JP2023063879A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023063879000001
【課題】画質を向上させること。
【解決手段】本発明の一態様に係る液体吐出装置は、液体によって記録媒体に画像を形成する液体吐出装置であって、前記液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させる移動機構と、前記ヘッドと前記記録媒体とを複数回相対移動させつつ前記液体を前記記録媒体上に配置するように、前記ヘッドと前記移動機構とを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記記録媒体に先行形成された前記画像に異常が検出された場合には、前記画像の後続形成において、前記記録媒体上の隣り合う位置に前記液体を配置する時期間の時間差を、前記異常が検出されない場合の前記時間差よりも長くする。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
従来、記録媒体にヘッドから液体を吐出する液体吐出装置が知られている。
上記液体吐出装置には、記録媒体の同一の画像形成領域に対してヘッドの相対移動を複数回行いつつ、吐出した液体を記録媒体へ配置することにより、記録媒体に画像を形成する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された構成は、画質向上を目的として、記録媒体に先行して形成された画像に異常があった場合に、後続する画像形成において記録媒体への液体の配置順を補正する。
しかしながら、特許文献1の構成では、記録媒体上の隣り合う位置に液体を配置する時期間の時間差が短いため、液体の合一により画質が低下する懸念がある。ここで、液体の合一とは、記録媒体上において隣り合う液体同士が引き寄せ合って合体する現象をいう。
本発明は、画質を向上させることを目的とする。
本発明の一態様に係る液体吐出装置は、液体によって記録媒体に画像を形成する液体吐出装置であって、前記液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させる移動機構と、前記ヘッドと前記記録媒体とを複数回相対移動させつつ前記液体を前記記録媒体上に配置するように、前記ヘッドと前記移動機構とを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記記録媒体に先行形成された前記画像に異常が検出された場合には、前記画像の後続形成において、前記記録媒体上の隣り合う位置に前記液体を配置する時期間の時間差を、前記異常が検出されない場合の前記時間差よりも長くする。
本発明によれば、画質を向上させることができる。
実施形態に係る画像形成装置の全体構成を例示する斜視図である。 実施形態に係る画像形成装置の全体構成を例示する上面図である。 実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。 実施形態に係る制御部の機能構成例を示す図である。 図3におけるヒータの構成を例示する図である。 図3におけるキャリッジの構成を例示する上面図である。 マルチパス方式による画像形成動作を説明する図である。 媒体上においてインクが合一しない場合を例示する図である。 媒体上においてインクが合一する場合を例示する図である。 画像形成装置によるインクの媒体への配置例を示す図である。 図10の領域(a)でのインクの合一例を示す第1図である。 図10の領域(a)でのインクの合一例を示す第2図である。 実施形態に係る画像形成装置の動作を例示する図である。 実施形態に係る画像形成装置による画像形成結果例の図である。 第1参考例に係る画像形成装置による画像形成結果例の図である。 第2参考例に係る画像形成装置による画像形成結果例の図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について詳細に説明する。各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。なお実施形態の用語における画像形成、印刷、印字および記録は同義語であるとする。
[実施形態]
<画像形成装置100の構成例>
(全体構成)
図1および図2を参照して、実施形態に係る画像形成装置100の全体構成の一例について説明する。画像形成装置100は、液体によって記録媒体に画像を形成する液体吐出装置の一例である。
図1は、画像形成装置100の内部を透視して示す斜視図である。図2は、画像形成装置100の上面図である。図1および図2に示すように、画像形成装置100は、インクジェット(液体吐出)方式を用いた広幅シリアル型のものである。
図1および図2に示すように、画像形成装置100は、装置本体100aの左右に側板21Aおよび21Bを備える。側板21Aおよび21Bは、ガイド部材であるメインガイドロッド31を横架する。また、画像形成装置100は、サブ板金ガイド32を備える。メインガイドロッド31およびサブ板金ガイド32は、キャリッジ121を摺動可能に保持する。
キャリッジ121は、主走査モータ117(図3参照)によって回転駆動されるタイミングベルトを用いて、主走査方向Aに沿って移動することにより、媒体Pに対して相対移動する。この主走査方向Aは所定方向の一例である。キャリッジ121の移動を走査と称することもできる。キャリッジ121は、記録媒体としての媒体Pの端部(用紙端部)を検知する光学センサ37を搭載する。
光学センサ37は、画像形成装置100により媒体Pに先行形成された画像の読取信号を出力する読取部の一例である。本実施形態では、画像形成装置100は、光学センサ37による読取信号に基づいて画像の異常を検出する。光学センサ37としては反射濃度によって検出するものや、媒体Pに形成された画像を撮像するカメラ等を使用可能である。なお、本実施形態では、画像の異常には、異常が発生しそうな状態である異常の兆候も含まれる。
キャリッジ121は、それぞれインクを吐出するヘッド122a、122bおよび122c(区別しないときはヘッド122という)を備える。ヘッド122は、装着されたインクカートリッジ10に応じて、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、オレンジ(O)、グリーン(G)およびクリア(Cl)等の各色のインク滴(液体)を吐出する。
媒体Pは、副走査モータ118(図3参照)によって回転駆動される搬送ローラを用いて、主走査方向Aと略直交する副走査方向Bに沿って移動することにより、ヘッド122に対して相対移動する。但し、主走査方向Aと副走査方向Bとは、必ずしも略直交していなくてもよく、交差していればよい。
ヘッド122は、複数のノズルが副走査方向に配列するノズル列を有する。ヘッド122は、ノズルからのインク滴吐出方向を鉛直下方に向けて装着される。ヘッド122a、122bおよび122cは、それぞれ副走査方向にずらして設置される。キャリッジ121は、ヘッド122に対応して各色のインクを供給するためのサブタンクを搭載する。
画像形成装置100は、各色のインクカートリッジ10y、10c、10mおよび10k(区別しないときはインクカートリッジ10という)を着脱可能に装着するカートリッジ装填部1を備える。
インクカートリッジ10のインクは、供給ポンプユニットによって各色の供給チューブ36を介してキャリッジ121のサブタンクに補充供給される。なお、インクカートリッジ10は、白色のインクカートリッジを含んでいてもよい。
画像形成装置100は、主走査方向Aの一方側の非印字領域に、維持回復機構81を備える。維持回復機構81は、ヘッド122のノズルの状態を維持または回復させる。
維持回復機構81は、ヘッド122の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材82a、82bおよび82cと、ノズル面をワイピングするための払拭ユニット83と、を備えている。また、画像形成装置100は、ヘッド122の維持回復機構81の鉛直下方側には、維持回復動作によって生じる廃液を収容するための交換可能な廃液タンクを有する。
(画像形成装置100のハードウェア構成例)
図3は、画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、画像形成装置100は、制御部101と、操作パネル114と、環境センサ115と、ヘッドドライバ116と、主走査モータ117と、副走査モータ118と、ファン119と、ヒータ120と、移動機構140と、を有する。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102と、ROM(Read Only Memory)103と、RAM(Random Access Memory)104と、不揮発性メモリ(NVRAM:Non Volatile RAM)105と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)106と、を有する。また制御部101は、I/F(Interface)107と、印刷制御部108と、主走査モータ駆動部109と、副走査モータ駆動部110と、ファン制御部111と、ヒータ制御部112と、I/O113と、を有する。制御部101は、これらの構成部により、画像形成装置100全体の動作を制御する。なお、制御部101は、上記以外の構成を含んでもよい。
CPU102、ROM103、RAM104、不揮発性メモリ105、ASIC106、I/F107、印刷制御部108、主走査モータ駆動部109、副走査モータ駆動部110、ファン制御部111、ヒータ制御部112およびI/O113は、例えばバス等を介して、相互に通信可能に接続している。
CPU102は、ROM103等に記憶されたプログラムを実行することにより、画像形成装置100が有する各機能を実現する。
ROM103は、CPU102が実行するプログラムや、その他の固定データ等を格納する。RAM104は、画像データ等を一時格納する。不揮発性メモリ105は、画像形成装置100の電源が遮断されている間もデータを保持する。ASIC106は、各種信号処理や並び替え等を行なう画像処理、その他装置全体を制御するための入出力信号を処理するための回路である。
I/F107は、ホスト側との間でデータや信号を送受するインタフェース回路である。具体的には、I/F107は、情報処理装置、画像読取装置、撮像装置等のホストのプリンタドライバが生成した印刷データ(画像データ)等を、ケーブルやネットワーク等を介して受信する。制御部101に対する印刷データの生成出力は、ホスト側のプリンタドライバによって行なわれてもよい。
印刷制御部108は、ヘッド122を駆動するための駆動波形を生成すると共に、ヘッド122がノズルからインクを吐出するための圧力を発生する圧力発生手段を選択駆動させる印刷データおよび印刷データに伴う各種データを、ヘッドドライバ116に出力するための回路である。
主走査モータ駆動部109は、主走査モータ117を駆動するための回路である。副走査モータ駆動部110は、副走査モータ118を駆動するための回路である。ファン制御部111は、所定の温度および風量の送風が行なわれるように、ファン119の出力を制御するための回路である。
ヒータ制御部112は、設定された温度となるようにヒータ120の制御を行なうための回路である。I/O113は、環境センサ115からの情報を取得し、画像形成装置100の各部の制御に要する情報を抽出するための回路である。なお、I/O113は、環境センサ115以外の各種センサからの検知信号も入力する。
操作パネル114は、解像度のユーザ指定等の各種情報の入力や表示を行なう装置である。操作パネル114は、例えば制御部101のバスを介してCPU102等に相互に通信可能に接続される。
環境センサ115は、例えば、環境温度や環境湿度等を検出するセンサである。環境センサ115は、制御部101のI/O113に接続される。
ヘッドドライバ116は、入力される画像データ(例えば、ドットパターンデータ)に基づいて、印刷制御部108から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを、選択的にヘッド122の圧力発生手段に対して印加することにより、ヘッド122を駆動するための回路である。ヘッドドライバ116は、制御部101の印刷制御部108に接続される。なお、吐出量の制御は、例えばヘッド122の圧力発生手段に入力される駆動波形の振幅の制御により行われるが、他の手段を用いて吐出量が制御されてもよい。
主走査モータ117は、駆動により、タイミングベルトを回転駆動させ、ヘッド122を備えたキャリッジ121を主走査方向Aに移動させる。主走査モータ117は、制御部101の主走査モータ駆動部109に接続している。
副走査モータ118は、駆動により、ヘッド122によるインクの吐出対象となる対象物である媒体Pを副走査方向Bに沿って搬送する搬送ローラを動作させる。副走査モータ118は、制御部101の副走査モータ駆動部110に接続している。
移動機構140は、ヘッド122と媒体Pとを相対移動させる。移動機構140は、メインガイドロッド31、サブ板金ガイド32、キャリッジ121および搬送ローラ等を含んで構成される。
移動機構140は、メインガイドロッド31、サブ板金ガイド32およびキャリッジ121等により、主走査方向Aに沿ってヘッド122と媒体Pとを相対移動させる。また移動機構140は、媒体Pを搬送する搬送ローラ等により、副走査方向Bに沿ってヘッド122と媒体Pとを相対移動させる。本実施形態では、移動機構140による副走査方向Bの方向への相対移動は間欠的な移動である。間欠的な移動とは、移動と停止を交互に行う移動をいう。
ファン119は、駆動により、画像形成装置100の内部の空気の対流を促し、画像形成装置100の上部が加熱された空気の滞留によって過剰に温度上昇することを抑制する。ファン119は制御部101のファン制御部111に接続される。
(制御部101の機能構成)
図4は、制御部101の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図3と重複する構成部は説明を省略する。
図4に示すように、制御部101は、異常検出部13と、配置制御部14と、を有する。また配置制御部14は、移動開始制御部15と、移動回数可変部16と、移動量可変部17と、非吐出移動制御部18と、を有する。制御部101は、CPU102が所定のプログラムを実行することにより、これらの機能を実現する。また制御部101は、これらの機能の一部または全部を、一または複数の回路により実現してもよい。
異常検出部13は、光学センサ37による読取信号に基づき、媒体Pに先行形成された画像の異常を検出する。例えば、異常検出部13は、光学カメラである光学センサ37による読取画像と、媒体Pに形成する画像の元となる画像データと、を比較する画像処理を行うことにより、先行形成された画像の異常を検出する。ここで、先行形成された画像とは、画像形成装置100が画像データに基づいて媒体Pに画像を形成中に、媒体Pに既に形成された画像をいう。
配置制御部14は、ヘッド122と媒体Pとを複数回相対移動させつつインクを媒体P上に配置するように、ヘッド122と移動機構140とを制御する。媒体Pに配置されたインクは、媒体Pに定着することにより画像におけるドットを形成する。より詳しくは、ヘッド122から吐出されたインクにより形成される1つのインク滴が媒体Pに着弾した後、乾燥して媒体Pに定着することにより画像における1つのドットを形成する。画像は、複数のドットの集合体として形成される。
本実施形態では特に、配置制御部14は、媒体Pに先行形成された画像に異常が検出された場合には、該画像の後続形成において、媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差を、先行形成された画像に異常が検出されない場合の該時間差よりも長くする。例えば、配置制御部14は、媒体Pへの画像の後続形成において、媒体Pに配置するインクを間引いた後、インクが間引かれた位置にインクを配置することにより、上記の時間差を長くする。
ここで、画像の異常とは、媒体Pに形成された画像において、画像データに対応していない領域をいう。例えば、画像の異常には、媒体P上においてドットが形成されていない領域が主走査方向Aまたは副走査方向Bに沿って線状に延びたスジ、画像の濃度が不均一である濃度ムラ、あるいは画像の濃度ムラが縞状に生じたバンディング等が挙げられる。
媒体Pへの画像の後続形成とは、画像形成装置100が画像データに基づいて媒体Pに画像を形成中に、先行形成された画像の後に続いて媒体Pに形成される画像をいう。媒体Pに配置するインクを間引くとは、画像を形成する複数のドットのそれぞれを形成するインクのうち、媒体P上において隣り合うインク同士の間に間隔が空くように、媒体P上にインクを配置することをいう。換言すると、媒体Pに配置するインクを間引くとは、媒体Pに配置するインクの割合を減らすことをいう。
媒体P上の隣り合う位置とは、媒体P上における複数のインクのうち、最も近いインク同士の位置をいう。最も近いインク同士は、互いに接触していてもよいし、離れていてもよい。
移動開始制御部15は、移動機構140によりヘッド122と媒体Pとの相対移動を開始する時期を制御する。
本実施形態では、移動開始制御部15は、異常が所定条件を満たす場合に、ヘッド122と媒体Pとの相対移動の開始を遅くする。所定条件は、例えば、異常検出部13により検出された異常の個数が所定の個数閾値を超えた場合、あるいは画像におけるスジ領域と正常領域との濃度差や濃度ムラにおける濃度差が所定の濃度差閾値を超えた場合等が挙げられる。
移動回数可変部16は、主走査方向Aへ相対移動回数を変化させる。
移動量可変部17は、副走査方向Bへの間欠的な相対移動の1回当たりの相対移動量を変化させる。
本実施形態では、媒体Pにおける所定領域に先行形成された画像に異常が検出された場合には、該所定領域に画像を後続形成する際に、移動回数可変部16は、主走査方向Aへの相対移動回数を増加させる。これと共に、移動量可変部17は、副走査方向Bへの間欠的な相対移動の1回当たりの相対移動量を減少させる。
所定領域は、例えば、媒体Pに形成される画像領域のうち、ヘッド122と媒体Pとを主走査方向Aに所定回数相対移動させることにより、画像形成が完了する領域であって、副走査方向Bに沿って所定の幅を有する領域である。
本実施形態では、例えば所定回数が4回である場合に、主走査方向Aへの2回の相対移動により媒体Pに先行形成された画像に異常が検出された場合には、移動回数可変部16は、残り2回の主走査方向Aへの相対移動回数を例えば4回に増加させる。これと共に、移動量可変部17は、副走査方向Bへの間欠的な相対移動の1回当たりの相対移動量を、当初の相対移動量の1/2に減少させる。
また本実施形態では、副走査方向Bへの間欠的な相対移動の1回当たりの相対移動量は、ヘッド122が有する複数のノズル間の副走査方向Bにおける間隔以上の距離である。複数のノズル間の間隔は、隣り合うノズルの中心同士の間の距離である。
非吐出移動制御部18は、所定領域に先行形成された画像に異常が検出された場合には、ヘッド122に含まれる一部のノズルからインクを吐出させずに、ヘッド122と媒体Pとを相対移動させる。換言すると、非吐出移動制御部18は、所定領域に先行形成された画像に異常が検出された場合には、ヘッド122に含まれる一部のノズルの非吐出移動を制御する。ここで、非吐出移動とは、インクを吐出させずにヘッド122と媒体Pとを相対移動させることをいう。
(ヒータ120の構成)
図5は、ヒータ120の構成の一例を示す図である。なお、図5に示す例では、簡単のために、ヘッド122として2つのヘッド122aおよび122bを示す。
図5に示すように、ヒータ120は、プリヒータ120aと、プリントヒータ120bと、プリントヒータ120cと、ポストヒータ120dと、乾燥ヒータ120eと、を有する。これらのヒータ120のそれぞれには、温度制御のために、サーミスタ等の温度センサが設けられている。
プリヒータ120aは、インク塗布面を形成するために適した温度に媒体Pを予熱する装置である。インク塗布面とは、ヘッド122から吐出されたインクが媒体Pに塗布(付与)されることにより形成される面である。
プリヒータ120a(上位マージン+2℃、下位マージン0℃)は、例えばアルミ箔コードヒータである。プリヒータ120aは、搬送ガイド板130の裏面に貼られる。プリヒータ120aは、搬送ガイド板130自体を加熱することにより媒体Pを加熱する。
媒体Pは、プリヒータ120a側にセットされている。また、媒体Pは、副走査モータ118から駆動力を付与された搬送ローラ123aおよび搬送ローラ123b等によって副走査方向Bに沿って搬送され、ヘッド122からのインクの吐出により媒体P上にインク塗布面が形成される。例えば、媒体Pとしては、ロールタイプの用紙以外にも、軟包装メディアと呼ばれるPETやPVC、OPP、シート状のメディア等を適用できる。なお、搬送ローラ123は、搬送ローラ123aおよび搬送ローラ123bの総称表記である。
プリヒータ120a側から送られてきた媒体Pは、まず、プリヒータ120aによってインク塗布面の形成に適した温度に予熱される。予熱された媒体Pは、搬送ローラ123aおよび搬送ローラ123bによってヘッド122が配置された画像形成部50へと送られる。画像形成部50では、媒体Pをプリントヒータ120b、プリントヒータ120cによって保温しつつ、そこにヘッド122からインクが吐出されてインク塗布面が形成される。
プリントヒータ120bおよびプリントヒータ120cは、媒体Pにインク塗布面を形成するとき、媒体Pを保温する装置である。例えば、プリントヒータ120bおよびプリントヒータ120c(上位マージン+0.5℃、下位マージン-0.5℃)は、アルミニウム材であるプラテン131の中に埋め込まれたコードヒータである。プリントヒータ120bおよびプリントヒータ120cは、プラテン131自体を加熱することで媒体Pを加熱する。
加熱された空気は蒸気と共に上昇するが、その滞留によって画像形成装置100の上部が過剰に温度上昇することを抑制するために、ファン119によって空気の対流を促す。
ポストヒータ120dおよび乾燥ヒータ120eは、インクを乾燥させた後、定着させるために、インク塗布面が形成された媒体Pを加熱する装置である。例えば、ポストヒータ120d(上位マージン+2℃、下位マージン0℃)は、アルミ箔コードヒータである。ポストヒータ120dは、搬送ガイド板132の裏面に貼られる。
ポストヒータ120dは、搬送ガイド板132自体を加熱することで媒体Pを加熱する。また、例えば、乾燥ヒータ120e(上位マージン+0.5℃、下位マージン-0.5℃)は、IRヒータである。乾燥ヒータ120eは、媒体Pのインク塗布面に赤外線(IR)の輻射を放射して乾燥させる。乾燥ヒータ120eは、ファンを備えて媒体Pのインク塗布面に熱風を送るように構成されていてもよい。
(キャリッジ121の構成)
図6は、キャリッジ121の構成の一例を示す上面図である。図6に示すように副走査方向Bに沿って媒体Pが搬送され、主走査方向Aに沿ってキャリッジ121が移動する。画像を形成する場合には、形成する画像の解像度に応じて相対移動回数(スキャン数)を変更し、例えば相対移動回数を多くすることにより、高解像度の画像を形成できる。
例えば、主走査方向Aに対して、ヘッド122の駆動周波数を高くして高い周波数によりインクを吐出すれば、同じキャリッジ121の相対移動速度でも主走査方向Aの解像度を高くすることができる。
図5に示すように、画像形成部50においてインク塗布面が形成された媒体Pは、さらに下流へと送られる。
乾燥ヒータ120eは、インク塗布面が形成された媒体Pが到着するまでに、フィラメント温度を目的の温度になるように(出力する電磁波の波長になるように)予備加熱を行なう。その後、乾燥ヒータ120eは、インク塗布面が形成された媒体Pが到着したら、副走査方向Bへの相対移動の停止タイミングと同期して点灯する。点灯タイミングは、媒体Pの種類やモードにより変更可能となっている。なお、乾燥ヒータ120eをスリープモードの解除と同時に点灯させない理由は、不要に輻射加熱することによる媒体Pの劣化を抑制するためである。
ポストヒータ120dおよび熱風を送る乾燥ヒータ120eは、媒体Pの上のインクを加熱し、乾燥させて定着させる。乾燥および定着が済んだ媒体Pは、さらに、下流においてロール状に巻き取られていく。
画像形成装置100は、1層目を形成した後に重ねて2層目を形成する2層重ね印字を行う。より詳細には、画像形成装置100の制御部101は、1層目の印刷で原稿により指定された範囲すべてを印刷完了後、媒体Pを搬送方向と逆方向に移動させ、同じ開始位置から2層目を重ねて形成する。
なお、画像形成装置100の制御部101は、主走査方向Aへの相対移動ごとに1層目と2層目とを連続して形成してもよい。また、画像形成装置100の制御部101は、任意の領域ごとに1層目を完成後、2層目を形成してもよい。重ね塗りは2層に限るものではなく、2層以上の多層構造としてもよい。
図6に示す例において、ヘッド122aおよびヘッド122cにプロセスカラー(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y))のインクを吐出させ、ヘッド122bにホワイトインクを吐出させる構成でもよい。この場合、プロセスカラーからホワイト、ホワイトからプロセスカラー、あるいはプロセスカラーからホワイトからプロセスカラーといった層重ねでの印字が可能となる。また、例えば、ヘッド122bによりホワイトを印字した後、ヘッド122cによりプロセスカラーを印字すると、ホワイトで下塗りした上にプロセスカラーにより画像を形成することも可能となる。
<マルチパス方式による画像形成動作例>
図7は、マルチパス方式による画像形成動作の一例を説明する図である。ここで、パスは、主走査方向Aに沿ったヘッド122と媒体Pとの相対移動を行うことを意味する。マルチパスは、主走査方向Aに沿ったヘッド122と媒体Pとの相対移動を複数回行うことを意味する。
図7に示すように、2パスおよび1/6インターレス印刷では、主走査方向Aに沿ってキャリッジ121を2回移動させるため、2パスと呼ぶ。またインターレス印刷とは、副走査方向Bに沿った媒体Pの1回当たりの間欠的な相対移動量を、副走査方向Bに沿った複数のノズル間の間隔より小さくする印刷方式をいう。
インターレス印刷では、印刷の実質的な解像度を2倍から数倍に高めることが可能である。副走査方向Bにおける解像度はノズル間隔×(インターレスの逆数)であるため、2パスおよび1/6インターレス印刷における解像度は900dpiとなる。また、印刷動作が完了するまでのキャリッジ121のトータルの移動回数は、パス数×(インターレスの逆数)である。そのため、2パスおよび1/6インターレス印刷では、キャリッジ121が主走査方向Aへ2×6=12回移動することにより画像形成が完了する。
<画像異常の発生の様子>
次に、図8から図11を参照して、バンディングまたはスジ等の画像異常の発生の様子について説明する。なお、ここでは説明の便宜のために、実施形態に係る画像形成装置100の各構成部を用いて説明するが、図8から図11は、実施形態が適用されない場合に発生する画像異常を説明するものである。
画像異常の要因には、媒体P上に配置されたインク(着弾したインク)の合一が挙げられる。インクの合一は、インクが広がり難い媒体Pに画像を形成する場合、または媒体Pへのインクの配置位置がずれた場合等において顕著になる。
図8および図9は、バンディングおよびスジ等の画像異常が発生する場合に、媒体P上に配置されたインクの挙動を説明する図である。図8は、インクが合一していない場合を例示する図である。図9は、インクが合一する場合を例示する図である。図8および図9は、媒体Pに配置されたインクを媒体Pの法線方向から視た様子を示している。
図8に示すように、ヘッド122から吐出され、媒体Pに配置されたインク90は、媒体P上において外側に向けて略等方的に広がり、広がりきった後にインク90aとして媒体Pに定着する。
一方、図9に示すように、媒体Pに配置されたインク91の近傍に、インク91とは別に吐出されたインク92が配置された場合に、インク91とインク92とが接触すると、インク92は、矢印93の方向に沿ってインク91に引き寄せられて合一する。この結果、インク92は、外側に略等方的に広がらなくなる。またインクは媒体Pに配置された後、十分な時間が確保されないと、媒体P上を広がることができないまま、隣り合う位置に次のインクが配置される。そのため、インク91を媒体Pに配置する時期と、媒体Pにおけるインク91に隣り合う位置にインク92を配置する時期と、の間の時間差が短いほど、インク91とインク92が相互に動いて引き寄せられることにより合一が生じやすい。
インク91aはインク91が媒体Pに定着した後の状態を示し、インク92aはインク92が媒体Pに定着した後の状態を示している。インク91aに対してインク92aは略等方的に広がらない分、インク92aの周囲に媒体Pにインクが配置されず、下地である媒体Pが露出した隙間領域94(破線で囲った領域)が生じる。媒体Pに配置された複数のインクそれぞれにおいて隙間領域が生じると、隙間領域が線状に延びてスジとなったり、周囲の濃度に対して相対的に濃度が低くなってバンディングが生じたりする。
図10は、ヘッド122が有する複数のノズルから吐出されたインクが媒体Pに配置される様子の一例を示す図である。図10は、2パスおよび1/2インターレスによる、主走査方向Aに沿ったヘッド122の複数回の相対移動によって、媒体Pに配置された複数のインクを、媒体Pの法線方向から視た様子を示している。
ヘッド122aからヘッド122fは、それぞれ媒体Pに対して主走査方向Aおよび副走査方向Bそれぞれの方向に相対移動するヘッド122を、簡略化して表示したものである。ヘッド122aからヘッド122fは、それぞれ副走査方向Bに沿って20個のノズルが配列したノズル列を有する一色分のヘッドである。画像形成装置100では、ヘッド122が主走査方向Aに沿って移動し、媒体Pが副走査方向Bに沿って移動するが、図10では、説明の便宜のため、ヘッド122が媒体Pに対して主走査方向Aおよび副走査方向Bのそれぞれの方向に移動するものとする。ヘッド122aに付されている1から20の番号は、20個のノズルの番号を表している。
ヘッド122aは、1回目に主走査方向Aに沿って移動するヘッド122を表している。同様に、ヘッド122bは2回目、ヘッド122cは3回目、ヘッド122dは4回目、ヘッド122eは5回目、ヘッド122fは6回目のそれぞれにおいて、主走査方向Aに沿って移動するヘッド122を表している。画像形成装置は、主走査方向Aに沿った1回の移動ごとに、副走査方向Bへノズル5個に対応する距離分、移動しながら画像を形成する。
黒丸はヘッド122aにより、黒四角はヘッド122bにより、白抜き四角はヘッド122cにより、黒三角はヘッド122dにより、白抜き三角はヘッド122eにより、黒菱形はヘッド122fにより、それぞれ媒体Pに配置されたインクを表している。星形記号は、乾燥して媒体Pに定着済のインクを表している。
ヘッド122a(1回目の移動)は、ノズル番号1から5のノズルから吐出したインクを媒体Pに配置することにより、画像の1/4の領域を形成する。ヘッド122b(2回目の移動)は、ノズル番号1から10のノズルから吐出したインクを媒体Pに配置することにより、画像の2/4の領域を形成する。ヘッド122c(3回目の移動)は、ノズル番号1から15のノズルから吐出したインクを媒体Pに配置することにより、画像の3/4の領域を形成する。ヘッド122d(4回目の移動)は、ノズル番号1から20のノズルから吐出したインクを媒体Pに配置することにより、画像の4/4の領域を形成する。この動作を繰り返すことにより、画像データに基づく画像全体が媒体Pに形成される。
媒体Pに形成される画像のうち、主走査方向Aに沿ったヘッド122の4回の移動により形成が完了する一部の画像領域をバンドと呼ぶ。1つのバンドは、媒体Pにおける所定領域に対応する。主走査方向Aに沿ったヘッド122の1回目から4回目の移動により形成される画像領域を1バンドB1と呼び、同様に2回目から5回目の移動により形成される画像領域を2バンドB2と呼ぶ。
図10において、領域(a)は1バンドB1において合一が発生しやすい領域を示し、領域(b)は2バンドB2以降においてインクの合一が発生しやすい領域を示している。この合一が発生しやすい領域について、図11および図12を参照してさらに詳細に説明する。
図11および図12は、図10の領域(a)におけるインクの合一の一例を示す図である。図11は、ヘッド122の1回目から3回目までの移動により媒体Pに配置されたインクを示している。図12は、ヘッド122の4回目の移動により媒体Pに配置されたインクと、ヘッド122の1回目から4回目までの移動により媒体Pに配置されたインクが乾燥した後の状態と、を示している。なお、図11および図12は、媒体Pに配置されたインクを媒体Pの法線方向から視た様子を示している。
図11において、塗潰しにより示したインク95は、ヘッド122の1回目の移動により媒体Pに配置されたインクを示している。斜線ハッチングにより示したインク96は、ヘッド122の2回目の移動により媒体Pに配置されたインクを示している。ドットハッチングにより示したインク97は、ヘッド122の3回目の移動により媒体Pに配置されたインクを示している。
図11に示す例では、2回目の移動により媒体Pにインク96が配置された直後に、媒体P上におけるインク96に隣り合う位置に、3回目の移動によりインク97が配置されている。インク96を配置する時期とインク97を配置する時期と、の間の時間差が短いため、インク96が十分に広がらない結果、インク97がインク96に引き寄せられてインクが合一している。
図11の状態になった後、図12に示すように、4回目の移動に対応するヘッド122dにより、格子ハッチングで示したインク98が媒体Pに配置される。図12に示すインク95a、96a、97aおよび98aは、媒体Pに配置されたインク95、96、97および98が乾燥し、1バンドB1の形成が完了した状態を示している。
合一が生じた領域では、インクが略等方的に広がらないため、下地が露出し、その結果、周囲の領域に対して濃度差が生じ、画像にバンディングまたはスジ等の異常が発生する。
<画像形成装置100による画像形成動作例>
図13は、画像形成装置100による画像形成動作の一例を示す図である。図13は、図10と同様に、2パスおよび1/2インターレスによる、主走査方向Aに沿ったヘッド122の複数回の相対移動によって、媒体Pに配置された複数のインクを、媒体Pの法線方向から視た様子を示している。なお、図10と同じ部分は重複する説明を適宜省略する。
図13において、ヘッド122aからヘッド122iは、それぞれ媒体Pに対して主走査方向Aおよび副走査方向Bそれぞれの方向に相対移動するヘッド122を、簡略化して表示したものである。ヘッド122aからヘッド122iは、それぞれ副走査方向Bに沿って20個のノズルが配列したノズル列を有する一色分のヘッドである。
ヘッド122aは、1回目に主走査方向Aに沿って移動するヘッド122を表している。同様に、ヘッド122bは2回目、ヘッド122cは3回目、ヘッド122dは4回目、ヘッド122eは5回目、ヘッド122fは6回目、ヘッド122gは7回目、ヘッド122hは8回目、ヘッド122iは9回目のそれぞれにおいて、主走査方向Aに沿って移動するヘッド122を表している。
黒丸はヘッド122aにより、黒四角はヘッド122bにより、白抜き四角はヘッド122cにより、黒三角はヘッド122dにより、白抜き三角はヘッド122eにより、それぞれ媒体Pに配置されたインクを表している。また黒菱形はヘッド122fにより、白抜き菱形はヘッド122gにより、ハーフトーン丸はヘッド122hにより、ハーフトーン四角はヘッド122iにより、それぞれ媒体Pに配置されたインクを表している。星形記号は、乾燥して媒体Pに定着済のインクを表している。
図13の例では、主走査方向Aに沿ったヘッド122の3回目の移動(以下、単にN回目の移動という。Nは回数を表す)において、先行形成された画像(領域(a)における画像)に異常が発生しているものとする。この画像の異常は、光学センサ37から出力された読取信号に基づき、異常検出部13により検出される。
ここで、1つのバンドは、主走査方向Aに沿ったヘッド122の4回の移動により形成されるが、該バンドに異常が発生した場合に、同じ画像形成条件により画像形成を継続すると、後続形成する他のバンドにおいて、画像の異常がさらに悪化し、画質が低下する場合がある。そのため、本実施形態では、画質を向上させるために、主走査方向Aに沿ったヘッド122の4回目の移動以降において、以下に示すように画像形成条件を変更して画像を後続形成する。
図13に示すように、画像形成装置100は、4回目の移動において、ノズル番号1、3、5、7、9、11、13および15のノズルから媒体Pへのインクの配置を間引く。例えば、画像形成装置100は、ノズル番号1、3、5、7、9、11、13および15のノズルからインクを吐出しないことにより、媒体Pへのインクの配置を間引く。間引いた箇所は「×」の記号により表している。
続いて、画像形成装置100は、5回目の移動において、ノズル番号6、8、10、12、14、16、18および20のノズルからインクを吐出することにより、4回目の移動において間引かれた位置にインクを上乗せする。またこれと共に、画像形成装置100は、ノズル番号1、3および5のノズルから媒体Pへのインクの配置を間引く。ここでインクの上乗せとは、画像の先行形成において間引いた位置を、該画像の後続形成において補完するようにインクを配置することをいう。例えば、間引く割合を50%とした場合には、上乗せする割合も50%となる。間引く割合を40%とした場合には、上乗せする割合は60%となる。
続いて、画像形成装置100は、6回目の移動において、ノズル番号2、4、6、8、10、12および14のノズルから媒体Pへのインクの配置を間引く。また画像形成装置100は、ノズル番号16から20の各ノズルからはインクを吐出しない。換言すると、画像形成装置100は、非吐出移動制御部18により、ノズル番号16から20の各ノズルを6回目の移動中に非吐出とする。
続いて、画像形成装置100は、7回目の移動において、ノズル番号2、4、6、8、10、12および14からインクを吐出することにより、6回目の移動においてインクの配置を間引いた位置にインクを上乗せする。また画像形成装置100は、ノズル番号16から20の各ノズルからはインクを吐出しない。
続いて、画像形成装置100は、8回目の移動において、ノズル番号16から20のノズルからインクを吐出して媒体Pにインクを配置する。これにより、2バンドB2の形成が完了する。
画像形成装置100は、8回目の移動以降においても、上記の間引きと上乗せの動作を繰り返すことにより、媒体Pに画像を形成する。
画像形成装置100は、2バンドB2以降では、主走査方向Aに沿った2回目から8回目までのヘッド122の移動により、媒体Pに1つのバンドを形成するように媒体Pへのインクの配置を制御し、6回目および7回目の移動では、非吐出とするノズルを設ける。
換言すると、制御部101は、媒体Pに先行形成された画像に異常が検出された場合には、該画像の後続形成において、媒体Pに配置するインクを間引いた後、インクが間引かれた位置にインクを配置する。
例えば制御部101は、4回目の移動において媒体P上の隣り合う位置へのインクの配置を間引いた後、5回目の移動において間引いた位置にインクを上乗せすることにより、媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期を、1回の移動にかかる時間分遅らせる。図13の領域(c)に示すように、媒体P上に隣り合って配置されるインクは、少なくとも1回の移動にかかる時間以上の時間を空けて配置されるため、隣にインクが配置されるまで乾燥時間を長くできる。
以上のように、画像形成装置100は、画像の後続形成において、媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差を、先行形成された画像に異常が検出されない場合における上記時間差よりも長くすることができる。
媒体P上の隣り合う位置に配置するインク同士において、配置時期の時間差を長くする結果、隣り合うインクのうち、先に配置されたインクは媒体P上において略等方的に広がりつつ乾燥が進む。その結果、媒体P上の隣り合う位置に配置されたインク同士が合一することを抑制し、バンディングまたはスジ等の画像異常を抑制可能になる。
3バンドB3は、3回目から9回目の移動によって形成が完了するが、画像形成装置100は、3回目から9回目の移動において、次のようにして画像を形成する。
まず、画像形成装置100は、3回目の移動において、ノズル番号1、2、3、4および5のノズルから吐出されたインクを媒体Pに配置する。
続いて、画像形成装置100は、4回目の移動において、ノズル番号6、8および10のノズルから吐出されたインクを媒体Pに配置し、ノズル番号7および9のノズルからのインクの配置を間引く。
続いて、画像形成装置100は、5回目の移動において、ノズル番号12および14のノズルからインクを吐出することにより、4回目の移動において間引かれた位置にインクを上乗せする。
続いて、画像形成装置100は、6回目の移動において、ノズル番号11および13のノズルから吐出されたインクを媒体Pに配置し、ノズル番号12および14のノズルからのインクの配置を間引く。
続いて、画像形成装置100は、7回目の移動において、ノズル番号12および14のノズルからインクを吐出することにより、6回目の移動において間引かれた位置にインクを上乗せする。
続いて、画像形成装置100は、8回目の移動において、ノズル番号11、13および15のノズルからのインクの配置を間引く。
続いて、画像形成装置100は、9回目の移動において、ノズル番号16、18および20のノズルからインクを吐出してインクを上乗せすることにより、3バンドB3の画像形成を完了する。
3バンドB3は、3回目から9回目までの移動により形成が完了する。図10を用いて説明した画像形成動作では、4回の移動により1つのバンドを形成する。この場合には、インクを配置する回数が均一であるため、1つのバンドごとに、媒体P上のインクにおいて合一が発生しやすい。これに対し、本実施形態では、4回目の移動以降は、移動ごとに分散して媒体Pへのインクの配置が行われるため、媒体P上の隣り合う位置にインクが連続して配置されることを防ぎ、インクの合一が発生しにくくなる。
4バンド以降の画像形成は、3バンドB3の画像形成と同様であるため、重複する説明を省略する。
このように制御部101は、媒体Pの1つのバンドに先行形成された画像に異常が検出された場合には、該バンドへの画像の後続形成において、移動回数可変部16により、主走査方向Aへの相対移動回数を増加させると共に、移動量可変部17により、副走査方向Bへの相対移動量を減少させる。1回の移動におけるインク配置の間引きを分散させた後、間引いた位置にインクを上乗せすることにより、媒体P上でのインクの合一が抑制される。また、移動回数を増やすことにより、隣り合う位置に次のインクが配置されるまでの時間差を長くなるため、インクが媒体P上において十分に広がる。
<画像形成結果例>
図14から図16を参照して、画像形成結果について説明する。図14は実施形態に係る画像形成装置100による画像形成結果の一例を示す図である。図15および図16は、参考例に係る画像形成装置による画像形成結果を示す図であり、図15は第1参考例、図16は第2参考例である。
図14では、バンディングおよびスジ等の画像異常は生じていない。図15では、主走査方向Aに沿って軽微なバンディングが生じている。図16では、バンディングが大きくなっている。図14に示したように、画像形成装置100は、バンディングおよびスジ等の画像異常を抑制し、媒体Pに形成される画質を向上させることができる。
<画像形成装置100の作用効果>
以上説明したように、画像形成装置100は、インク(液体)によって媒体P(記録媒体)に画像を形成する液体吐出装置である。画像形成装置100は、インクを吐出するヘッド122と、ヘッド122と媒体Pとを相対移動させる移動機構140と、ヘッド122と媒体Pとを複数回相対移動させつつインクを媒体P上に配置するように、ヘッド122と移動機構140とを制御する制御部101と、を有する。制御部101は、媒体Pに先行形成された画像に異常が検出された場合には、該画像の後続形成において、媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差を、異常が検出されない場合の時間差よりも長くする。この構成により媒体Pの隣り合う位置に配置されるインクのうち、先に配置される一方のインクは、他方のインクが後に配置されるまでに、媒体P上を広がり且つ乾燥する時間が長くなるため、両者が合一することを抑制できる。その結果、画像形成装置100は、インクの合一によるバンディングまたはスジ等の画像異常を抑制し、画質を向上させることができる。
媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差は、例えば、移動機構140によるヘッド122と媒体Pとの主走査方向A(所定方向)への相対移動を1回行うことにかかる時間以上の時間差である。これにより、媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差を長く確保でき、上記の効果が得られる。媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差を1回の相対移動にかかる時間にすると、画像全体の形成が完了するまでの時間を短縮でき、画像形成の生産性を上げることができるため、より好適である。
また本実施形態では、制御部101は、画像の後続形成において、媒体Pに配置するインクを間引いた後、インクが間引かれた位置にインクを配置することにより、媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差を長くする。これにより、一連の画像形成動作において、媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差を長くすることができる。
また本実施形態では、画像形成装置100は、媒体Pに先行形成された画像の読取信号を出力する光学センサ37(読取部)をさらに有する。制御部101は、光学センサ37による読取信号に基づき、媒体Pに先行形成された画像の異常を検出する。その結果、画像形成装置100は、制御部101により、媒体Pに先行形成された画像に異常が検出された場合に、該画像の後続形成において、媒体P上の隣り合う位置にインクを配置する時期間の時間差を、異常が検出されない場合の時間差よりも長くすることができる。光学センサ37に光学カメラを適用すると、画像異常を画像処理により検出でき、画像異常の検出精度を向上させることができるため、より好適である。
また本実施形態では、制御部101は、媒体Pに先行形成された画像の異常が所定条件を満たす場合に、ヘッド122と媒体Pとの相対移動の開始を遅くすることが好ましい。このようにすると、例えば、異常検出部13により検出された異常の個数が所定の個数閾値を超えた場合、あるいは画像におけるスジ領域と正常領域との濃度差や濃度ムラにおける濃度差が所定の濃度差閾値を超えた場合等に、次の移動開始まで乾燥時間を確保できるため、合一を好適に抑制できる。
また本実施形態では、移動機構140は、主走査方向Aおよび副走査方向Bのそれぞれの方向に、ヘッド122と媒体Pとを相対移動させる。ヘッド122は、複数のノズルからインクを吐出する。移動機構140による副走査方向Bへの相対移動は間欠的である。副走査方向Bへの1回当たりの間欠的な相対移動量は、副走査方向Bにおける複数のノズル間の間隔以上の距離において可変である。この構成により、副走査方向Bに沿って媒体Pにインクを配置する位置を細かく変化させることができる。
また本実施形態では、制御部101は、媒体Pの所定領域に先行形成された画像に異常が検出された場合には、該所定領域への画像の後続形成において、主走査方向Aへの相対移動回数を増加させると共に、副走査方向Bへの相対移動量を減少させる。画像形成装置100は、副走査方向Bへの相対移動量を減少させることにより、1回の移動におけるインク配置の間引きを分散させた後、間引いた位置にインクを配置できるため、媒体P上でのインクの合一を好適に抑制できる。また、画像形成装置100は、移動回数を増やすことにより、隣り合う位置に次のインクが配置されるまでの時間差を長くすることができるため、媒体P上のインクを十分に広がらせ、媒体P上でのインクの合一を好適に抑制できる。
また本実施形態では、制御部101は、所定領域に先行形成された画像に異常が検出された場合には、ヘッド122に含まれる一部のノズルからインクを吐出させずに、ヘッド122と媒体Pとを相対移動させる。ヘッド122に含まれる一部のノズルからインクを吐出させないことにより、媒体P上に配置されたインクが広がる時間を長く確保できるため、媒体P上でのインクの合一をさらに抑制できる。
[その他の好適な実施形態]
上述した実施形態は、インクが広がりにくく、バンディングまたはスジ等の画像異常が発生しやすい媒体に画像形成する場合にも適用でき、該媒体に形成される画質を向上させることができる。
また上述した実施形態では、画像形成装置100が3つのヘッド122a、122bおよび122cを有する構成を例示したが、ヘッドの個数は3個に限定されるものではなく、媒体Pに形成される画像の仕様等に応じて適宜変更できる。
また上述した実施形態では、ヘッド122と媒体Pとが主走査方向Aに沿って4回相対移動することにより1つのバンドが形成される構成を例示したが、これに限定されるものではない。1つのバンドを形成するための相対移動の回数は、媒体Pに形成される画像の仕様等に応じて適宜変更できる。
媒体Pにインクを配置する場合の間引きの割合および上乗せの割合についても、媒体Pに形成される画像の仕様等に応じて適宜変更可能である。
以上、実施形態における一例について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形および改良が可能である。
実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
13 異常検出部
14 配置制御部
15 移動開始制御部
16 移動回数可変部
17 移動量可変部
18 非吐出移動制御部
37 光学センサ(読取部の一例)
95、96、97、98 インク
100 画像形成装置
101 制御部
108 印刷制御部
109 主走査モータ駆動部
110 副走査モータ駆動部
111 ファン制御部
112 ヒータ制御部
117 主走査モータ
118 副走査モータ
120 ヒータ
121 キャリッジ
122 ヘッド
140 移動機構
A 主走査方向(所定方向の一例)
B 副走査方向
P 媒体(記録媒体の一例)
特開2011-000761号公報

Claims (8)

  1. 液体によって記録媒体に画像を形成する液体吐出装置であって、
    前記液体を吐出するヘッドと、
    前記ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させる移動機構と、
    前記ヘッドと前記記録媒体とを複数回相対移動させつつ前記液体を前記記録媒体上に配置するように、前記ヘッドと前記移動機構とを制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記記録媒体に先行形成された前記画像に異常が検出された場合には、前記画像の後続形成において、前記記録媒体上の隣り合う位置に前記液体を配置する時期間の時間差を、前記異常が検出されない場合の前記時間差よりも長くする液体吐出装置。
  2. 前記時間差は、前記移動機構による前記ヘッドと前記記録媒体との所定方向への相対移動を1回行うことにかかる時間以上の時間差である請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御部は、前記画像の後続形成において、前記記録媒体に配置する前記液体を間引いた後、前記液体が間引かれた位置に前記液体を配置することにより、前記時間差を長くする請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記記録媒体に先行形成された前記画像の読取信号を出力する読取部をさらに有し、
    前記制御部は、前記読取部による前記読取信号に基づき、前記記録媒体に先行形成された前記画像の異常を検出する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記制御部は、前記記録媒体に先行形成された前記画像の異常が所定条件を満たす場合に、前記ヘッドと前記記録媒体との相対移動の開始を遅くする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記移動機構は、主走査方向および前記主走査方向に交差する副走査方向のそれぞれの方向に、前記ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させ、
    前記ヘッドは、複数のノズルから前記液体を吐出し、
    前記移動機構による前記副走査方向への相対移動は間欠的であり、
    前記副走査方向への1回当たりの間欠的な相対移動量は、前記副走査方向における前記複数のノズル間の間隔以上の距離において可変である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記制御部は、前記記録媒体の所定領域に先行形成された前記画像に異常が検出された場合には、前記所定領域への前記画像の後続形成において、前記主走査方向への相対移動回数を増加させると共に、前記副走査方向への前記相対移動量を減少させる請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御部は、前記所定領域に先行形成された前記画像に異常が検出された場合には、前記ヘッドに含まれる一部の前記ノズルから前記液体を吐出させずに、前記ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させる請求項7に記載の液体吐出装置。
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