JP2023067119A - 第1コネクタ及びコネクタモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】接続対象物を保持するときの堅牢性及び信号伝送における伝送特性の両方を向上させることが可能な第1コネクタを提供する。【解決手段】本開示に係る第1コネクタ10は、複数の接触線42を有する接続対象物40に取り付けられる第1コネクタ10であって、接続対象物40を保持する第1インシュレータ20と、第1インシュレータ20に取り付けられている金属部材30と、を備え、金属部材30は、板状に形成されている基部31と、接触線42の延在方向に沿って基部31から延出する第1延出部32aと、第1延出部32aに形成され、少なくとも1つの接触線42の露出部Rと延在方向に沿って対向する対向部32a1と、対向部32a1から屈曲して延出し、かつ延在方向と直交する接続対象物40の板厚方向に沿って接続対象物40の先端と対向する第2延出部32bと、を有する。【選択図】図10
Description
本開示は、第1コネクタ及びコネクタモジュールに関する。
近年、例えばPC(Personal Computer)などを含む情報処理機器、産業機器、及び車載機器などを含む電子機器において、信号の伝送速度の高速化が進んでいる。フレキシブルフラットケーブル(FFC)及びフレキシブルプリント回路基板(FPC)などを回路基板と電気的に接続するコネクタにおいても高速伝送に対応した設計が要求される。
例えば、特許文献1には、付加的な操作を行うことなく、信号伝送経路の電磁遮蔽を良好に行うことを可能とする電気コネクタが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の電気コネクタでは、高速伝送における信号伝送特性の向上については十分に考慮されていなかった。
加えて、特許文献1に記載の電気コネクタでは、FFCなどの接続対象物を保持した第1コネクタを第2コネクタに挿入するような構成について考慮されていなかった。このような第1コネクタが、接続対象物と接触する板状の金属部材を有するとき、例えば接続対象物と金属部材との接触部に組立装置のアーム、他の電子部品、及び回路基板などが接触して金属部材が捲れることが問題となる。すなわち、接続対象物を保持する第1コネクタの堅牢性が低かった。
以上のような問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、接続対象物を保持するときの堅牢性及び信号伝送における伝送特性の両方を向上させることが可能な第1コネクタ及びコネクタモジュールを提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る第1コネクタは、
複数の接触線を有する接続対象物に取り付けられる第1コネクタであって、
前記接続対象物を保持する第1インシュレータと、
前記第1インシュレータに取り付けられている金属部材と、
を備え、
前記金属部材は、
板状に形成されている基部と、
前記接触線の延在方向に沿って前記基部から延出する第1延出部と、
前記第1延出部に形成され、少なくとも1つの前記接触線の露出部と前記延在方向に沿って対向する対向部と、
前記対向部から屈曲して延出し、かつ前記延在方向と直交する前記接続対象物の板厚方向に沿って前記接続対象物の先端と対向する第2延出部と、
を有する。
複数の接触線を有する接続対象物に取り付けられる第1コネクタであって、
前記接続対象物を保持する第1インシュレータと、
前記第1インシュレータに取り付けられている金属部材と、
を備え、
前記金属部材は、
板状に形成されている基部と、
前記接触線の延在方向に沿って前記基部から延出する第1延出部と、
前記第1延出部に形成され、少なくとも1つの前記接触線の露出部と前記延在方向に沿って対向する対向部と、
前記対向部から屈曲して延出し、かつ前記延在方向と直交する前記接続対象物の板厚方向に沿って前記接続対象物の先端と対向する第2延出部と、
を有する。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係るコネクタモジュールは、
上記の第1コネクタと、
前記第1コネクタと嵌合する第2コネクタと、
を備えるコネクタモジュールであって、
前記第2コネクタは、
前記第1インシュレータと嵌合する第2インシュレータと、
前記第2インシュレータに取り付けられている第1コンタクト及び第2コンタクトと、
を備え、
前記第1コンタクトは、前記金属部材に接触し、
前記第2コンタクトは、前記接触線に接触する。
上記の第1コネクタと、
前記第1コネクタと嵌合する第2コネクタと、
を備えるコネクタモジュールであって、
前記第2コネクタは、
前記第1インシュレータと嵌合する第2インシュレータと、
前記第2インシュレータに取り付けられている第1コンタクト及び第2コンタクトと、
を備え、
前記第1コンタクトは、前記金属部材に接触し、
前記第2コンタクトは、前記接触線に接触する。
本開示の一実施形態に係る第1コネクタ及びコネクタモジュールによれば、接続対象物を保持するときの堅牢性及び信号伝送における伝送特性の両方を向上させることが可能である。
以下、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について詳細に説明する。以下の説明中の前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準とする。各矢印の方向は、異なる図面同士で互いに整合している。図面によっては、簡便な図示を目的として、後述する回路基板CBの図示を省略する。
図1は、接続対象物40を保持する第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに接続されている状態の一実施形態に係るコネクタモジュール1を上面視で示した外観斜視図である。図2は、接続対象物40を保持する第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに分離した状態の一実施形態に係るコネクタモジュール1を上面視で示した外観斜視図である。図1及び図2を参照しながら、一実施形態に係るコネクタモジュール1及び第1コネクタ10の構成について主に説明する。
コネクタモジュール1は、互いに接続可能な第1コネクタ10及び第2コネクタ50を有する。
一実施形態に係る第2コネクタ50は、回路基板CBに実装されている。回路基板CBは、リジッド基板であってよいし、又はそれ以外の任意の回路基板であってもよい。第2コネクタ50は、第1コネクタ10と共に第2コネクタ50に挿入された接続対象物40と回路基板CBとを電気的に接続する。第2コネクタ50は、第1コネクタ10を介して接続対象物40を挿抜可能であり、接続対象物40の挿入状態で接続対象物40と接続される。
第2コネクタ50は、第2インシュレータ60と、第1コンタクト70aと、第2コンタクト70bと、第2金属部材80と、を有する。第1コンタクト70a、第2コンタクト70b、及び第2金属部材80は、第2インシュレータ60に取り付けられている。
第1コネクタ10は、接続対象物40を保持している。例えば、第1コネクタ10は、前方から後方に向けて挿入される接続対象物40を受け入れて、接続対象物40の左右方向の両端部を支持することで接続対象物40全体を保持する。
第1コネクタ10によって保持されている接続対象物40は、一例として、FFCである。しかしながら、これに限定されず、接続対象物40は、第1コネクタ10及び第2コネクタ50を介して回路基板CBと電気的に接続されるものであれば、任意のケーブルであってよい。例えば、接続対象物40は、FPCであってもよい。接続対象物40は、以上のようなケーブルに限定されず、任意の対象物を含んでもよい。例えば、接続対象物40は、リジッド基板又はそれ以外の任意の回路基板を含んでもよい。
第1コネクタ10は、接続対象物40を保持した状態で第2コネクタ50と接続可能である。第1コネクタ10は、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに接続する接続状態で第2インシュレータ60と嵌合する第1インシュレータ20を有する。第1コネクタ10は、第1インシュレータ20に取り付けられている第1金属部材30を有する。
接続対象物40は、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが互いに嵌合する嵌合状態で第2コンタクト70bに接触する。第1金属部材30は、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが互いに嵌合する嵌合状態で第1コンタクト70aに接触する。
以下では、例えば、一実施形態に係る第2コネクタ50はリセプタクルコネクタであり、第1コネクタ10はプラグコネクタであるとして説明する。すなわち、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが互いに嵌合する嵌合状態において、第1コンタクト70a及び第2コンタクト70bが弾性変形する第2コネクタ50をリセプタクルコネクタとし、接続対象物40を保持している第1コネクタ10をプラグコネクタとして説明する。第1コネクタ10及び第2コネクタ50の種類は、これらに限定されない。例えば、第2コネクタ50がプラグコネクタの役割を果たし、第1コネクタ10がリセプタクルコネクタの役割を果たしてもよい。
以下では、接続対象物40は、第2コネクタ50が実装されている回路基板CBに対して平行方向に第2コネクタ50に挿入されるとして説明する。すなわち、接続対象物40は、一例として前後方向に沿って第2コネクタ50に挿入される。これに限定されず、接続対象物40は、第2コネクタ50が実装されている回路基板CBに対して直交方向に第2コネクタ50に挿入されてもよい。すなわち、接続対象物40は、上下方向に沿って第2コネクタ50に挿入されてもよい。
以下で使用する「接触線の延在方向」は、一例として前後方向を意味する。「挿抜方向」は、一例として前後方向を意味する。「接触線の延在方向と直交する接続対象物の板厚方向」は、一例として上下方向を意味する。「接触線の延在方向と直交する複数の接触線の配列方向」は、一例として左右方向を意味する。「接続対象物の先端」は、一例として接続対象物における後側の先端を意味する。「抜去側」は、一例として前側を意味する。「挿入側」は、一例として後側を意味する。
図3は、第1コネクタ10に保持されていない状態の接続対象物40を上面視で示した外観斜視図である。図4は、第1コネクタ10に保持されていない状態の接続対象物40を下面視で示した外観斜視図である。図3及び図4を参照しながら、第1コネクタ10に保持される接続対象物40の構成について主に説明する。
接続対象物40は、複数の薄膜材を互いに接着して構成した積層構造を有する。接続対象物40は、接続対象物40の延長方向、すなわち接続対象物40を挿抜する挿抜方向の先端部を構成しかつその他の部分に比べて硬い補強部41を有する。接続対象物40は、挿抜方向に沿って直線的に延びかつ補強部41の先端まで延びる複数の接触線42を有する。接触線42は、接続対象物40の先端で下方に向けて露出する。
接続対象物40は、接続対象物40の抜去側で接触線42の一部を下側の最外層にて覆う第1グランド部43を有する。第1グランド部43は、前方から後方に向けて平板状に延在し、その先端において斜め上方に折れている。接続対象物40は、接触線42の略全体を上側の最外層にて覆う第2グランド部44を有する。第2グランド部44は、前方から後方に向けて平板状に延在し、補強部41の前端縁部において斜め上方に折れながら第2グランド部44の先端部において補強部41の上方に積層されている。
接続対象物40は、補強部41を含む接続対象物40の先端部の前後方向に沿った端縁部において、中央部を左右方向の内側に向けて切り欠いた被ロック部45を有する。被ロック部45は、補強部41を含む接続対象物40の先端部において左右方向の両側に形成されている。
図5は、接続対象物40を保持する図1の第1コネクタ10を上面視で示した外観斜視図である。図6は、接続対象物40を保持する図1の第1コネクタ10を下面視で示した外観斜視図である。図7は、図6の一点鎖線囲み部VIIを拡大した拡大図である。図8は、第1金属部材30単体を上面視で示した外観斜視図である。図9は、図6のIX-IX矢線に沿う断面図である。図10は、図6のX-X矢線に沿う断面図である。図11は、図6のXI-XI矢線に沿う断面図である。図5乃至図11を参照しながら、一実施形態に係る第1コネクタ10の構成について主に説明する。
第1インシュレータ20は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料を射出成形した左右対称の箱形の部材である。第1インシュレータ20は、上下左右方向の4つの外壁を有し、全体として矩形状に形成されている外周壁21を有する。外周壁21は、天井壁21aと、底壁21bと、一対の側壁21cと、を有する。図7に示すとおり、第1インシュレータ20は、側壁21cから、天井壁21a及び底壁21bよりも接続対象物40の挿入側に突出している突出部22を有する。
図9乃至図11に示すとおり、第1インシュレータ20は、外周壁21によって上下左右方向を囲まれている挿入部23を有する。図9に示すとおり、第1インシュレータ20は、突出部22の内部に凹設されている保持部24を有する。第1インシュレータ20は、側壁21cの前後方向の中央部から保持部24の前後方向の中央部に至るまで延出するロック部25を有する。ロック部25は、上下方向に沿って弾性変形可能である。図10及び図11に示すとおり、第1インシュレータ20は、底壁21bの上面に沿って形成されている取付部26を有する。
第1金属部材30は、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図8に示す形状に成形加工したものである。第1金属部材30は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させることで形成されている。第1金属部材30の加工方法はこれに限定されず、例えば抜き加工の工程のみを含んでもよい。第1金属部材30の表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫などによる表層めっきが施されている。ニッケルめっき及び表層めっきを含むめっきは必要な個所に部分的に施されていてもよい。
第1金属部材30は、前後左右方向に板状に形成されている第1基部31を有する。第1基部31は、前後左右方向に広がる平板として形成されている第1部分31aと、第1部分31aの後縁部から斜め上方に折れ曲がって再度水平に延在する第2部分31bと、を含む。
第1金属部材30は、第1基部31、例えば第2部分31bの後縁部から後方に向けて延出する第1延出部32aを有する。第1延出部32aは、第2部分31bの後縁部から斜め上方に折れ曲がり、第1延出部32aの後端部において再度水平に延在する。第1延出部32aは、第2部分31bに接続されている部分から斜め上方に延出している部分の中央部に至るまで左右方向に幅広に形成されており、当該中央部において先細りとなるように形成されている。第1延出部32aは、斜め上方に延出している部分の後部から第1延出部32aの後端に至るまで左右方向に幅狭に形成されている。第1延出部32aは、上下方向に沿って弾性変形可能である。
第1金属部材30は、第1延出部32aに形成されている対向部32a1を有する。対向部32a1は、第1延出部32aにおいて水平に延在する後端部の略全体を含む。
第1金属部材30は、第1延出部32aから屈曲して延出し、上下方向に沿って延在する第2延出部32bを有する。第2延出部32bは、第1延出部32aにおいて幅狭に形成されている後端部と同一の左右幅で第1延出部32aと連続的に接続されている。第1金属部材30は、第2延出部32bから屈曲して延出し、前後方向に沿って延在する第3延出部32cを有する。第3延出部32cは、第2延出部32bと同一の左右幅で第2延出部32bと連続的に接続されている。第1延出部32aにおいて幅狭に形成されている後端部、第2延出部32b、及び第3延出部32cは、左右方向の側面視においてU字状に一体的に形成されている。
第1延出部32a、第2延出部32b、及び第3延出部32cを含む延出部32は、第1金属部材30において左側に2組、右側に2組で合計4組形成されている。延出部32は、左右方向に沿って互いに離間した状態で配列されている。第1延出部32a、第2延出部32b、及び第3延出部32cは、前後方向に沿った一の直線を中心に全体として左右対称となるように形成されている。
第1金属部材30は、複数の第3延出部32cのうち左右方向に沿って互いに隣接する一対の第3延出部32cを左右方向に沿って連結する連結部33を有する。連結部33は、後方に延出したのち第2延出部32bにおいて前方に折り返すように形成されている延出部32の前端部に接続されている。連結部33は、第2部分31bにおいて斜め上方に延在している部分及び第1部分31aの後部の一部と上下方向に対向する。連結部33は、第3延出部32cの前端部に接続されている部分から前方に向けて斜め上方に折れ曲がるように延出し、連結部33の頂上部分から前方に向けて斜め下方に折り返すように延出する。
第1金属部材30は、第1基部31の第1部分31aの前後方向の中央部において左右方向に沿って一定間隔で配列されている複数の跳上部34を有する。跳上部34は、第1部分31aから斜め上方に直線状に延出し、跳上部34の後端部において上方に向けて屈曲する。跳上部34は、第1部分31aに接続されている部分から後端部に至るまで左右方向の幅が連続的に減少するようにテーパ状に形成されている。跳上部34の全体は、第1部分31aにおいて板厚方向に切り欠かれている部分の上方に位置する。跳上部34は、上下方向に沿って弾性変形可能である。跳上部34は、延出部32と同一直線上に配置されておらず、左右方向にずれた位置に形成されている。
第1金属部材30は、第1基部31の第1部分31aの左右方向の両端縁部に形成されている係止部35を有する。
図5乃至図11に示すとおり、第1コネクタ10は、第1金属部材30が前方から後方に向けて第1インシュレータ20の前側から第1インシュレータ20に挿入されることで組み立てられる。第1金属部材30は、第1インシュレータ20の取付部26に取り付けられた状態で第1インシュレータ20に保持されている。
以下では、第1金属部材30が第1インシュレータ20に取り付けられたときの第1コネクタ10の機能について主に説明する。
第1金属部材30が第1インシュレータ20に取り付けられると、図6に示すとおり、係止部35は、側壁21cの左右方向の内面に係止する。第1基部31の第1部分31aの左右方向の両端縁部における後側の角部は、側壁21cにおいて前方を向く内面と対向する。
図10及び図11に示すとおり、第1金属部材30は、第1コネクタ10の底壁21bに沿って第1コネクタ10の下部の略全体に配置されている。第1基部31の第1部分31aは、底壁21bの上面に接触する。第1延出部32aは、底壁21bの後端から後方に向けて斜め上方に延出する。跳上部34の後端部は、挿入部23の内部に位置する。
接続対象物40は、第1金属部材30が第1インシュレータ20に取り付けられている状態で、前方から後方に向けて第1インシュレータ20の挿入部23の前側から挿入部23に挿入される。以下では、接続対象物40が第1インシュレータ20に挿入され、第1コネクタ10が接続対象物40に取り付けられたときの第1コネクタ10の機能について主に説明する。
図9に示すとおり、接続対象物40が挿入部23に挿入され、第1コネクタ10が接続対象物40に取り付けられると、第1インシュレータ20の保持部24は、接続対象物40の先端を収容した状態で接続対象物40を保持する。ロック部25は、被ロック部45と係合する。これにより、ロック部25は、第1コネクタ10に対する接続対象物40の抜け止めとして機能し、第1コネクタ10に対する意図しない接続対象物40の抜去を抑制する。以上により、第1コネクタ10は、接続対象物40を安定して保持する。
図10に示すとおり、第1延出部32aは、接触線42の延在方向に沿って第1基部31の第2部分31bから接続対象物40の先端に向けて延出する。第1延出部32aに形成されている対向部32a1は、少なくとも1つの接触線42の露出部Rと接触線42の延在方向に沿って対向する。対向部32a1は、接続対象物40の先端まで位置する接触線42の露出部Rに沿って接続対象物40の先端まで延在する。対向部32a1は、接触線42の露出部Rにおける中央部及び後部の全体をその後側の先端に至るまで下方から連続的に覆う。
図7にも示すとおり、対向部32a1は、少なくとも1つの接触線42の露出部Rと接触する。一の対向部32a1は、左右方向に沿って互いに隣接する2つの接触線42に接触する。第1延出部32aは、下方に向けて弾性変形した状態で対向部32a1を介して接続対象物40に接触する。
複数の対向部32a1のうち、左右方向に隣り合う一対の対向部32a1は、接触線42の延在方向と直交する複数の接触線42の配列方向に少なくとも1つの接触線42の露出部Rを挟むように位置する。例えば、隣り合う一対の対向部32a1は、複数の接触線42の露出部Rを複数の接触線42の配列方向に挟むように位置する。
図10に示すとおり、対向部32a1から屈曲して延出する第2延出部32bは、接触線42の延在方向と直交する接続対象物40の板厚方向に沿って接続対象物40の先端と対向する。第2延出部32bは、接続対象物40の先端と前後方向に離間し、接続対象物40の先端の一部を後方から覆う。対向部32a1及び第2延出部32bは、接続対象物40の先端の一部を下方及び後方の2方向から一体的に覆う。
第3延出部32cは、第2延出部32bから屈曲して延出し、接触線42の延在方向に沿って接続対象物40と対向する。第3延出部32cは、接続対象物40の第2グランド部44と上下方向に離間し、第2グランド部44の一部を上方から覆う。対向部32a1、第2延出部32b、及び第3延出部32cは、接続対象物40の先端の一部を下方、後方、及び上方の3方向から一体的に覆う。
第1延出部32aは、複数の接触線42を覆う接続対象物40の第1グランド部43と接触線42の延在方向に沿って対向する。例えば、第1延出部32aにおいて斜め上方に延出している部分の中央部から前方に位置する部分は、第1グランド部43において斜め上方に折れている部分と上下方向に離間して対向する。
第1基部31の第2部分31bは、第1部分31aから後方に向けて延出し、第1グランド部43に接触する。第2部分31bは、第1延出部32aよりも接続対象物40の先端の反対側に位置する。第2部分31bは、第1延出部32aと、上下方向において接続対象物40に対し同一側に位置する。
図8にも示すとおり、連結部33は、接触線42の延在方向と直交する複数の接触線42の配列方向に沿って複数の第3延出部32cを連結する。例えば、連結部33は、複数の第3延出部32cのうち左右方向に沿って互いに隣接する一対の第3延出部32cを左右方向に沿って連結する。一の連結部33は、左側の2組の延出部32を左右方向に沿って連結する。他の連結部33は、右側の2組の延出部32を左右方向に沿って連結する。
図10に示すとおり、第1部分31aの後部、第2部分31b、延出部32、及び連結部33は、補強部41を含む接続対象物40の先端部の一部を下方、後方、及び上方の3方向から一体的に覆う。
図11に示すとおり、跳上部34は、第1基部31から後方に向けて延出し、第1グランド部43に接触する。跳上部34は、第1延出部32aよりも接続対象物40の先端の反対側に位置する。跳上部34は、下方に向けて弾性変形した状態で接続対象物40に接触する。
跳上部34は、上下方向において、接続対象物40に対し第1延出部32aと同一側に位置する。跳上部34は、第1延出部32aに対して、接触線42の延在方向に沿って直線状に配置されておらず、左右方向に沿ってずれた位置に形成されている。
図12は、図1の第2コネクタ50単体を後方から上面視で示した外観斜視図である。図13は、図1の第2コネクタ50単体を前方から上面視で示した外観斜視図である。図14は、図13の第2コネクタ50単体の分解斜視図である。図12乃至図14を主に参照しながら、一実施形態に係る第2コネクタ50の構成について説明する。
第2コネクタ50は、一例として以下の方法で組み立てられる。すなわち、第2インシュレータ60の後方から第1コンタクト70a及び第2コンタクト70bを第2インシュレータ60の内部に圧入する。第2インシュレータ60の上方からその全体を覆うように第2金属部材80を第2インシュレータ60に圧入する。図1を参照すると、第2コネクタ50は、回路基板CB上に実装される。第2コネクタ50は、第1コンタクト70a及び第2コンタクト70bを介して接続対象物40と回路基板CBとを電気的に接続する。
図14に示すとおり、第2インシュレータ60は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料を射出成形した左右対称の箱形の部材である。これに限定されず、第2インシュレータ60は、左右非対称に形成されていてもよい。第2インシュレータ60は、上下左右方向の4つの外壁を有し、全体として矩形状に形成されている外周壁61を有する。外周壁61は、天井壁61aと、底壁61bと、一対の側壁61cと、を有する。
図12に示すとおり、第2インシュレータ60は、天井壁61a及び一対の側壁61cと連続して形成されている後壁62を有する。図13及び図14に示すとおり、第2インシュレータ60は、外周壁61によって上下左右方向を囲まれている挿入部63を有する。挿入部63の前側は、第2インシュレータ60の開口により大きく開放されている。一方で、挿入部63の後側は、後壁62により塞がれている。
図14に示すとおり、第2インシュレータ60は、天井壁61aの左右方向の両端部に形成され、天井壁61aの上面から挿入部63に至るまで天井壁61aを貫通する第1孔部64aを有する。第1孔部64aは、前後方向に沿った天井壁61aの略全体にわたり直線状に延在する。
第2インシュレータ60は、天井壁61aの前縁部において、左右方向に互いに離間しながら配列されている複数の第2孔部64bを有する。図12に示すとおり、第2インシュレータ60は、後壁62の上縁部において、左右方向に互いに離間しながら配列されている複数の第3孔部64cを有する。
図13及び図14に示すとおり、第2インシュレータ60は、後壁62の外面から挿入部63の内部に至るまで前後方向に沿って延在するように凹設されている複数のコンタクト取付溝65を有する。複数のコンタクト取付溝65は、互いに所定の間隔で離間して左右方向に配列されている。コンタクト取付溝65は、第1コンタクト取付溝65a及び第2コンタクト取付溝65bを含む。第1コンタクト取付溝65aは、図14に示す第1コンタクト70aの数及び取付位置に適合する位置に凹設されている。第2コンタクト取付溝65bは、図14に示す第2コンタクト70bの数及び取付位置に適合する位置に凹設されている。
第1コンタクト70aは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含むばね弾性を備えた銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図14に示す形状に成形加工したものである。第1コンタクト70aは、抜き加工のみにより形成されている。第1コンタクト70aの加工方法はこれに限定されず、例えば抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含んでもよい。第1コンタクト70aの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫などによる表層めっきが施されている。第1コンタクト70aは、第2コネクタ50において左側に4つ、右側に4つで合計8つ配列されている。
第1コンタクト70aは、矩形状に形成され、上縁部に突起を有する係止部71aを有する。第1コンタクト70aは、係止部71aの下端部からL字状に後方に延出する実装部72aを有する。第1コンタクト70aは、係止部71aの前端部から屈曲しながら前方に延出する第1接触部73aを有する。
第2コンタクト70bは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含むばね弾性を備えた銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図14に示す形状に成形加工したものである。第2コンタクト70bは、抜き加工のみにより形成されている。第2コンタクト70bの加工方法はこれに限定されず、例えば抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含んでもよい。第2コンタクト70bの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫などによる表層めっきが施されている。第2コンタクト70bは、第2コネクタ50において左右方向に互いに離間した状態で複数配列されている。
第2コンタクト70bは、矩形状に形成され、上縁部に突起を有する係止部71bを有する。第2コンタクト70bは、係止部71bの下端部からL字状に後方に延出する実装部72bを有する。第2コンタクト70bは、係止部71bの前端部から屈曲しながら前方に延出する第2接触部73bを有する。
第2金属部材80は、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図14に示す形状に成形加工したものである。第2金属部材80は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させることで形成されている。第2金属部材80の加工方法はこれに限定されず、例えば抜き加工の工程のみを含んでもよい。
第2金属部材80は、その上部を構成しかつ板状に形成されている第2基部81を有する。図12に示すとおり、第2金属部材80は、第2基部81から屈曲しながら下方に延出する第3基部82を有する。
図14に示すとおり、第2金属部材80は、第2基部81の前縁部からクランク状に延出する複数の第1爪部83を有する。複数の第1爪部83は、左右方向に互いに離間しながら配列されている。第1爪部83は、第2金属部材80が第2インシュレータ60に取り付けられている状態で、第2インシュレータ60の第2孔部64bと係合する。
図12及び図14に示すとおり、第2金属部材80は、第3基部82の下縁部から前方に向けて折り返すように突出する複数の第2爪部84を有する。複数の第2爪部84は、左右方向に互いに離間しながら配列されている。第2爪部84は、第2金属部材80が第2インシュレータ60に取り付けられている状態で、図12に示す第2インシュレータ60の第3孔部64cと係合する。
第2金属部材80は、第2基部81の後縁部における左右方向の両端部からU字状に下方に延出する第1係止部85aを有する。第1係止部85aは、第2金属部材80が第2インシュレータ60に取り付けられている状態で、図12に示す第2インシュレータ60の後壁62に係止する。第2金属部材80は、第2基部81の左右方向の端縁部から屈曲しながら下方に向けて延出する第2係止部85bを有する。第2係止部85bは、第2金属部材80が第2インシュレータ60に取り付けられている状態で、図13に示す第2インシュレータ60の側壁61cに係止する。第2金属部材80は、第2係止部85bの下縁部の前端から屈曲しながら左右方向の外側に延出する実装部86を有する。
図12及び図14に示すとおり、第2金属部材80は、第2基部81の左右方向の両端部から斜め下方に向けて直線状に延出する係合部87を有する。係合部87は、上下方向に沿って弾性変形可能である。
図1を参照すると、第2コネクタ50は、回路基板CBの上面に形成された回路形成面に実装される。より具体的には、第1コンタクト70aの実装部72aは、回路基板CB上のパターンに塗布したはんだペーストに載置される。第2コンタクト70bの実装部72bは、回路基板CB上のパターンに塗布したはんだペーストに載置される。第2金属部材80の実装部86は、回路基板CB上のパターンに塗布したはんだペーストに載置される。リフロー炉などにおいて各はんだペーストを加熱溶融することで、実装部72a、実装部72b、及び実装部86は、上記パターンにはんだ付けされる。結果、第2コネクタ50の回路基板CBへの実装が完了する。回路基板CBの回路形成面には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、コントローラ、又はメモリなどの第2コネクタ50とは別の電子部品が実装される。
図15は、図12のXV-XV矢線に沿う断面図である。図16は、図12のXVI-XVI矢線に沿う断面図である。図17は、図12のXVII-XVII矢線に沿う断面図である。以下では、第1コネクタ10が接続対象物40を保持した状態で第2コネクタ50に接続されている接続状態でのコネクタモジュール1の機能について主に説明する。
図9及び図15に示すとおり、第1インシュレータ20の突出部22は、第2インシュレータ60の挿入部63に受け入れられる。第2金属部材80の係合部87は、第2インシュレータ60の第1孔部64aを介して挿入部63の内部にまで至る。第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに嵌合すると、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが互いに嵌合する。このような嵌合状態で、第1インシュレータ20の保持部24と第2金属部材80の係合部87とが互いに係合する。
図16に示すとおり、第1コンタクト70aは、第2インシュレータ60の第1コンタクト取付溝65aに係止することで第2インシュレータ60に取り付けられている。第1コンタクト70aの第1接触部73aは、第1金属部材30に接触する。より具体的には、第1接触部73aは、第1金属部材30の第1延出部32aに接触する。このとき、第1接触部73aは下方に向けて弾性変形する。第1接触部73aは、上下方向において、接続対象物40に対し第1延出部32aと同一側に位置する。
以上のとおり、第1コンタクト70aは、第1コネクタ10の第1金属部材30に接触する。第1コンタクト70aは、一例としてグランド用に用いられる。
図17に示すとおり、第2コンタクト70bは、第2インシュレータ60の第2コンタクト取付溝65bに係止することで第2インシュレータ60に取り付けられている。第2コンタクト70bの第2接触部73bは、接続対象物40の接触線42に接触する。このとき、第2接触部73bは下方に向けて弾性変形する。第2接触部73bは、上下方向において、接続対象物40に対し第1延出部32aと同一側に位置する。
以上のとおり、第2コンタクト70bは、接続対象物40の接触線42に直接接触する。第2コンタクト70bは、一例として信号用に用いられる。
以下では、主に第1コネクタ10に着目してその効果に関する説明を行うが、第1コネクタ10を有するコネクタモジュール1についても同様の説明が当てはまる。
以上のような一実施形態に係る第1コネクタ10によれば、信号伝送における伝送特性を向上させることが可能である。第1金属部材30が、接触線42の露出部Rと対向する対向部32a1を有することで、対向部32a1が接触線42の対応する部分に近接する。これにより、対向部32a1の近傍において接触線42の特性インピーダンスが減少する。より具体的には、電気伝導性を有する対向部32a1を、空間を挟んで接触線42に近接させることで、これらの間でコンデンサと同様の効果を得ることができる。静電容量をCとすると、このときの特性インピーダンスZは、静電容量Cに依存する。例えば、特性インピーダンスZは、静電容量Cの平方根と反比例する、又は静電容量Cと反比例する。したがって、コンデンサの間隔を狭めて静電容量Cを大きくすることで、特性インピーダンスが減少する。このように、特性インピーダンスの値が理想値に近付くように調整することで、信号伝送における伝送特性が向上する。
対向部32a1から屈曲して延出し、かつ接続対象物40の板厚方向に沿って接続対象物40の先端と対向する第2延出部32bを第1金属部材30が有することで、接続対象物40の先端を第1金属部材30の対向部32a1及び第2延出部32bによって外側から保護することが可能である。例えば、対向部32a1及び第2延出部32bが接続対象物40の先端を下方及び後方からそれぞれ覆うことで、これらの方向から組立装置のアーム、他の電子部品、及び回路基板CBなどが接続対象物40の先端に直接接触することを抑制可能である。したがって、接続対象物40の先端における外部からの接触に伴って接続対象物40が上下方向に折れ曲がることを抑制可能である。結果として、接続対象物40を第1コネクタ10が保持するときの堅牢性が向上する。
加えて、第2延出部32bを第1金属部材30が有することで、第2延出部32bを有さず第1延出部32aのみを有する場合に生じる第1金属部材30の捲れを抑制可能である。例えば、図10において延出部32が第1延出部32aまでしか形成されていない場合、接続対象物40の接触線42と対向部32a1との接触部に組立装置のアーム、他の電子部品、及び回路基板CBなどが接触し第1延出部32aにおいて第1金属部材30が下方に捲れやすくなる。第2延出部32bを第1金属部材30が有することでこのような第1金属部材30の捲れが抑制される。したがって、接続対象物40を保持する第1コネクタ10自体の堅牢性も向上する。
第1コネクタ10において、第1金属部材30の対向部32a1が接続対象物40の接触線42の露出部Rに接触することで、接続対象物40における複数の接触線42のうちの一部を、第1金属部材30と電気的に接続させることが可能となる。したがって、接触線42及び第1金属部材30が1つのグランドとして安定に機能する。複数の接触線42のうちの一部がグランドとして安定して機能することで、電気信号が伝送される他の複数の接触線42間のクロストークが抑制される。
加えて、第1コネクタ10において、第1金属部材30の第2部分31bが接続対象物40の第1グランド部43に接触することで、接続対象物40における複数の接触線42のうちの一部を、第1金属部材30を介して第1グランド部43と電気的に接続させることが可能となる。したがって、接触線42、第1金属部材30、及び第1グランド部43が1つのグランドとしてより安定に機能する。複数の接触線42のうちの一部がグランドとしてより安定して機能することで、電気信号が伝送される他の複数の接触線42間のクロストークがさらに抑制される。
一の第1延出部32aが複数の接触線42に接触することで、1つの接触線42のみに接触する場合と比較してクロストークが抑制される。一の第1延出部32aが複数の接触線42に接触することで、第1金属部材30と接続対象物40の接触線42との接触がより確実となる。第1金属部材30と接触線42とが接触するときの堅牢性が向上する。結果として、接触線42、第1金属部材30、及び第1グランド部43が1つのグランドとしてより安定に機能する。これにより、電気信号が伝送される他の複数の接触線42間のクロストークがさらに抑制される。
第1金属部材30を接触線42及び第1グランド部43に接触させることで、接続対象物40の第1グランド部43による機能を接触線42にまで広げることが可能となる。例えば、接触線42、第1金属部材30、及び第1グランド部43が1つのシールドとして機能する。
少なくとも1つの接触線42の露出部Rを複数の接触線42の配列方向に挟むように一対の対向部32a1が位置することで、接続対象物40の先端において対向部32a1及び第2延出部32bにより外側から保護できる部分が増える。したがって、接続対象物40の先端における外部からの接触に伴って接続対象物40が上下方向に折れ曲がったり、第1金属部材30が下方に捲れたりすることをさらに抑制可能である。結果として、接続対象物40を第1コネクタ10が保持するときの堅牢性がさらに向上する。
第1延出部32aは、複数の接触線42を覆う接続対象物40の第1グランド部43と接触線42の延在方向に沿って対向することで、第1グランド部43の対応する部分に近接する。これにより、第1延出部32aの近傍において第1グランド部43の特性インピーダンスが減少する。したがって、信号伝送における伝送特性がさらに向上する。
対向部32a1が、接続対象物40の先端まで位置する露出部Rに沿って接続対象物40の先端まで延在することで、上述した信号伝送における伝送特性及び接続対象物40を第1コネクタ10が保持するときの堅牢性がさらに向上する。
第2延出部32bから屈曲して延出し、かつ接触線42の延在方向に沿って接続対象物40と対向する第3延出部32cを第1金属部材30が有することで、接続対象物40の先端を第1金属部材30の対向部32a1、第2延出部32b、及び第3延出部32cによって外側から保護することが可能である。例えば、対向部32a1、第2延出部32b、及び第3延出部32cが接続対象物40の先端を下方、後方、及び上方からそれぞれ覆うことで、これらの方向から組立装置のアーム、他の電子部品、及び回路基板CBなどが接続対象物40の先端に直接接触することを抑制可能である。したがって、接続対象物40の先端における外部からの接触に伴って接続対象物40が上下方向に折れ曲がったり、第1金属部材30が下方に捲れたりすることをさらに抑制可能である。結果として、接続対象物40を第1コネクタ10が保持するときの堅牢性がさらに向上する。
第3延出部32cが接続対象物40の先端を上方から覆うことで、接続対象物40の上方への折れ曲がりを直接的に抑制することが可能である。したがって、接続対象物40を第1コネクタ10が保持するときの堅牢性がさらに向上する。
複数の接触線42の配列方向に沿って複数の第3延出部32cを連結する連結部33を第1金属部材30が有することで、複数の接触線42の配列方向に沿って互いに隣接する延出部32を強固に連結することができる。したがって、連結部33により連結されておらず、延出部32に含まれる第3延出部32cが自由端として形成されている場合と比較して、一の延出部32、連結部33、及び他の延出部32全体で一体的に強度を向上させることができる。これにより、接続対象物40の先端における外部からの接触に伴って接続対象物40が上下方向に折れ曲がったり、第1金属部材30が下方に捲れたりすることをさらに抑制可能である。結果として、接続対象物40を第1コネクタ10が保持するときの堅牢性がさらに向上する。
一の第3延出部32c、連結部33、及び他の第3延出部32c全体が接続対象物40の先端部を上方から一体的に覆うことで、接続対象物40の上方への折れ曲がりを直接的に抑制することが可能である。したがって、接続対象物40を第1コネクタ10が保持するときの堅牢性がさらに向上する。
一の第3延出部32c、連結部33、及び他の第3延出部32c全体が接続対象物40の先端部を上方から一体的に覆うことで、電気信号に対するノイズの流出及び流入が抑制される。例えば、接触線42によって伝送される電気信号から生じた電磁ノイズの第1コネクタ10の外部への流出が抑制される。例えば、回路基板CB上に配置されている別の電子部品から生じた電磁ノイズの第1コネクタ10の内部への流入が抑制される。
第1延出部32aが弾性変形可能であり、弾性変形した状態で接続対象物40に接触することで、接触信頼性が向上する。例えば、接続対象物40が振動しても第1延出部32aが弾性変形することで接続対象物40との接触がより確実に維持される。加えて、接続対象物40を第1コネクタ10に挿入するときに接続対象物40の上下方向の厚さの公差を吸収することもできる。したがって、接続対象物40を第1コネクタ10に挿入して保持させるときの作業性が向上する。加えて、第1コネクタ10は、第1延出部32aが弾性変形しない場合と比較して、接続対象物40との接触信頼性を向上させることが可能となる。以上により、第1コネクタ10と接続対象物40との間の組立性が向上する。結果として、コネクタモジュール1を介し接続対象物40と回路基板CBとを電気的に接続して電子機器を生産するときの生産性が向上する。
第2コネクタ50の第1コンタクト70aが第1金属部材30に接触することで、グランドとしての接点が増加する。すなわち、第2コネクタ50の第1コンタクト70aも、第1金属部材30を介して第1グランド部43と電気的に接続させることが可能となる。したがって、第1コンタクト70a、接触線42、第1金属部材30、及び第1グランド部43が1つのグランドとして安定に機能する。結果として、電気信号が伝送される他の複数の接触線42間のクロストークがさらに抑制され、信号伝送における伝送特性がさらに向上する。
第1コンタクト70aは、第1金属部材30を介して複数の接触線42と間接的に接触する。これにより、第1コンタクト70aの左右方向の間隔を容易に変化させることもできる。
第2金属部材80が第2インシュレータ60の上方からその全体を覆うように第2インシュレータ60に圧入されることで、電気信号に対するノイズの流出及び流入が抑制される。例えば、第2コンタクト70bによって伝送される電気信号から生じた電磁ノイズの第2コネクタ50の外部への流出が抑制される。例えば、回路基板CB上に配置されている別の電子部品から生じた電磁ノイズの第2コネクタ50の内部への流入が抑制される。
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
例えば、上述した各構成部の形状、配置、向き、及び個数などは、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置、向き、及び個数などは、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
上述した第1コネクタ10の組立方法は、上記の説明の内容に限定されない。第1コネクタ10の組立方法は、それぞれの機能が発揮されるように組み立てることができるのであれば、任意の方法であってもよい。例えば、第1金属部材30は、圧入ではなくインサート成形によって第1インシュレータ20と一体的に成形されてもよい。
上述した第2コネクタ50の組立方法は、上記の説明の内容に限定されない。第2コネクタ50の組立方法は、それぞれの機能が発揮されるように組み立てることができるのであれば、任意の方法であってもよい。例えば、第1コンタクト70a、第2コンタクト70b、及び第2金属部材80の少なくとも1つは、圧入ではなくインサート成形によって第2インシュレータ60と一体的に成形されてもよい。
上記実施形態では、対向部32a1は接触線42の露出部Rと接触すると説明したが、これに限定されない。対向部32a1は、接触線42の露出部Rと接触しなくてもよい。対向部32a1は、接触線42と近接する位置で接触線42と離間するように配置されていてもよい。
上記実施形態では、第1金属部材30は、複数の対向部32a1を有すると説明したが、これに限定されない。第1金属部材30は、対向部32a1を1つのみ有してもよい。対向部32a1は、第1延出部32aに形成され、少なくとも1つの接触線42の露出部Rと接触線42の延在方向に沿って対向するのであれば、第1金属部材30において任意の位置に形成されていてもよい。
上記実施形態では、対向部32a1は、接続対象物40の先端まで位置する露出部Rに沿って接続対象物40の先端まで延在すると説明したが、これに限定されない。接続対象物40の接触線42の露出部Rは、接続対象物40の先端まで位置していなくてもよい。例えば、対向部32a1は、接続対象物40の先端よりも前方に位置する露出部Rに沿って延在し、かつ接続対象物40の先端まで延在してもよい。
上記実施形態では、複数の接触線42の配列方向において、第2延出部32bの幅は対向部32a1の幅と同一であると説明したが、これに限定されない。複数の接触線42の配列方向において、第2延出部32bの幅は対向部32a1の幅よりも大きくてもよい。
上記実施形態では、第1金属部材30は、第2延出部32bから屈曲して延出し、かつ接触線42の延在方向に沿って接続対象物40と対向する第3延出部32cを有すると説明したが、これに限定されない。第1金属部材30は、第3延出部32cを有さなくてもよい。第1金属部材30の延出部32は、第1延出部32a及び第2延出部32bのみから構成されてもよい。
上記実施形態では、第3延出部32cは、孔を有さず連続的に形成されていると説明したが、これ限定されない。第3延出部32cは、任意の位置に任意の数の孔を有してもよい。これにより、対向部32a1の表面にめっきを施すときに、めっき液を対向部32a1の表面に容易に吹き付けることが可能となる。
上記実施形態では、第1金属部材30は、複数の接触線42の配列方向に沿って複数の第3延出部32cを連結する連結部33を有すると説明したが、これに限定されない。第1金属部材30は、連結部33を有さずに、各第3延出部32cが互いに独立するように形成されていてもよい。逆に、第1金属部材30の連結部33は、全ての第3延出部32cを複数の接触線42の配列方向に沿って連結してもよい。第1金属部材30では、左右方向に配列されている全ての延出部32と連結部33とが一体的に形成されていてもよい。
上記実施形態では、複数の接触線42の配列方向において、第3延出部32cの幅は対向部32a1の幅と同一であると説明したが、これに限定されない。複数の接触線42の配列方向において、第3延出部32cの幅は対向部32a1の幅よりも大きくてもよい。
上記実施形態では、第1延出部32aは、弾性変形可能であると説明したが、これに限定されない。第1延出部32aは、弾性変形可能でなくてもよい。
上記実施形態では、一の第1延出部32aが互いに隣接する2つの接触線42に接触すると説明したが、これに限定されない。一の第1延出部32aは、3つ以上の接触線42に接触してもよいし、1つの接触線42のみに接触してもよい。
上記実施形態では、第1延出部32a、第2延出部32b、及び第3延出部32cは、前後方向に沿った一の直線を中心に全体として左右対称となるように形成されていると説明したが、これに限定されない。第1延出部32a、第2延出部32b、及び第3延出部32cは、第1延出部32aの対向部32a1がグランド用の接触線42の左右位置と同一の位置にあるのであれば、前後方向に沿った一の直線を中心に全体として左右非対称となるように形成されていてもよい。
上記実施形態では、図8に示すとおり、第1延出部32a、第2延出部32b、及び第3延出部32cを含む延出部32は、第1金属部材30において左側に2組、右側に2組で合計4組形成されていると説明したが、これに限定されない。延出部32は、図8に示す位置とは異なる他の任意の位置で任意の数により形成されていてもよい。
上記実施形態では、第1コンタクト70aは、第1金属部材30に接触する第1接触部73aを有すると説明したが、これに限定されない。第1コンタクト70aは第1金属部材30に接触せずに、例えば接続対象物40の接触線42に接触してもよい。このとき、第1コンタクト70aはグランド用ではなく信号用として用いられてもよい。
上記実施形態では、図14に示すとおり、複数の第2コンタクト70bの間に2つずつ第1コンタクト70aが配列されていると説明したが、これに限定されない。第1コンタクト70a及び第2コンタクト70bは、任意に配列されていてもよい。例えば、複数の第2コンタクト70bの間に1つずつ第1コンタクト70aが配列されていてもよいし、第1コンタクト70aと第2コンタクト70bとが交互に配列されていてもよい。
以上のような第1コネクタ10又はコネクタモジュール1は、電子機器に搭載される。電子機器は、例えば、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、及び複合機などの任意の情報機器を含む。電子機器は、液晶テレビ、レコーダ、カメラ、及びヘッドフォンなどの任意の音響映像機器を含む。これらに限定されず、電子機器は、例えば、カメラ、レーダ、ドライブレコーダ、及びエンジンコントロールユニットなどの任意の車載機器を含んでもよい。電子機器は、例えば、カーナビゲーションシステム、先進運転支援システム、及びセキュリティシステムなどの車載システムにおいて使用される任意の車載機器を含んでもよい。その他、電子機器は、任意の産業機器を含んでもよい。
このような電子機器では、上述した第1コネクタ10又はコネクタモジュール1の、接続対象物40を保持するときの堅牢性及び信号伝送における伝送特性の両方の向上により、電子機器の製品としての信頼性が向上する。
1 コネクタモジュール
10 第1コネクタ
20 第1インシュレータ
21 外周壁
21a 天井壁
21b 底壁
21c 側壁
22 突出部
23 挿入部
24 保持部
25 ロック部
26 取付部
30 第1金属部材(金属部材)
31 第1基部(基部)
31a 第1部分
31b 第2部分
32 延出部
32a 第1延出部
32a1 対向部
32b 第2延出部
32c 第3延出部
33 連結部
34 跳上部
35 係止部
40 接続対象物
41 補強部
42 接触線
43 第1グランド部(グランド部)
44 第2グランド部
45 被ロック部
50 第2コネクタ
60 第2インシュレータ
61 外周壁
61a 天井壁
61b 底壁
61c 側壁
62 後壁
63 挿入部
64a 第1孔部
64b 第2孔部
64c 第3孔部
65 コンタクト取付溝
65a 第1コンタクト取付溝
65b 第2コンタクト取付溝
70a 第1コンタクト
71a 係止部
72a 実装部
73a 第1接触部
70b 第2コンタクト
71b 係止部
72b 実装部
73b 第2接触部
80 第2金属部材
81 第2基部
82 第3基部
83 第1爪部
84 第2爪部
85a 第1係止部
85b 第2係止部
86 実装部
87 係合部
CB 回路基板
R 露出部
10 第1コネクタ
20 第1インシュレータ
21 外周壁
21a 天井壁
21b 底壁
21c 側壁
22 突出部
23 挿入部
24 保持部
25 ロック部
26 取付部
30 第1金属部材(金属部材)
31 第1基部(基部)
31a 第1部分
31b 第2部分
32 延出部
32a 第1延出部
32a1 対向部
32b 第2延出部
32c 第3延出部
33 連結部
34 跳上部
35 係止部
40 接続対象物
41 補強部
42 接触線
43 第1グランド部(グランド部)
44 第2グランド部
45 被ロック部
50 第2コネクタ
60 第2インシュレータ
61 外周壁
61a 天井壁
61b 底壁
61c 側壁
62 後壁
63 挿入部
64a 第1孔部
64b 第2孔部
64c 第3孔部
65 コンタクト取付溝
65a 第1コンタクト取付溝
65b 第2コンタクト取付溝
70a 第1コンタクト
71a 係止部
72a 実装部
73a 第1接触部
70b 第2コンタクト
71b 係止部
72b 実装部
73b 第2接触部
80 第2金属部材
81 第2基部
82 第3基部
83 第1爪部
84 第2爪部
85a 第1係止部
85b 第2係止部
86 実装部
87 係合部
CB 回路基板
R 露出部
Claims (10)
- 複数の接触線を有する接続対象物に取り付けられる第1コネクタであって、
前記接続対象物を保持する第1インシュレータと、
前記第1インシュレータに取り付けられている金属部材と、
を備え、
前記金属部材は、
板状に形成されている基部と、
前記接触線の延在方向に沿って前記基部から延出する第1延出部と、
前記第1延出部に形成され、少なくとも1つの前記接触線の露出部と前記延在方向に沿って対向する対向部と、
前記対向部から屈曲して延出し、かつ前記延在方向と直交する前記接続対象物の板厚方向に沿って前記接続対象物の先端と対向する第2延出部と、
を有する、
第1コネクタ。 - 前記対向部は、少なくとも1つの前記接触線の露出部と接触する、
請求項1に記載の第1コネクタ。 - 前記金属部材は、複数の前記対向部を有し、
隣り合う一対の前記対向部は、少なくとも1つの前記接触線の露出部を前記延在方向と直交する前記複数の接触線の配列方向に挟むように位置する、
請求項1又は2に記載の第1コネクタ。 - 前記第1延出部は、前記複数の接触線を覆う前記接続対象物のグランド部と前記延在方向に沿って対向する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の第1コネクタ。 - 前記対向部は、前記接続対象物の先端まで位置する前記露出部に沿って前記先端まで延在する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の第1コネクタ。 - 前記延在方向と直交する前記複数の接触線の配列方向において、前記第2延出部の幅は前記対向部の幅よりも大きい、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の第1コネクタ。 - 前記金属部材は、前記第2延出部から屈曲して延出し、かつ前記延在方向に沿って前記接続対象物と対向する第3延出部を有する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の第1コネクタ。 - 前記金属部材は、複数の前記第3延出部を有し、前記延在方向と直交する前記複数の接触線の配列方向に沿って複数の前記第3延出部を連結する連結部を有する、
請求項7に記載の第1コネクタ。 - 前記延在方向と直交する前記複数の接触線の配列方向において、前記第3延出部の幅は前記対向部の幅よりも大きい、
請求項7又は8に記載の第1コネクタ。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の第1コネクタと、
前記第1コネクタと嵌合する第2コネクタと、
を備えるコネクタモジュールであって、
前記第2コネクタは、
前記第1インシュレータと嵌合する第2インシュレータと、
前記第2インシュレータに取り付けられている第1コンタクト及び第2コンタクトと、
を備え、
前記第1コンタクトは、前記金属部材に接触し、
前記第2コンタクトは、前記接触線に接触する、
コネクタモジュール。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021178113A JP2023067119A (ja) | 2021-10-29 | 2021-10-29 | 第1コネクタ及びコネクタモジュール |
PCT/JP2022/039584 WO2023074641A1 (ja) | 2021-10-29 | 2022-10-24 | 第1コネクタ及びコネクタモジュール |
TW111140869A TW202320431A (zh) | 2021-10-29 | 2022-10-27 | 第1連接器及連接器模組 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021178113A JP2023067119A (ja) | 2021-10-29 | 2021-10-29 | 第1コネクタ及びコネクタモジュール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023067119A true JP2023067119A (ja) | 2023-05-16 |
JP2023067119A5 JP2023067119A5 (ja) | 2024-03-06 |
Family
ID=86325851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021178113A Pending JP2023067119A (ja) | 2021-10-29 | 2021-10-29 | 第1コネクタ及びコネクタモジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023067119A (ja) |
-
2021
- 2021-10-29 JP JP2021178113A patent/JP2023067119A/ja active Pending
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