JP2023072192A - 熱交換器および空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023072192000001
【課題】小型化を行いつつ、運転性能向上が可能な熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器は、第1管群と、第2管群と、支持部と、第1絞り開口部と、第2絞り開口部と、を備える。第1管群は、冷媒が一方向に流動可能な複数の第1細径管からなる。第2管群は、冷媒が第1細径管と異なる方向に流動可能な第2細径管からなる。支持部は、第1細径管及び第2細径管を連通させる連通室を有する。第1絞り開口部は、支持部の第1細径管が接続される接続壁に設けられる、第1細径管の管路断面積より小さい面積を備える。第2絞り開口部は、支持部の第2細径管が接続される接続壁に設けられる、第2細径管の管路断面積より小さい面積を備える。
【選択図】図7

Description

本発明の実施形態は、熱交換器および空気調和装置に関する。
エアコンディショナのような空気調和装置は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮及び蒸発により、室内の温度を調節する。例えば冷房運転時において、冷媒は、室外熱交換器で凝縮し、室内熱交換器で蒸発する。このような熱交換器においては、冷媒が液体・気体の状態で分離して存在すると熱交換性能が低下するため、液体・気体の分離を抑制する技術が提案されている。
特開平11-337293号公報
熱交換器の能力は、熱移動量によって決まるため、熱交換器の大きさで決定される。つまり、空気調和装置において、冷房運転能力や暖房運転能力を向上させるためには、大きな熱交換器が必要となる。しかしながら、熱交換器の大型化は、室内機や室外機の小型化の妨げる原因になっていた。また、熱交換器において冷媒が流れる流路を細径化するとともに複数本化することにより、熱交換器の大型化を抑制しつつ、熱交換効率を向上させることが考えられる。しかしながら、流路の細径化に伴い、液体及び気体の冷媒を各流路に分配することが難しくなり、流路を細分化した効果が得られ難い、という問題がある。
本発明が解決する課題の一例は、熱交換器の小型化を行いつつ、運転性能向上が可能な熱交換器および空気調和装置を提供することである。
本発明の一つの実施形態に係る熱交換器は、第1管群と、第2管群と、支持部と、第1絞り開口部と、第2絞り開口部と、を備える。第1管群は、冷媒が一方向に流動可能な複数の第1細径管からなる。第2管群は、前記冷媒が前記第1細径管と異なる方向に流動可能な第2細径管からなる。支持部は、前記第1細径管及び前記第2細径管を連通させる連通室を有する。第1絞り開口部は、前記支持部の前記第1細径管が接続される接続壁に設けられる、前記第1細径管の管路断面積より小さい面積を備える。第2絞り開口部は、前記支持部の前記第2細径管が接続される接続壁に設けられる、前記第2細径管の管路断面積より小さい面積を備える。
また、前記熱交換器の前記連通室は、例えば、前記第1絞り開口部と前記第2絞り開口部との間に前記連通室の流路断面積より小さい面積の第3絞り開口部を有する仕切壁を備えてもよい。
また、前記熱交換器の前記第3絞り開口部は、例えば、前記仕切壁の中央を含む位置に形成されていてもよい。
また、前記熱交換器の前記連通室は、例えば、前記仕切壁の前記第3絞り開口部の形成位置に対してずれた位置に少なくとも一つの第4絞り開口部を有する補助仕切壁を備えてもよい。
また、前記熱交換器の前記連通室は、例えば、前記第1絞り開口部、前記第2絞り開口部、前記第3絞り開口部を通過する前記冷媒の流動方向を遮る対向壁部、を備えてもよい。
また、前記熱交換器は、空気調和機の例えば、室内機と室外機の少なくとも一方に備えられてもよい。
以上の熱交換機によれば、例えば、第1絞り部および第2絞り部により第1細径管および第2細径管を流れる冷媒の速度が上昇できるとともに、速度が上昇した媒体が連通室に流入することにより連通室内で媒体が乱流化する。その結果、液体状の媒体と気体状の媒体とが混合され、連通室を挟んで下流側の第1細径管または第2細径管に流れ込む媒体が均一化され易い。また、下流側の第1細径管または第2細径管を流れる媒体の流速が上昇するため、熱交換効率がより向上する。
図1は、本実施形態に係る熱交換器を備える空気調和装置の冷媒系統図であり、冷房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。 図2は、本実施形態に係る熱交換器を備える空気調和装置の冷媒系統図であり、暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。 図3は、本実施形態の熱交換器を備える空気調和装置の構成を機能的に示す例示的かつ模式的な断面座右なブロック図である。 図4は、本実施形態の熱交換器の全体構成を示す例示的かつ模式的な斜視図である。 図5は、本実施形態の熱交換器を備える空気調和装置の室内機を示す例示的かつ模式的な断面図である。 図6は、本実施形態に係る熱交換器の詳細を示す例示的かつ模式的な断面図である。 図7は、図6の支持部の詳細を示す例示的かつ模式的な断面図である。 図8は、本実施形態の熱交換器を備える空気調和装置の冷房運転制御の流れを示す例示的なフローチャートである。 図9は、本実施形態の熱交換器を備える空気調和装置の暖房運転制御の流れを示す例示的なフローチャートである。 図10は、本実施形態に係る熱交換器を搭載可能な空気調和装置の他の冷媒系統図を示す例示的かつ模式的な図である。
以下に、一つの実施形態について、図1乃至図9を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
図1は、本実施形態に係る熱交換器を備える空気調和装置の10の冷媒系統図であり、冷房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。空気調和装置10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和装置10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和装置であってもよい。
図1に示すように、空気調和装置10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
空気調和装置10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば電気配線により互いに電気的に接続される。
室外機11は、室外熱交換器21と、室外送風ファン22と、圧縮機23と、アキュムレータ24と、四方弁25と、第1の膨張弁31と、第2の膨張弁32と、第3の膨張弁33と、気液分離器34と、切替弁35と、第1の逆止弁36と、第2の逆止弁37とを有する。室内機12は、室内熱交換器41と、室内送風ファン42とを有する。
冷媒配管13は、例えば、銅またはアルミニウムのような金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1の配管51と、第2の配管52と、第3の配管53とを有する。第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続する。圧縮機23、アキュムレータ24、四方弁25、第3の膨張弁33、切替弁35、及び第1の逆止弁36は、第1の配管51に設けられる。第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続する。第1の膨張弁31と第2の膨張弁32と気液分離器34は、第2の配管52に設けられる。第3の配管53は、第1の配管51に接続される。第2の逆止弁37は、第3の配管53に設けられる。
冷房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れ、第2の配管52を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れる。図1の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示す。
図2は、本実施形態に係る熱交換器を備える空気調和装置10の冷媒系統図であり、暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。図2に示すように、暖房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れ、第2の配管52を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れる。図2の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示す。
室外機11の室外熱交換器21は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、または凝縮器として冷媒の放熱を行う。室外送風ファン22は、室外熱交換器21に向かって送風し、室外熱交換器21における冷媒と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室外送風ファン22は、室外熱交換器21と熱交換する気流を生成する。
圧縮機23は、吸入口23aと吐出口23bとを有する。圧縮機23は、吸入口23aから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口23bから吐出する。これにより、圧縮機23は、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。
アキュムレータ24は、圧縮機23の吸入口23aに接続される。アキュムレータ24は、気体状の冷媒と液体状の冷媒とを分離する。これにより、圧縮機23は、アキュムレータ24を通過した気体状の冷媒を吸入口23aから吸入することができる。アキュムレータ24は、圧縮機23と一体に構成されることで、圧縮機23の吸入口となることもできる。
四方弁25は、室外熱交換器21と、室内熱交換器41と、圧縮機23の吐出口23bと、アキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とに接続される。四方弁25は、暖房運転時と冷房運転時とで、室外熱交換器21、室内熱交換器41、圧縮機23の吐出口23b、及びアキュムレータ24のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
図1に示すように、冷房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとを接続する。さらに、冷房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41とアキュムレータ24とを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室外熱交換器21へ流れ、室内熱交換器41で熱交換が行われた(例えば蒸発した)冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
図2に示すように、暖房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21とアキュムレータ24とを接続する。さらに、暖房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41と圧縮機23の吐出口23bとを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室内熱交換器41へ流れ、室外熱交換器21で熱交換が行われた(例えば蒸発した)冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、第3の膨張弁33は、例えば、電磁膨張弁である。なお、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32及び第3の膨張弁33は、他の膨張弁であってもよい。第1の膨張弁31、第2の膨張弁32及び第3の膨張弁33は、開度を制御されることで、通過する冷媒の量を調節する。
気液分離器34は、冷房運転時に第1の膨張弁31側から流入する気液二相冷媒を、暖房運転時に第2の膨張弁32側から流入する気液二相冷媒を、液体の媒体と気体の媒体に分離する。冷房運転時には、液体の冷媒は、室内熱交換器41側に送り出される。また、暖房運転時には、液体の冷媒は室外熱交換器21側に送り出される。なお、分離された気体の冷媒は、アキュムレータ24を介して圧縮機23に送られる。
室内機12の室内熱交換器41は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として吸熱し、または凝縮器として放熱する。室内送風ファン42は、室内熱交換器41に向かって送風し、室内熱交換器41と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室内送風ファン42は、室内熱交換器41と熱交換する気流を生成する。
以上のように各要素が配置された空気調和装置10において、第1の配管51は、第1の領域51aと、第2の領域51bと、第3の領域51cと、第4の領域51dとを有する。第1の領域51aは、室内熱交換器41と四方弁25との間における第1の配管51の一部である。第2の領域51bは、四方弁25とアキュムレータ24との間における第1の配管51の一部である。第3の領域51cは、圧縮機23の吐出口23bと四方弁25との間における第1の配管51の一部である。第4の領域51dは、四方弁25と室外熱交換器21との間における第1の配管51の一部である。
第2の配管52は、第5の領域52aと、第6の領域52bと、第7の領域52cと第8の領域52dとを有する。第5の領域52aは、室外熱交換器21と第1の膨張弁31との間における第2の配管52の一部である。第6の領域52bは、第2の膨張弁32と室内熱交換器41との間における第2の配管52の一部である。第7の領域52cは、第1の膨張弁31と気液分離器34との間における第2の配管52の一部である。第8の領域52dは、第2の膨張弁32と気液分離器34との間における第2の配管52の一部である。
第3の膨張弁33は、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。言い換えると、第3の膨張弁33は、四方弁25と圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)との間で、第1の配管51に設けられる。
切替弁35は、例えば、三方弁である。なお、切替弁35は、四方弁のような、冷媒が流れる方向を変更可能な他の切替弁であってもよい。切替弁35は、第3の膨張弁33と圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)との間で、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。
第3の配管53は、第1の配管51の第2の領域51bに接続される。第3の配管53の第1の端部53aは、切替弁35に接続される。すなわち、切替弁35は、第3の配管53の第1の端部53aと第1の配管51との接続部分に設けられる。第3の配管53の第2の端部53bは、切替弁35と圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)との間で、第1の配管51に接続される。第1の端部53aは、第3の配管の一方の端部の一例である。第2の端部53bは、第3の配管の他方の端部の一例である。
切替弁35は、四方弁25、圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)、及び第3の配管53のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。すなわち、切替弁35は、四方弁25から圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)へ向かって流れる冷媒を、第3の配管53を経由して圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)へ流すことができる。
第1の逆止弁36は、切替弁35と、第3の配管53の第2の端部53bとの間で第1の配管51に設けられる。第1の逆止弁36は、切替弁35から圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)へ向かう方向へ流れる冷媒を通過させる。一方、第1の逆止弁36は、圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)から切替弁35へ向かう方向へ流れる冷媒を遮断する。
第2の逆止弁37は、切替弁35と第3の配管53の第2の端部53bとの間で第3の配管53に設けられる。第2の逆止弁37は、切替弁35から圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)へ向かう方向へ流れる冷媒を通過させる。一方、第2の逆止弁37は、圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)から切替弁35へ向かう方向へ流れる冷媒を遮断する。
本実施形態の室外機11は、第1の蓄熱材61と、第2の蓄熱材62と、第3の蓄熱材63とを有する。また、室外機11は、第1の温度センサ71と、第2の温度センサ72と、第3の温度センサ73と、第4の温度センサ74と、第5の温度センサ75と、第6の温度センサ76と、第7の温度センサ77、第8の温度センサ78と、第9の温度センサ79と、第10の温度センサ80とをさらに有する。第1の蓄熱材61は、第1の伝熱部の一例である。第2の蓄熱材62は、第2の伝熱部の一例である。第3の蓄熱材63は、蓄熱材の一例である。
第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、例えば、ブロック状の容器に充填された潜熱蓄熱材を有する。潜熱蓄熱材は、例えば、塩化カルシウムである。第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、他の潜熱蓄熱材を有してもよい。本実施形態における第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、例えば、約10℃乃至約100℃の温度帯で使用可能な蓄熱材である。
第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、上述の例に限られず、例えば、顕熱蓄熱材のような他の蓄熱材であってもよいし、他の温度帯で使用可能な蓄熱材であってもよい。また、第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、互いに異なる蓄熱材であってもよい。
第1の蓄熱材61は、第3の膨張弁33と圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)との間で第1の配管51の第2の領域51bに熱的に接続される。本実施形態では、第1の蓄熱材61は、切替弁35と第1の逆止弁36との間で、第1の配管51に熱的に接続される。このため、第3の配管53の第1の端部53aは、第3の膨張弁33と第1の蓄熱材61との間で第1の配管51に接続されている。さらに、第3の配管53の第2の端部53bは、第1の蓄熱材61と圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)との間で第1の配管51に接続されている。
さらに、第1の蓄熱材61は、室外熱交換器21と第1の膨張弁31との間で第2の配管52の第5の領域52aに熱的に接続される。例えば、第1の配管51及び第2の配管52は、互いに離間するとともに、第1の蓄熱材61を貫通する。このため、第1の蓄熱材61は、第1の配管51と第2の配管52とを互いに熱的に接続させる。
第1の蓄熱材61は、第2の領域51b及び第5の領域52aのそれぞれよりも、蓄熱容量が大きい。また、第2の領域51b及び第5の領域52aは、金属で作られており、第1の蓄熱材61の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第2の領域51b及び第5の領域52aと、第1の蓄熱材61の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第2の蓄熱材62は、第3の配管53に熱的に接続される。本実施形態では、第2の蓄熱材62は、切替弁35と第2の逆止弁37との間で、第3の配管53に熱的に接続される。
さらに、第2の蓄熱材62は、室内熱交換器41と第2の膨張弁32との間で第2の配管52の第6の領域52bに熱的に接続される。例えば、第6の領域52b及び第3の配管53は、互いに離間するとともに、第2の蓄熱材62を貫通する。このため、第2の蓄熱材62は、第6の領域52bと第3の配管53とを互いに熱的に接続させる。
第2の蓄熱材62は、第3の配管53及び第6の領域52bのそれぞれよりも、蓄熱容量が大きい。また、第3の配管53及び第6の領域52bは、金属で作られており、第2の蓄熱材62の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第3の配管53及び第6の領域52bと、第2の蓄熱材62の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第3の蓄熱材63は、室内熱交換器41と四方弁25との間で、第1の配管51の第1の領域51aに熱的に接続される。さらに、第3の蓄熱材63は、四方弁25と圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)との間で、第1の配管51の第2の領域51bに熱的に接続される。
例えば、第1の配管51の第1の領域51a及び第2の領域51bは、互いに離間するとともに、第3の蓄熱材63を貫通する。このため、第1の領域51aと第2の領域51bとは、第3の蓄熱材63を介して互いに熱的に接続される。
本実施形態では、第3の蓄熱材63は、四方弁25と、第3の膨張弁33との間で、第1の配管51の第2の領域51bに熱的に接続される。このため、第3の膨張弁33は、第3の蓄熱材63と圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)との間で、第1の配管51に設けられる。
第3の蓄熱材63は、第1の領域51a及び第2の領域51bのそれぞれよりも、蓄積可能な熱量(蓄熱容量)が大きい。また、第1の領域51a及び第2の領域51bは、金属で作られており、第3の蓄熱材63の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第1の領域51a及び第2の領域51bと、第3の蓄熱材63の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第3の蓄熱材63は、第1の蓄熱材61及び第2の蓄熱材62のそれぞれよりも、潜熱蓄熱材の体積が大きく、且つ蓄熱容量が大きい。第1の蓄熱材61と第2の蓄熱材62とは、潜熱蓄熱材の体積及び蓄熱容量が略同一である。なお、第1の蓄熱材61と第2の蓄熱材62との潜熱蓄熱材の体積及び蓄熱容量が互いに異なってもよい。
第1の温度センサ71は、第1の膨張弁31の冷房運転時の流入手前位置、すなわち第1の膨張弁31と第1の蓄熱材61との間で第1の膨張弁31の近傍において、第2の配管52の第5の領域52aに設けられる。第1の温度センサ71は、第1の膨張弁31の近傍において、第5の領域52aを流れる冷媒の温度を検出する。
第2の温度センサ72は、第1の蓄熱材61に設けられる。第2の温度センサ72は、第1の蓄熱材61の中間温度(内部温度)を検出する。第2の温度センサ72は、蓄熱材温度センサの一例である。
第3の温度センサ73は、室内熱交換器41に設けられ、室内熱交換器41を流れる冷媒の温度(中間温度)を検出する。例えば、第3の温度センサ73は、室内熱交換器41を流れる冷媒の飽和温度が取得可能な位置に配置される。第3の温度センサ73は、室内機温度センサでもよい。
第4の温度センサ74は、第3の蓄熱材63に設けられ、第3の蓄熱材63の中間温度(内部温度)を検出する。第4の温度センサ74は、蓄熱材温度センサの一例である。
第5の温度センサ75は、アキュムレータ24の近傍において、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。第5の温度センサ75は、アキュムレータ24の近傍において、第2の領域51bを流れ、アキュムレータ24(吸入口23a)に流れ込む冷媒の温度(入口温度)を検出する。
第6の温度センサ76は、第3の配管53の第2の端部53bとアキュムレータ24との間、且つ第2の端部53bの近傍において、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。第6の温度センサ76は、第2の端部53bの近傍において、第2の領域51bを流れる冷媒の温度(冷房運転時に第1の蓄熱材61から流出する媒体の温度、または、暖房運転時に第2の蓄熱材62から流出する媒体の温度:出口温度)を検出する。
第7の温度センサ77は、室内熱交換器41と第2の蓄熱材62の間、且つ室内熱交換器41の近傍において、第2の配管52の第6の領域52bに設けられる。第7の温度センサ77は、第6の領域52bを流れる媒体の温度(暖房運転時の出口温度)を検出する。
第8の温度センサ78は、第2の蓄熱材62と第2の膨張弁32との間、且つ第2の蓄熱材62の近傍において、第2の配管52の第6の領域52bに設けられる。第8の温度センサ78は、第6の領域52bを流れる媒体の温度(暖房運転時の第2の蓄熱材62の出口温度)を検出する。
第9の温度センサ79は、第2の蓄熱材62に設けられ、第2の蓄熱材62の中間温度(内部温度)を検出する。第9の温度センサ79は、蓄熱材温度センサの一例である。
第10の温度センサ80は、室外熱交換器21に設けられ、室外熱交換器21を流れる冷媒の温度(中間温度、内部温度)を検出する。例えば、第10の温度センサ80は、室外熱交換器21を流れる冷媒の飽和温度が取得可能な位置に配置される。
制御装置14は、例えば、室外制御装置14aと、室内制御装置14bとを有する。室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、互いに電気配線により電気的に接続される。室外制御装置14a及び室内制御装置14bのうち少なくとも一方は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロコントローラのような制御装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリのような記憶装置とを有するコンピュータである。なお、制御装置14は、この例に限られない。例えば、制御装置14は、室外制御装置14a及び室内制御装置14bのうち一方のみを有してもよい。
室外制御装置14aは、室外機11の室外送風ファン22、圧縮機23、四方弁25、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、第3の膨張弁33、及び切替弁35を制御する。室内制御装置14bは、室内機12の室内送風ファン42を制御する。
制御装置14が室外機11及び室内機12を制御することで、空気調和装置10は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、蓄冷運転、及び他の運転を行う。室内制御装置14bは、例えば、リモートコントローラから信号を入力されてもよいし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されてもよい。
図3は、本実施形態の空気調和装置10の構成を機能的に示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の空気調和装置10は、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、第1の膨張弁駆動回路85と、第2の膨張弁駆動回路86と、第3の膨張弁駆動回路87と、切替弁駆動回路88とをさらに有する。
室外ファン駆動回路81は、室外送風ファン22の駆動回路である。室内ファン駆動回路82は、室内送風ファン42の駆動回路である。インバータ回路83は、圧縮機23をインバータ制御し、圧縮機23の運転周波数を変更する。インバータ回路83は、例えば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式のインバータ回路である。なお、インバータ回路83は、この例に限られない。
四方弁駆動回路84は、四方弁25の駆動回路である。第1の膨張弁駆動回路85は、第1の膨張弁31の駆動回路である。第2の膨張弁駆動回路86は、第2の膨張弁32の駆動回路である。第3の膨張弁駆動回路87は、第3の膨張弁33の駆動回路である。切替弁駆動回路88は、切替弁35の駆動回路である。
制御装置14は、第1乃至第10の温度センサ71~80と、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、第1の膨張弁駆動回路85と、第2の膨張弁駆動回路86と、第3の膨張弁駆動回路87と、切替弁駆動回路88とに接続される。制御装置14は、温度取得部91と、運転切替部92と、室外ファン制御部93と、室内ファン制御部94と、圧縮機制御部95と、弁制御部96とを備える。
温度取得部91は、第1乃至第10の温度センサ71~80の出力信号から、室外熱交換器21や室内熱交換器41の温度(中間温度)、各配管を流れる冷媒の温度、及び第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、第3の蓄熱材63の温度(中間温度)を取得する。
運転切替部92は、空気調和装置10における冷房運転と、暖房運転との切り替え及び、除湿運転、除霜運転、蓄冷運転等の切り替えを行う。なお、運転切替部92は、空気調和装置10の運転を他の運転方式に切り替えてもよい。
室外ファン制御部93は、室外送風ファン22を制御する。例えば、室外ファン制御部93は、室外ファン駆動回路81を制御することで、室外送風ファン22のモータの回転数を制御する。
室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を制御する。例えば、室内ファン制御部94は、室内ファン駆動回路82を制御することで、室内送風ファン42のモータの回転数を制御する。
圧縮機制御部95は、圧縮機23を制御する。例えば、圧縮機制御部95は、インバータ回路83を制御することで、インバータ制御により圧縮機23の運転周波数を制御する。
弁制御部96は、四方弁25、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、第3の膨張弁33、及び切替弁35を制御する。弁制御部96は、四方弁駆動回路84を制御することで、四方弁25のアクチュエータを駆動し、四方弁25に冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85、第2の膨張弁駆動回路86及び第3の膨張弁駆動回路87を制御することで、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、及び第3の膨張弁33の開度を変更させる。さらに、弁制御部96は、切替弁駆動回路88を制御することで、切替弁35に冷媒が流れる方向を変更させる。
続いて、本実施形態の熱交換器の詳細を図4~図7を用いて説明する。なお、本実施形態における室外機11側の室外熱交換器21と室内機12側の室内熱交換器41の基本的な構造は同じ構造とすることができる。したがって、室内機12側の室内熱交換器41を代表して説明する。
図4は、本実施形態の室内熱交換器41の全体構成を示す例示的かつ模式的な斜視図である。図4に示すように、室内熱交換器41は、複数の細径管43a(細径流路)を例えば管軸方向と直交する方向に、例えば一列に配置して扁平板状の管群としたマイクロチャネル熱交換体43を構成している。マイクロチャネル熱交換体43は、例えば、アルミニュウム等の熱伝達性の高い材料に微細加工を施して複数の細径管43aを形成している。各細径管43aは、相当直径が例えば1mm等の断面形状を有し、その断面形状は、例えば、四角形状等の矩形形状、円形状、楕円形状等とすることができる。
扁平板状のマイクロチャネル熱交換体43は、図6に示されるように第1支持部44(第1ヘッダと称する場合もある:図4では第1支持部44の図示を省略している)と第2支持部45(第2ヘッダと称する場合もある)によって支持されている。第1支持部44と第2支持部45との間には、アルミニュウム等の熱伝導率の高い複数の薄板からなるフィン46が配置されている。図4に示されるように、各フィン46には、マイクロチャネル熱交換体43の外形形状と略同一の形状(大きさ)の貫通孔44aが形成され、マイクロチャネル熱交換体43が挿通されて固定されている。また、第1支持部44の外側(フィン46が配置される側とは逆側)には、図6に示されるように、室内熱交換器41に冷媒を供給するための共通流路48a,48bの一端側が接続されている。第1支持部44の壁面には、共通流路48a、共通流路48bと略同一の形状(大きさ)の貫通孔(不図示)が形成され、共通流路48a、共通流路48bが接続されている。共通流路48a,48bの詳細は後述する。第1支持部44の内側(フィン46が配置されるる側)には、第1支持部44の一端側が接続されている。そして、第1支持部44の内部には、マイクロチャネル熱交換体43ごとに仕切壁44bが設けられ、対応するマイクロチャネル熱交換体43と共通流路48aまたは共通流路48bとを接続する共通の流路が形成されている。フィン46とマイクロチャネル熱交換体43との固定は、公知の接続技術を用いて行われて、熱的に接続されている。例えば、圧入で固定されてもよいし、例えば、ロウ付けやスポット溶接等の接合技術を用いて固定されてもよい。マイクロチャネル熱交換体43の他端側は、第2支持部45の外壁面に接続され、固定されている。マイクロチャネル熱交換体43の他端側における第2支持部45との接続構造の詳細は後述する。
マイクロチャネル熱交換体43の細径管43aには液状または気体状、またはその混合状態(気液二相状態)の冷媒が流動可能に満たされる。冷媒は、フィン46を介して室内熱交換器41の周囲を流れる空気と熱交換を行う。なお、細径管43aの小径化による伝熱面積の増加や細径管43aとフィン46との間のロウ付けによる接触熱抵抗の減少、マイクロチャネル熱交換体43の扁平管化による通風抵抗の減少(風量の増加)等により、室内熱交換器41の伝熱性能の向上に寄与できる。また、細径管43aの管内容積が小さくなるため冷媒充填量の削減に寄与することができる。なお、室内熱交換器41を構成するマイクロチャネル熱交換体43の数やフィン46の枚数、マイクロチャネル熱交換体43に形成される細径管43aの数は、室内熱交換器41の大きさ(能力)に応じて適宜変更可能である。
図5は、室内熱交換器41を備える空気調和装置10(室内機12)を示す例示的かつ模式的な断面図である。
室内機12は、筐体15の内部に、上述したように、室内熱交換器41と、室内送風ファン42と、フィルタ16と、例えば二つの上下風向板17(17A,17B)と、複数の左右風向板(不図示)等を有する。上下風向板17、左右風向板は、ルーバーとも称され得る。
図5に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、室内機12の幅に沿って設けられる。Y軸は、室内機12の奥行に沿って設けられる。Z軸は、室内機12の高さに沿って設けられる。
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。本実施形態において、+Z方向は上方向であり、-Z方向は下方向である。
筐体15は、X方向に延びた略直方体状に形成される。なお、筐体15は、他の形状に形成されてもよい。筐体15は、例えば、建造物(室内)の壁等に架けられる。筐体15は、上面15aと、下面15bとを有する。上面15aは、筐体15の上方向の端部またはその近傍に設けられ、略上方向に向く。下面15bは、筐体15の下方向の端部またはその近傍に設けられ、略下方向に向く。
筐体15に、通風路18、吸込み口18a、及び吹出し口18bが設けられる。通風路18は、筐体15の内部に設けられる。吸込み口18aは、例えば、筐体15の上面15aに開口する。吹出し口18bは、例えば、筐体15の下面15bに開口する。吸込み口18a及び吹出し口18bは、筐体15の他の部分に開口してもよい。
室内機12は、通風路18に風を通すことができる。風は、空気のような気体の流れである。吸込み口18aは、通風路18の一方の端に設けられ、通風路18を室内機12の外部に連通する。吹出し口18bは、通風路18の他方の端に設けられ、通風路18を室内機12の外部に連通する。換言すると、通風路18は、筐体15の内部において、吸込み口18aと吹出し口18bとの間に設けられる。
室内熱交換器41は、通風路18に設けられる。室内熱交換器41は、通風路18において周囲の気体と熱交換を行う。図5の場合、室内熱交換器41は、室内送風ファン42の周囲のうち、筐体15の内部を流れる空気の上流側で室内送風ファン42を取り囲むように、例えば、3個配置されている。室内熱交換器41は、図4に示すように略長方形の外形であるが、室内機12の小型化のため、室内送風ファン42に対するレイアウトに応じて、傾き姿勢で配置される。これにより、室内熱交換器41は、冷房運転時に通風路18を流れる風を冷却し、暖房運転時に通風路18を流れる風を加熱する。
室内送風ファン42は、通風路18に設けられる。室内送風ファン42は、X方向に延びる回転軸Axfまわりに回転することで、通風路18において吸込み口18aから吹出し口18bへ風を送る。これにより、室内機12は、吸込み口18aから室内の空気を通風路18へ吸い込み、吹出し口18bから通風路18の空気(風)を吹き出す。このため、本明細書では、通風路18において吸込み口18aに近い側を上流、吹出し口18bに近い側を下流と称する場合がある。
室内送風ファン42は、室内熱交換器41の下流に位置する。このため、室内送風ファン42が風を生じさせると、吸込み口18aから吸い込まれた空気(W0)が室内熱交換器41のフィン46を通過する。これにより、通風路18を流れる空気が室内熱交換器41と熱交換を行う。
フィルタ16は、吸込み口18a、または通風路18における吸込み口18aの近傍に設けられる。フィルタ16は、室内熱交換器41の上流に位置する。フィルタ16は、筐体15の内部から吸込み口18aを覆う。フィルタ16は、例えば、吸込み口18aから吸い込まれた空気を濾過し、当該空気中の塵埃を捕捉する。フィルタ16をHEPAフィルタ等で構成することにより、より高品質の空気清浄処理を実現することができる。
上下風向板17は、図5に示されるように、吹出し口18bを開放する開き位置と、吹出し口18bを閉塞する閉じ位置との間を開閉動作可能である。
上下風向板17(17A,17B)は、空調空気の風向を上下方向に調整する部材であり、上下ルーバーとも呼ばれる。上下風向板17は、X方向に延びる略円柱状に形成された軸部17aによって支持されている。軸部17aは、X方向に延びる回転軸AxLまわりに回転可能に筐体15に支持される。上下風向板17A,17Bはそれぞれ単独で回動角度の調整が可能であり、吹出し口18bから吹き出される風(空気W1,W2)の方向を例えば、+Y方向に平行な方向と-Z方向に平行な方向の間で調整可能である。なお、図示を省略した左右風向板は、-X方向と+X方向との間で角度調整が可能であり、吹出し口18bから吹き出される風(空気)の方向を筐体15(室内機12)の左右方向において調整可能である。上下風向板17の角度調整と左右風向板の角度調整の組み合わせにより、吹出し口18bから吹き出される風(空気)の方向を室内の任意の方向に向けることができる。また、上下風向板17の角度調整と左右風向板の角度調整の少なくとも一方を連続的に変化させることにより、風(空気)の方向を連続的に変化させることができる。
次に、図6、図7を用いて、室内熱交換器41の詳細構造を説明する。図6は、室内熱交換器41の詳細を示す例示的かつ模式的な断面図である。また、図7は、図6の第2支持部45の詳細を示す例示的かつ模式的な断面図である。
本実施形態の室内熱交換器41の場合、2つのマイクロチャネル熱交換体43を1セットとして、室内熱交換器41の往復管41A構成し、複数の往復管41Aが第1支持部44及び第2支持部45に支持されている。図6の場合、図示の簡略化のため例えば、4セットの往復管41Aが第1支持部44及び第2支持部45に支持されている例が示されている。往復管41Aのセット数は、室内熱交換器41の大きさ(熱交換能力)に応じて適宜変更可能である。なお、往復管41Aのうち一方のマイクロチャネル熱交換体43を第1管群43Aと称し、他方のマイクロチャネル熱交換体43を第2管群43Bと称する場合がある。また、第1管群43Aに含まれる細径管43aを第1細径管43a1、第2管群43Bに含まれる細径管43aを第2細径管43a2と称する場合がある。なお、第1細径管43a1と第2細径管43a2において、冷媒の流れる方向は互いに逆方向である。例えば、空気調和装置10が冷房運転される場合、冷媒は、第1管群43A(第1細径管43a1)から流れ込み(上流側、下側配管となり)、第2管群43B(第2細径管43a2)から流れ出る(下流側、上側配管となる)。一方、暖房運転の場合は、冷媒は、第2管群43B(第2細径管43a2)から流れ込み(上流側、上側配管となり)、第1管群43A(第2細径管43a2)から流れ出る(下流側、下側配管となる)。
また、本実施形態の場合、上述したように、第1支持部44の手前側で二股の共通流路48aを用いて、同時に2つの第1管群43Aに媒体の流動(例えば、冷房運転の場合、流入)を許容し、第1支持部44の手前側で二股の共通流路48bを用いて、同時に2つの第1管群43Aに媒体の流動(例えば、冷房運転の場合、流出)を許容する。なお、共通流路48a,48bは、同時に3以上の第1管群43A(第2管群43B)に対する冷媒の流動を可能にしてもよい。上述したように、暖房運転の場合は、媒体の流動方向が逆になる。冷房運転において、室内熱交換器41の上流側から流れてきた媒体は、共通流路48aの二股によって、第1支持部44の仕切壁44bで仕切られた共通の流路に分流される。媒体は、第1支持部44の内部の共通の流路から第1管群43Aに流れ込むときに、さらに各第1細径管43a1に分流する。また、冷房運転において、第2管群43Bの第2細径管43a2を流れてきた媒体は、第1支持部44で合流し、共通流路48bにおいて、さらに合流して室内熱交換器41の下流側に流れる。
前述したように、マイクロチャネル熱交換体43の一方側は、第1支持部44に接続される状態で支持されている。一方、マイクロチャネル熱交換体43の他方側(細径管43a)は、図6、図7に示されるように、第2支持部45の一面側に接続される状態で支持(固定)される。図7に示されるように、例えば、第2支持部45の第1細径管43a1(第1管群43A)が接続される接続壁45aには、第1細径管43a1の管路断面積より小さい面積の第1絞り開口部49aが設けられている。同様に、第2支持部45の第2細径管43a2(第2管群43B)が接続される接続壁45bには、第2細径管43a2の管路断面積より小さい面積の第2絞り開口部49bが設けられている。なお、接続壁45aと第1細径管43a1(第1管群43A)との接続及び接続壁45bと第2細径管43a2(第2管群43B)との接続は、水密及び気密が維持できるように、例えばロウ付け等の接合技術を用いて実施される。また、第1細径管43a1(第1管群43A)及び第2細径管43a2(第2管群43B)が接続される第2支持部45の内部には、第1細径管43a1(第1管群43A)と第2細径管43a2(第2管群43B)とを連通させる連通室R(図6参照)が設けられている。そして、第1絞り開口部49aが形成された接続壁45aと第2絞り開口部49bが形成された接続壁45bとの間には、連通室Rを第1連通室R1と第2連通室R2とに分割する仕切壁50が形成されている。この仕切壁50は、例えば、当該仕切壁50の中央位置を含む位置に、連通室Rの流路断面積より小さい面積の第3絞り開口部50aが形成されている。なお、第3絞り開口部50aは、冷媒の通過時に冷媒の流速の加速及び拡散ができればよく、複数設けられてもよい。
第1絞り開口部49aは、冷房運転時に第1細径管43a1から第2支持部45に流れ込む媒体の流速を増加させる機能を有する。また、第2絞り開口部49bは、冷房運転時に第2支持部45から第2細径管43a2に流れ出る媒体の流速を増加させる機能を有する。また、第3絞り開口部50aは、冷媒の流速を加速するとともに通過する冷媒を拡散し渦を発生させる機能を有する。冷媒の流体の増加や拡散等に関する効果の詳細は後述する。
なお、本実施形態の場合、連通室Rのうち第1連通室R1には、仕切壁50の第3絞り開口部50aの形成位置に対してずれた位置に少なくとも一つの第4絞り開口部49cを有する補助仕切壁45cを備えてもよい。
上述のように構成される室内熱交換器41の第2支持部45に、第1管群43A及び第2管群43Bが接続された状態における媒体の挙動について、図6、図7を用いて説明する。
まず、空気調和装置10が冷房運転される場合の室内熱交換器41における冷媒の流れを説明する。
空気調和装置10が冷房運転される場合の室内熱交換器41は蒸発器として機能する。この場合、低温低圧の液体の冷媒が共通流路48aおよび第1支持部44内部の流路を介して、第1管群43Aに供給される。共通流路48aから供給される液状の冷媒は、2つの第1管群43Aに分配され、さらに第1管群43Aの各第1細径管43a1に分配される。なお、この場合、冷媒をほぼ液状(気体状の冷媒がほとんど含まれない状態)で供給することにより、冷媒を各第1細径管43a1に概ね均等に分配することができる。液体のみの冷媒を共通流路48aから供給するための制御に関しては後述する。
第1管群43Aの各第1細径管43a1を流れる液状の冷媒は、室内機12において、吸込み口18aを介して筐体15に取り込まれた空気と熱交換を行い、一部が気化して気液二相状態で第1細径管43a1内を流れる。
ところで、室内熱交換器41は、図5に示されるように斜め姿勢で配置される場合がある。その結果、気体の冷媒と分離した状態の液体の冷媒は、重力の影響を受け、冷房運転時には、室内熱交換器41の下方側、つまり、第1管群43A側に溜り易くなる。その結果、空気調和装置10の冷媒流路内を循環する冷媒量が減少し、熱交換効率が低下する場合がある。また、気体化した冷媒は、第1管群43Aより上側に位置する第2管群43Bに移動し易くなる。気化した冷媒は、冷房運転の場合、熱交換の寄与率が低下する。液体の冷媒と気体の冷媒が分離した状態では、熱交換に有効な冷媒が各細径管43aに均等に分配させ難くなり、往路側となる第1管群43Aによる熱交換効率(冷風の発生効率)に対して、復路側となる第2管群43Bによる熱交換効率が低下する。その結果、室内熱交換器41全体としての熱交換効率が低下する。
そこで、本実施形態の室内熱交換器41の第2支持部45は、上述した構造を用いて、より多くの液状の冷媒を第2管群43B側に流せるように、冷媒の流動状態に変化を与える。
前述したように、第1管群43Aに供給される冷媒は、低圧であるため、そのままの状態では、第1管群43Aの通過途中で気化した冷媒が第2管群43Bに流れやすくなる。そこで、気液二相状態の冷媒が、第1絞り開口部49aを通過するようにすることで冷媒の流速を増加させる。その結果、気体の冷媒とともに液体の冷媒をより多く第1連通室R1に流し込ませることができる。さらに、流速が増加した気液二相状態の冷媒を、第1連通室R1において当該冷媒の流動方向を遮る位置に形成された第1対向壁h1に衝突させることにより、冷媒中に乱流を発生させることができる。その結果、液体の冷媒と気体の冷媒との混合状態の均一性を向上させることができる。
さらに、乱流化した冷媒が補助仕切壁45cに形成された第4絞り開口部49cを通過して流動する。仕切壁50において、冷媒の流動方向を遮る位置に形成された第2対向壁h2に衝突させることにより、冷媒の乱流をさらに強くすることができる。また、図7の場合、第4絞り開口部49cは第1連通室R1の隅部に形成されているため、第2対向壁h2に衝突した冷媒は、第4絞り開口部49cに対して他方側に大きく広がる第1連通室R1内で大きく渦を巻き、液体の冷媒と気体の冷媒との混合率をさらに向上させることができる。なお、流動抵抗の調節が必要になるが、第4絞り開口部49cを第4絞り開口部49cの下流側の流路の断面積より絞ることにより、第4絞り開口部49cにおいても冷媒の流速を加速させるようにしてもよい。なお、補助仕切壁45cは、省略されてもよい。
続けて、冷媒は、仕切壁50に形成された第3絞り開口部50aを通過する際に、再度流速の加速が行われる。また、仕切壁50の中央位置を含む位置に形成された第3絞り開口部50aを通過して、第2連通室R2の広がった領域に噴出させることにより、乱流状態の冷媒を拡散させるとともに、流動方向を遮る位置、すなわち、第3絞り開口部50aに対抗する位置に存在する第3対向壁h3に加速された冷媒が衝突することにより、冷媒中に発生した乱流をさらに強めて、液体の冷媒と気体の冷媒との混合状態の均一性をさらに向上させることができる。
そして、強い乱流状態になった気液二相状態の冷媒が、共通流路48bの第2絞り開口部49bを通過することにより、流速が再度加速される。その結果、より多くの液状の冷媒を、第2管群43Bの第2細径管43a2に供給することができる。また、前述したように、冷媒が第2連通室R2(第2支持部45)から第2管群43Bの各第2細径管43a2に分配されることになるが、強く乱流化された冷媒(特に液体の冷媒)がより均一化された状態で分配される。その結果、第2管群43Bの第2細径管43a2においても効率的に液体の冷媒を流すことが可能になり、復路の第2管群43Bにおいても往路の第1管群43Aと同様に効率的な熱交換を行うことができる。さらに、第1絞り開口部49a、第2絞り開口部49b、(第4絞り開口部49c)、第3絞り開口部50aにより冷媒の流速を増加させることにより、往路側の第1管群43A(第1細径管43a1)及び復路側の第2管群43B(第2細径管43a2)に、より効率的に液状の冷媒を供給することができるので、熱交換をさらに効率的に行うことができる。
なお、上述したように、室内熱交換器41が斜め姿勢で配置される場合でも、冷媒の流速の増加及び乱流化(渦化)により、重力の影響等により斜め姿勢の下方位置に溜まりやすい液状の冷媒を上方側に送り出し、熱交換をより効率的に行わせることができる。
空気調和装置10が暖房運転される場合は、室内熱交換器41が凝縮器として機能し、冷媒の流動方向が冷房運転時とは逆になる。冷房運転時の冷媒を流れの説明に利用した図7を用いて、暖房時の冷媒の流れを説明する。
暖房運転の場合、室内熱交換器41には、気体状の冷媒が供給され、第2細径管43a2を流動する際に、フィン46を介して室内熱交換器41を通過する空気と熱交換を行い、放熱し凝縮して液化される。室内熱交換器41の第2細径管43a2に供給される冷媒は、高温高圧の気体状なので、空気と冷媒の温度差が大きい第2細径管43a2で気体状の冷媒流量が増加するため凝縮性能が向上する。その一方で、過冷却度も大きくなり、結果的に液状の冷媒が第2細径管43a2や連通室R内に溜まり易くなる。暖房運転の場合、液体の冷媒は熱交換に寄与しにくい。
一方、本実施形態の室内熱交換器41の場合、第2細径管43a2から連通室Rの第2連通室R2に、第2細径管43a2で凝縮し液化した冷媒を気体の冷媒とともに流れ込ませるときに、接続壁45bの第2絞り開口部49bで、流速を増加させる。また、第2絞り開口部49bを通過した冷媒の流動方向を遮る対向位置に存在する第4対向壁h4に衝突させることにより、乱流(渦)を発生させる。その結果、液化した冷媒に、気体状の冷媒を混合することができる。さらに、乱流化して気液二相状態になった冷媒は、仕切壁50に形成された第3絞り開口部50aを通過する際に、再度流速の加速が行われる。また、仕切壁50の中央位置を含む位置に形成された第3絞り開口部50aを通過して、第1連通室R1の広がった領域に噴出させることにより、乱流状態の冷媒を拡散させるとともに、流動方向を遮る位置、すなわち、第3絞り開口部50aに対抗する位置に存在する第5対向壁h5に加速された冷媒が衝突する。その結果、冷媒中に発生した乱流をさらに強めて、液体の冷媒と気体の冷媒との混合状態を促進させるとともに、均一性を向上させる。
続いて、乱流化した冷媒が補助仕切壁45cに形成された第4絞り開口第4絞り開口部49cを通過して流動し、流速がさらに増加される。また、冷媒の流動方向を遮る位置に形成された第6対向壁h6に衝突させることにより、冷媒の乱流をさらに強くし、液体状と気体状の冷媒の混合状態を促進させることができる。つまり、冷媒が気液分離状態で存在することを抑制する。その結果、気液が混在した冷媒の流速が加速された状態で、第1管群43A(第1細径管43a1)に供給される。したがって、暖房運転時に復路側の第1細径管43a1に気体状の冷媒を効率的に送り込むことができる。また、乱流化により気液二相状態が促進された冷媒が、各第1細径管43a1に均一に分配されやすくなる。
その結果、より多くの気体状の冷媒を、第1管群43Aに供給することができる。また、前述したように、冷媒が第1連通室R1(第2支持部45)から第1管群43Aの各第1細径管43a1に分配されることになるが、強く乱流化された冷媒(特に気体状の冷媒)がより均一化された状態で分配される。その結果、第1管群43Aの第1細径管43a1においても効率的に気体状の冷媒を流すことが可能になり、復路の第1管群43Aにおいても往路の第2管群43Bと同様に効率的な熱交換を行うことができる。さらに、第2絞り開口部49b、第3絞り開口部50a、第4絞り開口部49cにより冷媒の流速を増加させることにより、往路側の第2管群43B(第2細径管43a2)及び復路側の第1管群43A(第1細径管43a1)により効率的に気体状の冷媒を供給することができるので、熱交換をさらに効率的に行うことができる。また、暖房運転時において、室内熱交換器41が斜め姿勢で配置される場合でも、冷媒の流速の増加及び乱流化(渦化)により、重力の影響等により斜め姿勢の下方位置に溜まりやすい液状の冷媒を気体状の冷媒に混在させて送り出し、冷媒の循環効率を向上させることができる。
以上のように、本実施形態の室内熱交換器41を用いることにより、冷房運転時及び暖房運転時において、より効率的な熱交換を行うことが可能になり、空気調和装置10の運転効率の向上、及び運転コストの軽減、空気調和装置10の運転負荷の軽減等に寄与することができる。
なお、上述した例では、本実施形態の冷媒の流速速度の向上や乱流(渦)を発生させる熱交換器の構成を室内熱交換器41に適用した例を示したが、室外熱交換器21に適用してもよく、同様の効果を得ることができる。また、空気調和装置10は、本実施形態の熱交換器の構成を適用した室内熱交換器41のみに適用してもよいし、室外熱交換器21のみに適用してもよい。また、室内熱交換器41と室外熱交換器21の両方に適用してもよく、いずれの場合も従来の熱交換器よりも効率的な熱交換を実現することができる。
続いて、図1及び図8のフローチャートを用いて冷房運転時の冷媒の循環制御について説明する。
前述したように、冷房運転の場合、室内熱交換器41において、気体の冷媒は冷房のための熱交換に寄与しない。したがって、室内機12の室内熱交換器41には、液体状の冷媒を供給することで、熱交換効率を向上できる。つまり、理想的には完全に液化された状態の冷媒を室内熱交換器41に提供することが望ましい。また、冷媒に熱交換をさせつつ、室内熱交換器41から液体のまま出すことができれば(気体の冷媒を含まない、または少ない状態で出すことができれば)、冷房のための熱交換効率を向上することができる。また、室内熱交換器41が図5に示されるように、傾いた姿勢で筐体15に配置される場合、より多くの液体の冷媒が室内熱交換器41に供給され、さらに、室内熱交換器41内部で冷媒の気化を抑制できれば、第2支持部45で各細径管43aに冷媒を分流させるときの分流不良の発生を軽減することができる。
ところで、室外機11が配置された屋外の環境の外気温が高い場合、室外熱交換器21で冷媒が凝縮しにくい。このため、第5の領域52aを流れる冷媒において、乾き度が高くなり、気体の割合が増大する。第5の領域52aにおいて気体状の冷媒の割合が多いと、第1の膨張弁31を通過できる冷媒の量が低下し、室外熱交換器21の能力が低下することがある。
例えば、外気温が48℃の場合の空気調和装置10の冷却能力(ワット)は、外気温が35℃の場合の空気調和装置10の冷却能力(ワット)の半分程度に低下することがある。つまり、空気調和装置10は、外気温の上昇が室内熱交換器41の能力を低下させることがある。そこで、本実施形態の空気調和装置10の場合、図1に示されるように、第5の領域52aを流れる冷媒を第1の膨張弁31の絞り制御により、過冷却をコントロールする。そして、第1の蓄熱材61にて、第2の領域51bを流れるより低温の冷媒で冷やされた第1の蓄熱材61との間で熱交換を行わせることにより、冷媒をさらに凝縮させて気液二相状態の液化を促進させる。そして、気液分離器34にて気液分離を行うことにより、より多くの液状の冷媒を室内熱交換器41側に送り出す。なお、気液分離器34において分離された気体状の冷媒は、アキュムレータ24を介して圧縮機23に戻される。なお、気液分離器34から室内熱交換器41に供給する液状の冷媒の量は、第2の膨張弁32の制御によりコントロールする。その結果、冷房運転時に蒸発器として動作する室内熱交換器41により多くの液状の冷媒が供給可能となり、より効率的に熱交換を行わせ、効率的な冷房運転を実現する。
さらに、第2の膨張弁32と第3の膨張弁33の絞り制御により室内熱交換器41における過熱度の調整を行うとともに、圧縮機23の運転周波数の制御により、冷媒が液体のまま室内熱交換器41を通過するように制御する。その結果、室内熱交換器41において、冷房のための熱交換に寄与しない気体の冷媒を抑制し、より効率的な熱交換を行わせることができる。
図8は、本実施形態の空気調和装置10の冷房運転における制御処理の流れを示す例示的なフローチャートである。なお、例えば、空気調和装置10の起動と冷房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42を起動する。
冷房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の運転周波数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転乃至強風(高速)運転の間で制御する。
図8に示すように、冷房運転が開始されると、弁制御部96が四方弁駆動回路84及び切替弁駆動回路88を制御し、四方弁25及び切替弁35に冷媒が流れる方向を変更させる(S100)。これにより、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室内熱交換器41とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。すなわち、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室外熱交換器21へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する冷房運転を実行する。さらに、第3の膨張弁33と圧縮機23の吸入口23aとが、第1の蓄熱材61を経由して接続される。
次に、運転切替部92は、冷房運転を終了するか否かを判定する(S102)。例えば、リモートコントローラから空気調和装置10が停止信号又は他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、冷房運転が終了するものと判定し(S102のYes)、冷房運転を終了する。
冷房運転が終了しない場合(S102のNo)、弁制御部96は、温度Tc1と温度Tch1との差(過冷却度)が、例えば約5℃(第1の制御値)であるか否かを判定する(S104)。例えば、温度取得部91が、第1の温度センサ71から、第1の膨張弁31の流入手前位置の温度Tc1を取得する。さらに、温度取得部91は、第2の温度センサ72から第1の蓄熱材61(第1の伝熱部)の中間温度Tch1を取得する。そして、弁制御部96は第1の膨張弁駆動回路85を制御し第1の膨張弁31の絞り制御により、気液分離器34に流れる冷媒の乾き度が例えば20%になるように制御し、過冷却度を例えば5℃になる様に制御し、冷媒の液化量をコントロールする。
弁制御部96は、過冷却度(Tc1-Tch1)が約5℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過冷却度(Tc1-Tch1)が5±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S104における判定はこの例に限られない。
過冷却度(Tc1-Tch1)が約5℃でない場合(S104のNo)、弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85を制御し、第1の膨張弁31の開度を調整する(S106)。弁制御部96は、過冷却度(Tc1-Tch1)が約5℃となるように、第1の膨張弁31の開度を調整する。つまり、気液分離器34に流れる液状の冷媒の量を制御する。S104において過冷却度(Tc1-Tch1)が約5℃である場合(S104のYes)、S106は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Teと温度Tch3との差(過熱度)が約-2℃(第2の制御値)であるか否かを判定する(S108)。例えば、温度取得部91が、第3の温度センサ73から室内熱交換器41の中間温度Teを検出する。さらに、温度取得部91は、第4の温度センサ74から第3の蓄熱材63の中間温度Tch3を取得する。そして、弁制御部96は第2の膨張弁駆動回路86を制御し第2の膨張弁32の絞り制御により、室内熱交換器41と第3の蓄熱材63との間の冷媒の温度差が約-2℃になるように制御し、室内熱交換器41で冷媒が気体化することを抑制する。つまり、冷媒の熱交換を行いつつ室内熱交換器41から液状態で流出させるようにする。
弁制御部96は、過熱度(Te-Tch3)が約-2℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Te-Tch3)が-2±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S108における判定はこの例に限られない。
過熱度(Te-Tch3)が約-2℃でない場合(S108のNo)、弁制御部96は、第2の膨張弁駆動回路86を制御し、第2の膨張弁32の開度を調整する(S110)。弁制御部96は、過熱度(Te-Tch3)が約-2℃となるように、第2の膨張弁32の開度を調整する。S108において過熱度(Te-Tch3)が約-2℃である場合(S108のYes)、S110は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Suと温度Tkとの差(過熱度)が2℃(第3の制御値)以下であるか否かを判定する(S112)。例えば、温度取得部91が、第5の温度センサ75からアキュムレータ24の近傍における冷媒の温度Suを(入口温度)を取得する。言い換えると、温度取得部91は、第5の温度センサ75から、圧縮機23の吸入口23aに入る冷媒の温度Suを取得する。さらに、温度取得部91は、第6の温度センサ76から第3の配管53の第2の端部53bの近傍における冷媒の温度Tkを取得する。言い換えると、温度取得部91は、第6の温度センサ76から、第1の蓄熱材61から出た冷媒の温度Tk(出口温度)を取得する。
弁制御部96は、過熱度(Su-Tk)が2℃以下であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Su-Tk)が2℃以下か否か判定する。なお、S112における判定はこの例に限られない。
過熱度(Su-Tk)が2℃以下でない場合(S112のNo)、弁制御部96は、第3の膨張弁駆動回路87を制御し、第3の膨張弁33の開度を調整する(S114)。弁制御部96は、過熱度(Su-Tk)が2℃以下となるように、第3の膨張弁33の開度を調整し、冷媒が第1の蓄熱材61を通過する際に確実に気化させて、圧縮機23に戻せるように制御する。S112において過熱度(Su-Tk)が2℃以下である場合(S112のYes)、S114は省略される。
弁制御部96が第3の膨張弁33を調整し、または過熱度(Su-Tk)が2℃以下であるならば、S102に戻り、運転切替部92が冷房運転を終了するか否かを再度判定する。冷房運転が終了するまで、S102~S114が繰り返される。
図1に示すように、冷房運転において、圧縮機23の吐出口23bから吐出された高温高圧の気体状の冷媒は、四方弁25を通り、室外熱交換器21で放熱する。室外熱交換器21で凝縮した中温中圧の液状の冷媒は、第1の膨張弁31の絞り制御により過冷却がコントロールされ、第1の蓄熱材61で再度熱交換を行い、液化が促進される。そして、気液分離器34で気液分離が実施され、第2の膨張弁32で減圧される。
第2の膨張弁32で減圧された低温低圧の全液状態の冷媒は、室内熱交換器41に供給され、室内熱交換器41において、冷媒の流速の増加及び乱流化(渦化)により、各細径管43aへ均一性の高い状態で分配され、効率的な熱交換が行われる。このとき、第2の膨張弁32の絞り制御および圧縮機制御部95がインバータ回路83を制御して圧縮機23の運転周波数の制御を行うことにより、過熱度をコントロールして室内熱交換器41における完全な気体化を抑制し、液体のまま冷媒を室内熱交換器41から流れ出させる。その結果、室内熱交換器41内における液状の冷媒の滞留が抑制され、空気調和装置10全体としても冷媒の循環効率が向上し、空気調和装置10全体としての熱交換効率の向上及び冷房運転性能の向上に寄与することができる。室内熱交換器41から液状のまま出た冷媒は、四方弁25を通った後、第3の膨張弁33の絞り制御により過熱度がコントロールされ、第1の蓄熱材61を通過する際に気化されてアキュムレータ24を通り、圧縮機23の吸入口23aに戻る。
なお、本実施形態の空気調和装置10の場合、第1の蓄熱材61において、冷媒の液化を行うために、第2の領域51bを流れる冷媒の温度をより低下させて、第1の蓄熱材61の温度を下げておくことが望ましい。この場合、第3の蓄熱材63を予め冷却する蓄冷運転を実施することが考えられる。本実施形態の制御装置14は、例えば、空気調和装置10が停止している夜間に、蓄冷運転を実行することにより、第3の蓄熱材63の冷却を行うことができる。なお、蓄冷運転が実行される時期は、この例に限られない。また、蓄冷運転を実行しないようにすることもできる。
まず、運転切替部92は、蓄冷運転の開始条件が達成されているか否かを判定する。例えば、運転切替部92は、空気調和装置10が停止中であって、時刻が例えば午前1時~3時(夜間)であると判定すると、蓄冷運転の開始条件が達成されていると判定する。
蓄冷運転の開始条件は、上述の例に限られない。例えば、運転切替部92は、外気温に基づいて蓄冷運転の開始条件を判定してもよい。この場合、温度取得部91は、室外熱交換器21の近傍に設けられた温度センサから、外気温を取得してもよい。運転切替部92は、空気調和装置10が停止中であって、外気温が所定の時間に亘って閾値を下回る場合、蓄冷運転の開始条件が達成されていると判定するようにしてもよい。
また、運転切替部92は、室内における人の存在に基づいて開始条件を判定してもよい。この場合、運転切替部92は、室内機12の筐体15に設けられた人感センサ等の出力信号に基づき、室内が無人か否かを判定する。運転切替部92は、室内が所定の時間に亘って無人だと判定した場合、蓄冷運転の開始条件が達成されたと判定してもよい。
さらに、運転切替部92は、空気調和装置10の要求能力に基づいて蓄冷運転の開始条件を判定してもよい。この場合、運転切替部92は、室温とユーザーが設定した目標温度との差等に基づいて、空気調和装置10の要求能力(室温を目標温度にするために空気調和装置10に要求される冷却能力)を算出する。運転切替部92は、空気調和装置10の要求能力が所定の閾値以下の場合に、蓄冷運転の開始条件が達成されたと判定してもよい。
運転切替部92は、蓄冷運転の開始条件が達成されない場合、蓄冷運転を開始せずに待機する。蓄冷運転の開始条件が達成されると、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42を起動及び調整する。
弁制御部96は、冷房運転と同様に、四方弁25及び切替弁35に冷媒が流れる方向を変更させる。これにより、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室内熱交換器41とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。すなわち、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室外熱交換器21へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する蓄冷運転を実行する。さらに、第3の膨張弁33と圧縮機23の吸入口23aとが、第1の蓄熱材61を経由して接続される。
室外ファン制御部93及び圧縮機制御部95は、冷房運転と同様に、室外送風ファン22及び圧縮機23を制御する。なお、蓄冷運転における室外ファン制御部93及び圧縮機制御部95の制御は、冷房運転における制御と異なってもよい。
一方、室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を弱風(低速)運転に制御する。すなわち、室内ファン制御部94は、冷房運転における最低速度で、室内送風ファン42を回転させる。なお、室内ファン制御部94の制御は、この例に限られない。例えば、室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を停止させてもよい。
次に、運転切替部92は、蓄冷運転を終了するか否かを判定する。例えば、リモートコントローラから空気調和装置10が停止信号または他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、蓄冷運転が終了するものと判定し、蓄冷運転を終了する。
蓄冷運転が終了しない場合、運転切替部92は、蓄冷運転の開始から所定時間が経過したか否かを判定する。例えば、運転切替部92は、蓄冷運転の開始から例えば1時間が経過すると、蓄冷運転を終了する。
リモートコントローラから空気調和装置10が停止信号を入力された場合、及び蓄冷運転の開始から所定時間が経過した場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42を停止させる。
蓄冷運転の開始から所定時間が経過していない場合、図8で説明したS104以降の冷房運転制御を実行し、弁制御部96は、室内熱交換器41から出た冷媒が気体よりも液体を多く含むように、第2の膨張弁32を制御する。さらに、蓄冷運転において、室内ファン制御部94は、室内熱交換器41から出た冷媒が気体よりも液体を多く含むように、室内送風ファン42を制御する。
例えば、上述のように、第2の膨張弁32は、過熱度(Te-Tch3)が約-2℃となるように開度を調整される。これにより、冷媒は液状のまま室内熱交換器41を通過する。さらに、上述のように、室内送風ファン42は、弱風運転を行う。このため、室内熱交換器41において冷媒が熱交換しにくくなり、冷媒は液状のまま室内熱交換器41を通過する。なお、室内送風ファン42は、弱風運転することで、室内熱交換器41で結露が生じることを抑制する。
室内熱交換器41から出た低温低圧の液状の冷媒は、第3の蓄熱材63を冷やす。低温低圧の冷媒は、第1の配管51の第1の領域51aを通過するときと、第2の領域51bを通過するときとの二回に亘って第1の蓄熱材61を冷やす。
第3の蓄熱材63から出た液状の冷媒は、第3の膨張弁33で減圧される。第3の膨張弁33で減圧された液状の冷媒は、第1の蓄熱材61と熱交換する。言い換えると、第1の配管51の第2の領域51bを流れる低温低圧の液状の冷媒は、第2の配管52の第5の領域52aを流れる中温中圧の液状の冷媒と、第2の蓄熱材62を介して熱交換する。
蓄冷運転において、弁制御部96は、第1の蓄熱材61に伝熱した第2の領域51bの冷媒が気化するように、第3の膨張弁33を制御する。例えば、上述のように、第3の膨張弁33は、過熱度(Su-Tk)が2℃以下となるように開度を調整される。これにより、第2の領域51bを流れる液状の冷媒は、第5の領域52aを流れる中温中圧の冷媒により第1の蓄熱材61を通じて温められ気化する。別の表現によれば、第3の膨張弁33は、第1の蓄熱材61へ供給される冷媒の量を調整することで、圧縮機23の吸入口23aに戻る冷媒の過熱度を調整する。第1の蓄熱材61で気化させられた冷媒は、アキュムレータ24を通って圧縮機23の吸入口23aに戻る。冷媒は、第1の蓄熱材61で気化されるため、液状のまま圧縮機23の吸入口23aに入ることを抑制できる。
一方、第5の領域52aを流れる冷媒は、第2の領域51bを流れる低温低圧の冷媒により冷やされる。第5の領域52aにおいて、室外熱交換器21で液化しなかった気体状の冷媒が流れることがある。この場合、気体状の冷媒は、第1の蓄熱材61で冷やされ、液化する。
第5の領域52aにおいて気体状の冷媒の割合が多いと、第1の膨張弁31を通過できる冷媒の量が低下することがある。本実施形態では、第1の蓄熱材61が、冷媒を液化することで、第1の膨張弁31を通過する冷媒における液体の割合を増大させる。これにより、第1の蓄熱材61は、室内熱交換器41に供給される冷媒の量が低減することを抑制する。
上述のように、蓄冷運転は例えば1時間行われる。例えば夏であっても、夜間の外気温は昼間の外気温よりも低い。このため、蓄冷運転が行われる夜間に、第3の蓄熱材63は十分に冷やされる。
蓄冷運転の後の冷房運転では、第3の蓄熱材63が、室内熱交換器41から出た冷媒を冷やす。第3の蓄熱材63に冷却された冷媒は、第3の膨張弁33で減圧され、第1の蓄熱材61と熱交換する。言い換えると、第1の配管51の第2の領域51bを流れる冷媒は、第2の配管52の第5の領域52aを流れる中温中圧の液状の冷媒と、第1の蓄熱材61を介して熱交換する。
したがって、冷房運転の場合、第2の領域51bを流れる冷媒は、第5の領域52aを流れる中温中圧の冷媒により温められ気化する。第1の蓄熱材61で気化させられた冷媒は、アキュムレータ24を通って圧縮機23の吸入口23aに戻る。冷媒は、第1の蓄熱材61で気化されるため、液状のまま圧縮機23の吸入口23aに入ることを抑制できる。
そして、第5の領域52aを流れる冷媒は、第2の領域51bを流れる冷媒により冷やされる。前述したように、外気温が高い場合、室外熱交換器21で冷媒が凝縮しにくい。このため、第5の領域52aを流れる冷媒において、乾き度が高くなり、気体の割合が増大する。しかし、気体状の冷媒は、第1の蓄熱材61で冷やされて液化する。冷媒が第1の蓄熱材61で冷却されることで、冷媒の過冷却度が例えば5℃以上になる。これにより、第1の蓄熱材61は、液状の冷媒に第1の膨張弁31を通過させ、気液分離器34での気液分離により全液化される。つまり、室内熱交換器41に供給される冷媒の量が低減することを抑制する。
上述のように、第1の蓄熱材61は、室内熱交換器41に供給される冷媒を低温低圧の液状にするとともに、室内熱交換器41に十分な量の液状の冷媒を供給する。これにより、空気調和装置10は、外気温が高くても、室内熱交換器41の能力が低下することを抑制できる。また、第3の蓄熱材63が第2の領域51bで冷媒を冷やすことで、第1の蓄熱材61が第5の領域52aの冷媒を冷やすことができる。
なお、一般的な空気調和装置では、圧縮機の停止時に室外熱交換器から室内熱交換器に熱の移動が発生し室温上昇が発生してしまう場合がある。しかしながら、本実施形態の構成の場合、圧縮機23の停止時において第3の蓄熱材63で室外熱交換器21から室内熱交換器41への熱の移動を抑制することが可能になる。すなわち、低負荷時において圧縮機23を断続的に運転させる場合においても、エネルギーロスを抑制でき、省エネルギー化に寄与することができる。なお、第3の蓄熱材63を備えることで、上述したように冷房運転時に室内熱交換器41に効率的に全液化した冷媒を供給することができるが、第3の蓄熱材63は省略されてもよい。
続いて、図2及び図9のフローチャートを用いて暖房運転時の冷媒の循環制御について説明する。
従来の室内熱交換器41の場合、過冷却度を大きくとる傾向がある。その結果、室内熱交換器41の例えば、20%以上が温度の低い液状の冷媒を含むようになってしまう場合がある。この場合、室内機12から吹き出す温風の温度が例えば43℃程度となっていた。また、室内熱交換器41において液状及び気体状の気液二相で存在する場合、図5に示されるように、室内熱交換器41が傾いた姿勢で配置されると、重力の影響で下方に液状の冷媒が溜り、上方に気体状の冷媒が分離した状態で存在して、各細径管43aへの冷媒の分配が不均等になったり、冷媒の循環効率が低下したりする場合がある。そこで、本実施形態の室内熱交換器41の場合、前述したように、冷媒の流速を増加させることと、乱流(渦)を発生させることで、上記の不具合を改善している。さらに、室内熱交換器41において、冷媒をできるだけ液化させないようにして、冷媒を気体のまま室内熱交換器41から流出するように制御することにより、上記不具合をさらに改善するようにしている。
本実施形態の室内熱交換器41は、第1の膨張弁31の開度制御および圧縮機23の運転周波数の制御により、室内熱交換器41から気体状の冷媒を流出させる。例えば、圧縮機23の周波数制御により、室内熱交換器41で液化しない(過冷却度を大きく取らない)ようにするとともに、第2の膨張弁32の絞り制御により、過冷却度のコントロール及び気液分離器34に流れる冷媒の量を制御する。また、室内熱交換器41から流出させた気体状の冷媒は、室外機11側で液化させて、室外熱交換器21に提供するようにする。さらに、第1の膨張弁31及び第3の膨張弁33の絞り制御を行って冷媒の過熱度のコントロールを行い、液化した冷媒が室外熱交換器21で外気とあまり熱交換しないようにする。この場合、室外熱交換器21から流出する液体の冷媒は、第3の蓄熱材63や第2の蓄熱材62で熱交換させて気体化させて、アキュムレータ24を介して圧縮機23に戻るようにしている。つまり、室外熱交換器21における熱交換を抑制して運転負荷を軽減ずるとともに、室外熱交換器21に霜が付くことを抑制して、暖房運転時の省エネルギー化、除霜運転の軽減に寄与できるようにしている。なお、第3の蓄熱材63を省略した場合は、室外熱交換器21から流出する液体の冷媒は、第2の蓄熱材62で熱交換され気体化される。
図9は、室内熱交換器41を備える空気調和装置10の暖房運転制御の流れを示す例示的なフローチャートである。なお、例えば、空気調和装置10の起動と暖房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、暖房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42を起動する。
図9に示すように、暖房運転が開始されると、弁制御部96が四方弁駆動回路84及び切替弁駆動回路88を制御し、四方弁25及び切替弁35に冷媒が流れる方向を変更させる(S200)。これにより、室内熱交換器41と圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室外熱交換器21とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。すなわち、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室内熱交換器41へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する暖房運転を実行する。さらに、第3の膨張弁33と圧縮機23の吸入口23aとが、第3の配管53及び第2の蓄熱材62を経由して接続される。
次に、運転切替部92は、暖房運転を終了するか否かを判定する(S202)。例えば、リモートコントローラから空気調和装置10が停止信号または他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、暖房運転が終了するものと判定し(S202のYes)、暖房運転を終了する。
暖房運転が終了しない場合(S202のNo)、圧縮機制御部95は、温度T3と温度Teとの差が例えば、-2℃(第4の制御値)になるように、インバータ回路83を介して圧縮機23の運転周波数の制御を制御する(S204)。例えば、温度取得部91が、第7の温度センサ77から、室内熱交換器41の出口温度T3を取得する。さらに、温度取得部91は、第3の温度センサ73から、室内熱交換器41の中間温度Teを取得する。
弁制御部96は、室内熱交換器41の出口温度と中間温度の温度差(T3-Te)が例えば約-2℃であるか否かを判定する(S204)。例えば、圧縮機制御部95は、所定の時間に亘って出口温度と中間温度の温度差(T3-Te)が-2±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S204における判定はこの例に限られない。
出口温度と中間温度の温度差(T3-Te)が約-2℃でない場合(S204のNo)、圧縮機制御部95は、インバータ回路83を制御し、圧縮機23の運転周波数を調整する(S206)。圧縮機制御部95は、室内熱交換器41の出口温度と中間温度の温度差(T3-Te)が約-2℃となるように、圧縮機23の運転周波数を調整することにより、室内熱交換器41で冷媒が液化しないように(過冷却をとらないように)して、冷媒を気体のまま室内熱交換器41から出すことができる。つまり、上述したように室内熱交換器41内部で各細径管43aに対する冷媒の不均等分配が抑制できるととともに、液化した冷媒により室内機12から吹き出す温風の温度が低下することを抑制する。出口温度と中間温度の温度差(T3-Te)が約-2℃である場合(S204のYes)、S206は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Tc2と温度Tch2との差(過冷却度)が例えば約5℃(第5の制御値)であるか否かを判定する(S208)。例えば、温度取得部91が、第8の温度センサ78から第2の蓄熱材62の出口温度Tc2を取得する。さらに、温度取得部91は、第9の温度センサ79から第2の蓄熱材62の中間温度Tch2を取得する。
弁制御部96は、過冷却度(Tc2-Tch2)が約5℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過冷却度(Tc2-Tch2)が5±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S208における判定はこの例に限られない。
過冷却度(Tc2-Tch2)が約5℃でない場合(S208noNo)、弁制御部96は、第2の膨張弁駆動回路86を制御し、第2の膨張弁32の開度を調整する(S210)。弁制御部96は、過冷却度(Tc2-Tch2)が約5℃となるように、第2の膨張弁32の開度を調整することにより、気液分離器34に流れる冷媒の乾き度を例えば20%にするとともに第2の蓄熱材62及び気液分離器34に流れる冷媒の量を制御する。つまり、第2の蓄熱材62を流れる気体状の冷媒を熱交換により冷却して液化して気液分離器34に供給する。S208において過冷却度(Tc2-Tch2)が約5℃である場合(S208のYes)、S210は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Tch3と温度Te1との差(過熱度)が例えば、1℃以下(第6の制御値)であるか否かを判定する(S212)。例えば、温度取得部91が、第4の温度センサ74から第3の蓄熱材63の中間温度Tch3を取得する。さらに、温度取得部91は、第10の温度センサ80から室外熱交換器21の中間温度Teを取得する。
弁制御部96は、過熱度(Tch3-Te)が約1℃以下であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Tch3-Te)が1±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S212における判定はこの例に限られない。
過熱度(Tch3-Te)が約1℃以下でない場合(S212のNo)、弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85を制御し、第1の膨張弁31の開度を調整する(S214)。弁制御部96は、過熱度(Tch3-Te)が約1℃以下となるように、第1の膨張弁31の開度を調整することにより、室外熱交換器21内部で冷媒があまり気化しないようにする。つまり、室外熱交換器21内部で気液の分離を抑制する。その結果、室外熱交換器21内部で各細径管43aに対する冷媒の不均等分配が抑制できるととともに、過熱度(Tch3-Te)が約1℃以下のように小さくすることで、室外熱交換器21の表面に霜が発生することを抑制する。すなわち、空気調和装置10の除霜運転の頻度を低減し、空気調和装置10の暖房運転効率の向上に寄与する。S212において過熱度(Tch3-Te)が約1℃以下である場合(S212のYes)、S214は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Suと温度Tkとの差(過熱度)が、例えば2℃以下(第7の制御値)であるか否かを判定する(S216)。例えば、温度取得部91が、第5の温度センサ75から圧縮機23の吸入口23a(アキュムレータ24)の入口温度Suを取得する。さらに、温度取得部91が、第6の温度センサ76から第3の配管53の第2の端部53bの近傍における冷媒の温度Tkを取得する。言い換えると、温度取得部91は、第6の温度センサ76から、第2の蓄熱材62から出た冷媒の温度Tk(出口温度)を取得する。
弁制御部96は、過熱度(Su-Tk)が約2℃以下であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Su-Tk)が2±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S216における判定はこの例に限られない。
過熱度(Su-Tk)が約2℃以下でない場合(S216のNo)、弁制御部96は、第3の膨張弁駆動回路87を制御し、第3の膨張弁33の開度を調整する(S218)。弁制御部96は、過熱度(Su-Tk)が約2℃以下となるように、第3の膨張弁33の開度を調整することにより、第3の蓄熱材63及び第2の蓄熱材62における冷媒の気化量を調節する。その結果、上述したように、室外熱交換器21において気化を軽減させた分の冷媒の気化を第3の蓄熱材63及び第2の蓄熱材62を通過する際の熱交換により実施し(液状の冷媒の気化を行い)、圧縮機23へ気体の冷媒を効率よく戻すことができる。S216において過熱度(Tch3-Te)が約2℃以下である場合(S212のYes)、S214は省略される。
弁制御部96が第3の膨張弁33を調整し、または過熱度(Su-Tk)が2℃以下であるならば、S202に戻り、運転切替部92が暖房運転を終了するか否かを再度判定する。暖房運転が終了するまで、S202~S218が繰り返される。
図2に示すように、暖房運転において、圧縮機23の吐出口23bから吐出された高温高圧の気体状の冷媒は、四方弁25を通り、第3の蓄熱材63を過熱する。第3の蓄熱材63を通過した高温高圧の気体の冷媒は、室内熱交換器41で放熱する。
前述したように、気体状の冷媒は、液状の冷媒よりも、室内熱交換器41における熱交換の効率が高い。このため、第1の膨張弁31は、室内熱交換器41を通過する冷媒を気体状に保つことで、室内熱交換器41における熱交換の効率を向上させる。このように、室内熱交換器41の内部で気液二相状態で冷媒が存在することを抑制することにより、室内熱交換器41の各細径管43aにおける冷媒の分配の不均一を抑制し冷媒の熱交換効率の低下が抑制できる。また、室内熱交換器41で冷媒の液化を抑制することにより室内機12から吹き出す温風の温度が下がることを抑制し、暖房運転効率を向上させることができる。また、室内熱交換器41における液状の冷媒の溜りが軽減され、冷媒の循環効率の改善に寄与できる。
室内熱交換器41を通過した中温中圧の気体状の冷媒は、第2の蓄熱材62と熱交換する。言い換えると、第2の配管52の第6の領域52bを流れる中温中圧の気体状の冷媒は、第3の配管53を流れる低温低圧の冷媒と、第2の蓄熱材62を介して熱交換する。
第6の領域52bを流れる気体状の冷媒は、第3の配管53を流れる低温低圧の冷媒により冷やされ、液化する。すなわち、第2の蓄熱材62は、第6の領域52bを流れる冷媒の過冷却度を補う。第2の蓄熱材62に液化させられた冷媒は、第2の膨張弁32で減圧される。冷媒は、第2の蓄熱材62に液化され、さらに気液分離器34にて気液分離が行われ、第1の膨張弁31で媒体流量の調整が行われ、室外熱交換器21に供給される。
低温低圧の液状の冷媒は、第1の膨張弁31の制御により室外熱交換器21での吸熱を抑制する。室外熱交換器21で冷媒の蒸発を抑制することで、室外熱交換器21における運転負荷の軽減及び霜の発生を抑制する。その結果、除霜運転の軽減に寄与できる。
室外熱交換器21での気化が抑制された液体の冷媒は、第1の配管51の第2の領域51bを流れ、第3の蓄熱材63を通過する際に温められるとともに、第2の蓄熱材62を介して第6の領域52bを流れる冷媒により温められる。すなわち、第3の蓄熱材63及び第2の蓄熱材62は、圧縮機23に戻る冷媒の過熱度を補う。その結果、室外熱交換器21の運転負荷を軽減しつつ圧縮機23に気体状の冷媒を効率的に戻すことができる。
また、室内熱交換器41の内部で気液二相状態で冷媒が存在することを抑制することにより、室内熱交換器41の各細径管43aにおける冷媒の分配の不均一を抑制し冷媒の熱交換効率の低下が抑制できる。また、室内熱交換器41で冷媒の液化を抑制することにより室内機12から吹き出す温風の温度が下がることを抑制し、暖房運転効率を向上させることができる。また、室内熱交換器41における液状の冷媒の溜りが軽減され、冷媒の循環効率の改善に寄与できる。
また、室内熱交換器41から流れ出た気体状に冷媒は、第2の膨張弁32の絞り量の制御により過冷却がコントロールされて第2の蓄熱材62を通過する際に液体の冷媒になり、気液分離器34で気液分離されて、液体の冷媒のみが室外熱交換器21に供給される。この時、第1の膨張弁31及び第3の膨張弁33の絞り制御を行って冷媒の過熱度のコントロールを行い、液化した冷媒が室外熱交換器21で外気とあまり熱交換しないようにする。そして、室外熱交換器21から流出する液体の冷媒は、第3の蓄熱材63や第2の蓄熱材62で熱交換させて気体化させて、アキュムレータ24を介して圧縮機23に戻るようにしている。つまり、室外熱交換器21における熱交換を抑制して運転負荷を軽減するとともに、室外熱交換器21に霜が付くことを抑制して、暖房運転時の省エネルギー化、除霜運転の軽減に寄与する。また、第3の蓄熱材63及び第2の蓄熱材62は、圧縮機23に戻される冷媒の温度及び圧力を上昇させる。その結果、圧縮機23の仕事量が増大することを抑制できる。これにより、本実施形態の空気調和装置10は、外気温の低下が空気調和装置10の消費電力を増大させることを抑制でき、ひいては省エネルギー化することができる。
なお、上述した説明では、図5~図7で説明したような室内熱交換器41を室外機11に気液分離器34や第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、第3の蓄熱材63等を備える空気調和装置10に適用する例を示した。しかし、熱交換機以外の空気調和装置10の構成は問わない。例えば、気液分離器34や第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、第3の蓄熱材63等を備えない一般的な空気調和装置に適用してもよい。
図10は、図1における気液分離器34や第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、第3の蓄熱材63等を備えない一般的な空気調和装置10Aの冷媒系統図を示す例示的かつ模式的な図である。
図10に示すように、空気調和装置10Aは、室外機11Aと、室内機12Aと、冷媒配管としての第1の配管51及び第2の配管52と、制御装置(不図示)等を有する。
室外機11Aは、室外熱交換器21Mと、室外送風ファン22と、圧縮機23と、アキュムレータ24と、四方弁25と、膨張弁31等を有する。室内機12Aは、室内熱交換器41Mと、室内送風ファン42とを有する。
冷房運転において、冷媒は、圧縮機23の吐出口23bから高温高圧の気体の状態で出て、第1の配管51を通って凝縮器として機能する室外熱交換器21Mへ流れる。そして、冷媒は、室外熱交換器21Mで放熱して液化され、第1の膨張弁31で減圧されて、低温低圧の液状の冷媒となり、第2の配管52を通って室内熱交換器41Mへ流れる。低温低圧の液状の冷媒は、蒸発器として機能する室内熱交換器41Mで吸熱を行う。その結果、室内機12Aから冷風が吹き出される。室内熱交換器41Mで気体化された冷媒は、四方弁25及びアキュムレータ24を介して吸入口23aから圧縮機23に戻り、冷房運転時の一サイクルが完了する。暖房運転において、冷媒は、冷房運転時と逆の向きで第1の配管51及び第2の配管52を流れて、室外熱交換器21Mが蒸発器、室内熱交換器41Mが凝縮器として機能し、室内機12Aにて温風を吹き出す。
図10に示すような、一般的な空気調和装置10Aにおいても、図5~図7に示すような第2支持部45に第1絞り開口部49aや第2絞り開口部49b、第3絞り開口部50a等を備えるマイクロチャネル熱交換器(室内熱交換器41)を採用することにより、上述と同様の効果を得ることができる。すなわち、従来のマイクロチャネル熱交換器を採用する場合に比べて、細径管43aにおける冷媒の分配の不均一性の抑制や冷媒の循環効率の向上、熱交換効率の向上に寄与することができる。
以上説明された実施形態に係る空気調和装置10の熱交換器において、冷媒が一方向に流動可能な複数の第1細径管43a1からなる第1管群43Aと、冷媒が第1細径管43a1と異なる方向に流動可能な第2細径管43a2からなる第2管群43Bと、第1細径管43a1及び第2細径管43a2を連通させる連通室Rを有する第2支持部45と、第2支持部45の第1細径管43a1が接続される接続壁45aに設けられる、第1細径管43a1の管路断面積より小さい面積の第1絞り開口部49aと、第2支持部45の第2細径管43a2が接続される接続壁45bに設けられる、第2細径管43a2の管路断面積より小さい面積の第2絞り開口部49bと、を備える。この構成によれば、例えば、連通室Rに流入する媒体の流速を増加させ、連通室Rの内部で乱流(渦)が形成されやすくなり、液体状の冷媒と気体状の冷媒とが、熱交換器の内部で分離し難くなり、第1細径管43a1や第2細径管43a2に分配される際に均一性を向上することができる。その結果、熱交換器における熱交換効率の向上に寄与することができる。また、熱交換機の内部に液体の冷媒が溜まることが抑制され、冷媒の循環効率が向上し、空気調和装置10の運転の効率化が実現できる。
また、連通室Rは、第1絞り開口部49aと第2絞り開口部49bとの間に連通室Rの流路断面積より小さい面積の第3絞り開口部50aを有する仕切壁50を備えてもよい。この構成によれば、例えば、連通室R内で冷媒により強い乱流(渦)を発生させることが可能になり、液状の冷媒と、気体状の冷媒の混合性(均一化)をさらに促進することができる。
また、第3絞り開口部50aは、仕切壁50の中央(換言すると中心)を含む位置、例えば、仕切壁50の略中央に形成されていてもよい。この構成によれば、例えば、第3絞り開口部50aを通過した冷媒が通過後の連通室R内で、拡散し易くなる。その結果、下流側の細径管43aに気液の混合性がより均一化された冷媒をより均一に分配しやすくなり、熱交換効率をさらに向上することができる。
また、連通室Rは、仕切壁50の第3絞り開口部50aの形成位置に対してずれた位置に少なくとも一つの第4絞り開口部49cを有する補助仕切壁を補助仕切壁45c備えてもよい。この構成によれば、例えば、連通室R内での冷媒の流速の増加及び乱流化(渦化)を向上させることができる。
また、連通室Rは、第1絞り開口部49a、第2絞り開口部49b、第3絞り開口部50aを通過する冷媒の流動方向を遮る対向壁部(第1対向壁h1、第2対向壁h2、第3対向壁h3、第4対向壁h4、第5対向壁h5)、を備えてもよい。この構成によれば、例えば、第1絞り開口部49a、第2絞り開口部49b、第3絞り開口部50a、第4絞り開口部49c等で流速が増加した冷媒に乱流(渦)を発生させやすくすることができる。
なお、上述した熱交換器は、室外機11と室内機12の少なくとも一方に備えるようにしてもよい。この構成によれば、例えば、空気調和装置10において、冷媒の熱交換効率、冷媒の循環効率等の向上が可能になり、空気調和装置10の運転効率の向上に寄与できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…空気調和装置、11…室外機、12…室内機、13…冷媒配管、14…制御装置、21…室外熱交換器、22…室外送風ファン、23…圧縮機、24…アキュムレータ、25…四方弁、31…第1の膨張弁、32…第2の膨張弁、33…第3の膨張弁、34…気液分離器、35…切替弁、41…室内熱交換器、41A…往復管、43…マイクロチャネル熱交換体、43A…第1管群、43B…第2管群、43a…細径管、43a1…第1細径管、43a2…第2細径管、45…第2支持部、45a,45b…接続壁、45c…補助仕切壁、49a…第1絞り開口部、49b…第2絞り開口部、49c…第4絞り開口部、50…仕切壁、50a…第3絞り開口部、61…第1の蓄熱材、62…第2の蓄熱材、63…第3の蓄熱材、71…第1の温度センサ、72…第2の温度センサ、73…第3の温度センサ、74…第4の温度センサ、75…第5の温度センサ、76…第6の温度センサ、77…第7の温度センサ、78…第8の温度センサ、79…第9の温度センサ、80…第10の温度センサ、R…連通室、R1…第1連通室、R2…第2連通室、h1…第1対向壁、h2…第2対向壁、h3…第3対向壁、h4…第4対向壁、h5…第5対向壁、h6…第6対向壁。

Claims (6)

  1. 冷媒が一方向に流動可能な複数の第1細径管からなる第1管群と、
    前記冷媒が前記第1細径管と異なる方向に流動可能な第2細径管からなる第2管群と、
    前記第1細径管及び前記第2細径管を連通させる連通室を有する支持部と、
    前記支持部の前記第1細径管が接続される接続壁に設けられる、前記第1細径管の管路断面積より小さい面積の第1絞り開口部と、
    前記支持部の前記第2細径管が接続される接続壁に設けられる、前記第2細径管の管路断面積より小さい面積の第2絞り開口部と、
    を備える、熱交換器。
  2. 前記連通室は、前記第1絞り開口部と前記第2絞り開口部との間に前記連通室の流路断面積より小さい面積の第3絞り開口部を有する仕切壁を備える、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記第3絞り開口部は、前記仕切壁の中央を含む位置に形成されている、請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記連通室は、前記仕切壁の前記第3絞り開口部の形成位置に対してずれた位置に少なくとも一つの第4絞り開口部を有する補助仕切壁を備える、請求項2または請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記連通室は、前記第1絞り開口部、前記第2絞り開口部、前記第3絞り開口部を通過する前記冷媒の流動方向を遮る対向壁部、を備える請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の熱交換器を室内機と室外機の少なくとも一方に備える、空気調和装置。
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