JP2023072578A - 蓋体 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定して且つ容易に容器を再封可能な蓋体を提供する。【解決手段】一実施形態に係る蓋体は、湯を注いで調理する即席食品を収納する容器の開口を封止する蓋体であって、容器の開口端部に貼合される本体部と、本体部から外側に張り出した第1摘まみ片と、本体部から外側に張り出した第2摘まみ片と、を有し、本体部の厚さ方向からみた場合において、第2摘まみ片は、本体部の中心周りに、第1摘まみ片から45度以上105度以下の範囲に配置されている。【選択図】図3
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は蓋体に関する。
即席食品(たとえば即席麺)は、容器に収納され、容器の開口を蓋体で封止された状態で提供される。この場合、ユーザは、蓋体の一部を容器から引き剥がし、容器の一部を開封する。ユーザは、その開封箇所から熱湯を容器内に注いだ後、蓋体で容器を再度塞ぐ。この際、蓋体で容器の開口を再封した状態を維持するため、粘着テープで蓋体を容器に固定することが知られている(特許文献1参照)。そして、蓋体で容器を再封した状態を一定時間維持した後、蓋体を容器から分離する。
蓋体で容器を再封する際、粘着テープで蓋体を容器に固定する形態では、粘着テープを準備して止める必要があり、蓋体を容器に止めるための手間も生じるとともに、容器および蓋体とは別に粘着テープが必要である。一方、近年、環境負荷低減の観点から資源消費の削減が求められている。
そこで、本発明は、安定して且つ容易に容器を再封可能な蓋体を提供することを目的とする。
本発明に係る蓋体は、湯を注いで調理する即席食品を収納する容器の開口を封止する蓋体であって、上記容器の開口端部に貼合される本体部と、上記本体部から外側に張り出した第1摘まみ片と、上記本体部から外側に張り出した第2摘まみ片と、を有し、上記本体部の厚さ方向からみた場合において、上記第2摘まみ片は、上記本体部の中心周りに、上記第1摘まみ片から45度以上105度以下の範囲に配置されている。
上記蓋体は、第1摘まみ片と、蓋体が有する本体部の中心周りに、上記第1摘まみ片から45度以上105度以下の範囲に配置された第2摘まみ片と、を有する。そのため、蓋体で容器を再封する際、2箇所で蓋体を安定して且つ容易に止められる。
上記第1摘まみ片は上記本体部から最も離れた第1頂部を有し、上記第2摘まみ片は上記本体部から最も離れた第2頂部を有し、上記第1頂部と上記本体部の上記中心とをとおる仮想直線と、上記第2頂部と上記中心とをとおる仮想直線との間の角度が、45度以上105度以下であってもよい。
上記本体部の厚さ方向からみた場合において、上記第2摘まみ片は、上記本体部の中心周りに、上記第1摘まみ片から45度以上90度以下の範囲に配置されていてもよい。この場合、より安定して蓋体を容器に止められる。
上記本体部、上記第1摘まみ片および上記第2摘まみ片は、積層シートによって形成されており、上記積層シートは、紙製の基材層と、上記基材層上に設けられた金属層と、上記金属層上に設けられた熱接着樹脂層と、を有してもよい。
この形態では、熱接着樹脂層を介して蓋体を容器に貼合可能である。基材層が紙製であることから、たとえばプラスチックフィルムを用いる場合より環境負荷の低減が図れる。金属層を有するためデットホールド性が確保し易い。その結果、第1摘まみ片および第2摘まみ片で蓋体を容器により確実に止めやすい。
本発明によれば、安定して且つ容易に容器を再封可能な蓋体を提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。同一の要素には同一符号を付する。重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、一実施形態に係る蓋体の使用状態の模式図である。図1は、蓋体の使用状態の側面図であり、説明の便宜のため、図1では、容器2および蓋体10の一部を切り欠いた図を示している。
図1に示した蓋体10は、湯を注いで調理する即席食品1(たとえば即席麺)を収納する容器2の開口2aを封止する蓋体である。すなわち、蓋体10は、即席食品容器用蓋体である。
蓋体10が適用される容器2は有底筒状を呈する。本実施形態において、容器2の底壁の厚さ方向からみた場合、容器2の形状は円形である。容器2において底壁と反対側に位置する開口端部2bは、外側に曲げられており、開口端部2bの一部はフランジ部を構成している。
蓋体10は、図2に示したように、紙製の基材層21、金属層22および熱接着樹脂層23を含む積層シート20によって形成されている。基材層21、金属層22および熱接着樹脂層23は、図1に示した使用状態において、外側(容器2と反対側)から基材層21、金属層22および熱接着樹脂層23の順に積層されている。積層シート20の厚さは、たとえば、50μm以上300μm以下であり、70μm以上250μm以下であってもよい。
基材層21は、紙自体から構成される層である。本実施形態において、基材層21は、蓋体10における外層に相当する。基材層21を構成する紙は、例えば上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、和紙、模造紙、クラフト紙等である。基材層21は、再生紙によって構成されてもよい。基材層21の坪量は、たとえば、30g/m2以上200g/m2以下である。基材層21の坪量の下限値は、40g/m2でもよいし、50g/m2でもよい。基材層21の坪量の上限値は、150g/m2でもよいし、180g/m2でもよい。基材層21の厚さの例は、20μm以上230μm以下であり、30μm以上210μm以下であってもよい。基材層21の質量は、たとえば、積層シート20を構成する各層の合計質量(すなわち、蓋体10の総質量)における51%以上である。この場合、積層シート20は紙を主成分とするシートであり、蓋体10は紙製の蓋体である。
基材層21には、商品説明、開封方法などの印刷が施されても良い。この場合、積層シート20は、基材層21上(たとえば、基材層21において金属層22と反対側の層)に印刷層を有する。
金属層22は、基材層21上に積層されている。金属層22は、積層シート20(蓋体10)にバリア性を付与するとともに、デッドホールド性を付与する。金属層22は、たとえば、金属箔であり、金属箔の例は、アルミニウム箔である。金属層22の厚さの例は、3μm以上30μm以下である。金属層22の厚さの下限値は、4μmでもよいし、5μmでもよい。金属層22の厚さの上限値は、20μmでもよいし、25μmでもよい。
金属層22は、図2に示したように、熱可塑性樹脂層24を介して基材層21に接着されてもよい。この場合、熱可塑性樹脂層24は、接着層として機能している。熱可塑性樹脂層24の例は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリウレタン、ポリプロピレン、エチレン-不飽和エステル共重合樹脂、又はポリエステル系共重合樹脂等である。熱可塑性樹脂層24の厚さは、例えば3μm以上40μm以下であり、5μm以上35μm以下でもよい。金属層22が熱可塑性樹脂層24を介して基材層21に接着されている形態では、基材層21と金属層22との間に熱可塑性樹脂層24となるべき樹脂をTダイなどから押し出す方法(押出ラミネート法)によって、基材層21と金属層22とがラミネートされ得る。基材層21と金属層22は、たとえば、本技術分野において用いられる接着剤を用いて接着されてもよい。
熱接着樹脂層23は、蓋体10における内層であり、蓋体10を容器2の開口端部2bに貼り合わせるための層である。熱接着樹脂層23は、たとえばシーラント層である。熱接着樹脂層23の厚さの例は、5μm以上70μm以下である。熱接着樹脂層23の厚さの下限値は、10μmでもよいし、15μmでもよい。熱接着樹脂層23の厚さの上限値は、40μmでもよいし、45μmでもよい。
熱接着樹脂層23の材料の例は、ポリオレフィン系樹脂である。熱接着樹脂層23の材料として、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用される。熱接着樹脂層23は、たとえば、金属層22に熱接着樹脂層23となるべき樹脂を押し出すことによって形成され得る。
上記積層シート20は、たとえば、前述したように、樹脂(たとえばポリエチレン樹脂)をTダイから押し出してラミネートする押出ラミネート法、接着剤を用いたドライラミネート法等によって製造され得る。積層シート20は、例示した層以外の層を有してもよい。
図1および図3を利用して、蓋体10を更に説明する。図3は、蓋体10の平面図であり、蓋体10の厚さ方向から見た場合を示している。蓋体10は、平面視において、本体部11と、第1摘まみ片12と、第2摘まみ片13とを有する。
本体部11は、蓋体10が容器2に使用された状態において容器2の開口2aを塞ぐ部分である。本体部11は、開口端部2bと同様の形状を有し、本実施形態では円形である。よって、本実施形態において、本体部11の中心11aは上記円の中心であり、開口端部2bの中心と一致する。本体部11の直径Dは、容器2のサイズに依存するが、たとえば、20mm以上200mm以下であり、50mm以上180mm以下であってもよい。直径Dの例は、たとえば、96.5mm、80.5mm、166mmなどである。
第1摘まみ片12は、本体部11の周縁から連続的に外側に張り出した部分である。第1摘まみ片12は、たとえばタブである。第1摘まみ片12は、図1に示したように、蓋体10を容器2に使用した場合、蓋体10のうち開口端部2bの外側に位置する。蓋体10で閉じられた容器2をユーザが開封する際の開封開始端として使用されるとともに、蓋体10で容器2の開口2aを再度塞ぐ際に蓋体10を容器2に止めるための係止具としても使用される。
本実施形態において、第1摘まみ片12は舌片状または略三角形状を呈し、本体部11の外側に向けて(径方向において)最も離れた第1頂部12aを有する。蓋体10において、第1頂部12aと本体部11の中心11aを挟んで反対側の部分と第1頂部12aとの間の長さLの例は、25mm以上220mm以下であり、55mm以上200mm以下であってもよい。長さLは、蓋体10における最大長さである。
第2摘まみ片13は、本体部11の周縁から連続的に外側に張り出した部分である。第2摘まみ片13は、たとえばタブである。第2摘まみ片13は、図1に示したように、蓋体10を容器2に使用した場合、蓋体10のうち開口端部2bの外側に位置する。第2摘まみ片13は、蓋体10で閉じられた容器2をユーザが開封する際の開封開始端として使用されるとともに、蓋体10で容器2の開口を再度閉じる際に蓋体10を容器2に止めるための係止具としても使用される。本実施形態において第2摘まみ片13は、第1摘まみ片12と同様の形状を有し、本体部11の外側に向けて(径方向において)最も離れた第2頂部13aを有する。
第2摘まみ片13は、本体部11の中心11aの周りに第1摘まみ片12から45度以上105度以下の範囲に配置されている。第2摘まみ片13は、中心11aの周りに第1摘まみ片12から45度以上90度以下の範囲に配置されていてもよい。第2摘まみ片13が中心11aの周りに第1摘まみ片12から一定の角度範囲にないに配置されていることは、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13の互いに対応する部分(たとえば、頂部、各摘まみ片の中心など)と中心11aとをとおる2つの仮想直線の間のなす角度が上記角度範囲内を意味する。第2摘まみ片13は、たとえば、第1摘まみ片12と第2摘まみ片13との間に本体部11の周縁が露出するように、本体部11の周方向に沿って第1摘まみ片12から一定距離離れた状態で配置される。
図3に示したように、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13が第1頂部12aと第2頂部13aを有する形態を用いて、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13の配置関係を具体的に説明する。この場合、第1頂部12aと中心11aとをとおる仮想直線14aと、第2頂部13aと中心11aとをとおる仮想直線14bとの間の角度(本実施形態において中心角)θが45度以上105度以下となるように、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13は配置されている。第1摘まみ片12および第2摘まみ片13は、角度θが45度以上90度以下となるように、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13は配置されていてもよい。角度θは、60度以上(または60度より大きく)105度以下が好ましく、たとえば、60度以上(または60度より大きく)90度以下でもよい。以下、説明の便宜のため、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13の配置関係の説明では、上記角度θを使用して説明する。
次に、図1、図4および図5を用いて蓋体10の作用効果を説明する。蓋体10は、図1に示したように、即席食品1を収納した容器2の開口端部2bに貼合される。これによって、容器2が蓋体10によって閉じられる。開口端部2bへの蓋体10の貼合は、ヒートシールによってなされ得る。
ユーザが、容器2内の即席食品1を食す場合、ユーザは、図4に示したように、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13の少なくとも一方を用いて蓋体10を半分程度、容器2から剥がす。これにより生じた開口を利用して、ユーザは、湯供給部(やかん、ポットなど)から熱湯3を容器2内に注ぐ。その後、ユーザは、図5に示したように、容器2から蓋体10の部分を容器2側に戻し、熱湯3を注ぐための開口を再度塞ぐ。この場合、第1摘まみ片12を開口端部2bの外縁に沿って折り曲げることによって、第1摘まみ片12を容器2に止める。同様に、第2摘まみ片13を開口端部2bの外縁に沿って折り曲げることによって、第2摘まみ片13を容器2に止める。これにより、蓋体10のうち容器2から引き剥がされた部分が、容器2に2箇所で再度止められ、熱湯3を注ぐために形成された開口が閉じられる。この状態で一定時間(たとえば3分)経過した後、ユーザは、蓋体10を容器2から分離する。
蓋体10は、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13を有し、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13は前述した角度θの範囲を満たすように配置されている。そのため、熱湯3を容器2に注いだ後に蓋体10で容器2を再封する場合、2箇所で蓋体10を容器2に安定して止められる。その結果、熱湯3が注がれ且つ蓋体10で再封された容器2内の内圧が蒸気などで上昇したり、容器2内の温度が上昇したりしても、容器2が開封されにくい。
蓋体10が有する2つの摘まみ片(すなわち、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13)を用いることによって、再封した場合に蓋体10が容器2から離れることを抑制できる。そのため、再封時に蓋体10を容器2に止めるための粘着テープ(たとえば粘着層付きプラスチックフィルム)が不要である。このように蓋体10とは別に粘着テープが不要であることから、資源消費を低減できる。よって、蓋体10の構成は、環境負荷の低減に寄与する。
第1摘まみ片12と第2摘まみ片13との間の角度θが45度未満の場合、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13が重なるため、2つの摘まみ片を有するという観点において角度θの下限値は45度である。第1摘まみ片12および第2摘まみ片13を確実に分離するために角度θは45度より大きい角度であり得る。角度θが大きすぎると、中心11aの周りにおいて第1摘まみ片12と第2摘まみ片13とが離れすぎ、第1摘まみ片12と第2摘まみ片13の間の領域が容器2から離れやすく(或いは浮きやすく)、容器2を適切に再封できない。この場合、第1摘まみ片12と第2摘まみ片13の間等から蒸気が漏れるため、熱湯3の温度低下が生じたり、熱湯3の量が減少したりして、結果として、即席食品1の保温効果が不十分になる可能性がある。角度θが105度以下であることで、蓋体10で容器2を適切に再封でき、上述した熱湯3の温度低下、熱湯3の量の減少等を抑制きる。その結果、即席食品1に必要な保温効果を維持でき、即席食品1の調理を適切に実施可能である。角度θが90度以下であることで、蓋体10で容器2をより確実に再封できる。
蓋体10が有する基材層21が紙製である形態では、基材層にたとえばプラスチックフィルムを使用する場合に比べて環境負荷を低減可能である。
蓋体10が金属層22(たとえばアルミニウム箔)を有する形態では、金属層22によって蓋体10のデッドホールド性が向上する。その結果、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13によって、蓋体10を容器2に安定して止めやすい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される範囲が含まれること、および、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
たとえば、蓋体は、第1摘まみ片および第2摘まみ片に加えて1個以上の摘まみ片を更に有してもよい。
上記実施形態および変形例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。説明の便宜の為、実施例の説明においても上記実施形態で説明した各構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施例1)
実施例1では、図2に示したように、基材層21、熱可塑性樹脂層24、金属層22および熱接着樹脂層23を有する積層シートを、押出ラミネート法を用いて製造した。基材層21、熱可塑性樹脂層24、金属層22および熱接着樹脂層23はこの順に積層されていた。
実施例1では、図2に示したように、基材層21、熱可塑性樹脂層24、金属層22および熱接着樹脂層23を有する積層シートを、押出ラミネート法を用いて製造した。基材層21、熱可塑性樹脂層24、金属層22および熱接着樹脂層23はこの順に積層されていた。
基材層21は、坪量が79.1g/m2の片面アート紙であった。
熱可塑性樹脂層24は、ポリエチレン(PE)(押出し樹脂用LDPE)を基材層21と金属層22との間に厚さが13μmとなるように押し出すことによって形成された層であった。すなわち、熱可塑性樹脂層24は、厚さ13μmのポリエチレン層であった。
金属層22は、厚さが6μmのアルミニウム箔(合金AL)であった。
熱接着樹脂層23は、ポリエチレン(PE)を金属層22上に、厚さ40μmとなるように押し出すことによって形成された層であった。すなわち、熱接着樹脂層23は、厚さ40μmのポリエチレン層であった。熱接着樹脂層23に用いたポリエチレンは、熱可塑性樹脂層24のポリエチレンと同じであった。
熱可塑性樹脂層24は、ポリエチレン(PE)(押出し樹脂用LDPE)を基材層21と金属層22との間に厚さが13μmとなるように押し出すことによって形成された層であった。すなわち、熱可塑性樹脂層24は、厚さ13μmのポリエチレン層であった。
金属層22は、厚さが6μmのアルミニウム箔(合金AL)であった。
熱接着樹脂層23は、ポリエチレン(PE)を金属層22上に、厚さ40μmとなるように押し出すことによって形成された層であった。すなわち、熱接着樹脂層23は、厚さ40μmのポリエチレン層であった。熱接着樹脂層23に用いたポリエチレンは、熱可塑性樹脂層24のポリエチレンと同じであった。
上記積層シートを図1に示した形状に加工して蓋体10を得た。実施例1の蓋体10において、本体部11は円形であり、本体部11の直径Dは96.5mmであった。蓋体10は、本体部11から外側に張り出した第1摘まみ片12および第2摘まみ片13を有していた。第1摘まみ片12および第2摘まみ片13は第1頂部12aおよび第2頂部13aを有する舌片状を呈していた。実施例1の蓋体10において蓋体10の最大長である長さL(図3参照)は106.5mmであった。更に、図3に示した仮想直線14aと仮想直線14bとの間の角度θ(中心角)は、45度であった。すなわち、第2摘まみ片13は、中心11aの周りに第1摘まみ片12から45度の位置に配置されていた。以下、実施例1の蓋体10をサンプルAと称す。
(実施例2)
実施例2で準備した蓋体10をサンプルBと称す。サンプルBは、サンプルAにおける角度θを60度にした点以外は、サンプルAと同じであった。
実施例2で準備した蓋体10をサンプルBと称す。サンプルBは、サンプルAにおける角度θを60度にした点以外は、サンプルAと同じであった。
(実施例3)
実施例3で準備した蓋体10をサンプルCと称す。サンプルCは、サンプルAにおける角度θを90度にした点以外は、サンプルAと同じであった。
実施例3で準備した蓋体10をサンプルCと称す。サンプルCは、サンプルAにおける角度θを90度にした点以外は、サンプルAと同じであった。
(実施例4)
実施例4で準備した蓋体10をサンプルDと称す。サンプルDは、サンプルAにおける角度θを105度にした点以外は、サンプルAと同じであった。
実施例4で準備した蓋体10をサンプルDと称す。サンプルDは、サンプルAにおける角度θを105度にした点以外は、サンプルAと同じであった。
(比較例1)
比較のための蓋体を準備した。比較例1における蓋体をサンプルEと称す。サンプルEは、サンプルAにおける角度θを120度にした点以外は、サンプルAと同じであった。
比較のための蓋体を準備した。比較例1における蓋体をサンプルEと称す。サンプルEは、サンプルAにおける角度θを120度にした点以外は、サンプルAと同じであった。
[再封性評価]
(1)サンプルAに対する再封性評価
サンプルAを、図1に示したように容器2に適用した場合の再封性を評価した。容器2には、市販の即席麺用容器として用いられている縦型容器を使用した。容器2の開口端部2b側の直径は96.5mmであった。評価試験は次のように実施した。
(1)サンプルAに対する再封性評価
サンプルAを、図1に示したように容器2に適用した場合の再封性を評価した。容器2には、市販の即席麺用容器として用いられている縦型容器を使用した。容器2の開口端部2b側の直径は96.5mmであった。評価試験は次のように実施した。
容器2の開口側の端部にサンプルAをヒートシールして、容器2を封止した。その後、サンプルAが有する第1摘まみ片12および第2摘まみ片13側からサンプルAを半分剥がし、容器2を半分程度開封した。次いで、容器2内に熱湯3を300ml注いだ。熱湯3を容器2に注いだ後、サンプルAのうち容器2の開封のために引き剥がした領域を容器2側に戻し、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13を容器2の開口端部2bの外縁に沿って折り曲げることによってサンプルAを容器2に止めた。このようにして容器2をサンプルAで再封した。
再封評価試験では、サンプルAで再封された容器2の再封直後の重量と再封してから3分経過した後の重量をシイベル機械株式会社 Mettler PM16を用いて測定し、重量変化率を算出した。重量変化率は、再封直後の重量をG1[g]、再封後3分経過した時の重量をG2[g]とした場合、以下の式で算出した。
重量変化率(%)={(G1-G2)/G1}×100
再封評価試験では、熱湯3を容器2に注いだ直後(再封直前)の容器2内の熱湯3の温度と再封してから3分経過した時の熱湯3の温度をTANITA TT-533を用いて測定し、温度変化率を算出した。温度変化率は、上記再封直前の温度をT1[℃]、再封後3分経過した時の温度をT2[℃]とした場合、以下の式で算出した。
温度変化率(%)={(T1-T2)/T1}×100
重量変化率(%)={(G1-G2)/G1}×100
再封評価試験では、熱湯3を容器2に注いだ直後(再封直前)の容器2内の熱湯3の温度と再封してから3分経過した時の熱湯3の温度をTANITA TT-533を用いて測定し、温度変化率を算出した。温度変化率は、上記再封直前の温度をT1[℃]、再封後3分経過した時の温度をT2[℃]とした場合、以下の式で算出した。
温度変化率(%)={(T1-T2)/T1}×100
(2)サンプルB~Eに対する再封性評価
サンプルAの代わりにサンプルB~Eをそれぞれ用いた点以外は、サンプルAの場合と同様に再封性評価を実施し、重量変化率および温度変化率を算出した。
サンプルAの代わりにサンプルB~Eをそれぞれ用いた点以外は、サンプルAの場合と同様に再封性評価を実施し、重量変化率および温度変化率を算出した。
(評価結果)
サンプルA~Eそれぞれを用いた場合の上記重量変化率は表1のとおりであった。表1において、重量変化率が0.3%未満を「良」(GOOD)と評価し、0.3%以上を「否」(BAD)と評価した。
サンプルA~Eそれぞれを用いた場合の上記温度変化率は表2のとおりであった。表2において、温度変化率が7%未満を「良」(GOOD)と評価し、7%以上を「否」(BAD)と評価した。
サンプルA~Eそれぞれを用いた場合の上記重量変化率は表1のとおりであった。表1において、重量変化率が0.3%未満を「良」(GOOD)と評価し、0.3%以上を「否」(BAD)と評価した。
サンプルA~Eそれぞれを用いた場合の上記温度変化率は表2のとおりであった。表2において、温度変化率が7%未満を「良」(GOOD)と評価し、7%以上を「否」(BAD)と評価した。
表1および表2に示したように、重量変化率および温度変化率に対する評価において、実施例1~4は全て「良」である一方、比較例1は「否」であった。比較例1では、角度θが120度であることから第1摘まみ片及び第2摘まみ片が、実施例1~4の場合より離れていた。そのため、サンプルE(蓋体)で容器2を再封時に、第1摘まみ片および第2摘まみ片でサンプルEを容器2に止めても、熱湯3の熱および蒸気の影響で、時間が経過すると第1摘まみ片および第2摘まみ片の間が容器2から浮き、容器2が一部開いていた。その結果、その開かれた領域から蒸気が抜けたことによって、より大きな重量変化および温度変化が生じたと考えられる。
逆に、重量変化率および温度変化率が比較例1より小さい実施例1~4では、再封した後における上記容器2の開きが抑制されていた。その結果、表1および表2に示したように、重量変化および温度変化が抑制されていたと考えられる。
表には示していないが、角度θが45度未満の場合、第1摘まみ片および第2摘まみ片が重複する領域が存在し、実質1つのタブと同様である。そのため、2つのタブを蓋体が備える観点から、角度θは45度以上である。したがって、角度θが45度以上105度以下で第1摘まみ片12および第2摘まみ片13が配置されることによって、第1摘まみ片12および第2摘まみ片13を用いて適切に容器2を蓋体10で再封可能である。
重量変化率および温度変化率が小さい方が容器2からの蒸気抜けがより抑制されており、熱湯3の量の減少および熱湯3の温度低下が防止されていることを示す。表1より、角度θが90度以下で重量変化率が0.15%以下を実現できており、表2より、角度θが90度以下で温度変化率が6.00%以下を実現できている。したがって、角度θが、45度以上90度以下であることによって、蓋体10のカップへの再封性能が向上することがわかる。
1…即席食品、2…容器、2a…開口、2b…開口端部、3…熱湯(湯)10…蓋体、11…本体部、11a…中心、12…第1摘まみ片、13…第2摘まみ片、14a,14b…仮想直線、20…積層シート、21…基材層、22…金属層、23…熱接着樹脂層、24…熱可塑性樹脂層。
Claims (4)
- 湯を注いで調理する即席食品を収納する容器の開口を封止する蓋体であって、
前記容器の開口端部に貼合される本体部と、
前記本体部から外側に張り出した第1摘まみ片と、
前記本体部から外側に張り出した第2摘まみ片と、
を有し、
前記本体部の厚さ方向からみた場合において、前記第2摘まみ片は、前記本体部の中心周りに、前記第1摘まみ片から45度以上105度以下の範囲に配置されている、
蓋体。 - 前記第1摘まみ片は前記本体部から最も離れた第1頂部を有し、
前記第2摘まみ片は前記本体部から最も離れた第2頂部を有し、
前記第1頂部と前記本体部の前記中心とをとおる仮想直線と、前記第2頂部と前記中心とをとおる仮想直線との間の角度が、45度以上105度以下である、
請求項1に記載の蓋体。 - 前記本体部の厚さ方向からみた場合において、前記第2摘まみ片は、前記本体部の中心周りに、前記第1摘まみ片から45度以上90度以下の範囲に配置されている、
請求項1または2に記載の蓋体。 - 前記本体部、前記第1摘まみ片および前記第2摘まみ片は、積層シートによって形成されており、
前記積層シートは、
紙製の基材層と、
前記基材層上に設けられた金属層と、
前記金属層上に設けられた熱接着樹脂層と、
を有する、
請求項1~3の何れか一項に記載の蓋体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021185230A JP2023072578A (ja) | 2021-11-12 | 2021-11-12 | 蓋体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023072578A true JP2023072578A (ja) | 2023-05-24 |
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ID=86424325
Family Applications (1)
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JP2021185230A Pending JP2023072578A (ja) | 2021-11-12 | 2021-11-12 | 蓋体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023072578A (ja) |
-
2021
- 2021-11-12 JP JP2021185230A patent/JP2023072578A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20211213 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240910 |