34を操作して、第3油圧室U3からの油圧の排出量を制御して、低速射出工程および高速射出工程のピストンロッド32の前進動作の速度調整(射出速度の調整)が行われる。また、ピストンロッド32の移動量を、図示しない位置センサ等で検知して、排出調整弁34の操作量を調整し、低速射出工程から高速射出工程への切替えが行われる。
また、ピストンロッド32の移動速度に合わせて、流量制御弁46を操作して、射出圧力用油圧回路50の油圧装置51から第2油圧室U2への油圧P2の供給量が調整される。必要に応じて、第2開閉弁53を操作して、射出速度用油圧回路40と射出圧力用油圧回路50の油圧(P1、P2)の供給バランスを図る。また、射出速度用油圧回路40からの油圧P1は、第1油圧室U1の第1受圧面積S1に作用し、射出圧力用油圧回路50からの油圧P2は、第2油圧室U2の第2受圧面積S2に作用し、2つを合算してピストンロッド32の前進動作の推進力(射出圧力PW1)となる。ここで、増圧ピストン菅37は、予め設定した位置に固定されているので、ピストンロッド32の前進動作に伴い、第2油圧室U2への挿入位置が徐々に浅くなる方向に進む。
次に、図3(c)に示すように、増圧ピストン菅37が第2油圧室U2から抜ける瞬間が、高速射出工程から増圧工程への増圧切換である。つまり、第2油圧室U2への増圧ピストン菅37の侵入位置を、予め位置調整機構38を用いて調整しておくことで、高速射出工程から増圧工程の増圧切換位置の制御を行うことができる。その際に、射出速度用油圧回路40からの油圧P1および射出圧力用油圧回路50からの油圧P2は、何も操作することなく油圧の供給を継続する。これにより、ピストンロッド32およびプランジャ22は安定した前進動作が継続され、金型キャビティ13内の溶湯流動も安定した状態が維持され、溶湯流動の乱れに起因する鋳造不良を確実に防止することができる。増圧ピストン菅37と第2油圧室U2の接続が解除されるまでの射出工程(低速射出工程+高速射出工程)は、射出圧力PW1が維持される。
そして、図3(d)に示すように、増圧ピストン菅37と第2油圧室U2の接続が解除される(第2油圧室U2から増圧ピストン菅37が抜ける)と、増圧工程を開始する。増圧工程において、射出圧力用油圧回路50からの油圧P2は、2つの受圧面積(S1+S2)に作用する。ここで、2つの油圧(P1、P2)には圧力差を設け、油圧P2側を高圧状態とする(P2>P1)。この圧力差により、射出速度用油圧回路40から第1油圧室U1への油圧P1の供給は、第1開閉弁42によって停止される。なお、第1開閉弁42は逆流防止機構を備えているので、第1油圧室U1から射出速度用油圧回路40側への油圧の逆流は生じない。第1油圧室U1および第2油圧室U2は、射出圧力用油圧回路50からの高圧の油圧P2で満たされ圧力上昇し、ピストンロッド32の射出圧力PW2が急激に上昇し(PW2>PW1)、高速射出工程から応答良く増圧工程に切り替わることができる。増圧工程においては、流量調整弁52を操作して、射出圧力用油圧回路50からの第1油圧室U1および第2油圧室U2への油圧P2の供給量を制御して、射出圧力PW2の上昇速度を調整する。なお、排出調整弁34を操作して第3油圧室U3からの油圧の排出量を制御して、射出圧力PW2の上昇速度を調整する手段を加えても良い。いずれにしても、高速射出工程から増圧工程への切替えに際しては、油圧P2の供給が停滞することなく、応答性の高い切替え制御を確実なものとする。
なお、射出充填工程において、大きい第1受圧面積S1に低圧の油圧P1が作用し、高圧の油圧P2は小さい第2受圧面積S2にしか作用していないので、射出圧力PW1は低い圧力状態となる。これに対して、増圧工程において、全ての受圧面積(S1+S2)に高圧の油圧P2が作用するので、射出圧力PW2は必然的に高圧状態となる。
(効果)
このように、受圧面積の大きい第1油圧室U1と、受圧面積の小さい第2油圧室U2と、第2油圧室U2に接続される増圧ピストン菅37と、圧力差を有した2つの油圧供給源を備え、増圧ピストン菅37側に高圧の油圧供給源が接続され、増圧ピストン菅37と第2油圧室U2の接続位置を調整することで、高速射出工程から増圧工程への増圧切換制御を行うダイカストマシンの射出装置100とした。これにより、増圧切換に際して、油圧が停滞することなく、応答性の高い切替え制御を行うことができる。その結果、安定したプランジャの前進動作を確保することができ、高品質な鋳造品の安定供給を可能とする。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に記載された範囲には限定されない。上記の実施形態には多様な変更または改良を加えることが可能である。
100 射出装置
10 鋳造金型
11 固定金型
12 可動金型
13 金型キャビティ
14 ゲート
20 射出部
21 射出スリーブ
22 プランジャ
23 プランジャロッド
24 注湯口
F 前方
B 後方
30 射出駆動部
31 射出シリンダ
32 ピストンロッド
33 連結治具
34 排出調整弁
35 流路調整弁
36 油圧ポンプ
37 増圧ピストン菅
38 位置調整機構
U1 第1油圧室
U2 第2油圧室
U3 第3油圧室
S1 第1受圧面積
S2 第2受圧面積
PW1、PW2 射出圧力
P1、P2 油圧
40 射出速度用油圧回路
41、51 油圧装置
42 第1開閉弁
50 射出圧力用油圧回路
52 流量調整弁
53 第2開閉弁
60 射出制御部
Z1 射出油圧回路
Z2 増圧油圧回路
Z3 流路切換弁
Z4 ロッド
Z5 ピストン
Z6 油圧ピストン
Z7 調整弁
Z8 センサ
Z9 制御装置
ZH ヘッド側油圧室
ZR ロッド側油圧室

Claims (4)

  1. 射出スリーブ内に配置されたプランジャの前進速度を調整して、前記射出スリーブ内に供給された溶湯を、金型キャビティ内に射出充填する射出工程と、前記プランジャの前進圧力を調整して、充填された溶湯の密度を高める増圧工程を操作する、ダイカストマシンの射出装置において、
    前記射出工程を操作する射出速度用油圧回路および、前記増圧工程を操作する射出圧力用油圧回路とからの油圧の供給により動作する射出駆動部と、を備え、
    前記射出駆動部は、ピストンロッドと増圧ピストン菅で構成され、前記ピストンロッド側の第1油圧室と前記射出速度用油圧回路が接続され、前記増圧ピストン菅の先端部が前記ピストンロッドに設けた第2油圧室に接続され、前記増圧ピストン菅の後端部が前記射出圧力用油圧回路に接続される、ことを特徴とするダイカストマシンの射出装置。
    前記射出駆動部は、
  2. 前記増圧ピストン菅と前記第2油圧室の接続位置を調整することによって、前記射出工程から前記増圧工程への増圧切換位置を制御する、請求項1記載のダイカストマシンの射出装置。
  3. 前記射出工程においては、前記増圧ピストン菅と前記第2油圧室が接続状態であり、前記射出速度用油圧回路から前記第1油圧室への油圧の供給と、前記射出圧力用油圧回路から第2油圧室への油圧の供給が同時に行われ、前記増圧工程においては、前記増圧ピストン菅と前記第2油圧室の接続が解除され、前記射出圧力用油圧回路から前記第1油圧室へ油圧が供給される、請求項1または2のいずれか1項に記載のダイカストマシンの射出装置。
  4. 前記射出速度用油圧回路に対して前記射出圧力用油圧回路の油圧が高圧に設定される、請求項1から3のいずれか1項に記載のダイカストマシンの射出装置。
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