JP2023066751A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻回電極体全体への電解液の浸透性の向上と該電極体の内部からのガス排出性の向上により、電池性能が向上した電池を提供する。【解決手段】底壁と、一対の第1側壁と、一対の第2側壁と、底壁に対向する開口とを有する角型外装体と、開口を封口する封口板と、角型外装体の内部に収容され、帯状の正極板と、帯状の負極板とを、帯状のセパレータを介して巻回した扁平形状の巻回電極体20aと、を備えた電池であって、負極板は本体部を有し、本体部は巻回軸方向において、第1の長端辺と第2の長端辺とを有している。第1の長端辺には、負極タブが設けられており、巻回電極体は、巻回軸が角型外装体の底壁と沿った向きに配置される。巻回電極体において、底壁に対して垂直な方向を高さ方向としたときに、第1の長端辺が位置する部分の巻回電極体の高さT1は、第2の長端辺が位置する部分の巻回電極体の高さT2と異なる。【選択図】図6

Description

本発明は、電池に関する。
従来、正極芯体の上に正極活物質層を備える帯状の正極と、負極芯体の上に負極活物質層を備える帯状の負極とが、帯状のセパレータを介して積層され、巻回軸を中心に巻回されてなる巻回電極体を備えた電池が知られている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2021/060010号
本発明は、巻回電極体全体に対して電解液が浸透しやすく、該電極体の内部にガスが溜まり難い電池を提供することを目的とする。
ここに開示される電池は、底壁と、上記底壁から延び相互に対向する一対の第1側壁と、上記底壁から延び相互に対向する一対の第2側壁と、上記底壁に対向する開口とを有する角型外装体と、上記開口を封口する封口板と、上記角型外装体の内部に収容され、帯状の正極板と、帯状の負極板とを、帯状のセパレータを介して巻回した扁平形状の巻回電極体と、を備えている。上記負極板は、負極芯体と、該負極芯体上に形成された負極活物質層とを有する本体部を有し、上記本体部は、巻回軸方向において、第1の長端辺と第2の長端辺とを有している。上記第1の長端辺には、上記負極活物質層が形成されずに上記負極芯体が露出した負極タブが設けられている。上記巻回電極体は、巻回軸が上記角型外装体の上記底壁と沿った向きに配置され、上記巻回電極体において、上記底壁に対して垂直な方向を高さ方向としたときに、上記第1の長端辺が位置する部分の上記巻回電極体の高さT1は、上記第2の長端辺が位置する部分の上記巻回電極体の高さT2と異なる。
上記電池の巻回電極体は、巻回軸方向において底壁からの高さが左右非対称である。これにより、非水電解液が浸透し難い領域は、巻回軸方向の中央部ではなくいずれか一方の端部近傍に生じやすくなる。このため、かかる領域に溜まっているガスもいずれか一方の端部から抜けやすい。また、電池の充放電時には、非水電解液が分解したガスが巻回電極体内部に溜まりやすいが、巻回軸方向において底壁からの高さが左右非対称であることで傾きが生じ、ガスが排出されやすくなる。したがって、巻回電極体の内部にガスが溜まり難くなり、より安全性が高い電池を提供することができる。
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記負極板の上記本体部の巻回軸方向の長さが20cm以上である。このような比較的大型な負極板の本体部を有する巻回電極体においては、上述したガスが内部に溜まりやすいため、ここに開示される技術を適用することが殊に効果的である。
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記第1の長端辺が位置する部分の上記巻回電極体の高さT1は、上記第2の長端辺が位置する部分の上記巻回電極体の高さT2よりも高いことを特徴とする。また、T1がT2よりも高い態様においては、上記第2の長端辺が位置する部分の上記巻回電極体の高さT2に対する上記第1の長端辺が位置する部分の上記巻回電極体の高さT1の比率(T1/T2)は、100.1%以上105%以下であることが好ましい。このような構成により、巻回電極体の内部に溜まるガスがより好適に排出されやすくなる。
上記正極板は、正極芯体と、該正極芯体上に形成された正極活物質層とを有し、上記正極板の巻回軸方向の一方の端部には、上記正極活物質層が形成されずに上記正極芯体が露出した正極タブが設けられている。上記巻回電極体の巻回軸方向の一方の端部には、複数の上記負極タブが積層された負極タブ群が配置され、上記巻回電極体の巻回軸方向の他方の端部には、複数の上記正極タブが積層された正極タブ群が配置される。上記負極タブ群は、導電部材である負極集電体と接合された状態で折り曲げられており、上記正極タブ群は、導電部材である正極集電体と接合された状態で折り曲げられている。また、別の好ましい一態様では、上記外装体の内部には、上記巻回電極体が複数配置されている。これにより、角型外装体の内容量に対する充放電に寄与する体積を増加できるため、電池性能が向上する。
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記巻回電極体において、上記第1の長端辺が位置する部分の上記巻回電極体の厚みW1は、上記第2の長端辺が位置する部分の上記巻回電極体の厚みW2と異なる。これにより、ここに開示される技術の効果がより好適に発揮される。
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記封口板は、非水電解液を注液するための注液孔を有しており、上記注液孔は、封止部材で封止され、上記注液孔は、上記封口板の長手方向において、上記封口板の中心に対して上記負極タブが配置される側とは反対側に配置されている。これにより、負極タブが配置されない側から含侵が進み、負極タブが配置され底壁からの高さが高い第1の長端辺に向けて、電極体の内部に溜まるガスが排出されやすくなる。
ここに開示される電池の好適な一態様では、巻回電極体は、該巻回電極体の上端辺が上記底壁に対して傾斜して配置される。これにより、巻回電極体の内部に溜まるガスがより好適に排出されやすくなる。
一実施形態に係る電池を模式的に示す斜視図である。 図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。 図1のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。 図1のIV-IV線に沿う模式的な横断面図である。 封口板に取り付けられた電極体群を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係る電極体を模式的に示す平面図である。 巻回電極体の構成を示す模式図である。 図6のVIII-VIII線に沿う模式的な縦断面図である。 図6のIX-IX線に沿う模式的な縦断面図である。
以下、図面を参照しながら、ここで開示される技術のいくつかの好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)と、を包含する概念である。
<電池100>
図1は、電池100の斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。図3は、図1のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。図4は、図1のIV-IV線に沿う模式的な横断面図である。図5は、封口板14に取り付けられた電極体群20を模式的に示す斜視図である。図6は、ここに開示される電池の巻回電極体20aを模式的に示す平面図である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表し、図面中の符号X、Y、Zは、電池100の短辺方向、短辺方向と直交する長辺方向、高さ方向を、それぞれ表すものとする。長辺方向は、巻回軸方向の一例である。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、電池100の設置形態を何ら限定するものではない。
図2に示すように、電池100は、電池ケース10と、電極体群20と、正極端子30と、負極端子40と、正極集電部50と、負極集電部60と、を備えている。詳しくは後述するが、電極体群20は、巻回電極体20a、20b、20c(図3参照)を有している。また、図示は省略するが、電池100は、ここではさらに電解液を備えている。電池100は、ここではリチウムイオン二次電池である。電池100は、巻回軸方向において底壁からの高さが左右非対称である巻回電極体を備えることによって特徴付けられ、それ以外の構成は従来と同様であってよい。
電池ケース10は、電極体群20を収容する筐体である。電池ケース10は、ここでは扁平かつ有底の直方体形状(角形)の外形を有する。電池ケース10の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。電池ケース10は、金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等からなることがより好ましい。図2に示すように、電池ケース10は、開口12hを有する外装体12と、開口12hを塞ぐ封口板(蓋体)14と、を備えている。
外装体12は、図1に示すように、底壁12aと、底壁12aから延び相互に対向する一対の長側壁12bと、底壁12aから延び相互に対向する一対の短側壁12cと、を備えている。底壁12aは、略矩形状である。底壁12aは、開口12hと対向している。短側壁12cの面積は、長側壁12bの面積よりも小さい。長側壁12bおよび短側壁12cは、ここに開示される第1側壁および第2側壁の一例である。封口板14は、外装体12の開口12hを塞ぐように外装体12に取り付けられている。封口板14は、外装体12の底壁12aと対向している。封口板14は、平面視において略矩形状である。電池ケース10は、外装体12の開口12hの周縁に封口板14が接合(例えば溶接接合)されることによって、一体化されている。電池ケース10は、気密に封止(密閉)されている。また、図2に示すように、封口板14には、注液孔15と、ガス排出弁17とが設けられている。注液孔15は、外装体12に封口板14を組み付けた後に電解液を注液するためのものである。注液孔15は、封止部材16により封止されている。ガス排出弁17は、電池ケース10内の圧力が所定値以上になったときに破断して、電池ケース10内のガスを外部に排出するように構成されている。
上述の通り、電池ケース10の内部には、電極体群20の他に、非水電解液(図示省略)も収容されている。電解液は従来と同様でよく、特に制限はない。電解液は、例えば、非水系溶媒と支持塩とを含有する非水電解液である。非水系溶媒は、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類を含んでいる。支持塩は、例えば、LiPF等のフッ素含有リチウム塩である。
封口板14には、図2に示すように、2つの端子引出孔18、19と端子引出孔18、19は、封口板14の長辺方向Yの両端部にそれぞれ形成されている。端子引出孔18、19は、封口板14を高さ方向Zに貫通している。端子引出孔18、19は、それぞれ、封口板14に取り付けられる前の正極端子30および負極端子40を挿通可能な大きさの内径を有する。
正極端子30および負極端子40は、それぞれ封口板14に固定されている。正極端子30は、封口板14の長辺方向Yの一方側(図1、図2の左側)に配置されている。負極端子40は、封口板14の長辺方向Yの他方側(図1、図2の右側)に配置されている。図1に示すように、正極端子30および負極端子40は、封口板14の外側の表面に露出している。図2に示すように、正極端子30および負極端子40は、端子引出孔18、19を挿通して封口板14の内部から外部へと延びている。
図2~図5に示すように、本実施形態に係る電池100では、電池ケース10内に複数個(3個)の巻回電極体20a、20b、20cが収容されている。詳しい構造は後述するが、各々の巻回電極体20a、20b、20cには、正極タブ群23と負極タブ群25とが設けられている。上述した正極端子30は、正極集電部50を介して、複数の巻回電極体20a、20b、20cの各々の正極タブ群23と接続されている。具体的には、正極集電部50は、電池ケース10の内部に収容されている。この正極集電部50は、図2および図5に示すように、封口板14の内側面に沿って長辺方向Yに延びる板状の導電部材である正極第1集電部51と、高さ方向Zに沿って延びる板状の導電部材である複数の正極第2集電部52とを備えている。そして、正極端子30の下端部30cは、封口板14の端子引出孔18を通って電池ケース10の内部に挿入され、正極第1集電部51と接続されている(図2参照)。一方で、図4に示すように、この電池100では、巻回電極体の個数に対応した個数の正極第2集電部52が設けられている。それぞれの正極第2集電部52は、複数の巻回電極体20a、20b、20cの各々の正極タブ群23に接続される。そして、図4および図5に示すように、複数の巻回電極体20a、20b、20cの各々の正極タブ群23は、正極第2集電部52と巻回電極体20a、20b、20cの一方の側面20eとが対向するように折り曲げられる。これによって、正極第2集電部52の上端部と正極第1集電部51とが電気的に接続される。
一方、負極端子40は、負極集電部60を介して、複数の巻回電極体20a、20b、20cの各々の負極タブ群25と接続される。かかる負極側の接続構造は、上述した正極側の接続構造と略同一である。具体的には、負極集電部60は、封口板14の内側面に沿って長辺方向Yに延びる板状の導電部材である負極第1集電部61と、高さ方向Zに沿って延びる板状の導電部材である複数の負極第2集電部62とを備えている(図2および図5参照)。そして、負極端子40の下端部40cは、端子引出孔19を通って電池ケース10の内部に挿入され、負極第1集電部61と接続される(図2参照)。一方、複数の負極第2集電部62の各々は、複数の巻回電極体20a、20b、20cの各々の負極タブ群25と接続される(図4および図5参照)。そして、負極タブ群25は、負極第2集電部62と巻回電極体20a、20b、20cの他方の側面20gとが対向するように折り曲げられる。これによって、負極第2集電部62の上端部と負極第1集電部61とが電気的に接続される。
正極端子30は、金属製であることが好ましく、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがより好ましい。負極端子40は、金属製であることが好ましく、例えば銅または銅合金からなることがより好ましい。負極端子40は、2つの導電部材が接合され一体化されて構成されていてもよい。例えば、負極集電部60と接続される部分が銅または銅合金からなり、封口板14の外側の表面に露出する部分がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなっていてもよい。また、電極集電部(正極集電部50および負極集電部60)にも、導電性に優れた金属(アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等)が好適に使用できる。
図1に示すように、封口板14の外側の面には、板状の正極外部導電部材32および負極外部導電部材42が取り付けられている。正極外部導電部材32は、正極端子30と電気的に接続されている。負極外部導電部材42は、負極端子40と電気的に接続されている。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、複数の電池100を相互に電気的に接続する際に、バスバーが付設される部材である。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、金属製であることが好ましく、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがより好ましい。ただし、正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。
また、この電池100では、電極体群20と電池ケース10との導通を防止する種々の絶縁部材が取り付けられている。具体的には、正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、外部絶縁部材92によって封口板14と絶縁されている。また、正極端子30は、正極絶縁部材70およびガスケット90によって封口板14と絶縁されている。負極端子40は、負極絶縁部材80およびガスケット90によって封口板14と絶縁されている。
図2に示すように、正極第1集電部51と封口板14の内側面との間には、正極絶縁部材70が配置されている。正極絶縁部材70は、封口板14と正極第1集電部51とを絶縁する部材である。正極絶縁部材70は、正極絶縁部材70は、使用する電解液に対する耐性と電気絶縁性とを有し、弾性変形が可能な樹脂材料からなり、例えば、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂(PFA)等のフッ素化樹脂や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等からなることが好ましい。
正極絶縁部材70は、正極第1集電部51と封口板14の内側面との間に介在する板状のベース部70aを備えている。これによって、正極第1集電部51が封口板14と導通することを防止できる。さらに、正極絶縁部材70は、封口板14の内側面から電極体群20を構成する巻回電極体20a、20b、20cに向かって突出する突出部70bを備えている(図3参照)。これによって、高さ方向Zにおける巻回電極体20a、20b、20cの移動を規制し、巻回電極体20a、20b、20cと封口板14が直接接触することを防止できる。突出部70bの数は、ここでは電極体群20を構成する巻回電極体20a、20b、20cの数と同数である。ただし、突出部70bの数は、電極体群20を構成する電極体の数と異なっていてもよく、例えば1つであってもよい。
負極絶縁部材80は、図2に示すように、電極体群20の長辺方向Yの中央CLに対して、正極絶縁部材70と対称に配置されている。負極絶縁部材80の構成は、正極絶縁部材70と同様であってよい。負極絶縁部材80は、ここでは正極絶縁部材70と同様に、封口板14と負極第1集電部61との間に配置されるベース部80aと、複数の突出部80bと、を有する。
電極体群20は、ここでは3つの巻回電極体20a、20b、20cを有する。ただし、1つの外装体12の内部に配置される巻回電極体の数は特に限定されず、2つ以上(複数)であってもよいし、1つであってもよい。電極体群20は、樹脂製シートからなる電極体ホルダ29(図3参照)に覆われた状態で、外装体12の内部に配置されている。
巻回電極体20aは、巻回軸WLが底壁12aに沿った向き(すなわち、巻回軸WLが長辺方向Yと平行になる向き)で外装体12の内部に配置されている。言い換えれば、巻回電極体20aは、巻回軸WLが底壁12aと平行になり、短側壁12cと直交する向きで、外装体12の内部に配置されている。巻回電極体20aの端面(言い換えれば、正極板22と負極板24とが積層された積層面、図7の長辺方向Yの端面)は、短側壁12cと対向している。すなわち、以下の説明における「巻回軸方向」は、図中の長辺方向Yと略同一の方向である。
図7は、巻回電極体20aの構成を示す模式図である。巻回電極体20aは、正極板22と負極板24とセパレータ26とを有する。巻回電極体20aは、ここでは、帯状の正極板22と帯状の負極板24とが帯状のセパレータ26を介して積層され、巻回軸WLを中心として巻回されて構成されている。巻回電極体20aは、扁平形状を有している。
負極板24は、図7に示すように、負極芯体24cと、負極芯体24cの少なくとも一方の表面上に固着された負極活物質層24aとを有する本体部24Aと、負極活物質層24aが形成されずに負極芯体24cが露出した負極タブ24tと、を有している。本体部24Aは、巻回軸方向(長辺方向Y)において、第1の長端辺24eと第2の長端辺24fとを有しており、第1の長端辺24eには、負極タブ24tが設けられている。
好ましい一態様では、本体部24Aの巻回軸方向の長さは、20cm以上である。例えば、本体部24Aの巻回軸方向の長さは、25cm以上であってもよく、30cm以上であってもよい。このような比較的大型な本体部を有する電池においては、巻回電極体20aの内部にガスが溜まりやすいためここに開示される技術の効果がより一層発揮される。
負極芯体24cは、帯状である。負極芯体24cは、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。負極芯体24cは、ここでは金属箔、具体的には銅箔である。負極芯体24cの長辺方向Yの一方の端部(図7の右端部)には、複数の負極タブ24tが設けられている。複数の負極タブ24tは、長辺方向Yの一方側(図7の右側)に向かって突出している。複数の負極タブ24tは、セパレータ26よりも長辺方向Yに突出している。複数の負極タブ24tは、負極板24の長手方向に沿って間隔を置いて(間欠的に)設けられている。負極タブ24tは、ここでは負極芯体24cの一部であり、金属箔(銅箔)からなっている。複数の負極タブ24tは、ここではそれぞれ台形状である。負極タブ24tは、ここでは、負極芯体24cの負極活物質層24aが形成されていない部分(芯体露出部)である。ただし、負極タブ24tは、負極芯体24cとは別の部材であってもよい。負極タブ24tは、図7に示すように、巻回軸方向の一方の端部(図7の右端部)に設けられている。
負極活物質層24aは、図7に示すように、帯状の負極芯体24cの長手方向に沿って、帯状に設けられている。負極活物質層24aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)を含んでいる。負極活物質層24aの固形分全体を100質量%としたときに、負極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。負極活物質層24aは、負極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、分散剤、各種添加成分等を含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類を使用し得る。分散剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロール類を使用し得る。
正極板22は、図7に示すように、正極芯体22cと、正極芯体22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aおよび正極保護層22pとを有する本体部と、正極活物質層22aが形成されずに正極芯体22cが露出した複数の正極タブ22tと、を有している。ただし、正極保護層22pは必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。
正極芯体22cは、帯状である。正極芯体22cは、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。正極芯体22cは、ここでは金属箔、具体的にはアルミニウム箔である。複数の正極タブ22tは、長辺方向Yの一方側(図7の左側)に向かって突出している。複数の正極タブ22tは、セパレータ26よりも長辺方向Yに突出している。複数の正極タブ22tは、正極板22の長手方向に沿って間隔を置いて(間欠的に)設けられている。正極タブ22tは、ここでは正極芯体22cの一部であり、金属箔(アルミニウム箔)からなっている。正極タブ22tは、ここではそれぞれ台形状である。正極タブ22tは、正極芯体22cの正極活物質層22aおよび正極保護層22pが形成されていない部分(芯体露出部)である。ただし、正極タブ22tは、正極芯体22cとは別の部材であってもよい。また、正極タブ22tは、巻回軸方向の他方の端部(図7の左端部)に設けられている。
正極活物質層22aは、図7に示すように、帯状の正極芯体22cの長手方向Yに沿って、帯状に設けられている。正極活物質層22aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質(例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物)を含んでいる。正極活物質層22aの固形分全体を100質量%としたときに、正極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。正極活物質層22aは、正極活物質以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等の炭素材料を使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
正極保護層22pは、図7に示すように、長辺方向Yにおいて正極芯体22cと正極活物質層22aとの境界部分に設けられている。正極保護層22pは、ここでは正極芯体22cの長辺方向Yの一方の端部(図7の左端部)に設けられている。ただし、正極保護層22pは、長辺方向Yの両端部に設けられていてもよい。正極保護層22pは、正極活物質層22aに沿って、帯状に設けられている。正極保護層22pは、無機フィラー(例えば、アルミナ)を含んでいる。正極保護層22pの固形分全体を100質量%としたときに、無機フィラーは、概ね50質量%以上、典型的には70質量%以上、例えば80質量%以上を占めていてもよい。正極保護層22pは、無機フィラー以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材およびバインダは、正極活物質層22aに含み得るとして例示したものと同じであってもよい。
セパレータ26は、正極板22の正極活物質層22aと、負極板24の負極活物質層24aと、を絶縁する部材である。セパレータ26は、巻回電極体20aの外表面を構成している。セパレータ26としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる樹脂製の多孔性シートが好適である。セパレータ26は、ここでは、樹脂製の多孔性シートからなる基材部と、基材部の少なくとも一方の表面上に形成された耐熱層(Heat Resistance Layer:HRL)と、を有する。耐熱層は、典型的には無機フィラーとバインダとを含む層である。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、チタニア等を使用し得る。バインダとしては、例えば、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
次に、上述した正極板22と、負極板24と、セパレータ26とを備えた巻回電極体20aの具体的な構造について説明する。図8は、図6のVIII-VIII線に沿う模式的な断面図であり、図9は、図6のIX-IX線に沿う模式的な断面図である。図8は巻回電極体20aの巻回軸方向において、第1の長端辺24e側の端部(以下、「負極タブ24t側の端部」ともいう。)の断面図を模式的に示している。図9は、巻回電極体20aの巻回軸方向において、第2の長端辺24f側の端部(以下、「正極タブ22t側の端部」ともいう。)の断面図を模式的に示している。なお、以下では巻回電極体20aを例として詳しく説明するが、巻回電極体20b、20cについても同様の構成とすることができる。
巻回電極体20aは、2枚のセパレータ26a、26bを介して正極板22と負極板24を積層して巻回することによって作製される。具体的には、まず、第1セパレータ26a、負極板24、第2セパレータ26b、正極板22を、この順序で積層した積層体を作製する(図7参照)。このとき、長辺方向Yの一方(図7の左側)の側縁から正極板22の正極タブ22tのみが突出し、かつ、他方(図7の右側)の側縁から負極板24の負極タブ24tのみが突出するように、各々のシート部材の長辺方向Yにおける積層位置を調節する。そして、作製した積層体を巻回して筒状体を作製する。このときの巻回数は、目的とする巻回電極体20aの性能や製造効率などを考慮して適宜調節することが好ましい。一例として、巻回電極体20aの巻回数は、10回~60回が好ましく、30回~40回がより好ましい。そして、この筒状体をプレスすることによって、扁平形状の巻回電極体20aが作製される。そして、作製後の巻回電極体20aの最外周の面には、第1セパレータ26aが配置される。この第1セパレータ26aの終端部に巻き止めテープ(図示せず)を貼り付けることによって、巻回電極体20aの形状が保持される。
巻回後の巻回電極体20aの巻回軸方向の一方の端部には、複数の負極タブ24tが複数積層され、負極タブ群25が形成される(図4参照)。複数の負極タブ24tは、外方側の端が揃うように折り曲げられて湾曲している。負極タブ群25は、負極集電部60を介して負極端子40と電気的に接続されている。また、巻回後の巻回電極体20aの巻回軸方向の他方の端部には、複数の正極タブ22tが複数積層され、正極タブ群23が形成される(図4参照)。複数の正極タブ22tは、外方側の端が揃うように折り曲げられて湾曲している。正極タブ群23は、正極集電部50を介して正極端子30と電気的に接続されている。一方、巻回電極体20aの巻回軸方向の中央部には、正極活物質層22aと負極活物質層24aとが対向し、充放電反応が主に生じる充放電領域が形成されている。
複数の正極タブ22tは、折り曲げられ、正極端子30と電気的に接続されていることが好ましい。また、複数の負極タブ24tは、折り曲げられ、負極端子40と電気的に接続されていることが好ましい。これにより、電池ケース10への収容性を向上して電池100を小型化することができる。また、電池ケース10の内容量に対する充放電領域の体積を増加できるため、電池性能が向上する。
上述したように、ここに開示される電池100の巻回電極体20aは、プレス成型によって扁平形状に成形される。図3に示すように、かかる扁平形状の巻回電極体20aは、外表面が湾曲した一対の湾曲部20rと、当該一対の湾曲部20rを連結する該表面が平坦な平坦部20fとを有している。巻回電極体20aの平坦部20fは、外装体12の長側壁12bに対向している。一対の湾曲部20rはそれぞれ、底壁12aおよび封口板14に対向している。一方(図3の上側)の湾曲部20rは、ここでは、正極第1集電部51、負極第1集電部61、正極絶縁部材70、および負極絶縁部材80等を介して、間接的に封口板14と対向している。他方(図3の下側)の湾曲部20rは、ここでは、電極体ホルダ29を介して間接的に底壁12aと対向している。
図8に示すように、巻回電極体20aにおいて第1の長端辺24e側の湾曲部20r1と20r2の頂点(すなわち、巻回電極体20aの最外周の湾曲部の上端と下端の頂点)を頂点P1および頂点P2とする。断面視において湾曲部20r1の頂点P1と湾曲部20r2の頂点P2を結ぶ直線を直線L1とする。また、図9に示すように、巻回電極体20aにおいて第2の長端辺24f側の湾曲部20r3と20r4の頂点(すなわち、巻回電極体20aの最外周の湾曲部の上端と下端の頂点)を頂点P3および頂点P4とする。断面視において湾曲部20r3の頂点P3と湾曲部20r4の頂点P4を結ぶ直線を直線L2とする。
なお、直線L1および直線L2は、巻回電極体20aの巻回軸WLに対して垂直で、かつ、底壁12aに対して垂直な直線である。
ここに開示される電池100の巻回電極体20aは、底壁12aに対して垂直な方向を高さ方向Zとしたときに、巻回電極体20aにおいて第1の長端辺24eの位置する部分の高さT1と、第2の長端辺24fが位置する部分の高さT2とが異なることを特徴としている。ここで、「巻回電極体20aにおいて第1の長端辺24eが位置する部分」とは、巻回電極体20aの封口板14に最も近い部分である。例えば、上述した第1の長端辺24e側の湾曲部20r1の頂点P1であり得る。また、「巻回電極体20aにおいて第2の長端辺24fが位置する部分」とは、巻回電極体20aの封口板14に最も近い部分である。例えば、上述した第2の長端辺24f側の湾曲部20r3の頂点P3であり得る。
ここに開示される電池100の巻回電極体20aは、第1の長端辺24eの位置する部分の高さT1と、第2の長端辺24fが位置する部分の高さT2とが異なることにより、非水電解液の注液時や電池100の充放電時において、発生するガスが巻回電極体20aから排出されやすくなっている。このため、より安全性の高い電池が提供される。非水電解液の注液時においては、巻回電極体全体に均一に非水電解液を浸透させることが難しく、注液初期においては特に浸透ムラが生じやすい。この非水電解液が浸透し難い領域は、注液によってガスが抜けていかないためガスが溜まりやすい領域である。従来公知の巻回電極体のように、巻回軸方向において底壁からの高さを左右対称にした場合には、特に電極体の略中央部において、非水電解液が浸透していない領域が生じる傾向にあり、当該領域に溜まっているガスも抜け難い。一方で、ここに開示される巻回電極体20aのように巻回軸方向において底壁からの高さを左右非対称にした場合には、いずれか一方側の端部近傍に非水電解液が浸透していない領域が生じる傾向にある。このため、かかる領域に溜まっているガスもいずれか一方の端部から抜けやすい。また、電池の充放電時には、非水電解液が分解したガスが巻回電極体内部に溜まりやすい。図6に示すように、巻回電極体20aは、正極タブ22t側から負極タブ24t側に向けて巻回電極体20aの底壁12aからの高さが漸増している。これにより、巻回電極体20aの内部に滞留するガスが負極タブ24t側の端部から好適に抜ける。したがって、ここに開示される電池100は、巻回電極体20aの内部にガスが溜まり難く、より安全性が高い電池である。
好ましい一態様では、巻回電極体20aは、第1の長端辺24eの位置する部分の高さT1は、第2の長端辺24fの位置する部分の高さT2よりも高い。言い換えれば、負極タブ24t側の端部(図6の右側)の底壁12aからの高さは、正極タブ22t側の端部(図6の左側)の底壁12aからの高さよりも高くなるように構成されている。かかる構成によれば、巻回電極体20aの内部にガスが溜まった場合でも、負極タブ24t側の端部からガスが排出されるため好ましい。
ところで、巻回電極体20a、20b、20cは、図5に示すように封口板14と一体化された状態で、図3に示すように例えば袋状の電極体ホルダ29に収容され、外装体12の内部空間に収容される。このとき、電極体群20の各巻回電極体20a、20b、20cは、巻回軸WLが外装体12の底壁12aに略平行となるように収容される。そして、巻回電極体20aの上端辺が底壁12aに対して傾斜して配置されることが好ましい。また、特に限定されないが、巻回電極体20aの下側の湾曲部20r2、20r4は、外装体12の底壁12aと電極体ホルダ29を介して接触するように収容される。これにより、電極体群20が外装体12の内部において安定して設置されるため好ましい。このように、各巻回電極体が底壁12aと略平行となるように収容されるとき、正極タブ22t側の端部から負極タブ24t側の端部に向けて底壁12aからの高さを漸増させるように傾斜して配置させるためには、巻回電極体20a自体の底壁12aからの高さが漸増している必要がある。このような形状の巻回電極体20aは、例えば、巻回時のテンションや巻回軸WLの径を調整することにより、製造することができる。具体的には、負極タブ24t側の巻き取り装置のテンションよりも、正極タブ22t側の巻き取り装置のテンションが高くなるように調整すればよい。これにより、負極タブ24t側は、正極タブ22t側に対して緩く巻回されるため、T1がT2よりも底壁12aからの高さが高い巻回電極体20aを製造することができる。また、巻回軸WLの外周の長さを、正極タブ22t側よりも負極タブ24t側の方が長くなるように調整すればよい。これにより、当該巻回軸WLの形状が巻回電極体20aにも反映され、T1がT2よりも底壁12aからの高さが高い巻回電極体20aを製造することができる。
好ましい一態様では、第2の長端辺24fの位置する部分の高さT2に対する第1の長端辺24eの位置する部分の高さT1の比率(T1/T2)は、ガスの排出を向上させる観点からは、少なくとも100.1%以上であることが好ましい。一方で、電池ケース10内での収容効率を考慮すると、T2に対するT1の比率(T1/T2)は、105%以下であることが好ましい。T2に対するT1の比率(T1/T2)は、例えば、100.1%以上105%以下であることが好ましく、100.1%以上103%以下であることがより好ましく、100.1%以上101%以下であることがさらに好ましく、100.1%以上100.3%以下であることが特に好ましい。これにより、巻回電極体20aの内部にガスが溜まり難く、かつ、充放電領域が十分に確保されるため、電池性能が向上した電池を提供することができる。
なお、一般的な巻回電極体の製造方法において巻回電極体を製造した場合には、上記したように巻回電極体の巻回軸方向において底壁12aからの高さが左右非対称となるようなことはなく、例えば、T2に対するT1の比率(T1/T2)は、小数点第3位以下程度の値にしかならない。したがって、上記したように巻き取り装置のテンションを調整することや、巻回軸の形状を調整することにより、T2に対するT1の比率(T1/T2)が調整された巻回電極体を実現することができる。
上述したように、ここに開示される電池100においては、巻回電極体20aにおいて、負極タブ24t側の端部の底壁12aからの高さが、正極タブ22t側の端部の底壁12aからの高さよりも、高くなっている。注液をより好適に行う観点から、注液孔15は、底壁12aからの高さが低い、すなわち、正極タブ22t側に設けられているとよい。図1に示すように、電池ケース10の中心線CLよりも正極端子30側に設けられているとよい。
図8に示すように、負極板24は、負極始端部24sから平坦部20fに沿って延びる第1平坦部27aと、湾曲部20r2に沿うように第1平坦部27aの端部から折り返される第1折り返し部28aと、第1折り返し部28aの端部から平坦部20fに沿って延びる第2平坦部27bと、湾曲部20r1に沿うように第2平坦部27bの端部から折り返される第2折り返し部28bとを有している。ここで、第2折り返し部28bにおいて、直線L1が通る点を頂点P5としたときに、頂点P5と頂点P1の高さ方向Zにおける長さをRとする。また、図9に示すように、巻回電極体20aにおける第2の長端辺24f側の断面図においても、図9と同様に、第1平坦部27a、第2平坦部27b、第1折り返し部28a、第2折り返し部28bを有している。ここで、第2折り返し部28bにおいて、直線L2が通る点を頂点P6としたときに、頂点P6と頂点P2の高さ方向Zにおける長さをrとする。さらに、図8に示すように第1の長端辺24e側の巻回電極体20aの厚み(短辺方向Xの長さ)をW1、図9に示すように第2の長端辺24f側の巻回電極体20aの厚み(短辺方向Xの長さ)をW2とする。なお、W1、W2は、巻回電極体20aの最大厚み(短辺方向Xの最大長さ)であってよい。
ここに開示される電池100の巻回電極体20aは、頂点P3と頂点P6との長さrに対する頂点P1と頂点P5との長さRの比(R/r)は、1<R/r<1.1であることが好ましく、1<R/r<1.05であることがより好ましく、1<R/r<1.03であることが特に好ましい。かかる範囲に調整されることにより、巻回電極体20aの内部に存在し得るガスが負極タブ24t側の端部からより好適に排出されやすくなる。
また、ここに開示される電池100の巻回電極体20aの好ましい一態様では、第1の長端辺24e側の巻回電極体20aの厚みW1と第2の長端辺24f側の巻回電極体20aの厚みW2が異なっている。より好ましくは、第2の長端辺24f側の巻回電極体20aの厚みW2よりも、第1の長端辺24e側の巻回電極体20aの厚みW1の方が厚く構成されているとよい。このように第1の長端辺24e側と第2の長端辺24f側との厚みが異なる巻回電極体20aを作成する方法として、上述したように巻回する際にテンションを調整することが挙げられる。巻回電極体20aを巻回する際にテンションを調整した場合には、第2の長端辺24f側と比して第1の長端辺24e側が緩く巻回され、第1の長端辺24e側の厚みがわずかに厚くなる。言い換えれば、第1の長端辺24e側は、第2の長端辺24f側よりも1周毎に生じる隙間が大きくなるように巻回されている。かかる1周毎の隙間は、例えば巻き始め側が小さく巻き終わり側に近づくにつれて大きくなるように構成されていてもよい。より好ましくは、1周毎の隙間が均一となるように構成されているとよい。
別の好ましい一態様では、第2の長端辺24f側の頂点P3と頂点P6との長さrに対する巻回電極体20aの厚みW2の比(r/W2)よりも、第1の長端辺24e側の頂点P1と頂点P5との長さRに対する巻回電極体20aの厚みW1の比(R/W1)の方が大きい。これにより、巻回電極体20aの内部に存在し得るガスが第1の長端辺24e側の端部から排出されやすくなる。
図4および図5に示すように、負極第2集電部62は、負極タブ群25に付設され、複数の負極タブ24tと電気的に接続される負極タブ接合部62aを有している。正極第2集電部52も同様に、正極タブ群23に付設され、複数の正極タブ22tと電気的に接続される正極タブ接合部52aを有している。負極タブ接合部62a、正極タブ接合部52aは、高さ方向Zに沿って延びている。負極タブ接合部62a、正極タブ接合部52aは、巻回電極体20a、20b、20cの巻回軸WLに対して略垂直に配置されている。負極タブ接合部62a、正極タブ接合部52aの複数の負極タブ24tまたは正極タブ22tと接続される面は、外装体12の短側壁12cと略平行に配置されている。図4に示すように、負極タブ接合部62aには、負極タブ群25との接合部J1が形成されている。正極タブ接合部52aには、正極タブ群23との接合部J2が形成されている。接合部は、例えば、複数の負極タブ24tまたは正極タブ22tを重ねた状態で、超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等の溶接によって形成された溶接接合部である。接合部J1は、複数の負極タブ24tを巻回電極体20a、20b、20cの短辺方向Xの一方側(図4の右側)に寄せて配置されている。接合部J2は、複数の正極タブ22tを巻回電極体20a、20b、20cの短辺方向Xの一方側(図4の左側)に寄せて配置されている。これにより、複数の負極タブ24tおよび正極タブ22tをより好適に折り曲げて、図4に示すような湾曲形状の負極タブ群25および正極タブ群23を安定して形成することができる。
ここで、図2に示すように、負極タブ接合部62aと負極タブ群25との接合部J1から封口板14の内面側までの高さ方向Zにおける長さをL1、正極タブ接合部52aと正極タブ群23との接合部J2から封口板14の内面側までの高さ方向Zにおける長さをL2とする。接合部J1から封口板14の内面側までの長さL1は、接合部J2から封口板14の内面側までの長さL2よりも高さ方向Zの長さが長いことが好ましい。L2に対するL1の比率(L1/L2)は、95%以上99.8%以下であることが好ましく、99%以上99.7%以下であることがより好ましい。なお、負極タブ接合部62aと負極タブ群25、正極タブ接合部52aと正極タブ群23をそれぞれ溶接接合する際には、L1とL2の高さ方向Zにおける長さは等しいことが好ましい。
上記したように、電極体群20は、図5に示すように封口板14と一体化された状態で、図3に示すように例えば袋状の電極体ホルダ29に収容され、外装体12の内部空間に収容される。このとき、巻回電極体20aにおいて第1の長端辺24eの位置する部分から封口板14の内面側までの高さ方向Zにおける長さG1(図2参照)と、巻回電極体20aにおいて第2の長端辺24fの位置する部分から封口板14の内面側までの高さ方向Zにおける長さG2(図2参照)は、図2に示すようにG1の方が短くなるように収容される。これにより、巻回電極体20aの内部に溜まるガスの排出が促進される。なお、外装体12の内部に収容する前の状態(すなわち、電極体群20と封口板14とが一体化された状態)においては、G1とG2の高さ方向Zの長さは等しくなるように一体化されていてもよい。外装体12の内部に収容する前の状態においては、特に限定されないが、G2に対するG1の比(G1/G2)は、L2に対するL1の比(L1/L2)よりも小さくなることが好ましい。
電池100は各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(BEV)等が挙げられる。電池100は、組電池の構築に好適に用いることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
10 電池ケース
12 外装体
14 封口板(蓋体)
15 注液孔
16 封止部材
20 電極体群
20a 巻回電極体
20b 巻回電極体
20c 巻回電極体
20f 平坦部
20r 湾曲部
22 正極板
22a 正極活物質層
22c 正極芯体
22p 正極保護層
22t 正極タブ
23 正極タブ群
24 負極板
24a 負極活物質層
24A 本体部
24c 負極芯体
24e 第1の長端辺
24f 第2の長端辺
24t 負極タブ
25 負極タブ群
26 セパレータ
100 電池

Claims (9)

  1. 底壁と、前記底壁から延び相互に対向する一対の第1側壁と、前記底壁から延び相互に対向する一対の第2側壁と、前記底壁に対向する開口とを有する角型外装体と、
    前記開口を封口する封口板と、
    前記角型外装体の内部に収容され、帯状の正極板と、帯状の負極板とを、帯状のセパレータを介して巻回した扁平形状の巻回電極体と、
    を備えた電池であって、
    前記負極板は、負極芯体と、該負極芯体上に形成された負極活物質層とを有する本体部を有し、
    前記本体部は、巻回軸方向において、第1の長端辺と第2の長端辺とを有しており、
    前記第1の長端辺には、前記負極活物質層が形成されずに前記負極芯体が露出した負極タブが設けられており、
    前記巻回電極体は、巻回軸が前記角型外装体の前記底壁と沿った向きに配置され、
    前記巻回電極体において、前記底壁に対して垂直な方向を高さ方向としたときに、
    前記第1の長端辺が位置する部分の前記巻回電極体の高さT1は、前記第2の長端辺が位置する部分の前記巻回電極体の高さT2と異なる、電池。
  2. 前記負極板の前記本体部の巻回軸方向の長さが20cm以上である、請求項1に記載の電池。
  3. 前記第1の長端辺が位置する部分の前記巻回電極体の高さT1は、前記第2の長端辺が位置する部分の前記巻回電極体の高さT2よりも高いことを特徴とする、請求項1または2に記載の電池。
  4. 前記第2の長端辺が位置する部分の前記巻回電極体の高さT2に対する前記第1の長端辺が位置する部分の前記巻回電極体の高さT1の比率(T1/T2)は、100.1%以上105%以下である、請求項3に記載の電池。
  5. 前記正極板は、正極芯体と、該正極芯体上に形成された正極活物質層とを有し、
    前記正極板の巻回軸方向の一方の端部には、前記正極活物質層が形成されずに前記正極芯体が露出した正極タブが設けられており、
    前記巻回電極体の巻回軸方向の一方の端部には、複数の前記負極タブが積層された負極タブ群が配置され、
    前記巻回電極体の巻回軸方向の他方の端部には、複数の前記正極タブが積層された正極タブ群が配置され、
    前記負極タブ群は、導電部材である負極集電体と接合された状態で折り曲げられており、前記正極タブ群は、導電部材である正極集電体と接合された状態で折り曲げられている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
  6. 前記角型外装体の内部には、前記巻回電極体が複数配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
  7. 前記巻回電極体において、前記第1の長端辺が位置する部分の前記巻回電極体の厚みW1は、前記第2の長端辺が位置する部分の前記巻回電極体の厚みW2と異なる、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
  8. 前記封口板は、非水電解液を注液するための注液孔を有しており、
    前記注液孔は、封止部材で封止され、
    前記注液孔は、前記封口板の長手方向において、前記封口板の中心に対して前記負極タブが配置される側とは反対側に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
  9. 前記巻回電極体は、該巻回電極体の上端辺が前記底壁に対して傾斜して配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池。

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