JP2023067391A - 水草のメタン発酵処理方法及びメタン発酵処理システム - Google Patents

水草のメタン発酵処理方法及びメタン発酵処理システム Download PDF

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Abstract

Figure 2023067391000001
【課題】池、湖沼、河川から刈り取られた大量の水草を処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間を低減するとともに、水草を効率的に処分することができる水草のメタン発酵処理方法および水草のメタン発酵処理システムを提供する。
【解決手段】水を添加することなく水草Bを破砕してスラリー化する破砕機10と、破砕機10により水草Bが破砕されて得られたスラリーをメタン発酵槽30に供給するスラリー供給手段11と、スラリーを原料としてメタン発酵を行うメタン発酵槽30と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、水草のメタン発酵処理方法及びメタン発酵処理システムに関する。
池、湖沼、河川において大量に発生する水草は、生態系に影響を与え、景観を損ねるとともに、水路に繁茂すると農業被害を引き起こし、また、船の航行を妨げ、漁業にも支障をきたすことから、定期的に刈り取られて、処分される。水草の処分は、焼却処分によるものが一般的であるが、水草は高含水性のため、焼却処分すると、燃料費がかかることから、コンポスト化して農地で利用されたり、サイレージ化して牛の飼料として利用されたりしている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、採取したホテイアオイを一時貯留し、一部腐敗せしめ、その後、圧搾して固液分離し、その搾汁液を用いてメタン発酵を行ない、分離かすをメタン発酵槽から排出される消化汚泥と混合し好気性発酵を行ないコンポスト化することによって、ホテイアオイから消化ガスを回収し、良質なコンポストを得ることが記載されている。
特許文献2には、大量のホテイアオイをポンプ又はコンベアで作業場の土場に直送し、チップ化し、搾汁し、絞られたホテイアオイのチップに乳酸菌と糖分を加えて混合し、密封可能なプラスチックの袋の中で嫌気状態で急速乳酸発酵させて良質のサイレージを得る方法が記載されている。
特開昭59-184783号公報 特開2006-174728号公報
しかしながら、特許文献1においては、刈り取られた水草が絡み合って塊になっており、高含水性で、重量や嵩容量が大きいことから、採取場所から処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間がかかるといった問題があった。特許文献2においては、大量の水草をポンプで作業場に送ると、ポンプ内が水草により詰まるといった問題があった。また、水草のコンポスト化やサイレージ化は進められているが、すでに供給過多であることから、余剰分の水草は焼却処分されており、大量の水草を低コストで効率的に処理することができないのが実状である。
そこで、本発明は、池、湖沼、河川から刈り取られた大量の水草を処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間を低減するとともに、大量の水草を効率的に処理することができる水草のメタン発酵処理方法および水草のメタン発酵処理システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の水草のメタン発酵処理方法は、水を添加することなく水草を破砕してスラリー化する破砕工程と、前記破砕工程で得られたスラリーをメタン発酵槽に供給するスラリー供給工程と、前記メタン発酵槽内において前記スラリーを原料としてメタン発酵を行うメタン発酵工程と、を備える。
上記構成によれば、水草が破砕されると、スラリー状となり、嵩容量が小さくなるため、水草を採取場所から処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間を低減することができる。また、スラリー状の水草(スラリー)は、メタン発酵処理がされやすいため、大量の水草が発生しても、効率的に処理することができる。
また、本発明の水草のメタン発酵処理方法において、前記破砕工程で得られた前記スラリーに水を添加して撹拌後、沈降分離、遠心分離、及びろ過分離のうち少なくともいずれか一つにより発酵不適物を除去する分離工程をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、スラリー状の水草(スラリー)に含まれる石や砂などのメタン発酵不適物が除去されるため、後段のメタン発酵槽の有効容量の低下や設備の損傷を防ぐことができる。
上記課題を解決するために、水草のメタン発酵処理システムは、水を添加することなく水草を破砕してスラリー化する破砕機と、前記破砕機により前記水草が破砕されて得られたスラリーをメタン発酵槽に供給するスラリー供給手段と、前記スラリーを原料としてメタン発酵を行うメタン発酵槽と、を備える
上記構成によれば、水草が破砕されると、スラリー状となり、嵩容量が小さくなるため、水草を採取場所から処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間を低減することができる。また、スラリー状の水草(スラリー)は、メタン発酵処理がされやすいため、大量の水草が発生しても、効率的に処理することができる。
また、本発明の水草のメタン発酵処理システムにおいて、前記破砕機は前記水草の採取場所に設置され、前記スラリー供給手段は配管を利用したポンプ輸送であってもよい。
上記構成によれば、水草を採取場所から処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間をさらに低減することができる。
本発明によれば、池、湖沼、河川から刈り取られた大量の水草を処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間を低減するとともに、大量の水草を効率的に処理することができる。
第1実施形態に係る水草のメタン発酵処理システムの概略構成を示す図である。 第2実施形態に係る水草のメタン発酵処理システムの概略構成を示す図である。
本発明に係る水草のメタン発酵処理方法、及び水草のメタン発酵処理システムに関する実施形態や図面について、以下に具体的に説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載されている構成に限定されることを意図しない。
(第1実施形態)
以下、図1を用いて、第1実施形態に係る水草のメタン発酵処理方法、及び水草のメタン発酵処理システム100を説明する。図1は、第1実施形態に係る水草のメタン発酵処理システム100の概略構成を示す図である。
図1に示す水草のメタン発酵処理システム100は、水を添加することなく水草Bを破砕してスラリー化する破砕機10と、スラリー状の水草(スラリー)を消化槽(メタン発酵槽)30に供給するスラリー供給手段11と、スラリー状の水草(スラリー)を原料としてメタン発酵を行う消化槽(メタン発酵槽)30とから構成される。
(破砕機、および破砕工程)
破砕機10は、池、湖沼、河川から刈り取られた水草Bを破砕する装置である。破砕工程は、池、湖沼、河川から刈り取られた水草Bを破砕する工程である。水草Bは破砕機10により、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下に破砕される。刈り取られた水草Bは、高含水性であることから、破砕されるとスラリー状となる。また、刈り取られた水草Bは、絡み合って塊になっているため、嵩容量が大きいが、破砕されてスラリー状となると、嵩容量が小さくなる。具体的には、嵩比重0.2~0.3であった水草が、嵩比重約1.0のスラリーとなるため、水草の嵩容量は1/3~1/5に減少する。破砕機10として、揉摺機、せん断機を使用することができるが、破砕物を10mm以下に破砕するためには、揉摺機を使用することが好ましい。破砕機10は、池、湖沼、河川の付近に設置されてもよく、後述する消化槽(メタン発酵槽)30が設置された処理施設内に設置されてもよい。
(スラリー供給手段、スラリー供給工程)
スラリー供給手段11は、スラリー状の水草(スラリー)を消化槽(メタン発酵槽)30に供給する手段である。スラリー供給工程は、スラリー状の水草(スラリー)をメタン発酵工程に供給する工程である。スラリー供給手段11は、図1に示すように、配管を利用したポンプPによる輸送であってもよく、車両による輸送であってもよい(不図示)。なお、スラリー供給手段11のポンプPとしては、特に限定はないが、一軸偏心ねじポンプ、ダイアフラム式スラリーポンプ、回転羽根式スラリーポンプ等を利用することができる。また、配管の長さは、100m以上、好ましくは300m以上、更に好ましくは1,000m以上である。さらに、配管は、消化槽(メタン発酵槽)30が設置された処理施設内に破砕機10が設置される場合、前記破砕機10と前記消化槽(メタン発酵槽)30とが接続されるように設置されてもよく、また、消化槽(メタン発酵)30が設置された処理施設の外(池、湖沼、河川など水草を刈り取る場所)に破砕機10が設置される場合、前記破砕機10と前記消化槽(メタン発酵槽)30とが直接接続されるように設置されてもよい。
(消化槽(メタン発酵槽)、メタン発酵工程)
消化槽(メタン発酵槽)30は、スラリー状の水草(スラリー)と下水汚泥Sを嫌気性発酵処理するタンクである。メタン発酵工程は、スラリー状の水草(スラリー)と下水汚泥を消化槽(メタン発酵槽)30の中で嫌気性発酵処理する工程である。消化槽(メタン発酵槽)30に投入されるスラリーの固形物濃度は、例えば2~10質量%であり、下水汚泥Sの固形物濃度は、例えば3~4質量%である。消化槽(メタン発酵槽)30は、低温発酵処理においては温度15~20℃で滞留時間30~60日程度、中温発酵処理においては温度30~42℃で滞留時間15~30日程度、高温発酵処理においては温度50~60℃で滞留時間7~20日程度で運転される。消化槽(メタン発酵槽)30に、スラリー状の水草(スラリー)と下水汚泥Sが供給されると、メタン発酵反応が進行し、バイオガスGが生成する。メタン発酵工程において生成するバイオガスの組成はメタンが60~70%、二酸化炭素が30~40%、その他微量の窒素、酸素、硫化水素、及び水等が含まれる。なお、消化槽(メタン発酵槽)30から排出される発酵残渣Rは濃縮され、肥料や建築資材等として利用することができる。
上記のとおり、本実施形態に係る水草のメタン発酵処理システム100によれば、水を添加することなく水草Bを破砕してスラリー化する破砕機10と、スラリー状の水草(スラリー)を消化槽(メタン発酵槽)30に供給するスラリー供給手段11と、スラリー状の水草(スラリー)を原料としてメタン発酵を行う消化槽(メタン発酵槽)30とから構成されることから、池、湖沼、河川から刈り取られた大量の水草をメタン発酵槽が設置されている処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間を低減することができるとともに、大量の水草を効率的に処理することができる。特に水草を10mm以下に破砕し、含水率90%以上、好ましくは含水率93%以上のスラリー状とすることで、例えば、100m(好ましくは300m以上、更に好ましくは1,000m以上)を超える配管を利用したポンプ輸送であっても、配管内での堆積や閉塞を抑制して、好適にスラリー状の水草(スラリー)を消化槽(メタン発酵槽)30に供給することができる。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る水草のメタン発酵処理システム101の概略構成を示す図である。第2実施形態に係る水草のメタン発酵処理システム101は、第1実施形態に係る水草のメタン発酵処理システム100に、分離装置20(分離工程)をさらに備える。なお、破砕機10と消化槽(メタン発酵槽)30については、上述した第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。分離装置20は、破砕機10により水草Bが破砕されて得られたスラリーに水Wを添加して撹拌後、スラリーに含まれる石や砂などのメタン発酵不適物Uを除去する装置である。分離工程は、破砕工程において得られたスラリーに水を添加して撹拌後、スラリーに含まれる石や砂などのメタン発酵不適物を除去する工程である。分離工程は、沈降分離、遠心分離、及びろ過分離のうち少なくともいずれか一つが行われてもよく、これらを組み合わせて行われてもよい。
分離工程において、スラリーへの水の添加量は、固形物濃度が1~3質量%となるように調整することが好ましい。スラリーに添加する水は、水道水、地下水、湖沼水、河川水、及び池水を使用してもよい。スラリーに水を添加したあとの撹拌の方法は、特に限定はないが、例えば、プロペラ状の撹拌子を回転させる撹拌子式撹拌機を使用してもよく、棒や板などを使用してもよい。また、撹拌時間は、スラリーを均質化できればよく、好ましくは1~10分間である。分離工程においては、メタン発酵不適物を多く含む相と液相とに十分に沈降分離できればよい。沈降分離によりメタン発酵不適物を除去する場合、撹拌後の静置時間は、好ましくは、0.5~2時間である。遠心分離によりメタン発酵不適物を除去する場合、好ましくは、3000~5000rpm、5~15分である。ろ過分離によりメタン発酵不適物を除去する場合、好ましくは、目開きが2メッシュ(目開き10mm)程度の網目を有するスクリーンメッシュや孔径が10mm程度のフィルターを使用する。メタン発酵不適物が除去された液相(液相スラリー)は、液相スラリー供給手段21により消化槽(メタン発酵槽)30に輸送される。分離装置20は、破砕機10が設置されている場所付近に設置されてもよく、消化槽(メタン発酵槽)30が設置されている処理施設に設置されていてもよい。いずれの場合においても、メタン発酵不適物が除去された液相は、図2に示すように、液相スラリー供給手段21のポンプPによって配管を利用して輸送されてもよく、車両によって輸送されてもよい(不図示)。液相スラリーが、ポンプPによって輸送される場合は、加水により固形物濃度を調整してもよい。また、液相スラリーが、車両により輸送される場合は、液相スラリーを濃縮して軽量化してもよく、濃縮により分離した水は、スラリーの固形物濃度を調整するために添加する水として再利用されてもよい。なお、液相スラリー供給手段21のポンプPとしては、特に限定はないが、一軸偏心ねじポンプ、ダイアフラム式スラリーポンプ、回転羽根式スラリーポンプ等を利用することができる。また、配管の長さは、100m以上、好ましくは300m以上、更に好ましくは1,000m以上である。さらに、配管は、消化槽(メタン発酵槽)30が設置された処理施設内に破砕機10が設置される場合、前記破砕機10と前記消化槽(メタン発酵槽)30とが接続されるように設置されてもよく、また、消化槽(メタン発酵)30が設置された処理施設の外(池、湖沼、河川など水草を刈り取る場所)に破砕機10が設置される場合、前記破砕機10と前記消化槽(メタン発酵槽)30とが直接接続されるように設置されてもよい。
[水草]
水草とは、水中や水辺に生息する草や藻などの水生植物である。池、湖沼、河川に異常繁茂する水草としては、ホテイアオイ、ナガエツルノゲイトウ、ブラジルチドメグサ、ボタンウキクサ、オオカナダモ、コカナダモ、オオフサモ、オオサンショウモ、ハゴロモモ、オランダガラシ、アメリカミズユキノシタ、ウチワゼニクサ、イケノミズハコベ、ハビコリハコベ、オオバナイトタヌキモ、エフクレタヌキモ、ヒロハオモダカ、ナガバオモダカ、クロモモドキ、アマゾントチカガミ、キショウブ、コゴメイ、チクゴスズメノヒエ、アサハタヤガミスゲ、ショロガヤツリ、メリケンガヤツリ等が挙げられる。これらの水草は、池、湖沼、河川に入ることで爆発的に増殖したものである。水草の異常繁茂は、生態系に影響を与え、景観を損ねるとともに、水路に繁茂すると農業被害を引き起こし、また、船の航行を妨げ、漁業にも支障をきたすことから、定期的に刈り取られて、処分される。
水草はリグノセルロース系バイオマスであることから、メタン発酵の原料として有効活用することができる。水草は植物細胞の細胞壁の主成分であるリグノセルロースを含み、リグノセルロースは、ヘミセルロース、セルロース、及びリグニンが強固に結合されることにより構成されている。メタン発酵槽内には、リグノセルロースを分解する酵素を産生するリグノセルロース分解細菌が多数存在する。水草のリグノセルロースが分解されると、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の揮発性脂肪酸が生産され、これらを基質としてメタン生成細菌によりバイオガスが生成される。
水草は高含水性(含水率92~98%)であるため、揉摺機で破砕されると、スラリー状となる。また、スラリー状の水草は、繊維が破壊されているため、リグノセルロース分解処理とそれに続くメタン発酵処理がより効率的に進行し、バイオガス生成量の増大が期待できる。
(水草処理試験)
湖に異常繁茂した水草(主にナガエツルノゲイトウ)を刈り取り、破砕してスラリー状とし、メタン発酵試験を行った。0.1g‐DS(Dissolved Solid)水草スラリー/g‐VSS(volatile suspended solid)消化汚泥となるように負荷を設定し、35℃で21日間、振とうしながら培養したときのバイオガスの発生量を測定した。その結果、バイオガス発生量は、11.1Nm3/t‐水草スラリー(DS7%)であった。
次に、A市の浄化センターの消化槽条件を用いて、水草処理適用を検討した。近隣の湖に異常繁茂した水草(主にナガエツルノゲイトウ)を刈り取り、破砕してスラリー状とし、消化槽に投入した場合におけるバイオガスの発生量を試算した。以下、試算例を示す。
[試算例1]
湖から刈り取られた水草を、揉摺機で破砕して破砕物の大きさを10mm以下とし、スラリー状の水草とした。浄化センターに設置されている消化槽の運転実績の下水汚泥267t/d(DS 4%)に近隣の湖から収集される水草重量の実績の6.2t/d(DS 7%)を供給したとして、一日あたりのバイオガスの発生量を試算した。
[試算例2]
湖から刈り取られた水草を、一般的に使用されるせん断機による切断のみで処理した場合、破砕物の大きさは200mm程度となる。この場合、湖から離れたところに位置する浄化センターの消化槽まで配管を利用したポンプ輸送を行うと、途中でスラリー供給ラインが詰まることが想定されるため現実的ではない。そこで、消化槽に下水汚泥267t/d(DS 4%)のみを供給したと想定して一日あたりのバイオガスの発生量を試算した。
試算例1および試算例2における、バイオガスの発生量を表1に示す。
Figure 2023067391000002
バイオガスの発生量は、試算例1において6173Nm3/d(水草由来70Nm3/d、汚泥由来6103Nm3/d)であり、試算例2においては6103Nm3/dとなる。試算例1においては、スラリー状の水草を消化槽に供給することにより、バイオガス発生量が増加する。刈り取られた水草を湖付近で破砕してスラリー状とすることで、水草を運搬するためのコストや取り扱いの手間を低減することができるとともに、大量の水草を効率的に処理することができる。
上記のとおり、水を添加することなく水草を破砕してスラリー化し、スラリー状の水草をメタン発酵槽に供給して、メタン発酵槽内においてスラリー状の水草を原料としてメタン発酵を行うことにより、池、湖沼、河川から刈り取られた大量の水草を処理施設まで運搬するためのコストや取り扱いの手間を低減するとともに、大量の水草を効率的に処分することができることが明らかとなった。本発明によると、水草の発生している池、湖沼、河川にて水草の破砕を行い、含水率90%以上のスラリー状とすることにより、通常、水処理で利用される配管を用いてポンプ輸送することができるため、水草の採取場所から処理施設までの距離が離れていても、水草のポンプ輸送が可能となる。
上記の実施形態は次のように変更可能である。
上記の実施形態は、スラリー化した水草が下水汚泥とともに消化槽で処理されているが、スラリー化した水草が単独でメタン発酵槽で処理されてもよい。
上記の実施形態は、分離装置20、および分離工程を備える。本発明において、分離装置20、および分離工程は必須ではない。
本発明の水草のメタン発酵処理方法及び水草のメタン発酵処理システムは、水草などの高含水性の有機性廃棄物の処理において利用可能である。
10:破砕機
11:スラリー供給管(スラリー供給手段)
20:分離装置
21:液相スラリー供給管(液相スラリー供給手段)
30:消化槽(メタン発酵槽)
100、101:メタン発酵処理システム
B:水草
G:バイオガス
S:下水汚泥
U:発酵不適物
W:水
P:ポンプ
R:発酵残渣

Claims (4)

  1. 水を添加することなく水草を破砕してスラリー化する破砕工程と、
    前記破砕工程で得られたスラリーをメタン発酵槽に供給するスラリー供給工程と、
    前記メタン発酵槽内において前記スラリーを原料としてメタン発酵を行うメタン発酵工程と、
    を備える水草のメタン発酵処理方法。
  2. 前記破砕工程で得られた前記スラリーに水を添加して撹拌後、沈降分離、遠心分離、及びろ過分離のうち少なくともいずれか一つにより発酵不適物を分離して除去する分離工程をさらに備える請求項1に記載の水草のメタン発酵処理方法。
  3. 水を添加することなく水草を破砕してスラリー化する破砕機と、
    前記破砕機により前記水草が破砕されて得られたスラリーをメタン発酵槽に供給するスラリー供給手段と、
    前記スラリーを原料としてメタン発酵を行うメタン発酵槽と、
    を備える水草のメタン発酵処理システム。
  4. 前記破砕機は前記水草の採取場所に設置され、前記スラリー供給手段は配管を利用したポンプ輸送である請求項3に記載のメタン発酵処理システム。
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