JP2023072922A - 車両査定方法および車両査定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】対象車両の査定価格をより適切に設定する。【解決手段】最初に、走行距離を含む対象車両の車両情報と、対象車両と同車種の車両である同車種車両の中古販売価格または査定価格に関する市場情報とを取得する。続いて、同車種車両の車両情報に基づいて、対象車両が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかを判定すると共に、同車種車両の市場情報に基づいて、対象車両の走行距離が属する所属距離領域における同車種車両の平均査定価格を特定する。そして、対象車両が平均車両であるときには同車種車両の平均査定価格を対象車両の査定価格に設定し、対象車両が加点車両であるときには同車種車両の平均査定価格よりも高い価格を対象車両の査定価格に設定し、対象車両が減点車両であるときには同車種車両の平均査定価格よりも安い価格を対象車両の査定価格に設定し、設定した対象車両の査定価格を出力する。【選択図】図3
Description
本発明は、車両査定方法および車両査定プログラムに関する。
従来、車両の車両状態および車市場需給状況などを評価して車両の適正市場価格を算出する車両価格車両査定方法において、車両に車両状態を計測して蓄積・送出する車両データ収集手段と、車両データを分析して車両状態に関する査定を行うための査定基礎データを生成する査定基礎データ生成手段と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
車両の査定価格(下取り価格)や中古販売価格は、走行距離に基づいて設定される場合が多いものの、走行距離が同一でも、車両の使用方法などによりバラつく。このため、対象車両の査定価格を走行距離に基づいてどのように設定するかが課題とされている。
本発明の車両査定方法および車両査定プログラムは、対象車両の査定価格をより適切に設定することを主目的とする。
本発明の車両査定方法および車両査定プログラムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両査定方法は、
対象車両の査定を行なう車両査定方法であって、
(A)走行距離を含む前記対象車両の車両情報と、前記対象車両と同車種の車両である同車種車両の中古販売価格または査定価格に関する市場情報とを取得するステップと、
(B)前記車両情報に基づいて、前記対象車両が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかを判定すると共に、前記同車種車両の前記市場情報に基づいて、前記対象車両の走行距離が属する所属距離領域における前記同車種車両の平均査定価格を特定するステップと、
(C)前記対象車両が前記平均車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格を前記対象車両の前記査定価格に設定し、前記対象車両が前記加点車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格よりも高い価格を前記対象車両の前記査定価格に設定し、前記対象車両が前記減点車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格よりも安い価格を前記対象車両の前記査定価格に設定するステップと、
(D)前記対象車両の前記査定価格を出力するステップと、
を含むことを要旨とする。
対象車両の査定を行なう車両査定方法であって、
(A)走行距離を含む前記対象車両の車両情報と、前記対象車両と同車種の車両である同車種車両の中古販売価格または査定価格に関する市場情報とを取得するステップと、
(B)前記車両情報に基づいて、前記対象車両が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかを判定すると共に、前記同車種車両の前記市場情報に基づいて、前記対象車両の走行距離が属する所属距離領域における前記同車種車両の平均査定価格を特定するステップと、
(C)前記対象車両が前記平均車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格を前記対象車両の前記査定価格に設定し、前記対象車両が前記加点車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格よりも高い価格を前記対象車両の前記査定価格に設定し、前記対象車両が前記減点車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格よりも安い価格を前記対象車両の前記査定価格に設定するステップと、
(D)前記対象車両の前記査定価格を出力するステップと、
を含むことを要旨とする。
本発明の車両査定方法では、最初に、走行距離を含む対象車両の車両情報と、対象車両と同車種の車両である同車種車両の中古販売価格または査定価格に関する市場情報とを取得する。続いて、同車種車両の車両情報に基づいて、対象車両が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかを判定すると共に、同車種車両の市場情報に基づいて、対象車両の走行距離が属する所属距離領域における同車種車両の平均査定価格を特定する。そして、対象車両が平均車両であるときには同車種車両の平均査定価格を対象車両の査定価格に設定し、対象車両が加点車両であるときには同車種車両の平均査定価格よりも高い価格を対象車両の査定価格に設定し、対象車両が減点車両であるときには同車種車両の平均査定価格よりも安い価格を対象車両の査定価格に設定し、設定した対象車両の査定価格を出力する。即ち、対象車両が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかと、対象車両の走行距離が属する所属距離領域における同車種車両の平均査定価格と、に基づいて対象車両の査定価格を設定するのである。これにより、対象車両の査定価格をより適切に設定することができる。そして、ユーザが、この対象車両の査定価格を把握することができる。ここで、「平均車両」、「加点車両」、「減点車両」は、それぞれ、対象車両の所属距離領域において、対象車両の使用方法や対象車両の各部品の経年状態を総合的に判断して通常(平均的)、通常よりも良好、通常よりも不良の車両である。
本発明の車両査定方法において、前記ステップ(B)では、前記対象車両の使用頻度、前記対象車両のメンテナンス履歴、前記対象車両のエンジンの未暖機運転状態、前記対象車両の前記エンジンのアイドリング時間、前記対象車両の加速度の絶対値が加速度閾値よりも大きくなった回数、前記対象車両のハンドルの据え切り回数、前記対象車両の傾斜地での駐車回数、前記対象車両の進行方向とは逆方向のシフト操作回数、前記対象車両のハンドル操作を伴う前記シフト操作回数、前記対象車両の蓄電装置の使用温度履歴、前記対象車両の各部品の経年状態、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記対象車両が前記平均車両、前記加点車両、前記減点車両の何れであるかを判定するものとしてもよい。こうすれば、対象車両が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかをより適切に判定することができる。
本発明の車両査定方法において、前記ステップ(A)では、前記対象車両の査定要求を受けたときに、前記対象車両の前記車両情報と前記同車種車両の前記市場情報とを取得するものとしてもよい。こうすれば、最新のまたは比較的新しい対象車両の車両情報と同車種車両の市場情報とを用いて対象車両の査定価格を設定することができる。
本発明の車両査定方法において、(E)前記市場情報に基づいて、前記対象車両の将来の査定価格幅を設定するステップを更に有し、前記ステップ(D)では、前記対象車両の前記査定価格に加えて、前記将来の査定価格幅および/または前記査定価格幅の上限を出力するものとしてもよい。こうすれば、ユーザが、対象車両の査定価格に加えて、将来の査定価格幅やその上限も把握することができる。この場合、(F)前記対象車両の将来の前記査定価格が前記査定価格幅の上限に接近するようにアドバイスを行なうステップを更に含むものとしてもよい。こうすれば、ユーザがアドバイスの内容を検討することができる。
本発明の車両査定方法において、(F)将来的に前記対象車両が前記加点車両を保持するようにまたは前記平均車両または前記減点車両から前記加点車両となるようにアドバイスを行なうステップを更に含むものとしてもよい。こうすれば、ユーザがアドバイスの内容を検討することができる。
本発明のプログラムは、上述の何れかの態様の本発明の車両査定方法、即ち、基本的には、対象車両の査定を行なう車両査定方法であって、(A)走行距離を含む前記対象車両の車両情報を取得すると共に、前記対象車両と同車種の車両である同車種車両の中古販売価格または査定価格に関する市場情報を取得するステップと、(B)前記車両情報に基づいて、前記対象車両が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかを判定すると共に、前記市場情報に基づいて、前記対象車両の走行距離が属する所属距離領域における前記同車種車両の平均査定価格を特定するステップと、(C)前記対象車両が前記平均車両であるときには前記平均査定価格を前記対象車両の前記査定価格に設定し、前記対象車両が前記加点車両であるときには前記平均査定価格よりも高い価格を前記対象車両の前記査定価格に設定し、前記対象車両が前記減点車両であるときには前記平均査定価格よりも安い価格を前記対象車両の前記査定価格に設定するステップと、(D)前記対象車両の前記査定価格を出力するステップと、を含む車両査定方法の各ステップを1または複数のコンピュータに実行させることを要旨とする。
本発明のプログラムでは、上述の何れかの態様の本発明の車両査定方法の各ステップを1または複数のコンピュータに実行させる。これにより、本発明の車両査定方法が奏する効果、例えば、対象車両の査定価格をより適切に設定することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての車両査定方法により車両30(対象車両)の査定を行なうサーバ20の構成の概略を示す構成図である。サーバ20は、周知のコンピュータとして構成されており、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、記憶装置(例えば、HDDやSSDなど)、入出力ポート、通信ポートなどを備える。サーバ20には、車両30の査定を行なう車両査定プログラム22などがインストールされている。このサーバ20は、車両30や携帯端末40、中古車両販売店のコンピュータである販売店PC50と有線または無線により通信可能となっている。
車両30は、シリーズタイプやパラレルタイプのハイブリッド車として構成されており、エンジン31やモータ32、モータ32と電力をやりとりする駆動用蓄電装置33、エンジン31やモータ32を制御したり駆動用蓄電装置33を管理したりする電子制御ユニット(以下、「ECU」という)34、ナビゲーションシステム36などを備える。なお、車両30は、ハイブリッド車に代えて、モータ32や駆動用蓄電装置33を備えないエンジン車や、エンジン31を備えない電気自動車、エンジン31を備えずに燃料電池を備える燃料電池車などとして構成されるものとしてもよい。
ECU34は、周知のマイクロコンピュータとして構成されており、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートなどを備える。ECU34のフラッシュメモリには、車両30に関する車両情報データベース35が記憶されている。車両情報データベース35には、例えば、車両30の走行距離や、車両30の使用頻度、車両30のメンテナンス履歴、エンジン31の未暖機運転状態(暖機完了前の回転数やトルク)、エンジン31のアイドリング時間、車両30の急加減速回数(車両30の加速度の絶対値が加速度閾値よりも大きくなった回数)、車両30のハンドルの据え切り回数、車両30の傾斜地での駐車回数、車両30の進行方向とは逆方向のシフト操作回数、車両30のハンドル操作を伴うシフト操作回数、駆動用蓄電装置33の使用温度履歴、車両30の各部品(例えば、エンジン31やモータ32、駆動用蓄電装置33)の経年状態などが含まれる。車両情報データベース35のうち、車両30の走行距離や各部品の経年状態以外の情報については、所定距離(例えば、数百km~千km程度)当たりの情報である。車両情報データベース35は、逐次更新される。
ナビゲーションシステム36は、ユーザにより設定された目的地までルート案内を行なうシステムとして構成されており、周知のコンピュータや、タッチパネルタイプのディスプレイなどを備える。コンピュータは、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、記憶装置(例えば、HDDやSSDなど)、入出力ポート、通信ポートなどを備える。記憶装置には、地図情報などが記憶されている。コンピュータには、車両30(自車両)の査定要求を行なう第1査定要求アプリケーションなどがインストールされている。ディスプレイは、地図情報などの各種情報を表示する。ECU34やナビゲーションシステム36は、サーバ20と無線により通信可能となっている。
携帯端末40は、スマートフォンやタブレット端末などとして構成されており、周知のコンピュータや、タッチパネルタイプのディスプレイなどを備える。コンピュータは、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、記憶装置(例えば、HDDやSSDなど)、入出力ポート、通信ポートなどを備える。このコンピュータには、所望の車両を選択してその車両の査定要求を行なう第2査定要求アプリケーションなどがインストールされている。ディスプレイは、各種情報を表示する。携帯端末40は、サーバ20と無線により通信可能となっている。
販売店PC50は、周知のコンピュータとして構成されており、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、記憶装置(例えば、HDDやSSDなど)、入出力ポート、通信ポートなどを備える。記憶装置には、市場情報データベース52が記憶されている。市場情報データベース52には、例えば、車種ごとの走行距離と中古販売価格と台数との関係などが含まれる。この市場情報データベース52は、逐次更新される。図2は、或る車種の走行距離と中古販売価格と台数との関係の一例を示す説明図である。図2では、走行距離について複数の距離領域に区分されていると共に価格について複数の価格領域に区分されており、各領域に台数が関連付けられている。販売店PC50は、サーバ20と有線または無線により通信可能となっている。
次に、こうして構成された実施例のサーバ20の動作について説明する。図3は、サーバ20により実行される車両査定プログラム22の一例を示すフローチャートである。このプログラムは、ユーザにより、車両30のナビゲーションシステム36が操作されて第1査定要求アプリケーションにより車両30(対象車両)の査定要求がサーバ20に対して行なわれたときや、携帯端末40が操作されて第2査定要求アプリケーションにより車両30が所望の車両として選択されてその査定要求がサーバ20に対して行なわれたときに実行される。
車両査定プログラム22が実行されると、サーバ20のCPUは、最初に、車両30から車両情報を取得する(ステップS100)。この処理では、サーバ20は、車両30に車両情報の要求を送信し、これを受信した車両30のECU34は、車両情報データベース35の車両情報の少なくとも一部をサーバ20に送信する。車両30からサーバ20に送信される車両情報には、車両30の走行距離や、車両30の使用頻度、車両30のメンテナンス履歴、エンジン31の未暖機運転状態、エンジン31のアイドリング時間、車両30の急加減速回数(車両30の加速度の絶対値が加速度閾値よりも大きくなった回数)、車両30のハンドルの据え切り回数、車両30の傾斜地での駐車回数、車両30の進行方向とは逆方向のシフト操作回数、車両30のハンドル操作を伴うシフト操作回数、駆動用蓄電装置33の使用温度履歴、車両30のエンジン31やモータ32、駆動用蓄電装置33の経年状態が含まれる。
続いて、サーバ20は、販売店PC50から車両30と同車種の車両である同車種車両の市場情報を取得する(ステップS110)。この処理では、サーバ20は、販売店PC50に同車種車両の市場情報の要求を送信し、これを受信した販売店PC50は、市場情報データベース52の同車種車両の市場情報のうちの少なくとも一部をサーバ20に送信する。販売店PCからサーバ20に送信される同車種車両の市場情報には、同車種車両の走行距離と中古販売価格と台数との関係(図2参照)が含まれる。
そして、サーバ20は、車両30の車両情報に基づいて、車両30が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかを判定する(ステップS120)。ここで、「平均車両」、「加点車両」、「減点車両」は、それぞれ、車両30の所属距離領域において、車両30の使用方法や車両30の各部品(例えば、エンジン31やモータ32、駆動用蓄電装置33)の経年状態を総合的に判断して通常(平均的)、通常よりも良好、通常よりも不良の車両である。
ステップS120の処理では、車両30の車両情報の各項目に基づいて、車両30の使用方法や車両30の各部品の経年状態に関する車両指標Ivを演算し、演算した車両指標Ivが通常範囲内であるときには、車両30が平均車両であると判定し、車両指標Ivが通常範囲よりも高いときには、車両30が加点車両であると判定し、車両指標Ivが通常範囲よりも低いときには、車両30が減点車両あると判定する。車両指標Ivは、例えば、車両30の車両情報の各項目に基づく項目指標Ii[i](i:1~13)と重み係数w[i]とを用いて式(1)により演算することができる。
Iv=w[1]・Ii[1]+・・・+w[13]・Ii[13] (1)
項目指標Ii[1]は、車両30の使用頻度に関する指標であり、トリップ間の平均間隔が短い(定期的に使用されている)ときに長い(長期放置されるなどムラがある)ときに比して高くなるように設定される。項目指標Ii[2]は、車両30のメンテナンス履歴に関する指標であり、車両30のメンテナンスが正規販売店で行なわれているときにそれ以外で行なわれているときよりも高く、且つ、車両30のメンテナンスが定期的(例えば、12ヶ月ごと)に行なわれているときに定期的に行なわれていないときよりも高くなるように設定される。
項目指標Ii[3]は、エンジン31の未暖機運転状態に関する指標であり、エンジン31の暖機完了前に、エンジン31の回転数が所定回転数よりも大きくなったりトルクが所定トルクよりも大きくなったりする回数や時間が多いほど低くなるように設定される。項目指標Ii[4]は、エンジン31のアイドリング時間に関する指標であり、アイドリング時間が長いほど低くなるように設定される。
項目指標Ii[5]は、車両30の急加減速回数に関する指標であり、急加減速回数が多いほど低くなるように設定される。項目指標Ii[6]は、車両30のハンドルの据え切り回数に関する指標であり、ハンドルの据え切り回数が多いほど低くなるように設定される。項目指標Ii[7]は、車両30の傾斜地での駐車回数に関する指標であり、傾斜地での駐車回数が多いほど低くなるように設定される。
項目指標Ii[8]は、車両30の進行方向とは逆方向のシフト操作回数に関する指標であり、そのシフト操作回数が多いほど低くなるように設定される。項目指標Ii[9]は、車両30のハンドル操作を伴うシフト操作回数に関する指標であり、そのシフト操作回数が多いほど低くなるように設定される。
項目指標Ii[10]は、駆動用蓄電装置33の使用温度履歴に関する指標であり、駆動用蓄電装置33の温度が所定温度よりも高くなる回数や時間が多いほど低くなるように設定される。項目指標Ii[11],Ii[12],Ii[13]は、それぞれ、車両30のエンジン31、モータ32、駆動用蓄電装置33の経年状態に関する指標であり、エンジン31、モータ32、駆動用蓄電装置33の経年状態が良好である(新品に近い)ほど高くなるように設定される。
続いて、サーバ20は、同車種車両の市場情報に基づいて、同車種車両の平均査定価格を特定する(ステップS130)。この処理では、同車種車両の市場情報に含まれる、車両30の所属距離領域における同車種車両の価格領域(中古販売価格の領域)ごとの台数に基づいて、車両30の所属距離領域における同車種車両の平均中古販売価格を演算し、演算した同車種車両の平均中古販売価格から販売店や仲介業者などの経費や利益などを減じて、車両30の所属距離領域における同車種車両の平均査定価格を演算する。販売店や仲介業者などの経費や利益などについては、適宜設定される。図4は、車両30の所属距離領域における同車種車両の価格領域ごとの台数と平均中古販売価格との一例を示す説明図である。
そして、サーバ20は、車両30が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかと、同車種車両の平均査定価格と、に基づいて車両30の査定価格を設定する(ステップS140)。この処理では、車両30が平均車両であるときには、同車種車両の平均査定価格を車両30の査定価格に設定し、車両30が加点車両であるときには、同車種車両の平均査定価格よりも高い範囲内で車両指標Ivが大きいほど高くなる価格を車両30の査定価格に設定し、車両30が減点車両であるときには、同車種車両の平均査定価格よりも安い範囲内で車両指標Ivが小さいほど安くなる価格を車両30の査定価格に設定する。
こうして車両30の査定価格を設定すると、サーバ20は、設定した車両30の査定価格およびその表示指示をナビゲーションシステム36および携帯端末40のうち車両30の査定要求を受けた側に送信して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。ナビゲーションシステム36や携帯端末40は、車両30の査定価格およびその表示指示を受信すると、車両30の査定価格をディスプレイに表示する。このようにして、車両30の査定価格をユーザに報知することができる。したがって、ユーザは、販売店や買取業者などに車両30を持ち込まなくても、車両30の査定価格を把握することができる。
以上説明した実施例のサーバ20により実行される車両査定方法(車両査定プログラム22)では、サーバ20は、車両30のナビゲーションシステム36や携帯端末40から車両30の査定要求を受けると、最初に、車両30の車両情報と同車種車両の市場情報とを取得する。続いて、車両情報に基づいて車両30が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかを判定すると共に同車種車両の市場情報に基づいて車両30の所属距離領域における同車種車両の平均査定価格を特定する。そして、車両30が平均車両であるときには同車種車両の平均査定価格を車両30の査定価格に設定し、車両30が加点車両であるときには同車種車両の平均査定価格よりも高い価格を車両30の査定価格に設定し、車両30が減点車両であるときには同車種車両の平均査定価格よりも安い価格を車両30の査定価格に設定し、設定した車両30の査定価格を車両30のナビゲーションシステム36や携帯端末40に送信する。このようにして、車両30が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかと、車両30の所属距離領域における同車種車両の平均査定価格と、を考慮して車両30の査定価格を設定することにより、車両30の査定価格をより適切に設定することができる。しかも、ナビゲーションシステム36や携帯端末40から車両30の査定要求を受けたときに、車両30の車両情報と同車種車両の市場情報とを取得することにより、最新のまたは比較的新しい車両30の車両情報と同車種車両の市場情報とを用いて車両30の査定価格を設定することができる。
実施例の車両査定方法では、販売店PC50に市場情報データベース52が記憶されているものとした。しかし、サーバ20に市場データベースが記憶されているものとしてもよい。
実施例の車両査定方法では、サーバ20は、販売店PC50から同車種車両の市場情報を取得するものとした。しかし、サーバ20は、各種ウェブサイトなどから同車種車両の市場情報を取得するものとしてもよい。
実施例の車両査定方法では、サーバ20は、同車種車両の市場情報として、同車種車両の走行距離と中古販売価格と台数との関係を取得するものとした。しかし、サーバ20は、同車種車両の市場情報として、同車種車両の走行距離と査定価格と台数との関係を取得するものとしてもよい。この場合、サーバ20は、車両30の所属距離領域における同車種車両の価格領域(査定価格の領域)ごとの台数に基づいて、車両30の所属距離領域における同車種車両の平均査定価格を演算すればよい。
実施例や上述の変形例の車両査定方法では、サーバ20は、同車種車両の市場情報として、同車種車両の走行距離と中古販売価格または査定価格と台数との関係を取得するものとした。しかし、サーバ20は、車両30の所属距離領域における同車種車両の中古販売価格または査定価格と台数との関係を取得する、即ち、車両30の所属距離領域以外における同車種車両の中古販売価格または査定価格と台数との関係を取得しないものとしてもよい。こうすれば、取得するデータ量(販売店PC50との通信量)を少なくすることができる。
実施例の車両査定方法では、サーバ20は、車両30の使用頻度、車両30のメンテナンス履歴、エンジン31の未暖機運転状態、エンジン31のアイドリング時間、車両30の急加減速回数、車両30のハンドルの据え切り回数、車両30の傾斜地での駐車回数、車両30の進行方向とは逆方向のシフト操作回数、車両30のハンドル操作を伴うシフト操作回数、駆動用蓄電装置33の使用温度履歴、車両30のエンジン31やモータ32、駆動用蓄電装置33の経年状態、の各項目に基づく項目指標Ii[1]~Ii[13]を用いて車両指標Ivを演算するものとした。しかし、サーバ20は、項目指標Ii[1]~Ii[13]のうちの一部だけを用いて車両指標Ivを演算するものとしてもよい。また、サーバ20は、項目指標Ii[1]~Ii[13]の一部や全部に代えて、これらとは異なる項目指標、例えば、車両30の駆動用蓄電装置33の所定電力よりも大きい電力での充放電回数に基づく項目指標や、車両30の補機用蓄電装置やタイヤ、空調装置(何れも図示省略)などの経年状態に基づく項目指標などを用いて車両指標Ivを演算するものとしてもよい。
実施例の車両査定方法では、サーバ20は、車両30が加点車両であるときには、同車種車両の平均査定価格よりも高い範囲内で車両指標Ivが大きいほど高くなる価格を車両30の査定価格に設定し、車両30が減点車両であるときには、同車種車両の平均査定価格よりも安い範囲内で車両指標Ivが小さいほど安くなる価格を車両30の査定価格に設定するものとした。しかし、サーバ20は、車両30が加点車両であるときには、同車種車両の平均査定価格よりも第1所定金額だけ高い価格を車両30の査定価格に設定し、車両30が減点車両であるときには、同車種車両の平均査定価格よりも第2所定金額だけ安い価格を車両30の査定価格に設定するものとしてもよい。
実施例の車両査定方法では、サーバ20は、同車種車両(車両30と同車種の車両)の平均査定価格に基づいて車両30の査定価格を設定するものとした。しかし、サーバ20は、これに代えて、車両30と同車種で且つ同年式や同色などの車両の平均査定価格に基づいて車両30の査定価格を設定するものとしてもよい。
実施例の車両査定方法では、サーバ20は、車両30の査定価格をナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させるものとした。しかし、サーバ20は、車両30の査定価格に加えて、その査定価格の設定に用いた情報、例えば、車両30が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかの判定に用いた車両指標Ivの設定に影響を与えた加点理由や減点理由なども、ナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させるものとしてもよい。こうすれば、ユーザは、車両30の査定価格に加えて、その査定価格となる理由も把握することができる。
実施例の車両査定方法では、サーバ20は、車両30の査定価格を設定してナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させるものとした。しかし、サーバ20は、車両30の現在の査定価格に加えて、車両30の現在や将来の査定価格幅なども設定してナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させるものとしてもよい。図5は、車両30の現在の査定価格および現在や将来の査定価格幅などの一例を示す説明図である。図中、実線丸印は、車両30の現在の査定価格を示し、ハッチングを付した領域は、車両30の現在や将来の査定価格幅を示し、点線丸印は、半年後や1年後に車両30の使用方法が現在までと同様で且つ各部品(例えば、エンジン31やモータ32、駆動用蓄電装置33)の経年状態が現在までよりも不良になる(交換されずに劣化が進行する)ときの査定価格を示し、点線四角印は、半年後や1年後に車両指標Ivが最大となるときの査定価格(査定価格幅の上限)を示し、点線三角印は、半年後や1年後に車両指標Ivが最小となるときの査定価格(査定価格幅の下限)を示す。車両30の現在の査定価格幅については、車両30の現在の所属距離領域における同車種車両の価格領域ごとの台数に基づいて設定することができる。例えば、車両30の現在の所属距離領域における同車種車両の価格領域ごとの台数が図4のようになっている場合、車両30の現在の査定価格幅を10万円~289万円のように設定することができる。車両30の将来(半年後や1年後など)の査定価格幅については、車両30の製造から現在までの年数および走行距離に基づいて将来の走行距離を推定し、それに基づく将来の所属距離領域における同車種車両の価格領域ごとの台数に基づいて設定することができる。車両30の現在や将来の査定価格幅(図5のハッチング参照)や将来の査定価格(図5の点線丸印や点線四角印、点線三角印参照)をナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させることにより、ユーザは、車両30の買換時期などを検討することができる。そして、ユーザによりナビゲーションシステム36や携帯端末40が操作されて車両30の買換予定時期がサーバ20に送信された場合、サーバ20は、その買換時期における車両30の査定価格などを考慮して、新車および中古車を含んで販売価格や納車時期などが適したオススメ車両を各種ウェブサイトなどから取得してナビゲーションシステム36や携帯端末40に表示させるものとしてもよい。
車両30の現在や将来の査定価格幅や将来の査定価格をナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させる場合、サーバ20は、車両30の将来の査定価格が査定価格幅の上限に接近する(図5の点線四角印に接近する)ようにアドバイス情報を作成してナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させるものとしてもよい。また、車両30の現在や将来の査定価格幅や将来の査定価格をナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させるか否かに拘わらずに、サーバ20は、将来的に車両30が加点車両を保持する(好ましくは車両指標Ivがより大きくなる)ようにまたは平均車両または減点車両から加点車両となるようにアドバイス情報を作成してナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させるものとしてもよい。これらより、ユーザは、車両30の査定価格の低下を抑制する(好ましくは向上させる)ために車両30の使用方法や部品交換を検討したり、車両30の買換時期を検討したりすることができる。
ここで、アドバイス情報としては、上述の車両指標Ivが大きくなるようにするための情報を挙げることができる。例えば、車両30の定期的な使用の推奨や、車両30の正規販売店での定期的なメンテナンスの推奨を挙げることができる。エンジン31の暖機完了前にエンジン31の回転数が所定回転数よりも大きくなったりトルクが所定トルクよりも大きくなったりする操作、例えば、アクセルペダルの大きな踏み込みなどの抑制も挙げることができる。エンジン31のアイドリングの抑制も挙げることができる。車両30の加速度の絶対値が加速度閾値よりも大きくなる操作、例えば、アクセルペダルの大きな踏み込みや、ある程度の車速での走行中のブレーキペダルの大きな踏み込みなどの抑制も挙げることができる。車両30のハンドルの据え切りの抑制や、車両30の傾斜地での駐車の抑制も挙げることができる。車両30の進行方向とは逆方向のシフト操作の抑制や、車両30のハンドル操作を伴うシフト操作の抑制も挙げることができる。駆動用蓄電装置33の温度が所定温度よりも高くなる操作、例えば、アクセルペダルの大きな踏み込み(モータ32を高トルクで駆動するために駆動用蓄電装置33から高電力をモータ32に供給する必要が生じるため)の抑制も挙げることができる。車両30の部品(エンジン31やモータ32、駆動用蓄電装置33など)の交換も挙げることができる。
なお、ユーザによりナビゲーションシステム36や携帯端末40が操作されて車両30における交換を所望する交換所望部品の査定要求がサーバ20に対して行なわれた場合、サーバ20は、車両査定プログラム22(図3参照)と同様の部品査定プログラムの実行により、交換所望部品の査定価格を設定してナビゲーションシステム36や携帯端末40のディスプレイに表示させるものとしてもよい。こうすれば、ユーザは、交換所望部品の査定価格を把握することができるから、それを考慮して、交換所望部品の交換や車両30の買取時期を検討することができる。
実施例では、サーバ20が車両査定方法(車両査定プログラム22)を実行するものとした。しかし、サーバ20に代えて、クラウドベンダにより提供されるクラウドサービスを利用して構成されたクラウドシステムが車両査定方法を実行するものとしてもよい。また、車両30(例えば、ナビゲーションシステム36)や携帯端末40が車両査定方法を実行するものとしてもよい。さらに、複数のコンピュータ(例えば、ナビゲーションシステム36およびサーバ20の各コンピュータ)が車両査定方法の各処理を分担して実行するものとしてもよい。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の査定に関する産業などに利用可能である。
20 サーバ、22 車両査定プログラム、30 車両、31 エンジン、32 モータ、33 蓄電装置、34 ECU、35 車両情報データベース、36 ナビゲーションシステム、40 携帯端末、50 販売店PC、52 市場情報データベース。
Claims (7)
- 対象車両の査定を行なう車両査定方法であって、
(A)走行距離を含む前記対象車両の車両情報と、前記対象車両と同車種の車両である同車種車両の中古販売価格または査定価格に関する市場情報とを取得するステップと、
(B)前記車両情報に基づいて、前記対象車両が平均車両、加点車両、減点車両の何れであるかを判定すると共に、前記同車種車両の前記市場情報に基づいて、前記対象車両の走行距離が属する所属距離領域における前記同車種車両の平均査定価格を特定するステップと、
(C)前記対象車両が前記平均車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格を前記対象車両の前記査定価格に設定し、前記対象車両が前記加点車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格よりも高い価格を前記対象車両の前記査定価格に設定し、前記対象車両が前記減点車両であるときには前記同車種車両の前記平均査定価格よりも安い価格を前記対象車両の前記査定価格に設定するステップと、
(D)前記対象車両の前記査定価格を出力するステップと、
を含む車両査定方法。 - 請求項1記載の車両査定方法であって、
前記ステップ(B)では、前記対象車両の使用頻度、前記対象車両のメンテナンス履歴、前記対象車両のエンジンの未暖機運転状態、前記対象車両の前記エンジンのアイドリング時間、前記対象車両の加速度の絶対値が加速度閾値よりも大きくなった回数、前記対象車両のハンドルの据え切り回数、前記対象車両の傾斜地での駐車回数、前記対象車両の進行方向とは逆方向のシフト操作回数、前記対象車両のハンドル操作を伴う前記シフト操作回数、前記対象車両の蓄電装置の使用温度履歴、前記対象車両の各部品の経年状態、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記対象車両が前記平均車両、前記加点車両、前記減点車両の何れであるかを判定する、
車両査定方法。 - 請求項1または2記載の車両査定方法であって、
前記ステップ(A)では、前記対象車両の査定要求を受けたときに、前記対象車両の前記車両情報と前記同車種車両の前記市場情報とを取得する、
車両査定方法。 - 請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の車両査定方法であって、
(E)前記市場情報に基づいて、前記対象車両の将来の査定価格幅を設定するステップを更に有し、
前記ステップ(D)では、前記対象車両の前記査定価格に加えて、前記将来の査定価格幅および/または前記査定価格幅の上限を出力する、
車両査定方法。 - 請求項4記載の車両査定方法であって、
(F)前記対象車両の将来の前記査定価格が前記査定価格幅の上限に接近するようにアドバイスを行なうステップを更に含む、
車両査定方法。 - 請求項1ないし4のうちの何れか1つの請求項に記載の車両査定方法であって、
(F)将来的に前記対象車両が前記加点車両を保持するようにまたは前記平均車両または前記減点車両から前記加点車両となるようにアドバイスを行なうステップを更に含む、
車両査定方法。 - 請求項1ないし6のうちの何れか1つの請求項に記載の車両査定方法の各ステップを1または複数のコンピュータに実行させる車両査定プログラム。
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