JP2023062807A - 車両用エンジンの吸気装置 - Google Patents

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Shin Kodama
敬祐 阿草
Keisuke Akusa
健二 菅崎
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一樹 大西
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Abstract

【課題】車両の製造コストの上昇を抑えるとともに、エンジンルーム内での占有スペースを小さく抑えながら、運転者にとって車両を操縦していることの満足感を感得させることができる吸気音を車室に伝搬させることが可能な車両用エンジンの吸気装置を提供する。【解決手段】エンジンルームには、エンジンに新気を導く吸気装置5が搭載されている。吸気装置5は、吸気ダクト51、エアクリーナ52、導入ダクト、不織布541を備える。吸気ダクト51の下流部51eは、エンジンルームに向けて開口された開口部51cを有する。不織布541は、開口部51cを塞ぐように配設される。不織布541の繊維目付量は、吸気ダクト51からエンジンルームを介して車室に伝搬される吸気音の音圧レベルが78dB~82dBの範囲となるように、130g/m2~400g/m2に設定されている。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用エンジンの吸気装置に関する。
車両には、エンジンルームに搭載されたエンジンの吸気音を意図的に増大させて車室内に伝搬させるための吸気音増大装置が、新気をエンジンに導くための吸気装置に設けられたものがある。このような吸気装置に吸気音増大装置が設けられた車両では、当該車両を運転する運転者がアクセル操作に応じた効果音(吸気音)により、車両を操縦していることの満足感を聴覚の側面から感得することができる。
特許文献1には、共鳴パイプと振動膜とを有する吸気音増大装置が吸気装置に設けられてなる車両が開示されている。特許文献1の吸気音増大装置では、共鳴パイプの一端がエアクリーナとエンジンとを繋ぐエアクリーナホースに接続され、共鳴パイプの他端に振動膜が接続されている。この構造の吸気音増大装置は、共鳴パイプの他端を塞ぐように設けられた振動膜が、共鳴パイプの管内で発生する特定の周波数での気柱共鳴に共鳴して振動することにより、車室内に対して増大された吸気音を伝搬させることができる。
特許第4476130号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の吸気音増大装置では、吸気装置に対して共鳴パイプおよび振動膜を増設することが必要であり、車両の製造コストが上昇するという問題がある。また、特許文献1に開示の吸気音増大装置では、共鳴パイプの長さや径が、吸気音の共鳴周波数により規定されるため、エンジンルーム内での占有スペースが大きくなってしまうという問題もある。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、車両の製造コストの上昇を抑えるとともに、エンジンルーム内での占有スペースを小さく抑えながら、運転者にとって車両を操縦していることの満足感を感得させることができる吸気音を車室に伝搬させることが可能な車両用エンジンの吸気装置を提供することを目的とする。
まず、本願発明者等は、車室に伝搬する吸気音の音圧レベルについて研究を重ねた。その結果、車室に伝搬される吸気音の音圧レベルが78dB~82dBの範囲内であれば、運転者は伝搬される吸気音をスポーツサウンドとして感得することができることを究明した。即ち、音圧レベルを78dB~82dBの範囲内に制御しながら吸気音を車室に伝搬することによって、運転者は、車両を操縦していることの満足感を聴覚の側面から感得することができるとともに、吸気音による不快感を抱き難いとの結論に至った。そして、本願発明者等は、上記のような範囲の音圧レベルで吸気音を出力させるために、吸気ダクトに吸気口とは別に開口部を設けることと、開口部から出力される吸気音の音圧レベルを制御するのに多孔質部材を配設することを想到した。
そこで、本発明の一態様に係る車両用エンジンの吸気装置は、車両のエンジンルームに搭載されたエンジンに新気を導くための吸気装置であって、吸気ダクトと、エアクリーナと、導入ダクトと、多孔質部材とを備える。前記吸気ダクトは、前記エンジンルームの外方に向けて開口されてなり、新気を導入する吸気口と、前記吸気口とは別に設けられた、前記エンジンルームに向けて開口されてなる開口部とを有する。前記エアクリーナは、前記吸気ダクトに連結され、前記吸気ダクトを通ってきた新気を濾過する。前記導入ダクトは、前記エアクリーナに連結され、前記エアクリーナで濾過された新気を前記エンジンに導入する。前記多孔質部材は、前記吸気ダクトの前記開口部を塞ぐように設けられたシート状またはプレート状の部材である。
ここで、本態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、前記多孔質部材は、前記吸気ダクトから前記エンジンルームを介して前記車両の車室に伝搬される吸気音の音圧レベルが78dB~82dBの範囲となるように設けられている。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、吸気ダクトに吸気口とは別に開口部を設け、当該開口部を塞ぐようにシート状またはプレート状の多孔質部材を配設し、当該多孔質部材により78dB~82dBの範囲内の音圧レベルで車室に吸気音が伝搬されるので、共鳴パイプおよび振動膜を有する吸気音増大装置を採用する上記特許文献1の構造よりも、製造コストおよび占有スペースの観点から優位である。
また、上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、多孔質部材により車室に伝搬される吸気音の音圧レベルを78dB~82dBの範囲内に制御しているので、運転者は、車両を操縦していることの満足感を聴覚の側面から感得することができるとともに、吸気音による不快感を抱き難い。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置において、前記多孔質部材は、繊維材料を用いて形成されており、少なくとも前記開口部を塞ぐ部分の繊維目付量が130g/m~400g/mの範囲で設定されている、としてもよい。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、繊維材料からなる多孔質部材を採用するとともに、繊維目付量を130g/m~400g/mの範囲内としているので、車室に伝搬される吸気音の音圧レベルを78dB~82dBの範囲内とすることができる。
また、上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、繊維目付量を130g/m以上としているので、エンジンの駆動により暖められたエンジンルーム内の空気を開口部から吸気ダクトへと吸い込むことが抑制される。よって、上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、エンジンルーム内の熱気を吸気ダクトに吸い込むことで生じるエンジンの出力低下を抑制することができる。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置において、前記多孔質部材は、不織布を用いて形成されている、としてもよい。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、不織布からなる多孔質部材を採用するので、ダクト壁における開口部が設けられた部分の形状が複雑な形状であったとしても、多孔質部材を確実に沿うように配設することができる。また、不織布からなる多孔質部材を採用することにより、製造コストの上昇を抑えることもできる。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置において、前記エンジンルームには、ラジエータおよび当該ラジエータの外周に配設されたラジエータシュラウドが収容されており、前記吸気口は、前記ラジエータシュラウド上であって、前記ラジエータにおける前記車両の前後方向の後端よりも前方の箇所に配置されている、としてもよい。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、吸気ダクトの吸気口がラジエータシュラウド上であって、且つ、ラジエータの後端よりも車両の前方の箇所に配置されているので、当該吸気装置にエンジンルーム外から新鮮で低温な新気を取り入れることができる。よって、上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、エンジンの出力低下を抑えるのに優位である。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置において、前記吸気ダクトは、前記吸気口から前記車両の前後方向の後方側に向けて延びる上流部と、新気の流れ方向における前記上流部よりも下流側の部位であって、前記車両の前後方向に対して交差する方向に向けて延びる下流部とを有し、前記開口部は、前記下流部の前記ダクト壁に設けられている、としてもよい。
上記態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、吸気口から車両前後方向に延びる上流部ではなく、当該上流部に対して屈曲して接続された下流部に開口部が設けられているので、開口部から出力される吸気音の音圧レベルを78dB~82dBの範囲内に制御するのにさらに優位である。
上記の各態様に係る車両用エンジンの吸気装置では、車両の製造コストの上昇を抑えるとともに、エンジンルーム内での占有スペースを小さく抑えながら、運転者にとって車両を操縦していることの満足感を感得させることができる吸気音を車室に伝搬させることが可能である。
本発明の実施形態に係る吸気装置を備える車両のエンジンルームを示す斜視図である。 吸気装置の構成を示す斜視図である。 吸気ダクトに設けられた開口部と、開口部に取り付けられた不織布を含む音圧制御部材を示す展開正面図である。 吸気ダクトにおける吸気口の配置を示す断面図である。 不織布の繊維目付量と音圧レベルとの関係を示すグラフである。 吸気ダクトにおける開口部の開口面積と音圧レベルとの関係を示すグラフである。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
以下の説明で用いる図において、「FR」は車両前方、「RE」は車両後方、「LE」は車両左方、「RI」は車両右方、「UP」は車両上方、「LO」は車両下方をそれぞれ示す。
1.エンジンルーム1aの構成
本実施形態に係るエンジン4の吸気装置5が適用されたエンジンルーム1aの構成について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、車両前部にエンジンルーム1aが設けられている。エンジンルーム1aの前方には、エンジンルーム1aに対して前方から新気を取り込む通路となるフロントグリル3と、フロントグリル3の周囲を囲むように配設されたバンパ2とが配されている。エンジンルーム1aの後方には、ダッシュパネルを挟んで乗員が乗車する車室が設けられている。なお、図1では、ダッシュパネルや車室の図示を省略している。
エンジンルーム1aには、エンジン4と、当該エンジン4に新気を導く吸気装置5とが搭載されている。なお、本実施形態では、一例としてエンジン4の左方に吸気装置5が配置されている。
2.吸気装置5の構成
吸気装置5の構成について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る吸気装置5は、吸気ダクト51と、エアクリーナ52と、導入ダクト53と、音圧制御部材54とを備える。吸気ダクト51は、車両前方からの新気を取り込む吸気口51aが一端に設けられ、他端がエアクリーナ52に接続されている。吸気ダクト51は、互いに連続する上流部51dと下流部51eとを有する。上流部51dは、吸気口51aが設けられた部分を含み、車両前後方向に延びるように配設されている。下流部51eは、新気の流れ方向において、上流部51dの下流側に接続されている。下流部51eは、上流部51dとの接続部分から左斜め下方に向けて延びるように形成されている。
エアクリーナ52は、吸気ダクト51を通じて導入された新気を濾過する機構を内方に有する。エアクリーナ52で濾過された新気は、導入ダクト53を経由してエンジン4へと送られる。
音圧制御部材54は、多孔質部材である不織布を含む部材であって、吸気ダクト51における下流部51eのダクト壁51bに取り付けられている。本実施形態に係る吸気装置5では、下流部51eにおける車両前方側に面するダクト壁51bに音圧制御部材54が取り付けられている。ただし、吸気ダクト51に対する音圧制御部材54の取り付け位置に関しては、これに限定されるものではない。
3.音圧制御部材54の構成
吸気装置5における音圧制御部材54の構成について、図3を用いて説明する。図3は、吸気装置5の一部を車両前方側より正面視した図である。
図3に示すように、吸気ダクト51における下流部51eのダクト壁51bには、エンジンルーム1aに向けて開口された開口部51cが設けられている。本実施形態に係る吸気装置5では、一例として、開口部51cは車両前方に向けて開口するよう設けられている。開口部51cの開口面積は、2000mm~5000mmの範囲に設定されている。この理由については、後述する。
音圧制御部材54は、吸気ダクト51の開口部51cを塞ぐように配される不織布(シート状の多孔質部材)541と、格子状をした枠状部材である押さえ部材542とを有する。不織布541は、吸気ダクト51の開口部51cよりも面サイズが大きく形成されており、外縁部が開口部51cの縁部に当接する。
本実施形態に係る吸気装置5において、不織布541の繊維目付量が130g/m~400g/mの範囲で設定されている。この繊維目付量の範囲は、吸気ダクト51の開口部51cからエンジンルーム1aを介して車室に伝搬される吸気音の音圧レベルが78dB~82dBの範囲となるように設定された範囲である。これについては、後述する。
押さえ部材542は、格子状をした枠状部材であって、開口部51cの縁部との間で不織布541を挟んで当該不織布541を固定するための部材である。
4.吸気ダクト51における吸気口51aの配置
吸気ダクト51における吸気口51aの配置について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、エンジンルーム1aの前部には、ラジエータ7とラジエータシュラウド8とが収容されている。そして、エンジンルーム1aの上方には、ボンネット6が開閉可能に配置されている。
ラジエータシュラウド8は、ラジエータ7の外周に配設されており、ラジエータ7から後方に排出された熱気が再びラジエータ7の前方から吸い込まれるのを防ぐための部材である。ラジエータシュラウド8とバンパ2およびボンネット6との間には、それぞれ空間が設けられている。フロントグリル3を通過してエンジンルーム1a内に取り込まれた新気の一部は、ラジエータシュラウド8とバンパ2およびボンネット6との間にも流れ込む。
本実施形態に係る吸気装置5は、ラジエータ7のすぐ後方に配置されている。そして、吸気ダクト51の吸気口51aは、ラジエータシュラウド8上に配置されている。このため、吸気ダクト51の吸気口51aは、ラジエータ7の後端、即ち、ラジエータ7から熱気が排出される部分に対して車両前方側に配置されている。
本実施形態に係る吸気装置5では、吸気ダクト51の吸気口51aが、ラジエータシュラウド8上であって、ラジエータ7の後端よりも車両前方に配置されているので、ラジエータ7から車両後方に向けて排出される熱気を取り込むのを抑制することができる。また、吸気口51aは、車両前方を指向するように配されているので、フロントグリル3を通過してエンジンルーム1a内に取り込まれた新気が吸気口51aから吸気装置5へと導入される。
5.不織布541の繊維目付量
本実施形態に係る吸気装置5では、不織布541の繊維目付量を130g/m~400g/mの範囲に設定しているが、その理由について図5を用いて説明する。
まず、本願発明者等は、車室に伝搬する吸気音の音圧レベルについて研究を重ねた結果、車室に伝搬される吸気音の音圧レベルが78dB~82dBの範囲内であれば、運転者は伝搬される吸気音をスポーツサウンドとして感得することができることを究明した。即ち、音圧レベルを78dB~82dBの範囲内に制御しながら吸気音を車室に伝搬することによって、運転者は、車両1を操縦していることの満足感を聴覚の側面から感得することができるとともに、吸気音による不快感を抱き難いとの結論に至った。そして、78dB~82dBの範囲内の音圧レベルで吸気音を車室に伝搬させるための具体的な構成として、本実施形態に係る吸気装置5の構成を採用した。
図5に示すように、横軸に不織布541の繊維目付量をとり、縦軸に車室に伝搬される吸気音の音圧レベルをとる。なお、図5に示すグラフは、吸気ダクト51における開口部51cの開口面積を2900mmとして得たグラフである。
図5に示すように、車室に伝搬される吸気音の音圧レベルは、不織布541の繊維目付量が大きくなってゆくのに従って値が漸次小さくなってゆく。矢印A1で示すように、吸気音の音圧レベルを78dB~82dBの範囲内とするためには、不織布541の繊維目付量を130g/m~400g/mの範囲に設定すればよいことが分かる(矢印A2で示す範囲)。よって、本実施形態に係る吸気装置5では、音圧制御装置54における不織布541の繊維目付量を130g/m~400g/mの範囲内で設定することとした。
なお、詳細なデータは示していないが、不織布541の繊維目付量を130g/m以上とすることにより、エンジン4の駆動により暖められたエンジンルーム1a内の空気を吸気ダクト51の開口部51cからダクト内へと吸い込んでしまうようなことが抑制できることを確認している。このため、不織布541の繊維目付量を130g/m以上とすることにより、車室への吸気音の音圧レベルを82dBよりも小さな値とし、且つ、エンジンルーム1a内の熱気を吸気ダクト51に吸い込むことで生じるエンジン4の出力低下を抑制することができる。
6.吸気ダクト51における開口部51cの開口面積
吸気ダクト51における開口部51cの開口面積と、車室に伝搬される吸気音の音圧レベルとの関係について、図6を用いて説明する。なお、図6のグラフは、不織布541の繊維目付量を250g/mとして得たグラフである。
図6に示すように、横軸に開口部51cの開口面積をとり、縦軸に車室に伝搬される吸気音の音圧レベルをとる。吸気音の音圧レベルは、開口部51cの開口面積を大きくしてゆくのに従って値が漸次大きくなってゆく。矢印B1で示すように、吸気音の音圧レベルを78dB~82dBの範囲内とするためには、吸気ダクト51における開口部51cの開口面積を2000mm~5000mmの範囲に設定すればよいことが分かる(矢印B2で示す範囲)。よって、本実施形態に係る吸気装置5では、吸気ダクト51における開口部51cの開口面積を2000mm~5000mmの範囲内で設定することとした。
7.効果
本実施形態に係る吸気装置5では、吸気ダクト51に開口部51cを設け、当該開口部51cを塞ぐように不織布(シート状の多孔質部材)541を配設し、当該不織布541により78dB~82dBの範囲内の音圧レベルで車室に吸気音が伝搬されるので、共鳴パイプおよび振動膜を有する吸気音増大装置を採用する上記特許文献1の構造よりも、製造コストおよび占有スペースの観点から優位である。
また、吸気装置5では、不織布541により車室に伝搬される吸気音の音圧レベルを78dB~82dBの範囲内に制御しているので、運転者は、車両1を操縦していることの満足感を聴覚の側面から感得することができるとともに、吸気音による不快感を抱き難い。
また、本実施形態に係る吸気装置5では、繊維材料である不織布541を多孔質部材の一例として採用するとともに、当該不織布541の繊維目付量を130g/m~400g/mの範囲内としているので、車室に伝搬される吸気音の音圧レベルを78dB~82dBの範囲内とすることができる。
また、吸気装置5では、不織布541の繊維目付量を130g/m以上としているので、エンジン4の駆動により暖められたエンジンルーム1a内の空気を吸気ダクト51に設けられた開口部51cからダクト内へと吸い込むことが抑制される。よって、吸気装置5では、エンジンルーム1a内の熱気を吸気ダクト51に吸い込むことで生じるエンジン4の出力低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係る吸気装置5では、開口部51cを塞ぐ部材としてシート状の不織布541を採用するので、吸気ダクト51のダクト壁51bにおける開口部51cが設けられた部分の形状が複雑な形状であったとしても、確実に沿うように配設することができる。また、不織布541を採用することにより、特殊な部材(専用部材)を採用する場合に比べて製造コストの上昇を抑えることもできる。
また、本実施形態に係る吸気装置5では、吸気ダクト51の吸気口51aがラジエータシュラウド8上であって、且つ、ラジエータ7の後端よりも車両前方側の箇所に配置されているので、当該吸気装置5にエンジンルーム1a外から新鮮で低温な新気を取り入れることができる。よって、本実施形態に係る吸気装置5では、エンジン4の出力低下を抑えるのに優位である。
また、本実施形態に係る吸気装置5では、吸気口51aから車両後方に向けて延びる上流部51dではなく、当該上流部51dとの接続部分から左斜め下方に向けて延びる下流部51eのダクト壁51bに開口部51cが設けられているので、開口部51cから出力される吸気音の音圧レベルを78dB~82dBの範囲内に制御するのにさらに優位である。
以上のように、本実施形態に係る吸気装置5では、車両1の製造コストの上昇を抑えるとともに、エンジンルーム1a内での占有スペースを小さく抑えながら、運転者にとって車両1を操縦していることの満足感を感得させることができる吸気音を車室に伝搬させることが可能である。
[変形例]
上記実施形態では、多孔質部材の一例として不織布541を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、織物や編物などの繊維部材を採用することや、プレート状の発泡樹脂(例えば、ポリウレタンフォーム、発泡ポリスチレンフォーム、ビニールフォームなど)や、プレート状の発泡金属などを採用することもできる。なお、繊維材料以外の多孔質部材を採用する場合には、車室に伝搬される吸気音の音圧レベルが78dB~82dBの範囲内とすることができる気孔率の部材を選択するようにすれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態では、不織布541を押さえ部材541で挟んで、当該不織布541を吸気ダクト51のダクト壁51bに固定することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、不織布等の多孔質部材の外縁部とダクト壁とを接着剤で接合したり、熱溶着により接合したりすることも可能である。また、2色成型などにより吸気ダクトに対して多孔質部材を取り付けることも可能である。
上記実施形態では、吸気ダクト51における下流部51eに開口部51cを設けることとしたが、本発明は、吸気ダクト51の上流部51dやそれ以外の箇所に開口部を設けることも可能である。また、吸気ダクトに複数の開口部を設けることも可能である。
上記実施形態では、吸気ダクト51の開口部51cが車両前方に向けて開口するように設けたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、車両後方や車幅方向の左右などに向けて開口するように開口部を設けることとも可能である。
上記実施形態では、吸気ダクト51の下流部51eの比較的上方の位置に開口部51cを設けることとしたが、本発明では、下流部51eにおける比較的下方の位置に開口部を設けることも可能である。なお、本願発明者等が確認したところによれば、下流部における下方の位置に開口部を設けることとすれば、上方の位置に開口部を設ける場合に比べて強い音圧レベルで吸気音を出力できる。
上記実施形態では、吸気ダクト51のダクト径については言及しなかったが、エンジン4の排気量やエンジンルーム1aの容積などに応じて適宜に設定することが可能である。なお、本願発明者等が確認したところによれば、吸気ダクトのダクト径について、小径の場合よりも大径の場合には、150Hz~450Hzの範囲のより強い音圧レベルの吸気音を出力できる。
上記実施形態では、エアクリーナ52の容量については、言及しなかったが、エンジン4の排気量やエンジンルーム1aの容積などに応じて適宜に設定することが可能である。なお、本願発明者等が確認したところによれば、エアクリーナの容量については、大容量の場合よりも小容量の場合には、600Hz~900Hzの範囲および150Hz~350Hzの範囲の吸気音の音圧レベルを強くすることができる。
上記実施形態では、エンジンルーム1a内において、吸気装置5をエンジン4に対して車幅方向の左方に配置することとしたが、本発明は、吸気装置をエンジンに対して車幅方向の右方に配置したり、エンジン5の前後に配置したりすることも可能である。
上記実施形態では、車両1の前部にエンジンルーム1aが設けられてなる構造を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、車両の後部にエンジンルームが設けられてなる構造を採用することも可能である。
1 車両
1a エンジンルーム
4 エンジン
5 吸気装置
7 ラジエータ
8 ラジエータシュラウド
51 吸気ダクト
51a 吸気口
51b ダクト壁
51c 開口部
51d 上流部
51e 下流部
52 エアクリーナ
53 導入ダクト
54 音圧制御部材
541 不織布(多孔質部材)

Claims (5)

  1. 車両のエンジンルームに搭載されたエンジンに新気を導くための車両用エンジンの吸気装置であって、
    前記エンジンルームの外方に向けて開口されてなり、新気を取り込む吸気口と、前記吸気口とは別に設けられた、前記エンジンルームに向けて開口されてなる開口部とを有する吸気ダクトと、
    前記吸気ダクトに連結され、前記吸気ダクトを通ってきた新気を濾過するエアクリーナと、
    前記エアクリーナに連結され、前記エアクリーナで濾過された新気を前記エンジンに導入する導入ダクトと、
    前記吸気ダクトの前記開口部を塞ぐように設けられたシート状またはプレート状の部材である多孔質部材と、
    を備え、
    前記多孔質部材は、前記吸気ダクトから前記エンジンルームを介して前記車両の車室に伝搬される吸気音の音圧レベルが78dB~82dBの範囲となるように設けられている、
    車両用エンジンの吸気装置。
  2. 請求項1に記載の車両用エンジンの吸気装置において、
    前記多孔質部材は、繊維材料を用いて形成されており、少なくとも前記開口部を塞ぐ部分の繊維目付量が130g/m~400g/mの範囲で設定されている、
    車両用エンジンの吸気装置。
  3. 請求項2に記載の車両用エンジンの吸気装置において、
    前記多孔質部材は、不織布を用いて形成されている、
    車両用エンジンの吸気装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載の車両用エンジンの吸気装置において、
    前記エンジンルームには、ラジエータおよび当該ラジエータの外周に配設されたラジエータシュラウドが収容されており、
    前記吸気口は、前記ラジエータシュラウド上であって、前記ラジエータにおける前記車両の前後方向の後端よりも前方の箇所に配置されている、
    車両用エンジンの吸気装置。
  5. 請求項4に記載の車両用エンジンの吸気装置において、
    前記吸気ダクトは、前記吸気口から前記車両の前後方向の後方側に向けて延びる上流部と、新気の流れ方向における前記上流部よりも下流側の部位であって、前記車両の前後方向に対して交差する方向に向けて延びる下流部とを有し、
    前記開口部は、前記下流部に設けられている、
    車両用エンジンの吸気装置。
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