JP2023066450A - 切削工具および積層造形体の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 積層造形体を加工する際、切削工具表面の目詰まりを抑制でき、積層造形体表面を精度よく表面加工可能な、切削工具および積層造形体の加工方法を提供する。【解決手段】 ホウ素と窒素の化合物を含んだ砥粒、またはダイヤモンド砥粒を表面に備え、前記砥粒の大きさが、20μm以上200μm以下であることを特徴とする切削工具。【選択図】図1
Description
本発明は、切削工具および積層造形体の加工方法に関する。
積層造形(付加製造)方法は、基板に供給される原料粉末に熱源を照射して原料粉末を溶融、凝固させることを繰り返して三次元形状の積層造形体(付加製造体)を得る、造形方法である。
積層造形方法によれば、設計寸法に近いニアネットシェイプが得られるものの、切削や塑性加工で得られるような、寸法精度、表面粗さを得ることは困難である。したがって、積層造形方法では、造形後に後加工(機械加工)することが必要になる。また、積層造形体の機械加工では、ニアネットシェイプの利益を享受するために、表面キズや亀裂や割れなど、造形体表面に欠陥を生じさせない、精度のよい表面加工が必要になる。
また、高強度、高耐食材料の積層造形では、造形体は加工性が悪く、精度よく表面加工することが困難になることがある。具体的には、難切削材料の積層造形体は、切削加工で表面加工しようとすると、切削工具に異常摩耗が生じることがあり、切削抵抗や切削温度が上昇して、積層造形体の表面に欠陥(表面キズ、亀裂や割れ)が生じ、精度よく表面加工できないことがある。
一方、表面に砥粒を備えた工具で機械加工を行う方法として研削加工がある。特許文献1には、金型の研削加工方法であって、前記金型の仕上り形状に対応させてCBN砥粒が電着されて総型形状に形成された研削具と、前記研削具を装着して、該研削具を回転駆動させる回転工具と、を有し、前記回転工具の付勢によって前記研削具を回転させて前記金型のキャビティ部に対して前記CBN砥粒を回転押圧させて粗研削加工する工程と、前記金型のキャビティ部をさらに仕上研削加工する工程とを有する金型の研削加工方法が開示されている。
研削工具と同様に、切削工具でも工具表面に砥粒を電着した工具が知られている。しかしながら、砥粒を電着した切削工具は表面が目詰まりしやすく、特に、積層造形体の表面加工に用いたとき、精度よく表面加工できないことがある。
そこで本発明では、積層造形体を加工する際、切削工具表面の目詰まりを抑制でき、積層造形体表面を精度よく表面加工可能な、切削工具および積層造形体の加工方法を提供する。
本発明は、ホウ素と窒素の化合物を含んだ砥粒、またはダイヤモンド砥粒を表面に備え、前記砥粒の大きさが、20μm以上200μm以下であることを特徴とする切削工具である。
また、本発明は、上記切削工具を用いた積層造形体の加工方法であって、上記切削工具の加工速度を20m/min以上80m/min以下にする積層造形体の加工方法である。
なお、上記加工方法は、積層造形体が、超硬合金またはサーメットの積層造形体であるとき、より好ましい加工方法になる。
なお、上記加工方法は、積層造形体が、超硬合金またはサーメットの積層造形体であるとき、より好ましい加工方法になる。
本発明によれば、積層造形体を加工する際、切削工具表面の目詰まりを抑制でき、積層造形体を精度よく表面加工可能な、切削工具および積層造形体の加工方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、工具について説明した後、積層造形体の加工方法について説明する。なお、本明細書において「~」の数値範囲は、前後の数値を以上、以下で含む範囲とする。
<工具>
本発明に係る工具は、積層造形体の表面加工に好ましいものであり、特に超硬合金やサーメットを含む積層造形体の表面加工により好ましいものである。工具は、ホウ素と窒素の化合物を含んだ砥粒、またはダイヤモンド砥粒を表面に備え、砥粒の大きさが、20μm以上200μm以下であることを特徴の一つとしている。
[工具材質]
本発明の工具は、砥粒と積層造形体の硬さの差を利用した切削加工に用いるものである。特に、超硬合金やサーメットを含む積層造形体の表面加工では、局所的に硬い部分が存在するため、より硬い砥粒が必要となる。
本発明に係る工具は、積層造形体の表面加工に好ましいものであり、特に超硬合金やサーメットを含む積層造形体の表面加工により好ましいものである。工具は、ホウ素と窒素の化合物を含んだ砥粒、またはダイヤモンド砥粒を表面に備え、砥粒の大きさが、20μm以上200μm以下であることを特徴の一つとしている。
[工具材質]
本発明の工具は、砥粒と積層造形体の硬さの差を利用した切削加工に用いるものである。特に、超硬合金やサーメットを含む積層造形体の表面加工では、局所的に硬い部分が存在するため、より硬い砥粒が必要となる。
そのような硬い砥粒としては、ホウ素と窒素の化合物を含んだ砥粒、またはダイヤモンド砥粒が知られている。そこで、本実施形態は、これら硬質砥粒を表面に備えた切削工具としている。このような切削工具にすることで、積層造形体、特に超硬合金やサーメットを含む積層造形体であっても、積層造形体を精度よく表面加工できるようになる。
なお、超硬合金やサーメットを含む積層造形体は、特有の凝固過程を経た組織形態を有しており、粉末冶金法とは異なる組織をしている。特に、硬質セラミックスは積層造形後の凝固過程で粗大化する傾向にあり、粗大化したサイズと工具に付着された硬質砥粒のサイズとの組合せや、加工条件を最適化することで、積層造形体をより精度よく表面加工できるようになる。
[砥粒]
また、本実施形態の工具は、ホウ素と窒素の化合物(立方晶窒化ホウ素(cBN)を含んだ砥粒、またはダイヤモンド砥粒を表面に備え、砥粒の大きさは、800mesh overから65mesh under、すなわち、20μm以上200μm以下としている。
なお、砥粒の大きさを20μm以下にすると、加工中に目詰まりが生じやすく、切削抵抗が増大してしまうことがある。砥粒の大きさが185μm以下であると、切削中に砥粒が脱落するリスクをより抑制することができる。したがって、砥粒の大きさは、50μm以上200μm以下にするのがより好ましく、70μm以上185μm以下にするのがさらに好ましい。
また、本実施形態の工具は、ホウ素と窒素の化合物(立方晶窒化ホウ素(cBN)を含んだ砥粒、またはダイヤモンド砥粒を表面に備え、砥粒の大きさは、800mesh overから65mesh under、すなわち、20μm以上200μm以下としている。
なお、砥粒の大きさを20μm以下にすると、加工中に目詰まりが生じやすく、切削抵抗が増大してしまうことがある。砥粒の大きさが185μm以下であると、切削中に砥粒が脱落するリスクをより抑制することができる。したがって、砥粒の大きさは、50μm以上200μm以下にするのがより好ましく、70μm以上185μm以下にするのがさらに好ましい。
特に、超硬合金やサーメットを含む積層造形体を切削加工するには、積層造形体に含まれる硬質粒子径より大きい砥粒にするのが好ましい。このようにすることで、超硬合金やサーメットを含む積層造形体を切削加工しても、工具表面が目詰まりし難い切削工具にすることができる。
[電着]
上記砥粒は、炭素鋼、低合金鋼、ハイス鋼、超硬合金などからなる工具の表面に、電着により薄い金属層にて保持することができる。金属層としては、例えば、薄いNiメッキ層を利用することができる。具体的には、硬質粒子を固定するために、薄いNiメッキを施した基材上に硬質粒子を充填してからNiメッキで仮固定した後に、余分な硬質粒子を除去し、次いでNiメッキを施して硬質粒子を固定する。
上記砥粒は、炭素鋼、低合金鋼、ハイス鋼、超硬合金などからなる工具の表面に、電着により薄い金属層にて保持することができる。金属層としては、例えば、薄いNiメッキ層を利用することができる。具体的には、硬質粒子を固定するために、薄いNiメッキを施した基材上に硬質粒子を充填してからNiメッキで仮固定した後に、余分な硬質粒子を除去し、次いでNiメッキを施して硬質粒子を固定する。
以上まとめると、本実施形態の切削工具にすることで、工具表面の目詰まりを抑制でき、積層造形体を精度よく表面加工できる。そして、工具表面の目詰まりが抑制されることで、工具の損傷が減り、工具の長寿命化や交換頻度が減少して、効率的な加工も出来るようになる。また、工具表面から砥粒が脱落しにくくなることで、積層造形体に砥粒が付着し混入することを防げるようにもなる。
<積層造形体の加工方法>
本発明に係る積層造形体の加工方法の実施形態は、上述の工具を用いて、積層造形体を切削加工する積層造形体の加工方法であって、切削加工の加工速度を20m/min以上80m/min以下にすることを特徴の一つとする。
本発明に係る積層造形体の加工方法の実施形態は、上述の工具を用いて、積層造形体を切削加工する積層造形体の加工方法であって、切削加工の加工速度を20m/min以上80m/min以下にすることを特徴の一つとする。
切削条件、例えば加工速度は、工具寿命の安定化と高能率加工を実現するために適正化することが好ましく、例えば、難加工材(難切削材料)の加工速度としては、20m/min~80m/minにするのが好ましく、10m/min~60m/minにするのがより好ましく、20m/min~50m/minにするのがさらに好ましい。
以上まとめると、本実施形態の積層造形体の加工方法にすることで、工具表面の目詰まりを抑制でき、積層造形体を精度よく表面加工できる。そして、工具表面の目詰まりが抑制されることで、工具の損傷が減り、工具の長寿命化や交換頻度が減少して、効率的な加工もできるようになる。また、工具表面から砥粒が脱落しにくくなることで、積層造形体に砥粒が付着し混入することを防げるようにもなる。
なお、本明細書の以下の記載では、積層造形体(被削材)の表面加工を、仕上げ加工と称する場合があり、より平滑な表面に加工するため、上述の工具を用いた加工(仕上げ加工)の前に中仕上げ加工を施しても良い。このとき、積層造形体を400℃に加熱した状態で加工することが好ましい。工具としては、セラミックエンドミルを用いることができる。例えば、セラミックエンドミルを用いた場合の中仕上げ加工条件としては、切削速度:30m/min~200m/min、一刃送り:0.01mm/tooth~0.50mm/toothとすることができる。
(積層造形体の製造方法)
積層造形体の製造方法として、例えば、合金粉末に電子ビームまたはレーザビームを照射し、溶融凝固させることにより造形を行う積層造形体の製造方法。電子ビームまたはレーザビームを照射し、溶融凝固させることにより造形を行うことで製造することができる。
積層造形体の製造方法として、例えば、合金粉末に電子ビームまたはレーザビームを照射し、溶融凝固させることにより造形を行う積層造形体の製造方法。電子ビームまたはレーザビームを照射し、溶融凝固させることにより造形を行うことで製造することができる。
電子ビームまたはレーザビームを照射し、合金粉末を溶融凝固させることにより造形を行う一実施形態としては、金属材料を対象とする付加製造法(積層造形法)である粉末床溶融結合方式(PBF:Powder Bed Fusion)と指向性エネルギー堆積方式(DED:Directed Energy Deposition)のいずれの方式についても適用することができる。
積層造形の条件としては、例えば、積層厚さ:10~200μm、レーザ出力:50
~2000W、スキャン速度:100~5000mm/min、スキャン間隔:0.05~0.5mmとすることができる。
~2000W、スキャン速度:100~5000mm/min、スキャン間隔:0.05~0.5mmとすることができる。
また、特に難切削材料で構成された積層造形体を造形する場合、基材を予め加熱しておくことで、割れ巣などの欠陥の無い造形体を形成することができる。加熱の方法は特に限定しないが、高周波加熱や外熱式のヒーター、半導体レーザによる加熱方法を用いて、造形体を造形する基材を予め加熱しておくことがよい。
積層造形体を構成する材料は、その目的を達成することができる限り限定されず、例えば、金属材料、セラミックス、セラミックスと金属との複合材料を用いることができる。例えば、高硬度である超硬合金およびサーメットなどのセラミックスと金属との複合材料が好ましい。具体的には、Ni基合金、特にNi基超合金、Co基合金、特にCo基超合金、Cr基合金、Mo基合金、Fe基超合金が好ましい。
上記の超硬合金(Cemented Carbide)およびサーメット(Cermet)は、周期律表の4族遷移金属、5族遷移金属および6族遷移金属の炭化物、窒化物、酸化物、酸窒化物、炭窒化物、ホウ化物および珪化物の少なくとも一種を含む硬質相と、Fe、Co、Ni、Cr、Moの少なくとも一種からなる結合相と、を主体とする焼結体からなる複合材料である。
また、超硬合金は、典型的にはWC-Co系合金であるが、WC-TiC-Co系合金、WC-TaC-Co系合金、WC-TiC-TaC-Co系合金なども用いられている。また、結合相には、Cr、Cuなどの他の金属元素を含むこともある。またサーメットは、典型的にはTiN-Ni系合金、TiN-TiC-Ni系合金、TiC-Ni-Mo2C系合金などである。
また、超硬合金は一般的には切削工具として用いられているが、後述する金型のように靭性が求められる用途の場合には、切削工具として用いられているものとは異なる組成を採用することが好ましい。サーメットについても同様である。
つまり、超硬合金からなる積層造形体(付加製造体)を例えば金型に用いる際には、WC-Co系合金において、Co量が20質量%以上、50質量%以下であることが好ましい。このCo量は、切削工具として用いられるWC-Co系合金に比べて多い。これにより、金型としての使用に適した靱性、強度および硬度が与えられる。
また、超硬合金またはサーメットの他に、高硬度材、超合金が掲げられる。高硬度材は、50HRCを超えるFe基の材料を指し、JIS SKD11、SKH51、SUS630などである。超合金は、Ni、Cr、Co、MoなどのFe以外を主体とした合金である。その内、Ni基超合金とは、例えばNiを50質量%以上含み、その他にクロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、ランタン(La)、マグネシウム(Mg)、炭素(C)、ホウ素(B)等から選択される元素を含む合金である。
一般に、Ni基超合金は、ガンマ相を主相とする合金である。ガンマ相は冷却過程で相変態することなく、そのままの結晶構造が保たれるため、ワレが起こりにくい。また、鋼や超硬合金の上にNi基超合金を造形した場合には、界面近傍に中間層が形成されるが、この場合、中間層のガンマ相分率が高くなり靭性の著しい低下を抑制することができる。
さらに、被削性指数が50以下の難切削材料として、Ti合金(例えば、Ti-6質量%Al-4質量%V)がある。本実施形態に係る構成は、切削抵抗の低減、耐摩耗性の向上の効果に優れるため、特に難切削材料の加工に好適である。
さらに、被削性指数が50以下の難切削材料として、Ti合金(例えば、Ti-6質量%Al-4質量%V)がある。本実施形態に係る構成は、切削抵抗の低減、耐摩耗性の向上の効果に優れるため、特に難切削材料の加工に好適である。
ここで、被削性指数は、硫黄快削鋼(AISI‐B1112)を切削して、一定の工具寿命に対する切削速度を100とし、比較する材料の同一工具寿命に対する切削速度を百分率で表すものである。
以下、実施例について説明する。
[被削材]
加工対象となる被削材は、マルエージング鋼基材上に積層造形によって積層造形した超硬合金物(積層造形体)とした。
加工対象となる被削材は、マルエージング鋼基材上に積層造形によって積層造形した超硬合金物(積層造形体)とした。
まず、100mm×100mm×10mm(厚さ)のマルエージング鋼(日立金属社製 YAG300)を基材として準備した。その基材をレーザ積層造形装置(DMG森精機社製 LASERTEC653D)に設置し、高周波加熱器を用いて700℃に予熱した。付加製造(積層造形)する超硬合金はWC-40%Co組成とし、造粒焼結粉末を原料粉末として準備した。
造形条件は、レーザ出力:1400W、走査速度:600mm/min、粉末供給量:12g/minとした。レーザの照射によって形成した溶融池に造粒焼結粉末を投入し、溶融固化させることでマルエージング鋼基材上に超硬合金を造形し、積層造形体(付加製造体)を得た。積層造形体のサイズは20mm×50mm×10mm(高さ)である。レーザ粉体肉盛による形成された積層造形体は、一般的に凹凸が大きいことが知られているが、表面粗さ測定機(東京精密社製 サーフコム 1500DX3)を用いて実測するとRzが200μm程度であった。なお、造形した超硬合金の硬質粒子は平均5μm程度である。
[中仕上げ加工(荒加工)]
平滑な表面に加工するため、中仕上げ加工を行った。超硬合金は難削材であるため、400℃に加熱した状態において、セラミックエンドミルを用いた切削加工を適用した。セラミック工具(日本特殊陶業社製 RCSM120H4R150S)はφ12mmのエンドミルであり、切削速度は60m/min、一刃送りは0.05mm/toothとした。セラミックエンドミルで加工した後の表面粗さを表面粗さ測定機(東京精密社製 1500DX3)を用いて測定した結果、Rzが70μmであった。
平滑な表面に加工するため、中仕上げ加工を行った。超硬合金は難削材であるため、400℃に加熱した状態において、セラミックエンドミルを用いた切削加工を適用した。セラミック工具(日本特殊陶業社製 RCSM120H4R150S)はφ12mmのエンドミルであり、切削速度は60m/min、一刃送りは0.05mm/toothとした。セラミックエンドミルで加工した後の表面粗さを表面粗さ測定機(東京精密社製 1500DX3)を用いて測定した結果、Rzが70μmであった。
[仕上げ加工(加工)]
次に、中仕上げ加工後の積層造形体に仕上げ加工を行った。仕上げ加工用工具には、超硬合金、ダイヤコーテッド超硬合金、cBNまたはダイヤモンドが電着された工具を用いた。工具径はφ6mmとした。表1に工具の種類を示す。電着工具については、砥粒の平均径が80μmまたは170μmのものを用いた。また、ダイヤコーテッド超硬合金が電着された工具は、コーティング粒子径の平均が4μmのものを用いた。
次に、中仕上げ加工後の積層造形体に仕上げ加工を行った。仕上げ加工用工具には、超硬合金、ダイヤコーテッド超硬合金、cBNまたはダイヤモンドが電着された工具を用いた。工具径はφ6mmとした。表1に工具の種類を示す。電着工具については、砥粒の平均径が80μmまたは170μmのものを用いた。また、ダイヤコーテッド超硬合金が電着された工具は、コーティング粒子径の平均が4μmのものを用いた。
(1)加工条件
加工速度=50m/min、送り=0.075mm/rev、湿式加工とし、加工面粗さRaが2μm以下となる平滑面が得られるかどうかを評価した。表2に評価結果を示す。表2に示すように、No.1の超硬合金製の工具は早期に欠損し、加工を継続できなかった。また、No.2のダイヤモンドコーテッド超硬合金についても、加工中にコーティングが剥離し、加工精度を得られなかった。一方、cBN電着工具を用いたNo.3およびNo.4、ダイヤ電着工具を用いたNo.5および6は、加工を継続できることを確認した(加工可能)。以上から、電着工具は砥粒サイズが大きい場合、具体的には80μmや170μmなどであると加工が可能であることを確認した。
加工速度=50m/min、送り=0.075mm/rev、湿式加工とし、加工面粗さRaが2μm以下となる平滑面が得られるかどうかを評価した。表2に評価結果を示す。表2に示すように、No.1の超硬合金製の工具は早期に欠損し、加工を継続できなかった。また、No.2のダイヤモンドコーテッド超硬合金についても、加工中にコーティングが剥離し、加工精度を得られなかった。一方、cBN電着工具を用いたNo.3およびNo.4、ダイヤ電着工具を用いたNo.5および6は、加工を継続できることを確認した(加工可能)。以上から、電着工具は砥粒サイズが大きい場合、具体的には80μmや170μmなどであると加工が可能であることを確認した。
また、例えばNo.5について、加工面の表面粗さを測定した結果、Raが1.477μm、Rzが8.657μmであった。図1に示すように明瞭な加工痕が見られ、平滑な加工面が得られたことがわかる。
Claims (3)
- ホウ素と窒素の化合物を含んだ砥粒、またはダイヤモンド砥粒を表面に備え、
前記砥粒の大きさが、20μm以上200μm以下であることを特徴とする切削工具。 - 請求項1に記載の切削工具を用いた積層造形体の加工方法であって、
前記切削工具の加工速度を20m/min以上80m/min以下にする、
ことを特徴とする積層造形体の加工方法。 - 前記積層造形体が、超硬合金またはサーメットの積層造形体である
ことを特徴とする請求項2に記載の積層造形体の加工方法。
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