JP2023071004A - コイル部品 - Google Patents

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幸信 増田
Yukinobu Masuda
慎吾 中本
Shingo Nakamoto
良太 橋本
Ryota Hashimoto
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Abstract

【課題】ワイヤと端子電極との接続信頼性を確保できるコイル部品を提供する。【解決手段】コイル部品は、巻芯部と該巻芯部の両端に設けられた一対の鍔部とを有するコアと、巻芯部に巻回されたワイヤと、一対の鍔部のそれぞれに設けられた端子電極と、端子電極に設けられ、ワイヤと端子電極とを電気的に接続する導電部材と、を備え、端子電極の外表面は、第1領域と、第1領域よりも濡れ性が低く、第1領域の外周の少なくとも一部と接触する第2領域と、を有し、導電部材は、端子電極の外表面と接触する接触面を有し、接触面は、第1領域の少なくとも一部に接触し、接触面の外周の少なくとも一部は、第2領域に接触している。【選択図】図1

Description

本開示は、コイル部品に関する。
従来、コイル部品としては、国際公開第2020/255593号(特許文献1)に記載されたものがある。このコイル部品は、巻芯部と該巻芯部の両端に設けられた一対の鍔部とを有するコアと、巻芯部に巻回されたワイヤと、一対の鍔部のそれぞれに設けられた端子電極とを有する。ワイヤの端部と端子電極は、電気的に接続されている。
国際公開第2020/255593号
従来のコイル部品では、ワイヤの端部と端子電極は、例えばはんだにより接続されている。
ところで、ワイヤは、端部が巻芯部から離れる方向に引き出された後、巻芯部が延在する方向に平行に設置された端子電極上へ端部を押し付けながらはんだを施すことで端子電極に接続される。このため、ワイヤの端部と端子電極を接続する際に、ワイヤの端部において、端子電極とはんだとの接触面に直交する方向に残留応力が残存し、ワイヤの端部は当該方向に移動しやすい。
また、はんだは表面張力により半球形状であり、端子電極とはんだとの接触面から上記方向に向かうにしたがって先細りとなっている。このため、ワイヤの端部と端子電極を接続する際に、ワイヤの端部が上記方向に移動した場合に、はんだ量が上記方向に向かうにしたがって少なくなっているため、はんだとワイヤとの接触面積が減少し、ワイヤと端子電極との接続信頼性が不十分となる場合があった。
そこで、本開示は、ワイヤと端子電極との接続信頼性を確保できるコイル部品を提供することにある。
前記課題を解決するため、本開示の一態様であるコイル部品は、
巻芯部と該巻芯部の両端に設けられた一対の鍔部とを有するコアと、
前記巻芯部に巻回されたワイヤと、
前記一対の鍔部のそれぞれに設けられた端子電極と、
前記端子電極に設けられ、前記ワイヤと前記端子電極とを電気的に接続する導電部材と、を備え、
前記端子電極の外表面は、第1領域と、前記第1領域よりも濡れ性が低く、前記第1領域の外周の少なくとも一部と接触する第2領域と、を有し、
前記導電部材は、前記端子電極の外表面と接触する接触面を有し、
前記接触面は、前記第1領域の少なくとも一部に接触し、
前記接触面の外周の少なくとも一部は、前記第2領域に接触している。
ここで、導電部材とは、例えば、はんだや導電性樹脂ペーストであり、ワイヤおよび端子電極とは別体に存在する部材である。導電部材は、レーザ照射などの溶接によりワイヤおよび端子電極を溶融して形成される溶融玉のように、ワイヤおよび端子電極と一体化している部材ではない。
前記態様によれば、導電部材と端子電極の外表面との接触面の外周の少なくとも一部が、濡れ性が相対的に低い第2領域に接触しているため、第2領域に接触していない場合と比較して、接触面に直交する方向における導電部材の高さを高くすることができる。そのため、ワイヤが端子電極から離れる方向における導電部材の高さを高くすることができ、ワイヤと端子電極との接続信頼性を確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記接触面の外周の少なくとも一部を第1部分とし、
前記接触面の外周のうち、前記第1部分以外の部分を第2部分としたとき、
前記接触面に直交し、前記第1部分の長さ方向の中心と前記接触面の重心とを通る平面における第1断面において、前記第1部分を通る前記導電部材の接線と、前記接触面と、のなす角度を、第1角度とし、
前記接触面に直交し、前記第2部分の長さ方向の中心と前記接触面の重心とを通る平面における第2断面において、前記第2部分を通る前記導電部材の接線と、前記接触面と、のなす角度を、第2角度としたとき、
前記第1角度は、前記第2角度よりも大きい。
前記実施形態によれば、より効果的に接触面に直交する方向における導電部材の高さを高くすることができるため、ワイヤと端子電極との接続信頼性をより確実に確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記第1領域は、Snで構成され、
前記第2領域は、CuまたはFeが主成分となる金属合金で構成されている。
前記実施形態によれば、接触面に直交する方向における導電部材の高さをより高くすることができるため、ワイヤと端子電極との接続信頼性をより確実に確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記接触面の外周の少なくとも一部を第1部分としたとき、
前記第1部分の長さは、前記接触面の外周の全長の4分の1以上である。
前記実施形態によれば、接触面に直交する方向における導電部材の高さを効果的に高くすることができるため、ワイヤと端子電極との接続信頼性をより確実に確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記接触面の外周の少なくとも一部を第1部分としたとき、
前記第1部分の長さは、前記接触面の外周の全長の2分の1以上である。
前記実施形態によれば、接触面に直交する方向における導電部材の高さをより効果的に高くすることができるため、ワイヤと端子電極との接続信頼性をより確実に確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記第1領域と前記第2領域との接触部分の形状は、直線状である。
前記実施形態によれば、第2領域をレーザ照射や印刷などにより容易に形成することができる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記第1領域と前記第2領域との接触部分の形状は、前記第1領域側に突出する凸形状である。
前記実施形態によれば、接触面に直交する方向における導電部材の高さをより効果的に高くすることができるため、ワイヤと端子電極との接続信頼性をより確実に確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記導電部材の形状は、前記接触面の形状が長円形である。
前記実施形態によれば、接触面の形状が長円形であるため、導電部材の形状は正球体の一部ではなく、例えば楕円球体などの一部となる。そのため、長円形の長径方向と、ワイヤの端部の延在方向と、が平行となるようにワイヤを配置した場合、導電部材の形状が正球体の一部である場合と比較して、ワイヤと導電部材との接触面積を増大させることができる。その結果、ワイヤと端子電極との接続信頼性をより確実に確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記導電部材は、前記接触面に直交する方向の頂部に凹部を有する。
導電部材が半球形状の場合、端子電極の外表面に直交する方向に徐々に導電部材の量が少なくなっていくため、導電部材の頂上付近では導電部材の量が少なくなる。そのため、端子電極から離れる方向にワイヤが移動してしまった場合に、ワイヤの端部と端子電極とを十分に接続できない可能性がある。前記実施形態によれば、凹部が存在することにより、端子電極の外表面に直交する方向に徐々に導電部材の量が少なくなることを抑制できるため、ワイヤの端部と端子電極とを十分に接続できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記コアは、フェライトから構成されている。
前記実施形態によれば、コアの耐熱性を確保できる。また、導電部材が、例えばはんだなどの加熱を要するものである場合であっても、透磁率を高く維持してインダクタンスを確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
フェライトのキュリー点は、150℃以上である。
前記実施形態によれば、高温時の使用においても、コアの特性の劣化を低減できる。
好ましくは、フェライトの体積抵抗率は、10Ω・cm以上である。
前記実施形態によれば、コアの絶縁性を確保し、端子電極間のショートを防ぐことができる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
フェライトの初期透磁率は、900以上である。
前記実施形態によれば、インダクタンス値の取得効率が向上する。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
さらに、前記一対の鍔部に跨るように固定された磁性体板を備える。
前記実施形態によれば、閉磁路を構成し、インダクタンス値の取得効率が向上する。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記磁性体板は、エポキシ樹脂系接着剤によって、前記一対の鍔部に固定されている。
前記実施形態によれば、エポキシ樹脂系接着剤は、熱硬化性であるため、接着剤の耐熱性を確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記端子電極は、エポキシ樹脂系接着剤によって、前記一対の鍔部に固定されている。
前記実施形態によれば、接着剤の耐熱性を確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記端子電極は、Feを主成分とする。
前記実施形態によれば、端子電極の耐熱性を確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記端子電極は、Cuを主成分とする。
前記実施形態によれば、端子電極の耐熱性を確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記コイル部品の長さ方向の寸法は、25mm以上45mm以下であり、前記コイル部品の幅方向の寸法は、20mm以上45mm以下である。
前記実施形態によれば、コイル部品の小型化を図ることができる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記ワイヤは、導線と、前記導線を覆うポリアミドイミドを主成分とする絶縁被膜とを有する。
前記実施形態によれば、ワイヤの耐熱性を確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記絶縁被膜の厚みは、4μm以上10μm以下である。
前記実施形態によれば、ワイヤの耐熱性を確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
前記導線の直径は、30μm以上70μm以下である。
前記実施形態によれば、ワイヤの耐熱性を確保できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、
一対の鍔部のうち、第1鍔部には、第1端子電極と第3端子電極が設けられ、第2鍔部には、第2端子電極と第4端子電極が設けられ、
ワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを有し、
第1ワイヤの第1端部は、第1端子電極に接続され、第1ワイヤの第2端部は、第2端子電極に接続され、
第2ワイヤの第1端部は、第3端子電極に接続され、第2ワイヤの第2端部は、第4端子電極に接続された、コモンモードチョークコイルにおいて、
測定周波数を100kHzでコモンモードの信号を流したときのインダクタンス値が、11μH以上300μH以下である。
前記実施形態によれば、インダクタンス値の取得効率が向上する。
本開示の一態様であるコイル部品によれば、ワイヤと端子電極との接続信頼性を確保できる。
コイル部品の第1実施形態を示す斜視図である。 端子電極および導電部材の平面図である。 図2のA-A断面図である。 図2のB-B断面図である。 第2実施形態に係る端子電極および導電部材の平面図である。 第3実施形態に係る端子電極および導電部材の平面図である。 第4実施形態に係る端子電極および導電部材の斜視図である。
以下、本開示の一態様であるコイル部品を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
(第1実施形態)
図1は、コイル部品の第1実施形態を示す斜視図である。図1に示すように、コイル部品1は、コア10と、コア10に巻回されたワイヤ21と、コア10に設けられワイヤ21が接続された第1端子電極31および第2端子電極32と、ワイヤ21と第1端子電極31および第2端子電極32とを電気的に接続する導電部材50とを備える。コイル部品1は、例えば、コモンモードチョークコイル、トランス、結合インダクタなどの巻線型コイルとして用いられる。
コア10は、一定方向に延びる形状であってワイヤ21が巻回された巻芯部13と、巻芯部13の延びる方向の第1端に設けられ、当該方向と直交する方向に張り出す第1鍔部11と、巻芯部13の延びる方向の第2端に設けられ、当該方向と直交する方向に張り出す第2鍔部12とを有する。巻芯部13の延びる方向は、巻芯部13の軸方向ともいう。巻芯部13の軸方向に直交する横断面の形状は、特に限定されず、本実施形態では四角形状である。当該横断面の形状は、六角形状などの他の多角形状や、円状、楕円状、これらを適宜組み合わせた形状であってもよい。コア10の材料としては、例えば、フェライトの焼結体や、磁性粉含有樹脂の成型体などの磁性体が好ましく、アルミナや、樹脂などの非磁性体であってもよい。
なお、以下では、コア10の底面を実装基板に実装される面とし、コア10の底面と反対側の面をコア10の天面とする。巻芯部13の軸方向をL方向とし、コア10の底面においてL方向と直交する方向をW方向とし、コア10の底面と天面の対向方向をT方向とする。T方向は、L方向およびW方向に直交する。本明細書では、T方向の負方向を上方とし、T方向の正方向を下方とする。図1では、コア10の底面は、上方を向いている。L方向をコア10の長さ方向、W方向をコア10の幅方向、T方向をコア10の高さ方向ともいう。
第1鍔部11は、巻芯部13側を向く内端面111と、内端面111と反対側を向く外端面112と、内端面111と外端面112を連結しかつ実装時において実装基板側に向けられる底面113と、底面113と反対側を向く天面114と、内端面111と外端面112を連結しかつ底面113と天面114を連結する2つの側面115とを有する。
第2鍔部12は、巻芯部13側を向く内端面121と、内端面121と反対側を向く外端面122と、内端面121と外端面122を連結しかつ実装時において実装基板側に向けられる底面123と、底面123と反対側を向く天面124と、内端面121と外端面122を連結しかつ底面123と天面124を連結する2つの側面125とを有する。
ワイヤ21は、導線と、該導線を覆う絶縁被膜とを有する。導線は、例えば銅,銀,金などの電気伝導性の良好な金属からなる。絶縁被膜は、ポリウレタンやポリアミドイミドなどの樹脂からなる。ワイヤ21の第1端部は、第1端子電極31に電気的に接続され、ワイヤ21の第2端部は、第2端子電極32に電気的に接続されている。ワイヤ21のターン数は、特に限定されず、1ターンでもよいし、2ターンもしくは3ターン以上であってもよい。
第1端子電極31は、第1鍔部11に設けられ、第2端子電極32は、第2鍔部12に設けられている。第1、第2端子電極31,32は、例えばエポキシ樹脂などの接着剤によって第1,第2鍔部11,12のそれぞれに固定されている。第1、第2端子電極31,32は、例えば、Cu、Ag、Au、Fe、ステンレス(SUS)、リン青銅等の金属板を折り曲げて構成される。第1、第2端子電極31,32は、Sn、Ni/Snなどでめっきされていてもよい。
第1端子電極31は、第1鍔部11の底面113に対向する底面部311と、底面部311に接続され第1鍔部11の側面115に対向する側面部312とを有する。底面部311の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、T方向からみて、L方向およびW方向に平行な4辺を有する矩形状である。側面部312の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、W方向からみて、T方向およびL方向に平行な4辺を有する矩形状である。第2端子電極32は、第2鍔部12の底面123に対向する底面部321と、底面部321に接続され第2鍔部12の側面125に対向する側面部322とを有する。底面部321の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、T方向からみて、L方向およびW方向に平行な4辺を有する矩形状である。側面部322の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、W方向からみて、T方向およびL方向に平行な4辺を有する矩形状である。第1端子電極31は、ワイヤ21の第1端部を固定し、第2端子電極32は、ワイヤ21の第2端部を固定する。
導電部材50は、例えば、はんだや導電性樹脂ペーストであり、ワイヤおよび端子電極とは別体に存在する部材である。導電部材50は、レーザ照射などの溶接によりワイヤおよび端子電極を溶融して形成される溶融玉のように、ワイヤおよび端子電極と一体化している部材ではない。導電部材50は、第1端子電極31および第2端子電極32のそれぞれに設けられている。導電部材50は、ワイヤ21の第1端部と第1端子電極31を電気的に接続し、ワイヤ21の第2端部と第2端子電極32を電気的に接続する。なお、図1では、第2端子電極32に設けられた導電部材50の図示を省略している。また、図1では、導電部材50の稜線も実線で示している。
コイル部品1は、実装基板に実装される際、第1鍔部11の底面113および第2鍔部12の底面123が実装基板に対向する。このとき、巻芯部13の軸方向と、実装基板の主面は平行となる。すなわち、コイル部品1は、ワイヤ21の巻回軸が実装基板と平行となる横巻型である。
図2は、W方向からみたときの第1端子電極31の側面部312、および導電部材50の平面図である。図2に示すように、第1端子電極31の側面部312の外表面は、第1領域R1と第2領域R2を有する。第2領域R2は、第1領域R1よりも導電部材50に対する濡れ性が低い。第2領域R2は、第1領域R1の外周の少なくとも一部と接触する。第2領域R2は、導電部材不濡れ領域ともいう。第2領域R2は、導電部材50に対する濡れ性がないわけでなく、第1領域R1よりも濡れ性が低ければよい。本明細書では、濡れ性とは、端子電極31,32に対する導電部材50の付着のしやすさを意味する。濡れ性の評価方法の一例として、例えば、端子電極31,32と同じ導電材料からなる金属板を準備し、当該金属板に導電部材50と同じ導電材料を付着させる。そして、付着させた導電材料の外表面が、金属板に接する場所で、当該外表面と金属板表面とのなす角度のうち、導電材料側の角度を測定する。この角度が大きくなるほど濡れ性が低い、すなわち濡れにくいと評価することができる。なお、以下の説明では、第1端子電極31に設けられた導電部材50について説明するが、第2端子電極32に設けられた導電部材50については、第1端子電極31に設けられた導電部材50と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第1領域R1は、W方向からみて矩形状である。具体的に述べると、第1領域R1は、L方向に平行かつT方向に対向する第1辺および第2辺と、T方向に平行かつL方向に対向する第3辺および第4辺とを有する矩形状である。第1辺および第2辺の長さは、第1端子電極31の側面部312のL方向の長さと同じである。第1領域R1の第1辺および第2辺の長さは、第3辺および第4辺の長さよりも長い。第2領域R2は、W方向からみて矩形状である。具体的に述べると、第2領域R2は、L方向に平行かつT方向に対向する第1辺および第2辺と、T方向に平行かつL方向に対向する第3辺および第4辺とを有する矩形状である。第2領域R2のL方向の長さは、第1端子電極31の側面部312のL方向の長さと同じである。第2領域R2の第1辺および第2辺の長さは、第3辺および第4辺の長さよりも長い。第2領域R2は、W方向からみて、第1領域R1の上方に、第1領域R1に隣接して配置されている。第2領域R2のW方向の幅は、第1領域R1のW方向の幅よりも小さい。本実施形態では、第1端子電極31に接続されたワイヤ21の第1端部の延在方向は、L方向に平行である。これにより、ワイヤ21の第1端部を容易に第1端子電極31に接続できる。また、ワイヤ21の第1端部の延在方向が、第1領域R1の第1辺から第4辺のうち、長さがより長い第1辺および第2辺の延在方向(L方向)に平行なため、ワイヤ21と第1端子電極31の接続信頼性をより確保できる。
第1領域R1における第1端子電極31は、例えば、CuにSnがめっきされた構成である。第2領域R2における第1端子電極31は、例えば、Cuのみから構成されている。第2領域R2は、例えば、SnがめっきされたCuに対して、レーザや切削などを行ってSnを剥離して、Cuを露出させることで形成することができる。SnはCuよりもはんだとの親和性が高いため、Snに対するはんだの濡れ性は、Cuに対する濡れ性よりも高くなる。そのため、導電部材50としてはんだを採用した場合、第2領域R2は、第1領域R1よりも濡れ性が低くなる。なお、第1領域R1および第2領域R2の構成は、第2領域R2が第1領域R1よりも濡れ性が低くなれば、上記構成に限定されない。例えば、第1領域R1と第2領域R2の表面粗さを異ならせることによって、濡れ性に差異が生じるようにしてもよい。
導電部材50は、第1領域R1の少なくとも一部に設けられている。本実施形態では、導電部材50は、第1領域R1の全領域に設けられている。しかし、これに限定されず、導電部材50は、第1領域R1の一部に設けられていてもよい。例えば、導電部材50は、矩形状である第1領域R1の4つの角部を除いた領域に設けられていてもよい。また、導電部材50は、第1領域R1の一部または全部に設けられていると共に、第1領域R1と第2領域R2との接触部分を越えて、第2領域に設けられていてもよい。図2では、導電部材50は、便宜的にドットを付して示している。導電部材50は、第1端子電極31の外表面と接触する接触面CF1を有している。接触面CF1は、第1領域R1の少なくとも一部に接触している。本実施形態では、接触面CF1は、第1領域R1の全領域に接触している。接触面CF1は、W方向からみて矩形状であり、第1領域R1と同一形状である。接触面CF1の外周P0の少なくとも一部は、第2領域R2に接触している。具体的に述べると、接触面CF1の外周の4辺のうち、T方向負側の一辺が、第2領域R2に接触している。本実施形態では、接触面CF1の外周P0のうち、第2領域R2に接触している部分を第1部分と呼ぶ。すなわち、第1部分は、W方向からみて、接触面CF1の外周P0の四辺のうち、T方向負側の一辺に相当する。図2では、第1部分は、符号P1で示した。また、接触面CF1の外周P0のうち、第2領域R2に接触していない部分、すなわち第1部分以外の部分を第2部分と呼ぶ。すなわち、第2部分は、接触面CF1の外周P0の4辺のうち、T方向正側の一辺、L方向正側の一辺およびL方向負側の一辺を合わせた3辺に相当する。図2では、第2部分は、符号P2で示した。
図3Aは、図2のA-A断面図である。具体的に述べると、図3Aは、接触面CF1に直交し、第1部分P1の長さ方向の中心C1と、接触面CF1の重心Gと、を通る平面S1における断面(以下、「第1断面」という。)である。図3Bは、図2のB-B断面図である。具体的に述べると、図3Bは、接触面CF1に直交し、接触面CF1の外周のうち、第2部分P2の長さ方向の中心C2と、接触面CF1の重心Gと、を通る平面S2における断面(以下、「第2断面」という。)である。ここで、第1部分の長さ方向の中心とは、第1部分が角のない連続した線状である場合は、その連続した線の長さ方向の中心であり、第1部分が角を有する、すなわち複数の辺を有する線状の場合は、何れかの辺の長さ方向の中心を指す。「辺」は、直線のみならず、曲線も含む。第2部分の長さ方向の中心についても同様である。本実施形態では、第1部分P1は直線状であり、第1部分P1の長さ方向の中心C1は、直線状部分の長さ方向の中心である。また、本実施形態では、第2部分P2は矩形の4辺のうちの3辺であり、第2部分P2の長さ方向の中心C2は、当該3辺のうちのL方向負側の一辺における長さ方向の中心である。
図3Aに示すように、本実施形態では、導電部材50は、第1領域R1と第2領域R2との境界まで濡れ広がるようにして第1領域R1に設けられている。導電部材50の外表面は、第1断面において、W方向正側に凸状の曲面を有している。ここで、第1断面において、中心C1を通る導電部材50の接線TL1と、接触面CF1と、のなす角度のうち、導電部材50側の角度を、第1角度θ1とする。また、図3Bに示すように、本実施形態では、導電部材50は、第1端子電極31の側面部312の端縁まで濡れ広がるようにして第1領域R1に設けられている。導電部材50の外表面は、第2断面において、W方向正側に凸状の曲面を有している。ここで、第2断面において、中心C2を通る導電部材50の接線TL2と、接触面CF1と、のなす角度のうち、導電部材50側の角度を第2角度θ2とする。第1角度θ1は、第2角度θ2よりも大きい。
コイル部品1によれば、導電部材50と端子電極31,32との接触面CF1の外周P0の少なくとも一部が、濡れ性が相対的に低い第2領域R2に接触しているため、第2領域R2に接触しない場合と比較して、接触面CF1に直交する方向(W方向)における導電部材50の高さを高くすることができる。これにより、巻線後のワイヤ21に残留応力が残存し、ワイヤ21の端部が接触面CF1に直交する方向に移動してしまった場合でも、ワイヤ21の端部と導電部材50との接触面積(すなわち、導電部材50に覆われているワイヤ21の部分の体積)の減少を抑制できる。その結果、ワイヤ21と端子電極31,32との接続信頼性を確保できる。
また、第1角度θ1が第2角度θ2よりも大きいため、より効果的に接触面CF1に直交する方向における導電部材50の高さを高くすることができる。その結果、ワイヤ21と端子電極31,32との接続信頼性をより確実に確保できる。
また、レーザ照射によって端子電極31,32とワイヤ21とを溶融させると、ワイヤ21が溶融玉中に残らずに溶けてしまう可能性がある。その場合、ワイヤ21と端子電極31,32との接続強度をレーザ照射強度等により調整する必要がある。一方、コイル部品1では、はんだや導電性ペーストなどの導電部材50により接続するため、導電部材50中でワイヤ21が溶けずに残り、ワイヤ21と端子電極31,32とを安定して接続することができる。
好ましくは、第1領域R1は、Snで構成され、第2領域R2は、CuまたはFeが主成分となる金属合金で構成されている。第2領域R2を構成する金属合金として、例えばリン青銅(Cu70%程度)やSUS(Fe70%程度)が挙げられる。これによれば、接触面CF1に直交する方向における導電部材50の高さをより効果的に高くすることができるため、ワイヤ21と端子電極31,32との接続信頼性をより確実に確保できる。
好ましくは、第1部分P1の長さL1は、接触面CF1の外周の全長の4分の1以上である。これによれば、接触面に直交する方向(W方向)における導電部材50の高さをより効果的に高くすることができるため、ワイヤ21と端子電極31,32との接続信頼性をより確実に確保できる。
好ましくは、第1領域R1と第2領域R2との接触部分の形状は、直線状である。これによれば、第2領域R2をレーザ照射や印刷などにより容易に形成することができる。
好ましくは、コア10は、フェライトから構成されている。これによれば、コア10の耐熱性を確保できる。導電部材50が、例えば、はんだなどの加熱を要するものである場合であっても、透磁率を高く維持してインダクタンスを確保できる。
好ましくは、コア10のフェライトのキュリー点は、150℃以上である。これによれば、高温時の使用においても、コア10の特性の劣化を低減できる。
好ましくは、コア10のフェライトの体積抵抗率は、10Ω・cm以上である。これによれば、コア10の絶縁性を確保し、端子電極31,32間のショートを防ぐことができる。
好ましくは、コア10のフェライトの初期透磁率は、900以上である。これによれば、インダクタンス値の取得効率が向上する。
好ましくは、一対の鍔部11,12に跨るように固定された磁性体板を備える。これによれば、閉磁路を構成し、インダクタンス値の取得効率が向上する。
好ましくは、磁性体板15は、エポキシ樹脂系接着剤によって、一対の鍔部11,12に固定されている。これによれば、エポキシ樹脂系接着剤は、熱硬化性であるため、接着剤の耐熱性を確保できる。導電部材50が、例えば、はんだなどの加熱を要するものである場合、導電部材50の使用時に、接着剤の耐熱性を確保できる。
好ましくは、端子電極31,32は、Feを主成分とする。これによれば、端子電極31,32の耐熱性を確保できる。導電部材50が、例えば、はんだなどの加熱を要するものである場合、導電部材50の使用時に、端子電極31,32の耐熱性を確保できる。
好ましくは、端子電極31,32は、Cuを主成分とする。これによれば、端子電極31,32の耐熱性を確保できる。導電部材50が、例えば、はんだなどの加熱を要するものである場合、導電部材50の使用時に、端子電極31,32の耐熱性を確保できる。
好ましくは、ワイヤ21の絶縁被膜は、ポリアミドイミドを主成分とする。これによれば、ワイヤ21の耐熱性を確保できる。導電部材50が、例えば、はんだなどの加熱を要するものである場合、導電部材50の使用時に、ワイヤ21の耐熱性を確保できる。また、ワイヤ21と端子電極31,32とを接続する際に、ワイヤ21の被膜をレーザ照射によって剥離する場合、上記構成によれば、ワイヤ21の被膜を剥がしやすい。
好ましくは、ワイヤ21の絶縁被膜の厚みは、4μm以上10μm以下である。これによれば、ワイヤ21の耐熱性を確保できる。導電部材50が、例えば、はんだなどの加熱を要するものである場合、導電部材50の使用時に、ワイヤ21の耐熱性を確保できる。また、絶縁被膜の厚みが4μm以上であるため、はんだの熱に対して耐熱性を確保でき、絶縁被膜の厚みが10μm以下であるため、絶縁被膜を剥がしやすい。
好ましくは、ワイヤ21の導線の直径は、30μm以上70μm以下である。これによれば、ワイヤ21の耐熱性を確保できる。導電部材50が、例えば、はんだなどの加熱を要するものである場合、導電部材50の使用時に、ワイヤ21の耐熱性を確保できる。また、導線の直径が30μm以上であるため、はんだの熱に対して耐熱性を確保することができ、導線の直径が70μm以下であるため、はんだから飛び出しにくく、端子電極とより確実に接続できる。
好ましくは、コイル部品1のL方向(長さ方向)の寸法は、25mm以上45mm以下であり、コイル部品1のW方向(幅方向)の寸法は、20mm以上45mm以下である。例えば、コイル部品1のサイズ(L、W)として、(25mm×20mm)以上(45mm×45mm)以下である。L方向の寸法とは、L方向においての最も長い部分の寸法を指す。W方向の寸法とは、W方向においての最も長い部分の寸法を指す。L方向の長さが25mm以上であるため、はんだの熱がコイルに伝わりにくくすることができ、L方向の長さが45mm以下であるため、コイル部品1を小型化できる。W方向の幅が20mm以上であるため、端子電極とワイヤとの接続自由度が高く、W方向の幅が45mm以下であるためコイル部品1を小型化できる。
好ましくは、第1鍔部11に第3端子電極がさらに設けられ、第2鍔部12に第4端子電極がさらに設けられ、ワイヤ21は、第1ワイヤと第2ワイヤを有し、第1ワイヤの第1端部は、第1端子電極31に接続され、第1ワイヤの第2端部は、第2端子電極32に接続され、第2ワイヤの第1端部は、第3端子電極に接続され、第2ワイヤの第2端部は、第4端子電極に接続された、コモンモードチョークコイルにおいて、測定周波数を100kHzでコモンモードの信号を流したときのインダクタンス値が、11μH以上300μH以下である。これによれば、インダクタンス値の取得効率が向上する。
コイル部品1の製造方法として、例えば以下の方法が挙げられる。フェライトの粉末を金型でプレス形成し、得られた成形体を焼成する。焼成後にバレル研磨を行い、バリを取る。メッキされた金属板を金型でプレス成型して、底面部と側面部を有する端子電極を製造する。続いて、レーザや切削などにより部分的にめっきを剥離し、端子電極に第2領域を設ける。続いて、コアと端子電極とを接着剤等によって貼り付けて、巻線コアを製造する。巻線コアに対してノズルによりワイヤを巻線後、端子電極の第1領域にワイヤを高温はんだ等によって電気的、物理的に接続する。この際、はんだ等の導電部材と端子電極との接触面の外周の少なくとも一部が、第2領域に接触するようにする。以上のようにして、コイル部品1を製造することができる。
(第2実施形態)
図4は、コイル部品の第2実施形態を示し、W方向からみたときの第1端子電極および導電部材の平面図である。第2実施形態は、第1実施形態とは、第1,第2領域および導電部材の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。なお、図4では、導電部材と第1端子電極との接触面に便宜的に斜線を付している。
図4に示すように、本実施形態では、第1領域R1Aは、W方向からみて矩形状である。具体的に述べると、第1領域R1Aは、L方向に平行かつT方向に対向する第1辺および第2辺と、T方向に平行かつL方向に対向する第3辺および第4辺とを有する矩形状である。第1辺および第2辺の長さは、第1端子電極31の側面部312のL方向の長さよりも短い。L方向正側に位置する第4辺が、側面部312のL方向正側の端縁となる。T方向正側に位置する第2辺が、側面部312のT方向正側の端縁となる。第2領域R2Aは、W方向からみてL字状である。具体的に述べると、第2領域R2Aは、L方向に延在する矩形状の第1部分R21と、T方向に延在する矩形状の第2部分R22と、第1部分R21と第2部分R22とを接続する矩形状の第3部分R23と、を有する。図4では、第1部分R21と第3部分R23との境界、および第2部分R22と第3部分R23との境界を二点鎖線で示している。第1部分R21は、T方向負側に位置する第1領域R1Aの第1辺を介して、第1領域R1Aと隣接している。第1部分R21のL方向の長さは、第1領域R1Aの第1辺の長さと同じである。第2部分R22は、L方向負側に位置する第1領域R1Aの第3辺を介して、第1領域R1Aと隣接している。第2部分R22のT方向の長さは、第1領域R1Aの第3辺の長さと同じである。
導電部材50Aは、第1領域R1Aの少なくとも一部に設けられている。本実施形態では、導電部材50Aは、第1領域R1Aの全領域に設けられている。導電部材50Aは、第1領域R1Aと接触する接触面CF2を有する。接触面CF2の形状は、W方向からみて矩形状であり、第1領域R1Aと同一形状である。接触面CF2は、外周P0の4辺のうち、T方向負側の一辺とL方向負側の一辺とを介して第2領域R2に接触している。すなわち、本実施形態では、第1部分P1は、外周P0の四辺のうち、T方向負側の一辺とL方向負側の一辺との2辺が相当する。また、第2部分P2は、外周P0の4辺のうち、T方向正側の一辺とL方向正側の一辺との2辺が相当する。第1部分P1の2辺のうち、T方向負側の一辺の長さをL2とし、L方向負側の一辺の長さをL3としたとき、L2とL3の和は、接触面CF2の外周P0の全長の2分の1以上である。言い換えると、本実施形態では、第1部分P1の長さは、接触面CF2の外周の全長の2分の1以上である。
上記構成によれば、接触面CF2の外周と第2領域との接触部分が短い場合と比較して、接触面CF2の外周と第2領域との接触部分がより長くなるため、第1角度θ1を有する接触部分をより長くでき、導電部材50Aの高さを高くすることができる。これにより、ワイヤ21と端子電極31,32との接続信頼性をより確実に確保できる。
(第3実施形態)
図5は、コイル部品の第3実施形態を示し、W方向からみたときの第1端子電極および導電部材の平面図である。第3実施形態は、第1実施形態とは、第1,第2領域および導電部材の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。なお、図5では、導電部材と第1端子電極との接触面に便宜的に斜線を付している。
図5に示すように、導電部材50Bは、第1領域R1Bと接触する接触面CF3を有する。本実施形態では、第1領域R1Bと第2領域R2Bとの接触部分の形状は、第1領域R1B側に突出する凸形状である。導電部材50Bは、第1領域R1Bの少なくとも一部に設けられている。本実施形態では、導電部材50Bは、第1領域R1Bの全領域に設けられている。そのため、接触面CF3の第1部分P1の形状も、接触面CF3側に突出する凸形状である。
上記構成によれば、接触面CF3の外周と第2領域との接触部分が短い場合と比較して、接触面CF3の外周と第2領域との接触部分がより長くなるため、第1角度を有する接触部分をより長くでき、導電部材50Bの高さを高くすることができる。これにより、
ワイヤ21と端子電極31,32との接続信頼性をより確実に確保できる。
(第4実施形態)
図6は、コイル部品の第4実施形態を示し、第1端子電極および導電部材の斜視図である。第4実施形態は、第1実施形態とは、端子電極、第1,第2領域および導電部材の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。なお、図5では、導電部材と第1端子電極との接触面に便宜的に斜線を付している。
図6に示すように、第1端子電極31Cの側面部312Cにおいて、T方向正側の端縁の形状は、円弧状である。第1領域R1Cは、W方向からみて長円形である。長円形とは、楕円形や、対向する直線と対向する弧とから構成されるトラック形状などを含む。本実施形態では、第1領域R1Cは、T方向に平行な長径LDと、L方向に平行な短径SDと、を有する楕円形である。第1領域R1Cは、W方向からみて、側面部312CのT方向正側の端縁と重なっている。第2領域R2Cは、第1領域R1CよりもT方向負側に配置され、第1領域R1Cに隣接している。なお、本実施形態では、第1端子電極31CのT方向正側の端縁の形状は円弧状であるが、これに限定されず、例えば直線状であってもよい。また、本実施形態では、第1領域R1Cと第2領域R2Cとの接触部分の形状は、楕円形の一部であるが、これに限定されず、例えば直線状であってもよい。
導電部材50Cは、第1領域R1Cの少なくとも一部に設けられている。本実施形態では、導電部材50Cは、第1領域R1Cの全領域に設けられている。導電部材50Cは、第1領域R1Cと接触する接触面CF4を有する。接触面CF4は、第1領域R1Cと同様に、T方向に平行な長径LDと、L方向に平行な短径SDと、を有する長円形である。ワイヤ21は、接触面CF4の長径LD方向と、ワイヤ21の端部の延在方向と、が平行となるように配置されている。また、導電部材50Cは、接触面CF4に直交する方向(W方向)の頂部に凹部50Rを有する。凹部50Rの形成方法として、例えば以下のような方法が挙げられる。導電部材50Cとなる導電材料を端子電極31,32に付着させた後に、当該導電材料の固化速度を部分的に制御し、接触面CF4に直交する方向の導電部材50Cの頂部付近から先に固化するようにする。これにより、先に固化した頂部付近の導電材料が、W方向負側に落ち込み、凹部50Rを形成することができる。
上記構成によれば、接触面CF4の形状が長円形であるため、導電部材50Cの形状が正球体の一部ではなく、例えば楕円球体などの一部となる。そして、接触面CF4の長径LD方向と、ワイヤ21の端部の延在方向と、が平行となるようにワイヤ21が配置されているため、接触面CF4の形状が円形となる、導電部材の形状が正球体の一部である場合と比較して、ワイヤ21と導電部材50Cとの接触面積(言い換えると、導電部材50に覆われているワイヤ21の部分の体積)を増大させることができる。その結果、ワイヤ21と端子電極31,32との接続信頼性をより確実に確保できる。
また、導電部材50Cの形状が例えば楕円球体の一部などであるため、導電部材の形状が正球体の一部である場合と比較して、接触面CF4に直交する方向における導電部材50Cの高さを高くすることができる。そのため、ワイヤ21と端子電極31,32との接続信頼性をより確実に確保できる。また、導電部材が正球体の一部の場合、端子電極31,32の外表面に直交する方向に徐々に導電部材の量が少なくなっていくため、導電部材の頂上付近では導電部材の量が少なくなる。そのため、端子電極31,32から離れる方向にワイヤ21が移動してしまった場合に、ワイヤ21の端部と端子電極31,32とを十分に接続できない可能性がある。しかし、凹部50Rが存在することにより、端子電極31,32の外表面に直交する方向に徐々に導電部材の量が少なくなることを抑制できるため、ワイヤ21の端部と端子電極31,32とを十分に接続できる。
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第4実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
前記実施形態では、コイル部品は、1本のワイヤを有しているが、複数本のワイヤを有していてもよく、コイル部品を、コモンモードチョークコイルとして用いていてもよい。
前記実施形態では、1つの鍔部に1つの端子電極を設けているが、1つの鍔部に複数の端子電極を設けてもよい。
前記実施形態では、導電部材は、第1領域の全領域に設けられているが、第1領域の一部に設けられてもよい。また、導電部材は、第1領域の一部または全領域に設けられていると共に、第1領域と第2領域との接触部分を超えて第2領域に設けられていてもよい。
前記実施形態では、導電部材と第1領域との接触面の外周の一部が、第2領域に接触しているが、上記外周の全周が、第2領域に接触してもよい。これにより、上記外周の一部が第2領域に接触している場合と比較して、接触面に直交する方向における導電部材の高さを高くすることができる。その結果、ワイヤと端子電極との接続信頼性をより確実に確保できる。
第1領域および第2領域の形状は、導電部材と第1領域との接触面の外周の少なくとも一部が第2領域に接触するのであれば、前記実施形態に限定されない。
1 コイル部品
10 コア
11 第1鍔部
111 内端面
112 外端面
113 底面
114 天面
115 側面
12 第2鍔部
121 内端面
122 外端面
123 底面
124 天面
125 側面
13 巻芯部
21 ワイヤ
31、31C 第1端子電極
311 底面部
312、312C 側面部
32 第2端子電極
321 底面部
322 側面部
50、50A~50C 導電部材
50R 凹部
C1、C2 中心
L1~L3 接触面における第2領域と接触する部分の長さ
R1、R1A~R1C 第1領域
R2、R2A~R2C 第2領域
R21 第1部分
R22 第2部分
R23 第3部分
P0 外周
P1 第1部分
P2 第2部分
CF1~CF4 接触面
LD 長径
SD 短径
TL1、TL2 接線

Claims (31)

  1. 巻芯部と該巻芯部の両端に設けられた一対の鍔部とを有するコアと、
    前記巻芯部に巻回されたワイヤと、
    前記一対の鍔部のそれぞれに設けられた端子電極と、
    前記端子電極に設けられ、前記ワイヤと前記端子電極とを電気的に接続する導電部材と、を備え、
    前記端子電極の外表面は、第1領域と、前記第1領域よりも濡れ性が低く、前記第1領域の外周の少なくとも一部と接触する第2領域と、を有し、
    前記導電部材は、前記端子電極の外表面と接触する接触面を有し、
    前記接触面は、前記第1領域の少なくとも一部に接触し、
    前記接触面の外周の少なくとも一部は、前記第2領域に接触している、コイル部品。
  2. 前記接触面の外周の少なくとも一部を第1部分とし、
    前記接触面の外周のうち、前記第1部分以外の部分を第2部分としたとき、
    前記接触面に直交し、前記第1部分の長さ方向の中心と前記接触面の重心とを通る平面における第1断面において、前記第1部分を通る前記導電部材の接線と、前記接触面と、のなす角度を、第1角度とし、
    前記接触面に直交し、前記第2部分の長さ方向の中心と前記接触面の重心とを通る平面における第2断面において、前記第2部分を通る前記導電部材の接線と、前記接触面と、のなす角度を、第2角度としたとき、
    前記第1角度は、前記第2角度よりも大きい、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第1領域は、Snで構成され、
    前記第2領域は、CuまたはFeが主成分となる金属合金で構成されている、請求項1に記載のコイル部品。
  4. 前記接触面の外周の少なくとも一部を第1部分としたとき、
    前記第1部分の長さは、前記接触面の外周の全長の4分の1以上である、請求項1に記載のコイル部品。
  5. 前記接触面の外周の少なくとも一部を第1部分としたとき、
    前記第1部分の長さは、前記接触面の外周の全長の2分の1以上である、請求項1に記載のコイル部品。
  6. 前記第1領域と前記第2領域との接触部分の形状は、直線状である、請求項1に記載のコイル部品。
  7. 前記第1領域と前記第2領域との接触部分の形状は、前記第1領域側に突出する凸形状である、請求項1に記載のコイル部品。
  8. 前記導電部材の形状は、前記接触面の形状が長円形である、請求項1に記載のコイル部品。
  9. 前記導電部材は、前記接触面に直交する方向の頂部に凹部を有する、請求項1に記載のコイル部品。
  10. 前記コアは、フェライトから構成されている、請求項1から9の何れか一つに記載のコイル部品。
  11. 前記フェライトのキュリー点は、150℃以上である、請求項10に記載のコイル部品。
  12. 前記フェライトの体積抵抗率は、10Ω・cm以上である、請求項11に記載のコイル部品。
  13. 前記フェライトの初期透磁率は、900以上である、請求項12に記載のコイル部品。
  14. 前記コイル部品の長さ方向の寸法は、25mm以上45mm以下であり、前記コイル部品の幅方向の寸法は、20mm以上45mm以下である、請求項13に記載のコイル部品。
  15. 前記一対の鍔部のうち、第1鍔部には、第1端子電極と第3端子電極が設けられ、第2鍔部には、第2端子電極と第4端子電極が設けられ、
    前記ワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを有し、
    前記第1ワイヤの第1端部は、前記第1端子電極に接続され、前記第1ワイヤの第2端部は、前記第2端子電極に接続され、
    前記第2ワイヤの第1端部は、前記第3端子電極に接続され、前記第2ワイヤの第2端部は、前記第4端子電極に接続された、コモンモードチョークコイルにおいて、
    測定周波数を100kHzでコモンモードの信号を流したときのインダクタンス値が、11μH以上300μH以下である、請求項14に記載のコイル部品。
  16. さらに、前記一対の鍔部に跨るように固定された磁性体板を備える、請求項1から9の何れか一つに記載のコイル部品。
  17. 前記磁性体板は、エポキシ樹脂系接着剤によって、前記一対の鍔部に固定されている、請求項16に記載のコイル部品。
  18. 前記端子電極は、エポキシ樹脂系接着剤によって、前記一対の鍔部に固定されている、請求項17に記載のコイル部品。
  19. 前記端子電極は、Feを主成分とする、請求項17に記載のコイル部品。
  20. 前記端子電極は、Cuを主成分とする、請求項17に記載のコイル部品。
  21. 前記コイル部品の長さ方向の寸法は、25mm以上45mm以下であり、前記コイル部品の幅方向の寸法は、20mm以上45mm以下である、請求項18に記載のコイル部品。
  22. 前記一対の鍔部のうち、第1鍔部には、第1端子電極と第3端子電極が設けられ、第2鍔部には、第2端子電極と第4端子電極が設けられ、
    前記ワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを有し、
    前記第1ワイヤの第1端部は、前記第1端子電極に接続され、前記第1ワイヤの第2端部は、前記第2端子電極に接続され、
    前記第2ワイヤの第1端部は、前記第3端子電極に接続され、前記第2ワイヤの第2端部は、前記第4端子電極に接続された、コモンモードチョークコイルにおいて、
    測定周波数を100kHzでコモンモードの信号を流したときのインダクタンス値が、11μH以上300μH以下である、請求項21に記載のコイル部品。
  23. 前記コイル部品の長さ方向の寸法は、25mm以上45mm以下であり、前記コイル部品の幅方向の寸法は、20mm以上45mm以下である、請求項19に記載のコイル部品。
  24. 前記一対の鍔部のうち、第1鍔部には、第1端子電極と第3端子電極が設けられ、第2鍔部には、第2端子電極と第4端子電極が設けられ、
    前記ワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを有し、
    前記第1ワイヤの第1端部は、前記第1端子電極に接続され、前記第1ワイヤの第2端部は、前記第2端子電極に接続され、
    前記第2ワイヤの第1端部は、前記第3端子電極に接続され、前記第2ワイヤの第2端部は、前記第4端子電極に接続された、コモンモードチョークコイルにおいて、
    測定周波数を100kHzでコモンモードの信号を流したときのインダクタンス値が、11μH以上300μH以下である、請求項23に記載のコイル部品。
  25. 前記コイル部品の長さ方向の寸法は、25mm以上45mm以下であり、前記コイル部品の幅方向の寸法は、20mm以上45mm以下である、請求項20に記載のコイル部品。
  26. 前記一対の鍔部のうち、第1鍔部には、第1端子電極と第3端子電極が設けられ、第2鍔部には、第2端子電極と第4端子電極が設けられ、
    前記ワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを有し、
    前記第1ワイヤの第1端部は、前記第1端子電極に接続され、前記第1ワイヤの第2端部は、前記第2端子電極に接続され、
    前記第2ワイヤの第1端部は、前記第3端子電極に接続され、前記第2ワイヤの第2端部は、前記第4端子電極に接続された、コモンモードチョークコイルにおいて、
    測定周波数を100kHzでコモンモードの信号を流したときのインダクタンス値が、11μH以上300μH以下である、請求項25に記載のコイル部品。
  27. 前記ワイヤは、導線と、前記導線を覆うポリアミドイミドを主成分とする絶縁被膜とを有する、請求項1から9の何れか一つに記載のコイル部品。
  28. 前記絶縁被膜の厚みは、4μm以上10μm以下である、請求項27に記載のコイル部品。
  29. 前記導線の直径は、30μm以上70μm以下である、請求項28に記載のコイル部品。
  30. 前記コイル部品の長さ方向の寸法は、25mm以上45mm以下であり、前記コイル部品の幅方向の寸法は、20mm以上45mm以下である、請求項29に記載のコイル部品。
  31. 前記一対の鍔部のうち、第1鍔部には、第1端子電極と第3端子電極が設けられ、第2鍔部には、第2端子電極と第4端子電極が設けられ、
    前記ワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを有し、
    前記第1ワイヤの第1端部は、前記第1端子電極に接続され、前記第1ワイヤの第2端部は、前記第2端子電極に接続され、
    前記第2ワイヤの第1端部は、前記第3端子電極に接続され、前記第2ワイヤの第2端部は、前記第4端子電極に接続された、コモンモードチョークコイルにおいて、
    測定周波数を100kHzでコモンモードの信号を流したときのインダクタンス値が、11μH以上300μH以下である、請求項30に記載のコイル部品。
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