JP2023063741A - 操舵制御装置 - Google Patents

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祐志 藤田
Yushi Fujita
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祐太 梶澤
Yuta Kajisawa
一馬 長谷川
Kazuma Hasegawa
正治 山下
Masaharu Yamashita
洋介 山下
Yosuke Yamashita
晋太郎 高山
Shintaro Takayama
弘貴 富澤
Hiroki Tomizawa
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Abstract

【課題】電源の異常が検出される場合において、モータでの出力可能なトルクが制限されない状況に陥り難くすることができる操舵制御装置を提供する。【解決手段】操舵制御装置は、主電源に対して、補助電源を有する電源装置を介して接続されている。操舵制御装置は、主電源及び補助電源の少なくともいずれかに接続される駆動回路の駆動を制御することで転舵側モータの動作を制御する転舵側制御部を備えている。主電源及び補助電源に対する駆動回路の接続状態は、主電源の失陥を検出することに伴ってバックアップの状態に遷移するように電源装置によって接続状態が切り替えられるものである。そして、転舵側制御部は、主電源の失陥の検出後、当該失陥の検出に伴ってバックアップの状態へ遷移するように電源装置による接続状態の切り替えが完了するまでの間にバックアップの遷移時の出力制限処理を開始するように構成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
たとえば、車両には、特許文献1に記載の操舵装置が搭載される。特許文献1に記載の操舵装置は、車両のステアリングホイールと車両の転舵輪との間の動力伝達路が分離された、いわゆるステアバイワイヤ式の操舵装置である。操舵装置は、電源装置を備えている。電源装置は、操舵装置の各構成要素である反力モータ、転舵アクチュエータ、制御装置等に電力を供給する。電源装置は、メイン電源及びバックアップ電源を含んでいる。バックアップ電源は、メイン電源の故障又は失陥時である電源装置の異常が発生した場合にバックアップとして用いられる。
ただし、バックアップ電源が供給できる電力には限界があるので、操舵装置は、バックアップ電源によるバックアップの間、たとえば、転舵アクチュエータの出力を制限するように制御する出力制限処理を実行する。これにより、操舵装置は、電源装置の異常が発生した場合、バックアップ電源によるバックアップを通じて転舵輪の転舵を可能な限り継続することができる。
特開2020-83058号公報
上記特許文献1の場合、バックアップ電源によるバックアップを通じた転舵輪の転舵を継続すべきとしてもバックアップ電源が供給できる電力の限界を超えないようにする設計が施されている。ここで、バックアップ電源によるバックアップの状態である場合、転舵アクチュエータの出力についての出力制限処理が実行されない状況に陥り難くするための工夫が求められている。
上記課題を解決する操舵制御装置は、車両に搭載された第1電源に対して、第2電源を有する電源装置を介して接続されるとともに、車両に搭載された操舵装置を制御対象とする操舵制御装置であって、前記第1電源及び前記第2電源の少なくともいずれかに接続されることで供給される電力をモータに供給するように駆動する駆動回路を含み、当該駆動回路の駆動を制御することで前記モータの動作を制御する制御部を備え、前記第1電源及び前記第2電源に対する前記駆動回路の接続状態は、前記第1電源から電力が供給される状態を第1状態とする場合、前記第1電源の異常を検出することに伴って前記第2電源から電力が供給される状態である第2状態に遷移するように前記電源装置によって前記接続状態が切り替えられるものであり、前記制御部は、前記第1電源の異常の検出後、当該異常の検出前に比べて前記モータが出力可能なトルクを制限するための処理である出力制限処理を実行する機能を有し、前記出力制限処理は、前記第1電源の異常の検出後、当該異常の検出に伴って前記第2状態へ遷移するように前記電源装置による前記接続状態の切り替えが完了するまでの間に開始されるように構成されている。
上記構成によれば、第1電源の異常の検出に伴って第2状態へ遷移するように電源装置が接続状態の切り替えを完了させる際には、制御部によって出力制限処理が既に開始されていることになる。これにより、電源装置による接続状態の切り替えが完了している場合、制御部によってモータでの出力可能なトルクが制限されていない状況の発生を抑制することができる。したがって、電源の異常が検出される場合において、モータでの出力可能なトルクが制限されていない状況に陥り難くすることができる。
上記操舵制御装置において、前記出力制限処理は、前記モータに出力させるトルクが出力制限値を超えないように制限する処理であり、前記出力制限値は、前記第2電源の電源容量又は電源電圧で規定される電源性能が前記第1電源と比べて低いことを前提として前記第2電源の前記電源性能の限界未満の値であることが好ましい。
上記構成によれば、第2状態の場合、第2電源の電源性能を超える状況に陥り難くすることができる。これにより、第1電源の異常が検出されたとしてもモータの動作を好適に継続することができる。これは、第2電源の電源性能が第1電源と比べて低い場合、特に有効である。
上記操舵制御装置において、前記電源装置は、前記第1電源の異常の検出に伴って前記第2状態へ遷移するように前記接続状態を切り替える機能を有する電源制御部を含むものであり、前記制御部は、前記電源制御部に対して通信可能に回線を介して接続され、前記第2状態へ遷移する場合に前記接続状態の切り替えが完了した旨を示す情報を前記電源制御部から前記回線を通じて取得するように構成されていることが好ましい。
上記構成の場合、制御部は、第1状態であるか第2状態であるか等、電源装置の状態を、電源制御部から回線を通じて取得する情報に基づき判断することができる。これにより、制御部は、電源装置の状態を考慮して動作することができる。ただし、制御部と電源制御部との通信では、通信遅れを生じる。通信遅れの原因には、たとえば、回線の経路又は通信エラーが含まれる。一例として、制御部は、第2状態への接続状態の切り替えが完了したことを電源制御部から取得する情報に基づき判断した後にモータでの出力可能なトルクの制限を開始させるように構成されていることを想定する。この場合、通信遅れの間は、第2状態への接続状態の切り替えが完了している一方で、制御部によるモータでの出力可能なトルクの制限が開始されていないことになる。
これに対して、上記構成によれば、制御部は、第1電源の異常を検出する場合、第2状態への接続状態の切り替えが完了したことについて電源制御部から情報を取得するよりも早期にモータでの出力可能なトルクの制限を開始させることができる。したがって、制御部と電源制御部とが通信する構成において、第1電源の異常の検出に伴って遷移する第2状態では、モータでの出力可能なトルクの制限がされない状況に陥り難くすることができる。
具体的には、上記操舵制御装置において、前記制御部は、車両の動作が可能になるように前記第1電源との接続を許容する当該車両の電源がオン状態にされている間において前記出力制限処理を実行するように構成されていることが好ましい。
上記操舵制御装置において、前記制御部は、前記出力制限処理に関わる処理を実行する制御回路を含み、前記制御回路は、前記第1電源及び前記第2電源の少なくともいずれかに接続され、前記車両の電源がオン状態の間、前記電源装置が有する接続回路を介して前記第1電源の状態に関係なく前記第1電源及び前記第2電源の少なくとも一方に対して常時接続されるように構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、車両の電源がオン状態の間、第1電源の異常が検出される場合、制御部が含む制御回路には途切れることなく電力が供給されることになる。この場合、制御回路は、第1電源が失陥する場合、好適に出力制限処理を開始させることができる。
本発明の操舵制御装置によれば、電源の異常が検出される場合において、モータでの出力可能なトルクが制限されない状況に陥り難くすることができる。
操舵装置の概略構成を示す図である。 操舵装置の電気的構成を示すブロック図である。 操舵装置の電気的構成について特に転舵側制御部の電気的構成を示すブロック図である。 転舵側制御部のメイン制御部について特に制御回路の機能を示すブロック図である。 制御回路の機能のうち制限制御部の機能を説明する図である。 実施形態について、(a)は電源電圧、(b)は起動スイッチの状態、(c)は電源装置の状態、(d)は出力制限値を示す図である。 比較例について、(a)は電源電圧、(b)は起動スイッチの状態、(c)は電源装置の状態、(d)は、出力制限値を示す図である。
一実施形態に係る操舵制御装置1を説明する。
図1に示すように、操舵制御装置1の制御対象である操舵装置2は、ステアバイワイヤ式の車両用の操舵装置として構成されている。操舵装置2は、操舵部4と、転舵部6とを備えている。操舵部4は、車両のステアリングホイール3を介して運転者により操舵される。転舵部6は、運転者により操舵部4に入力される操舵に応じて車両の左右の転舵輪5を転舵させる。なお、本実施形態の操舵装置2は、操舵部4と、転舵部6との間の動力伝達路が機械的に常時分離した構造を有している。つまり、後述の操舵アクチュエータ12と、後述の転舵アクチュエータ31との間の動力伝達路は、機械的に常時分離した構造とされている。
操舵部4は、ステアリング軸11と、操舵アクチュエータ12とを備えている。ステアリング軸11は、ステアリングホイール3に連結されている。操舵アクチュエータ12は、駆動源である操舵側モータ13と、操舵側減速機構14とを有している。操舵側モータ13は、ステアリング軸11を介してステアリングホイール3に対して操舵に抗する力である操舵反力を付与する反力モータである。操舵側モータ13は、例えば、ウォームアンドホイールからなる操舵側減速機構14を介してステアリング軸11に連結されている。本実施形態の操舵側モータ13には、例えば、三相のブラシレスモータが採用されている。
転舵部6は、ピニオン軸21と、転舵軸としてのラック軸22と、ラックハウジング23とを備えている。ピニオン軸21とラック軸22とは、所定の交差角をもって連結されている。ピニオン軸21に形成されたピニオン歯21aとラック軸22に形成されたラック歯22aとを噛み合わせることによりラックアンドピニオン機構24が構成されている。つまり、ピニオン軸21は、転舵輪5の転舵位置である転舵角に換算可能な回転軸に相当する。ラックハウジング23は、ラックアンドピニオン機構24を収容している。なお、ピニオン軸21のラック軸22と連結される側と反対側の一端は、ラックハウジング23から突出している。また、ラック軸22の両端は、ラックハウジング23の軸方向の両端から突出している。そして、ラック軸22の両端には、ボールジョイントからなるラックエンド25を介してタイロッド26が連結されている。タイロッド26の先端は、それぞれ左右の転舵輪5が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。
転舵部6は、転舵アクチュエータ31を備えている。転舵アクチュエータ31は、駆動源である転舵側モータ32と、伝達機構33と、変換機構34とを備えている。転舵側モータ32は、伝達機構33及び変換機構34を介してラック軸22に対して転舵輪5を転舵させる転舵力を付与する。転舵側モータ32は、例えば、ベルト伝達機構からなる伝達機構33を介して変換機構34に対して回転を伝達する。伝達機構33は、例えば、ボールねじ機構からなる変換機構34を介して転舵側モータ32の回転をラック軸22の往復動に変換する。本実施形態の転舵側モータ32には、例えば、三相のブラシレスモータが採用されている。本実施形態において、転舵側モータ32は、モータの一例である。
このように構成された操舵装置2では、運転者によるステアリング操舵に応じて転舵アクチュエータ31からラック軸22にモータトルクが転舵力として付与されることで、転舵輪5の転舵角が変更される。このとき、操舵アクチュエータ12からは、運転者の操舵に抗する操舵反力がステアリングホイール3に付与される。つまり、操舵装置2では、操舵アクチュエータ12から付与されるモータトルクである操舵反力により、ステアリングホイール3の操舵に必要な操舵トルクThが変更される。
ちなみに、ピニオン軸21を設ける理由は、ピニオン軸21と共にラック軸22をラックハウジング23の内部に支持するためである。すなわち、操舵装置2に設けられる図示しない支持機構によって、ラック軸22は、その軸方向に沿って移動可能に支持されるとともに、ピニオン軸21へ向けて押圧される。これにより、ラック軸22はラックハウジング23の内部に支持される。ただし、ピニオン軸21を使用せずにラック軸22をラックハウジング23に支持する他の支持機構を設けてもよい。
図1に示すように、操舵側モータ13及び転舵側モータ32は、操舵制御装置1に接続されている。操舵制御装置1は、各モータ13,32の作動を制御する。これにより、操舵制御装置1は、ステアバイワイヤ式の操舵装置として所望の機能を発揮するべく操舵装置2が動作するように制御する。
操舵制御装置1には、各種のセンサの検出結果が入力される。各種のセンサには、例えば、トルクセンサ41、操舵側回転角センサ42、転舵側回転角センサ43、及び車速センサ44が含まれる。
トルクセンサ41は、ステアリング軸11における操舵側減速機構14よりもステアリングホイール3側の部分に設けられている。トルクセンサ41は、運転者のステアリング操舵によりステアリング軸11に付与されたトルクを示す値である操舵トルクThを検出する。操舵トルクThは、ステアリング軸11の途中に設けられたトーションバー41aの捩じれに関わって検出される。操舵側回転角センサ42は、操舵側モータ13に設けられている。操舵側回転角センサ42は、操舵側モータ13の回転軸の角度である回転角θaを360度の範囲内で検出する。転舵側回転角センサ43は、転舵側モータ32に設けられている。転舵側回転角センサ43は、転舵側モータ32の回転軸の角度である回転角θbを360度の範囲内で検出する。車速センサ44は、車両の走行速度である車速Vを検出する。
<操舵制御装置1の電気的構成>
図2に示すように、操舵制御装置1は、操舵側モータ13への給電を制御する操舵側制御部50と、転舵側モータ32への給電を制御する転舵側制御部60とを有している。操舵側制御部50と転舵側制御部60とは、シリアル通信等のローカルネットワーク70を介して情報の送受信を相互に行う。操舵側制御部50は、操舵部4の構成の一部として設けられるものである。また、転舵側制御部60は、転舵部6の構成の一部として設けられている。
操舵側制御部50は、図示しない中央処理装置(CPU)やメモリを備えており、所定の演算周期ごとにメモリに記憶されたプログラムをCPUが実行する。これにより、各種の処理が実行される。操舵側制御部50の演算周期は、後述の電源制御部88の演算周期又は後述の専用の信号線90の通信周期を考慮して設定されていればよい。たとえば、操舵側制御部50の演算周期は、後述の電源制御部88の演算周期又は後述の専用の信号線90の通信周期の各周期と比べて小さく設計されている。
操舵側制御部50は、各種の処理を実行するようにCPUとメモリとを組み合わせてなる制御系統として、メイン制御部50aと、サブ制御部50bとの2系統を有するように構成されている。本実施形態において、操舵側制御部50は、メイン制御部50aをマスター制御部とするとともにサブ制御部50bをスレーブ制御部とするマスター・スレーブ方式の制御方式で動作する。これは、転舵側制御部60についても同様である。つまり、転舵側制御部60は、各種の処理を実行するようにCPUとメモリとを組み合わせてなる制御部として、メイン制御部60aと、サブ制御部60bとの2系統を有し、これらがマスター・スレーブ方式の制御方式で動作するように構成されている。操舵側制御部50の各制御部50a,50bと転舵側制御部60の各制御部60a,60bとは、ローカルネットワーク70を介した通信が可能に構成されている。
操舵側制御部50の各制御部50a,50bは、各種情報に基づいて、操舵側モータ13を通じて発生させるべきステアリングホイール3の操舵反力の目標となる反力制御量を演算する。各種情報は、たとえば、上記各種センサの検出結果及び転舵側制御部60からローカルネットワーク70を介して得られる情報を含む。各制御部50a,50bは、上記反力制御量に基づいて、操舵側モータ13に対する電力の供給を制御する。また、転舵側制御部60の各制御部60a,60bは、各種情報に基づいて、転舵側モータ32を通じて発生させるべき転舵力の目標となる転舵制御量を演算する。各種情報は、たとえば、上記各種センサの検出結果及び操舵側制御部50からローカルネットワーク70を介して得られる情報を含む。各制御部60a,60bは、上記転舵制御量に基づいて、転舵側モータ32に対する電力の供給を制御する。
操舵制御装置1、すなわち操舵装置2には、第1電源としての主電源45が接続されている。主電源45は、たとえば、車両に搭載された二次電池である。主電源45は、各モータ13,32が動作するべく供給される電力の電力源になるとともに、操舵制御装置1、すなわち操舵装置2が動作するべく供給される電力の電力源になる。
操舵装置2と主電源45との間には、イグニッションスイッチ等の車両の起動スイッチ46が設けられている。起動スイッチ46は、操舵装置2と主電源45との間を接続する2つの電源線L1,L2のうちの電源線L1の接続点P0から分岐している電源線L2の途中に設けられている。起動スイッチ46は、エンジン等の車両の走行用駆動源を作動させて車両の動作が可能になるように各種の機能を起動する際に操作される。起動スイッチ46の操作を通じて電源線L2の導通がオンオフされる。本実施形態において、ステアバイワイヤ式の操舵装置として所望の機能を発揮することができる操舵装置2の動作の状態は、車両の動作の状態と関連付けられている。なお、電源線L1については基本的に導通が常時オンとされているが、操舵装置2の動作の状態に応じて電源線L1の導通が操舵装置2の機能として間接的にオンオフされる。つまり、操舵装置2の動作の状態は、主電源45の電力の供給の状態である各電源線L1,L2の導通のオンオフと関連付けられている。
操舵装置2において、操舵側制御部50の特にメイン制御部50aには、電源装置80を介して各電源線L1,L2、すなわち主電源45が接続されている。また、操舵側制御部50の特にサブ制御部50bには、電源装置80を介さず各電源線L1,L2、すなわち主電源45が直接的に接続されている。これは、転舵側制御部60についても同様であり、転舵側制御部60の特にメイン制御部60aには、電源装置80を介して各電源線L1,L2、すなわち主電源45が接続されている。また、転舵側制御部60の特にサブ制御部60bには、電源装置80を介さず各電源線L1,L2、すなわち主電源45が直接的に接続されている。つまり、本実施形態において、操舵側制御部50と転舵側制御部60との間では、単一の電源装置80を共用するように構成されている。なお、電源装置80は、操舵側制御部50及び転舵側制御部60の各メイン制御部50a,60aと専用の信号線90を介した通信が可能に構成されている。
<電源線L1、L2の接続>
図3は、電力の供給についての構成を詳しく示している。ここでは、転舵側制御部60に関わる構成を中心に説明する。なお、操舵側制御部50に関わる構成については転舵側制御部60に関わる構成と基本的に同一である。
図3に示すように、主電源45の電力は、電源線L1の接続点P11から分岐している電源線L11を介してメイン制御部60aの駆動回路61aに供給される。駆動回路61aは、より大きい電力を取り扱う回路であって、たとえば、主電源45の直流電力を交流電力に変換するインバータが含まれる。主電源45の電力は、電源線L2の接続点P12から分岐している電源線L21を介してメイン制御部60aの制御回路62aへ供給される。制御回路62aは、操舵側モータ13を制御するための回路であって、たとえば、CPUやメモリが含まれる。
また、主電源45の電力は、電源線L1の接続点P11から分岐している電源線L12を介してサブ制御部60bの駆動回路61bに供給される。なお、駆動回路61bは、駆動回路61aと同一構成を有する。主電源45の電力は、電源線L2の接続点P12から分岐している電源線L22を介してサブ制御部60bの制御回路62bへ供給される。なお、制御回路62bは、制御回路62aと同一構成を有する。
なお、操舵側制御部50は、転舵側制御部60に対応する構成を有している。すなわち、操舵側制御部50は、メイン制御部50aについて、駆動回路61aと、制御回路62aとに対応する構成を有している。操舵側制御部50は、サブ制御部50bについて、駆動回路61bと、制御回路62bとに対応する構成を有している。
<電源装置80の構成>
図3に示すように、電源装置80は、第2電源としての補助電源81と、電気回路82と、スイッチ83,84,85と、ダイオード86,87と、電源制御部88とを有している。
補助電源81は、二次電池同様の機能をする、たとえば、キャパシタである。補助電源81は、転舵側モータ32が動作するべく供給される電力の電力源になるとともに、転舵側制御部60が動作するべく供給される電力の電力源になる。これは、操舵部4についても同様であり、補助電源81は、操舵側モータ13に供給される電力の電力源になるとともに、操舵側制御部50に供給される電力の電力源になる。主電源45と補助電源81とは、供給可能な電力の性能に関わる電源性能が異なっている。補助電源81は、電力を供給するために蓄えておくことのできる充電量である電源容量が主電源45と比べて小さく設定されている。また、補助電源81は、電力を供給する際に使用する電圧である電源電圧が主電源45と比べて小さく設定されている。つまり、補助電源81の電源性能は、主電源45と比べて低く構成されている。
次式(A)で表されるように、補助電源81の電源電圧V2は、各モータ13,32あるいは各制御部50,60を適切に動作させるために必要とされる電圧V0よりも高く、かつ主電源45の電源電圧V1よりも低い値に設定されている。
V1>V2>V0 …(A)
電源装置80の内部において、補助電源81は、電源線L11の接続点P13から分岐している電源線L111を介して電源線L11の接続点P11に接続されている。また、電源装置80の内部において、補助電源81は、電源線L11の接続点P14から分岐している電源線L112を介して電源線L11の接続点P11に接続されている。ただし、接続点P14は、接続点P13よりも転舵側制御部60側である下流側に位置している。補助電源81は、主電源45による電力の供給の状態に応じて転舵側制御部60への電力の供給を補助するべく機能する。本実施形態において、補助電源81は、主電源45が供給する電力の低下を条件として主電源45に代わって転舵側制御部60に対する電力の供給をバックアップする機能を有する。これは、操舵側制御部50に対しても同様である。つまり、補助電源81は、主電源45が供給する電力の低下を条件として主電源45に代わって操舵側制御部50に対する電力の供給をバックアップする機能を有する。
電気回路82は、補助電源81の充電及び放電するように電源線L11に対する接続状態を切り替える。また、電気回路82は、補助電源81から電荷が放電されないように補助電源81を切り離すように電源線L11に対する接続状態を切り替える。
スイッチ83は、電源装置80の内部において、電源線L11の途中に設けられている。スイッチ83は、接続点P13よりも主電源45側である上流側に位置している。スイッチ83は、電源線L11を開閉する。
スイッチ84は、電源装置80の内部において、電源線L111の途中に設けられている。スイッチ84は、電源線L111を開閉する。
スイッチ85は、電源装置80の内部において、電源線L112の途中に設けられている。スイッチ85は、電源線L112を開閉する。
電源線L112には、接続点P15が設定されている。電源装置80の内部において、電源線L112の接続点P15と電源線L21の接続点P16との間は電源線L113により接続されている。
ダイオード86は、電源線L113の途中に設けられている。ダイオード86のカソードは、電源線L21の接続点P16に接続されている。ダイオード86のアノードは、電源線L113の接続点P15に接続されている。
ダイオード87は、電源線L21の途中に設けられている。ダイオード87のカソードは、電源線L21の接続点P16に接続されている。ダイオード87のアノードは、電源線L21の接続点P12に接続されている。
ダイオード86,87は、アノードからカソードへ向けた電力の流れを許容する一方、カソードからアノードへ向けた電力の流れを規制する。ダイオード86,87は、主電源45と補助電源81とのうちの供給する電圧の大きい方の電力を制御回路62aに供給するOR回路を構成する。ダイオード86,87により構成されるOR回路は、いわゆるワイヤードORである。ダイオード86,87により構成されるOR回路は、転舵側制御部60に対して電力を供給するべく主電源45と補助電源81とのうちの供給する電圧の大きい方の電力を選択する選択回路に相当する。本実施形態において、OR回路は、接続回路の一例である。
<電源制御部88の機能>
電源制御部88は、図示しない中央処理装置(CPU)やメモリを備えており、所定の演算周期ごとにメモリに記憶されたプログラムをCPUが実行する。これにより、各種の処理が実行される。
具体的には、電源制御部88は、電気回路82の接続状態の切り替えを制御するとともに、スイッチ83,84,85の開閉を制御する。電源制御部88は、主電源45の電圧を監視する。電源制御部88は、電源線L11を通じて電源装置80に供給される電力の電圧を主電源45の電源電圧Vbとして検出する機能を有している。電源電圧Vbは、電源線L11の接続点P11における電源電圧である。電源制御部88は、次式(B)で表されるように、主電源45の電源電圧Vbが閾値電圧Vthよりも小さいとき、主電源45の電源電圧Vbが低下した旨判断する。閾値電圧Vthは、主電源45の電圧低下を判断する際の基準であって、各モータ13,32あるいは各制御部50,60を適切に動作させるために必要とされる電圧V0を基準として設定される。本実施形態において、閾値電圧Vthは、電圧V0と同じ値に設定される。
Vb<Vth …(B)
電源制御部88は、主電源45の電圧の低下が検出されないとき、スイッチ83,84をオンした閉状態に維持するとともに、スイッチ85をオフした開状態に維持する。また、電源制御部88は、主電源45の電圧低下が検出されるとき、スイッチ83,84をオンした閉状態からオフした開状態へ切り替える。この後、電源制御部88は、スイッチ85をオフした開状態からオンした閉状態へ切り替える。
具体的には、主電源45の電源電圧Vbが低下していない場合、スイッチ83,84はオンした閉状態に維持されるとともに、スイッチ85はオフした開状態に維持される。
例えば、転舵部6について、主電源45からの電力は、電源線L11を介して転舵側制御部60における駆動回路61aへ供給される。また、主電源45からの電力は、電源線L111を介して補助電源81に充電される。
主電源45の電源電圧Vbが低下していない場合、起動スイッチ46がオンされたとき、主電源45の電力は電源線L21を介して転舵側制御部60における制御回路62aへ供給される。ちなみに、主電源45の電源電圧Vbは、補助電源81の電源電圧V2よりも高い電源電圧V1に設定されているため、基本的には補助電源81の電力が電源線L113及び電源線L21の一部を介して転舵側制御部60へ供給されることはない。また、ダイオード86によって、電源線L21を経た主電源45の電力が電源線L113を介して補助電源81へ流れ込むことが規制される。
主電源45が故障又は失陥の異常を生じて、主電源45の電源電圧Vbが補助電源81の電源電圧V2を下回った場合、即時に補助電源81からの電力が電源線L113及び電源線L21の一部分を介して転舵側制御部60における制御回路62aへ供給される。これは、補助電源81の電源電圧V2が電源線L2に生じる電圧よりも高くなるからである。主電源45の失陥に起因して、たとえ主電源45から転舵側制御部60への給電が途絶した場合であれ、制御回路62aに対する給電が補助電源81によってバックアップされる。
主電源45の電源電圧Vbがさらに低下して、主電源45の電源電圧Vbが閾値電圧Vthを下回った場合、スイッチ83,84がオンした閉状態からオフした開状態へ切り替えられる。この後、スイッチ85がオフした開状態からオンした閉状態へ切り替えられる。これにより、補助電源81の電力が電源線L112及び電源線L11の一部分を介して転舵側制御部60における駆動回路61aへ供給される。これは、主電源45の失陥に起因して、補助電源81の電源電圧V2が電源線L11に生じる電圧よりも高くなるからである。したがって、主電源45の失陥に起因して、たとえ主電源45から転舵側制御部60への給電が途絶した場合であれ、転舵側制御部60における駆動回路61aに対する給電が補助電源81によってバックアップされる。
この場合、電源制御部88は、給電を補助電源81によってバックアップする状態への切り替えの完了を示す情報としてバックアップ切替完了フラグFLGを生成する。続いて、電源制御部88は、バックアップ切替完了フラグFLGを専用の信号線90を通じて転舵側制御部60、すなわちメイン制御部60aに出力する。バックアップ切替完了フラグFLGは、主電源45の失陥に起因して、スイッチ83,84がオンした閉状態からオフした開状態への切り替えとともに、スイッチ85がオフした開状態からオンした閉状態への切り替えの完了を示す情報である。これにより、転舵側制御部60は、電源装置80の状態が給電を補助電源81によってバックアップする状態であることを判断することができる。
ちなみに、電源線L112にはスイッチ85に代えてダイオードを設けることが考えられる。このようにすれば、主電源45が失陥した場合、補助電源81の電力が即時に駆動回路61aへ供給される。しかし、ダイオードでは電力損失が発生する。このため、補助電源81の消耗を抑える観点から、より大きい電力が要求される駆動回路61aに対して給電するための電源線L112にはダイオードではなくスイッチ85が設けられている。
また、電源線L113にはダイオード86に代えてスイッチを設けることも考えられる。しかし、この場合、つぎのようなことが懸念される。すなわち、主電源45が失陥して主電源45からの電力の供給が途絶えてから電源線L113のスイッチがオフからオンへ切り替わるまでには、わずかながらにも時間を要する。このため、電源線L113のスイッチがオフからオンへ切り替わるまでの期間、制御回路62aへの給電が瞬間的に途絶えることによって制御回路62aがリセットされるおそれがある。この点、電源線L113にダイオード86を設けるようにすれば、主電源45が失陥した場合、補助電源81の電力が電源線L113及び電源線L21の一部分を介して制御回路62aへ即時に供給される。制御回路62aへの給電が途絶えることがないため、制御回路62aがその電源電圧の低下に起因してリセットされることもない。
そして、転舵側制御部60において、制御回路62aは、主電源45の電圧を監視する。制御回路62aは、電源線L11を通じて駆動回路61aに供給される電力の電圧を主電源45の電源電圧Vig1として検出する機能を有している。電源電圧Vig1は、電源線L11の接続点P14における電源電圧である。また、制御回路62bは、主電源45の電圧を監視する。制御回路62bは、電源線L22を通じて供給される電力の電圧を主電源45の電源電圧Vig2として検出する機能を有している。電源電圧Vig2は、電源線L21の接続点P12における電源電圧である。これと同様、転舵側制御部60と同一構成を有する操舵側制御部50のメイン制御部50aが有する制御回路52bは、電源線L11に対応する電源線を通じて供給される駆動回路51aに供給される電力の電圧を主電源45の電源電圧として検出する機能を有する。また、操舵側制御部50のサブ制御部50bが有する制御回路52bは、電源線L22に対応する電源線を通じて供給される電力の電圧を主電源45の電源電圧として検出する機能を有する。
<転舵側制御部60のメイン制御部60aの機能>
図4に、転舵側制御部60のメイン制御部60aについて、制御回路62aが実行する処理の一部を示す。図4に示す処理は、メモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される処理の一部を、実現される処理の種類毎に記載したものである。本実施形態において、転舵側制御部60、すなわちメイン制御部60aは、制御部の一例である。
図4に示すように、制御回路62aには、起動信号Sigが入力される。起動信号Sigは、起動スイッチ46のオンオフ状態を示す信号である。制御回路62aは、起動信号Sigに基づいて、起動スイッチ46がオフ状態であることを判断する場合、転舵側モータ32を動作させるための制御を停止している。つまり、転舵側制御部60は、起動スイッチ46がオフ状態である場合、互いに分離された状態の操舵部4の状態を転舵部6の状態に反映させることができない。
一方、制御回路62aは、起動信号Sigに基づいて、起動スイッチ46がオン状態であることを判断する場合、転舵側モータ32を動作させるための制御を実行する。つまり、制御回路62aは、起動スイッチ46がオン状態である場合、互いに分離された状態の操舵部4の状態を転舵部6の状態に反映させるべく、ステアバイワイヤ式の操舵装置2について通電時の転舵側制御を実行することになる。この場合、制御回路62aは、以下に説明する処理を実行する。
<通常時の転舵側制御>
具体的には、制御回路62aには、車速V、回転角θb、転舵側実電流値Ib、操舵角θs、電源電圧Vig1、及びバックアップ切替完了フラグFLGが入力される。転舵側実電流値Ibは、駆動回路61aから得られる情報である。駆動回路61aは、図示しない電流センサを有している。電流センサは、駆動回路61aと、転舵側モータ32の各相のモータコイルとの間の接続線を流れる転舵側モータ32の各相の電流値から得られる転舵側実電流値Ibを検出する。電流センサは、転舵側モータ32に対応して設けられる駆動回路61aが含むインバータにおいて、スイッチング素子のそれぞれのソース側に接続されたシャント抵抗の電圧降下を電流として取得する。操舵角θsは、ローカルネットワーク70を通じて操舵側制御部50から得られる情報である。操舵側制御部50は、回転角θaを、たとえば、車両が直進しているときのステアリングホイール3の位置であるステアリング中立位置からの操舵側モータ13の回転数をカウントすることにより、360度を超える範囲を含む積算角に換算する。操舵側制御部50は、換算して得られた積算角に操舵側減速機構14の回転速度比に基づき換算係数を乗算することで、操舵角θsを演算する。制御回路62aは、車速V、回転角θb、転舵側実電流値Ib、操舵角θs、電源電圧Vig1、及びバックアップ切替完了フラグFLGに基づいて、駆動回路61aの駆動を制御する。
制御回路62aは、ピニオン角演算部101と、ピニオン角フィードバック制御部(図中「ピニオン角F/B制御部」)102と、制限制御部103と、通電制御部104とを有している。
ピニオン角演算部101には、回転角θbが入力される。ピニオン角演算部101は、回転角θbを、例えば、車両が直進しているときのラック軸22の位置であるラック中立位置からの転舵側モータ32の回転数をカウントすることにより、360°を超える範囲を含む積算角に換算する。ピニオン角演算部101は、換算して得られた積算角に、伝達機構33の回転速度比と、変換機構34のリードと、ラックアンドピニオン機構24の回転速度比に基づく換算係数を乗算することで、ピニオン軸21の実際の回転角であるピニオン角θpを演算する。こうして得られたピニオン角θpは、ピニオン角フィードバック制御部102に出力される。なお、ピニオン角θpは、操舵側制御部50にも出力される場合がある。
ピニオン角フィードバック制御部102には、車速V、操舵角θs、及びピニオン角θpが入力される。ピニオン角フィードバック制御部102は、ピニオン角θpをピニオン目標角θp*である操舵角θsに追従させるべくピニオン角θpのフィードバック制御を通じて転舵制御量である転舵力指令値Tt*を演算する。こうして得られた転舵力指令値Tt*は、通電制御部104に出力される。
制限制御部103には、電源電圧Vig1及びバックアップ切替完了フラグFLGが入力される。制限制御部103は、電源電圧Vig1及びバックアップ切替完了フラグFLGに基づいて、出力制限値Ilimを演算する。出力制限値Ilimは、転舵側モータ32へ供給する電流量を制限するための値である。つまり、出力制限値Ilimは、転舵側モータ32に出力させるトルクを制限するための値である。出力制限値Ilimは、主電源45の電圧、すなわち電源装置80の状態に応じて可変するように演算される。こうして得られた出力制限値Ilimは、通電制御部104に出力される。
通電制御部104には、転舵力指令値Tt*、回転角θb、転舵側実電流値Ib、及び出力制限値Ilimが入力される。通電制御部104は、転舵力指令値Tt*に基づき転舵側モータ32に対する電流指令値Ib*を演算する。通電制御部104は、電流指令値Ib*を出力制限値Ilimに基づいて制限するように制限処理を実行する。この場合、通電制御部104は、電流指令値Ib*と出力制限値Ilimとを比較する。通電制御部104は、電流指令値Ib*の絶対値が出力制限値Ilimを超える値である場合、電流指令値Ib*の代わりに、当該電流指令値Ib*を出力制限値Ilimに制限して得られる値を最終的な電流指令値Ib*として演算する。また、通電制御部104は、電流指令値Ib*の絶対が出力制限値Ilim以下の値である場合、転舵力指令値Tt*に基づき演算して得られる値を最終的な電流指令値Ib*として演算する。
そして、通電制御部104は、最終的な電流指令値Ib*と、転舵側実電流値Ibを回転角θbに基づき変換して得られるdq座標上の電流値との偏差を求め、当該偏差を無くすように駆動回路61aを駆動させるための駆動信号Smを演算する。駆動信号Smは、駆動回路61aが含むインバータの各スイッチング素子のオンオフ状態を規定するゲートオンオフ信号である。こうして得られた駆動信号Smは、駆動回路61aに出力される。これにより、転舵側モータ32には、駆動回路61aから駆動信号Smに応じた駆動電力が供給される。そして、転舵側モータ32は転舵力指令値Tt*に応じた角度だけ回転する。
<制限制御部103の機能>
通常時の転舵側制御について、制限制御部103は、主電源45の電圧を監視する。制限制御部103は、次式(C)で表されるように、主電源45の電源電圧として検出する電源電圧Vig1が閾値電圧Vthよりも小さいとき、主電源45の電源電圧Vbが低下した旨判断する。閾値電圧Vthは、上記の式(B)の閾値電圧Vthと同じ値、すなわち電圧V0と同じ値である。
Vig1<Vth …(C)
制限制御部103は、主電源45の電圧の低下が検出されないとき、電源装置80の状態が主電源45から電力が供給される第1状態としての正常状態であることを判断する。電源装置80において、正常状態とは、スイッチ83,84がオンした閉状態に切り替えられているとともに、スイッチ85がオフした開状態に切り替えられている状態のことである。
また、制限制御部103は、主電源45の電圧低下が検出された後、バックアップ切替完了フラグFLGが入力されない間、電源装置80の状態がバックアップの状態への遷移が完了する前の遷移中状態であることを判断する。電源装置80において、バックアップの遷移中状態とは、スイッチ83,84がオンした閉状態からオフした開状態に切り替えられ、その後さらにスイッチ85がオフした開状態からオンした閉状態への切り替えの途中状態のことである。
また、制限制御部103は、主電源45の電圧低下が検出された後、バックアップ切替完了フラグFLGが入力されるとき、電源装置80の状態が第2状態であるバックアップの状態への遷移が完了した状態であることを判断する。電源装置80において、バックアップの状態への遷移が完了した状態とは、スイッチ83,84がオンした閉状態からオフした開状態に切り替えられているとともに、スイッチ85がオフした開状態からオンした閉状態に切り替えられている状態のことである。
制限制御部103では、主電源45の電圧低下が検出された後、電源装置80の状態が給電を補助電源81によってバックアップする状態への切り替えの完了を示すバックアップ切替完了フラグFLGが入力されるまでには若干の時間を要する。これは、専用の信号線90の通信において、たとえば、回線の経路又は通信エラーを原因とする通信遅れを生じることが原因である。この原因に関わって、電源制御部88が出力したバックアップ切替完了フラグFLGが転舵側制御部60に入力されるまでにいくらかの時間を要する(たとえば、図6(c)中、「通信周期」)。また、電源制御部88では、スイッチ83、84、85の切り替えに関わる処理が複数の演算周期に亘って実行されることも原因である。この原因に関わって、電源装置80では、スイッチ83、84、85の切り替えの完了までにいくらかの時間を要する(たとえば、図6(a)中、「数十ms程度」)。したがって、バックアップ切替完了フラグFLGについて、たとえば、上記「数十ms程度」と「通信周期」分の出入力のタイミングのずれを生じる。制限制御部103は、電源装置80の状態を判断するとき、上記バックアップ切替完了フラグFLGの出入力のタイミングのずれを考慮するように構成されている。
そして、図5に示すように、制限制御部103は、上記バックアップ切替完了フラグFLGの出入力のタイミングのずれを考慮して判断できる電源装置80の状態に応じた出力制限値Ilimを演算する。制限制御部103は、電源電圧Vig1が閾値電圧Vth以上の場合、電源装置80が正常状態であることを判断する。この場合、制限制御部103は、出力制限値Ilimとして最大値Imaxを演算する。最大値Imaxは、転舵側モータ32で出力可能なトルクの限界の値、たとえば、定格電流値として設定されている。つまり、メイン制御部60aは、制御回路62aの機能を通じて転舵側モータ32での出力可能な限界までのトルクの発生を許容する通常の出力制限処理を実行する。
また、制限制御部103は、電源電圧Vig1が閾値電圧Vth未満であってバックアップ切替完了フラグFLGが未入力の場合、電源装置80がバックアップの遷移中状態であることを判断する。この場合、制限制御部103は、出力制限値Ilimとして最小値Iminを演算する。最小値Iminは、最大値Imaxと比べて小さい値である。最小値Iminは、主電源45の失陥時に転舵側モータ32に対して供給可能な電流量の観点で、補助電源81の電源性能の限界未満の範囲の値のうち比較的小さい値が設定されている。つまり、メイン制御部60aは、制御回路62aの機能を通じて主電源45の失陥前に比べて転舵側モータ32での出力可能なトルクを制限するバックアップの遷移時の出力制限処理を実行する。
また、制限制御部103は、電源電圧Vig1が閾値電圧Vth未満であってバックアップ切替完了フラグFLGが入力済の場合、電源装置80がバックアップの状態への遷移が完了した状態であることを判断する。この場合、制限制御部103は、出力制限値Ilimとしてバックアップ中制限値Ibuを演算する。バックアップ中制限値Ibuは、最大値Imaxと比べて小さい、かつ最小値Iminと比べて大きい値である。バックアップ中制限値Ibuは、主電源45の失陥時に転舵側モータ32に対して供給可能な電流量の観点で、補助電源81の電源性能の限界未満の範囲の値のうち最小値Iminと比べて大きい範囲の値が設定されている。つまり、メイン制御部60aは、制御回路62aの機能を通じて主電源45の失陥前に比べて転舵側モータ32での出力可能なトルクを制限するなかで可能な限りのトルクの発生を許容するバックアップ時の出力制限処理を実行する。たとえば、制限制御部103は、バックアップ中制限値Ibuとして、操舵制御装置1の内部温度、転舵側モータ32の動作状態や補助電源81の残りの電力等、操舵装置2の状態に応じた適切な値を演算する。
なお、転舵側制御部60のサブ制御部60bについて、制御回路62bは、起動スイッチ46がオン状態であっても主電源45が失陥すると、転舵側モータ32を動作させるための制御を停止することになる。これは、サブ制御部60bが電源装置80の補助電源81と接続されていないからである。つまり、制御回路62bは、主電源45が失陥しない間、通常時の転舵側制御を実行する際、制御回路62aと同様の処理を実行する。また、操舵側制御部50のメイン制御部50aは、転舵側制御部60のメイン制御部60aと同様、電源装置80の補助電源81と接続されている。つまり、メイン制御部50aは、メイン制御部60aと同様の機能を有する制限制御部を有する構成であってもよいし、当該制限制御部を有さない構成であってもよい。また、操舵側制御部50のサブ制御部50bは、転舵側制御部60のサブ制御部60bと同様、電源装置80の補助電源81と接続されていない。つまり、サブ制御部50bは、主電源45が失陥しない間、メイン制御部50aと同様の処理を実行するように構成されていればよい。
<本実施形態の作用>
たとえば、図6(a),(b)は、起動スイッチ46のオン状態について、電源制御部88が監視する電源電圧Vb及び転舵側制御部60のメイン制御部60aが監視する電源電圧Vig1が時間tの経過に伴って変化する状態を示している。起動スイッチ46がオン状態の場合、電源電圧Vb及び電源電圧Vig1は、主電源45が失陥していなければ基本的に電源電圧V1に維持される。
この場合、図6(c),(d)に示すように、メイン制御部60aでは、電源装置80の状態が判断されるとともに、出力制限値Ilimが演算される。メイン制御部60aでは、電源装置80の状態としてバックアップの状態でないこと(図中、「非BU」)が判断される。メイン制御部60aでは、出力制限値Ilimとして最大値Imaxが演算される。つまり、メイン制御部60aでは、通常時の出力制限処理が実行される状態である。その結果、転舵側モータ32では、出力可能な限界までのトルクの発生が許容される状態である。
続いて、図6(a)に示すように、主電源45が失陥すると(図中、「電源失陥」)、電源電圧Vb及び電源電圧Vig1は、閾値電圧Vthを下回って、たとえば、零値まで電圧低下する。こうした電圧低下は、電源制御部88及びメイン制御部60aの監視によって検出される。
この場合、図6(c),(d)に示すように、メイン制御部60aでは、電源装置80の状態が判断されるとともに、出力制限値Ilimが演算される。メイン制御部60aでは、バックアップ切替完了フラグFLGが入力されるまでの間、電源装置80の状態としてバックアップの状態でない(図中、「非BU」)ことが判断される。ここで、バックアップ切替完了フラグFLGが入力される(図中、「切替完了」)までの間は、「数十ms程度」(図6(a)中)と「通信周期」(図6(c)中)とを合わせた期間に相当する。メイン制御部60aで判断される電源装置80の状態は、バックアップの状態でないなかでもバックアップの遷移中状態として判断される。メイン制御部60aでは、出力制限値Ilimとして最小値Iminが演算される。つまり、メイン制御部60aでは、バックアップの遷移時の出力制限処理が実行される状態である。その結果、転舵側モータ32では、主電源45の失陥前に比べて出力可能なトルクが制限される状態である。
その後、図6(c)に示すように、メイン制御部60aでは、バックアップ切替完了フラグFLGが入力されると(図中、「FLG入力」)、電源装置80の状態としてバックアップの状態である(図中、「BU」)ことが判断される。
続いて、図6(d)に示すように、メイン制御部60aでは、出力制限値Ilimとしてバックアップ中制限値Ibuが演算される。つまり、メイン制御部60aでは、バックアップの状態時の出力制限処理が実行される状態である。その結果、転舵側モータ32では、主電源45の失陥前に比べて出力可能なトルクが制限されるなかで可能な限りのトルクの発生を許容する状態である。
本実施形態によれば、主電源45の失陥に伴ってバックアップの状態へ遷移するように電源装置80が接続状態の切り替えを完了させる際には、メイン制御部60aによってバックアップの遷移時の出力制限処理が既に開始されていることになる。
<実施形態の効果>
(1)本実施形態では、主電源45の失陥に伴ってバックアップの状態へ遷移するように電源装置80が接続状態の切り替えが完了している場合、転舵側モータ32での出力可能なトルクが制限されていない状況の発生を抑制することができる。したがって、主電源45が失陥する場合において、転舵側モータ32での出力可能なトルクが制限されていない状況に陥り難くすることができる。
(2)本実施形態では、出力制限値Ilimの最小値Iminは、補助電源81の電源性能が主電源45と比べて低いことを前提として補助電源81の電源性能の限界未満の範囲の値としている。これにより、電源装置80でのバックアップの状態の場合、補助電源81の電源性能を超える状況に陥り難くすることができる。これにより、主電源45の異常が検出されたとしても転舵側モータ32の動作を好適に継続することができる。これは、補助電源81の電源性能が主電源45と比べて低い場合、特に有効である。
(3)本実施形態の場合、転舵側制御部60のメイン制御部60aは、電源装置80の状態を、バックアップ切替完了フラグFLGに基づき判断することができる。これにより、メイン制御部60aは、電源装置80の状態を考慮して動作することができる。ただし、メイン制御部60aと電源制御部88との通信では、通信遅れを生じる。
ここで、比較例として、メイン制御部60aは、バックアップ切替完了フラグFLGが入力された後に、転舵側モータ32での出力可能なトルクの制限を開始させるように構成されている場合を想定する。この場合、通信遅れの間は、電源装置80でのバックアップの状態への接続状態の切り替えが完了している一方で、メイン制御部60aによる転舵側モータ32での出力可能なトルクの制限が開始されていないことになる。
たとえば、図7(c)に示すように、上記図6(c)と同様、メイン制御部60aでは、バックアップ切替完了フラグFLGが入力されるまでの間、電源装置80の状態としてバックアップの状態でない(図中、「非BU」)ことが判断される。
一方、図7(d)に示すように、上記図6(d)とは異なり、出力制限値Ilimとして最大値Imaxが演算される。その後、メイン制御部60aでは、バックアップ切替完了フラグFLGが入力されると(図中、「FLG入力」)、電源装置80の状態としてバックアップの状態である(図中、「BU」)ことが判断される。
つまり、上記比較例の場合、メイン制御部60aでは、主電源45の電圧低下が検出された後、バックアップ切替完了フラグFLGが入力されるまでの間、転舵側モータ32での出力可能なトルクが制限されないことになる。特に、「通信周期」(図6(c)中)に相当する間では、バックアップの状態へ遷移するように電源装置80が接続状態の切り替えを完了しているにもかかわらず、転舵側モータ32での出力可能なトルクが制限されていない状況になる。
これに対して、図6(c),(d)に示すように、本実施形態のメイン制御部60aは、主電源45の失陥を検出する場合、バックアップ切替完了フラグFLGが入力されるよりも早期に転舵側モータ32での出力可能なトルクの制限を開始させることができる。したがって、メイン制御部60aと電源制御部88とが通信する構成において、電源装置80でのバックアップの状態では、転舵側モータ32での出力可能なトルクが制限されない状況に陥り難くすることができる。
(4)本実施形態によれば、起動スイッチ46がオン状態の間、主電源45が失陥したとしても、メイン制御部60aが含む制御回路62aには途切れることなく電力が供給されることになる。この場合、制御回路62aは、主電源45が失陥する場合、転舵側モータ32での出力可能なトルクの制御を開始させることができる。
<他の実施形態>
上記実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・ダイオード86,87は、転舵側制御部60、すなわち操舵制御装置1の内部において、OR回路を構成するようにしてもよい。このようにしても主電源45と補助電源81とのうちの供給する電圧が大きい方として選択された電力が転舵側制御部60へと供給されることになる。
・補助電源81の電源性能は、主電源45と同程度の性能であってもよいし、主電源45と比べて高くてもよい。たとえば、補助電源81の電源容量は、主電源45と同程度であってもよいし、主電源45と比べて大きく設定されていてもよい。この場合、たとえば、補助電源81の電源電圧V2は、主電源45の電源電圧V1と同程度の値に設定してもよいし、主電源45の電源電圧V1よりも大きく設定してもよい。
・補助電源81には、電気二重層キャパシタ又は二次電池を採用してもよい。
・電源装置80は、主電源45に代わって各制御部50,60に対する電力の供給をバックアップすることで補助することに加えて、主電源45が供給する電力を昇圧して補助するように動作するものであってもよい。
・バックアップ切替完了フラグFLGに関する構成は削除してもよい。この場合、転舵側制御部60のメイン制御部60aは、主電源45の失陥の検出後、バックアップの状態への電源装置80での接続状態が完了するとして想定される時間経過時、電源装置80の状態がバックアップの状態であることを判断するようにしてもよい。また、メイン制御部60aは、閾値電圧Vth以上の電源電圧Vig1の検出時、電源装置80の状態がバックアップの状態であることを判断するようにしてもよい。
・各制御部50,60では、各サブ制御部50b,60bを削除して各メイン制御部50a,60aの1系統のみの構成としてもよい。この場合、1系統のみの各メイン制御部50a,60aは、必要な電源電圧を検出する機能を有していればよい。
・各制御部50,60において、各サブ制御部50b,60bは、主電源45に対して電源装置80を介して接続される構成としてもよい。この場合、1系統のみの各メイン制御部50a,60aは、必要な電源電圧を検出する機能を有していればよい。
・制限制御部103は、出力制限値Ilimとして異なる値を演算する場合、当該異なる値に対して出力制限値Ilimを徐変させる機能を有していてもよい。この場合、出力制限値Ilimの変化が車両に挙動に与える影響を抑えて、車両の乗員の快適性を確保することができる。
・出力制限値Ilimとしては、主電源45の失陥以外の原因に応じた複数の値を有していてもよい。たとえば、制限制御部103は、出力制限値Ilimとして複数の値を候補にする場合、当該候補のうちの最小値を選択する等の機能を有していればよい。つまり、制限制御部103は、主電源45の失陥時、最小値Imin以下の出力制限値Ilimを最終的に演算することができるように構成されていればよい。
・電源装置80は、操舵側制御部50を含む操舵部4にのみ接続される操舵部用の電源装置と、転舵側制御部60を含む転舵部6にのみ接続される転舵部用の電源装置とを含んでいてもよい。
・操舵制御装置1では、各制御部50,60のいずれかが操舵側モータ13を動作させる機能と転舵側モータ32を動作させる機能とを集約した機能を有する一の制御部を構成してもよい。
・転舵側モータ32は、たとえば、ラック軸22の同軸上に配置するものや、ラック軸22にラックアンドピニオン機構を構成するピニオン軸に対してウォームアンドホイールを介して接続されるものを採用してもよい。
・各制御部50,60やこれらを含む操舵制御装置1は、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、又は3)それらの組み合わせ、を含む処理回路によって構成してもよい。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわち非一時的なコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。これは、電源制御部88やこれを含む電源装置80についても同様である。
・操舵装置2は、操舵部4と転舵部6との間が機械的に常時分離したリンクレスの構造としたが、これに限らず、たとえば、クラッチにより操舵部4と転舵部6との間が機械的に分離可能な構造としてもよい。また、操舵装置2は、ステアバイワイヤ式の操舵装置に限らず、モータのトルクをステアリング軸11又はラック軸22に付与する電動パワーステアリング装置であってもよい。
1…操舵制御装置
2…操舵装置
32…転舵側モータ(モータ)
45…主電源(第1電源)
46…起動スイッチ
60…転舵側制御部(制御部)
60a…メイン制御部(制御部)
61a…駆動回路
62a…制御回路
80…電源装置
81…補助電源(第2電源)
88…電源制御部
90…信号線
86,87…ダイオード

Claims (5)

  1. 車両に搭載された第1電源に対して、第2電源を有する電源装置を介して接続されるとともに、車両に搭載された操舵装置を制御対象とする操舵制御装置であって、
    前記第1電源及び前記第2電源の少なくともいずれかに接続されることで供給される電力をモータに供給するように駆動する駆動回路を含み、当該駆動回路の駆動を制御することで前記モータの動作を制御する制御部を備え、
    前記第1電源及び前記第2電源に対する前記駆動回路の接続状態は、前記第1電源から電力が供給される状態を第1状態とする場合、前記第1電源の異常を検出することに伴って前記第2電源から電力が供給される状態である第2状態に遷移するように前記電源装置によって前記接続状態が切り替えられるものであり、
    前記制御部は、前記第1電源の異常の検出後、当該異常の検出前に比べて前記モータが出力可能なトルクを制限するための処理である出力制限処理を実行する機能を有し、
    前記出力制限処理は、前記第1電源の異常の検出後、当該異常の検出に伴って前記第2状態へ遷移するように前記電源装置による前記接続状態の切り替えが完了するまでの間に開始されるように構成されている操舵制御装置。
  2. 前記出力制限処理は、前記モータに出力させるトルクが出力制限値を超えないように制限する処理であり、
    前記出力制限値は、前記第2電源の電源容量又は電源電圧で規定される電源性能が前記第1電源と比べて低いことを前提として前記第2電源の前記電源性能の限界未満の値である請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 前記電源装置は、前記第1電源の異常の検出に伴って前記第2状態へ遷移するように前記接続状態を切り替える機能を有する電源制御部を含むものであり、
    前記制御部は、前記電源制御部に対して通信可能に回線を介して接続され、前記第2状態へ遷移する場合に前記接続状態の切り替えが完了した旨を示す情報を前記電源制御部から前記回線を通じて取得するように構成されている請求項1又は請求項2に記載の操舵制御装置。
  4. 前記制御部は、車両の動作が可能になるように前記第1電源との接続を許容する当該車両の電源がオン状態にされている間において前記出力制限処理を実行するように構成されている請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置。
  5. 前記制御部は、前記出力制限処理に関わる処理を実行する制御回路を含み、
    前記制御回路は、前記第1電源及び前記第2電源の少なくともいずれかに接続され、前記車両の電源がオン状態の間、前記電源装置が有する接続回路を介して前記第1電源の状態に関係なく前記第1電源及び前記第2電源の少なくとも一方に対して常時接続されるように構成されている請求項4に記載の操舵制御装置。
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