JP2023066192A - 積層体、導電性基板の製造方法 - Google Patents

積層体、導電性基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 保存安定性に優れる積層体を提供すること。【解決手段】 基板と、下地層と、上記下地層と接触して配置された被めっき層前駆体層とをこの順に有する積層体であって、上記下地層の厚みが1~20μmであり、上記下地層が、オキシムエステル系重合開始剤を含み、上記被めっき層前駆体層が、上記下地層に含まれる上記オキシムエステル系重合開始剤と同種のオキシムエステル系重合体、解離性官能基を有するポリマー、および、上記ポリマーとは異なる化合物である重合性化合物を含み、上記下地層中における上記オキシムエステル系重合開始剤の含有量が、上記被めっき層前駆体層中における上記オキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多く、所定の要件を満たす、積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体、および、導電性基板の製造方法に関する。
基板と、導電層とを含む導電性基板は、種々の用途に使用されている。
例えば、例えば、タッチパネルセンサー用などの透明導電膜として用いられる場合、および、ヒーター用途として用いられる場合が挙げられる。
例えば、特許文献1では、オキシムエステル系重合開始剤およびアシルホスフィンオキシド系重合開始剤の少なくとも一方と、主鎖に二重結合を含み、かつ、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を含むポリマーと、多官能のラジカル重合性モノマーと、を含む、被めっき層形成用組成物が開示されており、基板と、上記非めっき層形成用組成物から形成される被めっき層前駆体層とを有する、被めっき層前駆体層付き基板(積層体)が開示されている。
特開2020-050835号公報
上記のような積層体は、長期間保管した後においても、被めっき層前駆体層が感光性を有すること、すなわち、保存安定性に優れることが求められる場合がある。
本発明者は、特許文献1に記載の積層体について検討したところ、長期間保管した後の被めっき層前駆体層の感光性が必ずしも十分ではなく、保存安定性に改善の余地があることを知見した。
そこで、本発明は、保存安定性に優れる積層体の提供を課題とする。
また、本発明は、積層体を用いた導電性基板の製造方法の提供も課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、以下の構成により上記課題が解決されることを見出した。
〔1〕 基板と、下地層と、上記下地層と接触して配置された被めっき層前駆体層とをこの順に有する積層体であって、
上記下地層の厚みが1~20μmであり、
上記下地層が、オキシムエステル系重合開始剤を含み、
上記被めっき層前駆体層が、上記下地層に含まれる上記オキシムエステル系重合開始剤と同種のオキシムエステル系重合開始剤、解離性官能基を有するポリマー、および、上記ポリマーとは異なる化合物である重合性化合物を含み、
上記下地層中における上記オキシムエステル系重合開始剤の含有量が、上記被めっき層前駆体層中における上記オキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多く、
下記要件1および要件2のいずれか一方を満たす、積層体。
要件1:上記ポリマーが重合性基を有し、上記下地層中における上記オキシムエステル系重合開始剤と、上記被めっき層前駆体層中における上記オキシムエステル系重合開始剤との合計量が、上記被めっき層前駆体層中の上記ポリマーおよび上記重合性化合物の合計量に対して、5~50質量%である。
要件2:上記ポリマーが重合性基を有さず、上記下地層中における上記オキシムエステル系重合開始剤と、上記被めっき層前駆体層中における上記オキシムエステル系重合開始剤との合計量が、上記被めっき層前駆体層中の上記重合性化合物の合計量に対して、5~50質量%である。
〔2〕 上記下地層が、架橋点間分子量が20000超の架橋構造を有する架橋ポリマー、または、直鎖状ポリマーを含む、〔1〕に記載の積層体。
〔3〕 上記架橋ポリマーが、ウレタン構造を有する架橋ポリマーである、〔2〕に記載の積層体。
〔4〕 上記解離性官能基が、酸基である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の積層体。
〔5〕 上記酸基が、カルボキシ基である、〔4〕に記載の積層体。
〔6〕 上記下地層、上記被めっき層前駆体層、および、上記オキシムエステル系重合開始剤に関して、後述する式(1)の関係を満たす、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の積層体。
〔7〕 上記下地層の厚みが、3~20μmである、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の積層体。
〔8〕 上記下地層および上記被めっき層前駆体層に含まれる上記オキシムエステル系重合開始剤を飛行時間型2次イオン質量分析法で測定した際、後述する式(2)の関係を満たす、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の積層体。
〔9〕 〔1〕~〔8〕のいずれか1つに記載の積層体の上記被めっき層前駆体層を露光する露光工程と、
露光された上記被めっき層前駆体層を現像処理してパターン状被めっき層を得る現像工程と、
上記パターン状被めっき層にめっき触媒またはその前駆体を付与するめっき準備工程と、
上記めっき触媒またはその前駆体が付与されたパターン状被めっき層にめっき処理を施してめっき層を形成するめっき工程とを有する、導電性基板の製造方法。
本発明によれば、保存安定性に優れる積層体が提供できる。
また、本発明によれば、積層体を用いた導電性基板の製造方法も提供できる。
積層体の一実施形態の断面図である。 飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF-SIMS)で積層体の成分を分析して検出されたオキシムエステル系重合開始剤の2次イオン強度の深さ方向のプロファイルを説明するための概略図である。 パターン状被めっき層の一態様を表す上面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされる場合があるが、本発明はそのような実施態様に制限されない。
以下、本明細書における各記載の意味を表す。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特段の断りのない限り、重量平均分子量(Mw)および、数平均分子量(Mn)は、カラムとして、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、もしくは、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー株式会社製の商品名)、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)、検出器として示差屈折計、および、標準物質としてポリスチレンを使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により測定した標準物質のポリスチレンを用いて換算した値である。
本明細書において、特段の断りがない限り、分子量分布がある化合物の分子量は、重量平均分子量(Mw)である。
<積層体>
本発明の積層体は、基板と、下地層と、下地層と接触して配置された被めっき層前駆体層とをこの順に有する。
また、上記積層体の下地層の厚みが1~20μmであり、下地層が、オキシムエステル系重合開始剤を含む。
さらに、被めっき層前駆体層が、下地層に含まれるオキシムエステル系重合開始剤と同種のオキシムエステル系重合体、解離性官能基を有するポリマー、および、ポリマーとは異なる化合物である重合性化合物を含み、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量が、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多く、下記要件1または要件2のいずれか一方を満たす。
要件1:上記ポリマーが重合性基を有し、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤と、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤との合計量が、被めっき層前駆体層中のポリマーおよび重合性化合物の合計量に対して、5~50質量%である。
要件2:上記ポリマーが重合性基を有さず、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤と、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤との合計量が、被めっき層前駆体層中の重合性化合物の合計量に対して、5~50質量%である。
本発明の積層体は、上記特徴点を有することにより、長期間保管した後においても、被めっき層前駆体層が良好な感光性を有する。すなわち、本発明の積層体は、上記特徴点を有することにより、保存安定性に優れる。
本発明の積層体が保存安定性に優れる機序は必ずしも明らかではないが、本発明者は以下のように推測している。
被めっき層前駆体層は、オキシムエステル系重合開始剤により感光性を有している。一方、オキシムエステル系重合開始剤は、被めっき層前駆体層において解離性官能基を有するポリマーと同時に存在すると、その分解が促進されると考えられる。長期間の保管によりオキシムエステル系重合開始剤が分解すると、被めっき層前駆体層は感光性を有さなくなる。
ここで、下地層がオキシムエステル系重合開始剤を含むことにより、被めっき層前駆体層のオキシムエステル系重合開始剤が分解しても、下地層からオキシムエステル系重合開始剤が供給され、長期間保管した後においても、被めっき層前駆体層が感光性を有すると考えられる。すなわち、下地層がオキシムエステル系重合開始剤を含むことにより、保存安定性に優れる。
また、下地層の厚みが1~20μmであること、および、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量が、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多いことにより、下地層からオキシムエステル系重合開始剤が長期間にわたって供給されやすく、より保存安定性に優れると考えられる。
さらに、上記要件1または要件2を満たすことにより、さらに下地層からオキシムエステル系重合開始剤が長期間にわたって供給されやすく、より保存安定性に優れると考えられる。
図1に、本発明の積層体の一態様について示す。
積層体10は、基板12と、下地層14と、下地層14と接触して配置された被めっき層前駆体層16とをこの順に有する。
下地層14と基板12との間には、他の層が配置されていてもよい。また、積層体10は、被めっき層前駆体層16の下地層14とは反対側の表面に、カバーフィルムを有していてもよい。
以下、本発明の積層体が有する基板と、下地層と、下地層と接触して配置された被めっき層前駆体層とについて説明する。また、本発明の積層体が有していてもよい構成についても説明する。
[基板]
基板は、積層体が有する部材を支持する部材であればよい。基板は、通常、2つの対向する表面(主面)を有する。
基板は、可視光(波長400~700nm)の透過率が60%以上である透明基板であってもよい。透明基板の可視光透過率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100%未満の場合が多い。
基板としては、公知の透明基板(例えば、樹脂基板、ガラス基板、および、セラミック基板など)が挙げられ、可撓性を有する基板が好ましく、樹脂基板がより好ましい。
樹脂基板の材料としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、および、シクロオレフィン系樹脂などが挙げられる。
樹脂基板中における上記樹脂の含有量は特に制限されないが、基板全質量に対して、80質量%が好ましく、90質量%以上がより好ましい。上限としては、100質量%が挙げられる。
基板は、紫外線吸収剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
なかでも、後述する熱変形時に紫外線吸収剤のブリードアウトが抑制される点で、基板は紫外線吸収剤を含まないか、または、基板が紫外線吸収剤を含む場合、紫外線吸収剤の含有量が、基板全質量に対して、0.01質量%以下であることが好ましい。なお、基板が紫外線吸収剤を含む場合、上記紫外線吸収剤の含有量の下限値は特に制限されないが、0.001質量%以上の場合が多い。
基板の厚みは特に制限されず、取り扱い性および薄型化のバランスの点で、0.05~2mmが好ましく、0.1~1mmがより好ましい。
[下地層]
下地層は、後述する被めっき層前駆体層と接触して配置される。
また、下地層は、オキシムエステル系重合開始剤を含み、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量が、後述する被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多い。
(オキシムエステル系重合開始剤)
下地層が含むオキシムエステル系重合開始剤は特に制限されず、公知のオキシムエステル系重合開始剤が挙げられる。
オキシムエステル系重合開始剤とは、オキシムエステル構造(>C=N-O-(C=O)-)を含み、重合開始剤として機能するもの、すなわちラジカルを発生するものであれば特に制限されない。
オキシムエステル系重合開始剤は市販品を使用してもよい。
オキシムエステル系重合開始剤の市販品としては、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASF社製)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-02、BASF社製)、IRGACURE(登録商標)OXE03(BASF社製)、IRGACURE(登録商標)OXE04(BASF社製)、Lunar(登録商標) 6(DKSHジャパン(株)製)、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-3-シクロペンチルプロパン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:TR-PBG-305、常州強力電子新材料社製)、1,2-プロパンジオン,3-シクロヘキシル-1-[9-エチル-6-(2-フラニルカルボニル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,2-(O-アセチルオキシム)(商品名:TR-PBG-326、常州強力電子新材料社製)、および、3-シクロヘキシル-1-(6-(2-(ベンゾイルオキシイミノ)ヘキサノイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-プロパン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:TR-PBG-391、常州強力電子新材料社製)等が挙げられる。
なかでも、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASF社製)、または、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-02、BASF社製)が好ましく、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASF社製)がより好ましい。
下地層に含まれるオキシムエステル系重合開始剤の含有量は、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量が、後述する被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多ければ特に制限されない。
なかでも、下地層に含まれるオキシムエステル系重合開始剤の含有量は、下地層全質量に対して、0.01~10.0質量%が好ましく、0.1~1.0質量%がより好ましい。
下地層はオキシムエステル系重合開始剤以外の成分を含んでいてもよい。
下地層が含んでいてもよい他の成分としては、ポリマーが挙げられる。
(ポリマー)
下地層が含むポリマーとしては、架橋構造を有する架橋ポリマー、または、直鎖状ポリマーが好ましい。
架橋ポリマーとは、ポリマー鎖同士が架橋構造により結合し、2次元的または3次元的な網目状のネットワークを有しているポリマーをいう。
架橋ポリマーの架橋点間分子量は、20000超が好ましい。架橋ポリマーの架橋点間分子量が上記範囲であることにより、下地層が含むオキシムエステル系重合開始剤が、接触する被めっき層前駆体層により供給されやすくなる。架橋点間分子量の上限は特に制限されないが、例えば、500000が挙げられる。
架橋点間分子量は、固体粘弾性測定を行うことで求めることができる。
架橋ポリマーの種類は特に制限されないが、ウレタン構造(-NH-(C=O)-)を有することが好ましい。
直鎖状ポリマーとは、繰り返し単位が一次元的に結合し、繰り返し単位同士の結合において、枝分かれした構造を含まないものをいう。
直鎖状ポリマーとしては、公知のポリマーを用いることができ、アクリロニトリルと1,3-ブタジエンとの共重合体(ニトリルゴム)、水素添加ニトリルゴム、アクリル酸および/またはメタクリル酸に由来する繰り返し単位を含む共重合体(アクリルポリマー)、アクリル酸誘導体および/またはメタクリル酸誘導体に由来する繰り返し単位を含む共重合体(アクリル系ポリマー)、および、ウレタンポリマー等が挙げられる。
直鎖状ポリマーの重量平均分子量は、500~500000が挙げられ、1000~100000が好ましい。
また、下地層が含むポリマーとしては、後述する式(1)の関係を満たすポリマーであることも好ましい。
(厚み)
下地層の厚みは、1~20μmである。保存安定性に優れる点で、3~20μmが好ましく、5~20μmがより好ましく、10~20μmがさらに好ましい。
[被めっき層前駆体層]
被めっき層前駆体層は、後述する被めっき層を形成するための層である。つまり、被めっき層前駆体層とは、後述する露光処理および現像処理が施される前の未硬化の状態の層である。
また、被めっき層前駆体層は、下地層に含まれるオキシムエステル系重合開始剤と同種のオキシムエステル系重合開始剤、解離性官能基を有するポリマー、および、ポリマーとは異なる化合物である重合性化合物を含む。
(オキシムエステル系重合開始剤)
オキシムエステル系重合開始剤は、下地層で説明したオキシムエステル系重合開始剤が挙げられる。被めっき層前駆体層が含むオキシムエステル系重合開始剤は、下地層が含むオキシムエステル系重合開始剤と同種(同一の構造の化合物)である。
被めっき層前駆体層におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、被めっき層前駆体層全質量に対して、0.1~15質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
(解離性官能基を有するポリマー)
被めっき層前駆体層は、解離性官能基を有するポリマーを含む。
解離性官能基は、官能基の一部が解離可能な基をいい、後述するめっき触媒またはその前駆体と相互作用し、めっき触媒またはその前駆体を、被めっき層前駆体層を硬化してなる被めっき層に付着させることが可能である。
解離性官能基としては、例えば、例えば、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、キナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、および、シアネート基などの含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボン酸基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N-オキシド構造を含む基、S-オキシド構造を含む基、および、N-ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸基、および、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基;ホスフェート基(リン酸基)、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、および、リン酸エステル構造を含む基などの含リン官能基;塩素原子、ボロン酸基などの含ホウ素官能基、および、臭素原子などのハロゲン原子を含む基などが挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用できる。
なかでも、解離性官能基は、プロトン(H)が解離する酸基であることが好ましい。
酸基の中でも、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、または、ボロン酸基が好ましく、カルボン酸基がより好ましい。
解離性官能基を有するポリマーは、解離性官能基を1種類単独で有していてもよく、2種類以上有していてもよい。
解離性官能基を有するポリマーは、解離性官能基の他に、重合性基を有していてもよい。
重合性基とは、エネルギー付与により、化学結合を形成しうる官能基であり、例えば、ラジカル重合性基、および、カチオン重合性基が挙げられる。なかでも、反応性がより優れる点で、ラジカル重合性基が好ましい。ラジカル重合性基としては、例えば、アルケニル基(例:-C=C-)、アクリル酸エステル基(アクリロイルオキシ基)、メタクリル酸エステル基(メタクリロイルオキシ基)、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、および、メタクリルアミド基が挙げられる。なかでも、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、または、スチリル基がより好ましい。
解離性官能基を有するポリマーは、重合性基を1種類単独で有していてもよく、2種類以上有していてもよい。
解離性官能基を有するポリマーの重量平均分子量は特に制限されず、溶解性など取り扱い性がより優れる点で、1000~700000が好ましく、2000~200000がより好ましく、1000~700000が好ましく、10000~100000がさらに好ましい。
このような重合性基および解離性官能基を有するポリマーの合成方法は特に制限されず、公知の合成方法(特開2009-280905号の段落[0097]~[0125]参照)が使用できる。
解離性官能基を有するポリマーとしては、解離性官能基を有する繰り返し単位を含むポリマー(例えば、ポリアクリル酸)が挙げられる。
解離性官能基を有する繰り返し単位の一好適形態としては、式(A)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2023066192000001
式(A)中、Rは、水素原子またはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)を表す。
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の種類は特に制限されず、例えば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基であっても、2価の芳香族炭化水素基であってもよい。2価の飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよく、炭素数1~20が好ましく、例えば、アルキレン基が挙げられる。また、2価の芳香族炭化水素基は、炭素数5~20が好ましく、例えば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、アルケニレン基、アルキニレン基であってもよい。)、2価の複素環基、-O-、-S-、-SO-、-NR-、-CO-(-C(=O)-)、-COO-(-C(=O)O-)、-NR-CO-、-SO-、-SONR-、および、これらを2種以上組み合わせた基が挙げられる。ここで、Rは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1~10)を表す。
Zは、解離性官能基を表す。解離性官能基の定義は、上述のとおりである。
解離性官能基を有する繰り返し単位の他の好適形態としては、不飽和カルボン酸またはその誘導体由来の繰り返し単位が挙げられる。
不飽和カルボン酸とは、カルボン酸基(-COOH基)を有する不飽和化合物である。不飽和カルボン酸の誘導体とは、例えば、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和カルボン酸の塩、および、不飽和カルボン酸のモノエステルが挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、および、シトラコン酸が挙げられる。
解離性官能基を有する繰り返し単位を含むポリマー中における解離性官能基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されず、めっき析出性のバランスの点で、全繰り返し単位に対して、1~100モル%が好ましく、10~100モル%がより好ましい。
解離性官能基を有する繰り返し単位を含むポリマーの好適形態としては、少ないエネルギー付与量(例えば、露光量)にて被めっき層が形成しやすい点で、共役ジエン化合物由来の繰り返し単位、および、不飽和カルボン酸またはその誘導体由来の繰り返し単位を有するポリマーXが挙げられる。
不飽和カルボン酸またはその誘導体由来の繰り返し単位の説明は、上述のとおりである。
共役ジエン化合物としては、一つの単結合で隔てられた、二つの炭素-炭素二重結合を有する分子構造を有する化合物であれば特に制限されない。
共役ジエン化合物としては、例えば、イソプレン、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-ヘプタジエン、2,4-ヘプタジエン、1,3-オクタジエン、2,4-オクタジエン、3,5-オクタジエン、1,3-ノナジエン、2,4-ノナジエン、3,5-ノナジエン、1,3-デカジエン、2,4-デカジエン、3,5-デカジエン、2,3-ジメチル-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ペンタジエン、3-フェニル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2-ヘキシル-1,3-ブタジエン、3-メチル-1,3-ヘキサジエン、2-ベンジル-1,3-ブタジエン、および、2-p-トリル-1,3-ブタジエンが挙げられる。
なかでも、ポリマーXの合成が容易で、パターン状被めっき層の特性がより優れる点で、共役ジエン化合物由来の繰り返し単位は、式(2)で表されるブタジエン骨格を有する化合物由来の繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2023066192000002
式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表す。炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基など。炭素数1~12が好ましい。)、および、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基など。)が挙げられる。複数あるRは同一であっても異なっていてもよい。
式(3)で表されるブタジエン骨格を有する化合物(ブタジエン構造を有する単量体)としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-n-プロピル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1-フェニル-1,3-ブタジエン、1-α-ナフチル-1,3-ブタジエン、1-β-ナフチル-1,3-ブタジエン、2-クロル-1,3-ブタジエン、1-ブロム-1,3-ブタジエン、1-クロルブタジエン、2-フルオロ-1,3-ブタジエン、2,3-ジクロル-1,3-ブタジエン、1,1,2-トリクロル-1,3-ブタジエン、および、2-シアノ-1,3-ブタジエンが挙げられる。
ポリマーX中における共役ジエン化合物由来の繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、25~75モル%が好ましい。
ポリマーX中における不飽和カルボン酸またはその誘導体由来の繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、25~75モル%が好ましい。
(重合性化合物)
被めっき層前駆体層は、上記解離性官能基を有するポリマーとは異なる化合物である重合性化合物を含む。
重合性化合物とは、いわゆるモノマーであり、形成されるパターン状被めっき層の硬度がより優れる点で、2つ以上の重合性基を有する多官能モノマーが好ましい。多官能モノマーとは、具体的には、2~6つの重合性基を有するモノマーが好ましい。反応性に影響を与える架橋反応中の分子の運動性の点で、用いる多官能モノマーの分子量は、150~1000が好ましく、200~800がより好ましい。
多官能モノマーとしては、多官能アクリルアミド、および、多官能メタクリルアミドからなる群から選択されるアミド化合物が好ましい。
多官能アクリルアミドは、2つ以上のアクリルアミド基を含む。多官能アクリルアミド中のアクリルアミド基の数は特に制限されず、2~10つが好ましく、2~5つがより好ましく、2つがさらに好ましい。
多官能メタクリルアミドは、2つ以上のメタクリルアミド基を含む。多官能メタクリルアミド中のメタクリルアミド基の数は特に制限されず、2~10つが好ましく、2~5つがより好ましい。
なお、アクリルアミド基およびメタクリルアミド基は、それぞれ以下式(B)および式(C)で表される基である。*は、結合位置を表す。
Figure 2023066192000003
は、水素原子または置換基を表す。置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基(例えば、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基など。より具体的には、アルキル基、アリール基など。)が挙げられる。
重合性化合物の好適態様としては、式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023066192000004
式(1)中、Qは、n価の連結基を表し、Rは、水素原子またはメチル基を表す。nは、2以上の整数を表す。
は、水素原子またはメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
Qの価数nは、2以上であり、被めっき層と金属配線との密着性をより向上させる点から、2~6が好ましく、2~5がより好ましく、2~4がさらに好ましい。
Qで表されるn価の連結基としては、例えば、式(1A)で表される基、式(1B)で表される基、
Figure 2023066192000005
-NH-、-NR(R:アルキル基を表す)-、-O-、-S-、カルボニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、芳香族基、ヘテロ環基、および、これらを2種以上組み合わせた基などが挙げられる。
被めっき層前駆体層中における解離性官能基を有するポリマーが重合性基を有する場合、解離性官能基を有するポリマーの含有量は特に制限されず、被めっき層前駆体層全質量に対して、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。上限としては、100質量%が挙げられる。
被めっき層前駆体層が解離性官能基を有するポリマーおよび重合性化合物を含む場合、被めっき層前駆体層中における解離性官能基を有するポリマーの含有量は特に制限されないが、被めっき層前駆体層全質量に対して、10~90質量%が好ましく、25~75質量%がより好ましく、35~65質量%がさらに好ましい。
なお、重合性化合物および解離性官能基を有し重合性基を有するポリマーの合計含有量に対する、解離性官能基を有し重合性基を有さないポリマーの質量比は特に制限されず、形成されるパターン状被めっき層の強度およびめっき適性のバランスの点で、0.1~10が好ましく、0.5~2がより好ましい。
被めっき層前駆体層は、必要に応じて、他の成分(例えば、オキシムエステル系重合開始剤以外の重合開始剤、増感剤、硬化剤、重合禁止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、フィラー、難燃剤、滑剤、可塑剤、または、めっき触媒もしくはその前駆体)を含んでいてもよい。
(厚み)
被めっき層前駆体層の厚みは、後述する積層体の性状を充足する限り特に制限されないが、0.01~10μmが好ましく、0.05~1μmがより好ましく、0.1~0.5μmがさらに好ましい。
[その他の層]
本発明の積層体は、基板、下地層、および、被めっき層前駆体層層以外のその他の層を含んでいてもよい。
例えば、被めっき層前駆体層の基板側とは反対側の表面に保護フィルムを配置してもよい。保護フィルムとしては、公知の樹脂フィルム(例えば、ポリプロピレンフィルム)が挙げられる。
また、基板と、下地層との間にプライマー層が配置してもよい。プライマー層としては、公知のプライマー層が挙げられる。
[積層体の性状]
以下、積層体の性状について説明する。
(下地層と被めっき層とにおけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量)
本発明の積層体は、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量が、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多い。
下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量、および、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量は、例えば、飛行時間型2次イオン質量分析(TOF-SIMS)法で得られる。
具体的には、積層体の一方の表面から他方の表面に向かって、イオンスパッタリングしながらTOF-SIMSで層中の深さ方向の成分分析を行う。図2に、TOF-SIMSで得られるプロファイルの一例を示す。なお、本明細書では、深さ方向とは、積層体の一方の表面を基準にして、他方の表面に向かう方向を意図する。
図2中に記載される深さ方向のプロファイルにおいては、横軸(図2中、紙面の左右方向の延びる軸)は、積層体の一方の表面を基準とした深さを表し、縦軸(図2中、紙面の上下方向の延びる軸)は所定の成分由来の2次イオン強度を表す。なお、図2中では、横軸のdの位置は、被めっき層前駆体層の下地層とは反対側の表面の位置を意味し、深さ位置dは、被めっき層前駆体層と下地層との界面の位置を意味し、深さ位置dは、下地層と基板との界面の位置を意味する。
なお、TOF-SIMSについては、具体的には日本表面科学会編「表面分析技術選書 2次イオン質量分析法」丸善株式会社(1999年発行)に記載されている。
図2に示す深さ方向のプロファイルにおいては、被めっき層前駆体層に含まれるオキシムエステル系重合開始剤に由来する2次イオンの平均強度(I)、および、下地層に含まれるオキシムエステル系重合開始剤に由来する2次イオンの平均強度(I)が示される。
図2において、Iと(d-d)との積と、Iと(d-d)との積とを比較することで、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量と、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量とを比較することができる。
本発明の積層体は、図2に示すように、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量が、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多い。
積層体の深さ方向の成分分析の方法としては、積層体の被めっき層前駆体層の表面側から深さ方向に向かってイオンスパッタリングしながら、TOF-SIMSにて積層体の成分分析を行ってもよいし、積層体の基板の表面側から積層体を切削し、下地層の基板と対向する表面側からTOF-SIMSにて成分分析を行ってもよい。
また、積層体の成分分析は、積層体の断面をミクロトーム等で作製し、その断面をTOF-SIMSで深さ方向の線分析、または、マッピング分析を行ってもよい。
また、本発明の積層体は、下地層および被めっき層前駆体層に含まれるオキシムエステル系重合開始剤を飛行時間型2次イオン質量分析法で測定した際、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
式(2): (下地層中のオキシムエステル系重合開始剤の平均ピーク強度×下地層の膜厚)/(被めっき層前駆体層中のオキシムエステル系重合開始剤の平均ピーク強度×被めっき層前駆体層の膜厚) ≧ 3
式(2)中の下地層中のオキシムエステル系重合開始剤の平均ピーク強度は、図2中のIに相当し、被めっき層前駆体層中のオキシムエステル系重合開始剤の平均ピーク強度は、図2中のIに相当する。
式(2)中の下地層の膜厚および被めっき層前駆体層の膜厚は、TOF-SIMS分析から得てもよいし、ミクロトーム等で断面を作製し、その断面をTOF-SIMSでマッピング分析を行うことで膜厚を算出してもよい。また、断面をエネルギー分散型X線分析装置付き走査型電子顕微鏡(SEM-EDS)、または、エネルギー分散型X線分析装置付き走査型透過電子顕微鏡(STEM-EDS)等によって分析して膜厚を算出してもよい。
なお、本明細書においては、式(2)における膜厚は、積層体の表面と垂直方向に沿って断面を作製し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定した膜厚をいう。具体的には、SEMでの積層体の断面の観察において、任意の10点について厚みを測定し、その平均により厚みを算出する。また、SEM観察において、下地層と被めっき層前駆体層との区別が困難な場合は、SEM-EDSで分析してもよく、染色等の前処理を行って両者を区別してもよい。
なお、積層体が自立せずに断面の作製またはSEM観察が困難である場合、樹脂包埋した積層体について断面の作製またはSEM観察を行えばよい。
(要件1および要件2)
本発明の積層体は、以下の要件1および要件2のいずれか一方を満たす。
要件1:被めっき層前駆体層が含むポリマーが重合性基を有し、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤と、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤との合計量が、被めっき層前駆体層中のポリマーおよび重合性化合物の合計量に対して、5~50質量%である。
要件2:被めっき層前駆体層が含むポリマーが重合性基を有さず、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤と、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤との合計量が、被めっき層前駆体層中の重合性化合物の合計量に対して、5~50質量%である。
本発明の積層体において、被めっき層前駆体層が含むポリマーが重合性基を有するか否かについて不明である場合には、ポリマーを公知の方法(例えば、クロマトグラフ、限外ろ過等)で分離し、ポリマーに対して赤外分光分析等を行って、重合性基の有無を確認すればよい。
上記要件1および要件2における、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤と、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤との合計量は、後述する下地層形成用組成物、および、被めっき層前駆体層形成用組成物におけるオキシムエステル系重合開始剤の仕込み量が判明している場合には、その仕込み量から、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤と、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤との合計量を算出できる。
なお、上記合計量は、積層体の状態からも算出することもでき、例えば、積層体の下地層および被めっき層前駆体層を溶解可能な溶媒(例えば、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン等)によって下地層および被めっき層前駆体層を溶解し、溶液中に含まれるオキシムエステル系重合開始剤の含有量を定量して得ることもできる。
上記オキシムエステル系重合開始剤の定量は、公知の方法で行うことができるが、本明細書においては、溶液中に含まれるオキシムエステル系重合開始剤を液体クロマトグラフで分離し、分析する方法とする。
被めっき層前駆体層が含むポリマーが重合性基を有する場合、後述する被めっき層前駆体層形成用組成物におけるポリマーの仕込み量が判明している場合には、その仕込み量から、被めっき層前駆体層が含むポリマーの含有量を算出できる。
なお、上記含有量は、積層体の状態からも算出することもでき、その算出は公知の方法で行うことができるが、本明細書においては、下地層および被めっき層前駆体層を溶解可能な溶媒で溶解し、溶液中に含まれるポリマーを液体クロマトグラフで分離し、分析する方法とする。
また、後述する被めっき層前駆体層形成用組成物における重合性化合物の仕込み量が判明している場合には、その仕込み量から、被めっき層前駆体層が含む重合性化合物の含有量を算出してもよい。
なお、上記含有量は、積層体の状態からも算出することもでき、その算出は公知の方法で行うことができるが、本明細書においては、下地層および被めっき層前駆体層を溶解可能な溶媒で溶解し、溶液中に含まれる重合性化合物を液体クロマトグラフで分離し、分析する方法とする。
(溶解度パラメータの関係)
本発明の積層体は、下地層、被めっき層前駆体層、および、オキシムエステル系重合開始剤に関して、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
式(1): (下地層主成分とオキシムエステル系重合開始剤とのハンセン溶解度パラメータ距離値)+3 < (被めっき層前駆体層主成分とオキシムエステル系重合開始剤とのハンセン溶解度パラメータ距離値)
下記式(1)の関係を満たす場合、下地層主成分とオキシムエステル系重合開始剤との相溶性が、被めっき層前駆体層とオキシムエステル系重合開始剤との相溶性よりも大きいことを表す。
積層体が下記式(1)を満たすことで、下地層にオキシムエステル系重合開始剤が存在しやすく、被めっき層前駆体層におけるオキシムエステル系重合開始剤の分解を抑制し、積層体の保存安定性に優れると考えられる。
式(1)中、下地層主成分は、下地層に含まれる成分のうち、最も質量基準の含有量が多い成分である。
なお、下地層の主成分がポリマーであって、下地層を形成する際に、後述するように、ポリマーの前駆体(モノマー等)を用いてポリマーとする場合は、上記ポリマーの前駆体のうち、最も質量基準の含有量が多いポリマーの前駆体を下地層の主成分とする。
式(1)中、被めっき層前駆体層主成分は、被めっき層前駆体層中に含まれる成分のうち、最も質量基準の含有量が多い成分である。
なお、後述する被めっき層前駆体層の形成に用いた被めっき層前駆体層形成用組成物の成分が判明している場合には、仕込み量から主成分を決定できる。
式(1)中、下地層主成分とオキシムエステル系重合開始剤とのハンセン溶解度パラメータ距離値は、下記式(1-1)で表される式中のRaの値であり、Raの単位はMPa0.5である。
式(1-1): (Ra=4(δdU-δdO+(δpU-δpO+(δhU-δhO
式(1-1)中、δdUは、下地層主成分の分散力によるエネルギーを表し、δpUは、下地層主成分の双極子相互作用によるエネルギーを表し、δhUは、下地層主成分の水素結合によるエネルギーを表す。なお、δdU、δpU、および、δhUの単位は、MPa0.5である。
式(1-1)中、δdOは、オキシムエステル系重合開始剤の分散力によるエネルギーを表し、δpOは、オキシムエステル系重合開始剤の双極子相互作用によるエネルギーを表し、δhOは、オキシムエステル系重合開始剤の水素結合によるエネルギーを表す。なお、δdO、δpO、および、δhOの単位は、MPa0.5である。
式(1)中、左辺の「3」の単位は、MPa0.5である。
なお、下地層主成分とオキシムエステル系重合開始剤とのハンセン溶解度パラメータ距離値(Ra)は、20.0MPa0.5以下が好ましく、15.0MPa0.5以下がより好ましく、10.0MPa0.5以下がさらに好ましい。Raの下限は特に制限されないが、0.0MPa0.5以上が挙げられ、3.0MPa0.5以上の場合が多い。
式(1)中、被めっき層前駆体層主成分とオキシムエステル系重合開始剤とのハンセン溶解度パラメータ距離値は、下記式(1-2)で表される式中のRaの値であり、Raの単位はMPa0.5である。
式(1-2): (Ra=4(δdP-δdO+(δpP-δpO+(δhP-δhO
式(1-2)中、δdPは、被めっき層前駆体層主成分の分散力によるエネルギーを表し、δpPは、被めっき層前駆体層主成分の双極子相互作用によるエネルギーを表し、δhPは、被めっき層前駆体層主成分の水素結合によるエネルギーを表す。なお、δdP、δpP、および、δhPの単位は、MPa0.5である。
式(1-2)中、δdOは、オキシムエステル系重合開始剤の分散力によるエネルギーを表し、δpOは、オキシムエステル系重合開始剤の双極子相互作用によるエネルギーを表し、δhOは、オキシムエステル系重合開始剤の水素結合によるエネルギーを表す。なお、δdO、δpO、および、δhOの単位は、MPa0.5である。
なお、被めっき層前駆体層主成分とオキシムエステル系重合開始剤とのハンセン溶解度パラメータ距離値(Ra)は、25.0MPa0.5以下が好ましく、20.0MPa0.5以下がより好ましく、15.0MPa0.5以下がさらに好ましい。Raの下限は特に制限されないが、0.0MPa0.5以上が挙げられ、5.0MPa0.5以上の場合が多い。
また、式(1)は、RaがRaよりも3.0MPa0.5超大きいことを表すが、(Ra-Ra)の値は、3.5MPa0.5以上が好ましく、4.0MPa0.5以上がより好ましい。(Ra-Ra)の値の上限は特に制限されないが、10.0MPa0.5以下が好ましく、6.0MPa0.5以下がより好ましい。
なお、上記下地層主成分、および、被めっき層前駆体層主成分が不明な場合には、上記要件1および要件2で説明した方法に準じて、分離および分析を行い、決定すればよい。
また、上記各成分の分散力によるエネルギー、双極子相互作用によるエネルギー、および、水素結合によるエネルギーは、構造が既知の場合には、計算によって求めた値を採用する。計算には、「実践ハンセン溶解度パラメーターHSPiP第5版」(ソフトウエアーバージョン5.1.03)を用いる。
構造が未知の場合には、各種溶媒に上記主成分(例えば、直鎖状ポリマー、架橋ポリマー、解離性官能基を有するポリマー、等)を浸漬し、膨潤の程度から上記各エネルギーを算出する。
具体的には、上記主成分をそれぞれ、アセトン、アセトニトリル、アニリン、ベンジルアルコール、1-ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ニトロベンゼン、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、および、トルエンに浸漬し、その膨潤度合いから0~2で重みづけを行い、上記ソフトウエアを用いて上記各エネルギーを算出する。
なお、上記下地層主成分が重合性基を有する場合には、光重合後、浸漬を行って上記各エネルギーを算出する。
<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は特に制限されず、公知の方法で製造することができる。
積層体の製造方法としては、例えば、基板上の一方の表面上に、下地層および被めっき層前駆体層を順に形成する方法が挙げられる。
下地層の形成方法としては、例えば、上記下地層に含まれる成分を含む下地層形成用組成物と、基板とを接触させて、基板上に下地層を形成する方法が挙げられる。
基板と下地層形成用組成物とを接触させる方法は特に制限されず、例えば、下地層形成用組成物を基板上に塗布する方法、および、下地層形成用組成物中に基板を浸漬する方法が挙げられる。必要に応じて、下地層形成用組成物と基板とを接触させた後、下地層形成用組成物に含まれる溶媒を除去するために乾燥処理を行ってもよい。
また、基板とは別の仮支持体上に、上記と同様にして下地層を形成した後、仮支持体上に形成された下地層の仮支持体とは反対側の表面と、基板の一方の表面とを貼合し、仮支持体と下地層との界面で仮支持体を剥離することで、基板上に下地層を形成してもよい。
なお、上記下地層形成用組成物には、溶媒が含まれていてもよい。溶媒の種類は特に制限されず、水および有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、公知の有機溶媒(例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、および、炭化水素系溶媒など)が挙げられる。
なお、下地層は、下地層が含んでいてもよい架橋構造を有する架橋ポリマーの前駆体、または、直鎖状ポリマーの前駆体を含む組成物を基板上に塗布して下地層前駆体層を形成した後、特定の処理によって前駆体を重合させ、上記架橋ポリマーまたは直鎖状ポリマーとしてもよい。上記処理としては、例えば、露光処理が挙げられる。
上記露光処理を行う際には、上記下地層前駆体層中に、重合開始剤を含んでいることが好ましい。重合開始剤は、下地層前駆体層が含む前駆体の種類に応じて適宜選択される。
なお、露光処理を経て下地層を形成した場合には、少なくともオキシムエステル系重合開始剤を含む組成物を、下地層の基板とは反対側の表面に接触させることで、下地層にオキシムエステル系重合開始剤を供給することができる。上記少なくともオキシムエステル系重合開始剤を含む組成物は、後述する被めっき層前駆体層形成用組成物であってもよい。
また、上記式(1)の関係を満たすように下地層および被めっき層前駆体層の材料を選択した場合、下地層と接触して形成される被めっき層前駆体層からオキシムエステル系重合開始剤が移動しやすく、本発明の積層体の性状を充足できる。
被めっき層前駆体層の形成方法は、例えば、上記被めっき層前駆体層に含まれる成分を含む被めっき層前駆体層形成用組成物と、基板上に形成された下地層の基板とは反対側の表面とを接触させて、下地層上に被めっき層前駆体層を形成する方法が挙げられる。上記被めっき層前駆体層形成用組成物には、溶媒が含まれていてもよい。溶媒の種類は、下地層形成用組成物が含んでいてもよい溶媒と同様である。
下地層の基板とは反対側の表面と被めっき層前駆体層形成用組成物とを接触させる方法は特に制限されず、下地層の形成方法と同様の方法が挙げられる。
また、被めっき層前駆体層は、下地層と同様に、貼合により形成されてもよい。
積層体がカバーフィルムを有する場合には、下地層上に被めっき層前駆体層を形成したあと、カバーフィルムを貼合すればよい。なお、被めっき層前駆体層を貼合により形成する場合、被めっき層前駆体層の貼合に用いた仮支持体が、カバーフィルムとなってもよい。
<導電性基板の製造方法>
本発明の積層体を用いて、導電性基板を製造することができる。
以下、本発明の積層体を用いた導電性基板の製造方法について説明する。本発明の積層体を用いた導電性基板の製造方法は、本発明の積層体を用いて被めっき層付き基板を製造し、被めっき層付き基板を用いて導電性基板を製造する方法が好ましい。
なお、製造される導電性基板は、3次元形状を有していてもよく、以下、3次元形状を有する導電性基板の製造方法について説明する。
[被めっき層付き基板の製造方法]
被めっき層付基板の製造方法は、以下の工程を有することが好ましい。
工程1:本発明の積層体の被めっき層前駆体層に露光処理および現像処理を施し、パターン状被めっき層を形成する工程(露光工程および現像工程)
工程2:被めっき層含有積層体を熱変形させて、3次元形状を有する被めっき層付き基板を得る工程
以下、各工程について詳述する。
(工程1)
工程1は、被めっき層前駆体層に露光処理および現像処理を施し、パターン状被めっき層を形成する工程である。
露光処理においては、所望のパターン状被めっき層が得られるように、被めっき層前駆体層に対してパターン状に光照射がなされる。使用される光の種類は特に制限されず、例えば、紫外光、および、可視光が挙げられる。パターン状に光照射を行う際には、所定の形状の開口部を有するマスクを用いて光照射を行うことが好ましい。
被めっき層前駆体層の露光部においては、被めっき層前駆体層に含まれる重合性基が活性化され、化合物間の架橋が生じ、層の硬化が進行する。
次に、パターン状に硬化処理を施した被めっき層前駆体層に対して、現像処理を施すことにより、未露光部が除去されて、パターン状被めっき層が形成される。
現像処理の方法は特に制限されず、使用される材料の種類に応じて、最適な現像処理が実施される。現像液としては、例えば、有機溶媒、純水、および、アルカリ水溶液が挙げられる。
上記手順によって形成されたパターン状被めっき層は、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する解離性官能基を有する層であって、所定のパターン状に配置される層である。
パターン状被めっき層は、通常、上述した解離性官能基を有するポリマーを含む。上記ポリマーの含有量は、パターン状被めっき層全質量に対して、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されず、100質量%未満が挙げられる。
後述するめっき層は、パターン状被めっき層のパターン模様に沿って配置される。そのため、形成したいめっき層の形状に合わせて、パターン状被めっき層を基板上に配置することにより、所望の形状のパターン状被めっき層が形成される。
なお、図3においては、基板12上にパターン状被めっき層18がメッシュ状に配置された形態を示すが、本発明はこの形態に制限されず、パターン状被めっき層は他のパターン模様状(例えば、ストライプ状)に配置されていてもよい。
パターン状被めっき層の厚みは特に制限されず、めっき触媒またはその前駆体を十分に担持でき、かつ、めっき異常を防ぐ点で、0.05~2.0μmが好ましく、0.1~1.0μmがより好ましい。
パターン状被めっき層がメッシュ状である場合、メッシュを構成する細線部の線幅Wは特に制限されず、めっき層の導電特性および視認しづらさのバランスの点で、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が特に好ましく、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
パターン状被めっき層がメッシュ状である場合、メッシュの開口部(図3においては、開口部20)が略菱形の形状を有していることが好ましい。但し、その他、多角形状(例えば、三角形、四角形、六角形、および、ランダムな多角形)としてもよい。また、一辺の形状を直線状の他、湾曲形状でもよいし、円弧状にしてもよい。円弧状とする場合は、例えば、対向する2辺については、外方に凸の円弧状とし、他の対向する2辺については、内方に凸の円弧状としてもよい。また、各辺の形状を、外方に凸の円弧と内方に凸の円弧が連続した波線形状としてもよい。もちろん、各辺の形状を、サイン曲線にしてもよい。
開口部の一辺の長さLは特に制限されず、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下がさらに好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上がさらに好ましい。開口部の辺の長さが上記範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、導電性基板を表示装置の前面にとりつけた際に、違和感なく表示を視認することができる。
また、透過率の点で、パターン状被めっき層が形成される領域は、基板の全表面積に対して、50面積%以下であることが好ましく、40面積%以下がより好ましく、30面積%以下がさらに好ましい。
(工程2)
工程2は、被めっき層含有積層体を熱変形させる工程である。本工程を実施することにより、3次元形状を有する被めっき層付き基板が得られる。3次元形状とは、主に、曲面を有する形状が好ましい。
熱変形の方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。熱変形方法としては、例えば、熱真空成形、ブロー成形、フリーブロー成形、圧空成形、真空-圧空成形、および、熱プレス成形などの公知の方法が挙げられる。
[導電性基板の製造方法]
上記手順で製造した被めっき層付き基板を用いて、導電性基板を製造する好ましい方法について説明する。
導電性基板の製造方法は、以下の工程を有することが好ましい。
工程3:被めっき層付き基板のパターン状被めっき層にめっき触媒またはその前駆体を付与する工程(めっき準備工程)
工程4:めっき触媒またはその前駆体が付与されたパターン状被めっき層に対してめっき処理を施し、めっき層を形成する工程(めっき工程)
以下、各工程について詳述する。
(工程3)
工程3は、被めっき層付き基板のパターン状被めっき層にめっき触媒またはその前駆体を付与する工程である。
パターン状被めっき層は上記解離性官能基を有するため、解離性官能基がその機能に応じて、付与されためっき触媒またはその前駆体を付着(吸着)する。
めっき触媒またはその前駆体は、めっき処理の触媒または電極として機能する。そのため、使用されるめっき触媒またはその前駆体の種類は、めっき処理の種類により適宜決定される。
めっき触媒またはその前駆体は、無電解めっき触媒またはその前駆体が好ましい。
無電解めっき触媒は、無電解めっき時の活性核となるものであれば特に制限されず、例えば、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)が挙げられる。具体的には、Pd、Ag、Cu、Pt、Au、および、Coなどが挙げられる。
この無電解めっき触媒としては、金属コロイドを用いてもよい。
無電解めっき触媒前駆体は、化学反応により無電解めっき触媒となるものであれば特に制限されず、例えば、上記無電解めっき触媒として挙げた金属のイオンが挙げられる。
めっき触媒またはその前駆体をパターン状被めっき層に付与する方法としては、例えば、めっき触媒またはその前駆体を溶媒に分散または溶解させた溶液を調製し、その溶液をパターン状被めっき層上に塗布する方法、または、その溶液中に被めっき層付き基板を浸漬する方法が挙げられる。
上記溶媒としては、例えば、水または有機溶媒が挙げられる。
(工程4)
工程4は、めっき触媒またはその前駆体が付与されたパターン状被めっき層に対してめっき処理を施し、めっき層(金属層に該当)を形成する工程である。
めっき処理の方法は特に制限されず、例えば、無電解めっき処理、または、電解めっき処理(電気めっき処理)が挙げられる。本工程では、無電解めっき処理を単独で実施してもよいし、無電解めっき処理を実施した後にさらに電解めっき処理を実施してもよい。
めっき処理の種類は特に制限されず、例えば、銅めっき処理、および、銀めっき処理が挙げられる。
めっき層は、パターン状被めっき層を覆うように配置されることが好ましい。
上述したように、めっき層は、パターン状被めっき層のパターン模様に沿って配置される。例えば、パターン状被めっき層がメッシュ状である場合、形成されるめっき層もメッシュ状となる。
めっき層がメッシュ状である場合、メッシュを構成する細線部の線幅は特に制限されず、めっき層の導電特性および視認しづらさのバランスの点で、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が特に好ましく、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
めっき層の厚みは特に制限されず、抵抗がより低く、かつ、密着性により優れる点で、0.1~5.0μmが好ましく、0.3~3.0μmがより好ましい。
<導電性基板の用途>
本発明の積層体を用いて製造される導電性基板は、種々の用途に使用できる。例えば、ヒーター用途、透明導電膜用途(例えば、タッチパネルセンサー)、半導体チップ、FPC(Flexible printed circuits)、COF(Chip on Film)、TAB(Tape Automated Bonding)、アンテナ、多層配線基板、および、マザーボードなどの種々の用途に適用できる。
なかでも、導電性基板は、ヒーター用途に用いることが好ましい。導電性基板のめっき層に電流を流すことにより、めっき層の温度が上昇して、めっき層が熱電線として機能し、導電性基板を発熱体として用いることができる。
また、導電性基板は、タッチパネルセンサー(特に、静電容量式タッチパネルセンサー)に用いることも好ましい。上記導電性基板をタッチパネルセンサーに適用する場合、めっき層がタッチパネルセンサー中の検出電極または引き出し配線として機能する。このようなタッチパネルセンサーは、タッチパネルに好適に適用できる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきではない。
<積層体の製造>
まず、実施例1に用いた積層体の製造方法について代表的に説明する。
[基板]
基板として、ポリカーボネートフィルム(UV244、厚み250μm、コベストロジャパン社製)を用いた。
[下地層の形成]
下地層形成用組成物(組成物U1)を、下記表1に示す分量で調製した。
組成物U1を上記基板の一方の表面にバーコート法で塗布し、120℃で乾燥して1.2μmの下地層を基板上に形成した。
なお、組成物U2~U4で形成した下地層に対しては、露光量が500mJ/cmとなるように紫外線を照射し、架橋ポリマーを含む下地層を形成した。なお、露光により、組成物U2~U4に含まれるオキシムエステル系重合開始剤は全量消費された。
なお、下記表1には、他の実施例および比較例で用いた下地層形成用組成物の組成も示す。
Figure 2023066192000006
なお、表1中の略語は以下のとおりである。
・HNBR:水素化ニトリルブチルゴム(日本ゼオン社製)
・Z913-3:Z913-3(商品名)、(重量平均分子量:50,000、アイカ工業社製)
・8UX-196A:アクリット(登録商標)8UX-196A(重量平均分子量:20,000、大成ファインケミカル社製)
・HO-250:ライトエステルHO-250(N)(2-ヒドロキシエチルメタクリレート、共栄社化学社製)
・FOM-03006:FOM-03006(下記化合物)、富士フイルム和光純薬社製
Figure 2023066192000007
・OXE-01:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASF社製
・OXE-02:IRGACURE(登録商標) OXE-02、BASF社製
・Omnirad:Omnirad184、IGM Resins B.V.社製
・IPA:イソプロピルアルコール
なお、表1中、溶媒の比率は体積比を表す。
[被めっき層前駆体層の形成]
被めっき層前駆体層形成用組成物(組成物P1)を、下記表2に示す分量で調製した。
上記手順で形成した下地層の基板とは反対側の表面に、バーコート法で塗布し、120℃で1分乾燥して0.2μmの被めっき層前駆体層を下地層上に形成した。
被めっき層前駆体層を形成後、ただちに厚さ12μmのポリプロピレンフィルムを保護フィルムとして貼合し、実施例1に用いる積層体を得た。
なお、下記表2には、他の実施例および比較例で用いた被めっき層前駆体層形成用組成物の組成も示す。
Figure 2023066192000008
なお、表2中の略語は以下のとおりである。
・BDM:ポリブタジエンマレイン酸(ブタジエン-マレイン酸共重合体)(polyscience社製)
・PAA:ポリアクリル酸(重量平均分子量:25,000、富士フイルム和光純薬社製)
・FOM-03008:FOM-03008(下記化合物)、富士フイルム和光純薬社製
Figure 2023066192000009
・OXE-01:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASF社製
・OXE-02:IRGACURE(登録商標) OXE-02、BASF社製
・IPA:イソプロピルアルコール
・MFG:プロピレングリコールモノメチルエーテル
なお、表2中、溶媒の比率は体積比を表す。
他の実施例および比較例については、実施例1の積層体の製造方法に準じて製造した。
なお、用いた下地層形成用組成物、および、被めっき層前駆体層形成用組成物、ならびに、それぞれの層の厚さは、後段に示す表4に記載のとおりとした。
<測定>
各実施例および各比較例に用いた積層体の性状について、以下に示す手順で解析を行った。
[下地層と被めっき層前駆体層とにおけるオキシムエステル系重合開始剤の分析]
下地層および被めっき層前駆体層のそれぞれにおけるオキシムエステル系重合開始剤について、TOF-SIMSで分析した。
具体的には、積層体について、下記条件でTOF-SIMS分析を行った。
使用装置:ION-TOF社製 TOF-SIMS V
一次イオン:Bi (0.2A)
測定モード:bunching mode
また、深さ方向分析のためにAr-GCIB銃(クラスター種:Ar1000 、加速電圧:5kV、ビーム電流:5.48nA、スパッタ範囲:1000μm×1000μm)を用い、積層体をスパッタリングしながら分析を行った。
オキシムエステル系重合開始剤に特有の2次イオンの強度、下地層に特有の2次イオンの強度、および、被めっき層前駆体層に特有の2次イオンの強度から、それぞれの層におけるオキシムエステル系重合開始剤の分析を行った。後段の表4にその結果を示す。
また、上記式(2)を満たすか否かについても計算を行った。後段の表4にその結果を示す。
[溶解度パラメータの関係]
上述した方法で、下地層形成用組成物および被めっき層前駆体層形成用組成物に用いた成分について、δ、δ、およびδを算出した。値を下記表3に示す。
なお、表3中、構造式から各値を計算で求めた場合、測定方法欄は「計算」と記載し、上記方法で溶媒に浸漬して求めた場合、測定方法欄は「実測」と記載した。「Z913-3」、「8UX-196A」に関しては、上記組成物U2~U4をそれぞれ用いて形成した下地層に、紫外線を500mJ/cmの露光量で照射して得られた硬化物を用いて溶液への浸漬を行った。
表3中、「Ra(OXE-01)」および「Ra(OXE-02)」欄は、上記式(1-1)または上記式(1-2)に各成分を主成分として、各δ、δ、およびδを当てはめて算出されたハンセン溶解度パラメータ距離値である。
Figure 2023066192000010
<評価>
以下の手順で、積層体の保存安定性を評価した。
積層体の保護フィルムを剥離して、積層体の被めっき層前駆体層側にフィルムマスクを当て、フィルムマスク越しにUV(ultraviolet)照射(エネルギー量:150mJ/cm、波長:365nm)した。次いで、露光後の被めっき層前駆体層付き基板を純水シャワーにて5分間現像処理し、パターン状被めっき層付き基板を作製した。パターン状被めっき層のパターン形状は、図3のようなメッシュ状であった。
得られたパターン状被めっき層付き基板を、ローダミン6G溶液(ローダミン6G水溶液)に10分間浸漬して、パターン状被めっき層のパターン部(硬化部)をローダミン6Gで染色した。なお、ローダミン6Gは、ポリブタジエンマレイン酸のカルボキシ基に結合して呈色する。カルボキシ基はめっき触媒またはめっき触媒の前駆体と相互作用可能な基であり、パターン部が呈色している場合には、パターン部が被めっき層として機能することを示す。
染色したパターン部の光学濃度を、透過濃度計(X-rite社製)にて測定した。測定波長は550nmとした。上記方法で測定される光学濃度は、パターン部の被めっき層としての機能の度合いを示す。
上記と同様の光学濃度の測定を、5か月間常温(25℃、暗所)で保存した積層体に対しても行った。
後段の表4に、それぞれの測定結果(「保管前光学濃度」および「保管後光学濃度」)を示す。
また、下記評価基準に基づいて、積層体の保存安定性を評価した。なお、実用上、B以上の評価が好ましい。
[保存安定性の評価基準]
・AA:光学濃度が保管前および保管後において1.68以上である。
・A:光学濃度が保管前および保管後において1.60以上1.68未満である。
・B:光学濃度が保管前および保管後において1.50以上1.60未満である。
・C:光学濃度が保管後において0.8以上1.50未満である。
・D:光学濃度が保管後において0.8未満である。
<結果>
各積層体の構成、各積層体の測定結果、および、保存安定性の評価結果を表4に示す。
なお、表4中、「下地層」の「重量平均分子量」欄は、直鎖状ポリマーの場合は直鎖状ポリマーである旨を、架橋ポリマーの場合はその架橋点間分子量を示す。架橋点間分子量を表す場合、数値の後に「(架橋)」と示す。
表4中、上記方法で評価した下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量が、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多い場合、「開始剤含有量大小」欄を「A」、少ない場合を「B」とした。
表4中、被めっき層前駆体層が有する解離性官能基を有するポリマーが重合性基を有する場合、「要件1」欄に、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤と、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤との合計量が、被めっき層前駆体層中のポリマーおよび重合性化合物の合計量に対して何質量%であるかを示した。
また、被めっき層前駆体層が有する解離性官能基を有するポリマーが重合性基を有さない場合、「要件2」欄に、下地層中におけるオキシムエステル系重合開始剤と、被めっき層前駆体層中におけるオキシムエステル系重合開始剤との合計量が、被めっき層前駆体層中の重合性化合物に対して何質量%であるかを示した。
表4中、「式(1)」欄および「式(2)」欄は、上記方法で評価して、それぞれの式を満たす場合は「A」、満たさない場合は「B」を示した。
Figure 2023066192000011
表4の結果から、本発明の積層体は、長期間保管した後においても、被めっき層前駆体層が感光性を有すること、すなわち、保存安定性に優れることが確認された。
実施例7と他の実施例との比較から、架橋点間分子量が20000超の架橋構造を有する架橋ポリマー、または、直鎖状ポリマーを含む場合、保存安定性により優れることが確認された。
実施例6と、実施例7との比較から、下地層、被めっき層前駆体層、および、オキシムエステル系重合開始剤に関して、上記式(1)の関係を満たす場合、保存安定性により優れることが確認された。
実施例2、3および8と、他の実施例との比較から、下地層の厚みが、3~20μmである場合、保存安定性により優れることが確認された。
10 積層体
12 基板
14 下地層
16 被めっき層前駆体層
18 パターン状被めっき層
20 開口部

Claims (9)

  1. 基板と、下地層と、前記下地層と接触して配置された被めっき層前駆体層とをこの順に有する積層体であって、
    前記下地層の厚みが1~20μmであり、
    前記下地層が、オキシムエステル系重合開始剤を含み、
    前記被めっき層前駆体層が、前記下地層に含まれる前記オキシムエステル系重合開始剤と同種のオキシムエステル系重合開始剤、解離性官能基を有するポリマー、および、前記ポリマーとは異なる化合物である重合性化合物を含み、
    前記下地層中における前記オキシムエステル系重合開始剤の含有量が、前記被めっき層前駆体層中における前記オキシムエステル系重合開始剤の含有量よりも多く、
    下記要件1および要件2のいずれか一方を満たす、積層体。
    要件1:前記ポリマーが重合性基を有し、前記下地層中における前記オキシムエステル系重合開始剤と、前記被めっき層前駆体層中における前記オキシムエステル系重合開始剤との合計量が、前記被めっき層前駆体層中の前記ポリマーおよび前記重合性化合物の合計量に対して、5~50質量%である。
    要件2:前記ポリマーが重合性基を有さず、前記下地層中における前記オキシムエステル系重合開始剤と、前記被めっき層前駆体層中における前記オキシムエステル系重合開始剤との合計量が、前記被めっき層前駆体層中の前記重合性化合物の合計量に対して、5~50質量%である。
  2. 前記下地層が、架橋点間分子量が20000超の架橋構造を有する架橋ポリマー、または、直鎖状ポリマーを含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記架橋ポリマーが、ウレタン構造を有する架橋ポリマーである、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記解離性官能基が、酸基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記酸基が、カルボキシ基である、請求項4に記載の積層体。
  6. 前記下地層、前記被めっき層前駆体層、および、前記オキシムエステル系重合開始剤に関して、下記式(1)の関係を満たす、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
    式(1): (下地層主成分と前記オキシムエステル系重合開始剤とのハンセン溶解度パラメータ距離値)+3 < (被めっき層前駆体層主成分と前記オキシムエステル系重合開始剤とのハンセン溶解度パラメータ距離値)
    式(1)中、前記下地層主成分は、前記下地層に含まれる成分のうち、最も質量基準の含有量が多い成分である。
    式(1)中、前記被めっき層前駆体層主成分は、前記被めっき層前駆体層中に含まれる成分のうち、最も質量基準の含有量が多い成分である。
  7. 前記下地層の厚みが、3~20μmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記下地層および前記被めっき層前駆体層に含まれる前記オキシムエステル系重合開始剤を飛行時間型2次イオン質量分析法で測定した際、下記式(2)の関係を満たす、請求項1~7のいずれか1項に記載の積層体。
    式(2): (前記下地層中の前記オキシムエステル系重合開始剤の平均ピーク強度×前記下地層の膜厚)/(前記被めっき層前駆体層中の前記オキシムエステル系重合開始剤の平均ピーク強度×前記被めっき層前駆体層の膜厚) ≧ 3
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の積層体の前記被めっき層前駆体層を露光する露光工程と、
    露光された前記被めっき層前駆体層を現像処理してパターン状被めっき層を得る現像工程と、
    前記パターン状被めっき層にめっき触媒またはその前駆体を付与するめっき準備工程と、
    前記めっき触媒またはその前駆体が付与されたパターン状被めっき層にめっき処理を施してめっき層を形成するめっき工程とを有する、導電性基板の製造方法。
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