JP2023063846A - 画像形成装置 - Google Patents

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Tetsuo Sakamoto
崇 平塚
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Abstract

【課題】 白黒機開発において、コストと開発効率化のためにカラー機と同じメイン駆動ユニットが用いられる。しかし、白黒機はモータ、ギヤなどがカラー機より少ないため、カラー機と異なる振動特性を有する。そのため、カラー機では発生しなかった振動問題が発生する。【解決手段】 駆動ユニットに、ギヤ支持部材の開口部に保持され、ギヤ支持部材に質量または拘束力を付与する振動抑制部材210を備える構成。【選択図】 図12

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
近年、顧客ニーズによって複写機、プリンタ等の画像形成装置に対して静音化が強く求められるようになってきている。しかしながら、画像形成装置においては、画像形成時にモータ、ファンなどが動作することによって稼働音が発生する。
画像形成装置のモータが動作する際の駆動音を低減する構成として、モータが固定されたプレートの形状加工によって共振域をずらし、共振の発生を抑制する画像形成装置が提案されている(特許文献1、2)。共振の発生を抑制することによってプレートの振動振幅が抑制され、プレートから放射される放射音を低減することができる。
特許文献1では、モータが固定された金属プレートに打出部を設けることによってプレートの曲げ剛性を高くし、プレートの固有振動数とモータによる加振周波数を相違させるような構成としている。
特許文献2では、モータが固定された金属プレートに貫通穴と貫通穴を覆う覆い部を設けることによってプレートの曲げ剛性を変更し、プレートの固有振動数とモータによる加振周波数を相違させるような構成としている。
特開2015-184444号 特開2015-184446号
ところで、複写機やプリンタ市場は、年々低価格化が強く求められるようになっている。そこで、複数製品の部品を共通化することで部品価格を低減することで全体価格を低減した画像形成装置が上市されている。例えば、従来はイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの4色の画像形成が可能なカラー機と、ブラックのみ画像形成可能な白黒機との間では部品構成が大きく異なっていた。しかし、近年では、カラー機のイエロー、シアン、マゼンダ各色の画像形成部を未搭載とし、ブラックのみ画像形成部を残すことによって部品共通化を図った白黒機が上市されている。
前述のような部品の共通化を図った複数の画像形成装置においては、部品の共通化をしているものの、部品自体の有無が装置毎に異なるため、それぞれの装置でユニットの固有振動数が異なる場合があった。
しかしながら、部品の共通化を図った複数機種に特許文献1もしくは2の構成を適用すると、以下のような課題があった。すなわち、共通部品であるモータが固定されたプレートに対して固有振動数を変更したとしても、ユニットとしての固有振動数は装置毎に異なるため、モータなどの起振周波数と機種間全ての固有振動数とを相違させることは困難な場合があった。
本発明は上記の課題を鑑みなされたものであり、その目的は、部品共通化を図りつつ、騒音を低減することができる画像形成装置を提供することである。
本発明に係る画像形成装置は、感光体ドラムを駆動するドラムギヤと、4つの開口部を有する第一ギヤ支持部材と、前記第一ギヤ支持部材と共に前記ドラムギヤを支持する第二ギヤ支持部材であって、4つの開口部を有する第二ギヤ支持部材と、前記第一ギヤ支持部材と前記第二ギヤ支持部材に設けられた前記4つの開口部のうちいずれかの開口部を塞ぐように取り付けられる振動抑制部材と、を備え、前記振動抑制部材は、錘部材と錘保持部材を備え、前記錘部材は、前記第一ギヤ支持部材または前記第二ギヤ支持部材のいずれか一方の開口部に接触し、前記錘保持部材は、錘部材と接触する開口部と同軸上にあり、前記第一ギヤ支持部材または前記第二ギヤ支持部材のいずれか他方の開口部に取りつけられることを特徴とする。
本発明によって、部部品共通化を図りつつ、騒音を低減することができる画像形成装置を提供することが可能である。
本発明の画像形成装置1の概略構成を示す図 ベースフレーム301と駆動ユニット33の位置関係を示す図 駆動ユニット33の保持方法を示す図 駆動ユニット33の前方側の概略構成を示す図 駆動ユニット33の後方側の概略構成を示す図 ドラム駆動ギヤ214近傍の断面を示す図 現像駆動ギヤ215近傍の断面を示す 駆動ユニット33における振動伝搬の向きを示す図 カラー機とモノクロ機の駆動ユニットのバネマスモデルを示す図 駆動ユニット33のバネマスモデルを示す図 錘部材401と錘保持部材402を示す図 振動抑制部材210近傍の駆動ユニット33を示す図 駆動ユニット33に振動抑制部材を取り付けるための開口部を示す図 振動抑制部材の接触部404を示す図 振動抑制部材210を第二の支持部材202にどのように取り付けるのかを示す図 第二の駆動ユニット803の断面を示す図 第二の駆動ユニットのバネマスモデルを示す図 第二の振動抑制部材810を示す図 第二の駆動ユニット803に第二の振動抑制部材810を取り付けた状態を示す図 第三の駆動ユニット903を後方から見た図 第三の振動抑制部材910を示す図 取り付け後の第三の振動抑制部材910近傍の断面を示す図
<第一の実施形態>
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成図である。図1において、1は画像形成装置、1Aは装置本体である画像形成装置本体(以下、装置本体という)である。この装置本体1Aの上部には原稿を読み取る画像読取装置200Bと、画像読取装置200bへ原稿を給送する自動原稿送り装置200Cが配置されている。
また、装置本体1Aには、記録媒体Sに画像を形成する画像形成部1Bと、記録媒体Sを給送する給送部22と、記録媒体Sに形成されたトナー画像を定着させる定着部36等が設けられている。画像形成部1Bは、感光体ドラム26を備え、装置本体1Aに着脱可能に装着されたブラックの1色のトナー画像を形成するプロセスカートリッジ25を備えている。
また、画像形成部1Bは、プロセスカートリッジ25の鉛直上方に配置され、画像情報に基づいてレーザービームを照射し、感光体ドラム26上に静電潜像を形成するスキャナユニット28を備えている。
プロセスカートリッジ25は、感光体ドラム26の他、感光体ドラム26の周囲に設けられた感光体ドラム表面を均一に帯電する帯電装置27、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する現像装置29等を備えている。
プロセスカートリッジ25の背面には駆動ユニット33が配置されており、感光体ドラム26と現像装置29を回転駆動する。また、30は中間転写ベルトであり、この中間転写ベルト30の内側には感光体ドラム26に対向して1次転写ローラ31が配設されている。
そして、1次転写ローラ31によって中間転写ベルト30に1次転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム上のトナー像が順次中間転写ベルト30に転写され、これにより中間転写ベルト上にはモノクロ画像が形成される。また、2次転写部32は、順次中間転写ベルト30に形成されたモノクロ画像を記録媒体Sに転写する。この2次転写部32は、不図示の駆動ギヤにより回転駆動される二次転写内ローラを兼ねる駆動ローラ32bと、2次転写ローラ32aとにより構成されている。
定着部36は、記録媒体S上に形成した画像に熱及び圧力を加えてトナー像を定着させるものであり、加熱ローラ34と、加熱ローラ34に圧接する加圧ローラ35とを有している。給送部22は、装置本体1Aに着脱可能に装着された給紙カセット22aと、ピックアップローラ22bを備えている。
画像形成装置1は、後述する図2に示すように、ベースフレーム301a、301b、301c、301dで枠組みされている。ベースフレーム301a~301dで形成される空間内に上述の給紙カセット22a、中間転写ベルト30、プロセスカートリッジ25、定着部36等が配置されている。外装材44がベースフレーム301a、301b、301c、301dの外周を囲っており、トナー、音、熱を本体外に到達しにくくする構成となっている。
次に、このように構成された画像形成装置1の画像形成動作について図1を用いて説明する。自動原稿送り装置200Cから画像読取装置200Bのコンタクトガラス303上の読取位置に原稿が給送されると、画像読取部304の光源によってコンタクトガラス303の下部を、矢印方向に走査する。光源から発せられた光は原稿面で反射した後、不図示のミラーで反射し、CCD(画像読取素子)333へと導かれ、CCD333では画像情報を電気信号に変換する。
なお、本画像形成装置1は、不図示の画像処理部にCCD333からの画像信号を入力すれば複写機として機能し、パーソナルコンピュータ等の出力信号を入力すればプリンタとして機能する。
CCD333により電気信号に変換された画像情報は不図示の画像処理部で処理された後、スキャナユニット28に伝送され、スキャナユニット28から、読み取った原稿画像の電気信号に対応したレーザ光が感光体ドラム上に照射される。このとき、感光体ドラム26は、帯電装置27により表面が予め所定の極性・電位に一様に帯電されており、スキャナユニット28からレーザ光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。この後、この静電潜像をトナーにより現像する。ここで、モノクロ画像を形成する場合には、例えば、まず感光体ドラム26に、原稿の画像信号によるレーザ光をスキャナユニット28から照射し、感光体ドラム26上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を、現像装置29は不図示のトナー収納部からのブラックトナーにより現像する。
次に、このトナー像が感光体ドラム26の回転に伴って感光体ドラム26と中間転写ベルト30とが当接する1次転写部に達すると、1次転写ローラ31に印加した1次転写バイアスにより、感光体ドラム上のブラックトナー像が中間転写ベルト上に転写される。
なお、トナー像転写後に、感光体ドラム表面に残ったトナーは、ドラムクリーナ29aによって除去される。除去されたトナーは、回収トナー容器13に回収される。
また、このトナー画像形成動作に並行して給紙カセット22aに収容された記録媒体Sはピックアップローラ22bにより送り出された後、レジストローラ対24に到達する。そして、レジストローラ対24によりタイミングを合わされて、2次転写部32に搬送される。そして、この2次転写部32において、2次転写ローラ32aに印加される2次転写バイアスによって中間転写ベルト上のトナー像が記録媒体S上に一括して転写される。
次に、トナー像が転写された記録媒体Sは定着部36に搬送され、加熱ローラ34と、加熱ローラ34に圧接する加圧ローラ35とで形成されるニップを通過する際に、記録媒体S上の未定着トナー画像が加熱定着される。この結果、トナー像が記録媒体S上に定着される。次に、記録媒体Sは正逆転可能な排出ローラ対38によって記録媒体S積載部40に排出積載される。
なお、本実施の形態の画像形成装置1は、記録媒体Sの両面に画像を形成することができるようになっている。記録媒体Sの両面に画像を形成する場合には、記録媒体Sが排出ローラ対38によって記録媒体S積載部40に排出される前に排出ローラ対38を逆転させ、記録媒体S搬送路である反転搬送通路Rに進入させる。
このように反転搬送通路Rに進入した記録媒体Sは、反転搬送通路Rに設けられた記録媒体S搬送ローラ対41~43によりレジストローラ対24まで搬送され、レジストローラ対24によって再度、画像形成部1Bに搬送され、第2面に画像形成が行われる。なお、第2面に画像が形成された記録媒体Sは、定着部36を通過して画像が定着された後、排出ローラ対38によって記録媒体S積載部40に排出され、積載される。
次に、図2と図3を用いて駆動ユニット33がベースフレーム301にどのように取りついているのかを説明する。図2は駆動ユニット33が取りついたベースフレーム301を上面から見た模式図である。なお、ベースフレーム301に取りついている他のユニットについては図示を省略している。ベースフレーム301aは画像形成装置1の前後方向において前側に位置し、ベースフレーム301dは後側に位置している。ベースフレーム301dはベースフレーム301aに対向するように配置され、ベースフレーム301b、301cはそれぞれベースフレーム301a、ベースフレーム301dに取りつく構成となっている。駆動ユニット33は、プロセスカートリッジ25の後方に位置し、装置本体のベースフレーム301dに第二のフレーム部材202が取り付けられている。
図3(a)は駆動ユニット33が取りついているベースフレーム301を後方から見た図である。図2と同様に駆動ユニット以外のユニットについては省略した図である。ベースフレーム301の後方から駆動ユニット33の近傍を見た図を図3(b)に示す。図3(b)に示すように駆動ユニット33の第二のギヤ支持部材202はベースフレーム301dに対向しており、駆動ユニット固定用開口部302を備える。駆動ユニット固定用開口部302にビスを取り付け、フレームに対して駆動ユニット33を固定する構成となっている。
次に、図4と図5を用いて本実施の形態に係る駆動ユニット33の構成を説明する。図4は画像形成装置1の駆動ユニット33の模式図である。駆動ユニット33は第一のギヤ支持部材201、第二のギヤ支持部材202で枠組みされている。第一のギヤ支持部材201は第二のギヤ支持部材202よりも画像形成装置本体の前方に配置されており、第一のギヤ支持部材201は第二のギヤ支持部材202に対向するように配置されている。また、第一のギヤ支持部材201には第一のドラムギヤ用貫通穴206y、206m、206c、206kが等間隔に空いている。同様に第一のギヤ支持部材201には第一の現像ギヤ用貫通穴208y、208m、208c、不図示208kが等間隔に空いている。
図5は駆動ユニット33を後方側から見た模式図である。駆動ユニット33はドラムモータ203と現像モータ213を備えており、第二のギヤ支持部材202に取り付けられる構成となっている。また、第二のギヤ支持部材202には第一のドラムギヤ用貫通穴206y、206m、206c、206kそれぞれと同軸上に、第二のドラムギヤ用貫通穴207y、207m、207c、不図示の207kが空いている。第一の現像ギヤ用貫通穴208y、208m、208c、208kそれぞれと同軸上に、第二のギヤ支持部材202に第二の現像ギヤ用貫通穴209y、209m、209c、不図示の209kが空いている。
第一のドラムギヤ用貫通穴206y、206m、206c及び第二のドラムギヤ用貫通穴207y、207m、207cは同構成のカラー機において、イエロー、マゼンタ、シアンの感光体ドラムを駆動するための駆動ギヤを保持するために空いているものである。同様に、第一の現像ギヤ用貫通穴208y、208m、208c及び第二の現像ギヤ用貫通穴209y、209m、209cは、同構成のカラー機において、イエロー、マゼンタ、シアンの現像装置を駆動するための駆動ギヤを保持するために空いているものである。
次に、図6を用いて感光体ドラム26の駆動方法について説明する。図6はドラムモータ203近傍における駆動ユニット33の断面図である。なお、感光体ドラム26の駆動に関与しない部品については省略している。駆動ユニット33は感光体ドラム26を駆動するため、ドラム駆動ギヤ214、モータ側ギヤ218、ドラムギヤ保持部材221を備える。第二のギヤ支持部材202にドラムギヤ保持部材221が保持されており、ドラム駆動ギヤ214はドラムギヤ保持部材221と同軸上に位置するようにドラムギヤ保持部材221に保持される。ドラムモータ203の軸にはモータ側ギヤ218が取り付いており、ドラム駆動ギヤ214と噛み合うように配置されている。ドラムモータ203はモータ側ギヤ218、ドラム駆動ギヤ214を介して感光体ドラム26を回転駆動する。
次に、図7を用いて現像装置29の駆動方法について説明する。図7は現像モータ213近傍における駆動ユニット33の断面図である。なお、現像装置29の駆動に関与しない部品については省略している。駆動ユニット33は現像装置29を駆動するため、図7に示す現像モータ213、現像駆動ギヤ215、カップリング側ギヤ216、本体側現像カップリグ217、中間ギヤ219、現像モータ側ギヤ220を備える。
現像モータ213は第二のギヤ支持部材202にビスで固定されており、現像モータ213の駆動軸にモータ側ギヤ220が取り付いている。現像駆動ギヤ215は第一のギヤ支持部材201と第二のギヤ支持部材202の間に位置する。
また、現像駆動ギヤ215は二段ギヤになっており、現像モータ側ギヤ220と噛み合う第一の歯車、中間ギヤ219と噛み合う第二の歯車を備える。中間ギヤ219は第一のギヤ支持部材201の前面側に取り付けられており、現像駆動ギヤ215、カップリング側ギヤ216と噛み合うにように配置されている。
カップリング側ギヤ216は、第一のギヤ支持部材201の前面側に配置されており、中間ギヤ219と噛み合うように配置されている。そして、カップリング側ギヤ216と同軸上に本体側カップリング217が取り付いている。現像モータ213は、現像モータ側ギヤ220、現像駆動ギヤ215、中間ギヤ219、カップリング側ギヤ216、不図示の現像装置側現像カップリングを介して、現像装置29を回転駆動する。詳細は後述するが、駆動ユニット33は振動抑制部材210を備えている。振動抑制部材210は第一のドラムギヤ用貫通穴206m、第二のドラム駆動用貫通穴207mと同軸上で、前方から後方に向かう向きにおいて、第一のギヤ支持部材201、第二のギヤ支持部材202の間に配置されている。
ここで、図8を用いて駆動ユニット33による音が発生するメカニズム、ならびに本発明の構成によって稼働音を低減できる原理を説明する。図8は画像形成時に駆動ユニット33の起振源及び、振動の伝搬経路を表す図である。画像形成時、現像モータ213とドラムモータ203を回転駆動することでギヤ支持部材202が加振される。これら起振源から第二のギヤ支持部材202へ振動が伝搬する。図8に示す矢印aは伝搬のイメージを示したものであり、矢印に示す方向にドラムモータ203から第二のギヤ支持部材202へ振動が伝搬していくことを示す。
第二のギヤ支持部材202は、ベースフレーム301dとの間でビス締結してあるため、振動がギヤ支持部材201及びベースフレーム301dに伝搬していく。そのときの伝搬のイメージを示したもの矢印bであり、第二のギヤ支持部材202からベースフレーム301dへの振動が矢印に示す方向に伝搬していくイメージを表す。このように振動が伝搬し、第二のギヤ支持部材202及びベースフレーム301dの振動が放射音となって駆動ユニット33から発生する音になる。
次に、駆動ユニット起因の音がカラー機とモノクロ機で異なる理由について、駆動ユニットによる振動を単純化したバネモデルを用いて説明する。図9は、駆動ユニットにおいて振動が伝達する主要な部品を質点、バネ、ダンパで表現したバネマスモデルの図である。図9(a)はモノクロ機、図9(b)はカラー機を表したものである。なお、実際には駆動ユニットを構成する部品は連続体であり、振動特性の違いを調べるには実験や数値解析などを実施する必要がある。しかし、モノクロ機とカラー機の振動特性の違いは上述の単純化した系でも現れるため、図9を用いて説明する。
図9(a)は、振動抑制部材210を除いた駆動ユニット33の振動系をモデル化したものである。m,k,cはドラムモータ203をバネマスモデルとして表現したものである。
次に、駆動ユニットの枠体のモデル化の考え方について説明する。駆動ユニットの枠体は第一のギヤ支持部材201と第二のギヤ支持部材202で構成され、並列接続された二つのバネマスモデルとして考える。質点m、バネk、ダンパcは第一のギヤ支持部材201を表すバネマスモデルで、質点m、バネk、ダンパcは第二のギヤ支持部材202を表すバネマスモデルである。この二つの部材を並列接続にすることで駆動ユニット33の枠体の剛性が二つのギヤ支持部材の剛性によって決まることを表現している。
質点m、バネk、ダンパcはベースフレーム301dを表すバネマスモデルである。振動は駆動ユニットの枠体からベースフレーム301dを経由して、地面へ伝搬する。
図9(b)は、図9(a)に示した駆動ユニットにカラー機用のモータを取り付けた構成をバネマスモデルとして表現したものである。質点m~m、バネk~k、ダンパc~cについては図9(a)と同一であり、説明を省略する。質点m、バネk、ダンパcはカラー用のドラムを駆動するためのカラードラムモータである。
図9(a)、図9(b)に示すような振動系の振動特性は一般に質点の質量、バネ定数、ダンパの減衰係数によって変化することが知られている。図9(a)は図9(b)と比べカラードラムモータがない分、振動特性を決める質点、バネ、ダンパが一つ少ない振動系であると考えることができる。そのため、カラー機と同様にドラムモータ203を駆動した場合であっても、カラー機では発生しなかった振動による音が発生する。
次に、振動抑制部材210によって稼働音が低減する理由について図10を用いて説明する。なお、単純化したバネマスモデルを用いて、音が低減する理由について説明する。
図10では、振動抑制部材210を取り付けることで図9(a)のバネマスモデルがどのように変化するのかを示す。質点m~m、バネk~k、ダンパc~cについては図9(a)と同一であり、説明を省略する。mは振動抑制部材210を質点として表したものである。
図10は、第二のギヤ支持部材202に振動抑制部材210を取り付けることで、第二のギヤ支持部材自体の質量がmからm+mに変化した系であると考えている。振動抑制部材210を取り付けることで第二のギヤ支持部材202の質量が変化し、駆動ユニットの振動特性が変化する。このように振動特性を変化させ共振を防ぐことで、音を低減することができる。
次に、図11および図12を用いて振動抑制部材210の構成について説明する。図11は振動抑制部材を構成する部材を示した図である。図11に示すように振動抑制部材210は錘部材401、錘保持部材402で構成される。錘部材は第一のドラムギヤ用貫通穴206mと接触する第一の貫通穴接触部403と錘保持部材402に挿入される軸部412を有する。
なお、錘部材401の質量は、発明者らの検討によれば100g~500gが好適である。錘部材401を前記質量とすることによって、第二のギヤ支持部材202の振動を効果的に低減可能である。
図12から図14を用いて振動抑制部材210を駆動ユニット33に取り付ける構成について説明する。図12は振動抑制部材210の周辺における駆動ユニット33の断面図である。振動抑制部材210は第一のギヤ支持部材201と第二のギヤ支持部材202の間に位置する。錘部材401の軸部412は錘保持部材402に挿入され、錘部材401の第一の貫通穴接触部403は第一のドラムギヤ用貫通穴206mに挿入されている。錘保持部材402は第二のドラムギヤ用貫通穴207mに挿入され、第二のギヤ支持部材210に取り付いている。
図13は、第二のギヤ支持部材202の第一のドラムギヤ用貫通穴206m近傍の模式図である。第一のドラムギヤ用貫通穴206mの近傍には取り付け用開口部405a~cが三つ空いている。取り付け用開口部405a~cの第一の開口部端面406a~cは、すべて同一円周上ある。同様に、第二の開口部端面407a~cもすべて同一円周場にある。第一の開口部端面406a~c及び第二の開口部端面407a~cは同軸上にあり、第一の開口部端面406のほうが軸線から離れた場所に位置する。ドラムギヤ用貫通穴206mは、大開口部の一例であり、取り付け用開口部405は、ドラムギヤ用貫通穴206mよりも直径が小さい小開口部の一例である。
なお、取り付け用開口部405は同じ第二のギヤ支持部材を用いるカラー機においてはイエロー、マゼンタ、シアン用のドラムギヤ保持部材221を保持するために使用される開口部である。
第一の開口部端面406と第二の開口部端面407の間にはギヤ支持部材側接触面408a~cが位置する。ギヤ支持部材側接触面408は対応する接触部404の接触面と接触する。接触部404は、係合部の一例である。
図14は接触部404a近傍の模式図である。接触部404は前方から後方に向かって延びる凸形状である。接触部404aは錘保持部材側接触面409aを有している。振動抑制部材210を第二のギヤ支持部材に取り付けた状態において、錘保持部材側接触面409aはギヤ支持部材側接触面408aに接触し保持力を受ける。尚、接触部404b、404cについては接触部404aと同様の形状であるため、説明を省略する。接触部404bは、取り付け用開口部405bに挿通され、ギヤ支持部材側接触面408bに接触して保持される。また、接触部404cは、取り付け用開口部405cに挿通され、ギヤ支持部材側接触面408cに接触して保持される。
接触部404は、錘保持部材側接触面409aと平行に位置する第二の錘保持部材側接触面410を備える。後述する取り付け動作によって、錘保持部材側接触面409と第二の錘保持部材側接触面410とにより第二のギヤ支持部材202を挟持する構成となっている。
次に、図15を用いて錘保持部材を取り付ける動作について説明する。図15(a)は、錘保持部材402を第二のギヤ支持部材202に取り付ける前の状態を示す。この状態は、振動抑制部材210を第二のギヤ支持部材202の後方に向かって挿入した状態であり、振動抑制部材210は第二のギヤ支持部材202に保持されていない。そして、図15(a)の状態から錘保持部材402を矢印r方向に回転させることで、不図示の錘保持部材側接触面409a~cはギヤ支持部材側接触面408a~cとそれぞれ重なる。この状態を示したのが図15(b)である。この状態ではギヤ支持部材側接触面408a~cが不図示の錘保持部材側接触面409a~cと接触し、第二のギヤ支持部材202が振動抑制部材210に挟まれている状態になる。この状態では第二のドラム駆動用貫通穴207mの軸線方向の回転以外の移動以外は規制され、保持される構成となっている。
錘保持部材を上述の構成にすることで、カラー用のドラムギヤを保持するために第一のギヤ支持部材201、第二のギヤ支持部材202が備える開口部をそのまま利用することができる。
なお、実施例の振動抑制部材210の取り付け箇所は第二のドラムギヤ用貫通穴207mに限定されるものではない。例えば、第二のドラムギヤ用貫通穴207c、207yに取りつけることでも同様に効果が得られる。また、実施例の振動抑制部材の取り付け箇所はドラムギヤを取り付けるための開口部でなくてもよい。例えば、第一、第二の現像ギヤ用貫通穴208m、209mの間に振動抑制部材210を取り付ける構成でも問題はない。
また、錘部材401を第一のギヤ支持部材201と第二のギヤ支持部材202の間に取り付ける構成であれば、錘部材401を保持する構成は本実施例と異なっていてもよい。例えば、錘保持部材402を第二のギヤ支持部材202に対してビス固定するような構成であってもよく、少なくとも第一のギヤ支持部材201と第二のギヤ支持部材202のいずれか一方に固定され、いずれか他方に支持される構成であればよい。
<第二の実施形態>
次に、本発明の第二の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、第一の実施形態と同様の構成については同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
第二の実施形態において、画像形成装置1は第二の駆動ユニット803を有する。第二の駆動ユニット803は駆動ユニット33に対して、振動抑制部材210の代わりに第二の振動抑制部材810が取り付いている点が異なる。また、第一の実施形態と比べ、振動特性が変化する原理が異なる。
図16に第二の駆動ユニット803における第二のドラムギヤ用貫通穴207m近傍の断面図を示す。図16は、第二の振動抑制部材810が第二のギヤ支持部材202及び第一の振動抑制部材201に挟まれて保持されている構成になっている。第二の振動抑制部材810は206m、207mの間に挿入されている。
続けて、本実施形態において稼働音を低減するメカニズムについて説明する。図17は、本実施例の第二の駆動ユニット803をバネマスモデルで表現したものである。質点m~m、バネk~k、ダンパc~cについては図9(a)と同一であり、説明を省略する。第二の駆動ユニット803は第二の振動抑制部材810を備えており、第二の振動抑制部材810を質点で表現したものが質点m、バネk、ダンパcである。詳細は後述するが、第二の振動抑制部材810は押圧部材であり、第一のギヤ支持部材201及び第二のギヤ支持部材202に対して押圧力を与える。押圧力により第一のギヤ支持部材201及び第二のギヤ支持部材202の変形が抑制されるため、第二の駆動ユニット803の剛性が増加する。そのため、第一のギヤ支持部材201と第二のギヤ支持部材202と並列に第二の駆動ユニット803の剛性に関与する要素としてモデル化をした。
第二の振動抑制部材810を持たない図9(a)の場合と比べ、質点m、バネk、ダンパcが含まれる点が異なる。前述のように第二の振動抑制部材810から働く押圧力によって第二の駆動ユニット803の枠体の剛性が増加し、振動特性が変化する。このように振動特性を変化させ共振を防ぐことで、稼働音を低減することができる。
図18に第二の振動抑制部材810の模式図を示す。第二の振動抑制部材810は押圧部材であり、第一のギヤ支持部材201と接触する第一ギヤ支持部材接触部801と、第二のギヤ支持部材202と接触する第二ギヤ支持部材接触部802を有する。部材を駆動ユニット33に取りつける前の第一ギヤ支持部材接触部801と第二ギヤ支持部材接触部802間の距離をL1とする。
図19は駆動ユニット33に取り付けた状態の振動抑制部材近傍の模式図である。図19では第一ギヤ支持部材接触部801と第一ギヤ支持部材201が接触しており、第二ギヤ支持部材接触部802と第一ギヤ支持部材201が接触している。
第一ギヤ支持部材接触部801と第二ギヤ支持部材接触部802間の距離をl2としたとき、l1>l2となる構成になっている。これは第一ギヤ支持部材201および第二ギヤ支持部材202から振動抑制部材210が押圧力を受けることで圧縮されているためである。
このような振動抑制部材を入れることで、振動特性の悪化を防ぐことが可能である。
なお、本実施例における第二の振動抑制部材810の取り付け箇所は第二のドラムギヤ用貫通穴207mに限定されるものではない。例えば、第二のドラム用貫通穴207c、207y、第一の現像ギヤ用貫通穴208y、208m、208cに取りつけることでも同様に効果が得られる。
<第三の実施形態>
次に、本発明の第三の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、第一の実施形態と同様の構成については同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
第三の実施形態において、画像形成装置1は第三の駆動ユニット903を有する。第三の駆動ユニット903は駆動ユニット33に対して、振動抑制部材210の代わりに第三の振動抑制部材910が取り付いている点が異なる。
第三の振動抑制部材910は実施例1と同様に質量を付与することで稼働音を低減するため、稼働音を低減できる原理については省略する。
図20は第二ギヤ支持部材202の背面側から見た模式図である。ドラムモータ203は第二ギヤ支持部材202に対してビス止めされており、前述のように不図示のドラム駆動ギヤ、本体側ドラムカップリング204、不図示のユニット側ドラムカップリングを介して、感光体ドラム26を回転駆動する。ドラムモータ203の横には第三の振動抑制部材910がビスで第二のギヤ支持部材202に対して固定されている。
なお、第二のギヤ支持部材202に空いているビス穴は、同じ第二のギヤ支持部材202を利用するカラー機においてはカラー用のモータを取り付けるために利用されるものである。そのため、モノクロ機とカラー機で第二のギヤ支持部材202で共通にしつつ、第三の振動抑制部材910を取り付けることが可能である。
続けて、図21を用いて第三の振動抑制部材910の構成について説明する。錘部材には貫通穴901が空いており、ビスを貫通穴に通して第三の振動抑制部材910を第二のギヤ支持部材202にビス止めする構成になっている。また、第三の振動抑制部材910は取り付け用凸部902を備える。取り付け用凸部902を第二のギヤ支持部材202に差し込むことで、第二のギヤ支持部材202に対する第三の振動抑制部材910の位置決めを行う。
図22は取り付け後の第三の振動抑制部材910近傍の断面図である。第二のギヤ支持部材202が備えるカラードラムモータ用開口部904に取り付け用凸部902を挿入し、固定用ビス905で第三の振動抑制部材910を固定している。
第三の振動抑制部材910は、第一の実施形態と同様に100g~500gが好適である。第三の振動抑制部材910を前記質量とすることによって、第二のギヤ支持部材202の振動を効果的に低減可能である。
1 画像形成装置
1A 画像形成装置本体
1B 画像形成部
13 回収トナー容器
22 給送部
22a 給紙カセット
22b ピックアップローラ
24 レジストローラ対
25 プロセスカートリッジ
26 感光体ドラム
27 帯電装置
28 スキャナユニット
29 現像装置
29a ドラムクリーナ
30 中間転写ベルト
31 1次転写ローラ
32 2次転写部
32a 二次転写ローラ
32b 駆動ローラ
33 駆動ユニット
34 加熱ローラ
35 加圧ローラ
36 定着部
38 排出ローラ対
40 記録媒体S積載部
41 記録媒体S搬送ローラ対
42 記録媒体S搬送ローラ対
43 記録媒体S搬送ローラ対
44 外装材
200B 画像読取装置
200C 自動原稿送り装置
201 第一のギヤ支持部材
202 第二のギヤ支持部材
203 ドラムモータ
206 第一のドラムギヤ用貫通穴
207 第二のドラムギヤ用貫通穴
208 第一の現像ギヤ用貫通穴
209 第二の現像ギヤ用貫通穴
210 振動抑制部材
213 現像モータ
214 ドラム駆動ギヤ
215 現像駆動ギヤ
216 カップリング側ギヤ
217 本体側現像カップリング
218 モータ側ギヤ
219 中間ギヤ
220 現像モータ側ギヤ
221 ドラムギヤ保持部材
301 ベースフレーム
302 駆動ユニット固定用開口部
303 コンタクトガラス
304 画像読取部
401 錘部材
402 錘保持部材
403 第一の貫通穴接触部
404 接触部
405 取り付け用開口部
406 第一の開口部端面
407 第二の開口部端面
408 ギヤ支持部材側接触面
409 錘保持部材側接触面
410 第二の錘保持部材側接触面
411 取り付け前錘保持部材
412 軸部
801 第一ギヤ支持部材接触部
802 第二ギヤ支持部材接触部
803 第二の駆動ユニット
810 第二の振動抑制部材
901 貫通穴
902 取り付け用凸部
903 第三の駆動ユニット
904 カラードラムモータ用開口部
910 第三の振動抑制部材
R 反転搬送通路
S 記録媒体

Claims (5)

  1. 感光体ドラムを駆動するドラムギヤと、
    4つの開口部を有する第一ギヤ支持部材と、
    前記第一ギヤ支持部材と共に前記ドラムギヤを支持する第二ギヤ支持部材であって、4つの開口部を有する第二ギヤ支持部材と、
    前記第一ギヤ支持部材と前記第二ギヤ支持部材に設けられた前記4つの開口部のうちいずれかの開口部を塞ぐように取り付けられる振動抑制部材と、を備え、
    前記振動抑制部材は、錘部材と錘保持部材を備え、
    前記錘部材は、前記第一ギヤ支持部材または前記第二ギヤ支持部材のいずれか一方の開口部に接触し、
    前記錘保持部材は、錘部材と接触する開口部と同軸上にあり、前記第一ギヤ支持部材または前記第二ギヤ支持部材のいずれか他方の開口部に取りつけられ、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記錘部材は、前記錘保持部材により、錘部材と接触する前記第一ギヤ支持部材または前記第二ギヤ支持部材のいずれか一方の開口部の軸線方向の回転以外の移動が規制されるように保持されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記振動抑制部材は、前記第一ギヤ支持部材及び前記第二ギヤ支持部材に接する押圧部材であり、
    前記押圧部材は、第一ギヤ支持部材に接触する第1接触面と、前記第二ギヤ支持部材に接触する第2接触面を有し、前記第一ギヤ支持部材及び前記第二ギヤ支持部材に取り付けられる前の第1接触面と第2接触面との間の距離は、前記第一ギヤ支持部材と前記第二ギヤ支持部材との間の距離よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第一ギヤ支持部材と前記第二ギヤ支持部材のいずれか一方は、少なくとも一つの大開口部と、その大開口部の周辺に前記大開口部より直径が小さい小開口部を二つ以上有し、
    前記振動抑制部材は、少なくとも一つの大開口部をふさぐように取り付けられ、
    前記振動抑制部材は、前記小開口部に対して係合する係合部を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記振動抑制部材は100g~500gである、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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