JP2023066868A - 蓄電装置 - Google Patents

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Hiroko Ataya
隆介 長谷
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Abstract

Figure 2023066868000001
【課題】負極にグラファイトを用いたリチウムイオン電池が劣化しても、リチウムイオン電池の充電率の推定精度の低下を抑制する。
【解決手段】中間ステージ初期容量に対する第1中間ステージ劣化後容量の割合である収縮率を取得し、完全放電側ステージ初期容量に収縮率を乗算した値を、完全放電側ステージ劣化後容量として算出し、完全放電側ステージ劣化後容量、第1中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量を用いて、リチウムイオン電池Bの充電率と開回路電圧との対応関係を示す充電率-開回路電圧曲線上の複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電装置に関する。
蓄電装置として、電池の開回路電圧から電池の充電率(満充電容量に対する残容量の割合)を推定するものがある。
ところで、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量の割合が所定値以下であるプラトー領域と、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量の割合が所定値より大きい変化領域とを有するとともに、所定のプラトー領域と所定のプラトー領域に隣接する1つ以上の変化領域とからなるステージを複数有する電池が存在する。なお、各ステージは、電池が完全放電状態であるときの充電率を含む完全放電側ステージと、電池が満充電状態であるときの充電率を含む満充電側ステージと、完全放電側ステージと満充電側ステージとの間に位置する中間ステージとからなるものとする。また、特に、負極にグラファイトを用いたリチウムイオン電池は、プラトー領域に比べて変化領域が少ないものとする。
そのため、上記蓄電装置では、負極にグラファイトを用いたリチウムイオン電池の充電率を推定する場合で、かつ、開回路電圧がプラトー領域に入っている場合、開回路電圧の測定誤差の影響により充電率の推定精度が低下するおそれがある。
そこで、他の蓄電装置として、2次元座標における充電率-開回路電圧曲線上の複数の変曲点のうちの完全放電側ステージと中間ステージとの境界に対応する第1変曲点及び中間ステージと満充電側ステージとの境界に対応する第2変曲点と、充電率との対応関係を示す情報を用いて、負極にグラファイトを用いたリチウムイオン電池の充電率を推定するものがある。上記情報を用いて第1変曲点または第2変曲点に対応する充電率を一意に求めることができるため、充電率の推定精度を向上させることができる。関連する技術として、特許文献1がある。
しかしながら、リチウムイオン電池が劣化すると、リチウムイオン電池の容量と負極電位との対応関係を示す容量-負極電位曲線が変化することで、完全放電側ステージ、中間ステージ、及び満充電側ステージそれぞれに対応する容量の比がリチウムイオン電池の劣化前に比べて変化し、第1及び第2変曲点と充電率との対応関係が変化してしまう。
そのため、上記他の蓄電装置では、リチウムイオン電池の劣化に伴って、実際の第1及び第2変曲点と充電率との対応関係が変化してしまっているにもかかわらず、記憶部などに予め記憶されている第1及び第2変曲点と充電率との対応関係を示す情報を用いて充電率を推定する場合、充電率の推定精度が低下するおそれがある。
国際公開第2017/010475号
本発明の目的は、負極にグラファイトを用いたリチウムイオン電池が劣化しても、リチウムイオン電池の充電率の推定精度の低下を抑制することである。
本発明の蓄電装置は、リチウムイオンを吸蔵及び放出するグラファイトを用いた負極を有するリチウムイオン電池と、記憶部と、演算部とを備える。また、演算部は、第1取得部と、第2取得部と、第3取得部と、算出部と、更新部とを備える。
前記リチウムイオン電池は、横軸を前記リチウムイオン電池の充電率とし縦軸を前記リチウムイオン電池の開回路電圧とする2次元座標において、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量の割合が所定値以下である複数のプラトー領域と、前記割合が前記所定値より大きい複数の変化領域とを有すると共に、前記複数のプラトー領域のうちの所定のプラトー領域と前記所定のプラトー領域に隣接する1つ以上の変化領域とからなるステージを複数有する。
前記ステージは、前記リチウムイオン電池の完全放電状態に最も近い完全放電側ステージと、前記リチウムイオン電池の満充電状態に最も近い満充電側ステージと、前記完全放電側ステージと前記満充電側ステージとの間に位置する少なくとも1つの中間ステージとを含む。
前記記憶部は、前記リチウムイオン電池の充電率と開回路電圧との対応関係を示す充電率-開回路電圧曲線上において、前記ステージ間の境界にそれぞれ対応する複数の変曲点と、前記リチウムイオン電池の充電率との対応関係を示す情報と、劣化前の前記リチウムイオン電池の前記完全放電側ステージに対応する完全放電側ステージ初期容量と、劣化前の前記リチウムイオン電池の前記中間ステージの少なくとも1つに対応する中間ステージ初期容量とを記憶する。
前記第1取得部は、劣化後の前記リチウムイオン電池に流れる電流の積算値により、劣化後の前記リチウムイオン電池の前記中間ステージの少なくとも1つに対応する容量である第1中間ステージ劣化後容量を取得する。
前記第2取得部は、劣化後の前記リチウムイオン電池に流れる電流の積算値により、劣化後の前記リチウムイオン電池の前記満充電側ステージに対応する容量である満充電側ステージ劣化後容量を取得する。
前記第3取得部は、前記第1取得部で前記第1中間ステージ劣化後容量を取得した前記中間ステージに対応する前記中間ステージ初期容量に対する前記第1中間ステージ劣化後容量の割合である収縮率を取得する。
前記算出部は、前記完全放電側ステージ初期容量に前記収縮率を乗算した値を、完全放電側ステージ劣化後容量として算出する。
前記更新部は、前記完全放電側ステージ劣化後容量、前記第1中間ステージ劣化後容量、及び前記満充電側ステージ劣化後容量を用いて、前記複数の変曲点と前記充電率との対応関係を示す情報を更新する。
これにより、リチウムイオン電池が劣化しても、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す更新後の情報を用いて、リチウムイオン電池の充電率を推定することができるため、充電率の推定精度低下を抑制することができる。
また、前記リチウムイオン電池には、前記中間ステージが1つだけ存在し、前記完全放電側ステージと前記中間ステージとの境界に対応する前記変曲点を第1変曲点とするとともに、前記中間ステージと前記満充電側ステージとの境界に対応する前記変曲点を第2変曲点とする場合、前記更新部は、前記完全放電側ステージ劣化後容量、前記中間ステージ劣化後容量、及び前記満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する前記完全放電側ステージ劣化後容量の割合を、前記第1変曲点に対応する更新後の充電率とし、前記完全放電側ステージ劣化後容量、前記中間ステージ劣化後容量、及び前記満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する前記完全放電側ステージ劣化後容量及び前記中間ステージ劣化後容量の合計値の割合を、前記第2変曲点に対応する更新後の充電率とするように構成してもよい。
また、前記リチウムイオン電池に前記中間ステージが2つ以上存在する場合、前記算出部は、さらに前記第1取得部で前記第1中間ステージ劣化後容量を取得した前記中間ステージ以外の前記中間ステージにそれぞれ対応する前記中間ステージ初期容量に前記収縮率を乗算した値を、第2中間ステージ劣化後容量として算出し、前記更新部は、前記完全放電側ステージ劣化後容量、前記第1中間ステージ劣化後容量、少なくとも1つの前記第2中間ステージ劣化後容量、及び前記満充電側ステージ劣化後容量を用いて、前記複数の変曲点と前記充電率との対応関係を示す情報を更新するように構成してもよい。
また、前記記憶部は、劣化前の前記リチウムイオン電池の前記満充電側ステージに対応する満充電側ステージ初期容量をさらに記憶し、前記更新部は、前記満充電側ステージ初期容量に前記収縮率を乗算した値から、前記満充電側ステージ劣化後容量を減算したスライド劣化量が閾値以上である場合、前記複数の変曲点と前記充電率との対応関係を示す情報を更新するように構成してもよい。
これにより、充電開始毎または放電開始毎に複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する場合に比べて、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新頻度を抑えることができるため、電流の積算値を用いて満充電側ステージ劣化後容量や第1中間ステージ劣化後容量を取得する際に満充電側ステージ劣化後容量や第1中間ステージ劣化後容量に電流検出誤差が含まれることによる複数の変曲点と充電率との対応関係のずれを抑制することができ、充電率の推定精度低下を抑制することができる。
本発明によれば、負極にグラファイトを用いたリチウムイオン電池が劣化しても、リチウムイオン電池の充電率の推定精度の低下を抑制することができる。
実施形態の蓄電装置の一例を示す図である。 劣化前の電池が有する特性の一例を示す図である。 劣化後の電池が有する特性の一例を示す図である。 充電時における変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新処理の一例を示す図である。 放電時における変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新処理の一例を示す図である。 変曲点と充電率との対応関係を示す情報及び各ステージと容量との対応関係を示す情報の一例を示す図である。
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
図1は、実施形態の蓄電装置の一例を示す図である。
図1に示す蓄電装置BP(電池パック)は、車両Veに搭載され、電池ECU(Electronic Control Unit)1と、電池Bと、電流計2と、温度計3と、スイッチSW1、SW2、SW3と、監視ECU4とを備える。
車両Veは、電気自動車または電動フォークリフトなどの産業車両であって、蓄電装置BPの他に、車両Veの走行用のモータMと、モータMを駆動するインバータ回路Invと、インバータ回路Invの動作を制御するとともに車両Veの外部に設けられる充電器Chと通信を行う車両ECU5とを備える。
インバータ回路Invは、スイッチを備え、そのスイッチが繰り返しオン、オフすることにより、電池Bから供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する。また、インバータ回路Invは、スイッチが繰り返しオン、オフすることにより、モータMから供給される交流電力(回生電力)を直流電力に変換して電池Bに供給する。
車両ECU5は、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を変化させることにより、インバータ回路Invから電池Bに供給される電力または電池Bからインバータ回路Invに供給される電力を変化させる。車両ECU5の機能を電池ECU1の機能に含ませて電池ECU1と車両ECU5とを統合し、その統合後の電池ECU1を蓄電装置BPまたは車両Veに設けてもよい。
電池Bは、1つ以上の二次電池(例えば、負極にリチウムイオンを吸蔵及び放出するグラファイトを用い正極にLFP(Li(リチウム)、Fe(鉄)、P(リン))を用いたリチウムイオン電池など、プラトー領域に比べて変化領域が少ない充電率-開回路電圧曲線を有する二次電池)により構成される。充電器Chが車両Veに接続されていないとき、スイッチSW1、SW3がオンし、スイッチSW2がオフし、電池Bのプラス端子がインバータ回路Invのプラス入力端子と電気的に接続され、電池Bのマイナス端子が電流計2、スイッチSW1、及びスイッチSW3を介してインバータ回路Invのマイナス入力端子に電気的に接続される。また、充電器Chが充電ケーブルを介して車両Veに接続されているとき、スイッチSW1、SW2がオンし、スイッチSW3がオフし、電池Bのプラス端子が充電器Chのプラス出力端子に電気的に接続され、電池Bのマイナス端子が電流計2、スイッチSW1、及びスイッチSW2を介して充電器Chのマイナス出力端子に接続される。
電流計2は、シャント抵抗などにより構成され、電池Bに流れる電流を検出し、その検出した電流を監視ECU4に送る。
温度計3は、サーミスタなどにより構成され、電池Bの温度を検出し、その検出した温度を監視ECU4に送る。
監視ECU4は、プロセッサや記憶部などを備えて構成され、電池Bの電圧を検出する。また、監視ECU4は、CAN(Controller Area Network)通信などを用いて、検出した電圧、電流計2により検出された電流、及び温度計3により検出された温度を電池ECU1に送信する。
スイッチSW1、SW2、SW3は、それぞれ、半導体リレー(例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))または電磁式リレーなどにより構成される。なお、スイッチSW1、SW2、SW3は、電池Bのプラス端子側に接続されていてもよい。
スイッチSW1、SW3が導通し、スイッチSW2が遮断すると、電池Bからインバータ回路Invに電力を供給することが可能な状態になるともに、インバータ回路Invから電池Bに電力を供給することが可能な状態になる。また、スイッチSW1、SW2が導通し、スイッチSW3が遮断すると、充電器Chから電池Bに電力が供給することが可能な状態になる。充電器Chまたはインバータ回路Invから電池Bに電力が供給されると、電池Bが充電され電池Bの充電率または電圧が増加し、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されると、電池Bが放電され電池Bの充電率または電圧が減少する。AC充電方式により電池Bが充電される場合、車両Veにおいて、充電器Chから供給される交流電力が直流電力に変換され、その直流電力が電池Bに供給されることで電池Bが充電されるものとする。
電池ECU1は、記憶部11と、演算部12とを備える。
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などにより構成される。なお、記憶部11は、電池Bが有する特性(充電率-開回路電圧曲線など)により得られる変曲点と充電率との対応関係を示す情報などを記憶している。
図2は、劣化前の電池Bが有する特性の一例を示す図である。なお、図2に示す一番上の2次元座標において、横軸は充電率(電池Bの満充電容量に対する残容量の割合)[%]を示し、縦軸は開回路電圧(電流が流れていないときの電池Bの正極電位と負極電位との差)[V]を示し、実線は充電率と開回路電圧との対応関係を示す充電率-開回路電圧曲線を示している。電池Bが完全放電状態であるときの電池Bの充電率を0[%]とし、電池Bが満充電状態であるときの電池Bの充電率を100[%]とする。また、図2に示す上から2番目の2次元座標において、横軸は容量(残容量)を示し、縦軸は電位[V]を示し、破線は劣化前の電池Bの容量と正極電位との対応関係を示す容量-正極電位曲線を示し、一点鎖線は劣化前の電池Bの容量と負極電位との対応関係を示す容量-負極電位曲線を示している。また、図2に示す上から3番目の2次元座標において、横軸は容量を示し、縦軸は閉回路電圧(電池Bに電流が流れているときの電池Bの電圧)を容量で1回微分した値(dV/dQ)である電圧容量変化率を示している。
なお、電池Bが劣化するか否かに関わらず、電池Bは以下の1)~6)の特性を有しているものとする。
1)電池Bの容量は、完全放電状態であるときの電池Bの開回路電圧と満充電状態であるときの電池Bの開回路電圧との間において、電池Bに流れる電流の積算値によって決定される。
2)完全放電状態であるときの電池Bの開回路電圧は、電池Bの負極電位が最大になるときの電池Bの正極電位と負極電位との差になる。
3)満充電状態であるときの電池Bの開回路電圧は、電池Bの正極電位が最大になるときの電池Bの正極電位と負極電位との差になる。
4)電池Bの充電中において、電池Bが完全放電状態から満充電状態になるまでに電池Bに流れる電流の積算値、または、電池Bの放電中において、電池Bが満充電状態から完全放電状態になるまでに電池Bに流れる電流の積算値を、電池Bの満充電容量とする。
5)電池Bの正極電位は完全放電状態付近及び満充電状態付近において急峻に変化し、それ以外においてほとんど変化しない。
6)電池Bの負極電位は完全放電状態付近及び満充電状態付近において急峻に変化し、それ以外において充電率の変化に応じて段階的に変化する。
上記5)及び6)の特性により、電池Bの開回路電圧は完全放電状態付近及び満充電状態付近において急峻に変化し、それ以外において充電率の変化に応じて段階的に変化する。すなわち、図2に示す充電率-開回路電圧曲線では、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量の割合が所定値以下になる「プラトー領域」を3つ有し、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量の割合が所定値より大きくなる「変化領域」を4つ有する。所定値は、例えば、監視ECU4の電圧測定精度に基づいて設定され、開回路電圧の測定誤差により充電率-開回路電圧曲線を用いて開回路電圧より充電率を精度良く取得できない、電圧容量変化率が閾値th1以下である領域を「プラトー領域」とするように決められる。なお、電圧容量変化率が閾値th1より大きい領域を「変化領域」としてもよい。また、閾値th1は、監視ECU4の電圧測定精度及び電流計2により検出される電流のAD変換誤差などに基づいて設定されるものとする。
また、完全放電状態であるときの電池Bの充電状態(充電率または容量)を基準として充電により電池Bの充電状態が増加する場合、または、満充電状態であるときの電池Bの充電状態を基準として放電により電池Bの充電状態が減少する場合、電池Bの充電状態に対応する領域は、「変化領域」、「プラトー領域」、「変化領域」、「プラトー領域」、「変化領域」、「プラトー領域」、「変化領域」の順に変化する。
また、充電率-開回路電圧曲線において、完全放電状態に最も近い、2つの「変化領域」と1つの「プラトー領域」とからなるステージを「完全放電側ステージ」とする。
また、充電率-開回路電圧曲線において、満充電状態に最も近い、1つの「変化領域」と1つの「プラトー領域」とからなるステージを「満充電側ステージ」とする。
また、「完全放電側ステージ」と「満充電側ステージ」との間に位置する、1つの「変化領域」と1つの「プラトー領域」とからなるステージを「中間ステージ」とする。なお、電池Bの特性に応じて、「完全放電側ステージ」と「満充電側ステージ」との間に位置する「中間ステージ」は2つ以上存在してもよい。
完全放電側ステージと中間ステージとの境界(切り替わり)には、電圧容量変化率が変化する変曲点P1(第1変曲点)が存在している。中間ステージと満充電側ステージとの境界(切り替わり)には、電圧容量変化率が変化する変曲点P2(第2変曲点)が存在している。なお、変曲点の数は「中間ステージ」の数より1多い数になる。
本実施形態では、電池Bの充電中または放電中において、「変化領域」から「プラトー領域」に変化するときの充電率-開回路電圧曲線上の点を、変曲点P1、P2とする。例えば、電池Bの充電中または放電中において、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1より大きく、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1以下になるときで、かつ、前回の制御周期で算出した、閉回路電圧を容量で2回微分した値(dV/dQ)が閾値th2より大きく、今回の制御周期で算出したdV/dQが閾値th2以下になるときの充電率-開回路電圧曲線上の点を、変曲点とする。なお、閾値th2は、監視ECU4の電圧測定精度及び電流計2により検出される電流のAD変換誤差などに基づいて設定されるものとしてもよい。
または、電池Bの充電中または放電中において、「プラトー領域」から「変化領域」に変化するときの充電率-開回路電圧曲線上の点を、変曲点としてもよい。例えば、電池Bの充電中または放電中において、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1以下であり、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1より大きくなるときで、かつ、前回の制御周期で算出したdV/dQが閾値th2以下であり、今回の制御周期で算出したdV/dQが閾値th2より大きくなるときの充電率-開回路電圧曲線上の点を、変曲点としてもよい。
なお、変曲点に対応する充電率が、各ステージ間の境界に対応する充電率に相当する場合であれば、変曲点は上述の例示に限らず、充電率-開回路電圧曲線上の任意の点に設定することができるものとする。
また、劣化前の電池Bが完全放電状態になってから充電率-開回路電圧曲線上の点が変曲点P1と一致するまでに劣化前の電池Bに流れる電流の積算値、または、充電率-開回路電圧曲線上の点が変曲点P1と一致してから劣化前の電池Bが完全放電状態になるまでに劣化前の電池Bに流れる電流の積算値である容量、すなわち、完全放電側ステージに対応する容量を、完全放電側ステージ初期容量とする。
また、充電率-開回路電圧曲線上の点が変曲点P1と一致してから変曲点P2と一致するまでに劣化前の電池Bに流れる電流の積算値、または、充電率-開回路電圧曲線上の点が変曲点P2と一致してから変曲点P1と一致するまでに劣化前の電池Bに流れる電流の積算値である容量、すなわち、中間ステージに対応する容量を、中間ステージ初期容量とする。
なお、中間ステージが2つ以上存在する場合は、劣化前の電池Bの各中間ステージに対応する容量を、それぞれ中間ステージ初期容量とする。
また、中間ステージが2つ以上存在する場合、劣化前の電池Bの各中間ステージに対応する容量の合計を、中間ステージ初期容量としてもよい。
また、中間ステージが2つ以上存在する場合、劣化前の電池Bの各中間ステージのうちの1つの中間ステージに対応する容量を、中間ステージ初期容量としてもよい。
また、中間ステージが3つ以上存在する場合、劣化前の電池Bの各中間ステージのうちの少なくとも2つの中間ステージに対応する容量の合計を、中間ステージ初期容量としてもよい。
すなわち、記憶部11は、複数の変曲点と電池Bの充電率との対応関係を示す情報と、劣化前の電池Bの完全放電側ステージに対応する完全放電側ステージ初期容量と、劣化前の電池Bの中間ステージの少なくとも1つに対応する中間ステージ初期容量とを記憶する。
また、完全放電側ステージ初期容量及び中間ステージ初期容量は、蓄電装置BPの設計時において実験やシミュレーションにより求めてもよいし、蓄電装置BPの工場出荷時において劣化前の電池Bに流れる電流の積分値により求めてもよく、蓄電装置BPの記憶部11に予め記憶させておく。
図3は、劣化後の電池Bが有する特性の一例を示す図である。なお、図3に示す一番上の2次元座標において、横軸は充電率[%]を示し、縦軸は開回路電圧[V]を示し、実線は充電率と開回路電圧との対応関係を示す充電率-開回路電圧曲線を示している。また、図3に示す上から2番目の2次元座標において、横軸は容量を示し、縦軸は電位[V]を示し、破線は劣化後の電池Bの容量と正極電位との対応関係を示す容量-正極電位曲線を示し、一点鎖線は劣化後の電池Bの容量と負極電位との対応関係を示す容量-負極電位曲線を示している。また、図3に示す上から3番目の2次元座標において、横軸は容量を示し、縦軸は電圧容量変化率(dV/dQ)を示している。
電池Bが劣化しても、図3に示す容量-正極電位曲線は、図2に示す容量-正極電位曲線と同様である。すなわち、劣化後の電池Bの正極電位の最小値に対応する容量は、劣化前の電池Bの正極電位の最小値に対応する容量と同じであり、劣化後の電池Bの正極電位の最大値に対応する容量は、劣化前の電池Bの正極電位の最大値に対応する容量と同じである。
また、電池Bが劣化した場合、図3に示す容量-負極電位曲線は、図2に示す容量-負極電位曲線と比べて、曲線全体が横軸方向において所定容量C1分収縮(縮小)している。また、電池Bが劣化した場合、図3に示す容量-負極電位曲線は、図2に示す容量-負極電位曲線と比べて、さらに、横軸の増加方向(図3の紙面右側方向)に所定容量C2分スライド移動している。なお、電池Bが劣化しても、容量-正極電位曲線及び容量-負極電位曲線の縦軸方向の変化はないものとする。
このように、電池Bの劣化により、容量-負極電位曲線のみが横軸方向において収縮したりスライド移動したりすると、容量-正極電位曲線の最大電位に対応する容量が変化しないまま、容量-負極電位曲線の最大電位に対応する容量が増加するため、容量-正極電位曲線の最大電位に対応する容量と容量-負極電位曲線の最大電位に対応する容量との差、すなわち、電池Bの満充電容量が減少する。
また、電池Bの劣化により、図2に示す中間ステージに対応する容量C21に対して、図3に示す中間ステージに対応する容量C22が収縮率Sで収縮する。すなわち、収縮率Sを容量C22/容量C21とする。なお、中間ステージを複数有する電池Bが劣化する場合も同様に各中間ステージにそれぞれ対応する容量が収縮率Sで収縮する。
また、電池Bの劣化により、図2に示す完全放電側ステージに対応する容量C11に対して、図3に示す完全放電側ステージに対応する容量C12が収縮率Sで収縮する。
また、電池Bの劣化により、図2に示す満充電側ステージに対応する容量C31に対して、図3に示す満充電側ステージに対応する容量C32が収縮率Sで収縮するとともに所定容量C2分減少する。
容量-負極電位曲線の収縮により容量C11、C21、C31に対して容量C12、C22、C32がそれぞれ収縮率Sで収縮しているだけであれば、容量C11、C21、C31の比と容量C12、C22、C32の比とが互いに同じになる。
しかしながら、容量-負極電位曲線が収縮だけでなくスライド移動している場合、容量C32のみがさらに減少するため、容量C11、C21、C31の比と容量C12、C22、C32の比とが互いに同じにならない。
そのため、図3に示す完全放電側ステージと中間ステージとの境界に対応する変曲点P1に対応する充電率と、図2に示す完全放電側ステージと中間ステージとの境界に対応する変曲点P1に対応する充電率とが互いに異なってしまう。また、図3に示す中間ステージと満充電側ステージとの境界に対応する変曲点P2に対応する充電率と、図2に示す中間ステージと満充電側ステージとの境界に対応する変曲点P2に対応する充電率とが互いに異なってしまう。
従って、電池Bの劣化に伴って図2に示す変曲点P1、P2と充電率との対応関係が、図3に示す変曲点P1、P2と充電率との対応関係に変化してしまっているにもかかわらず、図2に示す変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す情報を用いて充電率を推定すると、充電率の推定精度が低下するおそれがある。
そこで、実施形態の蓄電装置BPでは、劣化後の電池Bの容量C12、C22、C32を取得し直し、その取得し直した新しい容量C12、C22、C32を用いて変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す情報を更新する。すなわち、実施形態の蓄電装置BPでは、電池Bの劣化により、完全放電側ステージ、中間ステージ、及び満充電側ステージにそれぞれ対応する容量が、図2に示す完全放電側ステージ、中間ステージ、及び満充電側ステージにそれぞれ対応する容量から図3に示す完全放電側ステージ、中間ステージ、及び満充電側ステージにそれぞれ対応する容量に変化した場合、図3に示す完全放電側ステージに対応する容量C12と中間ステージに対応する容量C22と満充電側ステージに対応する容量C32とを用いて変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す情報を更新する。
例えば、記憶部11に劣化前の電池Bの容量C11、C21が記憶されている場合で、かつ、劣化後の電池Bの充電中または放電中において、劣化後の電池Bに流れる電流の積算値により容量C22及び容量C32を取得した場合、蓄電装置BPは、容量C22を容量C21で除算した値である収縮率Sと、容量C11とを乗算した容量C11´を劣化後の容量C12として求める。次に、蓄電装置BPは、容量C11´と容量C22と容量C32との合計である劣化後の電池Bの満充電容量を求める。そして、蓄電装置BPは、容量C11´を劣化後の電池Bの満充電容量で除算した値を変曲点P1に対応する新しい充電率とするともに、容量C11´と容量C22との合計を劣化後の電池Bの満充電容量で除算した値を変曲点P2に対応する新しい充電率とする。
このように、電池Bが劣化しても、変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す情報を更新することにより、更新後の情報を用いて、電池Bの充電率を推定することができるため、充電率の推定精度低下を抑制することができる。
また、図1に示す演算部12は、プロセッサにより構成され、第1取得部121と、第2取得部122と、第3取得部123と、算出部124と、更新部125とを備える。なお、演算部12が記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、第1取得部121、第2取得部122、第3取得部123、算出部124、及び更新部125が実現される。
演算部12は、電池Bの充電または放電が開始され、電池Bに一定の電流が継続して流れている場合、複数の変曲点(例えば、上記変曲点P1、P2)と充電率との対応関係を示す情報の更新処理を実行する。
第1取得部121は、劣化後の電池Bの充電状態(容量または充電率)に対応するステージが完全放電側ステージから中間ステージに切り替わったタイミングから、劣化後の電池Bの充電状態に対応するステージが中間ステージから満充電側ステージに切り替わるタイミングまでに劣化後の電池Bに流れる電流の積算値により、劣化後の電池Bの中間ステージに対応する容量である中間ステージ劣化後容量(例えば、上記容量C22)を取得する。
また、第1取得部121は、劣化後の電池Bの充電状態に対応するステージが満充電側ステージから中間ステージに切り替わるタイミングから、劣化後の電池Bの充電状態に対応するステージが中間ステージから完全放電側ステージに切り替わるタイミングまでに劣化後の電池Bに流れる電流の積算値により、劣化後の電池Bの中間ステージに対応する容量である中間ステージ劣化後容量(例えば、上記容量C22)を取得する。
なお、中間ステージが2つ以上存在する場合で、かつ、劣化前の電池Bの各中間ステージのうちの1つの中間ステージに対応する容量を中間ステージ初期容量とする場合、第1取得部121は、劣化後の電池Bにおいて、その1つの中間ステージに対応する電流の積算値を、第1中間ステージ劣化後容量としてもよい。
また、中間ステージが2つ以上存在する場合で、かつ、劣化前の電池Bの各中間ステージに対応する容量の合計を中間ステージ初期容量とする場合、第1取得部121は、各中間ステージに対応する電流の積算値の合計を、第1中間ステージ劣化後容量としてもよい。
また、中間ステージが2つ以上存在する場合で、かつ、劣化前の電池Bの各中間ステージに対応する容量をそれぞれ中間ステージ初期容量とする場合、第1取得部121は、劣化後の電池Bにおいて、各中間ステージに対応する電流の積算値を、それぞれ第1中間ステージ劣化後容量としてもよい。
また、中間ステージが3つ以上存在する場合で、かつ、劣化前の電池Bの各中間ステージのうちの少なくとも2つの中間ステージに対応する容量の合計を中間ステージ初期容量とする場合、第1取得部121は、劣化後の電池Bにおいて、その少なくとも2つの中間ステージに対応する電流の積算値の合計を、第1中間ステージ劣化後容量としてもよい。 すなわち、第1取得部121は、劣化後の電池Bに流れる電流の積算値により、劣化後の電池Bの中間ステージの少なくとも1つの中間ステージに対応する容量である第1中間ステージ劣化後容量を取得する。
第2取得部122は、劣化後の電池Bの充電状態に対応するステージが中間ステージから満充電側ステージに切り替わったタイミングから、劣化後の電池Bが満充電状態になったタイミングまでに劣化後の電池Bに流れる電流の積算値により、劣化後の電池Bの満充電側ステージに対応する容量である満充電側ステージ劣化後容量(例えば、上記容量C32)を取得する。
また、第2取得部122は、劣化後の電池Bが満充電状態になったタイミングから、劣化後の電池Bの充電状態に対応するステージが満充電側ステージから中間ステージに切り替わったタイミングまでに劣化後の電池Bに流れる電流の積算値により、劣化後の電池Bの満充電側ステージに対応する容量である満充電側ステージ劣化後容量(例えば、上記容量C32)を取得する。
すなわち、第2取得部122は、劣化後の電池Bに流れる電流の積算値により、劣化後の電池Bの満充電側ステージに対応する容量である満充電側ステージ劣化後容量を取得する。
第3取得部123は、第1中間ステージ劣化後容量を中間ステージ初期容量で除算した値を、収縮率(例えば、上記収縮率S)として取得する。
なお、中間ステージが2つ以上存在する場合で、かつ、劣化前の電池Bの各中間ステージのうちの1つの中間ステージに対応する容量を中間ステージ初期容量とする場合、第3取得部123は、その中間ステージ初期容量を、その1つの中間ステージに対応する第1中間ステージ劣化後容量で除算した値を、収縮率として取得してもよい。
また、中間ステージが2つ以上存在する場合で、かつ、劣化前の電池Bの各中間ステージに対応する容量の合計を中間ステージ初期容量とする場合、第3取得部123は、その中間ステージ初期容量を、各中間ステージに対応する電流の積算値の合計である第1中間ステージ劣化後容量で除算した値を、収縮率として取得してもよい。
また、中間ステージが2つ以上存在する場合で、かつ、劣化前の電池Bの各中間ステージに対応する容量をそれぞれ中間ステージ初期容量とする場合、第3取得部123は、何れか1つの中間ステージに対応する中間ステージ劣化後容量を、その1つの中間ステージに対応する中間ステージ初期容量で除算した値を、収縮率として取得してもよい。
また、中間ステージが3つ以上存在する場合で、かつ、劣化前の電池Bの各中間ステージのうちの少なくとも2つの中間ステージに対応する容量の合計を中間ステージ初期容量とする場合、第3取得部123は、その中間ステージ初期容量を、その少なくとも2つの中間ステージに対応する電流の積算値の合計である第1中間ステージ劣化後容量で除算した値を、収縮率として取得してもよい。
すなわち、第3取得部123は、第1取得部121で第1中間ステージ劣化後容量を取得した中間ステージに対応する中間ステージ初期容量に対する第1中間ステージ劣化後容量の割合である収縮率を取得する。
算出部124は、完全放電側ステージ初期容量に収縮率を乗算した値を、完全放電側ステージ劣化後容量(例えば、上記容量C11´)として算出する。
なお、算出部124は、中間ステージが2つ以上存在する場合、第1取得部121で第1中間ステージ劣化後容量を取得した中間ステージ以外の中間ステージにそれぞれ対応する中間ステージ初期容量に収縮率を乗算した値を、第2中間ステージ劣化後容量として算出する。
更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、第1中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量を用いて、複数の変曲点(例えば、上記変曲点P1、P2)と充電率との対応関係を示す情報を更新する。
なお、更新部125は、中間ステージが2つ以上存在する場合、完全放電側ステージ劣化後容量、第1中間ステージ劣化後容量、少なくとも1つの第2中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量を用いて、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新してもよい。
演算部12は、複数の変曲点のうちの1つの変曲点(例えば、変曲点P1または変曲点P2)を検出すると、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す更新後の情報を参照して、検出した1つの変曲点に対応する充電率を、現在の充電率として推定する。なお、変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す更新後の情報において、0[%]の充電率と変曲点P1に対応する充電率との間の充電率、または、変曲点P1に対応する充電率と変曲点P2に対応する充電率との間の充電率、または、変曲点P2に対応する充電率と100[%]の充電率との間の充電率は、線形補間など用いて求めてもよい。
図4は、充電時における、変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新処理の一例を示す図である。なお、図4に示す更新処理は、演算部12の制御周期毎に実行されるものとする。
まず、演算部12は、車両ECU5から送信される充電開始指示を受信することなどにより電池Bの充電が開始されたことを判断すると(ステップS101:Yes)、充電開始から今回の制御周期までに電池Bに充電された容量を測定する(ステップS102)。例えば、演算部12は、充電開始時から今回の制御周期までに充電器Chから電池Bに流れた電流の積算値を、充電開始から今回の制御周期までに電池Bに充電された容量とする。
次に、演算部12は、電圧容量変化率を算出する(ステップS103)。例えば、演算部12は、今回の制御周期で測定した電池Bの電圧と前回の制御周期で測定した電池Bの電圧との電圧差を、今回の制御周期で測定した電池Bの容量と前回の制御周期で測定した電池Bの容量との容量で1回微分した値を、電圧容量変化率とする。
次に、演算部12は、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1以下であり、かつ、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率も閾値th1以下である場合、または、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1より大きく、かつ、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率も閾値th1より大きい場合、または、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1以下であり、かつ、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1より大きい場合(ステップS104:No)、充電が終了したか否かを判断する(ステップS105)。
次に、演算部12は、充電が終了していないと判断すると(ステップS105:No)、ステップS102~S104の処理を再度実行する。
また、演算部12は、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1より大きく、かつ、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1以下である場合(ステップS104:Yes)、変曲点の数をインクリメントする(ステップS106)。
次に、演算部12は、変曲点の数が2未満である場合(ステップS107:No)、ステップS102~S104の処理を再度実行する。
一方、演算部12の第1取得部121は、変曲点の数が2以上である場合(ステップS107:Yes)、ステップS102で測定した容量を中間ステージ劣化後容量として記憶部11に記憶した後(ステップS108)、ステップS102~S104の処理を再度実行する。すなわち、第1取得部121は、変曲点の数が2になってから変曲点の数が3になるまでに電池Bに流れた電流の積算値を、中間ステージ劣化後容量とする。例えば、第1取得部121は、図3に示す変曲点P1を検出してから変曲点P2を検出するまでに電池Bに流れる電流の積算値を、中間ステージ劣化後容量とする。
また、演算部12は、電池Bの充電が終了したと判断した後(ステップS105:Yes)、電池Bが満充電状態でないと判断すると(ステップS109:No)、今回の制御周期における、変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新処理を終了する。例えば、演算部12は、車両ECU5から送信される充電終了指示を受信していないとき、電池Bの充電が終了していないと判断し、充電終了指示を受信すると、電池Bの充電が終了したと判断する。または、演算部12は、充電器Chと車両Veとが充電ケーブルを介して接続されているとき、電池Bの充電が終了していないと判断し、充電器Chと車両Veとが接続されなくなると、電池Bの充電が終了したと判断する。
一方、演算部12の第2取得部122は、電池Bが満充電状態になったと判断すると(ステップS109:Yes)、満充電側ステージに対応する容量である満充電側ステージ劣化後容量を記憶部11に記憶する(ステップS110)。例えば、第2取得部122は、電池Bの電圧が所定電圧以上になると、電池Bが満充電状態になったと判断する。または、第2取得部122は、電池Bの電圧が所定電圧である場合において電池Bに流れる電流が所定電流以下になると、電池Bが満充電状態になったと判断する。また、第2取得部122は、変曲点の数が2になってから電池Bが満充電状態になったと判断するまでに電池Bに流れる電流の積分値を、満充電側ステージ劣化後容量とする。例えば、第2取得部122は、図3に示す変曲点P2を検出してから電池Bが満充電状態になるまでに電池Bに流れる電流の積算値を、満充電側ステージ劣化後容量とする。
次に、図4に示すフローチャートにおいて、演算部12は、中間ステージ劣化後容量が記憶部11に記憶されていないと判断すると、すなわち、満充電側ステージ劣化後容量が記憶部11に記憶されているが、中間ステージ劣化後容量が記憶部11に記憶されていないと判断すると(ステップS111:No)、変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新処理を終了する。
一方、演算部12の第3取得部123は、中間ステージ劣化後容量が記憶部11に記憶されていると判断すると、すなわち、中間ステージ劣化後容量及び満充電側ステージ劣化後容量が記憶部11に記憶されていると判断すると(ステップS111:Yes)、中間ステージ初期容量に対する中間ステージ劣化後容量の割合である収縮率を取得する(ステップS112)。例えば、第3取得部123は、中間ステージ劣化後容量を中間ステージ初期容量で除算した値を収縮率とする。
次に、演算部12の算出部124は、完全放電側ステージ初期容量に収縮率を乗算した値を、完全放電側ステージ劣化後容量として算出する(ステップS113)。
そして、演算部12の更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量を用いて、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する(ステップS114)。例えば、更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する完全放電側ステージ劣化後容量の割合を、変曲点P1に対応する更新後の充電率とする。また、更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する完全放電側ステージ劣化後容量及び中間ステージ劣化後容量の合計値の割合を、変曲点P2に対応する更新後の充電率とする。
なお、ステップS109において充電終了時に電池Bが満充電状態でなかったために今回の制御周期における更新処理を終了する場合で、かつ、記憶部11に中間ステージ劣化後容量が記憶されていた場合、その記憶部11に記憶されている中間ステージ劣化後容量を削除せずに次回の制御周期の更新処理において使用してもよい。
また、ステップS111において記憶部11に満充電側ステージ劣化後容量が記憶されているが、中間ステージ劣化後容量が記憶されていなかったことにより今回の制御周期における更新処理を終了する場合、記憶部11に記憶されている満充電側ステージ劣化後容量を削除せずに次回の制御周期の更新処理において使用してもよい。
また、図4に示すフローチャートでは、充電開始毎に複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する構成であるが、満充電側ステージのスライド劣化量が閾値Sth以上である場合のみ、対応関係を示す情報を更新する構成としてもよい。具体的には、記憶部11が、劣化前の電池Bの満充電側ステージに対応する満充電側ステージ初期容量を予め記憶する。そして、ステップS112にて収縮率を取得した後、更新部125は、満充電側ステージ初期容量に収縮率を乗算した値から、満充電側ステージ劣化後容量を減算したスライド劣化量が閾値Sth以上であるか否かを判定する。スライド劣化量が閾値Sth以上である場合のみ、ステップS114以降の処理を実行して、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新するように構成してもよい。これにより、充電開始毎に複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する場合に比べて、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新頻度を抑えることができるため、電流の積算値を用いて満充電側ステージ劣化後容量や中間ステージ劣化後容量を取得する際に満充電側ステージ劣化後容量や中間ステージ劣化後容量に電流検出誤差が含まれることによる複数の変曲点と充電率との対応関係のずれを抑制することができ、充電率の推定精度低下を抑制することができる。
図5は、放電時における、変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新処理の一例を示す図である。なお、図5に示す更新処理は、演算部12の制御周期毎に実行されるものとする。また、図5に示す更新処理は、電池Bが満充電状態から放電開始される場合のみ実行されるものとする。
まず、演算部12は、一定速度を保って車両Veが走行し始めた旨を車両ECU5から受信することなどにより電池Bの放電が開始されたことを判断すると(ステップS201:Yes)、放電開始から今回の制御周期までに電池Bから放電された容量を測定する(ステップS202)。例えば、演算部12は、放電開始時から今回の制御周期までに電池Bからインバータ回路Invに流れた電流の積算値を、放電開始から今回の制御周期までに電池Bから放電された容量とする。
次に、演算部12は、電圧容量変化率を算出する(ステップS203)。例えば、演算部12は、前回の制御周期で測定した電池Bの電圧と今回の制御周期で測定した電池Bの電圧との電圧差を、前回の制御周期で測定した電池Bの容量と今回の制御周期で測定した電池Bの容量との容量で1回微分した値を、電圧容量変化率とする。
次に、演算部12は、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1以下であり、かつ、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率も閾値th1以下である場合、または、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1より大きく、かつ、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率も閾値th1より大きい場合、または、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1より大きく、かつ、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1以下である場合(ステップS204:No)、放電が終了したか否かを判断する(ステップS205)。
次に、演算部12は、放電が終了していないと判断すると(ステップS205:No)、ステップS202~S204の処理を再度実行する。
また、演算部12は、前回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1以下であり、かつ、今回の制御周期で算出した電圧容量変化率が閾値th1より大きい場合(ステップS204:Yes)、変曲点の数をインクリメントする(ステップS206)。
次に、演算部12の第2取得部122は、変曲点の数が1である場合(ステップS207:Yes)、ステップS202で測定した容量を満充電側ステージ劣化後容量として記憶部11に記憶した後(ステップS208)、ステップS202~S204の処理を再度実行する。すなわち、第2取得部122は、電池Bが満充電状態であるときから変曲点の数が1になるまでに電池Bに流れる電流の積分値を、満充電側ステージ劣化後容量とする。例えば、第2取得部122は、電池Bが満充電状態であるときから図3に示す変曲点P2を検出するまでに電池Bに流れる電流の積算値を、満充電側ステージ劣化後容量とする。
また、図5に示すフローチャートにおいて、演算部12の第1取得部121は、変曲点の数が2である場合(ステップS207:No、ステップS209:Yes)、ステップS202で測定した容量を中間ステージ劣化後容量として記憶部11に記憶した後(ステップS210)、ステップS202~S204の処理を再度実行する。すなわち、第2取得部122は、変曲点の数が1になってから変曲点の数が2になるまでに電池Bに流れる電流の積分値を、中間ステージ劣化後容量とする。例えば、第1取得部121は、図3に示す変曲点P2を検出してから変曲点P1を検出するまでに電池Bに流れる電流の積算値を、中間ステージ劣化後容量とする。
また、演算部12は、車両Veが停止した旨を車両ECU5から受信することなどにより放電が終了したと判断すると(ステップS205:Yes)、変曲点の数が2以上であるか否かを判断する(ステップS211)。
次に、演算部12は、変曲点の数が0または1であると判断すると(ステップS211:No)、今回の制御周期における、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新処理を終了する。
一方、演算部12の第3取得部123は、変曲点の数が2以上であると判断すると、すなわち、満充電側ステージ劣化後容量及び中間ステージ劣化後容量が記憶部11に記憶されている場合(ステップS211:Yes)、中間ステージ初期容量に対する中間ステージ劣化後容量の割合である収縮率を取得する(ステップS212)。例えば、第3取得部123は、中間ステージ劣化後容量を中間ステージ初期容量で除算した値を収縮率とする。
次に、演算部12の算出部124は、完全放電側ステージ初期容量に収縮率を乗算した値を、完全放電側ステージ劣化後容量として算出する(ステップS213)。
そして、演算部12の更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量を用いて、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する(ステップS214)。例えば、更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する完全放電側ステージ劣化後容量の割合を、変曲点P1に対応する更新後の充電率とする。また、更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する完全放電側ステージ劣化後容量及び中間ステージ劣化後容量の合計値の割合を、変曲点P2に対応する更新後の充電率とする。
なお、ステップS211において記憶部11に満充電側ステージ劣化後容量が記憶されているが、中間ステージ劣化後容量が記憶されていないことにより今回の制御周期における更新処理を終了する場合、記憶部11に記憶されている満充電側ステージ劣化後容量を削除せずに次回の制御周期の更新処理において使用してもよい。
また、図5に示すフローチャートでは、放電開始毎に複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する構成であるが、満充電側ステージのスライド劣化量が閾値Sth以上である場合のみ、対応関係を示す情報を更新する構成としてもよい。具体的には、記憶部11が、劣化前の電池Bの満充電側ステージに対応する満充電側ステージ初期容量を予め記憶する。そして、ステップS212にて収縮率を取得した後、更新部125は、満充電側ステージ初期容量に収縮率を乗算した値から、満充電側ステージ劣化後容量を減算したスライド劣化量が閾値Sth以上であるか否かを判定する。スライド劣化量が閾値Sth以上である場合のみ、ステップS214以降の処理を実行して、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新するように構成してもよい。これにより、放電開始毎に複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する場合に比べて、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報の更新頻度を抑えることができるため、電流の積算値を用いて満充電側ステージ劣化後容量や第1中間ステージ劣化後容量を取得する際に満充電側ステージ劣化後容量や第1中間ステージ劣化後容量に電流検出誤差が含まれることによる複数の変曲点と充電率との対応関係のずれを抑制することができ、充電率の推定精度低下を抑制することができる。
ここで、例えば、図6(a)に示す変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す情報のように、電池Bが劣化する前の変曲点P1に対応する充電率を35[%]とし、電池Bが劣化する前の変曲点P2に対応する充電率を65[%]とする。また、図6(b)に示す各ステージと容量との対応関係を示す情報のように、電池Bが劣化する前の完全放電側ステージに対応する完全放電側ステージ初期容量を7とし、電池Bが劣化する前の中間ステージに対応する中間ステージ初期容量を6とし、満充電側ステージに対応する満充電側ステージ劣化後容量を7とする。なお、図6(a)及び図6(b)に示す情報は記憶部11に予め記憶されているものとする。
このような状態において、更新処理により、第1取得部121が中間ステージ劣化後容量として4を取得し、第2取得部122が満充電側ステージ劣化後容量として1を取得する場合を想定する。
この場合、第3取得部123は、4/6=2/3を収縮率として取得する。
次に、算出部124は、7×(2/3)≒5を完全放電側ステージ劣化後容量として算出する。
次に、更新部125は、図6(c)に示すように、各ステージと容量との対応関係を示す情報を更新する。
次に、更新部125は、5/(5+4+1)×100=50[%]を劣化後の電池Bの変曲点P1に対応する充電率とし、(5+4)/(5+4+1)×100=90[%]を劣化後の電池Bの変曲点P2に対応する充電率とする。
そして、更新部125は、図6(d)に示すように、変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す情報を更新する。
また、完全放電側ステージと満充電側ステージとの間に2つの中間ステージ(完全放電側中間ステージ及び満充電側中間ステージ)が位置する場合において、複数の変曲点と充電率との対応関係を示す情報を更新する場合を想定する。なお、完全放電側中間ステージは完全放電側ステージ側に隣接し、満充電側中間ステージは満充電側ステージに隣接するものとする。また、完全放電側ステージと完全放電側中間ステージとの境界に対応する変曲点を第1変曲点とする。また、完全放電側中間ステージと満充電側中間ステージとの境界に対応する変曲点を第2変曲点とする。また、満充電側中間ステージと満充電側ステージとの境界に対応する変曲点を第3変曲点とする。また、劣化後の電池Bの完全放電側中間ステージに対応する容量を完全放電側中間ステージ劣化後容量とする。また、劣化後の電池Bの満充電側中間ステージに対応する容量を満充電側中間ステージ劣化後容量とする。
この場合、更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、完全放電側中間ステージ劣化後容量、満充電側中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する完全放電側ステージ劣化後容量の割合を、第1変曲点に対応する更新後の充電率とする。
また、更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、完全放電側中間ステージ劣化後容量、満充電側中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する完全放電側ステージ劣化後容量及び完全放電側中間ステージ劣化後容量の合計値の割合を、第2変曲点に対応する更新後の充電率とする。
また、更新部125は、完全放電側ステージ劣化後容量、完全放電側中間ステージ劣化後容量、満充電側中間ステージ劣化後容量、及び満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する完全放電側ステージ劣化後容量、完全放電側中間ステージ劣化後容量、及び満充電側中間ステージ劣化後容量の合計値の割合を、第3変曲点に対応する更新後の充電率とする。
このような更新と同様な更新を行うことで、完全放電側ステージと満充電側ステージとの間に3つ以上の中間ステージが存在する場合における4つ以上の変曲点と充電率との対応関係を示す情報についても更新することができる。
<演算部12の他の動作>
演算部12は、スイッチSW1、SW2、SW3の動作を制御するとともに、CAN通信などにより監視ECU4及び車両ECU5と通信を行う。
すなわち、演算部12は、ユーザによるイグニッションスイッチの操作によりイグニッションオフからイグニッションオンに切り替わった旨を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1、SW3を遮断状態から導通状態に切り替えるとともにスイッチSW2を遮断状態し、変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す情報を用いて電池Bの充電率を推定し、その推定した充電率に応じた入力電力指令値Winまたは出力電力指令値Woutを車両ECU5に送信する。
また、演算部12は、電池Bの充電率が第1の下限閾値以下になると、制限後の出力電力指令値Woutを車両ECU5に送信し、電池Bの充電率が第1の上限閾値以上になると、制限後の入力電力指令値Winを車両ECU5に送信する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutに応じた電力が電池Bからインバータ回路Invに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御するとともに、入力電力指令値Winに応じた電力がインバータ回路Invから電池Bに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winが制限されると、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を小さくすることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制限する。
また、演算部12は、電池Bの充電率が第1の下限閾値より小さい第2の下限閾値以下になると、または、電池Bの充電率が第1の上限閾値より大きい第2の上限閾値以上になると、スイッチSW1、SW2、SW3を遮断することにより、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されること、インバータ回路Invから電池Bに電力が供給されること、及び充電器Chから電池Bに電力が供給されることを禁止する。なお、第2の下限閾値は、電池Bが過放電状態になる直前の電池Bの充電率とし、第2の上限閾値は、電池Bが過充電状態になる直前の電池Bの充電率とする。これにより、電池Bが過充電状態または過放電状態になることを防止することができる。
また、演算部12は、スイッチSW1及びスイッチSW2またはスイッチSW1及びスイッチSW3を導通させているとき、監視ECU4から送信される電圧が過電圧閾値以上になると、または、監視ECU4から送信される電流が過電流閾値以上になると、または、監視ECU4から送信される温度が過温度閾値以上になると、電池Bに異常が発生したと判断し、その旨を車両ECU5に送信する。車両ECU5は、電池Bに異常が発生した旨を受信すると、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されること、インバータ回路Invから電池Bに電力が供給されること、及び充電器Chから電池Bに電力が供給されることを禁止する。
また、演算部12は、ユーザによるイグニッションスイッチの操作によりイグニッションオンからイグニッションオフに切り替わった旨を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1、SW3を導通状態から遮断状態に切り替えるとともにスイッチSW2を遮断状態のままにする。
また、演算部12は、充電器Chと車両Veとが充電ケーブルを介して電気的に接続された後、電池Bの充電開始指示を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1、SW2を導通させるとともにスイッチSW3を遮断状態にし、変曲点P1、P2と充電率との対応関係を示す情報を用いて電池Bの充電率を算出し、充電率に応じた電流指令値を車両ECU5に送信する。車両ECU5は、電流指令値に応じた電流が充電器Chから電池Bに供給されるように電流指令値を充電器Chに送信する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 電池ECU
2 電流計
3 温度計
4 監視ECU
5 車両ECU
11 記憶部
12 演算部
121 第1取得部
122 第2取得部
123 第3取得部
124 算出部
125 更新部
Ve 車両
BP 蓄電装置
Inv インバータ回路
M モータ
Ch 充電器
SW1、SW2、SW3 スイッチ

Claims (4)

  1. リチウムイオンを吸蔵及び放出するグラファイトを用いた負極を有するリチウムイオン電池と、
    記憶部と、
    演算部と、
    を備え、
    前記リチウムイオン電池は、横軸を前記リチウムイオン電池の充電率とし縦軸を前記リチウムイオン電池の開回路電圧とする2次元座標において、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量の割合が所定値以下である複数のプラトー領域と、前記割合が前記所定値より大きい複数の変化領域とを有すると共に、前記複数のプラトー領域のうちの所定のプラトー領域と前記所定のプラトー領域に隣接する1つ以上の変化領域とからなるステージを複数有し、
    前記ステージは、前記リチウムイオン電池の完全放電状態に最も近い完全放電側ステージと、前記リチウムイオン電池の満充電状態に最も近い満充電側ステージと、前記完全放電側ステージと前記満充電側ステージとの間に位置する少なくとも1つの中間ステージとを含み、
    前記記憶部は、前記リチウムイオン電池の充電率と開回路電圧との対応関係を示す充電率-開回路電圧曲線上において、前記ステージ間の境界にそれぞれ対応する複数の変曲点と、前記リチウムイオン電池の充電率との対応関係を示す情報と、劣化前の前記リチウムイオン電池の前記完全放電側ステージに対応する完全放電側ステージ初期容量と、劣化前の前記リチウムイオン電池の前記中間ステージの少なくとも1つに対応する中間ステージ初期容量とを記憶し、
    前記演算部は、
    劣化後の前記リチウムイオン電池に流れる電流の積算値により、劣化後の前記リチウムイオン電池の前記中間ステージの少なくとも1つに対応する容量である第1中間ステージ劣化後容量を取得する第1取得部と、
    劣化後の前記リチウムイオン電池に流れる電流の積算値により、劣化後の前記リチウムイオン電池の前記満充電側ステージに対応する容量である満充電側ステージ劣化後容量を取得する第2取得部と、
    前記第1取得部で前記第1中間ステージ劣化後容量を取得した前記中間ステージに対応する前記中間ステージ初期容量に対する前記第1中間ステージ劣化後容量の割合である収縮率を取得する第3取得部と、
    前記完全放電側ステージ初期容量に前記収縮率を乗算した値を、完全放電側ステージ劣化後容量として算出する算出部と、
    前記完全放電側ステージ劣化後容量、前記第1中間ステージ劣化後容量、及び前記満充電側ステージ劣化後容量を用いて、前記複数の変曲点と前記充電率との対応関係を示す情報を更新する更新部と、
    を備える蓄電装置。
  2. 請求項1に記載の蓄電装置であって、
    前記リチウムイオン電池には、前記中間ステージが1つだけ存在し、
    前記完全放電側ステージと前記中間ステージとの境界に対応する前記変曲点を第1変曲点とするとともに、前記中間ステージと前記満充電側ステージとの境界に対応する前記変曲点を第2変曲点とし、
    前記更新部は、
    前記完全放電側ステージ劣化後容量、前記第1中間ステージ劣化後容量、及び前記満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する前記完全放電側ステージ劣化後容量の割合を、前記第1変曲点に対応する更新後の充電率とし、
    前記完全放電側ステージ劣化後容量、前記第1中間ステージ劣化後容量、及び前記満充電側ステージ劣化後容量の合計値に対する前記完全放電側ステージ劣化後容量及び前記第1中間ステージ劣化後容量の合計値の割合を、前記第2変曲点に対応する更新後の充電率とする
    ことを特徴とする蓄電装置。
  3. 請求項1に記載の蓄電装置であって、
    前記リチウムイオン電池には、前記中間ステージが2つ以上存在し、
    前記算出部は、さらに前記第1取得部で前記第1中間ステージ劣化後容量を取得した前記中間ステージ以外の前記中間ステージにそれぞれ対応する前記中間ステージ初期容量に前記収縮率を乗算した値を、第2中間ステージ劣化後容量として算出し、
    前記更新部は、前記完全放電側ステージ劣化後容量、前記第1中間ステージ劣化後容量、少なくとも1つの前記第2中間ステージ劣化後容量、及び前記満充電側ステージ劣化後容量を用いて、前記複数の変曲点と前記充電率との対応関係を示す情報を更新する
    ことを特徴とする蓄電装置。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載の蓄電装置であって、
    前記記憶部は、劣化前の前記リチウムイオン電池の前記満充電側ステージに対応する満充電側ステージ初期容量をさらに記憶し、
    前記更新部は、前記満充電側ステージ初期容量に前記収縮率を乗算した値から、前記満充電側ステージ劣化後容量を減算したスライド劣化量が閾値以上である場合、前記複数の変曲点と前記充電率との対応関係を示す情報を更新する
    ことを特徴とする蓄電装置。
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