JP2023070874A - ガスバリア性積層体およびこのリサイクル方法、並びに再生樹脂組成物およびこれを含む物品 - Google Patents

ガスバリア性積層体およびこのリサイクル方法、並びに再生樹脂組成物およびこれを含む物品 Download PDF

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Seiji Takizawa
修 時野谷
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Abstract

【課題】リサイクル適性に優れ且つ再生材料としてバージン樹脂と併用されてもバージン樹脂が単独で使用された物品と比較して十分な強度物性が維持されている物品を作製するのに有用なガスバリア性積層体を提供する。また、このガスバリア性積層体から得られる再生樹脂組成物及びこれを含む物品、並びにガスバリア性積層体のリサイクル方法を提供する。【解決手段】ポリエチレン樹脂からなる第一の層と、ポリエチレン樹脂からなる第二の層を備える積層構造を有する積層体において、前記第一の層及び前記第二の層の少なくとも一方が、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂と相溶する相溶化剤を含む、ガスバリア性積層体である。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性積層体およびこのリサイクル方法、並びに再生樹脂組成物およびこれを含む物品に関する。
基材フィルムとして耐熱性及び強靭性に優れた二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムと、シーラント層としてポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムとを備える積層体(軟包材)が知られている(例えば、特許文献1)。
ところで近年、海洋プラスチックごみ問題等に端を発する環境意識の高まりから、プラスチック材料の分別回収と再資源化のさらなる高効率化が求められるようになってきている。すなわち、従来、様々な異種材料を組み合わせることで高性能化を図ってきた包装用の積層体においても、モノマテリアル化が求められるようになってきた。
積層体においてモノマテリアル化を実現するためには、構成するフィルムを同一素材とする必要がある。しかし、完全な単一素材に軟包材の機能を付与することは技術的課題が大きいため、比重が近いポリエチレン/ポリプロピレン(PE/PP)などのポリオレフィン系樹脂を主体としたオールポリオレフィン製の基材フィルムを使用したガスバリアフィルムの要請が高まっている。
特開2017-178357号公報
しかし、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)は非相溶であるため、これらが混在した状態でリサイクルした再生材料を、ポリエチレン又はポリプロピレンのバージン樹脂と混ぜて包材にしたとしても強度物性を確保するのが困難である。したがって、再生プラスチックは、低い強度物性であっても使用可能な限られた用途にしか利用されていないのが現状である。
本発明は、リサイクル適性に優れ且つ再生材料としてバージン樹脂と併用されてもバージン樹脂が単独で使用された物品と比較して十分な強度物性が維持されている物品を作製するのに有用なガスバリア性積層体を提供する。また、本発明は、このガスバリア性積層体から得られる再生樹脂組成物及びこれを含む物品、並びにガスバリア性積層体のリサイクル方法を提供する。
本発明に於いて上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、
ポリエチレン樹脂からなる第一の層と、ポリエチレン樹脂からなる第二の層とを備える積層構造を有し、前記第一の層及び前記第二の層の少なくとも一方が、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂と相溶する相溶化剤を含むガスバリア性積層体である。
このガスバリア性積層体に予め含まれている相溶化剤の機能により、ガスバリア性積層体がリサイクルされる際に混入したポリプロピレン樹脂がポリエチレン樹脂と十分に相溶
し、再生後も強度物性を確保することができる。
また、本発明の第2の態様は、
前記第一の層と前記第二の層の合計質量を100質量部とすると、前記相溶化剤の含有量が1~40質量部であることが好ましい。1質量部以上であることで、PEとPPの分散効果が十分に発現して十分な強度物性を確保することができ、相溶化剤の含有量が40質量部以下であることで、PE及びPPが持つ本来の特性が保たれる。
また、本発明の第3の態様は、
前記第一の層の前記第二の層と相対する面に、少なくともガスバリア性を有する蒸着層と、ガスバリア性被覆層とが順に積層されて、ガスバリア性が付与されたものであってもよい。
また、本発明の第4の態様は、
ポリエチレン樹脂からなる第一の層と、前記第一の層の表裏にそれぞれポリエチレン樹脂からなる第二の層と、ポリエチレン樹脂からなる第三の層とが少なくとも設けられたガスバリア性積層体において、前記第一の層、第二の層及び前記第三の層の少なくとも一層が、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂と相溶する相溶化剤を含むガスバリア性積層体である。
また、本発明の第5の態様は、
前記第一の層と第二の層と第三の層の合計質量を100質量部とすると、前記相溶化剤の含有量が1~40質量部であることが好ましい。
また、本発明の第6の態様は、
前記第一の層のどちらかの面に、少なくともガスバリア性を有する蒸着層と、ガスバリア性被覆層とが順に積層されていてもよい。
また、本発明の第7の態様は、
前記相溶化剤がポリプロピレン-ポリエチレンブロック共重合体、ポリプロピレン-エチレン・ブチレンブロック共重合体のいずれか1つまたは、複数の混合であってよい。
また、本発明の第8の態様は、
前記第一の層と前記蒸着層の間に密着層を更に備えていてもよい。密着層を設けることで、上記ガスバリア性積層体の表面と蒸着層との密着性が向上するとともに、蒸着層が形成される表面が平滑化させることで優れたガスバリア性を有する蒸着層を形成することが可能となる。
また、本発明の第9の態様は、
前記ガスバリア性被覆層が少なくともカルボキシ基含有重合体、多価金属含有粒子を含んでいてもよい。前記ガスバリア性積層体は、ガスバリア性を有する蒸着層と、ガスバリア性被覆層とを更に備え、ガスバリア性被覆層がカルボキシ基含有重合体、多価金属含有粒子とを含むものであってもよい。前記ガスバリア性積層体がガスバリア性を有することで、これを包材として使用すると、水分や酸素による内容物の劣化を防ぐことができる。
また、本発明の第10の態様は、
前記蒸着層は、Al及びSiの少なくとも一方の元素を含んでいてもよい。
また、本発明の第11の態様は、
前記ガスバリア性積層体を溶融混練して得られる再生樹脂組成物である。
また、本発明の第12の態様は、
前記再生樹脂組成物を含む物品である。この物品は、バージン樹脂が単独で使用された物品と比較して十分な強度物性が維持されている。物品の具体例として、包装材、電気・電子部品、ハウジングなどが挙げられる。
また、本発明の第13の態様は、
前記ガスバリア性積層体のリサイクル方法である。このリサイクル方法は、前記ガスバリア性積層体の破砕物を作製する工程と、破砕物の溶融混練物を作製する工程と、溶融混練物から再生樹脂組成物(例えば、ペレット状)を作製する工程と、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂の少なくとも一方のバージン樹脂と再生樹脂組成物とを混合して樹脂組成物を得る工程とを含む。このリサイクル方法によれば、バージン樹脂が単独で使用された物品と比較して十分な強度物性が維持されている物品を製造できる。
また、本発明の第14の態様は、
前記樹脂組成物における前記再生樹脂組成物の含有量は、前記樹脂組成物の質量基準で70質量%以上であることが好ましい。
本発明によれば、リサイクル適性に優れ且つ再生材料としてバージン樹脂と併用されてもバージン樹脂が単独で使用された物品と比較して十分な強度物性が維持されている物品を作製するのに有用なガスバリア性積層体が提供される。また、本発明によれば、このガスバリア性積層体から得られる再生樹脂組成物及びこれを含む物品、並びにガスバリア性積層体のリサイクル方法が提供される。
図1は本発明に係るガスバリア性積層体の一実施形態を模式的に示す断面図である。 図2は本発明に係るガスバリア性積層体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<ガスバリア性積層体>
図1は、本発明に係るガスバリア性積層体10の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すガスバリア性積層体10は、接着層15を介して第二の層2の上に、ガスバリア機能層20が積層され、その上に密着層22と、第一の層がこの順に積層された層構成を有する。第一の層または第二の層は、シーラント層としての役割を果たすことが可能である。
第一の層1はポリエチレン樹脂1a(PE樹脂)とこれに分散しているPE-PPブロック共重合体1bとを含む。第二の層2はポリエチレン樹脂2a(PE樹脂)からなる。第一の層1に含まれているPE-PPブロック共重合体1bは、ガスバリア性積層体10がリサイクルされる際に相溶化剤として機能する。ガスバリア性積層体10を再生樹脂として使用すると、リサイクルの際に混入するポリプロピレン樹脂がポリエチレン樹脂と十分に相溶し、再生後も強度物性を担保することができる。なお、ここでは、PE-PPブロック共重合体が第一の層1に配合されている場合を例示したが、PE-PPブロック共重合体は第二の層2に配合されていてもよいし、第一の層1及び第二の層2の両方に配合されていてもよい。
第一の層1と第二の層2の合計質量を100質量部とすると、ガスバリア性積層体10におけるPE-PPブロック共重合体の含有量は1~40質量部であることが好ましい。PE-PPブロック共重合体の含有量が1質量部以上であることで、PEとPPの分散効果が十分に発現して十分な強度物性を担保することができる。他方、PE-PPブロック共重合体の含有量が40質量部以下であることで、PE及びPPが持つ本来の特性が保たれる。
PE-PPブロック共重合体のポリエチレンユニットが第一の層1を構成するポリエチレン樹脂と相溶し、PE-PPブロック共重合体のポリプロピレンユニットが、リサイクルされる際に混入するポリプロピレン樹脂と相溶する。
図2は本発明に係るガスバリア性積層体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。図2に示すガスバリア性積層体30は、接着層15を介して第二の層2の上に、ガスバリア機能層20が積層され、その上に密着層22と、第一の層1がこの順に積層され、さらにその上に接着層15を介して第三の層3が積層された層構成を有する。第二の層2または第三の層3は、シーラント層としての役割を果たすことが可能である。
第一の層1はポリエチレン樹脂1aとこれに分散しているPE-PPブロック共重合体1bとを含む。第二の層2はポリエチレン樹脂2aからなり、第三の層3はポリエチレン樹脂3aからなる。第一の層1に含まれているPE-PPブロック共重合体1bは、ガスバリア性積層体10がリサイクルされる際に相溶化剤として機能する。ガスバリア性積層体30を再生樹脂として使用すると、リサイクルの際に混入するポリプロピレン樹脂がポリエチレン樹脂と十分に相溶し、再生後も強度物性を担保することができる。なお、ここでは、PE-PPブロック共重合体が第一の層1に配合されている場合を例示したが、PE-PPブロック共重合体は第二の層2または第三の層3に配合されていてもよいし、第一の層1、第二の層2および第三の層3の全ての層に配合されていてもよい。
第一の層1と第二の層2と第三の層3の合計質量を100質量部とすると、ガスバリア性積層体30におけるPE-PPブロック共重合体の含有量は1~40質量部であることが好ましい。PE-PPブロック共重合体の含有量が1質量部以上であることで、PEとPPの分散効果が十分に発現して十分な強度物性を担保することができる。他方、PE-PPブロック共重合体の含有量が40質量部以下であることで、PE及びPPが持つ本来の特性が保たれる。
以下に、ガスバリア性積層体を構成する各層の説明を行う。
(ガスバリア機能層)
図1に示すように、ガスバリア機能層20は、接着層15を介して第二の層2の上に積層され、ガスバリア機能層20と第一の層1の間に密着層22が積層される。ガスバリア機能層20は、蒸着層23と、ガスバリア性被覆層25とを備える積層構造を有する。なお、図1には、第二の層2とガスバリア性被覆層25が接着層15を介して対面している場合を図示したが、第一の層1とガスバリア性被覆層25が接着層15を介して対面するように、ガスバリア機能層20を貼り合わせてもよい。
(密着層)
密着層22は、第一の層1の表面上に設けられ、第一の層1と蒸着層23との間の密着性能向上を目的としたものである。これに加え、密着層22は、蒸着層23が形成される面を平滑にすることで蒸着層23を欠陥なく均一に製膜することを目的としたものである。
密着層22を構成する材料としては非水性樹脂が好ましく、その具体例として、シラン
カップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン及びフェノールが挙げられる。密着層22に耐熱水性を付与することを考慮すると、密着層22はウレタン結合及びウレア結合を一つ以上有する有機高分子が含まれることがより好ましい。
密着層22は第一の層1の表面上にコーティング液を塗布する工程を経て形成される。塗布方法としては、通常用いられるキャスト法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等の従来公知の方法を用いることが可能である。コーティング液の塗布によって形成された塗膜を加熱乾燥させることで密着層22が形成される。密着層22の厚さは、例えば、0.01μm~2μm程度である。
(蒸着層)
蒸着層23は、酸素ガスバリア性の高い材料として酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素素(SiOx)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化マグネシウム(MgO)又はインジウム-スズ酸化物(ITO)などを用いることができる。材料コスト、バリア性能及び透明性の点から、蒸着層23を構成する材料は酸化アルミニウム又は酸化ケイ素が好ましい。蒸着層23はアルミニウムを蒸着して形成されたものであってもよい。
蒸着層23の厚さは使用用途によって適宜設定すればよいが、好ましくは10~300nmであり、より好ましくは20~200nmである。蒸着層23の厚さを10nm以上とすることで蒸着層23の連続性を十分なものとしやすく、他方、300nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分なバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
蒸着層23は、真空成膜手段によって成膜できる。真空成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。また真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流などで制御し易いことや蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることから有効である。
(ガスバリア性被覆層)
ガスバリア性被覆層25は、蒸着層23を保護するとともに、水蒸気バリア性の向上に寄与し、これにより蒸着層23との相乗効果による高いガスバリア性を発現させるためのものである。ガスバリア性被覆層25は、蒸着層23の表面上に、少なくともカルボキシ基含有重合体、多価金属含有粒子を含む塗膜を形成する工程を経て形成される。
カルボキシ基含有重合体としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。これらのなかでもポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)は、ガスバリア性被覆層25のガスバリア性を優れたものとできるので好ましい。
多価金属含有粒子としては、下記の一般式で表される化合物があげられる。
M(OR)n(MはSi、Ti、Al、Zr等の金属原子を示し、Rは-CH3、-C2H5等のアルキル基を示し、nはMの価数に対応した整数を示す。)
具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O-iso-C3H7)3〕などが挙げられる。テトラエトキシシラ
ン、トリイソプロポキシアルミニウムは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。ガスバリア性被覆層25は、シランカップリング剤を更に含んでもよい。
ガスバリア性被覆層25の厚さ(膜厚)は50~1000nmの範囲内とすることが好ましく、100~500nmの範囲内とすることがより好ましい。膜厚が50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、薄膜により、十分なフレキシビリティを保持できる傾向がある。
ガスバリア性被覆層25は蒸着層23の表面上に塗液を塗布する工程を経て形成される。塗布方法としては、通常用いられるキャスト法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等の従来公知の方法を用いることが可能である。塗液の塗布によって形成された塗膜を加熱乾燥させることでガスバリア性被覆層25が形成される。
(接着層)
接着層15は、第二の層2とガスバリア機能層20、および第一の層1と第三の層3とを接着している。接着層15を構成する接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオールなどの主剤に対し、二官能以上のイソシアネート化合物を作用させたポリウレタン樹脂等が挙げられる。各種ポリオールは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。接着層15は、接着促進を目的として、上述のポリウレタン樹脂に、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物、シランカップリング剤などが配合されたものであってもよい。
接着層15の厚さは、所望の接着強度、追随性、及び加工性等を得る観点から、例えば、1~10μmであり、3~7μmであってもよい。なお、熱処理によってガスバリア機能層20に第二の層2、および第一の層1に第三の層3をラミネートしてもよい。
<リサイクル方法>
本実施形態に係るリサイクル方法は、上記ガスバリア性積層体を再生樹脂として利用するものである。このリサイクル方法は以下の工程を含む。
(a)ガスバリア性積層体の破砕物を作製する工程。
(b)破砕物の溶融混練物を作製する工程。
(c)溶融混練物から再生樹脂組成物(例えば、ペレット状)を作製する工程。
(d)ポリプロピレン樹脂のバージン樹脂と再生樹脂組成物とを混合して樹脂組成物を得る工程。
なお、上記リサイクル方法に関しては、ガスバリア層の形成は必須ではないので、実施例では、ガスバリア層を形成しない実験1とガスバリア層を形成する実験2で、再生樹脂とバージン樹脂の混合樹脂の強度物性を評価した。また、実験3では、ガスバリア積層体におけるPE-PPブロック共重合体のガスバリア性に対する影響を、酸素透過度及び水蒸気透過度を測定して確認した。
以下、実施例及び比較例に基づいて本開示をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実験1(実施例1~4及び比較例1~3)
目的:再生樹脂に含まれるポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を相溶化させること
により、バージンポリエチレン樹脂の強度物性と比較して、再生樹脂とバージンポリプロピレン樹脂の混合樹脂の強度物性がどの程度保持されるかを確認する。
以下の材料を準備した。
・ポリエチレン樹脂ペレット(PE樹脂ペレット):サンテックF1810(旭化成製、フィルムグレード)
・ポリプロピレン樹脂ペレット(PP樹脂ペレット):ノバテックFB3B(日本ポリプロ製、フィルムグレード)
・ポリエチレン-ポリプロピレンブロック共重合体(PE-PPブロック共重合体)
・バージンポリエチレン(バージンPE):サンテックM7620(旭化成、射出成形グレード、低密度ポリエチレン)
・バージンポリプロピレン(バージンPP):ノバテックMA3(日本ポリプロ製、射出成形グレード)
以下の工程を経て試験片の評価を行った。
(1)ポリエチレン樹脂層とポリエチレン樹脂層の積層体(以下「PE/PE積層体」という。)の作製:
再生樹脂の材料となるPE/PE積層体を共押出によって製膜した。共押出は小型押出機によって実施し、小型押出機にPE樹脂ペレットをそれぞれ供給した。実施例については、表1、2に示す量(PE/PE積層体の質量100質量部基準)のPP-PEブロック共重合体を一方のポリエチレン樹脂層のみにブレンドした。どちらの層も厚さは20μmとした。
(2)PE/PE積層体から再生樹脂の作製:
PE/PE積層体を破砕後、二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレット状に押し出した。これにより、再生樹脂を得た。
(3)試験片の作製
再生樹脂と、バージン樹脂(バージンPP)とを表1に示す割合でブレンドし、射出成形することによって試験片を得た。
(4)試験片の評価
試験片の強度物性は、引張応力及び引張破断呼び歪の測定によって評価した。表1に結果を示す。引張応力及び引張破断呼び歪はJIS K7161に記載の方法に基づいて測定した。装置として、オートグラフ試験機AGS-X(島津製作所製)を使用し、引張試験速度は50mm/分とした。バージン樹脂(バージンPE)からなるリファレンス試験片を別途準備し、これらの試験片の引張応力及び引張破断呼び歪をそれぞれ測定した。引張応力及び引張破断呼び歪は以下の基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
A:バージン樹脂の測定値の80%以上
B:バージン樹脂の測定値の60%以上80%未満
C:バージン樹脂の測定値の60%未満
Figure 2023070874000002
表1より、相溶化剤の割合が40%以下であれば、十分な強度物性が得られることが確認された。また、比較例2、5は引張応力、引張破断呼び歪の評価がともにAであるが、高価な相溶化剤の割合が多すぎて経済性が悪く、また、添加物の割合が高くなることもリサイクルの観点から望ましくない。
実験2(実施例5~8及び比較例4~6)
目的:ガスバリア性が求められる包材用の再生樹脂に含まれるポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を相溶化させることにより、バージンポリエチレン樹脂の強度物性と比較して、再生樹脂とバージンポリプロピレン樹脂の混合樹脂の強度物性がどの程度保持され
るかを確認する。
以下の材料を準備した。
・ポリエチレン樹脂ペレット(PE樹脂ペレット):サンテックF1810(旭化成製、フィルムグレード)
・延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム):パイレンフィルムP2161(東洋紡製、厚さ25μm)
・ポリエチレン-ポリプロピレンブロック共重合体(PE-PPブロック共重合体)
・バージンポリエチレン(バージンPE):サンテックM7620(旭化成、射出成形グレード、低密度ポリエチレン)
・バージンポリプロピレン(バージンPP):ノバテックMA3(日本ポリプロ製、射出成形グレード)
以下の工程を経て試験片の評価を行った。
(1)ガスバリア積層体の作製
PE樹脂ペレットにPE-PPブロック共重合体をブレンドし、小型押出機による押出によって厚さ25μmの単層フィルムを得た。他方、OPPフィルム(基材)のコロナ処理面側に、グラビアコートロール法にて、密着層を形成した。次いで、電子ビール式真空蒸着法により、酸素を導入しながらアルミニウムを蒸発させ、AlOx蒸着層(厚さ10nm)を密着層の表面上に形成した。次いで、AlOx蒸着層の表面上にガスバリア性被覆層を形成した。ガスバリア性被覆層の表面上に上記単層フィルムを二液型の接着剤を用いてドライラミネート法によって貼った。これにより、OPP(25μm)/密着層/AlOx蒸着層(厚さ10nm)/ガスバリア性被覆層/接着層(5μm)/PE-PPブロック共重合体含有PE単層フィルム(25μm)の構成を有するガスバリア積層体を得た。なお、表2に示すPE-PPブロック共重合体の量は、PE/PPガスバリア積層体の合計質量100質量部を基準としたものである。
密着層は、以下の方法で調製したアンカーコート剤を塗工することにより形成した。即ち、先ず、アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、これを全固形分(アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量)が5質量%になるように酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量100質量部に対して5質量部となるように添加し、これらを混合することでアンカーコート剤を得た。密着層は、コロナ処理を施したポリプロピレンフィルムの表面に、このアンカーコート剤をグラビアロールコート法で塗工し、塗膜を60℃で乾燥及び硬化させることにより形成した。密着層の単位面積当たりの質量は0.1g/mとした。
ガスバリア性被覆層は、以下の方法で調製したコーティング液をガスバリア性蒸着層へ塗工することにより形成した。
即ち、先ず、テトラエトキシシラン(Si(OC)17.9gとメタノール10gとの混合液に、0.1N塩酸72.1gを加え、これを30分間攪拌して、テトラエトキシシランの加水分解を生じさせた。これにより、固形分が5質量%(SiO換算)の加水分解溶液としてA液を得た。
また、ポリビニルアルコールを5質量%の濃度で含んだ溶液を調製した。この溶液の溶媒としては、水とメタノールとを95:5の質量比で含んだ水系溶媒を使用した。以下、この溶液をB液と呼ぶ。
更に、1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートを含んだ、固形分量が5質量%の溶液を調製した。この溶液の溶媒としては、水とイソプロピルアルコールとを1:1の質量比で含んだ水系溶媒を使用した。以下、この溶液をC液と呼ぶ。
次に、上記のA液、B液及びC液を、65:25:10の質量比で混合することで、コーティング液を調製した。
このコーティング液をグラビアロールコート法にてガスバリア性蒸着層へ塗工し、オーブン中、張力20N/m、乾燥温度80℃の条件で加熱乾燥させて、厚さが0.3μmのガスバリア性被覆層を形成した。
ガスバリア性を付与するための層(密着層/AlOx蒸着層/ガスバリア性被覆層)がリサイクル適性に与える影響を評価するため、これらの層を有しない積層体(OPP(25μm)/接着層(5μm)/PE-PPブロック共重合体含有PE単層フィルム)を作製した。
(2)PE/PP積層体から再生樹脂の作製
(1)で作製した積層体を破砕後、二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレット状に押し出した。これにより、再生樹脂を得た。
(3)試験片の作製
再生樹脂と、バージン樹脂(バージンPP)とを表2に示す割合でブレンドし、射出成形することによって試験片を得た。
(4)試験片の評価は実験1と同様に実施した。結果を表2に示す。
Figure 2023070874000003
表2より、相溶化剤の割合が40%以下であれば、十分な強度物性が得られることが確認された。実験1と同様に、比較例2、5は引張応力、引張破断呼び歪の評価がともにAであるが、相溶化剤の割合が多すぎて、単層フィルム表面の平滑性が低下し、均一なAlOx蒸着層の形成ができなかった。また、高価な相溶化剤の割合が多すぎて経済性が悪く、また、添加物の割合が高くなることもリサイクルの観点から望ましくない。
実験3(ガスバリア性の評価)
実施例5~8及び比較例4~6に係るガスバリア積層体の酸素透過度及び水蒸気透過度を測定した。
<酸素透過度の測定>
測定法:JIS K7126、B法(等圧法)
装置:Modern Control社製 OXTRAN 2/20
温度:30℃
相対湿度:70%
<水蒸気透過度の測定>
測定法:JIS K7126、B法(等圧法)
装置:Modern Control社製 PERMATRAN 3/33
温度:40℃
相対湿度:90%
実施例5~8及び比較例4~6のガスバリア積層体の酸素透過度はいずれも約3cc/m・day・atmであった。実施例5~8及び比較例4~6のガスバリア積層体の水蒸気透過度はいずれも約0.6g/m・dayであった。これらの結果から、ガスバリ
ア積層体におけるPE-PPブロック共重合体はガスバリア性に影響しないことが確認された。
1・・・第一の層
1a・・・ポリエチレン樹脂
1b・・・PE-PPブロック共重合体
2・・・第二の層
2a・・・ポリエチレン樹脂
3・・・第三の層
3a・・・ポリエチレン樹脂
10、30・・・ガスバリア積層体
15・・・接着層
20・・・ガスバリア機能層
22・・・密着層
23・・・蒸着層
25・・・ガスバリア性被覆層

Claims (14)

  1. ポリエチレン樹脂からなる第一の層と、ポリエチレン樹脂からなる第二の層とを備える積層構造を有する積層体において、前記第一の層及び前記第二の層の少なくとも一方が、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂と相溶する相溶化剤を含む、ガスバリア性積層体。
  2. 前記第一の層と前記第二の層の合計質量を100質量部とすると、前記相溶化剤の含有量が1~40質量部である、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  3. 前記第一の層の前記第二の層と相対する面に、少なくともガスバリア性を有する蒸着層と、ガスバリア性被覆層とが順に積層された、請求項1または2に記載のガスバリア性積層体。
  4. ポリエチレン樹脂からなる第一の層と、前記第一の層の表裏にそれぞれポリエチレン樹脂からなる第二の層と、ポリエチレン樹脂からなる第三の層とが少なくとも設けられた積層体において、前記第一の層、第二の層及び前記第三の層の少なくとも一層が、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂と相溶する相溶化剤を含む、ガスバリア性積層体。
  5. 前記第一の層と第二の層と第三の層の合計質量を100質量部とすると、前記相溶化剤の含有量が1~40質量部である、請求項4に記載のガスバリア性積層体。
  6. 前記第一の層のどちらかの面に、少なくともガスバリア性を有する蒸着層と、ガスバリア性被覆層とが順に積層された、請求項4または5に記載の積層体。
  7. 前記相溶化剤がポリプロピレン-ポリエチレンブロック共重合体、ポリプロピレン-エチレン・ブチレンブロック共重合体のいずれか1つまたは、複数の混合物であることを特徴とする請求項1~6に記載のガスバリア性積層体。
  8. 前記第一の層と前記蒸着層の間に密着層を更に備える、請求項3、6、7に記載のガスバリア性積層体。
  9. 前記ガスバリア性被覆層が少なくともカルボキシ基含有重合体、多価金属含有粒子を含む、請求項3、6~8に記載のガスバリア性積層体。
  10. 前記蒸着層は、Al及びSiの少なくとも一方の元素を含む、請求項3、6~9に記載のガスバリア性積層体。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体を溶融混練して得られる再生樹脂組成物。
  12. 請求項11に記載の再生樹脂組成物を含む物品。
  13. 請求項1~10のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体の破砕物を作製する工程と、前記破砕物の溶融混練物を作製する工程と、前記溶融混練物から再生樹脂組成物(例えば、ペレット状)を作製する工程と、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂の少なくとも一方のバージン樹脂と再生樹脂組成物とを混合して樹脂組成物を得る工程とを含む、積層体のリサイクル方法。
  14. 前記樹脂組成物における前記再生樹脂組成物の含有量は、前記樹脂組成物の質量基準で70質量%以上である、請求項13に記載の積層体のリサイクル方法。
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