JP2023062105A - ハイスループット単一核及び単一細胞ライブラリー、並びに製造及び使用方法 - Google Patents

ハイスループット単一核及び単一細胞ライブラリー、並びに製造及び使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製するための方法を提供すること。【解決手段】一つの実施形態において、本開示の方法は、高い衝突速度でのサンプルスループットの増加及び二重項検出の増加を可能にする、核又は細胞ハッシングを含む。一つの実施形態において、本開示の方法は、細胞間の変動における技術的ノイズの推定及び除去を支援し、感度及び特異性を高める、正規化ハッシングを含む。【選択図】なし

Description

分野
本開示の実施形態は、核酸のシークエンシングに関する。具体的には、本明細書で提供される方法及び組成物の実施形態は、ハッシングオリゴ及び/又は正規化オリゴを使用して、インデックス付けされた単一核及び単一細胞ライブラリーを生成し、そこから配列データを得ることに関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年3月1日に出願された米国仮特許出願第62/812,853号の利益を主張し、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(配列表)
本出願は、2020年2月28日に作成されたサイズ4キロバイトのASCIIテキストファイル「IP-1815-PCT_ST25.txt」として、EFS-Webを介して米国特許商標庁に電子的に提出された配列表を含む。配列表に含まれる情報は、参照により本明細書に組み込まれる。
(政府出資)
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金番号HG007811、HD088158、及びR01 HG006283、並びに国立科学財団によって授与された助成金番号DGE1258485の下で政府の支援を受けてなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
ハイスループットスクリーニング(HTS)は、医薬品創薬パイプラインの基礎である(J.R.Broach、J.Thorner、ネイチャー、384巻(補遺)、14-16(1996年)、Pereira、J.A.Williams、Br.J.Pharmacol、152,53-61(2007年))。しかしながら、従来のHTSは、少なくとも2つの主要な制限を有する。第1に、ほとんどのリードは、例えば、増殖(D.Shumら、J.Enzyme Inhib.Med.Chem.23,931-945(2008年)、C.Yuら、Nat.Biotechnol.34、419-423(2016年))、形態学(Z.E.Perlmanら、Science 306、1194-1198(2004年)、Y.Futamuraら、Chem.Biol 19、1620-1630(2012年))、又は高度に特異的な分子リード(J.Kangら、Nat.Biotechnol.34、70-77(2016年)、K.L.Huss、P.E.Blonigen、R.M.Campbell、J.Biomol.Screen.12,578-584(2007年))などの総細胞表現型に制限される。細胞の状態や遺伝子発現の微妙な変化は、そうでなければ機構的な洞察を提供したり、オフターゲット効果を明らかにしたりする可能性があるが、日常的に見落とされている。
第2に、HTSが転写プロファイリングなどのより包括的な分子表現型と併せて行われる場合であっても(C.Yeら、Nat.Commun.9,4307(2018年)、E.C.Bushら、Nat.Commun.8,105(2017年)、A.Subramanianら、Cell 171、1437-1452.e17(2017年)、.Lambら、Science 313、1929-1935(2006年))、バルクアッセイの制限は、表面上は同種の「タイプ」の細胞でさえも不均質な応答を示す可能性があることである(M.B.Elowitz、A.J.Levine、E.D.Siggia、P.S.Swain、Science 297、1183-1186(2002年)、C.Trapnell、Genome Res.25、1491-1498(2015年))。そのような細胞不均質性は、生体内で非常に関連性が高い。例えば、化学療法に耐えている細胞の希少な亜集団が、それらの遺伝的バックグラウンド、エピジェネティクス状態、又はいくつかの他の態様に基づいて、化学療法を生き残る細胞の希少な亜集団がそうしているのかどうかは、ほとんど分かっていない(S.M.Shafferら、Nature 546、431-435(2017年)、S.J.Spencer、S.Gaudet、J.G.Albeck、J.M.Burke、P.K.Sorger、Nature 459、428-432(2009年))。更に、疎性及び技術ノイズのレベルは、多くの場合、生物学的に意味のある情報を抽出することを困難にする。
原則として、単一細胞トランスクリプトームシークエンシング(scRNA-seq)は、HTSが両方の制限を克服することを可能にし得る、高含量分子表現型の形式を表す。しかしながら、ほとんどのscRNA-seq技術のサンプル当たり及び細胞当たりのコストは依然として高く、適度なサイズのスクリーンでさも除外される。最近では、異なるサンプルからの細胞が分子標識され、scRNA-seqの前に混合される、「細胞ハッシング」方法が開発されている。しかしながら、現在のハッシング手法は、比較的高価な試薬(例えば、抗体(M.Stoeckiusら、Genome Biol.19,224(2018))又は化学修飾DNAオリゴ(J.Gehring、J.H.Park、S.Chen、M.Thomson、L.Pachter、bioRxiv 315333[前刷り]5 May 2018年、doi.org/10.1101/315333,C.S.McGinnisら、Nat.方法16,619-626(2019年))を必要としたり、細胞型依存性プロトコル(D.Shin、W.Lee、J.H.Lee、D.Bang、Sci.Adv.5、eaav2249(2019年))を使用したり、及び/又は使用する細胞当たりのコストが高いscRNA-seqプラットフォームを使用したりする。
J.R.Broach、J.Thorner、ネイチャー、384巻(補遺)、14-16(1996年) Pereira、J.A.Williams、Br.J.Pharmacol、152,53-61(2007年) D.Shumら、J.Enzyme Inhib.Med.Chem.23,931-945(2008年) C.Yuら、Nat.Biotechnol.34、419-423(2016年)Z.E.Perlmanら、Science 306、1194-1198(2004年) Y.Futamuraら、Chem.Biol 19、1620-1630(2012年) J.Kangら、Nat.Biotechnol.34、70-77(2016年) K.L.Huss、P.E.Blonigen、R.M.Campbell、J.Biomol.Screen.12,578-584(2007年) C.Yeら、Nat.Commun.9,4307(2018年) E.C.Bushら、Nat.Commun.8,105(2017年) A.Subramanianら、Cell 171、1437-1452.e17(2017年) Lambら、Science 313、1929-1935(2006年) M.B.Elowitz、A.J.Levine、E.D.Siggia、P.S.Swain、Science 297、1183-1186(2002年) C.Trapnell、Genome Res.25、1491-1498(2015年) S.M.Shafferら、Nature 546、431-435(2017年) S.J.Spencer、S.Gaudet、J.G.Albeck、J.M.Burke、P.K.Sorger、Nature 459、428-432(2009年) M.Stoeckiusら、Genome Biol.19,224(2018) J.Gehring、J.H.Park、S.Chen、M.Thomson、L.Pachter、bioRxiv 315333[前刷り]5 May 2018年、doi.org/10.1101/315333 C.S.McGinnisら、Nat.方法16,619-626(2019年) D.Shin、W.Lee、J.H.Lee、D.Bang、Sci.Adv.5、eaav2249(2019年)
単一核シークエンシング方法(sci-)法を使用した高細胞数の単一細胞及び単一核配列は、トランスクリプトーム、クロマチンアクセシビリティ、突然変異の違い、及び他の差異を介した細胞及び複合組織内の集団の分離におけるその有効性を示している。本明細書に記載の1つの方法、核ハッシング又は細胞ハッシングは、ハッシングオリゴを使用してサンプルスループットを増加させ、高衝突率での二重項検出を増加させる。本明細書に記載の別の方法である正規化ハッシングは、標準として正規化オリゴを使用して、細胞間の変動における技術的ノイズの推定及び除去を支援し、感度及び特異性を高める。
シークエンシングライブラリーを調製するための方法が本明細書で提供される。一実施形態では、ライブラリーは、複数の単一核又は単一細胞からの核酸を含み、方法は、第1の複数の区画内に複数の細胞を提供するステップと、各区画の細胞から単離された核又は各区画の細胞とハッシングオリゴを接触させてハッシュ核又はハッシュ細胞を生成するステップと、を含む。一実施形態では、ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合する。一実施形態では、ハッシングオリゴはハッシングインデックスを含む。一実施形態では、各区画内のハッシングインデックスは、他の区画内のインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む。ハッシングオリゴと単離核又は細胞との間の会合は、吸収などによって非特異的であり得る。本方法は、異なる区画のハッシュ核又はハッシュ細胞を組み合わせて、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップを更に含み得る。一実施形態では、本方法は、各区画の複数の細胞を所定の状態に曝露するステップを更に含み得る。所定の条件への曝露は、方法の任意の時点であり得、一実施形態では、接触前に生じる。
一実施形態では、本方法は、任意選択で、単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法を使用してプールされたハッシュ細胞又はプールされたハッシュ核を処理して、複数の単一核から核酸を含むシークエンシングライブラリーを得るステップを含み得る。使用することができる単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法の例としては、単一核トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトーム及びトランスポゾンアクセス可能なクロマチンシークエンシング、単一核の全ゲノムシークエンシング、トランスポゾンアクセス可能なクロマチンの単一核シークエンシング、sci-HiC、薬物-seq、sci-CAR、sci-MET、sci-Crop、sci-perturb、又はsci-Crisprを含み得るが、これらに限定されない。
シークエンシングライブラリーを正規化する方法も本開示によって提供される。一実施形態では、シークエンシングライブラリーは、複数の単一核又は単一細胞からの核酸を含む。一実施形態では、本方法は、単離核又は細胞を含む第1の複数の区画を提供するステップと、各区画の単離核又は細胞を正規化オリゴの集団と接触させるステップと、を含み、正規化オリゴの各集団のメンバーは、単離核又は細胞と会合する。一実施形態では、接触は、単離核又は細胞が区画に分配される前に生じる。正規化オリゴは、区画化前又は区画化後に、単離核又は細胞と会合することができる。正規化オリゴと単離核又は細胞との間の会合は、吸収などによって非特異的であり得る。本方法は、異なる区画の標識核又は標識細胞を組み合わせて、プールされた標識核又はプールされた標識細胞を生成するステップを更に含み得る。一実施形態では、本方法は、各区画の複数の細胞を所定の状態に曝露するステップを更に含み得る。所定の条件への曝露は、方法の任意の時点であり得、一実施形態では、接触前に生じる。
定義
本明細書で使用される用語は、別段の指定がない限り、関連技術の通常の意味をとるものと理解されるであろう。本明細書で使用されるいくつかの用語及びそれらの意味は、以下に記載される。
本明細書で使用するとき、用語「生物」及び「対象」は、交換可能に使用され、微生物(例えば、原核生物又は真核生物)、動物、及び植物を指す。動物の例は、ヒトなどの哺乳類である。
本明細書で使用するとき、用語「細胞型」は、形態、表現型、発生起源、又は他の既知の若しくは認識可能な区別可能な細胞特性に基づいて細胞を同定することを意図する。様々な異なる細胞型は、単一の生物(又は同じ種の生物から)から得ることができる。例示的な細胞型としては、ガメト(例えば、例えば、卵子又は卵細胞などの雌性ガメト、及び精子などの雄性ガメトを含む)、卵巣上皮、卵巣上皮、卵巣線維芽細胞、精巣、膀胱、膵臓上皮、膵臓α、免疫細胞、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞、癌細胞、真核細胞、幹細胞、血球、筋細胞、脂肪細胞、皮膚細胞、神経細胞、骨細胞、膵臓細胞、内皮細胞、膵臓β、膵臓内皮、骨髄リンパ芽球、骨髄リンパ芽球、骨髄マクロファージ、骨髄芽球、骨髄脂肪細胞、骨髄骨芽細胞、骨髄軟骨細胞、骨髄軟骨細胞、骨髄軟骨細胞、骨髄芽球、骨髄軟骨細胞、前骨髄芽細胞、骨髄巨核芽細胞、膀胱、脳Bリンパ球、脳神経膠細胞、ニューロン、脳星状細胞、神経外胚葉、脳マクロファージ、脳小膠細胞、脳上皮、皮質ニューロン、脳線維芽細胞、乳房上皮、結腸上皮、結腸Bリンパ球、乳腺上皮、乳腺筋上皮、乳腺線維芽細胞、結腸腸細胞、子宮頸部上皮、乳房管上皮、舌上皮、扁桃腺樹状、扁桃腺リンパ球、末梢血リンパ芽球、末梢血Tリンパ芽球、末梢血Tリンパ球、末梢血天然キラー、末梢血Bリンパ芽球、末梢血単球、末梢血骨髄芽細胞、末梢血モノ芽細胞、末梢血モノ芽細胞、末梢血モノ芽細胞、末梢血単芽球、末梢血モノ芽球、末梢血Tリンパ球、末梢血前骨髄芽球、末梢血マクロファージ、末梢血好塩基球、肝臓内皮、肝臓マスト、肝臓上皮、肝臓Bリンパ球、脾臓内皮、脾臓上皮、脾臓Bリンパ球、肝細胞、肝臓、線維芽細胞、肺上皮、気管支上皮、肺線維芽細胞、肺Bリンパ球、肺シュワン、肺扁平上皮、肺マクロファージ、肺骨芽細胞、神経内分泌、肺肺胞、胃上皮、及び胃線維芽細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「組織」は、生物内で1つ又はそれ以上の特定の機能を実行するように共に作用する細胞の集合又は凝集を意味することを意図する。細胞は、任意選択で形態学的に類似し得る。例示的な組織としては、胚性、精巣上体、眼、筋肉、皮膚、腱、静脈、動脈、血液、心臓、脾臓、リンパ節、骨、骨髄、肺、気管支、気管、腸、小腸、大腸、結腸、直腸、唾液腺、舌、胆嚢、虫垂、肝臓、膵臓、脳、胃、皮膚、腎臓、尿管、膀胱、尿道、性腺、睾丸、卵巣、子宮、卵管、胸腺、下垂体、甲状腺、副腎、又は副甲状腺が挙げられるが、これらに限定されない。組織は、ヒト又は他の生物の様々な器官のいずれかに由来し得る。組織は、健康な組織又は不健康な組織であり得る。不健康な組織の例としては、生殖組織、肺、乳房、結腸直腸、前立腺、鼻咽頭、胃、精巣、皮膚、神経系、骨、卵巣、肝臓、血液組織、膵臓、子宮、腎臓、リンパ組織などの悪性腫瘍が挙げられる。悪性腫瘍は、様々な組織学的サブタイプ、例えば、癌腫、腺癌、肉腫、線維腺癌、神経内分泌、又は未分化のものであり得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「区画」は、他の物から何かを分離又は単離する領域又は容積を意味することを意図する。例示的な区画としては、バイアル、チューブ、ウェル、液滴、ボーラス、ビーズ、容器、表面特徴部、又は流体流、磁性、電流などの物理的な力によって分離された領域又は容積が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、区画は、96又は384ウェルプレートなどのマルチウェルプレートのウェルである。本明細書で使用するとき、液滴は、1つ又はそれ以上の核又は細胞を封入するためのビーズであり、ヒドロゲル組成物を含む、ヒドロゲルビーズを含み得る。いくつかの実施形態では、液滴は、ヒドロゲル材料の均質な液滴であるか、又はポリマーヒドロゲルシェルを有する中空液滴である。均質又は中空であるかどうかに関わらず、液滴は、1つ又はそれ以上の核又は細胞を封入することが可能であり得る。
本明細書で使用するとき、「トランスポソーム複合体」は、組み込み酵素、及び組み込み認識部位を含む核酸を指す。「トランスポソーム複合体」は、転位反応を触媒することが可能なトランスポザーゼ及びトランスポザーゼ認識部位によって形成される機能的複合体である(例えば、Gundersonら、国際公開第2016/130704号を参照)。組み込み酵素の例としては、インテグラーゼ又はトランスポアーゼが挙げられるが、これらに限定されない。組み込み認識部位の例としては、トランスポザーゼ認識部位が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「核酸」は、当技術分野におけるその使用と一致することを意図し、天然に存在する核酸又はその機能的類似体を含む。特に有用な機能的類似体は、配列特異的な様式で核酸にハイブリダイズすることができ、又は特定のヌクレオチド配列を複製するためのテンプレートとして使用することができる。天然に存在する核酸は、一般に、ホスホジエステル結合を含有するバックボーンを有する。アナログ構造は、当技術分野において既知の様々なもののいずれかを含む、代替的バックボーン結合を有することができる。天然に存在する核酸は、一般に、デオキシリボース糖(例えば、デオキシリボ核酸(DNA)に見られる)又はリボース糖(例えば、リボ核酸(RNA)に見られる)を有する。核酸は、当技術分野において既知のこれらの糖部分の様々な類似体のいずれかを含有することができる。核酸は、天然又は非天然塩基を含み得る。この点に関して、天然デオキシリボ核酸は、アデニン、チミン、シトシン、又はグアニンからなる群から選択される1つ又は複数の塩基を有することができ、リボ核酸は、アデニン、ウラシル、シトシン、又はグアニンからなる群から選択される1つ又は複数の塩基を有することができる。核酸に含まれ得る有用な非天然塩基は、当技術分野において既知である。非天然塩基の例としては、ロックされた核酸(LNA)、架橋核酸(BNA)、及び疑似相補的塩基(Trilink Biotechnologies社、サンディエゴ、カリフォルニア州)が挙げられる。LNA及びBNA塩基をDNAオリゴヌクレオチドに組み込んで、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション強度及び特異性を高めることができる。LNA及びBNA塩基、並びにそのような塩基の使用は、当業者に既知であり、日常的である。
本明細書で使用するとき、用語「ターゲット」は、核酸を参照して使用する場合、本明細書に記載の方法又は組成物の文脈における核酸の意味的識別子として意図され、別途明示的に示されるものを超える核酸の構造又は機能を必ずしも限定するものではない。ターゲット核酸は、本質的に既知又は未知の配列の任意の核酸であってもよい。これは、例えば、ゲノムDNA(例えば、染色体DNA)の断片、プラスミド、無細胞DNA、RNA(例えば、mRNA)、タンパク質(例えば細胞又は細胞表面タンパク質)、又はcDNAなどの染色体外DNAであってもよい。シークエンシングは、ターゲット分子の全体又は一部の配列の決定をもたらし得る。ターゲットは、核などの一次核酸サンプルに由来し得る。一実施形態では、ターゲットは、各ターゲット断片の末端にユニバーサル配列を配置することによって増幅に好適なテンプレートに処理することができる。ターゲットはまた、cDNAへの逆転写によって一次RNAサンプルから得ることもできる。一実施形態では、ターゲットは、細胞内に存在するDNA、RNA、又はタンパク質のサブセットを参照して使用される。ターゲットシークエンシングは、典型的にはPCR増幅(例えば、領域特異的プライマー)又はハイブリダイゼーションベースの捕捉方法又は抗体のいずれかによる、対象とする遺伝子又は領域又はタンパク質の選択及び単離を使用する。ターゲット濃縮は、方法の様々な段階で行うことができる。例えば、ターゲットRNA表現は、逆転写ステップでターゲット特異的プライマーを使用するか、より複雑なライブラリーからサブセットをハイブリダイゼーションベースで濃縮することで得られる。例としては、エクソームシークエンシング又はL1000アッセイがある(Subramanianら、2017年,Cell,171;1437-1452)。ターゲットシークエンシングは、当業者に既知の濃縮プロセスのいずれかを含み得る。
本明細書で使用するとき、用語「ユニバーサル」は、ヌクレオチド配列を記述するために使用する場合、2つ以上の核酸分子又はサンプルに共通の配列の領域を指し、分子はまた、互いに異なる配列の領域を有する。分子の集合の異なるメンバーに存在するユニバーサル配列は、ユニバーサルキャプチャ核酸の集団、例えば、ユニバーサル配列の一部に相補的な捕捉オリゴヌクレオチド、例えば、ユニバーサルキャプチャ配列を使用して、複数の異なる核酸を捕捉することができる。ユニバーサルキャプチャ配列の非限定的な例としては、P5及びP7プライマーと同一又は相補的な配列が挙げられる。同様に、分子の集合の異なるメンバーに存在するユニバーサル配列は、ユニバーサル配列の一部に相補的なユニバーサルプライマーの集団、例えば、ユニバーサルアンカー配列を使用して、複数の異なる核酸を複製(例えば、シークエンシング)又は増幅することができる。一実施形態では、ユニバーサルアンカー配列は、ユニバーサルプライマー(例えば、リード1又はリード2のためのシークエンシングプライマー)がシークエンシングのためにアニールする部位として使用される。したがって、捕捉オリゴヌクレオチド又はユニバーサルプライマーは、ユニバーサル配列に特異的にハイブリダイズすることができる配列を含む。
用語「P5」及び「P7」は、ユニバーサルキャプチャ配列又は捕捉オリゴヌクレオチドを指す場合に使用され得る。用語「P5」(P5プライム)及び「P7」(P7プライム)という用語は、それぞれP5及びP7の相補体を指す。本明細書に提示される方法において、任意の好適なユニバーサル捕捉配列又は捕捉ヌクレオチドを使用することができ、P5及びP7の使用は例示的な実施形態のみであることが理解されるであろう。フローセル上でのP5及びP7又はそれらの相補体などの捕捉ヌクレオチドの使用は、国際公開第2007/010251号、同第2006/064199号、同第2005/065814号、同第2015/106941号、同第1998/044151号、及び同第2000/018957号の開示によって例示されるように、当技術分野において既知である。例えば、任意の好適な順方向増幅プライマーは、固定化されているか又は溶液中にあるかに関わらず、相補的配列及び配列の増幅のために本明細書に提示される方法において有用であり得る。同様に、任意の好適な逆増幅プライマーは、固定化されているか又は溶液中にあるかに関わらず、相補的配列及び配列の増幅のために本明細書に提示される方法において有用であり得る。当業者であれば、本明細書に提示される核酸の捕捉及び/又は増幅に好適なプライマー配列の設計及び使用方法を理解するであろう。
本明細書で使用するとき、用語「プライマー」及びその派生語は、一般に、対象とするターゲット配列にハイブリダイズすることができる任意の核酸を指す。典型的には、プライマーは、ヌクレオチドがポリメラーゼによって重合され得るか、又はヌクレオチドがライゲーションされ得る基質として機能するが、いくつかの実施形態では、プライマーは、合成された核酸鎖に組み込まれ、別のプライマーがハイブリダイズして、合成された核酸分子に相補的な新たな鎖合成をプライムすることができる部位を提供することができる。プライマーは、ヌクレオチド又はその類似体の任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、プライマーは、一本鎖オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドである。用語「ポリヌクレオチド」及び「オリゴヌクレオチド」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指すために本明細書において交換可能に使用され、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、これらの類似体、又はこれらの混合物を含み得る。これらの用語は、同等物として、ヌクレオチド類似体から作製されたDNA、RNA、cDNA、又は抗体-オリゴ共役のいずれかの類似体を含み、一本鎖(センス又はアンチセンスなど)及び二本鎖ポリヌクレオチドに適用可能であることを理解されたい。本明細書で使用するこの用語はまた、例えば逆転写酵素の作用によって、RNAテンプレートから産生される相補的又はコピーDNAであるcDNAも包含する。この用語は、分子の一次構造のみを指す。したがって、この用語は、三本鎖、二本鎖、及び一本鎖デオキシリボ核酸(「DNA」)、並びに三本鎖、二本鎖、及び一本鎖リボ核酸(「RNA」)を含む。
本明細書で使用するとき、用語「アダプター」及びその派生語、例えば、ユニバーサルアダプターは、一般に、本開示の核酸分子に結合され得る任意の線状オリゴヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、アダプターは、サンプル中に存在する任意のターゲット配列の3’末端又は5’末端に実質的に非相補的である。いくつかの実施形態では、好適なアダプター長さは、約10-100ヌクレオチド、約12-60ヌクレオチド、又は約15-50ヌクレオチドの長さの範囲である。一般に、アダプターは、ヌクレオチド及び/又は核酸の任意の組み合わせを含み得る。いくつかの態様では、アダプターは、1つ又はそれ以上の位置に1つ又はそれ以上の開裂可能な基を含み得る。別の態様では、アダプターは、プライマー、例えばユニバーサルプライマーの少なくとも一部と実質的に同一であるか、又は実質的に相補的である配列を含み得る。いくつかの実施形態では、アダプターは、下流エラー訂正、同定、又はシークエンシングを支援するために、バーコード(本明細書ではタグ又はインデックスとも呼ばれる)を含み得る。用語「アダプター(adaptor)」及び「アダプタ(adapter)」は、交換可能に使用される。
本明細書で使用するとき、用語「それぞれ」は、項目の集合を参照して使用する場合、集合内の個々の項目を識別することを意図しているが、文脈が明確に別段の指示をしない限り、必ずしも集合内の全ての項目を指すものではない。
本明細書で使用するとき、用語「輸送」は、流体を通る分子の移動を指す。この用語は、それらの濃度勾配(例えば、受動拡散)に沿った分子の移動などの受動輸送を含み得る。この用語はまた、分子がそれらの濃度勾配に沿って又はそれらの濃度勾配に逆らって移動することができる能動輸送も含み得る。したがって、輸送は、1つ又はそれ以上の分子を所望の方向に、又は増幅部位などの所望の位置に移動させるためにエネルギーを適用することを含み得る。
本明細書で使用するとき、「増幅」、「増幅する」又は「増幅反応」及びそれらの派生語は、一般に、核酸分子の少なくとも一部が少なくとも1つの追加の核酸分子に複製又はコピーされる任意の作用又はプロセスを指す。追加の核酸分子は、任意選択で、テンプレート核酸分子の少なくとも一部と実質的に同一であるか、又は実質的に相補的である配列を含む。テンプレート核酸分子は一本鎖又は二本鎖であってよく、追加の核酸分子は、独立して一本鎖又は二本鎖であり得る。増幅は、核酸分子の線形又は指数関数的複製を任意選択的に含む。いくつかの実施形態では、このような増幅は、等温条件を使用して行うことができ、他の実施形態では、このような増幅は、熱サイクリングを含み得る。いくつかの実施形態では、増幅は、単一増幅反応における複数のターゲット配列の同時増幅を含む多重増幅である。いくつかの実施形態では、「増幅」は、DNA及びRNAベースの核酸の少なくとも一部を単独で、又は組み合わせて増幅することを含む。増幅反応は、当業者に既知の増幅プロセスのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。
本明細書で使用するとき、「増幅条件」及びその派生語は、一般に、1つ又はそれ以上の核酸配列を増幅するのに好適な条件を指す。このような増幅は、線形又は指数関数的であり得る。いくつかの実施形態では、増幅条件は、等温条件を含むことができ、あるいは、熱サイクリング条件、又は等温及び熱サイクリング条件の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又はそれ以上の核酸配列を増幅するのに好適な条件としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)条件が挙げられる。典型的には、増幅条件は、ユニバーサル配列が隣接した1つ又はそれ以上のターゲット配列などの核酸を増幅するのに十分な反応混合物、又は1つ又はそれ以上のアダプターにライゲーションされた増幅されたターゲット配列を増幅するのに十分な反応混合物を指す。一般に、増幅条件は、増幅用の触媒、又は核酸合成、例えばポリメラーゼ、増幅される核酸に対してある程度相補性を有するプライマー、及び核酸にハイブリダイズしたときにプライマーの伸長を促進するためのデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)などのヌクレオチドを含む。増幅条件は、プライマーの核酸へのハイブリダイゼーション又はアニーリング、プライマーの伸長、及び伸長プライマーが増幅を受ける核酸配列から分離される変性ステップを必要とし得る。典型的には、必ずしもそうとは限らないが、増幅条件は、熱サイクリングを含み得るが、いくつかの実施形態では、増幅条件は、アニーリング、伸長、及び分離のステップが繰り返される複数のサイクルを含む。典型的には、増幅条件としては、Mg2+又はMn2+などのカチオンが挙げられ、イオン強度の様々な改質剤も含み得る。
本明細書で使用するとき、「再増幅」及びそれらの派生語は、一般に、増幅された核酸分子の少なくとも一部が任意の好適な増幅プロセスを介して更に増幅され、それによって再増幅された核酸分子を生成する任意のプロセス(いくつかの実施形態では「二次」増幅と呼ばれる)を指す。二次増幅が、増幅された核酸分子が生成される元の増幅プロセスと同一である必要はなく、増幅された核酸分子が、増幅された核酸分子と完全に同一であるか、完全に相補的である必要もなく、必要なのは、再増幅された核酸分子が、増幅された核酸分子又はその相補体の少なくとも一部を含むことだけである。例えば、再増幅は、一次増幅とは異なるターゲット特異的プライマーを含む、異なる増幅条件及び/又は異なるプライマーの使用を含み得る。
本明細書で使用するとき、用語「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)は、クローニング又は精製することなくゲノムDNAの混合物中の対象となるポリヌクレオチドのセグメントの濃度を増加させる方法を記載する、米国特許第4,683,195号及び同第4,683,202号のMullisの方法を指す。対象のポリヌクレオチドを増幅するためのこのプロセスは、所望の対象ポリヌクレオチドを含有するDNA混合物に、多量の過剰の2つのオリゴヌクレオチドプライマーを導入するステップ、続いてDNAポリメラーゼの存在下で一連の熱サイクリングを行うステップからなる。2つのプライマーは、対象の二本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれの鎖に相補的である。最初に混合物がより高温で変性され、次いで、プライマーが、目的の分子のポリヌクレオチド内の相補的配列にアニーリングされる。アニーリング後、プライマーをポリメラーゼで伸長させて、相補鎖の新しい対を形成する。変性、プライマーアニーリング、及びポリメラーゼ伸長のステップは、所望の目的ポリヌクレオチドの高濃度の増幅セグメントを得るために、何度も繰り返され得る(熱サイクリングと呼ばれる)。所望の目的ポリヌクレオチドの増幅セグメントの長さ(アンプリコン)は、互いに対するプライマーの相対位置によって決定され、したがって、この長さは制御可能なパラメータである。このプロセスを繰り返すことにより、この方法はPCRと呼ばれる。目的ポリヌクレオチドの所望の増幅セグメントは、混合物中の主要な核酸配列(濃度に関して)になるため、これらは「PCR増幅された」と言われる。上記の方法の改変において、ターゲット核酸分子は、複数の異なるプライマー対を使用してPCR増幅することができ、場合によっては、対象とするターゲット核酸分子当たり1つ又はそれ以上のプライマー対を使用してPCR増幅することができ、それによって多重PCR反応を形成することができる。
本明細書で定義されるように、「多重増幅」は、少なくとも1つのターゲット特異的プライマーを使用した、サンプル内の2つ以上のターゲット配列の選択的かつ非ランダム増幅を指す。いくつかの実施形態では、ターゲット配列の一部又は全てが単一の反応容器内で増幅されるように多重増幅が行われる。所与の多重増幅の「プレックス」は、一般に、その単一多重増幅中に増幅される異なるターゲット特異的配列の数を指す。いくつかの実施形態では、プレックスは、約12プレックス、24プレックス、48プレックス、96プレックス、192プレックス、384プレックス、768プレックス、1536プレックス、3072プレックス、6144プレックス、又はそれ以上であり得る。増幅されたターゲット配列をいくつかの異なる方法論(例えば、ゲル電気泳動とそれに続くデンシトメトリー、バイオアナライザー又は定量的PCRによる定量化、標識プローブでのハイブリダイゼーション、ビオチン化プライマーの組み込みとそれに続くアビジン-酵素共役の検出、増幅ターゲット配列への32P標識デオキシヌクレオチド三リン酸の組み込み)によって検出することも可能である。
本明細書で使用するとき、「増幅されたターゲット配列」及びその派生語は、一般に、ターゲット特異的プライマーを及び本明細書で提供される方法を使用してターゲット配列を増幅することによって産生される核酸配列を指す。増幅されたターゲット配列は、ターゲット配列に関して同じセンス(すなわち、正鎖)又はアンチセンス(すなわち、負鎖)のいずれかであってもよい。
本明細書で使用するとき、用語「ライゲート」、「ライゲーション」、及びそれらの派生語は、一般に、2つ以上の分子を互いに共有結合させる、例えば、2つ以上の核酸分子を互いに共有結合させるプロセスを指す。いくつかの実施形態では、ライゲーションは、核酸の隣接するヌクレオチド間のニックの結合を含む。いくつかの実施形態では、ライゲーションは、第1の核酸分子の末端部と第2の核酸分子の末端部との間に共有結合を形成することを含む。いくつかの実施形態では、ライゲーションは、1つの核酸の5’リン酸基と第2の核酸の3’ヒドロキシル基との間に共有結合を形成し、それによりライゲーションされた核酸分子を形成することを含み得る。一般に、本開示の目的のために、増幅されたターゲット配列をアダプターにライゲーションして、アダプターライゲーションされた増幅ターゲット配列を生成することができる。
本明細書で使用するとき、「リガーゼ」及びその派生語は、一般に、2つの基質分子のライゲーションを触媒することができる任意の薬剤を指す。いくつかの実施形態では、リガーゼは、核酸の隣接ヌクレオチド間のニックの結合を触媒することができる酵素を含む。いくつかの実施形態では、リガーゼは、1つの核酸分子の5’リン酸と別の核酸分子の3’ヒドロキシルとの間の共有結合の形成を触媒し、それによりライゲーションされた核酸分子を形成することができる酵素を含む。好適なリガーゼとしては、T4 DNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ、及びE.coli DNAリガーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「ライゲーション条件」及びその派生語は、一般に、2つの分子を互いにライゲーションするのに好適な条件を指す。いくつかの実施形態では、ライゲーション条件は、核酸間のニック又は間隙を封止するのに好適である。本明細書で使用するとき、ニック又は間隙という用語は、当技術分野における用語の使用と一致する。典型的には、ニック又は空隙は、適切な温度及びpHでリガーゼなどの酵素の存在下でライゲーションすることができる。いくつかの実施形態では、T4 DNAリガーゼは、約70-72℃の温度で核酸間のニックに結合することができる。
本明細書で使用するとき、用語「フローセル」は、1つ又はそれ以上の流体試薬を流通させることができる固体表面を含むチャンバを指す。本開示の方法において容易に使用することができるフローセル及び関連する流体システム及び検出プラットフォームの例は、例えば、Bentleyら、Nature 456:53-59(2008年)、国際公開第04/018497号、米国特許第7,057,026号、国際公開第91/06678号、国際公開第07/123744号、米国特許第7,329,492号、米国特許第7,211,414号、米国特許第7,315,019号、米国特許第7,405,281号及び同第2008/0108082号に記載されている。
本明細書で使用するとき、用語「アンプリコン」は、核酸に関して使用する場合、核酸をコピーする生成物を意味し、この生成物は、核酸のヌクレオチド配列の少なくとも一部と同じ又は相補的なヌクレオチド配列を有する。アンプリコンは、例えばポリメラーゼ伸長、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)、ライゲーション伸長、又はライゲーション連鎖反応を含むテンプレートとして、核酸又はそのアンプリコンを使用する様々な増幅法のいずれかによって産生することができる。アンプリコンは、特定のヌクレオチド配列(例えば、PCR産物)の単一コピー又はヌクレオチド配列(例えば、RCAのコンカテマー産物)の複数のコピーを有する核酸分子であり得る。ターゲット核酸の第1のアンプリコンは、典型的には相補的なコピーである。後続のアンプリコンは、第1のアンプリコンの生成後に、ターゲット核酸又は第1のアンプリコンから作成されたコピーである。後続のアンプリコンは、ターゲット核酸と実質的に相補的であるか、又はターゲット核酸と実質的に同一である配列を有し得る。
本明細書で使用するとき、用語「増幅部位」は、1つ又はそれ以上のアンプリコンが生成され得る配列内又は配列上の部位を指す。増幅部位は、その部位で生成される少なくとも1つのアンプリコンを含有、保持、又は付着させるように更に構成することができる。
本明細書で使用するとき、用語「アレイ」は、相対的な位置に従って互いに区別することができる部位の集団を指す。アレイの異なる部位にある異なる分子は、アレイ内の部位の位置に従って互いに区別することができる。アレイの個々の部位は、特定の種類の1つ又はそれ以上の分子を含み得る。例えば、部位は、特定の配列を有する単一のターゲット核酸分子を含むことができ、又は部位は、同じ配列(及び/又はその相補的配列)を有するいくつかの核酸分子を含むことができる。アレイの部位は、同じ基質上に位置する異なる特徴とすることができる。例示的な機能としては、基質中のウェル、基質中又は基質上のビーズ(又は他の粒子)、基質からの突出部、基質上の隆起部、又は基質内のチャネルが挙げられるが、これらに限定されない。アレイの部位は、それぞれ異なる分子を有する別個の基質とすることができる。別個の基質に付着した異なる分子は、基質が会合する表面上の基質の位置に従って、又は液体若しくはゲル内の基質の位置に従って特定することができる。別個の基質が表面上に配置される例示的なアレイとしては、ウェル内にビーズを有するものが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「容量」は、部位及び核酸材料に関して使用する場合、部位を占有し得る核酸材料の最大量を意味する。例えば、この用語は、特定の条件下で部位を占有し得る核酸分子の総数を指し得る。他の測定値は、例えば、特定の条件下で部位を占有し得る核酸材料の総質量又は特定のヌクレオチド配列のコピーの総数を含めて使用することができる。典型的には、ターゲット核酸の部位の容量は、ターゲット核酸のアンプリコンのための部位の容量と実質的に同等である。
本明細書で使用するとき、用語「捕捉剤」は、ターゲット分子(例えば、ターゲット核酸)に付着、保持、又は結合することができる材料、化学物質、分子、又はその部分を指す。例示的な捕捉剤としては、ターゲット核酸の少なくとも一部に相補的な捕捉核酸(本明細書では捕捉オリゴヌクレオチドとも呼ばれる)、ターゲット核酸(又はそれに結合した連結部分)に結合することができる受容体-リガンド結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、レクチン、炭水化物、核酸結合タンパク質、エピトープ、抗体など)、又はターゲット核酸(又はそれに付着した連結部分)と共有結合を形成することができる化学試薬が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「レポーター部分」は、調査される検体の組成、同一性、及び/又は供給源を決定することを可能にする任意の識別可能なタグ、標識、インデックス、バーコード、又は群を指すことができる。いくつかの実施形態では、レポーター部分は、タンパク質に特異的に結合する抗体を含み得る。いくつかの実施形態では、抗体は、検出可能な標識を含んでもよい。いくつかの実施形態では、レポーターは、核酸タグで標識された抗体又は親和性試薬を含み得る。核酸タグは、例えば、近接ライゲーションアッセイ(PLA)又は近接伸長アッセイ(PEA)又は配列ベースのリード(Shahiら、科学的記録volume 7、文献番号:44447,2017年)又はCITE-seq(Stoeckiusら、Nature Methods 14:865-868、2017年)を介して検出可能であり得る。
本明細書で使用するとき、用語「クローン集団」は、特定のヌクレオチド配列に対して均質である核酸の集団を指す。均質な配列は、典型的には、少なくとも10ヌクレオチド長であるが、更に長い、例えば、少なくとも50、100、250、500又は1000ヌクレオチド長を含み得る。クローン集団は、単一のターゲット核酸又はテンプレート核酸に由来し得る。典型的には、クローン集団中の全ての核酸は、同じヌクレオチド配列を有する。クロナリティーから逸脱することなく、少数の変異(例えば、増幅アーチファクトによる)が生じ得ることが理解されよう。
本明細書で使用するとき、組成物、物品、核酸、又は核の文脈において「提供する」は、組成物、物品、核酸、又は核を作製すること、組成物、物品、核酸、又は核を購入すること、又は別の方法で化合物、組成物、物品、又は核を得ることを意味する。
本明細書で使用するとき、「インデックス」(「インデックス領域」、「インデックスアダプタ」、「タグ」、又は「バーコード」とも呼ばれる)は、核酸材料のサンプル又は供給源を同定するために使用することができる固有の核酸タグを指す。核酸サンプルが複数の供給源に由来する場合、各核酸サンプル中の核酸は、サンプルの供給源を特定することができるように、異なる核酸タグでタグ付けすることができる。当技術分野で知られているように、及び米国特許第8,053,192号、国際公開第05/068656号、及び米国特許出願公開第2013/0274117号の開示によって例示されるように、任意の適切なインデックス又はインデックスのセットを使用することができる。いくつかの実施形態では、インデックスは、Illumina社(サンディエゴ、カリフォルニア州)の6塩基インデックス1(i7)配列、8塩基インデックス1(i7)配列、8塩基インデックス2(i5e)配列、10塩基インデックス1(i7)配列、又は10塩基インデックス2(i5)配列を含み得る。
本明細書で使用するとき、用語「固有分子識別子」又は「UMI」は、核酸分子に結合され得る、ランダム、非ランダム、又は半ランダムのいずれかの分子タグを指す。核酸分子に組み込まれる場合、増幅後にシーケエンスされる固有の分子識別子(UMI)を直接カウントすることによって、UMIを使用して後続の増幅バイアスを補正することができる。
用語「及び/又は」は、列挙された要素の1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
「好ましい」及び「好ましくは」という語は、特定の状況下で特定の利益をもたらし得る本開示の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下で、他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ又はそれ以上の好ましい実施形態の記載は、その他の実施形態が有用でないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図するものではない。
用語「含む(comprises)」及びその変形は、これらの用語が説明及び特許請求の範囲に現れる場合、限定的な意味を有しない。
本明細書では、「含む(include)」、「含む(includes)」又は「含む(including)」などの語で本明細書に記載されている場合、「からなる(consistingof)」及び/又は「から本質的になる(consistingessentially of)」という用語で説明される類似の実施形態もまた提供されることが理解される。
別途記載のない限り、「a」、「an」、「the」、及び「at least one」は、互換的に使用され、1つ又は2つ以上を意味する。
本明細書において、端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1から5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
別個のステップを含む本明細書に開示される任意の方法では、ステップは、任意の実行可能な順序で行われてもよい。また、適切には、2つ以上のステップの任意の組み合わせを同時に行うことができる。
「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、又は「いくつかの実施形態」などへの言及は、本実施形態に関連して説明される特定の特徴、構成、組成、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所でのこのような語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構成、組成、又は特性は、1つ又はそれ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと、最も良く理解され得る。
本開示による核又は細胞ハッシングの一実施形態の一般的な例示的方法の一般的なブロック図を示す。
本開示による正規化ハッシングの一実施形態の一般的な例示的方法の一般的なブロック図を示す。
本開示による、核ハッシングによる単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法の一実施形態の一般的な例示的方法の一般的なブロック図を示す。
スクシーPLEXが、ポリアデニル化一本鎖オリゴヌクレオチドを標識核に使用し、細胞ハッシング及び二重項検出を可能にすることを示す。DAPl(上部)及びAlexa Fluor-647-共役一本鎖ダイゴヌクレオチド(底部)でのインキュベーション後の透過性核の蛍光像。 スクシーPLEXが、ポリアデニル化一本鎖オリゴヌクレオチドを標識核に使用し、細胞ハッシング及び二重項検出を可能にすることを示す。sci-Plexの概要。異なる摂動に対応する細胞をウェルに溶解し、それらの核をウェル特異的「ハッシュ」オリゴで標識し、その後、固定、プール、及びsci-RNA-seqを行った。 スクシーPLEXが、ポリアデニル化一本鎖オリゴヌクレオチドを標識核に使用し、細胞ハッシング及び二重項検出を可能にすることを示す。ハッシュされたヒトHEK293T細胞とマウスNIH3T3細胞との混合物に由来する単一細胞トランスクリプトーム由来のUMIの数を示す散布グラフ。ポイントは、ハッシュオリゴ割り当てに基づいて着色される。 スクシーPLEXが、ポリアデニル化一本鎖オリゴヌクレオチドを標識核に使用し、細胞ハッシング及び二重項検出を可能にすることを示す。新鮮な対凍結されたヒト及びマウス細胞株について、細胞毎に回収されたmRNA UMIの数を示す箱ひげ図。 スクシーPLEXが、ポリアデニル化一本鎖オリゴヌクレオチドを標識核に使用し、細胞ハッシング及び二重項検出を可能にすることを示す。オーバーロード実験の散布グラフ。軸は、(C)と同様である。識別されたものは、高い感度で細胞衝突を識別するオリゴ衝突(red)を有する。
短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。非浸透性H3-GFP+NIH3T3細胞(左)のAlexa 647-共役オリゴ染色(右)の欠如を示す蛍光顕微鏡画像。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。ポリアデニル化ハッシュオリゴ(上部)と逆転写に使用されるインデックス付きプライマー(底部)の設計。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。細胞毎に検出されたハッシュUMIの数。10個未満のハッシュUMI(赤い線)を有する細胞は、以降の分析から除外された。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。細胞の濃縮比の分布。濃縮比は、最も豊富な対第2の最も豊富なハッシュオリゴのUMIカウント比として計算された。15(赤い線)の濃縮比カットオフを使用して、二重項と一重項を区別した。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。各細胞株について、ウェル毎に回収された細胞数の箱ひげ図。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。色を有する培養プレートウェルのレイアウトは、回収された細胞の数を示し、輪郭は細胞株を示す。なお、より多くのNIH3T3細胞をウェル毎に回収したが、同様の数の細胞を、各細胞型のウェルにわたって回収した。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。新鮮な対凍結した調製物のsci-RNA-seqから回収された、対数スケールの遺伝子毎に集計されたサイズ係数で正規化されたUMIカウント。サイズ係数は、単一細胞で観察される対数カウントとして計算され、全ての測定された細胞からの対数カウントの幾何平均によって除算されたものとして計算される。黒い線は、y=xを示す。赤い線は、示されているピアソン相関との適合である。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。新鮮な対凍結した調製物からのHEK293T(ヒト)又はNIH3T3(マウス細胞)のsci-RNA-seqから回収されたハッシュUMIの数の対数スケールの箱ひげ図。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。sci-RNA-seqの間に最終プレートに分類された核の数の関数としての、理論的(赤いバー)対観察された(黒い点は個々のウェル及び青いバーは平均)二重項率。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。ハッシングによって検出された二重項の除去後の図1Eのバーンヤードプロット。 短いポリアデニル化された一本鎖オリゴヌクレオチドによるハッシングは、sci-RNA-seq及び後続の二重項検出のための核の安定した低コストの標識を可能にすることを示す。ハッシュUMIの純度に基づいて呼び出された、一重項対二重項細胞におけるRNA UMIの数の対数スケールの箱ひげ図。注目すべきことに、これらは「種内」の二重項、つまりヒト-ヒト又はマウス-マウスであり、従来型のバーンヤード実験では容易に検出されない。
sci-Plexが単一細胞分解能での化学トランスクリプトミクス多重を可能にすることを示している。パイロットsci-Plex実験内でアッセイされた化合物及び対応するターゲットを示す図。A549肺腺癌細胞を、ビヒクル[ジメチルスルホキシド(DMSO)又はエタノール]又は4つの化合物(BMS345541、デキサメタゾン、ヌトリン-3a、又はSAHA)のうちの1つのいずれかで処理した。 sci-Plexが単一細胞分解能での化学トランスクリプトミクス多重を可能にすることを示している。薬物処理によって着色された化学的に摂動したA549細胞のUMAP埋め込み。 sci-Plexが単一細胞分解能での化学トランスクリプトミクス多重を可能にすることを示している。用量によって着色された細胞での処理によってファセット化された化学的に摂動されたA549細胞のUMAP埋め込み。 sci-Plexが単一細胞分解能での化学トランスクリプトミクス多重を可能にすることを示している。(D及びE)デキサメタゾン用量の関数としての、カノニカル(D)糖質コルチコイド受容体活性化(ANGPTL4)及び抑制(GDF15)ターゲット遺伝子、又は(E)ヌトリン-3a用量の関数としてのp53ターゲット遺伝子の発現。y軸は、転写産物に対応するリードが少なくとも1つある細胞の割合を示す。 sci-Plexが単一細胞分解能での化学トランスクリプトミクス多重を可能にすることを示している。(D及びE)デキサメタゾン用量の関数としての、カノニカル(D)糖質コルチコイド受容体活性化(ANGPTL4)及び抑制(GDF15)ターゲット遺伝子、又は(E)ヌトリン-3a用量の関数としてのp53ターゲット遺伝子の発現。y軸は、転写産物に対応するリードが少なくとも1つある細胞の割合を示す。 sci-Plexが単一細胞分解能での化学トランスクリプトミクス多重を可能にすることを示している。各用量で回収された細胞の相対数に基づいた、BMS345541、デキサメタゾン、ヌトリン-3a、及びSAHAで処理されたA549細胞の用量応答生存率の推定値。
sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。96ウェルプレートにおけるA549細胞の実験レイアウト。細胞を、各カラムに沿って配列された7つの用量(又はビヒクル)を使用して、2つの96ウェルプレートで24時間処理した。 sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。B)30を超えるハッシュオリゴUMI、及びC)10を超える濃縮比を含む細胞が保持された。 sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。B)30を超えるハッシュオリゴUMI、及びC)10を超える濃縮比を含む細胞が保持された。 sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。保持された細胞のハッシュUMIカウントの中央値は78、RNA UMIカウントの中央値は4,681であった。 sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。化学的に摂動したA549細胞のUMAP埋め込みは、図2Bと同等であるが、細胞はビヒクル又は4つの小分子のうちの1つで処理されたかどうかによって着色されている。 sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。化学的に摂動したA549細胞のUMAP埋め込みは、図2Bと同等であるが、細胞はMonocle 3の密度ピークアルゴリズムを使用して定義されたクラスターによって着色されている。 sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。ケトロンは、バーコード付きの核のプールが相対的な細胞数をどのように保持するかを示す。 sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。回収されたハッシュ核(灰色)対CellTiter-Glo(赤、n=6)の割合を数えることによる生存率推定値。 sci-Plexが4つの小分子に対するA549細胞の転写応答を区別し、確立されたアッセイと同様に用量応答推定値を回復することを示している。試験した全ての処理及び用量(ピアソン相関とカイ二乗検定)にわたる推定細胞数(x軸)及びCellTiter-Glo生存率推定値(y軸)の散布グラフ。
用量依存的に差次的に発現した遺伝子(DEG)が、予想される転写モジュールを回収することを示している。処理(垂直バー)間の用量依存性DEGの交点、並びに処理毎の用量依存性DEGの総数(水平バー)を表示するアプセットグラフ。特定の細胞での発現を、細胞が受けた薬物の用量に関連付ける準ポアソン回帰モデルが、ベンジャミニ-ホッホバーグ補正(FDR<0.05)後の有意な用量効果(Wald検定)を示す場合、遺伝子は用量依存性DEGとして定義される。回帰モデリングに関する完全な詳細についての方法を参照されたい。最も左寄りの4つのバーは薬物に特異的な用量依存性DEGに対応し、一方、最も右寄りの垂直バーは、4つの薬物全てで共有される用量依存性DEGに対応する。 用量依存的に差次的に発現した遺伝子(DEG)が、予想される転写モジュールを回収することを示している。ピアノパッケージのrunGSA()関数とMSigDB(45)のHallmarks遺伝子セットを使用して用量依存性DEGで実行された遺伝子セット分析(GSA)。ヒートマップの色は、可視化のために-10又は+10のいずれかでキャップされた値を有する指向性GSA濃縮統計値の値を示す。
sci-Plexが1回の実験で数千の化学的摂動の全体的な転写プロファイリングを可能にすることを示している。大規模なsci-Plex実験(sci RNA-seq3)の概略図。24時間の処理後、合計188個の小分子を、A549、K562、及びMCF7ヒト細胞株に対するそれらの影響について、それぞれ4回の投与及び生物学的複製で試験した。用量及び薬物のプレート位置を複製間で変化させ、100から200個の細胞の中央値を条件毎に回収した。色は、細胞株、化合物経路、及び用量を区別する。 sci-Plexが1回の実験で数千の化学的摂動の全体的な転写プロファイリングを可能にすることを示している。本発明者らのスクリーニングにおけるA549、K562、及びMCF7細胞のUMAP埋め込み。各細胞は、特定の細胞が曝露された化合物によって対象となる経路によって着色されている。有意な分子表現型の可視化を促進するために、本発明者らは、ビヒクル対照(Fisherの正確な試験、FDR<1%)と比較して、UMAP空間における対応する細胞の分布を明らかに変化させなかった化合物又は用量の組み合わせで処理した細胞に対する透明性を追加した。 sci-Plexが1回の実験で数千の化学的摂動の全体的な転写プロファイリングを可能にすることを示している。選択された化合物の各用量での核のハッシュベースの数から得られた生存率推定値(ボスチニブは赤いテキストで強調されている)。行は、頂部から底部まで増加する化合物用量を表し、列は個々の化合物を表す。上部のアノテーションバーは、各化合物によってターゲット化された広い細胞活性を示す。 sci-Plexが1回の実験で数千の化学的摂動の全体的な転写プロファイリングを可能にすることを示している。MEK阻害剤トラメチニブ(赤)、HSP90阻害剤(紫)、又はビヒクル対照(灰色)で処理することにより強調されたUMAP埋め込み。 sci-Plexが1回の実験で数千の化学的摂動の全体的な転写プロファイリングを可能にすることを示している。増加する用量のトラメチニブに曝露された細胞におけるHSP90AA1発現レベル。y軸は、転写産物に対応するリードが少なくとも1つある細胞の割合を示す。
大規模sci-Plex実験におけるハッシュベースの細胞標識化を示している。188個の化合物を有するsci-Plexのハッシング設計。実験は、52個の96ウェルプレートを使用し、各ウェルは2つのオリゴの組み合わせによってマークされ、1つは単一の96ウェル培養プレートに特異的であり、もう1つはその培養プレート内のウェルに特異的である。 大規模sci-Plex実験におけるハッシュベースの細胞標識化を示している。これは理論的には単に96ウェルのハッシュオリゴで実装できるが、代わりに768を使用した。これは、プレートとウェルハッシュオリゴの39,936個の可能なペアリングのうち、少数(12.5%)の組み合わせのみが「正当」と予想され、ほとんどが予想外「不当」であったことを意味する。 大規模sci-Plex実験におけるハッシュベースの細胞標識化を示している。プレートとウェルハッシュオリゴの観察されたペアリングは、「正当」な組み合わせで強く濃縮された。 大規模sci-Plex実験におけるハッシュベースの細胞標識化を示している。大規模sci-Plex実験の単一のRTウェル内に播種されたHEK293T及びNIH3T3細胞の散布グラフ。 大規模sci-Plex実験におけるハッシュベースの細胞標識化を示している。E-H)ウェルハッシュオリゴ(パネルE及びF)及びプレートハッシュオリゴ(パネルG及びH)に使用されるハッシュUMI(パネルE及びG)及び濃縮比(パネルF及びH)カットオフ。濃縮比カットオフは、5倍を超える濃縮に対応する。ハッシュUMIのカットオフは、>5に対応する。 大規模sci-Plex実験におけるハッシュベースの細胞標識化を示している。E-H)ウェルハッシュオリゴ(パネルE及びF)及びプレートハッシュオリゴ(パネルG及びH)に使用されるハッシュUMI(パネルE及びG)及び濃縮比(パネルF及びH)カットオフ。濃縮比カットオフは、5倍を超える濃縮に対応する。ハッシュUMIのカットオフは、>5に対応する。 大規模sci-Plex実験におけるハッシュベースの細胞標識化を示している。E-H)ウェルハッシュオリゴ(パネルE及びF)及びプレートハッシュオリゴ(パネルG及びH)に使用されるハッシュUMI(パネルE及びG)及び濃縮比(パネルF及びH)カットオフ。濃縮比カットオフは、5倍を超える濃縮に対応する。ハッシュUMIのカットオフは、>5に対応する。 大規模sci-Plex実験におけるハッシュベースの細胞標識化を示している。E-H)ウェルハッシュオリゴ(パネルE及びF)及びプレートハッシュオリゴ(パネルG及びH)に使用されるハッシュUMI(パネルE及びG)及び濃縮比(パネルF及びH)カットオフ。濃縮比カットオフは、5倍を超える濃縮に対応する。ハッシュUMIのカットオフは、>5に対応する。
大規模sci-Plex実験の品質管理メトリックを示している。3つの細胞株のそれぞれについて、ハッシュ及びRNA UMIカットオフフィルタを通過した細胞に対するRNA UMIの数の対数スケールの箱ひげ図。 大規模sci-Plex実験の品質管理メトリックを示している。3つの細胞株のそれぞれについての複製間の遺伝子についてのサイズ係数正規化カウントの相関。黒い線は、y=xを示す。赤い線は、示されているピアソン相関との適合である。 大規模sci-Plex実験の品質管理メトリックを示している。A549、K562、及びMCF7細胞の各複製内の8つのビヒクル対照ウェルのそれぞれから回収されたビヒクル細胞の数を示す箱ひげ図。
細胞を化合物に曝露することにより、細胞クラスターにわたってそれらの分布が変化することを示している。各Louvainコミュニティ内のビヒクル対照細胞と比較して、特定の薬物で処理された細胞の対数変換率を示すヒートマップ。列はPCA空間内のクラスターに対応し(図13A-Cを参照)、行は化合物に対応し、経路及びターゲットによって注釈が付けられている。灰色のエントリは、対応するクラスター内のビヒクルに対して有意に濃縮又は枯渇していない化合物を示す(Fisherの正確な試験、FDR<1%)。 細胞を化合物に曝露することにより、細胞クラスターにわたってそれらの分布が変化することを示している。各Louvainコミュニティ内のビヒクル対照細胞と比較して、特定の薬物で処理された細胞の対数変換率を示すヒートマップ。列はPCA空間内のクラスターに対応し(図13A-Cを参照)、行は化合物に対応し、経路及びターゲットによって注釈が付けられている。灰色のエントリは、対応するクラスター内のビヒクルに対して有意に濃縮又は枯渇していない化合物を示す(Fisherの正確な試験、FDR<1%)。 細胞を化合物に曝露することにより、細胞クラスターにわたってそれらの分布が変化することを示している。各Louvainコミュニティ内のビヒクル対照細胞と比較して、特定の薬物で処理された細胞の対数変換率を示すヒートマップ。列はPCA空間内のクラスターに対応し(図13A-Cを参照)、行は化合物に対応し、経路及びターゲットによって注釈が付けられている。灰色のエントリは、対応するクラスター内のビヒクルに対して有意に濃縮又は枯渇していない化合物を示す(Fisherの正確な試験、FDR<1%)。 細胞を化合物に曝露することにより、細胞クラスターにわたってそれらの分布が変化することを示している。各Louvainコミュニティ内のビヒクル対照細胞と比較して、特定の薬物で処理された細胞の対数変換率を示すヒートマップ。列はPCA空間内のクラスターに対応し(図13A-Cを参照)、行は化合物に対応し、経路及びターゲットによって注釈が付けられている。灰色のエントリは、対応するクラスター内のビヒクルに対して有意に濃縮又は枯渇していない化合物を示す(Fisherの正確な試験、FDR<1%)。
sci-PlexがUMAPクラスター全体の化合物の経路に特異的な濃縮を識別することを示している。A-C)A549(パネルA)、K562(パネルB)及びMCF7(パネルC)細胞についてPCA空間全体の、Louvainコミュニティへの細胞の割り当てによって着色された図3BからのUMAP埋め込み。 sci-PlexがUMAPクラスター全体の化合物の経路に特異的な濃縮を識別することを示している。A-C)A549(パネルA)、K562(パネルB)及びMCF7(パネルC)細胞についてPCA空間全体の、Louvainコミュニティへの細胞の割り当てによって着色された図3BからのUMAP埋め込み。 sci-PlexがUMAPクラスター全体の化合物の経路に特異的な濃縮を識別することを示している。A-C)A549(パネルA)、K562(パネルB)及びMCF7(パネルC)細胞についてPCA空間全体の、Louvainコミュニティへの細胞の割り当てによって着色された図3BからのUMAP埋め込み。 sci-PlexがUMAPクラスター全体の化合物の経路に特異的な濃縮を識別することを示している。図3BからのA549細胞のUMAP埋め込み。糖質コルチコイド受容体(GR)アゴニストであるトリアムシノロンアセトニドで処理された細胞は緑色で強調表示され、他の全ての細胞は灰色で強調表示される。これらの細胞は、パネルAのクラスター18の細胞の大部分(95%)を構成する。 sci-PlexがUMAPクラスター全体の化合物の経路に特異的な濃縮を識別することを示している。合成GRアゴニストトリアムシノロンアセトニドの用量増加の関数としてのGRターゲット遺伝子ANGPTL4及びGDF15を発現するA549細胞のパーセント。 sci-PlexがUMAPクラスター全体の化合物の経路に特異的な濃縮を識別することを示している。F-H)様々な用量のエポチロンA(F)、エポチロンB(G)で処理した細胞によって着色された、又は増殖指数(H)によって着色されたA549細胞のUMAP埋め込み。挿入図は、処理時に誘導された別個の焦点の拡大図を示している。各境界ボックス内の細胞数が最も多い処理は、括弧内の細胞数とともにパネルHに示されている。 sci-PlexがUMAPクラスター全体の化合物の経路に特異的な濃縮を識別することを示している。F-H)様々な用量のエポチロンA(F)、エポチロンB(G)で処理した細胞によって着色された、又は増殖指数(H)によって着色されたA549細胞のUMAP埋め込み。挿入図は、処理時に誘導された別個の焦点の拡大図を示している。各境界ボックス内の細胞数が最も多い処理は、括弧内の細胞数とともにパネルHに示されている。 sci-PlexがUMAPクラスター全体の化合物の経路に特異的な濃縮を識別することを示している。F-H)様々な用量のエポチロンA(F)、エポチロンB(G)で処理した細胞によって着色された、又は増殖指数(H)によって着色されたA549細胞のUMAP埋め込み。挿入図は、処理時に誘導された別個の焦点の拡大図を示している。各境界ボックス内の細胞数が最も多い処理は、括弧内の細胞数とともにパネルHに示されている。
化合物カテゴリー毎に検出された用量依存的に差次的に発現した遺伝子の数を示している。有意な用量依存的に差次的に発現した遺伝子(FDR<0.05)は、細胞株によってグループ化され、ターゲット経路によって着色される。
「疑似バルク」sci-Plexとbulk-RNA-seqとの相関関係を示している。バルクRNA-seqで測定されたタンパク質コード遺伝子のLog10転写産物/百万(TPM)(x軸)と、sci-Plexからのビヒクル処理細胞のサイズ係数で正規化された凝集単一細胞プロファイル(y軸)。A549及びK562細胞の両方について結果を示す。黒い線は、線y=xを示し、青い線は、示されるピアソン相関との線形適合を示す。 「疑似バルク」sci-Plexとbulk-RNA-seqとの相関関係を示している。線形モデルから得られた統計的に有意な推定値を単一細胞データに適合させたもの(x軸)と、DESeq2を使用したバルクRNA-seqから得られた推定値(y軸)を比較する、選択した化合物の散布グラフ。黒い線は、y=xを示す。青い線は、示されているピアソン相関との適合である。
L1000アッセイからの中程度のZスコアが、sci-Plexからの用量依存性ベータと相関していることを示している。選択した化合物-細胞株の組み合わせ(MCF7細胞中のトリコスタチンA)について、8回の用量(y軸)(11)対sci-Plexデータからの用量依存性ベータのそれぞれで24時間処理したL1000アッセイからの中程度のZスコアをプロットした。L1000アッセイの一部であり、sci Plex(p値<0.01)による用量依存効果に有意である全ての遺伝子が示されている。線は、示されているスピアマン相関との適合である。 L1000アッセイからの中程度のZスコアが、sci-Plexからの用量依存性ベータと相関していることを示している。MCF7細胞中の最も高い用量で測定された遺伝子について、LINCS L1000データからの、有意なsci-Plex計算用量依存性ベータとL1000中程度のZスコア値との間のスピアマン相関の箱ひげ図である。化合物は、ターゲットとなる経路によってグループ化されたものとして提示されている。赤い点は、フルベストラントに対応している。 L1000アッセイからの中程度のZスコアが、sci-Plexからの用量依存性ベータと相関していることを示している。パネルAと同様であるが、MCF7細胞中のフルベストラントについてであり、最高用量(10μM)である。 L1000アッセイからの中程度のZスコアが、sci-Plexからの用量依存性ベータと相関していることを示している。パネルBと同様であるが、A549細胞についてである。赤い点は、トリアムシノロンアセトニドに対応している。 L1000アッセイからの中程度のZスコアが、sci-Plexからの用量依存性ベータと相関していることを示している。パネルAと同様であるが、A549細胞中のトリアムシンドアセトニドについてであり、最高用量(10μM)である。
単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。A-C)増殖指数によって着色されたA549(A)、K562(B)、及びMCF7(C)のUMAP投影。高増殖指数は、G1/S相又はG2/M相(43)のマーカーである転写産物の凝集発現の増加を示している。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。A-C)増殖指数によって着色されたA549(A)、K562(B)、及びMCF7(C)のUMAP投影。高増殖指数は、G1/S相又はG2/M相(43)のマーカーである転写産物の凝集発現の増加を示している。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。A-C)増殖指数によって着色されたA549(A)、K562(B)、及びMCF7(C)のUMAP投影。高増殖指数は、G1/S相又はG2/M相(43)のマーカーである転写産物の凝集発現の増加を示している。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。(D-F)化合物処理された細胞(青い塗りつぶし)又はビヒクル処理された細胞(赤い線)の細胞周期分布の密度グラフ。灰色の線は、増殖細胞(カットオフより大きい)と非増殖細胞(カットオフ未満)とを区別するために使用されるカットオフを示している。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。(D-F)化合物処理された細胞(青い塗りつぶし)又はビヒクル処理された細胞(赤い線)の細胞周期分布の密度グラフ。灰色の線は、増殖細胞(カットオフより大きい)と非増殖細胞(カットオフ未満)とを区別するために使用されるカットオフを示している。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。(D-F)化合物処理された細胞(青い塗りつぶし)又はビヒクル処理された細胞(赤い線)の細胞周期分布の密度グラフ。灰色の線は、増殖細胞(カットオフより大きい)と非増殖細胞(カットオフ未満)とを区別するために使用されるカットオフを示している。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。G-I)各薬物の各用量で低増殖と指定された細胞の割合(x軸)とその組み合わせの推定生存率の中央値(y軸)との関係。各黒色点は、同じ用量の所与の薬物で処理された細胞に対応する。赤い点は、ビヒクル処理に対応する。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。G-I)各薬物の各用量で低増殖と指定された細胞の割合(x軸)とその組み合わせの推定生存率の中央値(y軸)との関係。各黒色点は、同じ用量の所与の薬物で処理された細胞に対応する。赤い点は、ビヒクル処理に対応する。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。G-I)各薬物の各用量で低増殖と指定された細胞の割合(x軸)とその組み合わせの推定生存率の中央値(y軸)との関係。各黒色点は、同じ用量の所与の薬物で処理された細胞に対応する。赤い点は、ビヒクル処理に対応する。 単一細胞の測定値が、ビヒクル処理された細胞における、及び各薬物の各用量にわたる増殖状態の変化を明らかにすることを示している。ビヒクル処理細胞の高画分と低画分との間で有意(q値<0.01)に差次的に発現した遺伝子のlog2倍変化を示すボルケーノグラフ。
単一細胞の測定により、薬物と用量の組み合わせにわたる増殖状態及び生存率の推定が可能になることを示している。ヒートマップは、相対増殖速度の推定値、低増殖指数を示す細胞の割合、及び各用量(列)対における各化合物(行)の推定生存率を示している。 単一細胞の測定により、薬物と用量の組み合わせにわたる増殖状態及び生存率の推定が可能になることを示している。ヒートマップは、相対増殖速度の推定値、低増殖指数を示す細胞の割合、及び各用量(列)対における各化合物(行)の推定生存率を示している。
sci-Plexが、増殖及び非増殖細胞集団の分析を可能にすることを示している。細胞状態の変化(頂部)及び亜集団の相対的な頻度の変化(底部)が、サンプルをバルクRNA-seqなどの凝集体測定にかける際に同一に見える様子を示す概略図。参考文献(14)から改作。 sci-Plexが、増殖及び非増殖細胞集団の分析を可能にすることを示している。B、C)各細胞株(パネルB)及び薬物クラス(パネルC)についての、高増殖指数細胞と低増殖指数細胞から推定される用量依存性効果量間のピアソン相関。 sci-Plexが、増殖及び非増殖細胞集団の分析を可能にすることを示している。B、C)各細胞株(パネルB)及び薬物クラス(パネルC)についての、高増殖指数細胞と低増殖指数細胞から推定される用量依存性効果量間のピアソン相関。 sci-Plexが、増殖及び非増殖細胞集団の分析を可能にすることを示している。4つの選択された化合物について、高(βdh)対低(βdl)増殖指数細胞から推定される遺伝子毎の効果量。効果量は、切片に対するlog2変換された倍率変化として表される。4つのクラスの遺伝子が示されている。これらは、高増殖指数細胞(緑)のみ、低増殖指数細胞(紫)のみ、調和性効果推定値(赤)を有する高細胞及び低細胞の両方、非調和性効果推定値(青)を有する高及び低細胞の両方に有意である。|βdh-βdl|が1/2(|βdh|+βdl|)の10パーセント未満である場合、薬物は、高細胞(βdh)及び低細胞(βdh)中の遺伝子hに対する調和性用量依存性効果を有した。黒い線は、y=xを示す。
sci-Plex画面が、検証実験と直交データセット間で再現可能な生存率及びと発現シグネチャーを識別することを示している。ビヒクル又は増加する用量のSrc/Abl阻害剤ボスチニブ(n=6培養複製、ウィルコクソン順位和検定)に曝露されたK562(赤)、A549(青)及びMCF7(緑)細胞の細胞数生存率の推定値。各細胞株について、細胞数値を、ビヒクル対照処理細胞の平均細胞数値に対して正規化した。エラーバーは、平均の標準誤差を表し、n=8である。 sci-Plex画面が、検証実験と直交データセット間で再現可能な生存率及びと発現シグネチャーを識別することを示している。Abl阻害剤AZD0530(左パネル)又はニロチニブ(右パネル)に曝露された癌細胞株エンサイクロペディア(CCLE)から生存率推定が利用可能である、造血及びリンパ系、肺及び胸部組織由来の細胞株のEC50値。 sci-Plex画面が、検証実験と直交データセット間で再現可能な生存率及びと発現シグネチャーを識別することを示している。C-E)全細胞株(要約、パネルC)又はA549(パネルD)及びMCF7(パネルE)細胞個々についての、CMAPデータベースからのMEK及びHSP阻害剤の上位接続性スコア(異なる薬物(11、12)によって誘導される転写シグネチャー間の類似性を要約する測定値)。+/-90の接続性スコアカットオフを、(11)のように適用した。 sci-Plex画面が、検証実験と直交データセット間で再現可能な生存率及びと発現シグネチャーを識別することを示している。C-E)全細胞株(要約、パネルC)又はA549(パネルD)及びMCF7(パネルE)細胞個々についての、CMAPデータベースからのMEK及びHSP阻害剤の上位接続性スコア(異なる薬物(11、12)によって誘導される転写シグネチャー間の類似性を要約する測定値)。+/-90の接続性スコアカットオフを、(11)のように適用した。 sci-Plex画面が、検証実験と直交データセット間で再現可能な生存率及びと発現シグネチャーを識別することを示している。C-E)全細胞株(要約、パネルC)又はA549(パネルD)及びMCF7(パネルE)細胞個々についての、CMAPデータベースからのMEK及びHSP阻害剤の上位接続性スコア(異なる薬物(11、12)によって誘導される転写シグネチャー間の類似性を要約する測定値)。+/-90の接続性スコアカットオフを、(11)のように適用した。
sci-Plexスクリーン同定されたA549細胞に対する化合物駆動分子シグネチャーの相関関係を示している。ヒートマップは、スクリーニングされた化合物の全てのペア別の組み合わせについて、用量依存的に差次的に発現した遺伝子にわたるベータ係数のピアソン相関を示している。視覚化を支援するために、ピアソン相関は0.6に制限した。
sci-Plexスクリーン同定されたK562細胞に対する化合物駆動分子シグネチャーの相関関係を示している。ヒートマップは、スクリーニングされた化合物の全てのペア別の組み合わせについて、用量依存的に差次的に発現した遺伝子にわたるベータ係数のピアソン相関を示している。視覚化を支援するために、ピアソン相関は0.6に制限した。
sci-Plexスクリーン同定されたMCF7細胞に対する化合物駆動分子シグネチャーの相関関係を示している。ヒートマップは、スクリーニングされた化合物の全てのペア別の組み合わせについて、用量依存的に差次的に発現した遺伝子にわたるベータ係数のピアソン相関を示している。視覚化を支援するために、ピアソン相関は0.6に制限した。
化合物駆動分子シグネチャーの相関のクラスター図を示している。クラスター図は、A549(A)、K562(B)及びMCF7(C)細胞についてスクリーニングされた化合物の全てのペア別の組み合わせについて、用量依存的に差次的に発現した遺伝子にわたるベータ係数のピアソン相関を示している。化合物名は、対象となる経路によって着色されている。 化合物駆動分子シグネチャーの相関のクラスター図を示している。クラスター図は、A549(A)、K562(B)及びMCF7(C)細胞についてスクリーニングされた化合物の全てのペア別の組み合わせについて、用量依存的に差次的に発現した遺伝子にわたるベータ係数のピアソン相関を示している。化合物名は、対象となる経路によって着色されている。 化合物駆動分子シグネチャーの相関のクラスター図を示している。クラスター図は、A549(A)、K562(B)及びMCF7(C)細胞についてスクリーニングされた化合物の全てのペア別の組み合わせについて、用量依存的に差次的に発現した遺伝子にわたるベータ係数のピアソン相関を示している。化合物名は、対象となる経路によって着色されている。
各遺伝子の発現に対する用量依存的効果に基づく薬物のUMAP埋め込みを示している。各薬物は、全ての遺伝子についての効果推定値(方法を参照)のベクトルとしてUMAPに提供された。点の形状は細胞型に対応し、色は化合物の部類に暮らすに対応している。
用量依存的効果に基づく薬物のPCA埋め込み間のペア別の距離を示している。A)PCA縮小次元空間内の特定の薬物(行)の2つの細胞型(列)間のペア別の距離のヒートマップ。各薬物に対する細胞型特異的応答を視覚化するために、階層的にクラスター化されている。B)ヒートマップの強調表示された部分の挿入図。左側に経路注釈が示されている。赤い矢印で強調された特定の化合物は、UMAP埋め込みとして右側(C-E)に示されている。F)A549及びK562の共局在を示すために、トラメチニブ処理細胞株が強調されている。色付きの点は標識された化合物に対応し、他の全ての薬物は灰色で示されている。形状は、各効果プロファイルが捕捉された細胞株をエンコードする(正方形:MCF7、三角形:K562、円:A549)。 用量依存的効果に基づく薬物のPCA埋め込み間のペア別の距離を示している。A)PCA縮小次元空間内の特定の薬物(行)の2つの細胞型(列)間のペア別の距離のヒートマップ。各薬物に対する細胞型特異的応答を視覚化するために、階層的にクラスター化されている。B)ヒートマップの強調表示された部分の挿入図。左側に経路注釈が示されている。赤い矢印で強調された特定の化合物は、UMAP埋め込みとして右側(C-E)に示されている。F)A549及びK562の共局在を示すために、トラメチニブ処理細胞株が強調されている。色付きの点は標識された化合物に対応し、他の全ての薬物は灰色で示されている。形状は、各効果プロファイルが捕捉された細胞株をエンコードする(正方形:MCF7、三角形:K562、円:A549)。 用量依存的効果に基づく薬物のPCA埋め込み間のペア別の距離を示している。A)PCA縮小次元空間内の特定の薬物(行)の2つの細胞型(列)間のペア別の距離のヒートマップ。各薬物に対する細胞型特異的応答を視覚化するために、階層的にクラスター化されている。B)ヒートマップの強調表示された部分の挿入図。左側に経路注釈が示されている。赤い矢印で強調された特定の化合物は、UMAP埋め込みとして右側(C-E)に示されている。F)A549及びK562の共局在を示すために、トラメチニブ処理細胞株が強調されている。色付きの点は標識された化合物に対応し、他の全ての薬物は灰色で示されている。形状は、各効果プロファイルが捕捉された細胞株をエンコードする(正方形:MCF7、三角形:K562、円:A549)。 用量依存的効果に基づく薬物のPCA埋め込み間のペア別の距離を示している。A)PCA縮小次元空間内の特定の薬物(行)の2つの細胞型(列)間のペア別の距離のヒートマップ。各薬物に対する細胞型特異的応答を視覚化するために、階層的にクラスター化されている。B)ヒートマップの強調表示された部分の挿入図。左側に経路注釈が示されている。赤い矢印で強調された特定の化合物は、UMAP埋め込みとして右側(C-E)に示されている。F)A549及びK562の共局在を示すために、トラメチニブ処理細胞株が強調されている。色付きの点は標識された化合物に対応し、他の全ての薬物は灰色で示されている。形状は、各効果プロファイルが捕捉された細胞株をエンコードする(正方形:MCF7、三角形:K562、円:A549)。 用量依存的効果に基づく薬物のPCA埋め込み間のペア別の距離を示している。A)PCA縮小次元空間内の特定の薬物(行)の2つの細胞型(列)間のペア別の距離のヒートマップ。各薬物に対する細胞型特異的応答を視覚化するために、階層的にクラスター化されている。B)ヒートマップの強調表示された部分の挿入図。左側に経路注釈が示されている。赤い矢印で強調された特定の化合物は、UMAP埋め込みとして右側(C-E)に示されている。F)A549及びK562の共局在を示すために、トラメチニブ処理細胞株が強調されている。色付きの点は標識された化合物に対応し、他の全ての薬物は灰色で示されている。形状は、各効果プロファイルが捕捉された細胞株をエンコードする(正方形:MCF7、三角形:K562、円:A549)。 用量依存的効果に基づく薬物のPCA埋め込み間のペア別の距離を示している。A)PCA縮小次元空間内の特定の薬物(行)の2つの細胞型(列)間のペア別の距離のヒートマップ。各薬物に対する細胞型特異的応答を視覚化するために、階層的にクラスター化されている。B)ヒートマップの強調表示された部分の挿入図。左側に経路注釈が示されている。赤い矢印で強調された特定の化合物は、UMAP埋め込みとして右側(C-E)に示されている。F)A549及びK562の共局在を示すために、トラメチニブ処理細胞株が強調されている。色付きの点は標識された化合物に対応し、他の全ての薬物は灰色で示されている。形状は、各効果プロファイルが捕捉された細胞株をエンコードする(正方形:MCF7、三角形:K562、円:A549)。
HDAC阻害剤の軌道が、薬物応答及び生化学的親和性における細胞の不均一性を捕捉することを示している。17個のHDAC阻害剤のうちの1つで処理された細胞の転写プロファイルのMNNアラインメント及びUMAP埋め込み。疑似投与根は赤い点で表示されている。 HDAC阻害剤の軌道が、薬物応答及び生化学的親和性における細胞の不均一性を捕捉することを示している。様々な生化学的親和性を有する3つのHDAC阻害剤について示される、用量別の疑似投与に沿った細胞の分布を示すリッジグラフ。 HDAC阻害剤の軌道が、薬物応答及び生化学的親和性における細胞の不均一性を捕捉することを示している。インビトロ測定値からのTC50及び平均log10(IC50)との関係。アスタリスクは、適合に含まれなかった溶解度200mM未満(DMSO中)の化合物を示している。
HDAC阻害剤で処理された細胞型が整列し、共同疑似投与軌道再建を可能にすることを示している。相互に最も近い隣接整列HDAC阻害剤とビヒクル処理細胞上の再構築された疑似投与軌道を強調するUMAP埋め込み。根ノード(赤い点)は、主要グラフのノードとして選択され、最近傍の50%以上がビヒクル処理細胞として注釈が付けられている。 HDAC阻害剤で処理された細胞型が整列し、共同疑似投与軌道再建を可能にすることを示している。埋め込み内の各細胞株の分布。 HDAC阻害剤で処理された細胞型が整列し、共同疑似投与軌道再建を可能にすることを示している。各用量で処理された細胞によって占有された各疑似投与ビンの割合を示す棒グラフ。 HDAC阻害剤で処理された細胞型が整列し、共同疑似投与軌道再建を可能にすることを示している。各化合物で処理された細胞によって占有された各疑似投与ビンの割合を示す棒グラフ。 HDAC阻害剤で処理された細胞型が整列し、共同疑似投与軌道再建を可能にすることを示している。各細胞株に対応する各疑似投与ビン内の割合。
リッジグラフが、HDACの軌跡に局所化された化合物の、各HDAC阻害剤及び用量組み合わせに対する疑似投与に沿った細胞の分布を示している。 リッジグラフが、HDACの軌跡に局所化された化合物の、各HDAC阻害剤及び用量組み合わせに対する疑似投与に沿った細胞の分布を示している。 リッジグラフが、HDACの軌跡に局所化された化合物の、各HDAC阻害剤及び用量組み合わせに対する疑似投与に沿った細胞の分布を示している。
薬物曝露の72時間後の細胞増殖の接触阻害を示している。ビヒクル(A)又は特定の用量のSIRT1活性化剤SRT2104(B)又はHDAC阻害剤アベキシノスタット(C)に曝露されたA549細胞の代表的な明視野画像。ビヒクル対照ウェルの細胞数に対して正規化された各薬物/投与量の組み合わせについて、回収された細胞数によって決定される生存率推定値。 薬物曝露の72時間後の細胞増殖の接触阻害を示している。ビヒクル(A)又は特定の用量のSIRT1活性化剤SRT2104(B)又はHDAC阻害剤アベキシノスタット(C)に曝露されたA549細胞の代表的な明視野画像。ビヒクル対照ウェルの細胞数に対して正規化された各薬物/投与量の組み合わせについて、回収された細胞数によって決定される生存率推定値。 薬物曝露の72時間後の細胞増殖の接触阻害を示している。ビヒクル(A)又は特定の用量のSIRT1活性化剤SRT2104(B)又はHDAC阻害剤アベキシノスタット(C)に曝露されたA549細胞の代表的な明視野画像。ビヒクル対照ウェルの細胞数に対して正規化された各薬物/投与量の組み合わせについて、回収された細胞数によって決定される生存率推定値。
処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(A-C)生存率及び増殖における差異の補正がない場合の処理後24時間及び72時間でのA549細胞のUMAP埋め込み(A)、増殖指数及び生存率の変化を考慮したデータの線形変換後(B)、及び線形変換後のデータの相互最近傍ベースのアライメント後(C)。細胞は、それらが収集された時点で着色されている。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(A-C)生存率及び増殖における差異の補正がない場合の処理後24時間及び72時間でのA549細胞のUMAP埋め込み(A)、増殖指数及び生存率の変化を考慮したデータの線形変換後(B)、及び線形変換後のデータの相互最近傍ベースのアライメント後(C)。細胞は、それらが収集された時点で着色されている。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(A-C)生存率及び増殖における差異の補正がない場合の処理後24時間及び72時間でのA549細胞のUMAP埋め込み(A)、増殖指数及び生存率の変化を考慮したデータの線形変換後(B)、及び線形変換後のデータの相互最近傍ベースのアライメント後(C)。細胞は、それらが収集された時点で着色されている。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(D-F)細胞がG1/Sマーカー遺伝子の正規化された発現スコアの集計によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(D-F)細胞がG1/Sマーカー遺伝子の正規化された発現スコアの集計によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(D-F)細胞がG1/Sマーカー遺伝子の正規化された発現スコアの集計によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(G-I)細胞がG2/Mマーカー遺伝子の正規化された発現スコアの集計によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(G-I)細胞がG2/Mマーカー遺伝子の正規化された発現スコアの集計によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(G-I)細胞がG2/Mマーカー遺伝子の正規化された発現スコアの集計によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(J-L)細胞が増殖指数によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(J-L)細胞が増殖指数によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(J-L)細胞が増殖指数によって着色されている、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(M-O)ビヒクル対照で処理された細胞のみを視覚化する、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(M-O)ビヒクル対照で処理された細胞のみを視覚化する、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。(M-O)ビヒクル対照で処理された細胞のみを視覚化する、パネルA-CのようなUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。細胞が、曝露された処理によって対象となる経路と同様に着色されている、パネルCからのUMAP埋め込み。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。対象となる経路によって破壊された細胞の割合。限定された数の経路にわたって、188個の化合物のサブセットのみを72時間で試験したことに注意されたい。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。エピジェネティックな調節化合物での処理によって、標的とされる活性によって破壊された細胞の割合。 処理後24時間及び72時間でのA549細胞の整列が、多様な小分子に対する時間依存性応答を明らかにしていることを示している。HDAC化合物によって破壊された細胞の割合。
ブロモドメイン阻害、サーチュイン活性化、及びヒストンデアセチラーゼ阻害が、特徴的なトランスクリプトーム応答を誘導することを示している。(A-D)pan-HDAC阻害剤アベキシノスタット(A)又はベリノタット(B)、ブロモドメイン阻害剤JQ1(C)、及びSIRT1活性化剤SRT2104(D)での処理から24時間及び72時間後の、MNN整列A549細胞のUMAP埋め込み。細胞は、各細胞が曝露された用量によって着色されている。 ブロモドメイン阻害、サーチュイン活性化、及びヒストンデアセチラーゼ阻害が、特徴的なトランスクリプトーム応答を誘導することを示している。(A-D)pan-HDAC阻害剤アベキシノスタット(A)又はベリノタット(B)、ブロモドメイン阻害剤JQ1(C)、及びSIRT1活性化剤SRT2104(D)での処理から24時間及び72時間後の、MNN整列A549細胞のUMAP埋め込み。細胞は、各細胞が曝露された用量によって着色されている。 ブロモドメイン阻害、サーチュイン活性化、及びヒストンデアセチラーゼ阻害が、特徴的なトランスクリプトーム応答を誘導することを示している。(A-D)pan-HDAC阻害剤アベキシノスタット(A)又はベリノタット(B)、ブロモドメイン阻害剤JQ1(C)、及びSIRT1活性化剤SRT2104(D)での処理から24時間及び72時間後の、MNN整列A549細胞のUMAP埋め込み。細胞は、各細胞が曝露された用量によって着色されている。 ブロモドメイン阻害、サーチュイン活性化、及びヒストンデアセチラーゼ阻害が、特徴的なトランスクリプトーム応答を誘導することを示している。(A-D)pan-HDAC阻害剤アベキシノスタット(A)又はベリノタット(B)、ブロモドメイン阻害剤JQ1(C)、及びSIRT1活性化剤SRT2104(D)での処理から24時間及び72時間後の、MNN整列A549細胞のUMAP埋め込み。細胞は、各細胞が曝露された用量によって着色されている。
HDAC阻害剤の大部分に対する不均質な応答が、セルラ非同期によって引き起こされているようには見えないことを示している。ビヒクルHDAC阻害剤に24又は72時間曝露された細胞の、整列したUMAP埋め込み。細胞は、疑似投与に沿った進行によって着色されている。 HDAC阻害剤の大部分に対する不均質な応答が、セルラ非同期によって引き起こされているようには見えないことを示している。ビヒクル(灰色の細胞)又は標識されたHDAC阻害剤に24時間(赤い細胞)又は72時間(青い細胞)曝露された細胞の整列したUMAP埋め込み。 HDAC阻害剤の大部分に対する不均質な応答が、セルラ非同期によって引き起こされているようには見えないことを示している。整列した疑似投与軌道に沿ったHDAC阻害剤に曝露されたA549細胞の密度を示すリッジグラフ。結果は、24時間及び72時間の両方でアッセイした8個のHDAC阻害剤について表示されている。灰色及び色で塗りつぶされた線は、それぞれ24時間又は72時間阻害剤で曝露された細胞を示している。
HDAC阻害剤で処理された細胞の転写軌道が、インビトロIC50測定値に対応することを示している。各化合物及び各細胞株について、drc Rパッケージを使用して疑似投与反応曲線を適合させた。疑似投与軌道に沿った各用量の平均位置を応答として使用した。ベリノスタット(上部)及びトリコスタチンA(TSA)(下部)の2つの例示的な実施例が示されている。点線の垂直線は、各細胞株における各化合物の転写EC50(TC50)を示している。灰色の網掛け部分は、各TC50推定の95%信頼区間を示している。 HDAC阻害剤で処理された細胞の転写軌道が、インビトロIC50測定値に対応することを示している。Selleckchem Chemicals社により供給される、溶解度によって着色されたlog10(IC50[M])対log(TC50)のインビトロで測定された凝集体の平均を示すプロット。()として表示された点は、適合のためには使用されなかった。 HDAC阻害剤で処理された細胞の転写軌道が、インビトロIC50測定値に対応することを示している。HDACアイソフォーム毎のlog10(IC50[M])対log(TC50)。各点は、使用されるHDAC阻害剤によって着色されている。
増殖及び代謝の疑似投与依存性モジュールを特定する線形モデルを示している。有意な用量依存性及び疑似投与依存性DEGの総数(FDR<0.05)の棒グラフ。 増殖及び代謝の疑似投与依存性モジュールを特定する線形モデルを示している。3つの細胞型間の有意な疑似投与依存性DEGの交点を表示するアップセットプロット。 増殖及び代謝の疑似投与依存性モジュールを特定する線形モデルを示している。疑似投与の機能として有意に変化した4,308個の遺伝子を示す疑似投与ヒートマップ。各行は、本方法の「差次的発現分析」部分に記載のモデルによって適合された3つの細胞株における遺伝子の予想される発現に対応している。遺伝子(行)は、3つのマトリックスを結合して階層的クラスタリングを実行する前に、各細胞株内でスケーリング及び標準化した。階層的クラスタリングからのクラスターを、Hallmark社の遺伝子セットコレクションを使用してGSAhighperへの入力として使用した。各クラスターを特徴付ける選択された遺伝子及び遺伝子セットが示されている(右側)。
HDAC阻害剤処理が、3つ全ての細胞株において細胞周期を停止させることを示している。疑似投与ビンにわたるAURKA及びCDKN1AのRNAを発現する細胞の割合。黒いバーは、ブートストラップされた95%信頼区間を示している。 HDAC阻害剤処理が、3つ全ての細胞株において細胞周期を停止させることを示している。疑似投与ビンにわたる所与の薬物用量における低増殖画分中の細胞の割合を示す箱ひげ図。 HDAC阻害剤処理が、3つ全ての細胞株において細胞周期を停止させることを示している。DMSO(上部)又は10μMのアベキシノスタット(底部)で処理した際の3つの細胞株のDNA含有量分析。 HDAC阻害剤処理が、3つ全ての細胞株において細胞周期を停止させることを示している。各DNA含有カテゴリー内の細胞数を示すフローサイトメトリーデータの定量化。
HDAC阻害剤への曝露がアセチル化リジンの形態でのアセテートの隔離をもたらすことを示している。10μMのプラシノスタット、10μMpのアベキシノスタット又はビヒクル対照に曝露されたA549(左パネル)、MCF7(中央パネル)及びK562(右パネル)細胞における総細胞アセチル化リジンのフローサイトメトリー測定値の定量化。エラーバーは、平均(ウィルコクソン順位和検定、n=3培養複製、p<0.05、***p<0.005)の標準偏差を示している。パネルAで定量化された実験の代表的なフローサイトメトリーヒストグラム。青い網掛け部分と赤い線は、それぞれDMSOビヒクル対照と10μMのアベキシノスタットに対応している。 HDAC阻害剤への曝露がアセチル化リジンの形態でのアセテートの隔離をもたらすことを示している。10μMのプラシノスタット、10μMpのアベキシノスタット又はビヒクル対照に曝露されたA549(左パネル)、MCF7(中央パネル)及びK562(右パネル)細胞における総細胞アセチル化リジンのフローサイトメトリー測定値の定量化。エラーバーは、平均(ウィルコクソン順位和検定、n=3培養複製、p<0.05、***p<0.005)の標準偏差を示している。パネルAで定量化された実験の代表的なフローサイトメトリーヒストグラム。青い網掛け部分と赤い線は、それぞれDMSOビヒクル対照と10μMのアベキシノスタットに対応している。
アセチル-CoAの欠乏を示すHDAC阻害剤共有転写応答を示している。細胞の炭素代謝に関与する疑似投与依存性遺伝子の上方調節を示す、行中心及びzスケールの遺伝子発現のヒートマップ。 アセチル-CoAの欠乏を示すHDAC阻害剤共有転写応答を示している。細胞質アセチル-CoA調節における(A)からの遺伝子の役割の図。赤い円はアセチル基を示している。酵素は灰色で示されている。トランスポーターは緑色で示されている(FA、脂肪酸、Ac-CoA、acetyl-CoA、C、クエン酸)。
アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。 アセチル-CoA前駆体の補充が減少する一方で、アセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害が悪化し、HDAC阻害剤の疑似投与軌道に沿った進行を示すことを示している。A-D)アセチルCoA前駆体又はアセチル-CoAプールを補充する酵素の阻害剤の存在下又は非存在下での、HDAC阻害剤プラシノスタット又はアベキシノスタットへの曝露後の、A549(パネルA及びB)及びMCF7(パネルC及びD)単一細胞トランスクリプトームのUMAP埋め込み。UMAPは、実験中の全ての条件の細胞から構築された。細胞は、疑似投与ビン(パネルA及びC)又は用量(パネルB及びD)によって着色されている。E)この新たな実験からの、当初のHDACi軌道対A549又はMCF7 HDACi軌道間の軌道にわたる差次的に発現した遺伝子の重複のベン図。F、H)A549(パネルH)又はMCF7(パネルL)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、1又は10μMのプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化されている。ウィルコクソン順位和検定。G、I)A549(パネルI)又はMCF7(パネルM)細胞に対するアセチル-coA前駆体での共処理の有無にかかわらず、ビヒクル及びプラノスタットに曝露された細胞の選択条件に関する疑似投与推定値の箱ひげ図。値は、ビヒクル処理された細胞に対して正規化された。ウィルコクソン順位和検定。J、L)プラシノスタットに曝露されたA549(F)又はMCF7(J)細胞で、様々なアセチル-coA前駆体に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。K、M)プラシノスタットに曝露されたA549(パネルG)及びMCF7(パネルK)細胞のアセチル-coAプールを補充する酵素を標的とする様々な阻害剤に曝露された細胞の疑似投与ビン当たりの細胞の割合を示すヒートマップ。
元のスクリーニング対新たな実験からのHDAC阻害後の差次的に発現した遺伝子間の効果量の相関を示している。A-B)ビヒクル対照と10μMのアベキシノスタット(パネルA)又はA549細胞の10μMのプラシノスタット(パネルB)間の差次的に発現した遺伝子についての効果量推定値(ベータ係数)の相関。C-D)ビヒクル対照と10μMのアベキシノスタット(パネルC)又はMCF7細胞の10μMのプラシノスタット(パネルD)間の差次的に発現した遺伝子についての効果量推定値(ベータ係数)の相関。X軸は、大規模sci-Plex実験に対応している。Y軸は、ターゲット化されたフォローアップsci-Plex実験に対応している。 元のスクリーニング対新たな実験からのHDAC阻害後の差次的に発現した遺伝子間の効果量の相関を示している。A-B)ビヒクル対照と10μMのアベキシノスタット(パネルA)又はA549細胞の10μMのプラシノスタット(パネルB)間の差次的に発現した遺伝子についての効果量推定値(ベータ係数)の相関。C-D)ビヒクル対照と10μMのアベキシノスタット(パネルC)又はMCF7細胞の10μMのプラシノスタット(パネルD)間の差次的に発現した遺伝子についての効果量推定値(ベータ係数)の相関。X軸は、大規模sci-Plex実験に対応している。Y軸は、ターゲット化されたフォローアップsci-Plex実験に対応している。 元のスクリーニング対新たな実験からのHDAC阻害後の差次的に発現した遺伝子間の効果量の相関を示している。A-B)ビヒクル対照と10μMのアベキシノスタット(パネルA)又はA549細胞の10μMのプラシノスタット(パネルB)間の差次的に発現した遺伝子についての効果量推定値(ベータ係数)の相関。C-D)ビヒクル対照と10μMのアベキシノスタット(パネルC)又はMCF7細胞の10μMのプラシノスタット(パネルD)間の差次的に発現した遺伝子についての効果量推定値(ベータ係数)の相関。X軸は、大規模sci-Plex実験に対応している。Y軸は、ターゲット化されたフォローアップsci-Plex実験に対応している。 元のスクリーニング対新たな実験からのHDAC阻害後の差次的に発現した遺伝子間の効果量の相関を示している。A-B)ビヒクル対照と10μMのアベキシノスタット(パネルA)又はA549細胞の10μMのプラシノスタット(パネルB)間の差次的に発現した遺伝子についての効果量推定値(ベータ係数)の相関。C-D)ビヒクル対照と10μMのアベキシノスタット(パネルC)又はMCF7細胞の10μMのプラシノスタット(パネルD)間の差次的に発現した遺伝子についての効果量推定値(ベータ係数)の相関。X軸は、大規模sci-Plex実験に対応している。Y軸は、ターゲット化されたフォローアップsci-Plex実験に対応している。
コンビナトリアルインデクシング方法による、多重化された単一細胞ATAC-seqが核標識(ハッシュ)及びアクセス可能なクロマチンを共アッセイするところを示している。個々のサンプルからの細胞は、別々のウェルで増殖及び処理される。処理ウェル内で、細胞を溶解させ、核を単離した。ウェル特異的一本鎖DNAオリゴ標識を各ウェルに添加し、核内の標識を固定する。次いで、全てのサンプルからの核を、下流のコンビナトリアルインデクシングステップのためにプールする。 コンビナトリアルインデクシング方法による、多重化された単一細胞ATAC-seqが核標識(ハッシュ)及びアクセス可能なクロマチンを共アッセイするところを示している。コンビナトリアルインデクシングが同じ分子インデックスを核内の標識及びアクセス可能なDNAに追加する方法の概略図。 コンビナトリアルインデクシング方法による、多重化された単一細胞ATAC-seqが核標識(ハッシュ)及びアクセス可能なクロマチンを共アッセイするところを示している。回収された標識は、バーンヤード混合実験でマウス(NIH-3T3)又はヒト(A549)細胞のみを含むサンプルから細胞を正しく識別する。 コンビナトリアルインデクシング方法による、多重化された単一細胞ATAC-seqが核標識(ハッシュ)及びアクセス可能なクロマチンを共アッセイするところを示している。複数の標識を含む核は、二重項を表している。 コンビナトリアルインデクシング方法による、多重化された単一細胞ATAC-seqが核標識(ハッシュ)及びアクセス可能なクロマチンを共アッセイするところを示している。細胞毎に回収された標識UMIの数の分布。赤い線は、下流の分析に細胞を含めるためのカットオフ要件を表している。 コンビナトリアルインデクシング方法による、多重化された単一細胞ATAC-seqが核標識(ハッシュ)及びアクセス可能なクロマチンを共アッセイするところを示している。細胞当たりの標識濃縮比の分布。細胞の濃縮比は、核内で2番目に豊富な標識の数で割った最も豊富な標識の数を反映している。赤い線の下の細胞(濃縮比<5)を二重項と呼ぶ。
単一細胞から処理群へのクロマチンプロファイルのペアリングを可能にする標識化戦略を示している。実験計画。 単一細胞から処理群へのクロマチンプロファイルのペアリングを可能にする標識化戦略を示している。標識によって決定された、処理によって着色された全ての回収された細胞の均一な多様体近似及び投影(UMAP)表現。2つの細胞間の距離は、アクセス可能なクロマチンランドスケープの差の程度を示していることに留意されたい。 単一細胞から処理群へのクロマチンプロファイルのペアリングを可能にする標識化戦略を示している。各薬物に対する用量応答曲線は、各処理用量から回収された細胞の数に適合する。 単一細胞から処理群へのクロマチンプロファイルのペアリングを可能にする標識化戦略を示している。標識によって決定された用量で着色された各薬物処理群からの細胞のUMAP表現。 単一細胞から処理群へのクロマチンプロファイルのペアリングを可能にする標識化戦略を示している。SAHAの用量を増加して処理した細胞からの、疑似バルクATACプロファイルを示すブラウザトラック。
ハッシュオリゴのラダーが核によって捕捉され、sci-RNA-seq実験の外部標準として機能することを示している。ハッシュラダー法の実験概要。核は細胞から単離され、ハッシュオリゴのラダーで固定され、sci-RNA-seqで処理される。 ハッシュオリゴのラダーが核によって捕捉され、sci-RNA-seq実験の外部標準として機能することを示している。細胞当たりのハッシュオリゴUMIカウントの箱ひげ図であり、各ハッシュオリゴは、異なる量でスパイクされている。 ハッシュオリゴのラダーが核によって捕捉され、sci-RNA-seq実験の外部標準として機能することを示している。予想及び観察されたハッシュラダーUMI数の散布図であって、低(左側)及び高(右側)ハッシュ捕捉効率を有する細胞を示している。
ハッシュラダーが、フラボプラリドールによって引き起こされる転写物レベルの全体的な減少を検出する能力を拡張することを示している。実験の概要。HEK293T細胞をフラボピリドールで様々な期間処理し、sci-RNA-seq調製の前に、多重化のためにハッシュオリゴのラダー及び追加のハッシュオリゴで標識した。 ハッシュラダーが、フラボプラリドールによって引き起こされる転写物レベルの全体的な減少を検出する能力を拡張することを示している。異なる時点でフラボピリリドールで処理した細胞の全RNA UMIカウントを示す箱ひげ図。 ハッシュラダーが、フラボプラリドールによって引き起こされる転写物レベルの全体的な減少を検出する能力を拡張することを示している。従来のハッシュラダー正規化手法を使用したフラボピリドールに応答して差次的に発現した遺伝子の数を示す棒グラフ。 ハッシュラダーが、フラボプラリドールによって引き起こされる転写物レベルの全体的な減少を検出する能力を拡張することを示している。ハッシュラダー対従来の正規化で計算された一般的な差次的発現遺伝子の効果量推定値の比率を示すバイオリン図。
概略図は必ずしも縮尺通りではない。図面に使用される同様の数字は、同様の構成要素、ステップなどを指す。しかしながら、所与の図の構成要素を指すための数字の使用は、同じ数字でラベル付けされた別の図における構成要素を制限することを意図していないことが理解されるであろう。更に、構成要素を指すために異なる番号を使用することは、異なる番号の構成要素が他の番号付けされた構成要素と同じ又は類似であることができないことを示すことを意図するものではない。
用途
本明細書に記載の方法を使用して、多くの用途及び使用分野を想定することができる。例えば、ハイスループット単一核及び単一細胞方法を、薬物発見のために使用することができる。薬剤又は遺伝子摂動によって誘導される単一細胞の転写多様性の測定は、薬物スクリーニングのために使用することができる。1つの用途では、ゲノム編集は、遺伝子及びゲノムの変異体の分類に使用される(Findlay、Nature、2018 562(7726):217-222)。別の用途では、本方法は、健康及び疾病、科学、医療、診断、生物医学的研究、臨床用途、又はバイオマーカー発見を理解するために使用することができる。
細胞の所定の条件への曝露
本明細書で提供される方法は、複数の単一細胞からシークエンシングライブラリーを産生するために使用することができる。一実施形態では、本方法は、細胞を異なる所定の条件に曝露するステップを含む。本方法は、異なる所定の条件に細胞のサブセットを曝露するステップを含む(図1、ブロック10)。異なる条件としては、例えば、異なる培養条件(例えば、異なる培地、異なる環境条件)、異なる用量の薬剤、異なる薬剤、又は薬剤の組み合わせを挙げることができる。薬剤は、本明細書に記載される。細胞及び/又はサンプルの各サブセットの核又は細胞は、核ハッシングを使用してタグ付けされ、プールされ、大規模多重単一核又は単一細胞シークエンシング方法によって分析される。本質的に、単一核又は単一細胞シークエンシング方法は、単一核トランスクリプトームシークエンシング(米国特許出願第62/680,259号及びGundersonら、(国際公開第2016/130704号))、単一核の全ゲノムシークエンシング(米国特許出願公開第2018/0023119号)、又はトランスポゾンアクセス可能なクロマチンの単一核シークエンシング(米国特許第10,059,989号)、sci HiC(Ramaniら、Nature Methods,2017年,14:263-266)、DRUG-seq(Yeら、Nature Commun.,9,article number 4307)、又はDNA、RNA、及びタンパク質、例えばsci-CARからの検体の任意の組み合わせ(Caoら、Science,2018年,361(6409):1380-1385)に使用することができるが、これらに限定されない。核ハッシングは、様々な条件から個々の細胞又は核を逆多重化及び識別するために使用される。
細胞は、任意の生物からのものであり得、及び生物の任意の細胞型又は任意の組織から得ることができる。典型的には、細胞は、第1の複数の区画に分配される。一実施形態では、区画は、96ウェル、384ウェルプレート、又は1536ウェルプレートなどのマルチウェル装置のウェルであり、区画内の細胞は、細胞のサブセットと呼ばれる。一実施形態では、サブセット内の細胞は、遺伝的に均質であり、別の実施形態では、サブセット内の細胞は、遺伝的に不均質である。細胞の数は変動する可能性があり、本明細書に記載の方法の他のステップで使用される機器の実際の制限(例えば、マルチウェルプレートのウェルのサイズ、インデックスの数)に依存する可能性がある。一実施形態では、サブセット内の細胞の数は、100,000,000以下、10,000,000以下、1,000,000以下、100,000以下、45,000以下、35,000以下、25,000以下、15,000以下、5,000以下、1,000以下、500以下、又は50以下であり得る。
一実施形態では、細胞の各サブセットは、薬剤又は摂動に曝露される。薬剤は、本質的に細胞に変化を引き起こすいかなるものであってもよい。例えば、薬剤は、細胞のトランスクリプトームを変更し、細胞のクロマチン構造を変更し、細胞内のタンパク質の活性を変化させ、細胞のDNAを改変するか、又は細胞のDNA編集を変更することができる。薬剤の例としては、タンパク質(抗体を含む)、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子(900ダルトン以下の有機分子を含む)、無機分子、RNA又はRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、又はこれらの組み合わせなどの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、薬剤は、遺伝子摂動、例えば、CRISPR又はTalenなどのDNA編集タンパク質を引き起こす。一実施形態では、薬剤は、治療薬などの薬物である。一実施形態では、細胞は野生型細胞であってもよく、別の実施形態では、細胞は、遺伝子摂動、例えば、遺伝子ノックイン、遺伝子ノックアウト、又は過剰発現を含むように遺伝子改変され得る(Szlachtaら、Nat Commun.、2018年、9:4275)。一実施形態では、細胞は、遺伝的摂動の導入、薬剤への曝露によって改変され、例えば、ゲノム構成の転写における任意の結果として生じる変化は、単一細胞において同定することができる(Datlingerら、Nature Methods、2017年、14(3):297-30[sci Crop];Adhemarら、Cell、2016年、167:1883-1896[sci Crispr];及びDixitら、Cell、2016年、167(7):1853-1866)[sci Perturb]。任意選択で、遺伝子摂動をターゲットとするガイドRNAを使用するこれらの実施形態では、方法は、ゲノムに対する実際の編集を特定及び確認するステップを更に含み得る。
細胞のサブセットを同じ薬剤に曝露することができるが、異なる変数をマルチウェル装置の区画にわたって変更することができ、単一の実験で複数の変数を試験することができる。例えば、異なる用量、異なる曝露期間、及び異なる細胞型を、単一のプレートで試験することができる。一実施形態では、細胞は、既知の活性を有するタンパク質を発現することができ、異なる条件下で評価された活性に対する薬剤の効果を発現することができる。核を標識するために使用される核ハッシングは、核又は細胞の特定のサブセットに由来する核酸、例えば、マルチウェルプレートの1つのウェルからの後の同定を可能にする。
細胞及び核ハッシング
複数の細胞又は複数の単一核からのシークエンシングライブラリーの作製において、細胞又は核をハッシングオリゴと接触させることができる。ハッシングオリゴの使用は任意であり、正規化オリゴと併せて使用することができる。正規化オリゴは、本明細書に記載される。一実施形態では、接触は、細胞が所定の条件に任意の曝露を受けた後に行われる。典型的には、ハッシングオリゴとの接触は、核又は細胞が複数の区画内で分離されている場合に生じる。一実施形態では、核を単離し(図1、ブロック11)、ハッシングオリゴで標識(図1、ブロック12)することができる。別の実施形態では、核は、細胞から分離する前にハッシングオリゴに曝露される。本発明者らは、細胞膜のいかなる破壊も、ハッシングオリゴによる核の標識を可能にすることを決定した。したがって、細胞質材料の存在下又は非存在下で核を標識することができる。核は、ハッシング及び/又は正規化オリゴで標識するプロセスにおいて透過化されてもよいし典型的にはそうされており、例えば、核は、ハッシングオリゴ及び/又は正規化オリゴでの核の標識の前、間、又は後に透過化されてもよい。膜を透過させる方法は、当技術分野において既知である。別の実施形態では、細胞をハッシングオリゴと接触させる。
核分離は、細胞溶解緩衝液中の細胞を、5、10、又は15分など、少なくとも1から20分間インキュベートすることによって達成される。任意選択で、細胞は、溶解を助けるために、ピペットを介した移動などの外力に曝露され得る。細胞溶解緩衝液の例としては、10mMのTris-HCl、pH7.4、10mMのNaCl、3mMのMgCl2、0.1%のIGEPAL CA-630、及び1%のSUPERase InRNase阻害剤が挙げられる。当業者であれば、核を単離するための細胞溶解緩衝液の有用性を低下させることなく、これらの成分の濃度をある程度変更できることを認識するであろう。当業者であれば、RNAse阻害剤、BSA、及び/又は界面活性剤は、核の単離のために使用される緩衝剤に有用であり得、他の添加剤は、他の下流の単一細胞のコンビナトリアルインデクシング用途のために緩衝剤に添加され得ることを認識するであろう。
一実施形態では、細胞又は核は、DNA、RNA、タンパク質、又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない細胞から検体を測定するために、任意のsci-seq法を使用して処理される。
一実施形態では、核は、接着性又は懸濁液である個々の細胞から単離される。個々の細胞から核を単離するための方法は、当業者に既知である。一実施形態では、核は、組織内に存在する細胞から単離される。単離核を得るための方法は、典型的には、組織を調製するステップと、調製された組織から核を単離するステップと、を含む。一実施形態では、全てのステップが氷上で行われる。
組織調製は、液体窒素中で組織を急速凍結させ、次いで組織をミンチ又は鈍い力のいずれかにかけることによって、組織のサイズを直径1mm以下に低減するステップを含み得る。任意選択で、細胞間接続を破壊するための冷プロテアーゼ及び/又は他の酵素を使用することができる。ミンチは、組織を小片に切断するためのブレードで達成することができる。鈍い力を加えることは、ハンマー又は同様の物体で組織を粉砕することによって達成することができ、粉砕組織の結果として得られる組成物は粉末と呼ばれる。
従来の組織核抽出技術は、通常、組織特異的酵素(例えば、トリプシン)で、組織を高温(例えば、37℃)で30分間から数時間インキュベートし、次いで細胞を細胞溶解緩衝液で溶解させる。本明細書、及び米国特許仮出願第62/680,259号に記載の核分離方法には、いくつかの利点がある。(1)人工酵素が導入されず、全てのステップが氷上で行われる。これにより、細胞状態(例えば、トランスクリプトーム状態、クロマチン状態、又はメチル化状態)への潜在的な摂動を低減する。(2)これは、脳、肺、腎臓、脾臓、心臓、小脳、及び腫瘍組織などの疾患サンプルを含む、最も多くの組織タイプにわたって検証されている。異なる組織タイプのために異なる酵素を使用する従来の組織核抽出技術と比較して、新しい技術は、異なる組織からの細胞状態を比較する際のバイアスを潜在的に低減することができる。(3)この方法はまた、酵素処理ステップを除去することによってコストを低減し、効率を高める。(4)他の核抽出技術(例えば、Dounce組織グラインダ)と比較して、この技術は、異なる組織タイプに対してより堅牢(例えば、Dounce法は、異なる組織に対してDounceサイクルを最適化する必要がある)であり、高スループットで大きいサンプル片を処理することが可能である(例えば、Dounce法は、グラインダのサイズに制限される)。
任意選択で、単離核は、ヌクレオソームを含まなくてもよく、又はヌクレオソームの核を枯渇させ、ヌクレオソーム枯渇核を生成する条件にさらすことができる(例えば、米国特許出願公開第2018/0023119号)。ヌクレオソーム枯渇核は、ゲノム全体の単一核シークエンシングに有用であり得る。
溶解緩衝液は、核ハッシングに使用されるハッシングオリゴを含み得る(図1、ブロック12)。あるいは、ハッシングオリゴは、溶解緩衝液には存在しないが、当業者に適切であると見なされる後のステップで存在してもよい。
ハッシングオリゴは、DNA、RNA、又はこれらの組み合わせを含む、一本鎖又は二本鎖核酸配列を含む。ハッシングオリゴは、DNAse耐性又はRNAse耐性であり得る。ハッシングオリゴは、インデックス、UMI、及びユニバーサル配列などの核酸成分を任意の組み合わせで含み得るが、これらに限定されない。ハッシングオリゴはまた、抗体などのタンパク質を含む他の非核酸成分を含み得る。一実施形態では、ハッシングオリゴは、5’領域、サブセット特異的インデックス配列、及び3’末端配列を含む。5’領域は、特定のヌクレオチドの増幅及び特定のヌクレオチドのハッシングオリゴへの付加のための後続のステップで使用することができる5’PCRハンドル又はユニバーサル配列であってもよい。5’PCRハンドルは、ユニバーサルキャプチャ配列と同一であるか又は相補的であるヌクレオチド配列を含み得る。3’末端配列は、下流ステップで有用な任意の一連のヌクレオチドであり得る。例えば、下流ステップがトランスクリプトームライブラリーの生成を含む場合、3’末端配列は、ポリアデニル化配列を含み得る。別の実施形態では、サブセット特異的インデックス配列、及び方法の後続ステップにおいて有用な5’領域及び/又はポリアデニル化3’末端などの他のヌクレオチドを付加するために、ハッシングオリゴは、後続のライゲーションステップ、増幅ステップ、プライマー伸長ステップ、又はこれらの組み合わせで使用することができる核酸配列を含む。サブセット特異的インデックス配列を追加するハッシングオリゴの任意の更なる操作、及び任意の他の要素を、本明細書に記載のプールステップの前に行うことができる。一実施形態では、ハッシングオリゴは、細胞溶解ステップ又は薬剤曝露の前、間、又は後に添加され得る。一実施形態では、ハッシングオリゴは、細胞溶解ステップなしに添加することができる。
タグ又はバーコードとも呼ばれるインデックス配列は、特定のターゲット核酸が存在する区画に特徴的なマーカーとして有用である。したがって、インデックスは、特定の区画に存在するターゲット核酸のそれぞれに結合された核酸配列タグであり、このインデックスの存在は、この方法のこの段階で核又は細胞の集団が存在している区画を示しているか、又は識別するために使用される。ハッシングオリゴのサブセット特異的インデックス配列は、どの核酸が特定の所定の条件に曝露された細胞のサブセットに由来するかを示し、それらの核酸を、他の特定の所定の条件に曝露された細胞のサブセットに由来する核酸と区別することを可能にする。
本明細書で使用されるインデックス配列(例えば、ハッシングオリゴのサブセット特異的インデックス配列、正規化オリゴの集団識別インデックス配列、又は別のインデックス)は、任意の好適な数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又はそれ以上の長さの配列であり得る。4つのヌクレオチドタグは、256個のサンプルを多重化する可能性をもたらし、6つの塩基タグは、4096個のサンプルの処理を可能にする。インデックス又はバーコードは、オリゴ、ライゲーション、伸長、吸着、及びオリゴの特異的若しくは非特異的相互作用、又は増幅を含むがこれらに限定されない、多くの異なる方法を通して導入することができる。
ハッシングオリゴは、区画の核又は細胞に結合し、任意選択で核又は細胞に固定される。結合は、特異的であっても非特異的であってもよい。細胞又は核に特異的に結合するハッシングオリゴは、特異的結合を媒介する任意のドメインを含み得る。ドメインの例としては、核又は細胞の表面上の受容体のリガンド、抗体若しくは抗体断片、アプタマー、又は特定のオリゴ配列が挙げられる。本発明者らは、ハッシングオリゴが、方法において後に逆多重化するのに十分な量で、核に非特異的に結合することを決定した。したがって、一実施形態では、ハッシングオリゴは、区画の核又は細胞に非特異的に結合する。一実施形態では、非特異的結合は吸収によるものである。一実施形態では、ハッシングオリゴは、プールする前に任意のステップで任意に添加することができる。一実施形態では、ハッシングオリゴは、1つ又はそれ以上のオリゴの混合物であり、各オリゴは固有のバーコード又は固有の配列を有する。ハッシングオリゴは、結合後の後の段階でバーコード又はバーコード導入のための配列を含むことができる。一実施形態では、固有にバーコード化されたハッシングオリゴの組み合わせは、特定の実験条件、薬剤、サンプル、又は摂動に関するシグネチャーであり得る。
各サブセット内に存在する固有のハッシングオリゴは、架橋化合物への曝露によって、そのサブセットの核又は細胞に固定される。架橋化合物の有用な例としては、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、又はメタノールが挙げられるが、これらに限定されない。他の有用な例は、Hermanson(Bioconjugate Techniques、3版、2013年)に記載されている。パラホルムアルデヒドは、5%などの1%から8%の濃度であり得る。パラホルムアルデヒドによる核の処理は、パラホルムアルデヒドを核の懸濁液に添加し、0℃でインキュベートすることを含み得る。いくつかの実施形態では、ハッシングオリゴは架橋されていないが、結合したままである。
本明細書に記載のプール及び分配ステップを含む核又は細胞の操作は、核緩衝液の使用を含み得る。核緩衝液の例としては、10mMのTris-HCl、pH7.4、10mMのNaCl、3mMのMgCl2、1%のSUPERase InRNase阻害剤(20U/μL、Ambion社)、及び1%のBSA(20mg/mL、NEB社)が挙げられる。当業者であれば、核を懸濁させるための核緩衝液の有用性を低減することなく、これらの成分の濃度をある程度変更することができることを認識するであろう。
単離された固定核又は細胞は、後で使用するために、液体窒素中で直ちにアリコートし、急速凍結させることができる。凍結後に使用するために調製した場合、解凍された核は、例えば、氷上で0.2%のtritonX-100で3分間透過処理され、核の凝集を低減するために短時間超音波処理することができる。
本方法は、核又は細胞のサブセットをプールし、続いてプールされた核又は細胞を第2の複数の区画に分配するステップを更に含む(図1、ブロック13)。サブセット、したがって各区画内に存在する核又は細胞の数は、少なくとも1であり得る。サブセット内の核又は細胞の数は、限定することを意図するものではなく、数十億に達する可能性もある。一実施形態では、サブセットに存在する数は、100,000,000以下、10,000,000以下、1,000,000以下、100,000以下、10,000以下、4,000以下、3,000以下、2,000以下、又は1,000以下である。一実施形態では、サブセット内に存在する核の数は、1から1,000、1,000から10,000、10,000から100,000、又は100,000から1,000,000、又は1,000,000から10,000,000、又は10,000,000から100,000,000であり得る。一実施形態では、各区画は、96又は384ウェルプレートなどのマルチウェルプレートのウェルであり得る。一実施形態では、各区画は液滴であり得る。核をサブセットに分配するための方法は、当業者に既知であり、日常的である。蛍光活性化細胞選別(FACS)サイトメトリーを使用することができるが、単純希釈の使用も使用することができる。一実施形態では、FACSサイトメトリーは使用されない。
第1の分配ステップ(図1、ブロック13)における区画の数は、使用されるフォーマットに依存し得る。例えば、区画の数は、2から96個の区画(96ウェルプレートが使用される場合)、2から384個の区画(384ウェルプレートが使用される場合)であり得る。一実施形態では、複数のプレートを使用することができる。例えば、96ウェルプレートから少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個などの区画を使用することができ、又は384ウェルプレートから少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個などの区画を使用することができる。使用される区画の種類が2つ以上の核又は細胞を含有する液滴である場合、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも1,000,000、又は少なくとも10,000,000の液滴など、任意の数の液滴を使用することができる。
核又は細胞をハッシングオリゴで標識し、プールし、サブセットに分配した後、異なる手順を使用して、核又は細胞内の異なる核酸のライブラリーを最終的に生成し、核酸を配列させることができる(図1、ブロック14)。一実施形態では、単一核のトランスクリプトームのライブラリーは、本明細書に詳細に記載されるように生成され(実施例1を参照)、別の実施形態では、単一核のアクセス可能なクロマチンのライブラリーが、本明細書に詳細に記載されるように生成される(実施例2を参照)。しかしながら、ハッシングオリゴで核を標識した後に使用される手順は、限定することを意図するものではない。例えば、単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法、例えば、全細胞単一核のライブラリー、トランスポゾンアクセス可能なクロマチンのライブラリー、又は全細胞単一核のライブラリーを使用して作製されたライブラリーは、本明細書に記載されるようにハッシュされた核又は細胞を使用して生成することができる。
正規化ハッシング
複数の細胞又は複数の単一核からのシークエンシングライブラリーの作製において、細胞又は核を正規化オリゴの集団と接触させることができる。正規化オリゴの使用は任意であり、本明細書に記載されるように、細胞又は核ハッシングと併せて使用することができる。正規化オリゴとの接触は、細胞が所定の条件に任意の曝露を受ける前又は後に行われ得る。正規化オリゴ集団との接触は、核又は細胞が複数の区画に分離される前にバルクであるときに生じ得る。あるいは、核を単離し、複数の区画で分離(図2、ブロック20)し、正規化オリゴの集団で標識(図2、ブロック22)することができる。別の実施形態では、核は、細胞から分離する前に正規化オリゴに曝露される。ハッシングオリゴと同様に、細胞膜のいかなる破壊も、正規化オリゴによる核の標識を可能にする。したがって、細胞質材料の存在下又は非存在下で核を標識することができる。核は、正規化オリゴで標識するプロセスにおいて透過化されてもよいし典型的にはそうされており、例えば、核は、正規化オリゴでの核の標識の前、間、又は後に透過化されてもよい。膜を透過させる方法は、当技術分野において既知である。別の実施形態では、細胞を正規化オリゴと接触させる。
細胞及び核ハッシングについて本明細書に記載される、核の単離、組織調製、及び核抽出などの方法を、正規化ハッシングに使用することができる。溶解緩衝液は、正規化ハッシングに使用される正規化オリゴの集団を含み得る(図2、ブロック22)。あるいは、正規化オリゴは、溶解緩衝液には存在しないが、当業者に適切であると見なされる後のステップで存在してもよい。当業者であれば、ハッシングオリゴ及び正規化オリゴの両方が使用される場合、細胞又は核は、本方法中に同時に又は異なる時間にハッシングオリゴ及び正規化オリゴに曝露され得ることを理解するであろう。
正規化ハッシングは、細胞又は核ハッシングとは異なる目的を果たす。ハッシングオリゴは、典型的には、細胞又は核の複数のサブセットを標識するために使用され、各サブセット内の細胞又は核は、単一の固有のオリゴで標識される。細胞又は核と会合する固有のハッシングオリゴの同一性は、細胞又は核から得られるライブラリーのシークエンシング中に捕捉され、核又は細胞の特定のサブセットに由来するライブラリーの核酸、例えば、マルチウェルプレートの1つのウェルからの後の同定を可能にする。対照的に、正規化ハッシングは、配列ライブラリーを標準化する方法などの標準化方法として使用することができる。正規化では、ハッシング細胞又は核は、バルク又はサブセットで正規化オリゴの組成物に曝露され、この組成物は、複数の正規化オリゴ集団を含む。細胞又は核と会合する正規化オリゴ集団の同一性は、細胞又は核から得られるライブラリーのシークエンシング中に捕捉及びカウントされ、カウントは、遺伝子発現などの変数の細胞間変化における技術的ノイズを除去するための外部標準として使用することができる。したがって、正規化オリゴは、配列ライブラリーの感度と定量的精度を評価するための標準として使用できる。この種の標準は、技術変数、ベンチマーク生物学的ツールの影響を評価し、サンプルの正確な分析を向上させることができる。
正規化オリゴは、典型的には、ハッシングオリゴと同じ特性を有する。正規化オリゴは、DNA、RNA、又はこれらの組み合わせを含む、一本鎖又は二本鎖核酸配列を含む。正規化オリゴは、DNAse耐性又はRNAse耐性であり得る。正規化オリゴは、インデックス、UMI、及びユニバーサル配列などの核酸成分を任意の組み合わせで含み得るが、これらに限定されない。正規化オリゴはまた、抗体などのタンパク質を含む他の非核酸成分を含み得る。一実施形態では、正規化オリゴは、5’領域、集団特異的インデックス配列、及び3’末端配列を含む。5’領域は、特定のヌクレオチドの増幅及び特定のヌクレオチドの正規化オリゴへの付加のための後続のステップで使用することができる5’PCRハンドル又はユニバーサル配列であってもよい。5’PCRハンドルは、ユニバーサルキャプチャ配列と同一であるか又は相補的であるヌクレオチド配列を含み得る。3’末端配列は、下流ステップで有用な任意の一連のヌクレオチドであり得る。例えば、下流ステップがトランスクリプトームライブラリーの生成を含む場合、3’末端配列は、ポリアデニル化配列を含み得る。別の実施形態では、サブセット特異的インデックス配列、及び方法の後続ステップにおいて有用な5’領域及び/又はポリアデニル化3’末端などの他のヌクレオチドを付加するために、正規化オリゴは、後続のライゲーションステップ、増幅ステップ、プライマー伸長ステップ、又はこれらの組み合わせで使用することができる核酸配列を含む。サブセット特異的インデックス配列を追加する正規化オリゴの任意の更なる操作、及び任意の他の要素を、本明細書に記載のプールステップの前に行うことができる。一実施形態では、正規化オリゴは、細胞溶解ステップ又は薬剤曝露の前、間、又は後に添加され得る。一実施形態では、正規化オリゴは、細胞溶解ステップなしに添加することができる。
複数の細胞又は核に曝露される正規化オリゴの組成物は、正規化オリゴの複数の別個の集団を含む。別個の集団の数は、少なくとも2であり得、組成物に存在できる別個の集団の数に理論上の上限はないが、複数の正規化オリゴを作成するコストや、多くの異なる正規化オリゴを分析するために必要な計算時間などの実際的な考慮事項により、個別の集団の数が制限される可能性がある。限定することを意図するものではないが、組成物中に存在する集団の最大数は、2、4、8、16、24、32、40、48、56、64、72、80、88、96又は100であり得る。例えば、組成物中に存在する集団の数は、任意の組み合わせにおいて、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも8、少なくとも16、少なくとも24、少なくとも32、少なくとも40、少なくとも48、少なくとも56、少なくとも64、少なくとも72、少なくとも80、少なくとも88、又は少なくとも96、及び10以下、96以下、88以下、80以下、72以下、64以下、56以下、48以下、40以下、32以下、24以下、16以下、8以下、4以下であり得る。
一実施形態では、単一集団の各正規化オリゴは、組成物の任意の他の集団には存在しない1つの固有のインデックス配列を含む。一実施形態では、単一集団の正規化オリゴはある濃度で存在し、他の集団は異なる濃度で存在し、例えば、集団のうちの少なくとも2つの濃度は異なっており、一実施形態では、各集団の濃度は異なる。したがって、正規化オリゴの組成物は、オリゴの複数の集団を含むことができ、各集団は異なるインデックス配列を含み、各集団の濃度は同じである、又は正規化オリゴの組成物は、オリゴの複数の集団を含むことができ、各集団は異なるインデックス配列を含むが、少なくとも2つの集団の濃度は異なる。各集団が異なるインデックス配列を含む実施形態では、1つ又はそれ以上の集団の濃度は異なるが、各インデックス配列とその濃度との関係は既知である。
別の実施形態では、単一集団の各正規化オリゴは、組成物の任意の他の集団に存在しない、少なくとも2つの固有のインデックス配列を含む。例えば、1つの集団はインデックス配列1-4を含み、第2の集団はインデックス配列5-8を含み、第3の集団はインデックス配列9-12を含む。したがって、一実施形態では、正規化オリゴの組成物は、オリゴの複数の集団を含むことができ、各集団は異なるインデックス配列のセットを含み、各集団の濃度は同じである。別の実施形態では、正規化オリゴの組成物は、オリゴの複数の集団を含むことができ、各集団は異なるインデックス配列のセットを含むが、他の集団の濃度は異なっており、例えば、集団のうちの少なくとも2つの濃度は異なっており、一実施形態では、各集団の濃度は異なる。各集団が異なるインデックス配列のセットを含む実施形態では、1つ又はそれ以上の集団の濃度は異なるが、各インデックス配列とその濃度との関係は既知である。
組成物中の正規化オリゴの濃度は、細胞又は核による正規化オリゴの捕捉効率に部分的に応じて変化し得る。一般に、正規化オリゴの捕捉は、サンプル処理及びシークエンシング深さを含むがこれらに限定されない因子によって決定される。哺乳類細胞株については、本発明者らは、捕捉速度効率は低いが、依然として有用なデータを得ることを見出した(実施例3)。正規化オリゴの組成は、核当たり約600万個の正規化オリゴが捕捉され、UMIカウントの中央値が1,000~5,000になるように構築できることが経験的に決定された。当業者は、有用な正規化データを得るために、組成物において必要とされる任意の細胞タイプ及び正規化オリゴの濃度の捕捉速度効率を決定することができる。限定することを意図するものではないが、使用される正規化オリゴの濃度は、測定される細胞検体(例えば、DNR、RNA、タンパク質など)の量と同様の量でオリゴが細胞に結合する結果となる濃度である。一実施形態では、正規化オリゴの組成物の各集団の濃度は、少なくとも0.001ゼプトモルから100アトモル以下の濃度を選択することができる。例えば、濃度は、任意の組み合わせにおいて、少なくとも0.001ゼプトモル、少なくとも0.01ゼプトモル、少なくとも0.1ゼプトモル、少なくとも1アトモル、又は少なくとも10アトモル、及び100アトモル以下、10アトモル以下、1アトモル以下、0.1ゼプトモル以下、又は0.01ゼプトモル以下であり得る。一実施形態では、最低レベルでの集団の濃度及び最高レベルでの集団の濃度は、1、2、3、4、5又は6桁変化する。
正規化オリゴは核又は細胞に結合し、任意選択で核又は細胞に固定される。本明細書に記載のハッシングオリゴの結合及び固定は、正規化オリゴに使用することができる。例えば、正規化オリゴの結合は、特異的又は非特異的であり得る。一実施形態では、非特異的結合は吸収によるものである。一実施形態では、細胞又は核に特異的に結合する正規化オリゴは、特異的結合を媒介する任意のドメインを含み得る。正規化オリゴの集団は、本明細書に記載されるように、核又は細胞に固定され得る。いくつかの実施形態では、正規化オリゴは架橋されていないが、結合したままである。
本明細書に記載のプール及び分配ステップを含む、ハッシングオリゴ、正規化オリゴ、又はそれらの組み合わせと会合する核又は細胞の操作は、核緩衝液の使用を含み得る。核緩衝液の例としては、10mMのTris-HCl、pH7.4、10mMのNaCl、3mMのMgCl2、1%のSUPERase InRNase阻害剤(20U/μL、Ambion社)、及び1%のBSA(20mg/mL、NEB社)が挙げられる。当業者であれば、核を懸濁させるための核緩衝液の有用性を低減することなく、これらの成分の濃度をある程度変更することができることを認識するであろう。
正規化オリゴが細胞又は核にバルクで添加された実施形態では、この方法は、プールされた細胞又は核を複数の区画に分配するステップを更に含み得る。あるいは、正規化オリゴがサブセット内に存在する細胞又は核に添加された実施形態(図2、ブロック22)では、方法は、核又は細胞のサブセットをプールし、続いてプールされた核を第2の複数の区画に分布させるステップを更に含み得る(図2、ブロック24)。サブセット、したがって各区画内に存在する核又は細胞の数は、少なくとも1であり得る。サブセット内の核又は細胞の数は、限定することを意図するものではなく、数十億に達する可能性もある。一実施形態では、サブセットに存在する数は、100,000,000以下、10,000,000以下、1,000,000以下、100,000以下、10,000以下、4,000以下、3,000以下、2,000以下、又は1,000以下である。一実施形態では、サブセット内に存在する核の数は、1から1,000、1,000から10,000、10,000から100,000、又は100,000から1,000,000、又は1,000,000から10,000,000、又は10,000,000から100,000,000であり得る。一実施形態では、各区画は、96又は384ウェルプレートなどのマルチウェルプレートのウェルであり得る。一実施形態では、各区画は液滴であり得る。核をサブセットに分配するための方法は、当業者に既知であり、日常的である。蛍光活性化細胞選別(FACS)サイトメトリーを使用することができるが、単純希釈の使用も使用することができる。一実施形態では、FACSサイトメトリーは使用されない。
第1の分配ステップ(図2、ブロック24)における区画の数は、使用されるフォーマットに依存し得る。例えば、区画の数は、2から96個の区画(96ウェルプレートが使用される場合)、2から384個の区画(384ウェルプレートが使用される場合)であり得る。一実施形態では、複数のプレートを使用することができる。例えば、96ウェルプレートから少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個などの区画を使用することができ、又は384ウェルプレートから少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個などの区画を使用することができる。使用される区画の種類が2つ以上の核又は細胞を含有する液滴である場合、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも1,000,000、又は少なくとも10,000,000の液滴など、任意の数の液滴を使用することができる。
核又は細胞を正規化オリゴで標識し、有用であるか又は必要に応じてサブセットに分配した後、異なる手順を使用して、核又は細胞内の異なる核酸のライブラリーを最終的に生成し、核酸を配列させることができる(図2、ブロック26)。正規化オリゴで核を標識した後に使用される手順は、限定することを意図するものではない。
トランスクリプトームの単一細胞コンビナトリアルインデックス
単一細胞コンビナトリアルシークエンシング方法の以下の説明は、seq-RNAを対象とし、限定することを意図するものではない。一実施形態では、方法は、分散核のmRNA核酸にインデックス付けをするステップを含む(図3、ブロック30)。このステップはまた、存在するオリゴ、例えば、ハッシングオリゴ、正規化オリゴ、又は両方にインデックスを追加する。このインデックスは、ハッシング上に存在するサブセット特異的インデックスと、正規化オリゴ上に存在する集団特異的インデックスとは異なるものであり、第1のインデックスと呼ばれる。したがって、mRNA分子に由来する核酸は、このステップの後に第1のインデックスを有し、ハッシングオリゴに由来する核酸は、サブセット特異的インデックス及び第1のインデックスを含み、正規化オリゴ由来の核酸は、集団特異的インデックス及び第1のインデックスを含む。一実施形態では、第1のインデックスを含む核を生成することは、インデックス、ランダムヌクレオチド配列、及びユニバーサル配列を付加するためのオリゴ-dTプライマーと共に逆転写酵素の使用を含む。ランダム配列は、一意の核酸断片を標識するための一意の分子識別子(UMI)として使用される。ランダム配列はまた、下流処理における重複の除去を支援するために使用することができる。ユニバーサル配列は、本明細書に記載のライゲーションステップにおけるハイブリダイゼーションのための相補的配列として機能する。逆転写に適した条件下で核をこれらの成分に曝露すると、各核が2つのインデックス付き核酸断片の集団を含む、インデックス付き核の集団が生じる。1つの集団は、オリゴ-dTプライマーにハイブリダイズしたハッシングオリゴ又は正規化オリゴの逆転写に起因し、別の集団は、オリゴ-dTプライマーにハイブリダイズしたmRNA核酸の逆転写に起因する。インデックス付き核酸断片は、合成された鎖上に、特定の区画を示すインデックス配列を含むことができ、かつ典型的には含む。
複数の区画からのインデックス付き核を組み合わせることができる(図3、ブロック31)。例えば、2から24個の区画、2から96個の区画(96ウェルプレートが使用される場合)、又は2から384個の区画(384ウェルプレートが使用される場合)からのインデックス付き核が組み合わされる。一実施形態では、複数のプレートからのインデックス付き核が組み合わされる。例えば、96ウェルプレートから少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個などの区画が組み合わされているか、又は384ウェルプレートから少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個などの区画が組み合わされている。一実施形態では、386ウェルプレートから4個の区画が組み合わされている。次に、本明細書ではプールされたインデックス付き核と呼ばれる、これらの組み合わせたインデックス付き核のサブセットが、第3の複数の区画に分配される(図3、ブロック31)。サブセット内に存在する核の数、したがってその各区画内の核の数は、インデックスの衝突を減らしたいという要望に部分的に基づいており、衝突とは、この方法のこのステップにおいて同じ区画内で終わる同じインデックスを有する2つの核の存在である。一実施形態では、各サブセット内に存在する核の数はほぼ等しい。核をサブセットに分配するための方法は、当業者に既知であり、日常的である。例としては、単純な希釈が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態では、FACSサイトメトリーは使用されない。
核のサブセットへの分配に続いて、各区画内のインデックス付き核酸断片に第2のインデックス配列を組み込み、二重インデックス付き断片を生成する。これにより、インデックス付き核酸断片の更なるインデックス付けがもたらされる(図3、ブロック32)。
一実施形態では、第2のインデックス配列を組み込むことは、各区画において、ヘアピンライゲーション二本鎖をインデックス付き核酸断片にライゲーションすることを含む。ヘアピンライゲーション二本鎖を使用して、ユニバーサル配列、インデックス、又はそれらの組み合わせをターゲット核酸断片の末端に導入することは、通常、二本鎖の一端をその後の増幅のためのプライマーとして使用する。対照的に、一実施形態では、本明細書で使用されるヘアピンライゲーション二本鎖は、プライマーとして作用しない。本明細書に記載のヘアピンライゲーション二本鎖の使用の利点は、当技術分野に記載の多くのヘアピンライゲーション二本鎖で観察されるセルフ-セルフライゲーションの低減である。一実施形態では、ライゲーション二本鎖は5つの要素を含む。1)オリゴ-dTプライマー上に存在するユニバーサル配列の相補体であるユニバーサル配列、2)第2のインデックス、3)イデオキシU、4)ヘアピンを形成することができるヌクレオチド配列、及び5)第2のインデックスの逆相補体。第2のインデックス配列は、第1のインデックスが逆転写によって添加された後に、分配されたインデックス付き核が配置された各区画に固有である(図3、ブロック31)。
複数の区画からの二重インデックス付き核を組み合わせることができる(図3、ブロック33)。例えば、2から24個の区画、2から96個の区画(96ウェルプレートが使用される場合)、又は2から384個の区画(384ウェルプレートが使用される場合)からの二重インデックス付き核が組み合わされる。一実施形態では、複数のプレートからの二重インデックス付き核が組み合わされる。例えば、96ウェルプレートから少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個などの区画が組み合わされているか、又は384ウェルプレートから少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個などの区画が組み合わされている。一実施形態では、386ウェルプレートから4個の区画が組み合わされている。次に、本明細書ではプールされた二重インデックス付き核と呼ばれる、これらの組み合わせた二重インデックス付き核のサブセットが、第4の複数の区画に分配される(図3、ブロック33)。サブセット内に存在する核の数、したがってその各区画内の核の数は、インデックスの衝突を減らしたいという要望に部分的に基づいており、衝突とは、この方法のこのステップにおいて同じ区画内で終わる同じトランスポザーゼインデックスを有する2つの核の存在である。一実施形態では、100から30,000個の核が各ウェルに分配される。一実施形態では、ウェル中の核の数は、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1,000、又は少なくとも5,000である。一実施形態では、ウェル中の核の数は、30,000以下、25,000以下、又は20,000以下、又は15,000以下である。一実施形態では、サブセット内に存在する核の数は、100から1,000、1,000から10,000、10,000から20,000、又は20,000から30,000であり得る。一実施形態では、2,500個の核が各ウェルに分配される。一実施形態では、各サブセット内に存在する核の数はほぼ等しい。核をサブセットに分配するための方法は、当業者に既知であり、日常的である。例としては、単純な希釈が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態では、FACSサイトメトリーは使用されない。
二重インデックス付き核のサブセットへの分配に続いて、第2のDNA鎖を合成することができる(図3、ブロック34)。あるいは、第2のDNA鎖の合成は、例えばバルクでの分配の前に生じ得る。
次に、核をタグ付けすることができる(図3、ブロック35)。二重インデックス付き核を含む各区画は、トランスポソーム複合体を含む。トランスポソーム複合体は、核のサブセットが区画に追加される前、後、又は同時に各区画に追加することができる。トランスポザーゼ認識部位に結合したトランスポソームであるトランスポザーゼ複合体は、「タグ付け」と呼ばれることもあるプロセスで、核内のターゲット核酸にトランスポザーゼ認識部位を挿入することができる。一部のそのような挿入イベントでは、トランスポザーゼ認識部位の一本鎖は、ターゲット核酸に移され得る。このような鎖は、「移送鎖」と称される。一実施形態では、トランスポソーム複合体は、2つのサブユニット、及び2つの非連続的なトランスポゾン配列を有する二量体トランスポザーゼを含む。別の実施形態では、トランスポザーゼは、2つのサブユニット、及び非連続的なトランスポゾン配列を有する二量体トランスポザーゼを含む。一実施形態では、トランスポザーゼ認識部位の一方又は両方の鎖の5’末端をリン酸化することができる。
いくつかの実施形態は、高活性Tn5トランスポザーゼ及びTn5型トランスポザーゼ認識部位(Goryshin及びReznikoff、J.Biol.Chem.、273:7367(1998年))、又はR1及びR2末端配列を含むMuAトランスポザーゼ及びMuトランスポザーゼ認識部位(Mizuuchi,K.、Cell、35:785,1983年、Savilahti,Hら、EMBO J.、14:4893、1995年)の使用を含み得る。Tn5モザイク端(ME)配列もまた、最適化したものとして当業者が使用することができる。
本明細書で提供される組成物及び方法の特定の実施形態と共に使用することができる転位システムの更なる例としては、黄色ブドウ球菌Tn552(Colegioら、J.Bacteriol.、183:2384-8,2001年、Kirby Cら、Mol.Microbiol.、43:173-86、2002年)、Ty1(Devine及びBoeke、Nucleic Acids Res.、22:3765-72、1994年、及び国際公開第95/23875号)、トランスポゾンTn7(Craig、NL、Science.271:1512、1996年、Craig、NL、Curr Top
Microbiol Immunol.中のレビュー、204:27-48、1996年)、Tn/O及びIS10(Kleckner N、ら、Curr Top Microbiol Immunol.、204:49-82、1996年)、Mariner transposase(Lampe D J、ら、EMBO J、15:5470-9、1996年)、Tc1(Plasterk R H、Curr.Topics Microbiol.Immunol.、204:125-43、1996年)、P要素(Gloor、G B、Methods Mol.BiBiol、260:97-114、2004年)、Tn3(Ichikawa及びOhtsubo、J Biol.Chem.265:18829-32、1990年)、細菌挿入配列(Ohtsubo及びSekine、Curr.Top.Microbiol.Immunol.204:1-26、1996年)、レトロウイルス(Brownら、Proc Natl Acad Sci USA、86:2525-9、1989年)、及び酵母のレトロトランスポゾン(Boeke及びCorces、Annu Rev Microbiol.43:403-34、1989年)。その他の例としては、IS5、Tn10、Tn903、IS911、及びトランスポザーゼファミリー酵素の改変型(Zhangら、(2009年)PLoS Genet.5:e1000689.Epub 2009年10月16日、Wilson C.ら(2007年)J.Microbiol.Methods 71:332-5)がある。
本明細書で提供される方法及び組成物と共に使用され得るインテグラーゼの他の例には、レトロウイルスインテグラーゼ及びそのようなレトロウイルスインテグラーゼのインテグラーゼ認識配列、例えば、HIV-1、HIV-2、SIV、PFV-1、RSVからのインテグラーゼが含まれる。
本明細書に記載の方法及び組成物で有用なトランスポゾン配列は、米国特許出願公開第2012/0208705号、米国特許出願公開第2012/0208724号及び国際公開第2012/061832号で提供されている。一部の実施形態では、トランスポゾン配列は、第1のトランスポザーゼ認識部位と、第2のトランスポザーゼ認識部位と、2つのトランスポザーゼ認識部位間に存在する任意のインデックス配列とを含む。
本明細書で有用ないくつかのトランスポソーム複合体は、2つのトランスポゾン配列を有するトランスポザーゼを含む。いくつかのそのような実施形態では、2つのトランスポゾン配列は互いに連結されておらず、換言すれば、トランスポゾン配列は互いに連続していない。このようなトランスポソームの例は、当技術分野において既知である(例えば、米国特許出願公開第2010/0120098号参照)。
いくつかの実施形態では、トランスポソーム複合体は、2つのトランスポザーゼサブユニットに結合して「ループ状複合体」又は「ループ状トランスポソーム」を形成するトランスポザーゼ配列核酸を含む。一実施例では、トランスポソームは、二量体トランスポザーゼ及びトランスポゾン配列を含む。ループ状複合体は、ターゲットDNAを断片化することなく、元のターゲットDNAの順序情報を維持しながら、トランスポゾンがターゲットDNAに挿入されることを確実にすることができる。理解されるように、ループ状構造は、ターゲット核酸の物理的接続性を維持しながら、ターゲット核酸に、インデックスなどの所望の核酸配列を挿入してもよい。いくつかの実施形態では、ループ状トランスポソーム複合体のトランスポゾン配列は、トランスポゾン配列を断片化して2つのトランスポゾン配列を含むトランスポソーム複合体を作成することができるように、断片化部位を含むことができる。このようなトランスポゾン複合体は、トランスポゾンが挿入される隣接するターゲットDNA断片が、アッセイの後の段階で明確に組み立てることができるコードの組み合わせを確実に受け取るのに有用である。
トランスポソーム複合体は、任意選択で、トランスポザーゼインデックスとも呼ばれるインデックス配列を含み得る。インデックス配列は、トランスポゾン配列の一部として存在する。インデックスを有するトランスポソーム複合体の使用は、追加のインデックスを含むターゲット核酸断片をもたらす。一実施形態では、インデックス配列は、ターゲット核酸に転移されるトランスポザーゼ認識部位の鎖である転移鎖上に存在し得る。
したがって、各末端に異なる種類のヌクレオチド配列を有する核酸断片を産生するために、タグ付けを使用することができる。一実施形態では、得られる核酸断片は、一端にN5プライマー配列及び他端にN7プライマーなど各末端に異なるヌクレオチド配列、又は各末端に異なるユニバーサル配列を含む。有用なユニバーサル配列の例としては、例えば、ヘアピンライゲーション二重鎖、及びユニバーサルプライマーが結合できるユニバーサル配列が挙げられる。他の実施形態では、各末端に同じ種類のヌクレオチド配列を有する核酸断片を産生するために、タグ付けを使用することができる。一実施形態では、得られる核酸断片は、ユニバーサルプライマーが結合し得るユニバーサル配列、インデックス、又はユニバーサル配列及びインデックスの両方を有する、ヌクレオチド配列を各末端に含む。ユニバーサル配列は、第3のインデックスを導入するために、本明細書に記載の増幅ステップにおけるハイブリダイゼーションのための相補的配列として機能し得る。
核のタグ付け及び核酸断片の処理に続いて、分子の純度を高めるための洗浄プロセスを行うことができる。電気泳動、サイズ排除クロマトグラフィーなどの任意の好適な洗浄プロセスが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、固相可逆性固定常磁性ビーズを用いて、例えば、組み込まれていないプライマーから所望のDNA分子を分離し、サイズに基づいて核酸を選択することができる。固相可逆性固定常磁性ビーズは、ベックマン・コールター社(Agencourt AMPure XP)、サーモフィッシャー社(MagJet)、オメガ・バイオテック社(Mag-Bind)、プロメガ・ビーズ社(Promega)、及びカパ・バイオシステムズ社(Kapa Pure Beads)から市販されている。
任意選択で核酸断片に組み込まれたヘアピンライゲーション二本鎖のヘアピン領域に存在するイデオキシUの除去は、洗浄前、洗浄中、又は洗浄後に生じ得る。ウラシル残渣の除去は、任意の利用可能な方法によって達成することができ、一実施形態では、NEB社から入手可能なウラシル-特異的除去試薬(USER)が使用される。
核のタグ付けに続いて、各区画中の二重インデックス付き核酸断片に、第3のインデックス配列を組み込んで、三重インデックス付き断片を生成することができ、各区画における第3のインデックス配列は、区画内の第1及び第2のインデックス配列と異なる。これにより、固定化及びシークエンシングの前に、インデックス付き核酸断片の更なるインデックス付け(図3、ブロック36)がもたらされる。第3のインデックスは、PCRなどの増幅ステップによって組み込むことができる。一実施形態では、二重インデックス付き核酸断片の末端に存在するユニバーサル配列(例えば、一方の末端に二重挿入されたヌクレオチド配列と、他方の末端にトランスポソーム複合体挿入ヌクレオチド配列)を、プライマーの結合に使用し、増幅反応で伸長させることができる。典型的には、2つの異なるプライマーが使用される。1つのプライマーは、二重インデックス付き核酸断片の1つの鎖の3’末端でユニバーサル配列とハイブリダイズし、第2プライマーは、二重インデックス付き核酸断片の他方の鎖の3’末端でユニバーサル配列とハイブリダイズする。したがって、各プライマー上に存在するアンカー配列(例えば、リード1又はリード2用のシークエンシングプライマーなどのユニバーサルプライマーがシークエンシングのためにアニールする部位)は異なっていてもよい。好適なプライマーは、それぞれ、ユニバーサルキャプチャ配列(例えば、捕捉オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする部位であって、ここで捕捉オリゴヌクレオチドは、固体基質の表面上に固定化され得る)などの追加のユニバーサル配列を含むことができる。各プライマーにはインデックスが含まれているため、このステップでは、核酸断片の両端に1つずつ別のインデックス配列が追加され、三重インデックス付き断片が生成される。一実施形態では、インデックス付きP5プライマー及びインデックス付きP7プライマーなどのインデックス付きプライマーを使用して、第3のインデックスを追加することができる。三重インデックス付き断片はプールされ、本明細書に記載されているように洗浄ステップにかけられ得る。
得られた三重インデックス付き断片は、固定化してシーケエンスできる核酸のライブラリーを集合的に提供する。本明細書においてシークエンシングライブラリーとも呼ばれるライブラリーという用語は、3’末端及び5’末端に既知のユニバーサル配列を含む単一核からの核酸断片の回収を指す。本実施形態では、ライブラリーは、1つ又は複数の単離核からの全トランスクリプトーム核酸を含み、全トランスクリプトームシークエンシングを行うために使用することができる。
シークエンシングのための固定されたサンプルの調製
複数の多重割出された断片は、シークエンシングのために調製することができる。例えば、三重インデックス付き断片のトランスクリプトライブラリーが生成される実施形態では、三重インデックス付き断片はプールされ、典型的には、固定化及び/又は増幅によって、シークエンシング前に濃縮される(図3、ブロック37)。1つ又はそれ以上の源からのインデックス付き断片を基質に取り付ける方法は、当技術分野において既知である。一実施形態では、インデックス付き断片は、インデックス付き断片に対する特異性を有する複数の捕捉オリゴヌクレオチドを使用して強化され、捕捉オリゴヌクレオチドは、固体基質の表面上に固定化され得る。例えば、捕捉オリゴヌクレオチドは、ユニバーサル結合対の第1のメンバーを含むことができ、結合対の第2のメンバーは、固体基質の表面上に固定化される。同様に、固定化された三重インデックス付き断片を増幅するための方法としては、ブリッジ増幅及び結合平衡除外が挙げられるが、これらに限定されない。シークエンシングの前に固定化及び増幅する方法は、例えば、Bignellら(米国特許第8,053,192号)、Gundersonら(国際公開第2016/130704号)、Shenら(米国特許第8,895,249号)、及びPipenburgら(米国特許第9,309,502号)に記載されている。
プールされたサンプルは、シークエンシングのために調製中に固定化され得る。シークエンシングは、単一分子のアレイとして実施することも、シークエンシングの前に増幅することもできる。増幅は、1つ又は複数の固定化プライマーを使用して実施することができる。固定化されたプライマーは、例えば、平面上、又はビーズのプール上のローンであり得る。ビーズのプールは、エマルジョンの各「区画」に単一のビーズを有するエマルジョン中に単離され得る。「区画」当たり1つのテンプレートのみの濃度では、単一のテンプレートのみが各ビーズ上で増幅される。
本明細書で使用するとき、用語「固相増幅」は、形成時に増幅産物の全て又は一部が固体支持体上に固定化されるように、固体支持体上又は固体支持体と関連して実施される任意の核酸増幅反応を指す。具体的には、この用語は、順方向及び逆方向増幅プライマーの一方又は両方が固体支持体上に固定されていることを除いて、標準溶液相増幅に類似した反応である固相ポリメラーゼ連鎖反応(固相PCR)及び固相等温増幅を包含する。固相PCRは、一方のプライマーがビーズに固定され、もう一方が遊離溶液にあるエマルジョンや、一方のプライマーが表面に固定され、もう一方が遊離溶液にある固相ゲルマトリックスでのコロニー形成などの系を対象としている。
いくつかの実施形態では、固体支持体はパターン化された表面を含む。「パターン化された表面」は、固体支持体の露出層内又はその上の異なる領域の配置を指す。例えば、1つ又はそれ以上の領域は、1つ又はそれ以上の増幅プライマーが存在する特徴であり得る。この特徴は、増幅プライマーが存在しない間質領域によって分離され得る。いくつかの実施形態では、パターンは、行及び列にある特徴のx-yフォーマットであり得る。いくつかの実施形態では、パターンは、特徴及び/又は間質領域の反復配列であり得る。いくつかの実施態様では、パターンは、特徴及び/又は間質領域のランダム配列であり得る。本明細書に記載の方法及び組成物で使用することができる例示的なパターン化表面は、米国特許第8,778,848号、同第8,778,849号、及び同第9,079,148号、並びに米国特許出願公開第2014/0243224号に記載されている。
いくつかの実施形態では、固体支持体は、表面にウェル又は窪みのアレイを含む。これは、フォトリソグラフィー、スタンピング技術、成形技術、及びマイクロエッチング技術を含むがこれらに限定されない様々な技術を使用して、技術分野において一般的に知られているように製造することができる。技術分野において理解されるように、使用される技術は、アレイ基板の組成及び形状に依存する。
パターン付き表面内の特徴は、ガラス、シリコン、プラスチック、又はポリ(N-(5-アジドアセトアミルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド)(PAZAM、例えば、それぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第第2013/184796号、国際公開第2016/066586号、及び同第2015/002813号参照)などのパターン化された共有結合ゲルを備えた他の適切な固体支持体上のウェルのアレイ(例えば、マイクロウェル又はナノウェル)のウェルである可能性がある。このプロセスは、配列決定のために使用されるゲルパッドを作成し、これは、多数のサイクルで配列決定動作にわたって安定であり得る。ポリマーをウェルに共有結合することは、様々な用途の間に、構造化基材の寿命全体にわたってゲルを構造化特徴部に維持するのに有用である。しかしながら、多くの実施形態では、ゲルは、ウェルに共有結合される必要はない。例えば、いくつかの条件では、構造化基質のどの部分にも共有結合されていないシランフリーのアクリルアミド(SFA、例えば、米国特許第8,563,477号を参照)をゲル材料として使用することができる。
特定の別の実施形態では、構造化基材は、ウェル(例えば、マイクロウェル又はナノセル)を用いて固体支持材料をパターニングし、パターン化された支持体をゲル材料(例えば、PAZAM、SFA、又はその化学修飾された変異体)でコーティングすることによって作製することができ、SFA(アジド-SFA)のアジド化バージョンなど、及びゲルコーティングされた支持体を、例えば化学研磨又は機械研磨によって研磨し、それによって、ウェル内にゲルを保持するが、ウェル間の構造化基材の表面上の間隙領域から実質的に全てのゲルを除去又は不活性化する。ゲル材料にプライマー核酸を付着させることができる。次に、三重インデックス付き断片の溶液を研磨基質と接触させて、個々の三重インデックス付き断片が、ゲル材料に付着したプライマーとの相互作用を介して個々のウェルに播種されるようにすることができるが、ゲル材料が存在しないか不活性であるため、ターゲット核酸は間質領域を占有しない。三重インデックス付き断片の増幅は、介在領域内のゲルの非存在又は非活性が、増殖する核酸コロニーの外向きの移動を防止するため、ウェルに限定されるであろう。プロセスは、好都合に製造可能であり、スケール変更可能であり、従来のマイクロ又はナノ製造方法を利用する。
本開示は、1つの増幅プライマーのみが固定化される「固相」増幅法(他のプライマーは通常は遊離溶液中に存在する)を包含するが、一実施形態では、固体支持体は、固定化された順方向及び逆方向プライマーの両方を提供する。実際には、増幅プロセスは増幅を維持するために過剰なプライマーを必要とするため、「複数」の同一の順方向プライマー及び/又は固体支持体上に固定化された「複数」の同一の逆方向プライマーが存在するであろう。本明細書における順方向及び逆方向プライマーへの言及は、文脈が別段の指示をしない限り、「複数の」そのようなプライマーを包含するものとして解釈されるべきである。
当業者に理解されるように、任意の所与の増幅反応は、増幅されるテンプレートに特異的な少なくとも1つのタイプの順方向プライマー及び少なくとも1つのタイプの逆方向プライマーを必要とする。しかしながら、特定の実施形態では、順方向及び逆方向プライマーは、同一配列のテンプレート特異的部分を含んでもよく、完全に同一のヌクレオチド配列及び構造(任意の非ヌクレオチド修飾を含む)を有してもよい。換言すれば、1つのタイプのプライマーのみを用いて固相増幅を行うことができ、そのような単一プライマー法は、本開示の範囲内に包含される。他の実施形態は、同一のテンプレート特異的配列を含むが、いくつかの他の構造的特徴において異なる順方向及び逆方向プライマーを使用してもよい。例えば、一方のタイプのプライマーは、他方には存在しない非ヌクレオチド修飾を含み得る。
固相増幅用プライマーは、好ましくは、プライマーの5’末端又はその付近で固体支持体への単一点共有結合によって固定され、プライマーのテンプレート特異的部分をその同族テンプレート及びプライマー伸長を含まない3’ヒドロキシル基に自由にアニーリングさせる。当技術分野において既知の任意の好適な共有結合手段をこの目的のために使用することができる。選択された付着化学的物質は、固体支持体の性質、及びそれに適用される任意の誘導体化又は官能化に依存する。プライマー自体は、付着を促進するために非ヌクレオチド化学修飾であってもよい部分を含んでもよい。特定の実施形態では、プライマーは、5’末端にホスホロチオエート又はチオホスフェートなどの硫黄含有求核剤を含んでもよい。固体に支持されたポリアクリルアミドヒドロゲルの場合、この求核剤はヒドロゲルに存在するブロモアセトアミド基に結合する。プライマー及びテンプレートを固体支持体に取り付けるより具体的な手段は、国際公開第05/065814号に記載されるように、重合アクリルアミド及びN-(5-ブロモアセトアミドイルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)からなるヒドロゲルへの、5’ホスホロチオエート結合を介している。
本開示の特定の実施形態は、例えば、ポリヌクレオチドなどの生体分子への共有結合を可能にする反応基を含む中間材料の層又はコーティングの適用によって「官能化」された不活性基質又はマトリックス(例えば、ガラススライド、ポリマービーズなど)を含む固体支持体を利用することができる。このような支持体の例としては、ガラスなどの不活性基質上に支持されるポリアクリルアミドヒドロゲルが挙げられるが、これに限定されない。このような実施形態では、生体分子(例えば、ポリヌクレオチド)は、中間材料(例えば、ヒドロゲル)に直接共有結合してもよいが、中間材料は、それ自体が基質又はマトリックス(例えば、ガラス基質)に非共有結合してもよい。用語「固体支持体への共有結合」は、このタイプの配列を包含するように適宜解釈されるべきである。
プールされたサンプルは、ビーズ上で増幅されてもよく、各ビーズは、順方向及び逆方向増幅プライマーを含有する。特定の実施形態では、三重インデックス付き断片のライブラリーを使用して、米国特許出願公開第2005/0100900号、米国特許第7,115,400号、国際公開第00/18957号及び国際公開第98/44151号に記載されているものと同様の、固相増幅、より具体的には固相等温増幅による核酸コロニーのクラスター化配列を調製する。用語「クラスター」及び「コロニー」は、本明細書において交換可能に使用され、複数の同一の固定化核酸鎖及び複数の同一の固定化された相補的核酸鎖を含む、固体支持体上の別個の部位を指す。「クラスター化アレイ」という用語は、そのようなクラスター又はコロニーから形成されるアレイを指す。この文脈では、用語「アレイ」は、クラスターの順序付けられた配置を必要とするものとして理解されるべきではない。
「固相」又は「表面」という用語は、プライマーが平坦な表面、例えば、ガラス、シリカ若しくはプラスチック顕微鏡スライド、又は類似のフロー細胞デバイスや、ビーズであって、1つ又は2つのプライマーが付着し、ビーズが増幅される、ビーズに取り付けられている平面アレイか、ビーズが増幅された後の表面上のビーズのアレイのいずれかを意味するために使用される。
クラスター化された配列は、国際公開第98/44151号に記載されているような熱サイクルのプロセス、又は温度が一定に維持され、試薬の変化を使用して延伸及び変性のサイクルが行われるプロセスを使用して調整され得る。このような等温増幅法は、国際公開第02/46456号及び米国特許出願公開第2008/0009420号に記載されている。等温プロセスにおいて有用なより低い温度により、これは、いくつかの実施形態において特に好ましい。
本明細書に記載されるか、又は当技術分野において一般的に既知の増幅方法のいずれも、固定化DNA断片を増幅するために、ユニバーサル又はターゲット特異的なプライマーと共に使用され得ることが理解されるであろう。増幅に好適な方法としては、米国特許第8,003,354号に記載されているように、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換増幅(SDA)、転写媒介増幅(TMA)、及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)が挙げられるが、これらに限定されない。上記の増幅方法を用いて、対象とする1つ又はそれ以上の核酸を増幅することができる。例えば、多重PCR、SDA、TMA、NASBAなどを含むPCRを利用して、固定化DNA断片を増幅することができる。いくつかの実施形態では、対象となるポリヌクレオチドに特異的に指向されるプライマーは、増幅反応に含まれる。
ポリヌクレオチドの増幅に好適な他の方法としては、オリゴヌクレオチド伸長及びライゲーション、ローリングサークル増幅(RCA)(Lizardiら、Nat.Genet.19:225-232(1998年))、及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)技術を含み得る(一般に米国特許第7,582,420号、同第5,185,243号、同第5,679,524号、及び同第5,573,907号、欧州特許第0 320 308 B1号、欧州特許第0 336 731 B1号、欧州特許第0
439 182 B1号、国際公開第90/01069号、国際公開第89/12696号、及び国際公開第89/09835号参照)。これらの増幅方法は、固定化DNA断片を増幅するように設計され得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、増幅法は、対象の核酸に特異的に指向されるプライマーを含有するライゲーションプローブ増幅又はオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)反応を含んでもよい。いくつかの実施形態では、増幅法は、対象の核酸に特異的に指向されるプライマーを含有するプライマー伸長ライゲーション反応を含んでもよい。対象の核酸を増幅するよう特異的に設計され得るプライマー伸長及びライゲーションプライマーの非限定的な例として、増幅は、米国特許第7,582,420号及び同第7,611,869号により例示されるように、GoldenGateアッセイに使用されるプライマー(Illumina社、サンディエゴ、カリフォルニア州)を挙げることができる。
DNAナノブロックも、本明細書に記載の方法及び組成物と組み合わせて使用することができる。ゲノムシークエンシングのためのDNAナノブロックを作成及び使用するための方法は、例えば、米国特許及び公報である米国特許第7,910,354号、同第2009/0264299号、同第2009/0011943号、同第2009/0005252号、同第2009/0155781号、同第2009/0118488号に見出すことができ、例えば、Drmanacら(2010年、Science 327(5961):78-81)に記載されているように見出すことができる。簡潔に言えば、ゲノムライブラリーDNA断片化後、アダプターを断片にライゲーションし、アダプターライゲーションされた断片をサークルリガーゼとのライゲーションによって循環させ、ローリングサークル増幅を実施する(Lizardiら、1998年、Nat.Genet.19:225-232及び米国特許出願第2007/0099208(A1)号に記載)。アンプリコンの伸長されたコンカテマー構造は、コイリングを促進し、それによりコンパクトなDNAナノボールを生成する。DNAナノボールは、好ましくは、各ナノボール間の距離が維持され、それによって別個のDNAナノボールのシークエンシングを可能になるように、順序付けられた又はパターン化された配列を形成するために基質上に捕捉することができる。Complete Genomics社(マウンテンビュー、カリフォルニア州)によって使用されるものなどのいくつかの実施形態では、アダプターライゲーションの連続ラウンド、増幅及び消化は、アダプター配列によって分離されたいくつかのゲノムDNA断片を有する頭尾構築物を作製するために、循環前に行われる。
本開示の方法で使用され得る例示的な等温増幅法としては、例えば、DeanらのProc.Natl.Acad.Sci.USA 99:5261-66(2002年)、又は例えば米国特許第6,214,587号により例示される等温鎖置換核酸増幅によって例示される複数置換増幅(MDA)が挙げられるが、これらに限定されない。本開示で使用され得る他の非PCR系方法としては、例えば、Walkerら、Molecular
Methods for Virus Detection、Academic Press社、1995年に記載されている鎖置換増幅(SDA)、米国特許第5,455,166号、及び同第5,130,238号、並びにWalkerら、Nucl.Acids Res.20:1691-96(1992年)、又は、例えばLageらのGenome Res.13:294-307(2003年)に記載されている過分枝鎖置換増幅が挙げられる。等温増幅法は、例えば、鎖置換Phi 29ポリメラーゼ又はBst DNAポリメラーゼ大型断片、ゲノムDNAのランダムプライマー増幅のための5’->3’エキソで使用することができる。これらのポリメラーゼの使用は、それらの高い加工性及び鎖置換活性の利点を利用する。高い加工性により、ポリメラーゼは、10-20kbの長さの断片を産生できる。上記に述べたように、低加工性を有するポリメラーゼ及びKlenowポリメラーゼなどの鎖置換活性を有するポリメラーゼを使用して、等温条件下でより小さな断片を産生することができる。増幅反応、条件及び成分の更なる説明は、米国特許第7,670,810号の開示に詳細に記載されている。
本開示において有用な別のポリヌクレオチド増幅法は、例えばGrothuesらのNucleic Acids Res.21(5):1321-2、(1993年)に記載されているように、5’領域に続いてランダム3’領域を有する2ドメインプライマーの集団を使用する、タグ付きPCRである。増幅の第1のラウンドは、ランダムに合成された3’領域からの個々のハイブリダイゼーションに基づいて、熱変性DNA上で多数の開始を可能にするために行われる。3’領域の性質により、開始部位はゲノム全体にランダムであると考えられる。その後、未結合のプライマーを除去し、一定の5’領域に相補的なプライマーを使用して更なる複製を行ってもよい。
いくつかの実施形態では、等温増幅は、排除増幅(ExAmp)とも呼ばれる、結合平衡除外増幅(KEA)を使用して行うことができる。本開示の核酸ライブラリーは、増幅試薬を反応させて、部位に播種した個々のターゲット核酸からそれぞれがアンプリコンの実質的にクローン性集団を含む複数の増幅部位を産生するステップを含む方法を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、増幅反応は、それぞれの増幅部位の容量を満たすのに十分な数のアンプリコンが産生されるまで進行する。このように、既に播種された部位を容量まで満たすと、ターゲット核酸がその部位に着地して増幅するのを阻害し、それによってその部位でアンプリコンのクローン集団を産生する。いくつかの実施形態では、第2のターゲット核酸がその部位に到達する前に増幅部位が容量まで満たされていなくても、見かけのクローン性を達成することができる。いくつかの条件下では、第1のターゲット核酸の増幅は、その部位に輸送される第2のターゲット核酸からのコピーの産生を有効に上回るか又は圧倒するのに十分な数のコピーが作製される点まで進行し得る。例えば、直径500nm未満の円形特徴部上でブリッジ増幅プロセスを使用する実施形態では、第1のターゲット核酸に対する指数増幅の14サイクル後、同じ部位での第2のターゲット核酸からの汚染は、Illuminaシークエンシングプラットフォーム上での配列合成分析に悪影響を及ぼすのに不十分な数の汚染アンプリコンを生成することが決定された。
いくつかの実施形態では、アレイ中の増幅部位は、完全にクローンであることができるが、必ずしもそうである必要はない。むしろ、いくつかの用途では、個々の増幅部位は、主に第1の三重インデックス付き断片からのアンプリコンで占められ、また、第2のターゲット核酸からの低レベルの汚染アンプリコンを有することもできる。アレイは、汚染レベルがアレイのその後の使用に許容できない影響を有さない限り、低レベルの汚染アンプリコンを有する1つ又はそれ以上の増幅部位を有することができる。例えば、アレイが検出用途で使用される場合、許容可能なレベルの汚染は、検出技術の信号対雑音比又は分解能に許容できない方法で影響を与えないレベルである。したがって、見かけのクローン性は、一般に、本明細書に記載の方法によって作製されるアレイの特定の使用又は用途に関連する。特定の用途のために個々の増幅部位で許容できる汚染の例示的なレベルとしては、最大で0.1%、0.5%、1%、5%、10%又は25%の汚染アンプリコンを含むが、これらに限定されない。アレイは、これらの例示的なレベルの汚染アンプリコンを有する1つ又はそれ以上の増幅部位を含み得る。例えば、アレイ内の増幅部位の最大5%、10%、25%、50%、75%、又は更には100%に、汚染されたアンプリコンが含まれている可能性がある。アレイ又はその他の部位集合において、部位の少なくとも50%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上がクローン性であるか、又は見かけでクローン性であり得ることが理解されよう。
いくつかの実施形態では、結合平衡除外は、別のイベント又はプロセスが発生することを効果的に排除するために、十分に速い速度でプロセスが生じるときに生じ得る。アレイの部位が溶液からの三重インデックス付き断片でランダムに播種され、三重インデックス付き断片のコピーが増幅プロセスで産生されて、播種部位のそれぞれを容量まで満たす核酸アレイの作製を例として取り上げる。本開示の結合平衡除外法によれば、播種及び増幅プロセスは、増幅速度が播種速度を超える条件下で同時に進行することができる。したがって、第1のターゲット核酸によって播種された部位でコピーが作製される比較的速い速度は、増幅のためにその部位を播種することから、第2の核酸を効果的に排除する。結合平衡除外法は、米国特許出願公開第2013/0338042号の開示に詳細に記載されているように実施することができる。
結合平衡除外は、増幅を開始するための比較的遅い速度(例えば、三重インデックス断片の第1のコピーを作製するための遅い速度)対三重インデックス付き断片の後続のコピー(又は、三重インデックス付き断片の第1のコピー)を作製するための比較的速い速度を利用することができる。前の段落の例では、結合平衡除外は、比較的遅い速度の三重インデックス付き断片播種(例えば、比較的遅い拡散又は輸送)対三重インデックス付き断片種のコピーで部位を満たすために増幅が生じる比較的速い速度のために生じる。別の例示的な実施形態において、結合平衡除外は、部位を播種した三重インデックス付き断片の第1のコピーの形成の遅延(例えば、遅延又は遅い活性化)対部位を満たすために後続のコピーが作製される比較的速い速度のために生じ得る。この実施例では、個々の部位に、いくつかの異なる三重インデックス付き断片が播種されている可能性がある(例えば、増幅前に各部位にいくつかの三重インデックス付き断片が存在し得る)。しかしながら、任意の所与の三重インデックス付き断片の第1のコピー形成はランダムに活性化できるため、第1のコピー形成の平均速度は、後続のコピーが生成される速度と比較して比較的遅くなる。この場合、個々の部位には、いくつかの異なる三重インデックス付き断片が播種されている場合があるが、結合平衡除外により、それらの三重インデックス付き断片のうちの1つのみを増幅できる。より具体的には、第1の三重インデックス付き断片が増幅のために活性化されると、部位はそのコピーで急速に容量まで満たされ、それによって、第2の三重インデックス付き断片のコピーが部位で作製されることを防止する。
一実施形態では、本方法は、(i)平均輸送速度で増幅部位に断片を三重インデックス化する、(ii)平均増幅速度で増幅部位にある三重インデックス断片を増幅するために同時に実施され、平均増幅速度は平均輸送速度を超える(米国特許第9,169,513号)。したがって、このような実施形態では、比較的遅い輸送速度を使用することによって、結合平衡除外を達成することができる。例えば、より低い濃度は、より遅い輸送速度をもたらすので、十分に低い濃度の三重インデックス断片を選択して、所望の平均輸送速度を達成することができる。代替的に又は追加的に、溶液中の高粘度溶液及び/又は分子クラウディング試薬の存在を使用して、輸送速度を低下させることができる。有用な分子クラウディング試薬の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、フィコール、デキストラン、又はポリビニルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な分子クラウディング試薬及び製剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,399,590号に記載されている。所望の輸送速度を達成するように調節することができる別の因子は、ターゲット核酸の平均サイズである。
増幅試薬は、アンプリコン形成を促進する更なる成分を含むことができ、場合によってはアンプリコン形成の速度を増加させる。一実施例は、リコンビナーゼである。リコンビナーゼは、反復的な浸潤/伸長を可能にすることによって、アンプリコン形成を促進することができる。より具体的には、リコンビナーゼは、ポリメラーゼによる三重インデックス断片の浸潤、及びアンプリコン形成のためのテンプレートとして三重インデックス付き断片を使用するポリメラーゼによるプライマーの伸長を促進することができる。このプロセスは、浸潤/伸長の各ラウンドから産生されたアンプリコンが後続のラウンドでテンプレートとして機能する鎖反応として繰り返すことができる。変性サイクル(例えば、加熱又は化学変性による)は必要とされないため、このプロセスは標準的なPCRよりも迅速に行うことができる。したがって、リコンビナーゼ促進増幅は、等温的に行うことができる。増幅を促進するために、リコンビナーゼ促進増幅試薬中に、ATP、又は他のヌクレオチド(又は場合によってはその非加水分解性類似体)を含めることが望ましい。リコンビナーゼと一本鎖結合(SSB)タンパク質の混合物は、SSBが増幅を更に促進できるため、特に有用である。リコンビナーゼ促進増幅のための代表的な製剤としては、TwistDx社(ケンブリッジ、英国)によりTwistAmpキットとして市販されているものが挙げられる。リコンビナーゼ促進増幅試薬の有用な成分及び反応条件は、米国特許第5,223,414号及び同第7,399,590号に記載されている。
アンプリコン形成を促進し、場合によってはアンプリコン形成の速度を増加させるために増幅試薬に含めることができる成分の別の例は、ヘリカーゼである。ヘリカーゼは、アンプリコン形成の連鎖反応を可能にすることによって、アンプリコン形成を促進することができる。変性サイクル(例えば、加熱又は化学変性による)は必要とされないため、このプロセスは標準的なPCRよりも迅速に行うことができる。したがって、ヘリカーゼ促進増幅は、等温的に行うことができる。ヘリカーゼと一本鎖結合(SSB)タンパク質の混合物は、SSBが増幅を更に促進できるため、特に有用である。ヘリカーゼ促進増幅のための代表的な製剤としては、Biohelix社(ビバリー、マサチューセッツ州)からIsoAmpキットとして市販されているものが挙げられる。更に、ヘリカーゼタンパク質を含む有用な製剤の例は、米国特許第7,399,590号及び同第7,829,284号に記載されている。
アンプリコン形成を促進し、場合によってはアンプリコン形成の速度を増加させるために増幅試薬に含めることができる成分の更に別の例は、起点結合タンパク質である。
シークエンシングにおける使用/シークエンシング方法
表面への三重インデックス付き断片の取り付けに続いて、固定化及び増幅された三重インデックス付き断片の配列を決定する。シークエンシングは、任意の好適なシークエンシング技術を使用して実施することができ、鎖再合成を含む、固定化及び増幅された三重インデックス付き断片の配列を決定する方法は、当技術分野において既知であり、例えば、Bignellらの(米国特許第8,053,192号)、Gundersonらの(国際公開第2016/130704号)、Shenらの(米国特許第8,895,249号)、及びPipenburgらの(米国特許第9,309,502号)に記載されている。
本明細書に記載の方法は、様々な核酸シークエンシング方法と併せて使用することができる。特に適用可能な技術は、核酸が、それらの相対的位置が変化しないようにアレイ内の固定位置に取り付けられ、アレイが繰り返し撮像されるものである。例えば、1つのヌクレオチド塩基型を別のヌクレオチド塩基型と区別するために使用される異なる標識と一致する異なる色チャネルで画像が得られる実施形態は、特に適用可能である。いくつかの実施形態では、三重インデックス断片のヌクレオチド配列を決定するプロセスは、自動化プロセスであり得る。好ましい実施形態としては、合成によるシークエンシング(「SBS」)技術が挙げられる。
SBS技術は、一般に、テンプレート鎖に対するヌクレオチドの反復的添加による、新生核酸鎖の酵素的伸長を伴う。SBSの従来の方法では、単一のヌクレオチドモノマーが、各送達においてポリメラーゼの存在下でターゲットヌクレオチドに提供され得る。しかしながら、本明細書に記載の方法では、送達中のポリメラーゼの存在下で、複数のタイプのヌクレオチドモノマーをターゲット核酸に提供することができる。
一実施形態では、ヌクレオチドモノマーは、ロックされた核酸(LNA)又は架橋核酸(BNA)を含む。ヌクレオチドモノマーにおけるLNA又はBNAの使用は、ヌクレオチドモノマーと固定化された三重インデックス断片上に存在するシークエンシングプライマー配列との間のハイブリダイゼーション強度を増加させる。
SBSは、ターミネーター部分を有するヌクレオチドモノマー、又はターミネーター部分を欠くヌクレオチドモノマーを使用することができる。ターミネーターを含まないヌクレオチドモノマーを使用する方法としては、例えば、本明細書で更に詳細に記載されるように、γ-リン酸標識ヌクレオチドを用いたピロシークエンシング及びシークエンシングが挙げられる。ターミネーターを含まないヌクレオチドモノマーを使用する方法では、各サイクルに添加されるヌクレオチドの数は、一般に可変であり、テンプレート配列及びヌクレオチド送達のモードに依存する。ターミネーター部分を有するヌクレオチドモノマーを利用するSBS技術では、ターミネーターは、ジデオキシリヌクレオチドを利用する従来のSangerシークエンシングの場合のように使用されるシークエンシング条件下で有効に不可逆的であり得るか、又はターミネーターは、Solexa社(現在はIllumina社)によって開発されたシークエンシング方法の場合のように可逆的であり得る。
SBS技術は、標識部分を有するヌクレオチドモノマー、又は標識部分を欠くヌクレオチドモノマーを使用することができる。したがって、標識の蛍光などの標識の特性、分子量又は電荷などのヌクレオチドモノマーの特性、ピロリン酸の放出などのヌクレオチドの組み込みの副生成物などに基づいて、組み込みイベントを検出することができる。2つ以上の異なるヌクレオチドがシークエンシング試薬中に存在する実施形態では、異なるヌクレオチドは互いに区別可能であってもよく、あるいは2つ以上の異なる標識は、使用される検出技術の下で区別可能であり得る。例えば、シークエンシング試薬中に存在する異なるヌクレオチドは、異なる標識を有することができ、それらは、Solexa社(現Illumina社)によって開発されたシークエンシング方法によって例示される適切な光学系を使用して区別することができる。
好ましい実施形態としては、ピロシークエンシング技術が挙げられる。ピロシークエンシングは、特定のヌクレオチドが新生鎖に組み込まれるときに無機ピロリン酸塩(PPi)の放出を検出する(Ronaghi,M.、Karamohamed,S.、Pettersson,B.、Uhlen,M.、及びNyren,P.(1996年)の「無機ピロリン酸塩の検出を使用するリアルタイムDNAシークエンシング」、Analytical Biochemistry 242(1)、84-9、Ronaghi,M.(2001年)の「ピロシークエンシングはDNAシーケンクエンシングに光を当てる」、Genome Res.、11(1)、3-11、Ronaghi,M.、Uhlen,M.、及びNyren,P.(1998の)「リアルタイム無機ピロリン酸塩に基づくシークエンシング」、Science 281(5375)、363、米国特許第6,210,891号、同第6,258,568号及び同第6,274,320号)。ピロシークエンシングにおいて、放出されたPPiは、ATPスルフラーゼによってアデノシン三リン酸(ATP)に即座に変換されることによって検出することができ、生成されたATPのレベルはルシフェラーゼで生成された光子を介して検出される。シークエンシングされる核酸は、アレイ中の特徴部に付着させることができ、アレイは、アレイの特徴部にヌクレオチドを組み込むことにより産生される化学発光シグナルを捕捉するために画像化することができる。アレイを特定のヌクレオチド型(例えば、T、C、又はG)で処理した後に、画像を得ることができる。各ヌクレオチド型の添加後に得られる画像は、アレイ内のどの特徴部が検出されるかに関して異なる。画像内のこれらの差異は、アレイ上の特徴部の異なる配列コンテンツを反映する。しかしながら、各特徴部の相対的な位置は、画像内で変わらないままである。画像は、本明細書に記載の方法を使用して記憶、処理、及び分析することができる。例えば、アレイを各異なるヌクレオチド型で処理した後に得られる画像は、可逆的ターミネーターベースのシークエンシング方法のための異なる検出チャネルから得られる画像について、本明細書に例示されるものと同じ方法で処理することができる。
別の例示的な種類のSBSでは、サイクルシークエンシングは、例えば、国際公開第04/018497号及び米国特許第7,057,026号に記載されているような開裂可能な又は光漂白可能な染料標識を含む可逆的ターミネーターヌクレオチドを段階的に添加することによって達成される。この手法は、Solexa社(現在Illumina社)によって商品化されており、国際公開第91/06678号及び同第07/123,744号にも記載されている。終端の両方を逆転させることができ、蛍光標識が開裂された蛍光標識ターミネーターの可用性は、効率的な循環可逆的終端(CRT)シークエンシングを容易にする。ポリメラーゼはまた、これらの修飾されたヌクレオチドを効率的に組み込み、かつそこから伸長するように共操作することもできる。
いくつかの可逆的ターミネーターベースのシークエンシング実施形態では、標識は、SBS反応条件下での伸長を実質的に阻害しない。しかしながら、検出標識は、例えば、開裂又は分解によって取り外し可能であり得る。画像は、アレイ化された核酸特徴部への標識の組み込み後に捕捉することができる。特定の実施形態では、各サイクルは、アレイへの4つの異なるヌクレオチド型の同時送達を伴い、各ヌクレオチド型は、スペクトル的に異なる標識を有する。次に、4つの異なる標識の1つに選択的な検出チャネルをそれぞれ使用して、4つの画像を得ることができる。あるいは、異なるヌクレオチド型を順次追加することができ、各追加ステップの間にアレイの画像を得ることができる。このような実施形態では、各画像は、特定の型のヌクレオチドを組み込んだ核酸特徴部を示す。各特徴部のシーケンスコンテンツが異なるため、様々な画像に様々な特徴部が存在するか、存在しない。しかしながら、特徴部の相対的な位置は、画像内で変わらないままである。このような可逆的ターミネーター-SBS法から得られる画像は、本明細書に記載されるように保存、処理、及び分析することができる。画像捕捉ステップに続いて、標識を除去することができ、その後のヌクレオチド添加及び検出のサイクルのために可逆的ターミネーター部分を除去することができる。特定のサイクルで検出された後、及び後続のサイクルの前に標識を除去すると、サイクル間のバックグラウンド信号及びクロストークを低減できるという利点がある。有用な標識及び除去方法の例を本明細書に記載する。
特定の実施形態では、ヌクレオチドモノマーの一部又は全ては、可逆的ターミネーターを含み得る。このような実施形態では、可逆的ターミネーター/開裂可能なフルオロフォアは、3’エステル結合(Metzker、Genome Res.15:1767-1776(2005年))を介してリボース部分に結合されたフルオロフォアを含み得る。他の手法は、蛍光標識(Ruparelら、Proc Natl Acad Sci USA 102:5932-7(2005年))からターミネーターの化学的物質を分離した。Ruparelらは、少量の3’アリル基を使用して伸長をブロックするが、パラジウム触媒で短時間処理することで簡単にブロックを解除できる可逆性ターミネーターの開発について説明している。フルオロフォアは、長波長UV光への30秒の曝露によって容易に開裂することができる光開裂可能リンカーを介して基に付着された。したがって、ジスルフィド還元又は光開裂のいずれかを開裂可能なリンカーとして使用することができる。可逆的終端への別の手法は、dNTP上に嵩高な染料を配置した後に続く自然終端の使用である。dNTP上の帯電した嵩高な染料の存在は、立体障害及び/又は静電障害を介して効果的なターミネーターとして作用することができる。1つの組み込みイベントの存在は、染料が除去されない限り、それ以上の結合を防止する。染料の開裂は、フルオロフォアを除去し、終端を効果的に逆転させる。修飾ヌクレオチドの例は、米国特許第7,427,673号及び同第7,057,026号にも記載されている。
本明細書に記載の方法及びシステムと共に利用することができる追加の例示的なSBSシステム及び方法は、米国特許出願公開第2007/0166705号、同第2006/0188901号、同第2006/0240439号、同第2006/0281109号、同第2012/0270305号、及び同第2013/0260372号、米国特許第7,057,026号、及び国際公開第05/065814号、米国特許出願公開第2005/0100900号、及び国際公開第06/064199号及び同第07/010,251号に記載されている。
いくつかの実施形態は、4つ未満の異なる標識を使用する4つの異なるヌクレオチドの検出を使用することができる。例えば、SBSは、組み込まれた資料である米国特許公開公報第2013/0079232号に記載される方法及びシステムを使用して実施することができる。第1の例として、ヌクレオチド型の対は、同じ波長で検出することができるが、対のうちの1つのメンバーに対する強度の差に基づいて、又は、対の他の部材について検出された信号と比較して明らかなシグナルを出現又は消失させる、対の1つのメンバーへの変化(例えば、化学修飾、光化学修飾、又は物理的改質を行うことを介して)に基づいて区別され得る。第2の例として、4つの異なるヌクレオチド型のうちの3つを特定の条件下で検出することができ、一方、第4のヌクレオチド型は、それらの条件下で検出可能な標識がないか、又はそれらの条件下で最小限に検出される(例えば、バックグラウンド蛍光による最小限の検出など)。最初の3つのヌクレオチド型を核酸に組み込むことは、それらの対応するシグナルの存在に基づいて決定することができ、第4のヌクレオチド型を核酸に組み込むことは、任意のシグナルの不在又は最小限の検出に基づいて決定することができる。第3の例として、1つのヌクレオチド型は、2つの異なるチャネルで検出される標識を含むことができ、一方、他のヌクレオチド型は、チャネルのうちの1つ以下で検出される。前述の3つの例示的な構成は、相互に排他的であるとは見なされず、様々な組み合わせで使用することができる。3つ全ての実施例を組み合わせた例示的な実施形態は、第1のチャネルで検出される第1のヌクレオチド型(例えば、第1の励起波長によって励起されたときに第1のチャネルで検出される標識を有するdATP)、第2のチャネルで検出される第2のヌクレオチド型(例えば、第2の励起波長によって励起されたときに第2のチャネルで検出される標識を有するdCTP)、第1及び第2のチャネルの両方において検出される第3のヌクレオチド型(例えば、第1及び/又は第2の励起波長によって励起されたときに両方のチャネルで検出される少なくとも1つの標識を有するdTTP)、及びいずれのチャネルでも検出されないか、又は最小限に検出される、標識のない第4のヌクレオチド型(例えば、標識のないdGTP)を使用する蛍光ベースのSBS法である。
更に、組み込まれた資料である米国特許出願公開第2013/0079232号に記載のように、シークエンシングデータは、単一のチャネルを使用して得ることができる。このようないわゆる1つの染料シークエンシング方法では、第1のヌクレオチド型は標識されるが、第1の画像が生成された後に標識が除去され、第2のヌクレオチド型は、第1の画像が生成された後にのみ標識される。第3のヌクレオチド型は、第1及び第2の画像の両方においてその標識を保持し、第4のヌクレオチド型は、両方の画像において標識されていないままである。
いくつかの実施形態は、ライゲーション技術によるシークエンシングを使用することができる。このような技術は、DNAリガーゼを使用してオリゴヌクレオチドを組み込み、そのようなオリゴヌクレオチドの組み込みを識別する。オリゴヌクレオチドは、典型的には、オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列中の特定のヌクレオチドの同一性と相関する異なる標識を有する。他のSBS方法と同様に、標識されたシークエンシング試薬で核酸配列のアレイを処理した後、画像を得ることができる。各画像は、特定の型の標識を組み込んだ核酸特徴部を示す。各特徴部のシーケンスコンテンツが異なるため、様々な画像に様々な特徴部が存在するか、存在しないが、特徴部の相対的な位置は、画像内で変わらないままである。ライゲーションベースのシークエンシング方法から得られる画像は、本明細書に記載されるように保存、処理、及び分析することができる。本明細書に記載の方法及びシステムと共に利用することができる例示的なSBSシステム及び方法は、米国特許第6,969,488号、同第6,172,218号、及び同第6,306,597号に記載されている。
いくつかの実施形態は、ナノ細孔シークエンシングを使用することができる(Deamer,D.W.及びAkeson,M.の「ナノ細孔及び核酸:超高速シークエンシングの観点」、Trends Biotechnol.、18、147-151(2000年)、Deamer,D.及びD.Brantonの「ナノ細孔分析による核酸の特性評価」、Acc.Chem.Res.35:817-825(2002年)、Li,J.、M.Gershow、D.Stein、E.Brandin、及びJ.A.Golovchenkoの「固体ナノ細孔顕微鏡中のDNA分子及び構成」、Nat.Mater、2:611-615(2003年))。このような実施形態では、三重インデックス断片は、ナノ細孔を通過する。ナノ細孔は、α-ヘモリジンなどの合成孔又は生体膜タンパク質であり得る。三重インデックス断片がナノ細孔を通過するとき、各塩基対は、細孔の電気コンダクタンスの変動を測定することによって識別することができる。(米国特許第7,001,792号、Soni,G.V.及びMellerの「固相ナノ細孔を使用した超高速DNAシークエンシングに向けた進歩」、Clin.Chem.53、1996-2001(2007年)、Healy、K.の「ナノポアベースの単一分子DNA分析」、Nanomed.、2、459-481(2007年)、Cockroft,S.L.、Chu,J.、AmorinM.及びGhadiri,M.R.の「単一分子ナノ細孔装置は、単一ヌクレオチド分解能でDNAポリメラーゼ活性を検出する」、J.Am Chem.Soc.130、818-820(2008年)。ナノ細孔シークエンシングから得られるデータは、本明細書に記載されるように、保存、処理、及び分析することができる。具体的には、データは、本明細書に記載される光学画像及び他の画像の例示的な処理に従って、画像として処理することができる。
いくつかの実施形態は、DNAポリメラーゼ活性のリアルタイムモニタリングを含む方法を使用することができる。ヌクレオチドの組み込みは、例えば、米国特許第7,329,492号及び同第7,211,414号に記載されているようなフルオロフォア含有ポリメラーゼとγ-リン酸標識ヌクレオチドとの間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)相互作用を介して検出することができ、又はヌクレオチドの組み込みは、例えば、米国特許第7,315,019号に記載されているようなゼロモード導波路、並びに、例えば、米国特許第7,405,281号及び米国特許出願公開第2008/0108082号に記載されているような蛍光ヌクレオチド類似体及び操作ポリメラーゼを使用して検出することができる。照明は、蛍光標識されたヌクレオチドの組み込みが低バックグラウンドで観察され得るように、表面繋留ポリメラーゼの周囲のゼプトリットルスケールの体積に制限することができる(Levene,M.J.らの「高濃度での単一分子分析用のゼロモード導波路」、Science,299,682-686(2003年)、Lundquist,P.M.ら「リアルタイムでの単一分子の並列共焦点検出」、Opt.Lett.33,1026-1028(2008年)、Korlach,J.らの「ゼロモード導波管ナノ構造における単一DNAポリメラーゼ分子のターゲット固定化のための選択的なアルミニウム不動態化」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105、1176-1181(2008年))。このような方法から得られる画像は、本明細書に記載されるように、記憶、処理、及び分析することができる。
いくつかのSBS実施形態は、伸長産物へのヌクレオチドの組み込み時に放出されるプロトンの検出を含む。例えば、放出されたプロトンの検出に基づくシークエンシングは、Ion Torrent社(ギルフォード、コネチカット州、Life Technologies社子会社)から市販されている電気検出器及び関連技術、又は米国特許出願公開第2009/0026082号、同第2009/0127589号、同第2010/0137143号、及び同第2010/0282617号に記載のシークエンシング方法及びシステムを使用することができる。結合平衡除外を使用してターゲット核酸を増幅するための本明細書に記載の方法は、プロトンを検出するために使用される基質に容易に適用することができる。より具体的には、本明細書に記載の方法を使用して、プロトンを検出するために使用されるアンプリコンのクローン集団を産生することができる。
上記のSBS方法は、複数の異なる三重インデックス断片が同時に操作されるように、多重形式で有利に実施することができる。特定の実施形態では、異なる三重インデックス断片は、共通の反応容器又は特定の基質の表面で処理することができる。これにより、シークエンシング試薬の簡便な送達、未反応試薬の除去、及び組み込みイベントの検出を多重に可能になる。表面結合されたターゲット核酸を使用する実施形態では、三重インデックス断片はアレイ形式であり得る。アレイ形式では、三重インデックス断片は、典型的には、空間的に区別可能な様式で表面に結合され得る。三重インデックス断片は、直接共有結合、ビーズ若しくは他の粒子への付着、又は表面に結合したポリメラーゼ若しくは他の分子への結合によって結合され得る。アレイは、各部位(特徴部とも呼ばれる)における三重インデックス断片の単一コピーを含むか、又は同じ配列を有する複数のコピーは、各部位若しくは特徴部に存在することができる。複数のコピーは、本明細書で更に詳細に記載されるブリッジ増幅又はエマルジョンPCRなどの増幅方法によって産生することができる。
本明細書に記載の方法は、例えば、少なくとも約10個の特徴部/cm、100個の特徴部/cm、500個の特徴部/cm、1,000個の特徴部/cm、5,000個の特徴部/cm、10,000個の特徴部/cm、50,000個の特徴部/cm、100,000個の特徴部/cm、1,000,000個の特徴部/cm、5,000,000個の特徴部/cm、又はそれ以上を含む、様々な密度のいずれかの特徴部を有するアレイを使用することができる。
本明細書に記載の方法の利点は、複数のcmの迅速かつ効率的で、並行な検出を提供することである。したがって、本開示は、本明細書に例示されるものなどの当技術分野において既知の技術を使用して核酸を調製及び検出することができる統合システムを提供する。したがって、本開示の統合システムは、増幅試薬及び/又はシークエンシング試薬を1つ又はそれ以上の固定化三重インデックス断片に送達することができる流体成分を含むことができ、システムは、ポンプ、弁、リザーバー、流体ラインなどの構成要素を含む。フロー細胞は、ターゲット核酸を検出するための統合システムで構成及び/又は使用することができる。例示的なフロー細胞は、例えば、米国特許第8,241,573号及び米国特許第8,951,781号に記載されている。フロー細胞について例示されるように、統合システムの流体成分の1つ又はそれ以上を増幅方法及び検出方法に使用することができる。核酸シークエンシングの実施形態を一例として取ると、統合システムの流体構成要素の1つ又は複数を、本明細書に記載の増幅方法、及び上記に例示したようなシークエンシング方法におけるシークエンシング試薬の送達に使用することができる。あるいは、統合システムは、増幅方法を実行し、検出方法を実行するための別個の流体システムを含み得る。増幅された核酸を作成し、又核酸の配列を決定することができる統合シークエンシングシステムの例としては、MiSeqTMプラットフォーム(Illumina社、サンディエゴ、カリフォルニア州)、及び米国特許第8,951,781号に記載の装置が挙げられるが、これらに限定されない。
組成物
本明細書では、組成物も提供される。本明細書に記載の方法の実施中に、様々な組成物を得ることができる。例えば、非特異的又は特異的に結合したハッシングオリゴを有する細胞又は核を含む組成物を得ることができる。他の組成物としては、本明細書に記載されるような正規化オリゴの複数の集団を有するものが挙げられる。各区画が正規化オリゴの複数の集団を含む複数の区画を含む組成物、又は、核若しくは細胞が正規化オリゴの複数の集団と会合する複数の核若しくは細胞を含む組成物を得ることができる。
例示的な実施形態
実施形態1.複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製する方法であって、
(a)第1の複数の区画内に複数の細胞を提供するステップと、
(b)各区画の複数の細胞を所定の条件に曝露するステップと、
(c)各区画の細胞から単離された核又は各区画の細胞とハッシングオリゴとを接触させるステップであって、
ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合し、
ハッシングオリゴはハッシングインデックスを含み、
各区画内のハッシングインデックスは、ハッシュ核又はハッシュ細胞を生成するために、他の区画内のインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
(d)異なる区画のハッシュ核又はハッシュ細胞を組み合わせて、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップと、を含む、方法。
実施形態2.ハッシングオリゴ細胞又は単離された核を固定するために、細胞又は核を架橋化合物に曝露するステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.架橋化合物は、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、又はメタノールを含む、実施形態1から2のいずれか1つに記載の方法。
実施形態4.所定の条件は薬剤への曝露を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5.薬剤は、タンパク質、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子、無機分子、RNA若しくはRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、薬物、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6.ハッシングオリゴは一本鎖核酸を含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7.ハッシングオリゴは一本鎖核酸からなる、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8.ハッシングオリゴの核酸は、DNA、RNA、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.ハッシングオリゴは、細胞又は核の表面へのハッシングオリゴの特異的結合を媒介するドメインを含む、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10.ドメインは、リガンド、抗体、又はアプタマーを含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11.ハッシングオリゴと細胞又は単離核との間の会合は非特異的である、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12.ハッシングオリゴと細胞又は単離された核との間の非特異的会合は、吸収によるものである、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13.単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法を使用してプールされたハッシュ細胞又はプールされたハッシュ核を処理して、複数の単一核から核酸を含むシークエンシングライブラリーを得るステップを更に含み、核酸は複数のインデックスを含む、実施形態1から12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14.単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法は、単一核トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトーム及びトランスポゾンアクセス可能なクロマチンシークエンシング、単一核の全ゲノムシークエンシング、トランスポゾンアクセス可能なクロマチンの単一核シークエンシング、sci-HiC、薬物-seq、sci-CAR、sci-MET、sci-Crop、sci-perturb、又はsci-Crisprである、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15.方法は、
(e)プールされたハッシュ細胞又はハッシュ核のサブセットを第2の複数の区画に分配し、各サブセットを逆転写酵素又はDNAポリメラーゼ及びプライマーと接触させるステップであって、各区画中のプライマーは、インデックス付けされた核酸断片を含むインデックス付けされた核を生成する点で他の区画内の第1のインデックス配列とは異なる第1のインデックス配列を含む、ステップと、
(f)インデックス付き細胞又はインデックス付き核を組み合わせて、プールされたインデックス付き細胞又はプールされたインデックス付き核を生成するステップと、
(g)プールされたインデックス付き細胞又はプールされたインデックス付き核のサブセットを第3の複数の区画に分配し、インデックス付き核酸断片に第2のインデックス配列を導入して、二重インデックス付き核酸断片を含む二重インデックス付き細胞又は二重インデックス付き核を生成するステップであって、導入ステップは、ライゲーション、プライマー伸長、増幅、又は転位を含む、ステップと、
(h)二重インデックス付き細胞又は二重インデックス付き核を組み合わせて、プールされた二重インデックス付き核又は細胞を生成するステップと、
(i)二重インデックス付き細胞又はプールされた二重インデックス付き核のサブセットを第4の複数の区画に分配し、二重インデックス付き核酸断片に第3のインデックス配列を導入して、三重インデックス付き核酸断片を含む三重インデックス付き細胞又は三重インデックス付き核を生成するステップであって、導入ステップは、ライゲーション、プライマー伸長、増幅、又は転位を含む、ステップと、
(j)三重インデックス付き断片を組み合わせることにより、複数の単一核からのトランスクリプトーム核酸を含むシークエンシングライブラリーを生成するステップと、を更に含む、実施形態1から14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16.(g)は、各サブセットをトランスポソーム複合体と接触させるステップであって、各区画内のトランスポソーム複合体は、二重インデックス付き核酸断片を含む二重インデックス付き核を生成するために第1のインデックス配列を含むインデックス付き核酸断片の末端への第2のインデックス配列のライゲーションに好適な条件下で、トランスポソーム及び第2のインデックス配列を含み、第2のインデックス配列は、他の区画内の第2のインデックス配列とは異なる、ステップを含む、実施形態1から15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17.(i)各サブセットを、第3のインデックス配列及びユニバーサルプライマー配列を含むプライマーと接触させるステップであって、接触させるステップは、第3のインデックス配列の増幅及び二重インデックス付き核酸断片の末端への組み込みに好適な条件を含み、第3のインデックス配列は、他の区画内の第3のインデックス配列とは異なる、ステップを含む、実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18.区画はウェル又は液滴を含む、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19.
複数の増幅部位を含む表面を提供するステップを更に含み、
増幅部位は、遊離3’末端を有する結合した一本鎖捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも2つの集団を含み、
複数のインデックスを含む個々の断片からアンプリコンのクローン集団をそれぞれ含む複数の増幅部位を生成するのに好適な条件下で、増幅部位を含む表面を三重インデックス付き断片と接触させるステップと、を更に含む、実施形態1から18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20.実施形態1のハッシュ細胞又はハッシュ核を含む組成物。
実施形態21.実施形態1のプールされたハッシュ細胞又はプールされたハッシュ核を含む組成物。
実施形態22.マルチウェルプレートであって、マルチウェルプレートの区画は、実施形態20又は21のいずれか1つに記載の組成物を含む。
実施形態23.マルチウェルプレートの区画は、50から1億個の細胞又は核を含む、実施形態22に記載のマルチウェルプレート。
実施形態24.液滴であって、実施形態20又は21のいずれか1つに記載の組成物を含む、液滴。
実施形態25.液滴は50から1億個の細胞又は核を含む、実施形態24に記載の液滴。
実施形態26.複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製する方法であって、
(a)単離された核又は細胞を含む第1の複数の区画を提供し、各区画の単離された核又は細胞をハッシングオリゴと接触させるステップであって、
ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合し、
ハッシングオリゴは核酸及びハッシングインデックスを含み、
各区画内のハッシングインデックスは、ハッシュ核又はハッシュ細胞を生成するために、他の区画内のインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
(b)異なる区画のハッシュ核又はハッシュ細胞を組み合わせて、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップと、を含む、方法。
実施形態27.複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製する方法であって、
(a)単離された核又は細胞を含む第1の複数の区画を提供し、各区画の単離された核又は細胞をハッシングオリゴと接触させるステップであって、
ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、吸収によって単離された核又は細胞と会合し、
ハッシングオリゴは核酸及びハッシングインデックスを含み、
各区画内のハッシングインデックスは、ハッシュ核又はハッシュ細胞を生成するために、他の区画内のインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
(b)異なる区画のハッシュ核又はハッシュ細胞を組み合わせて、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップと、を含む、方法。
実施形態28.複数の核又は細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製する方法であって、
(a)核又は細胞を含む複数の区画を提供するステップであって、核又は細胞は、区画特異的なインデックスを含むハッシングオリゴを含む、ステップと、
(b)異なる区画からの核又は細胞を第2の区画に結合して、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップと、を含む、方法。
実施形態29.各区画の細胞を所定の条件に曝露するステップ、又は各区画の細胞を所定の条件に曝露し、次いで、ステップ(a)の前に複数の細胞から核を単離するステップを更に含む、実施形態26から28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態30.所定の条件は薬剤への曝露を含む、実施形28から29のいずれか1つに記載の方法。
実施形態31.薬剤は、タンパク質、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子、無機分子、RNA若しくはRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、薬物、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態28から30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態32.正規化オリゴの複数の集団を含む組成物であって、組成物は、第1のインデックス配列を含む正規化オリゴの第1の集団と、それぞれが他の集団のインデックス配列とは異なる固有のインデックス配列を含む正規化オリゴの他の集団とを含み、各集団の濃度は同じである、組成物。
実施形態33.正規化オリゴの複数の集団を含む組成物であって、組成物は、第1のインデックス配列を含む正規化オリゴの第1の集団と、それぞれが他の集団のインデックス配列とは異なる固有のインデックス配列を含む正規化オリゴの他の集団とを含み、集団のうちの少なくとも2つの濃度は異なる、組成物。
実施形態34.正規化オリゴの複数の集団を含む組成物であって、組成物は、第1のインデックス配列のセットを含む正規化オリゴの第1の集団と、それぞれが他の集団のインデックス配列のセットとは異なる固有のインデックス配列のセットを含む正規化オリゴの他の集団とを含み、各集団の濃度は同じである、組成物。
実施形態35.正規化オリゴの複数の集団を含む組成物であって、組成物は、第1のインデックス配列のセットを含む正規化オリゴの第1の集団と、それぞれが他の集団のインデックス配列のセットとは異なる固有のインデックス配列のセットを含む正規化オリゴの他の集団とを含み、集団のうちの少なくとも2つの濃度は異なる、組成物。
実施形態36.組成物は、2から100個の正規化オリゴの集団を含む、実施形態32から35のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態37.正規化オリゴは一本鎖DNAを含む、実施形態32から36のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態38.正規化オリゴがは固有の分子識別子を含む、実施形態32から37のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態39.正規化オリゴはユニバーサル配列を含む、実施形態32から38のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態40.正規化オリゴは非核酸成分を含む、実施形態32から39のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態41.非核酸成分はタンパク質を含む、実施形態32から40に記載の組成物。
実施形態42.非核酸成分はタンパク質を含む、実施形態32から41に記載の組成物。
実施形態43.第1の集団は最低濃度の正規化オリゴで組成物中に存在し、他の集団のうちの1つは最も高い濃度の正規化オリゴで組成物中に存在し、最低濃度及び最高濃度は、1から10,000の係数で異なる、実施形態32から42のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態44.複数の区画であって、各区画は実施形態32から43のいずれか1つに記載の組成物を含む、複数の区画。
実施形態45.区画はウェル又は液滴を含む、実施形態44に記載の複数の区画。
実施形態46.各区画は核又は細胞を更に含み、正規化オリゴの複数の集団は核又は細胞と会合する、実施形態44から45のいずれか1つに記載の複数の区画。
実施形態47.各集団の正規化オリゴの濃度は、少なくとも0.001ゼプトモルから100アトモル以下から選択される、実施形態44から46のいずれか1つに記載の複数の区画。
実施形態48.核又は細胞の集団であって、核又は細胞は実施形態32から47のいずれか1つに記載の組成物を含み、正規化オリゴの各集団のメンバーは核又は細胞と会合する、集団。
実施形態49.核又は細胞と正規化オリゴとの間の会合は非特異的である、実施形態48に記載の集団。
実施形態50.複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを正規化する方法であって、
(a)単離された核又は細胞を含む第1の複数の区画を提供するステップと、
(b)各区画の単離された核又は細胞を、実施形態32から35のいずれか1つに記載の組成物と接触させるステップであって、正規化オリゴの各集団のメンバーは単離された核又は細胞と会合している、ステップと、
(c)異なる区画の標識核又は標識細胞を組み合わせて、プールされた標識核又はプールされた標識細胞を生成するステップと、を含む、方法。
実施形態51.各区画の細胞を所定の条件に曝露するステップ、又は各区画の細胞を所定の条件に曝露し、次いで、ステップ(a)の前に複数の細胞から核を単離するステップを更に含む、実施形態50に記載の方法。
実施形態52.所定の条件は薬剤への曝露を含む、実施形50から51のいずれか1つに記載の方法。
実施形態53.薬剤は、タンパク質、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子、無機分子、RNA若しくはRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、薬物、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態50から52のいずれか1つに記載の方法。
実施形態54.ステップ(b)の前に、各区画の単離された核又は細胞をハッシングオリゴと接触させるステップであって、
ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合し、
ハッシングオリゴは核酸及びハッシングインデックスを含み、
各区画内のハッシングインデックスは、標識付きハッシュ核又は標識付きハッシュ細胞を生成するために、他の区画内のインデックス配列とは異なり、かつ区画内に存在する正規化オリゴのインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
異なる区画の標識ハッシュ核又は標識ハッシュ細胞を組み合わせて、プールされた標識ハッシュ核又はプールされた標識ハッシュ細胞を生成するステップと、を更に含む、実施形態50から53のいずれか1つに記載の方法。
実施形態55.正規化オリゴ細胞又は単離された核を固定するために、細胞又は核を架橋化合物に曝露するステップを更に含む、実施形態50から54のいずれか1つに記載の方法。
実施形態56.架橋化合物は、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、又はメタノールを含む、実施形態50から55のいずれか1つに記載の方法。
実施形態57.正規化オリゴと細胞又は単離核との間の会合は非特異的である、実施形態50から56のいずれか1つに記載の方法。
実施形態58.正規化オリゴと細胞又は単離された核との間の非特異的会合は、吸収によるものである、実施形態50から57のいずれか1つに記載の方法。
実施形態59.単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法を使用してプールされた標識ハッシュ細胞又はプールされた標識ハッシュ核を処理して、複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを得るステップを更に含み、核酸は複数のインデックスを含む、実施形態50から58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態60.単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法は、単一核トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトーム及びトランスポゾンアクセス可能なクロマチンシークエンシング、単一核の全ゲノムシークエンシング、トランスポゾンアクセス可能なクロマチンの単一核シークエンシング、sci-HiC、薬物-seq、sci-CAR、sci-MET、sci-Crop、sci-perturb、又はsci-Crisprである、実施形態50から59のいずれか1つに記載の方法。
実施形態61.複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを正規化する方法であって、
(a)単離された核又は細胞を提供するステップと、
(b)単離された核又は細胞を、実施形態32から35のいずれか1つに記載の組成物と接触させるステップであって、正規化オリゴの各集団のメンバーは単離された核又は細胞と会合している、ステップと、
(c)標識核又は標識細胞のサブセットを複数の区画に分配するステップと、を含む、方法。
実施形態62.細胞を所定の条件に曝露するステップ、又は細胞を所定の条件に曝露し、次いで、ステップ(a)の前に複数の細胞から核を単離するステップを更に含む、実施形態61に記載の方法。
実施形態63.所定の条件は薬剤への曝露を含む、実施形61から62のいずれか1つに記載の方法。
実施形態64.薬剤は、タンパク質、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子、無機分子、RNA若しくはRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、薬物、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態61から63のいずれか1つに記載の方法。
実施形態65.ステップ(c)の後に、各区画の単離された核又は細胞をハッシングオリゴと接触させるステップであって、
ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合し、
ハッシングオリゴは核酸及びハッシングインデックスを含み、
各区画内のハッシングインデックスは、標識付きハッシュ核又は標識付きハッシュ細胞を生成するために、他の区画内のインデックス配列とは異なり、かつ区画内に存在する正規化オリゴのインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
異なる区画の標識ハッシュ核又は標識ハッシュ細胞を組み合わせて、プールされた標識ハッシュ核又はプールされた標識ハッシュ細胞を生成するステップと、を更に含む、実施形態61から64のいずれか1つに記載の方法。
実施形態66.正規化オリゴ細胞又は単離された核を固定するために、細胞又は核を架橋化合物に曝露するステップを更に含む、実施形態61から65のいずれか1つに記載の方法。
実施形態67.架橋化合物は、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、又はメタノールを含む、実施形態61から66のいずれか1つに記載の方法。
実施形態68.正規化オリゴと細胞又は単離核との間の会合は非特異的である、実施形態61から67のいずれか1つに記載の方法。
実施形態69.正規化オリゴと細胞又は単離された核との間の非特異的会合は、吸収によるものである、実施形態61から68のいずれか1つに記載の方法。
実施形態70.単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法を使用してプールされた標識ハッシュ細胞又はプールされた標識ハッシュ核を処理して、複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを得るステップを更に含み、核酸は複数のインデックスを含む、実施形態61から69のいずれか1つに記載の方法。
実施形態71.単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法は、単一核トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトーム及びトランスポゾンアクセス可能なクロマチンシークエンシング、単一核の全ゲノムシークエンシング、トランスポゾンアクセス可能なクロマチンの単一核シークエンシング、sci-HiC、薬物-seq、sci-CAR、sci-MET、sci-Crop、sci-perturb、又はsci-Crisprである、実施形態61から70のいずれか1つに記載の方法。
実施例1
単一細胞分解能での化学トランスクリプトミクスの大規模多重化
ハイスループット化学的スクリーニングは、典型的には、細胞生存などの粗いアッセイを使用し、作用機序、オフターゲット効果、及び異種応答について学習できるものを制限する。ここで、本発明者らは、「核ハッシング」を使用して、単一細胞の分解能で数千の独立した摂動に対する包括的な転写応答を定量化する「sci-Plex」を紹介する。概念実証として、sci-Plexを適用して、188個の化合物に曝露された3つの癌細胞株をスクリーニングした。合計で、本発明者らは、1回の実験で、約5000個の独立したサンプルにわたって、約650,000個の単一細胞トランスクリプトームをプロファイリングした。本発明者らの結果は、特定の化合物に応じた実質的な細胞間不均質性、化合物のファミリーに応じた共通性、及びファミリー内の異なる特性への洞察を明らかにする。具体的には、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤を用いた本発明者らの結果は、クロマチンが癌細胞におけるアセテートの重要なリザーバーとして機能するという見解を支持している。この実施例はまた、Srivatsanら、2020年、Science、367:45-51として入手可能である。
単一細胞トランスクリプトームシークエンシング(scRNAseq)ベースの表現型を有する費用効率の高いハイスループットスクリーニング(HTS)を可能にするために、本発明者らは、未修飾の一本鎖DNAオリゴで核を標識することに依存する新たなサンプル標識(ハッシング)戦略について説明する。単一細胞コンビナトリアルインデクシング(sci RNA-seq3)の最近の改善により、scRNAseqライブラリー調製のコストが細胞当たり0.01ドル未満に低下し、実験毎に数百万個の細胞がプロファイリングされた(21)。ここで、本発明者らは、「sci-Plex」と呼ばれるプロセスにおいて、核ハッシング及びsci-RNA-seqを、多重トランスクリプトミクスの単一のワークフローに組み合わせる。概念実証として、sci-Plexを使用して3つの癌細胞株でHTSを実行し、1回の実験で数千の独立した摂動をプロファイリングする。本発明者らは、単一細胞分解能での化学的トランスクリプトミクスが、どのように作用機序上に光を当てることができるかを更に調査する。最も顕著には、本発明者らは、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤による治療の結果としての遺伝子調節の変化は、阻害剤が細胞がクロマチンからアセテートを引き出す能力を制限することによって増殖を妨げるというモデルと一致することを見出した(22、23)。
結果
核ハッシングは、マルチサンプルsci-RNA-seqを可能にする
単一細胞コンビナトリアルインデクシング(sci-)方法は、スプリットプールのバーコードを使用して、多数の単一細胞又は核の分子量を特異的に標識する(24)。サンプルは、例えば、各サンプルを、sci-RNA-seqにおける逆転写の間にそれぞれのサンプルをそれ自体のウェルに配置することによってこれらの同じインデックスでバーコード化することができる(21、25)が、数千のサンプルの規模でのこのような酵素標識は、操作上実行不可能であり、法外なコストがかかる。単一のsci-実験内の多数の独立したサンプルの単一細胞分子プロファイリングを可能にするために、低コストの標識手順の開発に着手した。
一本鎖DNA(ssDNA)が透過処理された細胞の核を特異的に染色したが、無傷の細胞は染色しなかったことに気づいた(図4A及び図5A)。したがって、本発明者らは、ポリアデニル化ssDNAオリゴヌクレオチドを使用して、sci-RNA-seqと適合する方法で核の集団を標識できると仮定した(図4B及び図5B)。この概念を試験するために、「バーンヤード」実験を行った。ヒト(HEK293T)及びマウス(NIH3T3)細胞を、96ウェル培養プレートの48個のウェルに別々に播種した。次に、96ウェル特異的ポリアデニル化ssDNAオリゴ(「ハッシュオリゴ」)の存在下で核溶解を行い、得られた核懸濁液をパラホルムアルデヒドで固定した。分子バーコードで核を標識又は「ハッシュ」した後、核をプールし、2レベルのsci-RNA-seq実験を実施した。ハッシュオリゴはポリアデニル化されているため、それらは内因性mRNAと同じように連結してインデックス付けされる可能性があった。意図されるように、本発明者らは、内因性mRNAの[細胞当たり中央値4740の一意の分子識別子(UMI)]及びハッシュオリゴ(細胞当たり中央値270のUMI)の両方に対応するリードを回収した。
本発明者らは、バックグラウンドを超える頻度で各細胞と会合したハッシュオリゴを識別するための統計的フレームワークを考案した(表S1)。本発明者らは、ハッシュオリゴ対内因性細胞トランスクリプトームに基づく、種割り当て間の99.1%の不一致を観察した(図4C及び図5Cから図5F)。更に、ハッシュオリゴと核との会合は、凍結解凍サイクルに対して安定であり、サンプルを標識及び保存する機会が強調されている(図4D及び図5G及び図5H)。これらの結果は、ハッシュオリゴが、sci-RNA-seqと適合する方法で核を安定的に標識することを実証している。
Figure 2023062105000001
sci-実験では、「衝突」は、2つ以上の細胞が、偶然によってバーコードの同じ組み合わせで標識される場合である(24)。衝突から生じる二重項を検出する手段としてハッシングを評価するために、ポリメラーゼ連鎖反応ウェル毎に充填される核の数を変化させ、観察により良好に一致した予測される衝突速度(7から23%)の範囲をもたらした(図5I)。ハッシュオリゴは、種間二重項の大部分(95.5%)及びその他の方法では検出できない種内二重項の識別を促進した(図4E及び図5J及び図5K)。
sci-Plexは、単一細胞分解能での化学トランスクリプトミクス多重を可能にする。
次に、核ハッシングが、特定の摂動を受けた細胞を標識し、続いて、高含量表現型アッセイとして単一細胞転写プロファイリングを行うことによって化学的スクリーニングが可能になるかどうかを評価した。本発明者らは、ヒト肺腺癌細胞株であるA549を、4つの化合物、すなわちデキサメタゾン(コルチコステロイドアゴニスト)、ヌトリン-3a(p53-Mdm2アンタゴニスト)、BMS-345541(核因子kB依存転写の阻害剤)、又はボリノスタット[サブエロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、HDAC阻害剤]のいずれか1つに、合計84の薬物-投与量-複製の組み合わせ及び追加のビヒクル対照(図6A及び図7A)で、24時間にわたって7つの用量で3回曝露した。本発明者らは、各ウェルから核を標識し、それらをsci-RNA-seq2にかけた(図7Bから図7D、及び表1)。
Monocle 3(21)を使用して、Uniform Manifold Approximation and Projection(26)(UMAP)及びLouvainコミュニティ検出を使用してこれらのデータを可視化し、用量依存的な様式で分配された細胞の化合物特異的クラスターを識別する(図6B及び図6C、並びに図7E及び図7F)。4つの薬物のそれぞれに対するA549細胞の「集団平均」転写応答を定量化するために、一般的な線形回帰を介した用量の関数として各遺伝子の発現をモデル化した。合計7561個の遺伝子は、少なくとも1つの薬物に対して感受性であり、3189個の遺伝子は、複数の薬物に応答して差次的に発現した(図8A、データは示さず)。これらは、デキサメタゾン(図6D)及びヌトリン-3a(図6E)の標準的なターゲットが含まれていた。差次的に発現した遺伝子の遺伝子オントロジ分析により、薬物特異的経路の関与を明らかにした(例えば、デキサメタゾンのホルモンシグナル伝達、ヌトリン-3aに対するp53シグナル伝達、図8B)。加えて、本発明者らは、各濃度で回収された細胞数を使用して従来のスクリーニングと同様の毒性を推測できるかどうかを評価した。回収された細胞数に応答曲線を当てはめた後、本発明者らは、sci-Plexデータから、「ゴールドスタンダード」測定値と一致するメトリックである「生存率スコア」を推測した(図6F及び図7Gから図7I)。
sci-Plexは数千個のサンプルにスケーリングし、HTSを可能にする。
sci-PlexのHTSに対するスケーリングを評価するために、様々な範囲の酵素及び分子経路をターゲットとする188個の化合物のスクリーニングを行った(図9A)。このパネルの半分を選択して転写及びエピジェネティックレギュレータをターゲット化した。残りの半分は、様々な作用機序をサンプリングするために選択した。本発明者らは、3つの良好に特徴付けられたヒト癌細胞株、A549(肺腺癌)、K562(慢性骨髄性白血病)、及びMCF7(乳腺癌)を、これらの188個の化合物のそれぞれに4つの用量(10nM、100nM、1mM、及び10mM)で、複製培養プレート内のウェル位置にわたって化合物及び用量をランダム化して2回曝露した(データは示さず)。これらの条件は、ビヒクル対照とともに、この実験で独立して処理された4992個の細胞集団のうち4608個を占めた。処理後、本発明者らは細胞を溶解して核を曝露し、それらを2つのオリゴの特定の組み合わせでハッシュし(図10A)、sci RNA-seq3を実施した(21)。ハッシュ純度(図10Bから図10F)に基づいてシークエンシング及びフィルタリングを行った後、A549、K562、MCF7についてmRNA UMIカウントの中央値がそれぞれ1271、1071、2407の649,340個の単一細胞のトランスクリプトームを取得した(図11A)。各細胞型の凝集発現プロファイルは、複製ウェル間で高度に一致していた(ピアソン相関=0.99)(図11B)。
各細胞株について、sci-RNA-seqプロファイルを別々に可視化することにより、複数の化合物に共通する化合物特異的転写応答及びパターンが明らかになった。細胞株のそれぞれに関して、UMAPは、最も小さいクラスターに隣接した中心塊内にほとんどの細胞を投影した(図9B)。これらのより小さいクラスターは、主に1つ又は2つの化合物クラスの化合物で処理された細胞から構成されていた(図12及び図13Aから図13C)。例えば、合成糖質コルチコイド受容体アゴニストであるトリアムシノロンアセトニドで処理されたA549細胞は、その細胞の95%を構成する1つのそのような小さなクラスターで著しく濃縮された[フィッシャーの直接確率検定、誤検出率(FDR)<1%、図13D及び図13E]。多くの薬物は一見均質な転写応答に関連していたが、同じ薬物によって異なる転写状態が誘導されたケースも特定した。例えば、A549では、微小管安定化化合物であるエポチロンA及びエポチロンBは、それぞれ4つの用量で両方の化合物からの細胞で構成される3つのこのような焦点濃縮と関連付けられた(図13F及び図13G)。各焦点内の細胞は、互いに異なっていたが、他の処理、すなわち、最近特定された微小管脱安定剤であるリゴサチブ(27)、SETD8阻害剤UNC0397、又は未処理増殖細胞と転写的に類似していた(図13H)。
次に、各細胞株の「集団平均」トランスクリプトームに対する各薬物の効果を評価した。合計で、6238個の遺伝子が少なくとも1つの細胞株で用量依存的な様式で差次的に発現した(FDR<5%)、図14、データは図示せず)。4つの用量とビヒクルで5つの化合物について収集されたバルクRNA-seq測定値は、同じように処理された単一細胞全体の平均遺伝子発現値及び推定効果量と一致したが、小さい効果量間の相関は減少した(図15)。更に、sci-Plexの用量依存効果プロファイルは、化合物を一致させたL1000測定値と相関していた(11)(図16)。
細胞周期に関連する遺伝子は、個々の細胞間で大きく変動し、多くの薬物は、増殖マーカー遺伝子を発現する細胞の画分を減少させた(図17及び図18)。原則として、scRNA-seqは、異なる転写状態にある細胞の画分の変化を、それらの状態内の遺伝子調節の変化と区別できるはずである。対照的に、バルクトランスクリプトームプロファイリングは、これらの2つの信号を混同する(図19A)(14)。したがって、本発明者らは、同じ薬物に対応するが、高レベル対低レベルの増殖マーカー遺伝子を発現する細胞のサブセットでの用量依存的な差次的発現について試験した(図19B)。各細胞型の2つの画分に対する用量依存性効果間の相関は、薬物クラス間で異なり(図19C)、個々の化合物に対していくつかのあからさまに一致しない効果があった(図19D)。パイロット実験と同様に実施された生存率分析により、最高用量での薬物曝露後、52個(27%)化合物のみが50%以上の生存率の低下を引き起こしたことが明らかになった(図9C及び図11C)。生存率を低下させた薬物の中でも、本発明者らは、細胞カウントによって確認された結果である、Src及びAbl阻害剤ボスチニブに対するK562の感受性の高さ(図9C)を観察した(図20A)。この結果は、構成的に活性なBCR-ABL融合キナーゼ(28)を含むK562細胞と、Abl阻害剤(29)に対する造血系及びリンパ系癌細胞株の感受性の増加が観察されたことと一致している(図20B)。
各化合物が3つの細胞株で同様の応答を誘導したかどうかを評価するために、各細胞株の負荷として用量依存性遺伝子の効果量を使用して化合物をクラスター化した(図21から図24)。3つの細胞株の共同分析により、様々な化合物に対する共通及び細胞型特異的応答が明らかになった(図25及び図26)。例えば、トラメチニブ、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ(MEK)阻害剤は、MCF7細胞において転写的に異なる応答を誘導した。UMAP投影の検査により、ビヒクル対照間に散在したトラメチニブ処理MCF7細胞が、限定的な効果を反映していることが明らかになった。対照的に、それぞれKRAS及びABL変異の活性化を含むトラメチニブ処理されたA549細胞とK562細胞は(30)、トラメチニブによるMEKシグナル伝達の阻害に対する強力で特異的な転写応答と一致して緊密にクラスター化していた(図9D)。更に、これらのA549及びK562細胞は、タンパク質フォールディングの重要なシャペロンであるHSP90の阻害剤で濃縮されたクラスターの近位に出現することを観察した(図9D)。この観察は、トラメチニブ処理細胞におけるHSP90AA1発現の一致した変化によって裏付けられた(図9E)。接続性マップデータ(11、12)の分析により、MEK阻害剤が、HSP90摂動に非常に類似した遺伝子発現シグネチャーを特にA549で実際に誘導する(図20C)が、MCF7では誘導しない(図20D及び図20E)という更なる証拠が明らかになった。これらの結果は、MEKシグナル伝達(31)の下流におけるHSP90AA1の調節の以前の観察と一致しており、別個の化合物で処理された単一細胞トランスクリプトームにおける類似性が、収束分子経路をターゲットとする薬物を強調することができることを示唆している。
HDAC阻害剤の化学的及び機械的特性の推論
3つの細胞株のそれぞれについて、最も顕著な化合物応答は、17のHDAC阻害剤のうちの1つで処理された細胞で構成されていた(図9B、暗青色、データは示さず)。細胞株間の用量-応答軌道の類似性を評価するために、相互最近傍隣接(MNN)マッチングアプローチ(32)を使用して、3つの細胞株全てからHDAC処理細胞とビヒクル処理細胞を整列させ、「疑似投与」[「疑似時間」(33)に類似]と呼ばれるコンセンサスHDAC阻害剤軌道を生成した(図27A及び図28)。本発明者らは、一部のHDAC阻害剤が均質な応答を誘導し、ほぼ全ての細胞は各用量(例えば、A549のプラノスタット)で比較的狭い範囲のHDAC阻害剤の軌跡に局在したが、他の薬物は遙かに高い細胞不均質性を誘導したことを観察した(図27B及び図29)。
そのような不均質性は、定義された転写プログラムを非同期的に実行する細胞によって説明することができ、細胞が曝露される薬物の用量は、細胞がプログラムを進む速度を調節する。この仮説を試験するために、大規模なsci-PlexスクリーニングからのHDAC阻害剤の多くを含む、48個の化合物の1つで72時間処理された64,440個のA549細胞のトランスクリプトームをシーケンスした。コンフルエンシーに依存する細胞周期効果及びMNNアラインメント(図30及び31)を考慮すると、同時埋め込みUMAP投影により、24時間の時点、例えば、SRT1024(図32)では明らかではなかった72時間の細胞の新しい焦点濃度が明らかになった。しかし、試験したHDAC阻害剤の大部分では、特定の用量の細胞が72時間で整列したHDAC軌道に沿って更に移動することは観察されなかった(図33)。これは、多くのHDAC阻害剤の用量が、細胞の進行速度ではなく細胞の応答の大きさを支配し、観察された不均質性が非同期性だけに起因するものではないことを示唆している(図33)。
次に、所与のHDAC阻害剤のターゲット親和性が、化合物に対するその全体的な転写応答を説明するかどうかを評価した。用量応答モデルを使用して、各化合物の転写中央値有効濃度(TC50)、すなわち、HDAC阻害剤の疑似投与軌道の途中で細胞を駆動するのに必要な濃度を推定した(図34A、データは図示せず)。転写に由来する効力の測定値を各化合物の生化学的特性と比較するために、8つの精製HDACアイソフォーム上で実施したインビトロアッセイからの各化合物の公表された阻害濃度中央値(IC50)の値を収集した(データは示さず)。2つの比較的不溶性の化合物を除いて、本発明者らの計算されたTC50値を、化合物IC50値の関数として増加させた(図27C及び図34B及び図34C)。
HDAC阻害剤の軌跡の成分を評価するために、連続共変量として疑似投与を使用して、差次的発現分析を行った。このコンセンサス軌道上で有意に差次的に発現した4308個の遺伝子のうち、2081個(48%)は細胞型依存的に応答し、942個(22%)は3つの細胞株全てで同じパターンを示した(図35A及び図35B、データは示さず)。3つの細胞株が共有する1つの顕著なパターンは、細胞周期停止に向かう進行を示す遺伝子及び経路の濃縮であった(図35C及び図36A及び図36B)。DNA含有量染色及びフローサイトメトリーにより、HDAC阻害が細胞周期のG2/M期に細胞の蓄積をもたらすことが確認された(34)(図36C及び図36D)。
HDAC阻害に対する共有応答は、細胞周期停止だけでなく、細胞代謝に関与する遺伝子の発現の変化も含まれていた(図35C)。ヒストンアセチルトランスフェラーゼ及び脱アセチル化酵素は、荷電アセチル基の付加又は除去を通じて、クロマチンアクセシビリティ及び転写因子活性を調節する(35-37)。HDACクラスI、II、及びIVを介したヒストン脱アセチル化の産生物であり、アセチルコエンザイムA(アセチルCoA)の前駆体であるアセテートは、ヒストンのアセチル化に必要だが、代謝ホメオスタシスにも重要な役割を果たす(23、38、39)。核の脱アセチル化を阻害すると、異化及び同化プロセスの両方のクロマチン結合アセチル基の再利用を制限する(39)。したがって、HDAC阻害により、10mM用量のHDAC阻害剤であるプラシノスタット及びアベキシノスタットに曝露した後、アセチル化リジンレベルが著しく増加する形でアセテートが隔離されることが観察された(図37)。
疑似投与依存性遺伝子を更に検査すると、クエン酸(ACLY)又はアセテート(ACSS2)のいずれかからの細胞質アセチル-CoA合成に重要な酵素がアップレギュレートされていることが観察された(図38A)。細胞質クエン酸ホメオスタシス(GLS、IDH1、及びACO1)、クエン酸細胞のインポート(SLC13A3)、並びにミトコンドリアクエン酸の産生及びエクスポート(CS、SLC25A1)に関与する遺伝子もアップレギュレートされた。チューブリンを脱アセチル化するSIRT2のアップレギュレーションも、HDAC阻害に応答して観察された。
クロマチン結合アセテートの増加とともに、これらの転写応答は、HDAC阻害細胞における細胞のアセチル-CoAリザーブの代謝的に結果的な枯渇を示唆している(図38B)。これを更に検証するために、本発明者らは、細胞アセチル-CoAレベルを調節することによって、HDAC阻害剤の軌跡に沿って細胞の分布をシフトさせようとした。アセチルCoA前駆体(アセテート、ピルビン酸、若しくはクエン酸)又はアセチル-CoAプールの補充に関与する酵素阻害剤(ACLY、ACSS2、又はPDH)の存在下及び非存在下で、A549及びMCF7細胞をプラシノスタットで処理した。処理後、細胞を収穫し、sci-Plexを使用して処理し、各細胞株に対して軌道を作成した(図39及び図40)。A549細胞及びMCF7細胞の両方で、アセテート、ピルビン酸、及びクエン酸の補給は、プラシノスタットで処理された細胞がHDAC阻害剤の軌道の終わりに到達することを阻害することができた(図39F、図39J、図39H、及び図39L)。MCF7細胞では、ACLY及びACSS2阻害の両方は、HDAC阻害剤の軌道に沿って更に細胞をシフトさせたが、A549ではこのようなシフトは観察されなかった(図39G、図39K、図39I、及び図39M)。まとめると、これらの結果は、HDAC阻害剤に対する細胞の応答の主要な特徴、及び場合によってはそれらの関連する毒性が、アセチル-CoA-欠乏状態の誘導であることを示唆している。
議論
単一細胞トランスクリプトミクス用の大規模多重プラットフォームであるsci-Plexを紹介する。sci-Plexは、化学固定を使用して、短い未修飾のssDNAオリゴで核を費用効果的にかつ不可逆的に標識する。本明細書に記載の概念の実証実験で、本発明者らは、sci-Plexを適用して、高含有量(グローバル転写)及び高分解能(単一細胞)の両方のアッセイを通して、188個の化合物に対する癌細胞の用量依存的応答を定量化した。いくつかの異なる癌細胞株をプロファイリングすることにより、各化合物に対する共有分子応答と細胞株特異的分子応答を区別した。
sci-Plexは、従来のHTSに比べていくつかの特徴的な利点を提供する。細胞サブセット(細胞の再プログラミング、オルガノイド、合成胚などの複雑なインビトロ系における複合体を含む)に対する化合物の明確な効果を区別でき、摂動に対する細胞応答の不均質性をマスクすることができ、薬物が転写的に異なる細胞のサブセットの相対的な比率をどのようにシフトさせるかを測定することができる。これらの特徴を強調して、本研究は、HDAC阻害剤の作用機序への洞察を提供する。具体的には、本発明者らは、HDAC阻害剤に対する主な転写応答には、細胞周期停止及びアセチル-CoA代謝に関連する遺伝子における顕著なシフトが関与することを見出した。一部のHDAC阻害剤については、単一細胞レベルで観察された応答において、明確な不均質性が観察された。HDAC阻害は、従来、クロマチン調節に直接関与する機序を介して作用すると考えられているが、本発明者らのデータは、HDAC阻害剤がクロマチンからアセテートを引き出す癌細胞の能力を妨げることによって成長及び増殖を損なう、相互に排他的ではない、代替モデルを支持している(22、23、39)。そのため、細胞のアセテートリザーバーの変動は、HDAC阻害剤に対するそれらの不均質な応答の潜在的な説明です。
単一細胞シーケンシングのコストは下がり続けているため、生物医学の基本的な目標と応用目標にsci-Plexを活用する機会はかなりあるかもしれない。ここで説明する概念実証実験は、処理毎に100を超える単一細胞の転写プロファイリングを伴う5000近くの独立した処理で構成され、薬理学的摂動に対する細胞応答の包括的で高分解能のアトラスに向けて拡張できる可能性がある(例えば、数百の細胞株又は遺伝的バックグラウンド、数千の化合物、マルチチャネル単一細胞プロファイリングなど)。オリゴハッシュの容易さと低コストは、単一細胞のコンビナトリアルインデクシングの柔軟性及び指数関数的なスケーラビリティと相まって、この目標を容易にするであろう。
引用
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材料及び方法
細胞培養
A549細胞及びK562細胞は、それぞれロバートブラッドリー博士(ワシントン大学)とデビッドホーキンス博士(ワシントン大学)からの親切な贈り物だった。MCF7(カタログ番号HTB-22)、NIH3T3(カタログ番号CRL-1658)及びHEK293T(カタログ番号CRL-11268)細胞を、ATCCから購入した。A549及びMCF7細胞を、10% FBS(ThermoFisher社、カタログ番号26140079)及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン(ThermoFisher社、15140122)を添加したDMEM(ThermoFisher社、11995073)培地で培養した。K562細胞を、10% FBS及び1%ペニシリン-ストレプトマイシンを補充したRPMI 1640(Fisher Scientific社、カタログ番号11-875-119)中で培養し、0.2-1×106細胞/mLに維持した。全ての細胞を、5%CO2を用いて37Cで培養した。DPBS(Life Technologies社、カタログ番号14190-250)で洗浄することによって90%コンフルエンスに達したときに、付着細胞を分割し、TryPLE(Fisher
Scientific社、カタログ番号12-604-039)を使用してトリプシン処理し、1:4(MCF7)又は1:10(A549、NIH3T3及びHEK293T)で分割した。
化合物の調製
デキサメタゾンをSigma-Aldrich社から購入し、分子生物学グレードのエタノール(Fisher Scientific社)に再懸濁した。BMS-345541(S8044)、Vorinostat(S1047)、及びヌトリン-3a(S8059)をSelleck Chemicals社から取得し、DMSO(VWR Scientific社、97063-136)に再懸濁した。チェリーピック96ウェル化合物スクリーンをSelleckChemicals社から入手し、10mMのDMSOに再懸濁した(データは示さず)。化合物をそれぞれのビヒクル中で、それらの所望の処理濃度の1000倍に希釈し、使用するまで-80℃で保存した。
薬物処理
96ウェル実験では、付着細胞をトリプシン処理し、PBSで洗浄し、組織培養処理した96ウェル平底プレート(Thermo Fisher Scientific社、カタログ番号12-656-66)中に、100μLの培地でウェル当たり25,000細胞でプレーティングした。懸濁細胞をPBSで洗浄し、96ウェルのV底組織培養プレート(Thermo Fisher Scientific社、カタログ番号549935)中に、100μLの培地でウェル当たり25,000細胞でプレーティングした。細胞を24時間回復させた後、PBS中の適切な化合物又はビヒクルの1:10希釈液1μLで処理して、全てのウェルに対して0.1%のビヒクル濃度を維持した。次に、細胞を指定された濃度の小分子に24時間又は72時間曝露した。HDAC阻害剤及びアセテート、ピルビン酸、クエン酸、ACSS2阻害剤(EMD Millipore社、カタログ番号533756、)、ACLY阻害剤(Cayman Chemicals社、BMS-303141、カタログ番号943962-47-8)又はPDH阻害剤(Cayman Chemicals社、カタログ番号504817)のいずれかで細胞を共処理した実験では、細胞をプレーティング後24時間処理し、24時間後に収穫した。この一連の実験では、全てのウェルは、HDAC阻害剤及び代謝プロセスの阻害剤の両方での処理に適合するために、最終濃度0.2%のDMSOを含有した。
CellTiter Glo
A549、MCF7及びK562細胞を96ウェルプレートに播種し、24時間付着させ、上述のようにBMS345541、デキサメタゾン、ヌトリン-3A、SAHAで処理した。処理から24時間後、プレートを室温に到達させ、製造元の指示に従ってCellTiter-Glo社の生存率アッセイ(Promega)を使用して生存率を推定した。BioTek社の相乗効果プレートリーダーを使用して、発光を記録した。各薬物処理ルミネセンスリード値を、ビヒクルDMSO処理ウェルの平均発光強度に対して正規化した。
ボスチニブ曝露細胞の細胞数
A549、MCF7及びK562細胞を、ウェル当たり2.8×105細胞で12ウェルプレートに播種した。24時間後、A549及びMCF7付着を可能にした後、細胞を0.1、1及び10μMのボスチニブ又はDMSOビヒクル対照に24時間曝露した。処理後、付着細胞をTrypLEを使用して分離し、又は1mLの培地に直接再懸濁し、細胞をCountess II FL自動細胞計数器(ThermoFisher社)でカウントした。
癌細胞株エンサイクロペディア及び接続性マップのデータと分析
薬理学的プロファイリングデータは、癌細胞株エンサイクロペディア(CCLE)データポータルからダウンロードした(ワールドワイドウェブportals.broadinstitute.org/ccle/dataで入手可能)。Abl阻害剤AZD0530及びニロチニブに曝露された肺及び胸部組織由来の細胞株について、データを文理し、プロットした。接続性マップ(CMAP)データは、CMAPデータポータル内のCLUEコマンドアプリからダウンロードした(ワールドワイドウェブclue.io/command?q=/homeで入手可能)。上位の接続と接続性スコア(/connコマンドを使用して取得)を、全ての細胞株(サマリー)又は本研究と重複する個々の細胞株(A549及びMCF7)にわたって、MEK阻害剤摂動クラス(CP_MEK_阻害剤)とHSP阻害剤摂動クラス(CP_HSP_阻害剤)との間でエクスポートした。次に、阻害剤曝露からのデータについて結果をフィルタリングした。全ての細胞株と個々の細胞株で接続性がどのように変化するかを判断するために、個々の細胞株からのデータにおける接続性サマリーと重複する上位の接続についてフィルタリングした。関連するCMAP研究(11)と同様に、接続性スコアには90の閾値を適用した。
フローサイトメトリー
A549及びMCF7細胞を、プレート当たり1.6×106細胞で6cmの皿に播種した。K562細胞を、フラスコ当たり1.6×106細胞でT25cm2フラスコに播種した。24時間後、A549及びMCF7付着細胞を、10μMのアビノスタット、10μMのプラノスタット又はDMSOをビヒクル対照として24時間曝露した。処理細胞を上記のように収穫した後、PBS中で2回洗浄し、500μLの冷PBS中に再懸濁し、低速でボルテックスしながら5mLの氷冷エタノールを添加することによって固定した。フローサイトメトリー分析のために処理する前に、細胞を-20℃で保存した。フローサイトメトリーでは、エタノールを除去し、1%のBSA(PBS-B)を含有するPBSで2回洗浄し、室温で1時間ブロッキングした。次いでブロッキング緩衝液を除去し、細胞を、1%BSA及び0.1%トリトンX-100(PBS-BT)、並びにマウス抗アセチル-リジン抗体(カタログ番号ICP0390、ImmuneChem Pharmaceuticals社)の1:500希釈物を含有するPBS中で、室温で2時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞をPBS-BTで2回洗浄し、PBS-BT中のヤギ抗マウスAlexa-647とともに室温で1時間インキュベートした。最後に、細胞をPBS-BTで2回洗浄し、PBS-Bで1回洗浄し、5μg/mlのHoechst 33258(Life Sciences Technologies社)を含有するPBS-Bに再懸濁してDNAを染色した。次いで、全アセチル化リジン及びDNA含有量のレベルを、LSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences社)でのフローサイトメトリーによって分析した。定量化及び下流分析は、FlowJo10(FlowJo社)を使用して行った。
細胞収穫、核単離、及びサンプルハッシング
付着細胞の収穫のために培地を除去し、細胞を100μLのDPBSですすぎ、50μLのTryp-LEで37Cで15分間トリスピン処理した。細胞が培養プレートから分離したら、10%のFBSを含有する150μlの氷冷DMEMで反応を停止させた。ピペッティングによって細胞懸濁液を生成し、全容積を96ウェルV底プレートに移した。次に、細胞を300×gで6分間遠心分離することによってペレット化し、100μLの氷冷DPBSで洗浄し、300×gで6分間再ペレット化した。
溶解は、96ウェルV底プレートで実施した。PBSを除去した後、細胞懸濁液を溶解し、1%のSuperase RNA阻害剤及び5’-GTCTCGTGGGCTCGGAGATGTGTATAAGAGACAG-[10bp-barcode]-BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA-3’(配列番号1)の形態のハッシュオリゴの400フェムトモル(BはG、C又はT(IDT)を添加した50μLの冷溶解バッファー(10mMのTris-HCl、pH7.4、10mMのNaCl、3mMのMgCl、0.1%のIGEPAL CA-630)(24)で標識した。大きな化合物のスクリーニングのために、500フェムトモルの追加のオリゴを使用して、各96ウェル処理プレートに一意のインデックスを付けた。マルチチャネルピペットを3回使用して溶解した後、200μLの固定緩衝液(5%パラホルムアルデヒド、1.25×PBS)を添加することによって細胞を固定した。次に、核を氷に15分間固定してから、トラフにプールした。核をプレートで50mLの円錐管にプールし、500×gで5分間遠心分離することによりペレット化した。続いて、細胞を500μLの核懸濁液緩衝液(NSB;(10mMのTris-HCl、pH7.4、10mMのNaCl、3mMのMgCl、1%のSuperase RNA阻害剤、1%、0.2mg/mLの超純BSA))。最後に、全てのプレートからの核を単一の円錐管にプールし、500×gで5分間遠心分離することによって核をペレット化した。次に、核を1mLのNSBに再懸濁し、100μLのアリコート中で液体窒素中に瞬間凍結させた。次に、核を、sci-RNA-seqによる更なる処理まで-80℃で保存した。
sci-RNA-seq2ライブラリーの調製
凍結した核を氷上で解凍し、500gで5分間スピンダウンした。次に、透過性緩衝液(NSB+0.25% Triton-X)中で細胞を3分間透過処理した後、スピンダウンした。NSBで更に洗浄した後、2レベルのsci-RNA-seqライブラリーを前述のように調製した(25)。簡潔に述べると、核を500×gで5分間ペレット化し、100μLのNSBに再懸濁した。細胞数は、0.4%トリパンブルー(Sigma-Aldrich社)で核を染色し、血球計数器を用いてカウントすることによって得た。次に、2μLのNSBと0.25μLの10mMのdNTPミックス(Thermo Fisher Scientific社、カタログ番号R0193)中の5000個の核を、スカート付きのtwin.tec 96ウェルLoBindプレート(Fisher Scientific社、カタログ番号0030129512)に分配し、その後1μLの独自にインデックス付けしたオリゴdT(25μM)(25)を全てのウェルに添加し、55Cで5分間インキュベートし、氷上に置いた。次に、1.75μLの逆転写ミックス(1μLのSuperscript IV第1鎖緩衝液、0.25μLの100mM DTT、0.25μLのSuperscript IV及び0.25μLのRNAseOUT組み換えリボヌクレアーゼ阻害剤)を全てのウェルに添加し、プレートを55Cで10分間インキュベートし、氷上に置いた。反応を停止させるために、5μLの停止溶液(40mMのEDTA、1mMのスペルミジン、及び0.5% BSA)を各ウェルに添加した。ワイドボアチップを使用してウェルをプールし、0.35μmのフィルターキャップ及び最終濃度3μMに添加されたDAPIを通してフローサイトメトリーチューブに移した。次に、プールした核を、ウェル当たり150細胞でFACS Aria II細胞選別機(BD社)上で、5μLのEB緩衝液(Qiagen社)を含有する96ウェルLoBindプレートに選別した。選別後、0.75μLの第2の鎖ミックス(0.5μLのmRNA第2の鎖合成緩衝液及び0.25μLのmRNA第2の鎖合成酵素、New England Biolabs社)を各ウェルに添加し、第2の鎖合成を16Cで150分間実施した。5.75μLのタグ付けミックス(5.74μL 2x Nextera TD緩衝液中の0.01μLのカスタムTDE1酵素、Illumina社)を添加することによってタグ付けを行い、プレートを55Cで5分間インキュベートした。12μLのDNA結合緩衝液(Zymo社)を添加して反応を停止し、室温で5分間インキュベートした。36μLのAmpure XPビーズを全てのウェルに添加し、17μLのEB緩衝液で溶出する標準Ampure XPプロトコル(Beckman Coulter社)を使用してDNAを精製し、DNAを新しい96ウェルLoBindプレートに移した。PCRのために、2μLのインデックス付きP5、2μLのインデックス付きP7(25)及び20μLのNEBNext High-Fidelity master
ミックス(New England Biolabs社)を各ウェルに添加し、PCRを次のように実施した。75Cで3分間、98Cで30秒間、98Cで10秒間を18サイクル、66Cで30秒間、72Cで1分間、続いて72Cで5分間の最終伸長を行った。PCR後、全てのウェルをプールし、DNA清浄及び濃縮キット(Zymo社)を使用して濃縮し、0.8X Ampure XPクリーンアップで精製した。最終的なライブラリー濃度は、Qubit(Invitrogen社)、TapeStation D1000 DNA Screenテープ(Agilent社)を使用して視覚化されたライブラリー、及び高出力75サイクルキット(リード1:18サイクル、リード2:52サイクル、インデックス1:10サイクル、及びインデックス2:10サイクル)を使用してNextseq 500(Illumina社)でシーケンスされたライブラリーによって決定された。
sci-RNA-seq3ライブラリーの調製
凍結した核を前のように解凍し、3レベルのsci-RNA-seqライブラリーを(21)に記載のように調製した。核を500×gで5分間ペレット化し、NSBで3回洗浄し、核の少量を0.4%トリパンブルー(Sigma-Aldrich社)で染色し、血球計数器を用いて核をカウントした。22μLのNSB、2μLの10mM dNTPミックス中の80000個の核を、スカート付きの2μLのライゲーション互換インデックス付きオリゴdTプライマーに分配し、96ウェルLoBindプレートの各ウェルに分配し、55℃で5分間インキュベートし、氷の上に置いた。次に、14μLの逆転写ミックス(8μLのSuperscript IV第1鎖緩衝液、2μLの100mM DTT、2μLのSuperscript IV、及び2μLのRNAseOUT組み換えリボヌクレアーゼ阻害剤)を全てのウェルに添加し、以下のプログラムを使用してサーモサイクラーでRTを実施した。4℃で2分間、10Cで2分間、20Cで2分間、30Cで2分間、40Cで2分間、50で2分間、55Cで15分間。RTの後、BSA(NBB、10mMのTris-HCl、pH7.4、10mMのNaCl、3mMのMgCl、及び1%のBSA)を含む60μLの核緩衝液を各ウェルに添加し、ワイドボアチップを使用して核をプールし、500×gで10分間遠心分離して核をペレット化し、上清を除去した。インデックス付きプライマーをRTインデックス付きcDNAの5’末端にライゲーションすることにより、2回目のコンビナトリアルインデクシングを実施した。核をNSBに再懸濁し、96ウェルLoBindプレートの各ウェルに10μLを加えた後、8μLのインデックス付きライゲーションプライマーを22μLのライゲーションミックス(20μLのQuick ligase緩衝液と2μLのQuick ligase、New England Biolabs社)とともに各ウェルに添加した。次いで、ライゲーションを25Cで10分間実施した。ライゲーション後、60μLのNBBを各ウェルに添加し、ワイドボアチップを用いて核をプールし、更に40mLのNBBを核に添加し、600×gで10分間遠心分離して核をペレット化し、上清を除去した。次に、核を5mLのNBBで1回洗浄し、4mLのNBBに再懸濁し、40μmのFlowmi細胞ストレーナ(Sigma-Aldrich社)を使用して濾過することによって多重項を除去し、核をカウントし、ウェル毎に5000個の核を5μLの体積で96ウェルLoBindプレートに分配した。核を含有するプレートを凍結し、更なる処理まで-80°Cで保存した。凍結プレートを解凍した後、5μLの第2の鎖合成ミックス(3μLの溶出緩衝液、1.33μLのmRNA第2の鎖合成緩衝液、及び0.66μLのmRNA第2の鎖合成酵素)を各ウェルに添加し、16Cで3時間インキュベートした。10μLのタグ付けミックス(9.99μL 2x Nextera TD緩衝液中の0.01μLのカスタムTDE1酵素、Illumina社)を添加することによってタグ付けを行い、プレートを55Cで5分間インキュベートした。タグ付け後、20μLのDNA結合緩衝液を全てのウェルに添加し、プレートを室温で5分間インキュベートした。次に、40μLのAmpure XPビーズを各ウェルに添加し、プレートを室温で5分間インキュベートした。磁気スタンドを使用してビーズを分離する際、上清を除去し、ビーズを80%エタノールで2回洗浄した。次に、10μLのUSER反応ミックス(1μLの10X USER緩衝液と1μLのヌクレアーゼフリー水中のUSeR酵素、New England Biolabs社)を各ウェルに添加し、ビーズを再懸濁し、37℃で15分間インキュベートした。インキュベーション後、7μLの溶出緩衝液を各ウェルに添加し、磁気スタンド上でビーズを結合させた後、上清を新しい96ウェルLoBindプレートに移した。85Cで10分間インキュベートした後、15サイクルのPCRでライブラリーを作成した。PCR増幅後、最初に1x Ampureクリーンアップを使用して1mLのPCRライブラリーを濃縮し、次に得られた産物を臭化エチジウムを含む2%アガロースゲルで泳動することにより、シーケンスライブラリーを精製した。ゲルを切断して、ハッシュ分子(220bp-250bp)及びRNAライブラリー(250bp-1000bp)の2つの断片を単離した。ゲル抽出後、追加の1x AmpureクリーンアップRNAライブラリーを、NovaSeq 6000(Illumina社)(リード1:34bp、リード2:100bp、インデックス1:10bp及びインデックス2:10bp)上でシーケンスし、ハッシュライブラリーを75サイクルNextSeq(リード1:34bp、リード2:38bp、インデックス1:10bp、及びインデックス2:10bp)上でシーケンスした。
バルクRNAシーケンシングライブラリーの調製
化合物で処理した細胞を最初にトリプシン処理し、前述のように収穫した。次に、26μLのNSBを使用して、V底プレートに細胞を溶解させた。2μLの25μMのインデックス付けされたRTプライマーを添加し、65Cで5分間アニールした。続いて、SuperScript IVシステムを使用して、ウェル当たり8μLの5x SuperScript緩衝液、2μLのSuperScript IV、2μLの10mM dNTPミックス、2μLの100mM DTT、及び2μLのRNAseOUT組み換えリボヌクレアーゼ阻害剤を使用してRT反応を実施した。55Cで10分間反応を実施し、その後、熱不活性化(80°Cで10分間)を介して停止した。次に、ライブラリーをプールし、2回の0.7xSPRIクリーンアップ又は1回の0.7xSPRIクリーンアップのいずれかを介して過剰なRTプライマーを除去し、続いてExo-1の処理及び不活性化を行った。最終容量20μLに0.5μLの酵素及び2μLの二本鎖反応緩衝液を含む二本鎖合成ミックスを用いて16Cで3時間インキュベートすることにより二本鎖DNAを作製した。第2の鎖合成に続いて、1μLの市販のNextera試薬を含む20.5μLの2×TD緩衝液でライブラリーをタグ付けした。40μLのZymo社のClean and Concentrate緩衝液で反応を停止し、室温で5分間インキュベートした。続いて、ライブラリーを1xSPRIクリーンアップで精製し、溶出緩衝液16μL中に溶出させた。シーケンシングライブラリーは、それぞれ2μLのインデックスP7及びP5プライマーと、20μLの2x NEB Next MasterMixを使用したPCRによって生成された。最後に、ライブラリーをプールし、1×SPRIクリーンアップで精製し、定量化した。ライブラリーは、高出力75サイクルキット(リード1:18サイクル、リード2:52サイクル、インデックス1:10サイクル、インデックス2:10サイクル)を使用して、Nextseq 500(Illumina社)でシーケンスされた。
シーケンシングデータの前処理
シークエンシングは、最初にbcl2fastq v.2.18を使用して逆多重化した。2bpの編集距離内で逆転写インデックスに一致するバーコードのみが保持された。sci-RNA-seq3ライブラリーの場合、2bpの編集距離内で提供された逆転写インデックス及びライゲーションインデックスの両方に一致するバーコードが保持された。インデックスの割り当てに続いて、polyAテールをトリム-ガロアを使用してトリミングし、リードをSTARアライナを使用してヒトトランスクリプトーム(hg-38)又はヒト-マウストランスクリプトーム(hg-38及びmm-10)にマッピングした。アライメント後、アラインメント品質のためにリードをフィルタリングし、重複を除去した。(1)同じ遺伝子にマッピングされ、(2)同じ細胞バーコードにマッピングされ、(3)同じ一意の分子識別子(UMI)を含む場合、リードは重複していると見なした。第1の2つの基準を満たし、以前に観察されたUMIと編集距離が1異なる読み取りも、重複としてマークされ、破棄した。重複しない読み取りは、アノテーションされた遺伝子モデルと交差するようにbedtools(40)を使用して遺伝子に割り当てた。
一部の遺伝子3’UTRアノテーションが短すぎて、遺伝子リードが遺伝子間として不適切にアノテーションされる可能性を考慮するために、遺伝子モデル中の全ての3’UTRを100bpだけ伸長させた。細胞バーコードは、バーコードに関連付けられた一意のリードの数がニープロットでインタラクティブに定義された閾値よりも大きい場合、真正な細胞に対応すると見なされた。このUMIカウント閾値を通過した細胞からのリードを最初にスパースマトリックス形式に集約し、次いでMonocle 3で分析するためにCDSオブジェクトとしてロード及び保存した。
ハッシュリードからのサンプルラベルの割り当て
コンビナトリアルインデクシングバーコードに一致する逆多重化されたリードを調べて、ハッシュリードを識別した。リードは、2つの基準を満たしたときにハッシュリードと見なされた。(1)リード2の最初の10bpが2の編集距離内の実験におけるハッシュバーコードと一致する(2)リード2の塩基対12から16の間にpolyAトラックが含まれていた。次いで、これらのリードを細胞バーコードによって複製し、UMIにより崩壊させて、実験中の各核iのハッシュオリゴUMIカウントのベクトルhを作成した。
各核iを、それが得られた培養ウェルに割り当てるために、そのsci-RNA-seqライブラリーが特定のハッシュバーコード用に濃縮されているかどうかを試験する。理想的な状況下では一様な分布である「バックグラウンド分配」と核のハッシュUMIを比較する。実際には、遊離核の各ウェルに添加されるハッシュオリゴの濃度のわずかな変動により、バックグラウンドを経験的に推定することが必要となる場合がある。これを行うには、本発明者らは単に、mRNA UMIより少なく収集された細胞インデックスからの相対的ハッシュUMIsを単純に平均し、これらがRTウェル上清、デブリ断片などからのライブラリーの寄与を反映していることを推論する。次に、本発明者らは、このバックグラウンドと核iに対するハッシュUMIhとを、カイ二乗検定によって比較する。Benjamini-Hochbergによる多重検定の結果のp値を修正した後、特定のFDRにおけるバックグラウンド分布からhが生じるヌル仮説を拒絶した(この研究では5%FDRを使用した)。次に、バックグラウンドとは異なると見なされるハッシュカウントを有するそれらの核を、単一のハッシュ配列の濃縮について評価する。濃縮比は、最も豊富な対第2の最も豊富なハッシュオリゴのUMIカウント比として計算された。具体的には、核iにおける最も豊富なハッシュのUMIカウントが第2の最も豊富なものより倍高い場合、iは、一重項としてマークされる。これらの比の分布を調査し、非標識細胞及び単一標識細胞を分離した値を選択することによって、を実験毎に決定した。固有のハッシュオリゴの濃縮度が倍を下回った細胞は、マルチプレット又はデブリとしてフラグが付けられ、破棄された。
用量反応分析
用量反応分析は、drcパッケージ(41)を使用して、各薬物の4パラメータ対数ロジスティックモデルを、各用量で単一細胞RNA-seqデータで回収された細胞数に適合させることによりRで実施した。二重項分析及びQCを生き残った細胞を、それらの由来の培養ウェルによってグループ化し、カウントした。次に、これらの計数を、以下のように、細胞型及び培養プレートの関数としての回収率の変化を考慮して調整した。ウェル全体の細胞数のベクトルxがモデルと適合された。
Figure 2023062105000002
ここで、t及びwは、それぞれ細胞型及び培養プレートをエンコードするバイナリインジケータ変数である。次に、ある型の細胞の培養プレートからの所与のウェルの調節された細胞数を、次のように計算する。
Figure 2023062105000003
次に、ウェル当たりの細胞数を調整し、型及び薬物によってグループ化し、モデル式「cell_count~log_dose」及びLL.4()モデルファミリー機能を使用して、drcパッケージのdrm()関数への入力として渡された。この手順は、モデルに適合する。
Figure 2023062105000004
上記モデルでは、パラメータは、応答の下位漸近限界及び上位漸近限界にそれぞれ対応する。応答曲線の急峻さはbに反映され、eは最大の半分の「有効用量」(ED50)をエンコードするパラメータである。
用量反応曲線により、細胞の培養条件が生存率に与える影響に応じて細胞に注釈を付けることができる。各細胞には、所与の用量の化合物に曝露された後に残るビヒクル細胞の予測された画分である「生存率スコア」が割り当てられる。これらの細胞数は、drcパッケージのpredict()関数を介して生成され、対応するビヒクル対照に対して正規化される。
次元削減及び軌跡分析
遺伝子発現プロファイルは、UMAPを使用して2次元又は3次元空間に投影するMonocle 3を用いて視覚化した。簡潔に言うと、Monocle 3は、最初に全ての細胞のサイズ係数を計算する。サイズ係数は、単一細胞で観察される対数UMIカウントとして計算され、全ての測定された細胞からの対数UMIカウントの幾何平均によって除算されたものとして計算された。各核のUMIカウントをそのライブラリーサイズ係数でスケーリングした後、Monocle3は偽数1を加算し、logはカウントを変換する。次に、これらの対数変換されたプロファイルは、上位25の主成分上に投影される。これらのPCA座標は、モデル「log(UMIs)+複製」(図9)又は「~log(UMIs)+生存率+増殖指数+複製」に従って、(limmaパッケージ(42)のremoveBatchEffect()関数と同様のアプローチを使用して)Monocle 3によって変換された。各細胞について調整されたPCA座標を使用してUMAPを初期化する。特に明記されていない限り、UMAPは以下のパラメータを使用して実行された。50個の最近傍、min_dist=0.1、コサイン類似度によって評価されたセル間距離。デュアルHDAC阻害及びアセチル-COA前駆体補充又はアセチル-CoA生成酵素阻害後の細胞のUMAP投影は、PCA初期化が最上位1000個の最も過分散された遺伝子で実行されたことを除いて、記載のように実施した。次に、Pythonパッケージ「louvain」を使用して、このUMAP空間でLouvainコミュニティの検出を行った。次に、(21)に記載のように軌道の再構成を実施した。
特定の化合物/用量の組み合わせに曝露された細胞がUMAP空間に沿って濃縮を示したかどうかを判断するために、クラスター内外の化合物又はビヒクルで処理された細胞の数の分割表を作成し、フィッシャーの直接確率検定の統計Rパッケージ実装を使用して濃縮試験を行った。図9Bの薬物濃縮を視覚化するために、FDR<1%の濃縮カットオフとオッズ比>2.5のlog2を満たす最小化合物/用量で、細胞の不透明度を細胞に添加した。これらのフィルターを通過した細胞を使用して、図12のクラスターによる濃縮細胞画分のヒートマップを生成した。
増殖指数の推定。単一細胞の増殖指数の推定を得るために、細胞周期マーカー遺伝子のサイズ係数正規化発現((43)の表S5から)を各細胞について合計し、記録した。このようにして、G1S及びG2Mの両方についてスコアを算出した。「増殖指数」は、細胞の全体的な増殖状態を指し、凝集したG1S及びG2M遺伝子発現の記録された合計として計算される。
差次的発現分析
化合物に曝露されたときに、遺伝子が細胞株によって用量依存的に発現されるかどうかを試験するために、各核から記録されたその(ライブラリーサイズ係数調整された)UMIカウントを、一般化された線形モデルに適合させる。
Figure 2023062105000005
は準ポアソン値のランダム変数であり、dは評価される化合物の対数変換された用量である。本発明者らは、これらのモデルをspeedglmパッケージを使用するMonocle 3に適合させる。各遺伝子に対する各薬物の効果の回帰モデルを適合させるために、最初にモデルに関連する細胞のサブセットを特定する。薬物Dで処理したときのC型の細胞における遺伝子Gに対する効果を決定するために、本発明者らは、任意の用量のDで処理されたC型の全ての細胞を含める。これらに、ビヒクル対照で処理されたC型の細胞を添加する。次に、これらの細胞の全てにわたるGの発現レベルに関する、上記で定義されたモデルを適合させる。適合されたモデルに、Wald検定で評価したゼロとは大幅に異なる項βが含まれている場合、遺伝子は用量依存的な差次的発現遺伝子(DEG)と見なされる(Benjamini-Hochberg調整済みp<0.05)。β項のP値は、複数の試験のために修正する前に、全ての化合物及び全ての遺伝子にわたってプールされる。
コンセンサスHDAC阻害軌跡における「疑似投与」Ψの関数としての差次的発現の遺伝子を評価するために、モデルを適合させる。
Figure 2023062105000006
は、遺伝子のUMIカウントを捕捉する準ポアソン変数であり、自然スプラインを介して平滑化された疑似投与値をΨエンコードし、cは細胞型をエンコードする係数であり、βcΨは細胞型と疑似投与との間の相互作用を捕捉する。用語βdは、化合物の(log)用量依存性効果をエンコードする。
スクリーニングされた化合物の対相関
細胞トランスクリプトームに同様の用量依存的変化をもたらす化合物を特定するために、化合物の全ての対セット間のピアソン相関を計算した。全ての化合物にわたる用量依存性遺伝子の結合のための化合物マトリックスによって遺伝子を作成し、各エントリは、用量依存性項βについてのベータ係数であり、次に完全な観測を使用するように指定するRstatsパッケージ内のcor.test()関数を使用して、全ての薬物対のピアソン相関を計算した。得られた相関行列を、Rのヒートマップパッケージを使用して階層的にクラスター化した。全ての対相関の有意性を、多重仮説検定を調整する方法としてBenjamini-Hochbergを指定するRのpsychパッケージのcorr.test()関数を使用して決定した。
遺伝子セット濃縮分析
一般化された線形モデルを適合させた後、有意な係数(5%FDR閾値)を持つ遺伝子を、Rパッケージピアノを使用した遺伝子セット濃縮分析に使用した(44)。簡潔に述べると、遺伝子セットは、ピアノのrunGSA()関数で評価される一般化された線形モデル用語に対応する、広範な平均Wald検定統計に従って序列付けされた。各セットのランクのヌル分布を確立するために、遺伝子をセットにわたってランダム化した。10000個の並べ替え後、runGSA()は、「混合」指向性濃縮ポリシーを使用してP値を計算した。最大規模の濃縮統計値を有するものに対応する上位遺伝子セットを、可視化のために選択した。
HDAC阻害剤処理細胞のアラインメント
HDAC阻害剤で処理した細胞を軌道細胞に組織化するために、3つの細胞株間又は24時間及び72時間の処理間で表される細胞の数を等しくするために細胞をサンプリングした。次に、PCA座標を併せて計算し、パッケージスクラン(32)のmnnCorrect関数を使用して整列させた。これらの調整座標を使用して、Monocle 3においてUMAPを初期化した。次に、lean_graph()を介して主要なグラフをデータに適合させる。軌道の原点を定義するために、各細胞をその最も近い主要なグラフノードにマッピングし、次に、マッピングされた細胞の大部分がビヒクルで処理された全ての主要なグラフノードを選択した。他の全ての細胞の疑似投与Ψを、それらの最も近い主要なグラフノードと原点ノードとの間の測地線距離として測定した。
各HDAC阻害剤の効力を定量化するために、最初に、処理及び用量に従って各複製から全ての細胞をグループ化し、次に各細胞について平均疑似投与を計算した。次に、drcパッケージを使用して、化合物濃度の関数として平均疑似投与値を適合させる(41)。4つのパラメータlog-ロジスティックモデルを使用し、最大応答は、全ての化合物及び用量にわたって達成された最も高い疑似投与値で固定された。次に、上記の「用量応答分析」のセクションで説明したモデルパラメータeを、各化合物の転写EC50(TC50)として使用する。
実施例2
単一細胞内の大規模に多重化されたクロマチンアクセシビリティプロファイリング
細胞は、多くの環境、発達、及び治療の刺激に応答して遺伝子発現の再配線を受け、特定の応答は個々の細胞型の間で大きく異なる。このようなゲノムの再プログラミングは、プロモーターとエンハンサーの近くのクロマチンの状態に動的な変化のシステムを導くDNA結合転写因子(TF)によって確立される(Takahashi and Yamanaka、2016年)。ただし、そのようなゲノムコレオグラフィーの測定及び解釈は、不均質な細胞集団や組織サンプルでは非常に困難なままである。この問題に対処するために、新しいアプローチsciPlex-ATAC-seqが開発され、これにより、事実上無制限の実験条件から、数千の個々の細胞内のアクセス可能なゲノムの同時プロファイリングが可能になる。
技術概要
単一細胞の物理的分離を必要としない、単一細胞トランスクリプトームシーケンシング(sci-RNA-seq)及びコンビナトリアルインデクシングによるクロマチンアクセシビリティプロファイリング(sci-ATAC-seq)のための高度にスケーラブルな方法(Cusanovichetalら、2015年、Caoら、2017年)が開発されてきた。これらの方法は、バーコード化の各ラウンドで指数関数的に多くの細胞をプロファイリングするコンビナトリアル分子インデクシング戦略を採用しており、実験のコストを劇的に削減する。
ここでは、複数のサンプルを同時に処理できるようにするために、本発明者らは、アクセス可能なクロマチンをシーケンスすることにより、各核内の標識も共アッセイするように、細胞を標識するシステムを考案した。標識化アプローチは、単離核が単鎖DNAオリゴ(標識)を吸収する傾向を利用し、その後、穏やかな固定によって捕捉することができる(Srivatsanら、2020年)。核が複数回のインデックス付けを受けると、シーケンス可能なバーコードは、各核内の標識及びクロマチンに追加され、最終的に、各細胞からの材料に固有のバーコードの組み合わせを生成する。したがって、同一のバーコードの組み合わせを共有する全てのシーケンスされたクロマチン断片及び標識は、同じ細胞からのものになる。このラベル付け戦略により、数千個の個々の細胞内のアクセス可能なクロマチンプロファイルを、事実上任意の数の一意に標識されたサンプルから同時に得ることができる(図41A、41B)。
結果
一本鎖DNAオリゴは核を標識し、単一細胞クロマチンアクセシビリティプロファイリングのための複数のサンプルの並列処理を可能にする。
我々の標識化アプローチが個々の細胞のサンプル起源を正確に再現することができるかどうかを試験するために、本発明者らは、コンビナトリアルインデクシングを通して単一細胞クロマチンアクシチンのアクセス性プロファイルをプールし調製する前に、ヒトとマウスの細胞株を種識別オリゴ(ハッシュ)で別々に標識する種混合実験を行った。マウス細胞(NIH-3T3)及びヒト細胞株(A549)をそれぞれ3つのサンプルに分割し、6つのオリゴのうちの1つで別々に標識した。簡潔には、6つのサンプルのそれぞれから核を単離し、別個のオリゴ標識と共に短時間インキュベートした後、1%ホルムアルデヒドで固定した(図41A)。固定後、全ての細胞をプールし、核標識を共通の捕捉オリゴにアニーリングし、タグ付きDNAに類似する構造を生成し、ゲノムDNAとの将来の共アッセイを可能にした。次に、プールした核を、Nexteraアダプターを使用してTn5によってバルクでタグ付けし、5’末端をT4PNKでリン酸化した。次に、核DNA及び捕捉された標識オリゴの両方について、次の手順でコンビナトリアルインデックスを作成した。1)96ウェル間に核を均等に分配し、ウェル特異的バーコード1をN7末端にライゲーションする。2)全てのウェルをプールし、96ウェル間に核を均等に再分配し、ウェル特異的バーコード2をN5端にライゲーションする。3)全てのウェルをプールし、核を、バーコード3のPCRベースの付加のために最後の96ウェルプレートに再分配する(図41B)。2つの核からの材料がバーコードの同じ組み合わせを受け取る可能性は非常に低いため、一致するバーコードを有する全てのクロマチン断片及びラベル分子は同じセルからのものであると予想される。
記載されたライブラリー調製全体にわたって、付加された標識が固定核の内側に完全に残る場合、ヒトサンプルで使用している標識は厳密にヒト細胞から、マウス標識はマウス細胞から回収されると予想される。実際に、細胞の種は、各核から回収された標識分子のみに基づいて決定され得る(図41C)。更に、ヒト及びマウス特異的標識の混合物を有することが見出された細胞はまた、二重項を示唆する両方の種からのクロマチン断片の混合物も有していた(図41D)。この実験では、細胞の大部分から100個を超える標識分子を回収し(図41E)、核内で最も一般的な標識は、典型的には、任意の他のラベル分子よりも少なくとも5倍豊富であり(図41F)、標識混合によるバックグラウンドが非常に少なかったことを示唆した。
SciPlex-ATACは、化学的スクリーニングにおける多重化された単一細胞クロマチンプロファイリングを可能にする。
本発明者らのアプローチで多くのサンプルを多重化する能力を実証するために、本発明者らは、肺腺癌由来(A549)細胞で化学スクリーニングを行い、グローバルな遺伝子調節に影響を与えることが知られている4つの化合物に応答してクロマチンランドスケープがどのように変化するかを調べた。96ウェル培養皿の各ウェルを、ヌトリン-3A(p53アゴニスト)、SAHA(広域スペクトルヒストン脱アセチル酵素阻害剤)、BMS345541(NF-kB阻害剤)、デキサメタゾン(グルココルチコイド受容体アゴニスト)又はビヒクル対照で24時間処理した。更に、各化合物の効果を7つの異なる濃度で評価できるように、各ウェルに添加する薬剤の用量を変更した。最後に、全ての処理を生物学的に3回実施した(図42A)。各ウェルに固有の標識を適用した後、全ての条件からの細胞をプールして、単一の細胞アクセス可能なクロマチンプロファイルを並行して調製した。
このパイロット実験から、7,770個の細胞から高品質のクロマチンプロファイルを得、これをクロマチン組織の個別集団に分岐させた。重要なことに、各細胞の処理条件を特定するためにシークエンシングされた標識を使用すると、集団構造は、主にクロマチンプロファイルに対する薬物特異的な影響によって駆動されたことが明らかであった(図42B)。更に、用量依存的な傾向は、特にヒストン脱アセチル化(SAHA)の広範な阻害時に、より高い用量でますます変化する規制状況を示した(図42C、右下パネル)。興味深いことに、このデータのみから、特定の薬物が細胞に対して毒性となる閾値を決定することもできる(図42D)。この実験は、個々の細胞のクロマチンアクセシビリティを、ほぼ100のサンプルから同時にアッセイする能力を示している。これらのデータの継続的な分析は、薬物処理に反応するゲノム全体で差次的にアクセス可能な部位を調査することを目的としている。例えば、COPS7A遺伝子座の上流の非コード部位は、SAHAに応答して用量依存的なアクセシビリティを示した(図42E)。
方法
核のハッシュ標識
最初に既存の培地を吸引することにより、96ウェルフォーマットで増殖させた付着細胞を調製した。次に、ウェル毎に50LのTrypLE(Termo-Fisher社)を添加し、プレートをA549のために37Cで15分間インキュベートした。インキュベーション後、150Lの1x DMEM(Gibco)+10% FBS(Gibco)の150Lを添加して、TrypLE反応をクエンチした。次に、各ウェル中の200L容量の細胞懸濁液を、ウェルの向きを維持しながらV底96ウェルプレートに移した。次に、培地を吸引する前に、細胞を300gで5分間回転させて細胞をペレット化した。細胞ペレットを100Lの1xDPBSで洗浄した後、300gで5分間ペレット化した。懸濁細胞については、まず、ウェル内容物をv底プレートに移し、次に300gで5分間ペレット化した。次に、細胞を200Lの1xDPBSで洗浄し、再度スピンダウンし、DPBSを除去した。細胞から核を単離するために、ペレットを再懸濁し、50Lの冷溶解緩衝液(10mMのTrisHCl、10mMのNaCl、3mMのMgCl、0.1%のIgepal、0.1%のTween20)、又は全溶解緩衝液(10mMのTrisHCl、10mMのNaCl、3mMのMgCll、0.1%のIgepal、0.1%のTween20、0.01%のジギトニン(Promega社)、1Xプロテアーゼ阻害剤(Thermo Pierce Protease Inhibitor Tablets、EDTA-free))のいずれかで数回、ペレットを再懸濁し、ピペットで静かに上下させた。次に、一本鎖DNAオリゴ標識(ハッシュ)を、(25,000細胞当たり約1nMolハッシュ分子を目的として)溶解緩衝液中で核に添加し、氷上で5分間インキュベートした。次いで、氷冷固定緩衝液(1.5%ホルムアルデヒド、1.25×DPBS(gibco))をサンプルに添加して、最終ホルムアルデヒド濃度1%を得、穏やかに混合した。氷上で15分間固定を行った。この時点で、異なるサンプル(すなわち、異なるウェル)からの核を組み合わせ、この単一のプール上で更なるステップを行った。まず、プールしたサンプルを500×gで5分間回転させて固定剤を除去した。次いで、ペレットを核懸濁液緩衝液(10mMのTrisHCl、10mMのNaCl、3mMのMgCl2)+0.1% tween20に再懸濁した。凍結緩衝液(50mMのTris、pH8.0、25%グリセロール、5mMのMg(OAc)2、0.1mMのEDTA、5mMのDTT、1xプロテアーゼ阻害剤(Thermo Pierce社))中に最終濃度250万核/mL(2レベル)、又は500万核/mL(3レベル)で再懸濁する前に、核を再度ペレット化した。次に、プールしたサンプルを液体窒素で瞬間冷凍し、-80℃で保存した。
2レベルのsci-ATACを有するハッシュオリゴ及びATACプロファイルの共捕捉
プールしたハッシュ標識核を氷上で解凍し、核完全性について検査し、カウントし、必要に応じて250万核/mLに更に調節した。次に、2Lの核を96ウェル深結プレートの全てのウェルに分配した。各核内のハッシュ分子を捕捉するために、1Lの25M一本鎖DNAオリゴ(5’-TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGACAGNNNNNNNNXXXXXXXXXXTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTVN-3’(配列番号2))を各ウェルに添加した(「X」はウェル固有のバーコードを表し、「N」は一意の分子インデックス(UMI)を反映する)。次いで、プレートを55Cで5分間インキュベートし、直ちに氷上に5分間戻した。次に、3LのNEBNextHigh-Fidelity 2X PCR Master
Mixを各ウェルに添加し、55℃で10分間インキュベートすることにより、ハッシュ分子にアニーリングした捕捉オリゴを伸長させた。伸長後、12Lの2Xタグ付け緩衝液(20mMのTris、pH7.3、10mMのMgCl、20%のDMF)及び4L(40mMのTrisHCl、40mMのNaCl、12mMのMgCl、0.4%のNP40、0.4%のTween20)を全てのウェルに添加した。最後に、1Lのインデックス付きTn5(Cusanovichら、2015年)を各ウェルに添加し、55℃で15分間タグ付けを行ってから氷上に戻した。25Lの氷冷40mM EDTA+1mMスペルミジンを全てのウェルに添加し、37Cで15分間インキュベートすることにより、タグ付けを停止した。次に、全てのウェルをプールし、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)のために最終濃度が3MになるようにDAPIを添加した。蛍光ベースのソーティングを使用して、(望ましい、予想される二重項率に基づいて実験によって変化した)限られた数の細胞を、12Lの逆架橋バッファー(11LのEB(Qiagen社)、0.5Lの1%SDS、0.5Lの20mg/mLプロテイナーゼK(Promega社))を含有する新しい96ウェル深結プレートの各ウェルに分配した。PCRブロック上で、65℃で13.5時間、プレートをインキュベートすることにより、架橋を逆転させた。次に、PCRを使用して、ハッシュ標識とタグ付きクロマチンの両方に2回目のウェル特異的なバーコードを追加した。各ウェルに、3.65LのTween-20、1.25Lのインデックス付きNextera P5プライマー、1.25インデックスNextera P7プライマー、及び18.125LのNEBNext High-Fidelity 2X PCR Master Mixを添加した。PCR条件は以下の通りであった。72℃で5分、98℃で30秒(98℃で10秒、63℃で30秒、72℃で1分間の3ステップを23回繰り返し)、72℃で5分、4℃で保持。
次に、各ウェルから増幅されたライブラリーをプールし、チモーゲン清潔濃縮キット(5X DNA結合緩衝液を使用)で濃縮してから100LのEBに溶出させた。ATACライブラリーからハッシュライブラリーを分離するために、濃縮及びプールしたライブラリーを1%アガロースゲル上で泳動させ、ゲルを精製した。ハッシュライブラリーはサイズ199bpのバンドとして現れるが、ATACライブラリーは約200-3000bpに切断されている。Nucleospin PCR及びゲル抽出キットでゲル抽出を行い、50L(ATACライブラリー)又は25L(ハッシュライブラリー)に溶出させた。
3レベルのsci-ATACを有するハッシュ及びATACプロファイルの共捕捉
ハッシュ標識核を氷上で解凍し、核完全性について検査し、カウントし、必要に応じて500万核/mLに更に調節した。次に、10Lの核を96ウェル深結プレートのウェルに分配した。各核内のハッシュ分子を捕捉するために、2Lの25Mの一本鎖DNA「捕捉」オリゴ(5’-TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGACAGNNNNNNNNTT+TTT+TTT+TTT+TTT+TTT+TTT+TTT+TTT+TTT+TVN-3’)を各ウェルに追加した(「N」は一意の分子インデックス(UMI)を反映し、「+T」はロックされた核酸の存在を表し、これはハッシュオリゴにアニーリングされた捕捉オリゴの融解温度を上昇させる)。次いで、プレートを55℃で5分間インキュベートし、直ちに氷上に5分間戻した。次に、35.5LのTn5反応ミックス(25Lの2Xタグ付け緩衝液、8.25Lの1xDPBS、0.5Lの1%ジギトニン、0.5Lの10%tween-20、1.25Lの水)を各ウェルに添加した。最後に、2.5μLのNextera Tn5酵素を各ウェルに添加した(最終体積=50L)。プレートを接着テープで密封し、500xgで30秒間回転させた。次に、プレートを55℃で30分間インキュベートすることによって、試験を実施した。50Lの氷冷40mM EDTA+1mMのスペルミジンを全てのウェルに添加し、37℃で15分間インキュベートすることによってタグ付けを停止した。ワイドボアチップを使用して、全てのウェルをプールし、タグ付き核を500×gで4℃で5分間ペレット化し、上清を除去した。核を、500Lの40mMのTrisHCl、40mMのNaCl、12mMのMgCl、+0.1%のTween-20に注意深く再懸濁し、500×gで4℃で5分間再度回転させた。上清を吸引し、ペレットを110Lの40mMのTrisHCl、40mMのNaCl、12mMのMgCl、+0.1%のTween-20に再懸濁した。
次に、タグ付けされたクロマチンの5’末端及び固定核内の捕捉ハッシュオリゴを、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)媒介反応によってリン酸化した。110Lの再懸濁した核を55Lの10xT4PNK緩衝液(NEB)、55LのrATP(NEB)、110Lのヌクレアーゼフリー水、220LのT4PNK(NEB)と混合し、5uLの反応ミックスを96ウェルプレートの各ウェルに分配した。次に、プレートを密封し、500xgで30秒間回転させた後、37℃で30分間インキュベートした。
キナーゼ反応に続いて、第1のレベルのインデックス作成は、タグ付けされたクロマチンと捕捉されたハッシュ分子の「N7タグ付き」側にインデックス付きオリゴを特異的に付着させることによって達成された。N7特異的ライゲーションを、10Lの2×T7リガーゼ緩衝液、0.18Lの1000MのN7スプリントオリゴ(5’-CACGAGACGACAAGT-3’(配列番号3))、1.12Lのヌクレアーゼフリー水、2.5LのT7 DNAリガーゼ、1.2Lの50MのN7オリゴ(5’-CAGCACGGCGAGACTNNNNNNNNNNGACTTGTC-3’(配列番号4)(ここで、「N」は、ウェル特異的指数を表す)を、キナーゼ反応混合物を含有する全てのウェルに直接加えることによって実施した(最終ウェル体積=20L)。次いで、プレートを密封し、500xGで30秒間回転させ、ライゲーションを25℃で1時間行った。20Lの氷冷40mM EDTA+1mMスペルミジンを各ウェルに添加し、37℃で15分間インキュベートすることによって、ライゲーションを停止させた。ワイドボアチップを使用して、全てのウェルを15mlの円錐管にプールし、40mMのTrisHCl、40mMのNaCl、12mMのMgCl、+0.1%のTween-20の3倍量を添加することにより、体積を増加させた。核を500xG及び4℃で10分間ペレット化し、550Lの40mMのTrisHCl、40mMのNaCl、12mMのMgCl、+0.1%のTween-20に再懸濁した。
第2のレベルのインデックス作成は、タグ付けされたクロマチンと捕捉されたハッシュ分子のリン酸化された「N5タグ付き」側にインデックス付きオリゴをライゲーションすることによって実行された。したがって、5Lのプールされた再懸濁した核を、新たな96ウェルプレートの全てのウェルに分配した。次に、第2のライゲーション反応を、10Lの2X T7リガーゼ緩衝液、0.18Lの1000MのN5スプリントオリゴ(5’-GCCGACGACTGATTA-3’(配列番号5))、1.12Lのヌクレアーゼフリー水、2.5LのT7 DNAリガーゼ、1.2Lの50MのN5オリゴ(5’-CACCGCACGAGAGGTNNNNNNNNNNGTAATCAG-3’(配列番号6)(「N」はウェル特異的インデックスを表す)を全てのウェルに加えることによって実行した(最終ウェル体積=20L)。次いで、プレートを密封し、500xGで30秒間回転させ、ライゲーションを25℃で1時間行った。20Lの氷冷40mM EDTA+1mMスペルミジンを各ウェルに添加し、37℃で15分間インキュベートすることによって、ライゲーションを停止させた。ワイドボアチップを使用して、全てのウェルを15mlの円錐管にプールし、40mMのTrisHCl、40mMのNaCl、12mMのMgCl、+0.1%のTween-20の3倍量を添加することにより、体積を増加させた。核を500xG及び4℃で10分間ペレット化し、500LのEB緩衝液(Qiagen社)に穏やかに再懸濁した。PCRウェルに分配するために、核をDAPI(3M最終)で染色し、逆架橋緩衝液(11LのEB緩衝液(Qiagen社)、0.5LのプロテイナーゼK(Roche社)、0.5Lの1%SDS)を含有する96ウェルプレート(185核/ウェル)のウェルにソートし、又はカウントして1850/mLの濃度に調節した。10Lの希釈核を96ウェルプレートの全てのウェルに分配し、1LのEB緩衝液(Qiagen社)、0.5LのプロテイナーゼK(Qiagen社)、0.5Lの1%SDSを添加して、架橋の反転を可能にした。次に、プレートを密封し、500xgで30秒間回転させ、プレートを65℃で16時間インキュベートすることにより架橋を除去した。
第3のレベルのインデックス作成は、PCRによって達成される。したがってPCRミックスは、2.5Lの25MのP7プライマー(5’-CAAGCAGAAGACGGCATACGAGATNNNNNNNNNNCAGCACGGCGAGACT-3’(配列番号7))、2.5Lの25MのP5プライマー(5’-AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACNNNNNNNNNNCACCGCACGAGAGGT-3’(配列番号8))、25LのNEBNext High-Fidelity 2X
PCR Master Mix、7Lの水、1Lの20mg/mLのBSA(NEB)を含む。重要なことに、各ウェルは、P7及びP5プライマーの一意で特異的な組み合わせを受け取った。PCR条件は以下の通りであった。72 Cで5分、98℃で30秒(98℃で10秒、63℃で30秒、72℃で1分間の3ステップを20回繰り返し)、72℃で5分、4℃で保持。
次に、各ウェルから増幅されたライブラリーをプールし、チモーゲン清潔濃縮キット(5X DNA結合緩衝液を使用)で濃縮してから100LのEBに溶出させた。
実施例2の引用
Cao、Junyue、Jonathan S.Packer、Vijay Ramani、Darren A.Cusanovich、Chau Huynh、Riza Daza、Xiaojie Qiuら、2017年の「Comprehensive Single-Cell Transcriptional Profiling of a
Multicellular Organism」、Science 357(6352):661-67。
Cusanovich、Darren A.、Riza Daza、Andrew Adey、Hannah A Pliner、Lena Christiansen、Kevin L.Gunderson、Frank J.Steemers、Cole Trapnell、及びJay Shendure、2015年、「Multiplex Single Cell Profiling of Chromatin Accessibility by Combinatorial Cellular Indexing」、Science 348(6237):910-14。
Srivatsan、Sanjay R.、Jose L McFaline-Figueroa、Vijay Ramani、Lauren Saunders、Junye
Cao、Jonathan Packer、Hannah A Plinerら、2020年、「Massively Multiplex Chemical Transcriptomics at Single-Cell Resolution」、Science 367(6473):45-51。
Takahashi Kazutoshi、及びShinya Yamanaka、2016年、「A Decade of Transcription Factor-Mediated Reprogramming to Pluripotency」、Nature Reviews、Molecular Cell Biology 17(3):183-93。
実施例3
核標識法は、単一細胞トランスクリプトームの正規化のためのバイアスのない標準を提供する
摘要
シングルセルRNAシーケンスデータは生物学の理解を変えたが、生物学的に意味のある情報を抽出する能力をしばしば覆い隠して、疎性及び高レベルの技術的ノイズに悩まされる可能性がある。ここでは、単一核トランスクリプトームシークエンシングを介して捕捉される未修飾の一本鎖DNAオリゴで個々の核を標識するためのシンプルでありながら用途の広い方法について説明する。核が異なる既知の濃度で存在する別個のオリゴの「ラダー」で標識されている場合、各核内のトランスクリプトームとともに、ラダー内の濃度に比例する各オリゴからのリードカウントを捕捉することができた。3桁をカバーするオリゴの存在量のラダーを使用することにより、転写産物のドロップアウト率を推定することができる。更に、各細胞のラダーカウントを外部標準として使用することにより、細胞間の遺伝子発現変動の技術的ノイズを推定及び除去でき、差次的発現分析を大幅に改善できることを示す。最後に、転写伸長を化学的に阻害することにより、対応するオリゴラダーカウントに基づいて各細胞内のトランスクリプトームカウントを正規化することにより、他の方法では見逃される遺伝子発現のグローバルな方向性の変化を検出できることを示す。
方法
細胞培養
A549及びHEK293T細胞を、10%ウシ胎児血清及び1%ペニシリン及びストレプトマイシンを含有するDMEM培地で37Cで5%CO2で培養した。
フラボプラリドールの時間経過実験では、HEK293T細胞を6ウェル培養プレートにウェル当たり4×105細胞の密度で播種した。HDAC阻害剤の時間経過及びHDAC阻害剤及びデキサメタゾンの同時処理実験では、A549細胞を、ウェル当たり2.5×104細胞の密度で96ウェル培養プレートに播種した。
薬物処理
細胞を細胞培養プレートに播種した後、24時間増殖させた。フラボピリドールの経時的実験では、0.9uLの1mMフラボピリドールを各6ウェルに添加して、最終濃度を300nMにした。HDACi時間経過及びHDACi及びデキサメタゾン共処理実験では、1uLの1mMアベキシノスタット又はプラシノスタットのいずれかを各96ウェルに添加して、最終濃度10uMを得た。1uLの100uMデキサメタゾンを、HDACi処理時間の2時間前に添加した。フラボプラリドール及びHDACi処理用ビヒクルとしてDMSOを使用し、デキサメタゾン処理のためのビヒクルとしてエタノールを使用した。
ハッシュラダーの設計
核によるハッシュラダーの捕捉は、サンプル処理及びシークエンシング深さを含むがこれらに限定されない因子によって決定される。哺乳類細胞株の場合、ハッシュ捕捉率効率が非常に低いことを見出した。ハッシュUMIカウントの中央値が1,000~5,000になるように、核毎に約600万個のハッシュ分子が捕捉されるようにラダーを構築する必要があることを経験的に決定した(各核が溶液中で等量のハッシュ分子を占めると仮定する)。パイロット実験では、核当たり0.1~12.8アトモルをカバーする8つの異なるハッシュオリゴで構成されるハッシュラダーを使用した。残りの実験では、核当たり0.025ゼプトモルから2アトモルの範囲の48個の異なるハッシュオリゴで構成されるハッシュラダーを使用した。
細胞収穫、核単離、及びハッシュラダー捕捉
細胞を収穫するために、培地を除去し、細胞をDPBSで洗浄し、trypLEを使用してプレートから分離した。trypLEからのトリプシン処理は、等量の氷冷培地でクエンチした。細胞を500gで5分間遠心分離することによってペレット化し、氷冷DPBSで洗浄し、氷冷DPBSに再懸濁した。次に、0.4%トリパンブルーを使用して血球計で細胞をカウントした。約200万個の細胞を500gで5分間ペレット化し、1%のSuperase RNA阻害剤及び適切な量のhashラダーを補充した1mLの氷冷溶解緩衝液(10mMのTris-HCl、pH7.4、10mMのNaCl、3mMのMgCl2、0.1%、IGEPAL CA-630)に再懸濁した。穏やかなピペッティングで溶解した後、4mLの固定緩衝液(1.25×PBS中の5%パラホルムアルデヒド)を氷上で20分間添加することにより、細胞を固定した。細胞を固定した後、1mLの核懸濁液緩衝液(10mMのTris-HCl、pH7.4、10mMのNaCl、3mMのMgCl2、1%のSuperase RNA阻害剤、1%、0.2mg/mLのNEBNext BSA)で洗浄し、100uLのNSBに再懸濁した。
Sci-RNA-seq2ライブラリーの調製
次に、単離及びハッシュされた核を、透過性緩衝液(NSB中の0.25%Triton-X)中で氷上で3分間透過処理した後、スピンダウンした。NSBで更に洗浄した後、2レベルのsci-RNA-seqライブラリーを記載のように調製した(実施例1、Caoら、Nature、2019年、566:496-502)。簡潔に述べると、核を500gで5分間ペレット化し、100μLのNSBに再懸濁した。細胞数は、0.4%トリパンブルー(Sigma-Aldrich社)で核を染色し、血球計数器を用いてカウントすることによって得た。次に、2μLのNSBと0.25μLの10mMのdNTPミックス(Thermo Fisher Scientific社、カタログ番号R0193)中の5000個の核を、スカート付きのtwin.tec 96ウェルLoBindプレート(Fisher Scientific社、カタログ番号0030129512)に分配し、その後1μLの独自にインデックス付けしたオリゴdT(25μM)を全てのウェルに添加し、55Cで5分間インキュベートし、氷上に置いた。次に、1.75μLの逆転写ミックス(1μLのSuperscript IV第1鎖緩衝液、0.25μLの100mM DTT、0.25μLのSuperscript IV及び0.25μLのRNAseOUT組み換えリボヌクレアーゼ阻害剤)を全てのウェルに添加し、55Cで10分間インキュベートし、氷上に置いた。反応を停止させるために、5μLの停止溶液(40mMのEDTA、及び1mMのスペルミジン)を各ウェルに添加した。ワイドボアチップを使用してウェルをプールし、0.35μmのフィルターキャップ及び最終濃度3μMに添加されたDAPIを通してフローサイトメトリーチューブに移した。次に、プールした核を、ウェル当たり25~50細胞でFACS Aria II細胞選別機(BD社)上で、5μLのEB緩衝液(Qiagen社)を含有する96ウェルLoBindプレートに選別した。選別後、0.75μLの第2の鎖ミックス(0.5μLのmRNA第2の鎖合成緩衝液及び0.25μLのmRNA第2の鎖合成酵素、New England Biolabs社)を各ウェルに添加し、第2の鎖合成を16Cで150分間実施した。6μLのタグ付けミックス(6μL 2x Nextera TD緩衝液中の0.02μLのカスタムTDE1酵素、Illumina社)を添加することによってタグ付けを行い、プレートを55Cで5分間インキュベートした。12μLのDNA結合緩衝液(Zymo社)を添加して反応を停止し、室温で5分間インキュベートした。36μLのAmpure XPビーズを全てのウェルに添加し、17μLのEB緩衝液で溶出する標準Ampure XPプロトコル(Beckman Coulter社)を使用してDNAを精製し、DNAを新しい96ウェルLoBindプレートに移した。PCRのために、2μLのインデックス付きP5、2μLのインデックス付きP7及び20μLのNEBNext High-Fidelity masterミックス(New England Biolabs社)を各ウェルに添加し、PCRを次のように実施した。72Cで5分間、98Cで30秒間、98Cで10秒間を19サイクル、66Cで30秒間、72Cで1分間、続いて72Cで5分間の最終伸長を行った。PCR後、全てのウェルをプールし、DNA清浄及び濃縮キット(Zymo社)を使用して濃縮し、0.8X Ampure XPクリーンアップで精製した。最終的なライブラリー濃度は、Qubit(Invitrogen社)、TapeStation D1000 DNA Screenテープ(Agilent社)を使用して視覚化されたライブラリー、及び高出力75サイクルキット(リード1:18サイクル、リード2:52サイクル、インデックス1:10サイクル、及びインデックス2:10サイクル)を使用してNextseq 500(Illumina社)でシーケンスされたライブラリーによって決定された。
結果
ハッシュラダーは、sci-RNA-seq実験のスパイクインコントロールとして使用することができる
本発明者らの「ハッシング」技術[1]に基づいて、広範な濃度範囲を網羅するハッシュオリゴのラダーを使用して核を標識し、sci RNA-seq実験における外部対照として機能するかどうかを求めた(図43A)。本発明者らは、各核を、内因性mRNA転写物の存在量を反映する濃度範囲を有する混合物の別個のハッシュオリゴで標識することによって、個々の細胞における絶対転写物の存在量を定量化するためのプロキシとしてラダーを使用することができると考えた。
仮説を検証するために、核当たり0.1~12.8アトモルの範囲の理論的存在量で構成される8つの異なるハッシュオリゴを含むラダーを設計し、それを、sci-RNA-seqライブラリー調製の溶解ステップ中にHEK293T細胞に導入した。予想通り、内因性mRNA及びハッシュラダーの両方からリードを回収しました。観察されたハッシュオリゴ固有分子識別子(UMI)カウントの数は、ラダー内の各ハッシュオリゴの相対的な存在量をグローバルに反映していた(図43B)。個々の細胞内のハッシュラダーのUMIカウントを調べることにより、少なくとも1つのハッシュ分子からのリードを有する1,937個の細胞のうち1,806個(93%)が、8個のハッシュ分子全てからのリードを持ち、予想されたハッシュカウントと観測されたハッシュカウントとの間に強い相関関係を示した(図43C、右のプロット)。また、ハッシュキャプチャ効率が低い細胞も特定した(図43C、左のプロット)。これは、sci-RNA-seq実験でのサンプル処理のばらつきを反映している可能性がある。
ハッシュラダーベースの正規化により、単一細胞における転写レベル内のグローバルな変化を検出することができる。
scRNA-seqデータの標準的な正規化アプローチでは、細胞の総RNA数に比例するサイズ係数で細胞の遺伝子発現値をスケーリングする。発現データは相対的な存在量の測定値に変換されるため、例えば転写抑制に応答して、潜在的なグローバルシフトの転写物の存在量を捕捉することができない。したがって、本発明者らは、CDK阻害剤フラボプラリドールの処理によって引き起こされる転写レベルのグローバルな変化を正確に検出するためにハッシュラダーを使用することができるかどうかを求めた。
フラボプラリドールは、グローバル転写レベルの劇的な減少を引き起こすことが知られているサイクリン依存性キナーゼ阻害剤である[2]。ラダーオリゴから回収された細胞当たりのカウントを各細胞の正規化対照として使用して、フラボピリドールで長時間処理した結果としての遺伝子発現の変化を測定しようとした(図44A)。予想通り、転写伸長阻害剤に最長時間曝露された細胞は、細胞当たりのRNA回収率において最大の減少を示した(図44B)。
次に、従来型とハッシュラダーベースの正規化アプローチが差次的発現解析に及ぼす影響を比較した。従来型の総RNAサイズ係数ベースの正規化アプローチでは、不正確な正規化の特徴である転写をフラボピリドールがシャットダウンすることが知られているにもかかわらず、フラボピリドール処理に応答したアップレギュレート済みの遺伝子の数はダウンレギュレート済みの遺伝子の数と同じであった[3](図44C、左のプロット)。しかしながら、細胞の回収されたハッシュラダーカウントに基づいて正規化することによって、フラフラプラリドール処理時に発現を減少させることが知られている、より多くの数のダウンレギュレート済みの遺伝子を首尾よく回復することができ、謝って識別されたアップレギュレート済みの遺伝子の数を減少させることができた[4](図44C、右のプロット)。本発明者らのハッシュラダーベースのアプローチから計算された効果量の推定値は、従来型のアプローチと比較して、ダウンレギュレート済みの遺伝子では平均的に高く、アップレギュレート済みの遺伝子では低く、フラフラプラリドールによって引き起こされる転写のグローバルな変化を明らかにするハッシュラダーの能力を更に強調している。
実施例3の引用
[1]Srivatsan et al.Massively multiplex chemical transcriptomics at single-cell resolution、Science367、6473、45-51(2020年)。
[2]Kelland,L.R.、Flavopiridol,the first cyclin-dependent kinase inhibitor to enter the clinic:current status.Expert Opin.Investig.Drugs12、2903-2911(2000年)。
[3]Athanasiadou et al.A complete statistical model for calibration of RNA-seq counts using external spike-ins and maximum likelihood theory、PLoS Comput.、Biol15、3(2019年)。
[4]Lu et al.Transcriptional signature of flavopiridol-induced tumor cell death、Mol.Cancer Ther.、7、861-872(2004年)。
本開示は、以下の実施例によって例示される。特定の実施例、材料、量、及び手順は、本明細書に記載の本開示の範囲及び趣旨に従って広く解釈されるべきであることを理解されたい。
全ての特許、特許出願、及び刊行物、並びに本明細書で引用した電子的に利用可能な資料の完全な開示(例えば、GenBank及びRefSeqでのヌクレオチド配列の提出、SwissProt、PIR、PRF、PDBでのアミノ酸配列の提出、並びにGenBank及びRefSeqにおける注釈付きコード領域からの翻訳)は、参照によりその全体が組み込まれる。刊行物で参照されている補足資料(補足表、補足図、補足資料及び方法、並びに/又は補足実験データなど)も同様に、参照によりその全体が組み込まれる。本出願の開示と、参照により本明細書に組み込まれる文書の開示との間に矛盾が存在する場合、本出願の開示が優先するものとする。前述の詳細な説明及び実施例は、理解を明確にするためにのみ提供されている。それから不必要な制限を理解する必要はない。当業者に明らかな変形は、特許請求の範囲によって定義される開示に含まれるため、本開示は、図示及び記載された正確な詳細に限定されない。
別途記載のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分、分子量などの量を表す全ての数は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、別途記載のない限り、本明細書及び特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本開示によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、かつ均等論を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、通常の四捨五入法を適用することによって解釈されるべきである。
本開示の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であることにかかわらず、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、全ての数値は、それぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じる範囲を本質的に含む。
全ての見出しは読者の便宜のためのものであり、特に明記されていない限り、見出しに続くテキストの意味を制限するために使用されるべきではない。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製する方法であって、
(a)第1の複数の区画内に複数の細胞を提供するステップと、
(b)各区画の前記複数の細胞を所定の条件に曝露するステップと、
(c)各区画の前記細胞から単離された核又は各区画の前記細胞とハッシングオリゴとを接触させるステップであって、
前記ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合し、
前記ハッシングオリゴはハッシングインデックスを含み、
各区画内の前記ハッシングインデックスは、ハッシュ核又はハッシュ細胞を生成するために、他の区画内のインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
(d)異なる区画の前記ハッシュ核又はハッシュ細胞を組み合わせて、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップと、を含む、方法。
(項目2)
ハッシングオリゴ細胞又は単離された核を固定するために、前記細胞又は核を架橋化合物に曝露するステップを更に含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記架橋化合物は、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、又はメタノールを含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記所定の条件は薬剤への曝露を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記薬剤は、タンパク質、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子、無機分子、RNA若しくはRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、薬物、又はこれらの組み合わせを含む、項目1又は4に記載の方法。
(項目6)
前記ハッシングオリゴは一本鎖核酸を含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記ハッシングオリゴは一本鎖核酸からなる、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記ハッシングオリゴの前記核酸は、DNA、RNA、又はこれらの組み合わせを含む、項目1、6、又は7に記載の方法。
(項目9)
前記ハッシングオリゴは、細胞又は核の表面への前記ハッシングオリゴの特異的結合を媒介するドメインを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記ドメインは、リガンド、抗体、又はアプタマーを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記ハッシングオリゴと前記細胞又は単離核との間の会合は非特異的である、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記ハッシングオリゴと前記細胞又は単離された核との間の前記非特異的会合は、吸収によるものである、項目11に記載の方法。
(項目13)
単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法を使用して前記プールされたハッシュ細胞又はプールされたハッシュ核を処理して、前記複数の単一核から核酸を含むシークエンシングライブラリーを得るステップを更に含み、前記核酸は複数のインデックスを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法は、単一核トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトーム及びトランスポゾンアクセス可能なクロマチンシークエンシング、単一核の全ゲノムシークエンシング、トランスポゾンアクセス可能なクロマチンの単一核シークエンシング、sci-HiC、薬物-seq、sci-CAR、sci-MET、sci-Crop、sci-perturb、又はsci-Crisprである、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記方法は、
(e)前記プールされたハッシュ細胞又はハッシュ核のサブセットを第2の複数の区画に分配し、各サブセットを逆転写酵素又はDNAポリメラーゼ及びプライマーと接触させるステップであって、各区画中の前記プライマーは、インデックス付けされた核酸断片を含むインデックス付けされた核を生成する点で他の区画内の第1のインデックス配列とは異なる第1のインデックス配列を含む、ステップと、
(f)前記インデックス付き細胞又はインデックス付き核を組み合わせて、プールされたインデックス付き細胞又はプールされたインデックス付き核を生成するステップと、
(g)前記プールされたインデックス付き細胞又はプールされたインデックス付き核のサブセットを第3の複数の区画に分配し、インデックス付き核酸断片に第2のインデックス配列を導入して、二重インデックス付き核酸断片を含む二重インデックス付き細胞又は二重インデックス付き核を生成するステップであって、前記導入ステップは、ライゲーション、プライマー伸長、増幅、又は転位を含む、ステップと、
(h)前記二重インデックス付き細胞又は二重インデックス付き核を組み合わせて、プールされた二重インデックス付き核又は細胞を生成するステップと、
(i)二重インデックス付き細胞又は前記プールされた二重インデックス付き核のサブセットを第4の複数の区画に分配し、二重インデックス付き核酸断片に第3のインデックス配列を導入して、三重インデックス付き核酸断片を含む三重インデックス付き細胞又は三重インデックス付き核を生成するステップであって、前記導入ステップは、ライゲーション、プライマー伸長、増幅、又は転位を含む、ステップと、
(j)三重インデックス付き断片を組み合わせることにより、複数の単一核からのトランスクリプトーム核酸を含むシークエンシングライブラリーを生成するステップと、を更に含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
(g)は、各サブセットをトランスポソーム複合体と接触させるステップであって、各区画内の前記トランスポソーム複合体は、二重インデックス付き核酸断片を含む二重インデックス付き核を生成するために第1のインデックス配列を含むインデックス付き核酸断片の前記末端への前記第2のインデックス配列のライゲーションに好適な条件下で、トランスポソーム及び第2のインデックス配列を含み、前記第2のインデックス配列は、前記他の区画内の第2のインデックス配列とは異なる、ステップを含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
(i)各サブセットを、第3のインデックス配列及びユニバーサルプライマー配列を含むプライマーと接触させるステップであって、前記接触させるステップは、前記第3のインデックス配列の増幅及び前記二重インデックス付き核酸断片の前記末端への組み込みに好適な条件を含み、前記第3のインデックス配列は、前記他の区画内の第3のインデックス配列とは異なる、ステップを含む、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記区画はウェル又は液滴を含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
複数の増幅部位を含む表面を提供するステップを更に含み、
前記増幅部位は、遊離3’末端を有する結合した一本鎖捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも2つの集団を含み、
複数のインデックスを含む個々の断片からアンプリコンのクローン集団をそれぞれ含む複数の増幅部位を生成するのに好適な条件下で、増幅部位を含む前記表面を前記三重インデックス付き断片と接触させるステップと、を更に含む、項目15から17に記載の方法。
(項目20)
項目1に記載のハッシュ細胞又はハッシュ核を含む組成物。
(項目21)
項目1に記載のプールされたハッシュ細胞又はプールされたハッシュ核を含む組成物。
(項目22)
マルチウェルプレートであって、前記マルチウェルプレートの区画は、項目20又は21に記載の前記組成物を含む、マルチウェルプレート。
(項目23)
前記マルチウェルプレートの区画は、50から1億個の細胞又は核を含む、項目22に記載のマルチウェルプレート。
(項目24)
液滴であって、項目20又は21に記載の前記組成物を含む、液滴。
(項目25)
前記液滴は50から1億個の細胞又は核を含む、項目24に記載の液滴。
(項目26)
複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製する方法であって、
(a)単離された核又は細胞を含む第1の複数の区画を提供し、各区画の前記単離された核又は細胞をハッシングオリゴと接触させるステップであって、
前記ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合し、
前記ハッシングオリゴは核酸及びハッシングインデックスを含み、
各区画内の前記ハッシングインデックスは、ハッシュ核又はハッシュ細胞を生成するために、前記他の区画内のインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
(b)異なる区画の前記ハッシュ核又はハッシュ細胞を組み合わせて、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップと、を含む、方法。
(項目27)
複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製する方法であって、
(a)単離された核又は細胞を含む第1の複数の区画を提供し、各区画の前記単離された核又は細胞をハッシングオリゴと接触させるステップであって、
前記ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、吸収によって単離された核又は細胞と会合し、
前記ハッシングオリゴは核酸及びハッシングインデックスを含み、
各区画内の前記ハッシングインデックスは、ハッシュ核又はハッシュ細胞を生成するために、他の区画内のインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
(b)異なる区画のハッシュ核又はハッシュ細胞を組み合わせて、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップと、を含む、方法。
(項目28)
複数の核又は細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを調製する方法であって、
(a)核又は細胞を含む複数の区画を提供するステップであって、前記核又は細胞は、区画特異的なインデックスを含むハッシングオリゴを含む、ステップと、
(b)異なる区画からの前記核又は細胞を第2の区画に結合して、プールされたハッシュ核又はプールされたハッシュ細胞を生成するステップと、を含む、方法。
(項目29)
各区画の前記細胞を所定の条件に曝露するステップ、又は各区画の前記細胞を所定の条件に曝露し、次いで、ステップ(a)の前に複数の細胞から核を単離するステップを更に含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記所定の条件は薬剤への曝露を含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記薬剤は、タンパク質、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子、無機分子、RNA若しくはRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、薬物、又はこれらの組み合わせを含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
正規化オリゴの複数の集団を含む組成物であって、前記組成物は、第1のインデックス配列を含む正規化オリゴの第1の集団と、それぞれが前記他の集団の前記インデックス配列とは異なる固有のインデックス配列を含む正規化オリゴの他の集団とを含み、各集団の前記濃度は同じである、組成物。
(項目33)
正規化オリゴの複数の集団を含む組成物であって、前記組成物は、第1のインデックス配列を含む正規化オリゴの第1の集団と、それぞれが前記他の集団の前記インデックス配列とは異なる固有のインデックス配列を含む正規化オリゴの他の集団とを含み、前記集団のうちの少なくとも2つの前記濃度は異なる、組成物。
(項目34)
正規化オリゴの複数の集団を含む組成物であって、前記組成物は、第1のインデックス配列のセットを含む正規化オリゴの第1の集団と、それぞれが前記他の集団の前記インデックス配列のセットとは異なる固有のインデックス配列のセットを含む正規化オリゴの他の集団とを含み、各集団の前記濃度は同じである、組成物。
(項目35)
正規化オリゴの複数の集団を含む組成物であって、前記組成物は、第1のインデックス配列のセットを含む正規化オリゴの第1の集団と、それぞれが前記他の集団のインデックス配列の前記セットとは異なる固有のインデックス配列のセットを含む正規化オリゴの他の集団とを含み、前記集団のうちの少なくとも2つの前記濃度は異なる、組成物。
(項目36)
前記組成物は、2から100個の正規化オリゴの集団を含む、項目32から35のいずれか一項に記載の組成物。
(項目37)
前記正規化オリゴは一本鎖DNAを含む、項目32から35のいずれか一項に記載の組成物。
(項目38)
前記正規化オリゴがは固有の分子識別子を含む、項目32から35のいずれか一項に記載の組成物。
(項目39)
前記正規化オリゴはユニバーサル配列を含む、項目32から35のいずれか一項に記載の組成物。
(項目40)
前記正規化オリゴは非核酸成分を含む、項目32から35のいずれか一項に記載の組成物。
(項目41)
前記非核酸成分はタンパク質を含む、項目40に記載の組成物。
(項目42)
前記非核酸成分はタンパク質を含む、項目41に記載の組成物。
(項目43)
前記第1の集団は最低濃度の正規化オリゴで前記組成物中に存在し、前記他の集団のうちの1つは最も高い濃度の正規化オリゴで前記組成物中に存在し、最低濃度及び最高濃度は、1から10,000の係数で異なる、項目33又は35のいずれか一項に記載の組成物。
(項目44)
複数の区画であって、各区画は項目32から35のいずれか一項に記載の前記組成物を含む、複数の区画。
(項目45)
前記区画はウェル又は液滴を含む、項目44に記載の複数の区画。
(項目46)
各区画は核又は細胞を更に含み、正規化オリゴの前記複数の集団は前記核又は細胞と会合する、項目44に記載の複数の区画。
(項目47)
前記各集団の正規化オリゴの前記濃度は、少なくとも0.001ゼプトモルから100アトモル以下から選択される、項目44に記載の複数の区画。
(項目48)
核又は細胞の集団であって、前記核又は細胞は項目32から35のいずれか一項に記載の前記組成物を含み、正規化オリゴの各集団のメンバーは前記核又は前記細胞と会合する、集団。
(項目49)
核又は細胞と正規化オリゴとの間の前記会合は非特異的である、項目48に記載の集団。
(項目50)
複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを正規化する方法であって、
(a)単離された核又は細胞を含む第1の複数の区画を提供するステップと、
(b)各区画の単離された核又は細胞を、項目32から35のいずれか一項に記載の前記組成物と接触させるステップであって、正規化オリゴの各集団のメンバーは単離された核又は細胞と会合している、ステップと、
(c)異なる区画の標識核又は標識細胞を組み合わせて、プールされた標識核又はプールされた標識細胞を生成するステップと、を含む、方法。
(項目51)
各区画の前記細胞を所定の条件に曝露するステップ、又は各区画の前記細胞を所定の条件に曝露し、次いで、ステップ(a)の前に複数の細胞から核を単離するステップを更に含む、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記所定の条件は薬剤への曝露を含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記薬剤は、タンパク質、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子、無機分子、RNA若しくはRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、薬物、又はこれらの組み合わせを含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
ステップ(b)の前に、各区画の前記単離された核又は細胞をハッシングオリゴと接触させるステップであって、
前記ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合し、
前記ハッシングオリゴは核酸及びハッシングインデックスを含み、
各区画内の前記ハッシングインデックスは、標識付きハッシュ核又は標識付きハッシュ細胞を生成するために、前記他の区画内のインデックス配列とは異なり、かつ前記区画内に存在する正規化オリゴのインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
異なる区画の前記標識ハッシュ核又は標識ハッシュ細胞を組み合わせて、プールされた標識ハッシュ核又はプールされた標識ハッシュ細胞を生成するステップと、を更に含む、項目50に記載の方法。
(項目55)
前記正規化細胞又は単離された核を固定するために、前記細胞又は核を架橋化合物に曝露するステップを更に含む、項目50に記載の方法。
(項目56)
前記架橋化合物は、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、又はメタノールを含む、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記正規化オリゴと前記細胞又は単離核との間の会合は非特異的である、項目50に記載の方法。
(項目58)
前記正規化オリゴと前記細胞又は単離された核との間の前記非特異的会合は、吸収によるものである、項目57に記載の方法。
(項目59)
単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法を使用してプールされた標識ハッシュ細胞又はプールされた標識ハッシュ核を処理して、前記複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを得るステップを更に含み、前記核酸は複数のインデックスを含む、項目54に記載の方法。
(項目60)
前記単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法は、単一核トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトーム及びトランスポゾンアクセス可能なクロマチンシークエンシング、単一核の全ゲノムシークエンシング、トランスポゾンアクセス可能なクロマチンの単一核シークエンシング、sci-HiC、薬物-seq、sci-CAR、sci-MET、sci-Crop、sci-perturb、又はsci-Crisprである、項目59に記載の方法。
(項目61)
複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを正規化する方法であって、
(a)単離された核又は細胞を提供するステップと、
(b)前記単離された核又は細胞を、項目32から35のいずれか一項に記載の前記組成物と接触させるステップであって、正規化オリゴの各集団のメンバーは単離された核又は細胞と会合している、ステップと、
(c)前記標識核又は標識細胞のサブセットを複数の区画に分配するステップと、を含む、方法。
(項目62)
前記細胞を所定の条件に曝露するステップ、又は前記細胞を所定の条件に曝露し、次いで、ステップ(a)の前に複数の細胞から核を単離するステップを更に含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記所定の条件は薬剤への曝露を含む、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記薬剤は、タンパク質、非リボソームタンパク質、ポリケチド、有機分子、無機分子、RNA若しくはRNAi分子、炭水化物、糖タンパク質、核酸、薬物、又はこれらの組み合わせを含む、項目63に記載の方法。
(項目65)
ステップ(c)の後に、各区画の前記単離された核又は細胞をハッシングオリゴと接触させるステップであって、
前記ハッシングオリゴの少なくとも1つのコピーは、単離核又は細胞と会合し、
前記ハッシングオリゴは核酸及びハッシングインデックスを含み、
各区画内の前記ハッシングインデックスは、標識付きハッシュ核又は標識付きハッシュ細胞を生成するために、前記他の区画内のインデックス配列とは異なり、かつ前記区画内に存在する正規化オリゴのインデックス配列とは異なるインデックス配列を含む、ステップと、
異なる区画の前記標識ハッシュ核又は標識ハッシュ細胞を組み合わせて、プールされた標識ハッシュ核又はプールされた標識ハッシュ細胞を生成するステップと、を更に含む、項目61に記載の方法。
(項目66)
前記正規化細胞又は単離された核を固定するために、前記細胞又は核を架橋化合物に曝露するステップを更に含む、項目61に記載の方法。
(項目67)
前記架橋化合物は、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、又はメタノールを含む、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記正規化オリゴと前記細胞又は単離核との間の会合は非特異的である、項目61に記載の方法。
(項目69)
前記正規化オリゴと前記細胞又は単離された核との間の前記非特異的会合は、吸収によるものである、項目68に記載の方法。
(項目70)
単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法を使用してプールされた標識ハッシュ細胞又はプールされた標識ハッシュ核を処理して、前記複数の単一核又は単一細胞から核酸を含むシークエンシングライブラリーを得るステップを更に含み、前記核酸は複数のインデックスを含む、項目65に記載の方法。
(項目71)
前記単一細胞コンビナトリアルインデクシング方法は、単一核トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトームシークエンシング、単一細胞トランスクリプトーム及びトランスポゾンアクセス可能なクロマチンシークエンシング、単一核の全ゲノムシークエンシング、トランスポゾンアクセス可能なクロマチンの単一核シークエンシング、sci-HiC、薬物-seq、sci-CAR、sci-MET、sci-Crop、sci-perturb、又はsci-Crisprである、項目70に記載の方法。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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