JP2023070539A - オートファジー活性化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】オートファジーやAhR経路を活性化する新たな技術を提供すること。【解決手段】β-ディフェンシンを有効成分とする、オートファジー活性化剤。【選択図】なし

Description

本発明はオートファジー活性化剤に関する。より詳細には、オートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤に関する。
皮膚バリアは、角層バリア及びタイトジャンクションバリアで構成されており、皮膚への異物侵入や水分の蒸散防止などを担っている。
そのため、皮膚バリア機能障害は、アトピー性皮膚炎や乾癬、老人性乾皮症等といった様々な皮膚疾患の他、乾燥肌、荒れ肌に関連すると考えられている。
アトピー性皮膚炎は、最も一般的な炎症性皮膚疾患であり、その初期に皮膚バリア機能障害がみられることがわかっている。
ところで、オートファジーは、細胞内で生成された不要タンパク質を細胞がリサイクルするシステムであり、細胞の通常の新陳代謝の他、感染症や神経障害との関連が報告されている。また、芳香族炭化水素受容体(AhR)は、bHLH-PAS転写因子ファミリーに属するタンパク質であり、例えば、AhRの欠損は表皮角化細胞のオートファジーを減少させることや、AhR経路を活性化させることでオートファジーが誘導されることが知られている。
Biochemical and Biophysical Research Communications,Volume485,Issue1,Pages107-112
一方、β-ディフェンシンは、代表的な抗菌ペプチドの一種であり、例えば、ヒトβ-ディフェンシン-3が、肥満細胞を活性化させて血管透過性や浮腫を増大させるという報告がある(非特許文献1)。
本発明者らが検討した結果、オートファジーやAhR経路が活性化された場合に、アトピー性皮膚炎や皮膚バリア機能に改善がみられることが判明した。
本発明の課題は、オートファジーやAhR経路を活性化する新たな技術を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、β-ディフェンシンが優れたオートファジー活性化効果及び優れたAhR経路活性化効果を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<4>を提供するものである。
<1> β-ディフェンシンを有効成分とする、オートファジー活性化剤。
<2> β-ディフェンシンを有効成分とする、AhR経路活性化剤。
<3> β-ディフェンシンを有効成分とする、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤。
<4> β-ディフェンシンを有効成分とする、皮膚バリア機能改善剤。
本発明のオートファジー活性化剤は、優れたオートファジー活性化効果を有する。また、本発明のAhR経路活性化剤は、優れたAhR経路活性化効果を有する。
本発明のアトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤は、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療効果に優れる。
本発明の皮膚バリア機能改善剤は、皮膚バリア機能改善効果に優れる。
hBD-3のオートファジー活性化効果を示す図。 hBD-3のCLDN-1発現促進効果を示す図。 hBD-3のZO-1発現促進効果を示す図。 mBD-14を適用した場合のマウスの耳の厚さを示す図。 mBD-14を適用した場合のTEWLを示す図。 AhRアンタゴニストを投与した場合のLC3発現量を示す図。 AhRアンタゴニストを投与した場合のp62発現量を示す図。 AhR経路活性化とアトピー性皮膚炎改善効果との関連を示す図(マウスの耳の厚さ)。 AhR経路活性化とアトピー性皮膚炎改善効果との関連を示す図(TEWL)。 アトピー性皮膚炎患者由来皮膚サンプルにおけるLC3発現量を示す図。 アトピー性皮膚炎患者由来皮膚サンプルにおけるp62発現量を示す図。 DNCB誘発性ADモデルマウス由来皮膚サンプルにおけるLC3、p62発現量を示す図。 MC903誘発性ADモデルマウス由来皮膚サンプルにおけるLC3、p62発現量を示す図。 ダニ誘発性ADモデルマウス由来皮膚サンプルにおけるLC3、p62発現量を示す図。 オートファジー欠損細胞における皮膚バリア機能の低下を示す図。 オートファジー欠損細胞におけるCLDN-1、ZO-1発現量の低下を示す図。 オートファジー欠損した場合にアトピー性皮膚炎が悪化しやすくなることを示す図。
本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤は、β-ディフェンシンを有効成分とする。
β-ディフェンシンとしては、ヒトβ-ディフェンシン-1、ヒトβ-ディフェンシン-2、ヒトβ-ディフェンシン-3、及びヒトβ-ディフェンシン-4から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、オートファジー活性化効果、AhR経路活性化効果、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療効果、皮膚バリア機能改善効果の観点から、ヒトβ-ディフェンシン-3が好ましい。ヒトβ-ディフェンシン-3を用いた場合に、オートファジー活性化効果、AhR経路活性化効果、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療効果、皮膚バリア機能改善効果が大幅に改善される。
β-ディフェンシンは、ヒトの唾液や口腔粘膜等からの精製、化学合成、生合成により得たものを用いても市販品を用いてもよい。
そして、後記実施例に示すように、β-ディフェンシンは、オートファジー活性化効果、AhR経路活性化効果、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療効果、並びに皮膚バリア機能改善効果に優れる。
したがって、β-ディフェンシンは、皮膚細胞のオートファジーやAhR経路を活性化することができ、オートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤として有用である。
ここで、本明細書において「オートファジー活性化」とは、皮膚細胞のオートファジーを活性化することをいう。上記皮膚細胞としては、表皮角化細胞、線維芽細胞、及びメラノサイトから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
また、本明細書において「AhR経路活性化」とは、芳香族炭化水素受容体(AhR)の経路を活性化させることをいう。
また、本明細書において「アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療」とは、アトピー性皮膚炎を予防及び/又は治療することをいい、具体的には、アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみを抑制することをいう。アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療は、好ましくは皮膚バリア機能改善によるアトピー性皮膚炎予防及び/又は治療である。
また、本明細書において「皮膚バリア機能改善」とは、皮膚バリア機能を改善させることをいい、具体的には、皮膚バリア機能関連タンパク質の発現を増強させることや経表皮水分蒸散量を減少させることをいう。
また、β-ディフェンシンは、オートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤となり得、オートファジー活性化、AhR経路活性化、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療、並びに皮膚バリア機能改善のために使用することができ、また、オートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤を製造するために使用できる。
ここで、上記「使用」は、ヒト若しくは非ヒト動物への投与又は摂取であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。なお、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には、医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤は、オートファジー活性化やAhR経路活性化、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療、皮膚バリア機能改善に有効な医薬品、医薬部外品、化粧品若しくは食品として、又は医薬品、医薬部外品、化粧品若しくは食品に配合する素材として使用可能である。
なお、食品は、オートファジー活性化やAhR経路活性化、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療、皮膚バリア機能改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した保健機能食品(例えば機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品等)とすることが可能である。
本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤の適用手段は、経口、注射、皮膚外用等のいずれでもよいが、皮膚外用又は注射が好ましく、皮膚外用がより好ましい。なお、このような皮膚を適用部位とする形態としては、例えば、皮膚外用剤、入浴剤、注射用製剤が挙げられる。なお、「皮膚」は、顔や身体、手足の皮膚、及び頭皮を包含する概念である。
本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤を経口投与する場合、その剤形としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤、ドライシロップ剤等の固形製剤;半固形製剤;懸濁剤、シロップ剤等の液状製剤等が挙げられる。医薬品、医薬部外品、食品のいずれの場合においても、これらの剤形にしてよい。また、経口投与用組成物とする場合には、上記の有効成分に加えて、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等の添加剤を含有せしめることができる。
また、上記食品の具体的な形態としては、錠剤等の上記剤形の保健機能食品やサプリメントの他、ウエハース、ビスケット、ガム等の各種食品が挙げられる。
本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤を経皮用(皮膚外用剤)とする場合、その剤形としては、軟膏剤、クリーム剤、乳液、ゲル剤、ペースト剤、ローション、スプレー剤、貼付剤等が挙げられる。また、皮膚外用剤は、例えば、化粧水、美容液、パック、乳液、クリーム、サンスクリーン、サンオイル等の形態にしてもよい。
皮膚を適用部位とする形態とする場合には、上記の有効成分に加えて、通常の外用剤や入浴剤において基材や添加剤として用いられる各種成分を含有せしめることができる。
β-ディフェンシンの含有量としては、本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤中、0.0001質量%以上0.02質量%以下が好ましく、本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤が医薬品である場合は、0.0005質量%以上0.002質量%以下がより好ましい。一方、本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤が、医薬部外品、化粧品又は食品である場合、β-ディフェンシンの含有量としては、医薬部外品、化粧品又は食品中に0.005質量%以上0.02質量%以下がより好ましい。
本発明のオートファジー活性化剤、AhR経路活性化剤、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤、並びに皮膚バリア機能改善剤は、β-ディフェンシンとして、成人一日あたり、0.05~0.2mgを摂取又は塗布することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〕
12ウェルのプレート1ウェルに培地(HuMedia-KG2)を0.8mL添加し、ケラチノサイトを5×10個播種した後、3-4日間培養(37℃、95%Air、5%CO)した。次に、ヒトβ-ディフェンシン-3(hBD-3)10μg/mLで9時間処理した。オートファジーマーカーLC3-I、LC3-IIをイムノブロットで検出し、LC3-II/LC3-I比を算出した。GAPDHをローディングコントロールとして使用した。
結果を図1に示す(n=3,****:p<0.0001)。
図1に示すとおり、ヒトβ-ディフェンシン-3がオートファジーを活性化させることが確認できた。
〔試験例2〕
12ウェルのプレート1ウェルに培地(HuMedia-KG2)を0.8mL添加し、ケラチノサイトを5×10個播種した後、3-4日間培養(37℃、95%Air、5%CO)した。次に、E&P(E64d and PepstatinA)10μg/mL、クロロキン(CQ)10μM、バフィロマイシンA1(BAF)10μg/mL、ワートマニン(WORT)10μM、又はDMSO0.1%(コントロール群及びhBD-3群)で2時間前処理した。その後、コントロール群以外については、ヒトβ-ディフェンシン-3(hBD-3)10μg/mLで9時間処理した。なお、E&P、CQ、BAF及びWORTはオートファジー阻害剤である。
マウス由来抗クローディン-1(CLDN-1)抗体又はマウス由来抗ZO-1抗体を一次抗体として、ヤギ由来抗マウスAlexa Fluor コンジュゲートIgG抗体を二次抗体としてそれぞれ使用して染色した。共焦点レーザー顕微鏡を用いて免疫蛍光顕微鏡写真を取得し、タイトジャンクションタンパク質であるCLDN-1及びZO-1について発現量を定量化した。
CLDN-1発現量を図2-1(n=3,****:p<0.0001,##:p<0.01,####:p<0.0001)に、ZO-1発現量を図2-2(n=3,*:p<0.05,#:p<0.05)に、それぞれ示す。
図2-1及び図2-2に示すとおり、ヒトβ-ディフェンシン-3がCLDN-1、ZO-1の発現を促進することが確認できた。
〔試験例3〕
(オートファジー欠損マウスの作製)
K14-Creトランスジェニックマウス(K14プロモーターの制御下でCreリコンビナーゼを発現するマウス(ジャクソンラボラトリー製))とAtg7-floxedマウス(K14+/+Atg7f/f)とを交配させて、オートファジー欠損マウス(K14CRE/+Atg7f/f)を作製した。K14CRE/+Atg7f/fにおけるオートファジーのケラチノサイト特異的欠失を確認した。
(DNCB処理)
K14+/+Atg7f/fマウス、K14CRE/+Atg7f/fマウスについて、2,4-ジニトロクロロベンゼン(DNCB)連用開始5日前に背中を剃毛し、DNCB連用開始4日前に耳と背中を1%DNCBで1回処理した(0.1mL/cm)。その処理の4日後から19日間の間、1週間あたりに3回の頻度で0.2%DNCB処理(0.1mL/cm)した。
また、K14+/+Atg7f/f + mBD-14群、K14CRE/+Atg7f/f + mBD-14群のマウスには、0.2%DNCB処理開始から15日目から19日目までの間、2日おきにmBD-14(hBD-3のマウスオーソログ)処理した(0.1mL/cm)。
一方、K14+/+Atg7f/f + vehicle群、K14CRE/+Atg7f/f + vehicle群のマウスには、0.2%DNCB処理開始から15日目から19日目までの間、2日おきに同じ量の食塩水で処理した(0.1mL/cm)。
その後、0.2%DNCB処理開始から19日目に、マウスの耳の厚さと経表皮水分蒸散量(TEWL)を測定した。
マウスの耳の厚さを図3-1(n=8,***:p<0.001,####:p<0.0001)に、TEWLを図3-2(n=12,*:p<0.05,####:p<0.0001)に、それぞれ示す。
図3-1及び図3-2に示す結果から、mBD-14(hBD-3のマウスオーソログ)は、オートファジーを活性化させることによってアトピー性皮膚炎を改善させるものと考えられる。
〔試験例4〕
C57BL/6マウス(5~6週齢)3匹を、AhRアンタゴニスト経口投与群と溶媒経口投与群の2群に分けた。
AhRアンタゴニスト経口投与群のマウスには、CH-223191(2-メチル-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-メチル-4-o-トリルアゾ-フェニル)-アミド)を、溶媒経口投与群のマウスには、同じ量のコーン油を、それぞれDNCB連用開始15日前からDNCB連用17日経過後まで給餌した。
各群のマウスについて、DNCB連用開始5日前に背中を剃毛し、DNCB連用開始4日前に耳と背中を1%DNCBで1回処理した(0.1mL/cm)。その処理の4日後から17日間の間、1週間あたりに3回の頻度で0.2%DNCB処理(0.1mL/cm)した。
また、各群のマウスについて、0.2%DNCB処理開始から15日目及び17日目に、mBD-14(hBD-3のマウスオーソログ)処理した(0.1mL/cm)。
その後、0.2%DNCB処理開始から18日目にマウスを安楽死させ、病変部位の表皮を採取した。
ウサギ由来抗LC3抗体又はウサギ由来抗p62抗体を一次抗体として、ヤギ由来抗ラビットAlexa Fluor コンジュゲートIgG抗体を二次抗体としてそれぞれ使用して染色した。共焦点レーザー顕微鏡を用いて免疫蛍光顕微鏡写真を取得し、オートファジー関連マーカーであるLC3及びp62について発現量を定量化した。なお、LC3はオートファジー活性化に従って発現量が増大し、p62はオートファジー活性化に従って発現量が低下する。
LC3発現量を図4-1(n=3,****:p<0.0001)に、p62発現量を図4-2(n=3,*:p<0.05)に、それぞれ示す。
図4-1及び図4-2に示すとおり、AhRアンタゴニストを投与した場合に、LC3発現量の低下及びp62発現量の増大が確認できた。
〔試験例5〕
C57BL/6マウス(5~6週齢)4匹を、AhRアンタゴニスト非投与溶媒適用群(AD mice+vehicle群)、AhRアンタゴニスト非投与mBD-14適用群(AD mice+mBD-14群)、AhRアンタゴニスト+溶媒適用群(AD mice+CH+vehicle群)、及びAhRアンタゴニスト+mBD-14適用群(AD mice+CH+mBD-14群)の4群に分けた。
AD mice+CH+vehicle群、AD mice+CH+mBD-14群のマウスには、CH-223191(2-メチル-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-メチル-4-o-トリルアゾ-フェニル)-アミド)を、AD mice+vehicle群、AD mice+mBD-14群のマウスには、同じ量のコーン油を、それぞれDNCB連用開始15日前からDNCB連用17日経過後まで給餌した。
各群のマウスについて、DNCB連用開始5日前に背中を剃毛し、DNCB連用開始4日前に耳と背中を1%DNCBで1回処理した(0.1mL/cm)。その処理の4日後から17日間の間、1週間あたりに3回の頻度で0.2%DNCB処理(0.1mL/cm)した。
また、AD mice+mBD-14群、AD mice+CH+mBD-14群のマウスについて、0.2%DNCB処理開始から15日目及び17日目に、mBD-14(hBD-3のマウスオーソログ)処理した(0.1mL/cm)。
一方、AD mice+vehicle群、AD mice+CH+vehicle群のマウスについては、0.2%DNCB処理開始から15日目及び17日目に、同じ量の食塩水で処理した(0.1mL/cm)。
その後、0.2%DNCB処理開始から19日目に、マウスの耳の厚さと経表皮水分蒸散量(TEWL)を測定した。
マウスの耳の厚さを図5-1(n=4,**:p<0.01,####:p<0.0001)に、TEWLを図5-2(n=4,*:p<0.05,##:p<0.01)に、それぞれ示す。
〔試験例6〕
健常者皮膚を健康なドナー5名から、病変皮膚をアトピー性皮膚炎患者5名から、それぞれ提供してもらった。各皮膚サンプルを液体窒素で急速凍結し、免疫蛍光分析のために-80℃で保存した。
ラビット由来抗LC3抗体又はラビット由来抗p62抗体を一次抗体として、ゴート由来抗ラビットAlexa Fluor コンジュゲートIgG抗体を二次抗体としてそれぞれ使用して染色した。共焦点レーザー顕微鏡を用いて免疫蛍光顕微鏡写真を取得し、オートファジー関連マーカーであるLC3及びp62について発現量を定量化した。なお、LC3はオートファジー活性化に従って発現量が増大し、p62はオートファジー活性化に従って発現量が低下する。
LC3発現量を図6-1(n=5,***:p<0.001)に、p62発現量を図6-2(n=5,*:p<0.05)に、それぞれ示す。
図6-1及び図6-2に示すとおり、アトピー性皮膚炎患者の病変皮膚サンプルには、LC3発現量の低下及びp62発現量の増大が確認できた。
〔試験例7〕
C57BL/6マウス(5~6週齢)3-5匹を、健常マウス群(Normal mice)とアトピー性皮膚炎マウス群(AD mice)の2群に分けた。
アトピー性皮膚炎マウス群のマウスについては、DNCB連用開始5日前に背中を剃毛し、DNCB連用開始4日前に耳と背中を1%DNCBで1回処理した(0.1mL/cm)。その処理の4日後から19日間の間、1週間あたりに3回の頻度(合計9回)で0.2%DNCB処理(0.1mL/cm)することで、DNCB誘発性ADモデルマウスとした。
アトピー性皮膚炎マウス群に0.2%DNCB処理を開始してから20日目に、各群のマウスを安楽死させ、病変部位の表皮を採取した。
ラビット由来抗LC3抗体又はラビット由来抗p62抗体を一次抗体として、ヤギ由来抗ラビットAlexa Fluor コンジュゲートIgG抗体を二次抗体としてそれぞれ使用して染色した。共焦点レーザー顕微鏡を用いて免疫蛍光顕微鏡写真を取得し、オートファジー関連マーカーであるLC3及びp62について発現量を定量化した。
LC3発現量、p62発現量を図7-1(n=3-5,*:p<0.05,**:p<0.01)に示す。
また、DNCB誘発性ADモデルマウスを、MC903誘発性ADモデルマウス、ダニ誘発性ADモデルマウスに変更する以外は、上記と同様にしてLC3及びp62について発現量を定量化した。
MC903誘発性ADモデルマウスを用いた結果を図7-2に、ダニ誘発性ADモデルマウスを用いた結果を図7-3に、それぞれ示す。
図7-1~図7-3に示すとおり、アトピー性皮膚炎マウスの皮膚サンプルには、LC3発現量の低下及びp62発現量の増大が確認できた。
〔試験例8〕
アデノウイルス発現ベクターキット(タカラバイオ製)を使用して、“Sou et al.,Mol Biol Cell. 2008;19(11):4762-75.)”の記載に準じアデノウイルスのAtg3変異体、Atg3C264S変異体を調製した。
次に、12ウェルのプレート1ウェルに培地(HuMedia-KG2)を0.8mL添加し、ケラチノサイトを5×10個播種した後、3-4日間培養(37℃、95%Air、5%CO)した。ケラチノサイトにAtg3変異体又はAtg3C264S変異体を48時間トランスフェクトした。また、Atg3C264S変異体でトランスフェクトしたケラチノサイトについて、オートファジー欠損を確認した。
全RNAを抽出し、RNAを逆転写してcDNAを作製し、定量リアルタイムPCRを用いてクローディン-1(CLDN-1)、TJP-1、フィラグリン(FLG)及びロリクリン(LOR)の遺伝子発現量を検出した。
結果を図8に示す(Atg3:野生型表皮角化細胞、Atg3C264S:オートファジー欠損表皮角化細胞、n=3,**:p<0.01)。
図8に示すとおり、オートファジー欠損表皮角化細胞では皮膚バリア機能の低下が確認できた。
〔試験例9〕
アデノウイルス発現ベクターキット(タカラバイオ製)を使用して、“Sou et al.,Mol Biol Cell. 2008;19(11):4762-75.)”の記載に準じアデノウイルスのAtg3変異体、Atg3C264S変異体を調製した。
次に、12ウェルのプレート1ウェルに培地(HuMedia-KG2)を0.8mL添加し、ケラチノサイトを5×10個播種した後、3-4日間培養(37℃、95%Air、5%CO)した。ケラチノサイトにAtg3変異体又はAtg3C264S変異体を48時間トランスフェクトした。また、Atg3C264S変異体でトランスフェクトしたケラチノサイトについて、オートファジー欠損を確認した。
マウス由来抗クローディン-1(CLDN-1)抗体、マウス由来抗ZO-1抗体を一次抗体として、ヤギ由来抗マウスHRP コンジュゲートIgG抗体を二次抗体としてそれぞれ使用してウエスタンブロッティング法で、CLDN-1発現量、ZO-1発現量の評価を行った。GAPDHをローディングコントロールとして使用した。
結果を図9に示す(Atg3:野生型表皮角化細胞、Atg3C264S:オートファジー欠損表皮角化細胞、n=3,*:p<0.05,**:p<0.01)。
〔試験例10〕
K14+/+Atg7f/fマウス、K14CRE/+Atg7f/fマウスを試験例3と同様にして作製した。
K14+/+Atg7f/fマウス、K14CRE/+Atg7f/fマウスそれぞれについて、DNCB処理群(K14+/+Atg7f/f AD mice、K14CRE/+Atg7f/f AD mice)、DNCB非処理群(K14+/+Atg7f/f mice、K14CRE/+Atg7f/f mice)に分けた。
DNCB処理群について、2,4-ジニトロクロロベンゼン(DNCB)連用開始5日前に背中を剃毛し、DNCB連用開始4日前に耳と背中を1%DNCBで1回処理した(0.1mL/cm)。その処理の4日後から17日間の間、1週間あたりに3回の頻度(合計9回)で0.2%DNCB処理(0.1mL/cm)した。
DNCB処理群に0.2%DNCB処理を開始してから18日目に、各群のマウスについて、ADスコア、マウスの耳の厚さ、及び経表皮水分蒸散量(TEWL)を測定した。
結果を図10に示す(n=8-12,**:p<0.01,****:p<0.0001)。
図10に示す結果から、オートファジー欠損した場合にアトピー性皮膚炎が悪化しやすくなることが確認できた。

Claims (4)

  1. β-ディフェンシンを有効成分とする、オートファジー活性化剤。
  2. β-ディフェンシンを有効成分とする、AhR経路活性化剤。
  3. β-ディフェンシンを有効成分とする、アトピー性皮膚炎予防及び/又は治療剤。
  4. β-ディフェンシンを有効成分とする、皮膚バリア機能改善剤。
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